2007年1月号(No.202)目次
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労働者の目 戦後労働運動の総決算をかけ07闘争に挑戦しよう!

佐藤芳夫精神をわがものとし、強大な労組交流センター建設へ

撃って出よ! ―年頭にあたり訴える

改悪教基法に不服従を宣言し、07年卒入学式闘争へ

第2次国鉄決戦に突入し、勝利へ

・本年の郵政民営化絶対阻止!―闘う全逓の復権をかちとるぞ!

安倍政権の自治労壊滅攻撃粉砕!

やってられないぜ! 第16回 戦争国家を熱望する株式市場

ひめじょおん−女性部から 青年労働者の組織化を交流センターの第一課題に

『国際連帯新たな幕開け』世界に翔びたとう7 動労千葉の訪韓・訪米報告

労働ニュース  ●日誌

国労5・27臨大闘争弾圧刑事裁判

・闘う合同労組 第22回 労働者の権利を解体する労働契約法制・労働時間法制改悪絶対反対の闘いにたちあがろう!

たたかいは進む
●共謀罪法案の成立を阻止したぞ!

・編集後記

労働者の目

●戦後労働運動の総決算をかけ07年闘争に挑戦しよう!

 全国労働組合交流センター事務局長   辻川 慎一

 全国のみなさんに、心から新年のメッセージを送ります。
  戦後階級支配の転換をかけた安倍政権の登場によって激しく進められている「戦争と搾取」の攻撃は、これまでの全ての運動を篩にかけ、試練にかけています。交流センターとて例外ではありません。運動体である以上、その思想と路線が厳しく問われているのです。ここが曖昧だと、運動として破綻することを肝に銘じなければならないのです。
  呼びかけ3組合そのものの団結、そして日米韓の戦闘的労働組合の国際的団結を決定的に深め、11月集会は歴史的地平を切り開きました。また、それ故にこそ、4900の結集に止まったことを根本から総括し、一致して次なる実践に転じなければなりません。
  11月集会を前に、「本山闘争12000日」が発刊されました。私は、これを読んで確信したことがあります。全金本山が団結を維持し、奇跡的とも言える勝利を切り開いた分岐点が、総評全金との決別にあったということです。そしてまた、本山物販を主要に支えてきたのは、自治労、教労などの4大産別であったという事実です。そう考えると、11月集会を呼びかける3組合も共産党系、社会党系、革マル派系を別として旧総評という体制内労働運動と決別したところで団結を維持し、勝利し抜いてきたと言うことです。私が起点としている動労水戸も同様です。このことは、日本労働者階級が、体制内労働運動の制動から解放されない限り、団結を維持することも勝利することもできないことを鮮烈に実証しているのです。同時にまた4大産別決戦に敗北すれば、民間労働運動が極めて厳しい状況に陥ることをも階級的リアリズムとして示しています。
  私たちは、体制内労働運動の制動と反動から労働者階級を解放し、勝利するための運動を組織しているのです。それは、身近に団結し闘うことから始まります。私は、私自身の決別と自己解放の小史を「人間らしく共に活きる労働組合運動」という小冊子にしました。運動の糧になればと願います。

労働運動を担う者にとって必読のパンフ発刊
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  水戸市三の丸3−1−3 TEL 029-227-6020
  交流センターでも取り扱います

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●佐藤芳夫精神をわがものとし、強大な労組交流センター建設へ

 代表運営委員 中野 洋

私が薫陶を受けた多くの人の中でも特別で貴重な人だった。日本の労働運動の巨星墜つという感じで無念でならない。

「生涯一労働者」として

 「生涯一労働者」という佐藤さんが残した名文句がある。「生涯一労働者」という組合の幹部として非常に重要なあり方を一生貫いて、逝ったと思う。
  佐藤さんの人となりは、非常に明るく、泣き言を言わない。どんなに厳しい情勢でも、どんなに苦しい時でも、「労働者は闘えば前進していけるんだ、情勢を切り開けるんだ」と非常に明るくしゃべる人だった。厳しい情勢を得々と語るのが得意な人は多いが、聞いている方はだんだんと下を向いていっちゃう。厳しい情勢を語っても、労働者たちがだんだん顔を上げて話に聞き入る、そういう数少ないアジテーターの一人だった。
  そういう風に物をみる人は、民同の世界でも、それ以後出てきた新左翼系といわれる活動家にもあまりいない。彼独特のキャラクターだと思う。病床に伏して以降は、顧問に退いたけれど、総会には力強いメッセージを送り続けてくれ、亡くなるまで私たちの運動を励ましてくれた。
  佐藤さんと動労千葉が知り合ったきっかけは、70年代後半の動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止闘争だった。彼は当時現場に戻っていて、石川島分会の分会長として東部地区で活動していた。ジェット闘争を高く評価して、三里塚闘争にも参加していた。それ以来、動労千葉の闘いに連帯し、共に闘う中で、いろんな事を相談する関係になった。その頃から動労千葉の旗開きに来て発言してもらっていた。
  国鉄の分割・民営化という戦後最大の労働運動解体攻撃に直面して、動労千葉は85年11月に日比谷野音で総決起集会をもってスト突入宣言を行った。その時に彼が来て、激烈なアジテーションをしたのを鮮烈に覚えている。
  二波のストライキをやりぬいて、89年に総評が解散して連合が結成される。反連合・反全労連で、「どこにもいけない、いかない」という言葉がはやって全労協ができる。
  われわれは、真の階級的労働運動の潮流をめざして全国労働組合交流センターをつくろうと決断をした。佐藤さんに相談に行くと、一も二もなく一緒にやろうと言ってくれた。

中立労連議長から現場の一工員に

 佐藤さんは、30歳代で石川島分会の委員長、全造船の中央執行委員長、120万人のナショナルセンター中立労連の議長を歴任した。中立労連というのは、総評とともに国民春闘共闘会議を作った組織だ。同盟でも総評でもないけれど、総評と共に闘う組織だった。中立労連議長をつとめた位だから、戦後労働運動の主流である民同の中にいた人であることは間違いない。
  65年に三菱三重工合併と全造船脱退をめぐる攻防があって、石川島分会にも分裂工作が始まる。三菱造船労組は、長崎造船分会が左派の拠点だったが、ここも全造船から脱退して同盟系の造船重機に合流する。職場で脱退強要をするというのではなく、全造船の規約に基づいて大会を開かせて、過半数を制して、全造船脱退、造船重機加盟を決めるというやり方だった。日本の独占資本の中枢が生産性向上のための労資一体体制づくりを始めたということだ。
  分裂で足元を揺るがされた佐藤さんは、中立労連議長を降りて71年に現場に戻る。当時、石川島には、全国でも最大級の日共の経営細胞があったが、日共は、組合民主主義に基づいて脱退を決めたんだから造船重機にいくと言って脱落した。これに抗して佐藤さんは、28名で第1組合の全造船の旗を守った。
  中立労連の議長ともなれば、退任したあとのポストが確保されていて、普通はみんないくわけだ。ところが、彼はそうせずに、現場に戻って一工員になった。「120万の中立労連の議長からアッという間に28名の委員長になったのは俺ぐらいしかいない」とのちに言っていた。ここに「生涯一労働者」という彼の姿勢が示されている。

動労千葉とともに闘う道を選択

 60年安保を前後して、社共に変わる党をつくろうという運動が広まり、70年代には、それが労働運動と学生運動の領域でものすごいエネルギーを発揮した。60年代は、総評労働運動の内外で必死になって労働者を獲得し、組合権力を握る活動を全面的に展開した時代だった。この時期、佐藤さんは、旧民同系社会党系に新左翼系も加わってできた全労活(全国労働組合活動家連絡会議)運動に加わる。
  総評が解散し、連合が結成される過程で、私には言わなかったけれど、佐藤さんに全労協の議長を担ってもらうという話があったらしい。しかし、彼は全国労組交流センターの代表に就任して、動労千葉とともに闘う道を選択した。
  交流センター代表といっても、一銭にもならない。手当がつくわけでもない。しかし、彼が交流センターを選んだのは、動労千葉の闘いへの確信という一点につきる。佐藤さんの周辺にいた人たちも、表向きは「動労千葉はすごい、よくやっている」と言うが、裏に回れば「あれは中核派の運動」と陰口を叩く人が多かった。
  しかし、佐藤さんは、どの党派が支援していようが、いいものはいい、悪いものは悪いと非常にハッキリとした態度をとった。反連合を言いながら、国鉄分割民営化に唯一反対して闘った動労千葉に陰口を叩くような連中は信用できないと、全労協には行かなかった。そのために彼の何十年来の友人と断絶したと私に語っていた。
  労働者らしい、間違ったことは大嫌いという労働者の正義感に満ちあふれた人だった。
  「祭りのよっちゃん」と呼ばれるほど祭りが大好きで、祭りが始まると団交をやっていようが、執行委員会をやっていようがいなくなるというエピソードもある。最後まで労働者のまんま生きて、逝った人だと思う。
  今、世の中が乱れに乱れて、人間が人間として生きていけなくなっている。米帝・ブッシュはイラクのアリ地獄にはまりこんで、のたうちまわって、どうにもならない状況に象徴されるように、07年は帝国主義の矛盾がますます激化する状況にある。
  こういう時代に、攻撃の激しさに萎縮して「教基法が通っちゃった、憲法改悪も通っちゃう、大変だ、どうしたらいいんだ」と考えるのでなくて、「いよいよ労働者の時代が来た」とスパっと、あっけらかんと言って、労働者を激励できるリーダーだった。
  労組交流センターの活動家たちが、佐藤芳夫精神を本当に自らのものとして、無数の佐藤芳夫を交流センターの中につくりあげることが、彼に対するわれわれの唯一の供養だと思う。

  略歴

1928年9月13日東京・浅草に生まれる。
1948年石川島播磨重工に管理工として入社。
1952年全造船機械労組石川島分会の執行委員、中央執行委員長、中立労連議長などを歴任。
1971年職場復帰。
1986年定年退職。
1989年全国労組交流センター結成に参加し、代表運営委員になる。
2006年11月25日、10年8カ月の闘病の末、永眠。享年78歳

