2011年10月号(通巻No.259)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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9月19日、東京・明治公園で行われた「さようなら原発5万人集会」には全国から6万人が結集。本土では69年10・10ベトナム反戦集会、82年5月反戦反核集会以来の大規模集会となった。交流センターは4大産別各単組内部で最後まで組織化に奮闘する一方、情宣を展開し、NAZENの隊列の最先頭で闘いぬいた

労働者の目 反原発・反失業の国際連帯−労働者総決起の11・6日比谷へ 二本柳 実 副代表 三浦半島地区教職員組合

・9・10〜11第23回拡大全国運営員会
全産別で「外注化粉砕・非正規職撤廃」の闘いをつくりだし 11・6労働者集会1万人結集へ!

・国鉄闘争全国運動に結集し、新自由主義と対決しよう! NAZENに結集し、日本の全原発を廃炉に! 間山 正茂 南部バス労働組合執行委員長
・玄海原発再稼働阻止闘争の地平を押し上げ、闘う労働組合の力で全原発廃炉へ 福岡県労組交流センター
呉市交通局民営化との闘いの現局面と展望について  広島連帯ユニオン・特別執行委員 植野定雄

ひめじょおん−女性部から フクシマの闘いと『資本論』ふくしま合同労働組合執行委員長 市川 潤子

郵政非正規ユニオンとNAZENの勝利で情勢を切り開こう! 齋藤祐介 郵政非正規ユニオン執行委員長
すべての原発いますぐなくそう! 9・23フクシマと全国をむすぶ教育労働者交流集会 福島県教組と団結し、日教組の階級的再生誓う  三浦半島教育労働者部会 北澤瑞枝

労働運動を語る 花輪不二男さんに聞く(後編)
国鉄闘争全国運動呼びかけ人 世田谷地区労働組合協議会顧問

『月刊交流センター』主要目次(3)  NO.128 (2000年11月号)〜NO.167(2004年2月号)

柏での3年目の処分撤回と業務はずし―公務員360万人首切り攻撃との対決  ちば合同労組 綿貫 透

読者のページ  特別背任罪も成り立つ郵政資産私物化の真相  『なかま』編集委員会(代表 土山友幸・JP労組大森分会所属)

・●マンガ /編集後記

 労働者の目

反原発・反失業の国際連帯−労働者総決起の11・6日比谷へ

二本柳 実 副代表 三浦半島地区教職員組合

 3・11から半年、9・11反原発全国一斉行動が各地で爆発した。新宿1万人を先頭に全国で3万人が原発廃止の行動に立ちあがり、成立間もない野田新政権を直撃した。新宿では、警視庁が「アルタ前」を解放区にさせない弾圧体制で構え、12人のデモ参加者をデッチあげ不当逮捕するという暴挙に出た。
 これは、「原発再稼働」を狙う民主党野田政権と、全原発の停止・廃炉か、反原発闘争の破壊・解体か、倒すか倒されるのかの本格的激突が始まったということだ。
 いま福島の放射線汚染への怒りに対して、政府は「除染すれば大丈夫」「被曝しても低線量なら問題ない」という大ウソをキャンペーンして、自治体や学校、医療機関などを総動員し地域全体を制圧しようとしている。被曝への不安を口にすること自体を「非国民」とする攻撃だ。
 野田首相は、元山梨県教組委員長の輿石東を民主党幹事長にすえ、福岡県教組出身の神本美恵子を文部科学大臣政務官(原子力開発と子ども・子育て新システム担当)に任命して、日教組本部を取り込み、原発再稼働と大増税、公務員賃下げ・大首切り合理化を進めようとしている。
 しかし、これに「子どもたちを守れ!」と真正面から立ちはだかっているのが福島県教組だ。9・19の明治公園には福島平和フォーラムの先頭に立つ教育労働者170人の大隊列で登場した。
 9月23日に福島現地で開催された「フクシマと全国をむすぶ教育労働者交流集会」には、ロサンゼルス統一教組(UTLA)をはじめ、英独からも熱い連帯のメッセージが寄せられている。「すべての原発をいますぐなくそう!」は世界の労働者の要求なのだ。
 問われているのは、われわれ交流センターの怒りの総反乱の組織化である。いまこそ教育労働者を先頭に反原発闘争の先頭に立って立ちあがる時がやってきた。11・6労働者集会を、反原発・反失業の国際連帯−怒りの労働者総決起集会として勝ちとろう!
(写真 明治公園に6万人の結集【9月19日】)

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(写真 第23回拡大全国運営委員会【9月11日 DC会館】)

■9・10〜11第23回拡大全国運営員会
全産別で「外注化粉砕・非正規職撤廃」の闘いをつくりだし
11・6労働者集会1万人結集へ!

全国労組交流センター青年部を結成
星野奪還へ来年2月総会の徳島開催を決定

 9月10〜11日、第23回拡大全国運営委員会が開催。代議員31人(定数43)をはじめとする70人の結集で成功した。11月労働者集会1万人結集へ階級的労働運動の復権にすべてを賭けて闘うことを据えきり、国鉄決戦−外注化粉砕・非正規職撤廃の闘いを全産別・全職場から巻きおこし、青年のリーダーを生み出そうと決意した。その実践方針として交流センター青年部(赤羽進彦青年部長)の発足を宣言し、さらに星野闘争と一体で2012年総会の徳島開催方針を決定して全議事を終了した。以下、討論要旨を紹介します。

●開会のあいさつ 田中康宏 代表

 問われていることは何か。本格的な大失業時代の到来を真正面から見据えることです。日本経団連の『復興・創生マスタープラン』を見てほしい。敵は千載一遇のチャンスにしようとしている。特区で労働組合の権利を奪い、アジア並みの賃金レベルにしようとしている。一方で、橋本は、公務員の賃金レベルを10人規模の企業のレベルの賃金にすると述べている。
 3つの具体的な展望を手にしている。まずひとつめは動労千葉自身の10年間の外注化阻止の闘いです。運転部門は基本的に全国でも進んでいない。基本的に止めてきた。10年間運転関係が進まないから保線部門も移籍にはならない。派遣法が突破口になった。しかし法律ができたからそうなったわけではない。労働組合が屈服したからだ。2日勤の外注化が今千葉にかけられている。
 非正規化攻撃の闘いで何が問題なのか。勝てる展望をつかめなかった。非正規の現場からは立ちあがった。非正規に突き落とされた労働者の闘いだけがあった。これで勝てるのか。これを突き破る闘いが動労千葉の闘いだ。外注化阻止闘争を10年やってきて間違いなく労働者を獲得することに確信を持っている。労働者が置かれてきた現実を自分の思いにして語ったら必ず闘いが生まれる。数百の闘いをつくりだそう。
 2つめは、関西生コン支部の闘いです。武委員長は「資本主義が危機に立って弱まっているときこそ労働者のチャンス」と見た。中小企業の労働者を束にして組織し大手ゼネコンと闘った。
 3つめは、福島の非和解的闘いです。福島の事態は全面的非和解的です。
 野田は原発を再稼働すると言って登場した。3つの結合の中に展望がある。一番大変なのは職場からの闘いです。交流センターはそれをやる。労働者一人ひとりが持っている力に依拠する。腐りきった労働組合をつくりかえることはできる。こんなチャンスはない。そのことをもって11月に向かう。
 農民漁民はじめ、すべての闘いを支持する。全世界の闘いを突き動かす。交流センターの勝負のときです。

●議案提起――総括と情勢 荒木淳 事務局次長

 野田政権は経団連、連合、財務省官僚に支えられた超反動政権だ。増税とその前に公務員の首切り・賃下げにつっこんでくる。同時に原発再稼働を明言した。復興と原発事故の収束最優先とは、反原発闘争の収束、つまり解体・圧殺のことだ。福島の人たちをはじめとした怒りの爆発は日帝の体制そのものをぶっとばしていく。だから来年2012年3・11までに勝負をかけてぶっつぶしにかかっている。連合は、鉄鋼と造船の基幹労連や電力総連が公然と再稼働に組織の総力をあげろ≠ニ宣言した。
 田中代表から重要な提起がされた。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを6大産別とすべての会員職場で数百の規模でつくりだして11月に向かおうという提起だ。
 この半年間の一番の総括は、ついにわれわれが動労千葉に続く闘いを開始したことだ。
 まず郵政非正規ユニオンの立ち上げは、この半年間で決定的な闘いの開始だ。しかしまだ郵政当局の構えがわれわれを上回っている。第2回目の団交と労働委員会では、向こうは代理人弁護士が4人、本社十数人。こういう布陣で雇い止めは一切撤回しないし、『バイトの分際で』というような発言など一切なかったし、和解するつもりなんて一切ない≠ニ言い放っている。最大の国営現業だった郵政が6割の非正規で成り立っている現実を転覆していく闘いが、非正規職というあり方を転覆していく闘いだ。郵政非正規ユニオンの組織化を全国でやろう。拠点職場で正規と非正規が一体となった闘いをやろう。正規だってボーナス3割カット、成果給で3割カットだ。ふたつの怒りを結合して民営郵政打倒・JP労組打倒の闘いをこじ開けよう。
 JR東のグリーンスタッフ雇い止め解雇との闘いも全国的な、決定的な戦略的方針だ。
重要なのは国労A分会が真っ向から資本とやり合う闘いをすでに開始していることだ。
 さらに呉交通の民営化をめぐる闘いだ。やられようとしているということが余りにもでたらめだ。[略 本号12p参照]
 関連して大阪の橋下が大阪の市議会と府議会にかけようとしている2つの条例を見てほしい。この条例は、ひとつは大阪の府立高校―もっと先にいけば大阪府の全公立高校の問題になる―を統廃合して民営化し首を切るための条例だ。もうひとつのターゲットが大阪市の交通局だ。橋下が大阪市長になったら真っ先にやろうとしているのが地下鉄・バスの民営化だ。このとき分限免職ができるのがこの「職員基本条例」だ。こういう中での呉交通局攻防だ。もう労組がここまで首切りとも闘わないどころか、闘おうとする組合員を叩きのめしていく。これに代わって交流センターがユニオンの組織化という形をとって、この道州制−公務員の首切り攻撃に対して、闘いを開始していく。
 あらゆる職場に外注化・非正規職撤廃の闘いの課題はある。そこに数百の闘いをつくりだしていくことを本全国運営委員会の最大の課題、獲得目標にして11月に向かおう。

●議案提起――闘いの基調、方針 飯田英貴 事務局次長

階級的労働運動の復権に賭ける
 第1に、階級的労働運動の復権に100パーセント賭け切ろうということです。中野前代表の「労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てると確信している」。一切を労働者の団結において情勢を見て闘いを構想してきた。これが非常に大事です。その観点から現情勢へのわれわれの回答はやはり階級的労働運動の復権です。その集約点としての11・6集会1万人結集です。
 われわれは、労働者がこの情勢に勝てないということと闘争をしてきました。「想定外の自然災害には勝てない」とか「バイトの分際で」「クズが」といって労働者は闘えないと強制しようとしてきたこととの闘いでした。しかし、原発なしに生活できない構造にしてきたのは誰か、悲惨な職場の現状の裏に資本と闘えない労働組合があるということがはっきりしたときに、すべてはひとつで、変えることができる現実だとつかんだのです。「労働組合の復権」を、他の闘いと並列に論じたり、ある闘いの一部分にするのではなく、階級的労働運動として賭けれるかどうかが11年後半の核心です。

