「月刊労働運動」 2013年/05月/01日(No.278号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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写真 尼崎事故から8年、JR尼崎駅北口広場で開かれた集会に全国から400人が結集。事故を居直るJR西日本を弾劾し、事故現場までのデモを闘った【4月20日 兵庫県尼崎市】)

・ ■労働者の目
現場労働者の中に深く入り、5〜6月決戦で安倍政権を打倒しよう 大熊 豊彦 常任運営委員 全逓

沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ!
労働者の国際連帯で、「復帰」41年 5・15安保・沖縄闘争に勝利しよう!  柿本博人 沖縄労働組合交流センター代表運営委員

自治労4・26全国スト、5・1メーデーを労働運動復権の転換点に 国鉄闘争全国運動6・9全国集会の大成功を!  田中康宏 動労千葉委員長

「地方公務員給与7.8%削減」絶対反対!  自治労全国スト貫徹から、5〜6月大闘争を!  百本 敏昭 自治労倉敷市職員組合執行委員長

地方公務員給与7.8%削減問題の経過

解雇自由化、10割非正規職化をねらう  安倍政権の労働「規制改革」

4・7東京労組交流センター第18回定期総会  組織拡大の〈東京決戦〉を決意  山口弘宣 東京労働組合交流センター運営委員

自治労全国スト貫徹から階級的労働運動の新時代を!  4・21神奈川労働組合交流センター第24回総会の成功勝ちとる  神奈川労働組合交流センター事務局

4・7関西郵政春闘集会に40人  郵政労働者は4月ストライキ闘争の先頭に起つ!

労働運動を語る  東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会に聞く(上)

新体制の下、ストライキで闘った動労西日本13春闘  組織拡大へ大きく前進!
国鉄西日本動力車労働組合 書記長 山田 和広

労働者の根源的革命性と戦闘性を示したニッキ13春闘ストライキ  JAM日本機械工業労働組合 山口弘宣

労働委員会の勝利命令を武器に会社と闘うぞ!  坂野康男 東海合同労働組合東和交通分会分会長

ひめじょおん−女性部から 相次ぐ賃下げ、現職死亡の過重労働に怒り 中野区職労組合員 樫村美恵子

読者のページ

●マンガ /編集後記

月刊『労働運動』(278号1-1)(2013/05/01)

■労働者の目

現場労働者の中に深く入り、5〜6月決戦で安倍政権を打倒しよう

大熊 豊彦 常任運営委員 全逓

 1〜4月の輝かしい勝利の地平を踏まえて、5〜6月決戦で、交流センターとして闘いを推し進めていく核心は、4大産別を中心にした各産別の交流センター会員の職場実践における奮起と行動です。職場闘争を気概をもって勝ちとることを中心に据えよう。党派闘争、会社当局による悪辣な妨害に打ち勝ち、現場労働者の中に深く入っていくことが一番です。
 この間の埼玉の闘いとしては、まず動労連帯高崎・漆原副委員長の決起です。それによって高崎鉄道サービスは外注化・非正規職化を反動的に推し進めることができなくなっています。また全逓労働運動でもさまざまな闘いが起こっています。大阪、東京、神奈川、そして埼玉では、A局で元旦ビラを見て「その通りだ」とコンタクトをとってきた労働者が現れました。今は4人の非正規職の労働者と学習会を中心に交流を深めています。B局でも新人事・給与制度に対して学習会をやるのでぜひ来てもらいたいと要請がありました。C局でも、3月段階で休み時間も取れない、超勤、超勤で体がボロボロになり、その労働条件に耐えきれなくなり、自分からやめざるをえないような状況のなかでの雇い止め攻撃があり、6人がやめて職場は人が足りず、超勤の連続や配達のエリアの拡大、いつ重大な事故が発生してもおかしくない事態です。もちろんそれが当局の責任であることは言うまでもありません。これらに抗する闘いを通して郵政非正規ユニオンは元より、現場に5人、10人と仲間をつくり、当局に物を申す闘う組合をつくりあげたいと思います。
 また自治労の4・26ストライキは、7.8%の賃下げ、一時金1割カット、退職金400万円削減攻撃に対する怒りのマグマが噴出していく始まりです。こんなことを許したら超低賃金と非正規職化が進んでしまいます。当局に対する労働者の怒りをゼネストとして爆発させることだと思います。新自由主義に対する怒りも沸点に達しています。全国で全世界で闘いは爆発寸前です。自治労4・26ストを闘い抜いた地平に立って、解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を貫徹し、前半最大の決戦としての国鉄闘争全国運動6・9全国集会の大成功を勝ちとり、安倍政権を5〜6月決戦で打ち倒しましょう。
(写真 偽装請負・違法出向弾劾の抗議行動に立つ動労連帯高崎・漆原副委員長と支援【4月1日 籠原駅前】)

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月刊『労働運動』(278号2-1)(2013/05/01)

沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ!

労働者の国際連帯で、「復帰」41年 5・15安保・沖縄闘争に勝利しよう!

柿本博人 沖縄労働組合交流センター代表運営委員

 7.8%賃下げ絶対反対! 4・26自治労全国スト貫徹の闘いで階級情勢は一変した

 「ついにギリシャのようになって来たね」というのが4・26自治労全国スト貫徹の闘いに対するみんなの意見だ。何よりも「誇り高き現場組合員の決起は凄い」と自分自身の体がガタガタと震えるような感動を覚えた。
 いったい住民避難のために命を失い、寝食を忘れて公的責任を果たし、地域やふるさとを取りもどすために奮闘してきたのは誰だ。500万人の公務員労働者をたたき殺し、全労働者を地獄の底に突き落としてやるという安倍政権の戦略を4・26スト貫徹の闘いはバキッとへし折った。公務員も民間も、すべての労働者が決起していく道筋が開かれた。アベノミクス万能論と改憲・戦争、原発再稼働、辺野古新基地建設、やりたい放題のこの間の情勢は一変した。「スト絶滅」を看板としてきた連合支配、連合を使った資本の労働者支配も終わったということだ。こうした時代の中で、すべての仲間と共に「復帰」41年5・15沖縄闘争を労働者の国際連帯を復権する闘いとして実現したい。

 沖縄闘争と国鉄闘争の歴史的結合が沖縄労働運動をめぐる決戦を切り開いた

 4・26自治労全国ストを引き出したものは動労千葉の外注化阻止の3月ストだ。
 ここには階級的連帯という普遍的真理がある。この間、沖縄闘争は国鉄闘争と歴史的に結合することで「新自由主義と闘う沖縄闘争」との地平を確立した。10割派遣の非正規職場で沖縄の青年労働者は新労組を誕生させた。NTT労働者は「動労千葉を支援する会・電通沖縄」を、基地労働者は「動労千葉を支援する基地労働者の会」を結成し、動労千葉物販を通して職場支配を拡大してきた。
 2012年7月13日、AAFES(米陸空軍が共同運営する福利厚生組織)の60歳再雇用労働者のパート強行化に対する全基地ゲート封鎖の24時間ストが貫徹された。そして、2012年9月9日、オスプレイ配備反対の10万人県民大会が実現された。
 そして、安倍は3月22日、辺野古新基地のための公有水面埋め立て申請を強行。4月5日、嘉手納以南の米軍基地返還計画を日米で合意、普天間飛行場の返還時期を2022年以降と発表した。
 これは、返還時期を明示しない基地の固定化であるとともに、基地労働者への「大量解雇」を宣告する攻撃だ。「復帰」41年5・15沖縄闘争の核心は、一般的に言う「反戦・反基地」ではない。基地労働者をめぐる歴史的決戦そのものとして闘われる。