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●撃って出よ! ―年頭にあたり訴える

 代表運営委員   入江 史郎

 日本階級闘争の雌雄を決する改憲決戦が、安倍・自公政権との教育基本法改悪阻止闘争で、ようやく火蓋が切って落とされた。
  思えば、1973年10月に始まる第一次石油危機― 75年9月の官公労労働者のストライキ権奪還を目指したスト権ゼネストの挫折から今日まで、戦後日本の労働運動は後退に後退を重ねてきた。そして、80年代、英サッチャー、米レーガンとともに「戦後政治の総決算」を掲げて登場してきた中曽根の国鉄分割民営化=総評=社会党解体攻撃に対して、日本のナショナルセンター=労働運動指導部は一度として立ちむかうことなく総屈服し、連合結成とともに完全に転向して行った。
  その中で、唯ひとつ、わが全国労組交流センターだけが、日本労働運動の存亡をかけて、中曽根―竹下から、今日の小泉―安倍・自公政権に連なる国鉄分割民営化=戦後の労働運動の総解体攻撃に立ち向かっ闘ってきたのだ。「反連合・反全労連」の旗はダテではない。全国労組交流センター団結のスローガン「自力・自闘・連帯」とは、裏を返せば全くの孤立無援の中で、この大作業をやらなければならなかったということだ。今、そのことが国鉄分割民営化―不当解雇撤回1047名闘争のギリギリのつば迫り合いのなかで、教育基本法改悪阻止闘争の中で、突きつめられようとしている。
  とにもかくにもわれわれは18年間、この全国労組交流センターの団結を守り抜いてきた。一度として「反連合・反全労連」の旗を降ろすことは無く、日本の労働運動再生・労働者階級の勝利を目指して、どれ程に小さい組織であっても、常に労働運動全体を語り、主流派としての矜持を忘れたことはない。そして、03年、米英帝国主義によるイラク侵略戦争が開始された中で、我々は、動労千葉を擁し、全金港合同、全日建関西生コン支部とともに、闘う3労組による日韓米・国際連帯11月全国労働者集会を実現し、今、ここに改憲決戦に立ち臨んでいるのだ。
  戦後、米軍占領下で新日本国憲法に先んじて教育基本法とともに直ちに制定された労働組合法は、一昨年、与野党全会一致で改悪決議され、昨年4月より施行された。中央労働委員会はじめ、大阪府労委・東京都労委など全国の労働委員会は、まるで不当労働行為企業擁護委員会の有様だ。そして、9月に発足した安倍・自公政権により打ち出された教育基本法改悪は、自民・公明与党と野党民主党という国会内の9割以上が改憲勢力であるにもかかわらず、北海道・大分をはじめ全国各地から連日結集・動員された教育労働者を先頭とした激しい国会闘争が繰り広げられ、民主党が明確に教育基本法改悪に反対する状況を作り出した。
  もちろん、この闘いは、東京都教育委員会の03年10・23通達に対する教育労働者の「日の丸・君が代」不起立決起を抜きにはありえなかったはずだし、なによりも「日の丸・君が代」不起立決起の闘いが教育基本法改悪阻止闘争の中で、全国の闘い労働者と結びついた意味は大きい。
  07年、待ったなしの改憲決戦だ。決戦であるからには、負けた方には、その後の存続などありえない。改悪教育基本法施行の中にあってこそ、国論を二分する状況が作りだせるのだ。全国各地から連日、国会前に教育労働者が結集したとはいえ、教育現場や職場からは、それに対する非難・反動の声さえ聞こえてこない。わが全国労組交流センターの会員労働者も、あの国会前の労働者の渦の中にどれ程いただろうか。それが11・5全国労働者総決起集会4900名結集の内実である。
  改憲決戦、この時のために全国労組交流センターは結成され、今日まで存続してきたのだ。その最中、昨年11月25日、顧問の佐藤芳夫前代表運営委員が亡くなった。18年前、連合結成を前にして、自己保身に右往左往する輩を尻目に、あらゆる甘言・雑音に耳を貸すことなく、動労千葉・中野洋代表運営委員とともに「反連合・反統一労組懇(反全労連)」を公然と掲げて、全国労組結成を呼びかけた佐藤芳夫さんの遺志に、われわれは今こそ応えなければならない。中立労連議長まで務めながら、一労働者として労働現場に復帰し、最後まで労働者として生き抜いた、佐藤芳夫さんの生き様は本当に潔かった。
  07年、これから続く決戦につぐ決戦、改憲決戦に立ち臨み、今こそ、潔く自らの職場で声を上げ、叫び、改憲情勢に撃って出よ!

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●改悪教基法に不服従を宣言し、07年卒入学式闘争へ

 森越執行部を打倒し、日教組運動の階級的再生を

 教育労働者部会

 12月15日、政府・与党は、改悪に反対する圧倒的な教育現場の声と慎重審議を求める世論を踏みにじって、改悪教基法を強行成立させた。私たちは、この歴史的暴挙を絶対に許さない。満身の怒りを込めて徹底弾劾する。

違憲立法=改悪教基法には従わない!

 改悪教基法は、「国を愛する態度」や「公共の精神」を国民に強制し、行政権力に教育に介入する無制限の権限を付与した法律だ。改悪法は、「教育は…この法律の定めるところにより行われる」と規定し、教育労働者を国民教化の手先と位置づけている。到底、認めることはできない。
  改悪教基法は、思想良心の自由を保障し、その一環として特定の思想・良心の強制・推奨・勧誘を禁止している憲法19条に明らかに違反する。また、憲法13条(個人の尊重)、23条(学問の自由)、26条(教育を受ける権利)から「教育内容に対する国家的介入はできるだけ抑制的であることが要請される」「子どもが自由かつ独立した人格として成長することを妨げるような国家的介入は許されない」とした学テ最高裁判決にも違反する。
  国会審議では、〈政府法案が自民党新憲法草案の精神と一致し、整合している〉という驚くべき答弁が首相、文相から繰り返しなされた。改悪教基法の違憲立法性を政府が自認しているのだ。政府案2条の教育目標は、自民党新憲法草案前文の「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」という下りを受けたものだと言い、国防教育まで肯定しているのだ。
  憲法が前文で「憲法原理に反する一切の憲法、法令及び招勅を排除」し、99条で公務員の憲法尊重擁護義務を定める以上、教育公務員にとって不服従は権利であると同時に義務でもある。改悪教基法に不服従を宣言し、新たな闘いにともにたちあがろう。

改悪阻止闘争の切り開いた地平

 中教審答申から4年、法案提出から8カ月に及んだ教基法改悪阻止の闘いは、教育労働者を先頭とする全国数十万規模の決起、連日連夜の数千規模の国会闘争へと発展した。
  政府・権力と闘う教育労働者の姿は、戦争国家と格差社会への階級の怒りを解き放ち、青年労働者・学生の闘いへの合流をつくりだしていった。勤評闘争が60年安保を切り開いたような過程が、現場組合員の自主的な決起を原動力として始まっているのだ。
  連合支配と翼賛政治体制を突き破って、巨万の労働者が歴史の主人公、政治の主人公として行動を開始した。改憲阻止決戦はその歴史的火蓋を切って落とした。
  決定的なことは、連合路線の一角が決定的にうち破られ、闘う日教組再生の道が切り開かれつつあることだ。被処分者らによるリレーハンストが国会闘争の拠点をつくりだし、現場組合員は多忙化攻撃をはねかえし国会前に連日駆けつけた。北教組や大分県教組、東京教組をはじめ日教組本部の制動を突き破って各県・単組が独自の座り込み闘争に決起していった。主任制闘争以来の日教組の「非常事態宣言」と2度にわたる1万人の国会デモも、現場組合員の怒りと自主的行動がもぎりとった指示だった。現場組合員は、闘う日教組を自らの手に奪い返しつつあるのだ。
  闘いの高揚を切り開く核心的原動力となったのは、3年間にわたる「君が代」不起立闘争と被処分者を先頭とする教育労働者の全国ネットワーク運動への合流だ。11月労働者集会は、4大産別の職場生産点から改憲攻撃をうち破り、闘う労働組合の国際連帯で侵略戦争を阻止する展望をさし示してきた。11・5で大挙登壇した教育労働者に応えて、3労組共闘と新潮流派は国会闘争に総決起し、教基法闘争に新しい階級的息吹を持ち込んだ。
  任期中の改憲を公言する安倍は、教基法改悪と同時に防衛省昇格を強行し、通常国会で改憲手続き法を成立させようとしている。だが、闘いの戦列には敗北感は微塵もなく、改憲阻止の新たな決意が横溢している。改悪阻止を総力で闘いきった力が、日教組解体攻撃をうち破り、安倍改憲政権を打倒する階級的な力へとさらに発展していくことは確実だ。

改悪教基法の具体化=日教組解体攻撃との闘いへ

 闘いの舞台は、改悪教基法を具体化する教育関連法の改悪、教育再生会議によるトップダウンの教育改革攻撃との攻防に移る。勝負は、まさにこれからだ。
  安倍政権は、07年通常国会に学校教育法、地方教育行政法、教員免許法をはじめ33本の教育関連法改悪案を提出しようとしている。学習指導要領を改訂し、全教科を通じた愛国心教育の強制を狙っている。08年度からは5カ年計画で教育振興基本計画を実施、評価と予算配分を通じた教育統制が始動する。
  教育再生会議は、1月中に第1次報告を提出、中教審答申を覆して「更新期間=5年、条件付採用期間=3年」の免許更新制を導入しようとしている。免許剥奪=クビの恫喝で改悪教基法への服従を強いる日教組解体攻撃だ。
  国鉄分割民営化の教訓を忘れるな! 動労・革マル(現JR総連)は、分割民営化の先兵となってファシスト組合へと変質し、国労は、労使共同宣言締結は拒否したものの何ら闘う方針をうち出せず、20万から4万にまで激減した。28名の大量解雇をのりこえて二波のストライキで分割民営化攻撃に立ち向かった動労千葉だけが闘う団結を守りぬき、今日も意気軒昂と闘い続けている。
  「教え子を再び戦場に送るな」を投げ捨て、「日の丸・君が代」被処分者を切り捨て、教育報国会へと変質するのか、日教組が先頭にたって公務員労働運動の連合路線をうち破り、安倍打倒・改憲粉砕を切り開くのか、道は二つに一つだ。闘う日教組の再生こそ、改悪教基法成立に対する教育労働者の回答だ。
  憲法に反する改悪教基法は、「教育の憲法」としての地位を失い、ただの法律となった。改悪教基法をタテに教育関連法を次々改悪するなど許されない。改憲手続き法や労働法制改悪阻止の闘いと結合し、教育関連法改悪阻止の通常国会闘争に総決起しよう。
  なによりも、勝負は、職場生産点の攻防だ。改悪教基法の正体が具体的に明らかとなり教育労働者の怒りが爆発するのはこれからだ。職場の団結と闘いの力で、改悪教基法をぶっ止めよう。教育現場からの総反乱で改悪教基法を葬りさろう。その成否をかけた激突が07年卒入学式闘争だ。

