2006年7月号(No.196)目次
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労働者の目 郵政民営化を絶対反対で貫く!

臨時国会が4大改憲法案阻止の大決戦に

1047名の団結こそ闘いの主体! 今こそ「政治解決」路線からの脱却を

動労千葉を支援する会06年総会へ集まろう

不屈に闘う争議組合へご支援を!(夏季物販)

今こそ反戦反核の闘いで改憲・戦争をくいとめよう!

全国の仲間と団結し「非正規」雇用労働者の組織化へ

共謀罪の通常国会成立を阻止した!

ひめじょおん−女性部から

書評 「労働者階級とは―労働者の生き方」

労働ニュース  ●日誌

「国労5・ 27 臨大闘争弾圧を許さない会」の強化・発展を勝ち取ろう

たたかいは進む

読者のページ


労働者の目

●郵政民営化を絶対反対で貫く!

       全国労働組合交流センター常任運営委員     井上 長治

2月臨時大会6月定期大会と2回の全国大会で、全逓(JPU)中央は、07年10月の郵政民営化への道を労働組合自らが掃き清めようとした。雇用は確保された、あとは組織をあげて民間郵政の発展につくそうという、およそこれが労働組合かというところにまで裏切り・転向を深めた。
  9月1日の「帰属決定基準日」の現在員を確定させるとして、集配拠点再編をはじめ、アクションプラン合理化を総て受け入れ、10数万人を配置転換の対象にしている。これによって、大量の労働者を「自主退職」に追い込もうとしている。ここ数年は、毎年数千の労働者が「勧奨退職」で職場を去った。労働強化もある。しかし本当の理由は、労働組合が労働者の立場に立っていない、裏切り続けていることにあるからだ。
  国鉄分割・民営化の過程では 20万の労働者が自主退職に追い込 まれた。われわれは、郵政民営化 攻防で、国鉄の二の舞を繰り返さ ない。今こそ動労千葉の闘いが求 められている。現場労働者を信頼し、あくまで民営化絶対反対を貫くことの中に、活路が開かれることははっきりしている。
  3日間の大会論議では、JPS、集配再編、帰属方針、輸送部門切り捨てに反対意見が続出した。米軍再編や改憲反対の意見が沖縄を始め多くの地本から出された。「中央交渉の中身が見えない」など、実質は本部方針反対の意見で埋め尽くされた。代議員がそう発言せざるを得ないほど現場労働者の怒りが激しいということだ。
  採決は、賛成295、反対36、無効1で本部案が決定された。しかし、地本の締め付けをはねのけ反対票を投じた36人の後ろには数万という組合員が存在する。
  9月帰属方針決定を巡って、現場からかならず怒りの大流動が始まる。それが秋の臨時国会での闘いと結合すれば、全逓労働者は必ず決起する。改憲決戦を頂点とする政治決戦と結びついてこそ、郵政民営化決戦の爆発が切り開かれるのだ。全逓部会は全力で、国鉄1047名闘争の勝利と共に総ての産別の先頭で闘おう。

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●臨時国会が4大改憲法案阻止の大決戦に

 
 4大改憲法案の上程と 改憲決戦への突入
 

通常国会は、会期延長ないまま閉会し、政局は9月自民党総裁選にむけて動きだした。通常国会は、共謀罪に加えて、教基法改悪案、国民投票法案、さらには防衛省昇格法案という改憲の本丸攻撃をなす法案が立て続けに上程された戦後政治史を画する反動国会であった。共謀罪は現代の治安維持法・団結禁止法であり、教育基本法は憲法と一体の法律であり、その全面改悪は侵略戦争を支持し担う国民づくりの攻撃である。国民投票法は、改憲反対運動を弾圧する改憲クーデター法であり、防衛省昇格法(防衛省設置法・自衛隊法改悪法案)、自衛隊を名実ともに軍隊とし、海外派兵をその本来任務とする9条改悪の先取りである。これら反動法案は、継続審議となったものの、政府・与党は通常国会で行革推進法・公共サービス効率化法を成立させ、日教組とともに護憲平和運動の中心部隊をなす自治労の解体・弱体化にむけた決定的な武器を手中にした。
  改憲決戦は、具体的な政治過程をめぐる攻防としてその火蓋を切って落としたのであり、秋の臨時国会は、改憲攻撃との大激突となった。

 3度の強行採決阻止した共謀罪反対闘争

  他方、国会前を連日埋め尽くした国会闘争は、改憲阻止闘争の本格的高揚の始まりをつげしらせている。
  共謀罪は過去2度廃案となり、政府・与党は、今国会を背水の陣と位置付けていた。しかし、急速に拡大した反対運動の力で5・19強行採決阻止、6・2民主党案丸呑み採決も阻止する偉大な勝利がかちとられた。破防法組対法反対共同行動の営々たる闘いの結実であり、関西生コンの決起で国会闘争での三労組共闘が実現したことも重要であった。
  共謀罪反対闘争の高揚による強行採決阻止は、教基法改悪案や国民投票法案を含む政府・与党の国会戦略を破綻させ、臨時国会に先送りする原動力となった。
  この闘いは、与党が衆院の3分の2議席を独占し民主党が「対案」と称して競い合う翼賛国会においても、大衆運動の力で改憲攻撃をはね返せることを示した。共謀罪反対闘争は、明らかに60年安保前段の警職法闘争的な位置を持ってきている。
  さらに、6・15一千人集会―国会デモに示される法政大弾圧―退学処分に対する学生運動の高揚は、全国学生ゼネストの始まりともいえる。明らかに、改憲闘争の歴史的高揚のうねりが始まっているのである。

 高揚した日教組の国会前座り込み

  なによりも決定的なことは、戦後教育の根底的転覆と日教組運動の解体をねらう教基法改悪案の上程に対して、日教組・全教の国会闘争として教育労働者の歴史的な決起が開始されたことである。
  日教組は、5月16日から2週間の国会前座り込みを行い、北海道教組の自主動員や全教・日高教の合流で最大300を超す座り込みが現出した。国会前座り込みは、北教組の登場で一気に戦闘化し、「日の丸・君が代」被処分者との合流もかちとられた。
  6・5には日教組が、6・7、14には全教が500規模の要請行動・国会デモを行っている。5・27日教組5千、全教4千、6・2全国連絡会3千の全国集会がかちとられ、各地の集会も6・4北海道3千、広島2千、大分5千など、大きく高揚している。日教組の下からの戦闘的決起が始まっているのである。
  もちろん、このことは日教組連合指導部が闘う路線に転換したことを意味するものではない。それどころか、日教組本部は、連合・民主党路線にますます純化し、闘いの反動的制動に全力をあげている。第二次座り込みを急きょ中止して闘争の沈静化を図り、民主党案批判を〈禁句〉として、早々と参院選での組織内候補の支援に闘いを流し込もうとしている。しかし、教育労働者の決起はもはや押しとどめることはできない。〈政府自民党案よりひどい〉民主党案とこれを擁護する連合指導部への怒りの爆発は不可避である。
  5・25〜26自治労中央委では、「日教組に続いて国会闘争に駆け付けよう」「自治労の改憲勢力化を阻止しよう」という部会の訴えが組合員の心をとらえた。教育労働者の決起を、連合の改憲推進路線粉砕、四大産別の改憲阻止闘争への総決起の突破口としてとらえ返し、推進していこう。

 連合の改憲勢力化をめぐる攻防

  教基法改悪案の継続審議をめぐり、自民党は、閉会中審査を提案する一方、自民・公明・民主3党による修正協議を呼びかけていた。民主党は、政府案・民主党案の継続審議に賛成し、特別委員会では、「基本法についてはいいものをつくりたい」(町村)という自民党に「基本法はGHQ下という屈辱的状況でつくられた。新しいものをつくったらいい」(大畠)と応じた。民主党案をテコに政府案をさらに改悪修正する動きが強まるだろう。
  国民投票法案は、与党単独提出となり、実質審議入りした上で継続審議となった。衆院特別委員会での教基法改悪案の審議はすでに10回49時間に及んでおり、臨時国会冒頭の強行採決の可能性もある。同時に、教基法改悪案、国民投票法案を与野党協議を通じて翼賛成立させる動きを警戒しなければならない。
  武力攻撃事態法は、02年通常国会に政府案が提出され、03年通常国会で民主党対案の提出と自民・民主の修正協議を経て9割の賛成で成立した。その最大の立役者が連合であった。
02年5・16見解で「武力侵略や大規模テロに速やかに対処するための法整備は必要」とうちだし、9月には傘下単産・地方連合に20労組運動への合流を禁ずる通達を出して反対運動の制動に全力をあげた。この轍を踏んではならない。
  連合は、1・19中執決定で改憲推進・戦争支持の「国の基本政策」見解を先送りしつつ、国民投票法案には中執で対応(=賛成)するとした。教基法改悪についての5・18
中執決定も「民主党案も俎上にのせ慎重審議を」という改悪賛成論である。

 〈格差社会〉への怒りをねじ曲げる小沢・高木

  他方、連合本部は、小沢民主党の「対決」型国会戦略と歩調を合わせ、「格差是正の反転攻勢」と称して参院選への流し込みを始めている。高木は、「吠えてかみつく連合に」「平成版『ええじゃないか』運動を」などとアジりながら、構造改革が生み出した格差社会への労働者の怒りを民主党を軸とする「政権交代」にねじ曲げようとしている。
  冗談ではない。行革推進法・市場化テスト法とまったく闘わず「『新しい公共』の創造」と称して、業務の民間・NPO委託を推進しているのが連合である。労働法制の規制緩和に双手をあげて賛成し、格差社会をつくりだしてきた民主党は自民党と同罪だ。
  規制緩和、市場原理万能主義は、資本主義の末期的危機の表れである。連合は、体制の安全弁としてその「いきすぎ」を問題にし、「安全・公正」社会を対置しているにすぎない。連合の政策・制度要求は、「諸外国と共存共栄するグローバル経済戦略」としてアジア勢力圏化の推進をうちだしている。連合の「安全・公正」社会は、戦争・改憲を推進する「国の基本政策」見解と表裏一体である。
  自治労本部は「二大政党制の流れを確実なものとし、政権交代を実現する」として組織内候補の民主党一本化をうちだし、日教組本部も民主党の組織内候補支援を恥ずかしげもなくうちだしている。
  だが、参院選の民主党「勝利」は、政界再再編も含む改憲翼賛体制の完成以外のなにものでもない。民主党の正体、連合の「安全・公正」社会論の正体を徹底的に暴露・弾劾し、連合・民主党路線にトドメを刺さなければならない。

