月刊労働運動 2019年7月号 目次
◎甦る労働組合 関生弾圧粉砕! 改憲阻止運動を拡大し、8月、9月闘争から11・3集会1万人結集へ 1
〔特集〕●国鉄闘争全国運動6・9集会に1430人が結集! ●8・5ヒロシマ集会へ! 9・22常磐線開通阻止水戸集会へ! ●ついにコンビニ関連ユニオン結成!
1047名解雇撤回!運転士・車掌廃止―分社化粉砕! 改憲阻止大行進運動の発展を! 6・9国鉄集会に1430人結集!
【集会宣言】国鉄・JR決戦、関生弾圧粉砕を闘い抜き11・3労働者集会へ
6・9国鉄闘争全国運動集会の総括とこれからの闘いの課題 広島教職員100人声明を全国に拡大し、8・5―8・6ヒロシマ闘争、常磐線開通阻止 9・22闘争、そして11・3全国労働者総決起集会への大結集を実現しよう! 白井徹哉(国鉄闘争全国運動事務局長)
横浜シーサイドライン―逆走で14名重軽症 無人運転は破綻した!「運転士・車掌廃止」提案を撤回しろ!(動労千葉)
~教え子を再び戦場に送らない!~ 改憲・戦争阻止!8・5全国教職員ヒロシマ集会へ 改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明呼びかけ人 平野綾子
被曝と帰還を強制する常磐線の全線開通許すな! 9・22水戸市内デモへ 動労水戸支援共闘が総会を開催し、夏から秋へ闘争方針を確立 呼びかけ人代表 小玉忠憲
●闘う合同一般労組 鎌倉玲司(千曲ユニオン書記長) コンビニ関連ユニオンをついに結成!
◎本年「復帰」47年5・15沖縄闘争の総括―私たちの挑戦と切り開いたもの 柿本博人(沖縄労組交流センター代表)
◎5・18~20沖縄闘争に参加した青年の感想
◎全国労組センター女性部第26回大会報告 辻川あつ子(全国女性部事務局長) 今こそ女性部の組織拡大を実現しよう!
◎「たたかう力が湧いてきた!」320人の結集で改憲・戦争阻止!神奈川県民集会
◎関西のたたかいの中から! 赤田由行(大阪労組交流センター・自治体労働者) 学校の民営化を粉砕し、戦争止める教育労働運動を作り出そう
◎各地からの報告 北海道 タクシー職場での取り組み 河野晃興(SKさくら交通労組)
◎労働組合運動の基礎知識 第57回 熱中症対策―空調服
◎ひめじょおん―女性部から――保育民営化反対の闘いを進めよう
◎労働者は一つ、敵も一つ №48 20万公共部門非正規職労働者 7月ゼネストへ
◎地平線――星野文昭さんが生涯をかけた人間解放の闘いを引き継ごう!
◎ZOZOタウン賃上げから見えてくるもの ◎マンガ
6・9国鉄集会に1430人結集!
6月9日、東京・上野公園野外ステージで全国から1430名が結集し、国鉄闘争全国運動の集会がかちとられた。国鉄・JR労働運動と関西生コン支部の解体を通して日本の労働者に屈服を迫る激しい攻撃が吹き荒れている。これと真っ向から対決し、戦争と改憲の道を許さず、闘う労働組合を甦らす集会としてかちとられた。
集会は、全国運動の呼びかけ人の鎌倉孝夫さんの主催者あいさつで始まった。連帯の挨拶に内房線と地域を守る会の松苗代表、外房線と地域を守る会の元吉いすみ市議、三里塚反対同盟の伊藤信晴さんが登壇した。
動労千葉の田中委員長は「改憲絶対阻止、非正規職だけの社会にさせない!11・3労働者集会に向けてこの半年間で力を出し切ろう」と訴えた。関西生コン支部の武谷書記次長と港合同の木下執行委員の「関生弾圧と断固闘う」決意表明に続いて、韓国鉄道労組ソウル地方本部のファンサンギル本部長ら3人が登壇し、闘いの報告を行った。
1047名解雇撤回に向けて、葉山弁護士ら労働委員会闘争弁護団、動労千葉争議団、動労総連合1047協議会が登壇し、中村仁さんが、「決まったから仕方がないという立場を絶対にとらない。解雇撤回まで闘う」と決意を語った。
続いて、運転士・車掌廃止、分社化攻撃粉砕にむけ、関副委員長、出向裁判弁護団、相馬・津田沼支部長、動労水戸の石井委員長、動労連帯高崎の漆原委員長、動労総連合北海道の長尾委員長が決意を述べた。
カンパアピール、休憩をはさんで、改憲阻止大行進の発展に向けて、広島教職員100人声明の教育労働者が8・6ヒロシマの結集を訴え、星野さんをとり戻そう全国再審連絡会議の戸村代表が特別報告。セブンイレブンで闘う仲間がコンビニ関連ユニオンの結成を報告。自治体労働者、洞口杉並区議、学生が改憲阻止の先頭に立つと決意を語った。
最後に、呼びかけ人の山本弘行さんが集会アピール、花輪不二男さんが閉会のあいさつと団結ガンバローを行い、最後にインターナショナルを合唱し、集会は大成功をかちとった。
(日刊動労千葉より転載)
新自由主義が展開されて約40年。労働者の生活は破壊され、人間労働が破壊されている。資本の金もうけの権利が、労働者の生きて働く権利を破壊している。労働者の組織的団結と闘いによって資本と国家の支配を転換させることによってしか、われわれは人間として生きられない。国鉄闘争全国運動の前進で展望は開かれると確信する。
経営者が約束をしたことを守らせるためのストを「威力業務妨害」、建設現場における安全性を確保するためのコンプライアンス活動を「恐喝未遂」で弾圧している。今週2人保釈が認められた。あと委員長を含めて6人だ。弾圧に便乗して解雇をした企業もある。現場の行動に入り、原理原則の運動にして闘う。
これまでに延べ58人逮捕され、起訴されたのは40数人。保釈金だけでも莫大。ぜひ支援のカンパを。
関西生コン支部の緊急カンパの取り組みに全力で応えていただきたいと思います。労働運動全体にかけられた攻撃としてとらえ、共に闘っていきましょう。
武委員長の裁判の意見陳述で印象に残っているのは、関西生コン支部は労働組合の闘いとして二つの社会的な役割を担ってきた、一つは沖縄の闘いで、もう一つは国鉄闘争を闘ってきたと述べたことです。それは動労千葉との連帯として闘いぬかれていることが法廷の場でも述べられていたことが印象的です。
国鉄闘争を闘いぬくことが今の労働運動の状況を変える唯一の水路であるというところに3労組が共に立ち、闘いぬいてきました。
今年の11月を、本当に巨万の決起をかちとる集会にしよう。
1980年代中曽根政権の新自由主義攻撃で日本の国鉄が分割され、外注化で非正規職が量産され、労組破壊工作によって国鉄労組が瓦解するという苦難の歴史があった。JR東労組と国鉄労組が、政府と会社側の不当な弾圧に屈服し、現実と妥協する路線を選択した。動労千葉を知る前までは、このような残念な歴史が全てだと思っていた。
「国鉄分割・民営化に屈せず人生をかけて解雇撤回まで闘うことを決意した1047名は、戦後日本労働運動の真骨頂」という中野前委員長の言葉に共感する。
韓国・民主労総は、ろうそく革命の先頭でパククネ政府を引きずり下ろした。しかし現政府は、下落する政権支持率回復の手段として労働法改悪を試みている。真の労働者民衆政府を樹立する前までは絶えず闘い、警戒しなければならない。
人生をなげうって闘う1047名解雇労働者、困難な条件でも正しい労働運動を思い悩み、実践してきた動労千葉同志たちに敬意を表します。国鉄闘争全国運動の同志たち、ありがとうございます。
国鉄闘争に対するご支援に心からお礼を申し上げます。
はじめに三つ訴えます。一つは、連帯労組関西生コン支部への大弾圧を粉砕する闘いの先頭に立つことです。二つに、韓国の全国鉄道労組ソウル地方本部との連帯を強め、彼らの闘いに追いつく努力をしましょう。三つに、獄中44年間、無実を訴えた星野文昭さんが獄中で殺されました。私たちが、国家権力の責任を追及する闘いにも通用する力を取り戻そう。
