2010年04月号(No.241)目次
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労働者の目  中野さんの思いを継いで

・中野代表を追悼する 事務局長 辻川 慎一
国鉄・沖縄決戦で青年労働者の団結を組織し、交流センター運動の飛躍を!
     副代表 JP労組銀座局支部 星野勝紀
・1047名闘争解体を許さず、国鉄闘争勝利の全国大運動を!
・闘う合同・一般労組
 JR千葉鉄道サービス分会の結成と解雇撤回の闘いの開始

動労千葉労働学校で学ぼう!

ひめじょおん−女性部から 動労西日本ストライキと連帯

・尼崎事故弾劾! 4・25全国総決起集会に集まろう

・普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設絶対反対!  4・28沖縄デー集会へ!

労働ニュース ●労使紛争 平成で最多

読者のページ  

・●マンガ /編集後記
 

 労働者の目

中野さんの思いを継いで
柳 沢 裕 子 常任運営委員 千葉勤医労

 このたび、常任運営委員となりました柳沢裕子と申します。千葉勤医労の組合員であり、医師です。病院経営者と組合は共に民主医療機関連合会(民医連)に所属しており、日本共産党の大きな支持勢力です。数年前より、生活給であった月5万円の「医長手当」を能力給に変更することに対して組合で闘っていたら、執行部に裏切られ、私の医長降格処分を機に、昨年より同僚医師と共に、時間外労働(当直)拒否の闘いをしています。医師も賃金労働者なのです。
 全国労組交流センターの常任運営委員になることは、自分でも予想外のことで、先の交流センター総会の途中まではお断りしようと思っていました。しかし、会議場の前に掲げられている「第17回全国労組交流センター全国総会」という文字をしげしげと眺めていると、国鉄分割・民営化後に総評が解体され、連合ができるという情勢の中で、動労千葉の当時委員長だった中野さんが、労組交流センターの必要性を感じて立ち上げたことの意味が、この大恐慌下の今こそ強く感じられ、中野さんの思いに少しでも応えなければいけないと思い、微力ではありますが、やってみようと決意したのです。
 その中野さんが3月4日に亡くなりました。中野さんは、私にとっては労働学校の校長先生でした。私にマルクス主義の根幹を教えてくれたのが中野さんでした。
 中野さんという大きな大きな存在がすうーっと消えていってしまった日、私は久しぶりに『俺たちは鉄路に生きる2』を読みました。
 「ああ、ここに中野さんの人生がつまっている」 
 そう、思いました。『俺鉄2』は中野さんの自伝であり、『甦る労働組合』は中野さんの遺言だと、今感じます。
 労働者階級を徹底的に信頼して闘ってきた中野さんの思いを継いで、労組交流センターを大きく飛躍させていくために、まず、自分自身の飛躍が必要だと感じています。自分の職場の仲間との団結とそれを拡大する闘いの経験を大切にして、がんばりたいと思います。

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■中野洋代表を追悼する

事務局長 辻川 慎一

 覚悟はしていました。しかし、中野代表が亡くなったということが、いまだに現実感覚ではありません。中野さんが病を押して出席すると言っていた会議を行い、その足で通夜に参列しました。1000人はいるかと思われる延々と続く焼香の列。民主労総ソウル本部の歴代本部長を始め、久々に会う多彩な列席者は、彼がいかに多くの人に影響を与え、愛されて来たのかを示していました。田中委員長は、葬儀委員長として動労千葉の組合員と共にその役割をしっかりと果たされていました。翌日の本葬もさらに盛大であったと、動労水戸・木村書記長からの報告も受けました。しかし、受け入れがたい事実を真に受け入れていく過程は、そうした別れの儀式の進行とは別に、それぞれの人の中で進んでいくのだと思います。
 私の家には、すでに体調の思わしくなかった中野さん、田中委員長と共に、03年に初めて訪韓し民主労総を訪ねた時の写真が飾ってあります。通夜に参列されたコジョンファン・ソウル本部長(当時)をはじめとするソウル本部の仲間と共に撮った記念写真です。その真ん中に中野さんがいます。千葉から出ることすら嫌いな中野さんが韓国まで行くこと自体、並々ならぬ勝負をかけたということでした。今思えば、とても緊張されていたのだと思います。彼は、その世間的印象と違ってとてもデリケートな人です。その訪韓の成果が今日につながっていることは、今さら語るまでもないことだと思います。そのとき、ほんの短時間の内に民主労総ソウル本部の指導部を、中野さんが動労千葉に獲得してしまったという点に真に驚嘆すべき事実がありました。一瞬にして獲得してしまったということが、本当に凄かった。私は、その目撃者です。闘争の歴史と時代が求め合い、邂逅した歴史的瞬間だったと思います。
 その写真を見て、そのときの中野さんを思い返しながらテーブルを見ると中野さんから送られた「寒中見舞い」がありました。年賀状の返信を療養中で返せなかったということで、2月に送られたものです。改めて見直して見ると「辻川慎一、あつ子様」と書かれた宛先の字が震えていました。字を書くのも難儀を強いられていたのに、危篤状態になる直前に自ら宛名を書いてくれていたのです。その宛名の中に彼の思いを感じ、私は初めて泣きました。訪韓の時も、現在も、中野さんの思いに至らない自分は、やはり不肖の弟子であるとしみじみ思います。
 交流センターは、中野さんと故佐藤芳夫さんが呼びかけて1989年に結成されました。国鉄分割・民営化による総評解散に対して、連合・全労連の労働者支配を打ち破る新たな全国運動の形成をめざしたのです。しかし、結成以降数年間は時代的課題と格闘しながら、組織的な模索が続きました。そして、全国組織としての正式な第1回総会が1994年にようやく開催されます。しかし、まさに全国指導部の形成をめぐる格闘の中で、翌95年総会で「お前しかいない」という中野さんの要請で、私は全国事務局長に就任したのです。当時私は38歳。動労水戸が最も苦しい時代と重なり、本当に飛躍的な要請でした。それ以来、中野さんの要請は、階級の要請であると考え、どのような「無理難題」であっても全力で応えてきたつもりです。しかし、思い返せば中野さんが代表として健在であった時代は、私が切り込み役、中野さんが見事なまとめ役として中野さんと共に歩み、彼の厚い信頼を受けながら成長することができたという点で、本当に幸福な時代であったと思います。あらゆる点で人間・中野洋に直接薫陶を受けたこの時代があって、彼が前面に出られなくなった時代の交流センターを牽引しぬくことができたのだと痛感します。「お前しかいない」というのは、私にとって最大の賛辞でした。そして、師の要請に全力で応えてこれた私は幸福でした。
 私は、中野さんの生も死もそれ自体が時代であると思います。なぜなら彼が、労働者を愛し、とことん信頼し、その思想的立場を貫いて時代と闘争し抜いてきた希有の指導者だからです。ですから、彼の死自体もまた新たな時代の始まりであり、またそのような時代としなければ彼の遺志を継ぐということにはならないと思うのです。彼に応えるということは、私の生がある限り続きます。それは、中野さんと共に歩んだ全ての仲間に共通のことだと思います。ですから、彼は私たちの中に生き続けるのです。彼の生前に、本年総会において田中新体制の発足、私の事務局長再就任、事務局体制と常任運営委員会の強化を勝ち取ったことを喜んでくれたと確信しています。動労千葉と共に交流センターもまた中野さんの歴史的遺産であり、その核心課題は、新たな時代と情勢に全力で対応し牽引する全国指導部建設にあるからです。また、それがアルファでありオメガだと言って過言ではないと思います。
 新しい時代と新しい関係の創造とは、これまでの生産と私的支配に基づく諸関係の根底的で全面的な崩壊を条件としています。資本主義自体が、自らの体制を維持するために使ってきた旧来の関係を、激しく解体せずには生き残れなくなったという点において革命的時代が到来しているのです。私たちは、資本主義体制を前提としたこれまでの社会的関係の崩壊を嘆く立場でなく、それを根底において破壊する新たな人間関係の創造に突き進まななければなりません。それは、人間の根源的共同性によって、モノによる人間の支配という転倒した社会を根底からひっくり返していくということです。この現実を変える力がプロレタリアの団結にあり、それは労働組合運動を水路として強力に発展していきます。大恐慌・大失業・戦争の時代とは、これまでの体制内的発想の延長上に明日を描こうとする者の破産を容赦なく突きつけていくと共に、この現実との闘争を通じて人間の根底的力を解放していく大いなる時代でもあるのです。
 要するに、資本主義社会への根底的批判の貫徹が求められているのであり、その批判はプロレタリアの団結した闘いを基軸として貫徹されるのです。体制内から生まれながら、階級的団結に依拠した苛烈な闘争を通じて、資本主義の最末期が新自由主義攻撃として展開されていく時代の根底的批判主体の拠点として自らを打ち立て、大恐慌の時代に最先頭で立ち向かおうとしている動労千葉。それを強力に思想的路線的に牽引し、指導し抜いた中野さんの指導性の継承と発展が問われているのです。
 昨年暮れ頃から中野さんに会いに行くと「田中、辻川には苦労をかけてすまないな」と言われることが多くなりました。私にはその意味が、十分に通じていました。病の苦痛に耐えながら、最後まで指導者としての生き様を貫きつつも、自らの肉体的限界を感じていたのだと思います。私には返す言葉が見つかりませんでした。その次には「あとは頼むからな」という言葉しか続かないからです。ですから今だから言える言葉を中野さんに送ります。「中野さん。本当にご苦労様でした。あとは私たちでとことんやり抜きます。安らかにお眠り下さい」と。
 全国の同志のみなさん! 私はもとよりみなさんが、階級的労働運動の不抜の指導部になり、画歴史的進撃を勝ち取ることが何よりの追悼であることをはっきりさせましょう!
 中野イズムで徹底武装せよ!

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■国鉄・沖縄決戦で青年労働者の団結を組織し、交流センター運動の飛躍を!

