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解雇撤回10万筆署名を達成して6・8を国鉄闘争の新たな出発点に

月刊『労働運動』34頁(0291号02/01)(2014/06/01)



解雇撤回10万筆署名を達成して6・8を国鉄闘争の新たな出発点に
 

 

 

★国鉄闘争全国運動・10万筆署名運動の呼びかけ人からの6・8集会にむけたアピール

体制変革を意識的に追求する時  鎌倉孝夫(経済学者・埼玉大学名誉教授)

JRの安全や経営破綻の情勢は、具体的に表われた新自由主義の破綻です。5月2日の動労千葉のCTSストライキは非常に重要ではないか。6・8集会を新たな闘争の出発点にする。非常に重要な闘いになると思いました。
 現代の情勢の特徴点は、新自由主義の崩壊が日本だけではなく世界的に表われている。
 外注化などで徹底的に労働分野の規制緩和が行われた。人間が人間として働いて生きる場に資本の自由が浸透したら崩壊する。だから規制をかけていた。その規制を「岩盤規制」として徹底的になくすところまできた。
 株価を高くすることで景気をよくする「擬制資本」は、資本の行き着く姿。資本の利潤追求を徹底して拡大すれば、労働者を虫けらのように使う体制を作らなくてはならない。
 労働者を人間として認めない、モノ・部品にする。事態はそこまで来ていて、それが具体的に様々な点で表われている。本格的な労働運動を確立しなければならない重要な時だ。
 この体制の中では労働者は人間として生きられなくなっている。この認識が重要。体制の限界が来ている。体制変革を目的意識的に追求していく次元になった。

闘いを広げる新たな声明を 芹澤壽良(高知短期大学名誉教授)

 今年に入ってから皆さんの会議に参加し、皆さん方の闘いの重要性、貴重さを実感してきました。今日も皆さん方のそれぞれの地域や地方で全国的に闘っておられる状況を具体的にお聞きする中で、今後の闘いに可能な限り協力していきたいと思っています。
 とりわけ職場・地域でいろんな困難の中で取り組んでおられる。その報告の中にいろんな変化が進んでいることを実感できました。その中で、6月8日の大集会を成功させよう、とりわけ新たな決意表明を提起しようということには大賛成です。
 やはり20数年にわたって闘い続けてきた事実をもっともっと広げていくことです。そういう状況を理解していただけるのは、実際いろんな攻撃と闘っている人の中に表われていると実感できました。そこを中心に、職場を中心とした地域の状況を変えることが大事だと思います。ぜひ、心を動かす立派な声明を作っていただきたい。

署名運動の教訓を全体のものに 伊藤 晃(日本近代史研究者)

 私たちの運動は解雇撤回・JR復帰を基調にした問題と全社会的に起こっている社会的な崩壊状況とを結びつけようと初めからしてきた。そのことで署名を取る中でも苦労されたと思う。それが私たちの運動の値打ちかもしれない。
 JR体制が崩壊し次から次へ問題が起こっている。いろんな問題の全社会的なつながりが大変はっきりしてくる時代が来ている。
 署名を取るとき、相手と話し込んでいると思う。一生懸命話し込んで、つながりをみんなで共有し、理解を共有していく。それをどう推し進めるかが非常に重要だと思います。
 議論の中で、相手が自発的にオルガナイザーになる。そういう体制ができれば爆発的に広がるのではないか。そうなれば、どんな判決が出ようとも自信を持って運動できるだろうと思います。全国で起こっている色々な試み、活動を深く研究・分析して、全体のものにしていくことが大事です。

闘争団は納得していない 花輪不二男(世田谷地区労協議会顧問)

 私は世話役として鈴コン共闘会議の呼びかけ人代表になりました。労働者の現状を一番極限された状態で闘ってきたのが鈴コン闘争だと思います。恫喝と極端な弾圧の中、労働者の現状はさらにひどくなっている。
 しかし、僕も北海道の闘争団の人たちとつきあってきました。国鉄闘争全国運動の呼びかけ人に名前を連ねたときに、批判があるんじゃないかという話をしました。彼らは、「花輪君がやっていることについて批判する北海道の闘争団員はほとんどいないはずだ」といってくれました。あの妥結、収束に納得していないということです。間違ってないという実感を得ました。
 鈴コン闘争は第一ラウンドの裁判ではそれなりの結論を得ました。しかし相手は控訴し、組合員もまだ5名に留まっています。社前闘争で、出社していく車が、笑顔で手を振っていく状況に変わってきています。分裂した組合を再建できる自信はあります。さらに広範な共闘会議の組織を作っていきたい。

〝非弁護士制度〟との激闘 高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)

 日弁連会長選・東京都知事選は多くの教訓を残した。情勢をどうみるのか。誰と一緒に闘うことが大事なのか。現場からビリビリと教えられた。
 一番問題になったのは「法曹有資格者制度」=非弁護士制度です。法曹の資格を持つが弁護士になれない人たち。まさに非正規職の議論と重なります。弁護士激増は失敗し、彼らは非弁護士制度で再攻撃に出ている。新しい仲間がどんどん増えてもいます。闘いの一番のステージはそういう凄まじい激闘の中にあると実感しています。
 (国鉄闘争全国運動の会報号外より抜粋)