この間、動労総連合が訴える外注化と強制出向をめぐる裁判で東京高裁が反動判決を出しました。さらに、30年続く1047名解雇撤回を求めた労働委員会闘争で千葉県労委が却下の反動命令を出しました。私たちは一歩もひかずに闘いを継続します。
JRは運転士・車掌の職名とそれに伴う労働者の待遇を来年4月1日で廃止するという提案をしています。国鉄分割・民営化以上の攻撃です。加えて、安倍政権は憲法を改悪し戦争のできる国にしようとしています。
改憲と戦争は絶対に許さない闘いに結集し、安倍政権が掲げる非正規職だけの社会を阻止しよう。教え子を再び戦場に送らないと訴える広島教職員100人声明や、反原発・常磐線全線開通反対などの闘い一つ一つを全国的な運動に組織しよう。11月3日の労働者集会へすべてをかけて決起し、全国からの結集をお願いします。
千葉県労働委員会は、動労千葉の高石さん、中村さんら9名と動労福島の小玉さん、動労総連合が申し立てたJR東日本の団体交渉拒否・JR東日本への不採用に対する不当労働行為救済の申し立てに対して5月23日、申し立てを却下する反動決定を下しました。決定は、JR不採用から30年以上経過したことをもって申し立ての期限を過ぎたことを却下の理由としています。
しかしながら当該労働者は1987年以降、「解雇撤回・JR復帰」を掲げ続け、JR東日本はこれまで一貫してこれをはねつけ続けてきたのであります。不当差別・不当労働行為の継続であります。行為のときから1年過ぎたからだめだと強弁すること自体、不当労働行為制度の否定です。
また、1987年2月の第3回設立委員会で不当労働行為である不採用基準を決議したという公然たる事実を無視して、設立委員が不当労働行為に関与したことは認められないと審問も開かずに断定するという虚偽の事実認定をしたのです。
まったく審問を行うことなくぬけぬけと却下決定を下したことは、葛西をブレーンとする安倍政権に奴隷のごとくはいつくばった、労働委員会自身が恥知らずの自殺行為を認めたことにほかなりません。
弁護団は国鉄闘争全国運動に結集された全国の闘う労働者の皆さんと固く連帯して、中央労働委員会で徹底的に闘い勝利することを決意しました。国鉄闘争全国運動、改憲・戦争阻止!大行進の皆さんと共に、団結してこの労働委員会闘争に必ず勝利します。
1047名の闘争はすごい局面を迎えている。解雇撤回まで闘います。
来年4月から始まる会計年度任用職員は、1年で更新して、労働者の誇りも何もかも奪われる状況。これに労働組合が「決まったから仕方ない」のスタンスでいったら国鉄分割・民営化と同じになる。われわれは「しょうがない」という立場に絶対に立たない。労働者の立場に絶対立つ。
戦争に向かう道も同じです。安倍に改憲・戦争の法律を決めさせない努力は必要だけど、もし決められても、そんなことは絶対にさせない労働者の団結があれば、絶対止められる。われわれは、国会や国が決めることに従うことはない。労働者が決めて労働者、民衆が決めていく。全国の労働者と共に改憲を阻止して、解雇撤回を全力で闘います。非正規にさせない闘いを、多数になって声を上げていきましょう。
攻撃は、第3の分割・民営化攻撃、それも1987年の国鉄分割・民営化を超える攻撃です。なぜそこまでエスカレートしているのか。第1の分割・民営化で労働組合をつぶせなかった。闘う労働組合が存在しているからにほかならない。ですから、私たちの解雇撤回闘争は勝利するまでやる。徹底的にこだわって何年かかっても解雇撤回をかちとるまで闘いぬきたい。
1047協議会を結成し2年です。「共に闘う会」を結成していただいて1年です。まだまだ闘いはこれからだと思っていますけれども、もう私たちもいい年です。しかし、青年の邪魔なるような闘いだけは絶対にしたくない。あくまでも分割・民営化を絶対に許さない闘いを最後まで最先頭で闘いぬいてまいりたいと思います。
外注化反対裁判は、5月10日に東京高裁が不当判決を出しました。職場の実態を見ようともせず、何の理由もなく出向の必要性は認められるというものです。判決文は出向期間が長期化しても実質転籍とは言えないとしていますが、私たちは期間を何度も延長され、退職まで出向させられ続けています。許せません。
今CTS(千葉鉄道サービス)で職場代表選挙が始まっています。私はこの1年、職場代表として36協定をめぐる交渉や安全衛生委員会で会社を追及し、職場環境の改善をかちとってきました。職場代表選にもう一度勝って組織を拡大し外注化粉砕へ闘います。
私は総武緩行線の電車を36年間運転しています。運転士は毎日、何千・何万の命を目的地まで運ぶ重要な仕事を担っています。それを踏みにじる運転士・車掌廃止のジョブローテーションを絶対に許せません。これは分割・民営化以上の攻撃だと思います。
3月のダイヤ改正で私はストライキに立ちました。動労千葉の闘う姿を見せるチャンスだと思いました。労働時間が大幅に延ばされ、このままでは運転しながら死ぬ人、体を壊す人が絶対出てきます。今止めなければいけないとストに立ちました。動労千葉は組織拡大を実現し、ジョブローテーション粉砕へ闘います。
JR東日本は2020年に常磐線を全線開通させると言っています。動労総連合は5月27日に本社団交を行いました。会社は、線路と駅は土壌を全部さらって敷き直したから年間放射線量は20㍉シーベルト以下で列車は走れると言う。しかし、線路や駅の外に一歩出れば50㍉シーベルト。そこに列車を走らせるなど、絶対に許せません。しかも会社は、列車には放射性物質は付着しないと言って、調査もしません。
9月22日、常磐線全線開通阻止・東海第二原発再稼働阻止の集会とデモを水戸でやりたいと思います。ぜひ参加して下さい。
2月に鈴木喜平副委員長に雇い止めの通告をされましたが、私たちは埼玉県労働委員会に申し立て、TTS(高崎鉄道サービス)との団体交渉で解雇通告を撤回させ、鈴木副委員長の無期転換をかちとりました。
5月に入り、群馬合同労組の仲間の協力もいただき、JR本体の仲間が動労連帯高崎に加入しました。パワハラ攻撃を受けていた彼は、動労連帯高崎に入ってパワハラ・退職強要と闘うことを選択しました。JRとの新たな闘いが始まりました。さらに組織拡大をめざして奮闘します。
JR北海道は、北海道の線路の半分を廃線にしようとしています。1日に1本か2本でも駅に列車が止まることは、その地域に住む人たちの安心感になっている。それをJR北海道は奪おうとしています。動労総連合・北海道は定期的に札幌駅頭でビラをまき、JR北海道の労働者にも、廃線で仕事がなくなっていいのかと訴えています。
北海道でも改憲・戦争阻止!大行進の結成に向かって闘いが進んでいます。私たちは北海道の労働運動の鬼っ子になり、新しい運動をつくりたいと思います。
今日の集会の趣旨は、国鉄1047名の解雇撤回です。そのための意思統一をしましょう。改憲と戦争の道を止めましょう。関西生コン支部への弾圧をやめさせましょう。運転士・車掌廃止、分社化攻撃を粉砕しましょう。非正規職だけの社会にさせないためにがんばりましょう。闘う労働組合を甦らせましょう。
さらに付け加えます。沖縄闘争と連帯し、沖縄住民の意思を無視し、責任だけを押し付けて、自分は責任をとらない安倍内閣を打倒せよ。韓国の労働者の訴えに連帯し、朝鮮半島全地域の非核化、南北ともに非核化を目指して国際連帯で闘おう。私は星野さんのお通夜に参加しましたが、この無念に応えるためには、われわれが闘う以外にない。がんばりましょう。