副代表 JP労組銀座局支部 星野 勝紀

●中野代表を追悼する

 中野さんと初めて会ったのは第T期労働学校でした。まだ自分が全逓青年部の頃でしたけど、彼が生徒みんなを見渡して「勉強しそうなやつはいないな。でも、1年通えば君らは変わっている」と言ったのをよく覚えてます。中野さんは当時60歳でも、20代の青年とつきあって全然世代が違うという感覚がない。惹きつけるものがあるなという印象でした。そこが出発点になって青年の運動を作ろ
うという動きが始まりました。
 初めてのオキナワ―ヒロシマを結ぶ青年労働者交流集会運動が始まった時の呼びかけ人に名前を出すかどうかで、私が最初相当ゴネたんですよね。そのときに、中野さんと丸1日ぐらい討論した記憶があります。そのときの中野さんの討論は、今から考えると、人をオルグするというのは、正しいことを言っていればいいというものではなくて、その人がどういう状態におかれているのかとか考え抜
いていて、それでぱっと核心を突いて一言喋る。そういう印象を持っています。
 また「指導部は頭を使え」とさんざん言われましたね。それとどうにもならなくなったら「後は2、3日寝てろ」とか。
 ともかく第T期の労働学校に1年通って、毎回終わった後の交流会で動労千葉の組合員と飲むのも含めて交流して学んだ。みんな酒飲んでわーわーやってる人たちが、いざとなったらバチッと闘うという。「ああ、こういうのだな」と思った。特別に意識の高い人たちが集まっているわけではない。普通の労働者がすごいやるんだという点にわしづかみにされて今日までやってきた感じです。顧問の遺志を継いで頑張りたいと思います。

●1〜3月で切り開いた外注化決戦と反戦闘争の地平

 さて、俺たちは、2010年、国鉄決戦で勝負して階級闘争全体を塗り替えるという路線で闘いをやってきました。国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策の下で、特に青年労働者が非正規と貧困に叩き込まれ、その怒りはもう積もりに積もっています。大恐慌情勢下の新自由主義の破綻は拡大の一途です。JALの破綻しかり、トヨタのリコール問題しかり。その中で、こうした労働者の怒りを抑
え続けてきたのが連合や全労連の体制内指導部です。その彼らの制動ももはや堤防決壊寸前です。2・13全国集会―3・20イラク反戦7周年全国集会は、その堰を切る闘いとして勝ち取られたといえると思います。
 こうした中で一番大きいことは、昨年末ぐらいから動労千葉の平成採の青年労働者と一緒に闘いをやってきた実感を持っていることです。青年労働者の決起でJR検修業務外注化を阻止し、国鉄・4大産別で青年労働者を組織しようと一緒に方針を作り、動労千葉のストライキを自らの闘いとしてつかんでいった。そして一緒に2・13集会を勝ち取ったという感じがしてます。職場は違えど、ひとつの路線を作れた。動労千葉の平成採の彼らも本当に組織拡大をやりたいという感覚です。こうしたことを通して外注化決戦が自らの闘いになっていく大きなバネになった。外注化・非正規化はどこでもやられていて、それと闘うというのはどこの職場でも通用する。そういう地平をひとつ切り開いたと思います。そこを核心にしながら国鉄決戦、1047名闘争をストレートにわがものにしていくことができた。

▼職場闘争と反戦闘争

 こうした中で3・20イラク反戦闘争を取り組むに当たっても、あらためて職場の闘いと反戦闘争の関係について考えました。いわゆる国鉄1047名闘争の4・4派
や5・15とか8・6―9などの平和運動センターの系列の人たちは、反戦闘争で青年の組合活動家をつくろうとしてきたと思います。でも、いざ実際、1047名の問題も同じ問題ですけれども、現場の青年労働者が一番怒っていることに対して、JRで言えばライフサイクルなどの問題について、結局はやむなしと闘わない。外注化や当局の合理化に対しては全然闘えない。にもかかわらず、反戦といって青年を組織しようとしても、本質的には行かないんじゃないかなと思っています。反戦というと戦争に賛成か反対かということでわかりやすい。どっちかしかないんだから。しかし、職場では、全逓で言えば、昔から当局の仕掛けてくることに対して大枠は賛成して、条件闘争。総論賛成、各論反対。結局なし崩しで全部認めていっちゃう。職場でそれで反戦だといっても青年労働者の心をつかむことができるのか。本当に組織することはできないんじゃないか。
 この1〜3月の闘いは、職場にすごいこだわって、ずっと俺たちが言ってきた「絶対反対」が単なる口先だけではなくて、その中身において当局・資本のかけてくる攻撃に対しては非和解だ、相容れない、それを認めないんだというものだったと思うんですよ。その力をバネに3・20の反戦闘争も打ち抜いたということです。

●銀座局における組織化の教訓

 3月12日にJP銀座局の闘う仲間でつくる「だんけつ」編集委員会主催で、「銀座局での死亡事故弾劾」集会を行いました。そこに新しく結集した職場の青年がいて、その彼と一緒になって集会を成功させました。
 青年と討論した中身の核心は、「労働者に責任はない」ということです。人が足りないとか配達が遅れるとか、そういう状況を作っているのは当局なんだ、それに対してこっちは無理してやらなくていいんだというか、そういう中身ですよね。俺たちは全然悪くないんだと。そういうわかりやすい主張なんですけどね。
 俺たちがやろうとしている集会ひとつひとつ、あらゆる取り組みに、目的意識的に青年の核をつくる、活動家をつくっていくことを据えることが大事だと思います。それに執着を持ってやる。今回の3・12の集会を設定して、新たな青年と共に成功させるというんで集中してやって、JP銀座局のわれわれだけじゃなくて、地域の仲間の団結が深まった。そういうのはすごいよかったなと。
 また、青年が所属する地区センターを越えて駆けつけるという形も生まれた。中部の集会に他の地区の青年が駆けつけるとか。
 そうした中で、一緒にやる気になったその青年の発言がすごい。基調提起に近い発言をするわけです。青年が本気になると、今度はその青年が全体を獲得しちゃう。ひとりの決起が決定的なんだと言われていましたけれども、そういうのがすごい力を発揮するんだなと。
 もうひとつ言うと、こっちが何者であるのか、職場に動労千葉派、交流センター派だと公然と登場するまでが大変な年月がかかりました。そこまでできるようになるとこの1〜2年、もっと大胆に大衆的に出来るようになる。こっちがもう心棒が通っていれば、少人数でやるものじゃなくて、現場の組合員が基本に労働組合の中でやるという。そういう領域に入ってると思うんです。
 情勢は国鉄・沖縄決戦で敵階級との力関係を変えていく決定的チャンスを迎えているわけですよ。このチャンスをつかむことができるかどうかです。ここで圧倒的多くの労働者を闘いに組織し、動かしていく力を俺たちが何としてもつけていくことです。俺たちが指導部として飛躍していくことと、指導部を作り出していく闘いが大事です。
 だから今度は、ひとりの労働者を獲得するために全体で闘うということに加えて、ひとりの労働者を獲得するエネルギーで全体を獲得するという闘いを一体でやっていくということだと思います。

●郵政民営化によって殺された仲間の仇を討つ闘いを作り出す

 自分の職場の攻防と郵政産別の状況について話します。
 まず銀座局で起こった事故問題で言えば、去年の12月14日、死亡事故が起きました。3・12集会で自分の問題意識にあったのは、そもそも民営化で殺されたということはビラで出してきたんですけど、あらためて事故が起きた背景は何だったのかということです。郵政民営化が小泉改革の突破口という位置づけでやられました。それは国家財政の破綻の解消だ、「官から民へ」だと叫ばれて強行され
たわけです。そこから始まって、しかし結局は、政府・与党も資本家・当局も銀座の支店長もこういう事故に対して一切責任を取らない。これへの猛烈な怒りですよね。民営化の時点で全国で1万5千人欠員があったんですけども、そもそも民営化前から人員削減がありました。そのとき当局は「民営化されないためには事業の努力が必要なんだ」と言っていた。それが文書では「痛みを伴う」効率化
施策(アクションプラン)となり、結局中身は本務者の削減と非常勤への置き換えでした。さらに郵便の内務の方だと深夜勤の導入で昼と夜が逆転し、それが3連チャン、4連チャンという形で連続勤務になる。これが民営化前に起きていたわけです。そして、民営化で東京中郵の廃局というのが象徴的でした。その中身は東京駅の前の中郵の建物をぶっ壊して高層ビルにして不動産業で儲けるということです。あの時点で郵便事業、本来の、俺たちがやっている仕事を当局の方は切り捨てる形だった。合理化は全国で6割以上がゆうメイトという世界になっています。そういう中で「痛みを伴う」効率化とずっと言ってきたわけです。それが最後は現場の労働者の命まで奪うというのが民営化の正体じゃないかということです。
 そして今、西川が辞任して今度は民主党政権下の斎藤体制になりましたけれども、郵政民営化見直しなんていうのはずっと言われていて、職場の感覚では「見直し」なんて言葉でよくなったためしがない。「見直し」なんて出ると大体悪くなるというのが今までの経験から来る感覚です。
 亀井が20万の非正規を本務化すると言っている。これも1047名闘争解体と同じで、非正規の怒りの爆発に対する恐怖が本質でしょ。しかし、本当に本務化がやれるものならやってみろと。
 21年度の事業計画をあらためて見たんですけど、一番最初に「人件費を抑制したスリムな経営体質を実現する」と書いてある。それと株式上場。これは組合も言っています。そもそも郵便事業なんて儲かる商売ではないんだけど、そういうことが言われています。去年JPEXについては現場から相当闘いをやりましたが、破綻の中身が1千億円の大赤字と報道されてました。これを現場に押しつけ
てくる流れになってくるでしょう。当局はJPEXを戦略的事業だと打ち出していましたが、ポシャっちゃったら何の責任も取らない。

▼当局と一体のJP労組本部

 もうひとつ、こういう状況を作り出したのが連合JP労組本部です。組合の綱領に「生産性向上」とあるのが組合手帳に書いてあるわけですが、JP労組になる前から全逓の当時も、人事交流、強制配転、人減らし、合理化、深夜勤の導入とか、どれも当局と一緒になってやってきたわけです。JPEX子会社化は戦略事業だと言ってきたのも組合本部なんですよ。JPEXの破綻は現場の組合員の
「行かない」という圧倒的な意思表示によって強制したものです。銀座の職場でも課長に「行かないか」と言われた人が怒って反撃した。そのひとりが立ち上がったことによって全体に火が点いた。
 JP労組の本部は最初から民営化推進という立場なんです。そのために何が起きるのかというと職場の合理化を全部呑んでいくということです。そのツケが、働いている俺たちに来る。現場は誰もが反対しているんです。そういう現場で俺たちはおかしいじゃねえかと思うことがひとつになれば相当なことが出来る。それがJPEXを破綻させた原動力だったなと思うんですよね。
 一方で職場で本部がどうしようもないからというんで、昔の活動家だったような人でも脱退する人が出ている。組合というのは組合員のためのものじゃないか。現場でも「やめてえな」というのがいたら「どうせ専従なんてのは一握りしかいなくて、俺たちの方が人数多いんだ」と言うと「そうだな」ということがあった。組合権力を取るとか、労働組合を取り戻すとか甦らすとかいうのも、組合を現場の組合員のものにするということなんだなと思っています。現場の組合員がふだん誰もがおかしいと思っていることを、今の体制内と言われている労組幹部たちが、それも闘争できないという状況になっている。これが逆転すればいい話なんですよ。そういうのを考えながらやっている。
 銀座で死亡事故に遭った人も所属組合は違うところでしたが、こっちの最初からのスタンスは現場の労働者が殺されたんだ、俺たちが一番怒ろうと。これからが始まりだと思うんです。
 3・12集会でも言ったんですけど、職場で殺された仲間の仇を討とうと。大きくは敵は誰なんだといったら当局だし、後は政財界と一体となった今の本部・組合幹部の連中だ。これと闘うことが、職場側からもう一回組合を甦らせる闘いになる。労働組合を甦らせて現場の労働者が胸を張って生きていける世の中にすることが今回の死亡事故で殺された怒り、悔しさを継ぐ、俺たちの闘う道じゃないのかなと思います。

