「月刊労働運動」 2012年/09月/01日(No.270号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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目次
◎労働者の目 自らの職場で資本と激突し、動労千葉労働運動=階級的労働運動を実践しよう
11月労働者集会第1回実行委員会が開催
11・4全国労働者総決起集会1万人結集実現へ、
すべての職場・産別から組織拡大の構想と実践を

大激動情勢を勝ちぬく交流センター運動の飛躍を!
9・15 〜 16 第25 回拡大全国運営委員会(大阪)の成功を勝ちとろう 飯田 英貴 事務局長
9・16 橋下打倒闘争へ大結集を!
橋下と闘う足下から、新自由主義と対決する労働運動を甦らせよう!  大阪労働組合交流センター
◎国労組合員資格確認訴訟の意義について(上)
星野 文男 国労新潟県支部執行委員、国労新潟・駅連合分会

◎教育の民営化に「絶対反対」で職場から闘い、9・16橋下打倒集会へ団結を拡大しよう 関西労組交流センター・教育労働者部会

◎8・6ヒロシマ大行動を闘って 井上 亮 広島連帯ユニオン青年部長

◎「民衆の手による診療所を!8・11福島シンポジウム」開催 渡辺馨 福島労組交流センター
◎名古屋港の貨物輸送会社の二つの分会で大きな前進 坂野康男 東海合同労働組合執行委員長
◎契約社員制度=非正規職を撤廃させよう! 山田 和広 動労西日本副委員長
◎郵政非正規ユニオン全国協議会を結成!   齋藤裕介 郵政非正規ユニオン執行委員長

ひめじょおん−女性部から  福島と共に、原発廃炉に

読者のページ

●マンガ /編集後記

※「動労千葉労働学校で学ぼう」「Pick Up」は休載しました。

月刊『労働運動』(270号1-1)(2012/09/01)

■労働者の目

自らの職場で資本と激突し、動労千葉労働運動=階級的労働運動を実践しよう

白石 滋 常任運営委員、国労新橋支部

 まさに勝負どころがきている。動労千葉が検修業務の外注化という強制出向・首切り、組織破壊攻撃に組織の総力を上げて立ち向かっている。国労が職場から闘いをまきおこすことが問われている。
 今、交流センターの会員がやるべきことは、自らの職場・事業場で動労千葉労働運動=階級的労働運動を実践することである。あらゆる組合・職場からJRへの怒りを組織し、偽装請負と安全破壊の外注化を社会問題にし、それと一体でみずからの職場の課題をめぐって資本との激突を組織していく。労働者に共通した不平・不満や怒りの声を組織して、会社や闘わない組合指導部にまずぶつかっていく。この実践が待ったなしに問われている。組織の存亡をかけて闘う動労千葉と一体で闘うとは、この実践ぬきにない。
 問題は労働組合であり、交流センター建設である。体制内への批判では労働者を獲得できない。では交流センターは何をやるのか、運動と組織を語り、実践しなければならない。
 少数職場の多い交流センターが、この大きな情勢にどう立ち向かうのか。国労共闘の教訓をこのなかで活かしていきたい。国労共闘は当初は各職場に点在する活動家のつながりであった。それではダメだ。尼崎・伯備・羽越線事故弾劾集会や5・27弾圧と闘い、階級裁判としてとらえかえし、これらの闘争こそ分割・民営化反対闘争そのものだと確信した時、点から一本の線となった。さらに4・9政治和解を拒否して解雇撤回を貫く腹を固めた時、国労の腐った指導部を打倒し、批判勢力から責任勢力に生まれ変わろうと決意することができた。この時、線から面へとなり団結が強化された。「共に闘う国労の会」はその成果であり、だからこそこれからが闘いの本番である。平成採をはじめすべての国鉄労働者に責任をとる立場で、JR資本と激突するのだ。300名の会員建設で国労を作り変え、国鉄闘争全国運動を大きく発展させたい。
 この闘いこそ、国会・首相官邸で原発再稼働に渾身の怒りを叩きつけている大衆と交流センターがひとつになる道である。その時は、だんだんと近づいていると感じる。この秋、交流センターは大きく飛躍しよう。私は交流センター運動の先頭にたって、職場で闘うつもりである。
(写真 国労第81回全国大会初日、会場前で訴える「共に闘う国労の会」【7月26日 静岡県伊東市】)

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月刊『労働運動』(270号2-1)(2012/09/01)

大激動情勢を勝ちぬく交流センター運動の飛躍を!

9・15〜16第25回拡大全国運営委員会(大阪)の成功を勝ちとろう

飯田 英貴 事務局長

 交流センター運動の決定的飛躍の時が来ています。首相官邸前での「紫陽花革命」、17万人結集の7・16反原発集会。他方、「領土」をめぐる国家主義の煽動。大激動情勢への突入の中で、労働運動が社会変革の主力となることができるのか。問われていることは具体的です。階級的労働運動を具体的に組織することです。職場、地域から何をやるのかを明確にし、その闘いの集約として11・4日比谷野音に巨万の労働者の結集を闘いとろう。

 10・1外注化阻止で階級的労働運動の復権を

 まず第一に、JR東の検修・構内「10・1全面外注化阻止」の闘いを、動労千葉の組合員と共に全労働者階級の闘いとすることです。
 動労千葉はいま総力を挙げて外注化攻撃に立ち向かっています。実際に強制出向が目の前に迫っている中で、すべての出向対象者が処分も恐れず、一糸乱れず団結して闘いに立ち上がっていることが日本の労働運動史を塗り替える画期的闘いです。
 私たちが「10・1外注化阻止」という闘いで実現しようとしていることは、この動労千葉の組合員を先頭とした「階級的労働運動の復権」です。動労千葉は自分のためではなく「青年の未来のため」「子や孫たちの将来のため」だと言って闘い、「10・1阻止」に一切の妥協なく闘っています。
 私たちは、新自由主義が社会に蔓延した決定的要素として、これを受け入れてきた労働組合の側の問題があると主体的にとらえてきました。動労千葉は明確にこの問題の具体的突破をかけて闘っています。
 動労千葉は「職場の支配」をめぐって資本と徹底的に闘ってきました。「会社が言っても誰も言うことは聞かないけど、組合の方針で職場全体が動く」―毎日の職場での小さな闘いの積み重ねですが、職場全体の利害を考え、他労組も巻き込んだ闘いで職場支配権を組合が握ってきたのです。中野前動労千葉委員長は「労働組合運動の中で労働者階級は自分たちが権力を握ったときの能力を身につける」のだと、労働組合の存在を高く高く位置づけました。「JR当局がいなくても千葉の電車はすべて動労千葉が動かせる。動労千葉の乗務員の方が会社側よりよほどうまい」―こうした労働者の誇りと闘いと団結が資本を圧倒し、外注化の目論見を揺さぶっています。
 ここに外注化阻止の可能性があります。資本にもまったく自信はありません。問題はこれをやすやすと受け入れてきた労働組合にあります。資本・当局がどれだけ職場を破壊し、社会を崩壊させてきたか。腹の底からの怒りで「俺たちがとって代わってやる」と言える労働組合を全職場でつくり出すことです。

 反原発の怒りと共に連合支配を打ち破ろう

 第二に、数十万の「反原発・野田打倒」の怒りの中から、連合支配を現場から揺るがし、階級的労働運動の復権を闘いとることです。
 なにより、福島の怒りとひとつになって原発をすべて止め再稼働をなくすまで「紫陽花革命」をとことん発展させることです。自分自身の行動が未来を決める、ついにつかんだこの感動と展望をつぶさせてはなりません。
 また、職場からの「被曝労働絶対反対」の闘いが決定的です。動労水戸大子支部が気動車のラジエター清掃(除染)作業に対しストライキで闘っていることは本当に重要です。先日、原発労働者が線量計に鉛カバーをかぶせて働かされていた事実が暴露されました。原発の最前線で働く労働者の権利や命が脅かされています。声をあげたら解雇という現実、「被曝労働は下請け労働者にやらせればいい」と受け入れてきた連合支配。このどちらをも打ち破れることを私たちの闘いで示そう。
 さらに、動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決を武器に、国鉄1047名解雇撤回闘争を日本労働運動の大地に甦らせることです。
 民主党・野田政権の危機を支え、原発再稼働や消費大増税、社会保障解体など労働者階級へのむちゃくちゃな攻撃を連合が賛成し、推進してきたことを考えれば、国鉄分割・民営化と総評解体によって労働者階級が一敗地にまみれた影響は途方もなく大きい。しかし、6・29判決は国鉄分割・民営化反対闘争を再び階級闘争の前面に押し上げました。なにより、動労千葉、動労総連合と国労共闘の25年の闘いの正義性と勝利性を明らかにしたことが決定的です。連合との対抗軸として存在してきた国鉄闘争を生き生きと甦らせることは、連合支配に抗して主体的決起を開始した労働者を鼓舞激励し、反原発闘争をさらに発展させる大きな推進軸となるはずです。

 労働者が社会の主人公だ―9・16橋下打倒の闘いへ

 第三に、9・16橋下打倒闘争を全力で取り組む中から交流センター運動の展望をつくり出すことです。
 激しい公務員バッシングの中で大阪市職の青年が「入れ墨アンケート」を拒否して闘い、市教組の仲間は「君が代」処分を物ともせず不起立に立ち上がりました。八尾北医療センターや西郡部落の労働者、住民は、市当局の更地化・解体攻撃を完全にはね返しています。この絶対反対の闘いが橋下・維新の会がやろうとしている道州制=公的事業の丸ごと民営化、公務員の全員解雇・非正規職化、改憲という陰謀を明るみに出しました。そしてなにより、社会変革の主体は労働者であり、労働組合が闘えば橋下を倒せる、これを職場からの闘いで指し示していることが決定的です。
 大阪は日本有数の貧困とプロレタリアートの街であり、階級闘争が激しく闘われてきた街です。関生や港合同のような資本主義の根幹を揺るがす労働組合の闘いが存在し、在日や部落民は国家権力と実力で闘い生き抜いてきました。「橋下打倒」とは、労働者の側から大阪から「この社会を変える」闘いです。明るく力強く不屈に闘う大阪の労働者の仲間に感動と心からの連帯を込めて9・16闘争を全力で闘いたいと思います。
 労組交流センター運動の発展をかけて25回拡大全国運営委員会への結集を訴えます。
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第25回拡大全国運営委員会
1日目 9月15日(土)13:00〜
2日目 9月16日(日)8:30〜11:30
場所 港合同・田中機械会議室
 大阪市港区南市岡3-6-26
 地下鉄、JR環状線「弁天町」駅下車

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月刊『労働運動』(270号3-1)(2012/09/01)

9・16橋下打倒闘争へ大結集を!

橋下と闘う足下から、新自由主義と対決する労働運動を甦らせよう!

