「月刊労働運動」 2013年/04月/01日(No.277号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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(写真 動労千葉、木更津総行動に150人。動労千葉は春闘第2波、3・14〜17連続ストライキを打ち抜いた。【3月16日 千葉・木更津運輸区門前】)

◎労働者の目 第20 回総会の成功を受け、いざ「東京決戦」へ! 動労千葉3月春闘ストライキの意義  動労千葉を支援する会事務局

全国労働組合交流センター第20 回定期全国総会
新時代の労働運動を切り拓く交流センター運動の新たな出発を! 飯田英貴 事務局長、入江史郎 代表運営委員、 辻川慎一 代表運営委員、田中康宏 代表運営委員
◎全国労働組合交流センター第20 回定期全国総会・特別決議
「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10 万人署名に取り組もう

◎3・11 反原発福島行動’13 が大成功
◎非正規では生きられない! 派遣切りから4年4・26 ショーワ・ジェコー弾劾行動への参加を 非正規職撤廃4・26 行動実行委員会
◎事故を口実とする雇い止め解雇を容認した都労委命令弾劾! 民間交通運輸部会、東京北部ユニオン・コンドルタクシー分会
◎医療・福祉産別職場こそ、外注化・民営化・非正規職化の戦場だ ホームヘルパー 高橋道子
◎学校事務の共同実施と非正規職化攻撃  五十嵐卓也 東京・教育労働者部会
◎正規・非正規を貫いて3・23 郵政春闘集会が成功  全逓労働者部会
◎日経サービス解雇撤回闘争 「労働審判法24 条終了」を期日前に勝ちとる画期的勝利! 関西合同労組奈良支部

ひめじょおん−女性部から  3・11 反原発福島行動’13、圧巻の1350 人

◎地平線―反戦共同行動委員会― 青森「4・9反核燃の日」連続行動への結集を! 中道雅史 NAZEN・青森共同代表
◎元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風=@第7回 36協定は必要か?
◎ BOOK 25 日 現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録

読者のページ

●マンガ /編集後記
※「Pick Up」は休載しました。

月刊『労働運動』(277号1-1)(2013/04/01)

■労働者の目

第20回総会の成功を受け、いざ「東京決戦」へ!

小泉 義秀 常任運営委員 東京労組交流センター事務局長

3月9〜10日、福島で全国労働組合交流センター第20回総会が開催された。3・11から2年、福島の怒りと固く結びつき、結成時の原点に立ち返り、全国労働組合交流センターを強固に建設していく意気込みで開催された。
 動労干葉、動労水戸を先頭とした昨年の10・1「外注化阻止・非正規職撤廃」の実践の中から、われわれがめざす労働組合、この時代に通用する階級的労働運動の姿を全国の仲間がつかみ、実践し、この道を進もうという活気あふれる総会になった。
 さらに「東京決戦」ということが議案と討論の中でも強調された。労組交流センターの新たな労働学校は東京から開始される。東京労組交流センター青年部建設を基軸に全国労組交流センター青年部建設を! 4月7日に開催される東京労組交流センター第18回総会が跳躍台だ。青年を先頭に総力決起を訴える。

 改憲と「国防軍」の安倍政権を打倒しよう

 イラク開戦から10年。イラク反戦世代と呼ばれる青年が労組交流センターの主力となるべき時代を迎えている。新聞、テレビにおいて幾多の特集が組まれた。私が最もインパクトを受けた記事は、3月20日の東京新聞の安田純平さんの「『国防軍』低所得者層の受け皿か」と題する寄稿である。非正規化と戦争の「民営化」を主題とした、安倍の改憲と「国防軍」構想に対する痛烈な批判だ。安田さんは戦争の「民営化」を取材するために料理人としてイラク軍基地建設現場で働き、イラクの武装グループに拘束されたのである。
安田さんが拘束された2004年の時点で公式の契約により業務の委託を受けていた民間軍事会社の数はイラクだけで68社(3万人)に上る。非公式には100社を超えていた。この数字は公的機関である英米安全保障情報評議会(BASIC)が2004年9月に発表した報告書による(『戦争サービス業』ロルフ・ユッセラー 日本経済評論社 2008年10月)。
 外注化・非正規職撤廃の闘いで新自由主義を根底から転覆しよう! 安倍政権を打倒しよう!
(写真 第20回総会でまとめのあいさつをする田中康宏代表【3月10日 福島市】)

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月刊『労働運動』(277号2-1)(2013/04/01)

■動労千葉3月春闘ストライキの意義

動労千葉を支援する会事務局

動労千葉は3月1日、昨年10月1日の外注化強行以後で初となるストライキを幕張車両センターで貫徹しました。
外注化後、幕張車両センターにはJR千葉鉄道サービス(CTS)幕張運転車両所という事業所がつくられましたが、CTSは36協定も結ばずに時間外・休日労働を命じるという違法行為を続けてきました。2月21日に労働基準監督署が調査に入り、違法な時間外労働だけでなく、変形労働時間制の規制違反も摘発されました。
動労千葉の追及に対して、なんとCTSは幕張運転車両所を廃止し、車両清掃業務の事業所と統合させたのです。これに対する怒りのストライキでした。
スト突入時の職場前での行動で青年部の組合員が管理者に向かって「こんなことしていたら今の子どもが大きくなったころには世の中、非正規職ばっかりになってしまう。あんたたちにも子どもがいるだろう。若い人のことを少しは考えろ」と叫んでいたのが印象的でした。
3月14日から17日の第2波となる連続ストには、本線運転士と検修職場の全組合員が決起しました。14日夕刻のスト総決起集会には300人以上が集まり、「闘えば元気になれる。重要なのはストライキを出発点とした職場での闘いだ。ストをやりぬき明るく元気に管理者と闘う」という青年部の発言が記憶に残っています。
さらに動労千葉は16日、久留里線ワンマン化反対の木更津行動を行い、約150人の組合員が、列車の安全運行に向けた闘いを訴え、木更津運輸区への抗議行動を行いました。

 (写真 ストライキ突入! 3・14動労千葉総決起集会に310人【千葉市民会館】)

 動労千葉の歴史においても格別の意義

 動労千葉にとって今回の春闘ストライキは格別の意義をもったストライキでした。
 昨年10月1日、十数年間全力を尽くして闘って阻止してきた外注化が強行されました。闘いの意義と苦労が大きいほどまたダメージが大きいのも当然です。戦後の労働運動の歴史を紐解けば、1960年の三池闘争をはじめ幾多の闘いが、こうした激しい決戦を経て、過去の歴史となっていきました。
 10・1外注化は、動労千葉への組織破壊攻撃の集大成とも言える大攻撃でした。
 1987年の国鉄分割・民営化に対して乾坤一擲の2波のストライキを貫徹した動労千葉は、40人の被解雇者を抱え、100人以上の組合員が売店などに強制配転される中でJR下での闘いを開始しました。その苦闘は並大抵ではありませんでした。
 強制配転者が幕張車両センターなどの職場に復帰するのは民営化から10年が経過したのちです。幕張支部は、検修職場における反合理化・運転保安闘争を形成・発展させ、分割・民営化体制を打ち破る職場闘争を展開、ついには平成採の青年労働者を獲得するに至りました(『俺達は鉄路に生きる3』などに詳しい)。こうした闘いに対抗して会社側は、主要な役員を派出などへ強制配転して組織破壊を狙いました。動労千葉の組合員を平成採と一緒に働く場であった交番検査などからも排除しました。
 こうした動労千葉の分断・解体攻撃の集大成が10・1外注化でした。今回の外注化で強制配転先となった派出はすべて外注化され、幕張支部はJRとCTSの真っ二つに分断されました。青年部の組合員は全員がCTSへ強制出向となりました。
 今回のストライキは、文字どおりこれを打ち破って幕張支部をはじめ動労千葉の全組合員が団結してストライキに立ち上がったということなのです。10・1から約5カ月、怒りとあきらめ、危機とチャンスのないまぜになった苦闘に次ぐ苦闘の中で、動労千葉は最終的に現場組合員を底抜けに信頼することに賭けました。現場組合員の怒りと階級性に依拠して再び闘いを形成したのです。
 幕張支部では連日、何時間もの職場集会や討論がくり返され、「もう一度、現場から外注化との闘いをつくりだそう」となりました。現場組合員に依拠して闘いを再構築したのが動労千葉の基軸的路線ともいえる反合理化・運転保安闘争路線とも言えるし、現場組合員への信頼が反合理化・運転保安闘争路線を再確立させたとも言えます。
 2月24日の動労千葉定期委員会で田中康宏委員長は「外注化がもたらすデタラメさに絶対に慣れてはならない」と何度も強調しました。こういう現場での執念が上記のような36協定をめぐる闘争として結実したのです。外注化の非合理・デタラメさと一つひとつ現場から対決する闘いを開始する中で打ち立てた3月ストライキです。

 安倍政権の雇用賃金破壊を打ち破る展望

 いずれにしても動労千葉にとって今回のストライキは、民営化以後JRでの初めての本格的ストとなった1989年から1990年のストに匹敵する意義があります。また戦後労働運動史という視点からみても、このような攻撃が強行されたところから再び闘いの出発点をつくりだしたことは、分割・民営化後の1047名解雇撤回闘争や動労千葉が闘いを継続したことに肩を並べる意義があります。
 「外注化との闘いの第2ラウンド」と言われますが、ここからが外注化との本当の闘いだとも言えます。日本の労働運動の歴史的な「壁」「課題」を突破するものはなにか。JRにおける外注化との闘いは決定的な意義を持っています。動労千葉は、10・1以後の「生きている現実(外注化がもたらした職場の現実)」と徹底的に闘い抜く中でその展望をつかみました。
 安倍政権は産業競争力会議で、職種や勤務地を制限し、賃金を抑制し解雇しやすい準正社員などの雇用形態を法律で定めようとしています。今日の大恐慌情勢のなかで資本は、徹底的な労働の規制緩和によって雇用と賃金を破壊しようとしています。これと本当に対決し、展望を示すことが求められています。
動労千葉の3月ストライキは、そういう攻撃に対する労働者の怒りとスト情勢に大きな展望を示すものとなったと思います。

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月刊『労働運動』(277号3-1)(2013/04/01)

■全国労働組合交流センター第20回定期全国総会

新時代の労働運動を切り拓く 交流センター運動の新たな出発を!

(写真 総会の締めくくりに交流センターの飛躍をかけて団結ガンバロー=y3月10日 福島】)

全国労働組合交流センターは3月9〜10日、福島市において第20回定期全国総会を開催しました。代議員、オブザーバー、傍聴あわせ140人が参加し、活発な討論のもと、2013年運動方針と新役員体制を決定しました。以下、事務局長の総括と代表運営委員の提起(要旨)を掲載します。

 20回大会を総括して 飯田英貴 事務局長

 フクシマの怒りと一体で勝ちとられた

 3月9〜10日に福島で開催した20回定期全国総会は、全国労組交流センターの新たな歴史を切り開くものとして決定的な総会となりました。
 なにより、今回の総会が3・11反原発福島行動と一体で闘われたことの歴史的大きさです。私は準備の過程で何度か福島現地に行きましたが、今回の1350名の大結集の根底には、福島で闘う交流センターの仲間の闘いがありました。小なりといえ、職場で闘い、あの「3・11」以降、労働者の生活と闘いと命に責任をとりきる立場で闘ってきた福島の仲間たちの闘いが、情勢を大きく揺り動かしたことは間違いありません。3・11から2年、彼らと団結して、福島で総会を成功させることができたことが、交流センター24年の闘いの到達地平だとあらためて確信します。