●青年労働者の団結を拡大し、5・15オキナワ行動に立ち上がろう

 今、敵の側は、普天間基地の移設問題をめぐって、グラグラになっています。これは日米安保の根幹を揺るがしています。民主党・鳩山は5月にその結論を出すことを迫られています。辺野古移転を強行するためには、それに反対する労働者人民を制圧しなければ、内乱を想起させるような事態になると読んでいる。だから国鉄分割・民営化以来の新自由主義のもとで、貧困と非正規化に置かれてきた青年労働者の怒りの爆発を抑え込むためには、その根本にある国鉄闘争の解体しかないと舵を切ったと言えると思います。敵の弱点は、青年労働者の決起にあるということです。
 いよいよもって、俺たちのチャンス到来なんじゃないか。国鉄・沖縄をめぐって労働運動が大流動に入ったということでしょ。
 俺たちは、昨年の11月集会の勝利の地平から、2・13全国労働者総決起集会と3・20イラク反戦7周年集会を動労千葉の平成採の青年労働者と共に勝ち取りました。敵の側はこれに対して本当に心底恐怖してますよ。ここに階級対階級の力関係を大きく転換する突破口があるんじゃないかって。その力関係を変える軸に俺たちがいるということです。俺たちが、ついに第一党派として躍り出るチャンスが来ている。俺たちの闘いは2000万青年労働者の闘いそのものですよ。4大産別から金属、医療、保育、非正規、10代から30代まで、あらゆる青年労働者が戦列を共にし出しています。俺たちの闘いの前進に圧倒的確信を持って、4〜5月、国鉄・沖縄決戦をぶち抜こうということです。これは民主党・連合政権打倒の闘いそのものです。敵の破綻点を突き、力関係を逆転していくことそのものが、革命情勢を引き寄せるものに直結してきます。
 去年の5・15オキナワ行動は、こっちが構えて道州制の問題を突き出して、国際通りデモもやった。あれは相当反響がありましたね。県民大会で、平和運動センター、自治労出身の向こうの専従が最初から最後まで「道州制を言うな」と言ってきたのも見事にこっちの狙いが当たった。来ている人たちはみんなビラを受け取るし、そういう雰囲気で活性化した。平和運動センターが掲げている5・15、平和行進が現場の労働者が置かれている状況と別に「反戦運動」をやっている構造になってしまっている。本来、民営化、合理化との対決の中身と沖縄闘争はつながっているはずです。去年1年間からの職場の闘いの前進と決定的局面に入った沖縄闘争をつなげていきたい。さらに8・6―9、11月集会へとひとつながりの闘いとして捉えることが大事だと思います。2・13の闘いが、動労千葉の平成採の青年労働者と共に闘うことによって、俺たちの闘う陣地を拡大する一歩になったのは間違いないと思います。3・20イラク反戦でさらに闘う陣地は拡大した。敵の側は、戦争政策を進めていますけど、歴史を振り返れば、第1次世界大戦も第2次世界大戦も労働組合の団結が解体され、その先兵になった時に初めて行き着いたわけです。今問題になっているのは、労働組合です。闘う労働組合を甦らせていく闘い、拠点を作っていく闘いを基本に据えて、5・15オキナワ行動を頂点にのぼりつめていく闘いを作り出したい。
 2010年の前半戦で、階級情勢の大激動と職場のギリギリした攻防の中で、革命情勢を切り開いていくイメージが大事です。その闘いの中で、どれだけ労働者の団結が拡大したかが総括軸です。具体的には、闘いの中で、共に闘う仲間を拡大し、闘う青年労働者を増やすということです。その度合いで闘いは広がります。
 この間、10代の青年労働者が来ています。「この世に絶望してきた。ネットカフェで検索して〈団結〉とか〈革命〉とか。そうしたら街宣に出会った。仲間に入れて下さい」と言ってきた。5・15の方針も19歳の青年に言わせると、「今の現状で5・15まで生きていられるかもわからない」という感覚です。しかし討論を通して、自分の大変な状況にあるという中身と国鉄・沖縄の中身が一緒なんだとつかんだ。4大産別、動労千葉、国鉄決戦と結びつき始めたというのがすごいことです。
 国鉄・沖縄決戦の中身をどれだけ青年労働者が置かれている現状とかみ合わせて喋れるか。そういう言葉を持つことが必要です。

▼交流センター青年部建設を!

 これまで職場闘争委員会や青年交流集会実行委員会運動など立ち上げられてきた青年労働者の運動体を、恒常的な結集体、団結体にしていくというイメージで、交流センター青年部建設に集約していく構想が東京の青年から挙がっています。10代の青年労働者が運動に来る状況になっている中で、俺たちがもっと若い世代を獲得する。それを労働組合運動の中で実践するためには、若い世代が常任運営委員に入り出しましたけれども、交流センター運動をどんどん担う感じを作っていくことが重要だと思います。
 青年労働者の交流センター運動への圧倒的結集を共に闘い取りましょう。

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■1047名闘争解体を許さず、国鉄闘争勝利の大運動を!

●3・20イラク反戦7周年 ワーカーズアクションにおける発言要旨
 国鉄闘争勝利の全国大運動を!

 国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中 康宏

 私たちはこの春闘で1047名解雇撤回、外注阻止、そして昨日は貨物会社の定期昇給を廃止するという攻撃に対して4波のストライキを闘い抜いてここに結集しました。私たちは外注化攻撃4月1日実施を阻止しました。動労千葉は小さな労働組合です。だけど、本気になってこの闘争の中にこれからの労働運動と労働者の未来があるんだ。この闘争をやり抜けば、必ずこの中に怒りの声が結集してくる。そう決意して闘えば、敵の側は慌てふためいて、結局は実施することが出来ないという状況に追い込みました。
 残念ながら今まで全面的な外注化攻撃に対して計画そのものをぶっ飛ばそうと提起した運動はひとつもありませんでした。あるのは怒りに燃えた現場労働者が偽装請負だと声を上げた闘いだけでした。これで本当にいいのか。こんなことを許したならば、どれだけの労働者が非正規職、下請け、孫請け、さらにその下まで突き落とされていくのか。安全がガタガタに崩壊していく。この攻撃は今の資本の攻撃の根幹をなす攻撃です。外注化攻撃の裏では外注を受ける労働者の首切りが始まっています。全てがひとつらなりになって全部労働者を犠牲にしていくということです。資本だけがボロ儲けする。こんなことを認めてはいけない。3つの矛盾がある。安全の崩壊。明確な偽装請負。そしてこの攻撃を呑もうという東労組や御用組合の中に間違いなく怒りの声が噴き出すということ。現実にそうなりました。今、JR当局はスト破りを命じることもできない状況です。スト破りを命じたらみんな動労千葉に流れてしまう。もうその恐怖であたふたしています。職場は戒厳状態です。当局がごろごろ毎日いて、動労千葉の組合員と他の労組の組合員を分断する。これも敵の焦りの現れです。この闘いを僕らは続けます。この闘いを続ければ、数千万の日本のワーキングプアと言われたり、戦後最悪の無権利状態に置かれている労働者の怒りの声が結集する。だから動労千葉は闘い続けます。
 もう一点。ここで今日、是非訴えたいことがあります。それは国鉄1047名闘争をめぐる、新聞で報道されている事態についてです。4者4団体はあの政府や与党3党・公明党が出した和解案なる金銭解決を呑もうとしています。この情勢を一体どう見るのか。これが今の時代認識の核心問題です。なんで与党3党、自公、共産党まで全勢力が国鉄分割・民営化に決着をつけるということに引きずり出されてきたのか。これをつぶさなければ、敵の側も前に進めない。例えば道州制=360万公務員の首切り問題。国鉄分割・民営化に決着がつかなくて出来ますか? 絶対に出来ないことなんです。だからここで1047名の国鉄分割・民営化に決着をつけようとしている。この情勢は国鉄分割・民営化の時に次ぐ重大な歴史的な決定的な転換点になります。もうすでに国労解散の相談が始まっています。全労協から脱退して連合に行く。23年間解雇撤回を掲げて闘い続けてきた結果が国労解散ですか! 国鉄分割・民営化に動労千葉は首をかけて闘いに立ち上がりました。40名の仲間が首になったけれど団結を守った。ここに労働者の誇りがある。国鉄分割・民営化みたいな攻撃で数千万の労働者が突き落とされた。俺たちが闘わなかったら、今、非正規だとかいわれている労働者が浮かばれるんですか。JRの現場を見て下さい。全面的な鉄道業務の外注化。貨物ではもう経営危機だと言って、定期昇給を全部取り消してしまう。国鉄分割・民営化は何一つ決着していない。これで何が決着なんですか。
 全国の仲間たちに訴えたい。動労千葉はこの局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないという全国運動を呼びかけます。世の中には本当に怒りの声がもうどこにもここにも積み上がっています。この時に国鉄分割・民営化反対闘争を終わらせていいんですか。
 だから動労千葉はわれわれひとりになったとしたって、国鉄分割・民営化にここで始末をつけてはいけない、この闘いを継ぐんだ、この闘いの下に膨大な労働者の怒りの声を結集するんだという闘いを、運動を呼びかけます。この下に是非全国の皆さんが国鉄分割・民営化問題の中に私たち労働者全ての未来があるんだということを心の底から訴えてほしい。そう思っている労働者は全国に膨大にいます。今回の和解問題にしても私がこの間話した中では、当事者がいいと言えば仕方がないんじゃないかと思っている人たちだって、だけどこれに結末が着いたならば、これからは大変になる、日本の労働運動の火が消えちゃう、みな深刻に考えています。こういう声に僕らがどうつながっていくかという勝負です。そうしたときにわれわれは国鉄分割・民営化の決着をわれわれの手で着けることができます。
 動労千葉はこれからも外注化阻止の闘いを組織の総力を挙げて闘い抜き、この中で必ず若い仲間たちを結集して組織拡大を実現する決意です。これは戦後労働運動がなんで・どこでつまずき、屈服してきたのか、その総括をかけた闘いです。総括をかけたということは、つまりわれわれが戦後の労働運動の限界をのりこえる新しい闘いを作る、まさにその運動です。 今度呼びかける1047名解雇撤回の全国運動もまさに国鉄分割・民営化という攻撃をこのような形で終わりにしていいのか。われわれの力でこの闘いを勝利してみせる。まさにこれも戦後の労働運動の総括をかけた闘いです。これに勝利をした時にわれわれは時代を、歴史を動かす力を必ず得る。そのことを絶対的に確信して立ち上がりたい。