青年の中からリーダーを生み出そう

 第2に、青年の中からリーダーを生み出そうということです。階級的労働運動に賭けるということは、3・11をも超える事態に対する必死の対応です。反原発と反失業で開始された青年の闘いを彼らとともに必ず勝利させるために交流センター青年部を結成します。組織された労働者が国家権力と資本に対して的確な攻撃を組織することなしに彼らの闘いも勝利できない。だからそのためには体制内労働運動の指導部と闘って自らの組織と指導者を建設する。闘いをとおして6大産別の青年労働者の中からリーダーをつくりだしていく。ここに総括の軸があります。
 先日、関西生コン支部の武委員長は労働学校の講演で「資本主義の危機は労働者にとっての最大のチャンスだ」とおっしゃいました。敵が危機になって攻撃が強まれば強まるほど団結と闘争の条件が生まれる。このときこそ指導部がそういう時代を読んで闘えば必ず勝利できる≠ニ言っています。根底には、労働者は闘いの現場の中でこそ鍛えられるという思想があります。ここに3労組、11月集会の根底に流れる基本的考え方があります。
 われわれは、労働者階級の圧倒的支持と信頼を集めることなしに資本に勝ちぬいて国家権力に立ち向かうことも勝利することもできない。現場から圧倒的に信頼される労働者とは同時に現場に絶対的信頼を置いているリーダーです。だからあらゆる闘いの中で労働者を率いて激闘の中に突入していけるリーダーをつくりだしていくことを交流センターの闘いの総括軸に置こうということです。

国鉄決戦が戦場だ

 第3に、戦場は国鉄決戦だということです。佐藤芳夫前代表は、交流センター結成を決断したのは動労千葉のような質を持った労働運動を全国ネットワークとしてつくりだそうというこの一点において一も二もなく中野洋前代表に共感したからだとおっしゃっています。国労はじめ現場労働者が人生をかけて結集できるのは連合でも全労連でもなく労組交流センターだということで彼はつくったのです。ここにもう一度確信を持って闘おう。
 その際、動労千葉だけを持ち上げたり、逆に労働組合としてあたりまえと一般化してもなりません。今動労千葉が外注化を阻止して組織拡大をしていることは前人未踏の領域です。中野前代表は分割・民営化をどうして動労千葉だけが勝ちぬけたのかという最大の核心に労働組合観が違うと言っています。労働組合とは組合員のものだとか、労働組合は資本・当局の攻撃に対抗して組合員の利益を守るものだということまでは誰でも言える。もっと核心に、動労千葉に結集している労働者が本来持っている力を全面的に信頼して闘ってきたということがあるわけです。そこがこれまでの労働運動とまったく違ったわけです。
 ここがあるから、動労千葉の勝利とは国鉄労働者全体の勝利であり、国鉄労働者全体の勝利は全日本の労働者の勝利だと言い切ることができた。あくまでも動労千葉の組合自身が動労千葉をつくりだし、この動労千葉を支えてきたのは日本の労働者階級だということが中野顧問の中にあったわけです。この中に労組交流センターの歴史的地平があります。
 なぜ国鉄闘争なのか。極端に言えば、われわれはどんなに幹部が腐っても絶対に国労を取る。紆余曲折があっても国鉄労働者はあの国鉄分割・民営化闘争を闘いぬいてのりこえた唯一の労働者です。あのとき自ら首を覚悟して闘って国労に残った。仲間を裏切れないと労働組合の団結の一点に依拠して闘いぬいた。そういう労働者だから絶対にそういう労働者と勝利しなければならない。この勝利は国鉄労働者自身が国鉄分割・民営化を根本から覆す以外ありません。
 核心は平成採の根底的決起が今始まろうとしていることです。3・11との闘いの中から自分たちは何のために生きるのかを急速につかみ始めようとしています。資本や国家権力の権威が地に落ちたと同時に、あくまでもその権威にすがりつこうとしている東労組や国労の幹部の人間の薄さに気がついたときに自分たちはむしろ逆に闘いの中で決して裏切れない仲間ができたことに感動して、「15年間JRみたいなクソな会社で働いてきたけれども、守るべき仲間ができたことが最大の勝利だ」と総括する平成採が現れています。青年部をつくり変えようという動きが根底から始まっています。今われわれが平成採の組織化にかけているということは、国鉄分割・民営化闘争を勝利させて労働者が天下を取っていく。このことの実現です。平成採の決起が始まったとき1047名の闘いにもう一回火が点きます。中野顧問が夢描いた「動労千葉が立てば国労は絶対に立ち上がる。国労が立ち上がれば必ず日本の労働者が立ち上がる」という日本労働者階級勝利の構図を交流センターが成し遂げよう。

(写真 94年2・19〜20第1回全国総会【静岡県熱海市】)

外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを

 最後に、外注化阻止・非正規職撤廃の運動です。この闘いを青年部が据えてもらいたい。何としても運動化させたい。非正規の青年たち、自治体の民間委託で働く労働者が空気入って闘いを始めています。JRの平成採の圧倒的信頼が集まっています。新自由主義で奪われたすべてを奪い返す闘いに外注化阻止闘争がなっていることに確信を持とう。
 この間のJRでの闘いの反省は、われわれの主張が平成採に通用していなかったということです。それは外注化阻止闘争の根幹に、平成採の青年に渦巻く、労働者が分断されてモノのように扱われている、軽んじられていることへのくやしさとか怒りを据えなければいけないということだったわけです。
 契約社員だからグリーンスタッフだと簡単に言うけれど、5年経って彼らは正社員に指導できるほどまでに職に精通しています。でも5年経ったら首切りです。このくやしさ。あるいはこの補完をさせられているのが今までハンドルを握っていた平成採。彼らがライフサイクルでハンドルを奪われ、駅に置かれる。あるいは検修職場で高卒は外注化の要員とみなされ試験を受けても絶対に受からない。このように労働者が軽んじられ分断され自分たちの人生を自分たちで決められない。これが今職場で起こっている外注化だと捉えなかったらまったくかみあわなかったということなんです。
 だからこの間つかみとったことは、「正しいこと」を正しいと言っているだけでは労働運動にはならないということです。職場で何に怒り不当だと感じ、そのくやしさや思いを外注化阻止の闘いにできるかどうかが問われています。この新自由主義の構造全体をひっくり返す方針を必死につくりださなければならない。これが外注化阻止闘争の核心です。
 もう一点、動労千葉が外注化を阻止できた核心は、シニアの再雇用まで拒否して闘いぬけた団結の強靱さにあります。これは一朝一夕にはできません。あるいはストライキや他の華々しい闘争だけではなくて労働者と寝食を共にした日常活動のなかでつくられる信頼や団結があって初めて外注化を阻止できるから、既成の労働運動には絶対にできなかったということです。
 だから外注化阻止闘争でこそ労働組合を甦らせることができる。労働組合を甦らせる闘いこそが今始まった外注化阻止の闘いです。平成採や青年たちがつかんだことは外注化阻止闘争で職場や組合の垣根を越えて団結できるということです。外注化阻止・非正規職撤廃闘争は形だけではなく2000万青年労働者の闘いにできるかどうかが、われわれが勝利できるかどうかと一体の問題です。
 佐藤芳夫前代表は「思い切った改革で青年を運動の中心に据えるべきだ」「失敗は大いに結構。いつも間違わないような奴ではダメだ。本当に人間を愛し、人間らしい人間を結集することに生き甲斐を見いだせるような人を中心に据えよ」「そうすれば俺もできるという自信と確信と喜びに満ちた交流センターが必ずできる」と語っておられます。青年部結成は、中野前代表と佐藤前代表が残した交流センターを労働者が大結集するような交流センターに本格的に発展させていくためなのです。

来年2月総会の徳島開催を

 来年の全国総会の徳島開催を提案します。面会制限や手紙の墨塗りなどの対応に国家権力の攻撃の激しさと危機を見なければいけません。また星野さんが「2、3年で出る」と戦闘宣言を発しています。来年は星野奪還の闘いと一体で徳島総会を開催したい。討議し決定していただきたい。

●議案提起 辻川慎一 事務局長 (茨城・動労水戸)

 職場における絶対的非和解の賃労働と資本の闘いの関係が後退させられてきた。われわれは労働組合の回路をまだわかっていない。さまざまな分断を乗り越える回路があるということをつかみ取っていない。労働組合が決定的位置を持っていることを半年くらいであらためて確信した。労働者階級は自らの指導者を形成しないと勝利できない。団結する回路、全青年をつかみ取る回路がある。自分たちのリーダーを形成しなければならない。俺は55歳。あと5年。若いリーダーをつくらなければ勝てない。あと半年くらいで形成しなければだめだ。輝いた人が出てくることに無上の喜びを感じることが必要だ。次世代の指導者をつくりだす。1万結集はそういう青年をつかまなくては行かない。熱烈な討論を。

■1日目討論

●植野定雄全国運営委員(電通)
 呉交通局民営化との闘いについて。マスコミが呉市交通局の運転手は質が悪い、賃金が高いとキャンペーン。しかし分会長は動じていない。来年尾道等でも民営化。全国に来る。

●赤羽進彦青年部準備委員長(東京北部)
 11月集会の午前中の青年集会の成功。リーダーをつくる。8・30集会が決定的。8・6広島でJR体制を打倒する人格を形成。郵政本社デモ、10月青年集会から11月1万へ。

●北陸(合同労組)
 NAZEN北陸集会から11月へ。福島の子どもたちの問題も労働組合の問題だ。職場では一人だが敵は全国組織で動労千葉と結びついていると見ている。青年労働者獲得へ。

●神奈川(自治体)
 壁は青年組織化。3・11で人生が変わった人が反原発の実行委に参加。枠にはめない。労働組合が信頼されていくようにする。国鉄闘争全国運動に結びつけ11月集会へ。非正規を生み出さない闘い。合同労組に相談にくる青年たちとつながる闘いをやっていく。

●柳沢裕子常任運営委任(千葉・医療)
 千葉での反原発の運動の教訓。社会主義が正しいから革命をやるのではなく生きていけないから革命をやる。福島の民医連の医者の発言の反動性。子どもは退避させた方がいい。だけど難しい。除染では済まない。草津病院・中山君の支援の方針を。

●千葉(自治体)
 柏市長の反動発言。地域のデモに150人。真剣な議論。行政も除染ボランィア。市で働く労働者がやらされている。そういうものに反対する労働者が集会・デモに参加。

●福島(合同労組)
 福島の人間を見殺しにしても全国の原発を生かす攻撃。自分の職場では除染ボランティア方針。福島の運動体の人たちが私らに期待しているのは労働組合、革命。労働運動で勝負する。10・10にNAZEN福島結成。福島は怒りの地、闘いの根拠地だ。

●沖縄(民間)
 徳島総会大賛成。沖縄情勢のすさまじさ。石垣島と育報社の教科書採択問題。交運への攻撃。与那国での現地攻防はひっ迫。分割民営化攻撃の中心にNTT。NTT労組は物販でも高教組の次に売り上げ。自治労の現場の対応が変化。

●南谷哲夫全国運営委員(関西・自治体)
 徳島総会大賛成。橋下の攻撃。地下鉄の民営化−1800人の職員解雇を呼号。反原発集会で福島の仲間から学ぶ。昌一金属の闘い。西郡の青年労働者の決起。豊中市職労委員長選の攻防。奈良市従の闘い。労働者の団結をつくれば見えてくる。青年と一体で闘う。

●上田高之事務局次長
 『月刊労働運動』についてアンケートを取りたい。戦略的なところをぶち抜いて拡大を。

●東京中部(合同労組)
 反原発新橋アクション。ユニオン東京合同〈教育と探求者〉分会が勝利。労働委員会を理由にした処分も完全勝利。過激派キャンペーンによる職員の分断攻撃。郵政非正規ユニオンの雇い止め闘争を闘う。11・6は日本育成会の全国大会。街宣やって野音へ。