 交流センター運動の新たな出発点

 20回総会の福島開催に当たって、私は福島の仲間に「もう一度、交流センターを新しくこの時代につくり出す決意で臨みたい」と言いました。
 全国労働組合交流センターは1989年2月に結成されました。国鉄分割・民営化が強行され、総評解散・連合結成に向かう過程での結成です。交流センター結成にあたって、初代代表を務められた中野洋・動労千葉前委員長は、「労働運動の大戦国時代の到来だ」と全国を駆け回って訴えました。当時の動労千葉は750名。数から言えば圧倒的に少数です。しかし、分割・民営化に唯一2波のストライキで立ち向かい、40名の解雇者を出して闘った動労千葉だからこそ、「力あるやつが全部いただいていく時代だ。われわれにとって絶好のチャンスが来た」と全国の仲間に訴えることができたのです。
 同時に動労千葉は、1989年12月、東中野事故1周年を期して、民営化後初のストライキを闘います。このストライキが、全国で闘う国鉄労働者を鼓舞激励し、1990年の1047名解雇撤回闘争を生み出しました。動労千葉のストライキと全国労働組合交流センターの結成が、国鉄分割・民営化後に後退を強いられた労働運動を新しく作り直す土台となってきたのです。
 結成から24年。第20回総会は、交流センターの新しい出発点になったと確信します。
 ひとつは、国鉄闘争の前進、動労千葉が切り開いている地平の大きさです。昨年10・1の検修外注化強行から5カ月後の3月1日に動労千葉がストライキに突入しました。このストライキは、1989年12月のストライキに匹敵する歴史的なストライキでした。外注化という究極の合理化・団結破壊が強行された後も、本体と外注先の組合員が団結を固め、外注化粉砕に向かってストライキに立ち上がるというのは戦後労働運動の限界を突破する偉大な闘いです。
 もうひとつは、全国のあらゆる職場、産別から「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いが猛然と開始されていることです。総会では全国各地の闘いの報告が感動をもって受け止められ、その闘いの中から「労組交流センターとは何か」があらためて議論されました。
 このかん橋下による自治体丸ごと民営化と闘ってきた大阪市職の仲間は、「職場の労働者の現状をつかみ、その怒りの先頭に立ち、具体的な闘争方針をつくり出すこと。具体的課題に対する具体的闘いを通して、闘う労働組合をつくり出していく組織が労組交流センターだ」と言っています。
 現場一人ひとりの労働者の感情と意識に密着し行動を組織する闘い方は、現場の闘いを当局との駆け引きの道具にしてきた体制内労働運動のあり方と根本から違います。労働者一人ひとりのもつ怒りやエネルギーをトコトン解き放つことの中に、この腐りきった資本主義社会を根本から変える力があると闘ってきた労組交流センター運動の核心がいま、全国あらゆる産別・職場で全面的に展開されています。

 ストライキの復権

 辻川慎一代表は「労働組合を建設し、プロレタリアートの強烈な暴力性、共同性を甦らせることが、交流センターのこの時代に対する回答だ」と訴えました。この時代認識は、辻川代表が外注化強行に対するJRの平成採の怒りの凄まじさを見てつかんだものです。
 1〜3月階級攻防は、文字通りストライキの復権として、動労千葉、動労総連合の闘いを先頭に、労働者階級の暴力性・共同性を開花させるものとして発展しています。
 先日、ちば合同労組のモリタ闘争に参加しました。千葉にあるモリタ東日本物流センターで請負契約の打ち切りが通告され、24名の労働者が4月末で雇い止めされようとしていることに反対する闘いです。
 そこでは、偽装請負を開き直り、「直接の雇用主ではない」からと団体交渉も拒否する経営者に対し、非正規の青年労働者がストライキに立ち上がっています。
 「労働組合の存在を示したい」という彼らの言葉が非常に印象に残っています。一生懸命働いてきて突然職場を奪われる悔しさをストライキで資本に叩きつけ、労働組合の力を自分と仲間と社会の中に断固打ち立てていくのだという強い意志を感じました。
 東京メトロや郵政職場でストライキが闘われ、自治体労働者の怒りは自治労の30年ぶりのストライキとして準備されています。労働者のストライキが堰を切るように始まっています。

 方針について

 総会決定の方針で、新たな「労働運動の戦国時代」に勝利しよう。なにより、国鉄決戦として2013年決戦をぶち抜くことです。動労千葉鉄建公団訴訟で「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10万人署名に取り組もう。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・9国鉄集会が前半の最大の結集点です。なにより東京での組織拡大が核心です。
 さらに、労組交流センター運動の発展を通して、本物の労働者階級の党を建設しようと確認したことは、この時代に立ち向かう階級的労働運動の新たな挑戦です。
 最後に、今総会で全国労組交流センター代表を長年つとめて下さった入江史郎・ス労自主委員長が退任されました。これまで交流センター運動を全力で支えて下さったことにあらためて感謝申し上げます。今後とも、ス労自主とともに交流センターのさらなる発展をつくり出す決意です。
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 総会における代表運営委員の提起

 入江史郎 代表運営委員 1日目 代表挨拶

 3点ほど話をして代表の挨拶とします。
 まず一点は、この20回総会は3・11福島反原発闘争に合わせて期日を設定しました。2年前の3・11以降、福島を資本家支配階級が制圧するのか、あるいは労働者民衆がこの世の中を変えるためにわが手に入れるのか、そういう本質的な攻防が激しく闘われている最中です。よくぞこのときに福島交流センターが健在であった。このことが非常に重要です。支配階級もですけど、原発に反対する人たち、この震災の惨状を立て直そうという人の中でも、3・11を福島の現地で全国闘争としてやろうという勢力はわれわれ以外にないのがこの日本の現実です。同時に、われわれが最先頭にいるということを肝に銘じて総会を有意義なものにしてほしい。
 2点目に、私見ですが、全国労組交流センターは何者で、その主体はどこにあって、どこに行こうとしているのかということです。せっかく結成から24年もった全国組織であり、しかもこの時代ですから、壊して新しいものを作るより、この全国労組交流センターを飛躍・発展させる方向でやった方がいいと思っています。財政などシビアな議論もふくめて触れて、闘える組織にしてほしいと強く思っています。
 現状の交流センターの組織は、心ある個々の労働者の自覚で支えられています。本来は労働組合交流センターと言っているように、労働組合単位で加入することを期待して故・中野代表や佐藤代表が呼びかけたんだと思うんですけれども、ここの組織加盟について今年度はどうしても成果をあげないといけない。
 3点目に、私が全国労組交流センターの代表をやってちょうど今年で10年になります。2003年のイラク侵略戦争の1カ月前に行った総会で中野代表の要請によって代表運営委員を受けました。冒頭に退任の挨拶をするのは何なんですが、今総会をもって代表を退任する運びになります。私自身は、ス労自主という交流センターの1加盟組合の委員長としてこれからも交流センターの発展に寄与したいと強く思っています。
 今の交流センターの組織、運動について、こうでなければならないということはないんですが、元々創設者の中野代表の意向はできるだけそれぞれの持ち味を生かして、自力・自闘・連帯、もたれあいではなく、それぞれの加盟組織、構成要員が自らの責任と主体をもって運動を作り上げていく意向だったと思うし、それはある程度はできた。ただし今の労組加盟がほとんど進まない条件の中ではこの運動のこれ以上の発展は難しいだろう。あるいは、個々の労働者の志の高さと犠牲の多さで成り立っている運動には限界がある。運動は守りに入った瞬間に間違いなく衰退し始めていきますから、これから労働組合と名乗れるか名乗れないかは別として、ひとつの労働者の団結体ごとに組織加盟していくというような、本来の組織の形に一日も早くなるようにしてもらいたい。

 辻川慎一 代表運営委員 1日目 運動方針案提起

 検修外注化決戦の第2ラウンドは、同時に3月の膨大な労働者の雇い止め、非正規化との最先端の闘いとしても闘われています。今の時代に対して、労働組合をつくりあげストライキをたたきつけることが求められている。ブルジョアジーは生活保護、雇用保険など最後の命綱まで解体しながら攻撃をかけてきている。その時になぜ、雇い止めを待たなければならないのか。労働者は正規であれ非正規であれ生産を握っている。その生産を止めるところからしか力関係は形成されない。被曝労働反対というスローガンを掲げて闘っていますけれど、原発労働者が原発の収束作業を止めるぞということを突きつけない限り、原発労働者は自分たちの命をかけたこの作業を世の中に知らせることはできない。労働者が自分たちの誇りと存在を世の中に知らしめるためには、自分たちの生産を止める、労働を止めるという威嚇と実行なしにはできない。
 3・11福島をめぐる闘争はまさに、大震災と被曝を強制された労働者が、命を的にして収束作業や除染作業、被曝をしながら街を維持し、生き抜いている。この惨禍をもたらした者の責任を追及するのは、労働者階級の闘いです。団結を基軸に今の現実をもたらした者を根本から打倒する。その闘いとして3・11がある。すべての体制内派が「3・11は中核派の集会だ。福島の復興に水を差す集会・運動だ」と言って3・11とそれを闘おうとする者を否定する。
 この構造は福島だけではない。今、青年の中で、JRの中で、動労千葉や動労水戸と立ち上がろうとする時、「あそこは中核派の組合だ、あそこだけは行ってはいけない」と異口同音に決起を押しとどめようとする。福島、JR、検修外注化阻止決戦の構造は、プロレタリアートが世の中をひっくり返すのかどうかをめぐる最も核心的な闘いです。
 われわれが階級的労働運動、労働組合として通すべき筋がある。そこで結論が出るか出ないかじゃなくて、強力な布石、最後の勝利に向けてぎりぎりぎりぎりと路線的な布石を打ち抜いていく。今の時代だからこそ求められている。すべての体制内党派、労働組合は、まず目先のこと、即戦力、即効を求める。即座の結論が出ないと不安に陥る。そういう軽薄な、資本主義的な発想に対して、われわれは労働者階級、人間に対する根本的な信頼をおいて、階級的労働運動路線をしっかり貫いていくことが、今、最も重要なことです。
 労働者階級の党をつくりあげるために
 

そのために幾つかのことを確認したい。
まずわれわれは、一昨年の3・11以降、特に昨年3・11郡山開成山球場の闘争、その前段の2・5徳島刑務所包囲闘争、さらに10・1外注化阻止決戦を闘ってきた。昨年の衆院選では、自民党がほとんど支持がないのに圧勝した。労働者階級大衆とブルジョア議会の乖離が生まれたこと自身が、ブルジョアジーの危機です。彼らは、最後の手段としての暴力装置の全面発動に向けて、自分たちが打倒されるかどうかをかけて、改憲を含む超法規的な形で労働者階級の闘いを圧殺する以外に延命できない。もう一方で国際帝国主義の争闘戦的な経済対立に、まさに武装し、戦争に訴えるしか延命の道がない。戦争と搾取の強化の一点に向けて突き進んでいる。
はっきりさせなければいけないのは、すべての既成政党に対する根本的絶望という問題に対して、われわれは階級的労働運動の根底的な前進、貫徹の中で労働者階級の党を2013年の激烈な闘いの中でつくりあげようということです。その攻防として3月攻防がある。だからたんに雇い止め、検修外注化阻止決戦、反原発を闘うというのではなくて、この闘いの中で現状のすべてをぶっ飛ばしていく階級的な党をつくりあげる。それは階級的労働運動の前進を抜きにはできない。交流センターが階級的労働運動路線の貫徹、前進の中で挑戦しているのは、われわれの党をつくる、労働者階級が自分たちの党として命を託すような党をつくりあげていくということであり、そのためには、交流センターが前進する以外にないということです。これを今年の方針の土台に据えなければいけない。
その場合、「かつてすばらしい階級的労働運動があった」とか、「戦前や戦後革命期はすごかった」「60年や70年はすごかったけれど今は違う」という認識を、ぜんぶ払拭しよう。戦後革命期、60年、70年安保闘争の上に立って、激烈な80〜90〜2000年代の闘いをやることで、体制内勢力やブルジョアジーが描いている社会と違う、日本・世界の労働運動にとってまったく新しい時代を切り拓いている。新しい時代に日本の階級闘争、労働者階級は入った。われわれ1人が立ち上がること、平成採1人が存在をかけて立ち上がること、福島の中で厳然と立ち上がる人が出た時に、既成の構造はガラガラと崩れる。だから1人を立ち上がらせないという全重圧をかけるんです。だけどわれわれは、必ずその1人をつくりあげる。それは自分たち自身の闘いと存在に対する根本的な信頼です。
たった1人の決起に対して周りがこれだけぐらぐらするということを、検修外注化決戦の中で感じます。動労水戸に2人が入りました。3人目が来たらもう終わりだと資本は思っています。これはブルジョアジーと体制内勢力の精神を根本からたたき折るんです。そういう攻防です。

(写真 活発な討論が行われ、1日目の最後に神保美彦副代表運営委員が中間答弁【3月9日】)

