2012年03月号(通巻No.264)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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全国労組交流センターは、全国再審連絡会議の仲間とともに600人で徳島刑務所を包囲した。「星野を返せ! 星野は無実!」「沖縄を返せ! 基地をなくせ!」「暖房入れろ! 湯たんぽ入れろ!」の声は獄中37年の星野文昭さんの元にしっかりと届いた。星野奪還へ新たな地平が切り開かれた(2月5日 徳島)

労働者の目 4・1全面外注化を阻止し、組織拡大へ! 清水 匠 常任運営委員 動労千葉執行委員

・国鉄、非正規、青年を環に、今春決戦を組織決戦として闘いぬき、交流センター運動の変革、強化・拡大を!
 ・徳島総会がかちとった地平と決意 飯田英貴 事務局長(新)
 ・代表挨拶 入江史郎 代表 ・運動方針案 総括・情勢 荒木淳 事務局次長
 ・運動方針案 闘いの基調 辻川慎一 事務局長 ・中間答弁 田中康宏 代表
 ・討論のまとめ 辻川慎一 事務局長

八尾北・西郡決戦勝利、道州制粉砕・橋下打倒
3・18 全国総決起集会への総結集を! 灰垣美佐子 八尾北医療センター労働組合書記長
われわれの時代が来た! 2012 年階級決戦の成否をかけて国鉄決戦に勝利する 吉野元久 副代表 国労共闘全国協議会

期間従業員全員解雇3周年 解雇撤回・非正規職撤廃!  ジェコー資本包囲弾劾闘争への参加を  ジェコー期間従業員解雇撤回闘争を支援する会
秘密保全法案の国会提出反対! 戦争と治安管理国家化に反撃しよう!  破防法・組対法に反対する共同行動
「個人情報保護法」を口実に合同労組を否定! 労組解体攻撃に立ち向かい、必ず勝利する 永野佳世子 東京北部ユニオン書記長

ひめじょおん−女性部から 職務命令」で教育ができるか

・ 動労千葉労働学校で学ぼう!
BOOK  『私たちが見えますか――弘益大清掃・警備労働者の物語』
どのような団結をつくっていくのか 階級的労働運動の実践的教訓を学ぼう

読者のページ  

・●マンガ /編集後記

 4・1全面外注化を阻止し、組織拡大へ!

清水 匠 常任運営委員 動労千葉執行委員

 4月1日検修全面外注化を前にして、闘いは正念場を迎えている。1月27日JR東日本千葉支社は、京葉車両センターで構内業務の「1日勤」分の千葉鉄道サービスへの外注化を強行した。千葉支社ではこの10年できなかった外注化を、この時期に強行したのは、検修全面外注化を狙っているからだ。列車運行に密接に関連する業務の外注化は、偽装請負だ。列車の運行はJR本体が行っているのだから、JRの指示なしに外注会社が業務を行うことなどありえない。こんな違法かつデタラメな外注化など許されない。
検修全面外注化では、数十、数百の会社に分割される。これは青年労働者の未来を奪うことだ。帰る職場のない片道出向へと追いやり、さらにその先は転籍という形で、JRで働きたいという青年労働者を非正規化へと突き落とすことになる。だから今、JR本体で外注化に反対して闘うことが決定的だし、非正規化を阻止することにつながる。
またJR東日本は、駅の全面外注化も提案した。すべての駅を対象とした外注化だ。まさに4・9和解をもって、JR東日本は現場丸ごと外注化に踏み切ったのだ。東労組が新人事賃金制度を妥結したが、管理職には手厚く、その他は徹底して賃金を抑えることは、まさに職場の全面外注化、出向を前提としているからだ。
だが、こうした攻撃は、青年労働者の反発、反乱、反撃を生み出す。だからJR東日本も、東労組も、青年労働者の決起に戦々恐々としている。動労千葉の闘いは、確実に青年労働者の心をつかんでいる。組織拡大へ、いまが勝負のときだ。
動労千葉は、3月4日、千葉市民会館において、中野前委員長追悼、業務外注化阻止、12春闘勝利総決起集会を開催し、3月の闘いに突入する。銚子運転区廃止反対、基地統廃合反対のストライキは、11月から継続して闘いぬかれている。動労千葉を支援する会を組織し、4月1日外注化を阻止しよう。

(清水匠さんは2月26日、突然逝去されました。心から哀悼の意を表します)

(写真 動労千葉運転士登用差別事件での最高裁の逆転反動判決に怒り爆発【2月23日 東京・最高裁判所】)

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■第19回定期全国総会を徳島で開催
国鉄、非正規、青年を環に、今春決戦を組織決戦として闘いぬき、交流センター運動の変革、強化・拡大を!

 2月4〜5日に徳島で開催された全国労組交流センター第19回全国総会について、飯田英貴新事務局長からの総括・決意と、総会における本部提起・答弁の要旨を掲載します。

●徳島総会が勝ちとった地平と決意
飯田 英貴 事務局長(新)

 2012年の闘いの方向性は、辻川新代表が提起した「労組交流センターが時代に通用するかは、われわれが青年労働者の選択肢に入るかどうかだ」につきます。2012年決戦を労働組合運動の解体か戦闘的再建かをかけて闘い、その中で交流センターをこの社会を変革する力ある勢力として登場させられるかどうか。これが私の実践的総括です。
当面する組織方針は、@3・11「原発いらない!福島県民大集会」への総結集、 A3・18八尾北・西郡決戦を橋下打倒の全国方針として闘う、B2・15国鉄集会−2・26青年春闘集会の地平から、非正規職撤廃闘争を正規労働者が職場闘争として開始すること、C星野奪還闘争と一体で、5月沖縄闘争の成功を勝ちとること、D一切の闘いの土台として4・1JR外注化阻止、動労千葉を先頭に国鉄闘争全国運動を全力で闘うこと、Eそして、2012年階級決戦に勝利する三役、常任運営委員会、産別部会の強化です。

動労千葉の外注化阻止決戦の地平をつかもう

総会を通して感じたことは、ひとつに職場生産点における資本との熾烈な闘争の開始です。討論では「単なる反対派ではなく、責任勢力としていかに飛躍するか」の苦闘が共通の課題として語られました。それは、大恐慌情勢に打ち勝つ階級的労働組合を職場や地域に打ち立てていく苦闘そのものです。
私たちはこれを外注化阻止決戦として路線的・実践的に闘い取ろうとしています。4・1検修業務全面外注化強行の動きに対し、動労千葉が2波のストを打ち抜き、総力戦を闘っています。すさまじい気迫です。一人ひとりの組合員から感じられるのは、外注化阻止は青年の未来をかけた決戦だという階級的使命感です。「国鉄分割・民営化以来の決戦」とは、資本の攻撃の大きさもさることながら、組合員の怒りと闘いがそこまで押し上げているということもあるのです。だからJR東会社は外注化を強行できないでいるのです。
「動労千葉だから阻止して当然」では絶対にありません。「普通の労働者」が10年にわたって外注化を阻止し続けているところに普遍性があります。そこには驚嘆すべき労働者の団結の力、労働組合が団結したときにどれだけの力を発揮するのかが示されています。再雇用を拒否してまで外注化提案は受け入れない。エルダー社員がきつい清掃の仕事を選んでまで外注会社には行かない。目先の金や自分だけの利益よりも階級の利害に立ち、仲間と共に闘うことを誇りとする生き方を「動労千葉組合員」として選んでいる。この階級的団結が資本から職場支配権を奪い返し、その階級的正義性が組合を越えた労働者全体を獲得しようとしています。
外注化阻止闘争は反合・運転保安闘争そのものです。資本との非和解的闘いで多数を獲得し、労働組合を階級的に甦らせていく闘いそのものです。
そのうえで、私たちはあくまでも国鉄決戦を基軸に階級決戦を闘おうとしています。それは闘いを自らの職場だけにとどめるのではなく、国鉄分割・民営化絶対反対の闘いを総資本・国家権力との闘いの基軸に据え、非正規職撤廃を本気になって闘いとる路線です。分割・民営化との闘いを基軸に、地域・産別全体の組織化に打って出よう。そのとき、2012年国鉄決戦は動労総連合の決戦であると共に国労決戦となります。
ある国労の青年が「自分は一労働者を貫きますから」と言っていました。4・9政治和解を主導した国労幹部は、自らの出世と引き替えに組合員を資本と権力に差し出すような連中です。しかし、彼らは「一現場労働者」という生き方を貫くために国労に残って闘うことを選択しています。これは動労千葉や動労水戸に加入した平成採の思いと同じです。国労本部を批判し、仲間のために当局と闘う姿は非正規の青年を惹きつけています。この闘いを組織拡大として勝利させたい。国労の階級的再建をかけ、国労郡山工場支部に連帯し、3・11福島に闘う国労の旗を掲げ、反原発闘争の新たな発展を切り開こう。

交流センターの飛躍、組織拡大を

最後に組織建設の課題について。総会では「連合・全労連に代わる全国組織を本気になって目指すべき」という提案をしました。交流センターが資本主義社会を打ち倒す階級決戦を担おうということであり、その土台は労働組合の結集です。動労総連合に続き、ス労自主も組織絶滅か拡大かの死活をかけた決戦を闘っています。組織拡大はこの緊張感と一体です。交流センターを労働組合の集まる全国組織にしたい。労働運動に人生を賭ける人間の集まりをつくりたい。そのためにすべてをこれまでの延長で考えず、労働者大衆にもっと開かれた交流センターに変えていきたいと思います。さらなる討論をお願いします。

▼第19回総会 本部提起・答弁(要旨)

●第1日目(2月4日)

代表挨拶  入江史郎 代表

 交流センターももうこの時代に変わらないと後はない。新体制を提案します。
1984年にエッソ石油という石油メジャーの日本法人により懲戒解雇をされて今年の7月に28年になりますが、1月4日の日経新聞の夕刊にエクソンモービルが日本市場を撤退するという記事が出た。日帝敗戦後の1951年のサンフランシスコ条約成立と相前後して日本の石油企業はぜんぶ石油メジャーのひも付きで再建されます。依然として石油メジャーが実効支配している企業はエクソン・モービルと東燃ゼネ石だけです。それが今年6月をもって全面撤退する。世界の石油をドルとともに支配してきた石油メジャーが日本の市場から撤退するという一大事態は何を意味するか。今アメリカは国内法に基づいてイランと取引している金融機関はすべて取引停止にするといってイランに脅しをかけています。一方で日本と中国は依然としてイランから現在で国内消費の約10%以上の原油を輸入している。この背景には、イランを対象化しつつ、日本とアメリカの帝国主義、あるいは欧州の帝国主義が自分たちの市場確保をするために猛烈な争闘戦をやっているということがあるのだと思います。同時に核を本当の意味で制するのは、どの帝国主義か、あるいはわれわれ労働者階級が登場してきちんと核を管理して始末をつけられるのか。それが昨年の3・11で人類が歴史的に突きつけられた事態だと思っています。
われわれが突破口を切るしかないと自覚し自信を持ってもらいたい。みなさんにその気になってもらうというのが私の歴史的任務と思っています。よろしくお願いします。