●不当労働行為責任の一切を不問にする「解決案」はキッパリ拒否して労働組合を甦らすために解雇撤回闘争の勝利まで闘います

鉄道運輸機構訴訟原告 解雇撤回・JR復帰を闘う国労秋田闘争団 小玉 忠憲

 私は国鉄の分割・民営化に絶対反対して全力で職場闘争を闘ったがゆえに、1987年2月16日に旧国鉄秋田鉄道管理局でただ一人JR不採用となった。そして国鉄清算事業団秋田雇用対策支所(強制収容所だ!)という六畳一間の一室に私を閉じこめ、2人の監視が見張りについて机とパイプイスに座らせ、「社会主義はいかに間違っているか」というビデオテープを毎朝「業務命令」で視聴することを強制し、その後はただ一日じっとしている毎日を3年間強要したあげく、当然のことながら再就職斡旋など一度もなく90年4月1日、ここからも不当に解雇した。以来23年間にわたってどんな困難があろうとも解雇撤回・JR復帰を求めて闘い続けている。卑劣極まりない国家的不当労働行為の限りをつくし、労働組合をつぶすために全国で200名もの労働者を自殺に追いこんだ政府・権力・旧国鉄―JR資本の責任を絶対に許すことはできない。閣議で決定したJR東日本の「定員」が5千人以上も欠員となり、一旦は私も「採用名簿に登載されていた(旧国鉄職員局幹部で名簿作成作業を担った人物・現在JR高崎支社長=伊藤嘉道の裁判における証言)にもかかわらず、JR総連・東労組本部執行部に巣くうファシスト集団・カクマル松崎一派が旧国鉄総裁・杉浦にねじこみ、現JR東海会長(初代社長・旧国鉄職員局次長)・葛西敬之の指示により意図的・計画的・自覚的に「各鉄道管理局に連絡し採用名簿から外した」のだ。ここに来てついに真実が明らかになりつつある。

▼追いつめられているのは民主党・連合政権だ

 3月19日、マスコミ各紙は全国一斉に「JR不採用問題、与党三党と公明党が国交省に政治解決を要請―政府和解案を受け入れへ」という報道を流し、そして4者4団体は即座に「和解する方向で協議したい」旨の共同声明を発表した。しかしこの『解決案』なるものは、解雇された当事者が「JRに法的責任なし」を認めることが一切の前提条件という、およそふざけきったものにすぎない。『付属文書』なるもので「前代未聞の規模による不当労働行為」とか「あからさまな採用差別がなされた」などと、さも当時の国策を批判しているかの装いをとったとしても、結論は〈JRによる不採用は容認しろ、それによる国鉄清算事業団解雇も容認しろ、不当労働行為はなかったことにしろ、従って責任者は誰もいないし謝罪もなしだ、そしてすべての訴訟を取り下げろ、これを受け入れたらJRに雇用の要請(単なる要請!)と、なにがしかの金をだしてもいい〉というのが『案』なるもののすべてなのである。こんなものは『解決案』どころか全くのペテンだ。国鉄労働者を愚弄するのもいいかげんにしろ! 私はキッパリと拒否してあくまで解雇撤回を求めて闘い抜くことを改めて宣言する。
 大恐慌とそれによる国家財政破綻のツケをすべて労働者に押しつけ、資本家どもの利害を守り抜くために、自民党とは別の形態で登場したのが民主党・連合政権であることは、今や誰の目にも明らかとなっている。厚労大臣・長妻は昨年末、「年金問題」の一切を現場労働者の責任に転嫁し、「ねんきん機構発足」に伴って社会保険庁労働者525人の分限免職を強行した。同時に数千人の非正規職労働者の首を切ったのだ。国交大臣・前原は、JAL労働者1万6000人解雇の先頭に立っている。行政刷新担当・枝野による「事業仕分け」は、そこで働く労働者の大量解雇をさらに一層生み出すものとなる。就職しようにもまともな仕事がない現実、派遣切りや非正規職の歯止めなき拡大で、やっとありついても生活できない現実に対する2000万青年労働者・300万学生の根底からの怒りは地に満ちている。「俺たちの未来を奪うな! 生きさせろ!」という渦巻く怒りと、23年間の不屈の国鉄1047名闘争が結合したら民主党・連合政権などひとたまりもない。昨年の11月全国労働者集会の5850名結集と大デモ、2・13全国集会と1850名によるJR東日本本社デモ、そして3・20ワーカーズアクション渋谷デモを始めとする全国各地の闘いが、政権をギリギリと追いつめているのだ。これに対する根底的恐怖こそが、与党3党らによる『解決案』の提示であり、国鉄1047名解雇撤回闘争の最後的解体と終結を狙った「政治解決」なるものの反動的核心なのだ。

▼4者4団体の路線は転向と奴隷の道だ

 国鉄の分割・民営化攻撃によってなぜ7628名もがJRから不採用として追放され、200名もの労働者が自殺に追いこまれなければならなかったのか! ブルジョア法の建前すら無視して旧国鉄・JRによる言語道断な不当労働行為が吹きまくったからだ。この悪辣な攻撃に対して国労現場の各地では闘争指令がなくても懲戒免職処分・停職処分など十数万人にも及ぶ処分者を引き出す膨大な職場闘争が全国で激しく闘われた。しかし国労本部はついに一度のストライキすら組織できなかった。指導部に体制内派としての決定的限界があったからだ。にもかかわらず労働者の誇りにかけて国労の旗を守り、筋を通したからこそ不当にも解雇されたのだ。この悔しさをいつか必ず晴らし国労を再生させる、なんとしても勝利して仇を討つ、下手人に責任を取らせ謝罪させる、それが日本の労働運動全体を甦らせることにつながる、つらく苦しくても決して労働者の未来を閉ざしてはならない、こうした思いを貫こうとしてきたのが国労闘争団の闘いだ!
 しかし4者4団体は、「雇用・年金・解決金」と言い換えて、こうした労働者の誇りと労働運動再生にかけた国鉄1047名解雇撤回闘争の原則を一切合切投げ捨て、民主党に「白紙委任」し、権力と資本に土下座路線を繰り返してきた。その行き着いたものがこの屈辱的『解決案』なのだ。金でただ徹底的にもてあそばれ権力・資本の悪行を一切不問にして奴隷になれということではないか! 何が「路頭に迷わない解決」だ、ふざけるな! これを転向と奴隷の道と言わずなんと言うのだろうか!

▼解雇撤回の原則を掲げJR資本と非和解で闘う動労千葉型労働運動が勝利の道だ

 心あるすべての闘争団員、原告団員と支援・共闘のみなさん! 今こそ職場生産点における労働者の団結に依拠し、労働運動の力で勝利するという原則に立ち返ろう。10春闘勝利! 車両の検修外注化阻止! 組合員の不当配転阻止を掲げて動労千葉は2・1〜2の48時間ストからJR貨物会社の「定期昇給なし」攻撃に抗する3・19〜20ストまで4波のストライキに決起した。動労水戸は3・19〜20ストライキ、動労西日本は「山田副委員長の解雇撤回!」への3・13、15、17の3波に及ぶストライキに立ちあがっている。こうしてついにJR東日本は検修外注化の4月1日実施を見送った。社長の清野は、3月2日の記者会見で「7年前の最高裁判決で採用についてはJRに法的責任はないという結論が出ている。済んだ話だ」としたが、これはこの間の全国の闘いに追いつめられた悲鳴というべきだ。いよいよ攻めまくる時が来た。反動的『解決案』をぶっとばし、国鉄1047名解雇撤回の大旗を掲げて4大産別を始めとするあらゆる職場に大胆に分け入り青年労働者を組織しよう! そうすれば事故続発と民営化の矛盾にあえぐJR体制を打倒し、解雇撤回を実力でもぎとることは全く可能だ。
 私は不退転の決意で勝利するまで闘いますから、なお一層の支援・共闘をよろしくお願いします。

●1047名解雇撤回闘争再び

 国鉄西日本動力車労働組合執行委員長 大江 照己

 国鉄西日本動力車労働組合(動労西日本)が再建されたのは、昨年の9月19日である。国鉄が分割・民営化されたのが1987年。決死の思いで動労千葉とともに闘うことを誓い結成した動労西日本は、〈大阪の反乱〉ともいえる内部からの組織破壊、動労千葉への誹謗中傷路線を選択した旧執行部(小川体制)によって、資本への屈服路線の強要を迫ってきた。
 4者4団体路線に労働者の魂を売り渡し、大所高所からの活動家というプライドを投げ捨てて、目先の些末な活動と称して、小さなアリバイ的な組合活動を標榜する彼らに、動労西日本の財産(運転保安闘争路線など)を継承する権利はないとして、新生動労西日本が結成された。
 動労西日本は〈大阪の反乱〉に対して選択を迫られた。執行委員長の圧力に屈して1047名解雇撤回を葬り去り、これまで築き上げてきた仲間との連帯の鎖を断ち切るのか、それとも孤立を覚悟で屹立して「11月派」を貫くのか。動労千葉の田中委員長の勇気ある行動を見捨てていいのかという、組織として戦士としての決断は組合の再建であった。
 仲間を信じてJR資本と闘う路線、社会の主人公は労働者であるという原則に、労働者は黙っているわけにはいかず、岡山から青年労働者が結集し、私の職場からも同僚が組合に組織化された。動労千葉、水戸の組織拡大と同時並行的に動労西日本も体力を回復しつつあった。
 09年の「8・6ヒロシマ大行動」を牽引した動労西日本は、全世界に日本からの革命が開始されたことを知らせる鐘が打ち鳴らされたことを声明した。「資本に加護された鳥籠の中での運動などあり得ない。資本・権力を目前にして逃亡するのではなく、仲間の団結を確信する中に労働者の未来は明るい」という開会宣言が大きな反響を呼び起こし、「生きさせろ」の路線が全く正しいことが受け入れられ、大衆の耳目を集めたデモ行進には、賞賛の拳が見受けられた。
 こうした中でJR岡山支社は、動労西日本の山田副委員長に対して、不当な処分を乱発し、ついには3月末をもって解雇するという、許すことのできない攻撃を仕掛けてきた。雇用契約満期を待たずに「雇い止め」を出してきたという背景には、JR資本の手持ちのカードが底をつき、煙たい労働者の排除を支配者としての最後のカードとして切り出してきたということがあった。しかしこのカードはパンドラの箱を開けるカードであった。彼らは、10春闘から始まる怒濤の労働者の怒りと実力行使で大きな反省を強制される日を迎えることになる。
 解雇撤回闘争は、「ひとりのために」という労働組合の団結を加速度的に増加させ、資本家を労働者の力に屈服させるまで闘われることを肝に銘じなければならない。青年労働者の人生を奪い、将来生活設計を蹂躙し、資本としての生き残りのみを画策するJR西日本に対して、動労西日本は岡山県労働委員会に救済申し立てをするとともに、解雇撤回を掲げて最後まで闘い続けることを確認した。
 救済申し立ての翌日には、新聞紙上にも取り上げられ、JR西日本の不当な解雇攻撃に対して全面対決の立場を明らかにした、動労西日本の記者会見の内容が掲載された。もちろん国労のように、組合員への不当な攻撃に対して、第三者に丸投げして結果を待ち望むのではなく、動労西日本はJR西日本との直接対決から逃げるものではない。
 10春闘の一環として街頭宣伝活動や署名活動をする中において、JR労働者からの賛同の署名や連帯エールが集まった。闘いの結果を焦っていると絶望が待ち受けているかもしれないが、仲間を信じて揺るぎない方針提起と地道な活動で絶対に組織拡大はできるし、社会の変革は達成できると確信する。その中で満を持して待っていた労働者が現出してくる。
 さあ、動労西日本は不当解雇攻撃に屈することなく、敵の危機はわれわれの好機(チャンス)という金言を実証しようと思っている。動労西日本が鮮明な闘いを展開することは、不安定雇用で呻吟している労働者へ追い風にもなるであろうし、JR内部で早朝から深夜まで働かされている労働者にも、現状打破の闘いのスタートの踏み台を提供することになる。
 春闘から5月メーデー、そして「8・6ヒロシマ」へ、動労西日本は2010年こそ決戦の年と位置づけて、持てる力を総動員して解放への進撃を開始する。(3月3日)

