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■特集- 4・19尼崎事故弾劾 9周年闘争報告

月刊『労働運動』34頁(0290号03/05)(2014/05/01)



■特集 国鉄分割・民営化は破綻! 職場に闘う労働組合を!

安全崩壊のJR打倒を宣言!

4・19尼崎事故弾劾 9周年闘争報告
 

 


富田 益行(国労兵庫保線分会)
 4・19尼崎事故弾劾9周年闘争に全国から360名が結集し、事故現場まで怒りのデモが貫徹された。4・16鈴木コンクリート工業分会の解雇撤回勝利判決が、国鉄1047名解雇撤回・最高裁闘争とリンクし、全参加者の闘争意欲をいやが上にも高めた。

●JR労働運動の責任勢力として登場!

 4・19尼崎闘争が示した勝利性の第1は、北海道事故・JR東の京浜東北線川崎駅事故をうけ、分割・民営化体制が全面崩壊するなかで、動労千葉・水戸・西日本など動労総連合、郡山工場・新潟地本などの国労共闘が、JR労働運動の責任勢力として、その内実・実体を持って登場していることが、全参加者にわかる集会であったことだ。
 主催者挨拶に立った動労千葉の中村仁執行委員は、「この間の事故をみてわかるように、分割・民営化は間違っていた。JR尼崎事故闘争の意義はますます強まっている。安全を守れない列車を走らせないのが労働者の闘いだ。危険な原発や列車は労働者のストライキで止めるべきだ」と、動労千葉の反合・運転保安闘争路線で資本に安全を強制してきた教訓から、尼崎闘争の意義を語った。そして「4月16日最高裁へ3万5千筆の署名提出を行った。6・8までに10万筆を集め、全国から6・8国鉄集会に結集して下さい」と訴えた。
 次に、3・11郡山集会を全国結集で勝利させた国労郡山工場支部の橋本書記長は「動労水戸のK544被曝労働拒否の闘いによって、国労郡工の仲間は闘いに立ち上がり、動労千葉・水戸の外注化阻止の闘いが新潟・新津車両の外注化阻止闘争につながっている」と、動労・国労共闘が、被曝労働拒否・外注化阻止でJR資本の攻撃に根底から怒っている青年労働者に応えて闘い抜き、青年労働者の心を掴みつつあることを明らかにした。
 さらに、動労水戸の石井委員長から、被曝労働拒否・福島の怒りと切り結ぶ「常磐線・竜田延伸阻止」の闘いが報告された。「子供たちを放射線が高線量の竜田駅までポケモン列車に乗せるイベントにストライキで闘い、2・23いわき闘争を成功させた。3月ダイヤ改正で竜田延伸をできないようにさせた」と報告がされた。また、「水戸鉄道サービスがプロパーの青年労働者を郡山工場で6か月、大子で6か月『即席』で養成し仕業検査をやらせようとしている。動労水戸のスト破り要員を配置するためだ。千葉鉄道サービスでも19名が配置されようとしている。外注先青年労働者を動労総連合の組合に組織し、ともに外注化阻止・運転保安を闘おう」と同時ストライキで外注化をぶっ飛ばす展望を明らかにした。
 動労西日本の大江委員長から「尼崎・北海道・羽越線事故等はJRの犯罪行為だ。JR西日本は高見運転士1人に責任を負わせ、JR北海道では23歳の青年労働者を解雇した。全ての責任はJRにある。JR労働運動の責任組合として、東海から九州まで全てのJR及び関連で働く青年労働者を組織するために全力で闘う」と、青年労働者の組織化に特化して闘っている報告がなされた。

●国鉄を基軸に全産別で拠点労組を!

 4・19尼崎闘争が示した勝利性の第2は、新自由主義攻撃の本質が民営化・外注化・非正規化を通した労働組合根絶攻撃であることを見抜き、動労千葉と総連合が切り開いてきた検修全面外注化阻止・外注先青年労働者組織拡大、被曝労働拒否・青年労働者組織拡大で勝利していく路線を全産別化したことだ。
 敵の労働組合根絶攻撃に対し、組織拡大で闘う労働組合が主流派となっていく国鉄闘争が、全産別・全社会に通用し勝利する革命路線だということが、国鉄闘争全国運動・関西準備会に結集する9つの労働組合の実践報告によって明らかにされた。
 港合同・中村委員長は、官民分断を打ち破って、大阪維新の会・橋下を労働組合の団結と闘いで追い詰めていること、連合JAMと袂を分かって以来5・1地域メーデーを拠点労組の責任として貫徹していると報告された。続いて、関西地区生コン支部・武谷書記次長は、生コン産業の中小零細企業の労働組合を結集させ、大手ゼネコン・セメントメーカーとストライキで対峙し、今春闘では大手メーカー・太平洋セメントの出荷基地を4日間のストライキで止めたことを報告された。
 大阪市職労の青年労働者は、新自由主義者・橋下の労働組合破壊攻撃に「仕事のミス・事故の責任は全て市当局にあり、労働者に一切の責任なし」の動労千葉の反合・運転保安闘争から導きだされた原則に則って闘っていると発言した。そして、「団結権を武器に団結の拡大で橋下を打倒寸前まで追い詰めている。自らにかけられた分限免職のための『相対評価制度』と闘い、『指導研修送り』という首切りセンター送り攻撃との闘いで、団結拡大を軸に闘う労働組合をつくることが、橋下を打倒し勝利する道だ」と喝破した。
 八尾市の拠点労組として、関西合同労組と共に青年労働者の組織拡大を勝ち取っている八尾北医療センター労組、同様に高槻市の拠点労組として登場しようとしている高槻医療福祉労組、日教組奈良市等々、自信に満ちた発言が続いた。

●交流センターと一体で青年の獲得へ!

 第3の勝利性は、3・11勝利のために郡山工場の門前に福島・郡山地域の交流センターの仲間が立ち、連日闘ったことであり、3・10新津車両所への外注化阻止闘争に新潟労組交流センターが国労共闘・新潟と一体で体制内派の制動を打ち破って戦闘的デモを成功させたことだ。地域交流センターが拠点労組建設に全力で決起しよう。
 来年は尼崎事故10周年の節目の年だ。拠点労組と青年労働者隊列を圧倒的に登場させよう。