運動方針案 総括・情勢  荒木 淳 事務局次長

 2012年は「ショック・ドクトリン」との大激突の年になります。
情勢の補足の第1点は、JR当局より1月11日に「駅業務委託のさらなる推進について」という提案がなされ、そして1月27日に京葉の外注化が強行されたという事態です。今回の提案は駅の規模をふくめ、いっさいの制約を取っ払ってきました。グリーンスタッフは首切り、正規の職員も出向、今年の4月1日に入社するJRに入社したはずの社員はいきなり出向・転籍。JRの設備に始まった外注化、検修構内の外注化、そして駅の外注化、まさにこれはJRを数百の子会社・孫会社に分割していく第2の分割・民営化攻撃です。しかし、これが新自由主義の本来の大企業のあり方です。だからむしろ問題の核心は、動労千葉の闘いや国鉄闘争の継続によってやりたくてもやれなかった攻撃に向こうものるかそるかで踏み込んできたところにあります。分割・民営化の決着をかけた闘いの開始です。
情勢の2点目に、大阪決戦についてです。12月27日の施政方針演説で橋下が公務員労組をのさばらせていたらギリシャみたいになる≠ニわめき、1月4日には大阪市労連の委員長が90度に腰を曲げた最敬礼で許しを請うた。はっきりしてきたのは、ひとつは本当に自治体の丸ごと民営化です。交通、水道の統合にとどまらず、幼稚園の民営化、保育所への株式会社の参入、大阪市の学校の3分の2以上を学校選択制で統廃合していく。これらが矢継ぎ早に打ち出され、用意周到に練られた攻撃として始まっています。もうひとつは、組合事務所の退去通告。いっさいの便宜供与中止。まさに労組破壊そのものです。
2月議会提案の2条例の最大の核心は、民営化に伴う公務員の整理解雇の合法化の問題です。この組織改廃に伴う分限免職で、一番悪辣なのは民営化が予定されている組織に応募する機会が付与されている場合には原則免職とする≠ニいう点です。「民営化の組織に採用された場合には免職する」んじゃないんです。応募機会が付与されていたら免職していい≠ニいう。こういう首切りの仕組みの条例化は、今まで例がありません。
今年、総選挙―政界再編、大阪維新の会の中央政界進出の可能性が高まる中で、橋下のやり方は今年中にも全国に波及します。その意味でも大阪決戦は全国の課題です。3・18西郡・八尾北決戦に自治体、教労部会を先頭に全国から結集しよう。
情勢の3点目の補足に、今年の経労委報告です。労使が解決すべき課題は「いかに企業を存続させるか」だと。2012年は企業にとって生き残りをかけた正念場の年だという恫喝から始まって、ベア論外、定昇凍結解体、賃金よりも雇用だと。これは全面的な外注化と非正規化の宣言です。連合が「非正規職の処遇改善」などど言っていることに対して、グローバル化が進むなか正規雇用、終身雇用が当たり前だというような考えはあらためろ≠ニあからさまに言っています。それから雇用を国内で維持してほしいんだったら、とにかく労働規制を見直せ≠ニ言っています。このかん、特に電機では、去年1年間で海外への生産移転、海外へのアウトソーシングが著しい。すでにある台湾や韓国の外注企業に生産を委託して、汎用品や部品を作るということが一挙に進んでいます。その意味でこの経労委報告も新自由主義の絶望的な推進をはっきりと打ち出しています。今年冒頭から新自由主義攻撃は凶暴化していきます。
しかしもうひとつわれわれが見る必要があるのは、その破綻性です。野田政権は「税と社会保障の一体化改革」で消費税10%を決定しました。民主党分裂覚悟です。しかし、
2021年度に依然として国債発行残高は1千
兆円、毎年の利払いが20兆円。しかもこの数字は甘すぎです。今の利率でですから、国債が暴落すればたちまちこれが3、4倍になっていくわけです。三菱UFJ銀行はもう国債暴落に備えて売る算段を始めているという記事もありました。社会保障のための増税だとかいうけれども、9割を非正規にしてどうやって社会保障が成り立つんですか。それひとつみてもデタラメで破綻的です。
もうひとついうと、この経団連報告の中に福島原発事故に関する言及はたった一言「震災とそれに伴う原子力発電所の事故によって電気供給能力は低下し、生産などの経済活動を大きく制約された」とあるだけです。ブルジョアジーがいかに無責任なのか、支配階級として失格なのか。何百万人という人々の命と健康を脅かす事故を起こし、ブルジョア的にいっても何十兆円という損害を生み出しておきながら、依然として産業界のリーダーであるかのようなふるまい自体がとんでもない。中野顧問が言っていた「だったらやめろ。俺たちが取って代わって社会を動かしていくんだ」という気概が重要です。

4大産別で外注化・非正規職撤廃闘争を

こうした情勢を見たときに2011年の闘いはこの闘いの布陣を敷いてきた闘いだったといえます。何よりも外注化阻止・非正規職撤廃の路線を打ち立てた。さらに国鉄闘争全国運動に被災地の怒りを結集して、この運動を発展させる道を切り開いてきた。あるいは、反原発・反失業を掲げて動労水戸を先頭に職場生産点の反原発闘争をつくりだして福島の怒りのなかで最もそれを戦闘的に体現する人たちと固く結びついてくることができた。
 そのうえでなおかつ鋭角的に問題を捉えるとすれば、4大産別において階級的な労働運動の拠点を打ち立てることができるのかどうか、4大産別における外注化・非正規職撤廃闘争をつくりだしていくことができるのかが試練です。動労千葉は外注化・非正規職撤廃闘争が新自由主義と闘う唯一の路線であるということを提起した。それをそのまま交流センターの路線にできるのか、われわれは動労千葉派を名乗り続けられるのかどうかというぐらいの試練だと受けとめています。どの会員も例外はありません。被災地の同志たちがまさに3・11情勢のなかで生き延びるための闘いの組織者に自分がなるしかないと決断して闘った闘いに続いて、ここで腹をくくった闘いに踏み出していく必要があります。
まさに全社会を覆うような激しい攻撃が来ています。しかし明らかなのは、われわれがこの情勢の中心に座っているという点です。何よりも動労千葉、動労水戸を先頭に闘いが開始され、そして大阪市職にも市教組の中にもわれわれの仲間がしっかりと立っています。そして80年代の地対協攻撃と徹底的に闘いぬいて新自由主義と闘う部落解放運動の拠点としての西郡支部とその先頭に立つ拠点としての八尾北労組が存在しています。これらの拠点を軸に真っ向勝負をやろう。
この闘いについてふたつ強調したい。2012年決戦のあらかたの勝負は2〜3月です。大阪2条例との闘いは、特に教労に来ている攻撃ですが、一発目はクビにはしないかもしれない。けれども、今橋下が言っているのは1回座れば指導研修をして反省しないと現場には戻さないと言っているわけです。2〜3月の闘いが勝負です。勝負のつけかたは組織拡大であり拠点建設です。JR外注化決戦の勝負も動労千葉の闘いが今こそ平成採を取れるかどうかにかかっていますし、これに抗して全産別で6月10日に照準を据えた国鉄闘争全国運動への結集を今から進めていくことが核心的課題として問われています。
最後に交流センターの組織改革、組織建設の課題についてです。交流センターは89年結成から23年、94年第1回総会で1万人組織建設を掲げました。未だ1万結集の壁は打ち破れないままできています。しかし、この過程は、われわれが労働者階級自己解放の思想を苦しみながらつかみとってきた過程でもありました。そして今の到達点は、4大産別における本格的な拠点建設を推し進めていけば、「交流」を取って本当の組織へ飛躍できる、その道筋が見えてくるところまでは来ています。この1年間で飛躍するための議論を是非お願いします。
(写真 総会は、37人の代議員・オブザーバーの発言をうけて勝ちとられた)

運動方針案 闘いの基調  辻川慎一 事務局長

青年労働者の選択肢になる労働運動を
動労水戸に入った青年に話を聞いてショックだったのは、はじめ自分たち青年の選択肢に動労水戸はなかったと言われたことです。職場や地域で、交流センターや動労水戸やみなさんの組合が果たして青年の選択肢になっているのか。選択肢の範疇外であるとすると、実は僕たちの運動は時代に通用していないということになると思います。青年たちや労働者大衆が自分の選択肢としてそこに人生をかけるような労働運動とは一体どういう労働運動なのか。どういう展開をしていくことがそういう運動なのか。そこを真剣に議論し、つかんでいかないと、今年は通用しない。そこを抜きに交流センターは何ぞやと言っても始まらない。
もうひとつ、橋下なんかの登場やJRの外注化や新賃金制度の攻撃にはっきりいって他の組合の連中は震え上がってます。写真を見てびっくりしたけれど、大阪市労連の委員長が橋下に90度腰を曲げておじぎしている。これは労働者に向けて見せているんですよ。この人には闘えない、闘ったらえらいことになると強烈なアピールをしているわけです。
ところが僕たちが去年つかんだことは違う。動労水戸でこの2年間JR資本と激突に次ぐ激突をやってきました。特に去年の被曝労働拒否の闘いを車両センターすべての労働者を守るための闘争としてやって騒然たる雰囲気にしました。そしてひとりの青年が驚天動地、動労水戸に入った。そのこと一点で当局も他労組も震え上がった。そのことは何を示しているか。大阪市職だろうと仙台だろうと教労だろうと、どこの職場だろうと腹を固めた青年が登場して闘いぬくとなった場合、向こうはもろくも崩れていく。なぜかというと今の支配は青年や女性、あるいは非正規労働者が立ち上がれないという幻想の中でのみ維持されているからです。だから結論は簡単だ。われわれが青年や女性、非正規労働者一人一人の闘いが今の世の中で決定的な闘いだ、この一点で支配が崩れていくんだという確信を持って組織できるかどうかなんです。
時代に通用する労働運動が求められていると言ったときに、この時代とは何なのか。今は世界大恐慌の時代だ。それと日本における原発事故。要するにこの社会体制の中では労働者も人間そのものも生物すら生きていけない時代に入っているわけです。それに対する回答は、こんな世の中はぶっとばさなきゃいけないということです。要するに革命の時代が来ている。連中は労働者が立ち上がったら世の中をひっくり返されると思っている。橋下もあんなに尊大な構えをしているけど、労働者の決起を怖がっている。
僕は今年の5・15沖縄闘争は去年とは違うと思っている。はっきりさせなくちゃいけないのは、沖縄ほど貧富の差が激しいところはない。沖縄というとみんな基地の島の沖縄の被害者だみたいなイメージがある。だけど違う。沖縄だって階級社会だ。ある意味では基地反対の闘争を沖縄の支配階級も一緒になってやっている構造があるから曇らされている。沖縄だって青年先頭に労働者階級が立ち上がらないかぎり沖縄の解放なんてない。
だから結論的な話になりますけど、プロレタリア革命が問題になっています。プロレタリア革命とは、労働者が労働組合を通じて自分たちの根本的な共同性をこの社会の中で取り戻していく。労働組合の断固たる発展の中でしか革命はない。労働者がこんな世の中はまっぴらだ、自分たち自身が世の中の主人公だとばんばん立ち上がる。特に基幹労働者が立ち上がっていく。そういう力をつけなかったら革命なんてできない。僕らは今大それたことをいう力はない。だけど、けっこうラディカルな力、根本的な力は持っています。
戦後体制の思想というのは、星野文昭さんを無期懲役で収監されていてもやむをえない、彼を出すためには帝国主義に頭を下げて出すべきなんだというような考え方です。星野闘争を2012年断固闘うとは、この戦後体制、労働者が闘ってもダメだというあり方を根本からぶち破る闘いをやるということです。
今や物事をわかったようなことを言ってすます時代ではない。われわれは責任勢力になってきている。そのとき仲間から、労働者から学び、もっともっと謙虚にならないといけない。だって大したこともやってねえのに、わかりもしないのに人の話も聞かないでえらそうなことを言って、労働者がわれわれを選択するわけないじゃないか。みな人を道具として扱うような社会のあり方に辟易している。僕たちは新しいものをつくらないといけない。そのために謙虚だけど、本当に勝つための、真剣で積極的な議論をやっていこう。

