「月刊労働運動」 2012年/07月/01日(No.268号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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・ ■労働者の目 原発再稼働に新自由主義の本質がみえる 分 勝之 常任運営委員 動労水戸副委員長
・6・10国鉄集会の地平と首相官邸前4万5千人の怒りを、7・16反原発集会の大爆発と10・1外注化阻止、JR青年労働者の総反乱に転化しよう  飯田英貴 事務局長
・【特集 反原発、反戦・反核闘争の大高揚を!】
 7・16反原発10万人集会を大成功させよう 結成から1年を迎えて  「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(NAZEN)織田陽介事務局長に聞く
・7・22反戦反核東京集会に全力で結集しよう!  三角 忠 8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会 事務局長
・フクシマの怒りとひとつになり被爆67周年8・6ヒロシマ大行動に参加しよう

・ 韓国・民主労総金属労組KEC支会 日本遠征闘争の教訓  吉本伸幸 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 書記長

・ 7・26〜27国労第81回定期全国大会に向かって  10・1検修外注化決戦勝利! 国労を現場組合員と青年の手に取り戻そう!   吉野元久 副代表、国労上野支部

・民営郵政の事業危機・赤字論と JP労組中央の労使一体化路線を打ち破り、階級的全逓労働運動の復権へ  岩本正治副代表(全逓労働者部会)に聞く

・第19回女性部定期全国大会報告   国鉄決戦を軸に、今こそ非正規女性労働者の本格的組織化へ  女性部事務局長 辻川 あつ子

・鈴コン闘争勝利、組織強化拡大へ新たな体制・「規約」を確立―全国協第3回臨時大会 小泉義秀 合同・一般労働組合全国協議会 事務局長

ひめじょおん−女性部から 原発の再稼働を許さない!  みやぎ連帯ユニオン 下浦慈子

読者のページ

●マンガ /編集後記

月刊『労働運動』(268号1-1)(2012/07/01)

■労働者の目

 原発再稼働に新自由主義の本質がみえる

 国分 勝之 常任運営委員 動労水戸副委員長

 6月16日、大飯原発の再稼働が正式に決定された。これに先立つ6月8日野田首相は「国民の生活を守るために再稼働する…私が責任をとる」と言い放った。この報を福島の人たちはどういう気持ちで聞いたのか。テレビ番組のコメンテーターでさえ「野田首相に責任がとれるのか。福島県民も国民ではないのか。福島の生活は守ったのか」と述べざるをえなかった。5月5日、日本中の原発を止めたのはまぎれもなく原発に反対する人民の力だった。この現実に日本の支配階級は心底恐怖したのだろう。「人民の力で世の中は動かせる」ことを絶対に放置してはおけない、そうした階級の強力な意思が安全性などそっちのけのなりふり構わない再稼働を強行させたのではないか。
 しかし、この現実はあまりの余裕のなさにまったく説得する論理を持たず、国論を二分する議論はより大きな問題を抱えてキャリーされたに過ぎない。より大きな問題とは、「もしかするとこの国のやっていることはみんな原発と同じことではないか」とみんなが気づいてしまうことだ。資本主義がすでに破綻しており、その目先の延命をかけてなりふり構わない政策をとっていること、新自由主義とはそういう断末魔の叫びであることだ。
 JR東日本の検修・構内の全面外注化は、10月1日実施予定と打ち出された。しかし、水泥棒よろしく発電所の水を勝手に取水して御法度となり、社内外にコンプライアンスを打ち出したのはどこのどいつだったのか。JR東日本は、今度は「偽装請負」という違法行為を百も承知で強行しようとしている。金儲けのためなら法も規制も関係なしか。関越道のバス事故は規制緩和のあり方に今ごろになって大騒ぎしているが、尼崎事故の教訓がそういうことではなかったのか。資本の救済のためなら、金儲けのためなら、なんでもアリ。それが新自由主義なのだ。
 われわれは、少し前に気がついていた。だから力強く訴える。新自由主義の中では労働者は生きられない。ぶっ倒してしかるべきだ。そしてその力は、すべての原発を止めたように、人民の中にこそある。労働組合は、その力の束ね役だ。年配の活動家は生涯をかけて青年が決起する水路を作ることに専念しよう。青年はいまこそ世界を獲得しよう!
(写真 「原発ゼロの日 さようなら原発5・5集会」でデモに立つNAZEN(【5月5日 東京】)

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月刊『労働運動』(268号2-1)(2012/07/01)

6・10国鉄集会の地平と首相官邸前4万5千人の怒りを、7・16反原発集会の大爆発と10・1外注化阻止、JR青年労働者の総反乱に転化しよう

 飯田英貴 事務局長

 6月22日、4万5千人が首相官邸前に集まり、「原発再稼働反対」の抗議行動を闘いました。数百人から始まった行動が、10万を超える大衆行動に発展しようとしています。
なにより参加者が20〜40歳代と若い。「もういても立ってもいられないと思って職場の人を誘ってみんなで来ました」(28歳事務員)などみんな本気です。シュプレヒコールは「再稼働反対」の一本。2時間それだけを首相官邸に向け、声を限りに叫んでいます。
 再稼働決定への即時的怒りだけではなく、この間の福島第一原発事故をめぐる政府の対応、消費税問題、雇用問題などさまざまな怒りが積み重なったものが対政府直接行動として爆発しています。参加者には絶望もあきらめもない。引き下がるという選択肢がない。
 交流センターもこの怒りと共に総力で「再稼働反対」を闘おう。首相官邸前行動から7・16反原発10万人集会へのぼり詰めよう。
 解雇、増税、原発、非正規職化、日本の支配階級は現状打開の積極的方針を何一つ打ち出すことができません。一方で、3・11以降みな国家のウソを身にしみて感じています。この怒りと決起の中に労働組合を復権させよう。この怒りは必ず職場に環流します。資本の職場支配と、「妥協」や「妥結」や「言い訳」を当たり前にしてきた既成の労働組合のあり方を根本から吹き飛ばす情勢が来ています。連合の支配そのものが青年の直接の怒りの標的となるときが来たのです。だからこそ闘う労働組合の可能性を、理屈ではなく職場からの闘いを通して示している国鉄闘争全国運動6・10集会の地平が決定的なのです。この道をトコトン進もう。
 もうひとつ。交流センター全体がJRとの闘いに突っ込むことです。原発事故以降、もう一度JR資本が階級支配の中軸を担おうとしています。6・10集会では、JR東日本による検修全面外注化の10・1実施強行との対決が打ち出されました。日本の労働運動が外注化・9割の非正規職化と闘って団結を固め、闘う労働組合が組織拡大できるのか。階級的労働運動の命運をかけた闘いです。
 起こっている事態は異常です。東労組本部の側から「10・1実施」が打ち出され、5月中旬から約1カ月、7回の本社交渉という異例のスピードで妥結しました。また、国労東日本も東労組と競い合うように本社交渉を重ね、「外注先での労働条件をJRと同じにしろ」という受け入れ前提の提案を行い、妥結に向かっています。
 しかし、今年の4月1日に実施できなかった構造は変わっていません。偽装請負、安全・技術継承の崩壊、1000人以上になる強制出向・転籍の問題は何一つ解決していません。敵の最大の弱点は、東労組幹部が平成採を資本に売り渡すことを決断したということです。
 このことに腹の底から怒り、JR東労組内の平成採の決起を、動労千葉青年部、動労水戸の青年、国労の中で闘う平成採と共につくり出すことです。東労組の青年の気持ちをつかむことができるかどうか。交流センターとして新たな挑戦です。展望は現場にあります! いざ勝負に出ましょう。

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月刊『労働運動』(268号3-1)(2012/07/01)

【特集 反原発、反戦・反核闘争の大高揚を!】

 7・16反原発10万人集会を大成功させよう

 結成から1年を迎えて

 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(NAZEN)織田陽介事務局長に聞く

 聞き手・構成 編集部

 フクシマを据えて再稼働反対を貫く

 ひとつは今の再稼働を絶対に許してはいけないということと、再稼働を阻止する闘いを徹底的に突き詰めて、原発を廃炉にしていくということに踏み出していく。
 「国民生活を守る」。野田首相の再稼働宣言は絶対に許せない。消費税増税するやつが何を言うのか。沖縄にオスプレイを配備して、若者を非正規に突き落としているやつが「国民生活」なんてよく言えたもの。福島の当然の原発反対の思いが国民生活を破壊するものであるかのような言い方にハラワタが煮えくりかえりますよね。
 あらためてフクシマの怒りを心から共有して原発に反対をする立場を持つことが大事です。僕らが原発再稼働に反対する理由は、収束してないからだとか、まだ安全基準ができてないからだとか、そんなものじゃない。福島ですべてが奪われている。生き甲斐や働くこと、人間関係も破壊された。農民が種をまく季節になってもまけず喪失感のなかで鬱病になったり自殺に追い込まれる。福島の気持ちに立ってこその再稼働絶対反対なんです。
 もうひとつは、福島大で学生がこのかん再稼働反対署名を持ってクラスに入っているんですけど、僕らが再稼働反対と言っていることが福島の人たちの闘いを鈍らせているなという感触を持ったんですね。本当はみんな反対なんだけれども、親が東電だとか反対できない理由が山ほどあって、そこに僕らが賛成か反対かを浅はかに分けていっちゃう論理で登場したときに「反対だけど、ちょっとな」というものをいっぱい生み出してしまう。「働かないと食えない」という資本主義的な矛盾を楯にして向こうは食えないぞ、再稼働するぞ、とやってきているわけで、そういうありかた総体を全部ひっくり返そうということを怒りを持って訴えていかないと福島が団結していくことはできない。浅はかな反対論を突破して、福島の人たちが団結するための反対論と根底からの怒りで原発に反対していくことが重要だと思っているんですね。
 7・16に向かって歴史的な事態が始まっている感触はあります。3・11郡山1万6000人集会があって、5月5日に稼働原発がゼロになって、大衆の行動が政治を動かしていく過程に明確に入ってきている。再稼働が日本の資本主義そのものの延命がかかった政策として、絶対に向こうも引けない。だけど大衆の怒りはもっともっとわきあがってきている。この関係の中で7・16があるし、原発の再稼働を阻止するということと、それにとどまらずこの社会そのものを変えていくエネルギーが生まれていく可能性を持っている。野田政権をぶっ倒して、政治空白が生まれるような大政治闘争になるってことです。
 NAZENとしては青年労働者と学生が立ち上がる7・16にするというのが今の一番大事な目標です。平和フォーラムは、首都圏で去年の9・19の1・5倍の動員、3万動員をかけています。全労連も3万動員を決定しました。首相官邸前も1万人を超えてどんどん拡大しています。3万動員みたいな枠を労働組合が下からもっと突き破って、もしくはまだ決まっていない地方の動員を主体的に決めていって10万にしていく。7・16で10万人集まったら、誰が原水禁だとか誰が全労連だとか、動労千葉派だとか、これまでの枠組みなんかぶっ壊れちゃう。その先に巨大な反核運動を展望する。僕らがこれに通用するような責任勢力になっていく挑戦。だからNAZENとしては福島と労働組合がひとつの10万人集会をできるように訴えていきます。今までの発想や枠組みをぶっ壊すような10万人集会を僕らの力で成功させていく。そのことで僕らも変わるし、今までの枠も変革していく。そういうものにしたい。
 そのためには、みんなが福島県教組とか国労郡山工場支部になったつもりで闘う。小さい職場でも決議を挙げて自分の労働組合全体にアピールして揺るがしていくような闘いをやっていくことが大事だと思います。平和フォーラムや全労連傘下の労組なら上部団体も決めているわけだから、いくらでもやりようがある。それを徹底的に使うべきです。福島の怒り、何よりも埋め尽くす人波。そういうものを見て、時代をつかんでいく。どん欲に労働組合復権に生かしていく。それが今求められていることだと思います。

