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甦る労働組合階級融和を拒否し、16春闘へ!

月刊『労働運動』34頁(0312号01/01)(2016/03/01)

甦る労働組合
階級融和を拒否し、16春闘へ!


山口 弘宣 (全国労組交流センター常任運営委員・ 日本機械労組書記長)
 16春闘は、階級融和の攻撃の中にある。日本経団連や日銀総裁、そして安倍政権の「賃上げ」要請は、「官製春闘」であり、春闘解体攻撃である。世界戦争に向かって、階級闘争を否定する帝国主義の階級融和の攻撃である。
 連合の16春闘要求の根拠は、「景気回復」という資本の延命である。「2%賃上げ」という数字は、日本銀行の「物価安定の目標」として掲げられている消費者物価上昇率(前年比)であり、「日本経済の好循環実現」のための春闘要求なのだ。これは春闘を、階級闘争ではなく、労働者の生活向上でもなく、「日本経済」のために変質させるものだ。
 そして、非正規労働者は貧困ゆえに不安定な状態に追い込まれている。非正規労働者は闘いに立ち上がっても、即座に「雇い止め」される。
 しかし、非正規労働者の組織化は無駄なことなのか。非正規労働者は永遠の救済を受ける「かわいそうな」存在なのか。
 非正規労働者の存在は、資本主義の延命策であるが、同時に革命の火薬庫でもある。非正規労働者には、労働の権利と労働組合が奪われ、生きる希望や夢が奪われ、貧困と怒りが蓄積し、あらゆる矛盾が集中しているのだ。ひとたび火がつけば巨大な炎となる存在である。
 この20年で、世界の労働者派遣事業所は激増している。国際人材派遣事業団体連合会の調査では、全世界で、1996年には5万4千事業所だったが、2006年には12万事業所、09年には16万9千事業所になり、12年は20万事業所を超えている。なかでも日本はダントツのトップで8万3千事業所・15万人(2位アメリカ2万事業所・19万人)になっている。日本は非正規化が激しく起きている国なのだ。
 昨年の労働者派遣法改悪の審議のなかで、衆議院で自・公と次世代の党は、「政府はこの法律の施行後速やかに、労働者が、雇用形態にかかわらず...労働者の解雇に関する法制度を含めた労働に関する法制度の在り方について、...抜本的な見直しを行う」を付け加えることで修正案がまとまっていたのである。修正案は参議院で通らなかったが、派遣法と解雇の関係は一体ということだ。
 16春闘は、この総非正規化と解雇自由化との対決なのだ。ライフサイクルに反対した動労水戸のストライキに続き、全金本山労組は、1月28日に会社の一方的な休息時間廃止に抗議してストに決起している。ストライキで闘う春闘を労組交流センター派はつくりだそう!

(写真 全金本山労組の1月ストライキ)