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甦る労働組合労働組合のゼネストで戦争を阻止しよう!

月刊『労働運動』34頁(0308号01/01)(2015/11/01)

甦る労働組合
労働組合のゼネストで戦争を阻止しよう!

佐藤 賢一(全国労組交流センター常任運営委員・ 自治体労働者部会代表)

 9月13日、全国労組交流センターと全学連が呼びかけた「戦争法案の参院採決絶対阻止!」の国会大行動は、3千人の結集で国会正門行動と銀座デモを闘い、その後の実力闘争をけん引するものとなりました。「社会の本当の力は安倍や国家権力ではなく、労働者にある。全国ゼネストで戦争をぶっ止めよう」という方針が出されました。
 9月19日、戦争法案は強行採決されましたが、国会を包囲した全国の数百万とも言える労働者の闘いは終わっていません。戦争法と非正規職化攻撃に怒る1千万の労働者は「次は何か」と闘いの方針を求めています。 その後のSEALDsや日本共産党の「落選運動」や「国民連合政権」構想に、労働者の展望を見出すことはできません。

自治体で始まった被曝労働反対

 同日、京都府舞鶴市において地元自治体労働者が先頭に立ち「高浜原発再稼働阻止」の集会が200人の参加で行われました。伊方原発再稼働に反対する愛媛県職の労働者や動労水戸の青年労働者も参加しました。
 舞鶴市は高浜原発から11㌔の位置にあり、地元の労働組合が中心となって開催された画期的な集会です。
 「私たちの闘いのスタートは福島の怒りだ。共通点も多い。政府によって従順にされてきた歴史があるが、今は違う。自ら声を上げ、社会を変える主体となる。それが労働組合で闘うこと」「自治体労働者の被曝を前提にした業務や再稼働の露払いとしての避難計画を、職場の闘いでひっくり返す労働運動の再構築が求められている」と集会開催の意義が提起されました。
 私は全国労組交流センター自治体労働者部会代表としてこの集会に駆けつけましたが、本当に感動的なものでした。ついに動労水戸に続く被曝労働反対の闘いが始まったのです。

労働者階級の魂を動かそう!

 労働組合組織率は毎年1%低下し、直近では17・5%。御用組合や、「改憲、徴兵制」を掲げるUAゼンセンが台頭し、労働組合には展望がないという人もいるでしょう。しかし国鉄分割・民営化と28年闘ってきた動労千葉、被曝労働に反対する動労水戸、3カ月雇用を粉砕し続けている東京西部ユニオン鈴木コンクリ―ト工業分会はストライキで闘い続けています。
 労働組合は資本に対する労働者の抵抗の中心組織であり、職場で資本と闘えば、帝国主義国の労働者が支配者階級に買収されてしまうことはありません。 問題は帝国主義労働運動の潮流に対して、階級的労働運動の潮流が正しく闘い、労働者階級全体の「前衛であり代表者である」ものとして労働者の階級的魂を動かせるかどうかです。
 まさに今、労働運動が甦(よみがえ)る時が来ているのです。