 NAZEN結成以来の地平について

 NAZENは、8月5日に結成1周年を迎えますが、ようやく見えてきたという感じなんです。3・11以後まったく新しいことが始まったということだけははっきりしていた。3・11以降起きたことは、ひとつは福島のお母さんたちが立ち上がったことです。文科省にあれだけ詰め寄って占拠しちゃう。本当に僕は感動した。ふたつめは、昨年4・10高円寺の1万5千人から始まる若者の決起です。そして、ちょっと遅れて労働組合が9・19という形で決起した。あれも僕は衝撃的で労働組合は腐ってるとか言われていたってあれだけの力、組織性を持っていて、上から動員が下りてきさえすればすごい力を発揮する。すごいと思ったんです。その3つの力、福島のお母さんたちと若者と労働組合が運動の柱ですよね。NAZENはその3つがひとつになっていけるような運動をどうつくっていくかということを必死に追求して進めてきた。そのなかで全国いろいろなところにNAZENの組織ができていった。福島、ヒロシマ・ナガサキ、沖縄、青森、そして反核運動発祥の地・杉並。自分にとって日本の反核運動のイメージが甦ってくる感じがします。
(写真 相官邸前に4万5千人! 「再稼働反対!」の声が轟いた(【6月22日】)

 5・5稼働原発ゼロと「廃炉」

 一番大きいのは5・5の稼働原発がゼロになったことだと思います。稼働原発がぜんぶなくなったわけだから廃炉のスローガンが出てきたわけです。これはとてつもないことが起きている感じがします。労働組合がこの運動の先頭に立つことができないかぎりは、廃炉というスローガンは運動を前進させるものにならない。「原発を止めろ」とデモしてきて止まった。じゃあ「廃炉だ」と言ってデモすれば廃炉になるかというと、ならないですよね。とりわけ収束作業に当たっている労働者にとって「廃炉」というスローガンが被曝を強制するものであるならば、そんな運動は成り立つのかということが明確に突きつけられている。僕は何とか原発労働者につながりたいと思ってインタビュー(『国際労働運動』8月号掲載)もやったんですけれども。
 もうひとつは今までの反核運動の歴史の問題です。反核運動と反原発運動が別のものになっていることのよさと未熟さ、両方ある。反原発の一点でいろいろな人がとにかく原発なくそうとやっているというシンプルさゆえのエネルギーという面と、敵の側が明確に核兵器と原発を分けて、原発の平和利用はいいよねみたいにしてきた歴史があるわけです。しかもその平和利用論をめぐって反核運動の側も分裂した挙句に原発そのものについては立ち向かえなくなった過程があった。僕はこれを具体的にのりこえる課題として廃炉という問題が見えてきたと思う。だから何とか反核運動をもう一回全人民的なものにしたいという問題意識を持って、廃炉という課題に向き合う。本当に向き合えば、反原発運動がビキニ事件や峠三吉だとかああいう人たちから始まっていった闘いが、もう一度結合して歴史をぜんぶひっくり返していくものになっていくと逆につかめた面もあったんですよね。

 被曝労働と内部被曝

 これから問題になるのは、被曝労働の問題と内部被曝の問題です。
 内部被曝の話からすれば、今広島で黒い雨が問題になっています。要は放射能を含んだ雨が広島でいっぱい降ったわけです。小雨の地域といっぱい降った地域とに政府が線引きをして、大雨が降った地域だけを被爆者に認定しているわけです。広島で今年初めて被爆者認定を勝ちとった方がいます。その人が何と言ったかといったら「ようやく被爆者になれた」ってことを言った。こんなことを被爆者に言わせる国って何なのか。内部被曝を徹底的に隠蔽して被爆者を被爆者としても扱わないということをやっている国が今度は福島で同じことをやろうとしているわけです。67年間、被爆者を被爆者としても扱わない、内部被曝を隠蔽する。こういう国が福島で何十年と内部被曝を隠蔽して人を殺し続けるということをこれからやるんだという。
 熱線、爆風、中性子線、これが原爆なんだと言ってきた。でもそれで亡くなった方は半分で、もう半分は後から降り注いだ放射性降下物による内部被曝で亡くなっている。僕ら自身もそんなに措定はできてこなかった。内部被曝問題は政府がたんに隠蔽してきた情報問題ではない。被爆者たちが命がけで被爆者として認めろという闘いをやってきた。日本の医療界や大学がそれを徹底的につぶしてきた。内部被曝とは、そういう具体的な闘いの問題です。本当に命がけの被曝者と僕らが一緒に闘えるかどうかの話です。その最大の打倒対象が山下俊一です。結局、日本の医療が戦争によって何の断絶もなく、731部隊からずっと続いてここまで来ている。内部被曝を捉えるときに、僕らが戦後の医療を根底から医療労働運動や大学やそのイデオロギーをめぐる学生運動から措定しないと、内部被曝の問題はあいまいになっていく感触がある。
 もうひとつは被曝労働の問題です。被曝労働ががれき拡散という形で、あらゆる人が被曝労働者になる時代に入って、全労働者の課題になってきた。その核心に今収束作業にあたっている福島第一原発の原発労働者の現状を据えないといけない。
 僕らが「廃炉」と言えば言うほど、原発労働者が「うわあ、俺らがやるのか」みたいな気持ちに追い込まれる。4号機のプールをもっ
と早く何とかできないのかみたいなニュースを見て、原発労働者は心情としてキツイ。実際の現状としてはプールの周りのがれきを撤去している労働者は1日に2mSv浴びて1カ
月で解雇される。彼らは自分たちが世界を守っているという誇りもあるけど、使い捨てられてこれからの健康も保障されない。来月の雇用も保障されない。そのなかで苦しんでいる。この現実を突破しないといけない。「廃炉にしたいんでしょ。だったらもっと労働者を使い捨てるよ」「基準値を上げるしかないよ」みたいな形で攻撃してくる。それが嫌だったら徴兵制でしょみたいな。敵は明確なんですよ。僕らがそれに対して被曝労働とどう立ち向かうのかがあまりにも不明確です。政府・東電に徹底的に責任を取らせて「被曝労働絶対反対、原発労働者を守れ」と僕らが原発労働者とともに闘って、新しい共同性をつくっていく。
 向こうは「絆」とか痛みの分かち合いだとか、国家主義みたいなものでくる。一方で、それに対して組織なんかいらない、市民が一人一人集まればいくんだみたいな運動を対置しているだけでは絶対に勝てないし、廃炉に向かうことはできない。
 政府から廃炉作業の主導権を運動の側が奪回して僕らの責任でやっていくんだぐらいの運動をやっていくことができなければ、廃炉作業は向こうの攻撃でしかない。だから新しい共同性とは、階級的な共同性以外ないと思う。国家主義でもなく個人主義でもなく労働組合が先頭に立って敵を鮮明にさせて責任を徹底的に追及して新しい人間のあり方、本当の共同性を取り戻していくような運動にしていく。僕はその中心が原発労働者を守ることだなと思います。

 新自由主義と闘う反原発運動とは何か

 僕が課題だと思っていることのひとつは、新自由主義の闘いというのは具体的なものじゃないといけないということです。「今の非正規労働の問題や沖縄の基地は新自由主義で、だから団結すれば勝てるんだ」みたいな抽象論では行かない。だって新自由主義って団結させない攻撃なんだから、団結すればいいなんておよそ無茶な話で、そこに団結できない攻撃があるから問題なわけです。新自由主義って何、具体的にどういう攻撃として現れていて、どういうふうに破綻していて、どういう矛盾があってどう闘えば労働者の団結になるのかを真剣に闘いながらつかむということに路線ということの意味があると思います。
 「原発が新自由主義だから団結しよう」ということが今問題なんじゃなくて、原発を廃炉にするために新自由主義に立ち向かって労働組合が前面に出るところまで行かなきゃいけないということです。新自由主義がそれを押さえつけてきたわけじゃないですか。階級的な論理が見えなくなった。
 僕は原発労働者との連帯だし、被曝労働をなくすってところに新自由主義と闘う反原発運動の具体的な中身があると思っているんです。

 原発を職場の核戦争化として捉える

 被曝労働とは何だろうと、このかんいろいろなことに注目してきました。例えば日本の労働運動が被曝労働を認めていく過程がある。
 戦後世界体制というのは戦後という言葉とは裏腹に戦争がずっと続けられてきた。世界中からわき起こる闘いを恒常的な軍事体制でつぶしていく。で、憲法9条を適用するけど、沖縄は関係ないといってずっと戦争をやる。
 僕は原発をずっと続く戦争という問題が職場に入ってきたという感覚で捉えています。労働現場そのものを核戦争にたたき込む。帝国主義は、一貫して戦争で労働運動をつぶしてきたわけじゃないですか。そこから彼らは抜け出せない。しかし、それが原発という形で職場が核戦争化したときに労働組合がどう闘うのかが問われて、既成の労働運動は対抗できなかった。福島なんか放射能が一番何を分断してるかといったら人間関係を分断してるじゃないですか。放射能は正規労働者と非正規労働者を分断した。「正規労働者には被曝させるな。非正規労働者に被曝させよう」みたいな労働組合がそこで生まれた。核戦争が職場で起こっていることを平和だという。全然平和じゃないものを平和だと言いくるめるまでに労働組合を丸め込み、つぶしていくものとして平和利用論が猛威を振るった。だから平和利用論の中で原水禁運動が分裂して2009年にはオバマを呼ぼうぜみたいなことまで言って破綻をして、結局、核問題も北朝鮮バッシングでしかないというような体たらくになる。その最大の根本に被曝労働を許した労働組合の問題があると思う。平和利用論の根底にそこがあると思うんです。
 僕らは今、非正規職撤廃を掲げていますが、ほとんどの非正規職は資本の都合で首を切られるんだけど、原発労働者だけは労働者の都合でもあるわけですよ。だって死んじゃうから。労働自体がやってはいけない労働であるがゆえに、その職場に物理的にも残れない。「もう20mSv浴びましたよ」と解雇されちゃう。この職場で有期雇用を粉砕する。もしくは原発労働者が自分自身組織化していく。ここに僕らが挑戦して具体的な闘いをやって突破できなければ、新自由主義と対抗していくことはできないと思っているんですね。新自由主義と闘う反原発運動といったときに被曝労働というものを相当深くつかみきって、なおかつ原発労働者が自分たちを組織化して立ち上がれる反原発運動を具体的に僕らがつくるということぬきに新自由主義と闘うということは具体化されていかない。

