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11・4労働者国際連帯集会に結集を 動労千葉国際連帯委員会

月刊『労働運動』34頁(0332号02/02)(2017/11/01)


11・4労働者国際連帯集会に結集を!


山本 弘行(動労千葉国際連帯委員会)

 米大統領トランプは、9月20日「北朝鮮を完全に破壊する」と発言し、10月5日には軍高官らを前にして「嵐の前の静けさだよ」などと言い放ち、許し難い戦争(核戦争)挑発を繰り返しています。
 安倍はトランプを全面的に支持し、衆院選の公約の柱に「国難」と「北朝鮮への圧力強化」を据え、憲法9条への自衛隊の明記、ナチスの全権委任法を模した緊急事態条項の導入などを軸とした改憲原案を国会に提案すると宣言しました。
 一方、民進党は、前原・神津・小池の密談に基づき解党するという前代未聞の行動に走り、小池の「希望の党」は、極右の改憲・戦争政党として安倍と張り合いながら選挙過程に突っ込んでいます。
 私たちの明日を問う激しい情勢の中で、闘いの方向性・路線が厳しく問われています。自国帝国主義の「内なる暴虐と外への侵略戦争」を統一的に把握せず、「北の脅威」を煽りたてながら改憲・戦争に反対することは自己矛盾であり、「自衛戦争」の翼賛運動に堕ち込むことは歴史的事実が示しています。
 連合が激しく揺れ、分裂に向かって動き出しています。自治労、日教組をはじめ連合内のランク&ファイルの労働者に心から訴えかけるべき空前の機会が訪れました。
 私たちは、斎藤いくまさんを衆院選に押し立てて闘いました。あらゆる職場に階級的労働運動を甦らせ、改憲と戦争を阻止する拠点建設に全力を投入しようではありませんか。そして、情勢に応える壮大な闘いの奔流をつくり出す第一歩として、11・5の大爆発を勝ち取っていきましょう。衆院選が如何なる結果であるにせよ、11・5への1万人結集が時代のカギを完全に握っており、そこから直ちに新たな闘いが始まります。
 改めて11・5の前日に開催される「11・4労働者国際連帯集会」への結集をアピールさせていただきます。
 国際連帯、とりわけ日韓米労働者の「朝鮮半島における戦争を絶対に繰り返させない」と言う共通の意志の形成、1950年に始まった朝鮮戦争で私たちがつくり出すことが出来なかったこの連帯した意志こそ、「始まる前に止める」根源的な力です。そしてこの力が、スターリン主義圧政下で呻吟する北朝鮮の労働者民衆と、深いところで結びつくことは間違いありません。
 8月15日の民主労総全国労働者大会において、チェ・ジョンジン委員長代行は、「分断と停戦状態こそ労働者民衆の生活を抑圧する最大の積弊だ」と訴え、9月3日の北朝鮮核実験を受けて民主労総は、「どんな理由があろうと、朝鮮半島での核対決は絶対に許すことはできない」と激しい危機感と怒りに満ちた声明を発しました。
 北朝鮮のキム・ジョンウンは、トランプ・安倍の卑劣極まる戦争・核戦争挑発に、受動的ながらも積極的に対応し、世界の労働者民衆を核の標的にすることを臆面もなく宣言しています。この激しく厳しい情勢の中で、ソンジュ住民を軸とする労働者民衆は、ムン・ジェインのサード配備増強に対し、命を掛けて対峙しています。
 この韓国から、73日間のストライキを闘い抜いた鉄道労組を始め、パククネを監獄に叩き込んだ民主労総の多くの仲間たちがやってきます。
 アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル 21の仲間が参加します。ローカル21は組合員約220人のILWUの中では小さな支部ですが、ILWUの精神とも言えるハイヤリングホールと西海岸19港湾の統一労働協約に対する解体攻撃(ILWU排除攻撃)に対して、穀物輸送路線の実力占拠など家族総ぐるみの闘いを展開しました。2011年6月から2012年初めにかけて闘われた実力闘争は、「ウォール街オキュパイ(占拠)運動」をも触発し、西海岸を席巻するオキュパイ運動・港湾封鎖闘争に発展していきました。
 日韓米の巨大企業(日本は伊藤忠)が合弁企業を設立し、ローカル21を職場から排除してILWU解体の先鞭を付ける攻撃を仕掛けたのです。TPP締結を前提に、〈「食」を独占し、貧困をつくり出す〉新自由主義の先兵の役を担う伊藤忠に対し、労組交流センターと動労千葉は、数度に渡る要請・抗議行動を展開しました。
 また、GDL(ドイツ機関車労働組合)からは過去最大の6人の仲間たちが参加します。現場を歩き、現場の労働者の中から湧き上がってくる怒りを闘いの源泉とし、非正規職化・民営化と原則的に闘い、反原発・反核闘争と労働運動の結合を目的意識的に追求する中で、遂にベルリン都市鉄道支部の権力を奪取した仲間たちです。
 難民問題を排外主義的に煽る極右政党の進出の中で、民営化・戦争と絶対反対で対決し、労働者の国際的連帯を具体的な実践の中でつくり出すという固い決意の下での参加です。
 2011年9月、フィリピン航空(PAL)は、フィリピン航空地上職労組(PALEA)の拠点である予約センター、搭乗手続き、牽引、ケータリングなどの地上業務を外注化する大攻撃を開始しました。2600人の地上職員全員を一旦レイオフし6か月契約の非正規職に叩き落とすというのです。
 この時、動労千葉は9月29日~10月1日のストライキに立ち、京葉車両センターの検修業務の外注化を他労組の組合員をも巻き込んで完全に阻止し、JR東の外注化攻撃の出鼻をへし折る闘いに勝利しました。
 この勝利の意気を込め、労組交流センターと動労千葉は、「ロックアウト粉砕!原職復帰!」を掲げて闘うPALEAのピケラインと連帯し、フィリピン大使館とフィリピン航空東京支社に対する要請抗議行動に立ちました。今回初めて、PALEAから闘いの成果をひっさげて委員長が参加します。
 そして、多くの滞日・在日外国人労働者が参加します。帝国主義の侵略戦争と争闘戦の中で、世界では2000万人を超す人々が難民となり命の危険にさらされています。日本でも、生きるために来日した様々な国の人々が、差別・排外主義の入管体制の下で苦闘しています。2016年には、数字に表れただけでも6万5000人を超す人々が「不法在留者」扱いをされ、無権利状態の中で許し難い人権侵害に晒されています。同年、初めて難民申請者が1万人を超えましたが、何と難民認定者は28人でした。
 麻生(副首相)は、「朝鮮半島から難民が押し寄せてくる」「自衛隊の防衛出動か、射殺か」などと暴言を吐きました。このような激しい排外主義の扇動の中で、生きかつ闘う滞日・在日外国人労働者との連帯は私たちの絶対的ともいえる任務です。
動労千葉と国際連帯委員会の発した「戦争阻止国際アピール」が5カ国語で世界を回っています。「安倍・トランプの戦争会談に、日本の労働者民衆はどういう態度を示すのか」、全く誇張ではなく世界が私たちを注視しています。11・4労働者国際連帯集会にお集まりください(午後1時、千葉ツインビル)。その勢いを駆って11・5労働者総決起集会・1万人大行進を大爆発させていきましょう。