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11月集会の闘いで切り開いた大きな地平と今後の課題―動労千葉の田中康宏委員長に聞く

月刊『労働運動』34頁(0309号05/01)(2015/12/01)


11月集会の闘いで切り開いた大きな地平と今後の課題
―動労千葉の田中康宏委員長に聞く

(写真 11・1集会に参加した民主労総)

 今年の11月集会は、1047名闘争に下された上告棄却に立ち向かって、国鉄闘争を労働運動全体に影響を与える闘いとしていかに継続できるかが最大の課題でした。
 さらに、戦争法案の強行採決をめぐり怒りの声が国会を取り巻く状況の中で、この情勢にいかに立ち向かうのかが問われた集会でした。
 その点で、全国の仲間たちが気持ちを一つにして困難な課題に挑戦し、新たなスタートラインを築く成功をかちとったことに心からお礼を言いたいです。
 総括にあたって大事なことは、われわれは何に立ち向かったのか、時代が求めている課題との関係で何が実現できて、何が実現できなかったのかをはっきりさせることだと思います。

国鉄闘争で大きな前進切り開く

 第一に、国鉄闘争に関してです。11月集会をやりぬいて、改めて動労千葉鉄建公団訴訟に対する上告棄却は、日本の労働運動全体に終止符を打つ敵の意志の表れだったと思います。国鉄分割・民営化の根幹が国家的不当労働行為であったことを認めても、とにかく闘いの継続を許さない。戦争情勢と一体で、日本の労働運動を最後的に解体する攻撃です。
 この5か月、われわれは「闘いはこれからだ」というシンプルなスローガンでこれに立ち向かった。これが階級的労働運動をめぐる攻防の最大の衝突点だった。そして、闘いの継続発展を物質的な力として示すことができるかどうかが11月集会で問われた課題でした。
 だからこそ棄却決定だけでなく、戦争法案と一体で、オープンスペース街や学生に対する弾圧がかけられてきた。怒りの声と結合しようとしている拠点を全部つぶす。われわれはこの攻撃を跳ね返し、戦列を守りぬいて11月集会をかちとりました。

★上告棄却が日本労働運動の 最後的解体攻撃という意味

 われわれの闘いの最高の到達地平は、戦後最大の労働運動解体攻撃であった国鉄分割・民営化攻撃と30年間非妥協的に闘い、さらに動労水戸の被曝労働拒否の闘いを生み出し、分割・民営化を過去の問題にさせなかったことにあります。JR体制下の16年間に及ぶ外注化阻止闘争、「4・9政治決着」以降の5年間を含め、日本の労働運動の歴史にない闘いを切り開いてきた。その闘いは、連合の完成を阻み、労働運動や労働者の団結・権利を最後の一線で守り、土台で支えてきました。
 もうこれ以上闘いは許さない、法律上争う余地はないという刃(やいば)が最高裁決定でした。しかし、われわれはこの数か月、組織内の討議はもとより、三労組、全国運動、交流センターなどで議論を徹底的にやって、「闘いは何一つ終わっていない」「国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃が全社会を呑み込み、崩壊しようとしている情勢だ」「これまでの労働運動の歴史を乗り越えて前進しよう」と訴えました。その思いが全体化し一致してかちとられた11月集会だったと思います。

★動労千葉も飛躍かけた闘い

 動労千葉もこの過程を新たな飛躍をかけて闘いぬきました。最高裁決定が出ようが闘いはこれからだと3か月かけて討議し、全体が一つに団結することができた。その過程で戦争法案に対する8・30や9・13の国会闘争に組合員を全力で動員したことも大きかったと思います。われわれが何に立ち向かおうとしてるのかが鮮明になったし、職場から必死になって時代にくらいついて闘うことで団結していく立場が鮮明になった。定期大会では新たな三役・執行体制を確立し、直ちに強制出向3年目をめぐる10・1~2ストに立ち上がり、11月集会の前日、当日に千葉運転区廃止反対の指名ストを構えて臨みました。
 春の段階では、ダイ改阻止のストライキに立ち上がる中で、第2の分割・民営化攻撃の本質を明確につかみとることができた。館山や銚子で、地方自治体が破綻する中で、労働組合に何ができるのかにも挑戦した。そして何よりも、各支部現場の必死の格闘の中で14人のCTS(千葉鉄道サービス)の仲間たちが動労千葉に結集するという大きな一歩が踏み出された。