 新自由主義と闘うことは国際連帯闘争そのものだ

 基地労働者をめぐる歴史的決戦とは、17年にわたって辺野古新基地建設を阻止してきた沖縄の労働運動をめぐる決戦が到来したということだ。
 求められるものは展望だ。全世界の労働者をズタズタに分断する新自由主義と闘うとは国際連帯闘争を実現するということだ。
 動労千葉は、日米韓3カ国の連帯闘争を切り開くことを通して、新自由主義攻撃の核心と対決する「民営化・外注化阻止、非正規職撤廃」の国際プロレタリアートの団結スローガンを確立してきた。3・11反原発福島行動には、全世界からの激励のメッセージや福島共同診療所への国際連帯のカンパが寄せられ、生きる希望をつくり出す国際連帯闘争の前進が切り開かれた。「復帰」41年5・15沖縄闘争でこの国際連帯闘争をさらに前進させるということだ。
 『沖縄戦後史』(中野好雄、新崎盛暉共著、岩波新書、1976年)には次のような60年代後半の基地労働者たちの思いが紹介されている。
 「全軍労牧港支部(牧港補給基地)の活動家たちは、ストの意義について、『米軍はいまベトナムで苦戦している。沖縄から補給が途絶すれば、彼らは解放戦線の包囲に裸でさらされることになる。沖縄ではストの効果は目に見えないかも知れないが、実際の影響はベトナムであらわれる』と説明していた」とある。
 70年安保・沖縄闘争=「復帰」闘争は、その根底に国際連帯闘争をはらんでいた。今こそ、労働者国際主義を復権させよう。
(写真 400人で貫徹された昨年の5・15沖縄デモ【5月12日 那覇市国際通り】)

 沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ! 「復帰」41年5・15沖縄闘争へ!

 

沖縄の米軍基地とは、全世界の労働者を分断する「要石」である。労働者の国際連帯で、沖縄を「基地の島」から「国際連帯の島」へ変えよう! ここにこそ、「基地のない、平和で豊かな沖縄」を実現する道がある。沖縄の未来と希望と展望は労働者の国際連帯の中にある。5・18〜19沖縄闘争に全国から立ち上がろう!

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沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ! 新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ!

 「復帰」41年5・18〜19沖縄闘争

●「復帰」41年5・18沖縄集会
5月18日(土)午後6時開場 琉球新報ホール(那覇市泉崎1-10-3)
主催 「復帰」41年5・18沖縄集会実行委員会(呼びかけ団体 国鉄闘争全国運動・沖縄)
【関連企画】5月18日午後4時 国際通りデモ(県庁広場出発)
●5・15平和とくらしを守る県民大会
5月19日(日)午後2時 宜野湾市海浜公園野外劇場(宜野湾市真志喜4-2-1)
主催 沖縄平和運動センター
●オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会 in Okinawa
5月19日(日)午後6時 琉球新報ホール(那覇市泉崎1-10-3)

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月刊『労働運動』(278号3-1)(2013/05/01)

自治労4・26全国スト、5・1メーデーを労働運動復権の転換点に

国鉄闘争全国運動6・9全国集会の大成功を!

田中康宏 動労千葉委員長

 4月18日に東京都内で行われた6・9集会第1回実行委員会における田中康宏動労千葉委員長の提起(要旨)を掲載します。

 6・9集会のもつ位置――4・26自治労ストと6・9集会

 今起きていることを歴史的攻撃として捉えることの重大性

 6・9集会の持つ位置を考えていきたい。公務員労働者への攻撃など、いま労働者をめぐって起きていることをどう見るのかです。公務員労働者と、公務員に準拠して賃金が決まる労働者は、自治労の仲間によると家族を含めれば1千万人を越えているそうです。1千万の労働者の賃金が一瞬にして下げられ生活が破壊される。こんなことが歴史的にあったのか。それほど資本主義体制が危機なんです。それひとつが、労働者階級に対する攻撃としては歴史的な攻撃です。
 しかも、ほとんどすべての勢力がこうした攻撃に屈しています。マスコミは沈黙している。それどころか、労働運動に関わってきたすべての勢力が、このことを正面から見据えきれないで今の情勢に負けている。これらが前提です。
 僕らは国鉄分割・民営化攻撃と20数年間闘ってきました。これが日本での新自由主義の始まりでした。労働運動も、社会そのものも根本から変えてしまった。改憲攻撃もここから始まった。でも、今始まろうとしていることは、国鉄分割・民営化と比べてもそれを数十倍する社会の変化です。公務員労働者7.8%賃下げがやられたらどういう影響を持つんですか。日本の膨大な企業という企業が、賃下げ自由になる。賃下げ自由とは解雇自由になるということです。社会の構造が根本からひっくり返る。社会保障制度、教育、医療、何もかもです。

 敵の攻撃の戦略的重心

 敵は何を攻撃して、何を焦点に労働者全体のあり方をひっくり返そうとしているのか、公務員労働者に徹底的な攻撃を加えることで、全労働者の雇用も賃金も何もかもひっくり返す――安倍、日本経団連、財界は明らかに戦略をそう据えたと思います。
 なぜか。これは日本経団連が言ってますが、公務員の身分保障をぜんぶ覆したときに、全労働力が流動化できる、と。終身雇用、年功型賃金、これは徹底的に崩されてきた。95年の「新時代の日本的経営」でがんと打ち出された9割非正規化、その背景にあったのはもちろん国鉄分割・民営化です。それ以来、20数年間、攻撃が続いてきた。若者、女性は、非正規職の比率は半分を超えている。人間として生きるすべを奪われ、誇りも尊厳も破壊されている。社会保障も教育も医療もめちゃくちゃになっている。だけど敵は、最後に残ってぎりぎり維持されているものまで全部打ち砕かなければ日本の資本主義は延命できないと判断したんです。それが公務員労働者の身分保障です。現業はすでに、民営化攻撃に激しくさらされてきました。そこに事務職にも攻撃を加えれば全部が破壊できる。こういうことが今起きていると思います。

