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甦る労働組合 16春闘に立ち上がろう

月刊『労働運動』34頁(0310号01/01)(2016/01/01)

甦る労働組合
戦争阻止、非正規職撤廃へ16春闘に立ち上がろう


赤羽 進彦(全国労組交流センター常任運営委員・ 医療福祉部会・青年部)

 安倍政権は2015年通常国会において、戦争法案と一体で労働者派遣法改悪案を衆院で可決し、改悪派遣法が9月30日に施行された。
 派遣労働者は3年たったら解雇されるという仕組みへの大転換だ。同時に、これまで「正規職に規定されてきた非正規職」から「非正規に規定された正規職」への大転換だ。3年で首が切られるのは派遣労働者だけではない。すべての労働者の首を切れるようにするということだ。労働者は闘わなくては食べていけない時代がこれから始まろうとしている。
 人員不足を例に挙げれば、人員不足による労働の強化・継続か非正規職化を受け入れるかの二者択一を選ぶしかない。今働いている労働者に関しては労働条件は変えない。しかし、今後入ってくる人間に関してはその限りではない。このような資本家の攻撃に対して正規、非正規の分断を越えて闘う労働組合を作ることだ。とりわけ4大産別に顕著に見られる傾向として、「今すぐ全面的にそうなるわけではない」とか、「部分的だ」とか、「試験運用だ」と言い、非正規職化攻撃に対する全面対決を先送りにしてきたということは、現在のみならず未来さえ資本家に差し出すということだ。
 共同性と階級性とは今、目の前にいる職場の労働者のみに限られたことではない。「ブルジョア社会は過去が現在を支配」することに対して、未来のために闘うということだ。動労千葉労働運動が守りぬき、指し示している労働者の共同性、階級性は、今いる組合員のためだけでなく、後から来る労働者、次の世代の労働者のために首をかけてでも闘うということだ。ミスや事故は非正規のせいだとか、非正規職を組合に入れると争議になるからしないということや、職場が回らないことの責任を非正規に転嫁さえしようとする。 全逓におけるマイナンバー問題、自治体における全面外注化をはじめあらゆる職場にこの状況はある。しかし、職場が回らない原因は非正規にあるのかということだ。
 このような職場内での分断攻撃に対して、正規・非正規が共に闘える運動を作り出すことだ。新自由主義資本の総非正規職化攻撃に対して屈服を深める体制内労働運動を乗り越え、戦争阻止、非正規職撤廃へ、今春闘に立ち上がろう!