2011年02月号(No.251)目次
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労働者の目 1987年2・16―私たちの闘いの原点 吉野 元久 副代表 国労上野支部

・「1047名解雇撤回2・16集会」を突破口に闘う労働組合を甦らせ、危機の時代を巨大な可能性に転化しよう
 代表運営委員 国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中 康宏

戦後労働運動をのりこえる夢とロマンの実現かけて 「支援する会」を組織しよう 動労千葉を支援する会・東京北部代表 別所 基明

これまでの常識をぶっとばし、でっかい団結をつくるぞ! みやぎ労組交流センター

業績評価制度と闘いぬき、団結を拡大  大嶽 昇一(世田谷区教職員組合組合員)

闘う合同・一般労組 階級的労働運動をたたかう関西合同労組本部が甦った! 関西合同労組執行委員長 黒瀬 博匡

ひめじょおん−女性部から 3・8国際婦人デーに女性労働者の総決起を! 女性部長 長谷川 ユキ

労働ニュース ●2010年12月16日〜11年1月15日

青年労働者は団結してたたかおう! OVER REV  競争入札と民営化絶対反対を貫くために 常南交通労働組合 書記長 西村 隆雄

読者のページ  

・●マンガ /編集後記
 

 労働者の目

1987年2・16 −私たちの闘いの原点
吉野 元久 副代表 国労上野支部

 2・16「国鉄全国運動」全国集会が目前だ。「4・9政治和解」の大攻撃に対して立ち上がった国鉄闘争全国運動こそ戦後労働運動を総括し、のりこえ、日本労働運動を再生する道だ。
 ところで、私は87年2月16日を三鷹保線区人材活用センターで迎えた。3月20日人活センター廃止とともに5月まで「新宿電力区講習室」に隔離された。新宿地区だけでも2百数十名、全員が国労組合員だった。この日、新会社を希望しながら「不採用」とされ、国鉄清算事業団(雇用対策支所)に配属された国鉄労働者は7628名。そしてこの中で、90年4月に二度目の解雇をされた労働者が1047名だ。「2・16」は、採用されようとされまいと、新自由主義との闘いを人生に刻み込んだ、私たち鉄道労働者の原点中の原点だ。
 昨年12月21日、菅民主党政権は、すったもんだの末、鉄道・運輸機構の剰余金をJR三島と貨物会社の経営支援や整備新幹線の建設促進にも当てることを決定した。今後10年間の経営支援策で合計8490億円、最大20年をかけて「完全民営化の達成」を目指すという。01年小泉政権が閣議決定した「完全民営化方針」は絶望的となり、「国鉄改革の完遂」の破綻は鮮明となった。とりわけ分割民営化の最大の矛盾点であり、「乾いた雑巾を絞る」とされるJR貨物の大合理化攻撃が3月ダイ改の重大焦点となる。第2の分割民営化攻撃との激突は不可避だ。
 われわれは、この闘いを「国鉄全国運動」の万力のような力と、反合・運転保安闘争路線で武装し、絶対に勝ちぬく。
 2・5〜6全国労組交流センター第18回全国総会を、戦後労働運動の総括をかけた日本労働運動の新たなナショナルセンターの跳躍台にして闘おう。

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■「1047名解雇撤回2・16集会」を突破口に闘う労働組合を甦らせ、危機の時代を巨大な可能性に転化しよう

 代表運営委員 国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中 康宏

 新しい年の新たな闘いが始まっています。去年来起きていることは大きな歴史の転換点です。大失業と戦争の時代の本格的な到来。中野前委員長がいつも訴え、そうした時代に立ち向かえる労働組合にならなければいけないとずっと追求をしてきたわけですが、本当の意味でそういう時代がやってきました。
 私たちは去年1年間の闘いでこの時代に立ち向かうことができる大きな土台をつくりました。よくぞこれだけの闘いができた。現場の奮闘に心から御礼を言いたい。さすが動労千葉の組合員だと去年ほど誇りに思った年はありませんでした。今年、それを本当に生かすことができるのか。それが問われています。

 外注化を阻止した力

 何よりも大きかったのは、去年1年間の闘いを通して検修・構内業務の全面外注化攻撃を止めたことです。実に去年1年間で5回ストライキをやりました。外注化攻撃はJR東日本全体の問題ですから、動労千葉のような小さな労働組合が立ち向かったからといって、止めることができるとは初めから予想することなどできない状況でした。しかし、僕らは絶対にあきらめないで立ち向かおうと決断した。全力を尽くして立ち向かった結果、全部止めました。偽装請負の問題などで、すでに1年以上団交を開くこともできない状況に当局を追い込んでいます。その闘いのなかで東労組の若い仲間たちが動労千葉に結集してくる状況も生み出しました。
 今日まで外注化を止めてきた力は何だったのか。核心はシニア制度以来の激しい組織攻防戦に勝ちぬいたということです。動労千葉の組合員だというだけで雇用延長を拒否してクビにするという攻撃、業務外し、支部役員の相次ぐ配転、さらには動労千葉と仲がいい東労組の平成採まで配転された。10年に及ぶ攻防の全ては組織破壊攻撃との闘いでした。それに勝ちぬいただけでなく、攻撃のたびに職場全体に火を点け、東労組をガタガタに揺さぶって組織拡大を実現した。シニア制度を廃止に追い込んでからは、動労千葉の退職者も外注先である車両整備会社に行っています。すでに30人以上です。車両の掃除をやっています。本当にきつい仕事で、行けばみんな5〜6`痩せます。会社はそこにつけ込んで、「慣れた検修や構内の仕事をやった方が楽だよ」と言う。だけど「ふざけんな、そんなことできるか!」と、みんなきつい掃除の仕事に就いた。
 会社は、管理者を出向で外注会社に送り込んで労務政策の体制をつくり、東労組の元役員を外注要員として送り込んで外注化の突破口を開こうとしました。それが京葉車両センターでの2月1日構内外注化攻撃でした。だけど、12月3〜4日のストライキとその渦中での3名の仲間の動労千葉への結集で、そんなことを強行したら大変なことになるという状況をつくり、これも頓挫しようとしています。
 人生をかけて動労千葉に結集してくれた若い仲間から60歳を越した年配者まで、一糸乱れずひとつになった。そうした力が外注化攻撃を止めたということです。外注化という現在の資本主義体制の核心的攻撃、究極の合理化・労組破壊攻撃に立ち向かって、こうした団結を生み出したのは、これまでの反合理化闘争の限界を明らかにのりこえる地平を開く闘いでした。

 国鉄闘争全国運動の可能性

 それと、やはり1047名問題の「政治解決」に抗して国鉄闘争全国運動を立ち上げたのが大きかった。1047名闘争は24年間、歯を食いしばって、「国鉄分割・民営化は絶対に認めない、それが労働者にもたらしたものは何だったのか」と訴えて解雇撤回を求めた闘いです。それが4月9日、ああいう形で「和解」しました。何度も述べていますが、応じざるを得なかった闘争団の人たちを非難するつもりはありません。だけど、肝腎なことが忘れられてはいないか。日本の労働組合・労働運動は、国鉄分割・民営化攻撃にちゃんと立ち向かえなかったんです。その結果、どれだけの労働者をひどい状況に突き落としてしまったのか。どれだけ労働運動が後退したのか。それに立ち向かえなかったら日本の労働運動の火が消える。動労千葉の団結も崩れる。あの「和解」を見てそう思いました。そこでどういう決断をするのかが問われた。だから、全国の仲間たちに訴えて新しい国鉄闘争の全国運動を立ち上げました。この運動はまだ出発点をつくったばかりですが、同じ危機感をもってこの事態を見ていた仲間たちが沢山いた。
 職場を追われた20万の国鉄労働者、国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃で突き落とされた1500万の非正規労働者、団結する術もなく未来を奪われている仲間たち。104
7名闘争はすべての怒りの声をその先端で結集する闘いです。
 ここまでは繰り返し述べてきたことです。「4・9和解」のもつ意味、全国運動がもつ意義についてもう一歩議論を進めなければならない。私は、24年が回り巡って、国鉄分割・民営化攻撃がもつ階級的意味が、再び情勢全体の最大の焦点にせり上がってきているのではないかと考えています。
 例えば、社保庁解体攻撃の過程をもう一度見てほしい。「年金業務・組織再生会議」というところで解体・民営化の枠組みをつくる議論が行なわれています。その議事録を見ると、「今回も、国鉄改革法と全く同じスキームでやっているから、日本年金機構による不採用が不当労働行為となる可能性はない」「分限免職それ自体が不当労働行為とされることもない」「国鉄分割・民営化にかかわる最高裁判決があるから大丈夫」などという議論が繰り返し行なわれている。さらに、絶対に1047名闘争化させないことに全力を尽くしている。そのために取られた手段が連合の動員です。職員の採否を決める日本年金機構設立委員会に連合事務局長を入れて、連合の手で首を切らせた。さらに、社保庁労組は新しい年金機構が発足する前に解散させて、首を切られる労働者たちを労働組合から排除した。自治労にそれをやらせたわけです。
 これが、去年1月1日にやられたことです。それで1047名問題の「和解」が4月です。さらに12月31日には日航の指名解雇。そしてこれから360万公務員労働者を「国鉄方式」で解雇しようとしている。この流れを見れば、「4・9和解」の本質は明らかです。
 われわれが国鉄闘争全国運動を立ち上げた意味は小さなことではない。これまでの延長線上でちょっと頑張ろうということではない。われわれ自身の構えや発想が小さかったら勝負にならない。逆に言えばものすごい可能性を秘めた闘いだということです。
(写真 日本年金機構本部前で社保労働者525人分限免職撤回の訴え【1月4日東京・杉並】)