大阪労働組合交流センター

(写真 9・16集会よびかけ人を先頭に8・6ヒロシマ大行動でデモ行進)

 階級情勢は新たな激動過程に突入している。新自由主義を打ち倒し、労働者階級が奪われてきたすべてを奪い返すまで止むことのない闘いが始まっている。10・1外注化阻止の階級決戦は、労働者階級の未来をかけ、労働運動の歴史を塗りかえる歴史的決戦だ。動労千葉の波状的な強制出向反対の指名スト、動労水戸の被曝労働拒否のストライキとして火ぶたを切られたこの決戦に勝利し、労働者階級の新たな総反撃の歴史を切り開こう。
 9・16橋下打倒集会は、この10・1外注化阻止決戦と一体の階級決戦であり、新自由主義の絶望的凶暴化との全面的激突だ。ここに勝ちぬく中で新自由主義を打ち倒す労働運動を甦らせよう! 「民営化=外注化阻止、非正規職撤廃」を掲げ、橋下による「全員解雇=10割非正規職化」攻撃と対決する労働組合を登場させよう。
 7月28日、9・16集会実行委員会が開催され、積極的な議論の中で、《4つの柱》をもって闘うことが決定された。
@橋下による「全員解雇」攻撃を受けている公務員労働者の団結の拡大と闘いの発展を軸とする。拠点職場での闘いをとおして、いかなる処分も解雇も許さない労働運動を組織していく。
A9・16集会をもって開始する闘いを、橋下打倒まで止むことのない闘いの始まりとする。本集会の実行委員会を恒常的な運動体として発足する。
B参加した労働組合・団体・個人が実行委員会の構成団体・メンバーとなり、実行委員会として広範な労働者に呼びかけていく。職場や街頭で圧倒的な賛同署名を集めていく。
C9・16をもって、橋下の足下から新自由主義と対決する労働運動≠全国に向かって発信し、労働運動を塗りかえる闘いの出発点とする。
 9・16で開始するこの挑戦を、国鉄闘争全国運動と並ぶ、労働運動の未来をかけた闘いとして、全国の労働者の力で勝利させよう。

 ●橋下と闘う大阪からの決戦アピール

 赤田由行(大阪市職員労働組合)

 全国の自治体職場で橋下に対する怒りがわきあがっています。全国保育集会では首切りと闘わない本部への怒りがいよいよ奔流となり、旭川現業集会では橋下打倒署名に行列ができました。
 8月1日成立の「政治活動規制条例」など3条例は、労働組合つぶしそのものです。これは、現場の労働者の怒りを絶対に団結に変えてはならないという橋下と資本家階級の恐怖を表しています。この攻撃に大阪市労連本部はまったく闘いの方針を出していません。
 しかし私たちは知っています。絶対反対で闘えば、橋下には負けません。「橋下打倒」を訴えるビラ1枚が当局を追いつめ、職場に衝撃をもたらしています。6人の入れ墨調査の拒否に対しては、3カ月近くたった今も処分策動をはねかえしています。また、大阪府八尾市の八尾北医療センター労組は、この間市当局による明け渡し裁判を退け、民営化阻止に向けた大勝利を勝ち取っています。
 それでも橋下があきらめることはありません。自民党も民主党も壊滅状態にある中、彼がどれだけ薄っぺらな人格だろうと、彼は資本家階級の命運を背負って登場しています。野田政権が国家戦略会議で打ち出した「40歳定年制」「10割非正規化」を、自ら先頭に立ってやるしかないと決断しているのです。
 政治活動規制条例の成立にともなって、橋下は「民間企業で、従業員が会社の信用を傷つけ、業務に支障を生じさせるような宣伝をするなど聞いたことがありません。 このようなことが許されるのでしょうか」と言っています。労働組合が会社の悪を暴くことも、ストライキで闘うことも禁止するという、全ての労働組合をつぶす宣言じゃないですか。 私たちが9・16橋下打倒集会を呼びかけるのは、ここで絶対に勝ちに行きたいからです。国鉄闘争は4者4団体の裏切りというギリギリのところから、今年6月の国鉄闘争全国運動の集会では「国鉄闘争の火をさらに大きく」と宣言するところまで大前進しました。そしてJR職場では外注化を阻止し、被曝労働を拒否する青年の決起が始まり、あらゆる産別に飛び火しています。自治体労働運動をつぶそうと狙う橋下のまわりを、すでに労働組合の闘いが包囲しつつあります。
 資本と労動者の力関係が転換しつつあります。国鉄労働運動つぶしで登場した新自由主義、青年の大半を非正規にたたきこみ、世界中で労働者の命と生活を奪い、原発を爆発させて何の責任もとらないこの新自由主義に、終止符を打つ闘いの始まりです。
 JR東日本は10月1日付での検査・修繕部門の全面外注化を狙っています。これに対し国鉄1047名解雇撤回をたたかう動労千葉がストライキで立ち向かっています。9・16橋下打倒集会と10・1外注化阻止決戦を一体で闘えば、労働者は絶対に勝てます。
 9・16集会は「反橋下」の一般的な政治集会ではありません。新自由主義と闘う労働運動を甦らせる労働者階級の決戦です。何より大阪市において闘う労働組合を甦らせ、新自由主義にとどめをさす決戦です。
 職場では「条例で決まったから従うしかない」「今はおとなしくしておけ」という声もあります。しかし黙っていたら殺される! 私は「条例がなんだ!」と言いたい。今や議員の決めたシステムすべてが崩壊しているじゃないですか。
 資本家階級が法をもって労働者を殺すことに対し、ストライキでこれを打ち破って団結を拡大するのが本当の労働組合です。会社が何と言おうと、最後には団結した労働者が勝つのです。この力を橋下と、すべての労働者の前に登場させるのが9・16集会です。
 首相官邸や国会包囲の20万余のデモが毎週のように闘われ、真に勝てる方針を求めています。労働組合がこの中軸に登場できたら、世の中はひっくり返ります。9・16橋下打倒闘争−10・1外注化阻止から闘う労働組合を甦らせて、この腐りきった社会に革命を起こそう! 大阪中之島公園への大結集を!
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民営化=全員解雇絶対反対! 非正規職撤廃! 処分撤回! 労働組合つぶし許すな!
9・16橋下打倒集会
9月16日(日)14:00〜
大阪中之島公園・女神像前
集会後、御堂筋デモ 
主催 9・16集会実行委員会

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月刊『労働運動』(270号4-1)(2012/09/01)

11月労働者集会第1回実行委員会が開催

11・4全国労働者総決起集会1万人結集実現へ、すべての職場・産別から組織拡大の構想と実践を

(写真 11月労働者集会第1回実行委員会【8月26日 東京】)

 8月26日都内で開催された11月労働者集会第1回実行委員会の提起を編集部の責任でまとめたものです。

 

 ■呼びかけ3労組からの提起(要旨)

 ●二つの葬儀のお礼と決意 中村吉政 港合同副委員長

 大和田委員長は、亡くなる1週間前、港地域の集会で橋下の団結権破壊の攻撃に対して、団結権とはいかなるものかと1時間、講演を行いました。7月22日の追悼会の閉会挨拶では辻岡尚執行委員がこれからの決意を田中機械として述べました。その辻岡君が先週亡くなりました。委員長にしろ、辻岡君にしろ、国鉄全国運動、1047名解雇撤回闘争で、11月集会で、先陣を切って港合同として闘ってきました。何としても残された者、特に私がその先頭になってやらなければならんと決意しております。敵の方は二人が亡くなったということでいろいろな攻撃をしてくるかもわかりませんけれども、港合同の看板を背負いながら頑張り抜きます。11月集会の大成功を収めるように全力を挙げて闘います。
 大阪では橋下の団結権破壊、そして僕たちの身近なところにも入れ墨アンケートに反対した仲間もいます。そういう方たちと連携をして大阪でまず団結権確保、そして大阪の労働者の魂を世間に明らかにするために港合同もその先頭になって闘うことを決意し、またこのかんの二つの葬儀に対するお礼を申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

 ●組織拡大闘争の教訓 高英男 関西地区生コン支部副委員長

 生コン支部はこの1年間、主に組織の内部の拡大に力点を置いて、一にも二にも組織拡大をしようという取り組みをやってきましたので、そのことの報告をします。
 生コン支部は13の地域、ブロックの集合体として形成されています。毎年200名近い拡大はしているんです。しかし職場数だけで百数十ありますから、200人程度の拡大は1年に1人定年でやめるとほぼ横ばいです。でも内容でいうと日々雇用労働者が増えて、組合員の高齢化が進んでいる。大阪では、一昨年の4カ月半にわたるゼネストに対する相手側の必死の巻き返しがありましてね。そういう状況のなかで、高齢化、非正規が進むのは組織の行動力、集中力の後退になるわけです。また毎年同じようなことを繰り返していたんでは、組織が弱体化をするし、運動の後退要因になりかねない。
 しかし、組合員1300名は、7年間ずっと弾圧の渦中で組合を継続してやってきている。他の労組よりは鍛えられている組合員のはずやと。この組合員が仕事をして夜終わって酒を呑んで、場合によってはパチンコ行って帰る。それをとりあえずこの1年間は封印をしてもらう。毎日ではありません(笑)。でも少なくとも月に2〜4回ぐらいは組合のために全部に動いてもらおうと。私が拡大の責任者になってすべての地域を回ってとにかく全員で動いてくれと。半ば強制的に、当初は各地域で組織の宣伝活動を取り組んでもらいました。宣伝活動だけではなかなか拡大は進まないです。最初は自分らでビラを渡すだけですから。2〜3カ月して、そういう行動にちょっ
と慣れてきたら、次はちょっともう一回バージョンを上げて、単にビラを渡すだけではなくて、自分たちの情報を相手に伝達をしながら、今度は相手がどういう状態であるか、情報をキャッチすることを意識しようやと。ビラをまくことにようやく体と頭が慣れてきたら次はターゲットをしぼって、例えば業種や企業、地域にしぼるとか。そういう宣伝という自分たちの情報を相手に伝えるという行為を通じて相手に何か不満がないか、状態を探ることを意識してやることを全部の地域でやってもらいました。やるとけっこうできるんですよ。たんにビラを渡すだけでなくて、「労働組合の者です」「会社に何か不満ありませんか」と声をかけて渡すだけで一言二言向こうから返ってくるのが情報です。それで「こんな不満言うとったで」みたいな情報があったら、「ほな、その会社を集中的に攻めよか」と。すべての地域でこの地道な活動を半年近く繰り返してもらいました。
 そこで次は、組合員一人一人にノルマ的に一人に何名の拡大を8月末までに必ずやってくれと。もちろん反発はあります。僕だけじゃなく、支部の役員や地域を牽引しているブロックの執行部が1カ月、2カ月、組合員と喧々諤々議論をして、「とりあえずやろう」と動き始めた。結果としてはこの8月に約1000名ほどの組合員の数が増えました。

