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11月労働者集会・改憲阻止1万人行動の報告

月刊『労働運動』34頁(0333号02/01)(2017/12/01)


11月労働者集会・改憲阻止1万人行動の報告

11・5全国労働者総決起集会に4800人が結集!

トランプ来日弾劾! 日米戦争会談粉砕!

日韓米独の国際連帯集会

改憲阻止! 1万人大行進

 11月5日、関西生コン支部、港合同、動労千葉、国鉄闘争全国運動の4団体の呼びかけによる11月労働者集会が、全国から闘う仲間4800人を結集して開催されました。今年の11月労働者集会は、3労組が「闘う労働運動の再生」を訴えて呼びかけてから20回目を迎えました。そして、トランプが来日し安倍との会談が行われる渦中での闘いとなりました。この日米首脳会談は朝鮮半島での戦争にどう踏み切るのかが具体的に問題になる文字通りの戦争会談です。

 韓国から、民主労総ソウル本部ら総勢24人が参加。アメリカから、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21 、ローカル52の組合員、スティーブ・ゼルツァーさん(運輸労働者連帯委員会)、ドイツから、GDL(機関士労働組合)の6人の仲間が参加しました。トルコの国際労働者連帯協会、ロサンゼルス統一教組のアーリン・イノウエさん、中国鉄道労働者連合会、ブラジルのコンルータス、星野文昭氏から連帯のメッセージが寄せられました。 集会後、厳戒体制の中、銀座デモを貫徹しました。

【呼びかけ4団体の訴え】

戦争を止める力

国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏委員長

 私たちは今日、韓国での歴史的闘い「ロウソク革命」に応え、日本の労働運動を変革したいという思いでここに集まりました。
 戦争を止める力、労働大改悪を止める力は、何よりも労働者自身の力です。
 連合が揺らいでいます。歴史を振り返れば、戦争と労働運動の再編は一体でした。1940年、日本の労働組合は全部解散して産業報国会になり、戦争に向かっていった。その次は50年朝鮮戦争の時、3番目は国鉄分割・民営化でした。そして今、4度目の大きな歴史の分岐点に来ています。今度こそ僕らの手で闘う労働運動をよみがえらせ、戦争を止める。このことを固く決意したいと思います。
 今日からは一日一日が決戦です。2020年には10万、100万の戦争を止める力として、社会の主人公になって自分たち自身で社会をつくりあげる力として登場したい。日本の労働者の怒りを先頭で体現する部隊になっていきたいと思います。動労千葉もその最先頭で闘うことを固く決意します。

行動し結果を出す

全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部  大原 明執行委員

 全国労働者総決起集会は今年で20回という節目を迎えました。労働組合が労働現場で闘わない現状の中、労働組合に対する労働者の求心力が大きく低下し、資本家や権力がやりたい放題となっています。しかし、闘わない労働組合を非難するのではなく、本日、結集している私たち闘う労働組合が、労働現場でストライキを打ち抜くなど具体的な行動を展開し、結果を出すことによって、「労働組合が闘えば要求が実現する」「資本と権力には妥協しない姿勢を見せる」ことで、闘う労働組合に結集させることができるのです。
 今、和歌山地域では一部の経営者が生コンの安値乱売を行っています。関生支部は連日、和歌山に50名、100名の動員をかけて、これと闘っています。
 労働現場でリスクを恐れず、犠牲をいとわずに行動している仲間の闘いを学び、それをすぐに実践することを提起します。

自信と確信をもって

全国金属機械労組港合同  中村吉政委員長

 11月労働者集会は、「蟷螂の斧と言われようとも」の思いで始まりました。しかし20年を過ぎた今、巨大資本を相手に、裁判闘争をはじめ現場での実力闘争を背景にして闘い抜き、被解雇者を始め当該組合が闘う拠点を築き、全国津々浦々や世界の労働者に大きな共感を得ている。今や「蟷螂の斧」ではありません。自信と確信をもって闘いましょう。
 私たち港合同は、総評全国金属の時代から「官民連帯・地域共闘」を運動の柱に闘いを築いてきました。大阪ではこの10年、公務員労働組合をつぶすために登場した橋下徹が血眼になりましたが、結局、組合の壊滅は達成できませんでした。反撃に立ち上った職員がいたからです。
 港合同は、「受けた支援は運動で返す」との教訓のもと、引き続き安倍の改憲策動と対決し、官民連帯の名に恥じることなく、自治体労働者との連帯を強めて、「大阪市の分割・民営化と総非正規化反対」「大阪都構想許さない!」との方針を掲げて闘う決意です。

労働運動の命運が

国鉄闘争全国運動呼びかけ人 葉山岳夫弁護士

 改憲攻撃は切迫しています。これは、安倍政権による戦争国家への大転換、労働法制の大改悪による労働運動つぶしの反革命クーデターにほかなりません。この改憲攻撃を阻止する大闘争には、日本労働運動の命運がかかっています。国鉄闘争全国運動は先頭で闘う決意です。
 2015年の最高裁決定で、不採用基準は不当労働行為であることを認めました。国鉄改革法23条では、設立委員会が行った不当労働行為はJR東日本の不当労働行為になることが明記されています。JR東日本は、「関係ない」と言って動労千葉との団体交渉を拒否しています。これはとんでもない大うそであり不当労働行為です。1047名解雇撤回闘争は階級的労働運動の重要な一環です。全国の闘う労働者・農民と固く連帯してこの闘いに勝利します。

(写真 海外からの発言)

