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動労水戸第33回定期大会が歴史的成功

月刊『労働運動』48頁(0300号05/01)(2015/03/01)


動労水戸第33回定期大会が歴史的成功

(写真 大会であいさつする會澤さん)

「ようこそ會澤憲一君」の横断幕を掲げ 動労水戸第33回定期大会が歴史的成功

石井真一委員長の大会あいさつ

 1月24日、茨城県民文化センターにて、動労水戸第33回定期大会が開催されました。昨年末に新たに會澤憲一君の組合加入を勝ち取り、ライフサイクル発令を阻止した地平から、結成28年の全てをかけて団結の強化と組織的飛躍を勝ち取るために、2015年決戦の路線と方針を確立する歴史的大会となりました。以下、石井真一委員長の大会あいさつを紹介します。

 国鉄分割・民営化に反対し、私たちが動労水戸を結成してから28年になります。分割・民営化の真の狙いとは、労働組合を解体し、日本の労働運動をすべて屈服させて、改憲から戦争のできる国に変えるというものでした。しかし、動労千葉を先頭に動労総連合が闘い抜いて、1047名解雇の不当労働行為を暴き、最高裁まで上り詰め、未だに最高裁が判決を出せないところまで勝利を積み上げてきました。その一方で、JR体制は完全な崩壊過程に突入しています。
 JR北海道の車両火災、脱線事故、レールデータ改ざん、2人の社長の自殺という事態、外注化が原因のJR東日本の川崎駅事故、JR貨物の経営危機、JR九州は100億円以上の赤字を抱えながら、株上場を果たすために駅の無人化を進めています。JR東海のリニアも、新幹線をはじめとした鉄道の輸出もまったくうまくいっていません。すべてがデッドロックにぶつかっています。
 そこに大量退職問題が噴き上がっています。あと10年ですべての国鉄採用者が定年を迎えます。JR東日本全体では2万6千人、全社員の4割強です。それを外注化で乗り切ろうとしているが全く追いついていません。
 MTS(水戸鉄道サービス)では後継者を作れないことが明らかになっています。出向無効確認訴訟の中で明らかになったJR―MTSの契約書では「(MTSプロパーには)JRと同等の教育訓練をしなければならない」としていますが、検修業務の基礎である交番検査はJR本体が担っている以上、MTSで検修業務をまともに教育することはできません。構内運転士も鉄道輸送の基礎すらろくに学ぶことなく半年で一人前にしています。このようなデタラメなプロパー育成が進む中で、出向から戻る者はおろか、定年後再雇用者の行く場所などありません。「エルダー社員の職場の確保」などという外注化の前提そのものが大嘘だったのです。
 また、大量退職問題は首都圏の駅員の要員不足を必然化させてきました。JRはそれを逆手にとって駅外注化を進め、輸送職の穴はライフサイクルで補おうとしてきましたが、青年運転士の怒りによって制度そのものが破綻しようとしています。羽部君に続き、彼の先輩でもある會澤憲一君が動労水戸に結集しました。加入と同時にライフサイクル発令阻止の決戦に入り、発令を粉砕する勝利を勝ち取りました。
 動労水戸への3人目の青年の加入と、ライフサイクル発令を粉砕したことで、東労組に激震が走っています。ついに己の危機を認識し、あがき始めたということです。
 大子における彼らの掲示はまさにそのことを示しています。「絶対反対では会社の施策が一方的に進められるだけ」「対案を出すことが必要」。つまり、職場を守るためには外注化もライフサイクルにも屈服しろというのが彼らの路線です。組合幹部の保身のために、職場と労働者の権利を会社の思い通りに売り渡し、駅業務や検修・構内業務を下請けの低賃金労働者に置き換える手先となってきたのが東労組です。労働者が怒って当たり前です。このような会社と東労組の結託体制も今や全面的な崩壊を開始しました。必ず打倒できます。
 本年3月ダイ改こそ、JRの危機そのものであり、私たちの勝負どころです。動労水戸の団結をさらに強化することが求められています。既に組合内で真剣な討論が始まっています。「本当にこのままのあり方で動労水戸が主流派になって勝利していけるのか」「何としても前に進むんだ」という組合員の真剣なぶつかり合いです。ダイ改による労働強化と安全崩壊は何より乗務員を直撃するからこそ、乗務員どうしの団結、乗務員と検修・構内職場の団結が問われているのです。
 一方で、東労組を筆頭にあらゆる労組が組織的危機に入っています。これから始まるのは首都圏輸送の大再編であり、会社は東労組的な抵抗も強行突破する構えで来ています。しかしそれだけ労働者の怒りも深く大きいということを掴もうではありませんか。
 今大会、そしてこれからの情勢と闘いに、もう一度動労水戸をスタートさせるつもりで、自問自答して私も臨もうと思っています。組合員のみなさんの協力をお願いしたいと思います。
 最後に原発問題についてです。1月31日から常磐線竜田駅~原ノ町駅間のバス代行運転が始まります。原発労働者も労災事故で相次いで2名死亡しています。中間貯蔵施設も双葉町・大熊町が受け入れ、今年の3・11までに放射性廃棄物を搬入するとしています。オリンピック誘致をめぐって原発の汚染水問題を解決しろという安倍首相の指示も、結果的に不可能だったと東電社長が発表しました。「復興」の名の下での帰還強制が強まっていますが、これこそが安倍政権の危機の表れです。福島の怒りを抑え込むことはできないことを、私たちは4年間の闘いを通して掴んできました。直近に迫った2・8いわきデモと3・11反原発福島行動15への総決起を訴えます。
 最高裁勝利判決後、私たちはストに次ぐストを闘ってきました。組織の総力を挙げて闘い抜く中で、本当に大事なものをつかんできたと思います。そのすべての闘いの上に、照沼君や羽部君や會澤君が結集し、動労水戸の未来を切り開いてくれたのです。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが中心となって進んでいる「被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘」は、私たちの闘いを全国・全世界の労働者に告げ知らせ共に闘うための最大の武器になります。活発な議論と組合員の一致団結を勝ち取り、今大会を成功させましょう!

(写真 大会あいさつをする石井委員長)