中間答弁 田中康宏 代表

 何よりも去年3・11があって、その前年に4・9政治解決という問題があって、よく本当に食らいついて、大きくは頑張ってきました。特にこの1年間は被災地の仲間たちがこの情勢に負けずに切り開いてくれた地平は決定的に大きい。国鉄闘争の火を消さずに闘えているのも労組交流センターという存在があったからです。動労千葉だけだったら、どうしようもならなかった。そういうもろもろをふくめて、築き上げているものは大きい。
だからこそこのかんの入江さんの提起、私もそれなりに提起をしていた問題が具体的な俎上にのぼっている。交流センターはこのままでいいのかが問われている。

巨大な意識の流動化と労働運動の危機の進行

3・11をとおして国家の本質に何十万何百万という規模の人間が気が付いた。国家の本質が階級支配の機関なんだということは隠されなきゃいけなかった。巨大な意識の流動化が起きた。そういう意味で、3・11で情勢は変わりました。
主体の側の危機ももうひとつ変わっています。大震災をとおして労働運動の危機は決定的に深まっています。それ以前と以後では同じではない。4・9政治和解情勢は今も進行中です。3・11も労働運動の危機ということからいうと進行中です。いやこれからです。
4・9でいうと、国労本部は流れ解散に向かって具体的に進んでいます。どんなに腐ったといったって、伝統ある国労という労働組合が4・9でここまで行く。その象徴が闘争団員の組合員権の剥奪です。考えてみてほしい。24、25年間、解雇撤回を求めて闘っていた解雇者を規約改正して組合員でなくす。こんな理不尽がとおっていいんですか。
その一方で怒りの声が渦巻いている。この情勢のアンバランス。福島の現実が非和解的になっていくのはこれからです。何が収束宣言だ。あれが今の国家というものです。非和解的になっていくのはこれからです。現場で衝突が始まり、そこから階級闘争が前進していく。すべてが動き出そうとしている。労働運動も何もかもです。ではそこにいる交流センターがどうするのかがシビアに問われる。これが今情勢の特徴です。
見据えなきゃいけないのはこれから労働者に何が起きるかという問題です。すべてが増税ラッシュです。国家財政の破綻の矛盾をぜんぶ労働者に押しつけていく。新自由主義の絶望的突進です。生きることすべてが国家権力と激突しなかったらできない。政府はそれ以外に道がない。20何年間で社会保障も医療も福祉も何もかもが壊れている。すべてが破綻します。そこに労働運動が息を吹き返すことができるのかどうかという衝突が始まる。社会は変わるわけです。だからこの情勢は率直にチャンスです。もう一方で労働運動が本当に問われているという関係です。

いかに階級的労働運動を甦らせるか

という情勢を前提に、僕らは階級的労働運動を甦らせなければいけないということを掲げてきたわけです。この点では全体が一致している。そう考えてみると、日本の状況は、世界で見てもこれほど徹底的に労働運動が破壊された国はないということに気がつきました。ヨーロッパを見てみれば、公務員労働者の年金だ医療制度だ賃金だ、たちまちゼネストです。僕らの概念から言えば、ぜんぶ体制内労働組合ですよ。だけどゼネストぐらいはやる。アメリカのオキュパイ運動をAFL−CIOが支援している。完全な御用組合。だけど、それぐらいのことはやる。日本の現状は何なんだ。だけど労働運動の弱さというのは、支配階級の弱さの反映です。日本の支配階級はここまで労働運動を声をあげなくさせなければ成り立たないぐらいの弱さを持っているということです。
だからここで本当に労働運動を復権・再建、甦らせる、俺の力でやってやるという決意を固める討論をしてほしい。
この1年間、職場で闘いをやりながら、労働運動の再建・復権とはどういうことなのか、どうしたら復権できるのか、その芽はつくりたいと思ってきましたが、それは一般的に語れないとつくづく思いました。

原則を守る労働組合の組織拡大を

このかん闘争の中で自分なりに思ったことがあります。日本の労働組合運動がのりこえなくちゃいけない一番大きな問題は何なのか。日本の戦後の労働運動の歴史の中で動労千葉や動労水戸みたいに、国鉄分割・民営化という国家をあげた攻撃をかけられた時に、原則を守って左に分裂してそれから団結を守り抜いたという歴史はないんです。三池にしても何にしても右に分裂してたちまち左派は極少数になって影響力を失っていく。そういうくやしい思いを日本の労働運動はずっとやってきている。動労水戸なんて組織は奇跡みたいなものです。だって国鉄分割・民営化の嵐の中で結成したんだから。30何名、それを守ってきている。動労千葉も同じような面がある。そこまでは僕らはできているんです。原則的に階級的に左に分裂して30年間団結を守り抜く。だけどできていないことは、そういう労働組合が新しい労働者を結集して組織を拡大し始める。これができたときに僕らは少なくとも動労千葉的には今日本の労働運動の復権ということにいわば少なくとも小さな火を点すことができるのではないか。労働運動の復権というのはそういう具体的な問題です。
だから検修構内職場ごとこの4月にそっくり売り渡されようとしている事態に3月、組織拡大決戦で構えきる。これができるかどうか簡単ではない。歴史的にみたってできた試しがない。だけど去年1年間で動労千葉に結集してくれた労働者は6人です。これが10人、20人となったとき、どういうことが起こるのか。

非正規職撤廃闘争とは正規職の闘いだ

それと二番目に、労働運動の復権のために何をしたらいいか。それは今日議論でずっと出ていた話です。非正規職問題。これと立ち向かえない労働運動はこの時代にそもそも成立しないわけです。
この問題も、民主労総とこの9年間つきあいながら、非正規職撤廃闘争の大変さをさんざん聞かされながら考えてきました。そもそも非正規職の労働者は、民主労総の組合員になってくれないという。90何%が正規職なんです。80万の組織をあげて非正規職撤廃闘争をやっても。だから正規職と非正規職の分断の打破なんて簡単には言えない。どうしたらいいのかをずっと考え、自分の職場で外注化反対闘争をやってきた。やっぱり非正規職撤廃闘争というのは正規職の闘いなんです。
正規職の労働者が自らの職場で非正規化をさせない。だって膨大な労働者が正規職から突き落とされていくんです。これへの闘いを必死になって闘うことぬきに連帯は言えない。
そのことに闘って気がついた。だからこの10年間やり続けてきた外注化阻止闘争をもっと徹底的にやろうと。しかも、これは、さっきの課題と結びつくわけです。
4月全面外注化で何が起きるのかを具体的に言うと、検査修繕職場のそっくり外注化で、
7〜8割の業務が外注化される。残るのは技術管理室という管理者的ポストだけ。現場の業務はぜんぶ行くわけです。4月の時点で1000〜1200名の現場の労働者は強制出向になる。これは検修職場の6〜7割の労働者になります。もちろん帰ってこれない。だけど会社は帰れますってウソをつくんだよ。技術管理室がありますって。管理職試験を受けるようなやつだけ戻すってことじゃないですか。あとは工場に多少直営があるから戻れますという。千葉から郡山や大宮に通えるのか。だったらここで働きたいんだったら転籍承諾書を書けと。こうやって非正規に突き落とされる。状況がガラっと変わるわけです。だから本気になってここで労働運動が勝負をしたら労働運動の復権という芽はできる。

国鉄全国運動と交流センター運動を一体に

それと三つめにやらなきゃいけないことは、国鉄分割・民営化問題を絶対に曖昧にしないこと。僕はこの運動と労組交流センターの運動を一体にしたいと思っています。だって労組交流センターというのは国鉄分割・民営化攻撃から生まれた組織なんです。国鉄分割・民営化反対闘争の総括がもう一回現場から闘う労働運動をつくりだすことだということが出発点なんです。そういう原点からいっても国鉄闘争全国運動を絶対に曖昧にしないことです。これを本格的な運動体にしたい。それを階級的労働運動の復権にしたい。

攻撃の根本をつかんで闘いの方針にする

もう一点言います。現場でわれわれの訴えがなかなか通用しないということで苦労されていると思います。これは何なのかを考えなきゃいけない。先頭に立って処分を受けたり、いろいろな問題があると思います。でも大きくは、膨大な労働者は腹の中にいろいろな怒りを持ちながらもこの状況の中であきらめさせられている。これが現実だろうと思います。それは団結の拠り所となって共に闘ってくれる労働組合の姿がちゃんと見えないからということでもあるよね。
それと僕が思っていることは、新自由主義攻撃が始まってから30年です。この社会がここまでめちゃくちゃにされても、今の労働者にとっては仕方がない現実として映っている。こんな現実は根本的におかしいという声が聞こえない。だって現実問題、公務員バッシングはわんわんやられている。特に大震災以降はひどいものです。「良質な公共サービスのために」という名目の下で民営化で突き落とされてきた何百万という膨大な労働者は劣悪な労働監獄の中に閉じこめられ、未来を奪われ、結婚もできない、子どもも生めない。「何が『良質な公共サービス』だ!」と、当たり前のことを当たり前にいうやつがいない。もっと世の中の理不尽に怒らなきゃいけない。
今回の京葉の1日勤の外注化とは、その場的に見れば、今までやってきたたった一人分の業務が外注化されたということで、こんなこと山ほどあるでしょ。世の中の職場で闘いにもならない。だけどこれが問題になって、組合員が本当に総決起してストライキに立ってくれた。10年間の地平ということと、外注化問題が自分たちだけではなくて、すべての労働者の未来を奪う攻撃で、今まで日本の労働組合がひとつもこれに立ち向かえてこれないというくやしい現実があって、だったらどこかで止めなきゃいけない。だったら俺たちが止めてやろうと組合員が決起した。つまり物事の根本、本質のところ、労働者が何を怒っているのかで僕らが目の色を変え、それを具体的な闘い、方針にして訴えきることができるかどうか。運動にすることができるかどうか。そのことが全職場で問われています。
つまり新自由主義が攻撃を加えてきた根本のところをつかまないといけない。それが労働運動復権の道です。自治体、医療、いま非正規の仲間たちが結集している合同一般全国協。すべてにわたって何をするのか。労働運動の復権をもう一般論で言わない。あるいは主流派だということを一般論で言っても始まらない。ならばこの情勢の中で何をやったらいいのか。それは小さなことでいいんです。これでこの社会に火を点けていこうということをやらなくちゃいけないと思います。

