2011年01月号(No.250)目次
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労働者の目 2011年、朝鮮侵略戦争阻止に全国労組交流センターの全てを賭けよ


怒りを日々の糧に〜〈やつら〉のたくらみと〈おれたち〉の反撃(上)大野義文(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、元安芸労働基準監督署長

「子ども・子育て新システム」絶対反対! 保育労働者と団結し、闘う労働組合を甦らせよう! 北島一恵
  事務局長 辻川慎一

資本と悪質弁護士を串刺しにして闘おう! ユニオン東京合同 全日本育成会分会 岡庭千泰
被処分者の陸続たる決起の開始! 「もう一つの国鉄1047名闘争」へ! 社会保険労働者の解雇撤回闘争を支援する会・広島
関西労組交流センター第21回定期総会報告 関西労組交流センター

ひめじょおん−女性部から 新たな女性部がスタート!

労働ニュース ●朝鮮半島有事 韓国に自衛隊派遣打診
青年労働者は団結してたたかおう! OVER REV
展望と課題は限りなくはっきりした!

読者のページ  

・●マンガ /編集後記
 

 労働者の目2011年、朝鮮侵略戦争阻止に全国労組交流センターの全てを賭けよう!

代表運営委員 ス労自主中央執行委員長 入江史郎

 朝鮮侵略戦争が開始されました。「戦争と大失業」情勢は待ったなしです。
 6カ国協議が朝鮮侵略戦争を中止できるわけではありません。オバマ大統領や米国議会がアフガニスタン−イラク侵略戦争を終わらせられるわけではないのです。
 私たちにかかっています。私たち労働者の団結と闘いのみが、この侵略戦争を阻止できるのです。中止させることができるのです。朝鮮侵略戦争阻止の最前線は職場です。自分の職場です。そこにおける職場闘争です。
 そして、それを全国につなげる闘いが決定的です。60年安保−三井三池闘争がそうでした。70年安保−ベトナム反戦、沖縄闘争が、三里塚闘争が全国の闘いをひとつにつなぎました。
 国鉄分割・民営化反対闘争も、全国の闘いや運動をつなぐ闘いです。そう考えたとき、「4・9政治和解」攻撃の反動的意味も一層鮮明となります。それは、全国の闘いと運動をバラバラに断ち切る攻撃としてあったのです。
 だから、私たちが動労千葉とともに「国鉄闘争は決定的でした。
 決して気負っているのではありません。私たちにかかっているのです。戦争反対を語り、批判しているだけではすまない情勢に入りました。戦争は職場を、役所を、企業を、家庭を侵略戦争のために組織し、組み敷いていきます。最後は、労働者と労働組合の行方が一切を決めます。
 2011年、朝鮮侵略戦争を絶対に阻止するために、全国労組交流センター結成22年の全てを賭けて、労働者人生の全てを賭けて、国鉄闘争全国運動を自分の職場でつくりましょう。声を上げましょう。勇気を出して!

(写真 反戦共同行動委員会主催12・3朝鮮侵略戦争阻止の緊急闘争に440人【東京・渋谷】)

 

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■歴史的転換点としての2011年に労働組合をラジカルに甦らせよう!  事務局長 辻川慎一

●大恐慌と戦争の時代に起きていることを、歴史と社会の主人公として鋭敏に捉えよう!

「和解」攻撃を根本で打ち破った「国鉄闘争全国運動」

 全国の仲間のみなさん! かつてない展望に満ちあふれる決戦の年、明けましておめでとうございます。
 昨年は、3月の中野代表の逝去、大恐慌と大失業下での闘争放棄を強制する国鉄1047名闘争の「4・9和解」攻撃から、11月集会、訪韓、APEC闘争、そして年末の「釣魚台(尖閣列島)」「延坪島」での「領土」「戦争」をめぐる衝撃的事件に至るまで本当に大激動と試練の年になりました。民主党・菅政権の発足は、日共や社民をはじめとする体制内左翼勢力が「総翼賛・総転向」し、日帝ブルジョアジーの「救済者」として労働者階級に屈服を強要する転換点になりました。
 「4・9和解」は、この歴史的転換の突破口をなす攻撃でした。それは、根本的に「世界大恐慌と戦争」にいかなる態度を取るのかと同一の問題であり、「労働者階級への蔑視」、革命的存在であることの否定の帰結でした。これに対して私たちは、労働者階級こそ帝国主義とスターリン主義による戦後体制を根本から打ち破る革命的存在であり、大恐慌と戦争の時代の核心問題が労働組合をめぐる闘いにあることを捉え切ってきました。そして、青年労働者と共に4者4団体派をとことん批判し抜き、彼らの階級的本質を暴露し、その影響をそぎ落としてきました。重要な点は、こうした闘争が青年労働者の共感と主体的決起を生み出してきたことです。青年労働者の現状に本質的に「和解」などないからです。
 こうした闘いの地平の上に、6・13集会をもって開始された「全国運動」の前進が切り開かれてきたのです。さしあたり私たちがどんなに小さくても、「4・4派」の屈服の核心を突き、日本労働運動の現状を突破するための階級闘争の構図を明確にしてきた点に「6・13」と「全国運動」の決定的意義があったということです。

「労働組合の復権」を切り開いた2010年闘争

 この過程は、一昨年9月の「リーマンショック」をもって鮮烈になった世界大恐慌突入下での「大失業と戦争の時代」に対して、労働組合とその指導部はどうあるべきかという課題が実践において厳しく問われる過程でした。これを昨年2月総会で「これまでの延長で自己を維持しようとすることの破産性」と表現しましたが、実践的には、それは、民主党・連合政権による「戦争と民営化・外注化・労組破壊」に対して「全国運動」を運動的対抗軸に「労働組合を復権させる」ための苦闘としてありました。
 そして「労働組合の復権」を日本労働者階級の深部に、全国的に打ち立ててきたこと、「4・4派」をはじめ体制内左派の総転向と攻撃に対し、動労千葉、関西生コンを先頭にした決定的な闘争を通じて労働組合の復権を果たしてきたこと。これらの点にこそ11月集会と10年決戦の核心的勝利があるのです。ここを深くつかみ取ることが決定的です。総括もまた、これまでの延長で行わないということです。

激動期の試練に挑み、本物に飛躍してきた2010年

 さらに、こうした「大恐慌、大失業と戦争」「民営化・外注化と労組破壊」という時代認識と階級攻防の核心をはっきりさせることで、生起する事態の本質をつかむことに成功し、闘う路線と階級的対抗軸を打ち立てることに勝利してきた点が極めて重要でした。つまり、歴史的攻撃や大事件の発生に対して動揺することなく闘い抜き、求心力を強めてきたということです。道州制・公務員労働運動解体攻撃、JR東の検修全面外注化と4・9和解反動、G20とAPEC、〈釣魚台〉と〈延坪島〉等々一つ一つの歴史的攻撃と事件を階級攻撃として明確に捉え、「団結と労働組合運動の強化」による階級的反撃を組織することができました。
 中野さんは『甦る労働組合』(発行 編集工房 朔/08年10月刊)で、「激動期にこそ偽物と本物が明確になる」と言っています。一つ一つの現象や事件の衝撃性に惑わされず、そこに敵階級の危機からくる攻撃の本質を見抜き、根本的路線的に対応することが重要です。北朝鮮であれ、米帝であれ、戦争を、常にその独裁体制の維持と強化に使ってきました。「恐怖」や「不安」を使った階級支配という究極の攻撃に対して、その本質を明確にすることにより、人間的積極的に対応することができるのです。

●2011年決戦の核心問題は労働組合と青年部運動を甦らせることにある!

「労働者と労働組合の軽視」との断固たる闘争へ!

 以上のような諸点を昨年の核心的総括としたとき、11月集会で過去最大の結集を実現したことの決定的勝利性と同時に、万規模の結集を実現する道がどこにあるのかが明確になります。
 核心問題は、「労働者と労働組合の軽視」というマルクス主義の根本思想と路線をめぐる闘争にあります。大恐慌と戦争の時代−プロレタリア世界革命の時代とは、「労働組合をめぐる死闘」の時代です。このことを従来の延長で体制内的に捉える甘さや路線的曖昧さに対して、自己と運動において厳しく対決していくことが必要です。
 10年決戦での菅民主党・連合政権による労働組合の体制内的解体に対する労働組合の復権の闘争は、青年を先頭とした全国の労働者の労働組合をめぐる闘争への創造的決起を呼び覚ましました。同時にこの労働者階級の決起を軸に、新自由主義的市場原理による民営化・規制緩和が、労働者階級大衆の生存の一切を資本によって食い物にすることに他ならないことが明確になりました。労働者階級だけでなく「ブルジョアジーと寄生的富裕層以外」の勤労大衆と新自由主義諸施策の関係もまた、明確に非和解になって来ている点に現在の特徴があります。「戦争と民営化−労組破壊」との闘いが全人民的基軸性を深めています。「戦争も民営化も絶対反対!」が労働者階級のみならず全大衆の声になってきているということです。
 こうして労働者と労働組合をめぐる攻防が、一層決定的に体制の打倒か延命かをかけた基軸的闘争になっているのです。その死闘性について明確につかむ必要があります。

「絶対反対」は労働組合をめぐる闘争を通じてのみ貫徹できる

 ところで、「絶対反対」はいかに貫かれていくのかに路線問題の核心があります。「絶対反対」は、「労働者が階級的に団結して闘う」以外に貫徹できない点に核心があります。私たちは、「体制内反対派」でも「体制内良心派」でもありません。そうしたあり方は、現在と資本主義的諸関係に従属した自分の肯定に他ならず、団結と共同性に対する敗北主義から出ています。「大恐慌と戦争」の時代において、労働者階級だけでなく全ての働く大衆と現体制が急速に非和解的関係になっています。それにもかかわらず、現体制を前提とした発想や行動しかできず、「従来の延長上にしか自分や運動を描けない」ことの中に時代的破産があるのです。「大恐慌と戦争」「民営化・規制緩和」に対する「絶対反対」の闘争とは、労働者階級が労働者党と労働組合の闘争に断固として立ち上がることを通じてのみ貫徹できます。そして諸大衆の闘争は、労働者階級の階級的団結と決起に結びつくことで勝利の展望を切り開き、絶対反対性を貫くことができます。それを実証しているのが、動労千葉の歴史です。
 要するに「絶対反対」と「階級的団結」は不可分一体であり、大恐慌の時代だからこそ、鮮明に決定的路線的土台に据えられなければならないのです。「絶対反対」を貫くためには、職場全体・地域全体−全国全世界を獲得しなければならない。そしてそれは、労働組合をめぐる攻防を通して労働者階級を獲得し、労働組合をもって全大衆を獲得していくという構造をとって貫徹されます。労働者の存在と共に労働組合こそ革命的組織的武器なのです。ここに帝国主義とスターリン主義が、その世界的労働者大衆支配のために歴史的かつ徹底的に解体してきた核心問題があります。だからこそ労働組合をめぐる「帝とスタ」との攻防は、死闘になるのです。

ブルジョアジーとスターリン主義の労働組合観を払拭しよう!