 三つの攻撃を一体で捉える

 三つの攻撃を一体でとらえないといけない。
 第一に7.8%賃下げの攻撃です。
 第二に、規制改革会議や産業競争力会議でやっていることです。すべて労働分野への規制緩和、労働者への全面戦争です。労働時間、残業代ゼロ、正規職をなくして全部を準正規労働者にしていく。派遣法制定以来、激しい攻撃が加わって、労働力の流動化と称して労働規制が緩和され、労働者が工場法以前的な労働条件に突き落とされてきました。だけどまだ必死の抵抗の中で、ぎりぎり維持されているもの。これを最後的に取っ払う。
 たとえば、勤務地職種限定契約にたいする雇用保障責任ルールの透明化でいうと、準正社員制度。それをすれば「雇用が安定した働き方が広がるきっかけになる」と言うんです。「勤務地職種限定労働者に対する雇用保障責任は、一般に正社員とは同列に扱われないという解釈がある」。日経連が勝手に制度をつくって、勝手に解釈している。JRでいえば9割の労働者がこれになってしまいます。
 第三に、橋下が現実にすすめている丸ごと民営化攻撃です。大阪で突破されたとき、たちまち全国に波及することは明らかです。今度の地方公務員への賃下げ攻撃だって、自治労は国家公務員のとき、地方公務員に波及することは遮断したと言って認めてきた。1年経ったら、たちまちやられている。
 公務員労働者すべての賃金が下げられ、雇用ががたがたにされたら、いま非正規の労働者はもっと膨大な首切り、生きていけない現実が強制されます。これまでの社会構造、支配構造すら覆す、改憲攻撃そのものです。社会全体がまさに歴史的転換点に立っている。
 敵の危機の中で労働者が階級的に団結して、すべてが限界を超えて噴き出すような社会の隅々にまで積もりに積もった怒りを団結させる存在と、それに具体的な戦略、路線、方針を与えて敵を打倒するんだという階級的労働運動の存在が必要なんです。これさえあれば、間違いなく歴史が動き始め、僕らの闘いが支配体制を崩壊させることができる。この情勢は歴史的チャンスです。だから、われわれがいかに登場するかです。

 4・26ストをどう捉えるか

 こういう状況の中で、自治労が4・26ストということを掲げるに至りました。自治労本部をして4・26ストに駆り立てたものは何なのか。自治労本部はこんなストやりたくないはずです。これまでの自治労本部のあり方を考えてください。直営堅持の方針もおろした。行政や政府とパートナーシップを結べばなんとかなるじゃないかと、こういう道をひたすら進んできた。こういうふうにさせたのは、一番の理由はわれわれの闘いです。われわれが、もし国鉄分割・民営化以来の流れの中で、その攻撃に負けて旗を降ろしていたら自治労がこんな方針を下ろすはずがない。彼らは横目で見てた。時々インターネットとか開いてね。こうなったのは、僕らの闘いがあったからなんです。
 それと、自治労をして4・26ストに駆り立てたものは、今の日本資本主義が、体制内的な労働組合を抱え込んだあり方すら、考慮できないほどの危機になっているということです。ここでもし自治労本部が何もできなかったら数十万人の脱退が出ますよ。だって労働組合として意味ないじゃないですか。

 4・26ストを労働運動復権の転換点に

 こういう状況の中で4・26スト方針が出てきている。もちろんこれは体制内的なストライキです。20〜30年ストをやってないわけで、ストをできない単組のほうが多くなっている。「ストライキなんかできないよ」「処分される」と。でも僕は、それはいいことだと思っているんです。労働運動がゼロから出発する。これから一から生まれ出る。そういうときには、「ストなんかできない」なんて議論から始まるのは当たり前なんです。
 国鉄だってマル生のときには何万という脱退が国労から出た。現場はみんなストライキからどう逃げるかですよ。そういう労働者が73〜74年には当たり前にストをやり、75年にスト権ストです。体制内的なストだって、方針が下りて、われわれがそれに火をつけて、全国で議論が始まったことによって、新自由主義の最後の崩壊の時代に新たに労働組合が生まれ出る、そういう動きが始まっているということなんです。
 労働者はたちまち変わります。ストの状況は、力がある単組ではストにふれたビラが出ている。だけど多くのところでは、賃下げがやられようとしていることすら説明されていない。スト方針が出ていることも知らない。 だけど、ここから闘いは始まる。今までは、階級的労働運動の復権と言ったって、どこの労働者がどこから復権するのかということがあった。一番頑張ってきたのは合同一般です。現実に首を切られ、全国どこでもたちまち解雇撤回闘争になる。だけど4大産別で言えば、敵の攻撃とわれわれの踏み込みによって、階級的労働運動の復権に向けての第一歩が始まったということです。
 4・26ストが、どこまで行くかはわかりません。それはいいんだよ。これは4・26では終わりません。具体的に賃下げ攻撃が形になるのは、どこでも6月議会です。議会で人件費の削減を決定しないといかない。そこで僕らがいま火をつけようとしていることが、労働者のものになる。ストやって解決するのか、処分されないのか、そういう議論になる。「この闘争は、自分自身の賃金も大変なことなんだけど、それだけじゃないんだ」と。若い仲間たち、膨大な非正規の仲間があえいでいる。今まで公務員バッシングで「ぬくぬくしている」「あんたたちの半分の賃金で、世の中はやってるんだよ」と叩かれ、声も上げられなかった。だけどここに来て、自分たちにかけられた攻撃に、今闘わなかったらすべての労働者を自分たちが突き落としてしまうんだ、と。誰の目にもわかる形で攻撃が来たときに、膨大な労働者が一人の労働者としての闘う誇りを取り戻す条件ができている。
 これだって、そこに突っ込んでいく、少数でも「労働者の闘いが社会を動かすんだ」という確信に燃えた部隊が必要なんです。主客の情勢が煮詰まって、体制内派の労働組合の幹部も否応なく引きずり込まれて4・26ストなどど言わざるをえなくなった。そこに登場できるかどうかで、これが歴史の転換点になるかどうかが決まる。
 つまり、すべてを僕らが引きずり出したと考えたほうがいい。体制内労組幹部の動きも、敵の攻撃も何もかもです。階級的労働運動ができるかどうかをめぐる大党派闘争です。だけどこれは今までと違う問題です。今までは、闘いの中心軸、核を守るために体制内派との激しい闘いがあった。だけど今は、ここを突き抜ければ全部を獲得できる可能性が見えてきた。そこまで来たということなんです。
 これも国鉄分割・民営化と闘ってきたからです。全部が煮詰まった、それが4・26ストの核心です。われわれがやれば、このストが転換点になる。それには、われわれ自身が火の中に飛び込む決意が必要です。これから1、2年が勝負です。5・1メーデーをやって、6・9集会をこれまでとは違う、ひと皮むけた成功を勝ちとりたい。
(写真 1800人が結集した昨年の国鉄闘争全国運動6・10全国集会【東京・文京シビックホール】)

 6・9集会のもつ位置――アベノミクスとは何か

 そのうえで、こうした攻撃全体が、アベノミクスという攻撃としてあることを見たい。マスコミは、黒田マジックとか異次元金融緩和とか株価が上がったとか。でも、だんだん世の中でも「やばいんじゃないの」となり始めている。だけど、これはアベノミクスのひとつの側面にすぎない。産業競争力で生き残っていくんだという徹底的な労働者への攻撃については、マスコミは騒がない。さらに全面的な政治反動です。沖縄基地強化も含めて、全面的な戦争政策です。
 これらすべてを、アベノミクスと考えないといけない。ひとつは、資本主義としての最後の最後の破滅的政策、それはイコール労働者への全面戦争になる。それはイコール、戦争の危機を生み出す改憲攻撃と政治反動になる。どれひとつとっても敵の危機です。
 全体を見たときに、財界、日本経団連が言っている6つの要求。「6重苦」と言っているんですが、@円高の是正、A経済連携の推進=TPPです。TPPも核心は労働規制緩和と社会保障制度解体と考えたほうがいい。農業だって国民健康保険だって、そこに介在している膨大な労働者を全部、非正規に突き落とすということです。B法人税減税、C社会保障制度改革、Dエネルギー環境政策の転換、これは民主党政権下でちょっと反原発の方向に行ったのをゆり戻すということです。それにE労働規制緩和。
 こうしたことが、いよいよ東アジアの戦争の危機、朝鮮半島危機を生み出すところまできている。そうした情勢をふくめて、飛躍をかけた決断として、全体を獲得する存在への飛躍をかけた闘いとして、5・1メーデーから6・9集会があるということです。