 反合・運転保安闘争の意義
 合理化、人の究極の合理化が外注化です。派遣労働もそうですが、人間をモノと同じにする。この究極の合理化の外注化・非正規化に対するわれわれの根本的なスタンスは、人間破壊と安全破壊は完全に一体だということです。反合・運転保安闘争は職場の労働者一人ひとりを決定的に位置づけます。一人ひとりの労働者をどうしようもないものとして資本や体制内派が描こうとすることに対し、プロレタリア階級の決定的な闘いの一環としてそれを位置づける。「あなたはこんなに重要だ、あなたが立ち上がることはこんなにすごいんだ」と位置づけきって不屈に奮闘しぬいた時に、そこが階級の決定的拠点になるんです。だから現場や自分がダメだという意識を、払拭しきれなかったら、その時点でブルジョアと体制内に敗北しているんです。反合理化・運転保安闘争路線が、今の外注化決戦の中で日々貫いているのはそういう考え方なんです。
 資本は、運転士や検修の労働について実に安易に考えている。だから重大事故が続発する。現場の労働者はいいものを作ろうとする。いい仕事をしようとする。それを搾取や、丸投げ外注化する。まともなものができるわけない。だからどんどん重大事故が起きる。非正規であれ派遣であれ、労働者がかろうじて最後の一線を守っている。そのことを知らしめるのはストライキしかないんです。
 労働組合を結成して断固としてストライキをやる。何をやっても首になるんだったら、断固としてストライキをやったらいい。とっかえひっかえがいつまで効くか。やられたら向こうは参る。参るんだけれど団結をさせないためにあらゆる分断をやる。階級的労働運動路線、反合理化・運転保安闘争を柱に日本階級闘争を塗り替える。ブルジョアや体制内派の思想や発想に一切くみしない。根本からくみしないということは、その闘いを実践していく中で貫徹されるんです。
 青年の指導部をつくりあげる
 交流センター自身の発展にとって何が重要かといったら、次の世代を創り上げることです。青年の獲得です。
 動労水戸は、6日にストライキをやりましたが、MTS(水戸鉄道サービス)ではたった2人のストライキです。JR含めると20人規模、MTSでは3人がストライキに入りましたけれど、仕業検査の実際の仕事があったのは2人だけなんです。そのストライキにてんやわんやです。今は頑として青年がスト破りを拒否する。スト破りを追及する。そして「今度いつストをやるか教えて下さい」と聞いてくる。青年たちがスト破りを拒否したら、2人の穴が埋まらない。ついにこの前、欠員が出ました。大変なことなんです。仕業検査というのは法定検査ですから、2人でやらなきゃいけないとか決まりがある。それを「とりあえず片側1人でやってこい」とか、勝手なことを会社はしている。
 外注化とは、安全なんかどうでもいい、青年労働者なんかどうでもいいということです。青年労働者たちはそのことを目の前で見ている。動労水戸がストライキをやらなかったら、そのこともわからない。われわれが闘っているからこそ、それがはっきりするんです。いつまでも平成採が立ち上がらないとなんてことは、われわれが闘っている限りありえない。あと1人が動労水戸に来たら雪崩が起きるかも知れない。堤防決壊の寸前まで来ています。
 青年労働者の一般的な獲得ではなくて、青年の中の指導部を作ることが交流センターの決定的役割です。たんに結集すればいいんじゃなくて指導部にする。労働組合の指導部にする。労働組合の組織者にする。
 同時に、学生出身であろうとなんであろうと、青年の専従活動家がいますね。労働運動には膨大な専従活動家が配置されていたんです。だけど全然成功してこなかった。当たり前だ。人に人生をかけさせといて、てめえはうまくやっているなんて腐っちゃう。これが日本の労働運動をもう一つだめにしてきた。労働運動に人生をかけたら最後の最後まで生き生きと闘って、労働運動の指導者になる。それが同時に日本の政治家になっていく。戦後労働運動のいい加減さと限界をわれわれが突破していくという意味で、青年の専従活動家を徹底的に鍛え、育てていくことを意識化しなければいけない。だから学生運動の前進と労働運動の前進は両軸です。
 東京で勝負する
 方針上のポイントですが、ひとつは、われわれが福島現地にこだわって闘争をするように、帝国主義が地方農村を都市に従属させる構造に対して地方と結びついて闘うがゆえにこそ、東京、大阪の決戦について徹底的にこだわり勝ちぬくことです。首都・東京において勝負するときが来た。東京で交流センターの労働学校を実現する。
 財政問題的には、今ある各産別部会が交流センターに対する会費を出してほしい。4大産別の決戦を決戦として構えるからこそまず4大産別の産別部会から会費の納入について討論をしていただきたい。
 さらに入江さんから提起されている労働組合の直接加盟についても進めていきたい。階級的労働運動のセンターとして前進していくために必要です。そういうことも含めて、財政基盤を根本から再確立していきたい。
 同時に、交流センター女性部建設です。非正規で食うや食わずの人が家族をつくれない、家族を作ったって両方働きに出なきゃ食えない。そうした現実のなかで、子どもを生み育て家族を形成するという場合に、そのことを支える内容がわれわれの中にこそある。革マルとの激突が厳しい時代から共同保育をふくめて蓄積がある。女性労働者として支え合い共に闘うという立場から生き抜いてきた軌跡を今こそ今の青年、女性労働者に伝えなきゃいけない。女性部をもっと根本的に位置付ける。今の時代に対応する女性部の運動の路線的確立と前進が求められています。
 改憲阻止闘争、星野奪還闘争、三里塚闘争、あるいは沖縄闘争、ひとつひとつについて、階級的労働運動路線のなかで決定的に闘う。労働者階級が闘うということが勝利の要諦です。そうじゃなかったら各闘争は発展しない。また、この闘いの一つ一つの勝利の中に労働者階級の階級的勝利があるという構造です。
 特に安倍が改憲に踏み出して来ているなかで、改憲闘争をいわゆる体制内的な既得権、戦後的な権利を守るための闘争の枠に押し込める無力性なんてはっきりしています。今の時代の改憲阻止闘争は国際反戦闘争であり、国際連帯闘争です。日本と世界の労働者階級の団結をかけた闘いとして決定的に位置付けなきゃいけない。沖縄闘争、星野闘争もそうです。たんなるえん罪闘争じゃない。まさにここをめぐって日帝国家権力と日本・世界の労働者階級が激突している。すべての闘争を根本から位置付け直すことが必要です。

 討論の方向性について

 今年の決戦に向けてセンターとしてどういう態勢と勝負をしていくのか。戦闘態勢を構築するために議論する時間をつくった。後半は、われわれが今年の闘いで何をなすのか、交流センターとして何が必要なのかの議論をしていただきたい。
 勝負の核心は3月の非正規雇い止め、外注化との闘争だと提起しているわけですが、核心的には何が求められているのか。必要なのはストライキと労働組合だ。
 動労水戸の青年は9月の外注化反対で平成採がスト破りを拒否して、スト破りをやろうとするものを徹底弾劾した。東労組の助役の指示でいったんスト破りを受けた青年が、話し合って、自分にはできませんと足をふるわせながら拒否をして、次々と青年たちが拒否をした。最終的に年配の東労組のやつがスト破りを買って出た。それに対して10人ぐらいの青年が取り囲んで弾劾した。あまりの恐ろしさに東労組の年配の労働者が助役の間に座って守られる状況。助役も青年たちに何も言うことができない。言ったら自分たちが串刺しにされてしまう。そこで開始された激しさ、怒りは、ものすごいプロレタリアートの暴力性だと思う。彼ら自身がこのストライキの意味は何だと。動労水戸がストライキをやったって今までは全然影響力なかった。でも青年たちがこれは自分たちの闘いだと立ち上がったときにものすごい暴力性と解放性を体験した。それは忘れることがない階級的体験だ。そのとき、もっと激しい反応、闘争を自分がやっていかない場合には、自分が彼らに打倒されるぐらいの根底性がある。
 合同労組などの回路をとおして青年が立ち上がってきているが、そこに甘んじることはできない。ブルジョアジーは労働者階級の怒りに打倒される寸前を自覚している。だから改憲であり排外主義であり領土問題、戦争なんだ。軍事力と警察権力を肥大化させ、労働者への弾圧装置を強化している。プロレタリアートの暴力性、団結、共同性を根底的に貫いて開示していくことが今の時代に対する本質的解答だ。
 そのことをぬきに一般的な組織の前進とか、自分の組合がどうだとかいう問題じゃない。われわれはこの運動を通して労働組合を建設する。労働組合をめぐる闘争を貫徹することによってプロレタリアートの強烈な暴力性を2013年の闘いの中で甦らせる。それが交流センターの時代に対する本質的回答だ。
 そのために新体制を作る。全国の闘争を最先頭で牽引し、ぶち抜いていく新執行体制として作りたい。
 なぜわれわれが交流センターの執行部、中央を作っていくのか。労働者階級は自分たちの組織を持たないと勝てない。交流センターをわれわれプロレタリアートの、労働者階級の武器にしなければならない。一般的な交流センターではなくて、戦闘的でまさに共同性、団結性、暴力性を貫く、そういう運動の中枢、より強烈な闘争指導部、闘争中枢を作るという考え方で新体制を作ろうと思っています。
 『月刊労働運動』を日本の労働者階級の武器として、戦後の労働運動の粋を集めた月刊誌として強化していきたい。『月刊労働運動』で組織していただきたい。

 2日目 討論のまとめ 田中康宏 代表運営委員

 本当に感動しました。職場、現場は困難だらけだが、この時代に対する確信も固く、全国津々浦々から具体的な闘いが展開されている。多くのことを教えられました。
 2日間の討論の核心は本当に勝負に打って出ようということ。条件はすべてが煮詰まった。それをどういう方向で踏み出すのか。勝ち切ることができる組織を作りたい。個々の職場の闘いをひとつにして勝ちきるもの、そういう交流センターをつくりたい。交流センターの組織建設に勝負をかけよう。
 あふれかえる怒りの声が体制内的な労働組合の裏切り指導部の手によって、圧殺されるかどうかというなかで、交流センターという組織をつくることを通して勝利の基礎、土台を与える。もう一回勝負に踏み出そう。これが私は2日間の核心だったと思います。
 1989年に中野顧問と佐藤芳夫さんによって呼びかけられた組織。そのときの決意、原点の再確認。かつてのことを振り返るのではなく今まさに情勢が巨大な形で動いて問われていることを明確にさせるためにもう一回確認したい。すべては労働組合のありよう、労働組合の変革を僕らの力によってできるかどうかによって決まります。連合ができた歴史的転換点の中で反連合・反全労連、自力・自闘・連帯の旗を掲げて、労働運動をわれわれの手で新しくつくり直すという壮大な決戦に打って出た。そうであるがゆえに交流センターの性格がずっと議論されてきた。課題が大きいから当たり前だった。そうした議論と職場での実践、マルクス主義の学習。こうした20数年間の過程が今情勢の進展と同時にすべてがかぎりなく明快になった。
 だから原点に帰って交流センターそのものをちゃんと作る。各地域で真正面から議論してもらいたい。交流センターの力は各地域、県の交流センターの現実の生の労働者の闘いの中にある。この結合の中にある。
 提起された方針を真正面から提起していただきたい。財政問題を提起し、もう一方で東京の労働学校開催の問題など相矛盾したことを両方提起した。このことのもつ意味と決意性。労働者の怒りと結びつけば可能だから提起した。来年の総会だって、当たり前に考えないでほしい。本当にこの1年間の闘いと交流センターの組織の建設の上に、これが俺たちの闘いの姿だと示せるような総会を開くということです。そういう段階に来た。まず当たり前のことをきちんとする。今会員、機関誌の読者が何人で、会費がちゃんと集められているのかどうか。こうした一番基礎からの議論が絶対に必要になってくる。辻川さんは労働者が持っている力、怒りが爆発する暴力性が現に存在していると訴えた。こういうこととひとつのことです。
 17万の民主労総に対して僕らはこんな小さな組織という関係の中で、僕らが提起できたのは交流センターだった。小さいながら本部があり、全国各県で組織があって階級的労働者たちの全国ネットワークをつくった。これが17万の組織に通用した。世界に必死になって体制内労働運動を食い破ろうという戦闘的な労働者はいっぱいいる。だけどこういう組織を持っているのはわれわれだけですよ。これは宝物です。私自身ももう一回交流センターをつくるってことについて決意をしたい。これがあらゆる闘い、国鉄闘争全国運動、あるいはNAZENのような闘いすべてを支える階級的労働運動の母体となる。これがあったらすべてが爆発的に前進する。そういう時代がいよいよ来ようとしている。
 ですので、一番に訴えたいことはそのことを議論してほしい。各県、地区ごとに交流センターの定例の会議とか、日々の議論をもう一回これを中心にあらゆる活動を切り替えていく。再検討し直す。