 こうして見たとき、これまでのわが組織の根本問題は、新たな労働組合のセンターを目指しながら、労働組合をこれまでの体制内的維持=資本主義的物質的イデオロギー的支配の延長線上におくことで決定的に軽視してきたという点にあるのではないでしょうか。私たちは、労働者を現在の社会に組み敷くための「新たな労働組合運動」を展開しようとしてきたのではありません。労働組合は、「労働者階級の自己解放」に基づく「積極的参加」を土台としてこそ、その革命的役割を果たすことができるのです。
 帝国主義や反革命との闘争において、労働組合を軍隊と位置づけ「上意下達」を至上化したところに、スターリンに対するトロツキーの思想的組織的敗北がありました。労働組合が労働者大衆の外側につくりだされた権威や権力による「上意下達」によって勝利し、階級的に発展していくなどということは帝国主義とスターリン主義による戦後支配体制が生み出した幻想でしかないのです。
 労働者と労働組合がその程度のものだとすれば、74〜75年恐慌下で本格的に始まり、帝とスタの制動を根本的に打ち破って来た動労千葉の歴史的闘争の革命的地平はなかったでしょう。中野さんが、動労千葉の組合員と共に実証してきたのは、労働者と労働組合の根本的革命的可能性にあります。

労働組合を通じて労働者のスクラムを固めよう!

 「労働組合をめぐる死闘」の軽視とは、全国の仲間が闘わなかったなどということではありません。むしろ全力で闘い切ったからこそ、攻防の焦点をつかみとることができたのです
 全体では過去最大結集を実現した11月集会で、いわゆる4大産別は現状維持ないし微減でした。その中で、動労千葉組合員の結集の多さが際立っています。この結果は、まさに国鉄を基軸とする4大産別において労働組合をめぐる死闘が展開されていることの証拠です。
 問題は、直接の結果ではなく、路線的核心を貫き切れていたかどうかです。労働組合をめぐる絶望的とも思われる生々しい攻防を不退転に貫き、労働者とのこれまでの関係の転換を切り開いたところでギリギリ勝利しています。私たちがつかみ取ってきているのは、ブルジョアジーや体制内勢力、マスコミやインターネットではつかみ取れない生きた現実であり、社会そのものの実相です。
 ひとつの山を越えたと思ったら、次の大きな山が見えてくる。こうした試練を、互いに「非難し合い」「傷つけあう」ことではなく、「高め合い」「預け合う」ことで最大限の力を発揮し勝利し抜いていくこと。そのために味方同士の細かな配慮をすること。そのスクラムの中で、共同性−団結、勢力−組織が生み出されていくのです。
 私たちは、労働組合の闘争を通じた労働者の組織化によって社会全体をつかもうとしています。団結と組織だけを武器とする社会の現実との闘いの決定的武器が、労働組合運動です。労働組合を根底的に奪還する過程こそ革命の過程です。こうした展開を、「サンジカリズム」(過激労働組合主義)と批判する勢力がいます。しかし、こうした批判と逆に、労働者階級自己解放に基づき、労働組合を根底的革命的に位置づけられないところに「サンジカリズム」の問題性があります。要するにマルクス主義の否定だということです。
(写真 5900名が結集した昨年11・7全国労働者総決起集会)

青年をめぐる階級的死闘へ!

 資本は、この世の中で最も美しく輝くものを餌食として増殖し、さらにその破壊性を強めていきます。美しく輝くものとは、生命力に他なりません。子どもたち、そして青年たちは、生命力に満ちあふれているからこそかけがえがなく、すべからく美しい。だからこそ資本による搾取と収奪、抑圧の対象になるのです。資本主義の危機の矛盾は、青年に集中します。資本主義は、自然と人間の生命力を奪うことで成立しています。これに対して人間の生命力を活かす運動と組織こそ、資本主義に対する根底的批判の実践です。だから、人間を人間として「殺す」のではなく「活かす」運動や組織でなくてはならないのです。それは、道徳やイデオロギーという観念の世界ではなく、資本主義とこれとの共存を「社会主義」とするスターリン主義および体制内勢力との闘争を通じて人間的共同性・団結を打ち立てていく闘いの中で形成されます。
 私たちは、これを労働組合を武器にして実現していくのです。労働組合は、会社を守るための「安全弁」でも、おこぼれをちょうだいするための組織でもありません。労働者が人間らしく生きていくために不可欠の組織であり、資本主義社会を根底から打倒し、未来を生み出す組織なのです。労働組合をそのように位置づけ切れたとき、労働者そのものの根底的力と階級性が開示されます。従来の労働組合観の一切が、帝国主義とスターリン主義によって根底から歪められているのです。ここをつかみきることが重要です。 
 労働者観や労働組合観の歪みに対する根本的回答が、『甦る労働組合』にあります。中野洋と動労千葉が歴史的闘争を通じてつかみとった結晶が『甦る労働組合』です。これを、いま最も必要としているのが青年労働者であり、彼らの命の輝きを最も輝かせるのは労働組合運動なのです。私たちの運動の中で、もし、彼らが輝いていないとすれば、その運動展開に問題があると見るべきです。彼らが活き活きと活躍できているかどうかが、私たちの運動が健全かどうかの指標なのです。

●2011年決戦の戦闘的組織布陣をとり、直ちに春季決戦へ!

時代の転換点において戦後体制を根底的に批判しよう!

 大恐慌―大失業と戦争―革命の時代とは、帝国主義とスターリン主義が共存して労働者階級の革命的闘いを鎮圧することによってのみ成り立ってきた戦後世界体制の根本的崩壊の時代の到来です。
 第2次世界大戦後の帝国主義体制は、労働者階級の闘いをねじ曲げ、潰すことで辛うじて成り立ってきました。帝国主義は、スターリン主義に助けられることで、米帝主導による再編を貫くことができました。日本帝国主義もまた、米帝による戦争責任問題の根底的曖昧化によって延命してきました。日本の帝国主義者は、誰一人、戦争の責任を取ることなく、米帝の戦後政策に乗ることで労働者階級大衆の怒りをかわし延命したのです。
 その過程は同時に、日本共産党が労働者の闘争を敗北させ、戦争を許した責任をも曖昧にする過程として進みました。日共の〈米占領軍=解放軍〉規定とは、米帝主導の戦後政策=革命の鎮圧に乗ることで政治的に延命した象徴です。日帝も日共も、戦争と革命の責任を曖昧にすることで「延命」してきたのです。労働者大衆に対するこの「ごまかし」が戦後体制を規定しています。日本の支配階級、そして体制内勢力の脆弱性の根本問題がここにあります。戦後的体制内勢力の嘘と虚構が、時代と労働者階級大衆の桎梏になっています。
 だからこそ労働組合の思想と運動において、現在の関係性を維持するために労働者階級の根底的存在性と戦闘性を解体する嘘と虚構を打倒しなければならないのです。この核心点において、「新しい労働組合運動」をめざす私たち自身が問われているのです。「新しい」と言っても無から有を生み出すということではなく、動労千葉が血と汗の歴史で切り開いて来た労働組合運動の地平を普遍化させ、核心的かつ全面的に貫徹するということです。これを、この時代に貫徹していくことは、これまでの延長の上に安住しようとする自己とその運動との訣別の過程として実現されていきます。
 戦後体制の桎梏を打ち破り2011年春に、青年労働者の圧倒的隊列を出現させよう!

新しい労働組合運動の全国的組織化の決定的水路「全国大運動」

 以上の点を核心的動力としつつ、国鉄労働運動と動労千葉の歴史的階級的地平を全国全階級的に波及させていく運動として「全国運動」には、決定的位置があります。
 昨年6・13集会の大成功から11月集会に至る過程は、「日本労働運動をこのまま終わりにしてはならない」という危機感と共に多くの戦闘的人士が次々と呼びかけ人に加わり、まさに時代を突き抜ける「新しい全国運動」として発展しています。動労千葉と戦闘的国労組合員が、「4・9和解」反動に対して、労働組合の原則を曲げずに正面から闘い抜いたことがこの地平を切り開きました。反動を正面突破した動労千葉に学び、「全国運動」の組織化を全国津々浦々で組織しよう。そして2・16国鉄集会(すみだ産業会館)の成功から6・5全国運動一周年集会(日比谷公会堂)の大成功を勝ち取ろう!

「中野か松崎か」―労働組合運動めぐる歴史的決着へ!