 NAZENと労働組合

 NAZENは、労働組合の運動ではないけど、労働組合の運動をものすごい重視している。そして反原発運動が労働組合を再生できる独自な領域なんだという認識が重要だと思います。7・16集会に仲間を組織することそのものが労働組合を再生する可能性を持っている。
 いま自分は労働者だという自覚がない人たちがものすごく立ち上がっている。反米や日本を守れみたいなことをふくめてわーっと進んでいる。それを僕らが新自由主義を突き破って労働組合がその先頭に立てるような闘いにしていったときに階級的な方向に向かい、それが簡単に言えば、革命になる。労働者階級だけが指導的階級になることができるし、階級意識という職場でのくやしさや怒りが組織的に体現されて階級的に運動をやれる。そうした運動の先頭に労働運動が立てる構造をつくりだすために今僕は反原発運動をやっているつもりです。
 北九州のがれき闘争だってそうだけど、ぜんぶ今の運動は阻止するか否かとなる。命かかっているから。実はそれが労働組合を射程に入れたときに全然違う運動になっているはずなんです。被曝労働を許さないと清掃工場の労働者が立ち上がったらそんなことできないわけです。給食の問題で、実際、お母さんたちが何とか止めようと思って市役所に行くんだけど止まらなくて、だけど給食の自治労の労働者たちが使うのやめようと言ったら止まっちゃうみたいな。そういう労働組合はすごいなということが実際の闘いをとおして初めて全人民的に明らかになっていくという過程だと思うんです。労働組合は大事なんだと口だけで言ったってそれはわかってもらえない。だけど労働組合が実際に闘って先頭に立ったときに運動の質が一気に変わり、展望あるものになる。そういうものをひとつひとつ、少しずつだけど実現してきた。動労水戸の被曝労働阻止の闘いは最高にそうだし、本当に阻止している。

 診療所建設運動について

 

診療所はガンガン行きたい。自分が考えていることは福島の、とりわけ子どもたちの内部被曝を許さないということともう一点、原発労働者が本当に集まれる、もしくは被曝労働を福島中、日本中に拡散しているものとの闘いの起点にもなったらいいと思う。
肥田瞬太郎さんの講演会を聞いて、被爆者と向き合うということは何を生み出すのかというのを考えさせられたんですよ。彼は共産党員を公言していますが、反スターリン主義者そのもの。彼は何万という被爆者と向き合って生きて闘ってきた。彼は、最終的には人間本来持っている免疫というものを高めていく以外に放射能と太刀打ちできないということを言うんですよね。生物は、放射線がどんどん減って海から上がっていく過程でだんだん免疫というものをつくって陸上に棲んでいくことができるようになった。この免疫を人間は本当はみんな持っているんだよと。だけど今の社会のなかでそれがめちゃくちゃにされている。労働や食べ物の問題であったり。それを取り戻しながらでしか放射能と立ち向かうことはできないということを一生懸命言うんですよ。だから結局、被爆者と向き合っているんだけど、取り戻そうとしているのはすごい普遍的な、共産主義社会といってもいいようなものを彼はめざしている。
診療所建設運動って、人間とは何なのかとか、被曝した人たちと向き合うことをとおして、僕らがどんな社会をつくっていかなきゃいけないのかってことが見えてくる運動だと思うんですね。農民の人たちともつながってちゃんとした野菜とかも持って来なきゃいけないだろうし、そうやって労働者と農民と市民がつながって被曝した人たちの健康を守れる、人間的な生活をつくっていくために、共産主義社会を先取りするじゃないですけど、そういう運動になっていかざるをえないのは被曝者と向き合うということなのかな。福島と向き合うというのはそういうことなのかな。そういうイメージがすごく出てきましたけど。
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7・16さようなら原発10万人集会

日時 7月16日(月・休)11:00〜
会場 東京・代々木公園B地区全体
主催 さようなら原発1000万人アクション

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月刊『労働運動』(268号3-2)(2012/07/01)

【特集 反原発、反戦・反核闘争の大高揚を!】

 7・22反戦反核東京集会に全力で結集しよう!

 三角 忠 8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会 事務局長

 被爆67周年の夏を迎えた

 1945年の8月、広島−長崎に投下された原子爆弾をどのようにとらえるか、を出発点に本統一実行委員は「戦後50年」の1995年に結成された。
 この年までにすでに結成されていた全国被爆者青年同盟や反戦被爆者の反戦反核の闘いの中からこの原爆投下を「アジア侵略の帰結」としてとらえ、以来「くり返すなアジア侵略―ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、ビキニを」として綱領的スローガンが打ち立てられ、昨年3・11を機に「フクシマ」を加え、2年目の夏を迎えたのである。
 私たちは、本年「内部被曝を徹底的に糾明する」という基調で、メインのパネルディスカッションを開催し、それに先立ちDVD『黒い雨と内部被曝』を上映する。
 パネラーは山田真(小児科医、「全国小児科医ネットワーク」代表)、下田禮子(広島・反戦被爆者の会)、黒田節子(原爆いらない福島の女たち)の三氏。コーディネーターは柳沢裕子医師。

 「内部被曝」がなせ焦点となるのか

 なぜこの「内部被曝」がすぐれて今日の反戦反核の焦点となっているのか。
 それは以下のような理由による。
 @なによりも3・11の被曝は、野田の昨年12月の「収束宣言」にもかかわらず相変わらず放射能は拡散されつづいていること。
 A福島第一原発4号機は刻一刻とメルトダウンの危機を迎えていること。
 B長崎大学山下俊一が福島の子どもたちが「20_シーベルト以下なら安全」と言い放ち、低線量被曝こそ子どもたちに重大な影響がある」ことを打ち消そうとすること。
 Cそれが何よりも「被爆地長崎の医者」であることを福島県民への説得力にしていること。
 D広島原爆当時に降った「黒い雨」の影響で重大な内部被曝をこうむったことが最近になって明らかになったこと。
 E広島・長崎の原爆と日本にあった54基の原発が「内部被曝」を通して、まったく同じものであることが誰の目にも明らかになりつつあること。
 つい先日、野田政権は大飯原発3、4号機の再稼働を決定した。原発を容認する学者の中からも「活断層の存在」など再稼働するための最低限の調査・検討を加えることもなく強行したのである。

 日本の核武装に直結

 これほどまでにも強行するのはなぜか?
 それを鮮明に示したのは、一昨日国会を通過した原子力基本法の目的に追加された(原発が)「日本安全保障に資する」という重大な一文である。
 すでに昨年9月7日の読売新聞社説が「原発は単なるエネルギー問題にと止まらず日本の安全保障の観点からも考えるべきである」と戦争と大失業へ旗振り役の面目躍如の宣言をしたことに直接的な発端がある。
 これこそ、本統一実行委員会が「『原子力の平和利用』のウソとペテンを明らかにし、再処理工場・もんじゅを中軸とする核燃サイクルが日本の核武装に直結する」と警告してきたことを裏付けているのだ。

 南部バス労組からの特別報告

 青森はこの核燃料サイクル・核関連施設が集中している地である。おまけに現在は中断されているフルMOXの大間原発建設がある。青森の反原発・反核燃の闘いが、全国闘争として闘わなければならないゆえんである。
 そのために長年の間のこの闘いを牽引してきた南部バス労組間山委員長の特別報告をしっかり受け止めるべきなのである。
 私たちは、この7・22東京集会の成功を勝ちとり、8・6広島―8・9長崎へと向かう。その過程でNAZEN結成2周年、ヒロシマ大行動、長崎大集会・デモへと全力でかかわることはもとより、8・5午前中、放影研(放射線影響研究所、旧ABCC)のフィールドワーク、8・7午後、玄海原発再稼働阻止闘争にも決起する。
 『月刊労働運動』の読者のみなさん、以上のような被爆67年の闘いの起点となる7・22反戦反核集会に全力で、とりわけ首都圏の労働者は「7・16さよなら原発1000万署名」運動主催の10万人集会の成功ともども勝ちとろう。

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月刊『労働運動』(268号3-3)(2012/07/01)

【特集 反原発、反戦・反核闘争の大高揚を!】

 被爆67周年、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ反戦反核闘争の大成功を!

 フクシマの怒りとひとつになり被爆67周年8・6ヒロシマ大行動に参加しよう

 広島県労働組合交流センター

 野田政権は6月16日「国民生活を守る」ためと称して大飯原発3号炉、4号炉の再稼動を決定しました。腹の底から怒りが込み上げてきます。フクシマ原発事故の原因はまだ何も解明されていません。それどころか日々大量の放射能を出し続け、いつまた臨界が起きても不思議ではない状態が続いています。福島の人たち、福島の子どもたちは高放射線に汚染された中での生活を強制されています。16万人とも言われている避難者は故郷へ帰ることさえできずにいます。こうしたなかでの大飯原発再稼動は絶対に許されることではありません。
 野田政権の原発再稼動宣言は、昨年の3・11以降の全力の闘いで実現した全原発を止めた力に、さらに一層の怒りを呼び起こしています。野田政権の原発再稼動宣言以降、6
月17日の2200人の福井県庁包囲デモ、1万
5千人で首相官邸を包囲した闘いを先頭として全国各地で反原発行動と労働者階級の原発再稼動に対する怒りの根底的決起が開始されています。
 この怒りをひとつにして原発再稼動阻止から全原発廃炉、「とめよう」から「なくそう」への闘いを実現しましょう。ヒロシマ・ナガサキの怒りとフクシマの怒りをひとつにして被爆67周年の8・6を共に闘おうではありませんか。
(写真 1685人が結集した2011年8・6ヒロシマ大行動(【広島県立総合体育館小アリーナ】)

 分断打ち破り主流派へ

 1956年の被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の設立宣言では「破壊と死滅の方向に行くおそれのある原子力を決定的に人類の幸福と繁栄との方向に向わせるということこそが、私たちの生きる限りの唯一の願いであります」と「核兵器」と「平和利用」は違うという分断が当初から持ち込まれてきました。
 原発の建設は、電力資本が過疎の地に巨大な金をばらまくことで立地地域をがんじがらめにし、地元では反対の声さえも上げられないような分断がつくり出されてきたのです。
 原発労働は何重もの下請け構造の中で非正規労働者の被曝労働を前提としています。被曝労働とは文字通り自らの命を削って労働をするという極限的な疎外労働です。しかしながら既存の労働組合は被曝労働も非正規職闘争も闘えず、こうした分断を許し屈服しています。
 被爆67周年の8・6は、私たちが真に主流派になることを求めています。戦後一貫して反戦・反核闘争に被爆者をも巻き込んで、さまざまな分断が持ち込まれてきました。労働組合を甦らせ、分断を打ち破ろう。

