月刊労働運動-Home> 甦る労働組合 > | 連載 >

甦る労働組合 戦争前夜情勢で'16春闘をいかに闘うか

月刊『労働運動』34頁(0313号01/01)(2016/04/01)

甦る労働組合
戦争突入前夜情勢下で'16春闘をいかに闘うか

諸永 政廣(全国労組交流センター常任運営委員・ 精研労組委員長)

 3・7米韓軍事演習が強行され、4月30日まで継続される。この軍事演習は韓国軍30万、米軍1万7千という史上最大規模であり、キムジョンウンを「斬首」する作戦計画「5015」を発動するとなっている。これに対して北朝鮮は即刻日本海に向かって「スカッドミサイル」を発射するなど激甚な反応を示した。朝鮮半島、いや東アジアはまさに戦争突入情勢そのものだ。この情勢下で安倍自民党政権は、2016年初頭より新自由主義と絶対非和解で闘い抜く階級的労働運動派への弾圧を連続的に繰り返している。
 昨年の10・27京大反戦バリケードストライキに対して、京大総長=山極を使い、京大史上初めてとなる学生への刑事告訴に踏み切らせた。戦争突入情勢、世界大恐慌の進行、アベノミクス破綻のもとで絶望的延命の道に突き進まざるを得ない中で、戦争絶対反対の非和解で闘い抜く全国の労働者・学生、労働組合・学生自治会の運動によって打倒されることへの恐怖で、弾圧は強行された。しかし、闘う勢力によってことごとく粉砕された。今更ながら、戦争絶対反対! 絶対非和解、階級的労働運動をつくり出した動労千葉を先頭とする運動の凄さを感じないではいられない。だからこそ米韓軍事演習強行に対する韓国民主労総を基軸とした労働者階級・民衆の決然たる決起とともに、戦争絶対反対! 絶対非和解で闘う世界の労働者階級は同次元で呼吸していることを改めて感じさせられる。
 東日本大震災と福島第一原発事故から5年を迎えた3・11は、'16春闘を闘い抜く労働組合旗と福島の怒りをひとつにして福島県民と大合流した。5年間の怒りと苦しみは消えるどころか、生き抜くためにさらに大きく組織的な拡がりとマグマを蓄積し、安倍政権打倒へ、新自由主義を許さず原発廃炉を誓う叫びとなっていた。
 安倍自民党政権の下で、すでに労働者の4割以上が非正規職となっている。2000万人以上が非正規職を強制され、年収240万円以下が男性31・7%、女性62・6%にまでなっている現実を直視した'16春闘でなければ、一切は絵空事でしかない。 私たち精研労組も「大幅賃上げ要求=生きていけるだけの賃金よこせ! 派遣労働者、非正規労働者を正規職にしろ!」と、団結をかけた春闘の正念場となっている。
 必死で働き、それでも生きていける賃金を受け取る条件もない生きた労働者、そして家族と共に必死で闘おう。労働者、そして家族が普通に生きていくことのできる社会、戦争なんか絶対にさせない社会をつくり出すために、労働者、労働組合は'16春闘の闘う団結で、安倍自民党政権、新自由主義を打倒しよう。