★シニア制度との闘いは、韓国民主労総がゼネストで闘う課題

 さらに日韓鉄道労働者の国際連帯で教えられ、改めて確信を持つことができたのは、外注化阻止闘争の意味についてです。
 韓国では、公務員年金改悪、安易な解雇、賃金ピーク制などの「労働市場の構造改革」と対決しゼネストに決起しています。この間の焦点は「賃金ピーク制」問題だった。鉄道労組と討議して、それが日本で起きたシニア制度以来の外注化攻撃と同じものだとわかったのです。2年間40%賃下げして雇用を60歳まで延ばす。政府はそれに対して年間1080万ウォン(日本円で約100万円)の支援金を出す。日本で言えば雇用継続給付金です。それと引き替えに全部外注化していく。韓国の場合、鉄道公社が「鉄道技術協会」という子会社をつくって構内運転業務が外注化されている。韓国の労働者たちは、これを許したら、今はよくてもこれから先、労働者の権利や雇用が全部解体され、非正規化が全面的に拡大すると、ゼネストに立ち上がっているわけです。
 日本でも全く同じことが社会全体で進行した。JRでは、国鉄分割・民営化の時、55歳で賃金を30%下げる賃金制度が導入され、2001年には年金支給年齢の引き上げと一体で、60歳でさらに40%以上賃金を下げて雇用延長する制度が導入された。JR貨物では再雇用賃金はわずか15万円でした。しかも、業務外注化の推進とワンセットになったシニア協定を締結した組合に所属している者だけが雇用延長されるという卑劣な攻撃でした。それに対して雇用継続給付金が出される。韓国とは比べものにならないくらい低い額ですが全く同じです。
 しかし、外注化推進を認めなければ雇用延長はないという脅しの下に、動労千葉・動労総連合以外の全組合がシニア協定を結んでしまった。動労千葉はこれを認めたら非正規職だけの社会を次の世代に残すことになるという思いから拒否しました。だけどそれによってシニア制度を粉砕するまでの5年間で33人の組合員が60歳で首になった。
 民主労総がゼネストに立ち上がっていますが、これはすごいことです。日本では、ゼネストを構えるような問題と認識した者はほとんどいなかった。活動家でもそうだったと思います。動労千葉も国鉄分割・民営化攻撃に首をかけて闘った経験があったから、「これは絶対に認めてはいけない」と直感できたのです。新自由主義攻撃の全体構造に対する闘いの核心がここにあったことは明らかです。
 外注化粉砕闘争は16年に及ぶ闘いですが、2012年に強行されてから3年間、現場は本当に苦しみました。だけど、CTSの仲間たちがこの闘いを見ていてくれた。今年、動労千葉への加入が始まったのは決して偶然ではないと思います。この道を進んで本格的な組織拡大ができた時、社会全体に吹き荒れた新自由主義を粉砕することは可能だ、進んできた道は間違いなかったと確信させてくれたのが今回の日韓交流でした。韓国のゼネストは、われわれが日本で何をなさなければいけないのかを問うているように思います。

★動労総連合建設に踏み出した

 その意味で、動労総連合を全国につくろうと踏みだしたことも大きかったと思います。国鉄闘争の持続・継続が全体のものになったのは、「動労総連合を全国につくろう」と、国鉄だけでなく全国の仲間たちが具体的実践として踏み出してくれたことが大きな要因だったと思います。まだ小さな存在かもしれませんが、闘う国鉄―JR労働運動を再建する壮大な挑戦への一歩を踏み出した。時代が要請した新しい挑戦です。階級的立場を守って闘う労働運動、労働組合を一定の規模でつくりあげることができた時、われわれは本当の意味で国鉄分割・民営化攻撃と闘いぬいて勝利したと宣言できるのだと思います。その一歩が始まったということです。本格的に組織を拡大して、JR・鉄道産業における階級的産業別組合をつくりあげたいですね。そのためにも、JR本体はもとよりCTSでの組織拡大を絶対に実現していく決意です。
 この時代に挑戦するべき課題を明確にすることができた。それが11月集会の組織化をとおしてかちとった重要な総括点だと考えています。