交流センターを自らの誇りに

交流センターの現状について触れたいと思うんですが、今の会員数、機関誌数などの組織的現状は絶対にこの1年間で打破しなくてはいけない。やっぱりもう一回、労組交流センターを自らの誇りとして職場で語れるようにしないといけない。動労千葉という労働組合を誇りにして組合員と語れなかったら、その下には絶対に結集しない。労組交流センターをそういうものにしないといけない。
そのときに労組交流センターとは何かをもう一回確認をしなくてはいけないと思う点があるんです。中野顧問はずっと総会の場などで、労組交流センターをナショナルセンターだという言い方に対してはずっとそれを否定してきました。「ナショナルセンターなんてのは僕らが名乗れるものではない。現場の労
働者が労組交流センターをナショナルセンターだと認めてくれるかどうかの問題なんだ。そんなことを今から言うんじゃない」って。それでいろいろ議論があって、労組交流センターは闘う活動家のフラクションでいいんだと。だけどこれが大事なんだ。これが労働者の怒りと結びつくものをつくったときに無限の可能性を持つ。僕は今でもそれでいいんだと思います。本当に労働者から認められる存在になるかどうかが僕らの実践にかかってきている。そのあたりをもう一回はっきりさせて、だけど活動家集団であり、階級的労働運動をつくりあげるフラクションであるとするならば、その下に労働者がつながらなかったら意味がない。僕ら自身にすべてがかかっている。主体的な問題です。交流センターはこの時代だからこそ必要です。こういう情勢であればあるほど、現場から食い破る目をギラギラさせた、怒りと結びつく活動家集団になっていく。そういうものを全産別につくる。

4大産別が勝負

そのうえでもうひとつ。特に4大産別が頑張らないといけない。だってすべての攻撃は、国家財政危機だから4大産別に来るに決まっているわけです。国家財政危機は増税と国家公務員に対する攻撃です。500万人。これを膨大に首を切る。各地方自治体ごとに始まっている。被災地なんかその急先鋒になっていくでしょう。橋下が全国に広げる役割を果たすんでしょう。だけどこれもさっき言ったとおり破綻する。だから4大産別が頑張らないといけない。ここで労組交流センターの基本路線の原点がもう一回問われてくる。そういう闘いができたときに非正規の労働者との連帯が実際にできあがる。そうしたら爆発的に進むと考えています。労組交流センター結成の原点に帰ってもう一回僕ら一人一人の手で、これをどこにだしても恥ずかしくない組織につくりあげたい。
最後に反原発闘争については絶対に曖昧にしない、怒りを燃やし続けなければいけないことは、収束宣言との対決です。復興攻撃との対決です。すべてはこれからです。放射線被害も農民からすべての問題はこれからです。国鉄闘争を中心に、反原発・反失業、このスローガンは不変です。そうした闘いを2・15国鉄闘争と3・11の郡山から始めましょう。

●第2目(2月5日)

討論のまとめ  辻川慎一 事務局長

 今日の徳島刑務所包囲闘争を皮切りに2〜4月決戦を交流センターの一大飛躍をかけた決戦として闘争しぬこう。この決戦は組織決戦です。この春の過程で、青年をわれわれが捉えきって、数百数千の青年を中心とした労働者の隊列を日本階級闘争の大地に登場させる。その挑戦を本日からやっていこう。
(写真 「刑務所に入れるべきなのは誰なのか!」 徳島刑務所包囲デモ参加者に熱烈に訴える辻川慎一代表【2月5日 徳島)】)

戦後労働運動の革命的継承者として

2012年を規定しているのは、戦後世界体制の根底的崩壊です。米帝を基軸とした帝国主義体制を打倒するのではなく共存するという形で自らの体制を敷いたのがスターリン主義です。共産主義を名乗って、資本の存在と共存していく。だから労働運動もこのスターリン主義の影響によって資本と共存していくのが共産主義運動である、資本と共存していくのが労働者階級であるとされてきて、それによって戦後の階級闘争、世界の階級闘争が歪められてきました。
しかし、今僕が強調したいことは、労働組合を青年が、労働者が認識し始めているということです。
新事務所を作ったいわきというところは戦後労働運動が始まったところです。強制連行された朝鮮人が戦後すぐに暴動的な闘争をやったのが常磐炭鉱です。未だにいわきは工場が密集した労働者の町で、共産党や、旧社会党でも左派が強い。だから僕らが平に事務所を構えると共産党が「おまえたちはついに俺たちの縄張りに入ってきた」というようなことを言うんです。
事務所開きにはJRの他労組からも参加してくれた。みんな過去の経歴はいろいろで、当日、「おまえは昔スト破りやった」とか何だとか大変で、わけわかんなかったけど(笑)、でも国鉄の労働者というのは面白いわけ。みなものすごく労働組合だとか自分の存在に誇りを持っている。
言いたいことは、みんな日本の労働者階級には戦後階級闘争の系譜がある。戦後世界体制の崩壊に対して、新たな体制というのはどこから生まれてくるのか。われわれは労働者階級の根底的戦闘性に依拠していく。その闘いを2〜4月、やりぬくということです。

3・11福島に交流センターの旗を

希望バスは今日始まって、3・11福島に希望バスを出す。自分たちの分会だとか職場の旗を上げないで、交流センターの旗を出すということに対しては反対だけれども、もうそろそろ自信と確信をもって交流センターの旗を出すべきだ。
それから3・18大阪であの橋下の野郎に、労働者をなめるんじゃねえって根底的怒りを突きつけよう。
同時にその過程は外注化決戦です。外注化決戦は、動労総連合、そして国労のわれわれが国鉄労働運動の主流派になることをかけた組織決戦だ。郡山工場支部に平成採が結集したとき、国労全体がぜんぶひっくり返る。そういう決戦として闘いぬくべきだ。総力をあげてこの郡山工場決戦で真の国労の旗を立てよう。動労千葉や動労水戸に入ってくれた青年をこのままで終わりにしていいんですか。この2〜4月決戦ではっきりさせよう。
それから青年集会が重要です。われわれが青年を獲得するという執念の問題だ。われわれが労働者に対する根底的信頼と本気さがあれば、必ず青年は立ち上がる。
5月沖縄闘争を、沖縄こそが最も大失業、非正規雇用と戦争の問題が一体になっているところであることをはっきりさせて、沖縄の青年と団結する闘いとして打ちぬこう。沖縄の青年を根底から階級的に組織し立ち上がらせる闘争として根底的に構え直すべきだと強く思っています。

産別部会の財政・組織の具体的強化を

最後に、われわれ自身が組織的集中力をもって自分たちが組織としての形をなして力を持つためには、一般的に部会を強化すると言うだけではなくて、きちんと財政の問題、組織の問題としてやるべきだという入江さんの意見に賛成です。
5月の拡大運営委員会に向けて2〜4月の闘争をやりきって相当すさまじい沖縄闘争をやることを目標にしてやっていきたい。

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■闘う合同・一般労組

■「個人情報保護法」を口実に合同労組を否定!
労組解体攻撃に立ち向かい、必ず勝利する

永野佳世子 東京北部ユニオン書記長

社会福祉法人の分会での闘い

私たちの社会福祉法人の分会は、新自由主義攻撃としての労働組合と団結権解体攻撃との数年間にわたる攻防のさなかにあります。 2010年7月、訪問看護ステーションにおける管理者のパワハラで看護師が血圧上昇や不整脈・睡眠障害という症状が出て困っているとの相談を受けたことから、分会の団体交渉が始まりました。
しかし、法人幹部は「パワハラの事実は確認できない」と管理者を擁護し、そのうえで管理者を法人内の他の施設に異動させ、訪問看護ステーションそのものを管理者不在・人員不足という理由で休業とし、声をあげた看護師4名(全員が1年契約の非常勤)を昨年3月31日をもって雇い止め解雇するという許しがたい攻撃をしかけてきました。
4名のうち1名は「このまま辞めるのは悔しい」と法人内の別の部署に異動し現在も働き続けていますが、時給にして400円ほどの賃下げとなり労働条件も著しく変更されました。この攻撃に対して組合は、訪問看護ステーション廃止反対の署名や東京都労働委員会への申し立てを行い、労働組合潰しを目的とした休業・解雇の撤回闘争を闘っています。

個人情報保護法を口実にした労組解体攻撃

法人側は、訪問看護師が組合当分会に対して「ご利用者の実名や生活背景などを提供したことは個人情報保護法違反」であるとして、当時の団交の録音物を消去し議事録からも削除しろなどと主張しています。
医療・福祉現場では、利用者に絡む相談は日常茶飯事です。その場合、個人名などを共有するケースがあるのは当たり前のことです。今回の場合も、訪問先からクレームが寄せられた看護師が、管理者に担当の変更を相談したのに真摯に向き合ってもらえなかったことが発端だったため、利用者の実名や生活背景の共有は必要不可欠でした。
しかし、法人側は、私たちが一般合同労働組合で、組合員の多くが法人と直接雇用関係を結んでいないという点で、個人情報保護法違反だと主張してきました。「労働組合に利用者の情報が提供されることは、法人として個人情報を保護することができなくなるので認められない」という主張なのです。これは一般合同労働組合を「労働組合」として認めるのか否かの根本問題です。
そもそも、企業内の労働組合でも、地域の一般合同労働組合でも、労働者が組織する労働組合なのです。労働者の「団結権」は憲法28条で定められ、労働組合法は憲法28条を裏づけする法律として、その特別法としての優位性は個人情報保護法(2005年施行)より優先するのです。しかし、法人側の弁護士は、「保健師助産師看護師法」(保助看法)なども持ち出し、「職務上知りえた個人情報を部外者(組合)に提供することは許されるものではない。これは就業規則の守秘義務違反でもある」などととんでもない主張を繰り返してきました。
これは個人情報保護法を口実にした労働組合解体攻撃です。この主張を認めたらどうなるでしょうか。職場で利用者に関わる相談もまして労働組合活動も一切できなくなります。この攻撃は国鉄改革法を作って国家的な不当労働行為を行った国鉄分割・民営化とまったく同質の、新自由主義による労組と団結権の解体攻撃そのものです。したがって、ここで闘わなければ、次々に労働組合は解体され、労働者の未来が奪われることになります。