 職場闘争と国会闘争の結合を

  東京交流センターや教労部会を先頭として最終盤の国会闘争を闘ったことは、臨時国会決戦の予行演習でもあった。〈国会前〉が日教組の分岐と戦闘化を促進し、闘う潮流の交流の場としても決定的であることも示された。
  組合をつき動かし、組合旗をもって国会前に駆けつける闘いに本格的に挑戦しなければならない。そのためには、職場闘争が展開され年休権を行使できる力関係が不可欠であり、職場における日常的な政治討論が組織されていることが重要である。
  郵政の集配局再編・帰属決定をめぐる攻防、行革推進法・市場化テストとの職場段階の攻防など、民営化攻撃との激突が職場生産点で始まっている。
  動労千葉は、06春闘を安全運転闘争とストライキで闘い、幕張構内事故に対しては、労働者への事故責任転嫁を許さず、不当処分攻撃を許さない闘いに立ち上がっている。
  この闘いは、当局が握りつぶしてきたATS設置要求をかちとり、処分発令を今日まで先送りにする成果を切り開いている。この闘いに学んで、4大産別決戦を切り開こう。

 今秋臨時国会にむけた3カ月決戦へ

  そのためにも、百万人署名運動の9条改憲反対署名を職場、街頭でとりくんでいくことが重要である。地域の労組に持ち込み、労組活動家の賛同人への組織化を進めよう。
  平和フォーラム系は、改憲反対運動を取り組んでおらず、教基法の「調査会設置要求」署名、国民投票法の「拙速な制定に反対する」署名だけであり、いずれは、「平和基本法制定要求」署名が下ろされてくる。連合の改憲勢力化を許さない新潮流運動の観点から、新百万人署名を推進していこう。
  8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、8・15靖国・改憲阻止闘争を闘おう。4大改憲法案阻止の臨時国会闘争の高揚のただなかで本年の11月労働者集会の1万人結集を実現しなければならない。労働組合主体の改憲闘争をつくりだし、臨時国会闘争と11月労働者集会への総決起集会として、9・23改憲阻止労働者集会を成功させよう。 (岡田 優 )  

 

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●1047名の団結こそ闘いの主体! 今こそ「政治解決」路線からの脱却を

                                                 国鉄千葉動力車労働組合

 「政治解決」の過ちを繰り返すな

  国鉄分割・民営化から19年、1047名闘争は、勝利の展望をこじ開けることができるか否か、大きな岐路にたっている。
  闘いは、9・15判決を契機として、採用差別から19年目にして初めて1047名の団結が実現するという大きな地平を生み出し、それが国鉄闘争の勝利を願う人々に大きなインパクトを与えている。「4党合意」による大変な混乱を乗りこえて、1047名が団結することによって、闘いが再び息を吹き返し、本格的に発展する条件がつくられたのである。
  しかしその一方では、「年内政治解決」「解決交渉のテーブルづくり」のかけ声のもとに、「政治解決」路線に埋没していこうという動きが再び台頭している。「政治解決」の自己目的化が行き着いたのは「4党合意」の悪夢であった。この過ちを繰り返してはならない。
  現在の政治的状況、彼我の関係、鉄建公団・運輸機構訴訟等の状況を冷静に考えれば、「年内政治解決」「国会会期中の政治解決」などという条件は全く存在しないことは明らかだ。
  そうしたなかで、解決のテーブルをつくるための政治的根回しや工作に埋没し、それを運動の中心にすえていくことは、闘いを卑しめ、足元を見すかされる結果しかもたらさない。そしてこの間の闘いの混迷、分裂をまた再び繰り返す道でしかない。

  改憲情勢下の1047名闘争

  1047名闘争は現在の情勢と無関係に存在しているわけではない。今通常国会を見ても明らかなとおり、今、自公政権が進めているのは、まさに改憲―戦争と大民営化―労組破壊を焦点とした戦後史を画する攻撃だ。一方、小泉政権は、議席数では圧倒的な多数を占めながら、共謀罪をめぐる攻防に示された高鳴りつつある時代への危機感と怒りの声、噴出する社会的矛盾の前に、ほとんど死に体状態で危機を深めている。
  森喜朗は「文藝春秋」の座談会で、かつての中曽根発言と全く同じ脈絡で、「郵政民営化で、全逓、自治労、日教組をつぶす」と公言している。国鉄分割・民営化攻撃がそうであったように、「改憲と民営化」攻撃の焦点は労組破壊にすえられている。こうした現実のなかで、敵は、1047名闘争を「解体の対象」として見ていることは明らかだ。
  今1047名闘争に求められているのは、「政治解決」を懇願することではなく、こうした情勢と真正面から対決し、高鳴りはじめている労働者の怒りの声を総結集する闘いの先頭にたつことである。20年もの間、惜しみない支援を送りつづけてくれた全国の無数の仲間たちが1047名闘争に求めているのもそのことだ。1047名闘争は日本の労働者と労働運動の未来のかかった闘いだ。
  激しい攻撃の前に、連合、JPU、自治労、日教組本部などは止めどない変質を深めている。全労連も同様だ。しかし、こうした現実に対し、本部の制動を打ち破って、多くの仲間たちが現場から闘いに立ち上がり、大きな波紋を広げはじめている。「日の丸・君が代」不起立の闘い、教基法改悪反対の闘い、組合本部までが改憲容認に転落しようとしていることへの怒りの声、民営化攻撃に対する現場からの怒りの声の噴出、……今何よりも求められているのは、こうした闘いがひとつにつながり、団結することである。その団結の中心になることができる大きな可能性をもった闘いが1047名の解雇撤回闘争だ。

 1047名の団結は取引きの材料ではない

  「政治解決」路線の最大の問題は、闘いの主体であるはずの1047名の被解雇者の闘いと存在が、政府や運輸機構との取り引き材料におとしめられてしまうことだ。ついに実現した1047名の団結という画期的な地平も、解決テーブルづくりのために必要な単なる「看板」でしかなくなる。一体何のために20年間、厳しい闘いを続けてきたのか。われわれが人生をかけて闘ってきたのは、そんなことのためにではない。
  国労本部による「4党合意」受け入れという許すことのできない屈服によって、闘いの戦線がズタズタにされた状況のなかでも、それを乗りこえて鉄建公団訴訟にたちあがり、現在の状況を切り開いてきたのも、もう一度自らが闘いの主体としてその先頭にたつための苦闘であった。にも係わらずまた再び「政治解決」を自己目的化した様々な思惑のもとに引き回されるなどもう御免だ。
  そればかりか、「政治解決」の自己目的化は、われわれの闘いを支え続けてくれた全国の多くの仲間たちの支援の力も、闘いの主体ではなく、政治的取り引きのための「数」としか見なくなるということだ。こんなことを繰り返していたら闘いは潰れてしまう。われわれは、今の労働運動の惨たんたる現状を何とか覆すために、全国の支援の仲間たちと共に闘いたい。われわれは、自らにかけられた不当解雇を自らだけの問題とは考えていない。

 1047名の団結つぶしを許すな!

  われわれは、1047名闘争をめぐる主体の側の現状を、その否定的な部分も含めて真正面から見すえてそれを乗りこえて闘いを前進させなければならないと考える。
  鉄建公団訴訟の加藤晋介主任弁護士は、国労本部の現状について次のように訴えている。
  国労本部が、きちんとした反撃に立つのであれば、我々から『統一と団結』を拒否すべき理由は何もなく、我々はこれに応じ、弁護団での公開勉強会も開いた。……しかし、そこでも、またその後も、国労本部の対応として見てとれたのは、鉄建公団訴訟第一審判決に便乗して政府側と取り引きして、とにかく早期に採用差別問題の『始末』をつけたいという、『四党合意』の延長線上の姑息な対応でしかなかった。……我々の求めているのは闘うための『統一と団結』であって、ダンゴで腐っていくための『統一と団結』ではない。 (「奴隷の道を拒否せよ」)
  また、全労連は「動労千葉は労働組合の仮面を被った暴力集団、市民権を与えるな」というデマ、誹謗中傷をもって動労千葉や動労千葉争議団の排除―1047名の団結を潰そうとしているのが現実7 月刊交流センター 2006 年7 月号だ。全動労争議団が、鉄道運輸機構に対する訴訟を起こす際も、「訴訟をするな」という強い圧力がかけられたという。
  これが偽らざる現実だ。なぜこれほど大きな可能性をもつ、全ての労働者の未来のかかった闘いを、立場の違いを乗りこえて団結し、本気になって闘うことができないのか。
  一方でこうした現状があるからこそ、解雇された当事者1047名が様々な困難を乗りこえて団結したことのもつ意味は決定的に大きいのだ。この団結が実現したことによって、危機に直面していた闘いが息を吹き返し、新たな勝利の可能性をつかもうとしているのである。今こそ「政治解決」路線を脱却し、闘いの原点にかえろう。

  JR本体での総屈服

  さらに、「4党合意」に行き着いた「政治解決」路線は、JR本体における闘いの全面的な放棄―総屈服をもたらしたことをはっきりさせなければならない。
  一方で、政府に「政治解決」を請願し、職場ではこれまでどおり闘い続けるなどということは成りたつはずがない。そして、JR本体では総屈服的な状況が進行するなかで解雇撤回闘争が勝利するなどということは絶対にあり得ないことである。
  われわれは「第二の分割・民営化攻撃」と呼んでいるが、この5年余りは、JR本体における猛烈な合理化攻撃が吹き荒れた過程であった。業務の全面的な外注化を中心として、大規模な要員合理化とコストの徹底削減攻撃が激しく職場を襲い、鉄道会社としてのこれまでのあり方が根本から覆される過程だったのである。
  しかし、国労本部は、何ひとつ抵抗することもなく、こうした合理化攻撃を全て容認した。
  こうした結果行き着いたのが尼崎事故であり、羽越線事故であり、レール破断が相次ぐという危機的現実であった。
  われわれは、この間、幾度もの安全運転闘争やストライキに立ちあがり、この現実と闘い続けてきた。JR東日本は、憎しみを込めてこの闘いを弾圧し、「会社の運行管理権を奪う違法争議」と称して、闘いのたびに処分を加えたが、闘いは大きな成果を切り開いた。何よりも、われわれのささやかな闘いでも、千葉支社では、車両検修業務の外注化をストップさせ、職場を守りぬいたのである。
  さらに、安全運転闘争は、われわれも全く予想もしなかったことだが、何百通という激励のメールが寄せられるなど、ものすごい波紋を広げた。弱肉強食の市場原理が社会の隅々まで貫徹される攻撃のなかで、全国の無数の労働者が、今の社会のあり方に我慢ができなくなっている。それが安全運転闘争への注目となったのである。
  また、「安全の崩壊」というかたちをとってJR体制の矛盾が噴出していることもこの闘いのなかで鮮明につかみとることができた。
  1047名の解雇撤回闘争の勝利は、こうした闘いをとおして、全国の労働者の怒りの声と結びつくことによって実現できるものだ。

 改めて中曽根発言への怒りの声を

  「政治解決」路線は、こうした闘いと1047名闘争が結びつくことを断ち切ってしまう役割を果たすのだ。
  もう一度闘いの原点に帰ろう。中曽根元首相は「国労をつぶし、総評、社会党を壊滅に追い込むことを明確に意識して国鉄分割・民営化をやった」と繰り返し公言している。「行革によってお座敷を綺麗にし、立派な憲法を床の間に安置する」と言って国鉄分割・民営化を強行した。不当労働行為とは違法行為だ。それを「私が犯人だ」と繰り返し公言し、開き直っているのだ。一方、1047名とその家族は、無念のうちに今も闘いを継続しなければならない本末転倒した憲法違反の現実がある。それを弾劾し、追いつめることができなくて、1047名の解雇撤回を実現することなどできるはずはない。
  国鉄分割・民営化は、憲法改悪が現実化する現在の流れの発端をなす攻撃であった。
  1047名の団結を固め、今一度原点に帰り、全国に闘いを呼びかけよう。
  大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!