戦争法をめぐる闘い

 戦争法が強行され、それに対して数十年ぶりの規模で労働者の怒りの声が噴出する全く新しい階級情勢が動き出しています。この時代にわれわれがいかに登場するのかがもう一つの課題でした。
 帝国主義の危機が深まり、戦争が現実化する情勢は、主体の側に激しい分岐を生み出し、階級闘争はそれをのりこえて進まなければならないことは歴史が教えているところです。第一次世界戦争の前には、社会主義政党や労働運動が社会排外主義に転落するという分裂を生み、第二次大戦の過程でも天皇制や国家社会主義に呑み込まれ、果ては帝国主義とスターリン主義が手を結んで戦争が遂行される事態の中で労働運動が問われた。
 今も戦争法の強行採決の中で起きていることは同じです。激しい分岐と党派闘争、情勢への屈服と階級闘争の変質。これに立ち向かう実践的立場を鮮明にできるか否かが課題でした。
 戦争を資本主義、帝国主義が生み出す問題として見すえられない連中が頭をもちあげた。例えば、シールズのように戦争反対の名の下に、現状の変革ではなく、現状を守りたいだけだと主張する運動。それで国会前で警察、国家権力に感謝すると表明する。これは本質的には帝国主義のイデオロギーだと思います。だってこの現状こそが戦争を生み出しているんです。そして国家の本質を覆い隠す。それを日共や連合などが騒ぎたてた。それと表裏一体で、全てを議会の中だけに閉じ込めていこうという策動です。階級協調の思想です。しかも、日米安保を認めて選挙協力で国民連合政権をつくるという。朝鮮半島―東アジアでの戦争が日米軍事同盟から生み出されようとしているというのに、それを認めて戦争に「反対」するなどということが主張される。労働者はそういう腐敗した政党に一票を投ずるだけの存在にすぎないという奴隷の思想を植えつけていく。さらに、帝国主義がひき起こす戦争に絶対反対して闘う中で階級として成長し、国際連帯を組織するのではなく、立憲主義なるものにすべて流し込んでいく思想。安倍も、日共も、連合派も、労働者が自分の持っている本当の力に気づくことを恐れているのです。
 これに対し11月集会で打ち立てようとしてのは、「私たちはストライキで闘う!」「戦争を生み出すのは1%の資本家どもだ。排外主義や国家主義と対決し、労働者の国際連帯で戦争を阻止する」という立場と具体的実践です。だから集会でも冒頭から「私たちはストライキで闘う」と、戦争法反対ストに立ち上がり1万人の組織建設に向けて闘っている関西生コン支部、動労千葉、動労水戸が決意表明をしました。
 国会前を連日連夜怒りの声が埋め尽くしましたが、これを呼びかけたのは総がかり行動、日共や連合派ですが、結集したのは、安倍政権の戦争政策に反対する本当に真剣な怒りの声、時代への危機感でした。最後1週間は、逮捕者も出し、権力と激しく衝突しながら闘いが成長していった。しかも、法案が強行された後、誰もが「闘いはこれからだ」「次は何か」と真剣に考えている。国鉄闘争と同じことが起きています。それが時代の基調です。60年安保闘争のような挫折感は全くない。そういう意識が生みだされています。
 11月集会では、戦争情勢に対するわれわれの明確な立場をうち立てました。その一方、怒りの声と広汎に結びつき、その下に結集する力をもつという点は今後の課題として残された。本当の意味で怒りの声を結集しうる職場・地域での具体的な闘いを日常不断に組織する。時代にみ合ったもう一歩の飛躍、階級的労働運動をつくり出していくことのできる勢力になっていくことが問われています。
 戦争は社会全体を呑み込んでいかなければできません。安倍政権はすでにマスコミや教育に対して激しい攻撃をしかけている。われわれはその現場にいることをもっと自覚しなくてはいけない。しかも、その現場で新自由主義が崩壊し、すべての産別・職場が矛盾の坩堝(るつぼ)の中にある。階級的労働運動が生まれるのはこの坩堝の中からです。だから戦争を止めるのは労働者の闘いです。階級的労働運動復権に向けた歴史的挑戦を改めて自覚的に始めなくてはいけない。
 戦争という点では、財界の突出が際立っています。武器輸出三原則をつぶすことから集団的自衛権の閣議決定が始まったわけですが、軍需産業を国家戦略として位置づけろという意見書の提出、防衛装備庁の設置にいたるまで、最後の延命策としてここにかけている。背後にあるのは危機の深さです。すべてはこれからだと思います。
 さらに、日韓連帯で痛切に感じたのは、今度の戦争法案が朝鮮有事を想定したものであることです。ゼネストのテーマにも結合されましたが、教科書国定化問題で議論しました。焦点は北朝鮮を少しでも容認するようなことは一切載させない、軍事独裁時代と親日派の肯定です。民主労総の解体が焦点で、戦争の現実化として動いている。
 一方、民主労総の巨大な闘いが存在していて、それが簡単には朝鮮半島での戦争に踏み切れない現実的な力となっている。戦争とはまさに民主労総の存在を殲滅(せんめつ)することとイコールです。そう考えた時、われわれが11月集会で実現している民主労総との連帯闘争は歴史的な意味をもっています。同時に、われわれが肩を並べて進めるような力を本気になってつくらなければいけないと、突きつけられていると思います。