階級決戦の武器として労働組合法、団結権を甦らせて勝利する

法人がこのような主張を押し通そうとする背景には、連合・全労連など闘わない本部の下で、ほとんどの労働組合があらゆる攻撃に妥協・屈服させられてきたことも影響していると考えます。そして、国鉄闘争が解雇撤回も謝罪もない中で2010年の4月9日に政治和解したことが、国家的な不当労働行為を認め、さらなる労組解体攻撃に拍車をかけるものになっているということです。
ですから私たちは、これを単に私たちの組合(分会)だけにかけられた攻撃ではなく、今後の労働運動全体にとって死活的な資本家階級VS労働者階級の階級決戦であるととらえます。労働者の「団結権」を守るために何としても勝たなければなりません。
労働組合法第1条は「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする」ものであり、第1条2項は「刑法第35条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であって前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする」と定めています。いわゆる「刑事免責」の条項です(刑法第35条とは正当行為を定めるもので「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」)。
職場での労働者同士の関係、管理職との関係は、日々の労働を円滑に行ううえで最も重要な労働条件です。職場関係が破壊されていることで退職を余儀なくされる職員は後を絶ちません。訪問看護師が立ち上がったのは、職場内の関係を改善し、気持ちよく働いていくための切実な要求でした。だからこそ、私たちは職場だけの問題にとどめず、労働組合として団交を申し入れ、法人の問題として闘ってきたのです。それを個人情報保護法違反だとか守秘義務違反だとして、闘いを圧殺し組合を解体しようとする法人側の主張は、不当労働行為そのものです。労働組合を、労働組合法を根本から否定してきているのです。
労働者階級の生きんがための闘いによって戦後革命期に勝ちとられた憲法28条や労組法。これを生かすも殺すも私たちの現場での闘いにかかっています。私たちは今一度労働委員会闘争を新自由主義による労組解体攻撃の最前線攻防として構え直し、労働者の未来に団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)をつないでいくために闘っていきたいと思います。必ず勝利をつかみとります。
共に闘いましょう!

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ひめじょおん−女性部から

「職務命令」で教育ができるか

仙台・教育労働者 小原 真喜子

 仙台市では、「評価制度」なのですが「授業改善シート」という名前を付けてこの制度が実施されています。5月に目標を立てて校長面談をし、2月に反省をし、校長面談が行われ評価されます。私はこの制度は職員を分断するものと考え、4年前の試行から提出していません。
今年、今までは校長がABCをつけていたのですが、市教委は制度の一部手直しをし、ABCをつけなくなりました。
今年も2月はじめに校長室に呼ばれて「提出するように」と言われました。この校長とは3年目なのですが、いつも1時間ぐらいやりとりをします。今年は「制度が変わって、あなたが一番反対していた理由の『評価』がされなくなったのだから、提出してください」と言われました。
私は、この制度は名前には出されていないが「評価制度」
であること、ABCがなくなったと言ってもすでにこのシステムが機能しているので、校長が職員を評価するという形は変わらず、評価されることを気にしながら仕事をするのは変わらないこと、学校は教職員が協同で子どもたちを教育していく場であると思うということ、などを話しました。とにかく「2月1日には出してください。」という話をされて終わりました。
2月23日の昼休みに校長室に呼ばれて再度提出するように、提出しないならもう一度提出しない理由を言って下さいと言われました。
私は「この制度の目的は『学校の活性化』と『職員の資質向上』と言われているが、資質向上しているか私にはわからないが『学校の活性化』になっているとは思えない。一人一人が一生懸命遅くまでパソコンの前でがんばってはいるが、みんな、ゆとりはなく職員室は活性化しているとは思えない。以前は、校長は指導者であり、困ったときは相談できる存在だったが今は自分が指導力がないと評価されるのではないかと思うと気楽に相談できない存在になってしまった」と話しました。
実際今職場ではさまざまな問題が起きています。そのことに触れると、ものすごく怒り出して「自分がこのことで夜も眠れず、食欲もなくなっているのがわかるか。このことと評価制度は関係ない」とまくし立てました。私は職場の同僚のつながりが薄れてしまった結果であり、関係ないことはまったくないと思っています。
そのあと、口早に「改善シートは業務に必要不可欠なものである」というような内容の文書を読み上げ「職務命令です」と話しました。「文書はないのですか」と話すと口答で話すように市教委から指示されているとのこと。とにかく「命令」ということを伝えれば良いというような態度でした。
つべこべ言う者には「命令」を出して教育をさせようとする市教委、黙って従えという校長、「教育」なんて言葉はなくなったと思います。市内の不提出をしている教員たちとこれからの対策を話し合っているところです。
(写真 昨年、国鉄闘争全国運動6・5大集会【東京】で発言した小原真喜子さん)

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

今号は「第12期労働学校の案内」を掲載します。

 基礎講座カリキュラム

◆開校式4/21(土)13:00
◆階級的団結論−労働者の生き方/講師 森尾誠(社会問題研究家) 4/21(土)13:30〜・5/19(土)13:00〜
「万国の労働者、団結せよ」は階級的団結論の核心だ。

◆反原発と時代認識―どういう時代に生きているか/講師島崎光晴(経済問題研究家)6/16(土)・7/21(土)各13:00〜 
破綻している新自由主義攻撃を打ち破る時代認識を提起。

◆資本主義とはどういう社会か/講師 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授) 8/18(土)・9/15(土)各13:00〜 
世界大恐慌とは資本主義の矛盾の爆発である。この矛盾とは何か。

◆戦後労働運動史第1回「総評はなぜ右派に敗北したのか」 第2回「戦後反合理化闘争と動労千葉の反合・運転保安闘争」/講師 伊藤晃(日本近代史研究家) 10/20(土)・11/17(土)各13:00〜 

◆労働組合と国家/講師 山崎一(社会問題研究者) 12/15(土)・2013年1/19(土)各13:00〜 
労働組合が社会変革に果たす役割とは。

◆合理化とは何か―賃労働と資本/講師 天野浩二(社会問題研究家) 2013年2/16(土)・3/16(土)各13:00〜
新自由主義−合理化とは何か。労働運動の核心問題。

◆修了式 2013年3/16(土)16:00〜

 実践講座カリキュラム

◆開校式4/28(土)13:00

◆外注化・非正規化と国鉄闘争全国運動/講師 長田敏之(動労千葉書記長)、増田明生 4/28(土)13:30〜 
動労千葉の10年間に及ぶ外注化阻止闘争の教訓と国鉄闘争全国運動の展望。

◆私が職場でやったこと/講師 布施宇一(動労千葉顧問)6/23(土)13:00〜 
現場にこだわり、怒り・不満を、闘う労働組合の出発点に貫いた。

◆階級的労働運動再生の展望―関西地区生コン支部の闘いの地平/講師 高英男(全日建運輸連帯労組関西生コン支部副委員長) 8/25(土)13:00〜 
大手ゼネコンを相手に4カ月におよぶストライキで要求を勝ちとった教訓とは何か。

◆韓国民主労総の十数年に及ぶ非正規職撤廃のたたかい/講師 金元重(千葉商科大学教授) 10/27(土)13:00〜 
民主労総の十数年に及ぶ非正規職撤廃の教訓とは何か。

◆社会保障制度解体攻撃といかに闘うか/講師 山部明子(社会保障制度研究家) 12/22(土)13:00〜 
「税と社会保障の一体改革」とは、消費増税、社会保障制度の全面的解体攻撃である。

◆裁判員制度と改憲/講師高山俊吉(弁護士) 2013年2/23(土)13:00〜 
改憲の先取りとしての裁判員制度反対の闘い。

◆修了式(基礎講座と共同) 2013年3/16(土)16:00〜 

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第11期労働学校日程

■基礎講座
3月17日(土) 13:00〜
◆現代の帝国主義  ◆講師 島崎光晴(経済問題研究家)

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■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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八尾北・西郡決戦勝利、道州制粉砕・橋下打倒
3・18全国総決起集会への総結集を!

(写真 西郡住宅退去通告を許さない! 八尾市役所抗議闘争に50人【2月17日】)

灰垣美佐子 八尾北医療センター労働組合書記長

 80年代国鉄分割・民営化を突破口にした新自由主義攻撃は労働運動を解体することができず破綻しています。動労千葉・動労水戸、国鉄全国運動と被災地の闘いは、4・9、3・11を打ち破っています。追いつめられた資本家階級は大恐慌下、絶望的な、さらなる新自由主義攻撃−労組破壊=9割非正規化攻撃を、4・1JR全面外注化と橋下・道州制攻撃でこじあけようと全体重をかけてきています。すべての職場で階級的労働運動路線を貫いて闘い、拠点労組建設と団結の拡大で勝負しましょう。

橋下・道州制攻撃と最前線で闘う八尾北・西郡決戦

 八尾北・西郡はそれぞれ11年、15年にわたって八尾市の民営化攻撃(病院・住宅)と非妥協で闘いぬいてきました。
2010年4月以降、八尾北労組は土地建物の「契約期限切れ」のでっち上げによる明け渡し通告と裁判提訴をはねのけ、住民と一体で医療と介護を1日もかかさずやり続け、団結を守りぬいています。そして2012年、労組員でもある辻西さん、岡邨さん、田中さん3家族が強制執行攻撃を打ち破って闘いぬき、さらに11家族がそれに続いています。
八尾市は2010年4月、八尾市営住宅機能更新事業=病院廃院・住宅追い出しで西郡を更地化して売却と打ち出しました。労組と支部、地域の団結を解体することができず、追いつめられ強制執行による更地化攻撃に出るしか道がなくなったということです。この絶対反対の闘いは、道州制・民営化の手先となった共産党と部落解放同盟大阪府連の裏切り(屈服ではなく先兵化)を完全に暴き出してきました。
八尾市は「財政はあと3年で破綻する。@市有地の売却、A人件費の削減=首切りと非正規化、B住民負担」と打ち出し、八尾市丸ごと(800事業)民営化とその突破口に西郡更地化攻撃を据えています。橋下(野田)道州制、被災地をはじめとする特区攻撃と一体の攻撃です。八尾北・西郡決戦に橋下を引きずりこみ、八尾市−大阪の自治体、教労職場で「更地化」=公務員全員解雇攻撃に絶対反対の団結を拡大する出撃拠点・結集軸として闘いぬいていきましょう。
国鉄決戦、反原発・反失業、沖縄と並ぶ闘いの柱として八尾北・西郡決戦を闘いぬきましょう。