【国際連帯闘争】

●韓国 民主労総ソウル地域本部 指導委員 イジェウンさん

 パククネ政権に対して、民主労総は社会的ゼネストを展開し、民衆たちとともにパククネ退陣闘争のろうそく革命を切り開きました。この数十年にわたる新自由主義的支配秩序の中で、大衆の社会的、経済的はく奪と排除に対する怒りが爆発したものです。
 日本、アメリカ、韓国の労働者が手を取り合い抵抗の闘いをつくり出していく時、新自由主義を突破することができると思います。行動し実践する粘り強い国際連帯で新自由主義を打破し、労働者が主人公になる世の中をつくっていきましょう。

●アメリカ ILWUローカル21と52の組合員とスティーブ・ゼルツァーさん

 私は、雇用・労働条件・生活を守るために皆さんと同じように闘っているILWU(国際港湾倉庫労組)、CWA(全米通信労組)、TWSC(運輸労働者連帯委員会)など、アメリカの労働者からの連帯のあいさつをここに持参しました。
 アメリカの労働者は民営化や労組破壊、またトランプや人種差別主義者どもの人種差別襲撃に対して反撃を開始しています。労働者は決起し、労働組合としての反撃を要求しだしています。御用組合の役員に代わって労働者が労働組合を運営する民主主義的労働運動を要求しています。激化する独裁や弾圧、世界戦争の脅威は、唯一、労働者の力によってのみ反撃できます。政治家がわれわれを救済するのではありません。労働者のみが自分自身の道を開くことができるのです。戦争に突き進む犯罪者、トランプと安倍を監獄にたたきこみましょう!

●ドイツ GDL(ドイツ機関士労組)ベルリン都市鉄道支部 クルト・シュナイダー支部長

 私たちはドイツ人として、核戦争の恐怖のもとで生まれそこで生きていかなければならないことがどのようなことか、歴史的によく知っています。ドイツでは、核兵器と戦争に反対して最初に立ち上がったのは西ドイツの人びとでした。その後、東ドイツでも、当時の抑圧的な独裁体制に対して人びとは街頭に出て闘いました。闘いは街頭だけで終わってはならない。必要なのは、戦争・抑圧・搾取をもたらす既存の社会体制に対して、反資本主義の明確な選択肢を示すことです。朝鮮半島における戦争準備をただちに停止せよ。団結!

(写真 青年労働者の寸劇)

【改憲阻止1万人大行進】

 11月労働者集会とあわせておこなわれた、改憲阻止1万人大行進の内容を紹介します。
 1万人大行進は、多くの賛同団体を代表して、止めよう戦争への道!百万人署名運動、三里塚芝山連合空港反対同盟、福島診療所建設委員会、国際連帯・共同行動沖縄、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、愛媛県職労働組合、憲法と人権の日弁連をめざす会、全学連からの発言がありました。
 集会では、シンガーソングライター川口真由美さんの歌や「律動」、青年労働者の寸劇をはさみ進められました。

止めよう戦争への道! 百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 第4次安倍内閣は、9条改憲の発議を明言しています。今こそ憲法改悪絶対反対、その大運動を巻き起こしていかなければならないと確信しております。
私はあらためて安倍内閣の打倒を求めて闘います。この秋から、「戦争するな9条変えるな全国署名」というタイトルの新しい署名を開始いたしました。朝鮮半島への戦争絶対反対、改憲絶対反対の署名です。取り組みをぜひお願いいたします。

三里塚芝山連合空港反対同盟 萩原富夫さん

 三里塚闘争開始から52年目に入りました。
 三里塚においては成田空港が再び新たな空港建設を始めました。第3滑走路建設、B滑走路のさらなる延長、そして深夜の飛行、朝の5時から0時30分まで飛ばす。こういうことを言い出しています。私たちは「農地は命、農業を守らなければならない」、このことを訴えて、この農民殺しの政策である成田空港建設に今でも反対して闘い続けています。
最大の課題である市東さんの農地を守る闘い、この三里塚闘争を大きく盛り上げていく中で市東さんの農地を守る、そういう闘いをしていきます。

福島診療所建設委員会呼び掛け人 佐藤幸子さん

 総選挙のわずか1週間後に、東京電力は2021年から予定していた福島第一原発デブリ取り出しを断念すると発表しました。凍土壁の工事もほぼ完成し、地下水を100㌧以下に減らせると言われてますが、140㌧が100㌧以下になる。完全に防げないと言っているのと同じです。原発事故、総工費は当初の約2倍の21・5兆円です。これだって今後、何倍にも膨らむことでしょう。
 復興の名のもとに住宅支援を打ち切り、避難解除、常磐線開通と次々と理不尽なことが行われてきた日本です。それに対して、ふくしま共同診療所が窓口となって被曝と帰還の強制反対署名を呼びかけてから今日で1年になります。11月2日現在で4万2011筆集まっております。皆さん本当にご協力・支援ありがとうございました。子どもたちを戦争や放射能による健康被害から守るために、これからもともに闘いましょう。

愛媛県職員労働組合委員長 宇都宮理さん

 今、政府があおる戦争に、無責任な大人たちが同調して、若者が戦争に駆り出されようとしています。私は絶対に乗せられてはいけないと若者に訴えたいと思います。今日のデモでは、多くの東京の若者の顔も見ると思うんですけれども、「絶対に戦争にあおられちゃいかんよ、私たちと一緒に闘おう」と訴えたいと思います。今の世界の支配者に戦争は止められません。止められるのは私たち、労働者だけです。共に頑張りましょう。
 (日刊動労千葉より抜粋)