 本物の労働者の党をつくりだす闘いへ

 それから今回もう一回、労働者には労働者階級の党が必要なんだということが方針の中で提起をされました。このことは3労組運動の前身になった1995年9・18集会から始めた「闘う労働運動の新たな潮流」をめざす運動の中で、中野顧問が一番はじめに提起したことなんだよね。連合を食い破ること。職場から闘いを作ること。反戦政治闘争を闘うこと。それと労働者階級の本当の政党をつくるような運動を始めようと4つのことを訴えて始めた。安倍政権の登場の中で労働者階級の真の利益を代表する政党をつくりたいということがもう一回リアリティを持ち始めた。交流センターが発展し巨大になったときに本当に本物の労働者の党が僕らの手で建設ができるようになる。
 明日の3・11、2周年を前に福島で開催されたことの持つ意味は、本当に大きかったと思います。例えば福島をめぐる激しい攻防戦の中で、過激派キャンペーンが行われ、党派闘争になっていることはご存じのとおりです。僕らは診療所を作ることで口先だけの存在ではないということを示した。福島のすべての非和解的な現実と闘って、この下に100万の怒りを結合してやろうという思いで作った。ここに僕らの闘いの本当の意味での前進が示されています。

 今が跳ぶときだ

 それともうひとつ。10数年にわたる民営化・外注化・非正規化阻止という職場からの闘い。これは単に動労千葉・動労水戸の闘いというだけじゃなくて、鈴コンの闘いとか郵政非正規の闘争とかこうした闘争の中から全体として生み出された。昨日今日報告された闘いもぜんぶ、僕らが明確にした大きな闘いの路線として生み出されました。つまり、1047名闘争がぜんぶ崩壊させられていく状況の中で僕らはやりぬけたこと。3・11の大震災と原発事故の現実のなかから、資本主義社会の最大の本質的矛盾の中からこの国家とは何なのかに気づいた膨大な労働者の決起と、福島における命を全部を見殺しにしてでも国家だけが生き延びようとする現実に対して、僕らはこう闘うんだということ。それと現場から作り上げた民営化・外注化・非正規化阻止の闘いの地平。僕らは国鉄分割民営化以来、労組交流センター結成以来の闘いの中でここまで来た。それが今の情勢のなかで全部が労働者の怒りと闘いという形でひとつに結びつくところまで来ました。ここで飛躍する。ここで本当に跳ぶときです。その象徴ともいえる福島で今度の総会を開催をしたということは、勝利の展望を示したものとしてもう一回再確認をしたい。

 公務員攻撃をはじめとする階級攻防の焦点

 もう一点述べたい。今労働者が置かれている現実と焦点についてです。大阪で橋下が始めたことについては全労働者の課題として絶対に見据えないといけない。今回の春闘の現実を見てほしい。アベノミクスで労働者の賃金ががんがん下がり続ける。これは支配の崩壊ですよ。ローソンやセブンイレブンの賃上げなんてペテンです。アベノミクスでいいんだということを作らざるをえないという支配階級の危機ですよ。
 起きていることは400万の退職金カットと、7.8%削減です。橋下は大阪で4月以降、58路線のバスに始まり、地下鉄、清掃の民営化に突き進んでいます。これはすべて違法行為です。強制的に全部転籍。本来、今の法律だってできるはずがない。東京でも始まる。足立区がやっていることは橋下以上です。窓口から何からぜんぶ別会社。3年後に作ると言っている。すべてが限度と限界を超えて進む。
 そうした中で自治労が4・26ストライキを掲げたことは大きい。本当に危機なんですよ。自治労本部は絶対にこんなのやりたくない。なのに言わざるを得ないという危機。だったらわれわれの力でストライキに立ち上がる。自らだけの7.8%削減の問題じゃない。これで狙っているのは、非正規労働者のすりつぶしです。非正規労働者を本当に生きていけない現実に叩き込む人殺し政策を公務員労働者バッシングをとおしてやろうとしている。これは福島と同じです。公務員労働者は誇りを失っていない。この10何年間のバッシングではらわたが煮えくり返っている。
 郵政の現実のひどさももっともっと本当に見据えなきゃいけない。自爆営業は一番ひどい局で1万2000枚。人間の限界なんかはるかに超えている。労働者を愚弄するのはいい加減にしろ。教育、医療、すべてが限界を超えようとしている。日本全土がフクシマ化する。それで支配階級だけが生き延びる。
 そのとき1番目の問題に戻るわけです。全国労組交流センターを全国に作る。本気になろうということです。そうしたら時代が動く、歴史が動き出す。

 6・9国鉄集会をすべての集約点に

 最後に具体的なことを提起したい。交流センター建設のすべての集約点を6・9国鉄集会においてほしい。完全に一皮むけたものとして勝ち取ってやろうと固く決意しています。問われていることは福島と同じです。国鉄闘争は僕らだけが戦線を守って成果を上げているわけです。職場でも必死になって闘っている。過激派キャンペーンを突き破ったら動く。そのためにも組織をつくる運動として、1047名解雇撤回の10万人署名運動を本気になって展開しようと訴えたい。
 交流センター結成以来、歴史の転機になる総会として、昨日今日の討論はあったと思います。だから感動しました。みなさんが本当に自分の足下の職場でそういう闘いを作り出してくれていると感じました。これを全体で団結して進めましょう。
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 ■議事

 3月9日(1日目)

●代表挨拶 入江史郎 代表運営委員
●2013年運動方針(案)提起
総括・方針 飯田英貴事務局長/情勢 荒木淳副代表/闘いの基調 辻川慎一代表運営委員
●福島から、3・11集会に向けたアピール 渡辺馨福島労組交流センター代表
●質疑討論 大阪(自治体)、千葉(合同労組)、教労(神奈川)、東京中部(合同労組)、動労水戸、徳島(合同労組)、沖縄、神奈川(自治体)、北大阪(自治体)、柳沢裕子常任運営委員
●中間答弁 神保美彦副代表運営委員

 3月10日(2日目)

●質疑討論 福島(国労)、北海道(電通)、宮城(金属)、東京三多摩(金属)、神奈川(自治体)、神奈川(合同労組)、神奈川(金属)、群馬(合同労組)、埼玉(全逓)、奈良(教労)、大阪北摂(全逓)、大阪泉州(合同労組)、南大阪(全逓)、京滋、新潟(国労)、岡山(動労西日本)、愛媛(全逓)、東京(東京女性部)、新潟(合同労組)
●連帯のアピール 星野暁子さん
●討論の方向性について 辻川慎一代表運営委員
●質疑討論 赤羽進彦副代表運営委員、秋田(国労)、八尾北労組、自治体(東京)、女性部、ス労自主、諸永政廣副代表運営委員、小泉義秀副代表運営委員、吉本伸幸常任運営委員、東京北部(合同労組)、冨田益行常任運営委員、東京東部(自治体)
●討論のまとめ 田中康宏代表運営委員
●運動方針案、特別決議案採択
 特別決議は以下のとおり。「星野文昭さんを取りもどすために、全証拠開示署名運動に取り組む決議」、「『解雇撤回・JR復帰』の高裁判決を求める10万人署名に取り組む決議」、「労組交流センターの組織拡大を本格的に推進しよう」
●新役員選出
●団結ガンバロー 星野勝紀副代表運営委員

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 採択された2013年運動方針(目次要旨)

■はじめに

■T.2012年の闘いの総括(略)

■U.とりまく情勢
 1.世界の動き(略)
 2.日本の動き(1)脱落状態の日帝(2)衆院選結果(3)アベノミクスの正体(4)原発推進、戦争・改憲
 3.労働運動をめぐる情勢(1)「雇用破壊元年」、「10割非正規職化」攻撃(2)経団連経営労働政策委員会報告(3)派遣法・労契法・高齢法改正(4)JAL整理解雇容認判決と動労千葉鉄建公団訴訟判決の意義(5)民営化と公務員整理解雇(6)被災地「復興特区」と原発・被曝労働をめぐる攻防(7)民主党政権−3・11情勢下の連合の一段の産業報国会化(8)「外注化阻止・非正規職撤廃」路線とJR外注化阻止決戦の意義

■V.闘いの基調 世界大恐慌下での大失業と戦争の時代の到来、安倍改憲政権の登場に対し、外注化・民営化粉砕、非正規職撤廃、解雇撤回、原発絶対反対で階級的労働運動の新時代を切り開こう!1.階級的労働運動としての交流センターの新時代に突入しよう! 2.反合理化・運転保安闘争路線と絶対反対路線 3.階級の指導部育成と専従活動家の決定的重要性 4.外注化、大量首切りと大失業、原発再稼働と改憲情勢に対して階級の指導部と組織を建設する春季闘争を展開しよう! 5.改憲阻止、星野奪還! 三里塚、沖縄闘争勝利!原発再稼働、非正規化阻止!2013年前半決戦で安倍政権打倒!

■W.2013年の闘いの方針 1.国鉄闘争を基軸に「外注化阻止・非正規職撤廃」「改憲阻止・安倍政権打倒」の階級的労働運動を! 2.福島と団結し、反原発・反核闘争の大前進で安倍政権を打倒しよう 3.全証拠開示大運動を広め、星野文昭さんを奪還しよう 4.全人民の共同闘争で改憲阻止、米軍基地撤去・安保粉砕、安倍政権を打倒しよう 5.青年を先頭に、会員をあらゆる職場・産別に生みだそう

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月刊『労働運動』(277号4-1)(2013/04/01)

全国労働組合交流センター第20回定期全国総会・特別決議

「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10万人署名に取り組もう

 全国労働組合交流センター第20回定期全国総会において採択された3本の特別決議のうち「『解雇撤回・JR復帰』の高裁判決を求める10万人署名に取り組む決議」を掲載します。

  * * * * * * * *

 国鉄1047名解雇撤回を勝ち取る最大の決戦を迎えています。2月27日、解雇撤回・JR復帰を求める動労千葉鉄建公団訴訟控訴審で、東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)は次回結審を予告しました。次回裁判が行われる5月8日までの2カ月が決戦です。「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10万人署名に全力で取り組み、結審策動をうち破ろう。動労千葉は、3月14日から17日に外注化・非正規職化攻撃を粉砕する連続ストライキに突入します。動労千葉と共に、職場における外注化・非正規職化阻止の闘いと1047名解雇撤回を一体で闘おう。
 昨年の6・29判決は、1047名解雇について、不採用基準(名簿不記載基準)そのものが不法行為であり、不当労働行為であることを認める画期的判決でした。葛西職員局次長(当時)が分割・民営化に反対する者を排除するために不採用基準を作り、それが、明確な不当労働行為の意思に基づくものだったことを認めさせたのです。
 さらに6・29判決は、「名簿不記載基準が策定されなければ、原告らはJR東日本に採用されていたはずである」とまで言っています。「国鉄分割・民営化反対、解雇撤回・原職復帰」の旗を降ろさず闘い抜いてきた26年の闘いが、「国鉄を解体して一旦全員解雇。JRを設立して再雇用」という枠組みによって「JRの法的責任なし」とした国鉄改革法をうち破る展望をついに切り開きました。
 東京高裁は、葛西を証人喚問する以外にないところに追い詰められています。しかし、2月27日の控訴審第2回口頭弁論において被告側代理人は、昨年10月11日に国労秋田闘争団の小玉忠憲さんに下された不当判決を持ち出し、「6・29判決は理由がない。早期結審を」と主張しました。これを受けて難波裁判長は「論点は出つくしている。もういいでしょう」と述べ、次回での審理終結を予告したのです。
 国鉄分割・民営化から26年、ついに明らかとなった真実を踏みにじることは許せません。小玉さんの判決をもってきて、「不採用基準に該当する者を名簿から排除するよう指示したのは葛西である」と言った伊藤嘉道(元国鉄職員局補佐)証言の真実を覆すことは無理があります。ここが彼らの弱点です。葛西を証人に引きずり出す闘いが10万人署名です。
 国鉄分割・民営化によってどれだけの労働者が首を切られ、悔しい思いをしてきたのか。「高裁で必ず勝ってJRに復帰したい」。これが争議団・闘争団の思いです。6・29判決は、国鉄労働者の怒りを呼び覚ましています。国鉄闘争に心を寄せてともに闘ってきた全国の労働者が再び立ち上がり始めています。
 労組交流センター結成以来のすべてをかけて闘いに決起しよう。労働者の怒りは満ち、労働組合を甦らせようという機運が高まっています。
 国鉄分割・民営化以降、全産別に広がった外注化攻撃は、外注会社の違法行為に親会社は一切責任を負わないとして、膨大な非正規労働者を無権利の状態に叩き込みました。国鉄分割・民営化と同時に成立した労働者派遣法は、派遣先と派遣元を分離し、派遣先には労組法第7条の使用者性はないと言って、資本に首切りと搾取の自由を与えてきました。さらにいま、大阪をはじめとした自治体業務の丸投げ民営化=360万公務員解雇・非正規職化が、国鉄方式のエスカレーションとして強行されようとしています。
 10万人署名運動は、あらゆる職場の怒りを国鉄闘争のもとに結集させ、新自由主義に対抗するひとつの階級的力にしていくものです。「解雇撤回・JR復帰」署名の一大社会運動を巻き起こし、6・9国鉄闘争全国集会を大成功させよう。
右決議する。