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●動労千葉を支援する会06年総会へ集まろう

 たたかう労働組合、労働者のみなさん。動労千葉は06春闘において、最高速度10q/hスピードダウンの安全闘争を貫徹するとともに、3月13日第1波スト、3月16〜18日72時間第2波スト、3月23日貨物職場の第3波ストに決起しました。この闘いは国鉄分割・民営化による尼崎・羽越線・伯備線事故、相次ぐレール破断の続発という安全の危機に対して、「闘いなくして安全なし」という闘いの原則にたって、労働組合が自らの責任において安全を守ろうとするものでした。JR当局はこれに対し「会社の運行管理権を奪う違法行為」なる言いがかりをつけ、不当処分(本部執行部―「戒告」、現場組合員―「厳重注意」)を強行しました。また、4月6日、幕張車両センター構内で発生した脱線事故に対し、一切の責任を運転士に押しつけようと重処分を策動しています。動労千葉は安全運転闘争に対する不当処分を弾劾するとともに、運転士への責任転嫁を許さないために幕張車両センター構内の抜本的安全対策を求めて争議行為を通知し、全支部に闘争体制確立を指示しました。
  動労千葉を支援する会は昨年、動労千葉の安全運転闘争と固く連帯し、総武線沿線の駅頭において50回以上の街宣行動にたち、ともに闘いぬいてきました。この闘いはかつてない支持と共感がよせられ、国土交通省、JRに多くの抗議が殺到し、JRに30・8qに及ぶレール交換を実施させる成果をかちとりました。さらに今春闘での安全運転闘争への激励行動や街頭宣伝、不当処分粉砕のJR千葉支社抗議行動に連日決起してきました。
  今日、民営化―規制緩和、改憲攻撃等がすべての労働者に襲いかかっています。労働者はこの時代にいかに立ち向かい勝利の展望を切り開くのか。動労千葉の闘いに
学び、動労千葉のように闘うことが今ほど求められている時はありません。
  動労千葉を支援する会はこの間、安全運転闘争などの街宣活動を行うとともに、動労千葉との交流会を積み重ね、国際連帯の活動を共に担い、動労千葉の闘いに応えられる支援する会運動への取り組みを行ってきました。動労千葉の存在と闘いの位置がますます高まる中で、支援する会の運動もさらなる飛躍が問われています。私たちは支援する会の会員拡大運動をとおして動労千葉労働運動を全国に拡大したいと考えています。
  2006年定期総会を下記の要項で開催し、この間の闘いの総括をするとともに新たな運動方針を確立します。多くの仲間の皆さんの参加を心よりお願いします。

       2006年6月15日


動労千葉を支援する会2006年定期総会

 日 時  7月29 日(土)13 時〜
 場 所  DC 会館(JR 東千葉駅前)
 内 容  ・動労千葉からの提起
       ・運動方針案の討論
       ・決定 会計報告 人事
       ・懇親会
 会 費  2000 円(懇親会費用)

   ※参加者は事務局までご連絡下さい

 動労千葉を支援する会
   住 所:千葉市中央区要町2 − 8 DC 会館
   電 話:043(202)7820
   E メ−ル:dc-info@deluxe.ocn.ne.jp

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●不屈に闘う争議組合へご支援を!

      ★動労千葉の’06年夏季販売にご協力を!

 いつもご協力ありがとうございます。昨年の冬は前年比5%近い上昇を勝ち取ることができました。
  幕張構内事故に対する不当処分への粉砕闘争は、未だ処分がでていないとはいえ予断を許さぬ状況です。全組合員の総力をあげた闘いによってJR会社を押し返しています。この闘いは反合・運転保安闘争の究極の闘いです。労働組合の原則である「一人はみんなのために、みんなは一人のために」を貫くため、職場での闘いの成果であると考えています。また処分を出させないための署名が多くの労働組合から寄せられ組合員一同力強く思っています。夏の物販共々、今後ともよろしくお願いします。
   国鉄千葉動力車労働組合協販部
       TEL 043 − 227 − 7833   FAX 043 − 227 − 8125

 ★国労小倉闘争団NIPPOの2006年夏季物資販売にご協力を!

1,047名闘争勝利!鉄建公団訴訟勝利!  国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争に勝利しよう!

 今回、私は、日豊物販から独立し、新たな物資販売の事業体であるNIPPO事業部を立ち上げることにしました。これは、全国オルグをとおしてつくりあげてきた全国の仲間との絆を守りぬき、国鉄1047名闘争と国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを広め、国労と国鉄労働運動の再生、闘う労働組合の新潮流運動の発展をかちとるためです。全力で頑張りますので、これまで以上に新「NIPPO」物販へのご支援とご協力をお願いいたします。
  国労小倉地区闘争団 NIPPO事業部 羽廣 憲
 〒824−0241  福岡県京都郡みやこ町犀川内垣164   TEL 0930−42−3700   FAX 0930−42−3701

 ★ス労自主支援 2006年夏物品販売にご協力を!

  8名の不当解雇撤回!

 ス労自主夏季物販にご協力をお願いします。
  76年鏑木君解雇から30年、82年久保田・落合君解雇から24年、84年糟谷・入江・中西・上村・西塚5君解雇から22年が経ちます。私たちス労自主はエッソ(現エクソンモービル)によって不当に解雇された8君を必ず職場に戻すために、仲間を信じ、仲間を裏切らず、歯を食いしばって闘ってきました。この夏も皆さんの暖かいご支援をお願いします。
   スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合   TEL&FAX 06−6873−3865

 ★ご協力を 沖縄バヤリース労組

 日頃より、沖縄バヤリース労組の物品販売にご協力いただき、ありがとうございます。私たちは、職場の団結と新たな分会争議の勝利を切り開いています。「自分達で歴史を動かす」を合言葉に、沖縄労働者は、米軍再編を巡る非妥協的対決局面に勝ち抜く決意を固めています。変わらぬ、さらなるご支援をお願い致します。
  沖縄バヤリース労働組合 物販センター
  〒901−0603 沖縄県南城死玉城字百名509  TEL 090−2710−2008   FAX 098−948−1651

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●くり返すなアジア侵略−ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、ビキニを

   今こそ反戦反核の闘いで改憲・戦争をくいとめよう!

 8・6広島−8・9長崎反戦−反核闘争全国統一実行委員会 中央事務局長   三角 忠

 被爆61年目の世界の核

  被爆61年を迎える本年、世界はさらに核戦争の危機を加速させている。
  米ブッシュ政権は、イラク侵略―占領を継続し、さらに「核開発疑惑」を口実に「不安定な弧」を一方的につくりだし、イランを次の侵略の標的にしようと躍起になっている。
  さらに、度重なる日米安全保障協議会(2プラス2)開催を通して米軍再編と日米軍事同盟の強化を打ち出し、朝鮮民主主義人民共和国、中国を具体的に名指ししながら圧力を加え、世界的な核戦争突入への準備を進めているのである。  
 05年10月に開催された「2プラス2」で「日米同盟:未来への変革・再編(役割・任務・能力と兵力態勢の再編)」という「中間報告 が発表されたが、この中に、アメリカの対中国核戦略があけすけに述べられている。
  冷戦状態の中では使えなかった1万5000発もの戦略核兵器が、ソ連崩壊後、戦略核を数十発しか持っていない中国になら使える、と。

 日米枢軸の米軍再編

  このように息を吹き返したアメリカの戦略核兵器は、日米枢軸の米軍再編の中で、BMD(弾道ミサイル防衛)の重要性を「他者による(注・中国のこと)弾道ミサイルの開発及び拡散を抑制することができることを強調しつつ、双方(注・日米両国のこと)は、それぞれのBMD能力の向上を緊密に連携されることの意義を強調した」と「中間報告」で発表している。
  このように、核兵器は常に核大国アメリカの世界侵略、とりわけアジアヘの侵略の中で再編・統合をくり返していることが分かる。
  そのブログラムの中に日本を否応なく巻き込み、双子の赤字に象徴されるアメリカ経済の深刻な危機を打開しようとしているのである。
  例えば、この「中間報告」の中での戦力再編の目玉の一つ「米陸軍第1軍団司令部のキャンブ座間への移転」は、直接的には、朝鮮・中国への戦争司令部の設置であるが、日本の陸上自衛隊中央即応集団司令部の新設と一体であり、軍事演習共同開催にとどまらない、日米合同の朝鮮・中国侵略軍の司令部建設にある。
  横田基地への航空自衛隊航空総隊の移転と日米共同統合運用調整所の設置も同様である。
  沖縄・辺野古基地新設も老朽化した普天間飛行場移転の絶好の口実として、かえって基地機能を強化することに加え、沖合↓辺野古崎への計画変更も、水深の深い大浦湾に原子力空母の接岸を可能としており、08年横須賀母港化を予定している原子力空母ジョージ・ワシントンのほかにもう一隻配備予定の原子力空母の母港化の可能性さえ浮かび上がってくるのだ。