●徳永健生全国運営委員(医療福祉)
 全国で外注化阻止を。医療事故をめぐる闘い。9・29郵政本社包囲デモへ。労働者の琴線に触れる闘い。自分の夜勤時間に起きた事故は病院の責任。派遣労働者の大量首切り問題で執行部と対立して除名に。派遣労働者との団結をつくりだす。必ず組合に戻る。

●中間答弁 神保美彦 副代表 (みやぎ・自治労)

 臨時総会のような位置取りだ。すべての職場で外注化阻止の闘いを。労働特区の問題は重大。新しい工場を予定通り立てて、被災地の人が住むところもないのにフル稼働しようとしている。福島県教組をつぶし、仙台市職をつぶす攻撃激化。中野さん、佐藤さんの言葉はあらためて重要。確信を持って進む。何を感じて労働者が来ているのかわかる必要がある。偽装請負のデパートは自治体だ。自治労保育集会では保育労働者5人の登場でひっくり返す。外注化阻止の闘いの中から齊藤君が決起した。産別が違っても、労働組合が違っても同じ。労働組合が持っている力強さ。すべてが労働組合で団結する。カギは指導部をつくること。青年労働者をセンターの仲間にして一緒に闘う。自分が実践する。

■2日目討論

●坂野康男全国運営委員(東海・合同労組)
 議案書の事前配布を。東海合同労組は3つの分会を結成。海上のコンテナ輸送の労働者やクレーンの労働者。共産党系の労働組合からも結集。しかしすぐ11月集会への結集は簡単ではない。愛知でもNAZEN結成。青年をリーダーに11・6へ。

●東京北部(民間交運)
 精研労組を動労千葉に続く拠点へ。外注化阻止後の雇い止め阻止の闘いが重要に。11月は今までを上回る結集めざす。NAZENと一体で青年の闘いを。民間交運は、反合運転保安闘争で物流を握る産別部会として形成。徳島総会賛成。北部でも取り戻す会を結成。

●東京西部(合同労組)
 9・2「ケンカの仕方教えます!!」集会は147名結集。若者は次の方針を求めている。10・23に集会・デモ。美容院の職場で団交やる。ペナルティーに基づく賃下げ許さない。

●棚橋竹三郎全国運営委員(ス労自主)
 外注化阻止闘争を再認識。エクソンモービルも10年前海外に外注化。名古屋輸送所でのガソリンタンク工事中の6人の労働者の死亡事故。長谷川ゆきさん再雇用阻止問題で会社の中でビラまき。エッソ労働者に閉塞感。一人でも二人でも獲得する。

●佐藤賢一常任運営委員(東京東部・自治体) 江戸川で原発反対集会3回。新しい活動家。自治労大会では、首切り反対で闘った尼崎病院の労働者が自治労に対する決別宣言し、大問題に。労働者を軽んじる考えと対決する。11・6へ自治体1000結集めざす。

●星野勝紀副代表(東京中部・全逓)
 青年部結成。闘える時代が来た。齊藤委員長の闘いは郵政民営化反対の闘いだ。青年を組織し勝利していく闘いへ。ビラを読んだ仲間の感想は、こういう情勢で闘うやつがいるのか、これはお前らのやつかと聞いてくる。過激派キャンペーンで引いていた連中が再結集。職場からリーダーつくり11・6へ。

●谷和司全国運営委員(東北・全逓)
 8月に宮城の石巻・女川を訪問。高校のグラウンドに瓦礫、車が山積み。新自由主義で破壊された中を生きていくためには労働者が団結して組織的闘いをつくりだすことだ。動労千葉物販を集配分会をどうするかで考えてやった。組合を無視して当局が攻撃。JP労組の支配力低下。当局は委託・下請けと一緒にミーティング。偽装請負だ。安全闘争、偽装請負問題を闘う。階級的労働運動で勝負の提起。青年部建設は宮城でも開始。

●東京東部(自治体)
 都市交は分限免職の攻撃にあたふたして闘えない。分限免職のハードルを低くして自主退職させることにより闘わせない。新たな1047名闘争をやらせないため。都営交通はメトロと統合し民営化攻撃が来る。大交が次。都市交は360万首切りの最初だ。東交では青年部の闘いが決定的。団結つくり11・6へ。

●富田益行常任運営委員(関西・国労)
 動労西日本山田君の5回のストライキを支援。郵政非正規ユニオンの闘いも支援。関西でも分会を組織する。青年組織化に全力。関西NAZENの集会。国鉄闘争全国運動関西の準備会で関生から叱咤激励。非正規職のJR攻めをやる。11月へ。

●東京三多摩(東京女性部)
 ジェコーの2人を先頭に正規職化の闘い。郵政非正規ユニオンは団結させない攻撃との闘い。粘り強いビラまきで結びついた。反原発の闘いで多くの女性労働者が決起。東京女性部として組織をつくる。

●岡本啓三全国運営委員(四国・全逓)
 郵政非正規ユニオンの闘いの大きさを自覚。6・5登壇の女性労働者の闘いは継続できなかったが、この闘いが郵政非正規ユニオンの闘いに結合した。

●岡山(動労総連合)
 9月4日にNAZEN岡山結成。JR内で青年を組織化する闘いの前進。マスカットユニオンに青年が労働相談。教育労働者など他の産別の労働者も相談に。

(写真 第23回拡大全国運営委員会【9月10日 DC会館】)

●まとめ 入江史郎 代表

 来年の徳島総会を決定します。草津病院の中山君について支援の取り組みを行う。橋下と対決する構えを早急につくる。
 3000を集める力を養ってきた。その力を発揮する。国鉄の議論は少なかった。斎藤君の組織配置を検討して闘いを組みたい。
 放射能問題を引き受けなければならない。NAZEN任せではなく交流センターが軸に。10・22八戸で集会。被災地の労働組合が闘いを全国に発信してほしい。大間原発、東通り原発建設阻止。むつの母港に使用済核燃料を置いておく場所をつくろうとしている。核燃反対の労働組合と連帯して荷役拒否の闘争をやるような闘いを追求したい。

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■国鉄闘争全国運動に結集し、新自由主義と対決しよう!
NAZENに結集し、日本の全原発を廃炉に!

間山 正茂 南部バス労働組合執行委員長

 南部バス労働組合は、青森県の県南地方、とりわけ八戸市を起点にローカルの路線に従事する民間交通運輸労働者の労働組合だ。地方のバスや鉄道は、少子高齢化・マイカーの普及等による利用者の減少で衰退の一途を辿る。貸切や定期路線に規制緩和が導入され、公共交通の安心・安全がないがしろにされている。昨今、労働組合としても反戦・平和闘争の他に国・県・自治体に政策要求を掲げ、公共交通復権と職場確保に取り組む。

核基地化された青森

 青森県の六ヶ所村には核燃料サイクル基地がある。原発で出した使用済み核燃料からウランとプラトニウムを取り出し再び核燃料に加工する「再処理工場」・「ウラン濃縮工場」・ウランとプルトニウムを混合する「MOX燃料加工工場」・全国の原発が出す低レベルのゴミを埋蔵する「低レベル放射性廃棄物埋蔵センター」・日本の原発で出た使用済み核燃料をイギリス、フランスで再処理を依頼し、その際に発生した高レベル放射性廃棄物をガラス固化し日本に返還されたゴミを貯蔵する「高レベル放射性廃棄物貯蔵施設」などが広大な敷地に乱立する。一番問題なのは、原子力爆弾の根源となるプルトニウムを精製できることと、それを持つことだ。日本の核武装と密接につながっている。1969年の「新全総」という国家プロジェクトでむつ小川原開発が進められ、そのとん挫の後に計画されたのがこの核燃料サイクル基地である。1985年4月9日青森県の北村知事が県議会全員協議会で核燃サイクル施設の受け入れを表明、以降生死をかけた数々の反対闘争をするが、もともと貧県と辺境という地に電源交付金や漁業補償金等の金力と権力で、周辺の漁港や村が賛成に寝返ってしまう。1993年4月の再処理工場着工阻止闘争以降、低レベル放射性廃棄物搬入、海外からの高レベル廃棄物搬入、試験用使用済み核燃料搬入など、そのつど抗議集会をするも次第に集会人数が減少し、今では4・9反核燃の日全国集会が青森市で開催される程度の反核集会しか機能していない。恐ろしいことにもうすでにとてつもない量の核のゴミがこの施設に搬入されている。また国内の原発から出た使用済み核燃料は、3000dの許容範囲に2700dが搬入され、トラブルが発生し爆発するようなことになれば世界規模の壊滅が危倶される。
 反対闘争が負けた県や自治体では原発が推進される。みるみるうちに青森県内の東通村に東北電力の原発1号機(稼動・定期検査中)が、そして東電の1号機が着工、東北・東電第2号機も建設予定。むつ市には全国の原発から出る使用済み核燃料中間貯蔵施設が着工、大間町には世界発のフルMOX原発(ウランとプルトニウム混合)が着工。その危険性ゆえに未だどの国も取り組んでいないフルMOXの実験が通常の原発を運転したことのない電力会社(電源開発)の手に委ねられている。また当初計画された炉心のすぐそばには未買収地(あさこハウス)を抱え、炉心を200b移動したとはいえ、目と鼻の先に炉心が出現する前代未聞の事態となっている。

闘う労働組合を

 福島原発事故により、原発の安全神話は崩れ、侵略戦争のしっぺ返しで他国から放射能被曝をさせられた以外に今度は自ら原発事故で福島県民を被爆させ犠牲にした。事故当初、すぐ処理できず、あらためて核は人間の手でどうにもできないことが実証された。メルトダウン・メルトスルー(?!)した炉心が6カ月経った今でもどこにあるのか確認できない!さらに事もあろうか東電・原子力保安院・政府がグルとなった情報の隠ぺいも明らかになった。66年前、日本は広島・長崎に原爆を投下され被爆した国であり、今でも苦悩している。そんな日本が原子力の平和利用などと言って原発を54基も抱えていることは大矛盾だ。新自由主義の名の下、資本と産業の「いのちより利益優先」が、さもさも原発がなければ電力不足に陥るなどとデマを言い続けて国民をだまし、火力・水力など他の電力を稼働させないようにしてきたのである。
 24年前の新自由主義における国鉄分割・民営化は何をもたらしたのか。当時の首相・中曽根は、国労を解体、総評・社会党の解体を堂々と明言した。このことが国家的不当労働行為でなければ何と言うのか。また、国家に挑戦されたことに対して労働組合が闘いをしない。それどころか当局と一体となり当該労働組合の雇用を阻んだ組合がある、本当に許されないことである。
 昨今、ものを言わない労働組合が増えている。産業と一体となり国際自由競争などという美句に翻弄され、非正規を産み出し、労働組合の基本である団結を忘れ、労働者をばらばらに分断させた社会にしたのは既存の労働組合にも責任がある。
 動労千葉のようにストライキで闘う組合がある。そして国鉄分割・民営化に反対し、1047名闘争を支援する全国運動の輪が広がっている。ここに結集し、闘う労働者・労働組合を組織し新自由主義と対決しよう。

NAZENに結集し、日本のすべての原発を廃炉に!