07年卒入学式で改悪教基法に不服従宣言を

 「日の丸・君が代」攻撃のエスカレーションは必至だ。改悪教基法の教育目標の後ろ盾をえて、卒入学式が愛国心育成の場として堂々と位置づけられ、起立・敬礼・斉唱の率先垂範が教員の「崇高な使命」とされる。職務命令の有無にかかわらず不起立を信用失墜行為として処分する動きも出てくるだろう。
  改悪教基法は、学校教育法の教育目標改悪、学習指導要領改訂に連動し、全教科の道徳教育化が進められていく。すべての教科書が愛国主義に彩られ、教育労働者は日常的に侵略教育を強制される。愛国心教育を拒否する教員が「不適格教員」「指導力不足教員」とされ、踏み絵は「日の丸・君が代」だけでなく教科書使用、愛国心評価へと次々と拡大していく…。だからこそ、ここで一歩も退く訳にはいかない。「日の丸・君が代」強制との闘いこそ、愛国心強制との闘いの絶対的生命線なのだ。
  私たちは、闘いの強力な武器を手中にしている。強制を憲法19条違反と断じ「立たない、歌わない自由」を憲法上の権利として保障した9・21判決だ。
  だが、憲法が保障する権利も、それを行使しなければ、判決はただの紙切れとなる。「侵すことのできない永久の権利」としての基本的人権は、「人類の多年にわたる自由獲得の成果である」(憲法97条)「不法が権利を駆逐した場合、告発されるべきは不法ではなくて、これを許した権利のほうである」(イエーリング『権利のための闘争』)
  9・21判決によって、不起立闘争は、憲法を守る闘いの最前線となったのだ。
  9・21判決をもぎりとった力は、3年間にわたる不起立闘争の不屈の発展だった。体を張って教育の権力支配と闘う被処分者への共感が戦争と改憲への危機感と結びつき教基法改悪阻止を全人民の課題におしあげた。そして9・21判決は、学テ最高裁判決を蘇らせ、政府案の違憲性を満天下に明らかにした。
  判決以降の政府答弁では、「政府案16条の立法趣旨は、法律に基づく行政の行為は『不当な支配』にあたらないことを明確にしたもの」という通常国会での小坂前文相答弁を修正せざるをえなかった。伊吹文相は、〈行政権力も不当支配の主体たりうる〉こと、〈学テ最高裁判決の趣旨は、教基法が変わっても尊重される〉ことを嫌々ながら認めた。職場生産点の抵抗闘争の力は、かくも偉大なのだ。
  違憲立法を世論誘導した官僚は、戒告が1人、あとは訓告・厳重注意だ。ふざけるな!処分や免許剥奪の恫喝を怒りをもってはねかえそう。3百人の被処分者、4百人の原告団の闘いに学び続いて、日教組30万が不起立・不服従に総決起すれば、改悪教基法もただの紙切れと化すことができるのだ。

日教組解体攻撃をうち破り、闘う日教組再生を

 「慎重審議要求」の野党共闘で時間切れに持ち込めるかのような幻想をふりまきながら、民主党批判を〈禁句〉とし、アリバイ闘争に終始してきたのが森越執行部だった。その民主党は、「新日本国教育基本法案」の提出で国会審議を愛国心と違憲立法の競い合いに落としめたあげく、土壇場で安倍問責決議も放棄し、成立阻止を投げ捨てた。
  森越執行部は、最大の山場で国会闘争から完全に逃亡した。改悪教基法の成立の日に国会前に日教組の旗はなく、参院委員会―本会議採決という歴史的瞬間に、日教組本部は誰一人国会前に姿を見せなかった。
  日教組本部は、14日付で特別委員会採決に対する抗議声明を出したものの、違憲立法たる改悪教基法にいかなる態度をとるのかをいまなお明らかにしていない。森越執行部が改悪教基法との闘いを放棄して参院選の民主党支援に流し込もうとしていることは明白だ。「朝まで生テレビ」で国会前座り込みを非難するつくる会前会長の八木らに「すみません。先週でやめました」と土下座し命乞いした森越の姿こそ、日教組本部の正体だ。
  改憲勢力化の道を突き進む森越執行部打倒なくして、日教組の階級的再生はない。連合路線と明示に決別し、ストライキと職場抵抗闘争で闘う路線を確立しよう。改悪教基法に不服従を宣言する職場、支部、単組決議をあげ、ただちに新たな闘いにうってでよう。

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今こそ、闘う国労の再生を!  第2次国鉄決戦に突入し、勝利へ!

 国労共闘

 12月15日17時50分、日帝・安倍政権はついに参院本会議で、防衛庁「省」昇格法案とともに教基法改悪案の成立を強行しました。断じて許すことは出来ない。安倍は2つのコースをとって、今日まで改憲攻撃に突進してきました。一つは、朝鮮侵略戦争突入をもって「集団自衛権」を行使し「改憲」をはたしていく道です。もう一つは、この教基法改悪の正面突破をもって労働組合を解体し、これを決定的なテコとして「改憲」に突入していくことです。しかも、この2つのコースは完全に一体であり、朝鮮侵略戦争が切迫する情勢のもとで郵政民営化、自治労・日教組解体、戦後労働運動の壊滅を狙っているものです。だからこそ、この攻撃と一体となって国鉄闘争は、分割民営化から20年目にして、〈第2次国鉄決戦〉とも言うべき新たな段階に突入しました。

〈第2次国鉄決戦〉に全力で突入しよう!

 今や4大産別決戦の土台をなす国鉄闘争は、教労と並ぶ階級決戦の大火点となりました。極右ファシストである安倍政権は、ナチスが台頭した30年代階級闘争の論理にそって、また安倍が模範とするサッチャーと同様に、労働組合解体を自己増殖の手段としてきました。そして、それは同時に95年日経連路線以来の大攻撃がつくりだした資本攻勢の帰着点でもあったのです。
  すさまじい「格差社会」と窮乏化の現実、帝国主義の末期をしめす凶暴な資本攻勢に踏み込んだ安倍政権は、4党協議の座長であった甘利明の入閣と、同時に「国鉄改革3人組」として分割・民営化攻撃の中心的役割を果たしたJR東海会長葛西(現国家公安委員)を、「教育再生会議」の委員に任命しました。この安倍─甘利―葛西のもとで、1047名国鉄闘争の本格的な解体攻撃に撃って出たのです。

全面屈服の道―包括和解を許すな!

 国労本部は、この大攻撃に全面的に屈服し、この先兵となった。JR東日本との11・6「包括和解」調印こそ、その決定的なメルクマールでした。包括和解とは、JR体制下での20年にわたる紛争案件(不当労働行為事件)を全てとり下ろすことを通じて、1047名国鉄闘争を軸とした分割民営化反対闘争を最後的に清算し、20年間の営々とした闘いを権力に売り渡す、国鉄闘争史上最悪の裏切り行為です。それは、ある意味でJR総連と同等の役割をなす裏切りであり、採用差別事件における「和解路線」の当然の帰結であり末路でした。
  日帝とJR資本は、この裏切りを、9・15判決以降の動労千葉排除をもってひきだしました。動労千葉を排除することで、資本と今後いっさい闘わないという忠誠を誓わせたのです。この「包括和解」をもって国家権力とJR資本は、いつでも1047名闘争の解体に撃ってでる「自由」を得たということです。ゼロ解決であろうとどうであろうと、敵は「自由」なのです。それは、闘争団や国労組合員を奴隷の立場に追い込み、「生殺与奪」の権利を敵JR資本にあたえることに等しいものです。
  だが重要なことは、職場、地域から、労働者としての魂をかけた「絶対反対」の声をあげ、階級的団結を固めることです。そして、今こそ1047名解雇撤回の原則にしっかりと立ちきることです。

大合理化計画と闘い〈第2次国鉄決戦〉を勝ち取ろう!

 このおそるべき屈服と一体で撃ちだされた攻撃が、「ライフサイクルの深度化」と「駅業務の1000名委託外注化」合理化です。
  この攻撃は、国鉄1047名闘争の解体攻撃と一体でとらえることで、はじめてその狙いが明白になります。日帝権力は、国鉄分割・民営化攻撃を、今度こそ「総決算・総清算」し、1047名闘争解体、動労千葉、国労解体の累々たる屍のうえに、95年以来の「日経連報告」攻撃を、JRに全面的に貫徹しようとしているのです。
  だがそれは、予定調和的に進められているわけでは絶対にありません。分割・民営化が大破綻し、安全問題、要員問題、さらにJR総連革マル問題で、その破綻を全面的に突き出されているからです。なによりも、動労千葉の闘いこそ、敵の矛盾と破綻をついて、職場を基礎にストライキ闘争を爆発させており、その闘いは、1047名闘争を死守し、教労をはじめ4大産別の闘いへとこの質を浸透し、国際連帯闘争にまで発展しています。
  この決起は、JR体制の破綻とJR総連の危機的再編のもとで、「平成採」の反乱に行きつかざるをえません。それはかってない好機を意味します。国鉄闘争は、まさに〈第2次国鉄決戦〉として、新たな発展をかちとらなければなりません。11・5労働者集会は、その偉大な突破口を切り開きました。3組合の統一戦線の偉大な地平にふまえ、国鉄決戦の新たな戦闘宣言を発しましよう。

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●本年の郵政民営化絶対阻止!―闘う全逓の復権をかちとるぞ!

 全逓労働者部会

 07年の年頭に郵政民営化絶対反対と改憲阻止に向けたアピールをおくります。今年10月にせまる郵政民営化は、郵政部内と地域社会にとっても決定的に破産しており、これを阻止することは、絶対に可能であると同時に、何としても実現しなければならない課題になっている。
  小泉によって進められた郵政民営化の攻撃は、戦後労働運動の中軸に担い、最大の護憲勢力としてある旧公労協の4大産別の国労、教労、全逓、自治労を民営化による大量首切りを以って屈服させ労組=団結破壊のための本丸としてある。連合の改憲勢力化は4大産別の解体なしには進まないのだ。
  06年12月15日に強行された教基法によって、07年は改憲をめぐって、新潮流運動と安倍政権との真っ向からの激突になることは決定的な情勢となっている。連合指導部は民主党との連携を言っているが、15日の国会情勢を見てもわかるように内閣不信任案を出しながら何の発言もない民主党はただ選挙のために動くだけだったではないか。教基法の採決をここまで追い込んだ力は、愛国心教育という国家の教育への介入が戦争への道であり、「教え子を戦場へ送らない」ことを真剣に願う教育労働者の決起と国会闘争だったことは明らかだ。
  教基法の強行採決によって、07年が「日の丸・君が代」強制による日教組破壊とそれに対する不起立の闘いが全国に拡大することで、その激突が階級情勢を規定するものとなったのだ。