 内部被曝問題こそ現下の課題

 広島では原爆投下後、広い範囲で「黒い雨」が降りました。黒い雨とは原爆の爆発で生じた高放射能の灰が雨に含まれ黒く色付いたものです。福島原発事故では、原発の爆発で放射能が飛散し広範囲におよぶホットスポットをつくり出しました。広島・長崎での黒い雨と福島原発事故でのホットスポットの違いは目に見えるか・見えないかの違いだけです。「『黒い雨』原爆被害者の会連絡協議会」などの闘いによって一部原爆被害を認めるに至っていますが、政府は一貫して「黒い雨」について抹殺し続けています。「黒い雨」問題は内部被曝問題であり決して認めることはできないからです。黒い雨・内部被曝の否定は御用学者・山下俊一の「放射能の内部被爆は、外部被爆の1/10です。放射線の影響は笑っているひとには来ません。クヨクヨしている人にきます」という暴言につながっているのです。
 JRは被曝列車の検査・修繕を労働者に強制しようとしました。しかし動労水戸のストライキを含む決定的決起で粉砕しています。被曝瓦礫を全国の自治体へ受け入れさせようとする政府の動きは、これまで封じ込めることを基本としてきた放射性物質を全国的に拡散させる暴挙です。ホットスポットによる野菜や果実、農産物の汚染、海への放射性物質の大量放出による海産物の汚染、湖、河川の汚染と日本全土、いや世界にまき散らされた放射能との闘いは内部被曝との闘いなのです。
 直接被曝する被曝労働とあわせて内部被曝問題は今夏8・6ヒロシマの最大の課題です。政府・電力資本、何よりも御用学者による内部被曝問題の切り捨てを許さず真実を暴きつくし内部被曝問題を明らかにしていきましょう。

 10・1外注化阻止の闘いへ

 大恐慌の中で死の苦悶に喘ぐ野田政権はこの危機を何が何でも一度破産した新自由主義の貫徹で乗り切ろうと攻撃をかけてきています。その最大の環が公務員360万人全員首切り、非正規職9割化、そして何よりも新自由主義のエネルギー源である原発の再稼動です。新自由主義はすべてウソで塗り固められ、物事に整合性など一切必要ありません。「今この瞬間金が儲かれば良い」という新自由主義にとって必要なのはただ一つ、労働者の団結破壊、労働組合破壊を通して労働者の団結を奪い抵抗を奪い去ることです。
 私たちは去る6月10日、東京・文京シビックホールで「国鉄闘争の火をもっと大きく!」を掲げた全国集会を1800人の結集で実現しました。新自由主義の貫徹のために、日本の労働運動を最後的に絶滅しようと3年前に国鉄1047名闘争の「4・9政治和解」の攻撃がかけられました。これに対して労働運動の再生をかけた乾坤一擲の決起として開始されたのが国鉄闘争全国運動です。6・10はこの2年間の国鉄闘争全国運動の豊かな実践を通して大きく花開くことを示す集会として感動的に闘い抜かれました。
 さらに6月10日の闘いは、野田政権・財界・JR資本が9割非正規化の道を開く突破口としてかけて来た10・1JRの構内業務全面外注化を絶対に阻止する総決起の集会として実現されました。10月1日に強行されようとしている構内業務の全面外注化との闘いは、戦後労働運動が反合理化闘争を闘えなかったという限界をのりこえ、労働組合を甦らせていく最大の闘いです。動労千葉は11年間外注化を阻止し続けてきました。その力を組織拡大決戦として闘い抜く決意と体制を構築しています。動労千葉を先頭に外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを大爆発させよう。JRの構内業務全面外注化の攻撃を阻止し勝利することで、日本労働者階級の未来を差し示そう。そしてそれはまったく可能なことが1800人の結集のなかに示されたのです。

 8・6−8時15分の原爆ドーム前集会が決定的

 

長崎大学の山下や広島大学の神谷研二教授などの御用学者が福島にのりこみ、「放射能は安全だ」というキャンペーンがはられ、モノも言えない状況がつくり出されています。その福島では日々「目の前で人が殺され」続け「避難しろ、逃げろ」ということとの闘いとなっています。福島に生きるための闘いの拠点として診療所建設が進められています。全国の力で診療所建設を実現しよう。
被爆者の怒りは「人類と核は共存できない」という帝国主義と絶対非和解な根底的な怒りです。フクシマの怒りは新自由主義が金儲けのために作り出した原発事故=放射能との命がかかった絶対非和解の怒りと闘いです。
2012年8月6日午前8時15分の原爆ドーム前集会は決定的です。平和公園を訪れている被爆者を先頭にして万余の労働者、市民、学生の核に対する怒りをフクシマの怒りとひとつにしよう。7・16東京10万人集会の実現から、8・6ヒロシマ、8・9ナガサキの闘いの爆発で10.1構内業務全面外注化阻止決戦の勝利を目指して共に闘いましょう。

 長崎の闘い燃え上がる! 8・9長崎闘争へ、全国から集まろう!

 長崎労働組合交流センター(準)

 

8月9日の長崎反原発反戦反核集会への全国からの参加を訴えます! 今年は「フクシマの怒り、ナガサキの想いをひとつに」と訴え、福島と長崎の被爆者との団結をかため、新たな運動の発展をつくりだしていく8・9集会として実現していきたいと思います。
昨年3月11日の福島原発事故以降、長崎でも「NAZENナガサキ」が結成されました。NAZENナガサキは、数度にわたる学習会を開催し、さらに玄海原発や九電への再稼動反対の抗議行動、震災ガレキの長崎市の受け入れに反対する闘いなど、闘う団体として積極的に行動しています。それは原発事故と再稼動に怒る被爆者、ガレキ受け入れに激憤する親子の声と結びつき、彼らの闘いと一体で長崎での新しい反原発闘争、反核闘争をつくりだしつつあります。
実際に、長崎での社・共の転向と後退は著しく、何よりも彼らはガレキ受け入れに反対せず、共産党にいたっては積極的な受け入れ派になってしまっています。原発再稼動にしても、両者とも元々が原発容認派でしたから、本格的な闘いに取り組みません。こうした両党の現実は、原水禁・原水協運動が今、歴史的な転向と崩壊の過程に入ったことを意味しています。
こうした原水禁・原水協の崩壊の一方で、しかし被爆者は新たな闘いを開始しています。つまり原発を第3の原爆だと弾劾する被曝者と、汚染ガレキによる被曝に反対して行動に立ち上がりだした親子、そしてNAZENナガサキのそれぞれが怒りの決起を開始し、こうした既成の原水禁・原水協をのりこえる新たな反原発・反核運動が被爆地・長崎で今つくりだされる情勢に入っているのです。九州での国鉄闘争の発展と結びつき、真に階級的な闘いとして、この運動を私たちも共につくりだしていこうと思います。
だからこそ、今年の8月9日の集会は決定的なのです。この長崎での新たな運動を発展させる道は、やはり「フクシマ」との一体性であり、その闘いとの結合です。そして国鉄闘争の基軸性です。
福島からは、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人」の佐藤幸子さんが参加されます。長崎からも被爆者や国鉄をはじめとする多くの労働者、学生が参加します。長崎での闘いの歴史を画する集会にしていこうと思います。
全国からの参加を心より訴えます!
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被爆67周年・8・9長崎闘争

8月8日 午後 諸行動の予定あり/17時(予定)長崎市内街頭宣伝
8月9日 7時30分 朝鮮人原爆犠牲者追悼式典/10時 野田弾劾!平和公園に向けたデモ(城栄公園 電停大橋下車)/13時30分 長崎反原発反戦反核集会(長崎県勤労福祉会館講堂 電停公会堂前下車)講演 佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)

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月刊『労働運動』(268号4-1)(2012/07/01)

 韓国・民主労総金属労組KEC支会 日本遠征闘争の教訓

 吉本伸幸 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 書記長

 われわれ鈴木コンクリート工業分会にKEC支会日本遠征闘争の連絡が入ったのは、5月中頃でした。KEC支会にかけられている攻撃を聞いて、「資本家は、いくら儲けていても『経営赤字』を理由に大量解雇し、執拗なまでの闘う労働組合解体攻撃をかけてくる。これは国を越えても同じなんだな」と思いました。驚いたのは、「複数労組1号=KEC御用労組」が作られたのが、この工場が第1番目だということです。どれだけとんでもない会社かがはっきりとわかります。 
韓国亀尾(クミ)市から75人の解雇者の代表として今回3人のKEC支会組合員が日本に来ました。目的は、日本でのKEC子会社のTS-Japan、KEC-Japan への抗議と、取引先東芝、三菱、SONY、PanasonicなどにKECの労働弾圧を知らせ、抗議することです。
 相手にとって不足なし。鈴コン分会も今闘っている「鈴木コンクリ−ト工業生コン会社」という小さな1資本だけが相手ではありません。非正規職を膨大に生み出す新自由主義の社会構造、国家と総資本が相手です。そして、資本の手先になった体制内労働組合執行部を打倒し、闘う労働組合を職場から甦らせていくこと、労働組合の復権、労働者が胸を張り社会の主人公として登場することです。このことはKEC支会もまったく同じ考えです。
 日本遠征闘争中、KEC支会と精研労組、鈴コン分会、動労千葉の団結集会が5月24日に開催されました。 この集会は精研労組がストライキで闘うなかで行われました。賃上げと解雇撤回、組織拡大を掲げ、組合破壊攻撃と闘いながら確実に職場の団結を拡大している精研労組。KEC支会の解雇撤回の闘いと文字通り一体の闘いとなりました。
 そして、5月25日は鈴コン分会とKEC支会との合同社前抗議闘争が行われました。労働者を人とも思わない鈴木資本が、労働者を平気で解雇し労働組合破壊攻撃、団結破壊を行う。鈴コン分会の怒りの社前抗議にKEC支会の仲間も怒りが爆発しました。
 KEC支会の仲間が鈴木会社に激しい怒りを叩き付けました。そして、職場の労働者には「鈴コン分会に入り闘おう」と檄を飛ばしました。鈴コン分会とKEC支会の闘いも完全に一体となった闘争になりました。
 最後にKEC支会の仲間たちと交流し呑んだ酒は本当にうまかった。共に短い期間ではあったが心をひとつに団結して闘えたことをうれしく思う。6・10国鉄大集会で感動の再会を果たしました。闘いの中での解雇撤回、原職復帰に敬意を払い、これからの固く永い団結を約束して、共に闘う労働組合で職場から地域からこの世の中をわれわれ労働者の団結した力で取り戻すことができるという自信と確信が闘いの中からみなぎってきました。労働者には国境はないし言葉はいらない。絶対に負けない、絶体に許せるかという怒りが心をひとつにし団結した。まさしく「万国の労働者団結せよ!!」です。職場に闘う労働組合の復権を組織しよう!!

