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杉並区議補選の総括 杉並区議補選を闘い抜いて 吉本伸幸

月刊『労働運動』34頁(0293号05/01)(2014/08/01)



杉並区議補選の総括
 

 


杉並区議補選を闘い抜いて
吉本伸幸(労組選対本部長東京西部ユニオン委員長)
 2014年の幕明けから「現代革命への挑戦」を掲げ、われわれは都知事選で権力取りを宣言し、開始しました。都知事選の熱気と興奮が冷めやらぬ3月前半から、東京西部ユニオン北島邦彦副委員長と2人で、杉並区内の労組回りと児童館回りを始めました。

★組合員の激減と御用組合化

 杉並区内の労働組合だけではなく、どの労働組合にも共通することは、青年層と組合員が激減していることです。もう一つは、会社の目線で労働組合幹部が闘いに折り合いをつけ終わらせてしまっていることです。
労組回りをして思うことは、現場で働き労働組合に加入している労働者の意識は、幹部とはハッキリ違うことです。人員不足、安全問題、外注化・非正規職化、労働強化、低賃金、長時間労働などへの不満が膨大に蓄積し、現場の怒りは爆発寸前となっています。
 東京西部ユニオン北島副委員長と杉並の児童館回りをして感じたことは、杉並では外注化が進行し、施設の統廃合が始まっています。児童館も今の数から三分の一に減らされていきます。しかし、児童館回りで現場の労働者は、自分の仕事に誇りと自信を持って働いていることがわかりました。
 労組回り、地域回りでわかったことは、現場の労働者が、現場の現状をわかり職場を回していることです。区職労執行部が、本当に現場と一体で闘っていない現実がわかりました。一つひとつの現場回りは地道で時間がかかりますが、現場の労働者と会話し団結する方法はこのやり方しかないと実感しました。現場を回ることが、労働組合の現状を現場から闘う労働組合に変えていける唯一の道だと思います。
 俺は、今回の杉並区議補選の闘いと、鈴コン分会解雇撤回闘争や鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議での闘う労働組合の復権と労働組合の共闘連帯闘争は一体だと確信を持っています。その中心は職場闘争です。職場で徹底的に仲間と団結して、労働組合で闘う。職場の仲間は立ち上がるし、必ず道は切り開かれると信じて闘ってきています。

★職場と社会を動かすのは労働者

 国鉄分割・民営化から新自由主義の合理化・民営化の嵐が吹き荒れ、労働組合がガタガタに切り崩されていきました。しかし、われわれは国鉄1047名解雇撤回を不屈に闘う動労千葉、動労水戸、動労総連合の仲間と共に、外注化阻止・解雇撤回・非正規職撤廃で闘う労働組合の復権をかけて闘いぬいています。
 労働組合の闘いはひとたび職場で火を噴けば長期戦となります。しかし、労働組合が労働組合として原則を曲げず闘いぬけば、負けないし勝利できると信じて闘い続けています。何故か! 職場と地域、社会を動かしているのは労働者であり、労働者が団結して闘う組織が労働組合という確信です。

★選挙の闘いを180度転換!

 都知事選を闘いぬいた経験から、杉並区議補選は今までの選挙戦の闘いを180度転換したと思っています。まず選対本部と労組選対がこの闘いの中心に据えたことは、街宣、労組回り、地域回りで、国鉄1047名解雇撤回最高裁10万筆署名を持ち込み、労働組合が闘うことを訴えたことです。
 俺は特に、杉並全地域を一つの職場として考え、杉並区民を職場の労働者として獲得の対象としてすえて闘いに臨みました。区民を職場の仲間、労働者と考えたときには、必ず決起するし、立ち上がると確信していました。
 街宣を行う駅頭は、職場の食堂や休憩室等と考えました。職場で仲間をオルグする、獲得する気持ちと全く同じです。「社長や管理職の横暴を許せるか!」「低賃金・残業代ごまかし、長時間労働を許さない!」「だから労働組合で一緒に闘おうよ」と、仲間に訴えます。このことは、「安倍打倒!」「過労死許さない!」「改憲・戦争をさせない!」「労働相談」と全く一体の闘いです。
 杉並区議補選だからと特別なことをしたわけではありません。「労働組合を作り、労働者が団結して立ち上がろう!」と徹底的に訴えました。「もう我慢ならない!」「生きさせろ!」の声を上げていこう。このことを、地域、労組回り、街宣で一貫して訴え、貫きました。
 この闘いの中から、杉並の郵便局に拠点を建設しました。職場に働き、生き抜く労働者の膨大な怒りを結集する大きな前進を勝ち取ったと思っています。杉並区議補選の闘いは、まさに「戦争か革命か」「立ち上がり闘うか、殺されるのか」を全ての労働者に提起しました。7月1日、安倍政権は集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。

★闘えば勝利できる!

 杉並区議補選で、われわれは闘いの中から遂に革命への扉をこじ開けたのです。「闘えば勝てる!」この証拠が、北島邦彦への4332票を勝ち取り、われわれと共に闘う決意の票として大前進を獲得したことです。この道に胸を張って驀進していきましょう。
 6・29杉並区議補選は終わりましたが、労組選対は解散していません。来る革命決戦に向けて闘いの準備を着々と進めています。
 最後になりますが、杉並区議補選は階級的労働運動路線で切り開いた新たな闘いの前進と勝利を勝ち取りました。東京、関東、全国からの仲間の決起に心から感謝いたします。
青年・学生の仲間と一緒に、階級的労働運動で闘いができたことを本当にうれしく思っています。革命への扉をわれわれが切り開きました。来る革命決戦へ向けて、またこの仲間と共に闘うことを楽しみにしています。
 職場・キャンパスで、徹底的に青年獲得、拠点建設でオルグしオルグし抜いて、闘う労働組合を建設していきましょう。労働組合で闘えば勝利できる! いざ、闘おう!