国際連帯の闘いを進めましょう。そして、国鉄闘争全国運動のさらなる発展を期して、団結してガンバロー。
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私たちは、国鉄・JR労働運動と関西生コン支部の解体を通して日本の労働者に屈服を迫る激しい攻撃に直面しています。これに立ち向かって労働運動の新たな生命力を生み出すのか、それとも新自由主義の破綻がもたらす社会の崩壊や改憲・戦争の道に屈するのか。重大な岐路に立っています。
国鉄1047名解雇をめぐる千葉県労働委員会の却下決定は、「国鉄改革の真実」に一歩も踏み込むことができない敵の弱点を示しています。私たちは「国鉄闘争の火を絶対に消させない!」、この非常の決意で闘いを継続し、あらためて1047名闘争への支援・連帯・共闘を全国に訴えます。
JR東日本では、分割・民営化に協力した東労組さえ解体し、運転士・車掌を廃止して、すべての鉄道業務を分社化によって投げ捨てる攻撃が始まっています。80年代の国鉄分割・民営化を超える攻撃です。
あらゆる産別で資本の攻撃が吹き荒れています。しかし、同時に労働者の怒りは満ち、資本の矛盾は深まっています。これに立ち向かうことができるならば、資本の危機と激しい攻撃を、新たな労働運動の原動力に転ずることができるはずです。
今日の集会には、「国鉄闘争の火を消すな」の旗の下、関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組を先頭に数多くの労働組合、あるいは自治体や教労、全逓など各産別において苦闘して旗を守ってきた仲間が結集しています。韓国・民主労総をはじめ労働者の国際連帯を発展させてきました。
動労千葉の分割・民営化反対ストライキや国鉄1047名解雇撤回闘争は、新自由主義攻撃に立ち向かう日本労働運動の進路を指し示してきました。いま一度、同じ気持ちで闘いを開始しよう。関西生コン支部の弾圧を全国の労働者の力で打ち破ろう。JR決戦を闘う態勢をつくろう。横浜シーサイドライン逆走事故は、無人運転の破綻を示しています。反転攻勢の開始です。
「改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明」を全国に拡大し、8・5―8・6ヒロシマ闘争、常磐線開通阻止9・22闘争、そして11・3全国労働者総決起集会への大結集を実現しよう。闘う労働運動を甦(よみがえ)らせ、改憲と戦争の安倍政権を打倒しよう。
2019年6月9日
6・9国鉄闘争全国運動集会の総括とこれからの闘いの課題
広島教職員100人声明を全国に拡大し、8・5―8・6ヒロシマ闘争、常磐線開通阻止9・22闘争、そして11・3全国労働者総決起集会への大結集を実現しよう!
白井 徹哉(国鉄闘争全国運動事務局長)
国鉄闘争全国運動の呼びかけで6月9日、東京・上野公園野外ステージで国鉄集会が開催されました。「国鉄闘争の火を消すな!」を合い言葉に旗揚げした2010年6月の最初の全国集会から10回目となる集会です。全国から1430人が集まりました。
国鉄1047名解雇撤回闘争は、千葉県労働委員会による不当な却下決定で重大局面を迎えています。国鉄闘争は今ひとつの奮闘が必要です。さらには、関西生コン支部への未曾有の大弾圧、そしてJRでは国鉄分割・民営化以上の歴史転換的な攻撃が始まっています。
今まで以上に労働運動の進退をめぐり重大な情勢の中での集会となりました。国鉄闘争の意義を再確立すること、そして関生とJRでの闘いが労働運動の重大なテーマとなっています。この基軸的闘いを一歩でも二歩でも勝利的に前進させることが階級闘争を転換させます。
国鉄闘争と関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組共闘を結集軸とした「新自由主義と闘う労働運動の再生をめざす全国ネットワークをつくろう」は、今こそ時宜にかなった方針です。11・3全国労働者集会に向かう今後5か月間の闘いに直ちに着手することを実践的総括として、6・9集会について報告したいと思います。
国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐり千葉県労働委員会は5月23日、解雇撤回・団体交渉開催の申し立てを却下する決定を通知しました。しかも、村上公益委員による審理拒否をめぐる千葉地裁での次回裁判期日が迫る中での、一方的な決定です。労働者の団結権を擁護するための独立行政機関である労働委員会がここまで労働者を愚弄するものなのか。本当に許すことができません。
千葉県労働委員会は、「国鉄改革の真実」にわずかでも触れれば、不当解雇の責任がJRにあることを認めざるを得ないことを恐れ、真実を闇に葬ろうとしたのです。これは、文字通り国鉄闘争の解体を狙う国家意思に貫かれた攻撃です。
集会では、葉山岳夫弁護士が「千葉県労働委員会の不当な決定を許さず、中央労働委員会で勝利する」と力強く今後の闘いの決意を示しました。動労千葉争議団の中村仁さんは「国会や国が決めることに従うことはない。全国の労働者と共に改憲を阻止して、解雇撤回を全力で闘う」と述べ、1047協議会の羽廣憲(動労総連合・九州委員長)さんは「あくまでも分割・民営化を許さない闘いを最後まで貫く」と語りました。
後日に行われた6月21日の行政訴訟(千葉地裁)では、弁護団を先頭に千葉県労働委員会を徹底追及し、ついには裁判官3人が合議のため一旦バックヤードに退く事態となり、裁判所から千葉県労働委員会に対して「裁判中の却下決定の法的根拠について釈明を求める」状況となりました。真実から逃げようとする千葉県労働委員会の矛盾・弱点・焦りが露呈しています。
国鉄1047名解雇撤回闘争は、まぎれもなく長きにわたって労働運動の火を守ってきた重要な闘いです。その闘いが今なお、力強く、現在進行形でこれほど白熱的に闘い抜かれ、敵を追い詰めているのです。今日の労働運動をめぐる情勢を考えたとき、その価値はどれほど大きなものでしょうか。改めて全国の人びとに闘いの現局面を訴え、あらゆる産別・職場で吹き荒れる攻撃に立ち向かうためにも、全国津々浦々の労働運動再生への努力と国鉄闘争を結合することを訴えるものです。
さらに6・9集会は、JR職場における反撃の開始を告げるものとなりました。動労千葉の関道利副委員長は、JR千葉鉄道サービス(CTS)における職場代表選挙の決意を語りました。後日、CTS幕張事業所での職場代表選挙は昨年を大きく超える得票で勝利し、安全衛生委員会などを舞台とした通年の職場闘争によって職場の支持が拡大し、明るい雰囲気で選挙戦が闘われました。
また動労千葉津田沼支部の相馬正利支部長による「私たち運転士は毎日、何千、何万という命を目的地まで運ぶ重要な仕事を担っている。運転士、車掌は経験がものを言う仕事だ。その否定は鉄道業務の否定と同じ。私の闘う姿を示す最後のチャンスだと思って3月ダイ改でストライキに立った」との訴えは会場の大きな感動を集めました。
先日の横浜市シーサイドラインの事故は、無人運転の破綻をハッキリと示しました。
鉄道が多くの乗客の命を預かる以上、根本的に「自動運転は欠陥を露呈する」「安全装置が作動しない場合もある」という前提に立つ以外にありません。その時、安全を守れるのは運転士であり車掌だけなのです。
「ドライバレス運転を引き続き続ける」というJR東日本の深澤社長の言葉は、許すことはできません。「運転士・車掌廃止」提案は、「自動運転」を口実に、乗務員の誇りを踏みにじるものです。それを通してJRで働くすべての労働者の権利を奪う攻撃です。
