2012年05月号(通巻No.266)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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動労千葉、国鉄闘争全国運動・関西準備会主催の「尼崎事故7周年弾劾!4・21全国総決起集会」がJR尼崎駅北口広場に380人を結集して勝ちとられた。(4月21日 兵庫・尼崎)

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労働者の目 12春闘を闘うなかで

全国労組交流センター第24 回臨時拡大全国運営委員会の意義と獲得目標について 入江 史郎 代表運営委員 ス労自主委員長
階級的労働運動の創造的発展の鍵を握る青年指導部の強固な形成を軸に、力ある組織としての飛躍を勝ちとろう! 辻川 慎一 代表運営委員 動労水戸副委員長

特集 国鉄闘争全国運動6・10 全国集会へ
新自由主義と闘う2000 人会員獲得にむけて 国鉄闘争全国運動事務局
「国鉄分割・民営化25 年に怒りを! 4・1対JR総行動」の成功から、6・10 国鉄闘争全国集会へ!
主催者になったことを組合員みんなが誇りに思った――「原発いらない!3・11 福島県民大集会」 橋本 光一 国労郡山工場支部書記長

◎追悼 清水匠君 大和田幸治さん   入江史郎 代表運営委員 ス労自主委員長
◎新自由主義と対決する「復帰」40 年5・15 沖縄闘争(12 〜 14 日)に総決起しよう! 沖縄労働組合交流センター
◎〈支援・連帯共闘〉―3・24 集会で示したデッカイ野望 吉本 伸幸 一般合同労働組合 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 書記長
◎すべての原発を廃炉に――愛媛県職労の取り組み 中村圭司 愛媛県職員労働組合 副執行委員長
◎新自由主義との闘いに確信 責任勢力への飛躍を決意 東京、神奈川で交流センター総会
◎石川一雄さん不当逮捕49 カ年糾弾! 労働者階級の団結の力で狭山再審を! 5・19 狭山集会に集まろう 井川 文子 部落解放東日本解放共闘事務局

ひめじょおん−女性部から ――女性部から 橋下の教育民営化と首切りに絶対反対の闘いが始まった

◎動労千葉労働学校で学ぼう!

読者のページ  

●マンガ /編集後記

 労働者の目

12春闘を闘うなかで

諸永 政廣 副代表 精研労組委員長  

 僕の職場では12春闘を必死でやっている。本当に必死だ。専従がいないから何でも現場労働者が責任を取る。これは結構大変なことだ。みんなよくも逃げずに一緒に付き合ってくれる。そのうえで楽しい闘いになっている。
戦後労働運動の歴史を紐解くまでもなく全国至る所でこの程度の闘いは行われているだろう。いや恐らくこんなもんじゃない。激しい現場攻防、現場の同僚・仲間、家族との葛藤そして対資本、警察権力をも相手にして闘ってきたはずだ。いま僕は必死に闘っているつもりなのだが、まだガキの闘いなのかもしれない。しかしこの瞬間、僕の回りの労働者はキラキラと輝いている。「自分自身も含めて労働者なんてあてになるか!」などと腹立たしく思ったことなど忘れて、「これだから労働者は良いんだよなあ」と思ってしまう。「また、だまされた」と思いながら団結を肌で感じているような気になっている。最近なんかこんな気にさせることが多い。
労働者の手に社会を取り戻さない限り、もうまっとうな生き方ができなくなった労働者が激増している。失業者や非正規職と言われる半失業状態の労働者だ。もう青年だけではないし、正規職だって王手がかかっている。
一方でまだ正規職として何とかやれるかもしれない、既得権を一つひとつ剥ぎ取られながら、まだ生活を守ることができるなどと考えたがる労働者もいるだろう。とりわけ労働組合運動に足を突っ込んだ労働者に問われている。「あんたはどっちなんだ?」そんな眼が労働現場に、闘う現場に光っている。「一緒に闘うのかい?」 身体も心も揺れる。
体制内労働運動批判をよく耳にする。弁舌爽やかで説得力があり、その通りだと思う。凄い! しかし、「あなたはどっちに立っているの?」と、意地悪な僕が問いかけている。 あんなに闘った総評労働運動の限界。私たち労働者はやっぱり資本に勝てないのか? そんな情けない思いがつい出てしまう時があるが、動労千葉・動労水戸などの運動と歴史を見ていると勝てそうな気持ちになる。最近特にそうだ。とにかく真似だ。現場の労働者と一緒に必死に考え行動し、逃げないで責任を取ることに執着する。そうすると身体と心の揺れが妙に鎮まっていくような気になる。

(写真 精研労組、栄養科を中心に30名が春闘ストライキに突入【4月11日 東京武蔵野病院構内】)

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■全国労組交流センター第24回臨時拡大全国運営委員会の意義と獲得目標について

入江 史郎 代表運営委員 ス労自主委員長 

 昨年に続いて、全国労組交流センターは拡大運営委員会を沖縄で行う。
星野闘争とともに、四国・徳島で開催した2月4〜5日の第19回全国総会―3・11東日本大震災1周年福島県民大集会に続く、「復帰」40周年となる今年の5・15沖縄闘争を、われわれはどう闘い、何を獲得しようとしているのか、全国労組交流センターとして明確にしなければならない。闘争方針と獲得目標を明確にせずに、新自由主義を枕言葉に言葉を飾り、後付けで解説して済ますようなことはもう通用しない。
沖縄を基地の島にしているのは、なぜか。日米安保条約である。沖縄闘争の勝利とは何か。米軍基地の県外移設が沖縄闘争の勝利なのか。一昨年秋の沖縄県知事選挙において、沖縄革新共闘は「普天間基地の県外移設」を掲げて選挙戦を闘った。当選、落選にかかわらず、その瞬間に沖縄闘争の勝利は放棄されたのである。「県外移設」は、それが実現しようがしまいが、沖縄米軍基地を、全国の米軍基地を正当化することに他ならない。日米安保を破棄せずに、米軍基地の撤去はない。米軍基地撤去は反安保闘争として闘われなければならないのである。それゆえに、われわれは徳島で全国総会を開催し、星野闘争を闘い、沖縄で拡大全国運営委員会を開催するのである。
同様に、われわれのな全=iすべての原発いますぐなくそう!全国会議)運動も、それを反原発と言おうが、脱原発と言おうが、戦争に反対し、日本の核武装を阻止する闘いと結びついていかない限り、被災地「復興」と紙一重だ。あの大阪市長・橋下徹でさえ「脱原発」を騙っている時代なのだ。
逆の立場から見れば、再稼働を阻止し、すべての原発を止めるということは、日本資本主義、日本帝国主義の生命線を絶つことである。このことをはっきりと自覚しなければならない。われわれの闘いは、そういう闘いである。日本のすべての原発54基が止まれば、闘いがそれで終わるわけではない。本当の闘いが、まさにそこから始まるのである。
3・11福島―5・15沖縄―8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ―8・15終(敗)戦―3・1ビキニ被ばく―福井県・高速増殖炉もんじゅ―青森県六ケ所村・核燃サイクル工場を貫く反戦=反核=反基地=反原発闘争の実現こそが、われわれ全国労組交流センターが沖縄闘争を闘う意義である。われわれは、国鉄闘争全国運動と郵政非正規ユニオンや沖縄北部合同労組をはじめとする「非正規雇用撤廃」闘争と反原発な全♂^動を持って、「復帰」40周年の5・15沖縄闘争を闘うものである。
5・15沖縄に結集せよ! 5・15、全国で沖縄闘争に総決起せよ!

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■5・12第24回臨時全国拡大運営委員会(沖縄)の任務
階級的労働運動の創造的発展の鍵を握る青年指導部の強固な形成を軸に、力ある組織としての飛躍を勝ちとろう!

辻川 慎一 代表運営委員 動労水戸副委員長 

「3・11郡山」を転換点とする階級的労働運動の歴史的台頭と密集する反動の脆弱性

あらゆる欺瞞性を粉砕した「3・11郡山」

 昨年の「3・11」大震災と原発事故は、人間と生命の存在を根源的に問いかけると共に、戦後世界体制とりわけ日本の支配体制の根本的欺瞞性と矛盾の蓄積がもはや労働者大衆と共存することができないところに来ていることを示しました。
この欺瞞性とは、米帝の戦後政策に乗り移る形で自らの戦争責任を回避した日帝ブルジョアジー自身と、その支配に日本労働者階級をひれ伏させることで帝国主義戦後体制の救済者となってきた共産党をはじめとする体制内左翼の欺瞞性に他なりません。
ブルジョアとこれに屈服した勢力による労働者大衆の支配体制は、プロレタリアートがその制動を突破して自己解放的に立ち上がったとき、まさにその反階級的本質の牙をむきだしにして破壊に出てきます。労働者大衆の根源的戦闘性を押さえ続けて来たこの構造の欺瞞性こそが、「3・11」によって粉砕された最も核心だと言えるのです。
「3・11」は、日帝ブルジョアジーと体制内勢力が、必死になって「葬り去ろうとしてきた」戦後革命期以来、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争以来の日本労働者階級大衆の歴史的闘いと根源的戦闘性を「墓場の中から甦らせた」のです。「このまま簡単に死んでたまるか!」「俺たちは生きている!」と。「3・11」は、階級闘争と共産主義運動の「亡霊」を揺り起こしたのです。

 階級的労働運動の思想と路線を深化

 昨年の「3・11」は、巨大な自然災害が突き出した帝国主義戦後体制の破局的末路であり階級矛盾の爆発としてありました。アメリカ帝国主義の新自由主義政策を後追いする日帝ブルジョアジーは、巨大な自然災害それ自体を自由な資本増殖のチャンスとする「ショック・ドクトリン」としてあらかじめ構えていた面さえあります。ですから、ブルジョアジーの危機を延命のチャンスに転化するためにブルジョアとすべての体制内勢力は「慰霊」を盾に「没階級的休戦」を労働者大衆に強いて、その間にさらなる規制緩和・大失業と非正規化を開始しました。「復興特区」「放射線特区」「公務員労働運動解体」を一気に推し進めようしてきたのです。私たちはこれに対し、動労千葉を先頭に動労水戸、さらには国労郡山工場支部、仙台市職という交流センターが存在する被災地の労働組合を中心に、まさに労働組合の主戦場で猛然と闘争しぬいてきました。そして、日帝ブルジョア資本と体制内勢力を震撼させ、労働組合の意義と団結した闘争の威力を開示させてきました。こうした死闘的闘争を通じて、われわれ自身が国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動の思想と路線を深化させてきたことが極めて重要です。

