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労働者は一つ、敵も一つ◆№27 鉄道労組への鉄道非正規職の加入が加速化

月刊『労働運動』34頁(0331号15/01)(2017/10/01)


workers of the world Unite
労働者は一つ、敵も一つ ◆№27
鉄道労組への鉄道非正規職の加入が加速化

(写真 ソウル駅での宣伝戦)

 ムンジェイン政府の下で非正規職の正規職化への期待が高まる中、鉄道産業の非正規職労働者たちの間で鉄道労組加入の気運が高まっている。
 委託駅の駅業務を担当するコレールネットワークスでは、数か月の間に100余人が新たに加入し、車両整備業務を委託されているロテコ、KR等で新規支部が設立され、建築設備業務を委託されている会社にも鉄道労組加入が拡大している。
 鉄道労組は、鉄道産業の非正規職支部を含む鉄道非正規職連帯会議を発足させ、非正規職労働者の正規職化闘争に立ち上がった。コレールネットワークス支部とコレール観光開発支部を中心に、鉄道公社の直接雇用を要求するソウル駅宣伝戦が続いており、9月13日にはコレール(韓国鉄道公社)本社前集会を行った。
 また、雇用労働部の公共部門正規職化ガイドラインによる、労使専門家協議会に参加する労働側代表団を構成する論議も始められた。最初、雇用労働部は8月までに、各公共機関別の正規職化法案を、労使専門家協議会に提出する計画だった。しかし、労働組合員のいない会社から、会社側管理者が労働者代表として立ったり、御用労組が介入して労働側代表団を構成していた。その難関の中で、労使専門家協議会は構成さえできずにいる形勢だった。
 しかし、非正規職の正規職化が外注委託業務の還元と直結する問題であり、非正規職労働者たちの要求も大きいだけに、鉄道労組は積極対応に出る計画だ。
 雇用労働部は7月20日、公共部門非正規職の正規職転換ガイドラインを発表している。計画によると、公共部門非正規職の正規職化第1次対象である各公共機関らが、労使専門家協議会を経て提出した正規職化法案を収斂(しゅうれん)・検討して、9月末にロードマップを発表するというものだった。
 しかし、憂慮していた事が次々と現実化した。多くの非正規職労働者たちが未組織で残る状況の中で、「鉄道マフィア」たちがあたかも労働者を代表するかのように、労使専門家協議会の労働者代表団に参与すると乗り出してきた。
 例えば、鉄道運輸分野の副理事官出身で運輸協会の要職を担っている者が、名簿に上がった。さらに鉄道公社は、コレール観光開発、コレールネットワークス、コレールテック等に対して、労使専門家協議会に参加する資格がないとして排除しようとしている。
 雇用労働部のガイドラインが提示している正規職化の形態自体にも問題がある。「同一労働同一賃金」、「生命安全業務直接雇用」等の原則は影も形もない。期間制、あるいは外注委託労働者を、無期契約職に転換することを正規職化だと見なし、事実上、無期契約職への転換をガイドラインとして提示しているのみだ。
 さらに、完全な正規職化のために必須的な財政対策を出しておらず、財政は各公共機関が自分でやれというやり方で、正規職化の責任を各公共機関に押し付けている。
 結局、完全な正規職化は政府の政策を待つのではなく、鉄道労働者の闘争にかかっているのだ。

漆崎英一(動労千葉国際連帯委員会)