 私たちは、8月5日、広島の地で全国の労働組合をはじめ、いろいろな分野の方が呼びかけ人となって「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全)を発足させた。
 全国の労働者・労働組合・青年・学生・農民・漁民の皆さん、「な全」に結集しよう。広島・長崎・福島を風化させてはならない。福島が何の収束もしないうちに、県や自治体が何が安全なのかまったくわからないくせに安全だと言い、交付金目当てで稼働の声をあげている。なんと哀れで情けないことか。福島原発が古いから事故が起きたとかそういう問題ではない。新しい原発でも古い原発でも事故はつきものだ。いったん事故が起きれば手に負えず、取り返しのつかない事態となるのが原発の事故なのだ。これ以上資本主義や産業界の利潤の餌食になってはならない。「人類と核は共存できない」、いのち優先の社会を構築するため「な全」で団結しよう。とりわけ福島の汚染された地域の除染を「東電・政府の責任で早急に実施させ安心して暮らせる福島」をめざさなければならない。同時に日本の全原発を廃炉にする闘いを強めよう。原発を止めれば六ヶ所も止まる。日本から核をなくし安心な社会を築こうではありませんか。
 地震や津波はわれわれの手で止めることはできないが、原発はわれわれの団結で止めることができる。

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(写真 玄海原発再稼働阻止の佐賀県庁前行動には俳優の山本太郎さんも駆けつけた【7月11日】)

■玄海原発再稼働阻止闘争の地平を押し上げ、闘う労働組合の力で全原発廃炉へ

福岡県労組交流センター

 3・11は、これまでの体制の矛盾を一挙に露わにした。金儲けのために金と暴力で人の命も自然も利用してきた資本と政治家。原発推進はまさにその典型だった。同じことが労働組合の中にも浸透していた。その端緒が25年前の国鉄分割・民営化だ。連合加盟から25年。労働者の権利は、じわじわと奪われ続けてきた。労働組合は金と暴力の前に屈し、職場の団結は破壊され続けてきた。
その結果が、福島の原発事故だ。「取り返しのつかない事態」を招いた。決して許してはならなかった。労働者が、労働組合が、一人の労働者を守り抜く労働運動を闘ってきたなら、こんな事態にはならなかった。
 原子力発電も核兵器も同じウランの核分裂を利用する。その危険性は同じなのに、広島・長崎の被爆者までもが、「核の平和利用」「安全神話」に染められ、推進を容認するまでになってしまった。社共のみならず、その責任はわれわれにもあると言わざるをえない。
 新自由主義の行き着いた先が、労働者、民衆の虐殺と言うべき3・11の事態だ。被災地の人々が叫ぶ「ふるさとを返せ・命をかえせ」の叫びは、労働組合と労働者に鋭く突きつけられたものだ。

玄海原発再稼働阻止の闘い

 九州には、九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)4基と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)2基、計6基の原発がある。停止中の玄海原発2号機、3号機の再稼働は7月に予定されていた。福島の事故後すべてが凍結された原発の再稼働の突破口にしようと、経産大臣・海江田が玄海町に乗り込み、玄海町長と佐賀県知事「古川」に承認を取り付ける動きをしていた。
 そこに菅首相の「ストレステスト」の発言があり、再稼働は延期された。そのことで、ほっとした者も多かったようだ。しかし、われわれは、「ストレステスト」は、再稼働のためのテストであることをはっきりさせ、反原発の闘いに突き進んできた。
 4月1日、われわれ福岡県労組交流センターは、あらゆる勢力に先駆けて九州電力本社への抗議行動を敢行した。その後、さまざまな反原発グループが九電本社前テント村の座り込みを開始した。
 6月に保安院主導の説明会と称するネット放送が行われたが、不満が噴出。佐賀県は急遽、住民説明会を7月8日佐賀県多久市で行い、11日には、古川知事が佐賀県議会で「再稼働の承認」を発表する予定だった。
 われわれは、合同労組レイバーユニオン福岡、とめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会、広島の仲間と共に、説明会参加者に「玄海原発再稼動阻止」の情宣活動を行った。
 開会30分前、列をつくった説明会参加者は、積極的にビラを受け取り署名に応じた。開会直前にまとまって来た参加者は、こわばった顔でビラの受け取りを拒否。明らかに原発賛成の動員だ。その割合は3割。会場の整理に動員されている市の職員にも労働組合の団結と反原発の闘いを訴えた。
 続く7月11日、佐賀県庁要請行動に立った。この日、特別議会で玄海原発再稼働を決定しようとする古川知事に対して、再稼働中止の申し入れ書を手渡す予定だった。この日を前に古川知事は「危険な物は国が動かす∞安全な物は政治が動かす≠セから動かします」「国が責任を持ちます」と発言していたが、数日前の菅首相の「ストレステスト」発言で再稼働はいったん止まり、この日の特別議会も中止となっていた。
 しかしわれわれは、あくまでも再稼動中止を求める知事に対する申し入れ書を手渡す行動を行った。要請団が県庁に入ろうとすると、警備員が県庁玄関の自動ドアの電源を切り、中に入ることを阻止。あり得ない行動に出た。参加者は怒り、玄関前で激しい抗議のコール。この間30〜40分。しばらくして、行政棟の夜間通用口が開いた。すかさず全員が怒りの声を上げながらなだれこみ、話し合いの要求を続けた。
 この時、駆けつけた俳優の山本太郎氏が、先頭で、話し合いの場の設定を訴え、県庁側は、玄関ロビーではあったが、申し入れ書を受け取らざるを得なかった。
 3・11以降、福岡では、さまざまな市民グループが行動を起こしてきた。毎回、500〜1000人。こうした闘いによって、菅首相は「ストレステスト」実施の方針を出さざるを得なかった。この中で、佐賀県「やらせメール」問題も明るみに出た。12年で11回の事故を起こしてきた玄海原発は最も危険な原発だ。とりわけ1号機は日本一危険な原子炉だ。絶対に止めなければならない。玄海原発の闘いで切り開いた地平をさらに押し上げ、原発即時停止、廃炉の闘いを先頭で闘う。
 私たちは、5月、7月、9月に百万人署名運動福岡県連絡会主催で、3回の「反原発学習会」を行った。若者の参加が増え、8・6−8・9広島・長崎の反戦反核反原発の闘いに決起した人も生まれている。
 9・11には1000人以上の規模で「脱!原発サウンドデモin福岡」が敢行され、レイバーユニオン福岡・百万署名運動福岡県連絡会・福岡市教組組合員有志・「な全」の幟旗を立て登場し、デモを牽引した。

原発推進の根底にあるものを覆すために

 今すぐすべての原発を止め、なくす闘いは、全国、全世界に広まっている。しかし国と資本家たちは、あくまで推進しようとしている。それは資本家の生き残りのためであり、それが新自由主義だからだ。国難・復興・「がんばれ日本」の大合唱で延命しようとしている。
 わたしたちは、この根底にあるものを覆さなければならない。そのためには、労働者の階級的団結と強化を進め、原発廃炉だけでなく、沖縄基地撤去・核武装阻止・朝鮮侵略戦争阻止の闘いも進めていかなければならない。その闘いに労働組合が先頭に立って闘うことができるよう、「な全」福岡の結成を準備しているところだ。福岡では9・11一斉行動に続き、玄海原発の再稼動阻止へ11月に「さよなら原発!福岡1万人集会」が準備されている。福岡県労組交流センターはそれらを全力で担い、国鉄闘争全国運動九州と「な全」福岡の取り組みを牽引力に、11・6全国労働者集会への1万人結集をめざし、全力で闘おうと決意している。     (M・N)

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■闘う合同・一般労組

呉市交通局民営化との闘いの現局面と展望について

広島連帯ユニオン・特別執行委員 植野定雄

 呉市交通局のAさんから労働相談が入ったのは7月中旬であった。まずは手探り状態からのスタートで、一体何がどう進んで来ているのかということを明らかにすることから始まった。Aさんと話し合い、交通局で働く運転手さんたちから話しを聞くうちにとんでもないことが起きえていることの輪郭がはっきりしてきた。呉市交通局支部を結成して、ついに9月2日団体交渉を持ち、民営化の全構図と弱点を一定明らかにすることに成功した。
 これまで4回のビラ撒きでの暴露と交通局支部の現場の闘いで追い詰めている。現在、職場では当局、反動分子を使った激しい潰しの攻防と、職安法違反、偽装請負、個人情報保護法をめぐって火花を散らしている。
(写真 これが明らかになった協約書)

議会の承認も受けずに進められている民営化

 はっきりしたことは「まだ議会が正式承認していない」という事実だ。交通局当局は「民意を代表した市長が方針表明した」からよいのだと強弁している。そして、移譲する業者を広島電鉄に決め、職員の再就職先として呉市と広島電鉄の採用試験が行なわれ民営化の実態化をどんどん進めてきているのだ。そしてこの12月の定例議会に交通局設置を決めた条令、退職金等にかかわる条令を一挙に提案し、有無を言わせず採決に持ち込もうともくろんでいるのである。

 「首切り」協定書を破棄させよう

 なぜ「市長の民営化の方針」だけでこのような大規模な民営化が進められて来たのか。それは呉市公営交通労組(既存の組合でほぼ全員を組織している)が民営化の来年4月実施に合意しているからだ。その協定書なる文書には都市交の中央、中国・九州地方本部、直接の上部団体である呉市職員組合連合が署名捺印している。協定書は全面降伏文書以外の何ものでもない。協定書では「交通局の民営化については認める、そこで働く労働者の雇用については最大限努力する」というもの以外の何物でもない。要するに「雇用については最大限の努力でよいと首切り」を認める合意文書を交したということなのだ。
 今回の民営化で行なわれようとしていることの最大の問題点は「労働者の雇用については一切責任を持たない」ということだ。再就職の決まらない者については「自主退職して退職金の割増」を貰うか、それも拒否するものは「分限免職」にするということだ。再就職をめぐって最大の受け皿となった広島電鉄は純粋に「新規採用」するというものである。ベテラン運転手を新採で取るという本当にふざけ切ったものである。広島電鉄の採用条件の余りの悪さに三十数名の運転手が応募すらしないということになった。しかも受験した者の中から11名(後に第2次募集が行なわれ、ここでも1名不採用となる)が不採用となった。
 もうひとつの再就職先として提示された呉市は21人の募集に対して14名しか採用しなかった。事務職は呉市へ全員行くことになっている。整備の関係は、ウイングと言う広島電鉄の子会社で、条件はめちゃくちゃ悪いが採用が何人か決まっている。そして現在、八十数名の労働者の再就職先が未定となっているのだ。

違法行為を繰り返す交通局

 労働組合が認め、まったく反乱がないことを前提に野放図に進められて来た交通局の民営化は、違法行為のオンパレードとなっている。再就職未定者には「職業斡旋はできないのでハローワークで求職活動をしてくれ」と言いながら広島電鉄の説明会から募集、合格通知まで交通局が行った。「なぜ広電は職業斡旋ができるのか」とのユニオンの追及には何も内容的に答えることができず「とにかく合法だ」との一点張りを繰り返している。偽装請負もやっていた。交通局の一路線を請負に出している。その請負会社の運転手の教習を交通局が実施している。これは「技術指導」であり、ユニオンがビラで暴露したように完全に偽装請負だ。
 さらに決定的なことは運転手の個人情報を広島電鉄へ提供していたことだ。2月、3月段階で組合の幹部連中は「不良職員は広電へ行かせない」と叫んでいた。そして4月11日の交渉で「広電へ個人情報は渡したのか」と聞き、それに対して交通局の答弁は「渡した。人事考課、事故歴、処分歴、苦情歴、表彰歴を渡した」と臆面もなく答え、公営交通労組は何の抗議の声も上げていない。完全に個人情報保護違反の行為だ。広電の採用試験へブラックリストを提供したという点も併せて極めて悪質な個人情報の提供である。これまでも広電受験から「広電が知ることのできない構内事故を指摘された」等、個人情報を渡したのではないかとの噂はあった。
 しかし公営交通労組の交渉記録でこの事実が確定するやユニオンは直ちに反撃を開始した。事態の説明、個人情報の広電からの削除、渡した情報の公開を求める申入書を提出し、呉市の「法令遵守審査会」へ公益通報を行ない受理された。交通局がどんなに開き直ろう
が、人事考課を含む個人情報を広島電鉄へ提供した事実は覆い隠しようがない事実である。あらゆる手段を使って追及していく。