 JR―国鉄闘争をめぐる情勢と闘い

 次にJRと国鉄闘争をめぐる情勢と闘いを報告したい。

 JRの動向

 去年の10・1外注化強行から、動労千葉組合員300名の団結と新たな闘いの方針を確立したのがこの半年間でした。闘いの中で、新しい出発点につくことができました。
 外注化となぜ13年間闘えたか。現場の1組合員にいたるまで外注化は絶対に阻止できると信じたからです。だから阻止できた。幕張では動労千葉に20人が加盟しています。そういう力があってここまでこれた。
 10・1強行で現場は「ここまでか」という気持ちにいったんはなる。しかしここからが本当の闘いなんだ、と、10・1からの5日間のスト、そしてこの3月のストを通して、出発点についたと思っています。
 しかし、本格的な組織拡大実現まで行かないといけない。それが新しい時代の反合・運転保安闘争なんです。これができたとき、既成勢力が実現できなかった階級的労働運動が登場するときなんです。
 逆に東労組は、5年間で使い捨てになる駅の契約社員制度をなくして、業種職種限定社員制度を導入しろと言っている。もしそうなったら、それが全部に適用されるようになる。こういうペテンを弄して資本と一体化していく。もう一方ではJRは、インフラパッケージ輸出に突き進んでいます。ここに突き進むからこそ、全面的な外注化、非正規化があるんです。日経連の方針を見てほしい。成長戦略の最大の柱は、インフラのパッケージ輸出です。これで日本が生き延びる。では国内はどうなるか。全面的に空洞化する。徹底的な賃下げと非正規化になる。これはメダルの裏と表なんです。敵の攻撃をそう見ないと、いま現実に起きている攻撃が見えてこない。JRでそれが典型的に起きています。
 それとJR貨物での賃下げ攻撃です。これは、貨物における文字通りの第2の分割民営化攻撃がいよいよ本格的に始まったということを意味します。貨物は国鉄分割民営化問題の矛盾の焦点なんです。一昨年、去年と、国鉄分割民営化25年問題があって、JR総連や国労は、鉄道運輸機構が土地を売ったりして溜め込んだ膨大な金を、貨物と3島会社のために吐き出せと言った。でも、日本資本主義はそんなことできなくて、その金の9割を破綻している年金財政に持っていった。貨物会社をほったらかしのままにできないから第3者機関を作った。そこにこれまでの10倍の利益をあげろ、株式を上場しろと命令され、それで全面的な賃下げになった。だけど、賃下げしたって貨物の経営は成立しない。不採算路線を切るとか言ってももう切るところなんかない。あとは、ひたすら労働者の血を流すしかない。再建なんかできない。つまり、分割民営化が全部失敗した。それが今、賃下げとしてきている。僕らが声を上げないといけないのは、国鉄分割民営化は失敗したんだということです。それを突きつけるという闘争に、1047名解雇撤回闘争とともにしなければいけない。

 外注化阻止闘争の展望

 外注化阻止闘争でいろんなことがはっきりしました。
 偽装請負について、実際上は、JRが下請けのCTSの指示を全部しているわけです。JRは「たんなる情報連絡だ」とか言ってたんですが、ついに指揮命令権も含めて委託契約に盛り込んで委託したんだから偽装請負じゃないと言い出した。つまりJRは、偽装請負という考え方そのものを最後的に粉砕しようという、経団連が考えていることに先鞭を開くことで、資本として生き残ることができると踏んだんです。
 経団連が、労働規制緩和の最後の一線をぶち壊そうとしているといいましたが、最後の規制の核心的な二つは、一つは解雇4要件です。これは明らかに楽天社長・三木谷なんかが「ああいう特異な判決を、いまこそ打破しないといけない」と明白に言っている。もうひとつは偽装請負です。常に外注化では、この問題にぶつかる。これがなくなれば、本当に工場法以前になる。
 今度の闘争で、JRは明らかに意識してここを粉砕しようという立場に立っていることがわかりました。
 もうひとつ、今度の闘争でわかったことは、日々発注の問題です。動労千葉がストに入ると、外注に出した業務にJRが乗り込んできてスト破りをやる。これをやるために、いろんな業務を毎朝、発注する。これも団交で千葉支社が口を割ったんですが、9月に本社からその方針が降りてきたという。向こうもぎりぎりまで判断に迷っていたんだよね。その意味で敵もぎりぎりだった。だったらこれは粉砕できる。これを粉砕したら、世の中の偽装請負が蔓延している状況に対して、地殻変動的な力を持つことができる。そういう攻防戦をやっているんだということが、今度の闘いでわかりました。10月1日にさらなる外注化が画策されています。そこに向かって闘いたい。

 1047名解雇撤回に向けて

 次に1047名闘争ですが、東京高裁・難波裁判長は一切の証人調べもしないまま結審しようとしています。5月8日に結審すると前回予告しました。1047名闘争を押しつぶそうという大反動が動き出している状況です。敵の側もわれわれの闘い、1047名闘争を押さえ込むために必死だということが手に取るようにわかる状況になっています。
 こういう中で、組織化の武器として10万人署名運動を全力を尽くしてやりたい。これはたんに署名運動じゃなくて、われわれの手で階級的労働運動を組織する運動です。全部がここで結びつく。1047名解雇撤回、外注化阻止、すべての労働者にかけられた「解雇自由」、賃金破壊を許さない、だからこそ国鉄闘争の火を今こそもっと大きくしていこう。韓国の公共運輸連盟がこの署名を取り組むことを執行委員会で決定してくれました。今までのレベルを超えて韓国の労働運動と結びつき、アジアの情勢を変えるようなものになります。一人ひとりが自信と確信をもち、何よりも日本の地で、この情勢に抗していく運動の組織化をしていこう。
 すべては、1〜3月に切り開いた闘いの上に、5・1メーデーから5月8日の裁判、6・9集会の過程にかかっています。みなさんのご支援をお願いして提起に代えます。

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月刊『労働運動』(278号4-1)(2013/05/01)

「地方公務員給与7.8%削減」絶対反対!

自治労全国スト貫徹から、5〜6月大闘争を!

