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※都議選決戦の総括「安倍を監獄へ! 小池を倒そう!」の訴え

月刊『労働運動』34頁(0329号06/01)(2017/08/01)


※都議選決戦の総括
「安倍を監獄へ! 小池を倒そう!」の訴えは自民党惨敗の引き金を引いた

(写真 杉並区役所前でアピールする北島候補)

北島 邦彦(東京西部ユニオン副委員長)

 安倍政権=自民党の歴史的崩壊と朝鮮半島―東アジアをめぐる帝国主義による侵略戦争の具体的危機。しかし、その選挙的「受け皿」となるのはファシストと言うにも無内容・脆弱(ぜいじゃく)な小池―都民ファーストでしかない。プロレタリア革命を主導できる「新しい労働者の政党」の登場は待ったなしです。こうした歴史を画する政治的大流動のなか、労働組合交流センターの仲間のみなさんと東京都議会議員選挙を闘うことができ、心の底から誇らしく思っています。2496票―当選できずに悔しいかぎりですけれども、私たちにとってとても意義のある数字でした。
 「安倍を監獄へ! 小池を倒そう!」の訴えは、現在の政治状況において、私たちが何をおいても主張するべき、私たち以外に誰も主張することができないスローガンでした。選挙最終日、秋葉原での安倍首相弾劾の声に表現されたように、自民党の歴史的惨敗をもたらす引き金を、私たちは確かに引くことができました。さらに、「都民ファーストは大企業・金持ちファーストだ!」の訴えは、「小池都知事は何かうさんくさい、どうも怪しい」という労働者人民の想いに共鳴できました。「小池はおかしい!」と声を出していいのだと、多くの人たちの心を解放しました。
 これまで経験した選挙戦と比較しても、街頭の反応は圧倒的でした。「北島あるいは中核派を支持していいのだろうか?」。その〝懸念〟を払拭するために、街頭宣伝に足を運んでくれた多くの人たちがいました。「共産党か生活者ネットか北島か?」その迷いをふっきって自己確認するために、私たちの街頭宣伝にかけつけてくれた人も多数ありました。これまで〝陰ながら〟応援してくれていた労働者人民が「北島がんばれ! 中核派闘え!」と公然と街頭に姿を現わし、私たちに激励の声をかけていってくれました。これが街頭の圧倒的反応の真実だろうと思います。私たちがやるべき活動を実践することができ、とても清々しい選挙を闘いぬくことができました。
 さらに、訪問行動、電話行動、全駅制圧、都庁議事堂レストラン闘争や保育署名などの労組・職場オルグ、事務所維持などの総務活動...。全国から結集していただいた労働組合交流センターの仲間の闘いは、一点に集中して闘われるわけではありませんが、しっかりとした団結を確実に感じさせるものでした。
 そのうえで、ではどうすれば現実に安倍・小池を倒せるのか。この社会を根本から変革するためには何が必要なのか。ゼネラル・ストライキ(社会全体を止めるストライキ)を打つことのできる労働者の闘う拠点(闘う労働者の団結=闘う労働組合)、それを基盤とした地域の闘う共同性をとりもどさなくてはなりません。誰の目にも見えるように、その拠点を具体的に構築することが必要であり、早急にこの課題を何としても一緒にやり遂げていきましょう! すでに明確にされているように、①都庁議事堂レストラン闘争―本庁労働者と都関連事業の非正規労働者を組織化する闘い、②東京交通労組をめぐるすでに始まった体制内労組〝最強〟勢力との激烈な党派闘争=権力闘争、③動労東京八潮支部を先頭にした国鉄決戦、この3本柱で前進していきます。
 とりわけ杉並においては、保育―児童館闘争に全面的に突入し、新しい区関連非正規労働者組合の建設も火急の課題にすえていきたいと思います。さらに、労働者の政治新聞=『前進』の読者会を地域の中にいくつも組織し、日常的に活発な政治討論が行われる地域拠点=団結体を形成していきます。それが労働者の闘う拠点と結合したとき、まさに革命をやり遂げることのできる原基形態をつかむことができると確信しています。
 また、都議選闘争に突入する過程での「共謀罪」攻防は、大坂正明さんのでっち上げ起訴攻撃をもって新しい段階に入りました。星野文昭さんを獄中から奪い返す闘いも、同時に新しい局面を迎えることになりました。革命運動に対するこのような凶暴な攻撃を許しておいて、労働者の闘う拠点づくりもまたスローガンだけに終わってしまいます。星野―大坂闘争の展望を、この杉並からも切り開いていきます。杉並の地で星野絵画展を網の目のように開催していくことが、その第一歩であると考えています。
 今回の東京都議会議員選挙の結果は、これまでの政治支配構造がまったく崩壊したことを表わしています。自民党支配の終焉(しゅうえん)とともに、小池―都民ファーストの破産・分裂も必至です。朝鮮侵略戦争情勢の急切迫と改憲攻撃の具体的始まり、「働き方改革」と民営化・外注化攻撃の激化、20年東京オリンピックに向けての3年間が勝負です。
 とりわけ改憲決戦です。安倍政権の内閣支持率崩落や、ますます続発する閣僚の不祥事など、政権崩壊の道筋は不可逆です。18年末には衆議院議員の任期満了を迎えます。改憲勢力が3分の2を占めている国会状況が維持されているうちに、改憲をゴリ押しして強行しようとしているのは明らかです。政権延命を図るために国家の骨格をなす憲法を改定するなど、絶対に許すわけにはいきません。安倍首相が述べていた改憲プランは、東京都議会議員選挙を経て、その時期が18年に一気に繰り上がりました。日本共産党のように「国民投票が勝負」と規定するのはまちがっています。国会発議をさせない労働者人民の闘いなくして、国民投票での改憲反対過半数の獲得もありえません。
 改憲反対のゼネラルストライキを打つことのできる闘う労働組合づくりと、その闘いを包み込む改憲反対の圧倒的な人民の声、とりわけ女性の声と行動が必要です。改憲反対闘争は、日本共産党との激しい党派闘争として闘われることになります。だから労働現場における改憲決戦が趨勢(すうせい)を決します。
 東京都議会議員選挙で表面化した課題のひとつは、「あなたたちは何党?」という問いかけに、明確なイメージをもつことのできる回答をすることでした。新しい労働者の政党を本格的に建設する課題は急務です。全力で闘いましょう!

(写真 西荻商店街で練り歩き)