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12・10常磐線全線開通に断固反対する抗議行動 仙台~いわきで抗議行動

月刊『労働運動』34頁(0322号04/01)(2017/01/01)


12・10常磐線全線開通に断固反対する抗議行動
仙台~原ノ町~いわきで抗議行動

(写真 12・10常磐線開通阻止いわき駅前行動)

石井 真一(動労水戸委員長)

 12月10日、JR東日本は、常磐線・相馬駅~浜吉田間を開通させ、小高駅から仙台駅まで開通させました。この攻撃は、安倍首相が言う「2020年東京オリンピックまでに全線開通させる」ことで、常磐線を福島第一原発のすぐ脇まで通過させ、福島県民と労働者に全面的な被曝を強制する大攻撃です。
 動労水戸は12月9日前夜に仙台に乗り込み、朝8時からの仙台支社前抗議行動に備えました。仙台に向かう途中、常磐線が現在乗り入れている竜田駅の様子やそれより原発に近い富岡駅周辺の様子を見てきました。
 竜田駅前は、壊された自動販売機が修復され、民家も電灯がついていました。駐輪場にも20台くらいの自転車が止められ、周辺の民家も一部足場が組まれ修復されようとしていました。竜田駅から北に延伸する大工事も行われており、重機が動きバラスト、レールが敷かれていました。
 富岡駅跡地に着くとフレコンバッグが片付けられ、レールが運び込まれていました。来年富岡駅まで延伸する工事が急ピッチで進められています。富岡駅は2011年3・11東日本大震災で津波が来て大波を被った駅です。真正面に海が見えましたが、防潮堤は作られていません。11月22日いわき市で震度5弱の地震が起き、津波が福島第一原発でも1・6メートル観測、福島第二原発3号機の使用済み核燃料プールの電源が喪失しています。それでもお構いなしに、富岡駅を修復し、常磐線を全線開通しようとしているのです。
 富岡駅を後にして高速・常磐富岡インターに向かうと周辺の住宅も足場が組まれ修復しようとする様子が見えました。高速道路を走り、福島第一原発の近くに来ると、急速にモニタリングポストの値が3・7μSvに上がりました。その数値は全く動かず、闇夜の中で原発の周辺一帯は真っ暗で、余計に恐怖を感じました。
 12月10日、動労水戸は運転士がストライキに突入し、組合員11人をはじめ総計50人の部隊で仙台支社前に登場しました。動労水戸支援共闘会議代表の小玉忠憲さんの断固たる抗議から開始され、動労水戸、動労福島、動労西日本、全金本山、ふくしま合同労組、NAZEN宮城の仲間から断固たる抗議の声がたたきつけられました。
 動労水戸は仙台を後にし原ノ町駅に向かいました。すでに福島診療所・布施幸彦院長と建設委員会の渡辺馨さんが原ノ町駅前で街宣行動を行っていました。
 同時刻、原ノ町駅では開通セレモニーが行われていました。相馬野馬追の馬が2頭と甲冑姿の武士が3人ほどいました。しばらくすると水戸支社長と支社幹部が5~6人、原ノ町駅前を歩いています。支社長はこちらに視線を向けず、速足で逃げるように駅舎に入りました。我々は約20数人で、「常磐線全線開通攻撃を許さないぞ」「被曝の強制を許さないぞ」とシュプレヒコールをたたきつけました。その後、原ノ町運輸区前でも抗議行動を行い、會澤憲一組合員が、ライフサイクル攻撃で水戸駅において草むしりばかりやらされている現実を話し、「被曝が嫌ならキチンと声を上げよう」と訴えました。
 最後に、いわき駅前に動労水戸を先頭にいわき合同ユニオンなど30数人が集結、寒風の中で「常磐線全線開通反対」を訴え、街頭宣伝活動を貫徹しました。