 国鉄労働運動の最左派組合と言われた動労において争覇し、片や国鉄分割民営化と真っ向から闘い抜くことで動労千葉(総連合)を残した中野洋代表と、分割民営化の手先になることで東労組(JR総連)に君臨した松崎明が、期せずして2010年にこの世を去りました。
 国鉄−動労をめぐる激烈な論争と組織攻防は、直接的には74〜75年恐慌とスト権ストを転換点として、日本帝国主義ブルジョアジーの危機から来る低賃金・合理化攻撃にいかなる態度を取るのかをめぐる路線闘争として闘われました。中野さんと動労千葉が「反合理化・運転保安」「労農連帯」の路線を掲げて真っ向から闘い抜いたことに対して、松崎は動労本部を握り、「貨物安定宣言−スト放棄」「三里塚農民と一線を画する」として動労千葉と激突したのです。
 動労千葉は、79年の分離・独立と組織攻防戦の勝利を通して、闘う労働組合として凄まじい飛躍を遂げていきます。80年の「成田空港ジェット燃料貨車輸送阻止闘争」から85年の「分割民営化阻止」の2派のストまで日本労働運動の歴史を塗り替える闘争を貫徹し、その反動としての40名の解雇者を1000名足らずの労働組合で守り抜きながらJR体制との20年以上の未曽有の闘争にも勝利してきたのです。
 他方、松崎は、JR体制の主導権を握るために組んだ勢力、人格を次々と切り捨てていくことでその支配を辛うじて維持してきました。鉄労の志摩組合長から、自らの片腕だった島田に至るまで「人を切る」ことで生き延びてきたのが松崎明の半生でした。職場の労働者を「組織破壊分子」として叩き出すことを「正義」とする「浦和電車区事件」は、松崎明のあり方自身に他なりません。それは、動労時代に本部権力を握り、動労千葉に振る舞った行為そのものです。戦闘的労働組合の権威の下に、労働者を切るというあり方は、中野さんの対極にあります。
 「国鉄分割民営化」直後、総評系の労働組合幹部は「中野の道か、松崎の道か」を問われ、「松崎の道を取る」と少なからず公言していました。「中野か、松崎か」の歴史的選択は、360万公務員への首切り・民営化攻撃とJR体制の破綻的見直し、「JR25年問題」との激突過程、すなわち「第2次国鉄決戦」において明確に第2ラウンドを迎えたのです。中野洋の愛弟子・田中康宏委員長、私辻川を先頭に「中野チルドレン」が歴史的階級的決着を着ける時が来たのです。ブルジョア的権力政治と利権の系譜に堕した勢力に勝利はありません。
 2011年、「労働組合を甦らせ」、ブルジョアとそれに連なる系譜を打倒しよう!
(写真 動労千葉の81年3月ジェット燃料貨車輸送阻止ストライキ【津田沼】)

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■怒りを日々の糧に〜〈やつら〉のたくらみと〈おれたち〉の反撃(上)

大野義文(国鉄闘争全国運動呼びかけ人、元安芸労働基準監督署長)

★目次★

労働者たちの現在
労働基準法違反は犯罪である
労働者の「時間・賃金・健康」の強奪を許すな! (本号)

俺流〈喧嘩の仕方〉
36協定をどう考えるか
労働者の仁義を守る (次号2月号)

労働基準監督官とは

 私はこの3月に監督官生活30年で退職をしました。
 「監督署はどうしようもない」と言われてきましたが、私も中におって感じたのは、どうしようもない、むかんという監督官もいっぱいるということです。まず上から見る目線の監督官があまりにも多いこと。本来なら監督官も、厚生労働省の職員で組織されている全労働が、学習活動の中で労働者とは何か、あるいは労働者を保護する行政をどうするかと教育しなければいけないんでしょうけど。毎年120名ぐらい採用されます。29歳以下だったら誰でも受けられる試験です。圧倒的多数の監督官は、当局から『労働基準法のコンメンタール』という上下の本を渡されて、これを勉強しとけと。で、研修所で1年半のうち何カ月か研修する。通達行政ですので、通達を学んでそれで窓口に座る。ほとんどが労働法を知らず、労使関係とは何か、知らないまま、監督官になっています。
 ですから監督官を育てるのはみなさん方です。みなさん方もお忙しいでしょうけれど、監督所の窓口に半日座って監督官を吊し上げるという手で監督官を鍛え上げることもあろうかと思います。
 今日の演題の『怒りを日々の糧に』は1960年代終わりに出された栗原達男さんという写真家の写真集のタイトルから取りました。学生運動を中心に写真を撮っていた方ですね。
 〈やつら〉と〈おれたち〉というのは、1960年代のイギリスの新左翼の言葉です。〈やつら〉と〈おれたち〉、文化が違うんだという考え方です。

●労働者たちの現在

 みなさん方の職場実態は非常にきびしい状況ですね。あちこちで労働現場の実態をいろいろな資料・数字を突き合わせて、あるいはいろいろな所からそれを総合的にみた場合に労働者の全体像がわかってきます。

〈生きさせろ〉の叫び

 まず「生きさせろ!」という叫びの中で自殺の問題を見る必要があります。9月に東京で237名、1日に8名弱が自殺しています。高知で15名です。2日に1人が自殺しています。自殺未遂がその10倍・数十倍と言われていますので、すごい数です。1989年から2009年、約60万人が自殺で亡くなっています。高知県の人口は77万人ですので、ほぼ高知県の人口をなくするぐらいの自殺者がいるということです。非常にきびしい状況があります。
 一度インターネットで官報をご覧になられたらびっくりするんですけど、「行旅死亡人」という欄があって生々しい状況が出ています。具体的な服装もふくめて身元不明の死亡人が出てます。
それから非正規労働者は、約34%に近い状況にあります。年収200万以下は約1千万人という状況です。
 また、新聞の3面記事を読んで、労働者がいわゆる犯罪を犯したときにどういう状況だったか、自分もこの人の立場になりうるんじゃないかとお互い議論をする。秋葉原事件やマツダの事件。40代で犯罪を犯している派遣の労働者、あるいは40代で無職でどういう生活に追い込まれたのか。その背景を考えていただけたらと思います。

メンタルヘルス

 長時間労働から過労死。私も最後の3年間は局の安全衛生課で衛生専門官としてメンタルヘルスのことを勉強してました。職場の問題、人間関係で悩み、そして仕事の量と質で苦しみ、それが不安感、イライラという形になって不眠に陥り食欲不振に。こういう労働者が追い込まれる状況があります。労災申請が増えてますけど、まだまだ認定が少なく非常に残念な状況になってます。

割増賃金

 ひどいのは割増賃金ですね。不払い残業の実態のいったんを示す数字として、196億1千351万円というのがあります。これは全国の監督署で11月を中心に、少ない監督官が監督をかけて37条違反として指摘して企業が直して報告が来たものの中の100万円以上の統計です。ということは監督官が入らなかった所、あるいは100万円未満の分は全部切り捨てられています。それでなおかつ毎年200億円近い未払い賃金があるということです。こういうことが当たり前のように起こっている日本の状況は何なのか今一度考えたいと思っています。

●労働基準法違反は犯罪である

 労働基準法違反を刑法と比較すれば、その犯罪性がいかにひどいかがわかると思います。過労死に労働者を追い込む状況は殺人といえないのか。過労自殺は自殺関与罪、「人を教唆若しくは幇助して自殺させ」るという犯罪と比較できないのか。
 トヨタの自動車の過労自殺の事例で、睡眠時間4時間ぐらいに追い込まれた労働者が精神的に参って、周りの理解がまったくない、部長次長は無理な計画を出し、課長も忙しさを何もわかっていない。真面目で仕事熱心な労働者が追い込まれて午後4時から予定されていた会議を欠席してタイムカードも押さずに誰も言わずに会社を抜け出して午後8時半、放心状態、「もうトヨタについていけない、仕事をやる時間がない。トヨタをやめたい。会社の屋上まで行ったんだが、子どもの顔が浮かんできて今死んだらこの子は親の顔を覚えていないだろう。だから飛び降り自殺せずに帰ってきた」と。そして風呂に入りながら何も言わずに泣いてた。落雷での死亡事故のニュースをテレビで見て、「このように死ねたらいいなあ」と。そして彼が寝込んだと思って、つれあいが場を離れたときに、家を抜け出し、自宅から約1キロ離れたビルから飛び降りて自殺した。
 こういう状況に追い込む労働のあり方は何なのか。過労死・過労自殺は、それほど軽い問題ではない。うつ病に追い込むのは傷害罪じゃないのか。生きるための労働が人を殺す、自殺に追いやる。そういう労働のあり方がなぜもっと弾劾されないのか。
 特に不払い残業の問題は、窃盗・強盗と同じです。窃盗は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」(235条)。強盗は「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」(236条)。不払い残業は労働者の労働時間を奪うし、賃金ももちろん奪うし、それによって健康も奪うわけです。それがなんで犯罪としてもっと断罪されないのか。社会的批判を巻き起こさないのか。
 本来なら不払い残業だったら基準法違反、あるいは労働安全衛生法違反なんか公表制度をつくるべきです。男女雇用機会均等法30条には、勧告に従わなかった場合には企業名を公表することができるという条文があるんですが、そういうのを基準法の中につくるべきです。

●労働者の「時間・賃金・健康」の強奪を許すな!

