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スキル評価制度、大阪府労働委闘争に勝利しよう 3・19郵政労働者決起集会

月刊『労働運動』34頁(0325号06/01)(2017/04/01)


スキル評価制度をぶっ飛ばそう! 大阪府労働委員会闘争に勝利しよう!
3・19郵政労働者決起集会に40人超が結集

(写真 スキル評価制度との闘いについて活発な論議)

村山 晃(関西労組交流センター全逓労働者部会・スキル府労委申立人)

 私達が進めているスキル府労委闘争の中で、「スキル評価5年で解雇」の実態が明らかになっています。JP労組中央が会社と一体で「首切り自由」の労使協定を結び、組合の団結を売り渡したとはっきりしました。職場は、携帯端末での労務管理と労働強化に怒りが押さえられません。3月末に向けて交通事故や誤配でのスキルダウン・退職強要・雇い止め解雇が強行されています。すべては要員不足と労働強化が原因です。
 昨年10月1日「無期転換」制度実施で、4月に向けて職場の団結破壊が進んでいます。正規と非正規が団結し、スキル評価制度を廃止に追い込み、「無期転換」制度を撤回させるために忌憚なく話し合い、共に闘いたい。このような思いで、昨年8月に始めたスキル大阪府労働委員会闘争審問の局面を前に、「スキル評価制度、無期転換は不当労働行為だ」大阪府労働委員会闘争の申立人である富田林郵便局の平沼和典さんと吹田郵便局の私の呼びかけで、3・19郵政労働者決起集会を難波市民学習センターで開催しました。
 郵政労働者を中心に、関西合同労組、動労総連合の東さん、関西労組交流センターの深町代表、教育労働者、自治体労働者など40人を超える仲間の結集で意気上がる集会となりました。
 司会は関西合同労組の西川さん、基調報告は私がやりました。「労働法制解体攻撃は、社会のあり方をひっくり返す階級戦争の攻撃であり、必ず体制内的な壁をぶっ壊す労働者階級の根底的決起を生み出す。昨年10月前から働いている非正規労働者は『5年たてば無条件に無期転換はペテンだ』と言っている。JP労組と資本は留め金が外れたように、スキルダウン・退職強要・雇い止め解雇攻撃をかけてきて激突が始まる。労働法制解体をめぐる18年決戦に国鉄決戦と一体で先制的に入った。JP労組中央を打倒し、職場に階級的な団結と労働運動を打ち立てることは可能だ。動労総連合の決起は時代を切り開くまばゆさをもっている。郵政労働者も階級決戦の主力部隊として登場し、ゼネストの先頭に立とう」と、府労委闘争に決起した目的を明らかにしました。
 続いて、ストライキを闘った動労西日本の東執行委員が「動労総連合として国鉄労働運動を甦らせているように、絶対に全逓労働運動も甦る」と熱い連帯挨拶をしてくれました。
 平沼さんが労働委員会闘争の現状と課題で発言しました。
 「私達がスキル府労委を開始したことで当局は構えた。3月末の雇い止め解雇・スキルダウン情勢の中で、私達も仕切り直す決意で集会を設定した。争点を整理すると、一つ目に、『スキル評価制度と無期転換はJP労組との労働協約によって進められているから、一組合員である私達に申し立てる資格はない』という当局の主張。二つ目は『非正規労働者へのスキル評価制度であり、本務を対象にしたものではないので、訴えが間違っているから門前払いしろ』という主張です。ここをどう突破するかが最大の課題でした。
 私達の認識は、解雇や賃下げがあれば不当労働行為として争えると思ってきました。しかし論議の中で、スキル評価制度は組合員が組合員を評価し賃金を決めるので不当労働行為であり、スキル評価による労働者への団結破壊であり、労働組合への支配介入であるから、一組合員でも不当労働行為として争うことは可能だとつかんできた。
 JP労組中央がスキル評価による首切りを認めたこの屈服の過程が不当労働行為である、労働協約化を不当労働行為として争っている。その意味で、郵政資本相手の労働委員会闘争ではあるが、もう一方の相手はJP労組中央だ。組合自身が不当労働行為の担い手であるという認識は、今日の時代では重要だ。正規・非正規の分断を打ち破るのが労働組合の闘いだと旗をもう一度立てる。現場は怒っている。闘いを広げていきたい」とスキル府労委闘争の核心をわかりやすく提起してくれました。
 そして、討論に入りました。
 冒頭、ストライキ雇い止め解雇撤回府労委、職場団交を中心的に担っている関西合同労組郵政非正規部会新大阪局分会の組合員が「この間の闘いでやるべきことは全部やってきた。会社は誠実に答えてほしい」と深夜労働前に熱くアピールしてくれました。
 そして、全国全逓部会の岩本代表に「東京でもスキル労働委員会闘争を開始する。正規・非正規を超えた労働者の組織化に全力で闘う」と決意を表明していただきました。
 続いて、スキル府労委闘争を闘い抜いている関西合同労組の山口書記長が 「スキル評価制度の闘いを単なる評価制度の問題として捉えるのではなく、郵政労働運動の転換をかけて、正規・非正規の分断を乗り越える闘いとして血を流してでも闘うことで団結をつくり、郵政労働運動を甦らせよう」と重要な提起をしてくれました。
 府労委の証人予定の元西陣郵便局の相川さんが「全逓労働者としての人生の総決算をかけて、郵政の不当労働行為との闘いの歴史を証言したい」と決意を語ってくれました。
 さらに、京都、奈良、泉州、大阪貯金の郵政労働者の仲間から職場の現状と闘いの報告がされました。京都の仲間は「配達中に労働者が死亡するという出来事があったと聞いたが、当該局のJP労組の副支部長は労災にならないのではと言っている。この発想自身に怒りを覚える。集配職場は死ぬほど働かされると感じるほどの強労働になっている」と職場の現状を怒りをもって報告しました。渉外部門で働く仲間からは「高い目標設定のもとで、自爆営業が横行している。目標達成のためなら手段はどうでもいいという職場になっており、怒りに堪えない。民営化を出発点とする私達への評価制度にも怒りを感じる」「職場の現状を少しでも変えたいという思いで闘っている。おかしいことはおかしいとはっきり言っていきたい」と職場の現状への怒りと闘いに向けた決意が語られました。
 関西労組交流センター代表の深町さんは「自治労も民営化を推進し、仲間の首を平気で売るような存在。国のあり方を根底的に変えようという旗があれば労働者は絶対に結集する。評価をめぐる闘いは産別を超えて闘う大きなテーマでもある」と闘いの方向を示してくれました。
 教育労働者が、「教育現場も民営化と教育を金もうけの手段にし、評価制度による分断と団結破壊がある。階級的日教組運動を作り出していく」と討論を締め括ってくれました。
 最後に私の方から方針を提起し、団結ガンバローを三唱し、更なる決起を誓い合いました。