反転攻勢の開始のときです。動労千葉の伝統でもある反合理化・運転保安闘争が真価を発揮
するときです。
動労水戸の石井真一委員長は、常磐線全線開通と東海第二原発再稼働を阻むための9・22集会への結集を訴えました。原発への怒りと一体で常磐線開通阻止闘争、さらには動労水戸の被ばく強制阻止闘争の新段階を全国の力で共に切り開くことは決定的なテーマです。常磐線の全線開通は、今後数十年にわたって高濃度放射能の中での列車運行と車両検修業務を必要とし、労働者の被ばくを強制するものです。もちろん、これは住民・乗客にとっても重大な問題です。
動労連帯高崎の漆原芳郎委員長は、雇い止め粉砕の勝利、そして2人の新組合員の結集を報告しました。組織拡大の報は全体を鼓舞激励しました。
動労総連合・北海道の長尾信一委員長は、線区の大半の廃線をたくらむJR北海道を弾劾しました。北海道情勢は重要であり、国鉄闘争の意義をあらためて浮き彫りにしました。
国鉄闘争との共闘・連帯として様々な闘いが登壇・発言しました。
連帯あいさつとして三里塚芝山連合空港反対同盟が空港機能強化策との闘いを、「内房線と地域を守る会」「外房線と地域を守る会」がJRによるローカル線削減反対を訴えました。動労千葉との連帯・共闘として展開される地域の闘いであり、普遍的な意義を持つものでもあります。
関西生コン支部の武谷新吾書記次長と全国金属機械労組港合同の木下浩平執行委員は、関西生コン支部に対する高額の保釈金攻撃を弾劾し、緊急カンパを訴えました。
韓国・鉄道労組ソウル地方本部からはファンサンギル本部長ら3人が来日し、日韓鉄道労働者の新たな共闘をアピールしました
広島から「広島教職員100人声明」の訴えと、この日に結成されたコンビニ関連ユニオンがひときわ大きな拍手の中で登壇しました。重圧を打ち破って始まった広島からの闘いを全国の力で支持し、防衛し、拡大する闘いは決定的に重要です。さらには24時間営業を強制するセブンイレブン資本と対決し8時間労働を実現するとの力強い宣言に会場は大いにわきました。
私たちは、国鉄・JR労働運動と関西生コン支部の解体を通して日本の労働者に屈服を迫る激しい攻撃に直面しています。これに立ち向かって労働運動の新たな生命力を生み出すのか、それとも新自由主義の破綻がもたらす社会の崩壊や改憲・戦争の道に屈するのか。重大な岐路に立っています。
関西生コン支部弾圧やJRだけでなく、あらゆる産別で資本の攻撃が吹き荒れています。しかし、同時に労働者の怒りは満ち、資本の矛盾は深まっています。これに立ち向かうことができるならば、資本の危機と激しい攻撃を、新たな労働運動の原動力に転ずることができるはずです。
6・9集会には、「国鉄闘争の火を消すな」の旗の下、関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組を先頭に数多くの労働組合、あるいは自治体や教労、全逓など各産別において苦闘して旗を守ってきた仲間が結集しました。
動労千葉の分割・民営化反対ストライキや国鉄1047名解雇撤回闘争は、新自由主義攻撃に立ち向かう日本労働運動の進路を指し示してきました。いま一度、同じ気持ちで闘いを開始するときです。広島教職員100人声明を全国に拡大し、8・5―8・6ヒロシマ闘争、常磐線開通阻止9・22闘争、そして11・3全国労働者総決起集会への大結集を実現しようではありませんか。
無人運転は破綻した!「運転士・車掌廃止」提案を撤回しろ!
6月1日、横浜シーサイドラインの無人運転列車が新杉田駅での折り返し時に約24㍍逆走し、車止めに衝突する事故が発生した。乗客約50人のうち重傷6人など14人が負傷している。
直接の原因はケーブル断線だと考えられている。モーター制御装置に指令を伝える2本のケーブル(F線・R線)のうち、「前進」を指示するケーブル(F線)の断線が確認された。
他事業者の自動運転列車では「前進」「後進」のどちらの指示もない場合、力行しない設定になっている。だが、シーサイドラインでは直前の状態を維持する設定で、「前進」の指令がないためモーター制御は「後進」のままだった。
駅ATO車上装置には地上装置からエンド交換の指示が伝わった。断線している以上、何があっても車両異常の信号が上がるべきだが異常は認識されず、車両は地上側に「前進」への進行方向切換を報告した。地上側は車両から異常の情報があがらないため出発指令を送信した。
ATCは後退検知を搭載していたが、進行方向の検知にF線・R線を利用している。事故時はどちらの線からも指令がなかったため進行方向が判別できず「後退」を検知できなかった。そして、車止めに向かって力行最大ノッチで加速しながら衝突するという衝撃的な事故が引き起こされた。
ジョブローテーションの前提は完全なウソだった
ケーブルが断線していながらATOが「正常」と認識し、車止めに向かって力行する。モーター制御とATOが統一されてさえいない。まともに安全を維持できるシステムではなかったとしか言いようがない。だが、JR東・深澤社長はシーサイドライン事故を受けた定例記者会見で「ドライバレス運転は引き続き進める」と宣言した。事故原因が判明もしていないうちからだ。
事故の対策として、断線検知やモーター制御装置の変更などが挙げられている。だが、この事故は自動運転でなければ絶対に発生しなかった事故だ。運転士なら仮に逆走してもただちに非常停止をかけたはずだ。約7秒間も力行し続けるなど考えられない。「自動運転推進」について根本から考え直すことこそが必要なのだ。
われわれは多くの乗客の命を預かっている。そうである以上、「自動運転は欠陥を起こす」「保安装置が作動しない場合もある」という前提に立つ以外にない。その時、安全を守れるのは運転士であり車掌だけなのだ。
だが、なぜこんな不完全な状態で運行され続けたのか? シーサイドラインが採用する「新交通システム」は導入コストが安いことが特徴だ。合理化は資本の論理で行われる以上、自動運転には削減できる人件費以上にコストはかけられないのだ。その矛盾はケーブル断線にも直接かかわっている。断線部分は外部から見えない箇所であり、目視による確認は4年に1度。運行会社は「多数の配線すべてを確認することは困難」だとしている。より徹底した検査とそのための人員が必要だったということだ。
JR東が自動運転試験を行った山手線でも、現在の自動運転路線よりはるかに複雑だ。さらに、1日当たり百万人単位という膨大な乗客がいる。同様の事故が起きれば大惨事は免れない。運行停止や間引き運転だけでも大混乱に陥ることは明らかだ。ローカル線にいたっては、コスト上も路線条件からいっても完全に不可能だ。
ジョブローテーション提案は、「自動運転もできるのだから運転士・車掌という特別な職名や手当は必要ない」という前提に立っている。だが、その前提は完全にウソだった。JRは「運転士・車掌廃止」提案を今すぐ撤回しろ! (日刊動労千葉№8642より抜粋)
~教え子を再び戦場に送らない!~改憲・戦争阻止!8・5全国教職員ヒロシマ集会へ
呼びかけ人 平野綾子(広教組八千代中分会・「君が代」不起立処分撤回裁判原告)
「教え子を再び戦場に送らない! 改憲・戦争阻止! 8・5全国教職員ヒロシマ集会」に向けて、呼びかけ人の平野綾子さんからアピールが寄せられました。
改憲まったなしの今年夏、100人声明は「改憲・戦争阻止!8・5全国教職員ヒロシマ集会」を呼びかけます!