 次に紹介するのは私が監督署にいるときに相談を受けた事例です。あらゆる企業がいろいろな違反をしています。悪い手口をよく考えるものです。

名ばかり管理職

 労働基準法41条に「管理監督者」というものについて、いわゆる労働時間・休日・休憩の適用除外規定があるんです。これは使用者と一体となっている者、あるいはそれなりの待遇を受けている者、そういう部分でかなり限定的に解されているんですが、最近有名になったマクドナルド含めて実態は「名ばかり管理職」として扱っているわけです。「管理監督者」と会社で言う「管理職」とは違います。会社が勝手に管理職として係長以上は残業代を払わないというのは通りません。あくまで基準法41条の「管理監督者」という要件に該当する者であるかどうか。極端に言ったら会社の役職が部長であったとしても基準法41条の「管理監督者」に当てはまらなくて残業代を払えということはありうるわけです。

ただ働き残業

 「管理監督者」として、2万円の手当が出ているだけで後はいくら働いても出ない。上限を設定し、それ以上の残業はタダ働き、上限は2万円の病院とか、25時間で頭打ち、いくら働いても4時間分しか支払ってくれないスーパーとか。時間外労働に対しては「調整給」名目で1〜2万円しか支払わない電気器具販売店とか。

時間管理のごまかし

 それから時間管理のごまかしが非常にあります。一番ひどいのはまったく管理しない。それからタイムカードの終業時刻を押印しないたこ焼き販売。それから押印した後、2時間残業するが支払いはない衣類販売業。高知の設計事務所であったのは5時にタイムカードを押させてその後に仕事をさせるという例。監督を7時ぐらいにかけました。そしたらみなが仕事をしててタイムカードを見たら5時に押している。で、そのタイムカードを押した人をみな呼んだらみな仕事をやっているんです。スーパーでもありました。パートさんの人に4時にタイムカードを押させて5〜6時まで仕事をさせる。鉛筆書きで書かすというのもけっこうあります。時間を経営者が書くというのもあります。それからひどいのは30分未満切り捨てですね。残業はあくまで1分でも残業をやれば残業代を払わないといけません。で、月に合計をして20何時間何分やったらその分残業代を払わないといけません。ところが日々30分未満切り捨てで25分残業してもゼロとすることは違反です。
 経営者は25分をゼロにすることを平気でやりますけど、労働者が1分遅れたら遅刻だと言って懲戒処分にするでしょ。まったくひどいと思います。
 それから自動車販売業の例では休日出勤はタイムカードを押さない。またタクシー会社では、二重のチャート紙をつくって拘束時間をごまかす。定められているのは最大で日勤13時間、隔勤で21時間です。役所が来たら重ねたチャート紙の一枚を見せて、労働時間は適正であると、偽装したタクシー会社がありました。
 こうしたひどい残業に対してどうするか。できるだけ会社の帳簿の書類で時間をわかる書類を把握してほしい。パソコン立ち上げ時間とか出退勤、あるいは金庫開閉時間とか、運転日報に書いている時間とか、荷主との関係で来たとか、取引先との伝票の中に時間が書いているとか。会社に残っている書類で残業がわかる部分をできるだけ多く見つけて欲しい。というのは監督に行ったときに、「いや残業はしてません、タイムカードはちゃんと打ってます」と言い逃れてくるわけで、時間がわかる書類がなければ、非常に立件しにくい。でも会社の重要書類は3年間保存義務がありますので賃金台帳も含めて。調べようと思ったら調べられるんですよ。
 スーパーで不払い残業があったときに私なんか調べたらまず出入り業者を調べます。スーパーはどこでも開店9時とか9時30分だったら5時かそこらぐらいにトラックが出入りしてます。誰かが立ち会ってます。店長も「名ばかり管理職」にされてる場合、店長だけという場合もありますけれど、いろいろな担当者が立ち会ってます。しかし、タイムカードは8時30分ぐらいに押している。しかし、そういうときにも仕入れ業者の伝票には納入時間とか書きますので、そういうのを突き合わせます。それから生鮮食料品であれば加工した時間を書く場合があります。4時に加工とか。それを調べます。あるいは品物を買ってレジの方に残業代を払っているかといったら今レシートに名前が出ますよね。レジを打った時間と打った人の名前が。そのレシートを集めるとか。
 要は会社にそういう残っている書類で時間がわかる。それを集めてほしいというのがひとつ。
それと少なくとも自分でも記録をしてほしい。どこで何時までどういう仕事をした。そのときに第三者が誰がいたかとかいうことを含めてぜひやってほしいと思います。

   (つづく)
(昨年年11月5日に行われた東京なんぶユニオン主催の講演会での講演に加筆修正したものです)

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■飛躍的に発展した教育労働者の国際連帯 動労千葉国際連帯委員会

小島江里子

3年間で築き上げた日米教育労働者の強い絆

 2007年7月に、「日の丸・君が代」処分で解雇が狙われていた根津公子さんへの解雇反対署名を訴えようと、神奈川三浦半島地区教組の佐藤江都子さんとともに、アメリカのフィラデルフィアで開催されたNEA(全米教育協会)全国大会に参加し、UTLA(ロサンゼルス統一教組)の活動家アーリーン・イノウエさんと出会いました。このすばらしい出会いから3年、教労部会の国際連帯は今年、大きな飛躍を遂げました。
 彼女との出会い以来、UTLAと教労部会の人的交流が、訪米・訪日というかたちで毎年重ねられてきましたが、ぜひ1週間フルに滞在してじっくり交流を深めてほしいと、UTLAの執行部と分会長が一同に会して泊り込みで行われるリーダーシップ・コンファレンス(活動者会議)に招待してくれたのです。8月下旬に行われるこの会議への参加は、多忙化でいつも仕事に追われる日本の教師たちも、夏休み中であることから、10日間の休みをとって出かけました。そして、リーダーシップ・コンファレンスでのUTLAの活動家との会議や交流のほかにも、UTLAの組合員やCAMS(校内の軍国主義に代わる進路のための連合)のメンバーたちの家にホームステイして、文字どおり寝食を共にした付き合いをしてきました。

「思いは同じ、目的は一つ」の実感

 UTLAは組合員4万5千人を抱える全米第2の地域教組です。その組合の300人を超える活動家が集まって行われる会議の分科会で、「日本の教育労働者の現状」を語る報告者として招かれたわけですから、日本の教師たちは不安をいっぱい抱えての訪米でした。アーリーンさんたちにとっても、次期執行部の選挙に打って出る彼女たちのグループが尽力して企画した分科会なので、失敗は許されません。リーダーシップ・コンファレンスへ向けて、半年近くをかけて、アーリーンさんたちとのメールのやりとりによる打ち合わせが頻繁に行われました。グレゴリー・ソティアさんは、日本の民営化や戦後日本の教育システムの変遷などを熱心に研究し、教労部会も訪米する教師たちを中心に動労千葉国際連帯委員会とともに会議を重ねたのです。
 「3年間の私たちの国際連帯がこんなところまで来たなんて、ホントに信じられないくらいすごいわよね!」――私たちがロサンゼルスを後にする日、アーリーンさんは満面の笑顔で私にささやきました。「UTLAのみんなは、私たちにかけられている攻撃がまったく共通のものだという確信を持ったはずよ」と。UTLAの組合員の方たちと直に接し、闘いの戦略会議や討論に参加した日本の教育労働者たちも、多くのことを実感し、確信して帰路に着いたことは言うまでもありません。

訪日したイングリッドさんとの交流を通して団結拡大

 11月集会の組織化に追われる中で、教労部会は、UTLAから参加するイングリッド・ガネルさんの滞在スケジュールを有意義なものにするために準備を進めました。アーリーンさんたちが国際連帯を十分に組織化に活かしていることを学んで、自分たちがつかんだ国際連帯の確信を精いっぱい活用して、全国の教育労働者を組織しようと、少人数でも実りある集会をもつことや、日教組の仲間の組合員と親交を深めることのできる交流の場づくりに専心しました。
 イングリッドさんは、11月集会の翌日に奈良へ向かい、次に広島まで足を伸ばして再び東京へ戻り、また横須賀へ赴いて、それぞれ集会や交流会、学校訪問などをこなし、広島の原爆資料館や横須賀の米軍基地などを精力的に見て歩きました。
 奈良市教組の増田さんは、8月の訪米で自分たちが得た貴重な経験をもとに、ご家族の絶大な協力も得て自宅にイングリッドさんや随行の私たちを滞在させ、奈良市教組の仲間を集めて気軽に意見を交換できる小集会を開きました。イングリッドさんは、UTLAにかけられている公教育破壊の激しい攻撃を語り、新自由主義攻撃の目的は組合破壊であり、それによってのみ資本家たちが徹底して利益をむさぼることができるからだと語りました。彼女の明快な話から、集まった教育労働者たちは、日本でもまったく同じ攻撃がかけられていること、そして職場で団結を固めて国際連帯を強固なものにすれば闘うことができるという思いを抱いたようです。もっと話を続けたいと交流会にもほとんどの人たちが参加し、夜中の12時近くまで続きました。
 奈良と三浦での学校訪問では、外国からのお客さんを迎えて興奮気味の生徒たちに英語の授業をし、給食を一緒に食べたりなどして、日本の小学校教師の生活を体験してもらいました。給食の後には掃除の監督までしなければならない日本の先生たちの大変さも、ちょこっと実感したことと思います。イングリッドさんは、「子どもたちはどこでも同じ」と感想を語っていましたが、私たちがロサンゼルスの学校を訪問したときも、子どもたちのきらきらと輝く瞳はまったく同じでした。この子たちに夢と希望に満ちた社会をつくらなければと、教育労働者が社会を変える最前線で闘っていることに、イングリッドさんも日本の教師たちも誇りと責任を感じているようでした。
(写真 UTLAイングリッド・ガネルさん【左】と小島江里子さん【昨年11月10日広島】)

動労千葉労働運動が結びつけたランク&ファイルの国際連帯

 大恐慌情勢に打ち勝つ組合づくりを目指して、アーリーンさんたちは組合権力奪取に全力を傾けています。11月集会に参加したアーリーン、グレッグ、セシリー各氏は、リーダーシップ・コンファレンスで動労千葉労働運動のすばらしさをUTLAの組合員たちに語り、今回参加したイングリッドさんは、来年はUTLAでグループを組織して参加したいと語っています。動労千葉派として闘い続けてきた教労部会の教師たちは、自分たちの闘いに確信を強めて職場でがんばっています。2011年はさらなる国際連帯の強化が期待できるでしょう。

 