 労働者大衆との根底的結合過程の始まり

 それゆえ、国家権力やあらゆる体制内勢力が密集して私たちを否定しようとしたにもかかわらず、労働者大衆とりわけ根底的に怒る福島県民との関係において否定できない存在になったのです。そこに「3・11郡山」の画歴史性があります。彼らが「過激派」「人殺し」と規定して労働者大衆との結合を阻止しようとしている私たちこそ、実は資本との最前線においても、反戦・反原発闘争においても最も戦闘的に明るく闘う青年と労働組合の勢力であることをはっきりさせたのです。こうした労働者大衆の根底的怒りを背景とした勢力としての私たちと、ブルジョア権力とそれに連なる勢力との階級的力関係が「3・11郡山」を規定したのです。スターリン主義と反共民同の圧倒的影響下で展開されてきた戦後階級闘争の歴史的制動が核心的に突破されたのです。労働者大衆が、「戦後の欺瞞」の呪縛から解き放たれ、自らの階級的団結と闘争によって活路を切り開いていくというわれわれの運動に共鳴し始め、共に歩み始めたという点に画歴史性があるのです。
だからこそ、私たちをめぐって反動は密集しています。しかし、闘う労働者と労働組合、青年、学生、農民、市民の明るく戦闘的なデモの求心性と既成勢力指導下の「ポーズ」だけのデモの暗さは、労働者大衆の怒りを恐れ、それゆえに根本的求心力を失っている勢力の凋落を決定的に刻印したのです。国鉄闘争を基軸に、戦後階級闘争と歴史的闘いを根底から総括し、ブルジョアと体制内勢力が「すでに終わらせた」と思っているすべての闘いを根底から甦らせる過程が始まりました。すべてを「墓場」から甦らせ、帝国主義とそれに連なる者どもをこそ「墓場」にたたき込む決定的過程が始まったのです。

●国鉄闘争を基軸とした全産別決戦、とりわけ非正規雇用をめぐる組織的死闘と勝利的前進の決定的重要性

 外注化とは何か

 外注化(アウトソーシング)は、資本増殖に対するすべての規制を取り払う究極の合理化・効率化です。規制の取り払いとは、労働者階級の闘争によって勝ちとられてきた賃金・社会保障・安全・教育等々の社会的責任の一切を放棄し自由になるということであり、それ自体が人間的存在と資本主義が非和解的関係にあることを示します。そもそも、ブルジョアジーは、プロレタリア革命の脅威に対する対応としてこのような資本増殖に対する「規制への譲歩」をしてきたのであり、決して人間的良心に基づいてやってきたではありません。自由な資本の増殖、自由な搾取の競争−貨幣の支配こそ資本主義の根底的原理なのです。そして、外注化は労働者保護規制の破壊として非正規雇用化の全社会化として展開していきます。それゆえ、労働者の人間的共同性や感性を破壊していく過程として、労働組合解体として意識的に進められていきます。

 非正規雇用化、強労働の激烈な進展

 国鉄分割・民営化攻撃の中で、戦後労働運動の戦闘的伝統と拠点の解体と売り渡しが進められ、戦後長く禁止されてきた「労働者供給事業」(=ピンハネ)を解禁する「労働者派遣法」が制定されました。それは、バブル崩壊から世界恐慌に突入していく90年代から2000年代の帝国主義戦後世界体制の危機の過程で製造業をはじめとして全面解禁されていきました。そして今や、労働者階級の約40%が非正規雇用(半失業)にされています。重視すべきは、大資本においてこそ徹底的な非正規雇用化と強労働が貫徹されると同時に、「官製ワーキングプア」と言われるように国家・地方公務員において非正規雇用化が激烈に進められて来たということです。資本主義の歴史的根底的危機の中で、それでもなおかつ徹底した増殖競争を貫徹する以外にない資本とこれに従属する人格と勢力による労働者階級への攻撃が、国家暴力を含むすべての反動を集中して展開されているのです。この時代的構造について、労働者階級大衆に対して徹底して武装しなければなりません。労働者階級を先頭に「私たちが共通の敵と戦っている!」「団結せよ!」「勝利はわれらに!」と。

 階級決戦の柱=JR体制との死闘

 2010年の国鉄1047名闘争の「4・9和解=解体」に基づく国鉄闘争の清算と「25年問題」、そしてこの渦中でのJRの「全面外注化」とは、まさに「9割非正規雇用化」の貫徹と、資本がその増殖と延命のためにすべての社会的責任から全面的に自由になっていく突破口になっています。だからこそ私たちは、国鉄闘争すなわちJR体制との死闘を基軸に、大失業と非正規雇用との階級的激突を展開したのです。しかもそれは、資本がその根底的危機ゆえに社会的責任=自然的人間として生きぬいていくことの根本条件を破壊しながら突き進んでいることから、全人民的死活性のかかった闘争として闘われているのです。福島第一原発事故の避難区域見直しと「責任回避と保障切り捨て」「被曝強制」「棄民化」の先頭に、そして全面外注化による「社会的規制の突破」の先頭にJR資本が立っているのです。ここが階級決戦の柱であり、「3・11情勢」の中でこの死闘を軸にすべての産別における外注化・非正規雇用化との激突を貫徹し勝利してきたことの意義は極めて大きいのです。動労千葉・動労水戸を先頭として切り開いてきた「反合理化・運転保安闘争」路線を土台とした「外注化」「民営化」を水路とする「非正規雇用化」との死闘と勝利の地平の全産別決戦の貫徹が、階級決戦の要であることをあらためてはっきりさせなければなりません。
(写真 動労水戸が被曝労働強制と検修業務全面外注化反対のストライキに決起【3月23日 いわき運輸区庁舎前】)

「国鉄決戦を軸とした全産別における外注化・非正規雇用との闘争」の路線

 こうした路線の下で私たち交流センターは、国鉄闘争を基軸とした非正規雇用をめぐる歴史的闘争において郵政非正規ユニオン、さらに東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会を先頭とする階級的拠点を打ち立て、そこから日本労働運動を根底的に転換する過程に突入しています。はっきりさせなければならないことは、非正規雇用と正規雇用の階級分断と対立によって全面的非正規雇用化が進められているという点であり、非正規雇用はそのまま正規雇用に対する階級攻撃であるということです。だからこそ4大産別をはじめとする労働組合において、徹底的に非正規雇用との闘争を徹底的に問題にし、闘いを組織しなければならないのです。ここを絶対に明け渡してはなりません。自らの職場と産別におけるこの路線的死闘を放棄したところでの「支援」「連帯」は、すでに根本のところで資本の攻撃に敗北してしまっているのです。鈴コンや郵政非正規ユニオンは、非正規雇用化と闘えない連合や全労連傘下の労働者や労働組合を鷲づかみにし始めています。だからこそ「国鉄決戦を軸とした全産別における外注化・非正規雇用との闘争」という路線を生きた路線として全面的かつ根底的に貫徹することに死活がかかっていることを強調したいと思います。

●動労千葉の「反合理化・運転保安闘争」「外注化反対闘争」は、資本主義の「転倒」にたいする階級的批判の貫徹としてある

 伊藤晃氏の提起の重要性

1月に動労千葉が開催した「全支部活動者研修会」における伊藤晃氏の講演は、動労千葉が切り開いてきた「職場闘争」と「反合・運転保安闘争」の意義を戦後階級闘争の総括の中であらためてはっきりさせると共に、「3・11大震災と原発事故」を受けてその階級的思想性を決定的に深化させています。
そこで伊藤氏は、「合理化」や「科学」の人間に対する優位という資本主義社会の「転倒」に対して、人間の能動性こそが目に見えない安全を支えているのだと、「確かな科学」と「不確かな人間」という前提の根本的転倒をはっきりさせています。そして、人間がいかに能動的に努力しても安全を制御できない技術として原子力を批判しています。さらに、職場における労働者の「人間的感性」の決定的重要性とその「結合労働」としての本質性を奪還していくことが「反合理化・運転保安闘争」路線の中にあるのだと展開しています。動労千葉が、自らの集団的死闘の中で確立してきた路線を決定的に深化させた講演内容であり、交流センター運動においてこそこれを貫いていく重要な提起としてあります。
(写真 伊藤晃氏が「戦後労働運動史と国鉄労働運動」と題する講演を行った動労千葉全支部活動者研修会【1月22〜23日 上諏訪】)

 資本主義社会の根本からの転倒

 「3・11大震災と原発事故」が突き出したのは、「資本主義社会」そしてこれと共存するための「すべての勢力」の主張の「すべてが嘘だった!」ということです。それは、資本主義社会の中で「当然の前提とされてきたこと」を人間的主体性に基づいた「実践と理論」の闘争を通じて根本からひっくり返していくことを求めています。
「3・11」以降、一方で新自由主義と市場原理を批判しつつ、他方でこれを人間一般の自然に対する奢りであり、マルクス主義をはじめとする西欧思想の人間中心主義の限界性として問題を捉え、日本的エコロジーを対置する傾向もあります。しかし、自然から生まれた人間存在が、人間が作り出したものに従属する転倒した社会の転倒とは、人間的意識的行為としてのみ貫徹されるのです。ましてや、資本主義社会の中で人間が中心であったことなどないのであり、だからこそこのような恐るべき結果を突きつけられているのです。特に労働者階級は、人間としての自然の生命力を抑圧され、破壊され続けてきました。ですから、そうした前提それ自体が没階級的誤りであり、プチブル的な改良主義にしかならないのです。ここにも事実の「転倒」があります。

 労働者階級の存在にこそ核心

 問題の核心は、資本主義の根底的批判者としての労働者階級の存在とその人間的生命力と感性を、ついぞどの勢力も現状変革の根源的力として真っ向から位置づけたことがないという点にあるのです。資本主義体制の中で、常に労働者は無力であり、救済の対象でしかないと描かれ続けて来ました。労働者に対し自らの階級的力に目覚めさせないできた結果が「3・11」に他なりません。資本主義社会の中で、その人間的生命力を資本に従属する以外に生きられないからこそ、労働者の人間的感性と怒りの中に現状を変えていく根源的力がある。ここに「転倒した社会の転倒」の核心があるのです。こうした批判を、核心的に労働組合として団結し職場で闘い勝利する路線として確立したことが極めて決定的です。また、この思想と路線の実証として動労千葉の検修外注化阻止闘争と動労水戸の汚染列車検査拒否の闘いを先頭とする全国的闘争の勝利が切り開かれています。

●5月沖縄闘争で青年の階級的指導部群を形成し、6・10国鉄大集会、7〜8月反核・反原発闘争へ階級的組織と陣形を!

 反動を青年の怒りと決起に転化しよう

 私たちの2012年初頭の闘いに追い詰められて、警察や司法権力をはじめ反動が密集しています。私たちの運動は、この反動の階級的本質を見据え核心的に打ち破っていく中で前進します。何よりもその過程こそが、階級的団結と指導者を形成する決定的過程なのです。「3・11」1周年の郡山闘争の地平の核心は、私たちが戦後階級闘争の一切の反動と激突しぬき、ついに日本労働者階級大衆、とりわけ福島県民の根底的怒りと結びつき始めたことにあります。それに対し反動の側は、本質的に破綻し大義名分を失っています。密集する反動の根底的脆弱性と嘘を見抜き、それを労働者階級大衆とりわけ青年の怒りと決起に転化していくこと、その能力と組織的力が問われています。
動労千葉に対する動労水戸と同じ運転士登用差別事件における最高裁の逆転反動判決。星野文昭さんに対する何の説得性もない「再審棄却」。そして、非正規雇用の厳しい現実から労働組合に団結して立ち上がった青年に対する嘘と詐欺にまみれた国家権力による「生活保護詐欺」弾圧等々の反動を、敵の思惑とは逆に根底的階級的怒りの組織化に転化しましょう! 私たちは、本質的に決して引くことのない闘争を宣言し、開始しているのですから。

 「復帰」40年沖縄闘争の根底的転換を!