 「街角に見える労働組合をめざそう」

 もうひとつは労働組合のあり方の議論がありました。労働組合とはもちろん要求があって、職場の労働条件の改善とか要求をベースに組織をするわけです。だけど人間のサイクルで考えると8時間働いて8時間寝て、あとの8時間はいわば会社外で過ごすわけでしょ。いわば今の社会の現状にさらされているわけです。そういうところに労働組合が手を出さずに職場の8時間の部分だけを組織しても組合の集中力が高まるはずがない。そこでこの組織拡大を求めたときにスローガンは、「街角に見える労働組合をめざそう」と。職場の要求だけではなくて、生活の要求もふくめて担ってやるんだということをアピールしようと。例えば生活が困窮してたら行政に生活保護を求めるようなことも労働組合としてやろうやと。そういう要求も含めて組織したらええ。だからどんどん引っ張ってきてくれと。いわばわれわれのテリトリーを職場の外に、社会現象化している貧困の問題もふくめて、積極的に踏み込んで拡大する。

 1300名の組合員への確信

 各地域行って「動け、動け」と言うたわけですから、私はずいぶん憎まれて人気は下がったと思いますけど(笑)。だけど、いずれにしても過去にはない拡大はできています。ただ組織的に言うと、3000名拡大をしようと言うて3分の1の1000名にとどまっているわけです。諸手を挙げて喜べる成果じゃない。それは言い換えると、われわれの組織への確信なんです。この約7年間、弾圧はあるわ、業界からはいろいろやられるわ、それでもなんだかんだ言いながら組織を信じて1300名が結集している。この組合員て尋常じゃない組合員なんですよ。大衆組織ですけどね。活動家とまでは言いませんけども、それなりに性根の入っている組合員をわれわれがちゃんと上手にリードして動かせてないんちゃうかと。実は執行部はそういう総括をしたんです。しっかりと組合員が大衆的に動いたらこれだけの結果は出せる。これをしっかりとそれぞれの組合員の確信になるようにこれから総括する作業が残っています。
 この1年間、13の地域で同じことを言っていますが、この3労組の集会も要は自分たちの組合や運動が自分たちの周辺の人たちにとって本当にええもんなのかどうなのかということを自分たちが確信がなかったら宣伝のしようがない。僕は全部の組合員にわかりやすいように、「近所で安くておいしい居酒屋見つけたら、友達に紹介するやろ」「自分たちがやっている今の組合活動とか組合がそういうふうに思えるかどうかの問題や」と。
 だけど、1300人が残っているというのは、安くておいしい居酒屋やと思うてるはずなんですよ。だからそれをどんどん表に出してもらうと。これは生コン支部だけではなくて、今日集まっておられる人全部が11月集会もそういうふうに思わないと、多くの結集を呼びかけることはできないと思うんですね。
 3労組の事務局会議がありました。基本は労働組合の結集軸、闘う労働組合をつくろうということですから、対象は労働者です。基本的に労働者は難しい話は嫌がるでしょ。要はわかりやすい、自分たちの要求をどんなかっこうでどこに行ったら実現できるのかというのをわかりやすく、どう説明できるか。あんまり難しいスローガンをずらずらと並べるんじゃなくて労働者が本当に自分たちが求める要求をスローガンにわれわれは闘うんだと。ぜひそういう11月集会にしたい。
 この3労組の集会ももう14回目です。3労組の共闘や信頼関係はずいぶん深まっています。それぞれの職場で闘っているんですが、時々、同じような業種で各地の闘いの紹介が別々に出てくるんですよ。業種が同じであれば、地域を問わず、業種別共闘会議をあっちこっちに組織して、それを集会の中心軸にするようなことがあってええんじゃないか。それは生コン支部が元々そういう産業別運動をずっと47年間それにこだわってやってきて、それなりに関西における生コン産業に根を張ってやってきた自負を持っているんです。その基礎は、業種別会議の共闘会議から始まってます。ですからぜひ全国でそういう共闘組織が組織できればと考えています。
 今年は内部の団結、拡大に労力をおいて取り組んだ1年でした。それなりの結果は出たと思ってます。この11月集会も、ちょっと踏み込んで実際に全国各地にどのようなかっこうで芽を広げていくのかを議論し、そういうことをアピールできる集会にしていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

 ●11月集会1万人結集実現に向けて 田中康宏 動労千葉委員長

 今年の11月集会の性格は何か

 今年の11月集会をどういう集会にするのか。今求められていることは、労働組合の惨憺たる現状を変えること。そうしなかったら何事も動き出さない。そう考えれば今年の集会の性格は、闘う労働組合の組織拡大大会になる。こうなること以外にないと思うんです。
 高さんが提起されたことが核心問題です。さまざまな地域、職種、業種の労働者が、本当に体を動かして自分のところで組織を拡大をするところに踏み出す。そういうものが全部集まる11月集会になったときに11月集会は成功をするんだと思います。
 ただ一般的に闘う労働組合の全国ネットワークと呼びかけているだけにとどまっていたら5000人です。大きく1万人を超えて発展していくためには、例えば医療、教育、自治体や金属でそれぞれ闘う労働組合のネットワークや共闘会議が結成されるというように、具体的な取り組みがなされなければならない。そういうものを今年の11月集会に向かって呼びかけたり、本気でめざそうと提起できるようにならなきゃいけない。理想的な形を言えば、そういう各産別の闘う労働組合の全国ネットワークをめざす全国総決起大会が開催され、その総集編として11月集会があるというようにならないといけない。現実にこの社会の中で生きていくことができない労働者がいる。だけどその労働者たちは労働組合を自分の希望とも未来とも感じていない。労働組合の惨憺たる現状がある。そういうなかで小さいながらも僕らが闘っている。これが影響力を持っていく以外の道はない。そうなった以上、そういうことをめざさないといけないと思います。そういう11月集会に本当にしたい。
 そういうことをめざして、念願の、少なくともまずは1万人は集めようということを今年こそ実現するということに向けて全国の皆さんの力を結集していただきたい。

 国鉄闘争の前進と6・29東京地裁判決

 この1年間で闘いはいろいろな意味で前進しています。ひとつは原発闘争です。毎週金曜日、官邸前に多くの労働者市民が結集するという去年では考えられなかったことが起きている。時代が動き始めました。
 もう一方、11月集会の中心的課題だった国鉄闘争でも闘いは前進しています。状況は、簡単に言えば、旗を掲げているのは動労千葉と国労の闘う仲間のごく一部になりました。後はぜんぶ旗を降ろした。その意味では困難な、不利な状況から僕らは目の色を変えて立ち上がったわけです。そういう状況にもかかわらず、6月29日に東京地裁で出された判決は少なくとも国労などああいうでかい労働組合の地平を確実に超えるものを勝ちとりました。これは全国の仲間たちが国鉄闘争全国運動という形で結集してくれたからです。そうじゃなかったら完全に無視されて、全面敗訴の判決が下りていて当たり前だったわけです。もちろん反動判決です。本当に腹の底から煮えたぎるような反動判決なんです。だって25年経ってるんですよ。25年間どれだけもう苦心惨憺たる形で闘い続けて来たのか。ようやくの判決です。でも解雇撤回しない。
 これまで、JR不採用になった僕らの組合員には、停職6カ月、または停職2回以上を受けている者という不採用基準があったわけです。今度の判決の画期的意義は、この不採用基準そのものが不法行為であったと明確に認定したんです。国労の判決では、この不採用基準は具体的な基準であり合理的であるという判決が出ました。だから僕らの組合員はこれでいったら完全敗訴だった。
 しかも動労千葉の組合員は、国労の組合員もふくまれているんですが、少なくとも1月末から2月冒頭まで採用候補者の名簿に登載されていたことも認定されました。それが採用候補者の名簿がJRの設立委員会に提出されるわずか数日前に意図的に外されたということも認定されました。それを意図的に外したのは、今のJR総連と当時の国鉄当局の結託した不当労働行為であると認定されました。その外す指示をしたのは当時の葛西敬之職員局次長(現JR東海会長)だという個人も特定させました。で、外した時期も恐らく1987年2月3日から6日までの間。そこまで認定をさせました。だから判決ではどう書かれたかというと、動労千葉の採用差別で首になった組合員が採用候補者の名簿に登載されていたと言いうる。登載されていたとすれば、採用されていたと言いうると断定しました。ならば解雇撤回以外の判決が出るはずがないでしょ。にもかかわらず、それを3年間分の賃金の差額を払えばいいという形にした。
 こういう判決でしたけれども、国鉄闘争的にも大きく前進したというのは、つまり本当に皮1枚で解雇撤回になるところまで来たんです。原則を曲げずに闘い抜いたらここまでは来た。ここに確信をもってもらいたい。
 11月集会が掲げ続けてきたスローガンです。国鉄闘争に絶対にこだわる。1047名の解雇を撤回する。11月集会の成果だといっていいと思うんです。つまりこれが勝ちとられたら国鉄分割・民営化以降のすべてが間違っていたということが僕らの運動、闘いとして証明できる。そうなったら今、非正規で苦しむ仲間たち、こういう仲間たちが団結して新しい一歩を踏み出す前提条件ができる。
 それと11月集会のひとつの柱である国際連帯闘争もすごい前進している。例えば韓国からKECの仲間が来た。これは75名指名解雇を受けた。日本に法人がある。半導体の韓国の有数企業です。それが解雇撤回闘争をやりたいけど当てがない。ソウル本部に相談したら動労千葉に行けばいいと言われて来日した。その中で日本法人が倒産。それでたちまち全員の解雇を撤回させた。たまたまうまくいった面もあるけど、そういうものもこの運動の中でつくり出されてることが大きい。
 僕らが現場から力を持ったらすべてが力を持つようになっていく。そういうようなところまで来ていると思っています。

 11月集会をとりまく情勢

 情勢すべてが示していることは、資本主義体制はもう出口がなくて終わりだということです。スペインだとかギリシャだとか日本もそう。だけどその現実が労働者をどんなに痛めつけているのか。そうなったら資本主義を変える以外にない。変えるには労働組合が力を持たないといけない。
 こうした危機のなか、「領土」という言葉がこれほどまで騒がれて排外主義と国家主義が煽られる。何が「固有の領土」だ。だけどこれは、このかん労働者が非正規という形に突き落とされてきた問題も国際競争に勝たなければ雇用はもっと失われるんだと言われてきたわけです。だから国家って枠で考えたらもう戦争として衝突してる。労働者はもう徹底的に権利も何も全部解体されていくしかない。国際的な労働者の団結と連帯をつくるという観点からすべてのものを見るということが問われているとあらためて思っています。
 時代は大きく動き出しました。反原発闘争をめぐる状況が特にそうです。では僕らの責任は何なのか。もちろん怒りの声はいろいろな形で継続していく。だけども本当に力を持って発展をしていくとはならない。こういう怒りの声が噴き出しているにもかかわらす、労働組合の惨憺たる現状があることを僕らの責任で変えなきゃいけない。
 今動き出していることは、いくつかの点で画期的です。60年、70年安保闘争といっても社会党、共産党的な土台があった。そこのなかで青年たちがその枠を超えて暴れ出した。でも今は連合・全労連の惨状があって基盤がまったくないにもかかわらず、もう3カ月近く持続的に・継続的に、和解しようがない怒りの声が行動として結集し続けている。しかも数万、最高ピーク20万という規模でです。
 もうひとつは、原発事故から1年数カ月を経てそうなったということ。小さな努力が全国であった。僕らもそのうちのひとつだった。これは福島を先頭とした、もう我慢ならない、引き下がれない闘いでした。でもどういう展望があるのか当初は見えなかったはずです。だけどこのままでいいのか、明日俺たちは生きられるのか、福島を見殺しにしていいのか。いろいろな怒りの声がこの1年、数千数万の規模で全国無数に広がった。
 みっつにこのかん政府が何をやったのかをみんな見ていたということです。つまり国家の本質がわかったんだよ。そうやって考えてみたら新自由主義の20年間は一体何だったのか。原発事故で暴かれたことと同じだったじゃないか。競争すれば社会が豊かになる。小さな政府で活力を生む。しかし社会がだんだんめちゃくちゃになり始めた。そうしたらセーフティネットで再チャレンジできる仕組みをつくればいいとか。この資本主義でいわれてきたことのすべてが嘘だった。原発はこのことを最も強烈に突きつけたわけです。
 そういうものが動き始めているからこそ、それを牽引するものをつくらないといけない。11月集会の位置はそこです。集まった20万の中に力があるんだということを言わなきゃいけない。何よりも僕らの手で職場から組織労働者が立ち上がるという現実をつくらなきゃいけない。そういうことが問われています。