10・21呉現地闘争を成功させよう

 職場の反乱は「広電へ応募しない」という形で開始されていた。そこへ明確な路線と勝利の方針を示すことができるのかどうかということに勝利の行方がかかっている。Aさんを軸とした職場の団結形成がつくり出せたとき勝利は可能だ。
 広島連帯ユニオンと交通局支部は10月21日、呉市で「交通局の民営化絶対反対」の現地集会を開催する。そしてこの勝利をテコへ11・6労働者集会1万結集、さらに12月決戦から3月決戦へと進んでいく決意です。

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ひめじょおん−女性部から

フクシマの闘いと『資本論』ふくしま合同労働組合執行委員長 市川 潤子

 福島では、先月と今月、労働学校が開催されました。テーマは「資本論で社会のしくみをとらえよう!」です。大震災と原発事故を経験して、「誰かにな頼るのではなく、労働者自身が自分達自身の力に頼って社会を変える以外ないことを学んだ。そのためには、労働者は自分の力を組織しなければならないことも。
そしてそれが労働組合であることを」「6月19日は、反原発運動でも反核運動でも全世界の方向性を決定するたたかいの旗をうち立てた」。そして、「変革の対象である資本主義社会とは何か、変革の主体である自分たち労働者階級とは何かを明らかにすることは死活的課題であり、開始された闘いにとって、これを自覚して闘うのかどうかに運動の成否がかかっている」と、『資本論』を学ぶ意味が提起されました。
 このような中身は、フクシマで闘う私たちにとって、難しいとあきらめかけていた『資本論』の学習も「学ばなければ!」という気持ちにさせるものでした。
 講義では、「商品」とは何かから始まり、難しかったけど、とてもおもしろかった。最後の「結びにかえて」を長いですが引用します。

6・19集会の地平を進もう
 「僕らは商品経済という恐るべき社会と、もうこれ以上共存することはできないのだ。・・・・・・僕らは明日にでもこの資本主義社会を引き続ぐことができる。そうして労働者らしいやり方で、労働者らしい規律をもって、働く者が幸せになれる社会を組織していくであろう。苦しむ仲間の元へ行って、町や村を立て直すまで一緒に働くであろう。被災地が必要とするすべてのものを優先的に自分達の工場で生産するであろう。だがそのとき、労働者は商品生産のためにそうするのではなく、仲間が必要としているからそうするのであり、私的にそうするのではなく、労働組合の活動としてそうするであろう。そうした行動は始まっている。学校を除染したのは誰か? 工場の除染を徹底的に貫徹できるのは誰か? 何よりも全世界の原発を廃止に追い込むことができるのは誰か? 採算が上がらないといって海外に移転する大企業に被災地の復活ができるだろうか?
 いま社会は二つの生き方に分裂している。一方で個別的生存競争を代表する資本が、自分の利益のために、被災地を見捨て、労働者の首を切り、ふるさとを廃虚にして恥じない生き方をしている。
 しかし他方で、そういう資本と真っ向からたたかう労働組合が、たたかいの中から、万人は一人のために、一人は万人のためにという生き方を作り出している! 6月19日が切り開いた地平を大胆に進もう!」
 原発のない社会をつくっていくことはこの資本主義経済自体を変えることであり、反原発の軸に労働組合がなれるかどうかが決定的です。6・19から7・17いわき、8・5ヒロシマ、そして9・11から9・19明治公園。その中で農民、学生、何よりもこどもネットワーク、県教組との共に闘う存在としてのつながりができつつあります。
 合同労組の闘いもこれからです。自分の職場に第2の分会をつくるたたかいと一体の闘いとして、10・10NAZENフクシマ結成集会の大成功のためにがんばります。

 

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 8月27日に行われた第11期労働学校実践講座第3回(テーマ「関西生コン支部の闘いと労働運動再生の展望」講師 武建一全日建運輸連帯労組関西生コン支部委員長)の受講生の感想文を紹介します。

●合同労組組合員
 はじめて武委員長に会うことができ、中野顧問にはじめてあった時と同じ気持ち、興奮、感動を受けた。(後略)

●自治労公共民間
(前略)本日の武委員長の話は、私たち民間委託労働者の抱える問題(不安定雇用、低賃金、低労働条件)と見事に共通していました。
 民間委託の最大の問題は競争入札にあります。自治労公共民間では、競争入札、入札制度を改革する運動を提起しています。具体的には最低価格制限や公契約条例の問題があり、批判もあるところですが、武委員長の言うところの「活用するが、頼りにはしない」という立場で取り組み、あわせて中小企業を自らのまわりに結集させながら、委託労働者の労働条件改善のための改良闘争に活かしていきたいと思います。(中略)最後に、武委員長の言葉、「今はチャンス、これが分からなければ労働運動をやる資格がない!」肝に銘じます。

●合同労組組合員
(前略)合同労組のあり方として、産業横断的に組織するのは必要だし、有効だと思っても、分断をのりこえ、個社をのりこえ、組織するのは結構難しいと共に、しかし、労働者同士の仲間意識はもともと同じ仕事をしているという中で持ちやすいのは確か。ここにもっと踏み込まなければならないと、強く思わされた。(後略)

●教育労働者
 怒濤のような講義に圧倒されました。(中略)正真正銘の階級的労働運動だ。このvividな息づかいが激しく伝わることこそ、本物の労働運動・労働組合ですね。日本共産党が権力と同じ構造で運動の疎外物となり弾圧しているありさまを聞いて、あらためて怒りに耐えない。と同時にスターリン主義とスタ的体質の克服もわれわれ自身が課題としなくてはならないと反省する。(中略)戦術は水の如し≠アれもすばらしい!
今まで聞かなかった運動の指針です。
 不買運動、軍港での1円入金闘争、元旦社長宅への抗議闘争等々、聞いていてもワクワクします。ぜひやってみたい!

●動労千葉組合員
 「関西生コン」の話を聞いて、資本家は労働者を甘く見ていると思いました。関西生コン支部は、自分たちだけでなく、運転手、納入業者でも組合に組織していけることがすごいと感じました。今までの労働組合は、自分の会社だけ拡大の対象と考えていたが、もっと広く組織拡大の場を見る必要性もあると感じました。(後略)

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第11期労働学校日程

■基礎講座 10月15日(土) 13:00〜
 ◆戦後労働運動史−「戦後労働運動の中の総評」
 ◆講師 伊藤晃(日本近代史研究家・国鉄闘争全国運動呼びかけ人)

■実践講座 10月22日(土) 13:00〜
 ◆韓国労働運動の歴史とたたかい−非正規労働  者のたたかいを中心に
 ◆講師 金元重(千葉商科大学教授・国鉄闘争全国運動呼びかけ人)

■場所 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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郵政非正規ユニオンとNAZENの勝利で情勢を切り開こう!

齋藤祐介 郵政非正規ユニオン執行委員長

 時は来た! 郵政非正規16万の勝利を突破口に、全国2000万非正規労働者が人間の誇りと尊厳、そして最も大切な優しさを取り戻せる時が来た。
 私たちは今や、私たちに植え付けられてきた資本主義の「豊かさ」や弱者を踏みつけてのみ許される特権的経済大国の道が誤りであったことを心から確信できます。
 国鉄分割・民営化しかり、郵政民営化しかり、原子力問題しかり。さかのぼれば第2次世界大戦、アジアにおける軍事侵略の歴史。日本政府が行ってきたことで、一度たりとも最良だった答えがあったでしょうか?
 近年、私たち国民がついに光を見たと支持した小泉元総理の強行した郵政民営化の結果は、郵政16万の非正規を生み出し、全国2000万もの非正規を国が認知する事態を招きました。そして、周知のように、小泉の靖国神社参拝強行や米国との安保同盟強化策は中国・韓国をはじめとするアジア諸国人民の不信と怒りを買っています。
 小泉の劇場型パフォーマンスに希望を見い出したすべての国民が踊らされ気がついた時には、すべてが資本家の描く脚本通りに導かれていました。小泉を支持した多くの国民も、郵政民営化をしたら閉塞状況が打破されるかもしれないと望みを託したのであって、決して現在のような非正規職の定着化や雇い止めなど考えもしなかったはずです。
 3・11東日本大震災は誤魔化し続けてきた現実を浮き彫りにし、すべての真実を露わにしました。とりわけ福島原発事故による取り戻すことのできない惨状を見て、東電という一資本に責任を求めないばかりか、国の原発政策について謝罪もせず、世界の海を汚染し続けても何の対応もしない、こんな無責任な国家が存在してよいのかと思います。
 郵政非正規の闘いは国策と真っ向からぶつかり16万という大軍でもって打ち勝つことで全国2000万非正規労働者への勝利の道を切り開き、国そのもの、資本主義そのものを否定することで、労働法、有期契約法そのものを根本から作り替える大きな転換点です。
 新たに台頭した「郵政非正規ユニオン」ともうひとつの新戦力「NAZEN」は勝利の可能性に満ちています。仮にこのふたつの運動が失敗すれば、およそ国内で労働運動が実を結ぶ道は断たれてしまいます。逆にこの2つが大きな勝利の模範を示すことができれば、すべての労働運動が法や国に対して絶対的に勝利する道をもたらす鍵となるはずです。
 すべての労働者が今ひとときこの社会問題の中核である非正規問題、それによる雇い止め、そして反原発を唱える「NAZEN」の闘いに尽力されんことを強く願いたい。
 この一戦が日本における現代の「関ヶ原」「天下分け目」の決戦として、短期的に劇的に敵が二度と立ち直れない戦として致命的な痛恨撃となるよう「強固な団結」でもって一体感と勝利をもって情勢を切り開きましょう。
 今を生きる、そしてこれから生まれゆくすべての人間の未来のために、日本から世界へ、暁の鶏声を発しましょう!
(写真 日本郵便多摩支店による雇い止め解雇に反対してストに突入した郵政非正規ユニオン【9月20日】)

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■すべての原発いますぐなくそう! 9・23フクシマと全国をむすぶ教育労働者交流集会
福島県教組と団結し、日教組の階級的再生誓う