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■闘う合同・一般労組

●資本と悪質弁護士を串刺しにして闘おう!
ユニオン東京合同 全日本育成会分会 岡庭千泰

 今や4・9政治和解状況によって多くの労働組合が資本の不当労働行為と闘わなくなる中で、労働委員会で不当労働行為と闘うのは合同労組が主流になりつつあります。資本による不当労働行為は絶対に許さず闘わないといけないのです。どう闘うかが今問われています。ユニオン東京合同の例を紹介し、全国に呼びかけたいことがあります。

法人は、労働委員会証人への出頭を賃金カット強行

 ユニオン東京合同全日本育成会分会は、都労働委員会に救済申し立てを行って、@団交拒否事件、A労災療養中の非正規職労働者への雇い止め予告通知を出したことに対する団結破壊事件の2件を闘っていました。
 労働委員会から審問の証人の呼出し状が私に届き、職場で使用者に事前に証人として呼出しに応じることを告げましたが、後になって事務局長は「有給休暇届を出さなければ賃金カットだ」と言ってきました。08年12月の改悪前の就業規則では「公民権の行使は、遅刻・早退の扱いにしない」と明文化されていたので、すぐに就業規則変更の確認を求めました。労基法7条では「公民として権利を行使」と「公の職務の執行」を同じように扱っていることから「不利益変更ではないか?」と聞いたのです。使用者から「ノーワーク・ノーペイの原則に沿ってやっている」「就業規則の不利益変更ではない」という文書回答がありました。さらに質問を続けましたが回答しなくなり、賃金カットを強行してきました。
 2010年7月15日、組合は3つ目の事件として、賃金カットについて労働委員会に組合差別の不利益扱いで救済申し立てを行いました。その後、使用者は7月20日に7月7日の証人出頭分の賃金カットの通告書を出しながら、7月23日の給料日には、賃金カットを行いませんでした。そして、7月29日になって、「『事務処理上の手違い』で2009年5月、8月と、2010年7月分の3回分の賃金カットをし損なって過払いになっていることが7月中下旬になって発覚したので、返金についてはご相談に応じます」という通知を出してきました。7月7日証人分の賃金カット通告書を出しながら、給料日に賃金カットしなかったのは、前の年の分も一緒に「調整」させようという報復の魂胆だったのです。
 私の質問に答えていないことを指摘しているさなかに、3回の賃金カット「し損ない」分を4分割して、4カ月に渡り給与から賃金カットするとしてきました。そもそも賃金カットはできないことを明らかにしているのに、こんなことは絶対に許せません。

不当で違法な賃金カットをやめろ――裁判を提訴。

 裁判を提訴したら、8、9月に給与から差し引いた1万8087円について使用者は次の給与の10月25日の給料に加えて払ってきました。そして、私が立てた裁判の訴額の一部のみを返した分を含めて、「事務処理上の手違い」により生じた過払い金の返済を求めるとして反訴を立てたのです(現在1万8087円は「預り金」として訴額に含んでいます)。この賃金カット事件は労働者の権利を踏みにじる行為です。
 この事件の裁判は、12月3日に第2回期日があり、使用者側答弁書には、「労働委員会の証人に応じることは任意である」と労働委員会制度を破壊することが平気で書かれていました。
 また使用者側弁護士は、法廷でこんなことを口走ったのです。「原告は出頭命令に応じて出頭したと考えているのか?」と、あたかも呼出し状による証人と、出頭命令による証人と、証人が2種類あるようなことを言ったのです。これは全く労組法を間違って理解している発言ですし、答弁書では「誠実に説明してきた」としながら、そう認識していることを今まで一度も説明したことがないのです。労働者軽視・組合敵視、労働委員会軽視の姿勢が色濃く見えました。
 資本の手先になっている悪質弁護士は、闘う労働者、労働組合をつぶすためには何でもするし、また、より悪質なやり方を資本に選択させます。違法であろうと、商売になれば間違った法解釈でも平気で答弁書に書くし、裁判の引き伸ばしだって、訴えの中身がない訴訟だって平気でするのです。

悪質弁護士・その傾向と対策

 組合内でいろいろな会社側についている悪質弁護士の共通点を合わせていくと、ぴったりすることがわかりました。団交破壊、恫喝訴訟などいくつかのパターンで共通しています。また労働者を屈服させるために、労使対立をあえて激化させることをいといません。
 もうひとつ、労働審判問題もあります。使用者側が労働組合員に対して労働審判をかけてくるケースが多くなってきています。当組合の〈教育と探求社分会〉では、昨年会社側が不当解雇された10人の組合員個々に対して地位不存在確認の労働審判をかけてきました。しかも、情宣活動に対する1300万円の名誉棄損・損害賠償訴訟と同時にです。これに対して〈教育と探求社分会〉は労働審判での和解を蹴って、地位存在確認裁判を起こし、現在2つの裁判を闘っていますが、組合員に対して個別的労使関係に個別分断する労働審判をかけたことは労働組合に対する支配介入であり、不当労働行為として、労働委員会への救済申立を行い、会社と弁護士を相手に闘っていきます。
 組合では闘う労働者や労働組合を招いて学習会をしていますが、労働組合が強くなるために、もっと組合・個人の知恵と闘いを、みんなのものにしていく必要があると思います。
 「東芝過労うつ病労災・解雇事件」の会社側・東芝代理人弁護士は、全日本育成会についている弁護士と同じとわかり、さっそく学習会に来てもらい東芝事件の当該と話をしたらその悪質弁護士の手口がよくわかってきました。早急に全国的に闘争の状況を把握することが必要ではないかと思っているところです。

昔は暴力団、今は悪質弁護士

 〈経営法曹会議〉を中心とする悪質弁護士たちは、まるでヤクザです。昔は暴力団、ガードマンという暴力で資本は闘う労働者・労働組合をつぶそうとしましたが、今では悪質弁護士が、闘う労働者、労働組合つぶしの先頭にいます。
 ですから、全国労組交流センター、また東京労組交流センターと共に「使用者側弁護士による労組破壊攻撃の実態調査実施の依頼について」というアンケート調査を各労組にお願いしていきたいと思います。それぞれの職場において労働委員会、民事裁判などが闘われている実態を調査して、基礎データを作る取り組みです。国鉄闘争と裁判員問題の中で弁護士戦線を構想していくことと、資本(主義)の本質を具現化し、資本の走狗となった悪質弁護士のやり口をあぶり出していくことは一体です。
 全国で参考にできるデータの作成にぜひご協力をお願いします。さらに闘いをグレードアップさせて、闘う労働組合を甦らせていきましょう。

 

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ひめじょおん−女性部から

●新たな女性部がスタート! 豊中市職 深町加代子

 12月5日、関西労組交流センターは「市民交流センターひがしよどがわ」において「新たな女性部」のスタートを25名の結集で勝ち取りました。そして、新部長に八尾北医療センター労組の灰垣美佐子、副部長に豊中市職の深町加代子という「ドンとこいペアー」を確立しました。
 恐慌と戦争の時代、労働者への激しい競争と分断そして労働強化と解雇の攻撃が襲いかかっています。それは女性労働者をはじめとして、「障害者」、部落大衆、在日・滞日外国人など、差別・分断をめぐって闘ってきた労働者に、あらためて差別を使っての解雇攻撃として、新自由主義政策は進められています。
 具体的には、女性への広域配転による解雇とパート化、同和加配の教育労働者の解雇、斎場やごみ収集など現業労働者の解雇として始まっています。まさに、この時代、女性労働者はあらためて解雇攻撃の最先頭で闘う存在であるということです。
 かつて、賃下げと労働時間延長に反対して「もうこれ以上奴隷のように働くのは嫌だ!」と工場から次々と決起し、近くのお寺に立てこもり、ストライキを勝ち取った女性労働者。その誇りと団結は今も脈々と受け継がれています。今、工場法以前のような労働者への搾取が始まっています。今こそ私たちの出番です。闘う労働者の旗をひらめかせて登場しよう!
 だから私たちは「女性部を地域の女性労働者の闘いの結集軸にしていこう!」と組織拡大を今年の大きな目標に掲げました。
 また、当日は「八尾北医療センター労働組合」の藤木好枝執行委員長から、先の執行委員会で労組の組織加盟を決定したという報告がありました。彼女は「私たちに求められている飛躍と課題は大きいが、それを断固、引き受けて闘う。この加盟に至った過程は、労組を労組として押し上げていく闘いだった。労働者の怒りや誇りを引き出して、団結を拡大するという中からの要求が組交流センターと結びつき、9・27労組大会で加盟を決定した。10・15集会で発言させてもらって、11月集会呼びかけの3労組と並ぶ所に立っていると、私たちの位置を自覚した。八尾市、関西全体の労働運動を変えていくために闘う」という報告と決意を語りました。
 そのほか、保育事故処分と闘う豊中市職、新システムをめぐる組合攻防の始まった西宮・宝塚・神戸各市職、病院の解雇に対し体制内組合と激しく闘い職場に分岐をもちこんで団交を勝ち取ったという高槻医療労組、ストライキと再雇用裁判で資本とガチンコ勝負に入っているス労自主などなど。
 特に、関西新空港の労働者の実態から闘いを開始し始めた泉佐野の仲間の発言は、「関空は24時間空港なので、働いている女性労働者は、長時間・低賃金で、身体を潰している。関空は労働監獄島の状況だ。関空反対闘争も労働運動として展開していく必要がある。交流センター女性部が、こうした女性労働者の受け皿に」というもので、これからの闘いの具体的なイメージが出され、女性部の必要性と意義が深まりました。
 結成総会はさまざまな現場で、すでに闘いを開始している女性労働者の、闘いの報告と決意で埋め尽くされました。今後も職場の闘いを軸に国鉄闘争全国運動と「支援する会」を結成し、団結をますます団結を固めて闘っていきます!

