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よびかけ労組・団体からの発言

月刊『労働運動』34頁(0292号02/04)(2014/07/01)



よびかけ労組・団体からの発言
 

 

 
特集 国鉄闘争全国運動6・8全国集会の報告

よびかけ労組・団体からの発言

3組合よびかけの出発点 中村 吉政 委員長(全国金属機械労組港合同)

 1998年、全日建連帯労組関西地区生コン支部と国鉄千葉動力車労働組合、港合同が闘う労働組合の全国ネットワークをつくろうと、11・8全国労働者総決起集会を開催しました。11月集会の呼びかけの契機となったのは、組対法反対闘争と、国鉄1047名問題に対する東京地裁の98年5月28日の反動判決に対する闘いでした。国家総ぐるみの不当労働行為を開き直り、労組法、労働委員会制度を否定する判決がまかり通ったら、不当労働行為、組合つぶし、首切りもやりたい放題になるという強い危機感と怒りを強烈に持ったことが3組合の呼びかけの出発点になりました。
 以降粘り強い闘いを重ね、2010年4月9日の和解を許さず、国鉄闘争全国運動で闘いを貫いてきたことに心から敬意を表したいと思います。12年6月29日東京地裁判決、13年9月25日東京高裁判決で、採用候補者名簿からはずしたことを不当労働行為と認めさせてきました。いよいよ最高裁判決です。何が何でも勝利をさせなければなりません。
 2012年に逝去した故大和田事務局長に、本当に勝利したと朗報を伝えることができるよう闘い抜いていきたいと思います。
 全国からお集まりの皆さん。すこし大阪の現状について報告をしたいと思います。
 橋下大阪市長は、刺青アンケートを実施し、職員基本条例、政治活動規制条例など労働者の人権や人格を奪い、労働者の団結破壊を公然と行いました。
 関係する労組はそれに対して大きな反撃をすることなく沈黙をしました。
 しかし、橋下の人権侵害に敢然と立ち上がり、闘い抜いている仲間がいることをご存知だと思います。刺青アンケートを拒否した職員、「君が代」不起立で闘った教員、いずれも懲戒処分攻撃を受けて闘い抜いています。恫喝に屈せず闘った職員に対しては、いまだに追加の処分をすることができていません。
 港合同も連帯の近畿地本や全港湾の大阪支部に呼びかけて、大阪弁護士会に対して、橋下市長の懲戒処分に対して申し立てる闘いを進めています。
 大阪都構想を実現すると言っていた橋下の方針は崖から落ちるように崩れかけています。
 原発事故の福島の現実、JR北海道の実態、それらを隠さずに伝えることができるのは本日、参加された皆さんだと思います。
 そして、鈴コンの仲間がすばらしい判決を勝ち取ってくれました。闘えば必ず勝利することを教えてくれたと思います。
 平和のために、働く者が本当に社会の主人公になるために、ともにがんばりましょう。

運動が広がるチャンス 柳 充 副委員長(全日建連帯労組関西地区生コン支部)

関生は14春闘を政策闘争と名づけ、今年も昨年同様1万円の賃上げを勝ち取りました。
 われわれの業界でも外注化・アウトソーシングによって、そこで働く労働者がどんどん非正規化されていっています。近年、非正規労働者の賃上げを果敢にかちとっています。今年も昨年同様、本勤労働者と同じように1万円の賃上げを獲得しました。
 そのために今年も4日間ストライキをしました。セメントメーカーに、生コン価格の値上げや、関連業種の賃金底上げの妨害をするな、運動を邪魔するなと闘いました。今年は昨年よりも大きな陣地を築けたと確信しています。
 本集会について、階級的労働運動をわれわれもしっかり受け止めて支援しています。関生は共に前進して、運動全体を盛り上げていきたい。
 情勢がものすごい勢いで変化しています。多くの労働組合が情勢の変化になかなかついていけてない。よくあるのが、要求を出さなくなる。要求を出しても、それに責任を持たなくなる。現状がしんどいから現状にあわそう。当然、賃金や労働条件は下がってしまう。職場の中の自治権が縮小し、運動がしぼむ。労働組合が弱体化してしまう。
 ですからわれわれは一切妥協しない。われわれの業界の陣地はわれわれで守るんだと。生コン業界は中小企業が中心です。彼らが1万円を上げる原資がないというのは全然うそ。「ゼネコンやセメントメーカーといった背景資本の収奪を弱めるような政策をともにわれわれと歩め」「賃上げの原資は当然大企業からとるんだ」と中小企業を組織しています。
 われわれはこの運動が一番普遍的に広がる、爆発的に広がる絶好のチャンスであると自負し、運動を展開しています。労働運動の再生には、この運動体を大きくすることも必要です。また、労働組合自らが自分たちの拠点をつくり、実例を作っていくことです。あちこちでストライキをやって、階級的運動を労働運動の中で広めていく。そうすれば、多くの人から共感を得られます。関西からどんどん戦域を広げて、階級闘争に勝利します。ともに闘いましょう。

新段階に入る全国運動 伊藤 晃さん(日本近代史研究者)

全国運動は今年で5年目に入ります。最高裁に向けて新たに始まった署名運動も5万筆を超えました。全国運動は新しい段階に入りつつあります。
 外注化や非正規化への怒りが全世界で広がっています。絶望感の中で、闘いたいという願望が表に出てこないのは、労働組合が何もしないからです。1047名闘争は、敗北思想に対して、労働者の力を結集することで何事かができるという思想がつくりあげたものです。それへの共鳴が署名に集まった。
 わたしたちの運動は、こうした希望が夢・幻でないことを示してきました。鈴コン闘争は非正規労働者5人の闘争です。動労千葉の5月2日のストライキは、組合員だけでなくCTSの労働者全員を守るためのものです。JR水戸の竜田延伸反対、国労郡山工場での闘い、新津工場での闘い。民衆を無力な存在に押し戻そうとする資本と権力に対して、そうではないと示しています。
 怒りがわれわれの力への確信、明確な意思と結びついて絶望感を克服してきた。怒りの質が変わってきた。私たちは流れを変えるきっかけをつかんだ。流れは変わるのではなく、変えるのだ。その主体としてわれわれは登場していく。
 全国運動は引き続き、そういう全国の労働者の意識を結集し、経験の交流の場として働き続けたい。10万筆署名をぜひ達成し、最高裁に解雇撤回判決を出させましょう。