百本 敏昭 自治労倉敷市職員組合執行委員長

4・20尼崎事故弾劾8カ年集会(尼崎)における発言(要旨)を紹介します。

 自治労本部は、4・26に「始業時より上限1時間ストライキを実施せよ」とする統一闘争指令を発しました。地方交付税削減という強行手段は、国家の暴力そのものです。6千万労働者の1割の労働者の賃金を暴力的に削減することは絶対に許してはなりません。しかし自治労本部の「地方自治を守れ」に切り縮めるペテンも明らかにしなければなりません。そもそも本部は民主党政権時代に公務員人件費の2割削減を主張し、国家公務員の人件費削減には反対しませんでした。本部は、国家公務員の賃下げを認めてきたので地方公務員の賃下げ反対と言わずに地方自治の問題といいます。

 人生を賭けてストライキをやりきる

 なぜストライキか? 絶対反対だからです! 国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃は、全社会を外注化・非正規化し、挙げ句の果てに憲法9条を変え、労働者を資本家のための戦争に引きずり込むからです。
 倉敷市では市長が「行革2011」を掲げ、ゴミ収集、幼稚園統廃合・保育園などの民営化、市営住宅の指定管理者制度の推進、職員200人削減など、橋下と同じような攻撃をしかけてきております。給与制度では、新たな人事評価制度を中心にした賃金表の導入が狙われています。青年の生涯賃金は1800万円も下げられようとしています。
 7.8%賃下げは、道州制導入と県、市町村職員360万人全員解雇攻撃と一体だと捉えています。だから絶対反対以外ありません。
 自治労本部は、ストライキを交渉の手段としかみていません。ストライキは、社会の主人公は誰なのかをはっきりさせることです。究極に削減された人員で、利益優先の民営化された業務を強制されることに対して、怒りに燃えて拒否するということです。誰がこの社会の主人公なのかをはっきりさせるためにやるのがストライキです。ひどい状況が社会を覆っていますが、労働者は商品として資本のもとで働くしかありません。ストライキは、労働者が商品であるということを拒否し、人間としての叫び声をあげるということです。
 私は毎日、現場の組合員と議論しています。いろいろな意見が出ます。「何でうちらだけ?」に対して「正しいことは一人から始まる」。
「処分される」には「それぐらいやって圧力かけて反対を示す。怒りの表現がストライキなんだ」と言いよるんです。
 簡単ではありません。20何年間ストライキしてないし、労働者性が奪われてきています。あきらめの声もあります。しかし、労働者は必ず立ち上がる。この1週間、ストライキのときまで議論は続くと思います。しかし、最後まで組合員とともにストに立ち上がることに最大限自分の人生を賭けてやることを誓います。さらに5〜6月、次の大きな行動につなげていきたいと思います。

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月刊『労働運動』(278号4-2)(2013/05/01)

地方公務員給与7.8%削減問題の経過

 2011年

▼5・13 民主党政権が、国家公務員給与削減(月額給料、一時金とも10%削減)を公務労協に提案。
▼5・23 公務労協は片山総務大臣と交渉し、国家公務員の俸給(基本給)5〜10%、一時金一律10%の削減提案について受け入れ。
▼9・30 人事院勧告(月給0.23%引き下げ、期末・勤勉手当の支給月数を3.95カ月据え置き)
2012年
▼2・29 国家公務員の給与を平均7.8%引き下げる臨時特例法が参院本会議で可決・成立。
▼11月 自民党政権公約。5年間の「集中財政再建期間」で公務員総人件費を国・地方合わせて年間2兆円削減を宣言。
▼12・26 安倍内閣誕生

 2013年

▼1・24 「国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請する」と閣議決定。人件費にかかわる交付税・義務教育国庫負担金の削減を決定。
▼1・29 安倍内閣、2013年度予算案を閣議決定。(1)地方公務員の給与について2013年7月から国家公務員と同様の削減を実施することを前提に給与費を8504億円減額する、(2)給与の削減分を、「緊急防災・減災事業費」(4550億円)、「地域の元気づくり事業費」(3000億円)、「全国防災事業費(地方負担分)」(973億円)に充当する、「地域の元気づくり事業費」については、「算定にあたり、各地方公共団体のこれまでの人件費削減努力を反映する」とした。
▼2・27 自治労第2回拡大闘争委員会で、4・26ストライキ方針をふくむ「地方自治を守り、地公給与決定に国の介入を許さない取り組み方針」を決定。
▼3・29 地方交付税法等改正法案・可決成立。
▼4・15 自治労、「4月26日に始業時より上限1時間ストライキを実施せよ」の統一闘争指令。
▼4・26 自治労統一行動日
▼5・8 自治労第4回県本部代表者会議
▼6月 全国各自治体で議会開催
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 ●「公務員給与の影響下にある労働者数」

 人事院の国会答弁(2009年5月21日、衆・総務委員会)によると、公務組織で約360万人、このうち国家公務員が約60万人。地方公務員が約300万人。このほか、独立行政法人、国立大学法人等で約80万人、学校・病院などで約140万人。合計約580万人。

 ●自治労組織人員

 2013年1月末時点で2746単組、79万1637人。2000年から減少傾向に入り、2009年に90万人を切り、2013年に80万人を切った。

 ●「13県本」

 社民党系・協会派系が執行部を握る県本は「13県本」と呼ばれている。(青森、山形、岩手、秋田、宮城、福島、新潟、富山、長野、香川、佐賀、宮崎、大分)

 ●自治労ストライキについて

 1985年4・17に公務員共闘が春闘統一ストライキ(1時間)を行い、自治労も1491単組72万9131人が1時間ストを行った。全国統一ストとしては、それが最後である。
 自治労本部自身が、ストライキを実際に行使したのは90年代前半までで、2010年以降に実施したのは全国で14単組と1%未満、ストライキの現場を経験した組合役員がまったくいない単組も少なくない≠ネどと語っている。

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月刊『労働運動』(278号4-3)(2013/05/01)

解雇自由化、10割非正規職化をねらう

安倍政権の労働「規制改革」

(写真 日本経済新聞3月29 日付、日本経済新聞4月19 日付)

 安倍政権は、成長戦略を議論する産業競争力会議、規制改革会議で、労働分野の規制改革を急ピッチで進めている。解雇規制や労働時間規制を「競争力の阻害要因」と見なして全面的に解体する攻撃だ。
規制緩和の俎上にのぼっているのは、解雇の金銭解決、労働条件の不利益変更の合法化、裁量労働制の拡大、医療分野への派遣労働の解禁、有料職業紹介の年収要件の引き下げなど、すべての分野に及ぶ。中でも最重要課題にあげられているのが、勤務地や職務が限定されている正社員の解雇の自由化だ。これを突破口に、すべての労働者の解雇解禁、10割非正規化を進めようというのだ。

 「限定正社員」の解雇自由化が突破口

「限定(ジョブ型)正社員の雇用ルール」と称する政府素案は、就業規則や労働契約に限定した職務を明記し、就業規則の解雇事由に「職務がなくなった場合」を加えておけば、工場移転や閉鎖の際の解雇もOKというもの。こうした特約があれば、労働契約法16条の解雇権濫用には当たらないとの法解釈を通達で示すという。従来型から限定型への転換は、本人同意を要件とするというが、強制配転・職種変更を踏み絵にした変更解約告知が横行することは明らかだ。
 勤務地・職種限定の雇用契約でも、整理解雇4要件が適用され、使用者は解雇回避努力義務は免れないとするのが判例だ。ところが規制改革会議では、御用学者が、「判例法理の変化を漫然と待つのではなく、それをリードできる紛争解決ルール」を提案し、行政指導で就業規則の改悪を指南し、違法解雇を既成事実化していこうというのだ。
 他方では、「通達や行政指導による規制を原則廃止する措置を6月までに徹底し、残すべき規制は、その妥当性を規制改革会議に説明・了承されるべき」(第3回規制改革会議、大田弘子議長代理)などという議論がなされている。擬装請負・違法派遣、残業規制や労働安全衛生の取り締まりは、法の趣旨を具体化した通達・告示に基づいて行われてきた。労働法制の改悪を待たずに、資本にとって邪魔な規制をことごとく取っ払う、労働行政の180度の転換が始まっている。