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月刊『労働運動』(268号5-1)(2012/07/01)

 7・26〜27国労第81回定期全国大会に向かって

 10・1検修外注化決戦勝利! 国労を現場組合員と青年の手に取り戻そう!

 吉野元久 副代表、国労上野支部

 6・10国鉄集会が放った「10・1検修外注化絶対阻止」の号砲の下、国鉄労働運動が現場から分割・民営化の支配を打ち破ったとき、労働者階級の総反乱が始まる。その闘いの突破口が、7・26〜27国労第81回定期全国大会だ。

 10・1検修業務外注化絶対阻止!

 国労全国大会に向かって最大の課題は、JR東日本が強行しようとしている10・1検修業務丸ごと外注化を絶対阻止することだ。 JR東日本での車両検修部門の全面外注化提案とは、09年10月に「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進」として出されたものだ。その最大の特徴は、これまでの「逐次委託」から「全社一括委託」と、全支社が例外なしに一斉外注化に踏み込んだことだ。これは、日本の労使関係を一変させる攻撃だ。「正社員は簡単には解雇できない」という力関係を、「出向・転籍の自由」という形でぶち破り、丸ごと〈9割非正規職化〉に叩き込むものだ。
 JR東日本の社員構成は、運転士・車掌(運輸車両部門)の8割がすでに平成採だ。しかし、駅業務(7000人)や検修職場(5000人)は50歳以上の国鉄採用者が半分以上である。これから退職を迎え、このままでは業務が崩壊する。会社はこれをすべて業務委託でまかなう計画で、駅や検修業務には平成採をまともに配置して来なかった。ところが動労千葉の闘いが打ちぬかれることで一括外注化が阻まれ、それどころか偽装請負問題が暴露され、これまで外注化してきたものまで問題になりかねない。重大な危機に直面したJR東日本は、再び東労組の裏切りに依拠する以外に攻撃の手段を失っていた。
 JR東労組は、外注化に関する「『組合案』実現を求める」という交渉を5月14日、会社に持ちかけた。会社側は「10月1日に実施したい」と回答し、東労組はそれを受け入れた。しかもJR東日本は6月19日、わずかな「修正案」を再提案し、国労東日本本部とともに本社=本部間での妥結を強行した。
 「再提案」の特徴は、「機動班業務」と「ホーム検査を行っている駅派出」のみを直営として残す、というものだ。「丸ごと」「一括全面」の外注化だ。車両センターで働く労働者は、新幹線を除けば東日本全体で約2000人。そのうち「約1200人が出向になる」(会社回答)。管理者と技管(技術管理)、事務を除き、ほとんどの労働者が強制出向に駆りたてられ、出向されたら戻る職場は残っていない。転籍前提の「9割非正規職化」だ。
 鉄道の安全の核心部分である検修業務が外注化となれば、どんな業務でも委託可能だ。すでに駅業務の全面外注化提案で、車掌や運転業務の外注化すら俎上に乗せている。5年間の実務経験を持つGS(グリーンスタッフ)を雇い止めにして下請け会社で雇用し、ライフサイクル制度で運転士を駅に強制配転して穴の開いた業務につかせるなど、鉄道業務を丸ごと外注化する巨大な歯車が動き出している。この先兵が「走狗」革マル東労組だ。
 「外注化反対」の声一つ上げてこなかった国労東日本本部は、東労組に追随し、「6・19再提案」を「国労要求に沿って修正」、「組合員の奮闘の成果」とまで言い放った。
 JR東日本と団交を行った5月29日の時点での国労の要求は、「偽装請負にならないようルールを明確化すること」「出向については、本人同意を原則とすること」「作業環境の整備については、JR直轄同様に取り扱うこと」というものであり、「出向者の業務は車両検修業務に限定せよ」というスローガンが結論だ。そして今回の「再提案」に小躍りし、「多くの組合員が出向発令を受けるのは事実だ」などと居直っている。外注化を容認し、「労働条件をJRと同様として出向命令を出せ」と組合の側から強調しているのだ。

 国労を現場組合員と青年の手に取り戻そう!

 7月定期全国大会は国労のJR連合への合流を粉砕する闘いの試金石だ。
 彼らは国労闘争団組合員の資格確認訴訟で、「闘争団に結集した組合員……の地位は……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されたもの」と言い放った。国鉄1047名闘争の発端でもある90年4月1日の清算事業団による解雇の時点で、
闘争団組合員は組合員ではなくなるはずだった。恩恵として組合員資格を与えてきただけだ≠ニいうのだ。2010年4・9政治和解の際に国労本部は、「二度と雇用や不当労働行為を争わない」という致命的な条項に合意した。それ以降、闘争団組合員を国労から追放することに躍起となった。10年7月の第79
回大会で、闘争団組合員は選挙権・被選挙権を持たない「特別組合員」に移された。11年7月の第80回大会では組合員の範囲を「JR及びその関連会社に雇用された者」に限定する規約改定が強行され、闘争団組合員は組合員資格を奪われた。
 「被解雇者からの組合員資格剥奪」とは、たんに闘争団組合員を組合外に排除するというだけではない。今後資本が解雇した者は国労にはとどまれない、とすることに真の狙いがある。わざわざ国労規約を改定し、「JR及びその関連会社に雇用された者」でなければ組合員ではないとすることによって、国労本部は、二度と解雇撤回闘争は闘わないこと、資本の処分には黙って従うことを誓ったのだ。
 実際、国労本部は、3月に雇い止め解雇されたGSからも組合員資格を奪った。国労本部は青年たちの打倒対象となったのだ。
 JR東日本の10・1検修業務全面一括外注化の全矛盾は平成採の青年に集中する。今年4月導入の新人事賃金制度で一人ひとりが分断され、競争があおられ、賃金は下げられ、そのうえに出向・転籍が強要される。労働条件はどこまでも下がり、一切の権利は剥奪されていく。これを労働組合に全面協力させようというのが、JRが目論んでいることだ。
 しかしこんなことが成り立つのか? 〈偽装請負〉はどこまでも〈偽装〉だ。運転保安は地に落ちる。外注化と対決する労働運動の登場で、この攻撃は逆のものに転化する。青年労働者の怒りは爆発し、国労の現場労働者の積年の怒りと誇りが解き放たれる。国鉄決戦勝利の情勢がたぐりよせられているのだ。7月国労大会を10・1検修外注化決戦勝利の跳躍台に転化しよう! 今こそ労働組合を国労組合員と青年労働者の手に取り戻そう!

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月刊『労働運動』(268号6-1)(2012/07/01)

 民営郵政の事業危機・赤字論と

 JP労組中央の労使一体化路線を打ち破り、階級的全逓労働運動の復権へ

 岩本正治副代表(全逓労働者部会)に聞く

 聞き手・全逓労働者部会/構成・編集部

――JP労組(日本郵政グループ労働組合)の第5回全国大会が6月13〜15日、東京で開催されました。まずは、全国大会の状況についてお聞きします。
岩本 郵政民営化から5年目の大会でしたけど、大会に向けて全国の仲間は、「郵政民営化絶対反対、新人事給与制度導入反対」「国鉄1047名解雇撤回、反原発・反失業」を掲げて、職場ビラや職場集会で本部方針反対の声を分会・支部方針にするために闘ってきました。本部方針への反対票は86票、賛成378票、無効2票で結成大会のときの約3倍です。大会当日、参加者の多くがビラを取り、福島診療所建設の賛同や反原発署名を書いてくれました。昼休みの宣伝では討論の輪ができるなど、昨年とも雰囲気が変わった印象を強く受けましたね。「俺たちの職場はこの先、大丈夫なのか。労働組合としてこれでいいのか」という思いが根底に渦巻いているんです。

――大会議事では何が焦点でしたか。
岩本 具体的には、新人事給与制度の導入問題や郵便事業の赤字問題等や、郵政見直し法案の成立と今後の10月1日郵便事業会社の郵便局会社への統合、吸収問題がありました。
 でも核心は、2005年に小泉が構造改革の「本丸」と言って強行した郵政民営化が、実際に破綻したなかで開かれた大会だったということです。日本という国家もぐらぐらになっているなかで、現場労働者との郵政民営化の決着はまだついていません。JR10月全面外注化、公務員360万人首切りや現JR東海会長の葛西らの「行政構造改革会議」という新自由主義政策がどんどん強行されるなかで、郵政の民営化も完全民営化に向けて職場での激しい攻防がこれから始まるということです。

――それに対して全逓部会はどう立ち向かいますか
岩本 新自由主義攻撃がまかりとおるのは、連合が国・資本の非正規化・賃下げ・首切りなどあらゆる攻撃を受け入れ、率先協力してきたからです。労働組合の路線と方針が核心問題です。だから、私たち全逓部会が、民営郵政資本とそれを支える連合・JP労組中央の支配を打ち破って、彼らにとって代わる勢力として、職場の正規・非正規労働者に支持され、ともに団結して闘う潮流として選択されるかどうかです。私たちは、この1年間非正規労働者との団結をいかにつくるかに挑戦してきました。非正規職が6割超えた現実を前に、「非正規職撤廃」を言葉だけでなく実践する闘いを全国の仲間とともに始めたのです。あらゆるところから怒りが爆発して情勢は大きく動き始めています。今、われわれが少数であろうとも全階級に責任ある勢力として登場することが求められています。
  われわれの目的は、すべての労働者を民営化粉砕・非正規職撤廃の路線の下で労働者の社会をつくるために組織することにあります。そのために、資本と・体制内JP労組支配を打ち破って、労働組合を通した階級的団結をつくり、拡大することで職場権力を取る。そしてJP労組を根底からつくり変える。郵政民営化絶対反対の路線を鮮明に、階級的全逓労働運動の復権をやり抜きます。

――「郵政民営化の決着がついていない」というあたりをもう少し詳しくお願いします。
岩本 郵政の民営化の攻防の始まりは、自民党・橋本政権のときの「増税なき財政再建と行政改革」です。そのときの97年行政改革最終報告では郵政は公社化方針でした。当時の全逓中央は、「公社化で公務員身分を守った」と言って民営化にならないように人減らし・合理化・人事交流など民営化推進に協力していました。その後、小泉構造改革で「構造改革の本丸」として、財界あげて05年の「郵政選挙」で民営化を強行したわけです。彼らの狙いは現場の全逓労働運動の解体・一掃と郵政利権とりわけ郵便貯金・保険の300兆円を超える労働者の金を誰がぶんどるかにあったし、初代日本郵政西川善文社長(元三井住友銀行の頭取)がやってきたことをみれば背任横領は歴然としています。郵政を食い物にして利権をむさぼったのです。
 しかし、小泉の主張であった日本国家の構造改革=行財政改革は完全に破綻しました。4月27日、民・自・公の3党合意で成立した「改正郵政民営化法」の中身は、郵便事業会社の郵便局会社の吸収・統合による郵政グループ5社から4社体制と、郵便貯金銀行と郵便保険会社の金融2社の株式処分が10年間で全株処分から完全売却義務の撤廃、という内容です。
 完全民営化をめぐる激しい攻防はこれからです。大切なことは、労働者が民営化から5年、民営化の現実と矛盾を職場で肌身に感じ、郵政民営化の本質に気付き始めたことです。

