月刊労働運動-Home> 労働法制/政策 > | 記事 >

■地平線―反戦共同行動委員会―秘密保護法との闘いの現場報告

月刊『労働運動』26頁(0286号12面01)(2014/01/01)


 

■地平線―反戦共同行動委員会―

秘密保護法との闘いの現場報告
 

 


富田翔子(NAZEN事務局/東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会)

 これほど悔しく、同時にあったかくて、命の深いところで出会える闘争がいままであっただろうか。秘密保護法が焦点化されたことで反原発が、そして労働運動が問われた課題と見せられた展望はかけがえのない歴史的価値だ。

 街頭に出たくてウズウズする、そんな感覚は久しぶりだ。昨年9月末、山本太郎さんの
街宣が始まり、そのボランティアの中から独自の周知活動をやろうと広がった。原宿や吉祥寺、都心の派手な街中でフラッシュモブ、戸越銀座や浅草などの商店街をプラカードを持って練り歩き、一人でもツイキャスしながらビラまき、個性豊かな方法で展開した。
 「秘密保護法ご存知ですか?」のシール投票で、日に日に「知っている」の人が増えてゆき、そのうち95%は「反対」。足を止める人も多く、続々と街角対話が生まれた。衆院で強行採決されて以降、特に怒っている人が増えるなど、毎回本物の「民意」が聞こえてドラマチックだ。
 生き生きと街頭で関係を生むことができる活動の中で信頼関係はどんどん深まり、生活を削って必死に出てきていても仲間に悲壮感はない。

職場の仲間も一緒に闘った

 職場でも日一日、秘密保護法の話題は増えた。普段は微妙な同僚も「翔子さんが逮捕されたら、さすがに俺も闘いますよ」とか、仕事の合間に国会前中継のツイキャスを流していたら、タイ人の子も「何のプロテスト?」と興味津々。解雇撤回や反原発デモを一緒にやってきたバトル系女子たちは無論、連日国会前に通う私をサポート。12月5日、6日は「私たちも後から行きます!」と21:30まで勤務の後、永田町に駆けつけた。そんな空気の中、超反動マネージャーですら、6日午後「早く国会前に行きたいから早退させて」と言う私に、「と、特別ですよ」と嫌味のひとつも言えなかった。
 6日夜、「保護法廃案!」のプラカード配りを手伝った職場の子は、それすら妨害する警察に生まれて初めての怒りをおぼえ「あんたら何を守ってるんですか!」と叫びたかったと大興奮だった。ハナコ分会長は10人の仲間と終電まで残った。福島出身の子は「議事堂を目前に悔しすぎたけど、国家も、アメアパも、福島も一緒なんだって、共に生き延びるための仲間との信頼関係を深めるしかないんだ」
と。翌7日渋谷の大デモで、仲間と集まっているところ太郎さんに遭遇した。紹介すると、「職場の子らも巻き込ん
でやっとるん、さすがやな~」。素直にうれしかった。

もっと力をつけたい!

 「廃案!」のコールが鳴り止まぬ中、幾万の群衆にもみくちゃにされながら、誰もが「もっともっと強くなりたい」と誓った。
 2012年紫陽花革命の直後に職場で組合を作った。あれから1年半、仲間は確実に増えた。小さな組合だけど団交もストライキもやった。でもまだ全然足りない。時間給を削って早退したり、国会前に通う交通費だけでも生活の負担だ。不当解雇の撤回・賃上げはもちろん、職場全体でストやって、いざとなったら店を閉めて全員で国会前に行けるくらいの強い組合をつくりたい。もっと力をつけたい!大好きな人たちと生きてくために。