 職場の団結と闘いが、一切を決める

 労働政策の重要事項は、公労使3者で構成する労働政策審議会で検討することが法で義務づけられている。ところが、産業競争力会議では、厚生労働省自身が、「成長のための労働政策」と称して、「雇用維持型から労働移動支援型への政策シフト」「民間人材紹介サービスを最大限活用」「二極化した働き方から多元的な働き方へのシフト」を提案した。「政策シフト」とは、雇用調整助成金を縮小・廃止し、その財源でアウトプレースメント会社(リストラ請負会社)に助成するというもの。そして、ブラック企業の経営者と御用学者による数回の議論を受けて、「『多様な正社員』のモデルを確立するための施策を具体化せよ」という安倍首相の厚労相への指示が発せられ、前記の「限定正社員の雇用ルール」が打ち出された。
 「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げる安倍政権は、むきだしの資本家独裁として立ち現れている。工場法以前の時代に引き戻そうとする労働「規制改革」は、新自由主義の断末魔のあがきだ。一切を決めるのは、職場生産点の団結と闘い、資本との力勝負だ。

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月刊『労働運動』(278号4-4)(2013/05/01)

4・7東京労組交流センター第18回定期総会

組織拡大の〈東京決戦〉を決意

山口弘宣 東京労働組合交流センター運営委員

 ストライキ情勢を切り開いた交流センター派の闘い

 4月7日、東京決戦の方針を確立した全国総会を受けて、東京地方協議会の第18回総会が昨年を上回る会員が結集して闘いとられた。
 全国総会からわずか1カ月であるが、階級情勢は急速に進展し、ストライキ情勢となっていた。動労千葉の外注化反対と大幅賃上げを掲げた3月14〜17日にかけて春闘第2波の連続ストが闘われ、14日には動労水戸が3波ストを貫徹し、さらに動労西日本が25日に外注会社であるレールテックで初めてのストライキに立ちあがっていた。また、26日には日本機械労組が春闘時限スト、28日にちば合同労組モリタメディック分会が契約解除即解雇に抗議するスト、31日には西部ユニオンアメリカンアパレル分会が解雇撤回のストを打ち抜いていた。この交流センター派によって進められた3月ストライキ闘争が、ついに自治労4・26ストライキ情勢をつくりだしたのだ。
(写真 90人を結集して勝ちとられた東京労組交流センター総会【4月7日 東京】)

 東京交流センターが闘いの主体として自らを確立

 東京総会は4〜5月闘争を闘う息吹にあふれ、東京決戦を闘いぬく主体として自らを確立するものとなった。総会議長を東部労組交流センターと中部労組交流センターの会員が担い、議事は進められた。退任することになった中村和憲代表(ス労自主)は主催者挨拶で、「代表に就任した時に東京1000人建設を打ち出した。全国の中心が東京という自覚が必要であり、労働学校建設をやりきることが重要である。創立のスローガンであった『反連合・反全労連』はただの反対派のそれではなく、対抗する勢力としての登場を意味するまでになった。既成勢力を凌駕する存在になっているのである」と、これまでの闘いを力強く総括する檄を発した。
 来賓のあいさつを全国労組交流センターと部落解放同盟全国連杉並支部、星野さんを救う会から受けたあと、動労千葉のメッセージが議長より代読され、東部ユニオンJR千葉鉄道サービス分会からデッチ上げ事件による不当解雇撤回の特別アピールを受けた。

 東京の組織2倍化へ

 議案では、活動報告と総括で、東京の組織2倍化が全国2倍化の要であることが訴えられ、東京の労働学校と動労千葉の労働学校の両方の発展が重要であり、交流センター青年部の実態は青年集会と労働学校でつくられると組織拡大としての活動を総括した。
 続く情勢提起では、米帝と欧州の危機の激化が帝国主義の崩壊を招いていることを指摘し、衆議院選挙での安倍政権成立は民意を反映していない極右政権だと断罪し、4・26自治労スト情勢が訴えられた。方針提起では、この1年が東京決戦であることが述べられ、東京交流センターを闘う組織に生まれ変わらせようと訴えられた。特に、職場に〈動労千葉を支援する会〉をつくることが、組織拡大につながることが強調された。

 5・1メーデーから6・9国鉄全国集会の大成功を!

 討論は活発に行われ、20人が発言に立った。自治体労働者は「地域の労働運動の中心であった公務員労働運動を叩き潰すために7.8%賃下げ攻撃があり、敵は暴力的に襲いかかってきている。情勢はわれわれがつくっている」と、4・26自治労ストへの決意を語った。
 医療労働者は、「雇い止め撤回のストに次ぐストで闘ってきた。職場での闘いは日々起こっており、それに対応する動きが必要だ」と、地区交流センターの重要性を訴えた。
 教育労働者は「新規教員は1年間の試用期間にあり、校長の一存で本採用が決まる。本当は正規の採用のはずが、非正規のように解雇されている。学校事務では非正規職化が進み、拠点校だけに正規を集中させ、周辺校を非正規にする動きがある。これに対して、事務職組合7単組は阻止する闘いを進めている」と、教育現場の非正規化阻止の闘いを報告した。
 郵政労働者からは「職場の6割が非正規であるが、郵政非正規ユニオンの闘いは全逓労働運動を乗り越える闘いを展開している。また正規は配転攻撃がきているが団結を固めて闘っている」と職場での青年指導部づくりの闘いが紹介された。
 西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の仲間は、首都圏広域連合の運動が拡大していることを紹介しながら、鈴コンの団結が強化され仮払いが再度認められたことを報告し、アメリカンアパレル分会という妹組合ができたことを喜んだ。
 郵政非正規ユニオンからは、交流センターへの組織加盟が報告され、多摩局を中心とした闘いを報告し、正規・非正規の別なく闘うために、郵政非正規ユニオンへの物心両面にわたる支援が訴えられた。
 日本機械工業労組の仲間は、3・26スト報告が職場の団結を形成しながら作られたことを生き生きと語り、「現場の怒りと結合した時に4・26自治労ストも勝利できる」と力説した。
 各地区センターや産別、職場の溢れんばかりの闘いの報告を受けて、岩本正治代表(全逓部会)が「手ごたえのある3月闘争だった。4・26自治労スト決戦を闘い取り、5・1メーデーと国鉄闘争全国運動6・9集会を成功させよう。東京決戦を闘い抜くなかで安倍政権を打倒し、交流センター2倍化を実現しよう。東京労働学校建設の要は東京である」と総括答弁を行った。
 すべての議案を満場の拍手で決議し、「東京労働学校と青年部建設を水路に会員2倍化・機関誌2倍化を実現する」決議と新人事体制を確認した。総会の後は中村代表の退任を慰労する交流会が盛大に行われた。

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月刊『労働運動』(278号4-5)(2013/05/01)

自治労全国スト貫徹から階級的労働運動の新時代を!