――最後に、郵政大リストラと赤字・事業危機論についての現場の声をお願いします。
岩本 JPEX(日通ぺりかん便との吸収・統合)破綻が郵政民営化破綻の象徴です。小包部門を子会社化して、そこに郵便事業会社の正規労働者を出向に出して人減らしと賃金の削減・労働条件の切り捨てを行い、それを通して本体の郵便事業会社も人減らし・非正規化・労働条件改悪を狙う。結果は赤字1050億円の大破綻です。2年前の7月の大混乱で鍋倉は「現場の不慣れが混乱を起こした」と発言して、現場の怒りは爆発しました。「あいつらは責任を取らない連中だ」ってことをみな実感・体験したんです。これが今の職場の労働強化への怒りにつながっています。
 そしたら斎藤・鍋倉らは、「郵便事業再生」を言い出した。郵便事業の危機と自らつくった赤字の解消をのりきるために、事業危機・赤字論で労働者の怒りを抑え込み、労働者意識を解体して郵政大リストラだなどと言ってます。ボーナスの1.3カ月カットや班制度の強化と新人事給与制度による総人件費削減、非正規労働者の4万6千人首切り。本当に許せない。あらためてJPEX破綻と西川・斎藤・鍋倉の1050億の赤字と非正規首切りの責任を曖昧にせず徹底追及し、郵政から叩き出すような闘いをやりたい。JP労組中央の責任も絶対に曖昧にしません。
 郵政非正規労働者16万人と団結して、階級的全逓労働運動を復権する闘いをやります。全国での拠点化・組織拡大を軸に11月労働者集会まで突っ走りたいと思います。

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月刊『労働運動』(268号7-1)(2012/07/01)

 第19回女性部定期全国大会報告

 国鉄決戦を軸に、今こそ非正規女性労働者の本格的組織化へ

 女性部事務局長 辻川 あつ子

 福島と関西の勝利の地平に拍手

 5月26〜27日、労組交流センター女性部は定期全国大会を開催しました。会場準備の時から、24日の八尾北医療センター明け渡し裁判全面勝利の話題で盛り上がり、関西の一団は、到着するや「裁判勝利おめでとう!」の声で迎えられました。関西からの「『原告請求を棄却、訴訟費用は原告の負担とする』って聞いても、しばらく自分たちが原告なのか、八尾市が原告なのかわからなくって、喜ぶまでに時間があったん」「勝つこと想定してなかったから」の報告に会場は爆笑の渦。冒頭からにぎやかな雰囲気となりました。
 議事冒頭、長谷川ユキ女性部部長が、「支配階級が支配できなくなっているこの時代に、私たちの力で階級情勢を変えていきましょう。6・10国鉄闘争全国集会を成功させ、8月から11月労働者集会へ」と挨拶。闘いの総括では、国鉄全国運動を推進する力と一体で反原発闘争を闘ったこと、「4・9政治和解」を労組破壊の攻撃と捉えて闘い続けていることが、すべての非正規職撤廃の闘いや3・11郡山集会の1万6千人の結集につながったことが確認されました。総括の最初に、昨年の大会は、被災して間もない時期なのに、福島から参加してくれたこと、そこから、被災地の仲間と一体で反原発の闘争を開始できたことが述べられ、あらためて福島の仲間の発言が、女性部会員が怒りのフクシマとともに反原発を「絶対反対」で闘う号砲になったのだと思い返しました。そして、3・11郡山集会の大勝利を経て、福島から今大会にも参加していることがすごいことだと実感しました。
 情勢・方針提起の後は、大阪と福島からの特別報告です。まず八尾北労組の灰垣美佐子さんから、3・18八尾北・西郡全国集会から裁判勝利報告です。西郡の住宅取り上げ・八尾北医療センターの明け渡し絶対反対の闘争が民営化・非正規職化との闘いであり、更地化攻撃は新自由主義攻撃という本質を明示していることなど、勝利の展望が堂々と発言されました。「行政と闘って勝てる」という確信は橋下−「維新の会」との最前線の闘争も鼓舞して、自治体労働者の橋下打倒闘争への決起をもつくりだし、労働者の共感を集めているとの報告がありました。
 福島合同労組の市川潤子さんからは、みなが待ちに待っていた3・11郡山集会を勝ちとるまでの闘い、国労郡山工場支部執行部の決断や現場労働者が決起して行く過程が語られました。「復興」キャンペーンのなか3・11を「喪に服す日」にしようとする策動を粉砕しながら、どのように組織化を進めて1
万6千人の決起をつくることができたのかが報告され、福島の女性たちが「本当の追悼は祈りではなく、反原発の闘いであり、怒りだ!」、福島県教組が「子どもを守る、自分たち労働者を守る」と闘争していく過程がよくわかり、1万6千人が決起した1万6千人だったのだと思いました。不屈に立ち上がって闘争を牽引した福島の仲間に大拍手でした。
(写真 女性部の飛躍を誓い団結ガンバロー(【5月27日 千葉市・DC会館】)

 国鉄闘争の地平で非正規職撤廃を闘う

 方針は、国鉄を基軸に、4大産別で外注化阻止・非正規職撤廃を闘おうということです。4大産別における資本・体制内労組指導部との攻防も国鉄闘争全国運動の求心力で展望ある闘争にすることが可能であり、民営化絶対反対で非正規労働者が闘争の主体になることが可能なのです。鈴木コンクリート分会の「雇い止め解雇」撤回闘争の前進は、画期的な地平を開いています。動労千葉型労働運動を実践して徹底して現場で資本と闘争することで前進しています。半数以上が非正規職という女性労働者にとって、もっとも必要なのは闘う労働組合です。
 「子ども・子育て新システム」で狙われているのは、闘う保育労働者・労働組合つぶしであり、非正規化です。民営化絶対反対で女性労働者の根底的怒りを組織しようと提起されました。反原発闘争も非正規労働者の問題であり、新自由主義との対決として、国鉄闘争と一体で闘おうということです。
 多岐にわたる内容が活発に討論されました。反原発集会で出会った青年の多くが非正規で、過酷な労働と低賃金という現状が浮かび上がり、各地の合同労組加入につなぐことができているという報告が共通していました。自治体職場からは、人事評価制度との闘いをどのように仲間との団結強化に返していくのかの発言。精研労組のストライキは、地道な闘いの結果がストライキであること、現場の労働者の怒りをどういう闘いにするのか、大いに学びました。関東の仲間からの「橋下の登場で関西の仲間は大丈夫かと心配したけど、みな元気で闘っていて安心した」という発言には、関西から「橋下なんて思想的支柱のない脆弱なやつ。自分から『私にも賞味期限がある』なんて言うくだらないやつ」「たった一人の腹を決めた不起立で権力に手をかけた」「橋下アンケートをシュレッダーにかけた無様さ」などの発言が返ってきました。

 活動と育児の両立の経験など交歓

今回の女性部大会には、沖縄から20代の富田沙織さん(NAZEN沖縄代表)が参加してくれました。保育労働者になるために勉強中です。子育てしながら働く非正規の女性労働者の困難さ、低賃金のシングルマザーは、厳しい状況にあるなどいろいろ話してもらいました。ホテルの交流会でも、活動や育児の両立など、おばさまたちも大いに経験を話しました。沙織さんは、保育労働者の深町加代子さんの「一番良い保育は『権力奪取』」に衝撃を受けたそうです。私自身は、関西の東理恵さんから、つれあいが5・27国労臨大闘争弾圧で逮捕された時、近所の労働者家庭が、「しばらく母子家庭かいな。大変やな」と子どものめんどうを見てくれたことなどを聞いて、労働者の感性や共同性について考えさせられました。
 女性部大会の高揚、6・10国鉄集会の大成功を受けて、外注化阻止と反原発闘争の先頭で女性部は闘いましょう。

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月刊『労働運動』(268号8-1)(2012/07/01)

 鈴コン闘争勝利、組織強化拡大へ新たな体制・「規約」を確立―全国協第3回臨時大会

 小泉義秀 合同・一般労働組合全国協議会 事務局長

 4月28日、合同・一般労働組合全国協議会第3回臨時大会が開催されました。本大会は鈴コン闘争の支援体制を作りだし、鈴コン闘争を通して全国協の組織強化拡大をめざし、団結していくための大会でした。本大会はこれまでのゆるやかな連合体から、「会則」を改廃して新たに規約を定め、「幹事会」という執行体制を作りました。全国協としてのストライキ権を確立することのできる規約も定め、全国組織としての形を整えつつあります。
 規約の「目的」を以下のように定めました。「第3条 合同・一般労働組合全国協議会は@国鉄闘争全国運動を最先頭で担い、新自由主義と対決し、資本主義社会の廃絶のために闘う合同・一般労組を全国に創り出す。Aそれぞれの職場で反合闘争を貫き、階級的労働運動を実践し、青年労働者を組織する。B3・11情勢の大失業攻撃と対決し反失業・反原発、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの先頭に立ち、失業者も含む労働者を合同・一般労組全国協に組織する。Cすべての労働者の生活と権利を護り、向上させるために闘う。また侵略戦争と戦争にむけた一切の政治反動と対決して闘う」。
 その他に重要な点は「全国協闘争基金」という基金設置の決定を行ったことです。それぞれの合同・一般労組組合員1人毎月200円を基金に集中し、当面は鈴コン闘争の財政支援を全国協が全力で担い勝利させようということです。共同代表が雇い止め解雇になり、その支援のために全国協傘下の合同・一般労組が団結してその勝利のために何らかの支援体制をとれないような組織では全国協を名乗る資格はありません。その勝利を基礎に全国協の組織強化拡大のために基金を積み立てていくということです。
 今回の大会の第一の目的は、大恐慌情勢・国債暴落情勢という未曾有の大失業時代に対応する全国統一の時代認識と路線をもった全国協を作り上げるということでした。一昨年8月5日に結成された合同・一般労組全国協議会は、定められた会費を納入する以外は何の拘束力もない「会則」しかありませんでした。大会といっても定足数とか多数決で何かを決めるという取り決めもなかったため、規約と呼べる内容ではありませんでした。第3回大会はそのゆるやかな「会則」から「規約」と呼べる内容の規則を作り、ゆるやかな労働組合の全国の連合体から少し強固な労働組合の連合体へと飛躍したと言えます。幹事会(共同代表各氏・事務局)で路線形成を行い、全国の職場、地域で徹底的に階級的労働運動を実践する組織体として「再結成」されたということです。国債暴落情勢における労働者階級の決起は不可避であり、その決起を最先頭で作り出す全国協になっていくという決意の表れでもあります。動労千葉の10・1外注化阻止決戦を共に闘い抜く全国協として全階級の先頭で闘う組織体制を作り上げるという点で、画期的な第3回大会を勝ちとったと自負しています。

 7・1郵政非正規ユニオン第2回定期大会から全国展開へ

 

合同・一般労組全国協議会郵政非正規ユニオンは7月1日に郵政非正規ユニオン第2回定期大会を開催し、同時に東京における郵政非正規ユニオンの組織化に向かって連合体的組織を結成し、8月5日、全国の連合体的組織結成に向かって突き進みます。6月17日には関西合同労組・郵政非正規部会の結成集会が開催されました。本誌前号(6月号)の関西合同労組の報告にあるように新大阪支店において事実上の雇い止め解雇を粉砕する勝利を実現し、郵政の非正規労働者の組織化に乗り出しています。郵政非正規ユニオンの闘いは全国のそれぞれの合同・一般労組の「部会」あるいは「分会」の形成という過程を通り、全国的組織化に向かうことになります。7・1、8・5は現段階での集約点であり、出発点です。郵政非正規ユニオンの闘いは鈴コン闘争と並んで、非正規職撤廃の戦略的環であり、2000万非正規労働者総体を組織化し、青年労働者総体を組織していく決定的水路です。したがってそういう路線的高さと階級全体を組織するというマルクス主義に貫かれた総体性・全体性が求められます。

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 原発への外国人技能実習生導入を許すな!