 勝浦市長選への挑戦

 さらに、勝浦市長選に挑戦するという、われわれ自身想像もしていなかった状況が生まれ、それを決断したことも今の時代を見るときに大きな問題です。これまでの常識では考えられないことです。だけど、産業廃棄物の最終処分場――最終処分場といったって、産業廃棄物をぼんぼんぶち込んでいくだけのものです――がつくられるということをきっかけにして、去年10月、地元の漁民を中心とした総決起集会が開かれました。2万数千名の人口の1割以上、28
00名が集まって「絶対反対」の声が上がった。そうした状況のなかで、「止められるのは水野正美さんしかいない」という声になったわけです。
 職場はまさに決戦状況です。だけどこういうときに、要請された課題・情勢から逃げたらすべてダメになる。それで「無謀」を承知で決断したわけです。決断した以上は必勝をめざして頑張らなきゃいけない。
 勝浦市長選挙は、千葉の田舎の局地的な闘いかもしれませんが、正しい路線と運動を守りぬいていて、それが怒りの声と結合したときには、こんな小さな労働組合ですが、自民党と真っ向勝負してわたり合えるような時代が到来しているのだということを象徴的に示していると思います。

 危機の時代を巨大な可能性に転化しよう

 さて、始まった大きな歴史の転換点についてですが、特に去年の尖閣問題から延坪島()の砲撃戦に至る過程を見ていて、ものすごい危機感を持ちました。労働組合が何をするのかが問われている。結局、大恐慌・資本主義の危機が戦争に行き着こうとしている。「労働者に国境はない」ということは、労働運動をやっている者にとっては当たり前のことでした。だけど、現実の戦争の危機を前にして、そういう当たり前のモノの見方が世の中から消え失せようとしている。全部「国家」「民族」の単位で物事が見られ、排外主義が煽られていく。ここで頑張らなかったら何年か過ぎた時には、「あの延坪島の事態から戦争が始まった」となる。絶対に歴史にそう書かせてはいけない。
 その場合、忘れてはいけないことは、今、目の前で進行する戦争の危機に行き着くまでに、30年余りに及ぶ延々たる労働者に対する戦争が続けられていたということです。新自由主義とは、労働者階級に対する延々たる戦争でした。資本主義は労働者の血の海の中にようやく立っている。地球上にも膨大な失業者があふれかえっている。世の中にはあり余る生産力があるにもかかわらず、何億という失業者やメシも食えない労働者・農民たちがあふれかえっている。やりたい放題のことがやられ、自己責任だ何だと未来も何もかもが奪われてきた。若者の50%以上が非正規です。高校や大学を卒業しても就職先がない。こんなに労働者の権利が奪われた時代はなかった。資本主義体制はその生命力を失っている。延坪島の事態も、4・9政治和解も、公務員制度「改革」やTPPなどに突き進もうとしている事態も、大増税や社会保障制度解体攻撃も、すべては資本主義体制の危機と労働者の存在と闘いという視点から見なければいけない。問われていることは何か。労働者・労働組合が団結し声をあげ、こんな社会は間違っている、社会を動かしているのは全部労働者だ。この闘いを始めるということです。
 菅政権も、もう政治の体をなしていません。だけど、これから起きることはより膨大な首切りと戦争への突進だということだけははっきりしています。公務員制度「改革」だって、360万人の首切りが「良質な公共サービスのため」「成長戦略だ」といってやられようとしている。大いなる欺瞞です。労働者の首を切り、生きることもできない非正規職に突き落としていくことの何が「良質な公共サービス」なものか。これに立ち向かってきたのが1047名闘争だった。ここにこだわり続けて立ち向かっていかなければいけない。
 事態は予想を超えて進んでいます。問題は、世の中に渦巻く怒りの声を、「あなた方は本当に僕らの怒りの声をつかみあげてくれるのか」という叫びとして聞かなければいけない。時代に食らいつき、考えぬき、運動を組織し、飛躍していくことができるのか。今の力からすれば、どんなに手に余るような課題であっても、どんなに困難な課題であっても食らいついていくこと。そういう構えがあれば、僕らの周りで起きていることのすべてが可能性に転化する。そういう時代が来ています。
 こうしたことがよく見えるようになったのも国鉄闘争全国運動という形で新しい挑戦を始めたからです。4・9和解は運動の重大な危機です。だけどその危機のなかに可能性があったということが自分の実感としてわかった。

 1年間の闘いの課題

 2・16集会で2011年の展望を切り開こう

 JRをめぐっても、4・9以降すべてが一変しています。それが「国鉄改革25年問題」です。労働者の犠牲の上に国鉄分割・民営化は成功したんだという形をとる。国労の変質もものすごい速度で進んでいます。
 2月16日に行う1047名解雇撤回の集会が決定的です。集会の前段に10時から5時までかけて各地方の国鉄闘争全国運動の各会の全国代表者会議を開いて、徹底的に討論もしたい。この場がものすごく大事になります。ここでの討議が今年1年間の方針、展望をつくりあげる場になると思います。そして夕方から総決起集会をやります。この下に怒れる労働者みんなに集まってもらってこれからこの1年かけて日本の労働運動のあり方を絶対に変えていく展望をつくりあげたい。1年間の闘いの出発点にしたい。国鉄闘争全国運動の発展にすべてをかける。それができたときにはこの1年、新たな飛躍を実現することができると思います。 

 ライフサイクル、賃金制度、基地廃止、外注化

 すでに闘いは火蓋を切っています。千葉支社は、動労千葉に結集してくれた平成採の若い仲間である千葉運転区支部の北嶋君を、2月1日付で駅に配転しようとしています。「ライフサイクル制度」です。北嶋君は1月19日から無期限の指名ストに突入し、千葉転支部も総決起しています。当局はあくまでも配転を強行しようとしています。そうなった場合は、2月1日から運転士や駅に配転されている組合員全体がストに突入します。
 また、1月13日、JR東日本が「人事・賃金制度の見直しについて」という提案を出してきました。賃金制度の抜本的改悪攻撃です。「基本給表を廃止する」というとんでもないものです。誰がいくらの賃金なのか誰もわからないようにしてしまう。初任給だけ決まっている。あとは会社のサジ加減ひとつ。つまり賃金を団結破壊の道具として使う。さらに管理者的な層には「役割手当」という名称の手当をつける一方、会社のロボットにならなければ幾らも賃金は上がらない。しかも、提案された賃金制度は、現場のあらかたの業務を外注化してしまうことを前提にした賃金制度です。春闘も決戦です。
 さらに、JR貨物は3月12日のダイ改をもって、動労千葉の拠点である千葉機関区新小岩派出の廃止を画策しています。基地を廃止するというのに、正式な提案もしないまま、すべてを水面下で進めている。反対の闘いをさせないということです。拠点職場の廃止は最大の組織破壊攻撃です。しかも、国交省が「日航の次はJR貨物だ」と公言する状況のなかで、新小岩派出廃止は、全面的な賃下げ攻撃を含む貨物大リストラ攻撃の始まりを意味するものです。われわれは地域の労組にも呼びかけて、絶対反対の闘いを組織する決意を固めました。
 それに最大の焦点である外注化攻撃も、この春最大の焦点を迎えます。東労組は昨年12月10日、「偽装請負の根絶」なることについてJR東日本と「合意」して議事録確認を行いました。契約書など、表面上の形式を整えて、労資一体で偽装請負隠しをすることで合意したということです。それで、行きづまった外注化を進めるための協定です。こんなことを協定するなんて聞いたことがない。動き出そうとしています。外注化攻撃との闘いでも、全力を尽くして新しい闘いに立ち上がりたい。
 こうした職場をめぐる決戦の渦中で勝浦市長選挙にも総決起して勝利をかちとる決意です。
 四重五重の闘いをやらなきゃいけないと考えると本当に大変です。だけどその中に可能性があるんです。すべての可能性は闘いの中から生み出される。大変だからこそ現場の力が発揮される。闘う労働組合はそういう闘いの中でしか生まれない。現場と一体となって必死に考え抜けば、すべての闘いがお互いに強め合うような形で1月〜3月の過程を闘いぬくことは必ずできると考えています。
(写真 「ライフサイクル制度を撤廃しろ!」【1月19日千葉運転区門前】)

 あらゆる闘いの飛躍を

 さらに、国鉄闘争全国運動を柱にして、全体としてあらゆる闘いを本気になってトータルに全部飛躍させなければいけない。時代は大失業と戦争の時代です。労働者に対する大失業攻撃。解雇や賃下げだったり、社会保障も教育も医療制度も何もかもぶっつぶしていく攻撃だったり、そのすべてをひっくるめて大失業攻撃と言っています。それと戦争です。戦争のきな臭い危機が迫っています。
 国鉄闘争で言えば、4月25日、尼崎事故で107名の乗員・乗客が殺された日。これをこれまでの延長線じゃない大闘争としてやりたい。反戦闘争もそうです。3・20イラク反戦闘争や沖縄闘争も焦点です。4・28や5・15の沖縄闘争もこれまでの延長線じゃない闘いにする。8・6ヒロシマの闘いも爆発的に、これまでの延長線上ではないものにする。これらの闘いを、これまでのあり方をいったん白紙に戻すくらいの決意で阻止するということも、国鉄闘争全国運動を立ち上げたことによって可能になっていると思います。一個一個を、こういうスケジュールだからこういう集会をやってというような発想は全部頭から叩き出して、時代との関係、緊張感ですべてを考える。職場の闘いも全部そうです。われわれが飛躍すれば世の中は動く、動かすことができると確信して進んでいきたい。
 組織拡大の正念場
 動労千葉もものすごい飛躍をかけて本格的な組織拡大に挑戦したい。労働組合とは本当は素晴らしいものなんだ。この時代に労働者が労働組合に団結することをとおして自分の生き生きとした力を発揮できる。これまでの労働運動のひどい現実をのりこえるためには、僕らの下に若い仲間たちを結集する以外に道はない。ここにすべてをかけなければいけない。闘う労働組合を絶対に再建・復興させたいということです。時代から求められている課題がどんなに大変でも全力を尽くして闘いぬき、11月には日比谷野外音楽堂に最低1万名を結集できるぐらいの力を持つ。その目標を実現するために全力を尽くす決意です。

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 労働者学習センターブックレット特別号

『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』を読もう

伊藤晃 布施宇一 増田明生 田中康宏
A5版 168頁 頒価700円(10冊以上1冊500円)
《目次》 ●戦後労働運動史の中の船橋事故闘争/日本近代史研究者、国鉄闘争全国運動よびかけ人 伊藤 晃 ●マル生・船橋事故・基地統廃合……私が職場でやったこと/動労千葉顧問、元副委員長 布施 宇一
●合理化攻撃と反合・運転保安闘争/動労千葉労働学校講師 増田 明生 
●動労千葉の反合・運転保安闘争路線と国鉄闘争全国運動/動労千葉執行委員長 田中 康宏

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 国鉄分割・民営化で不当解雇から24年 2・16を忘れるな!

