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鈴木たつお候補と一体で労働組合復権にかけきった都知事選

月刊『労働運動』30頁(0288号05/01)(2014/03/01)



鈴木たつお候補と一体で労働組合復権にかけきった都知事選


吉本伸幸(労組選対本部長)
2014年は「現代革命への挑戦へ」。自分が都知事選に鈴木たつおさんが立候補すると聞いたのは、1月9日でした。昨年、猪瀬前都知事を労働者の怒りで打倒しました。我々が都知事選に挑戦するという話は耳に入っていました。しかし、この革命的都知事選挑戦をどれだけの仲間が意識し想像をしていたでしょうか。鈴木たつお弁護士が立候補を決断。ハッキリ言って驚きはしませんでした。我々が権力を取りに行く宣言、「革命への挑戦と革命選挙」「時代が来た」が率直な気持ちでした。
 崩壊し始めた新自由主義の中で、民営化・非正規職化と労組破壊、そして改憲と戦争、原発再稼働と治安弾圧を労働者人民に強制し延命への暴走を開始した自民党安倍政権。しかし、自民党安倍政権の絶望的凶暴化は全く展望のないものです。今回の都知事選で、自民党を除名した金権腐敗とスキャンダルにまみれた舛添を急遽、都知事候補に仕立て上げなければならないほどの危機です。
 その一方で、極右ファシスト勢力の登場と、決定的な反革命として登場したのがスターリン主義の日本共産党です。この情勢の中、全ては支配階級の危機であり、我々自身が職場生産点を土台に切り開いてきた革命情勢の到来に他なりません。都知事選に登場した鈴木たつおさんは、労組交流センターに結集する労働者・労働組合と一体になり、その先頭で闘ってきた仲間であり、国鉄分割・民営化反対闘争が生み出した筋金入りの革命家です。
 鈴木たつおさんは、「労働者こそ社会の主人公」「闘う労働組合を復権させよう」「労働者の団結で社会を変えよう」「安倍政権を打倒しよう」と真正面から訴え、1300万東京の労働者人民の前に選択肢として登場しました。労組交流センターは1989年結成以来、そして2011年3・11以来、団結し生き抜く闘いをやり抜いてきました。自らの存在と決断、挑戦をもって、労働者階級の決起を抹殺せんとする支配階級に決定的な団結の力で痛打を浴びせ、それを支える全体制内勢力をガタガタにしたのです。
 鈴木たつおさんの都知事選スローガン、「戦争させない」「被爆させない」「貧困・過労死許さない」「だから、オリンピックはやらない」「1千万人の怒りでアベを倒そう!」は、闘う労働組合、闘う労働者、我々が職場で闘ってきた内容と一体であり革命選挙への挑戦そのものです。
 選挙戦17日間、毎晩、選対本部会議が開催されました。鈴木さんを先頭に、老若男女多くのボランティア、青年、学生、全ての仲間、ユニオン、交流センター総動員・総決起で闘いました。都内全地域約14000ヶ所の掲示板に100%貼りきったポスター大作戦に始まり、約9万近い公選ハガキを書き切り、3万人への電話をかけきるという形で、支配階級の無視抹殺攻撃を打ち破り、労働者人民の怒りを結合するために闘い抜きました。
 我々労組選対の闘いが底力を発揮しました。各地区交流センターの仲間が、普段から地道に1047名解雇撤回の10万筆署名と物販、鈴コン分会解雇撤回闘争支援で労働組合復権をかけてやってきた労組オルグ回りが都知事選の中で実を結び爆発したのです。
 都知事選過程で、支配階級の危機が決定的に深まる中、体制内労働運動の没落と転向が一層促進されました。落ちるとこまで落ちた連合東京は、舛添支持を決定しました。こうした中で、鈴木たつおさんの登場と我々労組選対による労組回りが、労働組合の本部、各支部、各分会に激震を生み出しました。東京の清掃労組や水道労組などでは「動労千葉と9・25判決を知っている」と反応し、共産党の宇都宮支持を決めていた支部の書記長が「本部が決めたが、選挙は個人の自由、自主投票」と言って、鈴木たつおさんの資料を職場のわかりやすい場所に置く、あるいは貼るという決起がおこりました。ある組合では「組合は宇都宮指示だが、4・28裁判の時に、鈴木たつお弁護士が解雇撤回を貫いて闘ってくれた。だから俺は鈴木たつおさんに入れると組合の会議で話をした」と言う青年労働者も出てきました。
 新自由主義崩壊の中で、連合をはじめ体制内労組による労働者支配を足元から突き崩し、獲得していく大党派闘争の開始、体制内労組幹部の制動を打ち破る各支部、各分会との合流の開始、そして労組回りをはじめとした日々の地道な地を這うような実践が、選挙戦という大衆的行動の中で、拠点建設の闘いとして都知事選で勝ち取られたのです。
 さらに、自らの職場においては闘いの前進と団結拡大として都知事選を使い切り、組織強化が大きく前進・発展し、「解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃」を闘う労働組合の復権と鈴木たつおさんの勝利が一体のものとして語られました。
 労組選対の挑戦は、既成の都知事選を一変させる闘いでもありました。鈴木たつおさん街宣隊と労組選対が「職場から闘う労働組合を甦らせ、労働者は立ち上がろう」「労働者が東京から革命をおこそう」「14春闘を闘おう」と呼びかけ、ビラを配り、労働相談を一体で行ったのです。闘いの実践から労働者は学習し、毎日都知事選での労組選対ニュースをリアルタイムで出すことが出来ました。今後も合同一般労組全国協議会、交流センター組織拡大へと、名称は変えますが、職場闘争、労組回り、組織拡大等に活用していくように続けていきたいと考えています。
 雨の日も寒波の時も豪雪の時も、明るく、楽しく、元気に街宣隊中核を担った青年・学生同志に心から敬意を表します。労組選対もその明るさと元気と1ミリの迷いもない団結の素晴らしさと一体で闘い抜けたことを誇りに思います。青年・学生同志と共に、自己解放的に革命を掲げ、団結した階級的力で都知事選を闘い続けたことに改めて感謝します。
 我々の権力を取りに行く闘いが爆発・進化を開始しました。安倍政権と資本家は日々矛盾と破綻を深めています。都知事選で獲得した12684人の労働者に対し、我々は、合理化・外注化阻止、解雇撤回、非正規職撤廃、反原発、改憲・戦争阻止、職場から闘う労働組合を甦らせていこうと呼びかけ、革命への挑戦を続け、「貧困・過労死を許さない!」14春闘に攻め上っていき、組織拡大の闘いを前進させていきましょう。