 核燃本格稼動が始まった

  以上のような米軍再編と一体となった核戦略を直視すると、本年度ついに本格稼動(アクティブ試験)を開始した青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設の目的が明確になってくる。
  もともと、1954年のビキニ事件が反核運動の大高揚となり、ソ連との核兵器戦略に深刻な打撃を与えることを恐れたアメリカが、それを奇貨として、「核の平和利用↓原子力に未来のエネルギーを託す」という日本の原子力発電所建設を援助して以降、日本はプルトニウムを効率よく生み出す高速増殖炉によって、このエネルギー問題を解決しようとしたのであった。
  しかし、高速増殖炉「もんじゆ」は最初から事故、運休をよぎなくされ、プルトニウムが原子力の燃料としては使えないことがはっきりしたのだ。
  すでに、英仏両国に再処理を依頼してきたプルトニウムが43トンあり、長崎原爆(プルトニウム爆弾)2000発製造可能な日本が、さらに六ヶ所村再処理工場からプルトニウムを取り出そうとするのが、この本格稼動である。目的は、明かに軍事利用―核兵器製造にあるのだ。高速増殖炉「もんじゆ」と核燃料サイクルは、アジアヘの侵略を核武装を通して開始する宣言としてとらえなくてはならない。
  再処理工場から空、海に排出される放射能は、たった一日で通常の原子力発電所が一年に排出するのと同じのケタの違った環境汚染を引き起こす。
  このことに反対して、立ち上がった労働者、市民とともに「反核燃」の闘いを共に闘いとらなければならないのである。
  本年は、旧ソ連チェルノブイリ発電所事故20周年に当たる。
  反原発―日本の核武装反対をさらに強<掲げ、「くり返すなアジア侵略―ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、ビキニを!」という全国統一実行委員会の不抜のスローガンの下、全国の労働者は、東京―広島―長崎で予定されている闘いに、職場、地域、産別の仲間を組織して参加しよう。「核と人類は共存できない」闘いの前進をかちとっていこう。

反戦反核闘争の概要

7月17 日(月・祭日)
 ◎「あらたな核戦争をくいとめよう七・一七反戦・反核東京集会」 (午後1時半・セシオン杉並)
   ・パネルディスカッション「核燃料サイクル施設の本格稼動が始まった」
      コーディネーター  鎌仲ひとみ
      パ  ネ  ラ  ー  大石又七 小出裕章 田村剛一

8月5日(土)
 ◎「国際連帯集会」(ヒロシマ大行動主催)へ参加。   (午後1時アステールプラザ・中ホール)
 ◎労働者産別交流集会(ヒロシマ大行動関連企画)へ参加。 (午後6時 アステールプラザ他)

8月6日(日)
 ◎「祈念式典糾弾・小泉来広デモ」 (午前7時半・東千田公園)
 ◎「改憲と核武装阻止! 被爆者解放総決起集会」 (午前9時半・アステールプラザ)
 ◎「被爆61 年 戦争をとめよう! 8・6ヒロシマ大行動」へ参加。
  午後12 時半・広島県立総合体育館小アリーナ→集会終了後原爆資料館までデモ行進

8月8日(火)
 ◎「長崎市内での反核宣伝行動」午後1時・市内
 ◎「8・8反戦反核長崎集会」午後6時・長崎市民会館文化ホール会議室
  ・講演「8・9ナガサキヘの道一重慶大爆撃から日本の侵略戦争を考える」 
       梶村晃(平和教育研究者)

8月9日(水)
 ◎「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会」(主催・長崎朝鮮人の人権を守る会)へ参加。午前7時半・松山公園
 ◎「爆心地デモ」午前10 時・城栄公園

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●全国の仲間と団結し「非正規」 雇用労働者の組織化へ

 6月4日 関西合同労働組合第12回定期大会を開催

 関西合同労働組合書記長  蒲牟田 宏

 6月4日、西宮市立勤労会館で関西合同労働組合第12回定期大会がス労自主や5・27臨大弾圧被告など来賓、組合員あわせて65名を結集して開催された。
 今大会の主要なテーマは、この一年間の激戦激闘、豊富な実践経験を総括し、組織拡大を実現する方針を確立するということであった。

 「非正規」雇用労働者の闘いが、この一年間を牽引

  総括では、関西トランスポート分会の解雇撤回闘争と06春闘での尼崎養護学校分会の闘いを軸に議論された。
  郵便局の小包配達下請労働者が全逓(JPU)加古川分会の支援を得て立ち上げた関西トランスポート分会は、昨年5月の解雇通告から、二波のストライキ、就労闘争、郵政公社本社、近畿支社、会社への抗議申し入れ行動、裁判、地労委など解雇撤回を求めて激しく闘いぬいた。
  この闘いは、小泉政権による郵政営化攻撃にたいする「最初の一発の銃声」となった。
  ストライキで加古川郵便局を大混乱に叩き込んだ衝撃のニュースは全国を駆け巡った。
  大会で強調されたことは、郵政民営化攻撃への反乱が、このような形で始まったことを本務労働者に突きつけた意義だ。郵政で働く労働者全体に、やれる! できる! という確信をもたらし、分断された職場まるごとの団結の形成の実践の闘いとなった。
  全逓加古川分会は、当局の攻撃やJPU執行部の統制はねのけて、「関トラ組合員を元の職場に戻せ!」の要求書を提出し、恒常的要員不足、とりわけ関西トランスポート「撤退」後の混乱に対し、「業務調査表」を武器に闘いぬき1名の増員を勝ち取った。
  関西トランスポートの闘いの総括では、労働者なのか請負なのかも「あいまい」な、「飢餓賃金」など人間として生きていけない労働条件で苦しむ「非正規」雇用労働者の組織化という、重要な領域の先端をきりひらいたことが、確認された。
  また、06春闘の闘いについては、賃金引き下げ案撤回を要求して8時間ストライキ闘争を闘った尼崎養護学校分会(嘱託職員組合員1名)の闘いを軸に総括が提起された。
  尼崎養護学校分会3・16ストライキ闘争は、学校前のスト突入集会(地域の仲間30名結集)、尼崎市役所前―教育委員会抗議闘争(関西労組交流センターの仲間ふくめ50名結集)、庁舎内デモを行い、地域の注目を浴びた。
  ストの結果、人事委員会勧告準拠の600円賃金カットの撤回は実現できなかったが、同じ職場で働く非組の仲間のアルバイト調理員の労働条件改善と、嘱託職員の有給休暇制度などを勝ち取った。
  何よりも校長―教頭の抑圧体制化にあった孤立状況に風穴を開け、力関係の一定のひっくり返しを実現できた。さらに、市職員労組が教頭の関西合同労組への不当労働行為に抗議を発し、近隣の養護施設の労組から支援の申し出があった。市役所で働く労働者とりわけ早々と賃下げ妥結した嘱託職員労組傘下の組合員(100名)に強烈にアピールした。たった一人のストライキがこれほどの波及力をもった闘いは関西合同労組としても初めてであり画期的な勝利といえる。
  分会当該は、賃下げに怒り、自分より労働条件の低い同僚労働者の要求をつきつけ、団交をつみかさねるなかで、自分の要求が、嘱託職員含めすべての「非正規」労働者にとって正義の要求であるとの確信をつかみとっていった。そして昨05春闘ストを闘った分会からの激励を受けて、ストを決意し、関西労組交流センター春闘集会などにおもむき支援を訴え、自信を持って闘いぬいた。

「非正規」雇用労働者の闘い の戦略的意義

  今大会では、「私たちをとりまく情勢」において、この「非正規」雇用労働者の闘いを発展させる受け皿となれるのは、地域合同労組しかないことを確認した。
  関西合同労組ではこの一年間、関西トランスポート、尼崎養護学校の「非正規」の仲間の闘いに加え、泉佐野給食協働組合のパート労働者、運輸部会のアルバイト労働者の正社員化要求の闘いを闘ってきた。
  この一年の闘いを牽引したのは、「非正規」雇用の仲間だ。これは偶然ではない。格差社会がトコトン拡大し、最も無権利におかれた「非正規」雇用労働者のマグマのような怒りが爆発せんとしている。  
 95年日経連報告以来、「非正規」雇用労働者は爆発的に増加し、2000万人に達している。若者および女性では2人に1人である。他方で組織率は3%程度といわれる。賃金は正社員の半分〜6割である。日本資本主義の矛盾の集中的表現であり、「非正規」雇用労働者の組織化と闘いは、日本資本主義の搾取構造そのものを掘り崩す闘いとして、労働組合運動の最重要の戦略的課題である。企業別組合が「非正規」雇用労働者組織化の闘いを起こすのは、非常に困難であり、企業の壁を超えて、地域を基盤に結集する地域合同労組こそ、「非正規」雇用の組織化を担う最良の団結形態だ。
  「最も苦しんでいる労働者・民衆が求めているものに真っ向からこたえるための闘いを全力を集中して組織することこそ、社会変革と人間解放めざす活動家にとって、最大の任務である」(斉藤弘平『非正規雇用と地域合同労組運動の可能性』)。

「地域の団結―地区労をめざ して闘おう」の方針を決定

  今大会では、阪神大震災被災地の神戸における闘いを総括する中で、「地区労」的な団結をめざして闘うことを方針として決定した。
  神戸番町地域における同和住宅家賃値上げ反対闘争、神戸空港に反対する闘い、年金差別など在日の人々の差別に反対する闘い、失業者の対行政闘争、そして関西合同労組の争議闘争など、この11年間、具体的な闘いをともに闘う中で、被災地の共同闘争の求心力が形成されてきた。
  また関西合同労組は、国労=兵庫保線分会や国労闘争団、5・27臨大弾圧裁判、全逓=加古川分会や人事交流に反対する近畿郵政労働者の会、自治労、宝塚における教育労働者を中心とする「つくる会」教科書反対の闘いなど、現場闘争をともに闘う中で、労働者・労働組合との共闘を実践してきた。
  地区労的闘いこそ、搾取構造の末端と地域社会から、労使協調・改憲派労働運動を逆包囲し、資本主義の支配網を侵食し、小泉を打ち倒す広大な陣形の形成そのものである。
  今大会では、関西合同労組こそが、扇の要として、これまでの地域の生活に根ざした共闘をさらに発展させて、地区労を目指していく方針が採択された。
  また、全国の闘う交流センター系の地域合同労組があつまって交流をつみかさねてきたきたことの意義を評価し、「全国ユニオン」(上部団体)の形成をめざしていこうという方針も確認された。
  そして、以上すべての方針の基礎としての最重要の方針として、組合員全員が、意識的に自分の身内や自分が関係している組合以外の組織などの労働者に働きかけることや、また闘う職場・拠点直近の駅での街頭宣伝・労働相談の実践、執行委員が率先して労働相談から分会を拡大し、指導できるよう目標立てるなどの、組織拡大の具体的方針を決定した。

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●共謀罪の通常国会成立を阻止した!