07年郵政民営化絶対阻止へ

 改憲攻撃の切迫にあって、その本丸である郵政はどうなっているのか。
  小泉のクーデター的やり方で民営化法案が国会で成立する前に連合全逓(JPU)本部は民営化反対の旗を投げ捨て、今では「明るい未来がある」などと民営化の積極的推進者に転落してしまっている。
  この、公社・生田と西川、全逓本部の思惑に反して、郵政現場では、これまで行ってきた施策がことごとく破産しているのだ。95年の日経連報告の本務の非常勤化を卒先して推進してきた当局の集配システムの2ネット化が、人減らしどころか3〜4時間の超勤をしななければ配達がまにあわない事態をまねいていて、2ネットの中止か見直しを迫られているのだ。年賀配達の破産は目に見えている。
  人減らしの「錦旗の御旗」のJPS(郵政版トヨタ方式)は新聞紙上でも報道されているように、大量のJPS要員(人件費は数十億単位か)を専従にしていながら現場ではこれまで以上の作業を強いられ作業能率は以前より悪化している。JPSの廃止を全国大会でほぼ全地本の組合員が発言している。さらに管理者内にあってもJPS担当とそうでない者の対立が生まれているのだ。
  07年4月のプレ分社化(民営・分社化の模擬試行)にむけて、郵便内務・外務の区別撤廃が予定されている。アクション・プラン2で小包配達の外部委託を廃止するために5千人超の欠員が発生するが、その穴埋めに新規採用が決定的に必要であるにもかかわらず明らかにしていない。3月の勧奨退職が13000人を超え、団塊の世代の退職者を合わせると2万人を超えることが予想される。ゆうメイトに対する酷い扱いに応募する人もいないなか、4月以降の職場実態は想像を越えた破産的事態が予想される。すさまじい労働強化が襲いかかってくるのだ。ゆうメイトの労働にたよった民営化はもはや破産がつきつけられている。ただ経費削減のために長期ゆうメイトの首を切ったつけが回ってきている。
  このような職場の現実に組合員の怒りは爆発寸前だ。しかし、連合全逓本部は組合員の声に耳を傾けないばかりか「不満ばかり発言する大会は終わりにしよう」などと全国大会や各地方大会で言う始末なのだ。ふざけるんじゃない!。
  これはほんの一部にすぎない。問題はいたるところにある。まさに民営化はすぐ沈む泥の船なのだ。組合員の怒りに耳を傾け要求を組織して闘えば、民営化はその持っている矛盾で自己破産してしまう代物だ。

組合員を裏切る全郵政との合併反対

 全逓(JPU)は、2月15〜16日に第121回中央委員会を開催します。「民営化」にむけた協約の改定=改悪案や全郵政との組織統合が提案されようとしているのだ。
  全郵政の組織統一への4つの申し入れ『@合併は対等とするA綱領は全郵政のものとするB左右の全体主義(闘う労働者と読め!)を排して民主的組合運動を推進するC全逓は過去の運動を総括すること』に対して全逓中央は無条件降伏しようとしている。そもそも「民営化推進」のために生田・西川の要請で進んでいる合併問題は、すでに9回も「組織統一協議会」が開催されているにも関わらず、組合員へは何一つ報告されていないのだ。協約改訂の話し合いも同じように密室で行われている。病休の無給化や年休削減の交渉が、組合員不在のなかで、本部の独善によって勝手に妥結されようとしている。現場労働者の生活と権利を郵政公社とごく一部の本部に任せることはできない。
  自分たちの生き方は自分たちで決める。このことがいま問われているのだ。民営化攻撃と公社に屈服してしまった全逓本部をぶっ飛ばして1人の組合員が主人公になる時がきている。
  郵政全労協、全労連はこのことに棹差し全逓からの脱退者を見込んで野合しようとしている。問われているのは脱退者の囲い込みではなく、全逓本部を打倒して闘う全逓と組合員のための全逓を取り戻すことにしか展望はない。

07年の激突に教労などと4大産別決戦を全力で闘おう

動労千葉労働運動の実践で国境なき労働者の団結を

 昨年11月労働者集会は4900名が結集し成功した。一昨年を上回る結集にもかかわらずアメリカ、韓国民主労組の労働者の「国境をなくす労働者の連帯を」の声に本当に答えているのかと身の縮む思いだ。肝心なのはこの11月集会の位置を本当に理解しているのかということだ。3労組陣形として出発した新潮流運動の精華としての11月国際連帯集会が真のインターナショナルとして歩み始めている現実に、鮮烈な衝撃を感じないものはいないだろう。
  世界が本当に戦争に向かっている中にあって、これに唯一対決できる陣形がこの11月集会の国際連帯にあるということが決定的にハッキリした。このことを実現したものこそ動労千葉労働運動そのものにある。民営化攻撃と対決する道は職場闘争の構築を「俺たちは鉄路に生きるU」の実践にあることもハッキリした。
  民営化攻撃と生活破壊の攻撃に職場闘争をもって青年労働者とゆうメイトを獲得して闘うならば、戦争への道と改憲を必ず阻止できることをわが全逓労働者が身をもって実現するためにこの一年奮闘することを誓う。

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●安倍政権の自治労壊滅攻撃粉砕!

既成指導部の屈服を突き破る職場からの闘いで勝利する!

 自治体労働者部会

06年、われわれは、動労千葉労働運動の実践に本格的に着手し、その年間の集約点として、11月労働者集会を位置づけて闘った。11月集会のための11月集会ではなく、われわれ自身が職場生産点から真の階級的労働運動を作り出すために、既成指導部による体制内労働組合運動の影響から脱却する実践を開始することに着手したのである。
  われわれは、自治労第77回臨時大会(1月・東京)、第132回中央委員会(5月・長岡)、第78回定期大会(8月・さいたま)と連続して登場し、自治労の改憲勢力化阻止、民主党支持方針弾劾、職場からの国会闘争への決起を真っ向から訴えて、大会参加者を揺り動かす宣伝戦を貫徹した。同時に中央本部の「21世紀宣言」以降の「政労協議」に依存した運動、「良質な公共サービス」論にみられる急激な路線転換に抗して、自らの職場で闘いを組織し、11・5集会に向かっていった。とりわけ青年労働者が最先頭で動労千葉労働運動の実践に入った。
  こうした中で11・5集会は、これまでの最高の内容で切り開かれた。動労千葉、港合同、関西生コンの原則を譲らない闘いを核心に、国際連帯の質が深化し、真に「労働者に国境はない」地平が切り開かれた。何よりも自らの闘いを〈引っさげて〉多くの産別・職場の労働者が登壇し発言したことが参加者全体の感動、高揚をもたらした。結集も過去最高の4900名(前年比300名の増)であった。何よりも青年自治体労働者の発言が全体を牽引した。
  教育基本法改悪阻止―共謀罪新設阻止をかけた臨時国会決戦は、11・5に向かっては1万結集の実現を切り開く闘いとして、11・5以後はその地平を引き継ぎ、発展させるものとして懸命に闘われた。わが産別でも、自治労本部の闘争放棄をのりこえて、国会前に職場からの決起を組織し、自治労旗を打ち立てる闘いを懸命に追求してきた。
  総体として、青年層を闘いの担い手としてみるとき、連合や自治労・自治労連の運動を決定的にのりこえる組織的前進が切り開かれつつある。また、組合権力をとる役員選挙への挑戦や、拠点職場での大衆団交、ストライキを含む原則的な組合員を組織する闘いで、分岐・流動情勢をつくりだし、新潮流運動の組織強化を勝ち取った。

11月集会の総括の視点

 しかし、なぜ11月集会1万結集が実現できなかったのか。産別1500結集の目標にはるかに及ばなかったのかにこだわり、必死に総括しぬく必要がある。やはり時代認識・情勢認識と主体の構えの問題が核心だ。
  06年、小泉―安倍政権は、死活的課題である戦争国家化の攻撃を遂行する核心的内容として、官公労働運動(=国家機構内の労働組合)の全面的解体攻撃に打って出てきた。自治労・日教組を戦略的に対象化し、公務員労働運動に対する激しい攻撃を連続的にかけてきた。同時にこの攻撃は単産中央を完全に屈服させることを通して、単組―職場段階の労働運動・闘争を解体し無力化するという攻撃であった。既成指導部は敵の軍門に下り、労働組合としての最後の一線を越えて「良質な公共サービス」論を掲げて、資本・当局との闘いをすべて放棄する方向へと転落した。全国で「自治労の労働組合としての自己解体」状況が進行し、激しい合理化・労組破壊の攻撃が現場を襲っている。
  こうした中で、職場から闘う新潮流の力ある台頭が求められた。われわれの挑戦は、11月集会をめぐって従来とは様相を異にする分岐を引き起こした。敵の攻撃は、労組執行部の見せかけの「左派」的外観の成立余地すら許さないものであった。われわれ活動家一人一人にも階級的潮流を体現する〈闘う労働者〉として屹立することが問われた。自らの活動・組織形態・路線の再確立が鋭く問われた。すなわち、敵の戦後労働運動の最後的壊滅を狙った攻撃であることを、自己と職場組合員との関係、何よりも自己のあり方を変える問題として充分に対象化していたのか、という問題として突きつけられたのだ。
  日帝・安倍政権の攻撃は、国鉄分割民営化と闘った動労千葉の闘いが示しているように、労働者の階級性に依拠し、その階級的本質・闘争心を引き出し、組織化する階級的労働運動によってしか打ち破れない。われわれを取り巻く情勢、資本攻勢、さらには、国家改造と一体の階級情勢(=内に向かっての階級戦争)は労働者の生存の危機という段階にまで到達しようとしている。労働運動を組織する側が今日の人間社会の危機の根源を、その歴史的本質を明らかにし、資本主義の打倒と労働者を主体とした社会への根底的変革を提起することなしに、労働運動がそれとして成立しえない時代に突入している。
  われわれ自身が、職場から労働者の団結を組織するという課題に真正面から取り組まなければならない。敵の側が〈民同労働運動〉の存在すら許さないという激しい攻勢に打って出ている中にあって、われわれが労組内で、既成執行部の「後衛」に甘んじていて、どうして勝利できるのかということだ。
  06年の情勢は、われわれに階級的勢力たりえるのかの試練を与えた。〈職場生産点からの闘いの組織化〉の取り組みは、情勢をこじ開け、路線を実体化する闘いを開始したばかりの段階だ。11・5の産別結集数にわれわれの力量が示されている。11月集会を組織していく闘いは自分と一体であり、あらゆる反動と闘って11月集会に結集し、それを主体的に担うという立場を貫徹することが求められている。06年の地平を発展させ、職場生産点からの組織化に全力をあげなければならない。

総屈服する自治労中央本部と対決し、1・31〜2・1自治労中央委員会決戦に立ち上がろう

 自治労の自己解体状況の下で、われわれが、全組合員に闘いの路線と方針を提起するという構えを持とう。07年、われわれは、全会員の職場で新潮流運動を構築し、今年の11月労働者集会にこそ1万人結集、産別1500結集を実現するために新年冒頭から目的意識的に闘う決意だ。
  方針の第1は、1・30〜2・1の自治労第133回中央委員会決戦への総決起だ。安倍政権の官公労解体攻撃に総屈服を深め、自治労丸ごと改憲勢力化を策動する自治労本部をぶっとばし、闘う自治労の再生を切り開く決戦場として構えよう。11・5の地平を継承・発展させ、教育労働者の不起立闘争と連帯して07年階級決戦の反転攻勢の流れを切り開こう。
  自治労解散、綱領的運動的大変質=新たな産業報国会化を狙う地公3単産統合に反対し、8月盛岡定期大会での連合体移行決定を粉砕しよう。現場からの闘いを解体する「良質の公共サービス」論を徹底的に批判し、民主党支持路線、参院選に闘いを収斂する自治労中央本部を弾劾して闘おう。
  第2に、07年をとおして日帝・安倍政権の改憲―国家改造攻撃の柱である労組絶滅攻撃と対決して、職場から新潮流運動、ランク・アンド・ファイルの闘いを前進させることだ。
  ひとつに、自治労の改憲勢力化に抗して職場から戦争協力拒否の闘いを開始しよう。国民保護法制の計画・発動を許さず闘おう。ふたつに、市場化テスト攻撃の本格化、公務員制度改革の全面化、道州制導入の大攻撃と対決しよう。新給与制度・査定給・人事考課制度や市場化テスト、指定管理者制度、PFI、独立行政法人化など民営化攻撃に反対し、全組合員の闘争に転化し、団結を組織して闘おう。
  破綻点は職場にある。職場闘争の先頭に立ち、方針を確立し、動労千葉労働運動を実践して闘おう。
  第3に、07年をとおして組織強化・拡大の闘いの決定的な前進を切り開くことだ。路線の鮮明化、激烈な党派闘争に勝ち抜き、フラクションを建設・強化し、学習会、交流会を進めよう。闘う青年労働者と共に、闘う青年部運動をよみがえらせよう。
  07年階級決戦を共に闘い、前進を切り開こう。

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●やってられないぜ!第17回 戦争国家を熱望する株式市場

 06年は日米の株価が堅調に推移した。イラク戦争が泥沼化し、アメリカの軍事的政治的敗北が鮮明になりつつあるにもかかわらず、株式市場は活況を呈している。株価だけを見れば、経済も底堅く見えるが、この株高は戦争景気に支えられたものだ。イラク、パレスチナ、レバノンの民衆の犠牲の下に株高が演出されるなんて、やってられないぜ!