2013年3月10日
全国労働組合交流センター第20回定期全国総会

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月刊『労働運動』(277号4-2)(2013/04/01)

 3・11反原発福島行動’13が大成功

3・11から2年、福島県教育会館大ホール(福島市)において「3・11反原発福島行動’13」が1350人の結集で闘われました。労組交流センターもフクシマの怒りと連帯し、組合旗を林立させ、再稼働阻止へ共に闘い抜きました。

(写真 会場あふれる1350人の結集【福島県教育会館大ホール】)

(写真 いよいよ福島市内デモに出発)

(写真 動労水戸も組合旗を林立させてデモ)

(写真 佐藤幸子さん、椎名千恵子さんのかんしょ踊りを先頭に)

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月刊『労働運動』(277号5-1)(2013/04/01)

非正規では生きられない! 派遣切りから4年

4・26ショーワ・ジェコー弾劾行動への参加を

非正規職撤廃4・26行動実行委員会

 昨年10月18日、中央労働委員会は、一般合同労組さいたまユニオンのショーワ不当労働行為救済申立事件再審査を棄却した。今年の1月7日、さいたま地裁熊谷支部はJAM神奈川ジェコー労組が訴えていた解雇撤回訴訟で棄却判決を下した。非正規労働者の団結権や生存権を否定する極反動判決だ。断じて許すことはできない。
 ジェコー裁判原告の高橋美和さんは不当判決後の記者会見で、「これで負けを認めたら、夜勤で働かされているすべての人々や、7年の苦労が無駄になってしまう。ますます女性の夜勤専属労働が増えていくのは許せない。絶対に勝つまで闘います」と決意を明らかにした。同じ原告の屋代和彦さんは「皆さんのご支援でこの4年間闘ってこれた。何の理由もなく10秒で判決を言い渡した。こんな裁判は許せない」と怒りあらわにした。ジェコー労組の武田信義委員長は「経営にも、権力に対しても怒りを感じる。7年の夜勤について裁判長は何とも思わないのか? とんでもない判決だ。闘いはこれからだ」と司法権力と資本を弾劾した。塚田組合員は「若い人を交代勤務させて、ジェコーは高利益を上げている。今のバラバラの社会、連日の人身事故。今の経営には人間味のかけらもない。絶対にはね返す」と語った。
  一方、ショーワの組合員は「この怒りは忘れない。江戸の敵を長崎で撃つ」、と非正規職を撤廃させるまで闘い続けることを表明している。
(写真 ジェコー行田工場門前で訴える高橋美和さん【2012年4月】)

 ホンダ、トヨタ系派遣労働者の連鎖的決起

 ショーワ(ホンダ系自動車部品会社)もジェコー(トヨタ系自動車部品会社)も、埼玉県北部の行田市富士見工場団地に本社を置く。ジェコーの闘いは、正規労働者からなる神奈川ジェコー労組の請負・派遣労働者の組織化から始まった。05年に始めた行田工場へのビラ入れ行動で、制服に見慣れないバッジが付いた労働者の存在に気づき、請負・派遣の非正規労働者の組織化を活動方針に据えた。深夜、早朝のビラ撒き、労働相談を根気よく続ける中で高橋さんにめぐり合った。組合に組織化し06年に団体交渉で正社員化を要求し闘争が始まった。
 労働者の組織化は門前から派遣労働者が居住している工場団地周辺のアパートローラーへと拡大した。その過程で「派遣切り」が提案されていたショーワの派遣労働者と出会い、さいたまユニオン行田分会の結成となっていく。きょうだい組合として歩みを始めたのだ。ジェコー労組行田分会はジェコー資本に対し正社員化要求と解雇撤回を、さいたまユニオン行田分会はショーワ資本に対し「派遣切り」の白紙撤回を求めて闘った。両分会は、派遣労働という極悪の労働者支配に対して派遣先の雇用責任、労働安全責任を突いて闘った。

 派遣法体制護持に必死となった中労委決定

 ショーワの事件を担当した中労委の菅野和夫は「同種の案件が8件継続している中で、中労委として、『労働者派遣法の使用者性』について、〈考え方〉を示したい」という政治的意図から、あえて派遣法の捉え方に踏み込んで「派遣先は派遣労働者の使用者ではないから団体交渉に応じなくてよいというのが制定時からの派遣法の趣旨だ」と組合側の訴えを棄却した。これは相次ぐ派遣労働者の闘いが、派遣先の使用者責任を問うものとして闘われていることに対する恐怖の表れだ。だからこそ中労委決定は、労働者派遣法が派遣労働者の労働三権を否定し、派遣先が違法行為をやっても派遣先の責任を免除する法制度であることを国家意思として宣言したのだ。 行政や司法が派遣法体制護持に必死になろうが、労働者が労働組合に結集し団結を拡大するならば、解雇攻撃を粉砕できる。正規・非正規の分断をのりこえた労働者階級の怒りで、派遣法を葬ろう。
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 実行委員会要請文より(要旨)

 リーマン・ショック後の大量派遣切りから4年。派遣・非正規の現実は何も変わっていません。賃下げ、解雇、雇い止め、パワハラ、労災、自殺が相次いでいます。
 安倍政権は、「労働市場の流動化」を狙い、「解雇規制の緩和」を主張して、正社員解雇=10割非正規化を押し進めています。
 連合傘下の組合などが進める「非正規の待遇改善」は、非正規職を前提とした条件闘争ですが、それすら職場では取り組まれてもいないのが実情です。非正規職問題を容認してきたことが、労働組合の力を落とした大きな原因です。
 しかし、正規・非正規が分断を乗り越え、団結して、非正規職撤廃を求める闘いが始まっています。動労千葉、動労総連合の外注化・非正規職化撤廃の闘いはその牽引車となっています。ジェコー・ショーワ、鈴コン、郵政非正規ユニオン、モリタ等、全国で解雇・非正規職化との闘いが闘われています。
 昨年10月のショーワ派遣切り事件の中労委命令は、派遣労働者の団結権を認めない国家意思を鮮明にしました。1月7日のジェコー期間従業員解雇事件での1審反動判決は、夜勤7年強制による健康破壊を容認し、不当労働行為解雇を追認し、資本・政府の解雇自由化の意図をむき出しにしました。これらの反動決定は、開始された労働者の反乱への恐怖の現れです。団結を基軸に職場生産点・地域で闘いぬくならば打ち破ることができます。
 非正規職撤廃、派遣法廃止、民営化阻止の闘いをさらに拡大するために、両分会一体の
取り組みとして、ショーワ・ジェコー弾劾闘争を展開します。ご支援をお願いいたします。
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 【日程】非正規では生きられない! 派遣切りから4年

 ショーワ・ジェコー弾劾行動

ショーワは団体交渉に応じろ! 派遣切りの責任をとれ!/ジェコーは期間従業員の不当解雇を撤回せよ!/派遣を正社員として雇用せよ!!/不当労働行為根絶!/夜勤強要による健康破壊の責任をとれ!
◆日時 4月26日(金)12時〜 ショーワ行田本社工場正門前抗議行動・包囲デモ/14時〜集会/16時〜ジェコー弾劾デモ・通用門前抗議行動
◆主催 非正規職撤廃4・26実行委員会
連絡先 JAM神奈川ジェコー労働組合/JAM神奈川ジェコー労組行田分会/一般合同労組さいたまユニオン

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月刊『労働運動』(277号6-1)(2013/04/01)

コンドルタクシー分会・労働委員会闘争

事故を口実とする雇い止め解雇を容認した都労委命令弾劾!

民間交運の路線形成と貫徹かけ中労委闘争勝利へ

民間交通運輸部会 東京北部ユニオン・コンドルタクシー分会

 中央労働委員会に再審査申立て

 昨年12月、事故を口実とするコンドルタクシー分会・藤井分会長の「雇い止め解雇」に対する東京都労働委員会命令が出ました。2010年8月の再雇用1年契約終了前の団体交渉に会社が応じなかったことは不当労働行為であると認定し、「今後、このような行為を繰り返さないよう留意します」というポストノーティス(文書掲示)を会社に命ずるものでした。「@1週間以内に、A新聞紙2頁大の用紙に大書し、B社内の従業員の見やすい場所に10日間掲示する」ことを命じ、会社は「謝罪文」にあたるその文書を命令どおり掲示しました。これは、闘う労働組合を嫌悪し団交拒否・遅延を続けてきた会社の姿勢が公的に断罪されたことを意味し、労働委員会闘争として大きな成果でした。
 しかし都労委は、核心問題の「雇い止め解雇撤回」の申立て部分については棄却しました。私たちはこの都労委命令を弾劾し、闘う労働組合の再生をかけ、職場闘争と一体で解雇撤回まで闘いぬく決意をこめて、中労委に再審査を申立てました。これは同時に、民間交通運輸部会の路線形成とその貫徹をかけた労働委員会闘争でもあります。以下その概要と展望を明らかにします。
(写真 コンドルタクシー社前闘争【2012年12月】)

 「雇い止め解雇」を容認した都労委命令を弾劾する

 都労委命令は、ほとんどの点で会社側主張を退け組合側主張にそった正当な認定を行いながら、「雇い止め解雇」自体については不当にも容認してしまいました。つまり、「@会社における再雇用契約の更新の実態、A藤井の事故歴等について、B藤井の再雇用の手続きについて、C他の事例との均衡」という4点にわたる分析・命令書の認定内容と結論は次のとおりです。
 まず@においては、「単に契約期間が満了したから契約更新しなかったにすぎないという会社の主張は、会社における再雇用契約の更新の実態とはかい離しており、にわかに措信し難い」として会社の主張を退けます。
 Aにおいても、「所長が、会社においては、物損および人身も含め、月に30件以上の事故が発生している旨を発言していることからすれば、藤井の起こした事故件数が他の乗務員に比べて特に多いという(会社の)主張についても、にわかに措信し難い」と正当に認定。
 Bについても、「会社は藤井の再雇用に当たり、再雇用通知書に5項目の特記事項を付し」として特記事項の問題にあえて触れ、「藤井及び組合が、これらの特記事項について、組合活動に対する圧力と受け止めたのも無理からぬことであり、会社として適切さを欠いた面があった」と認定。
 そしてC「他の事例との均衡」の項目においても、都労委命令書はその前段では正当な認定をしています。すなわち「藤井の再雇用契約を更新しなかったことについて、会社の主張は実態とかい離していたり、また、主張を裏付けるに足りる事実の疎明がないなど、にわかに措信し難い面があり、また同人の再雇用契約通知書に、組合活動に対する圧力と受け止められかねない特記事項を付したことも、会社が同人の組合活動を嫌悪し、再雇用契約を更新しないことで同人を会社から排除したのではないかとの疑いを組合に抱かせる一因になったといえる」と会社の不当労働行為性を正当に認定しているのです。
 ところが後段では、次のような論理性に欠ける結論に陥るのです。「藤井の起こした本件事故及び違反は、会社が他に自主退職を勧告した事例及び解雇通告した類似の事例と比較して必ずしも軽微ということはできず、また、これらの乗務員は全て自主退職している。これらの事例との均衡を考慮すれば、会社が最初の再雇用契約期間満了をもって同人との雇用関係を終了したことにも相応の理由があったといえるし、また、同人のみがこれら乗務員と比較してより不利益な取扱いを受けたということもできない」とするのです。
 つまり、前段で認定した不当労働行為が後段では不当労働行為ではないとされてしまうのです。こんな暴論がまかりとおっていいはずがありません。
 タクシー乗務員が事故や違反を理由に退職勧告、あるいは解雇通告されて「自主退職」に追い込まれている業界の現状こそ不当なのであり、社会的不正義です。その不当な事例をいくら積み上げ比較しても、藤井分会長の組合活動を嫌悪し排除しようとした会社の不当労働行為が免罪されるいわれは全くありません。