1047名解雇撤回2・16集会

講演「国鉄分割・民営化と新自由主義攻撃の現段階」
鎌倉孝夫(全国運動呼びかけ人 経済学者・ 埼玉大学名誉教授)

日時:2月16日(水)18:30〜
場所:すみだ産業会館(東京都墨田区
江東橋3−9−10丸井共同開発ビル8階/JR錦糸町駅南口から徒歩1分)
国鉄闘争全国運動2・16全国地域・職場活動者交流会
 日時:2月16日(水)10:00〜17:00
 場所:ティアラこうとう(東京都江東区住吉2− 28−36) 地下鉄 都営新宿線・東京メトロ半蔵門線「住吉」 駅下車徒歩4分)
いずれも呼びかけ 国鉄闘争全国運動

 

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(写真 動労千葉を支援する会・東京北部結成集会【2010年7月21日】 )

■戦後労働運動をのりこえる夢とロマンの実現かけて
「支援する会」を組織しよう

動労千葉を支援する会・東京北部代表 別所 基明

 4・9国鉄闘争政治和解による戦後労働運動解体攻撃と対決してスタートした「新たな国鉄闘争全国運動」6・13全国集会の熱気が冷めやらぬ7月21日、動労千葉を支援する会・東京北部の結成集会が開催された。「これまでの体制内労働運動の限界をのりこえ、資本・権力と非和解で闘う階級的労働運動を東京北部の地域・職場で復権させる」出発点が築かれた瞬間だった。
 東京北部では、北部労組交流センターを中心に、動労千葉型労働運動を推進する母体として「3労組(精研労組、一陽会労組、東京北部ユニオン)陣形」を確立してきた。とりわけ精研労組では、10春闘過程で念願の青年部結成を勝ちとり、力をつけながらあらゆる労働運動の場面に青年労働者が登場する素地をつくり上げてきた。

「自らの職場に国鉄闘争がある」

 しかし、その延長ではもはやいかない「4・9情勢」にどの職場でも直面した。それが、精研における昨年9月の非正規の青年労働者への雇い止め解雇策動だった。もしここで組合として真っ向対決できなければ、これまで職場に築いてきた資本との力関係もあっという間に転覆されかねない攻撃の質であった。しかし、国鉄闘争は自らの職場そのものだとつかみ闘ってきたことで、青年部が先頭に立って正規職を含めたあらゆる職種の労働者の決起を呼びかけ、解雇撤回を勝ちとることができたのである。この闘いを通じて、北部の労働者は「自らの職場に国鉄闘争がある」「職場に徹底的に団結を組織して闘えば、戦後労働運動の限界をのりこえて資本に勝てる」ことを実感した。そして国鉄闘争全国運動を、1047名闘争を先頭に大恐慌下の大失業と対決し、全労働者の展望を開く結集軸として推進し、11・7全国労働者集会に青年労働者の層を増す結集を勝ちとっていったのである。

反合・運転保安闘争路線を自分の職場に適用して闘う

 この過程でわれわれは、動労千葉の反合・運転保安闘争路線に徹底的に学び、自分の職場に適用して闘うことの決定的意義をつかんだ。
 一陽会労組では、組合に所属する在宅のヘルパーが当局から言いがかりをつけられ仕事を奪われたという首切り・賃下げ攻撃がかけられたが、組合員が正規―非正規の分断をのりこえて団結して反撃し、粉砕する闘いが展開され、今も続行中である。一陽会労組は、患者に看護職員が刺殺された「10・3事件」という痛切な教訓を通して、事故は、利益優先のため合理化を進め、職場の安全を切り捨てた当局にのみ責任があるという立場を確立し、反合理化・安全闘争を闘う労働組合として展開している。
 また、東京北部ユニオン・コンドルタクシー分会では、分会長の事故・違反を言いがかりとした雇い止め解雇との闘いが、都労委闘争と職場での獲得戦として継続している。
 この2つの労働組合は、どちらも体制内労働組合との熾烈な組織攻防戦を闘っている。動労千葉の闘いで明らかになった「自らの闘いで団結し、組織拡大を勝ちとる―組織拡大でさらに闘いが発展する」という循環を目的意識的につくり出すことが重要である。11春闘は、動労千葉破壊を核心としたJRの全面外注化攻撃を中心に、外注化・非正規化との全産別での決戦である。2・16国鉄集会への組織化を軸に、今春闘を反合理化で徹底的に闘い、組織拡大を全力で取り組む。

動労千葉物販こそ最大の武器

 さらに、国鉄闘争全国運動を推進する最大の武器になるのが動労千葉物販である。物販は、「解雇撤回闘争を支える資金作り」だが、それ以上に「職場・地域で自己を動労千葉派として押し出し、物販を通じて1047名解雇撤回闘争の正義性と動労千葉の反合・運転保安闘争を訴え、地域・職場の闘いと結びつける」ものとして極めて重要な意味をもつ。
 東京北部ユニオン「街」分会では、動労千葉物販を動労千葉労働運動の拡大闘争として位置づけて取り組み、北部全体としてもこれまでを大きく上回る額を実現している。物販労組回りのなかで、教労や保育所などで、体制内幹部の壁にぶつかりながらも、新たな出会いと結合が始まっている。

うまずたゆまず会員の拡大を

 動労千葉のような労働運動を作り、拡大していくためには、やはり支援する会の会員を地域・職場でうまずたゆまず拡大していくことである。北部の支援する会結成にあたって重視したことは、月1回定期的に会報を発行し、会費を集めること、そのためにも組織を組織としてつくることであった。代表―事務局体制と同時に、拠点となる労組あるいは活動体から幹事を選出し、全体で幹事会を行っている。そしてこれ自体が地区の交流センター活動と完全に一体で行われている。

交流センター結成時の精神

 つまり、国鉄闘争全国運動の発展は、「資本の先兵と化した連合・全労連にとって代わるナショナルセンターをめざす」という全国労組交流センター結成時の精神、夢とロマンの実現へ向かって無限の可能性を開くものであると確信する。
 大恐慌が深まるなかでの戦争と大失業の情勢を捉えるならば、この2011年、しかも2・16国鉄集会から6・5国鉄全国運動1周年集会への前半戦で、決定的な地殻変動的な勝利と組織拡大を勝ちとる気概をもって進まねばならないだろう。
 動労千葉を支援する会結成から半年、前進を勝ちとっているが、この延長ではいかないことも確かだ。一つは各職場に「支援する会」をつくることである。教労・自治労・郵政などの職場に一定の繋がりは確保してきたが、これら4大産別をはじめとして、あらゆる職場・地域に自立的創造的に支援する会を立ち上げることが課題である。
 もう一つは動労千葉物販の地域の労働組合への広がりを強めることである。地域懇談会で、動労千葉の関執行委員は「自分たちは物販のためにどの職場でも行くが、その職場に必ず2度3度と足を運んで関係をつくってほしい。それが物販の真の意味です」と訴えられていたが、日常的恒常的につながっていく意識性が求められている。
 国鉄闘争全国運動の発展はこの1〜3月の春闘過程にかかっている。動労千葉を支援する会・東京北部は、全力をあげて組織拡大に取り組む決意である。
(写真 関のボロ市で動労千葉物販を売る別所氏(2010年12月9日。左から2番目)

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(写真 東北石けん労働組合 地労委全1日行動【 昨年12 月7日朝、仙台市役所前)】)

■これまでの常識をぶっとばし、でっかい団結をつくるぞ!