 日帝国家権力による嘘とペテン・詐欺の究極の歴史が、沖縄にあります。本年5・15沖縄闘争は、「基地と貧困」の強制としてのペテン的「復帰」40年を根底からひっくり返し、「日本プロレタリア革命」の展望を切り開く闘いとして特別の位置があります。日本革命の展望とは、沖縄闘争と本土を結ぶ根底的階級的歴史と系譜を鮮烈に復権し、そこに不屈不敗の青年指導部を打ち立てていく中にあります。「復帰」40年をただ言葉上の象徴的意味にしてはなりません。沖縄闘争を没階級的に「沖縄はひとつ」として描き、「階級矛盾」を隠し、「基地と貧困」を強制し続けて来た構造を根底から転換しよう!

 国鉄軸に、あらゆる闘争の階級的大転換を!

 世界大恐慌下での「3・11大震災と原発事故」は、戦後階級闘争の中で日本帝国主義とこの利権に連なるあらゆる体制内勢力が、寄ってたかって抹殺しようとしてきた労働者階級大衆の歴史と闘争を階級的に甦らせています。国鉄闘争も、沖縄闘争と星野闘争も、三里塚も、日帝にとってはいかに葬ろうとしてもできなかった「パンドラの箱」になっています。とりわけ国鉄闘争は、日本労働者階級本体をめぐる闘争として、日帝にとっての恐るべき妖怪たちを甦らせる基軸的位置にあります。ですから、私たちの歴史的階級的任務は、国鉄闘争を基軸に、日本階級闘争の「豊饒の大地」にすべての「妖怪」を深く位置づけ直し、共通の敵に向けて配置し直すことにあります。5〜8月の闘いの一つ一つが戦後的ブルジョア的「転倒」を階級的に大転換していく決定的過程としてあります。それは、資本との切っ先における労働者階級の決起を土台とした決定的集団的闘争によって切り開いていく過程としてあります。交流センターこそが、その基軸です。
5・12〜14沖縄闘争を大成功させ、6・10国鉄大集会、7〜8月反核・反原発闘争に勝利しよう!

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―スケジュール―

5月12〜14日 5・15沖縄闘争
12日 11:00〜15:30 第24回臨時拡大全
国運営委員会/16:00 国際通りデモ  (県庁前広場集合)/18:30 「復帰」40  年5・12沖縄集会(要項11p) 
13日 9:00〜11:00 第2回常任運営委員会/12:30 5・15平和とくらしを守る
県民大会(宜野湾海浜公園野外劇場)  /17:00 青年労働者交流集会(沖縄  青年会館大ホール2F)
14日 正午 辺野古現地闘争、名護市内 デモ

6月10日(日) 国鉄闘争全国運動6・10 全国集会(要項13p)

7月16日(月・休) さようなら原発10万 人集会(東京・代々木公園)

8月4〜6日 ヒロシマ反戦・反核闘争

8月8〜9日 ナガサキ反戦・反核闘争

 

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■追悼 清水匠君 大和田幸治さん

入江史郎 代表運営委員 ス労自主委員長  

●清水匠君のこと

2月26日、全国労組交流センター常任運営委員・清水匠君が急逝した。動労千葉執行委員、56歳。
常任運営委員会には、いつの間にか着席していて、会議が終わるとともに、「ちょっと反省会やろうか」という声を掛ける間もなく、いなくなっている。それでいていきなり発言を振っても、即座に的確に回答する。私からの動労千葉への注文にも、いつも黙って笑顔を返す。あれは田中委員長に、きちんと伝えてくれていたんだろうか。滝口誠さん(彼は今も元気に活躍していますが)とともに、動労千葉の中で、心置きなく話ができた数少ない仲間だった。動労千葉の安定剤。早過ぎる、惜しい、何ともなくさびしい。

 

 

 

 

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●大和田幸治さんとの思い出

 2月26日、全国労組交流センター常任運営委員・清水匠君が急逝した。動労千葉執行委員、56歳。
常任運営委員会には、いつの間にか着席していて、会議が終わるとともに、「ちょっと反省会やろうか」という声を掛ける間もなく、いなくなっている。それでいていきなり発言を振っても、即座に的確に回答する。私からの動労千葉への注文にも、いつも黙って笑顔を返す。あれは田中委員長に、きちんと伝えてくれていたんだろうか。滝口誠さん(彼は今も元気に活躍していますが)とともに、動労千葉の中で、心置きなく話ができた数少ない仲間だった。動労千葉の安定剤。早過ぎる、惜しい、何ともなくさびしい。
全国金属機械労働組合港合同事務局長、田中機械支部委員長、大和田幸治さんが3月17日亡くなった。85歳、充分に生きたという年令ではあるが、大和田さんにとっては、まだまだ生き足りなかったことと思う。
初めて出会ったのは、いつのことだったろうか。1976年か77年、たしか「労働情報」の全国労働者集会だったと思う。第2回は、田中機械の工場の中で行われた。その後、港合同は田中機械支部の倒産攻撃、破産法との闘いを勝ちぬき、南労会闘争を今も闘い続けている。私たちは76年ス労大弾圧、84ス労自主大弾圧を乗り越えて、89年全国労組交流センター結成に参画し、今日に至っている。
あれは1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災で結成された、被災支援連の世話人会議か何かの時だったと思う。まだ改装される前の田中機械の事務所棟の2階の食堂で、珍しく私が早く着いたために、しばしテーブルをはさんで、大和田さんと私が2人だけで向かい合うこととなった時のことである。少し緊張していて、私は思わず「今すぐというわけにはいかないでしょうが、いつかは佐藤(芳夫)さん、中野(洋)さんと一緒に全国労組交流センターの代表になってもらえませんか」などと言ってしまった。
大和田さんはニコッと笑って、「おたくもああいう所と付き合って、ごくろうはんですなぁ」とかわされてしまった。その時の場面を時々思い出す。今なら何と応えてくれるだろうか。それから国鉄闘争「4党合意」反対労働委員会闘争、2002年の国鉄5・27臨大闘争弾圧、今日まで続いている11月全国労働者集会などなど。大和田さんは本当に沢山のことを私たちに教えてくれました。お世話になりました。いつでも、どこへでも作業着姿の大和田さんの姿が目に焼き付いています。

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■PAC3沖縄配備糾弾! 沖縄の侵略最前線基地化を許すな!

新自由主義と対決する「復帰」40年5・15沖縄闘争(12〜14日)に総決起しよう!

沖縄労働組合交流センター 

米帝の新軍事戦略、日帝の有事体制の全面発動と対決する沖縄闘争

 北朝鮮スターリン主義による「人工衛星」=ミサイル発射を奇貨として、米帝と日帝は沖縄を徹底的に蹂躙した。「基地の島」はさながら「戦場の島」と化した。PAC3が民間貨物船や「おおすみ」に搭載され沖縄に向かう光景、あるいはイージス艦が佐世保から、舞鶴から出航する光景は、再度の沖縄戦を彷彿とさせる光景だった。
沖縄島(那覇市・南城市)と宮古島・石垣島にPAC3が配備され、石垣では「警備」と称して自衛官が自衛隊施設外では初めて実弾入りの銃を携行した。自衛隊が沖縄県民に銃口を向けたのだ。
県庁・那覇・南城・宮古島・石垣・竹富・与那国・多良間の各自治体に合計30人の自衛官が配備された。宮古島市や石垣市では自衛官が迷彩服で庁舎内に陣取った。沖縄全体では約950人の自衛官が派遣され、与那国島にも、陸自・空自あわせて50人が配備された。沖縄を自衛隊が我が物顔で蹂躙していったのだ。
米軍もまた満展開した。10日にFA18が12機も普天間基地に飛来し、その爆音で入学式が中断に追い込まれた。この機種は7日にアメリカで墜落事故を起こしたばかりだ。嘉手納基地には弾道ミサイル偵察機などが総結集した。
米帝が新軍事戦略を発動し、日帝も有事体制=戦時体制を全面的に発動した。北朝鮮スターリン主義の「人工衛星」=ミサイル発射はこれに追いつめられた反労働者的な所業だ。その中で日帝は、南西諸島の拠点化のどす黒い野望をむき出しにした。自衛隊基地のない石垣島や、駐屯地建設を狙う与那国島=八重山諸島をその最大のターゲットとした。昨年から闘われている中学校の社会科教科書の問題、そして今石原都知事がブチ上げた「尖閣諸島の都購入」とそれに連なる一連の動きなど、すべてが一つに繋がった。それは沖縄闘争の解体と沖縄の侵略最前線基地化である。
「復帰」40年の5・15沖縄闘争はこのような情勢下で闘われる。すべての闘う青年労働者と学生は、職場から、キャンパスから、「復帰」40年5・12沖縄集会(那覇市民会館)〜5・15平和とくらしを守る県民大会(5月13日:宜野湾海浜公園野外劇場)へ総結集しよう!

 労働組合が屹立し、渦巻く怒りに火を放て!

 これらの動きに沖縄県内では怒りが沸々とわき上がった。「ここでは毎日、米軍のヘリが頭の上を飛び、墜落事故も起きている。北朝鮮のミサイルが落ちるのと、米軍機が墜落するのと、どっちの確率が高いのか」「狭い沖縄で逃げる場所はない。沖縄戦でわかっていることだ」「軍隊は住民を守らない」――これが沖縄戦の血の教訓だ。
やはり2012年の闘いの最大の攻防点は労働組合だ。有事体制を全面的に発動しようとしたら、労働者の団結形態を根こそぎ破壊しなければならない。そのためにすべての労働者を解雇し、全員を非正規雇用化して、労働者の団結をずたずたに引き裂こうとしている。新自由主義攻撃の最大の狙いはここにある。橋下はその先兵だ。
役場には自衛隊が我が物顔で乗り込んできた。こんなことをどうして許せるのか? そしてなぜ朝6時からの出勤を強制されなければならないのか? なぜ子どもたちの授業を屋内に変更しなければならなかったか? 労働組合として労働者が団結してこそ、有事体制と闘うことができる。しかし実際にはそうなっていない現実がある。それは連合が水先案内人として日帝・野田政権の有事体制の全面発動を容認しているからだ。
闘う労働運動を甦らせること。動労千葉の戦争協力拒否宣言やイラク侵略戦争に反対してのストライキなど、労働者が労働組合の旗の下に団結して闘えば、有事体制=戦争体制を粉砕することはまったく可能なことを、動労千葉の闘いは示している。今こそ全国で、国鉄闘争全国運動の発展のために全力で闘おう! 6・10国鉄闘争全国運動大集会の成功をともに勝ちとろう!