 『国際労働運動』8月号「反原発総特集」(前進社刊)での原発労働者のインタビューは衝撃的内容でした。彼が福島の診療所建設の意義を強調していたのは重要です。全国協は、原発労働者を組織して闘おう。7・16反原発10万人集会の先頭に立とう!
 そのためにも外国人の研修制度を使って原発労働・被爆労働者を導入しようとするアイム・ジャパンを許してはなりません。
 アイム・ジャパンは東京都江東区に本社を置く研修生受け入れ機関です。昨年7月にベトナムから毎年1000人ずつ、6年かけて6000人の研修生を日本の原発で働かせる方針を発表しました。原発が再稼働して、ベトナムなどに原発が輸出されることになれば、原発の研修生受け入れ問題が再浮上します。この研修制度が改悪され、これまで1年目は研修生制度、2〜3年目が技能実習制度だったものが、1年目から技能実習生を導入する制度に変わりました。これまでの研修生制度は1年目は労働基準法も最低賃金制度も適用されなかったため、6
万程の低賃金で奴隷労働を強いてきました。1年目から技能実習生制度にするということは1年目から労働法関連の法規がすべて適用されることになるわけですが、寮費や食事代を値上げしてこれまでと同じ最低賃金法を下回る低賃金で働かせるつもりです。アイム・ジャパンは一人当たり20万円の金を企業から受け取り、10万円程しか研修生に渡していません。2000人受け入れで2億
円がアイム・ジャパンに入る仕組みです。
 原発労働者・被爆労働を外国人の技能実習生制度で補おうという攻撃を絶対に許してはなりません。この労働力政策は7・9在留カード導入攻撃と一体です。技能実習生制度粉砕、原発への受け入れ絶対反対、在留カード粉砕の闘いの先頭に全国協が立とう!

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月刊『労働運動』(268号9-1)(2012/07/01)

 ひめじょおん――女性部から

 原発の再稼働を許さない!

 みやぎ連帯ユニオン 下浦慈子

 私は福島第1原発が爆発した当時、原発から15km地点にある特別養護老人ホームで、介護福祉士として働いていました。原発の爆発という大変な事態でしたから、必ずや国なり県などが助けに来てくれるものと思っていましたが、市や県に、施設の救助を要請しても「移送の手段がない。自分たちで対応してほしい」とのことでした。
 後で知ったことですが、原発から半径10km超える病院や施設では、そもそも避難≠キること自体想定されていませんでした。付近の道路は逃げる車で大渋滞。空にはヘリコプターが飛び交っている中、「私たちは完全に見棄てられた…」そう思いました。職員は、子どもがいたり主婦である方から、次々と家族と共に避難し始め、施設に残る職員はどんどん減り、寝ることもできず、被曝に怯えながら利用者さんの対応をしていました。いったい、どこまで逃げれば助かるのか、あと何回爆発するのか、大量に被曝して私たちはこのまま、ここで死んでいくのか…。でもみんなを置いて逃げるわけにはいかない。私の心は大きく揺れていました。「やっぱり私は生きたい」。3月15日にはもう限界で、何人かの職員と私は、上司に頭を下げて施設から飛び出し、待っていてくれた家族と新潟へ避難することになりました。
 老人ホームの避難は困難を極めましたが、NHKの電話取材で、職員が撮影した映像を流し、ようやく横浜の施設が受け入れてくれることになりました。バスのシートに寝たきりの方も無理矢理座り、原発を大きく避けての10時間移動、バスの中で一人の利用者さんが亡くなりました。原発事故が起きてから避難を終えるまでに8日間かかり、横浜に着いたあと、3月中だけで7名が命を落としました。施設であっても、私たちは利用者さんが寂しくないように、第二の家族のつもりで、頑張りながらも楽しく毎日を過ごしてきたのに、一瞬にして原発が壊していきました。
 新潟に一緒に避難した家族は、昨年夏には妹たちは山形へ、両親と祖母は南相馬市の自宅へ、私は宮城県へと、バラバラになりました。
(写真 6・10国鉄集会に登壇した宮城、福島の労働者(東京・文京シビックホール】)

 みんな普通の幸せを求める権利がある

 政府は国民の苦しみの声、怒りを無視して、原発再稼働を強行しようとしています。原発再稼働は国民生活を守るため≠セと!? ふざけんじゃない!! 国民は長い間だまされて、原発を立地を許してしまったが、原発の本質が明らかとなり、各地で政府に抗議するために、頑張る人たちがたくさん出てきています。こんなに辛い思いをして頑張っているのに、みえみえの強行です。怒りの声をあげる人たちの気持ちを萎えさせる気でしょうか。確かに、怒りや情けなさを通り越して、絶望感でいっぱいです。今も自殺者は増える一方です。私はその方たちの悲しみや苦しみを無視して生きていくことはしません。理屈じゃない。誰かを犠牲にして得るような幸せはあってはならない。私たちはみんな普通に生きて、普通の幸せを求める権利があるのです。今が社会を変えるチャンスです。一緒に闘いましょう!

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月刊『労働運動』(268号A-1)(2012/07/01)

 ■動労千葉労働学校で学ぼう!

 6月16日に行われた第12期労働学校基礎講座第3回(テーマ「反原発と時代認識」 講師 島崎光晴)の受講生の感想文を紹介します。

●動労総連合組合員
(前略)(原発の)配管の長さや電気ケーブルの長さの説明があり、あらためて制御不能ということを知ることができた。しかもセシウムが沖縄まで飛散していたという事実は、初めて知ったことだし、その距離よりもはるかに長い長さで電気ケーブルがある。逆にここまでわけの分からない物「原発」を造った、考えた人はすごいと思う。(中略)制御不能な原発を何としても再稼働させようとしている野田政権や資本主義は徹底的に打倒しなくてはならないと感じた。
 また、「ベクレル」と「シーベルト」の違いや「放射能」と「放射線」の違いを学ぶことができたのは、とても大きい。大気中へ流出される放射性物質が「90京ベクレル」。何とも想像しがたい数値である。(中略)このメチャクチャな社会の中では絶対に殺される……。まさに「無差別大量殺戮」だと思う。
(中略)反原発を浸透させ、その闘いを国鉄闘争と結びつけるために職場で強固な団結をつくりたいと思う。そして、「原発がなくなったら職を失ってしまう」ではなく、原発が全廃しても生活を保護させるくらいの勢いで闘いをつくり、(中略)労働組合、労働運動を甦らせるために、微力でも頑張っていきたいと思う。

●合同労組組合員
 質疑の時に「未来を見ないのが資本家」「労働者こそが未来を語れる」とおっしゃってましたが、労働者側からの政策の提起など、実際に未来をつくる作業というか実体がまだまだ見えてこないように思います。「反対、反対」だけでなく、創造の面での実践を見せられるような運動をしなければ、と思いました。
(後略)

●労働組合書記
 今回の労働学校でも「野田がなぜあそこまで原発再稼働にこだわるか理解に苦しむ」という意見がありました。正直に言えば私も同感です。しかし、今起こっている再稼働策動の根本にある「階級意思」を読みとり、明確にさせ、怒りを組織していくことが重要ではないかと感じました。
 現在の再稼働策動の情勢は、過去にない規模で「階級意思」が万人に突きつけられ、誰にでも実感できる形となっています。「階級意思」が一つの階級としての意志である以上、私たちが対置すべきは、労働者としての自覚、われわれの階級としての「覚醒」を促すことだと思います。(中略)階級性をあらゆる闘いに刻印していく労働運動をつくってきたいと思います。
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第12期労働学校日程
■基礎講座
 7月21日(土) 13:00〜
 ◆反原発と時代認識−どういう時代に生きているか
 ◆講師 島崎光晴(経済問題研究家)

■実践講座
 8月25日(土) 13:00〜
 ◆階級的労働運動再生の展望−関西地区生コン支部の闘いの地平
 ◆講師 高英男(関西地区生コン支部副委員長)
■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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月刊『労働運動』(268号B-1)(2012/07/01)

水平線

 ■地平線―反戦共同行動委員会―

 日米安保とは何か(上) 中島敦史 全学連

 スプレイ反対に5200人

 6月17日、米海兵隊新型輸送機MV22オスプレイの沖縄配備に反対する宜野湾市民大会が、5200人を結集して開催された。沖縄戦から67年、本土「復帰」から40年を経て、今もなお基地と安保のあらゆる矛盾と負担を押しつけ、そのうえに危険極まりない「欠陥機」まで新たに配備しようという米日政府の暴挙に、沖縄の怒りは今まさに臨界点を超えて爆発しつつある。こうしたなか、本誌前号でも報じているように、日常不断の職場闘争をつうじて新たな労働組合を結成した青年労働者を先頭に、燃えあがる沖縄のど真ん中で沖縄労組交流センターの仲間が日夜奮闘している。
 何より今回のオスプレイ配備の攻撃が、オバマ政権の「新軍事戦略」を背景とする米軍再編計画の一環としてある以上、この闘いはけっして沖縄だけの闘いではありえない。本土と沖縄の共同の闘いで新たな戦争を阻止し、沖縄を「基地の島」としている元凶=日米安保体制を今こそ粉砕しなくてはならない。そして、資本の利益のために人間が犠牲にされる社会、人間の生存が暴力によって脅かされるような社会そのものを根本から変革し、戦争も搾取もない世界を全世界の労働者とともに創ろうということだ。
(写真 オスプレイ反対集会に5200人(【6月17日 沖縄・宜野湾市海浜公園野外劇場】)