三浦半島教育労働者部会 北澤瑞枝

 9月23日、福島県教育会館で「すべての原発いますぐなくそう! 子どもたちを放射能から守ろう! フクシマと全国を結ぶ教育労働者交流集会」が、103名の結集で勝ちとられた。集会を呼びかけたのは、毎年8・6広島で教育労働者交流集会を開催してきた全国の教組活動家たち。今年の8・6での「ヒロシマとフクシマをつなぐ交流集会」に続いて、福島県教組との固い団結をつくりだそうと、福島現地で開かれた。
 集会は、冒頭、交流集会の呼びかけ人にも加わって下さった元福島県教組委員長で国鉄全国運動呼びかけ人の清野和彦さんから挨拶を受けた。清野さんは、福島原発事故は、国鉄分割・民営化に始まる労働運動不在状況とつながっているとして、国鉄問題も原発問題も資本主義体制の変革の課題であると、鋭く提起された。
 大会直前の忙しい時期にもかかわらず、特別報告を引き受けて下さった福島県教組書記長の角田政志さんは、日教組動員指示の8倍の170名で9・19明治公園に結集したと述べられ、ご自宅から持参された土をサーベイメーターで計りながら、放射能から子どもを守る取り組みの経過と現状を報告してくださった。さらに、兼務発令や不当人事異動、新規採用停止や講師雇い止めなど、教職員の生活と権利を守る闘いについても報告された。原発廃炉の闘いを福島から広げていくと力強い決意を述べた角田さんに、全国から持参した檄布をお渡しすることができた。
 全国の闘いの交流では、福島学校事務職員組合委員長の阿部靖彦さんが、「教え子を戦場に送るな」を掲げながら、ヒロシマ、ナガサキに続くフクシマを引き起こしてしまった運動の総括の必要性を提起され、教育行政の機能停止状況の中で労働組合の力で学校の判断を認めさせていった闘いが報告された。さらに、被災地宮城からの報告、橋下大阪府知事の教育・職員基本条例との闘い、三浦半島での反原発授業介入との闘い、日教組奈良市の講師解雇撤回闘争など、全国で展開されてきた闘いが次々と報告された。福島現地の小学校と高校の現場の教育労働者から発言があり、教育活動の現状のリアルな状況をお聞きすることができたのも重要だった。
 福島の怒りに触れ、福島県教組の苦闘に学ぶことで、日教組の階級的再生をなんとしても勝ちとる決意を固めた交流集会だった。フクシマから全国から、11・6反原発・反失業大集会に合流していきたい。

(写真 9月23日 福島県教育会館)

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 労働運動を語る 花輪不二男さんに聞く(後編)

国鉄闘争全国運動呼びかけ人 世田谷地区労働組合協議会顧問

地区労の争議支援での教訓

 僕の関わった争議支援では成功も失敗もありました。例えば日本金型の闘争ですが、会社は密かに第二会社を作り、偽装解散を行いました。組合は工場を占拠し、金型の持ち出しを阻止しました。ピケには地区労役員も共産党のオルグも参加しました。闘争は長期化し、団交も膠着状態でした。
 そんなある日、社長が頭を下げて謝りに来たのです。「完全にギブアップだ」と言って団交に応じる姿勢を見せました。「和解のしるしにバスを用意するから温泉にでも入って体を休めてくれ」という社長の言葉に組合員は驚喜したのです。冷静に考えれば、未払い賃金や和解金の協定内容、そして、第二会社の始末を確認すべきでした。しかし、長期争議に疲れていた組合員は、社長の策謀を見抜けませんでした。温泉から帰った組合員が見たものは空っぽの工場でした。組合側は直ちに裁判闘争に訴えて最終的には勝利するのですが、何とも苦い後味を残してしまいました。
 次いで「えびす食糧」の争議です。米を販売店に下ろす運送会社でした。これも第二会社を作り、偽装解散で組合の追い出しをかけた争議でした。状況はすぐ確認できました。顧客の店に他社の車が米を運んでいるからです。組合は直ちに事務所を占拠し、大型トラックの持ち出しを阻止しました。会社は団交には応じますが偽装解散については逃げまくりました。争議が長期化するにつれて次々にトラックの車検が切れ始めました。
 組合は小型トラックによるバイトを続けると共に、本社、役員宅、第二会社、背景資本などに押しかけて解決を迫りました。闘争も10年目を迎えた頃、ようやく解決の糸口をつかみました。会社は組合員の職場復帰を前提とする解決に応じました。
 しかし、10年の時の流れは、組合員の高齢化と60sのコメの積み降ろしをする重労働には戻れない体力の変化が起きていました。組合大会では解決金交渉という結果になりました。僕としては原則を貫いたつもりでしたが、実態に気付かなかった不明を反省する実例となりました。
 世田谷地区労には積み立てた闘争資金の活用がありました。組合費の他に一人50円の積立をしていたのです。累積額は1200万ぐらい。中小企業では組合結成と同時に争議という例は少なくありません。緊急の闘争資金や弁護士費用に活用していたのです。そして、世田谷は争議組合に垣根をつくることはしませんでした。支援要請があれば連合、全労連、全労協、一般、反戦系等々、断られない限りまず支援に向かいました。この資金はもちろん区内の争議のために積み立てましたが、京セラ等の全国闘争参加や韓国TND闘争のような闘いでも心強い後ろ盾になりました。

連合結成〜地区労解散方針に抗して

 総評が解散して残った地区労は数少ないのですが、地域労働運動にとっては大きな損失になりました。僕は総評の奈良大会にも出て「長期争議を闘っている争議組合を見捨てるな」「東京における清掃区移管闘争、1047名の国鉄闘争では先が見えていない」と訴え、地区労解散に反対しました。しかし、多くの企業内大単産組合は地区労運動をお荷物視し、関心を寄せてはくれませんでした。この間、労基法改悪や非正規雇用対策で決定的に立ち遅れたのは、この企業内、大組合主義の連合方針が要因だと思っています。
 僕はこの総評解散の時期に東京地評西部ブロック議長を兼任していました。いくつかの地県評では混乱を避けるため2枚看板を掲げたようですが、単産本部が林立する東京では無理でした。連合主要単産の各支部は本部の強い指導の下で地評、地区労の解散、脱退の方針を進めていました。当然ブロック組織も対応を迫られましたので、やむなく僕はブロックの解散を決断しました。ブロック組織は位置付け自体が中間組織でしたから解散には異論もなく決定されました。
 ただし、世田谷地区労となると争議中の松陰学園、日体大労組を抱えていましたし、東京清掃は5支部、さらには国鉄闘争の支援も決めていますから「解散しない方針」で加盟単組の議論をお願いしました。判断としては本部方針に従う決定をした組合の脱退は止めない。この判断は連合にも全労連にも平等の扱いとする。ただし積立闘争資金については専従書記の退職金や争議組合の支援金として引き当てるため返換請求は辞退していただく。この結果、全電通、全逓、日放労、私鉄、自交総連、住友3M、都教組などが脱退し、残る組合で世田谷地区労の存続を決定してもらいました。専従書記の処遇も財政事情からいったん退職、再雇用扱いで継続してもらうことにしました。
 現在は世田谷区職、東京土建、東京清掃、東水労、東京教組、病院、松陰学園、日体大、障福労、マイコープ生協、社福保育園等が加盟単位で約8000名となりました。

国鉄1047名闘争との関わりについて

 世田谷には国鉄がないので地区労加盟単位での国労との付き合いはありませんでした。そして、世田谷の国労支援窓口は中央支部(旧東通支部)で、民営化反対署名を始めたのが付き合いの最初でしょうか。担当支援地域は北海道でしたので留萌闘争団や深川闘争団の方とよく地域回りをしました。
 初めの頃は労働委員会命令が連勝でしたから、よもや地裁で逆転敗訴(1998.5.28)するとは思っていませんでした。僕にとっても大変なショックでした。
 そして、気になったのが家族の皆さんの落ち込みでした。取りあえず集めたカンパを持って深川に向かいました。旭川や留萌にも行きました。そして、僕らが激励に来たのは裁判の結果がどうであろうと最後の勝利を信じて共に闘うと言いに来たのだと訴えました。
 今後も父ちゃんを信じて家族ぐるみで頑張って欲しい。今までと同じように物販も協力するしカンパも取り組むことを約束しました。嬉しかったのは意外に母ちゃんの方が元気に見えたことでした。
 この間、世田谷には千葉動労のオルグも入り、成田のピーナッツ等、何回かお手伝いしました。世田谷は地区労に敵対では困りますが、要請があれば支援する方針をとりました。ただ、組合によって受け止めの温度差があるのは仕方がありません。
 あらためて思うと、国鉄分割・民営化は国家権力による大陰謀でした。国鉄闘争の場合は一単産の争議とはいえない総資本の画策する戦略との闘いです。これは国労を切り離して考えてはいけない問題なんです。
 総評解体のために権力側が打った手は次々とあるわけです。さかのぼれば電産体制に対抗する総評結成にしても背景には権力の思惑が動いていたことは明らかです。
 総評時代に入っても炭労、日教組、全逓、全電通、全金など、総評を支えた主要単産が次々に狙われていきました。そして国鉄へと、総評解散の道筋がつけられていったと思うのです。まさかと思った東京地裁逆転敗訴もこの延長上で捉えるべきでしょう。
 国家権力は国鉄問題だけではなく、国民向けには「非核三原則」「核もない沖縄返還」などごまかし続けました。われわれは、それを薄々わかりながら対抗しきれなかったことを反省点としなければなりません。みんな言ってきたことが今、現実に起きているのを考えると、後一歩踏み込めなかった「詰め」の甘さは否定できません。
 国鉄闘争もそうですが今、日本は東日本大震災、福島の原発事故、不況、失業や非正規雇用等々、危機的な状況にあります。歴史の教訓としてこの時代、国家権力が反動化していく可能性は大きいと思います。裏を返せば彼らは、そうしなければ今の危機を克服できないからです。労働者にとって彼らの弱味は闘いのチャンスになります。
 資本がカルテルやコンツェルンという昔なりの姿をとるのかどうかは別にして、危機克服の手を打つことは間違いありません。それにどう対応するかが問われています。問題は対抗する組織です。個々の自覚的、先覚的な労働者、労働組合の闘いは散見できても、まとまる組織が見えてこないのが一番問題です。
 実際のところ、国鉄闘争の今後を考えると闘争団の何人が一緒に闘ってくれるかが鍵を握ります。闘争団の中でも高齢化が進み「金銭解決も止むなし」とする意見は少なからずあります。ここは非常に難しいところです。
 一方、若い人は雇用にかけていた復帰の道を塞がれたわけですから「ふざけるな」といった怒りの気持ちが強いでしょう。ただ、実情では把握できていません。
 僕らは、これらの現状を踏まえた上で呼びかけを始める必要があります。そして、引き続き「闘うぞ」という組織を顕在化させ、支援体制の再建を急ぐべきでしょう。
 特に、若い人たちは「組合からも切られた」怒りを鮮明にすべきだと思います。
 僕は地区労では顧問ですから、割合にフリーな立場で支援のお手伝いできるのかなと思っています。
(写真 国鉄闘争全国運動6・5大集会【東京・日比谷公会堂】)

闘争団「自活体制方針」への疑問

 国鉄闘争支援の過程で疑問だったのは「自活体制」でした。「自活体制」は言い換えれば闘争資金の自己調達ではないですか。僕の理解では、ごく一般的に、争議支援となれば単産本部が責任を持ち、指導をするのが当然だと思っていました。国労で言うならば、闘争団のオルグも物販もカンパや生活支援も本部の指導と統括の下で行われるべきだと考えていました。僕らが地区労で支援要請を受ける場合、一人争議は別として、組合機関の要請趣旨を受け止めて決定します。「大勢で大変だから自分たちで考えろ」と聞こえる組合方針は初めて聞くものでした。
 僕は、深川闘争団が「自活方針」で小さな自動車整備工場を作る計画を聞いて若干の資金を送りました。なんせ明日の飯が問題の時期でしたから……。今でもこの事業では僕を顧問として扱って下さるようですが、僕は「現場の取り組みに異論はないが、本部の方針としてはしっくりしない気持ちがする」と挨拶したことがありました。
 地区労レベルで支援している長期争議組合では3〜4人、多くても10名前後のケースが圧倒的です。それでも彼らは頑張って闘っているのです。国労の場合は全国闘争ですし、1000名のオルグ要員を生かすことのできる争議は夢のような話です。いろいろな歴史的闘争経過を経て、国労本部は攻めよりも受け身になりすぎた感じがしてなりません。
 また、僕は政治解決については否定をしません。国鉄の場合は国家権力による労働組合つぶしですから、彼らに責任を取らせる意味での政治解決は一つの方法としてあると考えていました。僕が考えたその時期は村山富市首相の時でした。地元出身の社会党山本副委員長に「少数与党の政権をもし受けるなら、社会党の政策の3〜4つを条件とし、その中に国鉄を加えてくれ。駄目なら蹴ってくれ」と申し入れたのですが社会党はずるずると引き込まれてしまいました。もっとも僕がこんな生意気な口をきけたのは、地元で山本選挙を支えたメンバーの一人だったし、村山氏が自治労出身という関係があったからでした。この当時自民党は危機的な状態で「拝みます、頼みます」で総理の椅子を差し出したのでしょう。退任後の「村山感謝パーティー」で自民党の名だたる幹部たちが「自民党を救ってくれた村山さん」と挨拶するのを複雑な気持ちで聞いていました。今となっては結果論ですが悔やまれてなりません。やはり総理大臣の椅子は、僕らが考えるのとは違うものなのかと考えさせられました。