★労働法制改悪攻撃との闘い

 もう一点、国会では戦争法と一体で派遣法の抜本的改悪が強行されました。「1985年以来の大転換」と言われています。戦争と貧困、戦争と非正規職化が一体で進んでいる。非正規・貧困問題、社会の全面的な崩壊問題が、年末から来年にかけて爆発的に噴き出す過程に入っています。政府は非正規が40%に達したと発表した。国家戦略特区も具体的に動きだす。これまでとは情勢が一変します。これに立ち向かう職場や産別での構想と実践に踏み出して怒りの声を結びつけ、労働運動の再生にむかって一つに団結させていく存在に飛躍しなくてはいけない。11月集会でもそれが問われました。動労千葉は、来春闘・ダイ改にむけて、JR本体では外注化粉砕闘争を軸にした闘いに全力で挑戦し、CTSでは、非正規職化・貧困化に立ち向かう春闘をやりぬく。この二つを訴えて闘います。もう一方、来年の参議院選挙が、戦争法と改憲をめぐる焦点になる。
 11月集会はそれで完結したのではなく、われわれが何に立ち向かわなくてはいけないのか、どう飛躍しなければいけないのかを明確にした一歩でした。すべてはこれからです。来春に向けて、直ちに新たな闘いに入っていきたい。