みやぎ労組交流センター

 こんにちは。みやぎ労組交流センターです。はじめに自己紹介をします。
 みやぎ労組交流センターは92年結成当初から全金本山闘争を当該労組と共に闘ってきました。本山闘争に育てられてきた地域センターです。仙台市職労、全逓・新仙台局、東北せっけん労組、などに複数の会員がいます。一昨年1月にみやぎ連帯ユニオンを立ち上げました。また、みやぎの特色として東北大学生運動と労学一体となって闘っている素晴らしさがあります。
 2010年はみやぎにおいても2011年の大飛躍の土台を完全に築きました。
 第一に、階級的労働運動の基軸である国鉄闘争を多くの会員が自らの課題として担ったことです。昨年冒頭から検修外注化阻止のチラシ・パンフをJRの職場・宿舎にくまなく撒きまくりました。みやぎでもタブロイド版がJR東労組の掲示板に貼られてがされないという情勢をつくり、外注化を阻止したことを動労千葉とともに勝ちとった大勝利として総括しています。
 4・9和解大攻撃を日本労働運動の絶滅の危機と捉えた動労千葉の危機感をともにし、国鉄闘争全国運動を立ち上げた画期的意義を自分のものとするのは簡単ではありませんでした。センター内外で激論をしながら、4者4団体派との攻防を職場・地域で闘い、「支援する会」の組織化に挑戦し、その中で国鉄全国運動の意義の主体化を一歩一歩進めてきました。動労千葉物資販売も組織をつくるという目的をはっきりさせて取り組みました。職場の仲間に働きかけるということになかなか踏み出せない会員の格闘を共有化し、団結の力で突破しようと頑張っています。
 第二に、世界大恐慌―戦争と大失業の時代を労働組合を拠点として革命を実現するチャンスとして捉える時代認識を鮮明化させ、反合・運転保安闘争路線を主体化してきたことです。「合理化はいい面もあるのではないか?」などの意見を契機に討論を深めてきました。
 第三に、みやぎにおける労働組合の拠点建設と闘う労働組合権力樹立にむけての挑戦を青年労働者を先頭に開始しました。みやぎにおける拠点建設といえばまずは市職労です。しかし、市職労拠点化といってもはじめからの一致はありませんでした。市役所前での街宣を積み上げる中で市職の労働者と出会い、議論をし、交流してきました。そういう闘いの中で会員の職場の違いなどの分断をのりこえ、一致をつくってきたのです。市職労では昨秋新たに決起した青年とともに支援する会の結成を勝ちとりました。
 全金本山労組は6・13集会に執行部決定で総決起しました。全逓、教労、民間でも闘う労働組合権力樹立をめざし、体制内派と闘いながら、全国運動・支援する会の組織化で格闘してきました。東北せっけん闘争や金子哲夫君の解雇撤回の闘いも国鉄全国運動と一体でみやぎ連帯ユニオンの分会づくりをめざしてきました。
 職場での闘いがうまくいかないときは会議で討論し、仲間の顔を思い浮かべながら職場での困難に立ち向かってきました。
 2011年、みやぎセンターの課題は青年労働者の獲得、組織拡大につきます。国鉄闘争全国運動・「動労千葉を支援する会」の組織化、『月刊』読者の拡大、会員獲得への挑戦です。体制内派から労働組合権力を奪取するためには仲間とともにやることでしかできません。隣の仲間の闘う力を信頼し、労働組合の持つ力の可能性にかける、ここでのマルクス主義者としての確信と実践が問われていると感じています。団結の力で自己解放的に明るく闘い、その中で組織拡大に挑戦し、大いに失敗し、また挑戦していく。その実践を今年はやっていく決意です。
(写真 昨年11・7集会に登壇した仙台市役所・動労千葉を支援する会)

青年が「支援する会」に結集

 新年冒頭、市内各郵便局での元旦チラシまきを行いました。朝6時、真っ暗な局舎入り口で2日前の社長の記者会見を暴露しながらチラシを渡すと、夜勤明けのグループが立ち止まり新たな合理化の話に注目します。また、元旦からの早朝勤務者も足を止め、チラシを読み始めます。2011年は、彼ら彼女たちと、資本と闘う団結を本気でつくろう、みやぎセンターでは決意を新たにしました。
 昨年、「動労千葉を支援する会」を結成した仙台市役所では、新年も新たに青年労働者が会に結集しました。4・9政治和解は、公務員労働者360万首切りの攻撃であり、労働組合の解体が最大の狙いです。動労千葉のように絶対反対で闘う新たな労働組合をつくろう、労働者の力で世界を変えよう、こう真向から訴えた瞬間に、青年労働者の結集が始まりました。そして、24時間365日の討論、学習の積み重ねです。みやぎセンター全会員の職場に「支援する会」を組織するぞ。動労千葉の指名スト・非協力闘争で決戦が始まっています。
 みやぎセンターは、15日、百万人署名運動の初デモで「朝鮮侵略戦争反対!」の声をあげ、解雇撤回・外注化阻止の決戦に立っています。2011年、「これまでの常識をぶっとばし」新たな仲間と次々と出会い、ガンガン話をし、でっかい団結をつくるぞ。宮城のJR青年労働者の決起をつくりだすぞ。がんばろう!
(写真  昨年11・7労働者集会)

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業績評価制度と闘いぬき、団結を拡大

大嶽 昇一(世田谷区教職員組合組合員)

 私の業績評価制度との闘いは、世田谷区立三浦健康学園の廃園の年、04年度の私へのC評価(3カ月の定期昇給延伸と3回の校長面接の義務づけ)をめぐって始まりました。当初は、三浦健康学園の運営のために7年間全力を尽くしてきたこと、特に最後の廃園の年は、台風が10個も来て、体を張って学園を守ってきたことへの自負が踏みつけにされたことへの怒りから始まった闘いでした。しかも、学園でのことを何も知らない異動先の校長から一方的に告知され、彼の研修を受けなければならない理不尽も我慢なりませんでした。
(05年5月世田谷区教委に苦情申出→同年6月却下。同年8月東京都人事委員会に措置要求→08年3月棄却。08年3月東京地裁へ提訴。2010年5月、東京地裁は、東京都人事委員会の棄却決定の取り消しと、損害賠償と慰謝料の支払いを世田谷区と東京都に命じる「全面勝利」判決)

管理強化、多忙化、クビ切りの大元に業績評価制度があった

 そうやって始まった闘いでしたが、7年ぶりに世田谷区内の現場に戻ってみて、私が学園に行っている間の00年4月から導入された業績評価制度が、現場を一変させていることに驚きました。特に04年度から業績評価が賃金にリンクされるようになり、人事権を握る校長が賃金とリンクされた評価権も握って教職員の生活を左右する権力を手にしました。石原都教委による03年の10・23通達(「日の丸・君が代」の強制)、校長の権限強化と職員会議の形骸化などと相まって、教職員が急速にものを言えなくされてしまいました。「格差教育」と「愛国心教育」への教育労働者の抵抗をつぶすことに核心がありました。あげくには、忘れもしない09年12月、「私の学校運営方針に反対する職員は抹殺します」という言葉が朝会で校長の口から平然と出るまでに、管理職の奢りと腐敗は極まりました。
 他方、03年度から「主幹」制度が、08年度から「主任教諭」制度が導入され、教員は7段階に分断・階層化され、昇格しないと賃金が上がらない職階制賃金が持ち込まれました。この昇格基準の根幹に業績評価が据えられています。さらには、すでに公務員360万人クビ切り―選別再雇用・非正規職化の攻撃が、社会保険庁や公立病院などでの分限免職として始まっていますが、この業績評価制度はクビ切り基準になっています。
 週案や指導案、様々な報告書の遅れが評価に響くからと、毎晩8時、9時まで職員室に残って残業をするのが当たり前というような多忙化の強制。同僚との競争と疑心暗鬼があおられ、管理職への服従が強いられるストレスで精神性疾患が激増。管理職のパワハラで新採が退職を強要されたり、自殺に追い込まれる例が後を絶たない……。このような教育労働者の団結と協働が徹底的に破壊された過酷な職場の現実をつくっている大元に、人事考課―業績評価制度があるということが、現場の日々の攻防の中で、同時に裁判を闘う中でわかってきました。

足かけ6年の闘いで、広がる職場の共感、団結の拡大

 多忙化の現実に対して、定時退勤を職場闘争として続けています。若手はなかなかですが、中高年の多くは、可能な限り定時に退勤する状況になっています。また、今のひどい状況しか知らない若手を意識して、職員会議などで管理職の理不尽な言動に対して絶えず反論してきました。同じ屋根の下にいてもコミュニケーションする機会を極端に奪われている状況の中で、ちょっとした機会を見つけて、うまずたゆまず裁判の傍聴、11月集会などの呼びかけ、動労千葉物販の呼びかけなどを続けてきました。先日、管理職抜きで職員旅行(日帰り)を企画したところ、15人の参加があり、食事会では理不尽な現場の現実や管理職の横暴への不平不満が続出し、予定時間を超過して大いに盛り上がりました。一方で2年間で3分の2の教職員が入れ替わるという異常な状況がありながら、私の訴えに耳を傾けてくれる人は確実に増えています。年度初めには私に対して態度が固かった若手も、年度が進むにつれて、だんだんと不平不満や不安を率直にうち明けてくれるようになります。
 そんな中で業績評価裁判も、最初は私と弁護士二人から始めた闘いでしたが、元同僚の退職教員や地域のユニオンの仲間が「岬の会」(業績評価裁判を支援する会)をつくってくれ、着実に運動が広がり、先日の控訴審第2回には、40人をこえる傍聴者が駆けつけてくれ、傍聴席があふれるまでになりました。特に昨年5月13日の東京地裁での勝訴以降、私が執行委員を務める組合も活性化し、勝訴直後の組合大会は、近年にない組合員の結集が実現し、熱気を感じました。不当評価への組合員からの告発も表面化し始めました。さらに東京発で今や全国に波及した業績評価制度は全国の教育労働者の怒りをかっていますが、私の勝訴を励みに裁判に踏み切った教育労働者が多数現れ、連絡をとり合っています。日教組の全国教研(1・22〜24)で報告しますが、業績評価に苦しめられている全国の教育労働者に闘いを呼びかけるつもりです。同時に、かつて「勤評は戦争への一里塚」というスローガンを掲げて大量処分を辞さずに闘った闘う日教組を甦らせるために、業績評価制度とまったく闘おうとしない日教組本部に対して、私の勝訴を武器に組織的な抵抗闘争の方針を出すよう要求するつもりです。
 このように、足かけ6年の闘いが示していることは、けっしてあきらめずにねばり強く闘えば勝利できるし、闘う団結が着実に広がるということです。
 (写真 勝訴の報告をする大嶽氏【右から2人目】【(2010年5月13日 東京地裁】 )

戦争反対の闘いとして業績評価制度撤廃の闘いの勝利へ

 これから年度末にかけて、業績評価が実施されますが、今現場に本人開示請求を呼びかけています。多くの教育労働者が団結して本人開示請求を行えば、不当評価が次々と表面化し、制度撤廃運動の大きな弾みになると確信します。勝訴を武器に業績評価制度撤廃の職場の闘いを盛り上げていきたいと思います。そのためにも、控訴審には絶対に勝利します。
 大恐慌が大失業と戦争の攻撃として私たち労働者に襲いかかっている今、「教え子を再び戦場に送らない」教育労働者の闘いとして、不起立闘争とともに業績評価制度撤廃の闘いを勝利するまで闘いぬく決意です。

 

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■闘う合同・一般労組

階級的労働運動をたたかう関西合同労組本部が甦った!