これからの労働運動について

 労働法規も次々と変えられ、こう見事に未組織、非正規労働者を拡大されると率直に言って悔しい思いです。今の現状を見て、僕は何を残せたのかを問えば、偉そうなことは言えません。支配体制を揺るがすことは、生やさしいことではないと実感させられています。
 まあ、過去の反省ばかり言っていたのでは前進がありませんから、あえて僕の果たした役割について言えば、身勝手と思われてもこの冬の時代に、たとえ部分的でも労働運動を守り、労働者を裏切るような生き方はしなかった自負でしょうか。考えて見れば先人たちは、ああもこうも未知の世界を切り開くために弾圧され、挫折を繰り返しながら労働運動の裾野を広げてくれました。初めから道があって歩いた経験は皆無でした。それでは今はどうなのか。労働三法など確かに法律はできました。しかし、労働現場の実状で見ればお飾りみたいなものです。何しろ国家権力が率先して「不当労働行為」をやっているのですから。
 すでに老境に至った僕が若い人に伝えたい気持ちは「今も労働運動の世界は未開の新天地だ。自分が歩んだ後が道になる。自信をもって立ち上がろう! 資本に立ち向かう気概を持とう」です。 (了)

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『月刊交流センター』主要目次(3)  NO.128 (2000年11月号)〜NO.167(2004年2月号)

※NO.249(2010年12月号)までの主要目次を順次掲載します。タイトル、筆者の表記は訂正・変更を加えているものがあります。 

●NO.128(2000年11月号)
◇「4党合意」絶対阻止・執行部総退陣へ 国労新橋 吉野元久 ◇特集 自治体リストラと公務員労働運動の課題/2000年人事院勧告と公務員制度改革攻撃/「能力・実績重視の新人事評価システム」批判 ◇広島連帯ユニオン 今川澄男
●NO.129(2000年12月号)
◇特集 国鉄闘争をめぐる情勢と課題/国労定期全国大会の結果と国労再生の道 吉野元久/「4党合意」地労委闘争の意義 関合労書記長 宮武章治 ◇改憲一歩手前の「憲法調査会」 ◇11・5労働者総決起集会に3250名が集う! ◇関西合同労組兵庫支部
●NO.130(2001年1月号)
◇特集 21世紀階級的労働運動の展望/危機を深める資本主義を打倒する労働運動を 中野洋代表/「21世紀連合ビジョン」批判松田勲全国運営委員 ◇新連載 「新自由主義」改革と労働現場(NO.133まで4回連載)新連載産別REVIEW(NO.139まで7回連載)◇札幌住器製作支部労働組合
●NO.131(2001年2月号)
◇国労稚内闘争団激励ツアーに参加して ◇特集 01年春闘をどう闘うか/賃金と賃金闘争論―『日本人の賃金』批判から 小泉義秀/港合同の賃金闘争から学ぶ 大野ひろ子◇教育改革国民会議最終報告批判 神奈川高教組 鈴木一久
●NO.132(2001年3月号)
◇機動隊導入弾劾!「4党合意」強行弾劾!国労を再生し、新たな国鉄決戦の発展を 国労新橋 吉野元久 ◇特集 「教育国会」と「日の丸・君が代」◇自立労働組合福岡 稲葉しげこ
●NO.133(2001年4月号)
◇1・27国労定期続開大会以降の情勢と「4党合意撤回」地労委闘争 関合労書記長宮武章治 ◇特集1 闘う春闘の再生へ 組織拡大へのストライキに起つ! 田中康宏動労千葉書記長/階級的賃金闘争のために 関西労組交流センター ◇特集2 憲法改悪と教科書攻撃 ◇関合労成友印刷分会
●NO.134(2001年5月号)
◇動労千葉120時間ストを貫徹!/切りひらかれた地平と勝利の展望 田中康宏動労千葉書記長 ◇特集 倒産攻撃と闘う/労働法制・企業法制・倒産法制の全面改悪と港合同倒産争議の教訓 港合同執行委員 辻岡尚/労働債権の保護法制の問題点 宮島尚史(元学習院大学教授・弁護士) ◇階級的賃金闘争のために(前号続き) ◇沖縄バャリース労組
●NO.135(2001年6月号)
◇都労委による4・17申立却下決定を徹底弾劾する! 国労新橋 吉野元久 ◇特集 小泉政権を斬る ◇全自交A地連・Bタクシー労組
●NO.136(2001年7月号)
◇特集 「公務員制度改革」批判/公務員労働運動の解体・一掃を許すな/特殊法人改革攻撃を小泉打倒の反転攻勢として闘おう ◇新連載 さし迫る世界大恐慌 村越一郎(NO.
153まで15回連載) ◇広島連帯ユニオン・平田運送支部
●NO.137(2001年8月号)
◇4党合意の破綻と9月国労定期全国大会 国労新橋支部 吉野元久 ◇特集 郵政民営化攻撃との対決 ◇報告米兵による女性暴行事件後の沖縄 ◇治安弾圧と労働運動(上)佐藤陽
●NO.138(2001年9月号)
◇許すな!「4党合意」労働委員会闘争を支援する会への参加を訴える! 山川博康(本誌編集長) ◇特集 小泉政権といかに闘うか◇「つくる会」教科書採択阻止の闘い ◇治安弾圧と労働運動(下) 佐藤陽 ◇広島県労組交流センター教育労働者部会
●NO.139(2001年10月号)
◇闘争団切り捨てと単一体・国労の破壊を宣言するチャレンジグループを撃ち倒そう! 国労新橋 吉野元久 ◇特集 「聖域なき構造改革」と闘う(上) ◇関西交流センター教労部会
●NO.140(2001年11月号)
◇10月国労第68回定期全国大会の中間総括国労新橋 吉野元久 ◇《9・11》と戦争・恐慌・大失業の時代 中野洋代表 ◇特集「聖域なき構造改革」と闘う(下)
●NO.141(2001年12月号)
◇賃下げ容認と戦争支持に突き進む連合 ◇特集 参戦の現実 ◇自治体非常勤 小宮陽子 ◇11・11労働者集会に3250名が結集
●NO.142(2002年1月号)
◇新井・今井らが「ジェイアール東日本ユニオン」でっち上げを策動! 国労新橋 吉野元久 ◇《9・11》をどうとらえるか 関西労組交流センターでの討論の報告 ◇教育基本法改悪は改憲の道 ◇緊急報告 バャリース労組破壊攻撃との闘い ◇新連載 労働相談(NO.153まで9回連載) ◇国労米子地本組合員 鷲見貢 ◇本の紹介『企業の塀をこえて』
●NO.143(2002年2月号)
◇国際階級闘争の新段階と国鉄闘争の任務 国労新橋 吉野元久 ◇特集 いまこそ闘う春闘を/ベア要求放棄とワークシェアリング批判/転籍・分社化による賃下げ攻撃との闘い 松下電器 磁村悦男/京王バス分社化攻撃との闘い 京王合理化と闘う会 ◇広島連帯ユニオン執行委員 金子祐子
●NO.144(2002年3月号)
◇2・3国労拡大中央委員会報告 国労 吉野元久 ◇特集 2002年春闘を闘う/第2の分割・民営化と闘う02年春闘3カ月間決戦動労千葉/ワークシェアリングが「雇用対策」というペテン ◇大阪高教組 石田善紀
●NO.145(2002年4月号)
◇闘う国労の再生へ/分裂ユニオン許すな!国労秋田地本組合員有志/4党合意反対地労委闘争と鉄建公団訴訟の意義国労新橋 吉野元久 ◇上命下服体制と闘う教師の追放 ◇塩竃市役所 金子哲夫 ◇郵政公社化=民営化の先取り攻撃との闘い 全逓加古川分会長江渡績
●NO.146(2002年5月号)
◇特集 ストップ有事立法/盗聴法適用弾劾!テロ資金規制法粉砕―メディア3法粉砕! 佐藤陽 ◇「復帰」30年式典粉砕へ―沖縄−本土を貫く闘いの爆発を ◇動労西日本
●NO.147(2002年6月号)
◇4党合意破棄、高嶋―寺内執行部打倒、闘う国労の再生へ 国労新橋 吉野元久 ◇特集 つぶせ!侵略戦争3法案 ◇パート労働者からみた「パート労働研究会の中間とりまとめ」 ◇5・8成友印刷分会への「詐欺・雇用保険法違反」弾圧粉砕! ◇しごと開発就労者組合
●NO.148(2002年7月号)
◇特集 国労の再生へ/裏切り者は去れ! われわれこそが国労である ◇被爆57周年・小泉極右反動政権を打倒する8・6−8・9闘争を! 入江史郎代表 ◇広島電通部会、関西全逓部会
●NO.149(2002年8月号)
◇全国大会代議員選−今秋全国大会に総決起する 国労新橋 吉野元久 ◇特集 連合の産業報国会化と闘う/全逓改革から連合打倒へ 全逓部会 ◇医療制度改悪の本質は戦時型への再編健診介護要求者組合(高槻)事務局長森田みつじ ◇関東A県C高校E・G
●NO.150(2002年9月号)
◇特集 有事法制下の労働運動/5・16「連合見解」を許すな! ◇国労本部執行部は総辞職せよ! 国労新橋 吉野元久 ◇7都県市合同防災訓練を許すな! 千葉自治体労働者 松本艫 ◇関西教労部会 ◇えひめ労組交流センター ◇動労千葉を支援する会
●NO.151(2002年10月号)
◇特集 職場から有事法制と闘う/5・16連合見解粉砕・有事法制反対の闘いをすべての職場からつくりだそう 中野洋代表 ◇自治労の階級的再生へ 自治体部会代表 庄山正 ◇沖縄労組交流センター ◇高見さん不当解雇11カ年糾弾闘争
●NO.152(2002年11月号)
◇国労共闘声明 国労組合員と支援計8名に対する10・7大弾圧を徹底弾劾する ◇特集 今日の資本攻勢/NTT「新3カ年攻撃」との闘いはこれから/民間中小企業における倒産攻撃の実態/春闘・賃金闘争の解体を推進する連合 ◇有事法制阻止闘争の爆発に恐怖する連合 ◇関西教労部会 吾郷春代
●NO.153(2002年12月号)
◇特集 5・27臨大弾圧と国鉄闘争の展望/国鉄1047名闘争勝利の展望 中野洋代表◇イラク反戦闘争の先頭にたつアメリカ労働運動の新潮流 ◇近づくイラク侵略戦争と日本の参戦国化 ◇中村地労委闘争に勝利する会
●NO.154(2003年1月号)
◇特集 03春闘を闘う/国労5・27臨大弾圧粉砕/03春闘と動労千葉の闘い 田中康宏動労千葉委員長/自治体部会 ◇イラク侵略戦争阻止 ◇佐藤昭夫さんら広範な「許さない会」が発足 ◇全造船三菱広機分会
●NO.155(2003年2月号)
◇「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」運動を全国に ◇特集 労働法制の改悪を許すな/松下電器の職場から 関西労組交流センター梅沢順一 ◇ANSWER連合運営委員会からの連帯メッセージ ◇動労千葉は03春闘に総決起する! ◇ス労自主
●NO.156(2003年3月号)
◇特集 不安的雇用と組織化 関西労組交流センター全逓部会/未組織労働者の組織化への挑戦(上) 関西合同労組書記長 宮武章治◇「許さない会」を発展させ、3・29春闘総行動へ 中野洋代表 ◇全逓部会
●NO.157(2003年4月号)
◇特集 戦争をとめろ!―イラク戦争突入と階級的労働運動の任務/反北朝鮮キャンペーンと有事法制 ◇未組織労働者の組織化への挑戦(下) 関合労書記長 宮武章治 ◇書評『千代田丸事件』 ◇動労千葉72時間ストに決起! ◇全世界でイラク反戦闘争に決起
●NO.158(2003年5月号)
◇国労5・27臨大闘争弾圧刑事裁判第5回公判 ◇特集 有事立法・朝鮮侵略戦争阻止!/医療労働者の戦争動員を許すな ◇動労千葉03春闘の切り開いた地平 ◇関西合同労組・日本管検工業分会
●NO.159(2003年6月号)
◇5・27国労臨大闘争弾圧第6回公判 ◇特集 総翼賛体制に反撃を!/戦争動員体制のカギを握る自治体の役割 ◇労働法制の改悪阻止へ 田中康宏動労千葉委員長◇「団結を許さない」共謀罪を阻止しよう 佐藤陽 ◇関西合同労組・神戸クリーナー興業分会
●NO.160(2003年7月号)
◇公安刑事と国労本部一体で事件をデッチ上げ 第7、8回公判 ◇特集 民営化・外注化攻撃と闘う/殺人的な深夜労働の導入を許すな! 全逓部会 ◇第2の分割・民営化攻撃に職場から反撃を 田中康宏動労千葉委員長 ◇被爆58周年の反戦反核闘争へ 8・6−9全国統一実 三角忠 ◇関西教労部会
●NO.161(2003年8月号)
◇特集 連合の産業報国会路線と闘う/自治労の「改憲」=綱領転換を阻止しよう!/広島両教組を防衛し、教育基本法改悪絶対反対の立場を確立せよ/松下電器の現場で闘う ◇動労千葉アメリカに渡る ◇万景峰号の入稿規制・経済制裁反対 新潟交流センター
●NO.162(2003年9月号)
◇国労5・27裁判 現場のビデオの撮影者・鈴木国労東京地本執行委員の証人採用を決定◇特集 国鉄闘争/国労新橋 吉野元久 ◇動労千葉アメリカの代表派遣―その意義 ◇茨城労組交流センター
●NO.163(2003年10月号)
◇国労5・27裁判 ◇特集 11・9全国労働者集会の成功へ/辻川慎一事務局長/田中康宏動労千葉委員長 ◇『自治労21世紀宣言』否決! ◇自治体労働者 椎名檸檬 ◇弾圧はねかえし、関西合同労組は闘う!
●NO.164(2003年11月号)
◇国労5・27裁判 ◇特集 どう変わる連合、共産党/小泉構造改革と奥田ビジョンを率先する連合方針/自治労第74回続開大会/日本共産党新綱領案批判 ◇動労千葉定期大会―3大方針を確立 ◇ユニオン自立 ◇英ブレア路線が総スカン
●NO.165(2003年12月号)
◇国労5・27裁判 年内保釈を ◇特集 新たな国際連帯闘争を/11・9集会が国際連帯集会として成功! 田中康宏動労千葉委員長/日米韓労働組合の国際的統一戦線が誕生 ◇自衛隊の年内派兵阻止 ◇共謀罪の国会上程を阻止しよう ◇全逓臨時大会に向けて、職場から反撃を! 全逓 井上長治
●NO.166(2004年1月号)
◇国労5・27裁判 年内保釈実現へ/8被告ついに奪還! ◇最高裁反動判決を弾劾し、国鉄1047名闘争の前進を 国労新橋 吉野元久 ◇特集 イラク派兵をとめよう!/反戦自衛官・小多基実夫さんに聞く ◇「しごと開発事業」打ち切り弾劾! 関西合同労組◇動労千葉スト貫徹!12・15総決起集会 ◇教基法の改悪
●NO.167(2004年2月号)
◇国労5・27裁判 保釈から無罪獲得、国労再生へ ◇鉄建公団訴訟を武器に1047名闘争の新たな発展を! ◇特集 04春闘の課題/3・6春闘討論集会の成功へ/佐藤陽/松下電器労働者 一本松誠/関合労・日本管検工業分会/イラク派兵と労働者の組織化◇『俺たちは鉄路に生きる2』を読んで 小泉義秀 ◇三一書房労働組合