 迫られる安保との対決

 だが、そのためにも、日本の労働者階級はあらためて「安保との対決」を迫られていることを強く自覚しなければならないであろう。野田は、原発再稼働の理由の一つに「安全保障」を掲げている。『読売新聞』などはもっと露骨に、原発は潜在的な核抑止力なのだと公言してはばからない。だが、福島を放射能にさらし、大量の非正規労働者を被曝労働の現場に追いやり、そして沖縄には基地と「欠陥機」を押しつける野田が、一体誰の「安全」を「保障」しているというのか。ここで、野田政権の振りかざす「安全保障」論のデタラメさに憤慨するだけでなく、あらためて「安保とは何か」ということが明確にされなくてはならない。
 日米安保体制の根源は、まずもって戦後革命期にある。周知の通り、第2次大戦終結と同時にアジア全域で空前の戦後革命が爆発した。日本においても、焼け跡から雨後の竹の子のごとく労働組合が結成され、一気に革命情勢が到来した。これに対し、世界資本主義の基軸国たるアメリカは、日本を「反共防波堤」とすることでこのアジアの革命を圧殺することを戦略とした。他方、日本の支配層(天皇とブルジョアジー)は、革命を回避する代償として憲法9条という形での「武装解除」を余儀なくされ、この致命的欠陥をアメリカとの軍事同盟という形で補う以外に資本主義国として再生の道はなかった。かくして日米安保同盟は、アジア革命圧殺のための暴力装置として、あの流血の朝鮮戦争の真っ只中に文字通り「血塗られた軍事同盟」として締結された(1952年)。この時点で沖縄は本土から分離され、米軍支配下に置かれた。
 以後、日本の労働者人民にとって、「安保との闘い」はまさに宿命となっていくのである。
 (次号に続く)

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月刊『労働運動』(268号C-1)(2012/07/01)

ピックアップ

Pick Up 2012年5月〜6月の労働運動関連情報

 新聞記事、ネット配信記事

●日本マルクス主義はなぜ「原子力」にあこがれたのか(ウェブ版) 加藤哲郎【2011.12.10】 ネットにPDFで公開
●松山市職員自殺 市が超勤357時間認定【5/17NEWSキャッチあい】
●全国の福祉事務所への元警察官天下り配置を撤廃させましょう! 越智祥太【5/22HP シノドス・ジャーナル】
●再稼働がリーダーの使命 JR東海会長 葛西敬之【5/29産経】
●俺たちは使い捨て 原発労働者が実状を語る【HP 福島 フクシマ FUKUSHIMA】
●看護師の心身を蝕む過酷な“夜勤”の無限ループ 「命のガイドライン」を巡る利害関係者の綱引き【6/8HP ダイヤモンドオンライン】
●40〜50代で「雇い止め」多数 不安定さ際だつ臨時教員【6/15東京】
●心の病で労災、最多の325人=「震災」原因が20人―厚労省【6/15時事通信】
●〈日本郵便〉地域内便の1割、荷台カラ 検査院が改善要求【6/20毎日】

 労働組合状況

●「裏切った民主議員に報いを」 東電労組トップが不満【5/30朝日】
●5/23 関生支部、第3回中央委員会を開催。「情勢を切り拓く関生型運動」を武建一委員長が提起【関生支部HP6/15付】
●郵政産業労働組合と郵政労働者ユニオンが7月1日組織統一し、郵政産業労働者ユニオンを結成。両組合の組織統一は、2005年以降、討議されてきた。組合員3100名強。
●国労東日本ダイジェスト版NO.9(6/19付)
「『グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進について』基本要求交渉 国労要求に沿って修正提案される!【国労東日本本部HP】
●JR東労組・業務部速報NO.113(6/21付)「『グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進』に関する覚書を締結し本日妥結!!」【JR東労組HP】

 政府・行政当局などの資料

●「首相記者会見の全文」【6/9読売】6・8野田首相の原発再稼働宣言
●「若者雇用戦略」【6/12首相官邸HP>雇用戦略対話】
●「大阪府市1万人を非公務員化」(6/20毎日)→大阪府市統合本部基本方針(第14回大阪府市統合本部会議について)【6/19大阪府HP】
●大阪市「職員の政治的行為の制限に関する条例案」【6/21公表 ネットで全文入手可】

 書籍・雑誌・機関誌類資料

●『被ばくと補償』直野章子/平凡社新書/2011年12月/882円
●『星条旗と日の丸の狭間で―証言記録 沖縄返還と核密約』具志堅勝也/芙蓉書房出版/2012年5月/1800円
●「[特集]橋下政治に対する批判的検討―公務員労働組合問題を中心に」【労働法律旬報No.1769 6月上旬号/2100円】
●「金融・財政危機から国家の危機へ」(上下)鎌倉孝夫【『月刊社会主義』5、6月号】
※おことわり 一部、発出時期が古い情報あり。

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月刊『労働運動』(268号D-1)(2012/07/01)

■読者のページ

 国鉄闘争と星野闘争は、核心部において一心同体

 徳島労組交流センター
※6月20日に呼びかけられたアピールの抜粋です。 編集部

 徳島から、7・1東京高裁包囲デモを熱烈に呼びかけます。2・5徳刑包囲デモをさらに発展させましょう。われわれの中にあった「星野闘争は労働運動ではないから…」という分断された、古臭い体質をブッ飛ばそう! 星野闘争は個人の闘いではない、労働者全体の利害のかかった労働運動そのものです。7・1デモで汗をかいて、大転換に踏み出そう。
 (中略)ここにあって、「労働者階級が団結をして闘争をしたときに、それを無期懲役の冤罪で押しとどめるという構造を放置しておいて労働者階級が立ち上がれるのか」(『月刊労働運動』
1月号9p)。「お前を一生、星野のようにしてやる」。権力に「(国鉄が)受けた攻撃に借りを返さないで、労働運動の前進はない」(6・10第2回実行委・田中委員長)ということです。
 渋谷暴動闘争は、沖縄と渋谷で労働者が主体で立ち上がった戦いです。12年後
1983年国鉄分・民のヤミカ
ラキャンペーンの真っ只中、東京高裁は何を狙って攻撃してきたのか? 機動隊による日教組青年部のリーダー永田さん虐殺は黙殺し、沖縄渋谷暴動のデモ隊リーダーだった星野さんは機動隊殺害のデッチアゲで死刑求刑、無期懲役にした。新自由主義との対決において、団結を守りぬく国鉄闘争と星野闘争は、核心部において一心同体であり、階級的労働運動の闘いそのものだという確認が必要です。 検察が隠している全証拠を開示させましょう。その中で必ず、デッチあげは暴かれる。「ないこと」を「あること」として描き、「証拠の一部分」だけを使って自作のストーリーを強行してきた検察にとって、全証拠
開示は最弱の環だからです。
 7・16反原発、ヒロシマ・ナガサキ、9月橋下打倒の闘いを着実に合流させ、力関係を転換していこう。

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月刊『労働運動』(268号E-1)(2012/07/01)

■MOVIE

キリマンジャロの雪 監督 ロベール・ゲティギャン フランス 2011年

 映画は、仏マルセイユ港の労働総同盟CGTの組合会館前の集会から始まる。
箱から次々と名前の書いた紙が取り出され、抽選方法で20人の解雇者が決まってゆく。会社側も遠巻きにながめている。19人目に主
人公で労組委員長のミシェルの名前が。ILO135号条約により組合役員は解雇対象者から除外可能なのであるが、そうはしなかったのだ。
 というわけで、ミシェルは失業することに。このとき彼はちょうど結婚30周年を迎え、そのパーティーで家族友人からキリマンジャロ行きの旅行をプレゼントされる。しかし、ある日自宅に強盗が押し入り、チケットを奪われてしまう。しかも犯人は、なんと一緒に解雇された青年労働者であった。ミシェルは拘留中の青年に何回か面会するのだが、最後にはこのダラ幹め≠ニ罵られることに。青年がこのくじ引き解雇決着をどう考えていたのかは観てのお楽しみ。
この映画、巷のレビューではなんだか人間讃歌のように受け止められているが、労働運動の観点からは別の視点が見えてくる。労使交渉のあり方、解決内容、老若男女の労働者それぞれの生活、そして活動家の生き様等々。私も、その昔小さいながらも組合で解雇争議を闘い一定の解決を委員長として決断したことがあるが、いまでもその結果が果たして正しかったのかどうか考えることがある。ミシェルも青年からそれを突きつけられる。そしてミシェルは考えるのである、「ジャン・ジョレス(仏社会党創始者)であればどうしただろうか」と。私であれば「中野洋であればどうしただろうか」と。
見所はその他にも、マルセイユの街並み、労働者たちの連帯感、そして何より主人公夫婦の愛情。加えてところどころで出てくる組合会館とCGTの横断幕やポスター(といっても仏語なのでまったくわかりませんでしたが)、主題歌のパス
テル・ダネルの「キリマンジャロの雪」。ここはあえて、50代以上の活動家諸子にお勧めしたい映画だ。監督のロベール・ゲティギャン(58)曰く「この映画はわれわれの世代の自己批判」とのこと。
 ちなみに字幕が非常に読みづらいので要注意。
 (東京 町支健一)
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 東京・神保町の岩波ホールは9月14日まで公開中。順次全国公開。
 公式HP http//www.kilimanjaronoyuki.jp/

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月刊『労働運動』(268号F-1)(2012/07/01)

編集後記

▼原発再稼働反対の首相官邸前行動の爆発。6月29日がさらにどうなっているか。「普通」「個人」が強調されるが、労働運動の体たらくゆえ。「妥結」「落としどころ」など考えられない闘いは必ず職場のあり方、労働運動を塗り替える(う)

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月刊『労働運動』(268号G-1)(2012/07/01)

Photo Documennt 2012年5月〜2012年6月

八尾北医療センター明け渡し裁判、全面勝利!

5・24大阪
八尾北医療センター明け渡し弾劾裁判闘争は、1年半の闘いを通して、ついに原告・八尾市の八尾北明け渡し請求を棄却させ、八尾北労組・西郡支部、八尾北命と健康を守る会、すべての労働者の全面勝訴を勝ちとった。

大飯原発再稼働を絶対許さない!

6・17福井
福井市中央公園で「いのちが大事/ふくいでつながろう/再稼働反対緊急集会」が開かれ、福井県内を始め各地から2200人が参加した。16日に野田政権が大飯原発再稼働を決めた直後の集会には「再稼働を絶対許さない」という熱い思いがあふれた。

「在留カード」粉砕へ法務省デモ!

6・20東京
世界難民デーのこの日、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委が呼びかけた「在留カード」粉砕!法務省デモが闘われた。在日・滞日外国人、労働者、学生など100人が集まり、日比谷公園霞門から法務省を周回するデモが闘われた。

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