関西合同労組執行委員長 黒瀬 博匡

 

 昨年末12月23日、関西合同労組は大阪・難波で第14回定期大会の成功を勝ちとりました。兵庫支部・石田一派と大激突して敢然と分岐した08年6・22以来の前進を総括し、ついに到来した大恐慌・大失業・戦争の時代を資本主義打倒のプロレタリア革命に転化するために、600
0万労働者階級を私たち11月集会派こそが獲得する挑戦を開始する。そのための大飛躍として本部執行委員会を再確立したのです。この歴史的な大会を全国の仲間に報告します。

 故中野顧問の指導で組合はつくられた

 大会の始めに、野口英明副委員長は「本大会は関西合同労組本部が甦る大会だ。どういう組合として生まれたか紹介したい」
と発言。94年、当時動労千葉委員長だった中野さんと相談して、中野さんの「労働者はひとつだ。未組織のことしか考えない組合ではだめだ。このことを外さず、積極的につくれ」という指導を得て、組合が生まれた。当初から関西合同労組は国鉄闘争・動労千葉が軸に座っている組合だった。これを裏切ったのが石田たちだった。「これから労働運動
を甦らせる中で、僕らも関合労本部として甦っていく」と結成以来闘ってきた立場から、今大会への熱い思いが語られました。

 吉本代表が熱烈アピール

 来賓を代表して、合同一般全国協代表・東京西部ユニオン吉本委員長より挨拶をいただきました。労働組合の復権がテーマです。「4・9反革命は、闘いの先頭に立つべき執行部が組合をつぶす攻撃。鈴木コンクリート分会でも同じことが起きた。仲間を解雇して経営者と折り合いをつけるなんてとんでもない。鈴コンでは6人が残って闘っている。今や大恐慌と戦争の時代、2011年は労働組合が、労働者を組織して、権力を取る準備を始める時だ。待ちに待った燃える時代だ。拠点をつくり、組織拡大だ」と熱烈なアピール。

 闘う路線を打ち立てた3年間

 大会の成立宣言の後、議案の提起です。
 まず、経過報告では、「本日、関西合同労組は07年以来の大会を勝ちとっています。2年前、資本主義が大恐慌に突入していく中で、資本主義にしがみつき体制内での改良と成果を求めて兵庫支部が脱落していったのに対して、私たちは労働者の団結した力を確信し、資本と闘って労働者の解放をめざす路線を貫いてきました。
 今や事態は鮮明です。4・9の政治和解の大反動は、労働運動を絶滅する攻撃でした。民主党政権は、労働組合に解雇撤回闘争を二度と行わないと誓約させ、資本の手先に変えようとしたのです。兵庫支部はそれに先立つ2年前に解雇撤回闘争を裏切っていました。
 以来、私たちは国鉄闘争と一体で、階級的労働運動の路線を職場からつくり出して進んできました。派遣労働者が組合をつくって『解雇撤回! 派遣法撤廃!』のストライキに立ち上がった森精機闘争は、全国の労働者の感動と『これだ!』という確信を生み出しました。歩んできた道は正しかった。しかし今、大きな飛躍が求められています。
 11・7集会は4・9を打ち破って5900名が結集。10・15関西国鉄集会には、3労組と関西労組交流センター傘下の組合が多数結集し、国鉄闘争を貫いて闘う労働運動を甦らせる決意と団結を打ち固めました。私たち関西合同労組こそがこの共闘陣形を強化拡大していこう。4・9大反動、これは逆に、階級的労働運動路線で闘う11月集会派が唯一の闘う勢力になり、60
00万を獲得していく時代の到来です。朝鮮侵略戦争の危機、しかし労働者に領土も国境もない! 民主労総・現代自動車非正規職支会のように、資本との闘いを非和解に爆発させて戦争を阻止しよう。何よりも青年労働者の団結を組織すること、待ったなしにそこに挑戦していくための大飛躍として本大会を勝ちとろう!」
 さらに3年間の闘いを具体的に総括し、「関西合同労組の闘いは、国鉄闘争を基軸とするひとつの階級的労働運動。私たちのめざすものは資本と非和解の階級的労働組合です。労働運動を絶滅しようとする4・9と対決していくためには、体制内労働組合の限界を突破していく必要がある。組合指導部責任のもと、徹底議論―組合の団結で勝負していこう」と提起しました。
 情勢議案では、労働組合員として労働組合で闘っていくにあたってはっきりさせることとして「第一に、自分が労働者階級の一員であること。正規も非正規も、民間も公務員みんな労働者。労働者に国境もない。資本と絶対非和解の存在。資本による分断を打ち破った時労働者階級は勝利できる」「第二に、労働者階級には労働者階級のものの見方がある。資本家とはまったく違う。労働者階級のものの見方を自分のものにしよう」と階級的立場から提起され、大恐慌から戦争が始まる時代認識について全面的に提起されました。

国鉄闘争、八尾市議選の先頭に

 方針提起では、2011年は歴史的な決戦の年、労働者階級の進むべき道は戦争ではなく革命だ。現代自動車の非正規労働者の「戦争はヨンピョンドではなく、ここウルサンで起きている」という言葉が核心だ。11年は9割非正規化とJR外注化との激突になる。国鉄全国運動の先頭に立って関西合同労組は闘う。今こそ団結拡大に打って出ようと鮮明に提起し、具体的方針の最後に、4月八尾市議選では、4大産別とりわけ800事業民営化と闘う労働組合・労働者の中に、関西合同労組は大胆に入って団結拡大、組織拡大を実現して、末光議員の再選を勝ちとる方針が確認されました。
 活発な質疑討論、会計報告の後、すべての議案が採択され、役員の選出、規約改正、スト権の投票が行われました。
 新本部執行委員会は、「3年間の苦難の道を経て、本部を再確立できた。徹底議論してやっていく。2000万青年、60
00万労働者を組織できる関合労になろう」と決意を述べ、満場の拍手で大会を終えました。
 本部所在地は、大阪市西成区山王1―1―10―807です。よろしくお願いします。
(写真 関西合同労組第14回定期大会が成功【2010年12月23日 大阪】)

 

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ひめじょおん−女性部から

●3・8国際婦人デーに女性労働者の総決起を! 女性部長 長谷川 ユキ

戦争には革命を! 労働者の国際団結で朝鮮侵略戦争阻止!

 11・23情勢―帝国主義の侵略戦争・朝鮮侵略戦争が、ついに大恐慌・大失業下で始まりました。この「戦争の開始」の前にすべての労働者階級民衆の進む道が問われています。まさに、「侵略戦争には革命を」の道です。日韓米の労働者、そして世界の労働者にとって、プロレタリア世界革命に総決起する時代に突入したのです。私たち女性労働者は世界の労働者の先頭に立ちましょう。交流センター女
性部は、「戦争には革命を!」の道を進もうと呼びかけ、3・8国際婦人デー行動を闘います。3・8国際婦人デー行動を、1
917年ロシア革命の突破口を切った闘いにしていきましょう。

2011年の国際婦人デーをいかに闘うか

 1917年ロシア2月革命は、3月8日(旧暦2月23日)の国際婦人デー闘争―ペテルブルグの労働者街・ヴィボルグ地区からストライキを闘う女性労働者たちによって口火が切られました。そこには、レーニン・ボルシェビキの労働者・労働組合の徹底した組織化がありました。1914年第1次世界大戦下でも労働者・労働組合を組織し続け、そして1917年革命に結びついていったのです。
 朝鮮侵略戦争情勢下、201
1年は、階級的労働運動の実践の勝負の年です。その核心は国鉄闘争―民営化・外注化阻止の闘いです。民営化・外注化攻撃は新自由主義攻撃の核心中の核心です。労働者への賃下げ、クビキリ、そして非正規化攻撃、組合の団結破壊を許さず、ストライキで闘い、階級的労働運動を再生しよう。
 「朝鮮侵略戦争が始まった」ことをあいまいさなく言い切り、「絶対反対」と「階級的団結」を貫き、組合全体から地域全体へ、そして全国・全世界の労働者民衆を獲得していく力をつくり出すことです。多くの女性労働者を交流センター女性部に組織・獲得する―組織拡大を最大の目標として取り組もう。全国各地の3・8国際婦人デー集会の成功を勝ちとろう。

戦争推進の菅民主党政権打倒!