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 11月20日に行われた第10期労働学校基礎講座第8回(テーマ「労働者の生き方」 講師 森尾誠)の受講生の感想文を紹介します。

●自治体労働者
 『共産党宣言』−マルクスの本の中で比較的読みやすい本なので、学生の頃は年に1度は読んでいたように思いますが、ここ10年ぐらいはご無沙汰していました。
 労働学校で久しぶりに学んで、過去に読んだのは一体何だったのかと思うほど、新鮮で面白い! と実感、目からウロコの気分でした。
 とくにブルジョア的私有財産の廃止のところは、本来、共有であるべき労働者がうみ出した資本を、本当に私的に所有することを廃止するということであると理解できたのはよかったと思う。実際に友人や知人と話していて「私有財産の廃止」というと、どうしても自由のない抑圧的な社会をイメージされてしまうし、また自分自身もイメージしてしまう。それは、日々ブルジョアジーのイデオロギーにさらされているからだと思う。
●教育労働者
 モヤモヤしていた「私有財産」についての理解が深まりました。なあーんだ、私のもっているものなんて「財産」でも何でもないんだ。
 今までこういった文献をキチンと学習してきませんでしたが、マルクスやレーニンを学ぶことで、自分の「内容」を豊かにするため、「生き方」に確信をもつために必要なことなのだと感じました。
●動労千葉組合員
 共産主義者=現在の共産党のイメージが強く、自分は共産主義者ではないと考えていましたが、今回の講義を聞いて、自分も共産主義者だったんだと目からウロコでした。大変勉強になりました。
 意見者の中で社会を変えるためには一人一人が団結を強固にしてそれを広げていくことが革命を起こすと言っていましたが、よく理解している人だと感銘しました。共に頑張りましょう。
●合同労組組合員
 今日、重要だと思った点は、共産主義者は何をなすべきかの第2章で、社会を正しく見すえることを通して、資本主義は終わりだと言えるというところです。
 特別な原則をたてて、その型にプロレタリアの運動をはめ込もうとするののではない。プロレタリア階級全体の共通の利益を強調し貫徹すること。私有財産の廃止、所有一般の廃止ではなく、他人を搾取して生産物を手に入れることの出来る財産の廃止。国際主義。
 宣言で書かれたことが、11月集会で苦闘してきた中身と重なりました。今も問われてることだなあと思っています。

■場所  DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

第10期労働学校日程

■基礎講座
 1月15日(土) 13:00〜
 ◆国家について ◆講師 山崎一(社会問題研究者)

■実践講座
 2月26日(土) 13:00〜
 ◆労働運動史  ◆講師 藤村一行(社会問題研究家)

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●労働ニュース(10年11月16日〜12月15日)

●朝鮮半島有事 韓国に自衛隊派遣打診
12日の報道によると、朝鮮半島での有事が発生した場合、日本政府が在韓邦人2万8千人を避難させるため、韓国への自衛隊派遣を同国政府に打診していることがわかった。
米大統領「北朝鮮に圧力」
 北朝鮮軍が韓国領の延坪島を砲撃した問題で、オバマ米大統領は23日、韓国の李明博大統領と電話で会談し、韓国への全面的な支援を表明し、黄海で合同軍事演習を28日から1日まで実施することで合意した。
完全失業率が悪化、5・1%に
 総務省が30日に発表した10月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・1ポイント上昇の5・1%となり、4カ月ぶりに悪化した。
武器輸出三原則の見直し要求判明 1日の報道によると、日米が共同開発している海上配備型迎撃ミサイルをめぐり、米政府が日本政府に武器輸出三原則の見直しを求めていたことが、民間ウェブサイト「ウィキリークス」が公開した米公電で分かった。
日航退職者“買い叩き”
 スカイマークは1日、会社更生手続き中の日本航空の退職者を計470人採用する、と発表した。採用者の待遇は、日航時代から大幅にダウン。機長経験者は契約社員の副操縦士として採用し、昇格試験を受けさせる。最初の基本月給は35万円。客室乗務員は入社後半年は時給1100円、その後は基本月給16万5000円。手当が付くものの、日航での平均年収(08年度でパイロット1834万円、客室乗務員589万円)からは大きく下がる。
連合 給与総額1%上げ要求
 連合は2日、東京都内で中央委員会を開き、11年春の労使交渉で統一要求は見送り、定期昇給の維持に加え、諸手当も含む給与総額の1%引き上げを求める方針を正式に決めた。非正規労働者の待遇改善は正社員以上、時給換算で40円引き上げをめざす。
若者の失業率急上昇
 政府は3日午前の閣議で、10年版「子ども・若者白書」を決定した。白書によると、20〜24歳の失業率は9%。学生アルバイトを除いた「非正規労働者」の割合は20〜24歳で32・5%、15〜19歳で40・2%に上った。
橋下知事 大阪市長選出馬に言及 大阪府の橋下徹知事は5日、11月にも見込まれる大阪市長選について、くら替え出馬の可能性に言及した。
竹原阿久根市長が失職
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)の解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が5日、投開票され、解職賛成票が有効票の過半数を占め、竹原市長は失職した。
新防衛大綱「動的防衛力」を提唱
 政府が月内に閣議決定する新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)案の概要が5日、明らかになった。自衛隊の均衡配備を重視する従来の「基盤的防衛力構想」に代わり、沖縄や南西諸島防衛を軸に中国抑止やテロ・ゲリラ活動などに機動的に対処する「動的防衛力」(仮称)との新たな概念を打ち出した。東大病院など違法超過勤務
 8日の報道によると、職員に労使協定で定めた以上の時間外労働をさせるなどして労働基準法に違反したとして、東京大学医学部付属病院など同大関連機関が04年12月〜今年3月、東京労働局から計8回にわたり是正勧告を受けていたことがわかった。未払い賃金の合計は約9776万円、支払い対象はのべ約700人。
公務員スト権、国民から意見募集 蓮舫行政刷新担当相は14日、都内で開かれた内外情勢調査会で国家公務員に対するスト権付与の是非について発言。政府の有識者懇談会が17日に出す報告書について国民から意見を募集した上で是非を判断し、スト権付与の場合、来年の通常国会に提出する関連法案に盛り込む方針を示した。 
ギリシャ 官民労組一斉スト
 財政再建中のギリシャで15日、官民2大労組が政府の財政緊縮策に反対して24時間の一斉ストライキを行った。空港や鉄道など主要交通機関はストップし、社会機能は終日マヒした。

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■青年労働者は団結してたたかおう! OVER REV

●展望と課題は限りなくはっきりした!
大阪労組交流センター代表 大阪市職労組合員 赤田由行

 2010年12月、ユース部長に立候補し、交流センターの仲間とひとつになって選挙を闘いました。「1万人削減に対してストライキで闘おう」という訴えは青年に響き、4・9和解情勢と公務員バッシングの中でさえ、約6人に1人の得票(262票/投票数1606)につながりました。しかし、ここで満足することはできない。本当に労働組合を変えていく挑戦をしなくてはなりません。そのために、職場での団結が待ったなしに求められています。今職場で生まれつつある団結がひとつの闘いになったとき、関西生コンの高委員長の言うように「少数であっても、多くの人間に共鳴を与えて多くの人間を闘いに結集できる」ということだと思います。だからこそ、具体的な階級的団結をめぐって闘いぬく国鉄闘争全国運動と動労千葉の外注化阻止決戦が決定的です。職場にこだわりぬいて闘おう!
 以下、立会演説会での訴えを紹介します。
 平松市長が新たな「市政改革基本方針」において「1万人削減」を発表しました。道州制が音を立てて動き出しています。これを市労連本部が「評価する」と表明していますが、絶対に認められません。
 1万人削減はすでに始まっています。地下鉄運行・斎場・ゴミ焼却の民営化。区役所の証明書発行の民間委託など、もはや民営化と関係のない職場はありません。
 これと一体で「任期付職員制度」があり、正規職員と全く同じ仕事を月収15万円にも満たない非正規労働者が担わされています。すでに同じ制度が全国に波及しようとしています。自分の職場の非正規率はすでに5割近くになっています。
 加えて重処分の乱発です。斎場や河川清掃労働者への解雇攻撃、自腹を切った労働者に対しては解雇寸前の停職処分。
 時代は激変しています。特に北朝鮮の砲撃をきっかけに、世界の大資本は一気に世界戦争へ進もうとしています。そもそも「砲撃事件」が執拗な米韓日の軍事演習による挑発の結果です。
 しかしよく考えると、戦争はもう目の前で始まっていたのです。JALでは来年3月までに3人に1人の解雇を狙い、さらに労働組合のスト権投票自体を国をあげてつぶしています。しかも全国あらゆる職場で同じことが起きています。就職先もなく、ぼろ雑巾のように使い捨てにされ、自殺を選ぶ青年が激増する現状をさらに進めるのが1万人削減です。国会で「公務員の生首をバサッと切る」という議論がされているように、公務員の首切りが当たり前の社会に向かっています。
 しかし労働者は勝てます。その方法は、全ての首切りに反対することで、労働者の怒りをひとつにすることです。今年、中小企業の生コン労働者のゼネストがゼネコンを相手に完全勝利しました。国鉄労働者は国をあげた政治和解を拒否し、大阪市でも斎場労働者の解雇撤回闘争が始まっています。これらの闘いと一体で、職場からストライキで闘おうじゃないですか。
 職場の青年は時代をつかみ、立ち上がりつつあります。現場は決して相手候補の言うような「無関心」「あきらめ」なんかに陥っていない。労組本部のあり方がそれを作り出しているのです。私の現場では日々「なんとかしたい」と声があがっているのに、無言を決め込む労組本部のもとで攻撃がまかり通っている。問われているのは、1万人削減とガチで闘う、今の本部に変わる団結を作って、本部を吹き飛ばすことです。仲間を守り、共に生きるため、闘う労働組合、闘うユース部を取り戻そう。

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■「子ども・子育て新システム」絶対反対! 保育労働者と団結し、闘う労働組合を甦らせよう!