 新自由主義と対決する5・15沖縄闘争に渾身の総決起を!

 「復帰」40年の5・15沖縄闘争は、新自由主義と対決する決定的な闘いとなった。3・11から1周年の福島県民大集会の切り開いた階級的な地平を発展させる闘いだ。基地と安保、核と原発はすべて一体の問題であることが、「3・11」でハッキリした。オキナワとフクシマの怒りは一体であり、それは日本と全世界の労働者階級の怒りだ。5月12日の「復帰」40年5・12沖縄集会には、福島の教育労働者が駆けつける。沖縄の地で福島の教育労働者との団結をさらに打ち固めよう。
青年労働者と学生は最先頭で結集しよう。沖縄闘争=安保・沖縄闘争を、闘う青年労働者と学生の手に取り戻そう! 闘う労働組合と闘う学生自治会を復権しよう! 「解雇撤回・基地撤去」の闘いを現代に甦らせる闘いのスローガンこそ「非正規職撤廃!」だ。「基地の島」「大失業の島」「非正規職の島」から新自由主義を打ち破る労働者の団結を!
帝国主義とスターリン主義による団結破壊と分断を打ち破り、国際労働者階級の団結を打ち固める闘いが沖縄闘争=安保・沖縄闘争だ。「基地の島」を「国際連帯の島」へ! 
この闘いの新たな発展で、星野文昭さんを労働者階級の手に奪い返そう!
すべての読者の皆さんの渾身の決起を沖縄から呼びかけます!

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●「復帰」40年 5・12沖縄集会

日時 5月12日(土)午後6時開場 場所 那覇市民会館 中ホール(那覇市寄宮1-2-1)

特別アピール 「3・11から1年、フクシマからの報告」 福島県小学校教諭 國分俊樹さん

主催 「復帰」40年 5・12沖縄集会実行委員会(呼びかけ団体 国鉄闘争全国運動・沖縄/沖縄労働組合交流センター/NAZEN沖縄/沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会)

 

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■〈特集 国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ〉

■新自由主義と闘う2000人会員獲得にむけて国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ総決起を!

国鉄闘争全国運動事務局 

 国鉄闘争全国運動は結成2年目、課題は鮮明です。国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにせず、新自由主義と闘う労働組合を本格的につくりだすために2000人会員を達成し、6・10集会の2000人結集を勝ちとろうということです。
〈新自由主義と闘う労働組合の復権〉をかけた6・10集会の内容的動員的大成功こそ、日本の労働者の命運を決します。勝利の展望を示しましょう。交流センターは、この運動の推進軸です。総結集を訴えます。
(写真 1780人が結集して勝ちとられた昨年6・5国鉄集会【東京・日比谷公会堂】

 新たな新自由主義攻撃の核心

 世界中で2億人が失業し、主要帝国主義の国債暴落・国家破産の時代が到来し、日本の2011年度の貿易赤字も過去最大です。新自由主義攻撃は新たな段階を迎え、日本でも3・11大震災−原発事故で新自由主義の凶暴性が促進されています。
JRでは、検修・構内業務や駅業務の全面外注化攻撃がかけられています。JR東日本では駅の契約社員(5年目に入ったグリーンスタッフ)の約150人の雇い止めが4月1日強行され、2人のグリーンスタッフが自殺に追い込まれました。そして橋下大阪市長を先頭に公務員の首切り攻撃、郵政での雇い止め、非正規労働者への解雇が襲いかかっています。日航の148人解雇に対して東京地裁は「解雇は正当」の不当判決を出しました。尼崎事故をめぐってJR西日本の山崎前社長に無罪判決。国鉄分割・民営化を正当化し、新自由主義攻撃を全面化させてきているのです。
原発では野田政権は大飯原発の再稼働にゴーサインを出しました。原発輸出と原発政策推進、復興特区などの新自由主義攻撃に生き残りをかけているのです。
そして労働運動の大再編情勢です。国鉄分割・民営化から25年、JRとJR総連との労使関係の再編、国労も本部機能を縮小し連合加盟の道に走り、全労協も交通ビル(国労本部)からの撤退を開始し解散情勢です。こうした一切が、2010年「4・9和解」を契機に強行されています。「4・9」は現在も進行中の労働組合解体攻撃なのです。
新自由主義攻撃の核心は何なのか。それは解雇と民営化・外注化、団結破壊です。
そして新自由主義攻撃を促進したのは労働組合の屈服です。国鉄分割・民営化も「4・9和解」も組合指導部が推進し、非正規職化も労働組合が闘わなかった結果です。
資本家と労働者が非和解で激突する時代が到来し、「絶対反対」以外に新自由主義と対決し勝利することができない時代に入りました。だからこそ新自由主義と対決する国鉄闘争全国運動の存在が決定的なのです。

 国鉄全国運動2年間の闘いの地平

 「国労の組合員を国鉄闘争全国運動に参加させて、新自由主義に立ち向かう国労の再生をはかりたい」―これは国鉄闘争全国運動のある呼びかけ人の発言です。
「国鉄闘争全国運動」が、新自由主義と対決する労働者の結集軸になり始めているのです。チャンスが到来しています。
その闘いの軸は国鉄闘争です。なによりも動労千葉の検修外注化阻止の勝利の地平です。さらに動労水戸の被曝労働拒否で青年を獲得した闘いの地平です。さらに国労共闘の偽装請負告発で死亡事故の原因だったクレーン操縦席を撤去させた闘いなどです。2009年に提案された検修外注化に対して、東労組も国労も本部はそれを呑み推進してきました。しかし、現場では怒りが充満し、今に至るも外注化が進んでいません。動労千葉を先頭に、組合の枠を超えて全国のJR職場で労働者の反乱が始まっているのです。
そして反原発闘争では、3・11反原発福島県民集会を国労郡工支部の闘いと福島県教組、「子ども福島」や「福島の女たち」の決起が牽引しました。反原発のスローガンが入り、1万6千人結集で福島の怒りが全国に発信されました。さらに、大阪の橋下市政下や被災地の自治体や教労の闘い、郵政非正規ユニオンや、鈴コン分会などの非正規労働者の闘いが新たな展望を切り開きつつあります。
2年間の闘いでつかんだことは、新自由主義攻撃の核心は団結破壊であり、だからこそ労働組合を甦らせて立ち上がった時、敵は内部矛盾に陥り、新自由主義は崩壊過程に入る。今、その時が来ているということです。
だから、例え少数派であっても、新自由主義と対決する路線―「解雇撤回、民営化・外注化阻止」を据えて、労働者の団結した力で資本と立ち向かった時に、勝利の展望は開けるのです。青年を先頭に広範な労働者が国鉄闘争全国運動に注目し結集してくる可能性が生まれています。「自分たちの今までの枠を打ち破れ!」です。

 核心は組織拡大―2000人会員獲得だ!

 国鉄闘争全国運動を立ち上げて2年、呼びかけ人も拡大し、会員も拡大してきました。しかし会員1350人の壁を突破できていませんでした。今、壁を突破し2000人会員を実現する展望が生まれています。労働組合を再生する可能性が生まれているのです。
動労千葉は、組織拡大を実現することを通して外注化を阻止しました。外注化阻止闘争を通して組織を拡大したとも言えます。この闘い方は普遍的テーマです。新自由主義を打ち破る力は、職場闘争を通して国鉄闘争全国運動の組織を拡大する力です。
ある呼びかけ人は、国鉄闘争全国運動の今後の課題を以下のように提案しています。
@職場新聞、職場ビラをつくろう。
A職場で学習会を組織しよう。
B地区、地方、全国規模での職場交流会を 開こう。
こうした課題を実践しながら、国鉄闘争全国運動、動労千葉を支援する会、共に闘う国労の会の会員を2000人獲得することが、新自由主義を打ち破る組織的力をつくりだすのです。団結こそ敵が最も恐れることです。2000人会員獲得は6・10集会の2000人結集と一体です。総決起をよびかけます。

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国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回 新自由主義と闘う労働組合をつくろう!

国鉄闘争全国運動6・10全国集会

6月10日(日)午後1時(12時半開場)
文京シビックホール(東京都文京区春日1-16-21)

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■〈特集 国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ〉

■「国鉄分割・民営化25年に怒りを! 4・1対JR総行動」の成功から、6・10国鉄闘争全国集会へ!

 国鉄分割・民営化から25年の4月1日、全国労組交流センターは、検修業務全面外注化強行を阻止した動労千葉の闘いを土台に、JRに対する抗議行動を闘いました。
動労千葉の3・28千葉支社抗議行動を皮切りに、首都圏、東北、北陸、関西、広島、九州、沖縄など各地で街宣や抗議行動が取り組まれ、動労西日本は組織拡大を実現する画期的地平を闘いとっています。
昨年3・11から1年を経て、私たち労働者階級は再び立ち上がりつつあります。
3〜4月攻防の中でつかんだことは、階級的団結の拡大で新自由主義攻撃を打ち破ることができるという確信です。「外注化阻止は青年の未来をかけた崇高な闘い」(動労千葉)、「労働者をはじめ、すべての人民の利益を守るのが労働組合」(被爆労働強制反対を闘う動労水戸)―資本・国家権力の責任を徹底追及して闘う労働組合の登場が、青年たちの価値観を変え、闘う労働組合が現場から甦ろうとしています。
一方で敵の側もこれまで通りではいかない。より悪辣な形で新自由主義を強制する以外になくなっています。
大阪・橋下(維新の会)の職員・教育条例は、学校の統廃合・民営化で教育労働者の大量解雇と選別採用にいよいよ踏み込もうとするものです。JALを解雇されたパイロット・客室乗務員に対する反動判決は「整理解雇4要件」を解体し、労組解体の解雇を「有効」とするという、戦後労働法体系をぶっ壊すようなやり方です。また、労働者派遣法の改悪では「偽装請負」の全面緩和が狙われています。
さらに、原発再稼働への動きや北朝鮮の「衛星打ち上げ」を口実とした戦争・改憲への攻撃も激化しています。
民営化・労組破壊攻撃を破綻に追い込む国鉄闘争が、新自由主義を打ち破る怒りと闘いの結集点です。労働者の怒りを集め、職場の仲間の気持ちをつかみ、巨大な闘いへと組織できるか、これからが正念場です。
次は6・10集会です。新自由主義の包囲を打ち破る階級的労働運動を広く大きくつくり出そう!