八尾北労組は、動労千葉・国鉄闘争を闘う路線を貫いて団結をつくってきた

 97年「自立支援事業」の名による大阪府下の同和地区の診療所・病院の民営化攻撃が始まり、私たちは動労千葉の闘いに学んで2000年に労組を結成しました。
2005年にかけて八尾市・大病院・解放同盟一体となった病院乗っ取り=全員解雇攻撃を打ち破り、「自主運営」という形で完全民営化を食い止めてきました。
2009年2・26森本さんへの強制執行に対して、この攻撃は道州制=団結破壊、バラバラ化による住宅の民営化、公務員360万人全員解雇の攻撃と一体・労組破壊攻撃であることをとらえ、労組の闘いとして立ち向かっていきました。差別・分断攻撃を打ち破り、団結して闘うことそのものが勝利であると組合員と議論を重ね、私たちは生まれて初めてのストライキに決起していきました。八尾北労組と支部、全国から結集した労働者・学生と共に最後まで闘いぬいた森本さんは「団結の力で勝利した」と高らかに宣言しました。森精機闘争を引き継いだ2・26闘争は、3・6道州制粉砕の闘いへと発展していきました。
2008年末から、八尾市による八尾北医療センター売却のための土地建物鑑定攻撃が始まりました。八尾市と話しあえば守れるのではないかという意見が出る中で、時代認識と路線で討議し、鑑定を粉砕してきました。2009年労組定期大会で八尾北医療センター民営化絶対反対の特別決議を勝ちとり、闘っています。
八尾北明け渡し弾劾裁判を患者さん、地域住民と共に闘い、村内デモ、地域懇談会、団結署名に取り組み、団結を広げています。裁判所に提出する「一筆署名」がまたたく間に300筆集まりました。「生きさせろ!」の決起が始まっています。

部落解放運動に責任をとる八尾北労組への飛躍=地域ソヴィエト建設の展望

 1982年に国は地対協(地域改善対策協議会)路線へと転換します。
これまで私たちは、地対協攻撃を「部落差別はなくなった」というウソとペテンで同和事業を全廃・解放運動を解体していく攻撃であるととらえてきました。実際に既成解放運動は、民営化攻撃を率先して推進し、幹部の利権を得る運動へと舵を切りました。
しかし解放運動の活動家の多くは労働運動の担い手でした。とりわけ自治体(現業)、教労(解放教育)や全逓(各職場に解放研)という形で狭山闘争などを戦闘的に担ってきた主力部隊でした。地対協攻撃の狙いは、労働運動・団結破壊そのものにあったということです。80年代国鉄分割・民営化攻撃と完全に一体の新自由主義攻撃です。
新自由主義と闘う新たな解放運動の実践的闘いとして、階級的労働運動の拠点建設・組織化にあることをはっきりさせました。労働運動と解放運動の「合流」ではなく、まさにひとつの闘いとしてあるということです。
八尾北労組を拠点に生きんがために立ち上がる労働者・住民、あらゆる階層の人々の結集軸となって団結を拡大し勝利に向かって前進する闘いです。部落解放運動をはじめとして地域の労組や青年、婦人民主クラブ、障がい者や在日の人々など、地域ソヴィエトを展望する闘いが始まっています。
八尾北・西郡決戦勝利、道州制粉砕・橋下打倒3・18全国総決起集会への総結集を!

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八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒!

3・18全国総決起集会

3月18日(日)午後1時〜
幸町五丁目第1公園(大阪府八尾市幸町5-12-1/最寄り駅・近鉄八尾駅)
主催 八尾北医療センター労働組合/部落解放同盟全国連合会西郡支部

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 われわれの時代が来た! 2012年階級決戦の成否をかけて国鉄決戦に勝利する!

吉野元久 副代表 国労共闘全国協議会

交流センター徳島総会が切り開いたもの

 徳島総会は、鮮烈な飛躍点となった。私としての感想・総括を述べるところから始めさせてもらいたい。
第一に、11月労働者集会における「1万の壁」をみすえ、これを労働運動の「反対派」から主流派への飛躍の問題として総括したことである。われわれは確かに既存の労働運動のなかで、唯一、資本・権力と真正面から闘いぬいているが、「唯一正しい」にとどまっていたのでは歴史のくずかご行きである。6000万労働者階級に責任ある労働運動指導部として、何ができるのか、何が足りないのか、リアルに総括しながら展望をもって闘う道に踏み出す決断が総会だったのだ。
第二に、それは観念的決意でなく、反原発闘争と国鉄闘争という2つの階級決戦に責任勢力として立つ具体的実践として問われている。反原発闘争は交流センターが本物かどうかを突きつけている。これほどの惨禍を引き起こしてなお、ブルジョアジーがこぞって原発推進を続けるのはなぜか? 日帝の危機は、原発・新幹線・水インフラ以外にもはや国際競争力をもたないという危機もあろう。しかし核心は反戦・反核闘争を解体し、労働運動と労働者階級の階級性を一掃することにある。これと正面対決し、労働者が権力をとるという立場から闘うこと。この鋭さ・厳しさがなければ、福島現地の極限的現実になんら応えるものとならない。国鉄闘争もまったく同じ質と課題が問われている。このことは本稿の主眼であり、のちに述べる。
第三に、この飛躍をやり遂げる組織体制を交流センターは確立する必要があった。今回、事務局および三役体制を圧倒的に機動的に強化した。このことは本部だけでなく、交流センター会員全体の飛躍を宣言したということだ。以上の決意を全体のものとして、2012年の国鉄決戦について提起したい。

階級決戦としての国鉄決戦

 国鉄決戦に階級決戦全体の成否がかかっている。今日、資本家階級は、戦後最大の危機に直面している。米帝が金融バブルを大崩壊させ、世界を大恐慌に引きずりこんでいるなかで、日本の資本家はGDPを倍する借金を抱え、輸出産業が大幅な赤字を計上しただけでなく、ついに薄型テレビをはじめとした電機やITなどの製造業の技術と価格で各国に突き放され、基幹産業である自動車まで立ち行かなくなっている。これは構造的戦略的な敗北であり、帝国主義の座から脱落する危機である。政治委員会は軒並み支持を失い、政治と政党そのものへの不信が拡大している。
資本家は、なりふりかまわず労組を解体し、民営化・外注化と非正規化を推し進め、人件費を大幅に削減し、無権利・使い捨ての奴隷労働を強制することを通して資本の危機を突破しようとする。これを真っ向から実現しようとしているのが橋下大阪市長だ。しかしその実態は脆弱(ぜいじゃく)だ。ひとたび労働者の怒りに直面すれば、すぐに吹っ飛ぶものでしかない。
問題は、この資本家階級の絶望的危機に対して、4・9政治和解をもって協会・革同などの労働運動指導部が「体制の危機を擁護する=資本・権力との闘いを解体する」立場に立ったことであり、それを革命的にのりこえて、わきあがる怒りを一つの力にしていく労働運動の力が弱い、ということにある。情勢の核心はここだ。つまりわれわれなのだ。

国鉄決戦の勝利の展望

 JRは支配階級の先頭で階級決戦を挑んできた。正社員を管理職と最低限の運転士だけにして、残りをすべていつでも切り捨てられる外注委託とする。資本の利益のために、労働者の権利や乗客の安全を無視し、労働組合を解体するということだ。
とりわけ動労千葉、動労水戸解体のための検修構内業務の外注化は最大の攻撃である。これに対して動労千葉は、職場支配権をめぐって闘い、ストライキを打ち抜き、平成採の反乱を組織することで粉砕している。この闘いこそこの攻撃に勝ちぬく基本路線である。
今年2月11〜12日、JR東日本はこれまでの「利用客2万人以下」という制約も外して、全駅を「環境アクセス」に委託・外注化していくことを宣言した。駅外注化の中身は徹底的な「労働者使い捨て」だ。「環境アクセス」の雇用条件は〈パート→3または6カ月の準社員→正社員〉と何段階にもなっており、いつでも切り捨てられる。警備の泊まり勤務にでもなれば、早朝4時から日勤が出勤する9時まで立ちっ放し。極めて不安定かつ劣悪であり、徹夜勤務・休憩がとれない・不衛生・低賃金のため、就職後、半分以上が短期間でやめてしまうのである。
しかも重大なことは、この駅外注化と東日本契約社員(GS)をリンクさせていることだ。「まじめに働けば正社員になれます」と騙して雇い入れ、駅業務の中心的業務につかせておきながら、正社員採用は2割程度、残りは5年で雇い止めというGS。この雇い止めされたGSの全員に、「環境アクセス」への就労をあっせんし、「技術と経験を生かしてもらいたい」というのだ。これがJRの「偽装請負対策」か! どれほどの青年の未来を踏みにじるつもりなのか!
あろうことか東労組は「グループ会社でGSを雇用することを確認! GSの雇用を守るため交渉を行ってきましたが、グループ会社への採用の道を切り拓くことができました」
(業務部速報)と言い放っている。しかし実際には多くのGSが「こんな労働条件で一生働けというのか」と怒り、拒否している。ここにすべての核心がある。
JRは、外注化と新賃金制度で、青年を「ひとたびレールにのったら、馬車馬のように競争させ、抵抗する労働者はただちに出向」という恫喝で資本の奴隷にしようとしている。確かに「よくできた仕組み」だ。しかしこんなことに青年が唯々諾々と従ってひれ伏すと思ったら大間違いである。むしろJRは青年がすべての秩序を破壊する反乱に立ち上がる以外にない仕組みを完成させたのである。
われわれの時代がきたのだ。われわれが一つひとつの外注化と闘い、JR資本を徹底的に批判し、自信をもって闘いを組織するときがきたのである。私の勤務する我孫子保線区でも、高線量の放射線をめぐって会社との非和解的な対決に入った。腹を固めて闘う立場に立つならば、青年を決起させる契機はいくらでもある。その怒りを一つの革命的力にするために国鉄の仲間は最先頭で闘います。

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■期間従業員全員解雇3周年 解雇撤回・非正規職撤廃!
ジェコー資本包囲弾劾闘争への参加を

(写真 2011年4・28ジェコー本社弾劾行動)

ジェコー期間従業員解雇撤回闘争を支援する会

 2008年10・25高橋、屋代組合員解雇から3年を過ぎ、4月25日には期間従業員92名全員の雇い止め解雇から3年になります。神奈川ジェコー労働組合と支援する会は4・27ジェコー本社弾劾行動を開催します。

ジェコー闘争とは

 「行田分会まがたまニュース」(1月20日号)を引用してジェコー闘争を紹介します。
「解雇撤回、非正規職撤廃!」「私たちは、・・・JAM神奈川ジェコー労働組合の行田分会です。もちろん、行田には、ジェコー労組という組合がありますが、この組合とは違う組合です。JAM神奈川ジェコー労働組合は、
正社員だけが入れる組合ということでなく、総評全国金属時代からの伝統?!を継いで、働く者であれば正社員非正規の差別なく、だれでも加入でき、労働者の権利を守ることを基本において活動している組合です。
行田分会は、ジェコーで働いていた派遣労働者が組合に加盟したことでできた分会です。
2006年から派遣労働者の正社員化を求め、会社が良い返事をしなかったため、長年派遣として働いているが、実際は偽装請負であり、派遣法にもとづいて直接雇用申込みがなされなければおかしい、ということで、08年に埼玉県労働局に偽装請負を告発。その結果、70名近い派遣労働者がジェコーの社員に切り替わりました(期間従業員という有期契約)。
これを土台にして、会社に更に正社員と同等の待遇を求めてきました(均等待遇要求)。
ところが、ジェコーは、・・・リーマンショックに合わせて、行田分会の組合員を08年末に2名、09年4月に雇い止め解雇しました。・・・長年の夜勤労働の強制により健康を害し診断書も提出して病気療養に努めていたことを口実に、組合の中心メンバーの排除を狙った不当労働行為でした。
また、09年4月雇い止めは、・・・実は当時でも会社は黒字経営で・・・、4月雇い止めの数カ月後には新たに派遣を雇っているなど、やはり正当な組合活動を敵視した雇い止めでした。この2件に対して、裁判闘争を展開しています」

