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全島ゼネスト情勢を切り開く新たな闘いへ!

月刊『労働運動』34頁(0303号02/05)(2015/06/01)


全島ゼネスト情勢を切り開く新たな闘いへ!

(写真 沖縄県民大会に3万5千人が結集!)


 「復帰」43年目の沖縄5・15闘争は、画期的な地平を切り開き、新たな沖縄闘争のスタートを切るものとなりました。5・15闘争の意義は、全過程が民主労総のゼネストと連帯し、「オール沖縄」をのりこえて沖縄全島ゼネストへの路線が貫かれ、140万県民への熱烈な訴えとして闘われたことにあります。
 そしてこの路線こそが安倍の戦争政治に断を下し、辺野古新基地建設を阻止する現実的な力であり、国際連帯の実践そのものだということです。17日の県民大会に結集した3万5000人の労働者民衆は、新たな闘いの方向性を求め、闘いの深部から巨大な胎動を開始していることを示しています。

沖縄5・15闘争が大高揚

 5月16日の「復帰」43年 5・16集会は260人の結集で、熱気に満ちた画期的な集会となりました。集会は、国鉄闘争全国運動・沖縄の共同代表の崎浜秀俊さんの主催者挨拶で始まり、基調報告をIJBS労組の富田晋委員長が行い、沖縄労働者階級の根底的な怒りの息吹と呼吸し、労働者階級が求めているものに真に応えうる路線的内容として打ち出されました。その核心に基地労働者の存在と闘いがあります。辺野古新基地建設=米軍再編も、基地労働者の大量解雇と全駐労の解体にあること。辺野古新基地建設攻撃は、労働運動・労働組合運動をめぐる闘いであるのです。そして集会で採択された「5・15宣言」では、パククネ政権打倒のゼネストに立ち上がった民主労総に続く「沖縄全島ゼネストこそ、安倍政権を打倒し、戦争と基地のない社会をつくる唯一の闘いだ。そして同時に、国境を越えた労働者の根底的な怒りを呼び覚ます闘い」であることが高らかに宣言されました。
 集会では、百万人署名運動、星野全国再審連絡会議、そして福島から連帯の挨拶を受け、三里塚反対同盟の萩原富夫さんの特別報告では、「オール沖縄」をのりこえる闘いが訴えられ、市東さんの農地を守る運動の拡大が呼びかけられました。動労千葉青年部からは「動労総連合を建設し、6・7全国運動大集会へ」のアピールが出され、沖縄大学自治会と沖縄の3つの動労千葉を支援する会からの決意へと続き、全島ゼネストに向かう新たな闘いを切り開く集会として大成功をおさめました。
 この集会に先だって行われた日本IBM・ビジネスサービス労働組合(IJBS労組)支援共闘会議第2回総会では、沖縄(南部)一般合同労組協同リネンサービス分会、そして動労総連合をはじめ全国の現場の労働者から、外注化阻止・非正規職撤廃の生き生きとした報告がされました。当該の仲宗根書記長は基調報告で「労働者に対しての最大の攻撃である解雇を撤回させることで、『非正規職の島』=『基地の島』の沖縄の現状を変える先駆けになる」と自らの決意を語りました。

星野文昭絵画展の成功!

 5・15闘争と一体で開催された星野絵画展(5・5~5・10)の成功は、改めて「全島ゼネスト」情勢を浮き彫りにしました。星野文昭さんの「渋谷暴動闘争」こそ、沖縄の71年11・10ゼネスト闘争に連帯した闘いです。絵画展に来てくれた多くの人々は、沖縄のゼネスト決起に共に闘ってくれた「星野」(全国の労働者階級)へ圧倒的な共感を持ち、多くの人が涙を流して感動してくれました。それは決して「過去」の問題ではなく、今の沖縄の現実と重ね合わせ、星野文昭さんの生き様の中に、自分たちが進むべき道を感じ取ってくれているからです。
 来場者は640人にのぼり、カレンダーは売り切れ、星野文昭さんと暁子さんの共著である「愛と革命」本の販売は50冊以上となりました。沖縄の労働者民衆のなかには「ゼネスト」の記憶が生々しく残っており、今も脈々と息づいていることを示しています。この中に無実の星野文昭さんを取り戻すことができる道があります。
県民大会に大宣伝戦
 17日の沖縄セルラースタジアム那覇での県民大会は3万5000人がスタジアムを埋め尽しました。それでも参加者の列は途切れることなく続き、労働者民衆の決してやむことのない激しい怒り、「もう我慢も限界だ」という新たな闘いへの一歩を踏み出すものとなりました。闘う労働組合を復権し、「オール沖縄」をのりこえ、全島ゼネストへと向かう情勢が圧倒的に切り開かれ始めたことを実感させるものでした。
 5・16集会で発せられた「5・15宣言」、6・7国鉄集会、三里塚反対同盟、IJBS労組支援共闘、沖縄大学自治会などの各種のビラが、3万5000人の手に配布されていきました。5・16~18の3日間で3回のデモが行われ、いずれのデモも沿道の人々と一体となったすばらしい闘いとなりました。18日にはIJBS労組の解雇撤回闘争が、当該を先頭に全国の仲間たちと共に門前で闘われました。
 この4日間に渡る闘いの全過程が切り開いた地平こそ、「動労総連合を全国に」の路線のもとに、プロレタリア革命に向かうゼネスト情勢をこじ開ける決定的な一歩になったということです。全島ゼネストは「オール沖縄」の対極にあるものです。「オール沖縄」では、職場の労働者の自己解放的力は解き放たれません。それどころかこの階級的力を圧殺するものでしかありません。しかし労働者の怒りに満ちた決起は、全島ゼネスト情勢のなかで爆発的にまき起こってくることは不可避です。

全島ゼネストは不可避だ

 労働運動・労働組合をめぐる体制内指導部との攻防に勝ちきり、闘う労働組合を登場させることが一切を決する情勢に入っています。新たな挑戦を開始しよう。ここに全島ゼネスト情勢の現実性があり、非正規職の青年労働者の新自由主義と闘う「生きさせろ」の闘いと怒りが結合したとき、一気に全島ゼネストへと転化していくのです。
 労働運動・労働組合をめぐる体制内指導部との党派闘争に打ち勝ち、職場権力を奪い返すとき、階級的労働運動派が労働運動を塗り替えるとき、プロレタリア革命へと向かうゼネスト情勢は切り開かれます。
(沖縄労組交流センター事務局)