 〈事故起こせば自主退職〉のタクシー

職場の現実を打破しよう
 都労委命令は、要するに「会社が、分会長として活発に活動していた藤井を強く嫌悪していたこと、組合勢力拡大を警戒しその活動を牽制していたこと、藤井の事故及び違反を奇貨として同人を会社から排除しようとしたのではないか」などと多くの点で正当に認定していながら、結論では「事故を起こして退職勧告・解雇通告された類似の事例では全て自主退職しているから」として、藤井分会長解雇を容認したのです。
 御用組合が支配する職場で、闘う労働組合を労使一体で排除し潰そうとする攻撃を都労委は免罪し容認したのです。事故を労働者の責任として、事故をおこすと退職勧奨され自主退職に追い込まれるタクシー職場の現実こそ打破されなくてはなりません。
 4月25日に中労委・第1回調査期日が決定しました。本来は設備投資である無線やカードの機器使用料・手数料の乗務員負担撤廃や、安全運行に反する後部ガラスへの広告シール(「眠眠打破」)貼付の廃止要求などの職場闘争と一体で、藤井分会長解雇撤回の中労委闘争を断固闘い抜きます。民間交運部会の路線形成と貫徹をかけて勝利へ邁進する決意です。注目と支援を訴えます。

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月刊『労働運動』(277号7-1)(2013/04/01)

医療福祉労働者部会・1・26首都圏学習交流会

医療・福祉産別職場こそ、外注化・民営化・非正規職化の戦場だ

ホームヘルパー 高橋 道子

 1月26日に開かれた、労組交流センター医療福祉労働者部会・首都圏学習交流会に現場から20人が集まりました。午前〜午後の6時間を使って、2本のレポートと現場の実態を出し合いました。
 事前に準備したレポートは、介護福祉から「医療・福祉産別職場こそ、外注化・民営化・非正規職化の戦場だ」と題し、私が行いました。
 私は、介護福祉労働現場の外注化・民営化・非正規職化攻撃を歴史的に検証し、中曽根行革路線、とりわけ国鉄分割・民営化を強行した権力意志にタイアップする形で公的福祉の解体が進められたことを強調しました(1984〜1987年)。さらに、介護保険準備―成立過程(1995〜2000年)、小泉=奥田の構造改革以降(2000年〜)、そして現在の大恐慌・3・11情勢下での極限的な権利剥奪、職場崩壊に行きつく経緯を内外情勢、労働関連法改悪との関わりの中で考えてみました。
 医療現場からは精研労組青年部から職場の闘いが報告されました。精研労組は仲間との顔の見える日常展開と、「一人の解雇も許さない」「事故の責任は労働者にはない」「今日の新自由主義の医療・福祉における本質を暴露しよう」と奮闘し、労働組合潰しに対し2012年度は50波(延べ260名)のストライキを勝ちとりました。

 荒廃が進む介護現場で闘う

 私たち医療福祉労働者部会は、昨年から現場の手による職場交流会を始めました。これまではどちらかと言うと論議が病院職場に重点がおかれていましたが、この間は介護現場での、およそ職場とも言えないほどの荒廃が進行している実態と闘いが多く語られるようになりました。今回も4人の青年から報告があり、いずれも介護職場です。
 「ヘルパーがやってはいけない(やらなくてよい)医療行為をしてしまった」「標準作業時間を超えてしまい、他の職員に迷惑をかけたことが就業規則違反(職員の心得)として処分の対象になった」「入浴介助で、汗を手で拭いて、その手で利用者のタオルに触れたことが問題に」「組合を作って不払い残業代を請求したら、セクハラを受けた」「利用者からの苦情という形態をとって処分をほのめかした」。
 その中の一人の青年がこう言いました。「時間がたっぷりあれば、こんなミスや事故は起きなかった、と断言できる」。
 その通りです。かつては7人で回していたフロア対応を4人に、さらに2人になったという報告もありました。
 2月8日には長崎市のグループホームの火災で死傷者が出て問題になりましたが、認知症9人の入所者に対し夜勤体制はたった一人の職員という基準でやらされていること自体、おかしいし、あってはなりません。私たちは人間の命に向き合っているのです。新自由主義の団結破壊=分断攻撃は、労働者同士(労働者と利用者、高齢者・障害者同士を含む)を殺し合わせる段階まで深刻化しているというのが現場の実感です。
(写真 2月9日付長崎新聞)

 つながれば私たちの勝ち

 私がホームヘルパーになった20年前、在宅介護の日々はゆるやかな時間にそってこなしていました。介護保険導入前、措置制度の中で一軒の家に6時間、8時間滞在し、その人に必要な介護をその人のペースで提供する。「共に生きる」介護と言ってよいでしょう。
 2000年4月1日の介護保険制度は介護福祉の基礎構造改革の突破口であり、新自由主義政策の実態です。そのねらいの核心は労働者を団結させないことです。実労働時間、直行直帰の登録型ホームヘルパーはその極致と言えます。さらに実労働時間(実際に介護を提供している時間のみが労働時間・賃金の対象になる)、直行直帰(自宅から利用者宅に直行)の登録型ホームヘルパーはその極致と言えます。在宅介護の担い手の本隊である登録型ヘルパーは働く仲間たち同士が顔を合わすこともない。
職場という団結の基礎を奪われているのです。介護保険は、さらに職種、資格、雇用形態などにより、幾重にも分断した上、介護労働自身をズタズタに寸断してきました。労働者同士を競争させ、「誰かがドジれば、後が迷惑」と密告を組織し、当然の権利や問題を指摘しようものなら、徹底的に「つるし上げ」解雇攻撃をかけてきます。
 既成の労働組合は経営と一体になり、闘う者を排除しようとします。私の所属する労働組合(自治労)は動労千葉派の団結を恐れ、執行委員同士が電話連絡することも認めなくなりました。
 これは、何を意味するのでしょうか。つながれば、私たちの勝ちということです。新自由主義との闘いは「資本・金vs労働者・命の対決。労働者は負けるはずがない」(鎌倉孝夫氏)のです。
 今回の交流会に参加し、青年たち一人一人の怒り、憤り、悔しさ、そして「それでも介護を働きたい」というひたむきさに触れ、私は自らがこの20年間、まがりなりにも主張してきた「介護の切り売り」絶対反対を外注化・民営化・非正規職撤廃の実践として彼らと共に闘っていこうと決意を新たにしました。
 「職場に行くのは辛い。何よりも職場の同僚と話ができない」「その辛さを、地区の仲間、先輩たちとの討論、団結で必死に支えている」。
 この重い発言。しかし、それは希望でもあるのです。
(写真 医療福祉労働者部会首都圏学習交流会【1月26日】)

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月刊『労働運動』(277号8-1)(2013/04/01)

学校事務の共同実施と非正規職化攻撃

五十嵐卓也 東京・教育労働者部会

東京の小中学校の学校事務職員に激震が走っています。都教委は、昨年2月、江東区と武蔵村山市の教委に「学校事務の共同実施」のモデル実施を打診。労働組合(5者)の再三の要求に、やっと5月30日に正式説明を行いました。都教委は「学校事務の共同実施」を行う理由を、@大量退職による再任用化の進行、A義務制(公立小中学校)の希望者の減少、B欠員補充が困難になっている、C1校1名の配置なので、人材育成が困難である、としました。そして、「事務機能の組織機構化」と称してグループ化した数校の小中学校を「拠点校」と「連携校」に分け、モデル実施段階では「週に2日程度拠点校に集まって、業務の検討(共同実施が可能な業務と連携校で行う業務の切り分け)、検証を行い」、もって「学校経営を支える事務室機能の確立」をめざすとしました。また、本格実施段階では、「正規事務職員が拠点校に週4日勤務し、1日だけ連携校に戻る」「正規事務職員がいない間、非常勤事務職員を配置する」と上記2地区に説明しました。
 「学校事務の共同実施」は1998年9月、中教審答申『今後の地方教育行政のありかた』で言及され、当時の日教組事務職員部は、数次の検討の末に「共同実施推進」へ舵を切りました。また、第7次教職員定数改善の中に「共同実施研究加配」が盛り込まれたことも推進へ拍車をかけました。現在、全県実施している10数県のように、月2回程度集まって業務に伴う書式の統一化や新人研修、地域への情報発信を行っているところや、大分県のようにセンター化・非正規職化を進めている県もあります。都教委の「共同実施」は大分県を例に計画されています。
 都教委の「共同実施」はズバリ学校現場の正規事務職員を非正規に置き換えるものです。昨年9月、都教委総務部長が「正規職員を減らし、人件費の余剰分で非常勤職員を雇用し、拠点校以外の学校にはその非常勤職員を当て、日常の事務処理に当たらせる。(過4日勤務、私費会計の管理にも当たらせる)」と本音を述べています。また、拠点校に集中された業務はいずれ「外注化」されるものです。
 事務職員は少数職種ですが、東京では1校1名が配置され、給与取扱者、契約事務担当者、検査員、物品出納員などの職指定を受け、「父母負担経験」など公教育の条件整備に大きな役割を果たしてきました。国も学校事務職員を「基幹職員と位置づけ、自治体の裁量で合理化されないように「義務教育標準定数法」「国庫負担法」に位置づけてきました。都教委は、都総務局の職員合理化方針に基づき約2千人の小中学校事務職員を非正規職化しようとしているのです。
 都教委の暴挙に、これまで7つに分かれていた労組が「7者協議会」を形成しました(都校職組、東京教組が日教組、都教組が全教、東学が自治労、都庁職都立学校支部が自治労連、事務ユニオン東京が全学労連、アイム89が独立系)。3月2日の〈学習交流集会in江東〉には三浦半島教組事務職員部からの参加も含め100名が結集。江東区、武蔵村山市からの報告も怒りに満ちたものでした。全教職員署名もスタート。闘いの開始です。職員配置の「最適化(デフラグ)」などと言い放つ都教委、都当局と徹底的に対決し「絶対反対」を貫く中に勝利があります。

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月刊『労働運動』(277号9-1)(2013/04/01)

正規・非正規を貫いて3・23郵政春闘集会が成功

全逓労働者部会

 「雇い止め・強制配転絶対反対! もの言える職場をとり戻そう!」を掲げ、3・23郵政春闘集会が郵政非正規ユニオンと全逓労働者部会の主催で開かれました。まさに正規・非正規を貫き、ともに闘う総決起集会です。
 冒頭、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が主催者あいさつに立ち、都労委における闘いと、全国で新たに組合員が次々闘いを開始していることを報告しました。
 連帯のあいさつに、東京労組交流センターの小泉義秀さん、動労千葉の川崎昌浩執行委員が立ちました。外注化阻止闘争の第2ラウンドの闘いの渦中にある動労千葉からの報告は、闘いの方向性を指し示しました。
 基調報告はJP労組銀座支部の星野勝紀さん。齋藤委員長が「郵政民営化以来さまざまな苦闘を経て、ここまでたどりついた星野さん」と紹介し、星野さん自身も「やっとここまでたどりついた星野です」と自己紹介すると会場が爆笑。参加者の脳裏に正規・非正規問わず郵政民営化攻撃との一つひとつの闘いの日々がめぐり、本当にこの地平まで来たぞという実感をもった笑いだったのです。

 JP労組を下から突き上げ

 圧巻は、郵政現場の闘いの報告です。
 スキル評価を勝手に下げ非正規労働者の時給を一方的に賃下げする攻撃をはじめ、これと闘わない組合執行部に申し入れ書を突きつけ、職場アンケートや職場集会を実現させるなど闘いを開始すると、たちまちあらゆる怒りと不満が噴出し、職場の様子が一変したことが報告されました。

 雇い止め解雇を絶対に許さない

 続いて、3月末で雇い止め通告を受け、郵政非正規ユニオンに加入して闘う東京の2人の仲間が報告に立ちました。「生涯こんな場で話すことがあるとは思ってもみませんでした」と切り出した晴海局の女性労働者は、不屈の闘志をこめ、労災休職中にそれを「勤務成績不良」として雇い止めしてきた郵政資本への怒りを語りました。目黒局の労働者は、仕事上のミスを見つけ出すために管理職が配達中に尾行したり、自宅周辺に張り込み、写真まで撮った人権侵害を「警察以上だ」と暴露。まさにブラック企業! 団体交渉を積み重ね、徹底的に追い詰めています。

 人事交流=強制配転粉砕へ

 さらに人事交流=強制配転と闘う東京と神奈川の仲間が報告しました。銀座の仲間は「職場で起きるすべてのことに食らいつき、職場の皆と結びつくこと」を肝に銘じ職場闘争を進めてきたと報告。横浜の仲間は、自分の強制配転の攻撃に職場の仲間とともに一歩も引かず労働委員会闘争を闘っていることを報告しました。
 鈴コン分会をはじめ合同労組の仲間の連帯あいさつの後、まとめと団結ガンバローで終了。まさに3・9〜10の全国総会の地平を受けて、交流センター運動の新たな発展を切り拓く春闘集会となりました。

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月刊『労働運動』(277号A-1)(2013/04/01)

■闘う合同・一般労組

日経サービス解雇撤回闘争

「労働審判法24条終了」を期日前に勝ちとる画期的勝利!