臨時国会終盤に株価急伸

 教育基本法改悪法案が衆議院本会議で採決された06年12月15日、日経平均株価は前日比85円高の1万6914円と7か月ぶりに1万6900円台を回復した。国会終盤では教育基本法改悪だけでなく、防衛省設置法案も可決され、日本帝国主義はいよいよ本格的な戦争国家に踏み出した。12月11日から15日までの緊迫した5日間、株式市場は日本の戦争国家を歓迎するかのように、日経平均株価は5日続伸で上昇、4月高値に迫る勢いで急伸した。
  米帝国主義本国では、この間、ニューヨーク株式市場もダウ工業株平均は1万2000ドル台と史上最高値圏で推移している。
  新聞の株価欄では、この日本株の上昇を「円安を好感」と報じているが、ここ数年、中東情勢、東アジアの緊張が高まるごとに円安ドル高が進み、株価が上昇するという奇妙な構図が続いている。
  06年の日米株式市場の特色をあげるとすれば、ニューヨーク株式市場が市場最高値を更新したこと、東京株式市場が03年のバブル後最安値から復調したことがあげられる。特筆すべきことは、国際情勢の緊張を背景に、日米ともに軍需産業銘柄の株価が大幅上昇になっていることだ。

株高をリードする軍需株

 左の表は日米の代表的な軍需産業の企業の株価だが、イラク戦争開始直後に低迷していたものが、毎年じわじわと上昇し、06年は一段高となっていることがわかる。
  ボーイング社は旅客機など民生用航空機も生産しているが、大型爆撃機B52のメーカーとしても知られる。1997年には軍用機専業メーカー「マクドネル・ダグラス社」を大型M&Aで買収。アメリカ空母の主力艦載機F18スーパーホーネット、大型輸送機C17グローブマスター、攻撃ヘリコプターAH−64アパッチなどイラク戦争の最前線で使われている軍用機を大量に生産している。
  ロッキードマーチン社はボーイング社に次ぐアメリカ第2の軍需企業。売り上げの95%をアメリカ政府機関が占める。ステルス対地攻撃機F117ナイトホーク、最新鋭の戦闘攻撃機F22ラプター、次世代型の統合攻撃戦闘機F35など、米空軍の主力戦闘機をはじめ、大陸間弾道弾(ICBM)や軍事衛星の打ち上げに使用されるロケット、タイタン、アトラスなどを製造している。日本の航空自衛隊の主力支援戦闘機F2(2011年度までに100機前後配備予定)は三菱重工業と、ロッキードマーチン社の共同開発だ。
  レイセオン社はミサイルやレーダー、戦闘システム開発を主力としたメーカー。トマホーク、パトリオットなどのミサイルが有名だが、ハイテクを駆使した情報・監視・偵察システムの構築を数多く手掛けている。日本のMD(ミサイル防衛システム)導入で莫大な利益をあげる企業の筆頭だ。
  これらのアメリカを代表する軍需銘柄がイラク戦争開始時と比較して株価が2倍から4倍と上昇している。中東全域の不安定化、イラン・北朝鮮の核開発などで緊張が高まった05年以降はさらに一段高となっている。

日本の軍需銘柄も上昇

 日本に目を転じてみよう。石川島播磨重工業は海上自衛隊の艦艇を多く生産している。イージス艦と呼ばれる「こんごう型護衛艦」、対潜哨戒ヘリを積載する「むらさめ型護衛艦」など護衛艦のラインナップのほとんどを生産する。
  三井造船は軽空母、ヘリ空母と称される大型輸送艦「おおすみ」「しもきた」、護衛艦並のステルス性を備えた最新鋭の補給艦「ましゅう」など日米の共同作戦にあたる艦艇を次々と建造。これらはイラク侵略戦争でアメリカ艦艇の補給にフル活用されている。
  三菱重工はいわずと知れた日本を代表する軍需企業だが、戦闘機からミサイル、戦車、艦艇まであらゆる兵器を生産している。パトリオットやサイドワインダーミサイルなどをレイセオン社からライセンス生産、VLS(ミサイル垂直発射装置)をロッキードマーチン社からライセンス生産など、アメリカ製兵器のライセンス生産も多い。
  これら日本を代表する軍需銘柄の株価も、低迷していた03年3月末と比較すると2倍から4倍に上昇している。06年後半は7月の北朝鮮ミサイル発射、イスラエルのレバノン侵略、10月の北朝鮮核実験と世界の軍事的緊張がいっそう高まった。それに呼応するかのように日米の株式市場は上昇、9月の安倍政権発足後は売買高を膨らませながら上げ足を速めた。

「興亜相場」の再来を許すな!

 「我が国の防衛産業の特色としては(略)主たる契約企業だけでなく、各種の部品の製造を行う下請けなどの関連企業が多数存在しており、極めて裾野が広いことも特色の一つである。たとえば90式戦車の製造には1200社以上、4400型護衛艦の製造には2500社以上が関わっている」(平成十年防衛白書)。
  防衛白書が豪語するように、日本の製造業は戦争経済に深く関わっている。ステルス技術、CCD半導体(精密誘導ミサイルに装着されたテレビカメラの部品)、炭素繊維(航空機の軽量化に使用)などは日本の技術の独断場で、軍用機、ミサイル、艦艇の生産に欠かせない。
  中東や東アジアの軍事的緊張が高まるのに比例して、日米の軍需株がリードする形で、株式市場が活性化している背景には、産業構造の軍需化があるのだ。
  07年は南京大虐殺70周年にあたる。70年前の1937年もまた、日本の株式市場は軍需株が高騰し、「興亜相場」といわれる大相場となった。
  07年3月期決算では、多くの企業が大幅増益となる見通しだ。この増益は、労働者人民の個人消費が増えて出た利益でない。非正規雇用と賃下げ、労働強化によって搾り取られた生き血と、そしてイラク、パレスチナを始めとするムスリム人民を大虐殺した「死の商人」によってもたらされた利益である。
  安倍戦争遂行内閣は「成長路線」と称して、戦争国家化を押し進めているが、その意図するところは「興亜相場」の再来である。株価が上昇するのは労働者の利益ではない。株価が上昇すればするほどに労働者は困窮化し、戦争へと駆り立てられていく。
  07年こそ戦争への道を押しとどめ、労働者が主人公の世界を切り拓こう!(雷太)

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ひめじょおん−女性部から

    青年労働者の組織化を交流センターの第一課題に

                                女性部副部長 辻 川 あつ子

 06年この1年間、交流センター派の青年労働者はほんとうに必死に職場闘争を闘い抜きました。
  11・5労働者集会において青年労働者の登壇、リレートークは彼らのたたかいの前進を報告するものであり、今後の展望を与えてくれました。自治体女性労働者の発言は、闘いの経過を近くで知る者として、感慨無量でした。役員をやった最初の年は、団交の人数制限されたことに反論もせず、2〜3人で言いたいことも言えず終い。今年は、皆で押しかけ、かなり言いたいことも言えたとか、既成の指導部が現在までに作ってしまった代行主義のやり方に対して、彼女は組合員が自分たちが組合員であることを自覚し、自分たちが職場をまわしているという実感や団結をどうやって作り出すかと奮闘しています。
  労働組合運動の初心者が、交流センターの運動に確信を持ち、一人から始めた職場の闘い、しかし、彼女が当たり前の職場闘争に着手したとたん、労働組合幹部が人事権を握っていることをほのめかす・突出するなと脅す・無視する等々、悪辣な攻撃を開始しました。彼女の持った疑問、「なぜ、組合のために闘い始めたのに、組合幹部が嫌がらせをするのか。たまたま幹部になったあいつが悪い奴なのか」既成の指導部と対決し、打倒の闘いを開始しする時、きちんとした学習の必要性を確認しました。労働組合幹部がなぜ労働者に対して、組合が嫌になるようにしむけるのか。組合員の意見を採り上げないで、代行して交渉など済ませるのか。
  資本家は、労働者の決起を何よりも恐れ、労働者が階級として団結したら自分たちが打倒されると分かっているので、利潤で得た金を労働者の団結を解体するために使う。その有効な手段が労働組合幹部の金や地位を使った懐柔である。この辺のところに揺るぎない確信を持って活動するためには、やはり、帝国主義論などで学習するのがよいと話し合いました。
  自分の労働現場で苦闘しながら一人の労働者を階級として獲得し、ともに労働者階級として階級闘争を闘える喜び。交流センター派の青年労働者は今、体制内の労働運動を乗り越える次元で、一人を獲得する大変さと格闘しています。

青年労働者集会が成功

 11・5集会の前段として、各地域で青年労働者集会が開催され成功したと聞いています。茨城でも非常に良い集会となりました。警備会社の青年は時給650円ぐらいで長時間の勤務を強いられ、「出来たての労働組合から参加しました。人間らしく生きたいです。」と発言し、プログラムを組んでいる青年は「ホワイトカラーエグセプションなんて益々過労死増えますよね」と言って怒っていました。集まった青年たちが、活発に職場の状況など話し、常南交通のたたかい報告に共感していました。資本の搾取収奪の攻撃が青年労働者にかけられている中、青年労働者は真剣に人生を懸けて私たちの運動に結集してきます。
  この時代にどう生きたらよいのかというまっすぐな問いに、少しの曖昧さも許されません。自己保身のために動く既成指導部を打倒する取り組み、労働者が階級の団結を取り戻すような闘いを組織しなくてはなりません。青年労働者の組織化を第一の課題にして、青年労働者への協力を惜しまず、邪魔をせず。(われわれ以外の年配者はよく、今時の若者はと言って、自ら歩み寄ることを敬遠しますが、われわれ交流センターの労働者にとって青年労働者は希望であり、共に闘う仲間ですので暖かい対応が自然に出来ます。職場でも常に獲得の対象であり、優しく親切がモットーです)20年前に組合員が全て30才未満という動労水戸を結成し、直後の三里塚集会で紹介された時、私は家族として参加していました。あの地鳴りのするような、熱烈歓迎の拍手と歓声がどいういう意味であったのか。今なら分かります。