 正念場のJR外注化阻止闘争

 動労千葉のことについて少し話をします。あさって(8月28日)、検査修繕部門の全組合員を対象にしてストライキに立ち上がります。いよいよ10月1日強行をめぐって正念場を迎えています。千葉でいうと、検査修繕部門、約90名分の業務が外注化されます。そこで働いている仲間たち全員に強制出向の攻撃が来ています。約90名のうち49名が動労千葉の組合員、国労が12名、東労組が30名ぐらいという形になります。もう行ったら退職まで戻ってこない。この日にストライキを構えたのは、動労千葉50名、水戸10名、高崎1名の約60名が申し立て人になって外注化差し止め、強制出向差し止めの集団訴訟を東京地裁に起こすからです。別に僕らは裁判闘争主義者ではないですから、職場からの闘いをもってやろうということで全員がストライキに入ってこれをやりにいくということにしました。前段では千葉の労働局に組合員も総力結集で弾劾闘争に行きます。なんでこんな偽装請負を放置しておいて動こうとしないんだと徹底的に弾劾して、その足で東京地裁に乗り込むつもりです。
 もちろんこの裁判自身も画期的な裁判になります。今、JRでやられようとしていることは、全国無数の職場ですでにやられてきているんです。だからこれだけ非正規になった。だけどそれに対してそこの職場の労働者が労働組合として集団的にこんなことは間違っているという裁判を起こした例はゼロ件です。全部労働組合が容認してきたってことです。あるのは個人訴訟だけ。これが数件あります。
 労働者を非正規に突き落としていくことを当たり前とする社会のあり方そのものに対して今後も徹底的に闘い続ける。これぬきに階級的労働運動の復権なんてありえません。
 動労千葉は2000年からこの外注化の問題にこだわりきって12年間、闘い続けてきました。こんな大変な闘争をうちの現場はよく闘い続けてくれたと思います。一人残らず組合員が理解をしてくれ、他労組の組合員もふくめて現場では全員「絶対反対」になるところまで来ました。この20年余り民営化、外注化、非正規化という新自由主義的な労務政策に対して労働組合は闘えない。こういうことが常識化してきたわけです。確かに難しかった。どんどん非正規が入ってくることに対して労働組合として簡単に闘えない現状がある。だけど組合員の力を結集して粉砕できるということを10年間示せた。だからその正念場にあたって、あいまいなことはできない。あいまいなことをしたら10数年間の闘いを水に流すようなことになる。そういうことをふくめてこれは結局、国鉄分割・民営化に決着をつける闘いだと思っています。
 さらに、先ほど述べた1047名の判決に対する闘いも高裁に向けて解雇撤回の判決を求める大規模な運動を起こします。国鉄分割・民営化に決着つけるってことは高裁で解雇撤回の判決を勝ちとるということだと思う。
 外注化反対闘争と解雇撤回闘争のふたつを押し立てて、僕らの責任としてやらなきゃいけないことは、この国鉄分割・民営化以来の20数年間に僕らなりの決着をつけることだと思っています。そういう新しい闘いに立ち上がりたい。
 動労水戸の仲間たちもがんばっています。24日には外注化阻止で水戸の検修職場の全組合員がストライキに突入をしました。その前段で大子で被曝労働を拒否した。被災地から来た列車のラジエーターの高圧洗浄をやれという。除染です。ふざけるなとなって、これを拒否する指名ストライキは今も継続され、組織拡大の展望も切り開かれています。
 動労千葉もこの外注化阻止闘争の中で本格的な組織拡大をやりたい。関西地区生コン支部がここまでやって、僕らがやれないとは言えない。水戸で、千葉で、関西生コンが、港合同が、11月集会は階級的労働運動の組織拡大大会にできるってことが不可能ではなくなった。戦後の労働組合の限界をのりこえたい。それは原則を守って闘った労働組合は、先細っているということです。一番原則的なことが一番大衆的じゃなきゃいけない。だけど一番原則的なことは、資本と権力の激しい攻撃の中に置かれる。だからこれを突き破って最も原則的なことが最も大衆的なんだということを証明しなきゃいけない。労働組合の運動、反原発闘争もそうだと思うんですよ。これができたときにはその下に多くの結集が必ず始まる。

 ■まとめの提起(要旨)

 ●中村吉政 港合同副委員長

 みなさんが職場や地域で頑張っている話を聞いてこれはまだまだ港合同、頑張らなあかんと思いました。僕たちも組織拡大に向けてやらなきゃいかんということでこの3月から一番身近なJRの駅で毎週水曜日にビラまきをしていて少しずつ反応が出てきてます。とにかく仲間を増やして、そのことが自分たちの権利を守ることにつながるんだと思いますし、今日はみなさん方の貴重なお話を聞いて私たちも今の悲しみをのりこえるのはやっぱり組織拡大、そして闘いだと感じましたので、今後とものご支援をお願いをしてご挨拶をさせていただきます。

 ●田中康宏 動労千葉委員長

 意見があった去年の約6000名結集をどう捉えるのか。これは私もこの1年間考え続けたことです。全体を聞いていて、何でこの11月集会をやっているのかをもう一回考えなきゃいけないと思ったんです。
 闘う労働組合を作り直そうという組織化と呼びかけ・集会は、残念ながら日本ではこの11月集会以外に皆無です。ということは日本の労働運動の崩れ方があまりにもひどいということです。だけど、僕らは労働者が持っている力を信じて、この団結した力以外ないとやってきた。
 それともう一個考えたのは、この呼びかけ3労組の切り開いてきたものの大きさです。この3労組の経験を取り出して自分の職場の経験にしたら、労働組合はどうあるべきなのかあらかたのことが詰まっていると思います。
 3労組の特徴は80年代に激しい攻撃を受けながら、生き残ってきた組合だということです。他は全部ここでつぶされてる。だから今、労働運動がのりこえなきゃいけない課題もここにある。11月集会には大きな可能性と歴史的必然性があります。
 2年前に生コン支部がやったことをわがことのように考えてほしい。大恐慌情勢下で、歴史的に初めて中小零細の生コン業者と労働組合がゼネコンを屈服させて生コンの単価を上げさせた。こんなことができるんです。他の労組幹部は、もうこの状況で闘えるはずがないだろうとみんな屈服に屈服を重ねている。
 情勢は動き出したということは言われたとおりです。だけど、闘う労働組合をつくろうと掲げているのが僕らしかいない状況の中で、単純に官邸前の怒りの声が11月集会に来るとは思っていません。必ずしもすぐそうならなくてもいい。だけども僕らがやっていることは大事です。そうなると何が重要かというと、11月集会1万人結集を実現する力はみなさんが一人残らず本気になるかどうかなんです。原発闘争で集まっている力は条件は圧倒的にいい。そのことを示していると思えばいい。だけど条件だけではできない。高さんは強烈な問題意識と構想を持ってやった。それぞれがそういう構想を自分の職場で持つということです。
 いい議論ができたと思います。今日、特に高さんの提起を自分がやることなんだと考えてほしい。そのために組合員全員を動かしてやるんだと腹を決めて鬼のようになる人間が一人出てくればいいってことです。こういうことが全職場で大事です。そうすれば11月集会も1万人の結集が実現できると思います。
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新自由主義と闘う労働組合の全国ネットワークを!
11・4全国労働者総決起集会
  国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃!
  反原発・反失業を闘う国際連帯闘争を!
11月4日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂(集会後、デモ)
呼びかけ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄闘争全国運動

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月刊『労働運動』(270号5-1)(2012/09/01)

国労組合員資格確認訴訟の意義について(上)

星野 文男 国労新潟県支部執行委員、国労新潟・駅連合分会

 解雇組合員の組合員資格剥奪は、戦後労働運動の歴史すべてを投げ捨てるもの!

 

国労組合員資格確認訴訟の意義について、すべての皆さんに訴えます。
この裁判は、国鉄闘争の数ある裁判闘争のひとつではありません。解雇者を労働組合が切り捨てる行為は、戦後労働運動が守ろうとしてきた労働者階級の団結・共同性を解体するものです。25年を経た国鉄闘争の、否、国鉄労働運動を先頭にした戦後労働運動のすべてを投げ捨てるのか、それとも現場労働者の階級的労働運動の核心を継承・発露させるのかという焦点になっているのです。

国労本部は、2010年4月9日、1047名解雇撤回闘争(本部は最高裁判決後、解雇撤回という表現を抹殺して「JR不採用問題」と表現してきた)の政治決着にあたって、「二度と解雇や不当労働行為を争わない」という社会的誓約をしました。その後1年間の「JRに雇用を要請する政府への働きかけ」というまやかしの過程で、階級関係はどうなっていたのか。政府・国交省は「国鉄改革に一点の曇りもあってはならない」と一顧だにせず、JR東日本は「責任のないJRを攻撃しことを謝罪しろ! そんな奴らを排除しなければ労使関係はない」という態度を貫いてきたのであり、それに対して国労本部−体制内勢力の全面屈服が進行してきました。
2010年の国労定期大会は、闘争団組合員を特別組合員に指定して、大会決定を左右する代議員の選挙権・被選挙権を奪いました。そうしたうえで、2011年の定期大会で組合員の範囲を「JRグループとの雇用関係の存在」と規約改悪して、「JRへの雇用の展望がなくなった」として910名の被解雇者から組合員資格を剥奪したのです。
事態は明らかです。新自由主義の国鉄分割・民営化攻撃は人間的共同性を奪いつくすものでした。労働組合の解体はもちろん、労働者を分断・競争させて人間社会を破壊するものです。こうした攻撃に最後的に屈服して、闘いの犠牲者を切り捨てる裏切り・階級的犯罪が国労によって実行されたのです。国労本部をはじめ体制内勢力の全面屈服が、労働者の絶望を氾濫させようとしてきたのです。すべては、4・9政治決着の筋書きです。
だからこそ、戦後労働運動が階級的良心を追求して「解雇者を組合員として守る」視点を広めてきた地平を守り、労働者階級の自己解放闘争を発露させる闘いとしてこの裁判闘争があるのです。