 6月18日、第164回通常国会は閉会し、共謀罪は継続審議となった。共謀罪の今国会での成立を阻止するという重要な勝利をかちとったのである。度重なる巨大与党の共謀罪強行採決策動に対し、国会前を拠点とした反対運動と広がる世論の力で成立を阻み続けてきた。これはかってない大きな地平である。地道な運動から出発して、制定策動との徹底対決の中でついに一大政治焦点にまで押し上げ、「採決したら政権が揺らぐ、政策が破綻する」と小泉政権に思わせる程のところまで到達したのだ。マスコミが「本日採決」と書きたてるなかでも強行採決出来なかった5月19日。政府・与党が共謀罪新設にむけ民主党修正案を丸飲みし、今国会成立を図るという、最後のあがきともいうべきウルトラHという「奇策」に打って出た6月2日。だが、形をかえたいずれの策動も、労働者人民の反対の声の前に破綻した。
  もちろん道はまだまだ半ばである。次は完全廃案の実現だ。今国会での相次ぐ破綻によって与党と法務省は、共謀罪成立の展望を失っている。秋の臨時国会攻防に向けて、全国で共謀罪完全廃案の世論・運動形成を着実に進めていこう。

 5月連続闘争を闘った

  4月強行採決策動が挫折する中、5月連休明け以降、「衆院法務委員会での早期採決を目指す与党は、民主党に共同修正協議を持ち掛けるなど強行採決を回避する道を模索。慎重審議を求めてきた民主党は世論の動向をにらみながら、全面対決に突っ込むのかどうかを思案している」(「東京新聞」5月11日)という緊迫した状況が続いた。こうした中、国会前行動が連続的に闘われた。
5・9国会前行動
  法務委員会は午前中2時間おこなわれた。この日、関西から全日建連帯労組近畿地本委員長で門真市議でもある戸田ひさよしさんが宣伝カーでかけつけた。戸田さんの出現は国会前をさらにヒートアップさせた。12時から昼集会を行い、表現者たちの会、メーデー弾圧救援会、マンガ家のカマヤンさん、ネットを見て参加した大学生、戸田さん、入管法と闘う団体、動労千葉などが発言した。
5・12 国会前行動、院内集会
  強行採決の動きが強まったこの日、国会前にはぞくぞくと労働者人民が集まった。昼休み集会では、平岡議員(民主)保坂議員(社民)など国会議員が発言した。アンチ共謀罪ガールズ、高山弁護士、戸田さん、動労千葉なども発言した。その後行われた院内集会は報道陣も詰めかけるなか満員となった。
●5・16国会前行動、共謀罪反対の声が充満
  8時半からビラまき、9時半から座り込み、昼休み集会を行った。午後4時半から5時半の採決阻止夕方集会には230人が結集した。
5・17超党派議員と市民の集い
  5月17日の「超党派議員と市民の集い」(星陵会館)は急遽呼びかけられたにもかかわらず立ち見が出る盛況となった。対決軸は、翼賛国会内での巨大与党VS少数野党から、暴走する政府・与党VS反対運動・世論の対決に大きく変化したのだ。
5・19国会前行動に270人
  共同修正による採決策動に失敗した法務省・与党は、この日、何と与党再・再修正案を提出し、委員会採決への突進を開始した。しかしこの策動は、首相官邸を通じた衆院議長の「野党と更に協議を尽くすように」との介入によって破綻した。強行採決後の議長介入はかつてあったが採決前の介入は極めて異例のことである。後半国会の対決法案となった共謀罪攻防の行方は、小泉政権が重視する行政改革法案・医療改悪法案や上程された教育基本法・国民投票法案などを巡る攻防と大きく関連するまでになっていたのだ。民主党・社民党・共産党・国民新党・連合・平和フォーラム・全労連・弁護士会・市民団体・NGO・表現者など、様々な反対派が新たに舞台に登場し、末広がりの反対運動と民主党の共同修正拒否によって強行採決は阻止されたのである。
5・25共謀罪反対シンポジウム&リレートーク
  5月25日、南部労政会館においてシンポジウム&リレートークが行われた。シンポジウムは、パネラーとして関東学院大学教授の宮本さん、戸田さん、共謀罪に反対する表現者たちの会の寺澤有さんが参加。関東学院大学教授の足立さんが司会を行い、共謀罪をここまで阻止し得た根拠と意義、共謀罪批判の重要な論点、今後の動向とたたかいについてなどを論議した。次週以降の採決情勢をにらんだ緊張と、「共謀罪を阻止できる」という手応えのなかでの明るいムードとが入り交じりながら、約100人の参加で自由討論をおこなった。
  方針として、@国会前行動の継続、A6月13日超党派議員呼びかけ集会への参加、B6月10日「一億二千万、共謀の日」が提起された。

 自公「民主案丸のみ詐欺」が大破綻

6・2採決阻止・国会行動に 230人結集
  この時点で勝負はついたかに見えた。だが、永田町の「一寸先は闇」の世界はしぶとく生き延びていた。6月1日、自公与党は舌先三寸の「民主党案丸のみ」というウルトラHを仕掛けてきたのである。
  6月2日、急迫する情勢の中、国会前行動、与野党への反対意見のメール・ファックス集中行動など、採決阻止のたたかいが全力で行われた。国会前には全国から230人の人民が緊急に駆けつけた。そして、このウルトラHは、細田国対委員長の露骨な「成立後再修正」発言や、麻生外相ら政府による拒否という与党内の混乱をもたらし、大破綻した。法務委員会は野党が反発して欠席し、公明党は「やはり無理があった」と破産を認めた。
6・10「一億二千万、共謀の日」、全国で多くの人民が共謀
  会期はあと一週間。6月10日の行動が政府・与党のわるあがきを断った。全国で50余の企画が行われる中、東京では街頭宣伝とデモを中心として共謀行動が行われた。有楽町マリオン前で街宣と模擬投票が35人の結集で行われた。投票の結果は圧倒的に反対が多く有楽町では廃案となった。秋葉原はヨドバシカメラ前のスペースで延べ40人。表現者、アンチ共謀罪ガールズや日本山妙法寺の僧侶やホームページをみてかけつけた人民が参加した。ここでの模擬投票でも廃案。この日の模擬投票の総計は201対11で反対が圧倒的多数であった。
  その後も強行軍で銀座の水谷橋公園にとって返し、5時から日比谷公園までの銀座デモ。参加者は120人。デモが数寄屋橋の手前にきた時、右翼の宣伝カーがつっこんできて一時騒然としたが、断固はねのけ日比谷公園までのデモを貫徹した。デモではZAKIさんが歌い上げる「変な共謀罪」に「ヨッシーとジュゴンの家」が応えた。日比谷公園で総括集会を行い、秋に向かっての闘いを確認して終了した。

 秋の闘いに総決起しよう

  国会前の闘い、議員の闘い、メールやファクスを徹夜で送った全国津々浦々の人民の闘い、こうした人民の息吹と呼吸しあいながら共謀罪反対の闘いは成長してきた。「大衆運動の力で廃案へ」を高く掲げ、秋の臨時国会で共謀罪の廃案をかちとろう。署名運動を基軸にしつつ、秋に向かって何回か「一億二千万、共謀の日」が必要であろう。確実に毎日全国で一億二千万人の人民が共謀をしている。共謀とは衣食住と同じく人間が生きてゆく上での毎日の基本的な営為である。だから共謀罪は大変な法案なのだ。問題は企画を出すこと、これが共謀罪反対の闘いだ。きわめて意識的行為だ。さー、交流センターの労働者も秋に向かって闘おう。共謀して廃案 に追い込もう。   (山口秀樹)

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ひめじょおん−女性部から

 自治労中央委員会に参加して

 自治体女性労働者 太田 恵

 5月25〜26日、新潟県長岡市で自治労中央委員会が開催された。この時期に開かれた中央委員会は何をすべきだったのでしょうか。
  今回の議案書の第1号議案、当面の闘争方針では、現場で公務員の首切りやリストラが始まっているのに、行政改革推進法や市場化テスト法など公務員制度改革反対の闘いの方針が見えない。今徹底した議論を行い、反対していかなかったら、どこで議論するのか、という重要な中央委員会であった。
  また、誰が考えても、昨年の8月大会で大激論になった「平和基本法」の撤回と、今国会に上程されている教育基本法改悪に反対する闘う方針が出されるものと思い参加したが、問題が完全にすり替えられてしまった。
  議案書の1号議案の10番目に平和・脱原発・人権闘争という項目が羅列されただけで、「平和基本法」の文字は出てこなかった。
  そして、大きく取り扱われたのが、2006男女平等産別統一闘争の推進である。連合の6月期、男女共同参画月間として、今回の中央委員会に30%の女性中央委員を各県本部が出すという所に、大きくウエイトが占められていた。
  なぜこれほどまでに、この女性枠にこだわったのかが分かったのが、第2号議案(第21回参議院議員選挙闘争の推進について)の提案であった。
  来年の第21回参議院議員選の候補として民主党公認で、自治労から女性議員の出馬をと、中央本部役員、組織局次長の相原久美子を推薦してきた。中央委員会の大部分の議論が、この第2号議案にすり替えられ、重要な公務員制度改革や「平和基本法」の問題が議論からはずれ、決定された。  
 25日の夕方は、女性中央委員の交流会があらかじめ用意されていて、30分位いの会合であり、全国から集まった女性中央委員でこの30%枠の意義を含めて話し合うのかと思っていたら、目的は相原久美子支持をよろしくという内容だった。植本副委員長と、本部の男性委員と共に相原候補が入って来て、植本副委員長から、今回の女性枠獲得にがんばったこと、是非自治労代表で相原候補を出したい、明日の採決で相原候補をよろしくというものだった。質問がないかと言うことだったので、私はこの時しかないと思い、委員会では発言できなかったので、用意してきた内容で話した。
  まず、30%枠で図らずも参加できたことのお礼を述べ、この中央委員会が男女共同参画を推進するためのものであるなら、今一番しなければならないことは、来年の選挙より目前の教育基本法の改悪に反対しなければ、男女共同参画も何もないこと、憲法改正のための国民投票法案が通ってしまったら自治体労働者の私たちは再び、戦争動員の手下になること、「憲法改正」に反対し、今国会に駆けつけるべきであること、相原候補を立てるのであれば、自治労が、連合や民主党の考えを変えていかなければ、本来私たちがやるべき自治労の方針と違った方向に行ってしまうのではないかと。
  本部の司会があわてて、ご意見としてお聞きしておきますとのことだった。
  男女共同参画枠を悪用した自治労中央本部のやり方に何とも怒りを覚えた。参加した女性たちは、枠を埋めるために動員されて来たのか。自分の目で大会を見、考えることは大事なこと、その女性たちをこのような形で利用したことは許されないことだ。
  岡部委員長は連合との会議を優先したし、連合、民主党が自民党以上の改憲勢力であることを考えると、あらゆる女性施策が女性たちを絡め取りながら、進んでいくことは明白である。これらの施策に女性労働者がきちんと反論して立ち上がらなければと改めて思った。
  自治労が今回提起した男女平等産別統一闘争の「重点要求指標8項目」と「2006自治労男女統一闘争要求項目」は、政府の打ち出している男女共同参画方針と変わらない。その根底には少子化対策から新たな秩序としての女性施策が見え隠れしていることをきちんと分析していきたいと思います。