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●『国際連帯新たな幕開け』 世界に翔びたとう7

動労千葉の訪韓・訪米報告

帝国主義の危機の下で、「戦争と民営化」攻撃、そしてグロバリぜーションといわれる世界をかけまわる資本による労働者への徹底的な収奪と搾取。11・5労働者集会を成功させた動労千葉が韓国・ソウル、アメリカ・サンフランシスコ労働者との熱き連帯の報告

職場の闘いと労働者の団結こそが情勢に立ち向かう力

 私達は、11月12日にソウルで開催された民主労総の全国労働者大会に参加するために全国の仲間たちとともに韓国を訪れました。また、11月17日にサンフランシスコで開催された運輸労働者の国際連帯大会に招待され、動労千葉を代表して川崎執行委員を派遣しました。このパンフレットはその報告集です。
  今回の訪韓は、私達にとって本当に貴重な経験となりました。国境で隔てられていても、私達が直面している課題や問題意識は、驚くほど共通していました。それは、激しい攻撃の前に労働運動が後退し続ける状況を、職場からの闘いの組織かと労働者の団結・連帯によって如何に変革するのかということです。サンフランシスコやソウルでの熱い討論によって、我々が突破するべき壁、のりこえなければいけない課題、我々の運動に欠けているものは何か、ということがとても鮮明になりました。
  歴史の分岐点に立っていることについて、時代認識を本当に主体化できていたのか。団結を破壊し、階級意識を解体する激しい攻撃のなかで、職場から闘いを組織し、団結を組織するという困難な課題に、本当に真剣に立ち向かえているのか。我々とまったく同じ課題に、韓国やアメリカの労働者たちも、食らいつくような真剣さで立ち向かっています。(動労千葉田中委員長の巻頭言より)

ご注文は 国鉄千葉動力車労働組合
  〒260−0017 千葉市中央区要町2−8
  TEL 043−222−7207
  ●領価300円

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●労働ニュース(06年11月16日〜12月15日)

経団連・御手洗ビジョン原案判明
  日本経団連(御手洗冨士夫会長)が1月1日に発表する将来構想「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)の原案が11日、判明した。法人税減税と消費税の引き上げを柱とする税制改正や「労働ビッグバン」といった経済的なテーマだけでなく、憲法改正、愛国教育も盛り込まれている。

「減税ばらまき」色濃く
  自民党税制調査会(津島雄二会長)の07年度税制改正が「減税ばらまき」の様相を強めている。07年度予算編成では概算要求基準(シーリング)が厳しく利益誘導が難しいため、減税の配分に意欲的な与党議員が目立つ。海運業界への大減税、同族会社の留保金課税の撤廃など票田を意識した減税案が急浮上している。大盤振る舞いのツケは、いずれ消費税率引き上げなど個人の負担増に回りそうだ。

1兆円減税 家計に薄く
  安倍政権での初の税制改正の内容が決まり、年間1兆円規模の減税が実施されることになった。与党の自民党と公明党が14日決定した「07年度税制改正大綱」には減価償却制度や同族会社向け税制の見直しなど、多くの企業優遇減税が盛り込まれた。それに比べ家計向けの減税は小粒だった。

保険料徴収を民間委託
  政府・与党が検討している社会保険庁の新たな改革案の全容が12日、明らかになった。年金業務をを非公務員型の新法人に移し、保険料徴収や相談業務などをできる限り民間企業に委託して組織をスリム化する。焦点の強制徴収は、悪質な未納者に限り国税庁に委託する方向で決着した。

年金額訂正3万3900件
  社会保険庁が05年度だけで、すでに年金を受け取っている人の年金額や加入期間を3万3925件訂正していることが明らかになった。

賃金差別を禁止
  パート労働者の雇用環境の改善を話し合う労働政策審議会(厚生労働省の諮問機関)雇用均等分科会が29日開かれ、公益委員(有識者)がパートタイム労働法改正に向けた素案を提出した。正社員と職務や仕事内容、労働時間などが同じ「正社員並みパート」に対し、企業が正社員と賃金など待遇面で差別することを禁止するのが柱となる。

労働時間規制を一部除外
  厚生労働省は8日、労働政策審議会労働条件分科会に、働き方の多様化に対応した新たな雇用ルールについて報告案を提出した。年収など一定の条件を満たすホワイトカラー社員を労働時間規制の対象外とする制度の創設を打ち出した。

民主、残業代上げ提案
  厚生労働省が検討している労働法制見直しについて、民主党は6日、一定の年収以上の会社員を労働時間規制の対象外とする「ホワイトカラーエグゼンプション」などに反対し、長時間労働の抑制のため、残業代の割増率引き上げを求める対案をまとめた。

解雇の金銭解決見送り
  厚生労働省が07年の通常国会に提出する労働法制改正の最終報告案が7日、明らかになった。裁判所が解雇は無効と判断しても、金銭を支払えば解雇できる「解雇の金銭解決」は、労使の合意が得られず、法制化を見送る。

1時間単位の有休新設
  厚生労働省が8日の最終報告案で、5日分を上限に、有給休暇を1時間単位で取得できる制度を新設する。

企業の義務撤廃検討
  政府の経済財政諮問会議が30日開かれ、労働市場改革「労働ビッグバン」として、一定期間後に正社員化することを前提としている現在の派遣労働者のあり方を見直す方向で検討に入った。

正社員化規定を削除
  短期の契約をくり返す契約社員など「有期雇用者」の正社員化について、厚生労働省が07年の通常国会に提出予定の労働契約法の素案から、正社員化促す規定が削除されたことが24日、明らかになった。

労働時間の規制撤廃
  厚生労働省が次期通常国会で法制化を目指す、労働時間の規制を受けない働き方(日本版ホワイトカラーエグゼンプション)の素案が明らかになった。対象を一定以上の年収、業務、権限・責任をもつホワイトカラーに限定し、週2日以上の休日確保や健康対策の実施などを条件にする。

パート「天引き」検討
  パート労働者の年金制度見直しを進めている厚生労働省は、国民年金保険料の給料からの天引きなど、企業側に徴収への協力を求める方向で検討に入った。

就業規則変更ルール化
  企業と従業員の雇用ルールを新たに定める「労働契約法」の厚生労働省の素案が20日、明になった。現在あいまいな就業規則の変更に関してルールを定め、一定の条件を満たせば、就業規則で労働条件を変えられることを明記する。労働者に不利な変更も容易。

リストラ解雇条件明示
  厚生労働省は労働紛争の防止を目指して新たに制定する「労働契約法」の中に、リストラなどでの整理解雇ができる条件として企業の回避努力義務など4つを明文化する方針を固めた。

厚生年金のパート適用拡大
  厚生労働省は、パート社員の厚生年金の適用範囲を現在の週30時間以上から同20時間以上に広げる案を軸に見直す作業に入った。

年金給付は「民高官低」?
  政府・与党は会社員の厚生年金と公務員などの共済年金の一元化に関する議論を再始動する。人事院は16日、共済独自の上乗せ給付(職域加算)の廃止に向けた年金・退職金の実態調査をまとめ、「民間の水準は公務員を上回る」と指摘した。

バイトなのに「事業主」扱い
  従業員が一方的に「事業主」扱いされ、残業代の支払いや労災の補償が受けられない被害が増えている。バイトを「委託」に切り替えるあくどい手口。

早期退職1万人に
  日本郵政公社が07年3月に予定している早期退職希望者が約1万人に達したことが分かった。50歳以上の職員6万7千人を対象に募集。うち約15%が応募した。

規制改革会議も答申へ
  政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が今月末まとめる最終答申の原案が5日明らかになった。企業が派遣労働者に直接雇用を申し込む義務を撤廃するよう提案。また、労働組合の団体交渉権を一定割合以上の組合に限ると打ち出す。

 労働日誌(06年11月〜12月)

11月15日
  民間調査会社の東京商工リサーチが発表した1〜10月の全国の倒産件数(負債総額1千万円以上)は1万1045件で、前年同期を2・9%上回った。

11月15日
  日本経済新聞社が集計した冬のボーナス調査によると、全産業の一人あたり支給額は比較可能な企業で昨冬実績比1・97%増の86万8932円となった。これは過去最高の97年を上回る。

11月24日
  厚生労働省はアスベストの種類でも最も発ガン性の高い「青石綿」が89年に大阪府内で122トン使用されたことを示す内部文書が見つかったと発表。

11月27日
  栃木県の食品卸会社に入社して8カ月後に自殺した石沢史教さん(当時23)の両親が、国に労働災害保険の遺族補償一時金の不支給処分取消を求めた訴訟の判決で、東京地裁・難波孝一裁判長は労災と認定した。

12月1日
  総務省が発表した10月の完全失業率は4・1%で前月比0・1ポイント下がった。一方、厚生労働省が同日発表した有効求人倍率は1・06倍で前月を0・02ポイント下回った。

12月1日
  総務省が発表した10月の家計調査によると、全世帯(2人以上)の消費支出は月平均29万4693円となり、物価変動を除いた実質で前年同月より2・4%減った。前年割れは10カ月連続。

12月5日
  国連の研究機関が発表した調査で、世界の成人人口の2%が家計全体の「富」の半分以上を所有していることが分かった。世界の「富」は計125兆ドル。

12月7日
  連合は、働く人全体のうち労働組合に入っている割合が今年、前年比で約0・5%幅低下し、18・2%程度と過去最低を更新するとの見通しを明らかにした。

12月8日
  全国のほとんどの公務員に冬のボーナスが支給された。国は68万円・地方は65万円だった。

12月8日
  日本経団連は07年春季労使交渉で、好業績の企業の成果は「賞与・一時金に反映することが基本」という方針。

12月12日
  政府は、高齢者が受け取る公的年金から住民税を天引きする「特別徴収」制度を09年度をメドに導入する方針を固めた。

12月13日
  連合が発表したアンケート結果によると、格差が拡大・固定化していると思う人が92%に上ることがわかった。

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●篠崎前新橋支部委員長 国労本部を痛烈に批判

 「処分方針は死刑台に上げられた闘争団の綱を引く行為」

 国労5・27臨大闘争第67回公判 篠崎証人報告

 11月29日に東京地裁で、「国労5・27臨大闘争弾圧」事件の第67回公判が開かれ、篠崎信一氏(前新橋支部委員長)が弁護側証人として証言した。篠崎氏は02年5・27臨大で、3与党声明に従って闘争団員を査問委員会に送致するという本部方針案を全面的に批判した修正動議を出し、思いの丈を込めた発言を行った。それは篠崎氏にとっても自らの闘いの人生をかけた訴えであった。00年7・1臨大で演壇に駆け上った闘争団と長い間に築きあげた血の通った団結の証であった。
  篠崎氏はその立場から、5・27臨大の議案の内容と、職場討議の時間も保障せずに開催したやり方を「労働組合としてやってはならないこと」と根底から批判した。そして大会に反対するビラまきは「組合員として当然のこと」と断言した。
  5・27臨大では、悔しいことにこの本部方針は可決された。しかし、4党合意を跳ね返す闘いは決して負けてはいない。権力・資本と原則的に闘う被告たちを先駆者に、国労本部を打倒し、国鉄1047名闘争の新たな発展を切り開こう。