北島一恵(東京労組交流センター自治体労働者部会)

 大恐慌・大失業と戦争情勢に対して、もう我慢ならない、生きられないと全世界で労働者の怒りが爆発しています。
 日本でも、菅民主党政権が進める資本主義延命政策=「新成長戦略」の一つ、「子ども・子育て新システム」に労働者の怒りが巻き起こっています。
 11月14日、全国から4800名の保育労働者や保護者が結集し、「新システム」反対の集会とデモが行なわれました。連合・民主党政権は、様々な修正案を小出しにし、「新システム」の本質を隠し、反対運動をつぶそうとしています。11月1日には内閣府が正式に、来年通常国会で法案を成立させ、2013年度から幼稚園・保育園を廃止し、「子ども園」に統合する方針を出したかと思うと、その後、連合―自治労を使い、「10年かけてやるから、解雇などの問題はクリアできる」と労働者を分断しようとしたり、障害児を受け入れる子ども園には補助金を出すとワーキンググループの提言を出したりと反対運動つぶしに躍起になっています。目先の修正にだまされてはなりません。
 「新システム」の真の狙いは、保育を資本の儲けの道具にするための保育園の完全民営化です。官民60万の幼保労働者の徹底した非正規化、低賃金化です。とりわけ、自治体職場で働く30万の保育労働者の団結破壊、自治体労働運動解体攻撃です。道州制360万公務員一旦全員解雇攻撃としての社保庁分限免職、公立病院分限免職攻撃などに続く、30万保育労働者の一旦全員解雇、非正規化攻撃です。
 新システム絶対反対で職場で仲間を組織し、たたかう団結をつくり、労働組合を甦らせよう!

公立保育所の廃止=保育公務員の首切り絶対反対!

 まず「子ども・子育て新システム」のポイントです。
●今ある幼稚園、保育園を廃止し(保育に欠ける要件の撤廃)、「こども園(仮称)」に統合する(幼保一体化)
●幼稚園=文部科学省、保育園=厚生労働省と二つに分かれていた行政・財源も一元化(幼保一元化)し、新たに「子ども家庭省」を設置する。
●市町村の実施義務をなくし、利用者と事業者の直接契約制に。利用券制度導入によって、保育サービスを商品化。
●市区町村の責務は、保育の必要な利用者を認定し、保育サービス事業者を紹介し、事業者を指定・(「認可」制度は廃止)監督し、利用者補助方式で補助金を支給する。
●株式会社・NPO等の多様な事業主体の参入を促進するよう条件整備する(公立保育園と一体で保育事業を担ってきた社会福祉法人は立ちいかなくなる)企業会計を導入し、運営費の使途範囲を自由化する。
 新システムの前提は、児童福祉法24条に定められた「市区町村は、保育に欠ける児童を、保育所において保育しなければならない」という「実施義務」を児童福祉法改悪でなくすことです。市区町村は利用者に「サービスを利用する地位」にあることを証明し(介護保険と同じ)、保育事業者を紹介するなどに限定されます。今でも財政難で民営化を進めている自治体が、新システムが成立すれば公立保育園・幼稚園を全廃することは明らかです。そして新たに新設される「子ども園」で民営化が強行されていきます。公立保育園・幼稚園で働く正規・非正規30万の雇用の問題です。職の廃止による分限免職攻撃です。

「福祉の解体」=保育の民営化に絶対反対!

 新システムは、利用者と事業者が直接契約し、投入される税金は、利用者に「利用券」として補助され、利用者は保育料を自己負担分と利用券で支払います。利用者と事業者の商契約となり市場競争が自由化されます。「イコールフッティング(競争条件を対等に)による多様な事業者の参入の促進」と株式会社、NPOなどの参入促進が明記されており、「運営費の使途範囲の自由化」で、参入した民間事業者は運営費を他の事業展開に使ったり、株主配当に回したりできるとされています。「会計基準」の変更も営利目的の経営を可能にするためです。「福祉」であった公的保育が、商品になります。戦後福祉の解体です。
 保育労働者は、児童福祉法の「児童が心身ともに健やかに生まれ、育成されるよう努めなければならない。すべての児童は等しくその生活を保障され、愛護されなければならない」という理念を胸に労働してきました。公立保育所の存在が、戦後公的保育の土台を支えてきました。「認可制」の廃止は最低基準(保育士数、施設等)のさらなる悪化につながります。また、「保育に欠ける児童」への実施義務が外されれば、対応の困難な子どもや本当に保育を必要としている子どもたちが、保育から排除される怖れがあり、「いいサービスには高い保育料でもよい」という考えから、低所得者が保育から排除されてしまいます。

待機児童問題の解消にならない!

 都市部を中心にした「待機児童問題」の解決のために保育の民営化が必要だと言われますが、これは、小泉政権下、都市部の自治体が公的保育所の建設を怠ってきたためです。「市区町村は、保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならない」という実施義務を怠っておいて「公立だからダメ! 民間に任せろ」というのは世論操作に他なりません。また、地方では少子化で保育所の経営困難、廃止が問題になっています。利益が見込めない過疎地に企業が事業展開するとは思えません。市区町村の実施義務を外せば、待機児童はカウントさえされなくなっていきます。また、新システムは「短時間保育」「早朝、夜間、休日保育」「事業所内保育」など非正規労働が激増している社会的現実を前提にして、「サービスの多様化」を進めよと言っています。冗談じゃない! こうした労働者の現実こそ、変えなければならないのです。

保育労働者の非正規化、ワーキングプア化絶対反対!

 公務員制度改革で、公務員の「身分保障撤廃」が計画されています。新システムで保育労働者30万を首にし、財界が狙っているのは、保育労働者の非正規化、全労働者9割の非正規化です。劣悪な労働条件下では安全は守られません。保育事故が多発するでしょう。この原稿を書いている時にも保育ママに預けていた1歳児が車の窓に首を挟まれ重体というニュースが飛び込んできました。まさに「闘いなくして安全なし!!」です。
 現場から新システム反対の声をあげよう!! 国鉄闘争全国運動の拡大こそ新システム粉砕の力です。保育現場に渦巻く「新システム反対」と国鉄闘争全国運動を結合し、闘う労働組合運動を保育労働者の中につくろう。全労働者の団結で「新システム」を粉砕しよう!

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被処分者の陸続たる決起の開始! 「もう一つの国鉄1047名闘争」へ!

社会保険労働者の解雇撤回闘争を支援する会・広島

 分限免職処分者・平口雅明さん(福山社会保険事務所)の昨年8月の人事院公開審理闘争に続き、全国で被処分者が人事院不服申立てをはじめとする解雇撤回闘争に敢然と決起している。

全国で被処分者が怒りの反撃

 まず11月には沖縄で、のべ10日間公開審理が闘われた。沖縄県下9人の被処分者のうち7人が組織的支援もない中、互いに連絡しあい、声をかけあって新たな団結をつくりだし、前代未聞の公務員大量首切りに怒りの反撃を叩きつけたのだ。平口さんが証言に立ち、厚労省を徹底弾劾し、また国鉄解雇撤回闘争を闘う羽廣憲さんの意見陳述書が証拠として提出された。何より当該の一人一人が「社保庁バッシング」、ボーナス自主(実態は強制だ)返納、屈辱的差別選別面接・採用などに対して、時には憤怒に声を震わせ、あるいは落涙をこらえながら、堂々と思いを述べ、処分者を弾劾した。本人尋問を終えた7人はみな晴れ晴れとした表情で、資本・当局・体制内労働運動幹部のどのようなたくらみも、労働者の誇りに満ちた自己解放的決起を押しとどめられないことをまざまざと指し示した。
 12月には山口の分限免職者が人事院公開審理に決起した。そこでは、病気療養中の職員に対して、本人の「意向」なるものを捏造し、それを口実に形式的な「分限免職回避の努力」さえ行わず、陥れるように免職とした事実が明らかになった。この理不尽不当な処遇に対し、退職勧奨を拒否し、不服申立てから裁判闘争も決意し、当該は決起した。許せないことに、山口の連合・自治労はこれを一切無視、指一本動かそうとしていない。 9月に広島で公開審理を闘った平口さんの同僚が、続く10月には国の損害賠償を求めて、広島地裁に提訴した。12月には第一回公判が行われた。不当な分限免職処分により、「妻が将来について、悲観し、不安になり、ついには自殺に至った」ことについて、「分限免職処分は裁量権の濫用に当たり違法である」と真正面から処分について争い、「妻の自殺と処分は因果関係があるのは明白である」と、国の責任を追及している。人事院公平審査では判定に請求以来一年以上を要することや、不服申立て制度そのものの持つ限界性に、国賠訴訟という形で解雇の不法不当性を暴こうと決起したのだ。
 社保庁攻撃をめぐって権力・資本が最も恐れていた事態が確実に開始された。「社会保険庁の労働者525人の分限免職処分とは、政府・支配階級にとってはもう一つの国鉄1047名闘争を抱え込むような事態だ。それを政府が平然となしえたのは、4者4団体幹部が解雇撤回なき『政治和解』にゴーサインを出したからです」(沖縄公平審・羽廣憲氏の陳述書より)。

もはや怒りは抑えられない!