(写真 『国鉄新潟 不屈の30年―国労新潟地本運動史』【1979】より)

 階級の良心がスト禁止法をのりこえてきた

 解雇撤回闘争を継続した4名の闘争団組合員は、国労本部を弾劾して組合員資格確認訴訟に立ちました。これに対して本部は「闘争団に結集した組合員……の地位は……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されたもの」と言い放っているのです。
 労働組合は、組合員の範囲を規約で決定するのであり、国労闘争団966名の解雇者は、1990年に規約5条(組合は、組合員名簿に登録された者をもって組織する)に沿って組合員として闘ってきました。
 この規約第5条と解釈確認条項は、1957年国鉄新潟闘争を前にした53年年末闘争で、解雇処分不可避と判断した新潟地方本部が「組合員が解雇されても、地本・本部機関が『不当処分』と認定すれば規約第5条の組合員とみなす」という第5条解釈確認改正で指導部の組合員資格を守り、全国大会で本部規約に盛り込んだ闘いの歴史が刻まれた条項なのです。53年年末闘争は、5割賜暇闘争(「恩賜の休暇」からきた名称―集団的有給休暇闘争)まで戦術的エスカレートされて闘いぬかれ、本部三役や新潟地本委員長・書記長、東京・大阪・南近畿・広島などで18名が解雇されました。この解雇がマッカーサー書簡―政令201号―公務員のスト禁止体制後、初の公労法解雇になりました。
 処分直後の1954年1月26日から鎌倉で開催された国労第34回中央委員会は、「不当処分を実力行使ではねかえそう」のスローガンのもとに開催されました。この鎌倉中央委員会に向けて新潟地方本部は「規約第5条の解釈を改正し、組合の組織を守ろう!!」という呼びかけ文を配布したのです。そこでは、新潟地本は本部に先んじて「いろんな思想や立場をのり越えて満場一致で決定」したと訴え、この中央委員会を「派閥を超え……裸になって……討議した」「国労が逐次前進の方向に向いていることが証明された」と総括したのです。
 本部の規約第5条と解釈確認改正は、1956年の第15回大会で闘いとられますが、「国労20年史」は規約改正が「公労法の枠を破った」ものと評価してきました。反共民同・革新同志会・共産党など激しい党派闘争と利害が絡み合うなかで、「解雇者は守るという団結」を形成したことは、階級の良心だったといえます。支配階級も激甚に反応して「解雇役員など組合として認めない」など1960年を前後して攻防が続くことになったのです。
 この解釈確認には「臨時雇用員は組合員になることができる」という確認もありました。権利義務は平等として、雇い止めになった場合は、地本が雇用契約継続のための訴訟を決定すれば訴訟経費を国労が負担することもうたわれています。3月31日に5年で雇い止めになった契約社員の組合員の解雇撤回も取り組まず、組合員資格を奪って平然としている国労本部は、戦後労働運動の全成果と階級の良心を踏みにじっているのです。(続く)
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組合員資格確認訴訟第5回期日へ
 9月19 日(水)10:30 〜
 東京地裁527号

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月刊『労働運動』(270号6-1)(2012/09/01)

教育の民営化に職場から「絶対反対」で闘い、9・16橋下打倒集会へ団結を拡大しよう

関西労組交流センター・教育労働者部会

新自由主義絶対反対の労働組合が社会を変 える時が来た! 動労千葉と共に、外注化阻止=非正規職撤廃の闘いに起ち上がろう!

 この社会を、資本主義の廃絶で決着をつける闘いが、全世界で、ついに日本でもかつてない規模で始まりました。3・11福島第一原発事故と原発再稼働強行、労働者を非正規化、解雇、低賃金に叩き込んできた新自由主義の始まりは、25年前の国鉄分割・民営化で、その最大の攻防は、国鉄労働組合を潰し労働運動全体を崩壊させることでした。
 これに対し、唯一「分割・民営化絶対反対」で闘いぬいてきた動労千葉は、再再度の10・1外注化攻撃に、絶対反対を貫き、青年労働者を獲得する組織拡大で分割・民営化25年の決着をつける闘いに起ち上がっています。10・1外注化=非正規職撤廃の闘いは、青年労働者の未来がかかった決戦であり、絶対反対の労働組合の闘いが、新自由主義を粉砕できることを全社会に告げ知らせ、資本と労働者の力関係を逆転させる歴史的決戦です。首相官邸前の数万数十万の労働者の歴史的決起に勝利の展望を示す闘いでもあります。

 教育現場、自治体現場から、橋下打倒=公務員全員解雇絶対反対の闘いが始まった!

 国鉄分割・民営化と一体で、日教組は、1995年にパートナー路線に転換し、民主党政権成立と共にその支持母体となり政府の政策を推進する側に回りました。その結果が、教育破壊であり、教育労働者を「競走・評価・処分の連発」でバラバラにし、際限のない多忙化に叩き込んでいるのです。
 維新の会の衆議院選公約・維新八策では、「公務員の身分保障廃止」「公立学校教員の非公務員化」を主張し、三井住友グループ系の日本総研は、民間企業への授業・部活動の外注化や学校施設の売却、コミュニティスクールなど教育を民営化する方法を提案しました。野田政権は、すべての労働者の40歳定年制と有期雇用化(10割非正規化)を打ち出しました。橋下は、教育だけでなく、地下鉄、清掃はじめ、すべての公的事業を民営化して資本に売り渡し、そこで働く労働者を低賃金、無権利、非正規化にたたき落とそうとしています。資本・政府・橋下市長が一体で、教育をも民営化=金儲けの道具にしようとしています。
 あの居丈高な橋下は、労働者の抵抗・反撃を身震いするほど恐れているからこそ、大阪の「教育条例」や「職員条例」で、教員と教職員組合が民営化反対闘争に起てないようにしようとしているのです。橋下が今のところ大きな顔をしていられるのは、労働組合執行部が現場の怒りを押さえ込み、闘わず屈服しているからです。
 しかし、動労千葉と同じ絶対反対の闘いが大阪市教組の中から始まりました。教組執行部の制動をはねのけて、職場の仲間を信じて起ちあがった沼田さんの「君が代」不起立の闘いは「橋下に服従せず絶対反対の団結をつくろう」という呼びかけであり、唇を噛みながらも耐えるしかないと感じていた職場と大阪の労働者に展望と勇気を与えました。橋下的な強権的なやり方は絶対反対の決起の前には実に脆いということがはっきりしました。
 沼田さんの闘い、講師の解雇撤回を掲げて闘う日教組奈良市の闘いは、教育の民営化=全員解雇・全員非正規職化と絶対反対で闘う労働組合の拠点をつくりだす闘いです。
(写真 ヒロシマとフクシマをつなぐ8・5教育労働者全国交流集会【8月5日 広島市】)

 教育の民営化と闘う団結の拠点を築き、9・16、10・1から11・4へ

 子どもたちも、人の命がモノ扱いされ、未来に何の展望も持てない社会で生きています。教育労働者がどんなに必死になっても、「いじめ」、学級崩壊、不登校、暴力事件、低学力等の問題は避けられません。この資本主義の末期的社会がつくりだしたものだからです。教育労働者個人や学校の責任にし、警察を学校に導入し処分や厳罰にすることで、「解決」
するでしょうか。否です。かけがえのないわが子をなくした親の怒りと悔しさを利用して、「教育労働者には解決能力がないから、警察・行政権力にゆだねよ」と、労働組合を潰し、教育の民営化を一挙に進めようとしているのです。その結果は一層の教育破壊です。
 とりわけ、青年労働者が、命と心を削り取られるような毎日の中で、労働者的団結との出会いもないままに個々に潰されていく、あらゆることで不適格教員の烙印を押されて処分・解雇されていく現状を許すことはできません。
 8・5広島での教育労働者集会では、青年教育労働者が講師解雇撤回闘争を契機に「絶対反対」の闘いをつかみ、団結の中で労働組合を甦らせる闘いを開始したことを報告しました。
 私たちが労働者として職場の主人公になり、労働組合の団結を取り戻し、社会変革の主人公としての闘いを復権させること。それは、教育労働者自身にとっても、子どもたちに未来の展望と希望を与えるためにも必要です。階級的団結と闘いをつくり出しましょう。
 9・16橋下打倒全国総決起集会は、沼田さんたち現場でぶっ立った絶対反対の旗の下に、共に闘う団結を拡大することが目的です。9月16日、全国の仲間は大阪市に駆けつけ、橋下打倒の宣言をたたきつけよう! その闘いと一体で、10・1外注化阻止決戦、11・4労働者集会に攻めのぼろう!

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月刊『労働運動』(270号7-1)(2012/09/01)

(写真 原爆ドーム前で1200人がヒロシマ・アピールを発する【8月6日 広島市】)

8・6ヒロシマ大行動を闘って

井上 亮 広島連帯ユニオン青年部長

 野田の式典出席を絶対許さない

 「ヒロシマ・ナガサキはフクシマの怒りを共にする! 今こそすべての核と原発をなくそう! 被爆67周年 8・6ヒロシマ大行動」は早朝平和公園での「ヒロシマ・アピール集会」と野田弾劾デモに1200名、午後からの「大集会」とデモ行進に1300名が結集し、官邸前・国会前情勢をさらに発展させる歴史的勝利を切り開いたと思います。今年の8・6は7・16さようなら原発17万人の決起を始め官邸前、国会前に連日数十万の「再稼動反対!」「原発なくせ!」の怒りの声があふれ出す中での8・6でした。そうしたなか、最大の焦点は原発再稼動を強行した野田の来広と式典出席に対してどのような態度を取るのかということでした。
 私たちは再稼動を強行し、オスプレイを配備し、「黒い雨」被爆者を切り捨てる野田を絶対に許さないことをはっきりさせると同時に、フクシマの怒りとどこまでもひとつになること、すべての人々の怒りの声と圧倒的に結びつくことを目指して8・6ヒロシマ大行動を準備してきました。
 8時15分の黙祷をめぐっても、実行委員会などであえて積極的に議論して、黙祷をやろうということを確認しました。それは自分たち自身が核によって殺された人々の怒りと無念を日本労働者階級の原点としてわがものとすると同時に、平和公園の数万という被爆者とその遺族の怒りと無念と結びつくためでした。
 7時30分から行なわれた原爆ドーム前で集会では、福島から、ドイツ・ゴアレーベンから、沖縄から、そして広島、長崎の被爆者からアピールが行なわれました。8時15分の黙祷。ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、原発労働者……どれだけの被爆者が今日まで命を奪われ続けてきたか。そしてフクシマの事態にまで行き着いた。この怒り、無念を胸に黙祷を行ない、その激しい怒りを解き放って8時26分からの野田演説に対して「再稼動反対!」「野田打倒!」の怒りのデモで肉薄しました。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんが、式典からわずか150bのところで「福島の子どもを守らないで原発再稼働なんてありえない! ヒロシマとナガサキとフクシマの思いを踏みにじるな!」と怒りの声をたたきつけました。
 帝国主義の最高権力者が居並ぶ官製の式典会場の平和公園の一角を、フクシマの怒り・被爆者の怒りと結びついた1200名が制圧し、すべての核と原発を廃絶し、人間が人間として生きられる社会をつくりだすまで闘い抜く断固たるアピールを発し、野田をはじめとした権力者と対峙しました。まさに歴史的な闘いとして勝利的にやりぬいたと思います。
(写真 式典会場の対岸から野田弾劾のコール【8月6日 広島市】)