韓国ゼネストは歴史的闘い

 11月13~17日、106人の代表団が訪韓しました。
 14日の民衆総決起闘争は、まさに歴史的な闘いの場に参加しているんだと感じました。10年以上、韓国の労働者大会に参加していますが、今までにない結集です。民主労総は市役所前の広場だけでなく周辺の大通りを埋め尽くして結集した。さらに農民や学生、露天商などを営む貧民がそれぞれ別な場所で集会を開いて、パククネ政権退陣を叫んで光化門をめざして無届デモで押し寄せた。その数15万人。その先が青瓦台(大統領官邸)です。とにかくものすごい人、人、人。権力側は、光化門の手前で何重にも阻止線を敷き、それを突破しようとするデモ隊が激しく衝突し、夜23時まで7時間にわたる闘いが展開された。69歳の農民が危篤状態で救急車で運ばれています。権力の側は催涙剤を入れた放水を続け、デモ隊側は道路を封鎖する機動隊の車を引き倒して前進するというものすごい闘いになった。
 この闘いの焦点である「労働市場の構造改悪」は、行政指針と法改悪の二本柱でこれまでの労資関係を根本的に覆す攻撃です。黙っていたら民主労総が解体されかねない。これに教科書の国定化問題が重なって、パククネ政権打倒を掲げた政治闘争、政治的ゼネストへの歴史的挑戦として闘われた。
 この時代に、こうした革命的な闘いが民主労総によって組織されている。13日にフランスで「イスラム国」によるテロ事件があった。これも世界戦争の引き金を引くことになりかねない歴史的事件ですが、韓国での闘いも全く逆の意味で、新自由主義に抗する歴史的な反撃の開始を告げる闘いだったと言って過言ではないと思います。民主労総70万の組織された力が政権打倒を掲げ、ゼネストを訴え、国家権力と激突して激しく前進する、本当に歴史的闘いです。
 なによりも一番感じたのは、その原則性と大衆性を両立させて団結を維持しているすごさです。ハンサンギュン委員長を先頭とした総連盟の断固たる決意ということがあって実現していることですが、70万というナショナルセンターで、個別の産別連盟や労組の中には、当然のことながら、体制内的要素や、資本の攻撃を妥結せざるを得ない苦しい現実もいっぱい孕んでいる。激しい論争や組織的問題もたくさんある。そうしたものを民主労総の下に強力に団結させて、政権打倒・退陣をめざして非妥協的に国家権力と闘う原則性を貫き、ゼネストに立ち上がろうと訴え、原則性と大衆性を見事に一つに組織して進んでいる。そこまでまとめあげるには大変な困難や苦労をしているはずです。14日当日も15万人が結集し、最先頭で激突する行動隊から、その背後で道路を埋め尽くしソウルの街を解放区にした膨大な隊列まで見事な蜂起です。
 われわれもこうした力をつくりあげたいと切実に思いました。日本の労働運動の歴史を見ると、原則性と大衆性を両立させて闘争と団結を持続できた例は数少ないのが現実です。階級的労働運動の復権に向けて、民主労総の闘いから徹底的に学び、われわれもそういう存在に飛躍していくことが求められています。
 動労千葉も小さな経験ですが、団結を守りぬくために、原則性と大衆性を同時に貫く日々の必死の努力を続けてきました。新自由主義が崩壊しようとしているが故に、凶暴な攻撃を次々と繰り出してくる情勢の中で、民主労総は70万人を率いてこういう闘いが実現できている。そこに、僕らが深く連帯して十数年間の共闘関係の中で深い信頼関係を築いている。何としても日本における闘いを前進させて、新自由主義を打ち砕き、戦争を止める力にしなければならない。

★トルコなどの労働者との連帯

 さらに、戦火の渦中にあるトルコの労働者やドイツ機関士労組との連帯と団結を実現したことも、これから本当に大きな意味をもつと思います。
 フランスで「イスラム国」による事件が起きて、オランドは「フランスは戦争状態だ」と宣言しました。数十年にわたる帝国主義とスターリン主義の中東政策、果てしなく繰り返された戦争が「イスラム国」を生み出した。戦後の帝国主義による中東政策が全部破綻し、さらなる戦争を生み出そうとしている。中東、北アフリカからヨーロッパに向けて数百万の難民が生命がけで大移動している。世界史が変わろうとしています。
 求められているのは、労働者階級が歴史を動かす力として団結した力を登場させることです。トルコの仲間たちは「家族のように感じた」と言ってくれました。さらには、韓国の鉄道労組、ドイツの機関士労組、そしてメッセージをくれた中国の鉄道労組などのつながりが生みだされたことを本当に発展させたいと思います。

日常的に職場で闘い、拠点職場から数十人の結集を!

 職場からの闘いなくして組織拡大なし、地域での闘いなくして組織拡大なし、闘いなくして組織拡大なしです。怒りの声をどうすれば結集できるか、全てをその観点から考えて闘うことが必要です。
 新自由主義の崩壊は、教育、地方自治体、医療など全ての職場で矛盾を爆発的に生み出しています。安倍政権が進めているのは総非正規職化攻撃です。労働運動は階級闘争であり、労働者を組織する運動です。職場や社会のありようが全部壊されていく現実に対し、抽象論ではなく具体的にどういう運動を作っていくことができるのかが日々問われます。われわれは、人生をかけた選択として団結して共に闘おうと訴えるわけです。そういう生き方を労働運動の具体的姿として示したい。全国各地に、11月集会に数十人という組合員を結集させることができる階級的労働組合の拠点をつくりあげるためにどうしたらいいのかを真剣に考えることが大事だと思います。この1年をかけてそういうものをつくりたい。
 「日常的に職場での苦しい闘いを続けること、それから逃げないことこそがゼネストを準備する」と民主労総の仲間が言っていました。時代は動き始めています。必死の決意でやれば不可能なことではないと思います。