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国鉄闘争は新たな段階へ3月ダイヤ改正、常磐線竜田延伸、15春闘にむけた闘いのアピール石井 真一(動労水戸執行委員長)

月刊『労働運動』34頁(0299号08/01)(2015/02/01)

国鉄闘争は新たな段階へ

3月ダイヤ改正、常磐線竜田延伸、15春闘にむけた闘いのアピール

石井 真一(動労水戸執行委員長)

 国鉄闘争は新たな段階に突入したと言えます。国鉄分割・民営化から28年が経過し、その破産が明確に進行しています。JR北海道の車両故障の多発、列車火災、脱線事故、レールデータ改ざん問題、2人の社長の自殺などとんでもない事態が進行しています。その矛盾は一切解決する糸口さえ見えていません。その他の会社も、賃金を下げることしかないJR貨物会社の経営破綻やJR四国、JR九州まで破綻は及んでいます。

(写真 【1・24動労水戸第33回定期大会】)

 JR東日本が本年3月14日ダイ改で行おうとしていることは、労働者へのさらなる搾取と労働強化、外注化、地方切り捨てで、利潤をあくまでも追求しようというものです。
 JR東日本は、北陸新幹線を長野駅から金沢駅まで延長することを旗印に、3月ダイ改を行おうとしています。地元は盛り上がっているらしいですが、その陰で恐るべき攻撃が行われようとしています。まず常磐線、高崎線、宇都宮線が全て東京~品川駅まで乗り入れるということです。東北縦貫線開通をもって、首都圏の鉄道網を根本から変えていこうというものです。
 そのためには労働組合を徹底して解体する必要があり、旧動労革マルが巣食う下十条運転区解体をはじめとして大規模な基地再編攻撃を断行し、東労組的な存在さえ許さないというものです。
 JR東日本本社は、「乗務効率を上げろ」と全社的に指示しており、本線運転士の車両基地への入出区を出来る限り減らし、本線から本線にすぐに乗り継いで運転することを追求しようとしています。それは運転士・車掌の休憩時間を奪い、過酷な労働へと駆り立てるものです。今でさえ上野の休憩室は、水戸、宇都宮、高崎の運転士・車掌が一堂に集められ、男性も女性も一緒に休憩するという状態にされています。全く休憩が出来ず、疲れから事故が起きるという実態になっています。
 常磐線特急列車は、自由席を全廃し、すべて指定席にすると水戸支社は発表しています。特急列車に1か月有効で約半額で乗れた回数券も廃止され、料金の値上げをしています。多くの乗客がわからない「えきねっと」で買うと安いとか、事前に買うと安いとか、車内は割高とか、複雑怪奇で乗客のことを全く考えないことを強行しようとしています。
 車内のトラブルも必至で、3つのランプが座席の上に表示され、赤は指定席を取っていなくても座れる(指定席料金を含んだ特急料金は支払っている)、黄色は次の駅で指定席を取った客が乗り込むので座席を移らなくてはならない、青は指定席を取っている客がいるので座れないというシステムです。そんなシステムを知らない客などたくさんいるわけで、トラブルは避けられません。
 その上、車掌は1列車につき3名乗車から2名に減らされ、トラブルが発生したら、一人で対応することを強制されます。車掌を合理化するために、常磐線の特急列車は、11両編成から10両編成にしたと言われています。さらに水戸駅の特別改札や上野駅の特別改札も閉鎖され、駅の合理化も同時に進めようとしています。
 JR東日本は、今後10年間で約4割の2万6千人の大量退職時代を迎えますが、それを合理化と外注化で乗り切ろうとしているのです。今ダイ改では、水戸支社は5駅をさらに外注化しようと提案しています。
 さらに悪辣なことに千葉支社では、今回のダイ改で館山市、南房総市、富津市には特急列車が1本も走らないことになります。まさに地方を切り捨て営利優先の新自由主義の道を暴走しているのです。
 しかし、JR東日本の幹部が新宿のビルの中で考えた机上の空論は、労働者の反撃や怒り、乗客の怒り、地方自治体の怒りを完全に忘れています。
 昨年暮れに動労水戸に會澤君という青年が加入しました。JR東は会社の施策を貫徹し、労働者の反撃を抑えるためにJR東労組という御用組合を育成していました。しかし、ライフサイクル攻撃に屈服し、被曝労働強制にも屈服し、外注化攻撃にも屈服するJR東労組を見限って、動労水戸に3人目の青年が加入したのです。
 彼は、ライフサイクル攻撃に怒っています。ライフサイクル攻撃は、30代後半の脂ののりきった運転士を駅に配転するというもので、平成採用の労働者を会社には絶対に逆らわせない意識を刷り込むという狙いを持っています。彼は、この制度は絶対廃止させなくてはいけないと、動労水戸に加入して闘う決意を燃え上がらせています。
 「動労水戸の情報は必ずロッカーに入れてください」と言ってきたことから、動労水戸のK544の被曝労働拒否の闘い、ラジエーター清掃・被曝労働拒否の闘い、竜田延伸絶対反対の闘いも見てきました。そして検修・構内外注化絶対反対の闘いも見てきたということです。そういう青年はJR東日本に数多く存在しているという事です。
 「動労総連合を全国に」という方針の下で、9・11郡山工場外注化反対闘争も昨年取り組みました。あの日、工場内の青年は650名のデモ隊を見て、圧倒的に共感していたのです。その怒りを動労総連合に結集することで、ライフサイクルも外注化も被曝労働も粉砕できるのです。そういう時代が来たということをはっきりさせることが重要です。
 3月には福島第一原発の周辺への帰還運動が本格化します。JR東日本は再びその先頭で、竜田駅から原ノ町駅までバス代行運転を強行しようとしています。そして安倍政権は常磐高速道路を全面開通させると表明しています。
 しかし、動労水戸が昨年闘った竜田延伸反対闘争は、多くのJR労働者、仮設住宅の楢葉町の住民などと結びついています。楢葉町が帰町宣言を出せないにもかかわらず、帰還を強制する営業運転を開始したJR東日本についてもJR職場で、福島で、怒りが渦巻いているのです。JR東日本や安倍政権が思うように攻撃が進むほど、労働者や住民の怒りは甘くないのです。その怒りとしっかり結びついて、動労水戸は闘う決意です。
 全国労組交流センターの仲間のみなさん、共に闘いましょう。