闘争団処分は「やってはならないこと」

 篠崎氏は協会派に属していることを明らかにしたうえで、解雇されて以来の闘争団との交流で学んだことを熱く語った。新橋支部は北海道の音威子府と名寄の闘争団を受け入れ、支部をあげて支援・交流を続けてきた。その中でも、解雇直後に闘争団を招いて集会を開いたときのことが忘れられないという。「彼らに発言してもらおうとしましたが、ただ泣くだけだったのです。労働者は本当に悔しい時、言葉にならないのです」、「解雇された労働者は、私たちと一緒に笑っても、その瞳の奥には悲しみがあるのです。早く心から笑える日が来るようにしたい」、「4党合意の時に闘争団から『組合からも首を切られるのですか』と言われた。それが忘れられない」と、氏ならではの労働者の魂に触れる証言を行った。そこから、「労働組合の原点は、仲間を守り助け合い、資本と闘うこと」と述べた。

国労が作った方針とは思えない

 篠崎氏は3与党声明について、「解雇撤回を闘っている仲間(鉄建公団訴訟原告団)を切り捨てろと組合に求めたもの。完全に組織への介入である。窓口でつき返すのが基本」と断じた。
  問題となった鉄建公団訴訟は、「生きるため、JRに戻るためにはそれしか道がなかった。原告に対して『裁判を下ろせ、そうしなければ処分する』、というのは彼らの生活権を奪うもの。組合と言えども生存権には介入できない」と本部方針を断罪した。
  5・27臨大は、「そもそも本部が3与党声明を受けて臨大を開くことには無理がある、闘争団も中止を求めていたし、ぜひ止めてもらいたかった。しかしそれでも開かれることも想定して、対策も考えていた」と当時の対応について証言した。また「鉄建公団訴訟の闘争団員を処分するような大会には出たくなかった、しかし出なければやられる」、修正動議の趣旨説明の演説では、「上位下達ではなく自分の頭で考えてほしい、皆自分の考えをもっているはず。自分で納得して結論を出さなければ、あとで後悔が残る」と強調した。「原稿にはなかったが“この日が人生の一番悲しく、重苦しい一日にならないように”という言葉から演説をはじめた」と熱い思いを述べた。
  本部方針案については、「闘争団員は死刑台に置かれたようなもの。統制処分は、この苦しい立場の仲間の首を絞める行為。その綱を引いてはいけない」、「なぜここ(統制処分)まで踏み込んで決めなければいけないのか。こんな案を闘争団の寺内書記長が作れるはずがない。どこからか操作されているとしか思えない」、「国労が原案を作ったとは到底思えない、そう思いたくない。情けない」と根本から批判した。

膝づめ談判を拒否した本部

 組合民主主義、職場討議の破壊については、「議案が来たのは3日前の5月24日。討議の時間はなかった」と事実を述べ、「内容はさておき、討論は民主主義の原則、皆が今どうなっているのか解らないのでは、組合の不信になる。無理に27日に開かなくてもよい。自分たちの組合にするためには本部として十分な討議の時間をとる努力をしてほしかった」と証言した。
  「国労はこれまで対立しても膝詰め談判をして、議論して解決してきた。その伝統は多くの先輩たちから受け継がれてきた。上位下達では労働組合が信頼されないものになる」と述べ、さらに「私も支部の委員長として経過を明らかにするよう求めてきたが、だんだんと相手にされなくなり、そのあげくには『妨害勢力』とか『タリバン』などと言われた」と執行部の方針と異なる意見を持つと組織破壊、妨害勢力という烙印を押し、意見を封じ込めるやり方に怒りを表明した。

被告の闘いは正当

 7・1臨大での演壇占拠は、「闘争団が演壇にかけ上がったのを見たとき、やむにやまれない気持ちからだと思った」と支持し、検事の「中核派がやった」という主張を「偶発的なもので、特定の党派がやったものではありない、そんなことはできない」と一蹴した。
  5・27臨大について、「自主性もない民主性もない。組合大会の名に値しない、残念ながらそう思う」と述べ、被告たちのビラまきについても、「ビラをまくのは当然。機動隊が会場を固めているので、宿舎でまくよりしょうがない」、「当日、私も池袋の宿舎の方でビラをもらった、作った人の気持ちを考えれば必ず受け取る」と当たり前の組合活動であることを明らかにした。
  篠崎氏の証言は、本部打倒が本当に求められていることを突きだした。
  証言の後の交流会で篠崎氏は、「大会で負けた責任は俺にもあるが、ここに集まった組合員にもある。頑張ろう」と語った。国労本部打倒を真剣に考え実行しなくてはならない。
  1月10日の第69回裁判には鉄建公団訴訟原告団長の酒井直昭氏が証言台に立つ。ぜひ多数の傍聴をお願いしたい。

公判日程 第69回 1月10日(水) 酒井直昭氏(鉄建公団訴訟原告団長)

お詫び
 酒井直昭さんの氏名を2号にわたり間違えたことをお詫びします。

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●闘う合同労組 第22回

労働者の権利を解体する労働契約法制・労働時間法制改悪絶対反対の闘いにたちあがろう!

 関西合同労働組合 書記長 蒲牟田 宏

 
12月6日、朝日新聞は、政府の規制改革・民間開放推進会議が12月末にまとめる予定の最終答申の原案について報じた。その内容は、第1に派遣法を改悪して企業の派遣労働者に対する直接雇用申込義務を撤廃し、加えて期間制限を完全撤廃する、第2に労働組合の団体交渉権を組織率が一定割合以上の組合に限る(合同労組に団体交渉権ない)とする驚くべきものである。
  第1の点は派遣労働の完全自由化、派遣労働者たる地位の固定化を狙うものであり、第2の点は、団結が唯一の武器である労働者からその武器をとりあげようとするに等しい暴論で、どちらも絶対に許すことはできない。
  労働者の団結権にたいする侵害や、労働条件の改悪自由を資本に与え、8時間労働制を最後的に解体する日本版ホワイトカラーエグゼンプション導入のために、今度の通常国会に労働契約法案と労働基準法改悪案が上程されようとしているなかで、矢継ぎ早に次の攻撃が、労働者・労働組合に襲いかかろうとしている。
  教育労働者を先頭にする国会前座り込み闘争などの反対闘争のなかで教育基本法の改悪案の採決が強行され、可決された。安倍政権は、憲法改悪のために、憲法の基盤を掘り崩す攻撃をかけてきている。その一つの攻撃が団結権をはじめとする労働者の権利の解体攻撃だ。
  教育基本法改悪反対闘争は、全国の教育労働者が日教組本部などの闘争放棄や屈服方針をうち破って国会前に結集し全力で闘いぬいた。われわれは11・5全国労働者集会を教育基本法決戦としても闘い、11・5勢力も国会前などで闘いを牽引した。既成指導部をのりこえる下からのランクアンドファイル運動ともいうべき闘いのうねりが起こった。闘った労働者には悲壮感は無く、来春の日の丸君が代反対闘争にむけ動きだしている。
  団結権や8時間労働制に象徴される労働者の権利を奪おうとする攻撃は、日本の資本家階級の焦りの現れだ。非正規雇用の増大による格差の爆発的な拡大のなか、労働者の反乱を防ぐために、ついに団結権に手をつけるということだ。
  これらの動きを資本家階級の前のめりにつんのめった攻撃として見ぬいて、すべての闘う労働者・労働組合が教育基本法改悪反対闘争に続いて、団結して全力で闘えば、日本帝国主義を打倒する闘う労働者の団結体=11月全国労働者集会勢力を拡大することができるし、絶対にそうしなければならない。

厚生労働省と大差ない連合中央の態度

 連合・高木執行部は、労働契約法が「労働者にとってプラスになる」かのような幻想を振りまいている。
  連合は「雇用・就業形態の多様化」に応じて、雇用契約法が必要だという。労働者は好き好んで「多様な」「雇用・就業形態」で働いているのではない。そもそもこれは資本家の言葉だ。
  「雇用・就業形態の多様化」は様々な違法・脱法行為を生み出している。たとえば、労働者派遣事業法が定める「派遣期間が終了した場合、派遣先会社に雇用契約の申込み義務が発生する」という規定をすり抜けるために、派遣会社と派遣先企業が一体となり、派遣期間終了前に「派遣先企業の子会社に出向」あるいは「派遣先会社のアルバイト」という形式に切り替え、一定期間が過ぎたところで「出向」「アルバイト」から「戻す」やり方が横行している。こうして資本は延々と派遣契約を継続する。このとき、派遣労働者は仕事内容はまったくかわらず、なかには本人が契約が変わったことすら気づかないことも多い。「雇用・就業形態の多様化」は資本家に「搾取のための多様な抜け道」をもたらしているのだ。この違法形態を合法化するために、資本家階級は、冒頭の「直接雇用申込義務撤廃」を言いだしたのだ。
  連合は、「個別労使紛争を予防し解決できるルール」として労働契約法制が必要だという。
  なぜ労働組合が労使紛争を予防しなくてはならないのか。個別労使紛争にふみきらざるをえない未組織労働者を支援し労組へと組織するのが労働組合の役割ではないのか。
  連合は、労働組合でありながら労働組合の未来に展望を見いだせず絶望している。その結果、資本家階級とその政府(厚生労働省官僚)にすりよっていくことになる。高木執行部にたいするあらゆる幻想を連合内部から払拭し、労働契約法制絶対反対を貫こう。

労組法・労基法破壊が核心

 厚生労働省も連合中央も、あたかも労働契約法制が「労基法と労組法がカバーしていない部分についての法律」であるかのように押し出しているが、これはペテンだ。
  今、行われようとしていることは、労働者保護法としての労基法と労組法とは別の労働契約法制をつくり、そこに労基法と労組法がカバーしてきた部分を移し替えるということだ。
  この間の厚生労働省文書では「解雇権濫用」について労基法から労働契約法に移す案がすでに出されている。
  例えば、戦後これまでの労働委員会や労働裁判において解雇事件については労働基準法に「(労働者と資本家は労働条件の)向上を図るように努めなければならない」(労基法第1条)とあることで、資本家の側に「やむおえず解雇せざるをえない理由」を証明する責任があった。逆に資本家が「証明不十分」であれば「解雇無効」となり、争議期間の賃金が労働者に支払われ原職に復帰もできた。しかし、今狙われている労働契約法の場合は、労働者の側が「解雇してはいけない理由」を証明する責任を負わされ、「証明不十分」であれば「解雇有効」となる。これではこれまでの労働委員会や労働裁判の判例はすべて無意味にされてしまうだろう。さらに労働契約法では資本家に金銭解雇の権利を与えることで事実上「金さえあれば無制限に労働者を解雇できる」ようにしようとしている。
  以上のように解雇問題をとってみても、労働契約法が労働者の権利を破壊するものであることは明白だ。
  だからわれわれは、連合・高木執行部が「今の労基法・労組法では不十分、だから労働契約法制が必要」ということに対して、「労基法・労組法の改悪を許すな。改悪につながる労働契約法の新設に絶対反対」という立場を貫いて闘うことが必要だ。(了)

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●たたかいは進む

★共謀罪法案の成立を阻止したぞ!