関西合同労組奈良支部

 関西合同労組は、会社が、解雇撤回を闘う労働者を訴えた「労働審判」において、2月27日、「労働審判法24条」に基づく「終了」を勝ちとりました。しかも「期日」を一回も開かせずに終了させるという画期的勝利です(期日前終了は2010年の統計ではわずか3.5%)。労働審判法24条は「労働審判によらない労働審判事件の終了」として、「第24条 労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる」と定めています。組合の力で、労働組合と会社との問題であること、つまり「集団的労使紛争」であることを認めさせたのです。2012年10月10日には、札幌地方裁判所の労働審判委員会は、第1回期日において「24条終了」を決定しています。この件は労働組合が未払残業代を請求したことに対して、会社が24人に対して労働審判に訴えた事件です。これに続く勝利で、しかも今回は対象が一人で解雇撤回をめぐってという点で画期的です。労働組合の闘いに対して、資本が逆に「労働審判」を使って反撃してくる、こんな攻撃にひるまず、断固、徹底的にたたかえば勝利できることを、関西合同労組の闘いは示しました。
 「労働審判は」は、1人の職業裁判官と2人の民間からの委員の3人で、個別的労使紛争の解決をはかるとされています。3回の期日で「早期解決をはかる」というものです。しかし、ここでは組合員が組合から切り離され、徹底した「和解」という名の屈服が強制されます。組合の参加も傍聴も認められず、代理人は弁護士以外認めないというものです。口頭弁論主義といわれ、期日にその場で主張しなければならず、裁判のように後で書面で出すというものではありません。今回のように、外国人労働者にとって決定的に不利な制度です。担当書記官は「通訳は自費で、弁護士は法テラスで借金して」と言い放ったのです。解雇された労働者にこんなことを押しつけるのです。しかも資本が労働審判に訴えた時点で訴訟になるということです。和解を拒否し異議を申し立てても、今回のように24条終了でも裁判になるのです。「裁判になるぞ! いやなら屈服してわずかな金銭で和解に応じろ」というのが労働審判制度の本質です。こんなものは、労働組合にとって粉砕の対象以外あり得ません。裁判になるなら受けて立つ、徹底的に不当労働行為を暴ききり、解雇撤回・職場復帰を勝ちとるぞ、ということです。
(写真 奈良地方裁判所前で抗議【2月12日】)

 労働審判制度は、解雇撤回闘争つぶし、総非正規化、「首切り自由」の攻撃だ

 鞄経サービス(本社は大阪。全国に支店を持ち、自治体からの委託の仕事を中心にする派遣会社)は、関西合同労組組合員Yさん(中国人女性労働者)を昨年10月5日に就業規則の「業務命令に不当に反抗し、職場の秩序を乱したとき」に該当するとして「懲戒解雇処分」を強行しました。関西合同労組との「労働条件変更の事前同意約款」を「懲戒解雇は労働条件ではない」と強弁し、労働協約を無視し解雇を強行したのです。労働組合員としての自覚を持って存在するY組合員を、「上司の指示に従わない、仕事が雑、声が大きい」などと難癖をつけて不当解雇したのです。組合は解雇撤回・職場復帰を要求して闘いを開始しました。追いつめられた日経サービスは、許せないことに、組合が第4回目の団体交渉を申し入れた直後の2月1日に、奈良地方裁判所民事部に「解雇有効確認請求労働審判」を申し立てました。関西合同労組は、この事態を受けて徹底的に論議し、資本が訴える労働審判を絶対に認めない、トコトン闘い粉砕する方針をはっきりさせました。2006年にスタートした「労働審判」は、当時、全労連をはじめ多くの労働団体、労働弁護団までもが「労働者にとって良い制度」と評価していましたが、そんなものではありません。労働者が労働組合に団結して闘うことを「個別労使紛争」の枠に押し込め、「闘っても解決しない、金銭和解しかない」と、闘いをつぶすための制度だということをはっきりさせました。労働組合の団結権=集団的労使関係を否定し、「個別的労使紛争」と言いなして解雇撤回闘争を圧殺する制度です。労働契約法などとともに「集団的労使関係」を破壊する新自由主義攻撃そのものであり、「裁判員裁判制度」などとともに「司法改悪」そのものなのです。10割総非正規化攻撃、「首切り自由」、「解雇を金銭で買う」攻撃です。

 本部総決起で資本、裁判所に徹底反撃

 資本の労働審判申立に対し、組合は奈良県労働委員会に不当労働行為救済申立を行いました(2月6日)。そして、2月12日、奈良地方裁判所に対し、「裁判所は会社の不当労働行為に加担するな! ただちに終了しろ」と申し入れを行い、裁判所前でのビラ配布で抗議しました。労働審判委員会は、「ただちに終了としない。3月6日の第1回期日に出席を」との回答をよこしました(2月15日)。組合は、関合労春闘統一行動日の2月22日、再度の申し入れを行いました。黒瀬委員長以下本部執行委員総出で、1時間近くの抗議・申し入れ行動をたたきつけました。組合の非妥協の姿勢がついに「期日前の終了」(2月27日)を引き出したのです。
 Y組合員は一昨年働いていた奈良市の委託先を「奈良市と会社の契約が切れる」とだまされ3月末に解雇されていたとき、関西合同労組の街宣で組合を知り加入してきました。昨年2月、会社に解雇を撤回させ、今の職場である生駒市の委託先の生駒山ろく公園で働いていたところ、今度は「懲戒解雇」だと言うのです。本当に日経サービスは許せない!
 日経サービス解雇撤回闘争は、自治体委託先での解雇事件であり、外注化・民営化反対の闘いです。また、外国人労働者と合同労組で団結して闘う闘争です。日経サービスと非和解で闘い、労働委員会、裁判の場で不当労働行為を暴き、絶対に解雇撤回・職場復帰を勝ちとります。
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 裁判闘争へのカンパのお願い

●郵便振替口座 口座番号:00910-2-328686
 加入者名:関西合同労組奈良支部

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月刊『労働運動』(277号B-1)(2013/04/01)

ひめじょおん――女性部から

3・11反原発福島行動’13、圧巻の1350人

ふくしま合同労組委員長 市川潤子

 「復興」、再稼働への圧殺、分断、中傷をはねのけ

 2年目の3・11。原発事故を無かったことにしようとする、福島の怒りと苦しみを圧殺する分断、復興キャンペーン、そして再稼働策動。それに対して「絶対反対の声を上げたいっ!」、それが3・11反原発福島行動に寄せるみんなの率直な気持ちだった。しかし、「どうしてそんなひどいことを言うのか」という激しい中傷と団結破壊が、福島行動に向けられ、その中で呼びかけ人、賛同人、一人ひとりが、フクシマの本質を捉え返し、主体的に立っていった。賛同人を集め、チラシをまき、大学や職場で参加を訴えた。椎名千恵子さんや佐藤幸子さん以外にも、何人もが、新たな人もふくめて、県外に出て訴えた。

 労働組合と共にスタッフ全員が組織者に

 当日もスタッフ全員が、自主的に運営を担った。地区の交流センター、合同労組、学生など福島の総力でやりきった。毎週金曜日の駅前行動を一緒に続けてきた仲間が、最後まで一緒に頑張った。みんな「数の力がないと被曝労働反対は言えない」「労働組合の姿が見えるはじめての反原発集会だった」と、資本と闘う労働組合の姿(登場)を力強いと感じてくれた。「1350人はすごいですね。県内の人はこの中にどれくらいいるのかな。でも、ここからだよね」と、組織者の主体になりきった。
 またこんなエピソードも。3・11直後の金曜行動に、京都へ一家で避難した若いお母さんが参加してくれた。「11日の集会に参加して感動しました。だから今日ここにも来ました」。フクシマの怒りは複雑であり多様だ。でも根底的な怒りはみんな腹の底に持っている。

 吉沢さんの言葉に反原発運動の土台

 とりわけ集会での発言それぞれが心を打つものだった。避難を強いられている高校生の、「僕らで最後にしたい。だからこれからも行動します」など、「再稼働阻止、未来のために闘おう」を文字通り体現する発言に感動した。希望の牧場代表の吉沢正巳さんの、「牛を殺処分した人を責めるつもりはない。悪いのは東電だ。避難した人と県内にとどまっている人、お金をもらった人と貰わない人、分断されているそのどちらも悪くない。すべての罪は政府と東電にある」という発言は、反原発運動の土台を示す、絶対に忘れてはならない福島の怒りだ。
 私たちに中傷と非難、悪罵を投げた人たちは、ここを忘れようとしている。本当の敵、「強大な」敵を見据えられず、手近に「敵」をつくろうとしたのだろう。みずからの労働者への絶望を、私たちに「責任転嫁」するために。
 それらに打ち勝って、会場からあふれたひと・ひと・ひと。中は通路まで埋まって足の踏み場もなかった。絶対反対の1350人! 圧巻だった。〈3・11反原発福島行動'13〉に集まってくださった全国のみなさん! 本当にありがとうございました。大成功でした!

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月刊『労働運動』(277号C-1)(2013/04/01)

地平線―反戦共同行動委員会―

青森「4・9反核燃の日」連続行動への結集を!

