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地平線―反戦共同行動委員会―市東さんの農地を守る三里塚産直を

月刊『労働運動』30頁(0289号12/01)(2014/04/01)



地平線―反戦共同行動委員会―

市東さんの農地を守る三里塚産直を


ふろむあす事務局
 3・23三里塚全国集会が950名の結集で開催された。「霞ヶ関に攻め上ろう!」。国策を阻んで48年勝利し続けてきた三里塚の闘いは、ついに首都での全国集会を勝ちとった。
 反対同盟農民・全国の農民と労働者との固い労農連帯のもと実現された。動労千葉・動労水戸・関西生コンをはじめ闘う労働組合、福島の仲間、全国農民会議、沖縄など全国の闘う労組・団体が赤旗を林立させ結集した。

国鉄と三里塚ぼ闘争はひとつ

 国鉄分割・民営化法案の可決が強行されたのは1986年。この年、三里塚二期工事着工攻撃が強行され、反対同盟農家に対する激しい攻撃が開始された。
 当時の中曽根行革攻撃は、国鉄労働運動の解体を最大のターゲットとしつつ、三里塚への攻撃を突破口として農民にもかけられてきた。「国鉄の次はコメだ。食管をつぶし、コメ輸入自由化に道をひらく」として、「農民は保護されすぎている」という激しい農業・農民バッシングが展開され、戦後農政の解体、労働者と農民の分断、農業・農民の壊滅という新自由主義攻撃に突き進んできた。いまや帝国主義は、TPPや減反政策廃止など資本の生き残りのために、一切の「農業政策」を放棄して農地を大資本に売り渡し農民・農業を壊滅させようとしている。
 48年の三里塚闘争は、反対同盟農民と労働者の固い連帯として、空港建設という国策を阻んで敵を追い詰めてきた。三里塚闘争がある限り安倍は戦争へ踏み込めない。不屈の三里塚農民の実力闘争と動労千葉を先頭とした階級的労農連帯の力だ。
 市東さんの農地を守る闘いは新自由主義攻撃との闘い、労農連帯の最先端にある。国鉄最高裁闘争と市東さんの農地裁判東京高裁闘争は一つの闘い。労働者と農民の団結で新自由主義に勝利しよう。

農地を守る三里塚産直を

 市東さん、萩原さんの「三里塚産直の会」(東峰・天神峰)は、二期着工攻撃を迎え撃つ84年から無農薬有機野菜の産直取り組みを開始。88年から「闘う農民が生産する農作物を、労働者と直結させる」運動として産直定期配送を開始した。幾多の脱落や裏切りを乗り越え、26年を迎える。
 私達は、当初から三里塚産直運動の一翼を地域の消費者と担ってきた。地味ではあるが三里塚の闘いを根底で支える力になってきたと確信している。市東さんの農地を奪う攻撃がかけられている中、産直の「農民と消費者」の関係を「農民と労働者」への関係に発展させることが、広範な労農連帯へのカギとなる。故萩原進さんは「我々の産直野菜は商品じゃないんだよ。農民と消費者が連帯、共同するための橋渡しとでもいったらいいかな」と言っていた。
 今年の産直総会は代表・萩原進さんの急逝という大きな悲しみと節目の中でもたれた。「今回の総会は、萩原進亡き後の再出発の日と位置づけて臨んでいます、産直の会の新しい代表は決めず、市東孝雄、萩原富夫が共同で会を守り育てて行く決意です」(農家からの提起)と再出発を誓うものとなった。市東さんの農地強奪攻撃・控訴審決戦勝利へ三里塚産直の拡大を進めよう。