 

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■闘う合同・一般労組

JR千葉鉄道サービス分会の結成と解雇撤回の闘いの開始
―労働者をぼろ雑巾のように使い捨てるJR資本を許すな―

東京東部地域合同労働組合東部ユニオン 執行委員長 小泉 義秀

 東部ユニオンは3月12日、東部ユニオンJR千葉鉄道サービス分会を結成し、18日、JR千葉鉄道サービスの代表取締役社長・後藤慎吾に分会結成通知と団体交渉の申し入れを行い、解雇撤回の闘いを開始した。
 3月27日には東部ユニオンの仲間とともに分会大会を開催し、JR資本との非和解の闘いに突入する。

●外注化先の非正規雇用労働者の反乱

 この闘いは動労千葉と固く連帯した、外注化先の非正規雇用労働者の反乱である。JR資本は車両の清掃や駅の清掃を外注し、JRの労働者の「天下り」先として位置付けている。そのためJRを定年退職した労働者がJR千葉鉄道サービス等の外注会社に雇用され、そこにいる労働者が玉突き解雇される構造になっている。それも単純な玉突きではなく、動労千葉の団結破壊、組合解体策動と一体の攻撃なのだ。その意味でこの闘いは正規雇用労働者と非正規雇用の労働者が堅く団結して新たな非正規雇用と非正規雇用労働者の解雇を許さない闘いである。

●でたらめなJR千葉鉄道サービス

 昨年4月、千葉車両整備株式会社は京葉企画開発株式会社、ちば開発株式会社を吸収合併し、JR千葉鉄道サービス株式会社に社名を変更した。その際、清掃の外注会社B社が請け負ってきた小岩―浅草橋間の駅の清掃の業務をJR千葉鉄道サービスが請け負うことになった。小岩・新小岩・平井の3駅はまたその下請けの関東管材という清掃会社が行ってきたのであるが、業務移管の際はB社からの移籍という形で小岩―浅草橋間の駅の清掃業務をJR千葉鉄道サービスに移管したのである。B社からJR千葉鉄道サービスに移籍した労働者は17名である。
 この17名を含む30名を束ねて責任者として業務を円滑に進めてきたのが今度分会長になったAさんである。この30名の労働者の年齢は一番下の人で50代、上は70代の人も含んでいる。JR千葉鉄道サービスの就業規則では60歳を定年とし、契約社員の場合、65歳まで半年の契約を更新する形で雇用継続が可能となっている。そうするとB社の65歳以上の労働者はJR千葉鉄道サービスに移籍することはできない。
 しかし、そうなると清掃の仕事は回らない。現場を回しているAさんの存在抜きに円滑に業務を進めることは不可能だった。そのためJR鉄道サービスは「年齢に関係なく、働ける間は働いて下さい」と65歳以上、70歳代の人を含めて全員をJR千葉鉄道サービスに移籍させ、17名全員を雇用したのである。この移籍の際の労働条件の取り決めは文書に残されている。JR千葉鉄道サービスは就業規則の厳格な適用ではなく、業務を円滑に進めるために年齢に関係なく雇用を継続したのだ。2009年4月の時点で厳格に就業規則を適用し、65歳以上の労働者を雇わないという選択肢も会社にはあった。その場合、65歳以上の労働者はB社の他の職場に配転されて雇用が継続できた。B社は大手企業グループの株式会社であり、清掃の業務を手広く行っているからである。
 にもかかわらずJR千葉鉄道サービス資本は、移籍後、書面による労働条件の取り決めを反故にしてきた。例えば有給休暇について、B社時代からの有給残日数保障及び勤続年限に基づいて有給休暇を取得できるという約束を無視して、2009年4月に新規採用された有給しか認めないというのである。前の会社との取り決めは移籍後は適用されないと。
 また、健康保険証も4月に移籍したのに6月まで発行しなかった。その間にケガをした労働者がいたのに、保険証を使えなかったのだ。移籍に伴うでたらめなやり方は他にもたくさんあり書き切れないほどである。

●10名の解雇通告を撤回しろ

 分会の要求は10名の解雇通告を撤回しろということだ。JR千葉鉄道サービスは65歳以上の労働者も含めて雇用しなければ清掃の業務を円滑に進めることはできなかった。今になって就業規則の規定を持ちだして解雇するのは不当なことだ。会社自身が就業規則の規定を超えて雇用してきたのだからその慣行を守るべきだ。文書による取り決めは文書によって変更されるべきで、残されている文書は年齢に関係ない雇用であり、70歳代の労働者の雇用を取り決めている。これを否定するならその否定の文書を出せ、というのがAさんの言い分だ。業務を円滑にするため雇い入れ、1年経っていきなりだまし討ちの解雇である。
 JR鉄道サービスにはJRから天下ってきた清掃の現場の仕事など全くわからない輩が所長として赴任し、労働者にパワハラまがいの恫喝をかけている。しかし清掃の仕事を回しているのは現場労働者だ。
 駅の清掃の労働時間は8時〜16時30分、10時〜18時30分、10時30分〜19時、11時30分〜20時、24時〜8時30分と24時間体制で行われている。30名のうち24時〜8時30分までの夜勤専門の労働者は14名であり、夜勤割増がつく労働者だけがかろうじて手取り20万円の賃金を得ている。他の労働者は60歳未満が時給1000円、60歳以上が時給850円で月平均16・5万円から14万円ほどの低賃金である。
 Aさんは嘱託社員であるが、他の労働者は契約社員、パートである。60歳を過ぎると契約社員は半年契約の連続更新という雇用形態をとっている。会社は半年契約だから契約更新をしないだけで解雇ではないと主張するかもしれない。しかし通常は連続更新されてきた。実質雇用年限に定めのない労働者として雇用されてきたのだ。
 問題は、今は65歳以上の労働者の解雇であるが、半年後は60歳以上の労働者の解雇、その次に資本に歯向かう、気に入らない労働者を年齢に関係なく雇い止め解雇する攻撃がかけられることは不可避だ。
 東部ユニオンJR千葉鉄道サービス分会は、JR千葉鉄道サービスの嘱託社員、契約社員、パートの労働者で組織する分会である。同社はJR東日本の検修業務の外注化を請け負う会社であり、この会社との闘いは動労千葉の外注化阻止の闘いと一体となった闘いである。
 東部ユニオンは組織をあげてこの解雇撤回闘争を全力で闘い抜く。JR千葉鉄道サービスはAさんら10名の解雇を即時撤回せよ!

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ひめじょおん−女性部から

●動労西日本ストライキと連帯
岡山マスカットユニオン 執行委員長 清水久美子

 乗客でごった返す岡山駅中央改札口の真ん前を、「ストライキ決行中!」と大書した横断幕を掲げた怒りのデモ隊が進撃しました。
 3月13日、動労西日本の春闘第1波ストライキが闘われ、岡山駅勤務の契約社員、山田和広副委員長が、「動労千葉のストと連帯し、契約社員制度廃止・解雇撤回まで闘う」と宣言しました。
 最長5年の契約期限にまだ8カ月以上残しての雇い止めは、「契約社員制度廃止」を訴えて闘う動労西日本副委員長の職場からの排除、組合に対する団結破壊です。
 現在岡山駅の改札や窓口の労働者の実に4割が契約社員であり、20代を中心とした青年労働者です。たった5年で青年労働者を使い捨てにして未来を奪い、職場の団結を破壊するこの制度は、JR東日本における検修業務の全面外注化と同様、合理化によるコスト削減のために、国鉄分割・民営化から始まった全労働者の9割を非正規雇用化していく攻撃そのものです。
 契約社員制度の導入や業務の外注化の結果、安全が崩壊しています。安全がうたわれていた新幹線でも事故が激発しています。合理化で要員が減らされ、劣悪な労働条件の下では、安全な車両を整備し、走らせることなどできません。駅も同じです。ぎりぎりの要員、休憩室までの往復時間でしかない10分間休憩、給料は時給制、出勤時間が不規則な勤務でこき使われている現状です。こんな契約社員制度は廃止しかありません。
 JR岡山支社包囲デモに続いて行われた「山田くんを支える会」結成集会では、大江照己委員長が「新たな1047名闘争が岡山から開始された」と宣言し、動労西日本の現場組合員3名全員で第2波ストへの決意を明らかにしました。17日には広島の五日市駅での第2波ストライキに立ち、計5波のストライキを叩きつけました。
 岡山交流センターの仲間は、朝の職場ビラや宿舎ビラ、駅前街宣や支社包囲デモに山田君ととともに連日決起しています。JRで働く青年労働者を始め、あらゆる労働者の怒りを山田君の闘いへと合流させるべく、岡山交流センター会員も奮闘しています。岡山マスカットユニオンの仲間も、動労西日本の闘いを自らの闘いとして毎回かけつけています。

▼クラレ子会社との団交で怒り爆発
 マスカットユニオンは誕生して2年。まだまだ試行錯誤の連続のユニオンですが、労働相談を通じて参加する仲間も増え始めています。
 先日、国内有数の繊維メーカー・クラレの子会社と第1回の団体交渉を行いました。悪質・執拗なパワーハラスメントと労働災害による解雇を撤回させる闘いです。40年以上、ひたむきに働いて定年を迎え、継続雇用中のAさん。時給670円という岡山県最低賃金でこき使われたうえ、粉塵のひどい倉庫作業でぜん息を患い、机を奪われキャビネットの上でPC作業をさせられて腰痛が悪化、さらに上司の度重なる暴言によって心的外傷後ストレス障害を受けた女性労働者の相談でした。「人間として扱われていないと感じて黙っていられなかった。元の体に戻してほしい」。血を吐くようなAさんの訴えに、私も胸の震えを抑えられませんでした。「3カ月更新の雇用契約はすでに切れたので、雇用関係にはありません」と言い放つ会社に対して、組合員の怒りは爆発。ただちに労災申請を行い、解雇撤回に向けてあらゆる闘いを展開する決意です。

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 2月27日に行われた第9期労働学校実践講座(テーマ「戦後労働運動史」 講師 藤村一行)の受講生の感想文を紹介します。