ジェコー裁判の現状と争点

 1月30日の第17回公判では、次回3月26日に争点が確定され、第2次訴訟(09年4月解雇)は次々回に争点が確定されます。5月連休後の公判から証人尋問に入り、来年には判決が出される見込みです。
ジェコー裁判での争点の第一は、労働組合の影響力の拡大を恐れた資本の解雇が、労働組合であるがゆえの解雇(労組法第7条1号)、不当労働行為(団結破壊)であることです。被解雇者は分会役員や主要な組合員です。また、解雇後の7〜10月にかけて100名近い派遣労働者を新たに採用していますが、これは、国鉄分割・民営化の時に行われた「血の入れかえ」と同じです。
第二は、黙示の雇用契約が期間の定めのないものとして成立していたことです。請負社員、(偽装請負の摘発で)期間工、期間従業員と呼称は変わっても、一貫して基幹労働者として働いており、期間の定めのない雇用=正社員と同等の役割を果たしていたのです。したがって解雇権濫用法理が類推適用され、解雇(雇い止め)は無効です。「非正規職撤廃」の闘いそのものです。
第三は、「7年間専属夜勤によって睡眠障害という労働災害により生産に寄与できなくなった女性労働者の解雇」攻撃であることです。この事例を労働科学研究所の佐々木司さんが『労働の科学』(2010年第9号)に発表しています。労基法第19条の業務上疾病の解雇制限違反の最たるものです。女性労働者の専属夜勤労働による労災解雇との闘いです。
以上みたように、公判では、団結破壊の不当労働行為、新自由主義が生み出した非正規雇用撤廃の闘いと女性労働者の専属夜勤労働による労災解雇が焦点になります。

2012年春闘を経団連のベアゼロ春闘と対決し、非正規職撤廃春闘として闘おう

 JAM神奈川ジェコー労組は、機関紙1月30日号「2012年春闘について考える」で、「非正規問題の勝利なくして正社員の待遇改善はない」と訴えています。「労働組合の存在価値と責任ついて(本春闘の本質的課題は何か?)」と問い、「派遣導入に際しては労働組合の意見聴取が義務付けられているにもかかわらず」「2010年には、非正規労働者は1756万人、10年前と比較すると、何と483万人も増加している」「自覚するしないに関わらず、賃金水準を始め、自分たちの仲間である組合員自体の労働条件全般の切り下げを推進している」「労働組合幹部の責任はまぬがれない」「組合が闘わないからこうなった(今、億万長者が激増している!)」「闘わなかった労働組合が格差社会を作った」と御用幹部を弾劾しています。
ジェコー労組は、トヨタ―デンソーという独占資本の支配下で、国鉄分割・民営化攻撃と同時期の労組解体攻撃と闘いぬいてきた少数組合です。この組合が90年代末から正規職の労働組合として非正規の労働者を組織し、職場生産点を基礎にした闘いを通し、正規と非正規の団結をつくり出し、労働組合を甦らせる闘いとして「非正規職撤廃」をめざして闘っています。動労千葉の民営化・外注化阻止闘争とつながる、非正規化を許さない闘いなのです。「非正規職問題と立ち向かえなければ今の時代に通用しないが、正規労働者が必死に闘わなければ非正規との連帯はできない」(動労千葉田中委員長)のです。
9割非正規化、"労働者の犠牲で企業の存続"を叫ぶ日本経団連など日帝ブルジョアジーと対決し、労働組合を甦らせよう。非正規職撤廃へ職場から12春闘を闘おう。

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解雇撤回・非正規職撤廃、09年4月期間従業員全員解雇から3年

ジェコー本社弾劾行動

ジェコーは期間従業員の不当解雇を撤回せよ!
正社員として雇用せよ!
夜勤強要による健康破壊の責任をとれ!

◆4月27日(金)午後4時〜
◆ジェコー本社工場通用門(埼玉県行田市富士見1-4-1)
◆JAM神奈川ジェコー労組(044-833-4260)/行田分会(080-3702-0430)

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●秘密保全法案の国会提出反対!
戦争と治安管理国家化に反撃しよう!

破防法・組対法に反対する共同行動 

秘密保全法案絶対反対! 一切の治安法制定策動を許すな!

 1月23日、毎日新聞は、昨夏の電力需給の政府試算は大ウソであったことを報道した。公表された試算は、過去最高の猛暑だった2010年夏の需要と全原発停止という想定で、需要ピーク時に9.2%の供給不足になると試算した。だが、別の試算は、再生可能エネルギーは759万`ワット(原発7基分)あり、また、揚水発電、埋蔵電力などにより「供給不足にはならない」というものであった。「電力不足」は経済産業省による原発再稼働にむけての誘導だったのだ。また、東電・福島第一原発事故では、放射性物質の拡散予測やメルトダウンの事実など数多くの情報が隠蔽された。
こうしたウソや隠蔽を暴露することにたいして、「国家秘密の漏洩」として犯罪化する秘密保全法案が第180回通常国会に上程されようとしている。秘密保全法案は、重罰による国家情報統制であり、中曽根政権が「原発大国」、国労−総評解体と一体で狙った「国家機密法」の復活である。こうした恐るべき言論弾圧の動きにたいし、日本雑誌協会、日本ペンクラブ、民放連などのマスコミや日本弁護士連合会などの法曹界、新聞労連、民放労連などの労働運動から反対の声が急速に高まっている。
さらに、通常国会には多くの戦争・治安立法が上程されようとしている。具体的には、刑の一部実刑法案(重罰化と保護観察強化)/裁判所法(司法修習貸与制の条件)/人権擁護委員会法(人権侵害救済機関を法務省外局に設置)/少年院法・少年鑑別所法/不正アクセス禁止法改悪(パスワードなどのフィッシング処罰)/著作権法改悪(違法ダウンロード処罰)/共通番号制導入(社会保障と税の一体改革の「前提」、国民総背番号制で管理強化)/暴力団対策法改悪(行政刑法から露骨な団体取締り法への飛躍、類推での危険団体指定と警官「直罰」)/新型インフルエンザ特措法(外出自粛や集会中止)/海上保安庁法・領海外国船舶航行法改悪(立ち入り検査なしの退去命令、武器使用基準緩和)などである。こうした動きと並行して「共謀罪」運用に不可欠な盗聴全面化・スパイ捜査員潜入などの「汚い捜査手法」(ダーティ捜査)導入も画策されている。
現在の治安立法の特徴は、@共謀罪、暴対法改悪・暴排条例など団体取締法の急激なエスカレート、A盗聴法改悪など「新しい捜査手法」導入、B基本的人権停止の緊急事態法制への踏み込み(秘密保全法、反「テロ」法)C監視社会化のエスカレート(共通番号制)、D「過剰な医療父権主義と無害化」政策(生活安全条例・青少年育成条例、「触法精神障害者」などの「無害化」)などである。こうした憲法上の制約を踏み破る動きはすべて、憲法9条破壊・人権制限・緊急事態条項などを制定する改憲案作成の憲法審査会の進行と連動しているのである。
(写真 共謀罪新設阻止に向けたシンポジウムに100名。港合同・関生・動労千葉が発言した【昨年11月20日 東京】)

戦争態勢構築の要としての治安弾圧

 大恐慌は世界経済のブロック化を引き起こし、保護主義や為替戦争、市場分割戦を激化させている。アメリカのオバマ大統領が昨年11月に「アメリカは太平洋国家だ」と宣言し、対中対峙・対決の「新安保戦略」へ舵をきり、3・11では「トモダチ作戦」の名目で戦争態勢に突入し、日本との争闘戦に軍事面でも踏み込んだ。財政危機にもかかわらず軍事予算はブッシュ政権時代を超えて拡大し続けている。そして、中国への恒常的な戦争態勢を構築するために「沖縄海兵隊4700人のグアムへの先行移転」計画を発表した。ポスト金正日の朝鮮半島情勢は、この米中対決の一環にあり、アメリカは3月に過去最大規模の米韓合同軍事演習を予定し、アジア再分割戦にうって出ている。野田政権は、こうしたアメリカの対日争闘戦に対応しつつ「武器輸出3原則」緩和から日米ガイドラインの再改定などの戦争国家化に突入している。
戦争態勢構築のためには「城内平和」が不可欠である。1990年代中期、警察は労働者の生活レベルまで入り込む戦略をとり、司法警察から行政警察への転換を目指した。それが、「安全・安心まちづくり」条例の全国的展開になり、現役の広島県警本部長が東京都の副知事に就任する、自治体に警察官が派遣されるなどの自治体と警察の結合の強化につながった。現在も、労働・福祉現場・地域まで警察と結びつけ、戦前の内務省型国家・行政警察への転換を狙っている。
治安弾圧の激化は逮捕弾圧だけでなく、監視・管理を重視し、アパートローラー、Nシステムや全国の街頭に広がっている監視カメラや、指紋・生態識別システムの導入の動きなど急ピッチである。共通番号制を導入し、警察による労働者の静態・動態掌握を進めている。こうした中で逮捕弾圧も抜本的転換・強力化が推進されている。国労5・27臨大闘争弾圧、法大弾圧、「詐欺罪」デッチあげの文書弾圧など、これまで「事件化」されてこなかったことをデッチあげも使って、弾圧の材料にした。事件化すればすでに微罪ではなく、1年以上の不当勾留がつくのである。
憲法に規定された基本的人権の保障や適正手続きの保障原則をこうした形で踏みにじり、戦後司法の否定と行政警察への転換が行われている。これは労働者の団結権解体をとおして改憲攻撃にまっしぐらに突き進むものである。労働者の総力をあげて反撃しよう。

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3・18 共謀罪再上程阻止! ダーティ捜査反対!