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3・28 動労千葉 JR東日本千葉支社抗議行動

4・1 東京労組交流センター JR東日本本社弾劾行動(新宿)。その他、中野、錦糸町で街宣

4・1 みやぎ労組交流センター 仙台 街頭宣伝

4・1 神奈川労組交流センター JR東日本横浜支社、県内JR駅すべてなど約80カ所への宣伝

4・3 群馬労組交流センター 高崎車両センター宣伝

4・1 北陸労組交流センター JR富山駅前街頭宣伝

4・2 動労西日本、共に闘う国労の会、関西労組交流センター JR西日本入社式闘争(吹田研修センター)

4・1 広島労組交流センター 福山 街頭宣伝

4・1 動労西日本、広島労組交流センター 本通街頭宣伝

4・1 国鉄全国運動・九州JR九州本社抗議行動(博多)

4・1 沖縄労組交流センター 街頭宣伝(那覇国際通り)

全国で「日刊動労千葉」4月1日付号外を配布

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■〈特集 国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ〉

〈特集 国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ〉

橋本 光一 国労郡山工場支部書記長 

 指導部の決断に組合員は応える

 大震災と原発事故から一年、政府・東電の「復興・安全キャンペーン」が少なからず浸透してしまっている中で、3月9日、10日の仙台での国労春闘行動に5割動員を実現し、そのうえでさらに3月11日の休日5割動員は、「よく集まってくれたな」というのが実感だ。工場のJR東労組も動員割り当てを超える自主参加が結構いたと聞いている。
組合運動で職場で、一昨年の「4・9政治和解」以降、社民党や共産党支持の人たちとの間で、対立と不団結があったことは否めない。しかし震災と原発事故の中で、労働組合としての団結が問われていることを痛感し、そのためには執行部がひとつの方向に向かわなくては、との決断が自分の中に問われ、そしてそれを実践に移した時にわかったことは、実は彼らも同じことを考えていたということだった。
支部の指導部がひとつの方向に向かったことが、組合員の5割動員につながった。3・11に向かっては、組合員はもとより、工場全体を結集させようと、執行委員会が一致して、その方針のもとに教宣部は機関紙をつくり、掲示板をつくり、分会にも働きかけた。この国労の動きに東労組も触発された。国労サイドからだけでなく、震災救援対策本部ニュースや交流センターのチラシ等が何回も門前で配られたことも大きい。とりわけ全国から来た学生が、チラシまきや署名取りなどを一生懸命取り組んでくれたこと、若い人が本気で反原発を呼びかけている姿は刺激になったと思う。外注会社の労働者を含めた工場全体を相手に、3・11に向かって雰囲気をつくっていったことが全体を揺さぶった。
執行部はもちろんだが、こうした雰囲気の中で組合員全体が主催者の意識になっていった。「2万人集まるかなあ」という心配をみんなでしていた。だから、支部として全国にアピールを発信しようという提案もみんな納得した。上部機関の許可を受けずに全国の組織に参加要請を送ったことについてクレームがあったが、「何にも悪いことしてるわけじゃねえし」と、現場が言い返せる高揚した雰囲気ができた。新潟、秋田、鳥取、名古屋、東京…と全国から「参加します」「カンパ送ります」の声が寄せられ、「反響大きかったな」「43人の小さい支部だけど名前はみんな知るようになったんじゃないか」と喜んだ。
だから、集会当日、2万人近い人たちが開成山球場を埋め尽くすのを目の当たりにし、そしてデモ隊の迫力に圧倒されながら、この集会の主催者になったことを、みんなが誇りに思った。当初は動員にネガだった人もみるみる好反応になっていった。指導部の決断ひとつだということを本当に実感した。既成の枠組みにこだわって「統制のとれた動員」でよしとする人たちと、本気で2万人を実現しようとした郡山工場支部の指導部の違いが組合員の目にはハッキリとわかったと思う。指導部の決断に組合員は応える。労働組合とはそういうものだ。私のそうした感想に対して、「子ども福島」の人が、「動員というのは強制されるイメージで偏見があったけど、なるほどねえ、きっかけだものね」と労働組合の統制力の積極面に感心していたのが印象に残っている。

 国労を闘う労働組合に変えていく

 課題は沢山ある。まだまだこれからだ。執行委員会も一枚岩ではない。国労では、こうした党派闘争といかに向き合っていくかが常に問われる。外注化と偽装請負問題についての学習会の講師を、動労千葉の事件を担当している弁護士に依頼するかどうかで対立し論議もした。こういう論議から逃げずに、組合全体、工場全体のためにはこの方針でやりたいというスタンスで、組織機関に主張し始めたことが、自分にとっての大きな成果だと思っている。「子ども福島」の佐藤幸子さんを招いての学習講演会も賛否両論あった。「過激だ」「合わない」といった声もあったが、「力をもらった気がする」「刺激を受けた」と言う反応も多かった。3・11集会当日の彼女たちのパワーは本当にすごかった。あのパワーが3・11集会を実現したとも言える。3・11集会は、福島県教組が開催を決断しなければ実現できなかったものだが、彼女たちのパワーがなければ「原発いらない!」を貫くものにはならなかったし、決して成功はしなかった。
原発問題という政治闘争と真っ向から向き合い、組合全体、職場全体が活性化する中で、職場闘争も活性化しつつある。春闘行動への5割を超える動員もその現れだし、長くやれてこなかった春闘現場長交渉も全分会で取り組むことができた。だからあらためて思うことは、労働組合が決断し、絶対反対・絶対非和解を貫いた時にものすごい、いろいろなものが生まれるということ。それは国鉄闘争にも同様に問われている。
今回、3・11集会をめぐっては、「4・9政治和解」に応じた人たちも思惑はどうあれ活性化し、結果として国労の旗が会場全体にはためいた。彼らに対して「何を今さら」と冷ややかに見ることもできるが、そうであってはならない。国鉄闘争は現在進行形であるし、原発事故も復興特区攻撃との闘いもすべての労働者・労働組合に課せられた新自由主義との闘いそのものだからだ。国鉄分割・民営化と不屈非妥協に闘いぬいてきたわれわれこそがこのことに確信を持ち、復興特区や放射能ガレキの拡散、そして原発再稼働の最悪の推進者になっている連合と対決しなくてはならない。そのためにも動労千葉や動労水戸のような闘いをやれる組合に、国労を変えていかなくてはならない。同時一体のものとして求められているのが「共に闘う国労の会」の組織化だ。そのなかで反原発・国鉄闘争の中軸をになえる労働組合への飛躍を実現したい。

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■闘う合同・一般労組

〈支援・連帯共闘〉―3・24集会で示したデッカイ野望

吉本 伸幸 一般合同労働組合 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 書記長 

よーこそ「鈴コンワールド」へ!  〈支援・連帯共闘会議(準)〉発足を宣言

 そろそろ3月も終わるというのに、小雨混じりでまだ肌寒さを感じる赤羽。あふれかえった会場内は、暖房なしで25度になるほどの熱気で蒸せ返っていました。3月24日、赤羽会館小ホールは、春闘の真っ最中、昼の反原発デモの熱気そのままに、席が足らずに床に数十人が座り込む状態の195人もの人々がかけつけました。
集会は〈2・29東京地裁の仮払い処分決定―職場を軸に団結力と大衆闘争で勝ちとった大勝利〉と〈鈴コン闘争を、全国の2千万非正規労働者の闘いの先頭へ〉を合言葉にして、〈鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議(準)〉発足を宣言しました。
10年、20年も3カ月雇用契約で働かせて、組合つくって闘ったらクビ、しかもストライキをやり、社前や駅前で訴えた組合活動に対して解雇、これに対して腹の底からの「ふざけるな!」「労働者、労働組合をなめるんじゃねぇ!」「屈しなかったら絶対勝てる」という確信がみなぎる。それは新自由主義のデタラメさに抗して職場から闘ってきた20数年の国鉄闘争の火を消さず、今こそ大きく燃え上がらせることができる確信でもあります。集まった仲間の発言すべてから、自分たち労働者の当たり前の闘いが、一方で歴史的な登場なんだということを、われわれも共に闘う参加者もじわじわと感じました。
折しも3・11一周年闘争を前後して、全国各地から「労働組合再生が絶対必要だ!」という「叫び」がわき起こり、「一点の火花が燎原を焼き尽くす」情勢です。
全体が高揚する中、われわれ鈴木コンクリート工業分会は内尾分会長の分会闘争宣言を先頭に5人で登壇し、どんな酷い資本との闘いでも、団結して闘えば勝てることを訴えました。確信とユーモア満載でアピールできたと思います。亡くなった田口組合員ふくめ固くて深い団結と、腹を固めた労働者の突き抜けた明るさは笑いと感動の渦を生み、「鈴コンワールド」に巻き込んでいきました。一言で言えば、労働者の誇りです。
花輪不二男さんをはじめとした支援・連帯共闘呼びかけ人と事務局団体が並び、呼びかけ人・賛同人を拡大して、7月に本格結成すること、職場を軸に本裁判・労働委員会闘争も闘い、何より国鉄闘争全国運動と一体で、非正規職撤廃へ、地域・全国で、産別で、合同労組で、徹底して団結・共闘を拡大する大運動を推進することが確認されました。

 非正規職撤廃の全国的大運動を!

 いよいよ、鈴コン支援・連帯共闘会議準備会がスタートしました。
大震災のずっと以前から労働者は未来を奪われていました。日本の全雇用労働者の39%が非正規職です。年収200万円以下の労働者は1千万人超です。生活保護で生きている労働者たちが200万人です。特に若い人たちの半数以上が年収2百数十万のレベルです。いったいどこで労働者はここまで突き落とされたのか。すべては国鉄分割・民営化からです。
私たち鈴コン分会は、職場の団結・解雇撤回闘争の勝利のために、共に闘う仲間の連帯・共闘を拡大します。同時に、非正規職撤廃の全国的な大運動を大いなる野望をもって進めたい! つくりましょう! 全国各地域で、また、関西地区生コン支部に負けないで、膨大な未組織・非正規をかかえる生コン・建設運輸産業で、何より合同一般労働運動において。だからこの〈支援・連帯共闘〉は自ずと国鉄闘争全国運動とひとつです。
地域・産別・上部団体の違いを超えて多くの労働組合から東京地裁への要請個人署名と団体署名が寄せられています。昨年末の組合破壊、解雇攻撃以来3・11一周年をまたぐこの間の鈴コン分会の闘いは労組回りでは徐々に知られてきています。誰もが話を聞けば、いったんはとんでもない会社だと言い、次の瞬間、これは社会に蔓延している姿であり、たった数人の小さな分会が、職場で団結だけを武器にして真っ向直球勝負して勝ちぬいていることに大きく揺さぶられます。鈴コン分会のように「労働組合、団結、人間の本来あるべき姿を甦らせなきゃだめだ!」と。その中から「共闘会議に出席する」という組合も出てきています。
よく聞かれるのは「鈴コン分会は、どのような組合?」です。われわれ鈴コン分会は、胸を張っていつも「動労千葉とともに闘う組合です」「職場では非正規職の3カ月雇用ですが、仲間と団結して闘っています」と答えます。いまだ職場で、多くの非正規労働者が辛い思いをし、悔し涙をのんで立ち上がれない中で、労働組合の団結の本当の素晴らしさ、真の姿を、まだ見ぬ何千万の仲間に感じてもらいたい、それは難しいことじゃないと思います。労働者を信じて、仲間を信じて職場で団結して闘えば、すぐにわかるし感じられると思う。なぜならもうガマンなどできないじゃないですか。資本家たちに「あなただけに手当をやる」と言われても、原発と同じでウソばかり。こんな社会にしたのは、資本家に最大の責任があるけれど、闘わない労組幹部も共犯です。今、こんなことじゃダメだと多くの労組に火がつき始めています。徹底的に職場にこだわりぬき組織しましょう。どこまでも団結を拡大すれば、世界は俺たち労働者のもの。外注化阻止、非正規職撤廃、偽装請負粉砕、反合理化・安全闘争で労働組合を甦らせ、国鉄闘争全国運動6・10全国集会に向かって組織し飛躍をかけて闘おう!!
なお、この原稿の3倍くらいの文章が『労働法律旬報』4月下旬号に掲載されています。俺たちも「労働者の誇り」をあくまで死守しながらだけど、もっとビッグになろうぜ!

