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5・15沖縄闘争を拠点建設・組織拡大にむけて闘う

月刊『労働運動』34頁(0290号05/01)(2014/05/01)



5・15沖縄闘争を拠点建設・組織拡大にむけて闘う

(写真 4月1日、解雇撤回を求めてIJBS門前で闘った)

 昨年の5・15闘争を、私たち は「基地の島から国際連帯の島へ」「新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ」を掲げて闘いました。この闘いは、階級的労働運動と国際連帯闘争で安保・沖縄闘争を勝利させていく、私たち沖縄労組交流センターにとって、新たな闘いへの挑戦の開始でした。
 本年5・15闘争を、私たちは、2013年の闘いをさらに発展させ、国際連帯闘争の深化を全国の仲間とともにつかみ取っていく闘いとして成功させていく決意です。
 階級的労働運動と国際連帯闘争で安保・沖縄闘争に勝利していくことは、新自由主義の時代に「万国の労働者団結せよ」の闘いを復権させる闘いです。民営化・外注化・非正規職化の攻撃にさらされている青年労働者や学生の存在と怒り、闘いの中に、真のマルクス主義があるのです。

■沖縄の労働者の本質は基地労働者


 沖縄の労働者は「基地の島」であるかぎり、その本質は基地労働者であり、基地労働者の存在と闘いに規定されています。
 基地で働く労働者こそが、日米安保の実態でもあります。基地労働者は存在そのものが世界の労働者と一体であり、資本の労働者支配を強制する米軍基地を日々、維持運営している主体でもあります。労働者国際連帯闘争の要としての基地労働者、沖縄の労働者ということです。
 基地労働者も原発労働者も「使い捨て」の存在として扱われてきました。だから、基地においては、労働者の団結や労働組合の存在など認められていません。労働者、労働組合が闘うことなど、支配階級にとって絶対に容認できないことなのです。しかし、労働者は自らの存在を否定されれば否定されるほど、自己解放的に闘いに立ち上がります。基地労働者や原発労働者は、その基地や原発を廃絶することを通して、労働者階級として解放される存在です。この矛盾、「解雇撤回・基地撤去」の闘いは、プロレタリア世界革命の中でしか解決できないのです。

■沖縄振興策の多くの職場はコールセンター

 「復帰」以降の沖縄の現実は、新自由主義の先駆けとしてありました。支配階級は、米軍支配を無力化させた基地労働者の闘いを圧殺すべく、労働組合破壊を強力に推し進め、「沖縄振興策」という攻撃を行ってきました。
 新自由主義は、戦争と民営化・外注化・非正規職化で、労働者を分断し、資本の支配を貫徹しようとします。今、沖縄の基地をめぐる攻撃、辺野古新基地建設攻撃は、新自由主義攻撃の最たるものです。基地建設と激突して闘いぬいている者こそ、「復帰」以降の世代の青年を中心にした私たち労働者です。
 本年1月に行われた名護市長選挙の結果は、「オール沖縄」の力ではありません。「基地も振興策もいらない」と立ち上がった沖縄労働者の階級的力です。それは、基地との引き替えで行われてきた振興策に対する沖縄の労働者の怒りです。
 振興策でつくられた多くの「働く場」が、コールセンターです。現場は、偽装請負が横行し、日米の資本が沖縄の青年労働者を徹底した使い捨ての労働力として食い物にしています。「嫌なら辞めていただいて結構」「成績が悪いから辞めていただく」ということが当たり前とされ、非正規であるが故に雇い止め=解雇が横行しています。振興策の実体は、沖縄の労働者、とりわけ青年労働者に対して、外注化と非正規職化しかもたらしませんでした。外注化・非正規職化、団結破壊・組合破壊が、沖縄の労働者支配であり、米軍基地の安定的護持という重要な役割を担っているのです。
 このような現実に怒りが燃え上がり、沖縄(名護)の労働者は、新自由主義と、軍事基地によって生み出される、非正規という生きられない現実を拒否したのです。
 当選した稲嶺名護市長は、県内の自治体に先駆けて窓口業務の民間委託を行ってきた市長です。「オール沖縄」を盾にしながら、体制内労働組合に民営化と外注化を容認させ、組合破壊を率先して行ってきた張本人です。このことを見抜いて、沖縄の労働者の自己解放的な闘いが始まっています。外注化・非正規職化と闘う労働組合を職場に取り戻していくことが、基地撤去・辺野古新基地建設阻止の唯一の勝利の道です。

■IJBS書記長の解雇との闘い

 外注化・非正規職化と闘う労働組合を職場に取り戻す闘いが、現在、日本IBMビジネスサービス労働組合(IJBS)書記長への解雇撤回闘争として闘い抜かれています。
 「非正規職撤廃」は全世界の労働者の共通のスローガンになっています。韓国の労働者は、民主労総を先頭に、「民営化絶対反対」を貫いて闘っています。
 沖縄では、「基地の島から国際連帯の島へ」「新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ」の闘いが、青年労働者を先頭に闘いぬかれているのです。
 IJBS労組書記長の解雇攻撃は、沖縄の非正規職の青年労働者すべてにかけられた攻撃です。外注化・非正規職化された職場で、雇い止め=解雇に多くの青年労働者が泣き寝入りさせられてきました。しかし、「闘うことができる」、「闘う労働組合があれば、解雇撤回はできる」ことを、IJBS労組は力強く指し示しています。
 同時に、体制内労働組合への怒りが急速に組織されています。闘う労働組合をとり戻そうという闘いが燃えあがろうとしています。
 この闘いを生み出したのは、分割・民営化絶対反対、解雇撤回の国鉄闘争であり、動労千葉の反合理化・運転保安闘争、外注化阻止・非正規職撤廃の階級的労働運動です。
 私たちは、基地労働者の闘いを戦略的な基軸にすえながら、コールセンターを軸とする外注化された職場で、「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いを、「基地の島」の根底的変革をかけた闘いとして重視し取り組みます。 沖縄労組交流センターは、沖縄における労働運動の主流派=責任勢力として飛躍し、拠点建設、組織拡大へ結実させていきます。
 5・15闘争への組織化に全力をあげ、全国・全世界の闘う仲間と団結して闘います。
(沖縄労組交流センター)