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●書評 『労働者階級とは―労働者の生き方―』 (森尾誠著/労働者学習センター・ブックレット/500円)

 本書『労働者階級とは―労働者の生き方―』は、『動労千葉労働学校』で森尾誠氏がマルクス『共産党宣言』に沿って行った講演をもとにしたものだ。本書は、X期にわたる労働学校での現場労働者との討論の蓄積と、動労千葉の闘いの今日的地平に裏打ちされて、最高の労働運動実践の書となっている。
  現在まで日本でも、幾多の『共産党宣言』の解説本が出版されてきたが、その全てが「生産力」や「党派」を主語にしたものばかりだった。だが、このブックレットは、初めて「労働者階級」を主語に据えて『共産党宣言』を読み解いた画期的なものだ。
  労働者階級を主語にした森尾氏の講演は、受講生の心に深くとどくものだった。
  「まったく知りませんでした。すごく興味というか、知りたい!もっと知りたい!」(受講生感想文)。
  「彼らの社会は、私達がいなければ成り立たないわけだから、私達の方が絶対に強いことがわかりました」(感想文)。
  「よく『共産党宣言』など古典は現代に通用しないと言われているが、正しく伝えてこれなかった、継承されずにきたことがあるからだと思う」(感想文)。
  労働者は正直だ。マルクスが語った通りにマルクスを語れば、必ず労働者は理解する。マルクスを「現代に通用しない」ものにしていたのは、われわれ自身が「正しく伝えてこれなかった」からではないだろうか。
  「こんなおかしな世の中は革命で変えなくてはいけないんだ! 労働者が権力をとらなくてはいけないんだ!」(感想文)。
  自分が何者であるのかを理解したとき労働者は、労働組合という形で社会変革に立ち上がる。
  「既成の労働組合は、真正面から闘おうとしないし、スローガンをアリバイ的に言っているだけだ。『労働者階級』がすっぽりぬけている」(感想文)。
  これに対し「労働者階級」を主語にした実践が、動労千葉労働運動だ。動労千葉労働運動の核心は、「組合員の階級的団結が強化されるか否か」を総括軸にして闘っているところにある。
  すなわち「労働者の闘争のほんとうの成果は、直接の成功にあるのではなくて、労働者の団結がますます広がっていくことにあるのだ」(『共産党宣言』新訳P24)と。すべては一本で繋がっているということだ。
  しかし残念ながらマルクス主義は、一部のインテリの独占物となってきた。だが、もともとマルクス主義は、われわれ労働者階級のものだ。「想いがあっても、言葉がないんだ!」(感想文)。これこそ我々の本当に正直な心の叫びだ。「ブルジョアがあって、プロレタリアがあって、そのプロレタリアは必ずブルジョアジーを打倒する―このことが分かった人が共産主義者なのです。」(ブックレットP82)これは自覚した労働者、われわれ自身のことではないか。そうだ! マルクスの言葉こそが、われわれ労働者の言葉だ。労働者の手にマルクスを絶対に取り戻そう。そのための『労働学校』なのだ。
  動労千葉の物販で職場にわけ入り、本書を使って職場で学習会を開こう。そして11月集会に連れて行こう。それを1年、2年、つづければ小さくても何らかのものが必ずつくれる。

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●労働ニュース(06年5月16日〜6月15日)

労働法制見直し始動
 働く人と会社の雇用契約ルールを明確にする新しい「労働契約法」と労働時間法制の見直しに向けて、厚生労働省は13日に開かれた労働政策審議会の分科会で、素案を示した。長時間労働の是正のために賃金に上乗せされる残業代の割増率を引き上げる一方で、一定以上の収入の人は労働時間の規制から外して残業代をなくす仕組みなどを提案している。

公務員改革焦点に 行革推進法案
  行政改革推進法案が26日に成立するのを受け、政府は個々の改革の具体化に向けて動き出す。公務員純減の推進とあわせ、労働基本権の付与など公務員制度改革求の実行が次の焦点。

専門調査会を新設
  政府と連合は29日、都内の弁護士会館で政労協議を開き、公務員への労働基本権付与を検討する専門調査会の新設で合意した。

公務員1万9千人純減
  政府の行政減量・効率化有識者会議(座長・飯田亮セコム最高顧問)は30日、今後5年にわたる国家公務員純減の最終報告を公表 た。削減数を増員数より多くする純減の総数は1万9千人で、全職員のおよそ6%。5%とした当初の目標は上回る見通しだ。

流通パート正社員化加速
  外食や百貨店など流通大手が パートや契約社員などを正社員として雇用する動きを加速させている。吉野家ディー・アンド・シーはアルバイト学生の中から社員を優先して採用する制度を導入、三越も契約社員を初めて正社員に採用した。職場に慣れた優秀な人材の採用を制度化して、即戦力を確保する。

成果主義 ボーナス格差拡大
  日本経団連が31日発表した05年のボーナス実態調査によると、夏季と冬季を合算した年間平均支給額は、管理職が前年比12%増の280万3千531円、非管理職が同7%増の150万6千179円だった。考課査定部分の割合が、非管理職で過去最高の平均29・9%、管理職も50・6%となり、成果主義によるボーナス「格差」が大きくなっている。

高齢者の医療費負担増
  高齢者の窓口負担の引き上げなどを柱とする医療制度改革法が14日午前の参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。医療費の伸び抑制に向けて70歳以上の自己負担を10月から段階的に増やすほか、08年度から新たな高齢者医療制度を導入する。

自殺8年連続3万人超
  昨年1年間に自殺した人は前年より227人多い3万2千552人(前年比0・7%増)で8年連続で3万人を超えたことが1日、警察庁のまとめで分かった。特に30〜40歳代の働き盛りの世代が自ら命を絶つケースが目立ち、30代は過去最多。20代、10代といった若者の自殺者数も前年を上回った。

家事や育児8割が妻任せ
  約8割の家庭で夫が妻に家事や育児をほとんど任せ、妻の半数が夫の協力度に不満を抱いていることが9日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「全国家庭動向調査」でわかった。夫の育児への協力度が高いほど、子どもの数や妻が欲しいと思う子どもの数が多い傾向も判明。同研究所は「夫の育児参加が妻の出産意欲につながる」とみている。

郵便、コンビニ取り扱い
  日本郵政公社が事実上独占する手紙やはがきなど郵便事業への新規参入を促すため、総務省は、コンビニや物流企業の取扱店での郵便物引き受けを認める方向で最終調整に入った。実現すれば、ポストを設けなくても郵便事業が行える。

郵政公社 非常勤1000人登用
  来年10月の民営化を前に人事制度改革に取り組んでいる日本郵政公社は、優秀な非常勤職員を正規職員に準じる職種に登用する制度を今年10月にも導入する。新制度の名前は「キャリアスタッフ制度」。

連合の試算サイト人気
  労働団体の連合が、定率減税の全廃など「サラリーマン増税」の実施で、年間どれだけ家計の負担が増えるか試算できるインターネットのサイトを4月20日に開設、人気を集めている。13日までにアクセスが65万2千件、意見の書き込みも7千700件に達した。

不起立呼びかけ罰金刑
  定年まで勤務していた都立板橋高校の04年の卒業式に来賓として訪れた際、開式前に保護者らに国家斉唱時に起立しないように呼びかけたなどとして、同校元教諭・藤田勝久さんが威力業務妨害罪で在宅起訴された刑事事件で、東京地裁は30日、無罪主張を退け、罰金20万円(求刑・懲役8カ月)の判決を言い渡した。

教員免許現職も更新制
  教員の質向上を目的とした教員免許更新制について、中央教育審議会は(文部科学省の諮問機関)のワーキンググループ(WG)は26日、現職教員にも適用することが「適当」とする案をまとめた。

通知表に「愛国心」190校
  「国を愛する心情」を通知表の評価項目に盛り込んでいる公立小学校が少なくとも13都府県39市区町村に190校あることが、朝日新聞の調べでわかった。かって盛り込んでいたが削除した学校は、少なくとも122校あり、その多くが児童の内面を評価することの難しさを理由に挙げている。

公立校教員給与見直し
  文部科学省は、公立学校の教員給与制度を、全面的に見直す方針を固めた。時間外手当の導入や、年功主義をやめて能力・業績を本格的に給与に反映させることなどを検討する。

「労災」最多330人
  過労による脳出血や心筋梗塞などで05年度に労災認定受けた人は330人で過去最多だったことが31 日、厚生労働省のまとめでわかった。このうち過労死者は157人だった。

石綿被害国に賠償請求
  国がアスベスト(石綿)対策を怠ったため健康被害を受けたとして、大阪府南部の泉南地域に集中していた石綿関連工場の元従業員と遺族ら計8人が26日、慰謝料など総額約2億4400万円の国家賠償を求める集団訴訟を大阪地裁に起こした。

再雇用拒否で賠償命令
  東京都中野区が二つの区立保育園を民間委託すのに伴い、再雇用拒否を通告された非常勤保育士4人が一人あたり100万円の慰謝料や未払い賃金支払いなどを求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。中西茂裁判長は、一人あたり40万円の支払いを命じた。

 労働日誌(06年5月〜6月)

5月16日
日本に入国する16歳以上の外国人から、強制的に指紋や顔写真などの生体情報を採る出入国管理法改正案が参院法務委員会で可決した。

5月 17日
 民間調査会社の東京商工 サーチが発表した4月の全国企業倒産状況によると、倒産件数は前年同月比14・9%増の1087件となり、7カ月連続で前年同月比プラス。

5月17日
 公正取引委員会が発表した05年度の「下請けいじめ」への勧告・警告件数は、前年度比55・5%増の4025件にのぼった。

5月17日
  社員の私的メールやサイト閲覧を約2割の企業が情報漏出を防ぐために定期的に監視・調査していることが、民間調査機関・労務行政研究所の上場企業などを対象にした調査で分かった。

5月25日 
  労働者と事業者との間のトラブルを裁判に持ち込まずに迅速な解決を目指す「個別労働紛争解決制度」に基づく05年度の労働相談件数が、前年度比10%増の約17万6千件となり、過去最多を更新した。