今年2月10日、私たちは「今こそ教職員として宣言します。教え子を再び戦場に送らない! 子どもたちに国を守るために命を捨てよと教える戦争教育の復活を許さない。教育を戦争の道具にすることは絶対に許さない」と声明を発しました。
今秋、臨時国会の改憲発議を絶対に阻止しましょう。
安倍は、県民投票を無視して沖縄辺野古へ土砂を投入し、米トランプからは戦闘機を購入して、改憲プランと同時に実際の軍拡・戦争国家体制づくりを行っています。「戦争で島〈北方領土〉を取り返す」という日本維新の会丸山穂高議員の発言は、思うように改憲が進んでいかない中でなにがなんでも改憲しようとする焦りの表れです。
安倍は改憲を天皇代替わりと2020年東京オリンピックをてこに乗り切ろうとしています。安倍は「福島の皆さんと共に復興五輪の開幕と、復興が進む福島の姿を世界に発信したい」と来年3月の聖火リレー出発に立ち会う意向を示しています。
私たちは、天皇代替わりと元号改定による天皇制を利用した階級性解体の攻撃を、5・1メーデーで打ち破りました。2020年オリンピックは、「復興五輪」で福島をなかったことにし国家主義を刷り込む、改憲攻撃そのものであることを明らかにして闘いましょう。
改憲のための労働組合攻撃は、中曽根の「お座敷をきれいにして憲法を安置する」と1987年の国鉄分割・民営化から始まりました。「国鉄の次は教育だ」とする攻撃に、1995年日教組本部が「文部省パートナー路線」に転向。広島へ直接文部省が乗り込み、「日の丸」「君が代」の強制と大量処分が行われた1998年是正指導。あれから20年、安倍が「覚悟を決めて新憲法施行」というときに、ヒロシマ教職員100人声明が、まさに「覚悟を決めて」実名をあげ、姿を現しました。国鉄1047名闘争のように、国家の全体重をかけた労働組合破壊の攻撃でも、現場労働者の魂はつぶせなかったのです。
学校現場には怒りが渦巻いています。学力テストによる競争や評価制度、非正規化と多忙化、新自由主義により教育が破壊され過労死ラインを超える「ブラック」な勤務環境には、みんな「ふざけんな!」と思っています。学校版「働き方改革」は、夏休みと課業日を「1年単位」で考える「変形労働時間」を打ち出しました。仕事が減るのではありません。むしろ、現状を追認し、無定量の超過勤務を生み出すものです。また「業務の役割分担」は、民営化・非正規職化、団結破壊と組合つぶしの攻撃です。「冗談じゃない、まず業務量を減らせ!」が現場の叫びです。「働き方改革」は、「労働組合のない社会」「非正規だけの社会」にする改憲攻撃です。働き方改革を打ち破り団結を取り戻して闘いましょう。
文科省は「放射線は自然界にもある」「いじめにつながらないように」と「放射線副読本」を配布しました。放射線は危険ではないのに風評被害だというのです。また、広島市は拡声器規制条例を作り、8・6へデモ規制をしようとしました。安倍を呼んでおいて黙っておけというのでしょうか。被爆を「過去のもの」、祈念式典を「祈り」に封じ込めようとする改憲攻撃です。
8月6日は何だったのか。「気が進まないが約束があるから」と私の祖父は爆心地付近へ行き被爆。焼け跡の中、祖父を探しまわった祖母や父、叔母・伯母は入市被爆をしました。一体、なぜ、誰のために侵略戦争をさせられ被爆させられたのか、ヒロシマは問い続けています。改憲し、再び侵略戦争をしようとする今、過去のものにはさせません。8月6日は労働者が立ち上がる日です!
沖縄闘争を闘った星野文昭さんの闘いの原点はヒロシマでした。星野さんの遺志を引き継ぎ、「改憲阻止!安倍打倒!」の怒りのデモで安倍を迎え撃ちましょう!ヒロシマから全国へ訴えます。8・5、8・6に集い、団結し広島から共に改憲阻止の声を上げましょう。
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○日時 2019年8月5日(月) 14時~16時
○場所 アステールプラザ
動労水戸支援共闘が総会を開催し、夏から秋へ闘争方針を確立
呼びかけ人代表 小玉 忠憲
「被曝労働拒否を闘う動労水戸支援共闘」は、5月25日午後、都内で第4回総会を開催。不屈に闘いを継続する動労水戸組合員・家族会、全国から結集した支援共闘の会員ら80人は、来年3月にも強行しようとする常磐線の全線開通を絶対に阻止するために、夏から秋へ総力をあげて闘いぬく体制構築と団結方針を討議・確立しました。
総会冒頭、呼びかけ人を代表して私の方から、①来年3月26日に常磐線のJヴィレッジ駅(4月20日新駅開業)から、安倍政権はオリンピックの「聖火」を出発させる計画であること、②「福島復興・再生計画」の一切の前提が、爆発した原発の直近を走る線路や駅の全線開通であること、③さらに福島県は、オリンピックまでに「避難者(強制避難者も自主避難者も)をゼロにする方針」のもとで、都内の国家公務員住宅に住む避難者に家賃を2倍(11万8千円とも)請求して強制退去を迫っていること、④そして運転開始40年を超える老朽で「超危険原発」である東海第二原発の事業主体・日本原電は2月に、茨城県知事や東海村村長に「再稼動方針」を伝達したこと、⑤しかし、東海第二原発付近住民の怒りが沸騰し、除染で出た汚染土を常磐自動車道の拡幅工事に使用する関係住民説明会では「安全ならオリンピック工事に使え!若い人が戻ろうとする時になぜ持ってくるんだ!」と怒りが爆発。宮城県大崎市の「汚染廃棄物試験焼却事業」には、事業中止と予算差止め訴訟に住民が新たな決起を開始していること等を紹介しました。
そして今こそ動労水戸の闘いを中心軸にすえて、未来のために生きるための闘いに立ち上がっている住民のみなさんとつながり、真正面から安倍政権と対決していく大きく新たな運動をつくりだそうと訴えました。
動労水戸石井真一委員長からは、①労働組合として、このかん開催された「さよなら原発全国集会」や「5・3憲法集会」で常磐線全線開通反対の署名を支援共闘の仲間とよびかけたところ、多くの労働者から支持と共感が得られたこと、②5月24日に水戸市で行われた東海第二原発に関する日本原電主催の説明会での質疑応答のやりとり、③動労水戸を含む動労総連合として、昨年10月に申し入れていた「常磐線の全線開通中止を求める」団体交渉の要求に、JR東日本本社が5月27日に交渉する回答を得たこと等が報告されました。
そして9月22日に、動労水戸として「常磐線全線開通阻止!東海第二原発再稼動反対!」を掲げてもっと広く働きかけ、総力をあげて集会を大成功させていきたいとの方針を提起し、この闘いと一体でJR東日本による「新たなジョブローテーション」攻撃を許さない闘いを、現場から作り上げていく決意が語られ、大きな拍手がまきこおりました。
さらに、動労水戸組合員と支援共闘の仲間が行った、福島県双葉郡の常磐線沿線の駅舎や線路工事の模様や現地調査を行った映像が上映されました。
斉藤貴広事務局長からの経過報告では、いよいよ全線開通阻止決戦の本番に入ったこと。この決戦を闘うために支援共闘を結成してきたと言っても過言ではないと強調して提起され、「改憲攻撃をめぐる決戦と常磐線攻防は一体」であり、「避難指示が解除されても8割以上の住民が帰還せずに避難を続けている」等の報告がありました。
その上で、①JR東日本・水戸支社は、12月にも試運転を行うとしており、来年3月の開通阻止に向けた突破口を開く9・22集会に向けて、全国各地で一万筆を目指し、署名運動を広げて大結集すること。②被曝労働拒否の闘いは、愛媛・舞鶴・新潟・越谷・東京など、全国各地で闘いが発展している。とりわけ避難計画等をめぐる自治体の攻防は決定的であること。③あらゆる職場・地域で会員拡大へ全力をあげようとの方針が打ち出されました。