 消費増税とTTP参画・推進を6月メドに掲げた菅改造内閣は戦争推進内閣であり、労働組合をたたきつぶし、賃下げ、9割非正規化、公務員360万クビキリ強行の政権です。「支持率1%でも解散はしない」と強弁する菅政権、ボロボロです。
 国鉄闘争全国運動で菅民主党政権を打倒しよう。2・16国鉄集会の成功を勝ちとり、3月外注化阻止決戦を全力で闘おう。決戦は始まっています。1・19動労千葉平成採の青年労働者へのライフサイクル発令攻撃に動労千葉は指名ストに突入しました。幼保一体化反対・60万幼保労働者のクビキリ攻撃との闘いはすべての労働者の闘いです。3・20朝鮮侵略戦争阻止・渋谷デモ、3・27三里塚闘争、そして4月統一地方選挙闘争勝利へ職場で、地域で闘おう。

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 【東京集会】
3月5日(土)13時開会
・アットビジネスセンター池袋駅前別館4F(東京都豊島区東池袋1―6―4 JR池袋駅東口徒歩30秒)
主催 3・8国際婦人デー行動実行委員会

 

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 昨年12月25日に行われた第10期労働学校実践講座第5回(テーマ「社会保障制度改悪との闘い」 講師 山部明子)の受講生の感想文を紹介します。

●医療労働者
 病院という名の蟹工船で日々労働は強化され、身体的にも精神的にもボロボロにされている。今、自分たちをこんなふうに苦しめているのは一体誰なのか、誰が敵なのか、顔が見えないのが卑怯だと思う。もどかしいと思ったら、レジュメに医療産業研究会のメンバーが書かれていて、「ああ、こいつらを儲けさせるために、こんなに死にそうになりながら働かされているのか!!」とわかったと同時に、腹の底からの怒りがわく。これらの敵と対決するにはどうしたらいいのか。現場から職場支配権をとる闘い、産別の団結つくりつつ、他の現場ともつながる。階級として団結していくことだと思った。

●医療労働者
 本来食うか食われるかの競争原理で成り立っている資本主義社会。しかし、それを支えるために労働者は絶対に必要で、それを飼い慣らすために社会保障(social securityとは直訳すれば「社会の安全」。正に資本家にとっての安全)があると。しかし資本主義社会は奴隷として労働者を死ぬまでかかえることはできず、解雇の自由も確保しなければいけないからこその、まさに資本主義社会を維持するために抜き差しならぬ、のどに突き刺さった巨大な骨っていうこと。ザマーミロっていうことと同時に、だからこの社会保障制度がはらむ根本的矛盾こそが革命のてこだという講義だったと思います。
 日共の階級的裏切りはとどまるところを知らない。「無料低額診療」は、戦後確立した国民皆保険制度を自ら率先して破壊するものに他ならない。日共打倒は医療労働者の大きな課題です。

●国労組合員
 福祉国家が税金だけでは成りたっていなくて、軍事産業やギリシャなどへの投資など、帝国主義的なことをやって成り立っていたことがわかりました。税金が高いから福祉国家ではない。社会保障の歴史的成立は資本家階級が予防反革命、治安政策として、やむなき譲歩として容認したもの、革命敗北の副産物であることが意外でした。社会保障の解体に対して、社会保障の充実では勝てないということがわかりました。

●合同労組組合員
 「大恐慌下の『第3の道』とは、資本主義救済の階級戦争激化と大失業、戦争への道である」と提起されたとおりだと思う。「医療産業研究会報告」など知らなかったので、あらためて社会保障の解体の具体的なことも良くわかった。革命情勢期の階級的焦点であることが突き出された。(後略)

●介護労働者
 社会保障を充実させるためには財源確保イコール増税はつきものだ、だから北欧の福祉国家といわれる国の高い税金に納得していましたが、実はそうじゃないとわかって、目からウロコでした。日本だけでなく世界中で労働者がジワジワと生きる術をとられていってることが具体的に示されて怖くなりました。

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第10期労働学校日程
■基礎講座
 2月19日(土) 13:00〜
 ◆現代の帝国主義
 ◆講師 島崎光晴

■実践講座
 2月26日(土) 13:00〜
 ◆労働運動史
 ◆講師 藤村一行

■場所 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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●労働ニュース(2010年12月16日〜11年1月15日)

日本郵便 大リストラを検討
 日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)が債務超過に陥る懸念が高まり、超過勤務手当や契約社員の削減など人件費を中心に5百億円規模のコスト削減計画を検討していることが30日わかった。

中国賃上げスト なお収まらず
 16日の報道によると、今夏、中国全土の工場に広がったストの波は、多くの工場が大幅に賃上げし、地方政府が最低賃金を20%以上引き上げて収まったかに見えるが「現在も続いている」(深セン市の日系企業関係者)という。

「事実と異なる」と前社長
 21日の報道によると、107人が死亡した05年のJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷の罪に問われているJR西日本・山崎正夫前社長(67)の裁判が始まり、山崎前社長は起訴事実を否認した。

精神疾患の教員休職 過去最高
 うつ病などの精神疾患で09年度中に休職した全国の教員が548
5人と過去最高を更新したことが24日公表された文部科学省の調査でわかった。

失業率横ばい5・1%
 総務省が28日発表した労働力調査によると、11月の完全失業率(季節調整値)は前月比横ばいの5・1%となった。
失業1年超 128万人
 31日の報道によると、失業者は09年11月時点で318万人。1年以上失業している人は128万人に達している。

労政審 有期雇用で新ルール作り
 3日の報道によると、パートや契約社員など、雇用期間を決めて働く有期契約労働者の待遇改善に向けた新たなルール作りが今年、労使の代表者が参加する労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で本格化する。
自衛隊海外派遣 恒久法化検討
 4日の報道によると、民主党は、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法制定や集団的自衛権の行使容認に向けた検討に着手する。

経団連「1%賃上げ」反対
 日本経団連が11年春闘の指針としてまとめる「経営労働政策委員会報告(経労委報告)」の最終案が6日、明らかになった。連合が求める給与総額の「1%引き上げ」に対し、「極めて厳しい要求」として反対する姿勢を示した。

公立病院 累積欠損金2兆円超
 8日の報道によると、自治体が運営する公立病院の累積欠損金が09年度に2兆1571億円となり、10年前の2倍近くに膨らんだことが総務省のまとめでわかった。

整理解雇者提訴140人以上
 会社更生手続き中の日本航空で、整理解雇で退職したパイロットと客室乗務員が、19日に日航を提訴する準備に入ったことが8日明らかになった。原告団には昨年12月31日付で解雇された計165人のうち140人以上が参加する見通し。

スト権付与見送り公算
 10日の報道によると、政府が月内にまとめる公務員制度改革関連法案には、労働基本権のうち、労使交渉で給与水準を決める「協約締結権」を盛り込む一方で、「争議権」(スト権)付与には慎重意見も根強く、見送る公算が大きくなっている。
同友会「消費税、3段階で17%に」 経済同友会は11日発表した「2
020年の日本創生」で消費税率を13年度から段階的に17%まで引き上げ、社会保障の財源を確保することや、18年度の道州制導入などを提言した。
防衛相「周辺事態法改正の必要」 北沢防衛相は12日、都内で講演し、北朝鮮有事の際、自衛隊が米軍に対する後方支援を充実させるため、周辺事態法改正の必要があるとの認識を示した。また、在留邦人保護も検討課題に挙げた。

日教組の加入率 過去最低
 日教組など教職員団体に加入している公立学校の教職員の割合が昨年10月時点で41・2%と前年同時期に比べて1・1低下し、過去最低を更新したことが13日、文部科学省の調査でわかった。うち日教組の加入率は26・6%。
全トヨタ労連、ベア統一要求断念 全トヨタ労働組合連合会(東正元会長 32万2千人)は14日、11年春闘でベア統一要求を見送る方針を正式発表した。見送りは2年連続。

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■青年労働者は団結してたたかおう! OVER REV

競争入札と民営化絶対反対を貫くために
常南交通労働組合 書記長 西村 隆雄

 2001年から始まった茨城県立養護学校のスクールバスの競争入札が05年から本格化して5年。79年以来スクールバスを運行してきた常南交通でも、この間、数十名の仕事が失われ、この1年だけでも100人の職場で10名が退職しています。06年7月に入札反対の48時間ハンガーストライキを県庁前で打ち抜き、07年3月にはストライキ、県庁包囲行動を闘いました。しかし競争入札は止まりません。この2年で、賃下げ、ボーナスカット、非正規化が一気に進みました。
 職場では「もう組合があっても意味がない」という意見が吹き出し、労働組合の存続をめぐる論議を何度も行いました。ここ数年いつも「組合を解散しろ」と言って自分を悩ませてきた労働者は、入札が始まった頃、保護者、PTA、教師などを毎日回り歩いた労働者でした。
 しかし「労働者と労働組合はもっと大事なものなんだ」という一点だけは引かずに訴え続けました。「本当の労働組合をつくろう」「民営化や入札という社会の根本と闘うのが労働組合だ」という訴えを支持してくれたのは、最も低賃金に突き落とされている労働者たちでした。そして「組合の存続」を全組合員が選択しました。しかし一方で、青年たちが組合から隔離され、最も搾取されているという現実もあります。
 入札でバラバラにされたスクールバスの運行会社、O社、I社、S社では、超低賃金、不安定雇用の中、常に労働者が入れ替わり、事故が多発し、登校拒否になる子も多くいます。一方で、闘ってきた常南交通でも、慢性的人員不足や事故の危険など同じ現実が進んでいます。
 社会を見渡せば、市の福祉センターが廃止されたり、国立病院は独法化で医師が不在となり、保育所も民営化。高齢者も障害者もまともな介護が受けられない時代です。
 こうしたなかで、共に入札と闘ってきた仲間が働く県立病院の民営化が始まりました。常南労組の闘いを支持し続けてくれた病院労組の仲間は、悩みながら闘いを始めようとしています。その渦中で、入札・民営化絶対反対の保護者も闘いに合流してきました。いよいよ入札民営化反対の共同の闘いが開始されようとしています。
 止まらない入札とリストラの現実の中で、「何のための組合か」という苦しい2年間は、「自分はただ組合を維持しているだけなのか」とも思えました。しかしこの過程は、むしろこの大恐慌時代に労働組合を巡る攻防を位置づけきるための2年間でした。
 この2年間を一人の脱退者も出さずに頑張りぬいたら、昨年11月集会は数年ぶりに12名で決起することができました。12月団体交渉では、正規と非正規にボーナスで差をつける分断だけははね返しました。そしたら史上最低の低額回答なのに現場からは拍手喝采。この恐慌の時代に生き残り、賃下げと非正規化との闘いの中で(物質的には負けたけど)、実はかなりの信頼を勝ち取ってきました。
 あらかじめ職場に展望があるから闘えるわけではありません。どんなに困難な現実に対しても、職場の労働者の日常的な意識に向き合い、そこでの苦闘をこの時代に位置付けたとき必ず道は切り開かれるのだと確信できました。
 3月には常南に対するさらなる競争入札と、病院民営化が決められようとしています。そして動労水戸は4月外注化攻撃との闘いです。
 JR外注化と公務員360万解雇、9割非正規化との闘いに対し、職場の団結、職場を超えた団結、労働者と全大衆の団結に挑戦したい。全労働者を相手に支持を勝ちとり、地域で闘う路線をつくって2011年決戦を闘いぬこう。

 

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怒りを日々の糧に 〜〈やつら〉のたくらみと〈おれたち〉の反撃(下)

大野 義文 (国鉄闘争全国運動呼びかけ人、元安芸労働基準監督署長)

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 目次

労働者たちの現在
労働基準法違反は犯罪である
労働者の「時間・賃金・健康」の強奪を許すな!
(前号1月号)

俺流〈喧嘩の仕方〉
36協定をどう考えるか
労働者の仁義を守る
(本号)
(写真 大野義文氏(昨年11・7労働者集会 東京)

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1月号からの続きです

俺流〈喧嘩の仕方〉

 職場に団結を! 地域に連帯を!