 「すべての核と原発をなくそう」をいかに実現するのか

 いまひとつ、今年の8・6をめぐって焦点になったのは、「今こそすべての核と原発をなくそう」というスローガンをいかにして本当に実現するのかということだったと思います。5日のNAZEN結成1周年集会での織田事務局長の提起もまさにそうした問題意識に貫かれたものでした。今年の8・6ヒロシマ大行動はこの点でも重大な挑戦と飛躍を成し遂げたと思います。
 ひとつは労働者階級を先頭とした全世界的な団結・国際連帯の力で核と原発をなくそうということ。ドイツ・ゴアレーベン代表団の参加は決定的でした。ふたつに、あらゆる分断を打ち破り団結しようということ。とりわけ内部被ばく問題の隠蔽による「黒い雨」被爆者の切り捨て、被曝労働者、福島の人々の分断と切り捨てを許さないために内部被ばく問題に徹底的にこだわり、被爆者と原発労働者、フクシマの団結を作り出しました。
 そして、原発を必要とする1%の支配をどう打ち破るのかという点で、すべての鍵を握るのが階級的労働運動の再生であることを徹底的にはっきりさせました。この点で特に印象的だったのは元全日本運輸一般原発分会の斉藤征二さんから「原発の非正規労働者が一緒になって闘っていく、あらゆる労働組合が一緒になってたたかって日本を変える。そういう時代に入った」という発言がなされたことでした。まったくそのとおりだ!そしてその闘いはいま動労水戸の被曝労働拒否のストライキ、動労千葉の外注化阻止の闘いとして始まっています。

 青年労働者交流集会の大成功

 そういう意味で、5日の青年労働者交流集会は、被曝労働拒否、外注化絶対反対、非正規職撤廃で青年を先頭に労働運動を甦らせることを感じさせる集会として280名が全国から結集して大成功しました。私は基調提起で外注化阻止決戦と一体で自らの職場で非正規職撤廃でたたかう決意を述べました。動労千葉・動労水戸の青年から10・1外注化阻止に対して、組織拡大で反撃する決意が実に明るく語られました。また、10・1外注化阻止決戦と一体で外注化・民営化の大阪橋下打倒の9・16集会への断固たる総決起が大阪市職の青年労働者から呼びかけられました。
 広島連帯ユニオンはこの歴史的な8・6闘争を先頭で準備し、闘い抜くとともに、今回多くの支部からの初参加を勝ちとったことを最後に報告しておきます。まさに反原発と職場闘争が一体となって「労働運動で社会を変える」時代が到来しました。10・1外注化阻止に向かって総力で進撃しましょう!
(写真 オキナワとヒロシマをむすぶ8・5全国青年労働者交流集会【8月5日 広島市】)

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月刊『労働運動』(270号8-1)(2012/09/01)

「生活のための医療をとりもどすために――民衆の手による診療所を! 8・11福島シンポジウム」を開催

(写真 生活のための医療をとりもどすために 8・11福島シンポジウム【福島市】)

渡辺 馨 福島労組交流センター

 さる8月11日(土)、ふくしま共同診療所の具体的開設にむけて、ヨーロッパ反原発闘争の総本山、ドイツ・ゴアレーベン反対同盟を招いて、「生活のための医療をとりもどすために――民衆の手による診療所を! 8・11福島シンポジウム」を開催しました。
 今回のシンポジジウムは、「福島の現実に根ざして診療所建設運動をすすめる」「労働者・住民・医師の共同で診療所をつくる」ことを通して、「生活(者)のための医療を取り戻す」ことをめざして、地元福島の人々と一緒につくりあげていこうという企画です。
 パネラーに5人。小林恒司さん(心療内科医)「ふくしまにおける診療所づくりの課題」、橋本俊彦さん(鍼灸師) 「医療を民衆にとりもどす共同の場に」、マーティン・ドナードさん(ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟)、橋本光一さん(国労郡山工場支部)「被爆労働に悩む福島の労働者のつながれる場所に」、椎名千恵子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)「みんなで力をあわせて生きぬいていくためのより所として」。そしてコーディネーターを佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)が務めました。
 3・11原発事故以来1年4カ月、全国にフクシマの怒りを体現し発信し続けている人たちによる超豪華なシンポジウムでした。そして何よりも福島のお母さんたちとの一体化が最大の成果でした。「ふくしま共同診療所」のイメージが豊かに形成され始めました。
 昨秋10月10日、NAZENフクシマの結成集会において、記念講演をヒロシマの高陽第一診療所の医師の吉田良順さんが行って下さいました。そこでヒロシマでの被爆との闘い、どう生きぬいてきたのか、プレハブからはじめた高陽診療所建設の歴史から今、福島には国・政府とたたかう診療所が必要であることが熱烈に訴えられました。そしてNAZENフクシマの呼びかけ人と全国の医師が中心となって〈福島診療所建設委員会〉が結成され、「ふくしまの子どもたちの未来をください」「フクシマに生きぬくための診療所をつくろう」をスローガンに、全国―世界で今年1月から訴えが続けられてきました。
 「なぜ診療所をつくるのか。どういう診療所をつくるのか。誰が診療所をつくるのか。診療所で何をやるのか」と診療所建設運動を始めた当初から多くの意見が寄せられてきました。私たちは、全国労組交流センター総会、星野奪還徳島刑務所包囲闘争、NAZEN全国呼びかけ人会議、3・11福島県民集会、5月沖縄闘争、6・10国鉄闘争全国運動、8・6ヒロシマ大行動など闘争の現場において全国の仲間・医師と「理念交流・討論」を行ってきました。
 診療所建設運動とは何なのか。福島の現実のなかでどういう診療所が求められているのか。そもそも医療とは何か。そうした問いのひとつの回答として「生活のための医療をとりもどすために、民衆の手による診療所をつくろう」を掲げるところまできたのです。「ついに! いや、やっと!? ふくしま診療所建設運動がここまできた〜!」という感動的なシンポジウムになりました。

 診療所の一日でも早い開設を

 震災と原発事故から1年4カ月が過ぎ、政府による「収束宣言」、行政とマスコミあげての復興キャンペーンのなか、まるで事故などなかったかのように大飯原発再稼動が強行されました。原発事故は全然収束なんてしていません。「収束宣言」を行って福島県民を切り捨て、原発再稼動を強行した野田政権と電力資本を絶対許さない。
 国会事故調の「原発事故は人災」という発表。事故直後の周辺自治体への原発事故の状況と避難指示がまったくなされなかった事実。福島県立医大が行っている県民健康調査票が21%しか集まらない中で「まったく心配ない」と言って回る事実。18才以下の子どもたちへの甲状腺検査対象の30%以上に異常が出ているが「まったく再検査も必要ない」とキャンペーンしている事実。飯舘村役場を自衛隊500名を動員して除染を行ったがモニタリングポスト周辺以外は空中線量20〜30μSVに戻ってしまった事実。政府は根拠もなく避難区域を解除し住民を引き戻そうとしています。そして、住民同士を賠償金で差別分断しようとしています。JRはまったく除染もせず電車を原発から20km県内に走らせ、労働者に被曝労働を強制し続けています。福島第一原発では毎日3000人が事故収束作業を行っていますが、作業員の不足と被爆線量が高いため線量計に鉛のカバーをつけて被曝線量を低く見せていた事実が暴露されました。これから5年間で4万人の原発労働者が必要になっていること等々。新たな重大な事実が次々と判明しています。
 私たちは、被ばくによる健康被害・生活・仕事・学校・家庭の問題など、さまざまな問題に直面しています。被曝と向き合い、生活していくために医療を取り戻していく「拠り所」となる診療所をつくっていくこと。一日でも早い開設が望まれています。
 一方、政府と福島県と経済界が新たな復興・安全キャンペーンを始めようとしています。
「今フクシマ≠ェ知るべきこと!〜福島の環境リスクと健康を考える〜」NPO福島100年構想委員会第1回シンポジウムが9月9日、福島大学で行われようとしています。
 福島医大副学長山下俊一氏の「福島原発事故から復興と再生にむけて〜健康リスク管理の大切さを共に考える」と題した講演や「福島県民の健康と心の被曝を考える」と題したシンポジウムなど、まさに「被曝は気のせい、心の問題」として、福島の不安と怒りを抑え込もうとしているのです。
 6〜7月の数十万の反原発デモの高揚は、8・6広島−8・9長崎で福島、ビキニ、沖縄の怒りとひとつにつながり、ドイツ・ゴアレーベン反対同盟と固く結びつきました。同時に、動労千葉、動労水戸のストライキが猛然と闘い抜かれています。
 8・11福島シンポジウムの最後のまとめでゴアレーベン反対同盟元委員長ケアスティン・ルーデックさんは、「政府が国民を守らないのならば政府は権力の座から降りなさい。権力を明け渡しなさい。奪われたすべてを奪い返そう!」と訴えました。
 ともに闘おう!

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月刊『労働運動』(270号9-1)(2012/09/01)

■闘う合同・一般労組

名古屋港の貨物輸送会社の二つの分会で大きな前進を切り開く!

坂野 康男 東海合同労働組合 執行委員長

 13回に及ぶ団体交渉で経営法曹会議の弁護士を打倒!