続いて、動労水戸・木村郁夫書記長から、①東労組解体攻撃に抵抗して立ち上がり始めている平成採青年労働者と団結して組織拡大への闘いを取り組んできたこと、②「変革2027」「ジョブロテーション」は、現場の団結があればできない。現場には怒りと不安が渦巻いていること。③常磐線開通阻止に向けて原ノ町といわき(両運輸区)の運転士・車掌と一体となることを追求し、組織拡大にかけると訴え、一層の支援共闘を訴えました。
さらに国分勝之副委員長からは、常磐線の線路復旧工事の現場で働いている労働者との交流や討論の貴重な経験や報告がされました。
討論では、動労千葉の田中康宏委員長から、鉄道業務の全面外注化、運転士・車掌の廃止等、激しい攻撃の中で「自分の未来も見えない」状況に動労水戸組合員も置かれており、その中で被曝労働拒否闘争を継続していることは簡単なことではない。労働運動史上に例のない闘いだ。9・22集会は全組合員が誇りと確信を持てる集会にしたいと発言。
動労水戸家族会からは、東海第二原発の説明会で「何かやりたい、どうしたらいいの」の声が多数あり、署名用紙を渡して新しいつながりができた、自分たちの殻を破ることが重要と実感したと貴重な報告がされました。
また、福島から避難している方から、新幹線・福島駅に「オリンピックに感謝します」のポスターが貼られていることは許せない! 今の私らの世代が闘わなくてはだめです」との決意表明。
さらに動労福島・橋本光一委員長、茨城の交通労働者、越谷・東京の自治体労働者、全学連の発言がありました。
最後に石井委員長が集会のまとめを行い、呼びかけ人代表の私の団結ガンバローで総会を締めくくりました。
本年「復帰」47年5・15沖縄闘争の総括―私たちの挑戦と切り開いたもの
柿本 博人(沖縄労組交流センター代表)
「復帰」47年の5・15沖縄闘争は、5月18日から20日の3日間を軸に濃密な連続闘争として闘われました。結集した闘う全国の仲間たちの奮闘に心から感謝しつつ、沖縄労組交流センターとしての闘いの総括と感想を明らかにします。
昨年の翁長雄志知事の急逝直後の8・11県民大会、それに続く9月県知事選挙、12月から始まった辺野古への土砂投入=埋め立て工事の開始。そして、2月県民投票と3月からの新たな区域への土砂投入という激しい攻防の中で、沖縄情勢は95年10・21の10万人沖縄県民大会から始まった地殻変動とも言うべき新たな人民反乱が、さらに「次の段階」に突入していました。
その核心は、青年・学生、女性の決起の開始でした。さらに全世代にまたがり、世代を超えた決起が新たな闘う団結を芽生えさせていました。はっきりしていたことは、昨年5・15沖縄闘争と比べて次元を画する時代が始まっていることをはっきり示していました。
これら新しい時代と新たな決起の根底にあるのが、辺野古新基地建設に対する怒りであり、辺野古での闘いへの支持・共感にあるということでした。この辺野古での闘いを様々な形で担っている人々が、沖縄の星野文昭さん解放の陣形を形作っており、星野さんの仮釈放を求める闘いは、辺野古闘争との結合をさらに前進させました。その象徴的出来事が、2月星野さん解放意見広告(沖縄タイムス、琉球新報の地元2紙で掲載)に稲嶺進前名護市長と糸数慶子参議院議員が名を連ねてメッセージを寄せるという画期的事態でした。
こうした情勢の中で、本年「復帰」47年の5・15沖縄闘争の方針は、①「復帰47年」の5・18沖縄集会を、沖縄における新たな情勢と闘いの開始と一体となっていくような集会として実現すること、②辺野古現地の攻防に直接乗り込んで、共に闘うこと、この二つで新たな踏み込みを開始するというものでした。
「復帰」47年の5・18沖縄集会のメイン講師は、この間の新たな沖縄の闘いを象徴する「チーム緑ヶ丘1207」のお母さん方にお願いしました。一昨年12月7日、「緑ヶ丘保育園」での米軍ヘリ部品落下事故から活動を開始、昨年の4・18「止めよう!戦争」沖縄百万人署名運動総会に講師として招き、12・9「改憲・戦争阻止!大行進 沖縄」の結成集会でも講師を引き受けて頂きました。
講演は今回で3回目。誰にでも伝わるようにと、新たなDVD映像を準備し、講演の始めと終わりに2本のDVDを上映。
内容は、「素朴」だが、沖縄闘争の「原点」を確信を持って語りかけるものでした。基地の「県外移設」「本土移設」論を主張するこれまでの運動のあり方とは一線を画する闘いの始まりは、今の情勢を物語るものだと感じました。
読谷出身の糸数慶子氏には、彼女の自己史を語って頂きました。結びは「沖縄の全基地撤去と星野文昭さん即時釈放のために闘います」と。チーム緑ヶ丘1207や星野暁子さんの思いと強く結びついた内容でした。
5・18沖縄集会には、星野絵画展参加で結集を呼びかけた新たな女性労働者が参加しました。前日昼、沖縄大学構内で星野解放集会をやりぬいた沖縄大学自治会の赤嶺知晃委員長は、新たな沖大生らの結集を勝ち取りました。また、全電通時代の労働運動を象徴する労働者や、基地の請負で働く労働者の結集をかちとることができました。
新たな沖縄情勢の土台には辺野古現地の攻防があり、ここに沖縄における星野闘争も完全に重なり合っています。問題は、この情勢の中で、どのような態度で辺野古現地攻防に臨むのかということでした。
確かに、現地攻防だけでは工事は止まらないのは事実です。それは、選挙でも県民投票でも同じです。そうではなくて、現実の沖縄の労働者階級の闘いの中で、辺野古現地の攻防がどういう位置を持っているかということです。「現地攻防では基地建設は止まらない。職場の闘いが重要」と言うのは、正論だとしても、それだけ行っているならば、現実の沖縄の労働者階級の闘いに背を向けることしか意味しません。県知事選39万人、県民投票42万人と私たちの存在と闘いが別の所にあるとすれば、当然、私たちこそが改めなくてはならないということです。階級的労働運動を実践するとは、こうした転換を明確にすることです。実際、私たちは、昨年からの護岸工事の本格的開始と土砂投入に対して、現地行動への参加を可能な限り追求してきました。
5・20辺野古現地闘争は、結果的に「奇襲戦」ということで午前中の土砂搬入を阻止することができました。「169台が資材搬入、市民ら50人抗議」との5月28日付沖縄タイムス記事には、「約300人が集まった20日は、3回の資材搬入のうち1回を追い返した。大勢が集まれば工事を止めることができる」との発言が紹介されています。
私たちは、5・20辺野古現地での決起で、辺野古現地攻防への「再上陸」を堂々と宣言しました。現段階で恒常的な現地闘争体制をとるわけではないし、とれない現実はありますが、節目節目での闘争参加をしっかり行っていくことを決意して、報告と感想とします。
「復帰」47年の5・18沖縄集会のメイン講師は、この間の新たな沖縄の闘いを象徴する「チーム緑ヶ丘1207」のお母さん方にお願いしました。一昨年12月7日、「緑ヶ丘保育園」での米軍ヘリ部品落下事故から活動を開始、昨年の4・18「止めよう!戦争」沖縄百万人署名運動総会に講師として招き、12・9「改憲・戦争阻止!大行進 沖縄」の結成集会でも講師を引き受けて頂きました。
講演は今回で3回目。誰にでも伝わるようにと、新たなDVD映像を準備し、講演の始めと終わりに2本のDVDを上映。
内容は、「素朴」だが、沖縄闘争の「原点」を確信を持って語りかけるものでした。基地の「県外移設」「本土移設」論を主張するこれまでの運動のあり方とは一線を画する闘いの始まりは、今の情勢を物語るものだと感じました。
読谷出身の糸数慶子氏には、彼女の自己史を語って頂きました。結びは「沖縄の全基地撤去と星野文昭さん即時釈放のために闘います」と。チーム緑ヶ丘1207や星野暁子さんの思いと強く結びついた内容でした。