(写真 鈴コン闘争支援・連帯集会に195人【3月24日 東京・赤羽会館小ホール】)

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ひめじょおん−女性部から

橋下の教育民営化と首切りに絶対反対の闘いが始まった

大阪市教組 沼田 祐子 

 大阪から新たな不起立闘争が始まりました。今年の闘いは、橋下「教育改革」やそれを推進する体制内労組との激しい攻防を闘う職場闘争です。体制内労組は橋下・市教委と闘うどころか、多くの現場労働者の思いを「式場外へ」と押さえこみ、頭を下げて闘わないことで新自由主義を推進する協力者へ成り下がりました。絶対に許せません。
今大阪では労使アンケート調査や組合事務所の撤去、橋下が口にしたことが翌日には現場に下り、毎日が橋下「教育改革」や「服務規律見直し」との攻防です。橋下がやろうとしていることは決して子どものためではなく、学校を大資本の金儲けの場にする「教育の民営化」です。すでに府立高では、「私学の無償化」導入で定員割れ学校が続出(160校のうち49校が定員割れ)、この4月から公立小中の学校選択制保護者説明会が区内で実施され9月には大きく方針化。そして2014年度に実施予定(小中校で101校統廃合へ)。アメリカの落ちこぼれゼロ法と同じやり方で半分の教員の分限免職という攻撃が始まったのです。だから橋下は不起立処分を愛国主義的立場からではなく、職場支配権を奪い取るものとして行ったのです。橋下は不起立者が出たことに対し「大人の知恵がある。立ちたくなければ(休む、式場外に出るなど)大人の対処法がある」と言いました。これが橋下の本音で、市教委や管理職、そして体制内労組はあげて「不起立させない」陣形を組織し、学校に分断を持ち込み、闘う者を排除するやり方を取ってきました。国鉄分割・民営化型の攻撃と同じで、市教組本部の裏切りと積極的加担を導き出すことで職場・分会の団結を破壊することが狙いだったのです。「従わない者は研修所送りとクビ」の脅しと処分をすれば労働者は黙ると高をくくり、組合の裏切りとセットで絶望と閉塞感を組織しようとしたのです。でもたった一人の絶対反対の闘いがこの狙いを打ち破ったのです。

 徹底論議を組織

 まずは職員会議やあらゆる機会に全職員に(非組や他労組の人にも)「橋下の『教育改革』と労組破壊攻撃はみんなの問題です、絶対反対で闘おう」と反対意見を積極的に引き出しながら論議を組織しました。この中でこれまでの分会の団結の中身も問われました。組合執行部は「不起立するな」という管理職と同じ言葉で「現場に混乱持ち込むな」「やめて下さい」と感情丸出しで絶叫してきました。入学式では、職務命令の乱発と監視付きで職員室に監禁。こんなやり方でしか現場の怒りを押さえつけることができなかった橋下は完全敗北です。「あんなの組合じゃない」「組合の密約政治は許せない」と抗議の声もあがり、職場における分岐が始まっています。そしてみんな元気です。
いよいよ不起立闘争から橋下・新自由主義との全面対決が365日日々闘争として始まりました。ロサンゼルス統一教組(UTLA)の〈教育の民営化と9500人解雇攻撃〉との闘いと同じ闘いです。だから私の処分撤回闘争の旗印は「処分と闘わない組合は組合ではない」「ランク&ファイルでtake over(闘わない労組にとってかわろう)」です。みなさん! 日教組を変える全国の闘いとして開始しよう。共に闘いましょう。

 

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 

 3月17日に行われた第11期労働学校基礎講座第12回(テーマ「現代の帝国主義」講師島崎光晴)の受講生の感想文を紹介します。

●郵政労働者
大恐慌の中で資本家が資本主義社会を延命させようとしていることがわかった。(中略)特に韓国のサムソンのひどさにはあきれてしまった。非正規化した上に正規職も不当な人事評価によって辞めさせていること、日韓の労働者は団結してこのようなことをやめさせることが大切だ(中略)日本郵政の前社長の西川のように他の企業、組織体で私物化にして自分の利益にしていることに対しても怒りをおぼえる(後略)
●合同労組組合員
パリバ、リーマン・ショック以来、今日までの流れで、ギリシャ、欧州危機が本格的な大恐慌になっていることを全体構造としてつかむことができた。米・大手資本、GM、クライスラーの経営破綻―国有化は、やはり今日の東京電力のような大資本と国家が一体となっている構図になっているのがわかった。
そのうえで新自由主義論を今日ますます鋭く展開しないといけない。(中略)時代認識を労働者が「そうだ」と思うものに、闘いを通してつくりあげなければならない。
●JR労働者
(前略)「なぜ大恐慌になるのか?」「労働力を商品化した資本主義社会と大恐慌にどんな関係があるのか?」よく理解することができた。(中略)資本主義が終わらないかぎり、大恐慌は回避できない問題だ(中略)今回、「金本位制」を初めて学んだが、金と交換できなくなってきている今、日本の紙幣はもはやただの紙切れにすぎないのではと思った。国がテレビなどで言っている「復興」や「社会の経済」など、まっぴらウソだ。今こそ労働者が社会の主人公であり、最高の宝だというのを証明する時だ。
●合同労組組合員
恐慌についての理解が整理されてきました。(中略)工場閉鎖された大企業が日産座間工場ぐらいだというのは象徴的でした。過剰資本、過剰生産力の内容をもっと学びたいと思います。
国家財政の破綻が問題になっているが、国に金を貸しているのが銀行であり、それが破産するなら大いにけっこうだという提起や、労働者や学生の借金がオキュパイ運動でチャラになるんだという提起も、ダイナミックで骨太な論理でものすごくわかりやすかった。シンプルな疑問が革命運動、労働運動には絶対必要。
(中略)アメリカの没落はアフガン撤退で加速され、中近東での支配が崩壊し、それが米国債の格下げにつながり、世界的に波及しているという事態は、国の破産が全世界でテーマとなっているということであって、情勢、時代は来るところまで来たなという感じです。(後略)

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●第12期労働学校日程
■基礎講座
5月19日(土) 13:00〜
◆階級的団結論−労働者の生き方
◆講師 森尾誠(社会問題研究家)

■実践講座
6月23日(土) 13:00〜
◆私が職場でやったこと
◆講師 布施宇一(動労千葉顧問)

■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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■すべての原発を廃炉に――愛媛県職労の取り組み

中村 圭司 愛媛県職員労働組合 副執行委員長 

 愛媛県には、四国電力伊方原子力発電所に3基の原子炉が存在します。すべて加圧水型軽水炉で、1号機は建設後34年経過の老朽原発であり、3号機にはMOX燃料が装荷され、プルサーマル発電が導入されています。 愛媛県職労は、自治体職員に求められる「原子力災害対策業務」に関する安全衛生の確保の面から、伊方原発の停止・廃炉を求め、取り組みを行っています。
大震災と原発事故の進行する中、職場の課題として、組合が向き合うことになったのは、被災地への業務としての職員派遣要請でした。現地の状況・具体的業務も不明な状況での業務の要請に対し、当局に対する申し入れ、安全衛生委員会での提言等を行い、〈@職員の安全衛生は第一であり、過重な勤務とならないよう配慮し、派遣の可否は職員の意志を尊重する。A安全が維持できない・危険である場合には、職員自身の判断で撤収・避難してよい。B被曝のおそれがある地域への派遣については長期化を避け、線量計を貸与して被曝線量を当局の責任で管理する〉等、最低限の項目ですが、業務の責任は当局にあることを明確にし、職員を送り出しました。
福島原発で進行する事態は、これまで私たちが訴えてきたことを最も残念な形で明確に証明することとなりました。原発で働く労働者は、自らの被曝を覚悟しながら全力で原発の暴走を止めようと奮闘する。周辺で働くあらゆる職種の労働者は、放射能の恐怖と闘いながら、力を合わせ、助け合いながら生活を維持していく。原発の存在がある限り、絶対に避けられない事態なのだと痛感しました。
(写真 伊方原子力発電所ゲート前集会。右側の自動車の前に県職労の横断幕【3月11日】)