4・21神奈川労働組合交流センター第24回総会の成功勝ちとる

神奈川労働組合交流センター事務局

 神奈川労組交流センター第24回総会は、4・26自治労スト貫徹−5・1メーデーへ向けての総決起集会として勝利的に勝ちとられました。
 総会には、来賓も含め50名の仲間が参加しました。議長と代表あいさつ、総括・情勢・闘いの基調、方針の提起全体が神奈川労組交流センターの階級的労働運動の新時代を切り開く方針として鮮明にされ、何よりも4・26自治労ストライキを不退転で実践する討論に集中して、勝ちとられました。
 総会では、国鉄闘争全国運動呼びかけ人伊藤晃さん、JAM神奈川ジェコー労働組合・武田信義委員長、神奈川・星野文昭さんを取り戻す会土屋翼代表、婦人民主クラブ全国協三浦正子代表、沖縄民権の会・座覇光子さん、百万人署名運動・篠田常木さんからの連帯のあいさつを受けました。
(写真 神奈川労組交流センター第24回総会【4月21日 横浜市】

 自治労横浜と三教組の仲間の特別報告

 圧巻は自治労横浜と三浦半島教労部会の仲間の特別報告です。昨年1年間とりわけ今年前半の実践の踏み込みとその大きな前進を全体で共有することになりました。新たに交流センター会員となった自治労横浜の仲間は、4・26自治労ストをめぐる激しい攻防を報告し、「ストライキについてやっても意味がない、影響がないからやめようという声もある。しかし、私は団結権とストライキに熱い思いがある。これを甦らせたい。ストライキをやらない組合は強くならない。安倍政権に感謝している。いい機会に恵まれたと思っている。ぜひ自治労横浜を強化するためにストライキをやりたい」と腹の底からの思いを述べ、三浦の仲間からは、「三教組規約改悪反対の役員選挙を、『教育の民営化反対・非正規職撤廃』 の重要な内容で闘い、断固たる結果を得た。今年こそは非正規職の仲間の思いを体現して、非正規職を組織して闘う三教組を作るために闘う」とこれまでの選挙戦から転換的に闘いぬいた確信を報告しました。
 総会では新たに会員となった仲間が紹介され大いに盛り上がりました。発言は「もう一人の闘争団になってほしい」という国労組合員資格確認訴訟を闘う国労闘争団の成田さん、横浜、川崎、三浦の自治体労働者、人事交流=強制配転地方労働委員会闘争を闘った全逓労働者、反原発闘争を闘う仲間、合同労組での闘いの報告など、職場・地域での豊かな闘いと決意が、国鉄闘争と4・26自治労ストライキと一体で出されました。
 最後に神奈川における新自由主義と対決する労働運動を作り出すため に、常任運営委員会と新たに事務局次長を選出し執行体制を確立し、「無実の星野文昭さん奪還、自治労ストから6・9へ、拠点建設・組織拡大へ」の3本の特別決議を採択して、閉会しました。

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月刊『労働運動』(278号4-6)(2013/05/01)

4・7関西郵政春闘集会に40人

郵政労働者は4月ストライキ闘争の先頭に起つ!

 富田林局の雇い止め解雇撤回の闘い

 4月7日に大阪市内で関西郵政春闘集会を現場含め40名の結集で勝ちとりました。
 10・1外注化阻止決戦の闘いと一体で昨年9月末の大阪・富田林局の非正規労働者の雇い止め解雇撤回の闘いが開始されました。この闘いを関西の郵政での階級的労働運動の新たな闘いとして位置づけ、第2ステージに総決起していく集会になりました。
 郵政資本が打ち出した「郵政グループビジョン2021」と「新人事・給与制度」の本質が、郵政10割非正規化―外注化であることを捉え、4月ストライキ情勢の中から、拠点建設で総括していくことを鮮明にして反撃を開始しました。
 新一般職は安倍政権が唱える「準正社員」そのものであり、10割非正規職化の突破口として、郵政資本は位置づけています。
 富田林局での解雇撤回の闘いについて、9月末の雇い止め強行までの闘いとして、数回にわたるJP労組分会の職場集会の開催を通して、現場の労働者が「解雇は自分たちの問題でもある」と感じ、「一人の首切りも許すな!」と立ち上がり、非協力闘争に決起した経緯。解雇攻撃の本質が非正規の仲間が始末書を拒否したことにあり、労働運動として反撃していくことが確認されました。処分乱発とノルマ強制は非正規の首切りの口実ですが、3人の解雇は、本務者自身の決戦でもあり、正規・非正規あわせての全体の労務支配とJP労組本部の制動をぶち破る闘いです。
 交流センターの組織拡大の闘いとして、取り組んでいきます。
 闘いは新たな段階に入りました。JP労組を塗りかえる闘いとして、5月16日から裁判闘争に打って出ます。

 新大阪局分会の闘い

 さらに関西合同労組新大阪局分会の団交の報告がありました。現場の組合員がスキルダウンとパワハラに対して猛然と団交の場で決起しました。組合に団結と自己解放の未来を見出し、そこに確信をもって分会の組織拡大は進んでいます。
 職場の分断・競争と首切りの根源であるスキル評価をはじめ一切の評価制度の撤廃と非正規職撤廃の闘いは一体なのです。
 また、それぞれの局での闘いがバラバラにあるのではなく、時代認識と路線で格闘して、〈非正規職撤廃! 外注化阻止!〉の全体の闘いとして押し上げられました。
 「新人事・給与制度」攻撃の本質が、団結破壊であり、逆に労働組合を塗り替える闘いとして決定的なチャンスを迎えています。
 今仕掛けられている攻撃が本務者、非正規問わず、10割非正規攻撃としてあり、それを打ち破る力が、階級的団結と職場の拠点化にあります。
 郵政労働者は4月ストライキ、5月メーデー闘争の先頭に起とう!
 (関西労組交流センター会員 M)

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月刊『労働運動』(278号5-1)(2013/05/01)

労働運動を語る

東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会に聞く(上)

聞き手・構成 編集部

(写真 左から栗原里奈さん、須賀分会長、富田翔子書記長【4月13日 東京西部ユニオン事務所】)

 3月31日、〈解雇やめろ! 非正規職なくせ! 生きられる賃金よこせ! 3・31春闘・渋谷アクション〉が120人の参加で行われました。3月31日をもって雇い止め解雇をされた東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会・須賀分会長は終日のストライキに立ち上がり、かけつけた職場の仲間とともに解放感あふれるデモの先頭に立ちました。
 アメリカンアパレル分会の最初の闘いについては本誌2012年10月号を参照して下さい。
 アメリカンアパレルは米国ロサンゼルス発の世界有数のウェアメーカーで、世界270カ所に店舗があります。日本では東京・渋谷に本社があり、神奈川、大阪、福岡など全国で展開。国内外資系アパレル産業の3本の指に入るといいます。このあとインタビューでたびたび名前が出てくるキャサリン・ジョンソンという女性は、アメリカンアパレルのアジア担当責任者です。日本法人の社長は日本人ですが名義貸しにすぎず、全実権は彼女が握っています。現在22歳(!!)。
 アメリカンアパレル分会は、2012年8月20日に起こった須賀さんへの解雇通告に対して結成され、8月31日には解雇を撤回させました。そのあと、須賀分会長、富田翔子書記長の二人が働いていた自由が丘店の閉鎖に対してもスタッフ説明会を開催させたり、さまざまな成果を勝ちとってきました。こうしたなか2月26日の団交席上で、会社側は、須賀分会長の雇い止め解雇を通告してきたのです。
 インタビューは、須賀分会長、富田書記長のほか、デモにも参加した職場の栗原里奈さんと、西部ユニオン執行委員の北島邦彦さんも同席して行われました。

