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■ひめじょおん――女性部から今年の沖縄闘争は特別な闘いだった

月刊『労働運動』34頁(0291号15/01)(2014/06/01)



■ひめじょおん――女性部から

今年の沖縄闘争は特別な闘いだった


神奈川労組交流センター 中西 美代子
 今年の沖縄闘争の基調は、「①国鉄闘争を基軸に、基地労働者を軸とした階級的労働運動を規定、②国鉄闘争を軸とした全国の闘いの前進、③沖縄、福島圧殺攻撃との闘いを労働運動を軸に反撃開始」と展開され、青年、学生を先頭に、意気高く闘われました。
IJBS労組の解雇撤回門前闘争、沖縄大学の学生自治会「復活会」の闘いと、実践方針が提起されました。
 国際通りのデモに飛び入り参加した青年が、翌日のIJBS労組の門前の解雇撤回闘争、辺野古闘争にも参加しました。解雇撤回闘争の門前闘争は解放的です。楽しい! 自分の経験もあり、ジェコーの門前闘争もあり、連帯の場所です。青年の怒りは爆発しています。
IJBS闘争で労働運動変える
 今年の5・15沖縄闘争は特別な闘いでした。
 一つは、IJBS労組の解雇撤回闘争を通して、沖縄の労働組合運動の政治地図を塗り替えると宣言したことです。もうこれは決定的です。新自由主義攻撃の中で苦しんでいる多くの青年労働者、非正規労働者に、「闘う場所はここだ」「一人の労働者を守ることが自分を守ることにつながる」「こういう闘いをやるんだ」「共に手をつなごう」と訴える場所です。
 復帰前から沖縄の失業率は全国一であり、賃金も低い。「振興策」という鳴り物入りで導入された本土では正社員だった「104」のコールセンターが沖縄に来て、沖縄の労働者は労働基準法以下の過酷な労働環境を強制されました。日米のIT産業が次々に沖縄に進出し、新自由主義攻撃を展開しています。ブラック企業のオンパレードです。
 労働組合の組織率は全国一低く、労働条件は悪い。賃下げから始まり、長時間労働、未払い賃金、首切りの嵐、パワハラ、「仕事ができない」「能力がない」などという攻撃は、全国でも起こっています。労働者の誇りを奪い、生きる力さえ奪う。しかし、沖縄には、全軍労の闘いの輝かしい歴史がある。今こそすべての蓄積を生かす時です。
 IJBS労組の闘いは決定的です。動労千葉と鈴コンから学び、全国とつながる解雇撤回闘争と、反合・保安闘争は、必ず沖縄の多くの労働者が自ら労働組合をつくりあげる契機になります。
 5月18日にはついに支援共闘会議が結成されました。長年、沖縄の労働運動を闘った諸先輩たちが、自己の蓄積の一切をかけて闘う陣形と決意が表明されました。
郵政労働者のみずみずしい感性
 もう一つは、郵政労働者で解雇撤回を闘っているS君の発言に感激しました。「ひめゆりの塔」を見学してきた彼のみずみずしい感性です。
 日本の軍は、米軍に包囲されて、降伏もさせず、ひめゆりの女学生たちを「部隊を解散する」と一方的に宣言して、砲弾の中に放り出したのです。軍隊も資本も本質は同じだと一瞬で見破ったのです。首切りと同じ、戦争も同じ。「死んでもいい」と人間の使い捨ての論理、こんな世の中を変えなきゃ生きていけない。こんな国変えなきゃいけない。闘わないと生きていけない。同じ過ちは嫌だ!
 労働運動の力で、労働組合の力で、世の中を変えよう。原則的な労働組合運動の中に、世の中を変える力ががあると確信できる沖縄闘争でした。