 安全衛生問題から県に原発廃炉要請を要求

 原発をなくさなければ生活も職場の安全も確保されることはない。職場の課題として原発をなくす取り組みを、組合として取り組むことを決定し、昨年7月14日、県当局に「原子力災害対策業務に関する申し入れ」を行い、〈@原子力災害対策業務においては、職員の労働安全衛生が守られることがなく、ただちに伊方原発を停止し、順次廃炉にするよう、四国電力に要請すること。A原発は、停止後も廃炉までには数十年の期間を要することから、原子力災害対策業務に従事する職員全員に対し、高度な機能を有する防護服、線量計等、その他放射線防護に必要な資機材を確保すること。B原子力災害対策業務の命令にあたり、将来にわたる職員の健康・生命が保障されないような業務命令を行わないこと〉の3項目を示し団体交渉を求めました。
当局は文書(9/7付)で「災害応急対策にあたる職員の安全衛生を最優先に考えており、直ちに伊方原発の停止、順次の廃炉を四国電力に要請する考えはない」と回答。「職員の安全衛生を第一に考える」ことと「原子力発電所の継続=原子力災害対策業務に従事させる」ことは明らかに矛盾しており、あらためて具体的事項を示しての申入れを10月11日に行いました。具体的項目として〈@職員を派遣するとしている「オフサイトセンター」はどこになるのか。A「災害応急対応として国の指示のもとに行う住民避難の支援や緊急時モニタリングを行う」場合、被曝を免れない環境の中で、どのように職員の安全衛生を確保するのか。B「被曝の可能性がある場合は防護服等適切な防護体制を確保」としているが、装備内容と配置数を示せ。C福島県で行われている「公益立ち入りにより実施する災害等に関する業務」の業務実態の把握。D福島県策定の「警戒区域において業務に従事する職員の安全衛生に関するガイドライン」等を参考に愛媛県におけるガイドラインの作成に着手すること。E原子力災害対策業務に必要な施設等の予算確保と早急な整備(項目略)F電離放射線防止規則、人事院規則10の5【職員の放射線障害の防止】の遵守(ただし、福島事故後の特例は除く)〉を掲げ、最後に〈G原子力災害対策用務においては労働安全衛生を確保することは困難であり、「職員の安全衛生を考え」れば、伊方原発は廃炉にするしかない。直ちに伊方原発を停止し順次廃炉にするよう、四国電力に要請すること〉とあらためて伊方原発の廃炉を要求し、団体交渉を求めました。
当局は、「被曝の可能性がある場合は防護服の着用等適切な防護体制を確保したうえで業務にあたることとしており、伊方原発を停止し、順次廃炉にするよう四国電力に要請する考えはない」(抄)との文書回答を行いながら、団交は3月27日の開催となりました。
当局は交渉冒頭から「危険な職務命令は絶対に行わない」と明言しましたが、具体的項目を追及すると、どのように安全が確保されるか具体的根拠はなく、「防護服」タイベックスーツがどのような物で、どこに何着配備されているかさえ明確に示すことさえできません。さらに、2月16日に自衛隊艦艇まで動員して実施された「広域避難訓練」を受けて出された「原子力防災対策における当面の方針について(案)」を基に、職員の実務内容を確認しましたが、これについても明確な回答はなされなかったため、モニタリング・被曝誘導・スクリーニングや被ばく医療等における県職員の役割はどうなるのか、次回交渉時には詳細を明らかにするよう求めました。また、この「方針(案)」には、参加した各機関・個人の「実際に事故の時に対応ができるのか」「避難できるわけがない」というような意見が多数出ていることも明らかになっています。交渉継続の中で安全の確保など不可能だと具体的に明らかにしていきながら、職場の課題として伊方原発の再稼働阻止・廃炉を闘っていきます。

 労働組合の力で反原発の闘いを広げよう

 3・11には、県職労として福島集会に3人を派遣、愛媛では伊方原発反対集会・デモに参加し、それぞれ「伊方原発の再稼働NO」、「伊方原発を直ちに廃炉に」の横断幕を掲げてアピールを行いました。横断幕は、松山在住の元沖縄反戦地主久保田さんからいただいたものです。地元愛媛新聞には、横断幕とともにゲート前集会の様子が掲載されました。労働組合の反原発の取り組みが伝わることで闘いが広がっていくことを期待します。
政府は、大飯原発の再稼働がとん挫する状況の中で、伊方原発再稼働にシフトしようとしています。
労働者の安全衛生の課題として、職場の仲間と団結を深め、地域の仲間とともに、再稼働阻止、すべての原発をなくす闘いを進めていきたいと思います。ともに頑張りましょう。

 

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■新自由主義との闘いの勝利に確信
責任勢力への飛躍を決意

 東京、神奈川で交流センター総会

●4・1対JR総行動を闘い、東京労組交流センター第17回総会を勝ちとる!

三多摩労組交流センター 徳永健生 

 4月1日、文京区民センターで開催された東京労組交流センター第17回総会は、「2012年を交流センター組織拡大へ、労働運動の責任勢力へと飛躍する1年間とする」ことを、ガッチリと誓い合う熱気あふれる総会となりました。
午前中は、JR東日本本社のある新宿駅南口を中心に、中野駅、錦糸町駅でJR資本を弾劾する街頭宣伝を行いました。動労千葉の川崎執行委員がマイクを握り「検修職場の外注化を阻止した」勝利を報告するとともに、分割・民営化絶対反対・外注化阻止のさらなる戦闘宣言をたたきつけました。この怒りの行動を引き継いで、午後の総会は、3・11の大反動と闘い職場で奮闘してきた会員たちが、「新自由主義は、闘えば勝てる」、この実践が次々と語られる場となりました。
特別報告に立った西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の仲間からは、「3カ月雇用という労働者を団結させない資本の攻撃に対して、首を覚悟することから始めた。組合結成を怒りと正義で勝ちとった。職場は力関係で決まる。団結して職場を変えようと腹をくくった。法律とか関係なかった。奴らは団結できない。金だけだから」と、解雇撤回・職場復帰へと突き進む労働者の意気込みが示されました。さらに郵政非正規ユニオンの仲間からは、「青年労働者の未来をかけて、郵政非正規ユニオンの1000名建設を勝ちとろう」と檄が発せられました。非正規=いつでも解雇という形をとって労働者を団結させないことが、資本の狙いそのものです。「団結して闘えば勝てる」ことを彼らの闘いは身を持って示しました。正規・非正規の分断をのりこえる現場労働者の団結の形成こそ最大の課題です。東京労組交流センターは、この両労組の闘いを非正規職撤廃の砦としてうち固め勝利することを総会の名をもって決定しました。
そして、1年間の反原発×反失業闘争の闘いの中から、新たな仲間の結集を勝ちとりました。来賓の挨拶に立った部落解放同盟全国連合会杉並支部からは青年労働者が「部落差別は労働者階級への分断攻撃に本質がある。階級的労働運動の発展をともに勝ちとる」と力強いアピールが発せられました。総会の場で確認したように反原発・日帝の核武装阻止の闘いに全力で取り組み、青年労働者の組織化へ進むことを決意します。
最後に、総会方針で確認した「6・10国鉄集会や11月労働者集会は、交流センター全体が職場で怒りを組織し、現場で資本・当局との闘いを一歩でも二歩でも前進させて、それを本当に一つの大きな反乱にまとめあげていく闘いである。いよいよ2012年、勝負しよう」―これを東京労組交流センターの決意として闘おう!
(写真 110名が結集した東京労組交流センター第17回総会)

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●さらなる運動と組織の変革を―4・15神奈川労組交流センター総会報告

神奈川労組交流センター事務局 

 4月15日、横浜市南区中村地区センターにおいて、神奈川労働組合交流センター第23回総会を開催しました。各地区・ブロックの会員をはじめ、多くの来賓の参加もいただき、48名で成功裏に勝ちとられました。
庄山副代表はじめとした2名のデッチ上げ逮捕攻撃(1月11日)との激しい攻防で幕を開けた2012年。反原発・反失業の闘いを、国鉄闘争を徹底的に軸に据えながら、職場・地域で全力で実践してきました。このなかで「やればできる」ということを実感としてつかんだことが発言・報告を通して全体の確信としてはっきりさせられ、2012年の闘いへ向けた新たな出発点の総会として勝ちとることができました。
執行部からの議案提起はきわめて鮮明でした。総括提起では、「1年の実践のなかで労働運動・労働組合はすごい力を持っていることを自分たちが実感していることが大きい。組合には力がある」と総括の核心を提起。情勢提起では、大恐慌−3・11情勢のなかで「われわれだけが資本主義を命脈が尽きたと言い切っている。労働者が社会を運営できるということだ」と簡潔に確信に満ちて提起されました。
闘いの方針では、「問われていることは、労働組合が労働組合の名で新自由主義を推進する構造、県労連の自主交渉・自主決着―震災だから賃下げだというあり方を食い破ることだ。われわれはまだ動労千葉の反合・運転保安闘争路線を職場に適用することに長けていない。職場に根ざしたものに変革していくことだ。運動と組織を変えよう。地区ブロックでの討論がまだまだ足りない。職場・自分の組合にこだわりきる。青年労働者の獲得を。職場闘争と組織拡大の一体的な推進を。少数派根性を捨て闘おう」と課題と突破すべき壁を突き出す提起が行われました。
特別報告として、三浦半島教育労働者部会から三教組役選闘争報告、湘北合同労組からは解雇撤回を勝ちとった仲間が登壇し大きな拍手が起こりました。発言は、青年労働者、闘う国労原告団・成田昭雄さんをはじめ、自治体、教労、全逓、医療・福祉、金属、合同労組からの発言が続きました。議論は、1・11弾圧問題、3・11福島集会1万6千の決起の勝利の意義、さらに「生活保護課」への警察OB導入問題をめぐっての活発で意欲的な討論となりました。「星野文昭さんの再審棄却を弾劾し即時奪還を勝ち取る決議」「生活保護課への警察OB導入を弾劾し白紙撤回を勝ち取る決議」が採択され、最後に全体の拍手で総会議案書、新役員体制が承認されました。
神奈川労働組合交流センターは、三役ならびに常任運営委員会の飛躍と団結の強化を勝ちとり、4〜6月を組織建設・拠点職場建設へ猛然と闘うことを決意しています。全国の闘う仲間の皆さん、ともに闘おう!
(写真 神奈川労組交流センター第23回総会に48名)

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■石川一雄さん不当逮捕49カ年糾弾! 労働者階級の団結の力で狭山再審を!
5・19狭山集会に集まろう

井川 文子 部落解放東日本解放共闘事務局 

 狭山事件の犯人にデッチ上げられた石川一雄さんは、49年間、「真実と正義は必ず勝利する」と非妥協、不退転で闘い抜いている。取り調べの過程でのハンスト、二審冒頭の「俺はやっていない!」の叫び、長期獄中闘争、仮出獄路線を粉砕しての出獄、再審闘争、この石川さんの不屈の闘いと結合した労働者階級の職場からの決起が狭山闘争圧殺攻撃を粉砕してきた。
今、石川さんは三者協議路線下で連続して東京高裁前に立ち、「無実を訴えながら49年間耐えに耐えてきた。裁判官は正義と勇気をもって真実を明らかにするために裁判を開いてほしい」と、権力犯罪を暴き再審へ向けて訴え、闘う労働者を鼓舞している。一昨年、開示された「上申書」は石川さんは無実の決定的証拠だ。石川さんは無実だ。石川さんの非妥協の闘いと一つになって、職場・地域から狭山闘争、第3次再審闘争に決起しよう。

狭山闘争を労働運動復権の環に据え直そう

3・11福島集会、3・18八尾北・西郡闘争を闘い抜き、5・24八尾北医療センター明け渡し判決の直前という重大情勢のただ中で2012年5・23狭山闘争が闘われる。国鉄闘争と反原発闘争を基軸に、職場生産点・地域で階級的労働運動の復権を闘いとろうとする交流センター運動にとって、新自由主義攻撃の攻防点をなす狭山闘争を労働運動復権の一つの環に据え直して闘うときを迎えている。
狭山闘争と労働運動をめぐる動きを見てみよう。(年表参照)
石川さんデッチ上げ逮捕−狭山差別裁判の強行は国鉄闘争と安保闘争の爆発への反動だった。職場・キャンパスから青年労働者・学生の国家を揺るがす決起が巻き起こり、国鉄・全逓労働者のマル生粉砕の職場生産点からの決起と一体となって狭山闘争も高揚した。1974年、裁判史上最高、11万人の労働者が東京高裁を包囲した。この大高揚の中で10・31寺尾差別判決・無期懲役が下されたのだ。
「石川さんは無実だ! 部落差別は許さない! ひとりは万民のために、万人はひとりのために」と階級性を発揮して労働者は職場生産点で闘いつつ、狭山闘争に決起していった。労働運動、部落解放運動を体制内の枠に押しとどめようとする策動や差別・分断を現場から打ち破っていく労働者階級の力ある決起に寺尾・資本・国家権力は恐怖した。だから狭山闘争を何としても解体しようとした。