●医療労働者
 労働運動の流れの中で「党」のもつ意味の大きさを何となく理解できた(しはじめた)かなと思います。
 戦後の革命期における「日本共産党」のあり方をめぐって、労働運動が右側になっていきますが、実はその「日共」のあり方はまったくグズグズだった。(中略)この10年間からもっと教訓を引き出し学ぶことは、実際、革命情勢やゼネスト情勢になったら必要なのではないかと思いました。
 結局、「労働者党」の問題に行きつくことなんだと分かります。理屈は分かりましたが、現実をつくることは容易ではないですね。しかし、これなしに革命もないんだと思いました。
●教育労働者
 55年体制は自由党と民主党の保守合同により、資本家の戦後支配体制の確立という認識でいたが、今日の講義から、これを下から変えたのが労働組合の右への堕落と裏切りであったことが分かった。
 敗戦後の労働運動が労働者階級の怒りの中から次々に生まれ、広範な闘いとなり、多くの労働組合が生まれて、国鉄、全逓のような今の4大産別の基礎となる流れができたこと。その中で、あくまでも労働者階級を裏切り続ける日共スターリン主義の存在があったこと。しかし日共でも青年労働者党員は果敢に「産別会議」をつくりとげたことなど、戦後の労働運動黎明期の息吹が新鮮に身近に感じられました。
 それが、中国革命、朝鮮戦争下にレッドパージを前後して国鉄10万人首切りの大攻撃の前に闘う方針を出せない労働組合幹部の裏切りによって、労働者の闘うエネルギーは圧殺され、解雇された組合員の誇りも職も生活も奪われたまま放置されてしまい、労組の体制内化によって、55年体制が確立した! (中略)反合理化、保安闘争は労働者の極限的根源的生存を脅かすものとの対決だ。動労千葉労働運動のこの原点に立ち返り、学校現場への教師聖職論を下地にしたサービス残業の強制、非正規職化攻撃を明らかにして、闘いを組織していきたい。
●医療労働者
 資本の合理化との闘いが世界大恐慌情勢の中、労働者の生存そのものをかけた闘いとなる(中略)。「経営を守れ」はあらかじめ私の職場にあった思想ではありません。「経営を侵さない範囲で、もっと労働者によこせ」というようなものでした。それが今、労働組合の側が「正確な経営分析に基づいて的確な改善方針を!」とか「労組として経営実態について学び、経営改善策を提案しよう!」と言っている。労働者を売り飛ばして、ついには資本に完全に縛りつけようとする、この思想と対決する闘いをしたいと思いました。
 そして、こういう「屈服」に手を染めず、労働者の団結にかけきってきた労働組合の闘い方、そこに貫かれているものは何なのか!!ということを今日の講義を聞きながら考えました。
 考えたこと……まず、合理化との闘いである! しかも実践を伴うこと。そして敵の矛盾をつき、労働者の階級性と正義性、今日先生が言っていた「労働者として生存するための合理性」の否定との対決という根源的であることを貫くものであることが合理化との闘いで、団結し、勝利していくために重要。それから資本の攻撃に対してキャンペーンに対して、絶対に小さくならないこと。この総括においても正義性をもって、しかもその攻撃に団結で勝ちぬいた!と総括できるような闘い方、反撃をすること。やはり、結局は労働者が団結したら勝てる!とか、闘えば勝てると思えることに指導部が責任をとれるかどうか、ということだと思いました。

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第10期労働学校日程

■基礎講座
 4月17日(土)13:00〜
 ◆賃労働と資本 ◆講師 天野浩二(社会問題研究家)

■実践講座
 4月24日(土)13:00〜
 ◆労働法制改悪と外注化・非正規化攻撃 ◆講師 岩倉芳之

■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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●労働ニュース(2010年2月16日〜3月15日)

●労使紛争 平成で最多
 中央労働委員会は24日、09年に全国の労働委員会があっせんや調停を行った集団的労使紛争は733件で前年より32・7%増え、平成に入り最多だったと発表した。賃金に関するものが346件(前年比38・4%増)で最多。次いで経営・人事に関するものが313件(同40・9%増)で、このうち解雇が191件を占めた。過去最多は74年の2249件。
アフガン 米兵死者1000人に
 アフガニスタンやイラク戦争での犠牲者数を集計している米国の民間組織「アイカジュアルティーズ」は23日、アフガン戦争での米兵死者数が01年の開戦からの通算で1000人に達したと発表した。
オバマ氏表明 日本へ圧力強化か
 オバマ米大統領が11日、今後5年で輸出を倍増する「国家輸出戦略」を発表し、アジアに米国製品を売り込む姿勢を鮮明にした。
ギリシャ またゼネスト
 財政危機に陥ったギリシャ全土で11日、政府の緊縮策に反対して、官民の2大労組連合組織による24時間ゼネストが行われた。組合員総数は人口の約4分の1、約27
5万人で最大規模のゼネストとなり社会機能はまひ状態となった。
自民「反執行部」の動き続々
 7日の報道によると、自民党内で議員グループの活動が活発化している。与謝野元財務相は谷垣執行部批判を行う一方、約30人の会派を結成し、鳩山邦夫元総務相らとも急接近。舛添前厚生労働相も上げ潮派と研究会を立ち上げた。
経団連「献金関与せず」発表
 日本経団連は8日、政党に対する企業・団体献金の目安として実施していた政策評価を中止し、献金への関与をやめると発表した。
核持ち込み「密約」認定
 日米間の4つの「密約」を検証してきた外務省の有識者委員会は9日、岡田外相に報告書を提出。報告書は、最大の焦点だった60年の日米安保改定時の「核持ち込み」など3点を「密約」と認定した。
民公接近 着々と
 民主、公明両党は10日、鳩山政権が今国会の最重要法案として位置付ける子ども手当支給法案の修正で合意した。参院選後を展望し民公が着々と連携を進めている。
日弁連 異色の新トップ
 10日、日本弁護士連合会の次期会長に非主流派の宇都宮健児氏が
9720票を獲得し、8284票を得た山本剛嗣を破って選ばれた。地方や若手に高まる「弁護士の過剰」への危機感が、法曹増員反対を掲げる宇都宮氏を押し上げた。
朝鮮学校 無償化除外へ
 鳩山内閣は11日、4月に実施予定の「高校無償化」を巡り、朝鮮学校を制度の対象から除外する方針を固めた。
人道目的なら武器輸出解禁
 14日の報道によると、防衛省は、人命救助などの人道目的で用いる防衛装備品を、原則すべての武器輸出を禁じる「武器輸出3原則」の適用外とする検討を始めた。
名護市議会が反対決議
 普天間基地移設問題で、同県名護市議会は8日、政府内で有力となっている米軍キャンプ・シュワ
ブ陸上部への移設案に反対する決議と意見書を全会一致で可決した。
日航、給与5%下げ提案
 会社更生手続き中の日本航空は17日、従業員の給与5%引き下げや年間一時金の支給見送りを柱とする10年度の賃金制度改定案をまとめ、8つの労働組合に提示。年300億円の人件費削減を見込む。
「働き盛り」賃金大幅減
 厚労省が24日発表した09年の賃金構造基本統計調査によると、35〜39歳の正社員の平均賃金は前年比3・4%減の31万600円となり、年齢階級別で最も減少幅が大きいことがわかった。
失業率0・3改善4・9%
 総務省が2日発表した1月の完全失業率は、前月より0・3低い4・9%で、10カ月ぶりに4%台に回復した。
失業給付 6年ぶり高水準
 8日の報道によると、雇用保険から失業者に払われる失業給付の総額が09年度に1兆円を大幅に上回り、6年ぶりの高水準となる可能性が高まっている。
JR不採用 政治決着へ
 4日の報道によると、87年の国鉄分割・民営化に反対した国労の組合員ら1047人がJRに採用されなかった問題を巡り、与党3党と公明党の実務担当者が3日、政治決着に向けた素案をまとめた。解決金として1人当たり平均1650万円、生活保証金として1人当たり平均1300万円など、総額287億円を支払う。
民主資金 支える連合
 8日の報道によると、連合傘下の労働組合や関連政治団体が06〜
08年の3年間で、自ら擁立・支援する民主党の国会議員35人に対して、政治献金などにより、計10億
6千万円を資金提供していたことが、朝日新聞の調べでわかった。
北教組に4度目捜索
 民主党の小林千代美衆院議員陣営に北海道教職員組合側から1600万円の違法な選挙資金が流れたとされる政治資金規正法違反事件で、札幌地検は8日、北教組本部の入る北海道教育会館に4回目の捜索に入った。
定昇はほぼ維持
 10春闘の労使交渉で自動車、電機など大手製造業各社ではベースアップ要求を掲げる労組は富士重工業など少数派。多くの労組は定期昇給維持・確保を求め、最終的には要求通り定昇はほぼ維持される見通しだ。
保線中に事故死 安全管理に問題
 兵庫県明石市のJR山陽線で昨年2月20日、保線作業をしていた男性が快速電車にはねられて死亡する事故があり、運輸安全委員会は26日、作業を指示したJR西日本の安全管理体制に問題があったとする報告書を公表した。
日本郵便赤字に 合理化が課題に
 日本郵政グループの郵便事業会社の10年3月期の単独決算は、7年ぶりとなる179億円の最終赤字に陥る見通しに。人員や集配拠点などの合理化は待ったなしだ。
ボルト忘れた社員3人処分
 東海道新幹線で1月29日に架線が切れ、停電した事故で、JR東海は26日、原因となる作業ミスをした男性社員3人を出勤停止5日などとする処分を発表した。  
新しい公共「医療・介護に」
 鳩山首相は3日の参院予算委員会で、めざす社会のあり方として掲げた「新しい公共」の具体的な内容について、「例えば、医療、介護、子どもの育ちで、今まで『官』が行っていたものを、『民』が社会の中で支え合うシステムをどう作り上げるかだ」と説明した。
「平成の大合併」一区切り
 9日の報道によると、「平成の大合併」と呼ばれた政府主導の市町村合併運動が、3月末の現行特例法の期限切れで一区切りとなる。3232あった市町村数は1728に減る。
教員の違法な政治活動 罰則法案
 自民党とみんなの党は10日、教員が違法な政治活動をした場合、3年以下の懲役か100万円以下の罰金を科せられるようにする教育公務員特例法の改正案を衆院に提出した。
懲罰で日勤教育 JR西敗訴確定
 ささいなミスを理由に懲罰的な日勤教育を受けさせられたのは不当として、JR西日本の運転士ら3人が損害賠償を求めた訴訟で、11日、最高裁が上告棄却を決定し、JR敗訴の二審・大阪高裁判決が確定した。
仕分け第2弾 4月下旬
 政府の行政刷新会議は11日、首相官邸で会合を開き、4月下旬から独立行政法人と政府系公益法人を対象にした事業仕分け第2弾を実施することを正式に決めた。
自治体財政に開示指針
 13日の報道によると、総務省は地方自治体に対して、住民にわかりやすい財務書類を開示するよう求める指針をまとめた。自治体が住民への説明を重視し、非効率な予算を見直したり、行政コストの削減に乗り出すように促すのが狙いだ。
都営交通 外部委託見直しの動き
 13日の報道によると、東京都交通局は10年度から、都営地下鉄の駅員業務の外部委託をこれ以上進めないことにした。協力会労組によると、同会の職員約500人中400人を占める1年有期の契約職員は、交通局採用の駅員と比べ、年収は半分以下の250〜300万円で、この7年で35%が退職しているという。
「定年まで公務員」骨抜き
 14日の報道によると、鳩山政権の公務員制度改革について、天下りのあっせん禁止で給与の高い50
歳代が増えれば、人件費の膨張や新卒採用の抑制などにつながりかねないと懸念の声が広がっている。
市場化テスト3倍に
 14日の報道によると、政府は「市場化テスト」を加速させ、11年度から道路やダム、河川の管理業務などに対象を拡大。事業費ベースで自民党政権時代に比べ約3倍の1千億円強にのぼる見込みで、数百億円規模の予算削減を目指す。