 労働組合の方が窓口によく来て監督署を当てにされます。監督署は言われたら仕事をしなければいけないですけど、現場で闘うことができずに、だから監督署を使うというのはダメです。苦しくても現場で闘わないとダメです。役所が指導した、地労委で勝った、裁判で解雇撤回やった。だけど戻ってきたら組合員が誰もいなかった。過半数労組を取っていて裁判をやって解雇撤回させた。そのあいだに経営側がつぶしまくった例があります。非常にきつくてもあくまで職場で闘うことが前提です。

 立ち位置

 〈立ち位置〉というのは、労使関係に中立はないというのがあります。労働行政とは確かに通達行政でやってますが、通達行政とは脱法行為が目に見えているんで中立でも何でもない。労使関係というのは中立では絶対にない。〈やつら〉か〈おれたち〉かしかないんです。喧嘩の仕方はいろいろあると思います。いろいろな労働組合ごとに喧嘩の仕方はいくらあってもいい。ただ資本家と対抗的に向き合ってて喧嘩しているかどうか、それだけを私は見てました。

 時間・空間・仲間

 「3つの間」ということをあちこちで喋ってます。時間と空間と仲間が。語り合える、お互い批判がしあうけれど、そこにいったらほっとする空間があるとか。それが組合の事務所であったりしてほしいと思います。

 職場の諸問題を掘り起こす

 職場の諸問題を徹底的に掘り起こす。これは当然のことで就業規則の読み合わせもひとつ大事なことです。いかにひどい就業規則があるか。就業規則の変更のときには、事業所単位で非正規を含めて過半数をとっていれば労組が代表になりますし、労組でなければ過半数代表者が意見を添えて監督署長に出すということですので、労組が過半数取っていなければ少数労働組合であったとしても立候補して過半数代表者になれるわけですから、その中で団結活動の広がりがあるわけです。

 地域争議への係わり

 地域争議の係わりは、いろいろな職場があって、いろいろな苦闘があって闘い方がある。その全体の構造を非常に大切にしていきたいということです。

 社会的活動へ参加

 社会的活動へ参加、市民運動への参加とは、ある面で組合というのは非常に固くなるときがあって、真面目すぎて一直線に進むというのがあるんで、そういう部分で大事だと思います。

 学びは闘いである

 それから〈学び〉とは、闘いであって、自分の一回きりの人生を納得できる生き方をしていくためのものです。義務教育における義務的な学びではなくて、自分の人生のためのひとつの方法を探ると考えたらと思います。
 監督署、地労委、労働審判制度、いろいろありますが、あくまで現場の闘いが基本です。
 それから漫才の〈ぼけ〉と〈つっこみ〉が非常に重要です。交渉をやってて本当にそう思います。僕はだいたい〈つっこみ〉役やったんですが、局長なんかと交渉するとき、交渉段階では命令権から外れてますので局長に対して「おまえ、おんしゃ何言いよらあや」という形で交渉して、交渉が終わったら「局長」でいいんです。そういう〈ぼけ〉と〈つっこみ〉の役割分担を意識して、したたかに、しなやかに、しつこく闘うことです。

 36協定をどう考えるか

 最後に、36協定の話をしておきます。職場に時間外の協定書があるという典型です。以前基準法では時間外の規制の枠が女子1日2時間、1週6時間、1
50時間とありました。それを均等という理屈で撤廃したとき、本来ならそれを男性と合わせて男性はそういう規制にするからいいんでしょうけど、それを撤廃したとたんに大手の大労組が持ってきたのは女性を含めて1日5時間とか7時間とか、「何やそれは!」と。男性の長時間労働を前提とした生活のあり方の中で女性を含めて1日の時間外を5時間とかいう協定をするとは何事か。8時間労働制とは何かをあらためて考えて欲しい。
 1886年5月1日から始まった8時間労働制を求めるストライキへの弾圧で4人の労働者が殺され、それに対するシカゴ・ヘイ・マーケット広場での抗議集会で警察に爆弾が投げ込まれて死傷者を出したとか、あるいはアナーキストがつかまって5人死刑とか。そうした闘いの中で8時間労働制が勝ちとられてきたわけです。
 最初の基準法は1日8時間、1週48時間と書いていたんです。それが1988年、基準法改正、法律の条文に40時間入れたときに国がこっそり変えてます。1週40時間を先に変えてます。で、1日8時間。条文を見ていただいたらよくわかります。1週40時間。当時の労働省の考え方はこうです。「労働時間の規制は1週間単位の規制を基本として
…1日の労働時間は1週間の労働時間を各日に割り振る場合の上限として考えるという考え方」(88年1月1日基発1号)。8時間労働制の主旨そのものの考え方が消えています。
 ドイツでは働いても1日10時間です。日曜は営業法の関係でキオスクとか、一定の事業所以外は店舗を開けてはならないとなってますし、勤務と勤務のあいだに11時間空けなさいという規定があります。日本にはまったくない。36協定でやれば一応限度基準と書いてますけれども、1カ月45時間とか年間360時間とか。あまりにも多いです。フランスでは35時間労働制でしょ。それから割増賃金の率が低すぎる。60時間を超えたら増えるようになってますけど、中小企業は猶予されてますし。高知の場合は、29人以下の企業が96%ですので、ほとんど適用がない。
 私は36協定を締結しないことが前提だと思います。36協定は、基本的に8時間労働制の例外です。36協定とは、労働者にとっての労働8時間、睡眠8時間、自由な時間8時間の1日において、その労働時間を8時間にプラスして延ばして自由な時間を奪っても、36協定を結んだら使用者は処罰されないという使用者にとってのメリットの協定だと思っています。
 ただ日本の場合は、残業時間を含む賃金が生活給になっている現実がありますので、労働者側もそれを求めていかざるをえないのも事実です。ただ基本的には基本給で生活できる賃金をよこせということです。それが基準法1条の「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」ということではないのか。基本的にはこの思想、考え方を据えていかなければいけない。36協定は、あくまで例外。だから厳格な解釈が求められるわけです。
 これは88年の通達でも、役所の考え方ですが、「時間外・休日労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきもの」(88年3月14日基発1
50号)と書いています。だったら仮にそれが正しいとしても固定給で40時間を前提としている。そんなのおかしい。とりあえず「残業なしの勤務形態で人を雇え」ということを主張していくのが原則です。そこを指導させるのも監督署を突き上げるのもひとつの闘いです。やむをえず力関係で締結しなければならないことはありえます。労働者が圧倒的に優位に立っているということは締結していなくても残業をやれば割増賃金を払わないといけないということです。
 一方で違反な状況がずっと続いてます。36協定なしで残業をやらしたら32条労働時間違反なんで、残業をやっている労働者が告訴すれば、使用者は処罰されます。この脅しが前提としてあるので締結しなくても労働者は割増賃金を払ってもらえるし、使用者はびくびくしなければならないというのが本来なんです。

 協定をやむを得ず「締結する」場合の大前提

 仮にやむを得ず「締結する」としたらどうするか。
 残業というのはさっき言ったように売り渡した労働時間以上のことを働くわけですから労働者の私的な時間・生活がつぶされるわけです。
 ただ仮に結ぶんだったら以下の10点ぐらいを考える必要があると思います。
@個々の労働者の拒否権
A必要性、臨時性の限定(当局からの具体的資料を基にした説明を求める)
B割増率の法定以上の設定(50%、100%)
C法内残業も協定の守備範囲であること
D時間外労働には、休日労働の時間数も含めること
E休日労働の日数を限定すること
F代休制度の確立
G職場の適正人員の確保を保障させること(過密労働=過労死の防止と、年休完全取得体制の確立)
H法定要件を、具体的に詳細に規定すること
I時間外、休日労働の発生根拠は別であり、その明確化と厳格化を求めること
 @の「労働者の拒否権」は介護・育児あるいは家事労働、いろいろな原因で働けない方もいますので拒否権を協定書の中に結ぶということです。必要性・臨時性を具体的に限定する。割増賃金を法定以上の設定で交渉すると。今25%、35%ですが「50%割増払え」と言ってもいい。相手が結んでくれと言ってきているのですから。だから過半数代表者はそれぐらいの覚悟をもってやったらいい。過半数代表者労組であればそういうことは言えるわけです。
 Cの「法内残業も協定の守備範囲」とは、36協定というのはあくまで8時間の法定を超える時間の協定で、処罰をされないための協定ですので1日の労働時間が7時間の企業であったら法内残業1時間、その分についても時間の1カ月何十時間の枠の中にはそれを取り込んだらいいということです。
 Dの休日労働時間数も時間外労働に含めたらいい。休日労働も時間外として考えて休日労働8時間にしたら、時間外労働時間数の枠から8時間が消えて、残業時間の枠が狭まるというような形の協定があってもいい。
 Eの休日労働の日数。休日労働を結ぶときも全法定休日という形ではなくて、月1回とか給料日の直近直後の休日は残業しないとかいろいろ協定があってもいいと思う。
 それからFの代休制度の確立は、かなりきついですけど、休日をやったときに「代休をよこせ」と言う。
 GHIは、残業とはあくまで人員が足りないから残業するわけですから、残業を仮になくした場合は「職場適正人員をあんたたちはどう考えるんだ。具体的に資料や仕事の回し方の案を出せ」ということでやる。また、協定期間の有効期間を短くする。1カ月ぐらいが最低で1年とかだと臨時ではない。1カ月後に「あんたたちは残業を減らすためのどんな人員配置と仕事の回し方を考えてるのかそれを提案してみろ」と。提案してなかったら今度は残業協定を結ばないというような考え方があってもいい。