  12月19日、第165回臨時国会は閉会した。衆議院法務委員会は、共謀罪と少年法の継続審議手続きで終了した。廃案にはできなかったが、共謀罪初上程から10回目の国会でも成立を阻止した。しかも、安倍自公政権が今国会成立を狙った共謀罪という重要法案を審議入りすらさせなかったことは非常に大きな勝利である。この日、前週の教育基本法改悪阻止の激闘を担った都教委包囲首都圏ネットの中心メンバーが、疲れた身体をおして多数参加した。この秋つくってきた、共謀罪陣形と教基法陣形のジョイント行動が、確実に前進していることを実感した。
  ただでさえ共謀罪必要論は論理破綻している。さらに、本年は統一地方選と参院選が控えており、「法務省が意気消沈」「法務省が外務省に憤っている」「自民党法務委員の強がり」など種々の噂があるなかで、共謀罪法案の処理に頭を抱えている与党にとって、ますます共謀罪に手を出すことは困難な状況に入った。臨時国会攻防は、巨大与党と伍して対峙し、廃案を勝ち取る展望を大きくたぐりよせたのである。政府与党側の戦術は、世論操作と、反対運動の隙をついたアクロバット採決以外に今のところない。本年1月25日からといわれる通常国会、予算審議前採決をゆるさず、共謀罪廃案にむけさらなる広大な戦う陣形を作っていこう。

ボロボロになった共謀罪法案

 165臨時国会は9月26日開会した。破防法・組対法に反対する共同行動は共謀罪新設阻止の意気に燃えて国会前に集まり、朝ビラ―座り込み―集会という一日行動で闘った。この国会行動は国会が閉会するまで、法務委員会の審議日には必ず行われた。春の通常国会で継続審議となり、土壇場で与党最終修正案を議事録に記載した共謀罪法案は、臨時国会では審議入り即強行採決しかなかった。まともに審議したら成立しないほどに、デタラメとウソで塗り固められた法案ということである。法務委員会開催日は常に「審議入り―強行採決」情勢であった。
  日弁連や野党はこの間「共謀罪を新設した国は世界で2カ国しかない。アメリカでは、留保して条約を批准している。政府答弁は虚偽」という事実を暴露してきた。このことによって、政府・与党は「うそ答弁」を共謀罪法案の審議で積み重ねてきたことが明白になった。そもそも修正に修正を重ね原型がどこにあるのかわからないほどにズタズタにされた共謀罪である。野党としても修正論議では何も解決しないことは自明であった。こうしたことを背景として、日弁連と民主党は臨時国会が始まる段階で修正案路線を捨て、共謀罪廃案路線に転じた。
  共謀罪は臨時国会がはじまると「教育基本法改悪を優先、共謀罪は今国会断念」とされ、共謀罪報道は大手マスコミから消えた。

「死んだふり作戦」を粉砕

 通常国会では新聞、テレビなどで騒がれダメになった、ということを自覚した与党のマスコミ獲得戦術であった。これを「死んだふり作戦?」と書いたのは東京新聞だったが、お湯をジャーとかければ「瞬間解凍」で「審議入り―強行採決」できるのが法務委員会の実態であった。これに対し、共同行動は「おおかみ少年」と揶揄されることも覚悟し「採決情勢」を訴え、警鐘を乱打しつづけた。この粘り強さこそ勝利の源泉である。
  本年、通常国会から新たな闘いがはじまる。国会開会日、国会行動に決起しよう。1月26日(金)共同行動決起集会(東京しごとセンター講堂)、3月17日(土)戦争と治安管理に反対するシンポジウム3を成功させよう。共謀罪を永久に葬り去ろう。 (山口秀樹)

国会闘争速報より
投稿のお願い

全国各地で教育基本法改悪に反対して奮闘してきたみなさん。
  10月18日に第1号を発行してから、メールアドレスを登録された方に連日「国会闘争速報」を送信してきましたが、登録された読者の方は北海道から沖縄まで全国各地に広がりました。このみなさんが、国会前の闘いを牽引するとともに、各地の教育基本法改悪反対集会や街頭行動などの先頭に立ってこられたことと思います。心から敬意を表します。
  「教育基本法改悪反対」と共謀罪反対で生まれたつながりです。みなさんから改悪強行に対する抗議や、今後の闘いへ向けた思いなどを寄せていただき、「国会闘争速報」特別号を発行したいと思います。
  文章の長短は問いません。もしよろしければ、お住まいの都道府県やお名前(ペンネームも可)、肩書き(教育労働者の方はそのように)なども記してください。
  kokkaitousou@yahoo.co.jpまでお寄せください。よろしくお願いします。
★「国会闘争速報」のバックナンバ
ーは、全国労組交流センターのサイト(http://www.k-center.org/)で見ることができます(PDFファイルもダウンロードできます)。ご活用ください。
★改悪法案が成立したと言っても、まだまだ闘いはこれからです。これまでつくり出してきた教育基本法改悪反対運動の大きな大きな広がりに自信を持って、さらに頑張りましょう! これからもよろしくお願いします。
編集後記
新年明けましておめでとうございます。06年は歴史の曲がり角にふさわしい闘いの連続でした。労働者は団結して闘えば勝てる。世界の労働者は模索しながらも、勝利に向かって歩み始めている。私たちは佐藤芳夫精神をもって日本の労働者の未来を切り開こう。 (し)

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●読者のページ

 ★自立労働組合福岡・新事務所、開設される!  広島連帯ユニオン・奥村

  九州・福岡の地に、たたかう合同労組の新しい拠点が生まれました。その事務所開きの宴に招かれて、全国の仲間の代表として出席してきました。以下、広島連帯ユニオンの方から報告します。
  当日は、残念なことに雨でした。しかし、福岡のたたかう仲間は続々と新事務所に結集して来ます。当日は午後から福岡の教組が中心になり7千人の大結集で教基法改悪阻止の闘いが貫徹されたそうです。交流センターの教育労働者や百万人署名運動、学生などの仲間も全力で終日闘いました。その闘いをやり抜いての新事務所開きです。いやがうえにもボルテージは上っていました。
  20人程で会場が満杯になるころ会は始まりました。最初に百万人署名の呼びかけ人の方や会員、事務局の方たちから祝辞が述べられました。この間の組織的な混乱を乗り越え、真に闘う組織として、百万人署名運動や交流センターが再確立されたことに皆さん感無量という雰囲気で、聞いている私も、感動を共にすることができました。
  「自立労組福岡は、今日をもって生まれかわる。労働運動を拡げていくことに反対して古い殻を守ろうとしていた者達は去った。青年を中心に新たな地域合同労組をつくります。全国の闘う仲間の支援・教示を受けながらがんばります」という吉田委員長の決意のあいさつに続いて、次々と新規加入した青年労働者が発言しました。3名で訪韓団に参加した仲間たちから、韓国の非正規労働者の闘い、とりわけ民主労総ソウル地域本部の闘いに感動した。その民主労総から学ばれている動労千葉はすごい!動労千葉労働運動を福岡の地で組織する」と決意が述べられると一同は興奮の渦に包まれました。さらに青年はそれぞれの言葉で、全員が抱負を語りました。
  次に、福岡交流センターの仲間からの激励が続きました。あくまでも1047人闘争を闘いぬく小倉闘争団の羽廣さんの方から、「動労千葉派として共に闘いましょう!」という熱烈な檄が飛びました。教育労働者からは、当日の7千人集会の感動や、この間の国会前闘争の報告があり、「何としても教基法改悪を阻止する! 11・5に続いて職場を組織し仲間と国会前に登場するつもりだ。自立労組福岡は断然若返った。気持ちを同じくして共に闘う」との発言がありました。
  闘う仲間からは、口々に自発的な発言がなされ、九州の皆さんが本当に生き生きと自己解放的に起ちあがられたことが、理解できました。特に直前に出された委員長と執行委員を誹謗・中傷する文書については、全く事実無根! 書いた人物の厚顔さにあきれる、との声が聞かれました。青年達は自分達を抑えてつけていた『重し』が取れて、はつらつとしていました。自立福岡がひょっとすると今、一番青年の組織率が高い、たたかう合同労組かもしれません。全国の仲間の支援で福岡のたたかう合同労組を盛り上げていこう!
  なお、全国からのメッセージは綴りにされて、回覧されました。また、メッセージを寄せた組合の名前を告げ、代表として沖縄南部一般労組のメッセージが読み上げられました。11・5横断幕も高々と会場の壁に掲げられました。

 ★11・5労働者集会に参加して… 佐藤 嘉洋

  10月末、突然、自分の勤務する事業所が来年3月で閉鎖することになった。地域の合同労組の仲間と緊急に団交を申し入れ、職場闘争の準備をしつつ、11・5に向うことになりました。その過程で、メールで関西合同労組の仲間から、親切なアドバイスを頂いたりしまた。
  「合同労組交流会の前段集会がもたれる」、ということで楽しみにしていました。時間が急きょ1時間繰り上がったこともあって、集会に間に合わない仲間が多く、前段集会は大変控えめなものでした。それでも、各地で地道な活動を闘っている仲間の発言は興味深いものでした。階級全体を見れば、合同労組が組織対象としている未組織労働者は、4「大」産別の労働者よりもはるかに多い。合同労組交流会は、もっと大胆に大風呂敷を広げてもいいように思えました。
  メールを交換すれば、何処の地域の仲間とも情報交換や議論が可能です。しかし、全国の労働者同士が実際に会う機会をつくるのは大変です。11月集会は、そういう点でも重要な場であると思いました。
  11月集会が終わり、辻川事務局長の方から、2月総会にむけ、路線的な一致の必要性が提起されています。討論は、一致していない部分を切り落とすのではなく、共同の闘いの中で一致を作り出す方向でぜひ、進めて欲しいと思います。労働者階級への信頼は、その第一歩として、現に共にたたかっている仲間を信頼して議論していく、そういう作風をまず、作り出すことからはじまると考えます。

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編集後記

佐藤芳夫さんが亡くなられた。中立労連議長まで務められた労働運動の重鎮が弱小な労組交流センターの結成に参加していただき、代表として奮闘していただいた。労働学校では本当に体験をいかした講義をしていただいた。労働者として本当に鏡のような人だった。私は、自宅に労働学校の講師をお願いに行った時も気さくに了解をいただいた。偉大なる労働者佐藤芳夫さん、やすらかにお眠りください。あなたの意思は必ず私たちが引き継ぎます。(し)

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