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■JR体制打倒の青年労働者の総反乱を切り開こう
尼崎事故弾劾! 4・25全国総決起集会に集まろう

関西労組交流センター

 本年の尼崎事故5カ年弾劾の闘いは、労働者階級の命運かけた第2次国鉄決戦のまっただなかで闘われる。1047名闘争解体攻撃、車両検修全面外注化決戦、動労千葉・動労水戸への組織絶滅攻撃等々、24年目に入った国鉄分割・民営化との大攻防の決着をかけた決戦が、一切合切集中した中で闘われるのだ。すべての決戦に勝利し、第2次国鉄決戦の勝利を切り開くものとして、本年の尼崎闘争を打ち抜こう。
 われわれは、1〜3月の4波の動労千葉ストライキを先頭に国鉄決戦を圧倒的に打ち抜いた。車両検修外注化の4月実施を完全にぶっ飛ばした。24年間で初めて、JRの合理化計画を実力阻止したのだ。車両検修外注化という究極の合理化攻撃を打ち破って、青年労働者と大合流していく大きな展望を手にしている。JR労働運動に巣くってきたJRとJR総連結託体制を崩壊させ、われわれこそがJR労働運動の主流派として躍り出て、JR体制打倒を実現していく確信をつかんだのだ。われわれこそが、大失業と戦争の民営化・道州制攻撃を、反合理化・運転保安闘争で粉砕し、職場支配権を打ち立て、階級的労働運動が、労働運動の全体の政治地図を塗り変えて、2000万青年と6000万労働者を獲得していくことができるのだ。24年目の国鉄分割・民営化攻撃に革命的決着をつけ、国鉄決戦で革命を切り開こう!

●JR体制打倒の青年労働者の総反乱を!
 第1に、われわれは、4・25尼崎現地闘争をJR体制打倒の青年労働者の総反乱を組織する闘いとして打ち抜く。
 尼崎事故を引き起こし、この「決着」をつけることができないJR西日本は、大恐慌の直撃を受けて、破産的事態になっていた。収益が前年比の9割しか上がらない事態になっているのだ。山崎正夫社長起訴を受けた、新社長・佐々木隆之の新体制は、この危機を突破することにかけてきている。尼崎事故に反動的な「決着」をつけ、職場に大合理化攻撃をかけようとしている。
 10年4月実施のJR支社体制の再編と職場の合理化・事業所の廃止攻撃こそ、その始まりだ。
 事業所廃止にあたって「採算のとれない職場は廃止する」「会社の役に立たない、利益を生まない社員はいらない」と強弁した。大合理化・首切りの宣言そのものだ。JR東の車両検修全面外注化攻撃と同様の大合理化攻撃が、労働者に襲いかかろうとしている。JR西日本は、尼崎事故を完全に居直り、「儲ける」(尼崎事故時のJR西日本大阪支社のスローガン)路線をさらに凶暴に推進しようというのだ。尼崎事故の高見運転士を始め、伯備線事故で触車死亡した青年労働者、禁固刑で解雇された青年等々、青年労働者をさらに分断と競争に叩き込み、非正規職に置き換えて、その犠牲のうえにJR体制を延命させようとしているのだ。青年労働者のJR体制の怒りは蓄積し、爆発することは間違いない。
 JR西日本は、3月31日付で動労西日本・山田副委員長への雇い止め解雇攻撃をかけてきている。絶対許されない攻撃だ。しかし、これは岡山駅の青年を組織してきた山田副委員長を1日たりとも職場に置いておくわけにはいかないJR体制の危機を示している。5年でクビの契約社員制度廃止を掲げて決起した動労西日本の闘いは、青年労働者の心を完全につかんでいる。だからこそ、職場から追い出す以外にないところに追い詰められているのだ。
 昨年12・3JR西日本弾劾包囲闘争は、分割・民営化以来の初めての闘いとして打ち抜かれ、青年労働者の心をガッチリと捉えるものとなった。2・1からの動労千葉ストライキにあわせて取り組まれた4回のJR総行動には、「仕事中にビラを配るな」「受け取るな」というJR当局の悲鳴と弾圧を突き破って、無数のビラがJRに配布され、JRの労働者に圧倒的に歓迎されている。1回目より2回目、2回目より3回目と尻上がりに受け取る労働者が増えているのだ。その中で、青年労働者の独自のJR労働者への組織化の闘いが始まっている。画期的地平だ。東西の4・1入社式闘争から、4・25に向かって、JR体制を打倒する青年労働者の総反乱をつくりだしていくのだ。
●「和解案」を粉砕し、新たな国鉄闘争陣形を作り出す大運動を!
 第2に、1047名「和解案」という国労解散の大攻撃を粉砕し、動労千葉に続く階級的労働組合として、国労を再生していく闘いだ。
 1047名「和解案」は、国労解散・JR連合化をもって、戦後労働運動を大再編させ、労働運動の根絶を狙う大攻撃だ。4・25尼崎闘争は、国労解散攻撃を粉砕し、国労本部と「4者・4団体」一部指導部を打倒する闘いだ。腐った連中を国労から叩きだし、1047名闘争を生まれ変わらせていこう。
 3・20ワーカーズアクションにおいて、動労千葉田中委員長から「87年の分割・民営化に次ぐ重大事態だ。23年の闘いの結論が国労解散とはあり得ない。動労千葉はこの局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないとの全国運動を呼びかけたい。ここに数千万の労働者の怒りの声を結集させよう」と提起された闘いを、実践していくのだ。
 これは同時に、国労西日本や近畿地本に巣くう共産党・革同指導部を打倒する闘いだ。共産党・革同は、1047名闘争解体・国労解散の確信犯的首謀者だ。共産党・革同指導部は、JR西日本の3・18国労春闘行動での挨拶で、「連合とは一致することが多い」と強調している。国労解散・JR連合合流に舵を切っているのだ。
 96年「8・30」申し入れは、共産党・革同によって画策され、「2000年4党合意」の流れをつくった。2002年5・27弾圧を主導したのも共産党・革同だ。さらに、JR西日本の尼崎事故を契機につくった、JR体制を支える労務機関の「労使安全会議」(JR西労組・国労・全動労とJR西日本)の支柱こそが西エリア本部と近畿地本の共産党・革同だ。
 このように共産党・革同こそ、一貫して1047名闘争解体・国労解散の先兵であり、JR体制護持の最も凶悪な手先なのだ。この共産党スターリン主義反革命との一大党派闘争をやりぬいて、われわれ動労千葉派が国労を階級的に再生させていくのだ。5・27闘争を闘い、勝利してきたわれわれこそ、1047名闘争を革命的に発展させることができるのだ。
 すべての皆さん!
 4・25尼崎現地闘争に総結集しよう。検修外注化攻撃として始まったJR体制との非和解的死闘を青年労働者の総反乱として勝利しよう。そしてこの闘いの中から新たな国鉄闘争陣形をつくりだそう!国労をわれわれの手でつくりかえ、労働運動大再編を革命的に推進しよう。

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尼崎事故弾劾! 4・25全国総決起集会

 ●尼崎事故弾劾! 反合理化・運転保安確立
 ●1047名解雇撤回! 国労解散・労働運動つぶしの「和解案」粉砕!
 ●車両検修全面外注化阻止! JR体制打倒!
 ●民主党・連合政権打倒!
4月25日(日) 13時開始 JR尼崎駅北口広場/  主催 集会実行委員会 呼びかけ 国鉄千葉動力車労働組合

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普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設絶対反対!4・28沖縄デー集会へ!
沖縄−本土をむすぶ労働組合連絡会 宮里 勝博

●民主党政権への「お願い運動」はやめろ!

 名護市長選は辺野古新基地建設反対派の稲嶺進氏が当選した。沖縄労働者階級の答えは戦後一貫して「日米安保粉砕! 基地撤去!」なのだ。1月26日に平野博文官房長官は記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について「(地元が)合意しなかったら物事が進まないということか。そこは十分検証したい。法律的にやれる場合もあるだろう」と述べ、新たな移設先の自治体が受け入れに応じない場合は、法的に決着させることも可能との見解を明らかにした。それ以降の「普天間基地問題」で政府側から出る「見解」は労働者階級を愚弄する発言ばかりだ。沖縄県民の気持ちを「理解」する姿勢はさらさらないのだ。絶対に許してはならない! そもそも日米安保を容認し、「(安保が)重要な役割を果たしてきた」と言う民主党・連合政権に普天間問題を解決する気持ちはないのだ。民主党・連合は労働者の決起を抑圧している。社民党は政権にすがりついている。日本共産党は「ルールある経済社会」のスローガンを掲げ労働者の決起を圧殺している。資本主義がもう終わりだという時に、すべての勢力が必死に資本主義を救済しようとしているのだ。民主党政権への「お願い運動」はやめろ! 民主党は資本家の手先だ! 民主党・連合政権は労働者の敵だ! 打倒しなければならないのだ!

●日米安保体制の矛盾の爆発

 国際帝国主義の「最弱の環」は日本帝国主義である。経済大国日帝の実態は、米帝の世界支配によりかかった脆弱なものでしかない。日本の帝国主義としての最大の破綻点は、戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にある。世界大恐慌下でその矛盾と危機はいよいよ爆発点に達していく。これが生み出す巨大な情勢を日本革命の勝利に転化することは急務であり、いま眼前で起こっている事態は「資本主義の終わりの始まり=革命情勢」そのものである。
三里塚闘争の再現に恐怖
 民主党・連合政権の矛盾と危機が、普天間基地の移設問題として日々火を噴いている。「県外移設」の幻想を煽った民主党・連合政権があがけばあがくほど、沖縄―本土の労働者階級の怒りの炎に油を注ぐだけである。民主・連合政権は労働者階級の闘いに追い詰められている。
 政府高官は「強行すれば成田闘争のようになる」と言い、三里塚闘争の再現に恐怖している。沖縄―本土の労働者階級の力で13年間、普天間移設・辺野古新基地建設絶対反対を実力闘争で阻止してきた輝かしい地平がここにある。

●基地労働者、青年労働者の決起の開始と4・25県民大会

 世界大恐慌情勢下、沖縄の失業率は上がるばかりだ。沖縄「振興策」では沖縄は豊かにならないことを示している。「基地の島」の現実の中で「食っていけない」時代に対して、基地労働者を先頭とした沖縄基地労働者、とりわけ一切の矛盾を押しつけられている青年労働者の「米軍基地全面撤去!」の歴史的決起は昨年11月8日の2万1千人の労働者の決起で主催者の思惑を超えて、民主党政権への怒りとして開始され、4月25日には県民大会が予定されている。
 「資本主義の救世主」として登場した民主党・連合政権を沖縄闘争の爆発で打倒せよ! 沖縄―本土労働者階級の分断を打ち破り、「復帰」闘争―70年安保・沖縄決戦を超える労働者階級の総決起を実現しよう。

●国鉄決戦の力で沖縄闘争に勝利しよう

 さらに、「検修業務外注化阻止・国鉄1047名解雇撤回!」の国鉄決戦に一切をかけきった闘いに決起しよう! 「5・15体制」=沖縄と本土の労働者の分断体制を打ち破り、労働者階級の団結を甦らせる道筋は、職場生産点での闘いと国鉄分割・民営化に反対し露骨な不当労働行為を受けながらも23年間も闘い続ける1047名の不屈の闘いを共に闘うことにある。検修外注化阻止の闘いは、国鉄労働者の課題であるだけではなく、日帝の民営化・労組破壊の攻撃に対する最先端の闘いであり、全労働者の課題だ。
 「検修業務外注化阻止・国鉄1047名解雇撤回」の闘いこそが、大恐慌と大失業、戦争の時代に日本と全世界の労働者階級の団結をよみがえらせ、沖縄―本土労働者階級を分断し続けてきた沖縄の米軍基地を撤去し、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒を実現する闘いなのである。
 デマとペテンで民主党政権幻想をつなぎ止めることなどもうできない。「国鉄1047名解雇撤回・検修外注化阻止」決戦に総決起し、4・28沖縄デー集会に集まろう!沖縄闘争の爆発で民主党・連合政権を打倒しよう。
 4・25県民大会、4・28沖縄デー、5・15沖縄現地闘争を階級決戦として断固闘い抜こう。「外注化・1047名解雇撤回」「普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設阻止」沖縄米軍基地全面撤去へ、4・28沖縄デー集会、5・15沖縄現地闘争に結集しよう!