5月25日
 日本経団連が発表した夏のボーナスの妥結状況によると大手企業113社の平均妥結額は前年妥結額と比べ1・85%増の87万7191円となった。

5月30日
 4月の完全失業率は4・1%と前月比横ばい。なかなか4%を割れないが、都道府県別の推計値によると、4%未満の都道府県数は1〜3月は20あった。

6月4日
  「大阪トヨペット」の社員が、4月に施行された公益通報者保護法に基づいて設置された販売会社グループの通報窓口に内部告発した直後 同社から自宅待機を指示されていたことが分かった。

6月14日
 国際労働機関(ILO)は世界的に職場での「いじめ」が増加しているとの報告書を公表、国によっては「感染症のように」まん延していると憂慮。

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●「国労5・「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の強化・発展を勝ち取ろう

  交流センター常任運営委員  小泉 義秀

 「再生国労が改憲闘争の先頭で決起する日」を目指し闘おう

  「本件の『国労5・27臨大闘争弾圧』はその根底において日本国憲法九条2項を廃棄しようというおそろしい流れと深くつながっている。私たちは、日本国憲法九条2項を廃棄しようとする流れを阻止するためにも、本件被告人たちの無実を勝ちとらねばならない。そして権力による『犯罪』の『創作』の真実を多くの人々に認識してもらう必要がある」(『奴隷の道を拒否せよ! 5・27事件と国鉄闘争』国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会事務局編 2006年4月4日刊 143頁)と発起人・憲法学者の北野弘久日本大学名誉教授が述べているのは正鵠を射たものだ。
  1047名闘争と5・27弾圧の無罪獲得は、紛れもなく国労再生と改憲阻止の闘いそのものなのである。一瀬敬一郎主任弁護人は「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会 会報第21号」において「弁護団は『再生国労が改憲闘争の先頭で決起する日』をめざし、闘う決意である」と述べている。「許さない会」運動の眼目はここにある。

 4党合意の焼き直しを計る国労本部を許すな

  国労本部は「政治解決」の名で被解雇者1047名に最終的な屈服を強いようとしている。重大な問題は鉄建公団訴訟を支援してきた勢力の中から「政治解決」を唱える動きが急速に強まっていることである。これは4党合意と同じ過ちを繰り返すものだ。国労本部が4党合意を採用したから国鉄戦線が分裂したのではないのか。政府・権力とJ R資本の意思は1047名闘争を解体することにある。その核心に動労千葉の排除策動がある。国労本部の主張は大同団結と言いながら「解雇撤回」を完全に外している。不当労働行為の是正・原状回復ではなく慰謝料請求でしかない。だから「解雇撤回」を言う動労千葉排除ということになる。国鉄闘争の勝利は、反合運転保安闘争を貫く動労千葉とともに職場生産点からJR資本と対決し、共謀罪や教基法改悪、改憲のための国民投票法案をめぐる国会闘争=改憲阻止闘争の先頭に1047名が立ってこそ切り開かれる。JR資本と闘わなければ安全も守れない。
  富田益行被告が「会報21号」で述べているように、「解雇撤回闘争を裏切る者は安全も裏切る」のである。2・16国鉄集会を経て、国鉄闘争は1047名総体の統一陣形を生み出した。それは、被解雇者1047名が闘いの主体に立ちあがる条件をようやく手にしたということだ。が、4・4を経て開催された6・16集会は「政治解決」= 和解を目的とし、1047名闘争を政府・与党との取引材料にしようとするものでしかない。闘争団員への統制処分に反対した組合員を警察に売り渡したことに対する、自己批判も謝罪もしない国労本部を1047名闘争に介入させてはならない。国労本部は1047名闘争を解体しようとしているのだ。国労本部を打倒して闘う執行部を樹立する以外に1047名闘争の勝利の道は切り開かれない。今こそ「政治解決」路線と決別し、1047名闘争を国家権力・JR資本と真っ向から対決する本来の闘いに取り戻す必要がある。

  弁護側立証に突入する公判闘争―「許さない会」運動の強化・発展を

  「国労5・27臨大闘争弾圧」は02年の5月27日の臨時大会の際に宿舎ホテル前で国労本部派の役員や会場係に対してビラまき・説得活動を行った国労組合員7名(内闘争団員2名)と支援者3名が逮捕され、その内の7名の国労組合員と支援者1名が起訴された事件である。
  8名は「事件」から5カ月も経って逮捕され、1年3カ月勾留された。罪名は「暴力行為等処罰に関する法律違反」である。一審の裁判は6月21日をもって第60回となり、まだ検察側証人への反対尋問が続いているが、8月段階から弁護側立証に入る。
  5・27臨大は、5月30日までに大会を開いて鉄建公団訴訟に立ち上がった闘争団員を統制処分しろという自民党・公明党・保守党による4月26日の「3与党声明」に応じて開催された臨時大会だった。この臨大の開催に反対するビラまき・説得活動は、国労内の方針を巡る問題であり、団結権を保障した憲法と労働組合法の下での団結自治に委ねられるべき事柄であり、逮捕・起訴されるような問題ではない。にもかかわらず、国労本部が警視庁公安部と結託して、被害届を「被害者」と称する国労組合員に提出させたことにより前代未聞の弾圧がかけられたのである。 
 05年9・15の鉄建公団訴訟判決は解雇無効を認めない判決であるが、総額25億を越す損害賠償の支払いを命じた。もし国労本部の脅しに屈して訴訟を取り下げていたら、国家的不当労働行為追及の闘いは闇に葬られていた。その意味でも5・27第69回臨時大会の開催に反対して被告たちがビラをまいた行為の正当性は今日より光をましている。
  「許さない会・会報21号」(前掲)で一瀬主任弁護人が述べているように、「本番は今後の弁護側立証の段階にこそある」「裁判闘争の真価は8月以降の弁護側立証で問われる」ということだ。この弁護側立証段階と1047名闘争の危機的事態を踏まえて、以下、方針を提起したい。より具体的には常任運営委員会で確定する。
  第1は、全国労働組合交流センターとして、弁護側立証の公判闘争の責任ある傍聴動員体制を確立する。これまでは目標動員にとどまり各地区の自発性に任せてきたが、常任運営委員会として104号法廷を満杯にする傍聴動員の分担動員数を確定し、各地区交流センターに動員指令を発したい。
  第2は、各地区交流センターが「許さない会」運動に責任をとることである。
  「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」運動は単なる傍聴動員や裁判支援の救援運動のための組織ではない。「許さない会」は国労の再生と1047名闘争の勝利、日本の労働運動総体が改憲勢力に転落するのか否かをかけた労働運動の生命線とも言うべき闘いである。その主体は国労組合員であり、全ての労働者・市民である。
  「許さない会」会員を国労の中に拡大し、同時に全労働者の中に拡大していくオルグ戦が求められている。そのために必要なことは各地区交流センターが「許さない会」運動に責任をとることである。そしてそのために必要なことは、「許さない会」があるところは「許さない会」と連携をとり賛同会費を集め、傍聴動員体制を掌握することである。そのための交流センターの責任者を確定してもらいたい。
  その責任者が賛同会費の掌握と傍聴動員体制の掌握を行い、会報・公判報告の配布に責任をとることである。「許さない会」がないところは交流センターがその責任をとらねばならない。
  第3は『奴隷の道を拒否せよ!5・27事件と国鉄闘争』(前掲)を国労組合員と全労働者の中へ持ち込もう。この書に「5・27事件と国鉄闘争」の全てが網羅されている。「誰が手引きし、誰がデザインしたのか、私はその全貌を知りたいと思う」「このような『事件』を許してしまっては、時計の針が60年以上も前に戻されてしまう」(同書117頁 戸塚秀夫さん)という識者の声と危機意識を国労組合員全体のものとしなければならない。
  第4は、9条改憲反対の百万人署名を国労の中に持ち込むことである。機関署名を実現しよう。国鉄1047名闘争は中曽根発言を引き合いにだすまでもなく、改憲阻止闘争の最前線である。そのためにも1047名闘争の解体を策す国労本部を打倒し、闘う国労を再生することが焦眉の課題である。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」運動はその最大の武器なのだ。

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●たたかいは進む

■今立ち上がる時 ひとりひとりの気持ちを河原井さ ん根津さんとつなごう

  「君が代」解雇をさせない6・15集会から―

   東京・三多摩 山根 葉子

激しい雨の降る中、八王子労政会館ホールに東京、関東各地から250名の労働者、市民が集い、さし迫る教育基本法改悪、改憲情勢と向き合い、お二人と共に闘おうと熱気あふれる集会が開かれました。
  根津さんの鶴川2中への初「停職出勤」のビデオなどの上映後、まず主催者を代表して多摩教組の委員長が「権力に逆らうと解雇までありうるという時代になった。『日の丸』解雇をさせない闘いは早急にいちばん力を入れて闘う課題」と全力上げて取り組む決意を述べました。都障害児学校労組の委員長からは河原井さんは仲間、共に闘うと心強いメッセージが寄せられました。
  二人からの報告。河原井さんは静かな不起立4回で停職処分1カ月、八王子東養護学校の都教委一辺倒の校長、「河原井さんを囲む会」を開いてくれたゆったりした職場、沖縄問題に取り組む保護者など、いろんな人に出会えた報告に続き、「茶色の朝」の一節を朗読され、〈たち上がる決定的な時を逸すると取りかえしがつかない〉教員として生きたいから不起立を貫く。皆が自分らしく生き、そう生きる人がつながっていきたいと語られました。
  根津さんは「日の丸、君が代」の「強制」に反対を貫いて18 年、停職出勤は「理不尽なことには従わない」ということを若い人達に残せる最高の授業と思っていると言われました。この状況下で行動しない事は教え子を戦場に送っていること。内心で思うだけではだめ、今行動しましょう。来年3月不起立しましょうと、訴えられました。
  弁護士の萱野さんから石原都知事、横山、中村教育長の下で行われた大量、そして累積の重い処分は戦後民主主義の最後のかけらも葬り去ろうとしている。河原井、根津訴訟は絶対勝たねばならない訴訟であると弁護団を代表して固い決意が述べられました、あとで岩井弁護士もかけつけて「裁判官に法衣を脱がせる裁判をしたい」と話してくれました。
  河原井さん、根津さんらの「君が代」解雇をさせない会からこの間の署名(1万8000筆以上)の取り組みへの感謝と今後も続けること、「解雇をさせない会」に入会し裁判闘争を支えて下さいという訴えがあり、びっくりする多額な会場カンパが寄せられました。またたくさんの戦争放棄Tシャツが売れました。
  休憩をはさんで沖電気を解雇され、25年門前出勤を続ける田中哲朗さんが「『免職』より人間の誇り失う事が恐い、誇り高く闘おう!」と本質をついた語りと心にしみいるギターと歌で参加者を激励してくれました。
  根津さんの多摩中事件以来の共闘者小森陽一さんは、根津さんが授業で取り組んだ「従軍慰安婦」問題の国際的歴史的背景と教育基本法改悪情勢から根津さんの闘いの意義を鮮明にされました。そして一人ひとりが自分の問題としてとらえ、根津さん、河原井さんとつなごう。自分は命をかけて闘うとアピールされました。
  連帯の挨拶では大成高校労組が11名の解雇撤回原職復帰まで闘う決意、20年解雇撤回を貫く鉄建公団訴訟原告団(北海道、九州から上京)からは国鉄民営化―解雇首きり攻撃と「日の丸、君が代」攻撃が一体であり、共に闘うという熱い決意が述べられました。「とめよう戦争への道八王子連絡会」からも地元としての心強い連帯の表明がありました。八王子教組委員長が「解雇をさせない会の闘いに全力で取り組もう、すべての教育基本法を廃案へ職場地域から闘おう」の集会決議を提案し満場の拍手の中、集会を閉じました。
  河原井さん、根津さんらの「君が代」解雇をさせない闘いの主軸を労働組合、労働者が担っていこうという闘いの一歩がはじまりました。
  全国のみなさんが共に取り組んでくださるよう心から訴えます。

■「本部一任」などできるか!   本部方針を否決しよう!