 (以下次号)

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柏での3年目の処分撤回と業務はずし―公務員360万人首切り攻撃との対決

ちば合同労組 綿貫 透

 辞めて去るか、反省して屈服するか。どちらでもなく、団結をつくるために闘い始めました。
 すでに霊柩車の運転台から降ろされて9月3日で3年目。現在の仕事は、「地方公務員法」のレポート提出と週1回程度の総務課長らによる「呼び出し攻撃」で、過去の「私用コピー」などの「事実確認」の強要と対峙しています。
 いま当局は「反省」と称して、「地方公務員法についてどう思うか」などと、私にだけ「思想調査」を平然と行っています。地方公務員法でさえ、労使や市民という概念ですが、人とのつながりのもとで「階級対立」が存在していることになっています。だが、私は「ホワイトボードでつくられた壁」の中で、地方公務員法のレポート作成という、無機質な仕事を余儀なくされています。こんなことは、地方公務員法でも想定していません。それほどひどいのです。
 私は、千葉県柏市などでつくる「東葛中部地区総合開発事務組合」のウイングホール柏斎場に入庁して今年で16年目になります。09年2月に職場でビラをまいたことを理由に、停職1カ月の処分を受け、さらにはまったく仕事を与えない「仕事はずし」からの現職復帰を求めて、今年4月から、ちば合同労組に加盟しました。
 現在は団交と裁判闘争が先行して行われていますが、団交で現職復帰するための具体的方策を要求していることに対し、当局は「反省しない労働者に仕事はさせる必要はない」と不当労働行為の居直りを行っています。
 3年近くまったく仕事を与えないという、歴然とした異様な事実の前に裁判所も動揺し、「不当労働行為の是非」と「人権侵害があったかどうか」の2本を争点に審理せざるを得なくなっています。しかも、9月公判からは証人尋問の準備に入り、いよいよ負けられない大決戦に入ります。
 しかし、この闘いは私一人の問題では決してありません。私は元々自治労柏現業労組で執行委員や青年部長をやっていましたが、斎場という小さい職場で組合員を増やし、民営化に反対を貫くべき、と組合に対してモノを言い始めてから非常に嫌悪され、ついには06年11月に柏現業労組から除名になり、その後、今度は当局の処分策動が始まったのです。
 現に私の処分や仕事はずしが始まった後に、人減らしや民間委託が拡大し、最大10人いた職場は今3名も少ない人数で回しています。
 こう考えると、まさにいま全国の自治体や公営企業で問題になっている、自治体当局と既成の組合本部が結託してクビ切りや民営化を行うこととの発端の闘いです。かつての国鉄分割・民営化や社会保険庁や呉市交通局、大阪市の現業労働者への解雇攻撃と同じやり方であり、このやり方こそ道州制・民営化−公務員360万首切り攻撃です。
 この数年間で柏市全体で民間委託が格段に増えています。その中でいま保健所の仲間が解雇撤回闘争を続けています。こちらも2年目の夏を迎えましたが、当該の怒りと、「非常勤特別職」という非正規雇用の「雇い止め」=使い捨て解雇を許さずに、闘いは続けられています。
 原発事故についても秋山市長は、自身のブログで「反原発を闘う人は社会的不適応者が多い」「ニートやフリーターは冷遇されていた京大の小出教授を夢見ている」などと書き込み、さらにはクリーンセンターで孫請け労働者に被曝労働をさせていることも明らかになっています。過日おこなわれた「9・3なくそう原発柏デモ」には、150人が集まり、「秋山やめろ」のコールも飛び出しました。原子力村の一角の柏からついに労働者の根底的な決起が始まっています。原発と民営化・労組破壊は本当に一つです。
 そうであるからこそ、職場や市役所の労働者に依拠して、信頼関係をつくり、柏の自治労を変えていくことと、逆に、一職場だけの問題として捉えるのではなくて、全国の自治体労働者と結びついていくことで、本当の勝利をつかめると思っています。
 共に闘いましょう。

(写真 許せない! ホワイトボードで囲まれた綿貫さんの「隔離職場」!)

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●読者のページ

●特別背任罪も成り立つ郵政資産私物化の真相

『なかま』編集委員会(代表 土山友幸・JP労組大森分会所属)

 「赤字」「事業危機」の真相について読者から寄せられた声は、ならば「なんで俺たちが犠牲にならなきゃいけないんだ」「俺たちが何をしたというんだ」「雇い止めを撤回しろ」「カットされたボーナスを返せ」が大多数でした。さらには、「JPEXの赤字分の内訳をもっと知りたい」「経営者責任をもっと具体的にあぶり出してほしい」というものでした。
 そして「こんな資料を入手したよ」という仲間からの情報提供がありました。『日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会・報告書及び検証総括の報告書』(2010年5月)を見てください。
 明らかにされていることは、前経営陣による郵政事業の私物化です。「特別背任罪」や「横領」さえ成立します。これは犯罪なのです。資料全文がインターネットの公式サイトで誰でも閲覧できます。突然降ってわいたような「大赤字」についての疑問がとけて腑に落ちること請け合いです。
(『なかま』第13号・9月5日付より)

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編集後記

▼9・11新宿反原発デモでの青年たちの激しい怒り、9・19明治公園6万人大結集とその陣容。とにかく力をつけよう▼拡大全国運営委の「階級的労働運動に賭けきる」提起があらためて重要▼野田政権、経団連、連合、日共を現場の闘いとひとつになって批判しぬいて11・6へ(う)

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警察を圧倒し、反原発の怒りとどろく! 9・11東京

「9・11新宿、原発やめろデモ」が、全国39カ所のデモと一体で東京・新宿で行われた。NAZENの1000人に迫る隊列をはじめ、約1万人のデモが、12人の逮捕を強行した警察の弾圧体制を圧倒して打ち抜かれた。

住宅追い出し許すな! 9・14大阪

9月14日、解同全国連西郡支部と八尾北医療センター労組をはじめとする関西の労働者・学生150名は、「住宅追い出し、西郡更地化・廃村攻撃許すな!八尾北医療センター明け渡し絶対反対!」の大抗議闘争を闘いぬいた。

不当労働行為根絶! 動労水戸がストライキ! 9・16茨城

動労水戸は9月16日、運転士不登用事件をめぐる08年12月の最高裁勝利判決の完全履行を求めて新たな裁判を提訴。早朝から、一切の不当労働行為の根絶を求めて原告の組合員を先頭に地上勤務者17人が指名ストに入った。

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