 だが、動労千葉と11月集会勢力が「政治和解」と一歩も退かずに対決しぬく中、社保庁闘争は、分限免職処分者と雇い止めが狙われている年金機構、厚生労働省の非常勤職員や准職員が一体となって、もう一つの国鉄1047名闘争へと発展しつつある。この間の闘いが示しているように、満ち溢れる怒りをもはや自治労・日本年金機構労組には抑えることができない。全国労組交流センターの仲間は、続々と決起してくる社保労働者とともに2011年を闘おう。

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■関西労組交流センター第21回定期総会報告

まったく新しい交流センター運動の開始を宣言 関西労組交流センター

 12月5日、市民交流センターひがしよどがわにおいて、関西労組交流センター第21回定期総会が開催され、会員、共闘団体の人々あわせて140名の結集で戦闘的に勝ち取られました。
 昨年定期総会以降の関西労組交流センターの前進が、参加者全員で確認できるすばらしい総会でした。ほぼすべての地域・産別から熱烈な報告と討論が提起されました。

1年間の組織的前進

 昨年定期総会以降の関西労組交流センターの前進は、第1に八尾北医療センター労働組合が組合内での大衆的討議を経て、ついに労組交流センターへの組織加盟を決定したことです。組織加盟にむけた八尾北医療センター労組の中での大衆的討議は、われわれの組織拡大にとってきわめて教訓的なものでした。
 第2に、大恐慌下で真っ先に新自由主義攻撃にさらされ根底からの怒りを爆発させているすべての女性労働者を獲得すべく関西労組交流センター女性部が本格的に再建されたことです。ここにむけた関西女性部の会員たちの討議も、今の時代をどうとらえるのかというところから出発して、女性労働者全体を獲得する路線を練り上げたという点で、きわめて価値創造的なものです。
 第3に、兵庫労組交流センターが準備会として発足しました。関西一部脱落分子=松田一派の牙城に、ついに労組交流センターの旗が立ちました。ここに至るには、筆舌に尽くしがたい組織建設的闘いがありました。
 総会は、経過報告と基調報告で、@米帝の朝鮮侵略戦争情勢を、後戻りできない大恐慌の深化としてとらえ、また世界革命に向けて全世界で始まっている労働者階級の闘いの根絶・せん滅の攻撃であるととらえて時代認識をより鮮明にしました。そしてAあらためて4・9反革命とは何であったかを明確にして、B最弱の帝国主義=日帝の起死回生をかけた4・9攻撃に対してわれわれが国鉄闘争全国運動を対置することによってこれを根底的に粉砕し、戦後労働運動にかつてなかった労働運動を創り出しつつあること、そのことによってわれわれが日本労働運動の主流派として登場していることをはっきりさせたのです。
 だからこそ、向こう1年間、関西労組交流センターは文字通り命がけの飛躍をしなければならないことを確認しました。
(写真 関西労組交流センター第21回定期総会【12月5日 大阪】)

大阪労組交流センターの結成へ そのために地域交流センターの組織再編方針を決定しました。その目玉は、大阪労組交流センターの結成です。これまで北大阪、南大阪に分かれていた大阪市内で活動する会員を結集して大阪労組交流センターを新たに結成します。大阪労組交流センターは、大阪市職決戦を拠点建設的に闘うとともに関生支部・港合同の2労組との共闘関係強化のために闘います。大阪労組交流センターの三役に青年が入ってまったく新しい労組交流センター運動を始めていくことを全体で確認しました。
 関西労組交流センターは、全国の先頭で国鉄闘争全国運動を担い、その中で巨大な組織拡大を実現し、大恐慌を革命に転化する日本労働者階級の闘いを牽引していく決意です。

 

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●読者のページ

●東京の5合同労組がついにガサ国賠開始!

 ガサ国賠5労組連絡会

 2010年12月15日、一昨年10月7日に不当ガサを受けた東京の5合同労組(ユニオン東京合同、東部ユニオン、なんぶユニオン、西部ユニオン、合同労組八王子)の国家賠償請求訴訟の第1回期日が行われました。午前9時からのビラまき、裁判傍聴、報告集会を20名の結集で連続的に闘い抜きました。
 今から3年ほど前、栃木県佐野警察署管内で起こった「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」という事件で2009年秋、21都道府県、37カ所の不当なガサが強行されました。そのうちガサ令状の期限最終日、10月7日に不当ガサを受けた東京の5合同労組は、この不当ガサを見過ごさず反撃を開始しました。
 当日、ユニオン東京合同に押し入った際にガサ令状をろくに見せもしない公安警察の妨害をかいくぐって、この不当なガサ令状を発布したのが宇都宮簡易裁判所の石井清弘裁判官であることをしっかり頭に叩き込み、翌日早朝宇都宮地裁にTEL。なんと異例なことに当の石井裁判官が電話口に出ました。「不当なガサ令状を出した裁判官に厳重に抗議する。公安警察はこの事件に関連するとするどんな疎明資料をつけて令状請求したのか」と尋ねると弱々しく「一件記録により」とだけ答えました。
 さらに反撃の追い打ちです。10月21日、足利事件菅家さんの再審第1回公判が重なり、ごった返す宇都宮地裁前でビラマキを行い、さらに石井裁判官への「抗議ならびに釈明書」を書記官に手渡しました。同時に、東京地裁へ「押収処分の取消、押収物返還」の準抗告を申立てましたが3日もたたずに却下。「警察が返すといった押収物を受取らないから」といった申立ての趣旨を踏みにじった「決定」です。
 かくなる上は「ガサ国賠」に打って出ようと決意しました。原告は上記5つの合同労組です。被告は国−石井裁判官/東京都−警視庁公安部公安第一課所属の司法警察員警部補の中山幹也・岡野直人・長谷山忠男・藤井俊裕・中村潤。訴状提出は2010年10月7日、不当なガサの入ったちょうど1年後でした。
 わが連絡会は、戦争と改憲攻撃をはね返すためにガサ国賠を開始しました。とりわけ公安警察の請求どおりに「自動販売機」と化した裁判官のガサ令状発布を徹底的に追及します。
 次回第2回期日は、2月25日(金)午前11時、東京地裁第626号法廷です。みなさんの支援をお願いします。

 ガサ国賠5労組連絡会
 連絡先 ユニオン東京合同 東京都千代田区三崎町2−17−8皆川ビル301 朔気付
 TEL&FAX 03−3262−4440

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●解雇攻撃と立ち向かう日航労働者と連帯しよう

 東京労組交流センター女性部 新井明子

 日本航空は、今年度中にグループ全体で約1万6千人の人員削減を、最大で250人の整理解雇方針を打ち出し、12月9日、パイロット94人、客室乗務員108名に12月31日付「解雇予告通知」を行いました。解雇撤回を闘う日航キャビンクルーユニオン(CCU)の17日の「整理解雇撤回を求める緊急集会」、21日の日航本社前行動に参加して感動し、考えたことを書いてみます。
 何よりも、解雇通告を受けた当該労働者の日航資本に対する怒りの激しさと、解雇撤回まで闘うという決意の強さに感動しました。「整理解雇」の人選基準は、客室乗務員は53歳以上と病気欠勤歴のある労働者。資本の延命のために、働き盛りの労働者、弱い立場の労働者の職を奪い、路頭に放り出す理不尽に、内田妙子委員長は「解雇通告書」をかざし体を震わせ、悔し涙で闘いへの決意を語りました。
 各乗務員には退職強要の通知が5回も郵送され、解雇対象者は3カ月も自宅待機・乗務外しを強要されてきました。首を締め上げるような退職強要を敢然と拒否し、解雇攻撃を受けて立つ、労働者としての誇りを持って立ち上がったのです。仲間を裏切る奴隷の道を拒否し、闘いの道を選択した自信と誇りに満ちたその明るい姿は、動労千葉ストライキを闘う動労千葉組合員と同じで、彼女たちの団結がある限り絶対勝てると強く思いました。

スト貫徹こそ勝利の道!

 しかし、集会での日本共産党や全労連幹部の発言には大いに疑問を感じました。主張の要旨は、「日航の整理解雇は解雇4条件を満たしていない、企業再生支援機構の計画以上に希望退職者数も営業利益も上回っている。これ以上の解雇は不当」。さらに、「労組は再建の為にワークシェアや賃下げ協力してきた。労使の協調でこそ真の再建がなされる」というものです。
 人員削減が、運航の安全を脅かすことへの批判は全く賛成ですが、ストライキについての言及が一言もありません。CCUは、全組合委員によるスト権批准投票を9割という高率で確立し、12月24、25日にストライキを構えています。「これ以上の犠牲者を出さないためのやむにやまれぬ」ストへの決起を全力で支援することこそ、共に闘う労働者の立場です。
 しかも、日航会長に就任した京セラの稲盛会長は、人員削減、企業利益と計画以上の進展に満足することなく、「全く新たな会社にする」と、すでに子会社の切り捨てで多くの非正規労働者の職を奪った上にさらなるリストラを宣言しているのです。CCUのスト貫徹こそが、これを阻止し、組合の団結強化を勝ち取ることができるし、全ての労働者に勇気と展望を与えるものです。
 2004年、動労千葉の故中村前書記長は、都高教250名の不起立決起を「最大の援軍」と表し、労働組合・労働運動の支援・連帯のあり方を明確に語りました。あらゆる支援行動を全力で取り組むと共に、会員が職場生産点で資本と非和解に闘って「最大の援軍」になろう。
(23日夜、スト中止を決定)

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読者のページに投稿を
  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

 あけましておめでとうございます。交流センターの発展をかけて『月刊交流センター』の拡大を訴えます。まずは作成・配布するビラに『月刊』の宣伝を入れて下さい!(う)

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Photo Document 2010年11月〜2010年12月

国労5・27臨大闘争弾圧裁判、完全無罪へ! 11・24東京

国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審第1回公判が、東京高裁第10刑事部で開かれた。被告団は、検察官と裁判官を圧倒する公判闘争を展開。その後、報告集会が文京区民センターで開かれ、185人が結集した。

「切り回し道路」工事粉砕! 12・19千葉

三里塚現地において三里塚闘争支援連絡会議と反対同盟の呼びかけで「第3誘導路工事粉砕、切り回し道路への切り替え阻止」を掲げた緊急闘争が開かれた。参加者は農民追い出し攻撃への怒りをみなぎらせて闘いぬいた。

部落解放運動の前進をかちとるぞ! 12・19東京

東品川文化センターで部落解放東日本共闘会議第19回総会が60人の結集で行われた。全国連本部の処分−除名に対し解放共闘の団結の中で新たな闘いを推し進めてきた品川支部と杉並支部の決意に会場は沸き立った。

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