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普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地阻止 沖縄−本土の怒りで民主党政権打ち倒そう!

4・28沖縄デー集会

 とき 4月28日(水)午後6時30分開始(午後6時開場)*集会後デモ行進
 ところ 東京・日比谷野外大音楽堂(日比谷公園内)

■沖縄―本土の怒りで民主党政権打ち倒そう!
■一切の移設案反対 沖縄からすべての基地を撤去しよう!
■イラク・アフガン戦争反対 日米安保をうち砕こう!
■改憲国民投票法施行阻止 裁判員制度廃止 改憲をぶっ止めよう!
■国鉄1047 名解雇撤回 外注化・非正規職化絶対反対
 闘う労働運動をよみがえらせよう!
■労働者民衆の国際連帯で、排外主義と対決しよう!
主催 4・28集会実行委員会[構成団体]戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会、とめよう戦争への道!百万人署名運動、沖縄民権の会、婦人民主クラブ全国協議会、国鉄千葉動力車労働組合、沖縄―本土をむすぶ労働組合連絡会、全国労働組合交流センター、法政大学文化連盟、全日本学生自治会総連合(織田陽介委員長)
[連絡先]全国労働組合交流センター(東京都台東区元浅草2-4-10 五宝堂・伊藤ビル5F) 電話03-3845-7461 FAX03-3845-7463

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●読者のページ

●北教組への一大政治弾圧を許すな! 教育労働者部会

 3月22日、札幌地検は、北海道教組委員長代理ら2名を「政治資金規正法違反」で起訴し、団体としての北教組も起訴する暴挙に踏み切った。3月1日に北教組指導部3名が逮捕・勾留され、2月15日以来、北教組会館に4度にわたる家宅捜索が強行されてきた。6
億ものゼネコン献金を受けた小沢は不起訴で、1600万の金を組合財政から出せば「犯罪」なのか! 両罰規定を適用して労働組合を起訴する前代未聞の暴挙は、まさにこの弾圧の狙いが北教組の解体にあることを露骨に示している。
 北教組は、日教組本部の闘争放棄を突き破って06年の教基法改悪反対の国会闘争を牽引し、08年1月には、査定昇給制度導入に反対して24年ぶりのストライキをうちぬいた組合だ。「日の丸・君が代」反対闘争をいまなお原則的組織的に展開している組合だ。産経新聞や地元財界誌は、北教組が保持している職場支配権への憎悪をむきだしにし、「教師は労働者である」「教え子を再び戦場に送らない」の非難に明け暮れている。闘う労働組合の解体を狙った露骨な政治弾圧を断じて許してはならない。
 北教組は、地元北海道の国労闘争団を支援して国鉄1047名解雇撤回闘争を一貫して闘ってきた。この弾圧は、日教組解体攻撃であるとともに、「政治解決」とも連動した国鉄1047名闘争解体攻撃であり、戦後労働運動の戦闘性・階級性を絶滅しようとする攻撃なのだ。
 自民党は、「教育の政治的中立違反だ」「偏向教育だ」と叫び立て、政治活動に刑事罰を適用する教育公務員特例法改悪案を提出した。鳩山首相は、「教師は聖職者であるべきだ」と言い放ち、参院選までに教員の政治活動禁止を徹底する具体策をまとめると表明、川端文科相は、教特法違反の調査を道教委・札幌市教委に指示した。
 そもそも公職選挙法や人事院規則で公務員の政治活動の自由を奪っていること自体、憲法・ILO条約違反であり、公務員を政権党の奉仕者にする攻撃だ。絶対に許せない!
 さらに攻撃の矛先が北教組の「日の丸・君が代」反対闘争に向けられ、文科省が、「国旗・国歌」徹底指導にのりだしたことは重大だ。「愛国心」を盛り込んだ「日本国教育基本法案」といい、「スト参加」や「不起立」で国が免許状を剥奪できる免許制度改革案といい、民主党政権は、自民党以上の「教師聖職者」攻撃、「愛国心」攻撃の推進者なのだ。
 許しがたいのは、北教組弾圧への日教組本部の対応だ。北教組が「不当な組織弾圧」と抗議している一大政治弾圧に対して、日教組が発表したコメントは「深くお詫び申し上げます」という代物だ。小沢の政治資金への捜査や逮捕に対して、日政連会長の輿石は小沢擁護の先兵となり「最後までぶれずに小沢さんを守ったのは俺だ」と胸を張った。小沢を「守る」ことには全力をあげるが、北教組弾圧には一言も抗議せず、権力・反動勢力の攻撃に現場組合員を差し出しているのだ!
 2010年卒入学式闘争は、民主党政権下の労組破壊攻撃との激突となった。北教組弾圧に怒りを爆発させ、東京―全国を貫く不起立闘争をうちぬこう。

●医療センター民営化=売却攻撃打ち破り第2ラウンドへ! 八尾北医療センター労働組合

 労組交流センターの仲間の皆さんに八尾北労組からの勝利の報告をします。八尾北労組は3月31日までに八尾北医療センターを民営化=売却するという八尾市の攻撃を完全に打ち破り勝利しました!
 3月議会で、09年度予算に八尾北の売却のために鑑定・登記・測量の予算を組んでいたことがあらためてはっきりしました。八尾市はこの予算を一切執行できず、不正義をさらけ出し、みじめに敗北しました。
 八尾北労組は3・31を突き抜けて堂々と4月に突入します。そして第2次国鉄分割・民営化決戦とひとつの闘いとして数年がかりの闘いに突入します。
 これに先立つ2月28日には、「国鉄1047名解雇撤回、検修外注化阻止! 民主党・連合政権打倒! 八尾北医療センターの民営化絶対反対、道州制粉砕! 2・28総決起集会」を行いました。東京や広島の仲間もかけつけていただき、250名が会場を埋め尽くし、大隊列で地域デモを行うことができました。この場を借りてお礼申し上げます。
 八尾北労組は解同全国連西郡支部や八尾北命と健康を守る会、地域の労働者、労働組合を「道州制・民営化と闘う共闘会議」に組織し、国鉄決戦を軸とした4大産別決戦の爆発の中で八尾北や住宅民営化絶対反対の闘いの勝利もあると闘ってきました。2・28集会全体をこの路線を貫いた感動的で力強い集会として勝ち取ることができました。特に八尾北労組の青年労働者が司会や決意表明に起ち、「八尾市がここをつぶそうとするなら、僕らはみんなの団結で絶対に闘って勝っていきたい」と、4月からの第2ラウンドの闘いに突入することを宣言したことに勝利の核心があります。
 八尾北労組はただちに3月議会闘争に決起しました。3月4日の末光議員の個人質問と一体で闘い抜いた議会傍聴闘争で私たちは八尾市の自治体労働者と絶対に結びつけると確信しました。「人事評価制度に不安を持つのは自分に評価されて困ることがあるから」と暴言を吐いた八尾市当局を弾劾し抜き、「人事評価制度は現場を生き残り競争、労働監獄に叩き込む攻撃だ。9割を非正規化する道州制攻撃だ。動労千葉は検修外注化=首切りと9割非正規化攻撃にストライキで闘っています。一緒に闘おう」と議場をアジテーションの場に変え、自治体労働者との確かな一体感をつかみとりました。八尾市はすでに08年3月に「公民協働方針」を出し、「行政職員の役割は公共サービスの担い手から、マネジメントとコントロールする役割」の一握りにするとあけすけに打ち出し、その実現のために今年2月から人事評価制度を一般職員に導入(試行)しました。
 2・2の市長抗議行動、2・22健康推進部長抗議行動や議会闘争のたびに八尾市は自治体労働者をピケや弾圧のために動員し、八尾北労組と対立させようとしてきました。しかし、そのたびに八尾北労組組合員が八尾市と非和解であることを確信させ、団結を固める場になってきました。さらに自治体労働者と団結する場に転化して闘っています。自治体労働者の現場には人事評価制度への怒りと不安が充満しあふれ出そうとしています。八尾北労組は闘いの中で共産党を民営化の手先として暴き出しました。人事評価制度に「協議を尽くせ」と反対ではなく、当局と一体となって推進する自治労連・共産党執行部の裏切りを打ち破る労働者の決起を共に作り出していきます。道州制粉砕の第2ラウンドの闘いに突入します。全国の仲間のみなさん。共に闘いましょう。(3月21日 書記長 灰垣美佐子)

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  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

 「サロンじゃないんだぞ!」中野代表のこの言葉が心に残る▼労働者・労働組合を徹底的に信頼・依拠した中野さんの思想と指導路線は誰も否定できない我々が進む道だ▼交流センターが階級の前面に立とうという今こそ。合掌(い)

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Photo Document

2・25千葉  「仮執行宣言」を粉砕したぞ!

千葉地裁・仲戸川隆人裁判長による反対同盟所有の天神峰現闘本部建物撤去、土地明け渡しの反動判決に全国から385人が結集し怒りの弾劾行動に決起。反撃に恐れをなした仲戸川は、「仮執行宣言」を出せなかった。

2・27茨城  社保労組解散を許さないぞ!

平口さんと闘う自治体労働者を先頭に50人が、自治労社会保険職員労組解散大会弾劾行動に立った。会場のつくば国際会議場は、「解散大会は無効だ! 社保525人解雇撤回!」の怒りの声に包まれた。

3・19東京  「定昇なし」方針を撤回しろ!

動労千葉は、「貨物定昇廃止・ベアゼロ攻撃打破」を掲げて第4波ストに決起し、JR貨物で働く地上勤務者は怒りのストに入った。200人の組合員・支援の結集でJR貨物本社(東京・飯田橋)への抗議行動を貫徹した。


 

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