 労働者の仁義を守る

 最後のまとめです。労働組合が最初にできたのは取引制限です。労働者同士話し合って自分の1日の労働時間の賃金を最初は1000円のところを110
0円にして団結して売るということで労働組合が取引の制限を行うという形でできたんです。労働組合が取引を制限することが契約自由に反するということで処罰されたわけです。団結禁止法が1799年イギリスでできて。そういう中で労働組合が集まって要求貫徹のためのストライキをふくめて闘いを始めた。ストライキというのは要求貫徹のためですが、使用者からの指揮命令を排除するわけですから非常に自由で解放的です。
 それから「働きすぎない、怠けない」ということですが、これは労働者が競争の論理にまきこまれたらダメだということです。いろいろな考え方、仕事の労働者がいます。身体の具合が悪い人もいます。働きすぎたらそういう人はついていけません。そうしたら結局この人たちは切り捨てられていきます。だから働きすぎてもいけない。「仕事を怠ける」こと自体は当局の懲戒処分によって直すのではなくて、労働者の団結の中で、おまえの力だったらもうちょっとできるだろう、お互いもう少しやろうという形でしっかり働くということだと思います。
 私は仁義という言葉が非常に好きです。労働者の仁義を守りたいと思ってます。
 「職場に団結を! 地域に連帯を!」とあちこちの講演、11・7全国労働者総決起集会を含めて語っています。いろいろなところに出て行って労働者のいろいろな闘っている現場を知るということが自分たちの力を得るきっかけになると思います。学ぶきっかけになると思います。私も国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の一人として、みなさん方とお会いすることを確認しまして終わりたいと思います。
(2010年11月5日に行われた東京なんぶユニオン主催の講演会での提起に加筆修正したものです)

 

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●読者のページ

●『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』を読んで
 動労千葉を支援する会事務局 樫見一哉

 『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』(労働者学習センター)を読んで、特に感銘を受けたのは、伊藤先生の「ヘゲモニー」論、つまり職場支配権とは何かという問題です。
 かつて分割・民営化以前に国労は、「現場協議制」という闘いをやっていました。現場長を大勢の組合員でつるし上げて、現場の裁量でいろいろな権利を取るという、戦術的には過激な闘いです。ところが分割・民営化攻撃が本格的に襲いかかってきた途端、まったく闘えなくなった。なぜなのか? 実は国労は本当の意味での職場支配権を確立し得てはいなかったのではないでしょうか。これに対して動労千葉は「現場協議制は実力闘争でもないし、資本との闘いにもなっていない」「こんな協約は結ぶ必要はない」と言って、「現場協議制協約」を締結することを拒否して闘いぬいてきました。
 職場支配権とは、労働者が労働組合を通して労働と生産を自ら組織し、支配することです。資本主義社会においては、生産はすでに社会的に組織されています。ところが生産が社会的に組織されているにもかかわらず、その生産物が私有財産制の下で私的に取得される。ここに資本主義社会の矛盾の核心があります。革命とは、私有財産制を廃止し、社会的に生産された生産物を社会全体で取得し再配分していく社会を建設することです。
 ですから当然にも資本は、労働組合による生産支配を粉砕しようとします。それが合理化攻撃です。そして労働組合による労働の組織化に対しては、「マル生」攻撃や小集団活動といったやり方で資本の下に労働を組織しようとします。ここに「ヘゲモニー争い」が闘われるわけです。だから労働組合運動とは、労働そのものをめぐって闘われるものだということです。
 動労千葉の現場組合員は、この攻防の本質を「しっかり仕事をするということが実力闘争なんだ」と見事に労働者の言葉で表現しています。そして動労千葉は、この具体的な労働を通して奪われた労働条件を奪い返してきたわけです。それが動労千葉の職場実力闘争の核心です。
 もう一つ感銘を受けたのが、布施さんの体験談で「俺たちは戦争も含めて同じ時代を生きてきている。今、若いお前らにいろいろ言われても、同じ時代に育ってきた管理者の言うことの方がよく分かるということもあるんだ」という下りです。
 「正しい」だけでは労働運動は成り立たない。なぜなら「正しい」ことなら共産党や革マルだって言うからです。そして裏切る。ではわれわれが裏切らないと、どうやって証明するのか? 結局は寝食、喜怒哀楽を共にして闘う中でしか、実践の中でしか証明のしようがない。「義理・人情」とは理屈じゃない。
 動労千葉は、冠婚葬祭をすごく重視します。なぜなら、仲人なんかを職場の上司にやられた日には、一生その上司に頭が上がらない。職場の人間関係というのは一生ついて回ります。だから「闘い」だけが、闘いではないわけです。
 結局、何のために労働運動をやるのかということです。「正義」? 「理想」? それもあるかもしれない。だけどやっぱり「女房子供」のため、「生活」のためでしょう。確かに労働者は、闘いのために生活を犠牲にしてでも闘うときは闘う。だけどそれは、本人が闘いの中で「労働者の誇り」に目覚め、本当に納得してそうするわけです。そこが本末転倒して、最初から生活の犠牲を前提に強要したら誰もついてこないでしょう。
 労働組合は、組合員と家族の生活すべてに責任を取りきることに死活をかけなければいけない。そのうえで生産を社会的に組織していく機関として、資本から職場支配権を奪い取っていく。つまり生活と労働すべてに責任を取る労働者階級の共同体、それが労働組合だと、あらためて労働組合感をコペルニクス的に転換させられた1冊でした。

●「忘れ失効無免」処分撤回裁判控訴審で完全勝利判決
違法な再処分発令を撤回せよ! 広島 全逓労働者部会

 10月28日、広島高裁は、JP労組西広島支部組合員Aさんが、不当処分(「忘れ失効による無免許状態での業務用車両の運転」で停職6月)の撤回を求めて起こした裁判において、会社側の控訴を棄却し、「処分は違法、無効」という判決を下した。
 Aさんは、不当処分撤回の取り組みを組合に求めてきたが、JP労組幹部は一切取り組まなかった。これにAさんは立ち向かい、ついに処分を粉砕する画期的勝利判決を勝ちとったのだ。
 Aさんの免許更新時期は、ちょうど年末繁忙期と重なり、更新を失念してしまった。これはAさんの個人的責任では断じてない。合理化と労働強化が進んだ民営郵政職場において、誰にでも起こりうることだ。
 そもそも民営化以前は、業務のために必要な免許ということで、当局が費用を負担し、当局の責任で免許を取得・更新させ、更新後は台帳に有効期限を記載していた。ところが民営化後は労働者の「自己責任」にされ、乗務前点呼での免許証確認が導入されたが、これも形骸化し行われていなかった。Aさんに「無免許運転」をさせた一切の責任は、郵政当局にこそある。
 さらに許せないのは、会社側はAさんが、「知りながら(わざと)無免許で業務用車両を運転した」と主張して停職6月という重処分を発令したことだ。Aさんは失効に気づいた後、ただちに自ら申告し、免許を取り直している。しかし会社は郵政民営化に反対してきたAさんを見せしめ的に処分し、職場の強権的支配を維持するために「知りながら」などというでっち上げの主張を行ったのだ。
 裁判所は、会社側の主張を退け、不法行為を認定し、Aさんへの慰謝料支払いを命じた。
 にもかかわらず、郵政当局は謝罪どころか、確定判決も無視し、Aさんに再度「停職7日」の処分を発令してきた。誤配、事故、大小のミス、すべて労働者が悪いとし、JPEXの大破たんにも一切責任をとらず、矛盾を現場に全部押しつけ、経営危機を労働強化、ただ働き、年賀自爆営業、さらなる非正規化、外注化で乗り切る。この「無法地帯」の現実は、すべてJP労組中央の屈服と当局の手先化によってもたらされている。
 しかしもはや現場の怒りは大爆発寸前だ。Aさんは、完全勝訴を勝ちとった自信に満ち、当局の違法無法の再処分を粉砕する決意を固めている。Aさんの勝利を突破口に、職場に渦巻く怒りを解き放とう。

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  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

 

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Photo Document 2010年12月〜2011年1月

1・4広島 社保労働者525名解雇撤回!

 広島県労組交流センターは福山年金事務所で社保庁分限免職者の平口雅明さんとともに職員への訴えを行った。とりわけ3月にも雇い止めになる非正規職員への「ともに絶対阻止しよう」の訴えが共感を呼んだ。

1・9千葉 第3誘導路粉砕! 三里塚闘争勝利!

 三里塚芝山連合空港反対同盟の新年初の現地デモと団結旗開きが、150人を超える労農学人民の結集で勝ちとられた。反対同盟は市東さん宅の看板を「第3誘導路粉砕! 農地取り上げを許さない」に一新し、決意を表した。

1・22茨城 「君が代」不起立で戦争反対の意志を!

 茨城交流センターと教育労働者部会20名は水戸市周辺で開幕した日教組第60回教育研究
全国集会に登場し、参加してきた全国の教育労働者に「朝鮮侵略戦争絶対阻止! 教育の民営化攻撃を打ち破ろう!」の宣伝を行った。

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