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鈴コン本出版記念会 新たな戦闘宣言!

月刊『労働運動』34頁(0312号09/01)(2016/03/01)


鈴コン本出版記念会 新たな戦闘宣言!
関西生コン支部、港合同、動労千葉が祝福・連帯のあいさつ


 1月30日、東京・秋葉原の鈴木たつお弁護士事務所において、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘争本『非正規が闘って、勝った!』(東京西部ユニオン編)の出版記念会が開催された。
 鈴コン分会は3ヶ月雇用の非正規の生コンドライバーがつくった労働組合だ。国鉄1047名解雇撤回・外注化阻止の労働運動を学び、大半が非正規職の職場に労働組合を立ち上げ、劣悪な労働環境を改善するための順法闘争やストライキに決起して闘い抜いてきた。そして、会社側の総力をあげた切り崩しや分断工作による裏切りをも乗り越えて団結を守りぬき、2011年のストライキを理由とする3名の不当解雇に対し、3年間の解雇撤回闘争を経て、裁判闘争に勝利し、2014年11月に原職復帰を果たした。また、2015年8月には、都労働委員会において、最初の組合破壊攻撃となった故・田口組合員の解雇無効の勝利命令をも勝ち取った。この鈴コン分会の闘いの衝撃は運輸産業や他産業の労働者にも広がり、共に闘う仲間たちが拡大しています。その闘いの記録が『非正規が闘って、勝った!』だ。
 出版記念会は、マスコミも取材に訪れる中で開催され、さながら11月労働者集会の呼びかけ3労組(連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉)を先頭とした春闘総決起実行委員会のようだった。大いに盛り上がり、何よりも鈴コン分会一人ひとりの晴れ晴れとした元気な姿と、佐藤副分会長に対する60歳定年制導入による解雇攻撃粉砕への大争議も辞さずに闘うとの決意表明に、集まった多くの仲間たちの新たなやる気と団結を力強く引き出すものとなった。
 冒頭、鈴コン分会闘争支援連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さんが「鈴コンは小さな企業ですが、そこで狼煙をあげ、非正規で闘って勝った、この意味は大きい。歴代の内閣が労働組合をつぶしてきた荒れ果てた原野の中で立ち上がった。全国に波及をもたらす火種になっていると確信しています」「非常に元気で、愉快に闘って、そして職場に戻った。今の状況、金銭和解が多い中で、金銭和解なんて認められないということで職場に戻った。このことは大きい。そういう闘いができるんです。会社・資本が労働組合をどんなにつぶしにかかっても、火種はやっぱり立ちあがって燃え上がるんだということを示した。こういう鈴コンの本が出来たことを皆さんと祝い合える。今日の宴は、本当に楽しい夜になると思います」と力強く開会の言葉を述べた。続いて出版元の出版最前線があいさつ。
 連帯のあいさつを三労組共闘の全日建運輸連帯労組関西生コン支部書記次長の武谷新吾さん、動労千葉副委員長の関道利さん、港合同執行委員の木下浩平さんが行った。
 関生支部書記次長の武谷さんは「僕も生コン運転手ですから、よう解るんですわ。教科書になります」「鈴コンの闘争をしっかりパクらせてもらってね、さらなる飛躍をしていきたいと思います」「志半ばで亡くなった高さん(関生支部副委員長)もきっと喜んでいると思います。自分たちも新会館を建て、1万人組織拡大に向かっています」「名誉毀損攻撃をぶっ飛ばし勝ってくれてホンマにありがたい。関生の闘いにも生かします」と会場を沸かしながら激励がなされた。
 動労千葉OB会永田会長の音頭で乾杯をした後、弁護団からは7月参院選に決起する鈴木たつお弁護士が「鈴コンの弁護団の一人として、吉本さん達に尻をたたかれながら闘いました。その核心は『名誉毀損』問題です。使用者は『虚偽だ』とか言うが労働事件は違うんですよ。鋭い労使対立の中では、行き過ぎがあってもいいんだと、そんなことを使用者が言う資格はないぞということですよ。そこで大きく勝っている。鈴コンの闘いを始めて感じたのは、非正規の労働者をどうするかっていうこと。それは貧困の最大原因であり、第一級の課題です。非正規の問題で、一番大きな関心事は、団結しているかどうかです。金銭解決の提案に対し、冗談じゃないってね、その迫力と団結ですよ。資本は労働者を本当に虫けらと思っている。それといきなりぶつかって、勝っていった。日々の強烈な悔しさを団結の形にしていった吉本さんたちの勝利だと思う」と核心を突きだし、7月参院選への総決起を呼びかけた。
 続いて、衆院選出馬を決断した全学連委員長の斎藤いくまさんから「戦争と非正規職化を進める安倍・新自由主義と徹底的に闘う」との決意が表明された。
 共闘会議呼びかけ人からはス労自主の山川博康副委員長、動労水戸の池田学執行委員が発言した。 
 いよいよ鈴コン分会が晴れ晴れとした姿で登壇、一人ひとりがマイクを握り「第2の解雇攻撃との闘いに入る。労働組合の力を見せつける」との戦闘宣言に、会場は割れんばかりの拍手で応えた。
 共に闘う仲間からは、小竹運輸グループ労組、さいたまユニオン、東部ユニオン、関合労などが代わる代わる発言。関合労の「鈴コン本を全組合員が買った上で、150冊売りました!」に会場がどよめいた。そして、動労千葉CTS青年労働者、沖縄からはIJBS労組委員長の富田晋さんも駆けつけ力強い決意表明を行った。
 さらに、TV放映で有名になった全学連の仲間も新たな仲間と共に登壇、「未熟者ではありますが、全身全霊で闘います!」との決意表明に惜しみない拍手で応えた。後半には動労水戸の辻川慎一さんも笑顔で駆けつけ、あちこちで談笑の輪が広がった。
 最後に、東京西部ユニオン副委員長の山本さんから、鈴コン本の編集・制作に関わった仲間の紹介と参加者へのお礼が述べられた。
 宴たけなわの後、合同・一般労組全国協事務局長の小泉さんから2・14国鉄集会、16春闘への総決起が呼びかけられ「団結ガンバロー」で締めくくられた。
 非正規雇用が4割に達し、労働者が食べていけない時代に「非正規が闘って、勝った!」ことは全国・全世界の非正規労働者を決定的に勇気づけている。職場闘争の前進と新たな解雇撤回署名を開始した国鉄闘争全国運動の前進のバネにしていきましょう。16春闘―3・11郡山―伊勢・志摩サミット決戦―7月選挙戦へ共に闘いましょう!