5・18沖縄集会には、星野絵画展参加で結集を呼びかけた新たな女性労働者が参加しました。前日昼、沖縄大学構内で星野解放集会をやりぬいた沖縄大学自治会の赤嶺知晃委員長は、新たな沖大生らの結集を勝ち取りました。また、全電通時代の労働運動を象徴する労働者や、基地の請負で働く労働者の結集をかちとることができました。
新たな沖縄情勢の土台には辺野古現地の攻防があり、ここに沖縄における星野闘争も完全に重なり合っています。問題は、この情勢の中で、どのような態度で辺野古現地攻防に臨むのかということでした。
確かに、現地攻防だけでは工事は止まらないのは事実です。それは、選挙でも県民投票でも同じです。そうではなくて、現実の沖縄の労働者階級の闘いの中で、辺野古現地の攻防がどういう位置を持っているかということです。「現地攻防では基地建設は止まらない。職場の闘いが重要」と言うのは、正論だとしても、それだけ行っているならば、現実の沖縄の労働者階級の闘いに背を向けることしか意味しません。県知事選39万人、県民投票42万人と私たちの存在と闘いが別の所にあるとすれば、当然、私たちこそが改めなくてはならないということです。階級的労働運動を実践するとは、こうした転換を明確にすることです。実際、私たちは、昨年からの護岸工事の本格的開始と土砂投入に対して、現地行動への参加を可能な限り追求してきました。
5・20辺野古現地闘争は、結果的に「奇襲戦」ということで午前中の土砂搬入を阻止することができました。「169台が資材搬入、市民ら50人抗議」との5月28日付沖縄タイムス記事には、「約300人が集まった20日は、3回の資材搬入のうち1回を追い返した。大勢が集まれば工事を止めることができる」との発言が紹介されています。
私たちは、5・20辺野古現地での決起で、辺野古現地攻防への「再上陸」を堂々と宣言しました。現段階で恒常的な現地闘争体制をとるわけではないし、とれない現実はありますが、節目節目での闘争参加をしっかり行っていくことを決意して、報告と感想とします。
5・18~20沖縄闘争に参加した青年の感想
全国労組センター女性部第26回大会報告
今こそ女性部の組織拡大を実現しよう!
辻川あつ子(全国女性部事務局長)
5月26日、全国労組交流センター女性部は、第26回定期全国大会を都内で開催しました。
大会は、「杉並区議会議員選挙」を全力で闘った女性部会員の勝利感であふれ、一人ひとりが選挙闘争から掴んだ確信や教訓が報告・討論される内容となりました。「安倍政権の『働き方改革』と対決し、職場や地域の具体的課題に取り組み、『改憲・戦争阻止!大行進』運動を広げる。激動の情勢下、女性部は何をするのか。どういう組織が必要なのか。今こそ議論を重ねながら、女性部の組織拡大を進めよう」と決議されました。
全国労組交流センター本部から飯田英貴事務局長が「資本家が言うところの『AIだ。自動運転だ』などは、労働組合破壊のイデオロギー攻撃だ。JRの労働組合潰し攻撃が激化している。さらに利用客が東日本で第9位という秋葉原駅まで外注化する大転換が始まっている。国鉄闘争を闘い続ける全国労組交流センターの運動にこそ、安倍・支配階級の『働き方改革』と改憲・戦争攻撃に立ち向かう力がある」と挨拶されました。(この後、6月に入って、横浜市の「金沢シーサイドライン」の自動運転車両が逆走した事故を起こしました。原因不明のまま、運転士の乗務で営業を再開、後日、信号ケーブルが切断していたこと、逆走を止めるプログラムはなかったことなどが報じられていますが、詳細は未解明です。自動運転システムは一つ間違えば大惨事になりかねないことが暴露され、自動化万能神話は崩れました)。
婦人民主クラブ全国協議会の鶴田ひさ子さんからは、「杉並区議選で洞口ともこさんに共感した若い女性たちが声を上げ始めた。沖縄の緑ケ丘保育園のお母さんが起ち上がって基地反対の闘いが開始されている。共に闘おう」と挨拶がありました。「子どもの命が危ない。生きさせろ」と、黙っていられない女性たちの決起が開始されたことを実感しました。
討論では、沖縄闘争に参加した会員(医療)から発言がありました。「労働組合の賃金闘争は、労組に加入していない労働者にとっても第一の関心事であり、労働者全体の共感を得て闘われている。沖縄闘争に参加して、仲間の結集で辺野古の土砂搬入を阻止した。緑ケ丘保育園のお母さんたちの闘いに感動した」などが報告されました。
多くの地区から「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」のような運動を作ろうと目標にされている広島からも発言がありました。具体的な闘争課題を軸に据えて、物販などでつながっている労働者や労組を訪ね、「自分や組合はまだ何もやれていない」と思っている労働者に、この声明への賛同を求め、拡大したことが紹介されました。
さらに、会計年度任用職員の問題で、自治労傘下の組合が当局とのの団体交渉で決裂したことなど、現場の労働者の闘いに展望が出ていきていると報告がありました。
関西からは、公立子ども園廃止や小中学校の統廃合問題で、労働組合の仲間が軸になって、保護者や地域住民が闘いに起ち上がっていることが報告されました。話し合いの中で「自分の子どものために」と言っていた親が、討論の中で「地域や子どもたちを守る」という考え方に変わったことど、全労連の路線では獲得できない主体的な運動作りが報告され、共有しました。「労働者は自分だけがよければ」という存在ではなく、職場や地域で具体的な問題でつながり、「資本家のための戦争は止めろ!」と必ず起ち上がるという確信を持ちました。
岡山の仲間からは、「新自由主義」によって拡大した災害に対し、必死で踏ん張り闘っている倉敷市職労の仲間の現状や災害支援へのお礼があり、災害地への天皇訪問抗議行動を行ったことが報告され、戦争政策で地方を切り捨てる政策に対し、戦争反対で闘う決意も表明されました。
各地で婦民の仲間と協力して勝ち取った国際婦人デー行動の報告や、今後、「改憲・戦争阻止!大行進」運動をどのように組織していくのか、活発に論議され、闘いの展望が出されました。
洞口さんの選挙運動を自分の闘争として取り組んだ東京の仲間からは、何度も諦めずに個別訪問した体験、最初は「知らない」という人に「ほらぐち」という名前を何度も繰り返すところから始まり、後半では、「知っています」「見ました」に変化していったことが報告されました。自分の経験を活かし、教育労働者と出会い、逃さずに繋げた取り組みや、「自分を変革する」を課して選挙闘争を進めたことなどが報告されました。 安倍政権の攻撃の激しさは、各地区において、今まで一緒に合流出来ていなかった活動家や人士との関係も変えています。星野救援や地域闘争の場で、新たな共闘関係が生み出されています。
大会終了後の交流会でも、尽きることなく、一人ひとりの選挙闘争が語られました。
私も、洞口さんのチラシまきを区役所前で行った時のことを報告しました。「今、この人に期日前投票で入れて来たよ」という人が4人も出て、「面白くなりそうだから」「女性だから応援したい」との声を聞いたことを報告しました。この時「署名用紙を持っていればよかった」と反省し、その後の地元の行動には署名用紙を持ち歩くようにしました。
「杉並選挙闘争」や各地区の闘いの中で、女性たちの「生きさせろ」の決起が開始されていることを実感しています。不屈に国鉄闘争を闘ってきた私たちが、職場や地域で軸を立て、具体的な要求や行動で女性たちの怒りを集めましょう。「働き方改革」反対、「改憲・戦争阻止!大行進」運動に、女性部は全力で取り組みます。
320人の結集で改憲・戦争阻止!神奈川県民集会
「たたかう力が湧いてきた!」
関西のたたかいの中から!