戦争と治安管理に反対するシンポジウムY

13:00〜17:00
東京・中野勤労福祉会館東京都中野区中野2-13-14)

 

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■BOOK 

『私たちが見えますか――弘益(ホンイク)大清掃・警備労働者の物語』
イ・スンウォン、チョン・ギョンウォン

発行所・ハンネ(韓国) 2011年8月31日発行 ※近日邦訳版発行予定

 韓国の大学で清掃と警備の仕事を担う非正規職請負労働者が、2011年1月3日から2月20日まで49日間にわたって、ろう城闘争を展開し、原職復帰と団体協約締結、賃金および労働条件の改善を勝ちとった。この闘争の勝利の教訓、闘いの限界、今後の課題などを生き生きと記録した本が、闘争勝利の半年後に出された。『私たちが見えますか――弘益(ホンイク)大清掃・警備労働者の物語』だ。

「人々はその人たちを見ようとしなかった。男子トイレに女性労働者が入ってきても、あわてる者は誰もおらず、平然と用を済ませる。講義の最中でも会議中でも、その人たちが働いている姿に気を留める者はおらず、なにごともないようにそれぞれのやっていることを続けた。
『ああ、あの人たちの目には私が見えていないんだ…』こんなふうに幽霊として生きてきた人々が、労働組合をつくり、闘いを通して人間となり、堂々たる労働者となった」(冒頭部分より)

 月給75万ウォン(約5万円)に1日の食事代300ウォン(約20円)という、政府の定める最低賃金にも満たない低賃金、休憩室もなく階段の下やトイレで食事をとらざるをえない環境、労働組合をつくったことに対し委託金額を切り下げて請負業者を撤収させ労働者を集団解雇に追いやっておきながらその責任を請負業者に押しつける大学側――労働者が実力闘争に立ち上がったことによって暴かれたこれら現実に人々は驚いた。けれども労働者が立ち上がったその根底にあったのは、労働者を蔑視するあり方への怒りだった。
「組合員たちが労組に加入して闘った最大の理由は、蔑視されるのが許せなかったからだ。管理所長は名前の代わりに『おい、キムさん』『このオバサンめ』と呼び、乱暴な物言いは当たり前だ。『このアマ』『腐れ女』、こんな暴言を吐く者もいる。みんな家に帰れば『母さん』であり、孫がいて『おばあちゃん』なのに…」(本文より)

労働組合が生み出した力の大きさ

 この本には、地域労組や学生による非正規職労働者組織化の教訓や、現場の力を引き出す会議の持ち方、現実に見合ったやり方での規律の追求といった組織運営や指導のあり方、そしてツイッターを活用した青年支援者によるゲリラ集会の組織化など豊かな経験が盛り込まれている。しかし、この本でつかみ取れることは、労働組合運動のやり方というようなマニュアル的なことよりも、労働組合に結集し団結して闘った労働者が、どんなに大きな力をもつようになるのか、ということだ。
テレビに出た組合員が、それを見た人から「良い労働条件で雇うからうちに来ないか」という申し出を受け、心が揺らいだ。しかしふと浮かんだ「ストライキ歌」の歌詞がそれを振り払った。

「揺らいではならない、バラバラになったら死ぬ、っていうあれ。私なんかでも一緒に一つになって固まらなくちゃ、私がもし抜けたら、誰も彼も抜けたりしたら、もう崩れちゃうじゃない。やった甲斐がないじゃない。私なんかの小さな力でも、この労働組合が一つに固まるときに力が湧くんで、私が出てったらだめだ、自分だけ楽に暮らそうなんて、そんなことできない――それで私は『お気持ちだけお受けします。私はここで、大して役にも立ちませんが、私はここに残ります』って返事をしたんです」(女性組合員/清掃)

闘争をやめさせようとした夫と正面から向き合い、獲得した。

「『これだけは絶対にやめられない。自分がいい目にあわなかったとしても、うちの同僚たち…うちの後輩たち、うちの子どもたちが非正規職で…暮らすようになったら困るでしょ? だから、うちらがやって勝つことで、少しでもそういう人たちのためになればそれでいいじゃない』って話したら、『確かにそうだな』って。それで…『あったかくして、しっかりとるもんとって行ってこい』って」(女性組合員/清掃)

事実上の使用者である大学との力関係も逆転した。

「だから今はもう私が専従として恐喝・脅迫をしょっちゅうやってますよ。『今うちの組合員は49日間たたかってピリピリしてるから言葉に気をつけろ、雰囲気見てものを言え、失敗しても当分は目をつぶれ、しこりが解けたから働いているわけじゃはなく、まだ残ってるんだから気をつけろ』って。本人らも気をつけてますよ。社長が出てきてやつらに言ったのも、そういうことらしい。気をつけろ、言葉にも気をつけろ、って」(男性組合員/警備)

 ここでは詳しく紹介できないが、新自由主義の大学と学生のあり方を問う部分も、法政大学闘争の主張を彷彿させるものがあり、なによりも労働運動と学生運動の結びつきという点で学ぶところは大きい。さらに後半の聞き書き部分では、弘益大に来るまでの組合員の半生にもスポットが当てられ、労働や社会保障、教育など韓国労働者の暮らしをとりまく状況をうかがい知ることができる。また、時代劇ドラマ『チャングムの誓い』や『イ・サン』に出ている女優キム・ヨジンさんの暖かい支援活動も心に残る。
この労組のイ・スッキ分会長は、去る1月31日の民主労総大会で模範組合員賞を受けたが、弘益大当局はそれに挑むかのように賃上げ要求を拒否して団交を決裂させ、労組は再び闘争局面に入っている。 (広沢こう志)

 問い合わせ先  trans_labor@yahoo.co.jp(担当・広沢)

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■どのような団結をつくっていくのか
階級的労働運動の実践的教訓を学ぼう

動労千葉を支援する会事務局

 階級的労働運動の復権、国鉄闘争全国運動の発展にむけて、動労千葉と労働者学習センターから重要な文献が発行されている。
昨年11月に開かれた日韓理念交流会での講演などで構成されている『世界に翔びたとう13/階級的労働運動の復権をめざして』、関西生コン支部の武委員長が昨年8月の動労千葉労働学校で講義した内容をまとめた『階級的労働運動の展望−関西生コン支部の歴史と闘い』、今年1月22〜23日に行われた動労千葉の全支部活動者研修会の講演を掲載した『機関誌動労千葉32/外注化阻止、組織拡大へ−労働運動の復権を』の3冊だ。

 職場で実践し苦闘するみなさんにぜひ読んで、学習会や読書会のテキストとしても活用してほしい。

 『世界に翔びたとう13』には、理念交流会での元民主労総委員長・タンビョンホさんと伊藤晃さん(日本近代史研究者)の講演、ILWUローカル21のダン・コフマン委員長、民主労総・金属労組キリュン電子分会のユ・フンヒ分会長のインタビュー、訪韓した動労千葉組合員の座談会が掲載されている。タン・ビョンホさんは、日本帝国主義による占領下で始まった韓国労働運動が、戦後の独裁政権のもとで民主労組運動を発展させ、民主労総を結成して何度もゼネスト闘争を闘ってきた歴史を紹介している。そして自主性、民主性、連帯性、階級性、闘争性、変革指向性を民主労組運動の基本原則として立てたことを報告し、韓国労働運動の直面する課題として非正規職労働者の組織化、産別労組への転換などを提起した。
伊藤晃さんは、戦後の総評労働運動が「変革的な労働運動であったのか」と問題提起し、国鉄新潟闘争(右派による組合分裂・第二組合結成攻撃との攻防における敗北)と炭労三池闘争(反合理化闘争における敗北)に焦点をあてて分裂攻撃や合理化と闘えなかった歴史を総括し、動労千葉の反合・運転保安闘争と国鉄闘争全国運動の意義を明らかにしている。ダン・コフマンさんは200人以上の逮捕者を出しながら組合破壊攻撃と闘い続けている労働者の誇りと団結がなぜ可能になったのか、生き生きと伝えている。ユ・フンヒさんも何度もハンストをしながら2000日闘って勝利した教訓を述べている。
 関西生コン支部・武委員長のブックレットで、武委員長は、冒頭、関西生コン支部の闘いは特殊・個別的なものではなく、それぞれの職場で「自分流に生かしていけば」、ていたらくの労働運動を階級的に変えることは可能だと述べ、劣悪な労働条件におかれていた建設生コン産業の労働者が、関生の闘いによってこの時代に年収800万、年間休日125日という破格な労働条件を獲得してきた関生労働運動の意義をわかりやすく展開している。産業別労働組合、企業の枠を超えた集団交渉、横断賃金、一律賃上げ、政治闘争の重視、マルクスを学ぶなど、労働組合の基礎的な考え方から、不況に強い関生支部、「戦術は水のごとし」、危機はチャンスなど、労働者に勝利の展望を与え、労働組合の可能性を明らかにしている。
 機関誌『動労千葉32』には全支部活動者研修会で行われた3人の講演が掲載されている。田中康宏委員長は、資本主義体制の崩壊の始まりという情勢、大震災からの「復興」に名を借りて加速する民営化・外注化・非正規職化攻撃の分析を深め、それに対する階級的労働運動復権の道筋を明らかにしている。長田書記長は4月全面外注化阻止、基地統廃合粉砕、組織拡大闘争などの方針について提起している。また、伊藤晃さんが前出の『世界に翔びたとう13』を使って、戦後労働運動の歴史をのりこえる動労千葉の労働運動の意義について、さらに突っ込んだ提起をしている。二つの講演をあわせて読んでほしい。また、組合員の感想文も、全面外注化阻止、基地統廃合粉砕、組織拡大に向けた決意が現れている。
 それぞれに、どのような団結をつくっていくのか、具体的な内容が展開されている。階級的労働運動の復権に向けて汲めども尽きぬ教訓が詰まっている。ぜひ活用してほしい。

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世界に翔びたとう13/階級的労働運動の復権をめざして

2011年12月25日発行/A5版118n/頒価500円

労働者学習センター・ブックレット別冊 階級的労働運動の展望 関西生コン支部の歴史と闘い/武建一

2012年2月1日発行/A5版70n/頒価300円

機関誌動労千葉32/外注化阻止、組織拡大へ 労働運動の復権を

2012年2月25日発行/A5版158n/頒価600円

注文は、千葉市中央区要町2−8 DC会館 労働者学習センターまで(043−222−7207) 

 

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読者のページに投稿を
  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

 ▼韓進(ハンジン)重工業のクレーンで309日間の高空籠城をやりぬいた民主労総キムジンスク女史は、籠城中ひたすらツイッターをやっていたそうだ▼絶対爆発的に役立つときが来る!と事務局が地道にツイートしてます。フォロー、RTよろしく(う)

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Photo Document 2012年1月〜2012年2月

八尾北・西郡決戦勝利! 橋下打倒!

2・3大阪
大阪市・エルおおさかで、「八尾北・西郡決戦勝利!更地化・強制執行粉砕 ! 労働組合破壊を許さないぞ ! 道州制粉砕・橋下打倒 ! 2・3集会」が、関西労組交流センター・八尾北医療センター労組・部落解放同盟全国連西郡支部の共催で開催された。220人の労働者が結集した。

1万2千人が「再稼働を許すな!」

2・11東京
全国で数万人が「すべての原発を止めろ!」「再稼働阻止!」「福島の子どもたちを守れ!」と声をあげ、一斉行動を闘いぬいた。東京・代々木公園には労働組合を先頭に1万2千人が結集し、集会とデモ行進を行った。NAZENは前段独自集会を行い、3・11郡山への大結集を訴えた。

外注化絶対阻止で闘おう! 国鉄決戦勝利!

2・15東京
国鉄闘争全国運動が呼びかけた「国鉄分割・民営化で不当解雇から25年/2・15労働者集会」が、東京のすみだ産業会館で開催され、570人の結集で大成功を勝ちとった。動労千葉、国労闘争団の決意を先頭に民営化・非正規職化の攻撃と真っ向対決する本格的運動体への重要な一歩が踏み出された。

 

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