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闘う合同一般労組 臨時大会で新体制を確立 う労働運動をつくりだす 東京北部ユニオン

月刊『労働運動』34頁(0325号10/01)(2017/04/01)


闘う合同一般労組
臨時大会でユニオン新体制を確立
職場と地域で闘う労働運動をつくりだす
一般合同労働組合東京北部ユニオン

 1月28日、東京北部ユニオンは第12回(臨時)大会を開催し、早川恵子新委員長をはじめとする新たな執行委員会体制と2017年を闘う方針を確立しました。

 時あたかも、韓国でのパククネ打倒への革命情勢の進行とトランプの大統領就任、更には朝鮮半島など世界的な戦争情勢として2017年の幕があけ、闘うユニオンとしてどう闘うかがあらためて問われていました。臨時大会では、2015年の「オープンスペース街」弾圧以来の過程を、新自由主義による障害者解放運動と労働運動の分断攻撃との攻防として総括し、どうやって団結を総括軸とした階級的な労働運動をつくっていくか、徹底的に討論しました。大会参加の全員が率直に語り、必死に訴え、涙を流し、激論を繰り広げました。これほど腹を割って討論したことは今までなかったと思うほどです。
 まだまだ議論は継続中ですが、この大会で確立した新体制と方針のもとに、新たな闘いに打って出ています。

■鈴コン分会の仲間と共に浮間舟渡地域丸ごとの組織化へ

 ユニオン新体制の最初の闘いは、板橋区舟渡にある「日東興産」というゴミ袋などの卸売り会社での職場改善と解雇をめぐる問題です。「日東興産」社長は90歳を超える高齢で認知症が入っており、組合員Kさんは、通常の仕事以外に社長の汚物の処理や送迎の介助などを事実上強制され、社長による日常的なセクハラ・パワハラに悩まされていました。同じビル内にある「日東瓦斯」は息子が経営しており、両社は事務・経理などにおいては事実上一体的に運営されています。ところが、「日東瓦斯」社長は「別会社だから」と見て見ぬふり。
 これに対して、組合で論議して決断し、職場の改善を求めて労働基準監督署に是正勧告を申し立てるとともに、団体交渉を要求しました。ところが、会社側は、翌日の朝になって「売上減少で、事業を維持していくことが困難なため、会社を清算することを検討しています」として、2月末をもっての解雇を通告しました。労働組合が団体交渉を要求したこと、労働基準監督署に申立てをしたことへの解雇は、労働組合法7条・労働安全衛生法第97条の違法解雇です。
 「日東瓦斯」社長は、団交の場で解雇予告通知書を撤回し、「会社の清算ならびにK組合員の雇用問題については、誠意をもって協議する」との合意書に調印しました。
 ところが3月に入り、会社は再度の解雇を強行し、「日東興産」をロックアウトしながらゴミ袋の卸売り事業は「日東瓦斯」で事実上継続するという卑劣な策動に出てきました。現在、解雇撤回をめぐる攻防が続いています。
 「日東興産」闘争は、わずか数人の小規模の職場における闘いです。しかしそこには国鉄分割・民営化を源流とする新自由主義との攻防があります。同時に、この闘いを浮間舟渡地域全体を組織化する展望と戦略をもって闘っていることが決定的です。
 「日東興産」は浮間舟渡駅の近くにあり、あの鈴コンの目と鼻の先です。社前闘争と浮間舟渡駅街宣は、鈴コン分会の仲間などの結集で大ブレイク。都営交通の労働者などがどんどん署名とカンパに応じてくれました。中小の工場がひしめく浮間舟渡地域を丸ごと組織化する展望が大きく開けています。
 「一人の解雇も絶対にあいまいにしない」原則とともに、「労働者の闘争の本当の成果は、直接の成功にあるのではなく、労働者の団結がますます広がっていくことにある」(『共産党宣言』)のです。労働組合は、単なる「職場の要求を実現する手段」ではなく、あらゆる階層の人々と結びつき、新自由主義を打ち倒し、社会の根底的な変革を成し遂げる力をもっています。臨時大会で再確立した階級的労働運動の路線を、日々元気よく団結して実践しています。

■北部地区全員が飛躍をかけて闘った3・3北部春闘集会

 東京北部ユニオンの闘いは、更に3・3北部春闘集会として結実しました。動労東京建設を軸に、北部地区と東京各地区の仲間との団結で、本当に新しい形での集会を勝ち取りました。参加した方の「今までの春闘集会で一番良かった。動労総連合と一体での集会となった」の感想にもあるように、北部地区の仲間一人ひとりが「ただ自分だけが参加する」ではなく、「自分の職場から一人を組織する」という飛躍をかけて闘ったことで、それが、動労総連合青年部建設の闘いとも結び付き、今後の北部地区の拠点建設の基礎を築いた闘いの第一歩となりました。
 動労水戸の青年・照沼靖功さんの訴えと動労東京の青年、職場丸ごとで決起した動労東京の組合員が一堂に会し、国鉄闘争を軸とした闘う春闘集会となりました。また、「日の丸・君が代」不起立を闘う教育労働者の訴えは、国鉄闘争30年の地平と一体で、教育勅語を暗唱させられる「森友学園」の子どもたちのように教育しないと戦争動員できないという日帝の弱点を暴いた闘いだと実感させました。更に、北部ユニオンの「アミーユ」介護労働者など、すべてが国鉄闘争と一体で花開いています。
 最後に、青年労働者の感想を紹介します。「私も、集会の司会は全くの初めてで、まさに飛躍を求められましたが、集会を終えたその時は本当に清々しい気持ちで一杯となりました。まさに労働者の自己解放を見た! 最後に、この集会を終えて、本当に心から『誠を貫く』ことの大切さを学び、そこから不抜の団結が生まれることに確信を持ちました」。
 動労総連合建設と合同労組運動を両輪に、首都に階級的労働運動を作り上げるぞ! 戦争・民営化・非正規職撤廃の本格的な春闘の闘いへ邁進していきます!