 狭山闘争は、新自由主義との激しい攻防点

 74〜75年恐慌が爆発するなか、日本帝国主義は、「戦後的諸権利」を根こそぎ奪う労働者支配、新自由主義政策に転換した。その狙いは労働者階級の団結をなす労働組合を破壊・解体することだった。そして80年代、国鉄労働運動解体を目的とした国鉄分割・民営化攻撃と一体で、部落大衆から既得権と生活・生業を奪い、社会的紐帯をも破壊する地対協攻撃をかけてきた。
地対協攻撃は戦後部落政策の転換だ。団結の解体と労働運動の解体を核心とする地対協路線は今日の外注化・非正規職化、同和住宅解体の攻撃として続けられてきた。狭山闘争の解体攻撃でもあった。しかし、自治体労働者、教育労働者の労働現場では狭山闘争は営々と取り組まれてきたのだ。労働者が職場から部落大衆の闘いと一つになって国家による部落差別・分断支配攻撃と今日まで闘ってきた。それは狭山闘争が国家権力と非和解の闘いだったからだ。狭山再審の棄却と国鉄闘争をめぐる動きが連動してかけられてきたことを見よ。狭山闘争は新自由主義との激しい攻防点になっている。
部落差別は資本主義がつくりだしたものだ。部落解放運動は人間解放を実現する闘いだ。狭山闘争はその環だ。狭山闘争は、資本と絶対反対で闘う階級的団結形成の闘いそのものだ。職場から闘う労働組合を甦らせよう。狭山闘争の勝利はそこにある。国鉄闘争と反原発・反失業闘争・非正規職撤廃を闘い、狭山闘争に勝利しよう。

 八尾北・西郡闘争と一体で狭山勝利へ!

 3月18日、八尾市西郡に全国から600人が結集した。11年間と15年間、民営化・労組つぶし・更地化攻撃と闘い抜いてきた八尾北・西郡闘争が橋下・道州制粉砕への闘いののろしを上げた。すべての参加者が、生きるために闘う、生きるために団結する根底的闘いに感動し勝利を確信した。そうした中での4・19西郡への住宅明け渡し強制執行の強行を断じて許さない。西郡支部の岡邨支部長は「私たちの持っている最大の力は団結だ」と強制執行粉砕の勝利を語った。住民と八尾北労組の団結は住宅明け渡し強制執行の狙いを粉砕しているのだ。八尾北・西郡闘争は「革命に向かうソビエト的拠点建設」をかけた闘いだ。諸階層人民が生き抜くための結集体だ。団結があるところには希望と生きる勇気が生まれる。この力で狭山闘争勝利へ!
5・19狭山集会に集まろう!

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●5・19狭山集会

と き 5月19日(土)18時30分開会
ところ 南部労政会館(東京都品川区大崎1-11-1)
主催 部落解放東日本解放共闘

――狭山闘争関連年表――

1963.5.1 狭山市で女子高校生誘拐殺害事件発生
5.23 石川一雄さん、犯人にデッチ上げられ不当逮捕(24歳)
1964.3.11 浦和地裁(内田武文裁判長)死刑判決
9.10 第2審(東京高裁)第1回公判で「俺はやっていない」と無実を訴える
1969.7  同和対策事業特別措置法施行
※60〜70年代にかけ国鉄・全逓労働者へのマル生攻撃
1974.9.26 狭山11万人決起、東京高裁を包囲。日比谷公園を埋めつくす
10.31 寺尾判決−無期懲役を下す
1977.8.9  最高裁上告棄却
9  石川さん、千葉刑務所に収監
1980.2.7  東京高裁再審棄却
1982.4   地域改善対策協議会設置
1982.7.30 第二次臨時行政調査会基本答申。国鉄分割・民営化攻撃
1986.8.21 第2次再審請求(1999.7 棄却)
1989.11.21 総評解散、連合結成
1994.12.21 仮釈放路線を粉砕して仮出獄勝ちとる
1996.5  公営住宅法大改悪
1998.4  応能応益家賃制度施行
2006.5.23 第3次再審請求
2009.2.26 森本さんへの住宅明け渡し強制執行、八尾北労組がストに決起
2009.9.10 民主党・連合政権下で狭山解体攻撃としての三者協議(第1回)
2010.4.9  「4・9」国鉄闘争解体攻撃
2011.3.11 大震災・原発事故

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●読者のページ

●東京の交流センター総会に参加した青年労働者の感想

東京・中部労組交流センター 原由美子 

 4月1日に行われた東京労組交流センターの総会に、青年労働者のTさんが初めて参加してくれました。
午前中の新宿駅前のJR東日本会社への抗議ビラまきからの参加です。
Tさんは、昨年11月後半の新橋アクション(東電デモ)にビラを見て初めて参加してきてくれたのです。
Tさんは、自分のことを、次のように話してくれました。
「2008年リーマンショック後の年末、大量の派遣労働者が雇い止めになった時に、トヨタ系列の工場から雇い止めされ、寮からも追い出されました。同じ敷地内には、現場は違うけど、秋葉原事件の青年が派遣されていた工場もありました。その後、次の派遣先からも切られて、その時たまたまテレビで見た『派遣切りホットライン』に電話し、ある労働組合を紹介されたんです」「その時までは、労働組合なんて自分には関係ないかも…と思っていました」。現在もその労組の青年部で活動しています。
自分や仲間を切り捨てた資本家、カネ儲けのためにデタラメをやり続けてきた東電へのTさんの怒りは激しく、3・11郡山集会にも、中部の仲間とともに参加、仕事のない時には、どしどし行動に参加しています。
総会については、「詳しいことはよくわからなかったけど、労働運動の力で、ひとつでも多くの勝利を勝ちとりたい、そして、経営者たちが牛耳っているこの社会をひっくり返したい、そう思ってる人はたくさんいると思いますよ」と力強く話してくれました。

●本多延嘉さんの思想

東京 木暮翔太 

 むちゃくちゃ古い本の話で恐縮ですが、『討論70年をどうする』(1969年5月)という、当時の新左翼諸党派の代表による16時間に及ぶ討論をまとめた本を手にとってみました。革共同前書記長の本多延嘉さんの生議論≠ェ収録されていて興味深く頁を繰ったのです。
国労―総評をめぐる攻防の位置付けとか、その攻防の矛盾の条件を重視して既成の労働組合運動の中から独自の思想系列、闘争系列を強化していく提起とか(本多さんはこのやり方は43、4年段階でイタリアのファシスト労働組合の内部で、トリアッチらがとったやり方だと語っている)理解が深められる点が多かったのですが、一番感動したのは全逓のブツダメを例に出して語っているところでした。
本多さんは、全逓の青年労働者は「嬉々として闘争をやるんだよ」「頭に来るか
ら、要するに日頃の憤懣を爆発させる過程としてブツダメや何かをやるんだね」「彼らがやっちゃうのはね、日頃『あの職制の野郎!』と思っているだろう? その職制がブツが溜まって来ると慌て出す。この瞬間を見たいばっかりに俺はやったとかね、これを機会に一発ブン殴ってやったとかね。そういうふうにして現れて来る」と紹介したうえで、最後以下のように強調しているのです。
「日頃抑圧されて来た不満の爆発、あるいは一つのもっと大きな未来に向かっての希望ね、ここで何か俺たちの時代が来るんじゃないかという、こういう過去の憤満、未来への期待というものが、闘争を引き出して行く非常に大きなバネとしてこれから出て来るだろう。それだけの力を、僕は労働者というものは持っているんだと思う。
そこまで労働者を信頼し切るか、し切らないかというところに、問題は最後は絞られて来るんじゃないかと思う」
本多さんはこの討論の約1カ月後、4・28沖縄闘争直前に破防法で逮捕されます。
自分は、こうした思想を活動を始めてだいぶ経って中野洋さんらから初めて知る≠ゥのように学んできたわけですが、あらためて動労千葉や労組交流センターという「独自の系列」に脈々と流れる「労働者への信頼」とは、反スターリン主義・革命的共産主義運動の創設者の魂からつながってきているのだと再確認をさせられたしだいです。

●新自由主義とたたかう労働組合の学習会―5・18「秘密保全法に反対する」にご参加下さい

ユニオン東京合同 

 国会に「秘密保全法」案が提出される見通しと報じられています。「国の存続にかかわる重要な秘密」を「特別秘密」に指定し、この漏洩に関わった者に重罰を科すというものです。「我が国を取り巻く厳しい国際情勢の下で国及び国民の利益を守るためには、政府による秘密保全を徹底することがきわめて重要」だと言います。原発事故情報を徹底して隠蔽し、住民の命と健康を危険にさらし続けているこの時期に、よくこんなことを言うものです。とんでもないことです。
1985年の「国家秘密法」の時と異なり、まだまだ反対の声は弱い状態です。白紙撤回させるための行動が絶対に必要です。ユニオン東京合同はムスリム違法捜査弁護団の山本志都弁護士を講師に迎え、学習会を行います。是非、参加して下さい。

 5月18日(金)19〜21時

 東京・西神田コスモス館(東京都千代田区西神田2-6-2 水道橋駅から徒歩5分神保町駅から徒歩7分)

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読者のページに投稿を
  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

 
▼記事・論文や読者のページ投稿(800字程度)熱烈募集!! 書評、映画評、各地区集会案内や出版物宣伝も大歓迎!ていうか原稿来ないと泣きます▼機関誌拡大具体化を決意す(う)

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Photo Document 2012年3月〜2012年4月

 

市東さん農地死守の闘いと福島の怒りが結合!

3・25千葉

三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が東峰十字路北の市東孝雄さんの畑を会場に、全国から1055人の結集で勝ちとられた。集会横断幕には「原発再稼働許すな! TPP反対! 農地取り上げ阻止!」のスローガンが高々と掲げられた。

原発再稼働阻止! 核燃なくそう!

4・7青森

2012年「4・9反核燃の日」闘争は、野田政権の原発再稼動突破の攻撃と対決し、青森市内での全国集会に1146人を結集して闘われた。NAZEN隊列も元気にデモに出発。デモの終わりには小雪が吹雪に変わったが、それに負けずにデモは打ちぬかれた。

不当弾圧許すな! 千葉県警徹底弾劾に決起!

4・15千葉

千葉県警は、4月12日早朝、ちば合同労組の組合員A君を「電磁的公正証書原本不実記録・同共用」をもってデッチ上げ不当逮捕した。A君を拘束する千葉中央警察署に、ちば合同労組青年部を先頭に40人が怒りの抗議行動を行った。(21日に勾留延長)

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