 

トヨタ王国と言われる愛知県の物流の拠点=名古屋港の貨物輸送会社で働く海上コンテナ乗務員が、東海合同労働組合に結集したのは昨年4月でした。会社の名前は弘田運輸で従業員は約20名。帝国データバンク企業情報によれば、2011年3月決算期の売上高が3億円で、愛知県1617社中709位の中堅以上の貨物輸送会社です。
その会社で組合結成した弘田分会は、13回に及ぶ団体交渉を、会社と粘り強く闘い抜いて、会社に経営法曹会議の代理人弁護士を解任させるという大きな前進を切り開きました。
今年8月2日に行われた第13回団体交渉で、去年の6月に就任した二代目弘田社長は「東海合同労組とは誠実に団体交渉をやろうと思い弁護士を立てましたが思い通りに進めませんでした。去年の11月頃に弁護士とのコミュニケーションがうまくいかなかったことがようやくわかりました。社長をやって1年、会社の金がすごく減ったので弁護士には一度引いてもらいました」と弁護士解任の理由を話し「早く(団体交渉を)終わらせて仕事に専念したいのが本音です」とギブアップ宣言しました。
そもそもA分会長の闘いの原点は、先代社長(現会長)による「配車と売り上げ」を武器にした労働者支配に対する怒りでした。
会社にたて突く労働者には差別的な「配車と売り上げ」で賃下げ攻撃を行い、会社に迎合する労働者には優遇的な「配車と売り上げ」で賃上げするという先代社長(現会長)による労働者への恐怖政治が行われていました。
これに対して2010年にAさんは建交労に加盟して「配車と売り上げの平均化」などを要求して2回の団体交渉を行い「配車と売り上げの平均化」などを約束させて労働協約にする直前まで行きました。しかし先代社長(現会長)が「病気」を理由に労働協約締結から逃亡するだけでなく「皆勤手当」を廃止する事態の中で、闘えなくなった建交労を見限ってAさんは2011年4月に東海合同労働組合に加盟し、新たな闘いを開始しました。
代理人になった経営法曹会議の弁護士は会社をも従わせる勢いで独善的に団体交渉に臨み、A分会長に対しては「皆勤手当廃止については労働条件の切り下げですので、会社としては全体の解決の兼ね合いで元に戻すことを検討します」と甘い言葉で抱き込もうとしましたが、先代社長(現会長)による「配車と売り上げ」を武器にした労働者支配に対するA分会長の怒りと組合執行部との団結でジワリジワリと代理人弁護士を追い詰めていきました。
そして1年3カ月、13回に及ぶ団体交渉を通して形成したA分会長と組合執行部の団結した力で、労働条件部分を先行して妥結させ先代社長(現会長)の不当労働行為を不問にせんとした代理人弁護士を、ついに解任=打倒したのでした。
この背景には、組合が〈「雇車(=下請けに外注化)」も含む「配車の平均化」〉要求を組合にとって譲れない要求として貫いたことにあります。会社は、社員間の「配車の平均化」については飲むポーズをとりましたが、〈「雇車(=下請けに外注化)」も含む「配車の平均化」〉については「会社の裁量を奪われる」として拒否しました。「雇車(=下請けに外注化)」問題が、労働者の分断と組合破壊の武器になっていることを示しています。またA分会長が提訴した皆勤手当の遡及支払いを求める裁判闘争の進展も背景にあります。代理人弁護士が労働条件部分の一括妥結の武器にしようとした皆勤手当の復活問題が、裁判闘争を団体交渉と一体で闘うことで逆に代理人弁護士を締め上げるものになりました。

(写真 8・6ヒロシマ大行動のデモをやりぬいた東海合同労組【8月6日 広島市】)

 1年間で仲間を獲得して3名で組合結成通告!

昨年8月に組合加盟した貨物輸送乗務員のBさんは、家族に「一人だけで会社と闘うのはダメ」と言われてこの1年間、仲間づくりに奮闘してきました。
そして今年の8月1日に3名の名前で組合結成通告書と団体交渉要求書を会社に提出することができました。組合にとっても3名の分会の誕生は初めてで素晴らしい前進です。
しかし分会員と執行部との会議を持つことも仕事の都合で困難な中、3名の分会員の団結をいかに作り出すかが問われていますが、B分会長が7月1日に貨物輸送の分会を対象にインターネットの掲示板を作って意見交流の場にしていたのが役に立っています。

B分会長 2012/07/01
この度このような掲示板を開設してみました。なんなりと情報や世間話等その他何で も書き込みがあればと思っています。
とりあえず3名にて労働組合を立ち上げます

C分会員 2012/07/30
分会長さん、意気込みを一言お願いします
B分会長 2012/08/01
組合結成通告書・団体交渉要求書を今出してきました。これからです、戦争は。頑張りましょう

D分会員 2012/08/02
皆様に、色々お世話になります。宜しくお願いいたします

B分会長 2012/08/15
分会第1回団体交渉8月21日、18時〜21時。3人の団結で頑張りましょう。
18日土曜日は本部ミーティングです。

第1回団体交渉は、8月21日に決まりました。会社は弁護士を代理人に立てて来ました。「これからです、戦争は」。組合員の団結を総括軸にして、東海合同労働組合は全国の仲間とともに闘います。
9・16橋下打倒集会、10・1外注化阻止決戦の成功から11・4全国労働者総決起集会へ!

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月刊『労働運動』(270号A-1)(2012/09/01)

契約社員制度=非正規職を撤廃させよう!

山田 和広 動労西日本副委員長

 動労西日本は、〈契約社員制度=非正規職撤廃! 山田副委員長の解雇撤回〉を掲げ、JR西日本を相手取り、岡山県労働委員会・中央労働委員会(以降、中労委という)で闘ってきた。今回、反動的な中労委命令が出されたことを受け、8月10日、中労委を相手取り東京地裁へ提訴した。中労委命令は、私が労働組合のビラを職場内で配ったことに対する処分は不当労働行為と認めながら、雇い止め解雇は撤回しないというものである。これはまさに、6月29日に判決が出された動労千葉の鉄建公団訴訟判決と同じであり、絶対に許すことはできない。契約社員は、訓告や戒告といった処分がないかぎり、契約を更新されて5年間は働くことができる。私は、4回も契約更新を繰り返しており、期間の定めのない雇用契約と変わらない状態であった。にもかかわらず、組合活動を嫌悪し、動労西日本が職場で組織拡大するのを恐れて、雇い止め解雇に踏み切ったものである。
 契約社員制度は、1年ごとの契約更新で最長5年まで働けるというものだ。JR西日本は2003年度から契約社員制度を導入しているが、ついに制度の破綻に行き着いた。今までは、JR東日本のグリーンスタッフ同様、契約社員は5年で使い捨ての非正規雇用だった。しかし、私の元職場である岡山駅では、5年を超えても引き続き契約社員として雇用されている仲間がいるという事実が発覚した。延々と非正規雇用のままで、正社員になれず低賃金で賃上げはない。いったいどうやって生きていけというのか。死ぬまで契約社員としてJR資本にこき使われる。こんなことを絶対に認めるわけにはいかない。
 私が現職のときからJR西日本は、「契約社員は定着率が悪い」「5年たつ前に辞めてしまう人が多い」ということを公言していた。契約社員の雇用延長の背景には、こうした理由があることは間違いない。だったら、ただちに全員を正社員として雇用しろということだ。JR西日本は自ら、最長5年で使い捨てという契約社員制度の破綻を認めたに等しい。
(写真 動労西日本2010年春闘ストの先頭に立つ山田副委員長)

 青年の組織拡大の地平から10・1外注化阻止へ

 動労西日本は、2012年4月に青年の組織拡大を実現している。さらなる組織拡大を目指し、非正規職撤廃でJR西日本と徹底的に闘っていく。また、動労千葉は外注化阻止のストライキ闘争を、動労水戸は被ばく労働拒否のストライキ闘争にたちあがり、組織拡大を実現している。このような情勢下、やはり組織拡大にこそ勝利の展望がある。10月1日のJR全面外注化阻止に向けともに闘おう!

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月刊『労働運動』(270号B-1)(2012/09/01)

8・5広島の地にて郵政非正規ユニオン全国協議会を結成!

齋藤 裕介 郵政非正規ユニオン 執行委員長

 郵政非正規ユニオン全国協議会の結成が大成功しました。全国各地の皆さんに感謝のお礼を申し上げます。
 日本全体の非正規雇用労働者の数は2500万人にも達しました。その中でも人としてのすべての権利や希望、生活基盤を奪われ絶望へと叩き落とされた2000万青年労働者を中心とした思いは怒り一色。ここにきてあらためて郵政非正規ユニオンが立ち上がった第一の意義である「非正規職撤廃!」が社会全体の意思を体現するものとして、あるいは正規・非正規の壁を超えた労働者の希望としていかに重要であるかが実感できます。昨年は非正規労働者の解雇撤回闘争において、全国の情報ネットワークの構築が不完全であったなど当該の必死な思いを受け止めるだけの姿勢が私たちの側にしても不完全でした。しかし私たちは1年間の闘いを通して多くを学習し、日々を闘争の糧とすることで「非正規職撤廃」「核のない世界」「戦争も基地もいらない」そして「生きることは闘うこと。逃げた先に自由はない」という共通認識を持つことができたと思います。
 昨年から今日までの学んだすべてを結集し実践するための組織として8・5広島の地にて全国の郵政、合同労組の同志の力で「郵政非正規ユニオン全国協議会」が結成されました。国内最大労働者数を誇る巨大郵政は資本主義の最大の腐敗の砦として屹立しています。しかし私たち労働者が社会を動かし、実際の職場権力や政治権力の奪取は可能です。郵政非正規ユニオンの1千人の組織化とは日本全国の1千の職場や各地域で毎日のように激しい闘争と、若々しい青年労働者と徹底した討論を行い、それにより莫大な経験値と知恵を自らのものとし闘争として反映することを通して労働者が真の主人公となる新たな社会・主義・思想をつくることにつながると確信しています。
 私たち非正規雇用に身を置く労働者はすべてを奪われているゆえにその闘いへの決起は自らのみならず家族や未来を守る決死の覚悟であり、その行動力や思いは救済の対象ではなく、むしろ最も戦闘的な革命の主体的存在です。
 時代はすでに動いています。そして世界そのものが胎動している。いまこそこの世界をかえる激動に労働者として誇りをもって敢然と立ち向かうためにすべての力を集結し、資本に対して決戦体制でもって挑もう!
(写真 郵政非正規ユニオン全国協議会を結成【8月5日 広島市】)

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月刊『労働運動』(270号C-1)(2012/09/01)

■ひめじょおん――女性部から

福島と共に、原発廃炉に

自治体労働者 大畠 信子

 かんしょ踊りと怒り

 ♪会津磐梯山は宝の山よ〜、笹に小金がは〜なりさがる〜 かんしょ踊りを一心に踊る椎名千恵子さん。抑えられた悲しみ、悔しさ、亡くなった人たちへの鎮魂、そしてまるで地の底から湧き上がるかのような怒り。その思いの万分の一でも共有したいと何度か共に踊ってきました。4月には、「NAZEN吉祥寺準備会」で踊り、6月には、福島の女たち行動で国会正門前で30分以上、そして踊りながら官邸前に移動。警察官も圧倒され、止めることはできません。かんしょ踊りは、民衆の怒りの踊りゆえに、資本主義の台頭とともに封じられてきたそうです。それが蘇ってきている。資本主義の延命のための原発とその爆発で故郷を捨てさせられた民衆の怒りは今や地に満ち満ちています。
 7月28日「NAZEN吉祥寺」結成集会に来てくださった木田節子さんは、原発爆発以来、自宅にも帰れず、10カ月間引きこもりになり、今年の国会前行動で声を上げ、それ以来発言を続けられています。息子さんが原発労働者で、親子が原発により対立させられている現状を聞き慄然としました。非正規の原発労働者も被曝することは理解している。しかし、誰かが働かないと福島原発は暴発するからと働いている現実。収束などしていないのです。その労働者に鉛板を使い、ごまかし続け、暴利をむさぼる資本。被曝労働なしには成立しない原発を54基も作らせてしまった日本の労働者階級。政府、東電はもちろんですが、労働組合の責任も重大です。
 さらに木田さんの苦闘を8・15集会でも聞き、労働者が資本家に騙され続けてきている社会、あるいは、労働組合の幹部が、資本家に篭絡され、買収され本来の労働者の代表として機能していないがために、強いられている苦闘を分かち合いたいと思いました。