 6月14日、全逓(JPU 日本郵政公社労働組合)全国大会の会場・神奈川県民ホール前に、全国から結集した全逓労働者部会をはじめとする闘う全逓労働者の声が代議員、傍聴者に飛んだ。中央本部の郵政分割・民営化への屈服と首切り推進方針を徹底弾劾し、次つぎとビラやパンフを手渡していった。一人づつマイクを握り訴え、大会会場を包囲するデモの後、昼休み会場前リレートーク、中央本部への集配拠点再編の合理化と改憲に反対する申し入れと4・28反処分闘争への裏切りを弾劾する申し入れを行い、こうして16日まで3日間を闘いぬいた。
  大会では、地方の代議員から集配再編など飲めるかという発言が相次いだ。実際それは早朝5時台始業や、通勤・集配に山間部や豪雪地帯を片道何十キロも走らされる、とんでもないものだ。さらにJPS(郵政版トヨタ方式)の導入こそが「ムリ、ムラ、ムダ」を生み出していると指摘し、廃止を求める発言が続出した。労働者の生活をずたずたにし、とうてい働き続けられない状態にして勧奨退職という名の首切りに追い込んでいくのが狙いだ。
  集配再編によって郵便局が削減されることに、地方をはじめ不安と怒りがうず巻いている。国鉄分割・民営化が徹底した地方切り捨てだったように、郵政分割・民営化もまた徹底した地方切り捨てとなることは明らかだ。それを通して大量首切りを推進しようとしている。それが集配再編だ。
  さらに沖縄の代議員をはじめとして、改憲と米軍再編問題についても討論が相次いだ。もうこれ以上のごまかしは通用しない、明確な闘う方針を出せ、と迫るものだ。
  採決の結果は、賛成295票、反対36票(無効票1)で、2月臨時大会より反対票が増えた。中央本部の底知れぬ屈服と裏切りにもかかわらず、やはり現場には闘う全逓労働者が確固として存在し、闘う意志は生き続けている。実際に新会社がスタートするという10月1日までの1日1日が、集配再編をめぐる首切り合理化攻撃との現場攻防となる。自主退職という名の首切り合理化を一歩も引かず跳ね返す闘いを現場からつくりあげることだ。それこそが連合JPU本部派を打倒する闘いである。民営化絶対反対を貫き、非協力・超勤拒否から物ダメ・ストライキへ向かって闘おうと、ともに誓いあった。  

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読者のページ

★電通戦線異常あり!  沖縄 真喜志 康彦

 学習嫌いの仲間たちが今、大いに学習意欲を燃やしている。半ば冗談半分で言った学習会がすでに5回目(5月段階で)を終えた。2カ月に1回のペースで、講師を呼んでという企画は、正直のところ全く自信がなかった。案の定、2回目の学習会は講師が決まらずお流れになるのかというピンチに見舞われた。しかし、講師が居なければ自分達でやろうと決意して、私がやることになった。
  テーマは島崎光晴著「『現代の資本主義』―帝国主義論の7つのキーワード」に決めた。それは自分が読んで非常にわかりやすいと思ったからである。自分としては、十分展開できたとは思わなかったが、参加者からは次のような感想が寄せられた。「帝国主義は労働者の上層部だけ、ほんの一部だけを買収する、ということが現在の連合指導部と重ね合わせると実に良くわかった」と。また、「レポートした人が一番勉強になる」、「この学習会をずっと続けよう。1年と言わず、最低3年は頑張ろう」等々。
  3回目は、改憲問題をテーマに予定していたが講師の都合でまたまたピンチ。急遽ピンチヒッターをお願いし、わずか3週間でレポートをまとめてもらった。講師は『改憲攻撃と労働者階級』本を3回も読んだとのこと。また、講師の要請がなければ、『改憲』本は読んでなかっただろう、とも。
  4回目は、「米軍再編と沖縄」をテーマに、軍事問題の研究家にレポートしてもらった。米軍再編は単なる日本本土や沖縄だけの問題ではなく、世界的規模の米軍の戦略に基づくものであること、その上で沖縄の戦略的位置と戦場化としての位置づけ、等など、蓄積した研究成果を思う存分発揮することとなった。
  5回目は、「正社員と非正社員」という目下の重要なテーマに挑戦してもらった。沖縄NTTは、?正社員1150人・非正社員615人?という3人に1人が非正社員の状況にある。なにゆえ劣悪な労働条件の非正社員が増大しているのか。この秘密が、94年6月のOECD(経済協力開発機構)『雇用研究報告』にあること。日本的には、95年5月の日経連「新時代の日本的経営プロジェクト」報告(2千万人首切り宣言)にあることが明かされた。
  次の学習会で一サイクルを終える。いつも5、6名の少人数だが、何とか参加者を増やし、この学習会を継続していきたいと思う。

★給食委託=全員解雇攻撃を打ち破る  東京 陽和病院労働組合   櫛渕 秀人

昨年末、病院当局から組合に対して病院給食の外部委託=給食労働者全員解雇方針が伝えられました。当院にはパートも含め34名の栄養課労働者が働いています。
  労組は新年早々の執行委員会で給食委託反対の方針を確認し、当該の栄養課労働者への内部固めオルグに入りました。栄養課労働者の強固な意志一致を勝ち取り、1月中旬に病院当局への委託=全員解雇に断固反対することを宣言。
  2月はじめ東京地労委へ争議手続きを行い、病院正門に組合旗と立看を立てる。ただちにスト権を立て、以降団交5回、解雇反対署名運動(900名を超える)、昼休み座り込み闘争、ステッカー闘争、2〜3月毎週ビラ撒きetc .の闘いを展開。入院患者さんや家族の方々からも支援・激励を受ける。4月からは春闘の闘いの中に織り込む。
  こうして迎えた5月20日の春闘団交の中で、病院当局が委託方針の撤回を表明。しかし給食労働者のみ賃下げする新方針を提起。闘いの第2ラウンドとなるが、労組の追及で5日後の団交場面で賃下げ方針も撤回させる。闘いは第3ラウンドに移り、給食労働者のみ定昇なし(3回目の団交で定昇2千円と譲歩)との当局回答を巡っての攻防の局面に入る。そして6月14日、都合7回目の団交で、ついに平均定昇3500円の回答を引き出し、病院当局の委託=解雇=賃下げ攻撃を完全粉砕しました。
  給食委託反対闘争で組合側が勝利したことはほとんどありませんでしたが、わが労組は6ヶ月近くにわたる闘争を経て貴重な勝利をものにすることができました。
  勝利の教訓は、第1に当該職場の給食労働者が強固な団結を形成できたこと。第2に、労組指導部がほとんど張り付き状態で闘争を推進したこと、第3に、徹底的・大衆的・全体に見える形で闘いを展開したことです。そして何よりも組合の団結こそが勝利をもたらしてくれた最大要因です。反省点がひとつ。看護課の組合員の決起が今ひとつ弱かったことです。(6月14日)

★社会保険労組がんばれ!  大阪 水野 早紀

  『月刊交流センター』を毎回楽しみにしています。今日は私の職場報告をしたいと思います。
  職場は社会保険事務所。非常勤で働いています。
  5月19日から職場は一変しました。いわゆる「年金の不正免除」が大きく取り上げられた日です。
  あれ以来、現場の職員は日々の対応に追われ、日常の仕事は棚上げされ、「お詫び」に忙殺されています。
  あの手続きが「不正」である、とは正直、現場の労働者は誰も思っていませんでした。大きく言えば「上」からの納付率アップが至上命令、とされ、明けてもくれても数字との格闘でした。まして今の時代、失業者も多く、保険料が毎年上がり続ける中で「納付率アップ」なんて、とても出来るものではありません。
  残る方法は「免除」を一枚でも多く「取る」ことだったのだ、と思います。
  しかも小泉政権のいう「公務員改革」を先取り的に実施させられている社会保険庁では、納付率アップの至上命令と同時平行的に各職場では「民営化」に向かっての準備が進み、「評価システム」によって、目標を作らされ、それが次の職場を確保する「道」だと、頑張るしかないのだ、という雰囲気でした。
  そんな状況の下での今回の「不正免除」です。おこるべきしておこったことだと思います。しかも組合もこの「働こう運動」を推進する立場なのですから「不正」に気づくシステムが機能しなかったのではないでしょうか?
  職制の監視体制の中でストライキを闘い抜いた動労千葉のような力が職場や労働者を守り、そしてすべての労働者の生活(うちで言えば年金制度の改悪に反対し、民営化に反対すること)を守ることなんだ、と痛感しています。
  この記事が『交流センター』に載るころにはまた状況が大きくかわっているかもしれません、今回「不正」を引き起こした小泉政権が「今回の責任は村瀬長官には無く現場にある。かかわった者を厳しく処分する」などといっています。社保労組が本来の組合の立場に立たない限り、この「処分」を跳ね返すことはできないし、現場の労働者も守れない、と思います。
  私も含めて非常勤がたくさんいる職場です。社保労組が団結し、この攻撃に立ち向かってほしいのです。それを一番望んでいるのは現場の労働者だと思います。社保労組ガンバレ!


今月号の読者のページへの投稿ありがとうございました。非常に充実した読者のページとなりました。来月号もよろしくお願いします。▼ワールドカップのなかでの国会会期延長、悪法通過の危惧はなくなりました。力をためて、次期国会闘争を全力で。  (し)

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