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鈴コン分会の勝利は闘う労働組合の勝利!

月刊『労働運動』34頁(0290号06/01)(2014/05/01)


 

■闘う合同・一般労組

鈴コン分会の勝利は闘う労働組合の勝利!
 

 

(写真 4・16東京地裁前勝利判決集会)

鈴木コンクリート工業分会 分会書記長 吉本伸幸
 4月16日は、動労総連合の強制出向無効確認訴訟と東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会(鈴コン分会)の地位確認等請求事件裁判の判決、最高裁への第2回目の「解雇撤回・JR復帰」署名の提出行動が一日総行動として打ち抜かれました。
 午後1時10分、鈴コン分会地位確認等請求事件裁判の判決が、東京地裁632号法廷で言い渡されました。主文「原告ら(鈴コン分会解雇当該三役3人)が、被告(有限会社東豊商事鈴木富美子社長)に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」「被告は、原告(3人)に対し、未払い賃金並びに本判決確定の日まで毎月賃金を支払え」「この判決は賃金支払いに限り仮に執行する」。
 傍聴者の仲間1人が法廷から飛び出し、「勝利判決! 解雇撤回! 賃金支払いの仮執行命令!」と伝えると、廊下にあふれた100人近い支援者は「やったー! 勝ったぞ」と言う歓声と興奮に包まれました。鈴コン分会の組合員3人はガッツポーズで「勝ちました」と勝利を示し、支援共闘・連帯会議代表の花輪不二男さんは、満面の笑みを浮かべて支援者と次々に握手を交わしました。結集した全ての仲間は、直ちに裁判所の外で勝利集会を行い、鈴コン分会の弁護団が「完全勝利!」を宣言し、花輪さんは「労働者の団結が最後の勝利をつかむ。私たちは絶対に負けない。非正規職の先頭で闘い続ける」と決意を語りました。組合員が発言し、書記長である私は「3ヶ月雇用の非正規の労働者でも職場で労働組合を作り断固闘えば勝利できる。不当な解雇を撤回させた! 我々は職場に戻る! これからが闘いの第2ステージの始まりだ!」と宣言しました。
 闘う最強3人弁護団の皆さん、共闘会議呼びかけ人代表花輪さん始め、全ての呼びかけ人の皆さん、支援共闘で闘い続けた全ての仲間と合同・一般労組全国協の全ての同志の皆さん、鈴コン分会は「労働組合で闘って勝利しました」団結の勝利です。「ありがとうございます」心から御礼申し上げます。今こそ「職場で闘う労働組合を作って闘おう!」と胸を張って実践し、闘っていきましょう。
 社会は安倍政権と経団連の解雇自由化・規制緩和・総非正規化・長時間労働、過労死・権利侵害・外注化の嵐のような攻撃が吹き荒れています。地方公務員法改悪が閣議決定から1ヶ月で衆院本会議で強行されている情勢の中で、そうした攻撃を追認してきた反動の牙城、東京地裁労働部で、「労働組合で団結して闘えば勝てる」事を示したことは大きな勝利だと思います。
 「解雇が無茶苦茶」とか「ひど過ぎる解雇だから勝てた」のではなく、職場に徹底的にこだわり、労働組合運動として闘ったから裁判でも勝った、勝利を我々が力でもぎり取ったのだと積極的に総括していきたいと思います。ですから「3ヶ月雇用の非正規職の労働者でも職場で仲間と団結し労働組合を作って闘えば負けない。勝利する」「こちらが団結を崩さず、労働組合で闘い続けていけば勝利の道は切り開くことが出来る」この事をもう一度確認し、全ての職場で実践していきましょう。
 鈴コン分会裁判判決内容の最大の柱である三役3人解雇について、「解雇には客観的に合理的な理由はない。雇用契約関係は現にある」と、解雇無効を勝ち取りました。さらに仮執行がつくことで、会社側が控訴・上告しても賃金を支払わないといけない。遅れた場合は6%の利息がつくとなっています。
 判決の核心は、鈴コン分会の活動がまぎれもない「労働組合活動である」との認定です。したがって「少々の品位に欠けようが、誇張があった発言だけで解雇の理由などにならないし、民事免責が適用される」ということです。それらの発言にはかなり事実裏付けがある。御用団体との精勤・皆勤手当での締結を速やかに鈴コン分会に提示せず説明もしていない、会社には過積載や社会保険未加入などの法令違反があった、特定の従業員のみに支払われる特別手当(あなただけ手当・スパイ手当)が存在したことも認定されました。重要なことは事実上、「鈴コン分会当該3人は、期限の定めのない雇用」であることの再確認がされたことです。
 4月18日、鈴コン分会解雇撤回勝利総決起集会が160人の仲間と共に大成功を勝ち取りました。早速、職場で勝利報告社前闘争を行いました。鈴コン分会が闘い続けた完全勝利を、仲間は大変喜んでくれました。会社・管理職と御用団体SJKは悲壮な面をして顔面蒼白になっていました。「我々鈴コン分会は勝った!」「原職復帰させろ!」「もう観念しろ!」と、社前で怒りのアジテーション。
 会社は控訴するでしょうが、鈴コン分会は、解雇撤回・職場復帰まで闘います。さらに職場丸ごとの組織拡大と首広連の勝利、ストライキ会議のますますの労働運動発展にむすびつけて闘っていきたいと思っています。
 こうした原則的な闘いをずっと労働者・労働組合の先頭で担ってきたのが動労千葉をはじめとする国鉄闘争です。4・16判決は動労千葉の東京地裁、東京高裁判決で「国家的不当労働行為を認定」させた事と一体です。国鉄最高裁闘争の勝利へ10万筆署名を職場で地域で徹底して集めきりましょう。
 戦争と改憲・総非正規職化と労組潰しに突き進む安倍政権を打倒しよう。学生と青年の決起を国鉄闘争と一体化させ、徹底的に職場にこだわり、職場で闘い、職場に闘う労働組合を作っていきましょう。労働組合の力で戦争を止め社会を根底からひっくり返す運動として発展させていきましょう。都知事選で現代革命へ挑戦し、我々は権力奪取へ驀進を開始しました。あくなき挑戦の闘いをさらに前進させていきましょう。鈴コン分会の勝利は闘いの始まりです。鈴コン分会は階級的労働運動の先頭で闘いを切り開き前進していきます。全国の仲間の皆さん、「負ける気がしねぇ!」闘う労働組合で勝利していきましょう!