 労働者の決起の開始、故郷を奪われた怒りの拡大

 3・11郡山集会に、なんとしても組合旗を登場させ、労働者の団結した姿を見せようと職場で毎日のように声かけして実現できました。毎週金曜日の官邸前行動での労働者・市民の「再稼動反対」の声の中に、常時、職場の仲間と駆けつけ加わっています。
 7・16「さよなら原発」集会、代々木公園17万人の怒りを、もっと職場で広げたいと思い、感想文を依頼したところ、「福島県で生まれ育った私には、とても書けるような状況にないのです。このことは、整理のつかない不条理そのものであるし、今現在闘っている人たち、苦悩している人たちに、どう連帯していけばいいのかわからないのです。だからせめてもの気持ちとして集会に参加しているのです」と返ってきました。いつも職場の民営化への怒りをストレートに話していた人が、こんなにも苦悩していたんだと初めて気づかされました。故郷を無くされた怒りがどれだけ深く大きいものなのか。ゆえに、この原発廃炉の闘いは、新自由主義社会を根本から変える、止むことのない労働者・人民の決起を内包しています。
 「NAZEN吉祥寺」の結成のスローガン、「生命と未来は私たちのものだ。福島とつながり、すべての原発を廃炉に!」に、故郷を奪われた怒り、過去を奪い返す思いも込めて、な全を広げ、福島と連帯していきたいと思います。

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月刊『労働運動』(270号D-1)(2012/09/01)

■地平線―反戦共同行動委員会―

日米安保とは何か(下)

中島敦史 全学連

 9・9オスプレイ配備反対県民大会へ

オスプレイ配備反対9・9県民大会に向かって、沖縄では過去最大規模とも言われる「島ぐるみの決起」が広く呼びかけられている。何より、全駐労沖縄地本の組織参加が決定されたことは、「復帰」40年目にしてついに基地労働者の闘いが沖縄闘争の中心に甦ろうとしていることを示している。新たな安保・沖縄闘争が始まった。野田政権の振りかざす「安全保障」論や領土問題を使った排外主義の大キャンペーンを労働者階級の立場から徹底的に批判・弾劾し、反原発闘争とオスプレイ配備反対闘争の巨大な高揚を安保粉砕の闘いとして結びつけ、労働運動の正面課題に引き据えて闘おう。

 反戦・反安保と労働運動

 7月号の(上)で書いたように、日米安保の根源は戦後革命期にあった。それ以降、日本において戦争に反対するということは、一般的な「反戦平和」ではなく常に「安保との闘い」であった。とりわけ、総評が朝鮮戦争下の1951年に平和四原則(基地撤去、全面講和、中立、再軍備反対)を掲げて左旋回して以来、「安保との対決」は常に戦闘的労働運動の課題となった。続く60年安保闘争は、果敢な実力闘争を展開した全学連を先頭に空前の大衆闘争として爆発した。
 これに対し、70年安保・沖縄闘争は、闘争主体の側の問題として、大きく二つの点で60年闘争時と違っていたといえるだろう。一つは、ベトナム侵略戦争の最大の出撃基地とされていた沖縄から、「本土復帰・基地撤去」を求める巨大な闘争が爆発したこと。いまひとつは、「安保粉砕・日帝打倒」のスローガンのもと、革命の情熱に燃える巨万の青年労働者・学生が立ち上がり、社共既成指導部の制動を完全に突破して闘われたことだった。
 かくして70年闘争は、社共指導部の屈服の上に安住してきた支配階級を震撼させた。「階級的労働運動を叩きつぶさなければ日本帝国主義の未来はない」と認識した彼らは、80年代における国鉄分割・民営化攻撃をもって、労働運動の解体と改憲・核武装化へ道を開こうと狙った。国鉄闘争はその意味で、日本の戦争国家化を根底から阻む闘いであり、60年闘争、70年闘争を引き継ぐ闘いであった。
 今日、安保をめぐる新たな決戦を迎える中、国鉄闘争を主軸に闘う労働運動を甦らせるために奮闘している私たちにとって、戦後日本における反戦・反安保の闘いと国鉄闘争の歴史的な一体性をつかむことが、あらためて重要なのではないだろうか。同じく次の言葉もまた、教訓的だと思うのである。
 「僕は『反戦闘争を闘う労働運動』を提起しているが、それは労働運動の闘いの基軸に、反戦の闘いを路線としてきちっと押さえなければいけない、と思うからだ。これは本質論として労働運動とはそういうものであるということだ。
 階級的労働運動を志向する以上、反戦闘争は一体の存在だということが基本だ。反戦闘争を闘うことによって『しか』と言うと間違いだけれど、そういう質を持った労働運動でないと、活動家も育たないし、活性化した労働運動はできない。」(中野洋著『新版 甦る労働組合』より)

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月刊『労働運動』(270号E-1)(2012/09/01)

■読者のページ

 ●動労水戸の8・24ストライキ写真 とちのきユニオン

 

動労水戸の組合員の人たち自身が、「今回の外注化は、現場の雰囲気が1987年の国鉄分割・民営化と一緒」と口々に。大変な闘いだけど、やりがいがある!
(Twitterより転載。写真も)

 ●山口刑務所よ! 闘う青年労働者、中山崇志をなめるなよ! 医療福祉労働者部会 U

 こら、山口刑務所! この記事も、墨塗りか? 墨塗りしたところで、無駄なことだ。この記事が読めなくとも、中山さんと労組交流センター医療福祉部会の労働者との団結は深まるばかりだ!
 ヒロシマ大行動に参加した翌8月7日、関東と中四国の医療福祉労働者と草津病院の労働組合員や「無実の中山さんと共に闘う会(中共会)」のメンバー総勢14名は、でっちあげ弾圧で中山崇志さん(広島連帯ユニオン・草津病院支部委員長)が収監されている山口刑務所に激励行動を行った。
 しかし、山口刑務所は、私たちの友人面会要請を拒否した。すでに中共会のメンバーの面会が拒否されていることから、面会拒否は予想されてはいた。しかし、広島では面会できていたのだ。なぜ山口ではできないのか!
 「出所後の仕事の話をする」と説明しているにもかかわらず、一顧だにしない。山口刑務所が、中山さんの社会復帰など一切考えていない証拠だ。広島で可能だった面会を拒否して「所長の裁量です」とは、ふざけるな! パワハラじゃないか。これが山口刑務所の実態だ。恥をしれ!
 そもそも、中山さんは無罪だ。看護師として患者に寄り添って仕事をしてきた青年だ。職場で闘う労働組合をつくるために真面目に働き、職場の労働者の信頼を得ていた。それが証拠に、窃盗罪で逮捕されたことをきっかけに、広島連帯ユニオンの草津病院支部の組合員は拡大した。
 この状況で組合員を拡大することがどれだけすごいことなのか、山口刑務所長ならびに、説明もろくにせず、私たちに面会不許可を言い渡した不埒な職員にはわかるまい。労働組合に入って闘うとは、職場の指揮命令に対して、労働者の立場から反対し、時にそれに従わないという行動をとるということだ。山口刑務所の若い職員よ。あなたは所長命令に一度でも異議を申し立てたことはあるか? 「病院労働者が遠方から休みをとって面会にきているのですから、所長、面会させてください」。あなたには、口が裂けてもいえないだろうが、私たちはそれを職場でやっているんだ!
 中山さんに対する国家権力による冤罪は、病院経営者と結託して行われたものだ。その職場で組合員として闘うということは、差別や処分を覚悟しているということだ。このような覚悟のある労働者に対して、面会を拒否されたところで、闘う決意が増すばかりだ。
 反原発闘争を契機に、日本は完全に革命情勢に突入している。近代国家を守るための刑務所は、必ず解体される。支配者が転落する時はもうすぐだ。所長よ、くだらないパワハラを続けていれば、あなたこそ刑務所送りになる時代がくるということだ! また面会にいくから、その時は、ちゃんと中山さんと面会させろ!
(写真 8・5全国医療・福祉労働者交流集会【8月5日 広島市】)

 ●女性部機関誌『うでまくり』第108号発行 事務局

 

『うでまくり』第108号(8月15日)。東京女性部総会報告、東京の教育現場の実態、「アイ介護サービス」解雇撤回闘争の報告、ヒロシマ・ナガサキ闘争の報告など充実。(頒価50円)。
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新自由主義と闘う連続シンポジウム
第3回 
日時 10月6日(土) 13:00〜
場所 DC会館(千葉市中央区要町2-8 DC会館)
講師 奥貫妃文(ひふみ)さん
東京一般ゼネラルユニオン法対部長
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター
内容 「新自由主義と労働法制改悪」
主催 国鉄闘争全国運動/労働者学習センター Tel 043-222-7207
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■編集後記
▼先日、田中代表から『月刊』の内容について、階級的労働運動の再生の一点に賭けて、もっともっと考え、挑戦してほしいと具体的かつ重要な意見を受けました▼交流センター運動も正念場。全力で頑張ります(う)

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月刊『労働運動』(270号F-1)(2012/09/01)

Photo Documennt 2012年7月〜2012年8月

鈴コン闘争勝利! 支援・連帯共闘会議を結成!

7・15東京
東京・赤羽会館において鈴木コンクリート工業分会闘争支援・連帯共闘会議の結成が高らかに宣言された。鈴コン分会員と呼びかけ人をはじめ地元の東京北部地域の労働組合、労働者ら260人が結集し、闘う労働組合を復権する新たな全国的闘いが始まった。

反原発のうねり、国会前を解放区に!

7・29東京
午後7時25分、国会前一帯の歩道を埋め尽くした労働者人民は警察の規制を突破し一瞬のうちに車道を占拠した。国会前9車線の道路が60年安保闘争以来の解放区となった。大飯原発再稼働した野田を許すな。巨万の怒りが爆発した歴史的決起をさらに拡大しよう。

右翼の妨害許さず、8・15靖国弾劾デモ貫徹!

8・15東京
早朝、法政大学正門前に結集した反戦共同行動委員会は、動労千葉、韓国・民主労総ソウル本部を先頭に、右翼の妨害を敢然とはねのけてデモに出発した。「ヤスクニ解体! 原発廃炉! 改憲反対!」のコールの下、デモは120人に膨れ上がった。

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