学校の民営化を粉砕し、戦争止める教育労働運動を作り出そう!
各地からの報告 北海道
タクシー職場での取り組み
河野 晃興(SKさくら交通労組)
2度のストライキ闘争を闘った、自交総連SKさくら交通労働組合では、2019年を全力で職場闘争を闘う年として取り組みを開始しています。
昨年12月に組合として「改憲阻止決議」を上げ、私自身「改憲と戦争だけは絶対許せない」という思いを強くしていました。それを組合方針と活動としてどう位置づければよいか、今年3月の定期大会に向けて悩んでいました。組合内で討議したところ、「委員長の気持ちはよくわかるが、組合員は同じではない」「決議が上がったのは、中身を理解してではなく、委員長が言うことだから反対しないということ」という意見が出ました。また、ある組合員からは、「自分は職場の改善には取り組みたいが、政治的なことは好きじゃないので、もう組合の会議には出ない」ということも言われました。そういう意見を踏まえて執行委員会で議論し、職場闘争を全力で実践し、組合の団結の強化・拡大に取り組むことを最優先することにしました。
大会後、最初に取り組んだのが、「職場アンケート」です。今までは比較的型通りの春闘要求書を提出するだけでしたが、もっと職場に深く入ろうと思い実践しました。A4版で11ページになるアンケートでしたが、職場全体(162名)の60%以上から回収することができました。アンケートは大きくは①健康問題、②労働条件、③事故問題、の三つの構成にしました。集計と分析はこれからです。
6月の団交で、会社は「今年から無事故・無欠勤者表彰を行う」と言ってきました。ところが、昨年のスト集会に有休をとって参加した組合員が有休を取り消され、欠勤扱いにされたという問題があり、その欠勤を理由に今回の表彰からも除外されました。この件を国鉄闘争全国運動・北海道の例会で話題にしたところ、「会社に労働安全衛生委員会はないの」「法律で設置が義務化されてるはずだよ」と諸先輩から指摘を受けました。
調べてみると、100人以上の事業所には委員会の設置が義務化されていて、50万円以下の罰金という罰則までありました。私達の組合は従業員代表も出しているので、その委員となる資格があります。産業医の出席なども記載されていて、「職場アンケート」で要望があったことなどを実際に実現していくにはとても役立ちそうでした。労災防止という観点から、事故問題や無事故表彰なども議題にできます。
早速、会社に「労働安全衛生委員会」の設置と月1回の開催を要求しました。会社からの回答はまだですが、委員会設置をてこに、更に職場闘争=職場改善闘争に取り組みたいと思います。また有休取り消しなどの不当労働行為に対しては、北海道労働委員会に救済申立てをしていきたいと考えています。
このような取り組みの結果、6月に入って3人の組合員の組織拡大を実現し、「会議に出ない」と言っていた組合員も会議で意見を言ってくれています。
労働組合運動の基礎知識 第57回
熱中症対策ー空調服
以前、「熱中症指数」を計測する機械について書いた。それを読んで、その機械を導入した職場もあると聞いている。あれは指数を計測し、危険を予知するための道具であり、熱中症を防ぐ装置ではない。空調服は熱中症を防止する器具として有効である。一番重要なことはこまめに休憩をとることと、スポーツドリンクなどの飲料水をちびちびこまめに呑むことである。それにプラスして「空調服」もありかなと思う。
私が使っているのは、シーベックスというメーカーのもので、セット価格は1万8千円である。服、バッテリー、充電器、ファンが一組になっている。今季、会社が4着購入して使用をはじめた。私の職場は外のだだっ広いヤードであり、炎天下では太陽を遮るものがない場所なので、ここのセクションだけ導入した。今期は、キャンプ用のテントも仮設して、休憩室の他に屋根のある地点もできた。大型のクーラーボックスも購入して、いつでも水分補給できる体制を整えた上で、「空調服」の導入である。半袖のもの、インナーについているもの等、多数あるが、私の使用しているのは長そでのブルゾンである。ファンは取り外しが簡単で、服の洗濯は可能だ。
空調服の原理は、汗の気化熱で体温をコントロールする。服に小型のファンが二個ついていて、服の中に外気を取り入れ、体の表面に風を流すことで、汗を気化させて涼しく快適に過ごすことができる。ファンから毎秒20リットルの外気がとりこまれる。取りこまれた空気は服と体を平行に流れ、その過程でかいた汗を気化させる。体は気化熱を奪われて冷え、服の中を通った湿った空気は襟元と、袖口から排出される。バッテリーは1回充電すると8時間連続使用可能だ。バッテリーは服の内ポケットに入るようになっていて、防水仕様になっている。ファンの風の強さをボタンで調整できて、最強にするとファンが回る音が強くなる。作業中は感じないが、室内に入ると音が少しうるさい。
汗はかいているのだろうが、すぐに気化するので汗が流れる感じがしない。そのため汗疹ができない。先日まで汗疹の薬を塗っていたが、あまり必要なくなった。同僚で皮膚病・アトピーを患っている人がいるが、彼にとってはとても良いと思う。
メーカーの宣伝文句は「これを使用すると作業効率が上がり、連続勤務が可能になる」と書かれている。しかし、この服を導入することで休憩時間が短くなるとしたら問題である。
休憩時間をこまめに確保した上で、熱中症防止のために使うなら意味がある。ネットで検索すると、その効用、原理で、メーカーの説明、販売宣伝がいっぱい出てくる。まず1着組合で購入して効用を試してみるのが良いと思う。ウォシュレット・トイレをはじめて使用した時のような感動がある。
小泉義秀(東京労働組合交流センター事務局長