中道雅史 NAZEN・青森共同代表

 青森は正念場です。電事連(電気事業連合会)を筆頭とする原子力マフィア、核武装推進の安倍政権の後押しで、日本原燃は六ヶ所再処理工場の10月竣工へ、過去19回の延期にもかかわらず、これまで以上に突き進んでいます。
 原発―核燃は資本の生命線です。本年12月予定の核燃施設の新安全基準公表後、一気に2013年度中の本格操業を目論んでいると思います。
 また、むつ中間貯蔵施設は8月完成、10月本格操業のスケジュールが出されています。この施設は東京電力が80%出資(のこり20%は日本原電)。東京電力はすぐさま柏崎からの使用済み核燃料を、一部報道によれば10月本格操業の前に、搬入しようとしています。憎むべき東京電力は、つまり、柏崎刈羽原発の夏以降の再稼働を虎視眈々と狙っているのです。絶対に許せないではないですか。
 危機感をこれまで以上に募らせた青森の労働者市民は反撃を開始しています。
 3月10日には「倒れるか」というほどの暴風雪のなか、青森駅前公園に1300人が結集し、集会とデモそして県庁包囲行動を貫徹しました。県庁向かいの東京電力の事務所、裏手の原子力規制委員会の事務所へ向けてもシュプレヒコールを叩きつけました。主催は反(脱)原発・反核燃を掲げる県内外の団体、個人で組織する「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」。あらゆる垣根を越え、反核の個人、市民団体、そして多くの労働組合が参加しました。もちろん、NAZEN・青森は文字通り最先頭で闘い抜きました。
 青森「4・9反核燃の日」連続行動への結集を!
※「4・9反核燃の日」とは
 1985年4月9日、当時の北村青森県知事は県議会全員協議会で、核燃サイクル施設の受け入れを表明。前年、電事連から立地要請を受けて、1年を経ずに受け入れたことに、青森県民は怒りの集会を開きました。それから今年は28年目です。
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 青森「4・9反核燃の日」連続行動

●2013年「4・9反核燃の日」全国市民集会
日時:4月6日(土) 10:30受付開始 11:00開会13:00閉会
場所: 青森市文化会館 4階 小会議(1)
主催:2013年「4・9反核燃の日」全国市民集会実行委員会
●第28回4・9反核燃の日全国集会
日時:4月6日(土) 14:00〜 集会後デモ
場所:青森市 青い森公園(青森県庁横)
ゲスト:山本太郎さん
主催:第28回4・9反核燃の日全国集会実行委員会(原水禁日本国民会議、原子力資料情報室、青森県反核実行委員会、核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団 核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会)
●NAZEN・青森 結成1周年集会
フクシマを風化させるな!福島を忘れるな!
講演:長谷川健一氏(飯舘村前田区長・酪農家)
日時:4月6日(土)17:00〜
場所:青森市文化会館 4階 小会議(1)
主催:NAZEN・青森
●六ヶ所再処理工場門前抗議行動
日時:4月7日(日)10:30〜
主催:第28回4・9反核燃の日全国集会実行委員会
●六ケ所村内デモ
(六ケ所村尾駮スワニー前から村役場前まで)
日時:4月7日(日)12:00〜
主催:みらいアクション青森

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月刊『労働運動』(277号D-1)(2013/04/01)

元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風

第7回 36協定は必要か?

 労働者は、原則、法定(労働基準法32条)の労働時間(8時間/日、40時間/週、一部44時間特例あり)内の企業が定める所定労働時間のみ、労働力を売り渡している。では、その所定労働時間で、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)としての賃金を得ているであろうか。しかりであれば、過労死や精神疾患に追い込むような残業をする必要もないはずだ。
 時間外・休日労働を労働者にさせるには、労働基準法36条の協定(36協定)に締結が必要だ(その他、残業義務の根拠規定が必要)。すなわち「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合」(同条1項)労働させても使用者が処罰されることはない、という使用者のための協定だ。労働者にとって残業は自由な時間を奪われるだけである。協定なしでも、残業すれば残業代支払義務は発生し、なおかつ、使用者が処罰される状況下に置かれる(労働基準法119条)。労働基準法違反で告訴・告発ができるのである。
 こうしたことを考えると、労働側が圧倒的に優位に立っていることを忘れないで「締結しない」ことを原則としたい。しかし、職場の状況で締結を余儀なくされる場合には、以下のことを前提としたい。その場合、最低限の要求を求め、容認されなければ、締結しないこととしたい。
 最低限の要求例として次のことが考えられる。@個々の労働者の拒否権を認めさせる(残業できない生活の労働者に配慮)、A必要性、臨時性の限定(当局から具体的資料を基にした説明を求める。これは通達でも謳われている。すなわち「法第36条第1項は時間外・休日労働を無制限に認める趣旨ではなく、時間外・休日労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきもの」(88年3月14日基発150号)、B割増率の法定以上の設定(50%、100%)、C法内残業も協定の守備範囲とすること、D時間外労働には、休日労働の時間数も含めること、E休日労働の日数を限定すること、F代休制度の確立、G職場の適正人員の確保を保障させること(過密労働=過労死の防止と、年休完全取得体制の確立)、H法定要件を、具体的に詳細に規定すること、I協定の有効期間をできるだけ短くすること。以前は日々協定を締結していた労組もあった。などである。
 恒常的残業は8時間労働の原則を否定するものであり、団結の歴史否定であることを肝
に銘じ、所定労働時間で生活できるよう、粘り強く交渉・闘争をしていこう。

大野義文〔1950年1月生まれ。1980.4〜2010.3退職まで、広島、山口、徳島、高知の監督署・局で勤務〕

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月刊『労働運動』(277号E-1)(2013/04/01)

BOOK

25日

現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録

パク・チョムギュ

(写真 ろう城を解くにあたり最後の写真を撮る第1場の労働者)

原著発行日 2011年7月29日 第1刷発行
原著発行所 レディアン・メディア(韓国)

 2010年11月15日から12月9日にかけて、韓国の現代自動車蔚山工場の組み立てラインにつく社内下請けの非正規職労働者が、正規職化を求めて工場占拠闘争に立ち上がった。本書はその25日間の記録である。
上部団体である金属労組の団体交渉局長として共にこの現代自動車蔚山非正規職支会のろう城闘争を担った著者が、現場で書き留めた記録をもとに再現した25日間は、ろう城突入の過程、会社側との攻防、正規職との連帯と対立、日常直面する様々な困難、内部での討論など、緊迫した場面の連続だ。
闘いの火点となったのは、「2年以上勤務した社内下請けの非正規職労働者は現代自動車の正規職」とした同年7月の大法院(最高裁)判決。金属労組は判決説明会を組織し、非正規職の組合員数は飛躍的に増すが、会社側は判決を無視する。この過程で非正規職労働者の自覚が促され、11月15日に怒りがはじけたのだ。
本書で注目すべきは、現代自動車の正規職支部との関係だ。ろう城闘争に対し、食料搬入作戦など正規職組合員の支援行動が展開される一方、正規職の指導部は、非正規職の闘いをお荷物扱いし、ろう城を乱暴に収拾させようとする。そもそも現代自動車工場で非正規職が増大したのは、97年の国家不渡り危機以降吹き荒れた整理解雇の嵐の中で、2001年に正規職労組が、非正規職を16.9%まで使用することで使用者側と合意したからだった。
こうした現実を見たとき、非正規職の増加を許し、さらには正規職と非正規職の共同闘争を困難にしているのは、両者の存在形態の違いなどではなく、労組指導部の問題であることが突き出される。
本書は、25日の描写の折に触れ、こうした非正規職増加の背景や、全国の非正規職闘争の歴史を説き起こす。
労組経験の浅い、若き非正規職指導部の姿も新鮮だ。時に敵の罠にはまり、時に動揺し、しかし組合員に支えられ、団結のみに依拠して踏ん張りぬく姿が、美化することなく描かれる。
ろう城闘争で世論が非正規職問題に注目しはじめたさなか、北朝鮮による延坪島砲撃事件が発生し、闘争に少なからぬ打撃を与える。南北分断下の労働運動の困難性を突きつける現実だが、「現代自動車蔚山工場――ここが戦場だということを示してやろう」とツイッターを使って、はね返していく。
日本の現実と同じ点、違う点、強く励まされ、深く学ばされる一冊である。
 (広沢こう志)
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 日本語版 2013年4月発行予定
 頒価 1000円
 発行 労働者学習センター
 千葉市中央区要町2−8  DC会館
 TEL 043-222-7207
 E-mail : dorochiba@doro-chiba.org

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月刊『労働運動』(277号F-1)(2013/04/01)

■読者のページ

 ●『星野文昭・暁子 絵と詩展』にお集まり下さい 星野暁子

○日時4月18日(木)〜22日(月)[18日13〜19時、19〜21日11時〜19時、22日11〜17時]
○4・21星野解放集会
講演 布川事件と証拠開示
桜井昌司氏(元布川事件再審請求人、星野面会・手紙国賠原告)/異議審の内容と証拠開示 岩井信氏(星野再審主任弁護人)/今井恭平氏(ジャーナリスト、無実のゴビンダさんを支える会事務局)
○日時 4月21日(日)13時開場、13時30分開始
○会場 阿佐ヶ谷地域区民センター(杉並区阿佐ヶ谷南1-47-17)
○主催 星野文昭をとり戻そう!東京連絡会(03-3591-8224)

 ●尼崎事故弾劾8周年、4・20全国闘争へ!

 関西労組交流センター

 

3月25日、土木・保線の外注会社「レールテック」に強制出向されている動労西日本・赤松副委員長が、13春闘として外注化粉砕のストライキに決起しました。
尼崎事故から8年。JR東日本の「経営構想X」と一体で、JR西日本は3月13日に「中期経営計画2017」を発表。JR西日本は、2008年の『安全基本計画』で、土木・保線や電気・検修など重要な鉄道事業部門でレールテック(保線)、メンテック(駅)、Eテック、ネスコ(電気)、テクノス(検修)など1000人をこえる外注会社が多数つくられるまでになりました。昨年は、毎月毎月、線路保守の労働者が列車に轢き殺されそうになる「待避不良」の事故が相次ぎ、JR西日本は、「事故は外注会社の責任だ」と外注先労働者の「犯人捜し」に躍起になる一方、「安全基
本計画の最終年でJR社員の死亡事故だけは出せない」「JR社員は線路に入るな」などと呼号。つまり「外注会社の社員なら死んでもかまわない」というのです。JR西日本でも、動労西日本の登場が外注化阻止・非正規粉砕の闘いを切り開いています。民営化・外注化、非正規職化を打ち破る闘う労働運動を登場させよう。8周年を迎える尼崎闘争に結集を!
○尼崎事故弾劾! 外注化・非正規化粉砕! 4・20全国総決起集会
4月20日(土)13時/JR尼崎駅北口広場/よびかけ 国鉄千葉動力車労働組合、国鉄闘争全国運動・関西準備会

 ●「福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争をはばもう!4.28全国集会」に集まろう

 百万人署名運動事務局

○とき:4月28日(日、沖縄デー)午後1時〜
○ところ:ハイライフプラザいたばし(JR埼京線板橋駅西口1分)
○沖縄から:水島満久さん(元全駐労マリン支部副委員長)「カギを握る基地労働者の闘い。沖縄闘争の課題と展望」(仮)/福島から:柴口正武さん(福島県教組副委員長・前双葉支部長)/国会報告:西川重則さん/他/資料代500円
主催:とめよう戦争への道!百万人署名運動
協賛:戦後50年を問う8.15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会、8.6広島-8.9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
連絡先:百万人署名運動事務局(tel.fax.03-5211-5415 million@mqc.biglobe.ne.jp)

 ●3・19 中山草津病院支部委員長をついに奪還!!

 3月19日、山口刑務所に囚われていた無実の広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長(左から6人目)をついに奪還! 完全黙秘、非転向を貫いて勝利者として仲間に迎えられました。資本の不当な弾圧は、青年労働者の階級のリーダーを精悍に打ち鍛えました!(医療福祉労働者部会 S)

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■編集後記

近現代史研究者の伊藤晃さんが〈編集協力委員〉として企画立案や聴き取りなどに力を貸して下さることになりました▼『運動史研究』や『思想と学問の自伝』を今なお愛読している者としては、感謝感激です(う)

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月刊『労働運動』(277号G-1)(2013/04/01)

Photo Documennt 2013年2月〜2013年3月

 生き抜くために労働組合つくろう!

3・3千葉
千葉市・DC会館で首都圏青年春闘集会が開かれ、雇用・賃金破壊、外注化・非正規職化の攻撃に、怒りと悔しさをかみしめながら職場で立ち上がった青年労働者が大結集。動労千葉、動労水戸の青年を先頭に医療、郵政、自治労などの青年たちが春闘―2013年を団結拡大で勝利する決意を打ち固めた。

 米ILWU連帯! 三井物産のロックアウトを許すな!

3・15東京
動労千葉と全国労組交流センターは、東京・大手町にある三井物産本店正門前に登場し、三井物産の子会社ユナイテッド・グレイン社(UGC)がバンクーバーで米ILWUの港湾労働者に行っているロックアウトに対する抗議行動を貫徹。「三井は労組破壊をやめろ! ストップTPP!」の訴えが響き渡った。

 北陸3県の労働者が結集し、13春闘勝利!

3・17富山
北陸ユニオン主催、ス労自主、NAZEN北陸共催の北陸春闘集会が富山県民会館で行われた。元全日本運輸一般労組原発分会長の斉藤征二さんを招き、解雇撤回・民営化・外注化粉砕、反原発、安倍政権打倒のスローガンの下、北陸3県の労働者・学生・市民が結集した。

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