――まず、3・31解雇撤回・渋谷デモの話から聞かせて下さい。
須賀 ストライキをしたことが今あらためてすごいことなんだって実感してます。ストライキをして渋谷をオキュパイして街宣したことは、すごい原則的なことをやっているんだけど、本当はみんなやるべきことですよね。非正規ってストライキができるってこともわからない。会社に対してこれがおかしいと思うから私はストライキしますってことを自分自身でできたのが重要。ただ今日休みますと言って普通にデモに出たのとは違う。決戦、勝負の日だったというのが、すごくリアルな感覚でありますね。
――具体的なエピソードを教えて下さい。
富田 ストをやろうと決めたのは、3・31まで2週間切ってました。
須賀 すごいギリギリでしたよね。テンション上がった。ストいいなあって。
富田 31日までに職場で何をやれるかを考えてました。組合員ではなくても、一緒に何ができるのかが一番焦点でした。
須賀 なんかすごかった。代官山店のオフィスの人に「ストしますんで、ヨロシク」ってスト通告書に書いて渡した。

 ♪仲間が好きだ ♪仕事が好きだ

――デモに職場から8人が参加したそうですが、みなどういう感じで来てくれたんだろ?
富田 デモ終わった直後に参加してくれた子ほぼ全員で飲み会をやったんですけど。女の子たちが首を賭けて来たっていうような悲壮感はなかった。デモってこんなに楽しいんですねって。
 参加してくれた栗原さんはどうですか?
栗原 他のみんなとは違うかもしれないけど、須賀さんが31日にストライキ、デモをやるぞということで、参加したら自分も首になるかもとかは一切考えず、何ができるんだろうっていう一心で。
 3・11があったときに、思っているけど、実際何かできるってことまでは大きくいけないんじゃないかってすごい思ってたんです。でも、そういう秘かな思いがちょっとずつちょっとずつほぐれていって絶対に一人ひとりできることがあるなって。去年の7月16日の「さようなら原発10万人集会」のときにすごい鳥肌がたったんです。10万人以上が集まって自分がその10数万人分の1なんだ、自分がそこに来たからその1になったんだみたいな。
 そしたらやっぱりこの解雇撤回のデモも一緒で。今回のデモは須賀さんの解雇撤回のデモだけど、でもそれは実際私たちみんなに同じようにかかわっていることで、関係ないことじゃなくて、みんなつながっている、という一心でした。私たち若いアパレルの人とか他の非正規で雇われている人たちみんなの声の一致として参加しました。
須賀 写真を見るとみんな笑っている。何に爆笑してるんだろうみたいな。
富田 コールを寝ずに考えた。テンポよくアメアパに関してもある程度どうひどいのか訴えつつ、♪パワハラ・セクハラ・賃金カット、♪やりたい放題ブラック企業、♪それがアメアパ、ほんとのアメアパ、みたいな。これイケる、みたいな(笑)。
 それに加えて、♪仲間が好きだ、仕事が好きだ、人間らしく生きたいだけだ、と思い浮かんだとき! 私にコールの神様が降臨されて、キタ━━(≧▽≦)━━ ッ !!!って(笑)
 これを渋谷のど真ん中で叫べたら気持ちいいよなっていう内容を持って行けたことがよかった。初めてデモに参加した子もあれはどうやって考えるんですかとか聞いてきたり。やっている最中に栗原さんが、♪ハナコが好きだ、って加えるわけですよ。泣きますよね。北島 みんな泣いてた。
富田 ハナコを返せってコールしても沿道の人にはわからないんだけど、自分たちがそうやってまとまっていく、もっとつながっていくんだっていう思いは、ポジティブなことですよね。いっしょに組合をやって闘ってもなかなか勝てない。実際に解雇されちゃうし。というなかでも何がこんなにデモ中に爆笑するほど楽しいのかって。
須賀 スカっとして今最高ーっみたいな。
富田 叫んでいる内容が自分たちのフィーリングにぴったり来るから、なんか本当にそうなんだよ。デモ的にも気持ちいいコースだと思ったけど。ただたんに会社が憎いとか、会社が大嫌いだから怒れるんじゃなくて、仲間がすごい大事で、こんなに仕事をすることそのもの、仕事をさぼりたくて、働かないで金がほしいんじゃなくて、仕事が好きだからそれに納得いく賃金がほしいし、仕事が好きだから私たちの仕事を台無しにされて資本に対する怒りがあるってことなんだと思った。
須賀 最初はおしゃれなブランドだからやってみようとかそういう感覚でアパレルやる人多いけど、実際人間って仕事をこなしていって仲間ができて新しい先輩や後輩ができて一緒にやっていくことが誇りになるじゃないですか。非正規や派遣はそれも奪われちゃう。働くことの誇りも奪おうとしている。実際私に解雇がふりかかってきて、こういうふうに働く喜びとかを奪う社会だなって。
富田 それに対する怒りなんだよね。だって非正規だってこんだけこんなにお金もらえないのに、こんだけ仕事が好きで自分たちの仕事に誇りを持っているんだぞっていう感覚をつかめるんだなって思いました。
 それをみんな共有できたのがデモに一緒に出てくれた女の子たちだから、その次の週から須賀さんの自宅で分会会議をやることにしたんです。もう彼女とは職場では会えないから。そこにみんな来る。ご飯食べながら、みんなで情報を共有したりするところに行こうって。そう思える仲間の感覚がある。
(写真 3・31春闘・渋谷アクションに出発【代々木公園】)

 2度目の解雇理由のデタラメさ

――そもそも、須賀さんだけが雇い止めにされている直接の理由は何ですか?
須賀 去年8月の解雇をめぐる団体交渉で撤回したレジミスをまた理由に持ってきた。今回2月の私が解雇と言われた団交では、須賀さんはワーニング(警告)を4回も出されているからとまた言ってきて、いやいやそれは撤回したじゃんって。その言い合い。次の団交では、代官山店でのパフォーマンスが悪いからとか付け足しみたいな感じで出してきた。
富田 解雇通告をされたのが2月26日の4回目の団交です。2月20日の団交でまず要求したのは差し迫っている3月31日の契約を更新しろってことだったんですよ。あと10日間ぐらいしか1カ月前まで時間がないから。ひょっとして組合に対して雇い止めをやってくるんじゃないかって11月頃から構えてた、3月まで団交を延ばすというのはそれが腹にあるからじゃない?みたいな。そしたら2月26日の団交で「契約は全員更新します、須賀さん以外」みたいな言い方をしてきた。
北島 言っていることは基本的に業務上のレジミス。
富田 8月の解雇のときは、向こうはワーニングを3枚用意して解雇をやってきたんですけど、それは今回の雇い止めでは使えないわけです。「同じ理由で2回処分できないよ」って話をしたら急にそれを撤回してきて、新しい理由を出してきた。それには別にワーニングもついてなければ代官山店に来てから口頭で注意を受けたミスがあるぐらいな話です。しかも、その論拠は、うちのマネージャーを26日の解雇通告の後に呼び出して聞き出したことだという。解雇した後に理由を探してきている! 具体的な雇い止めの理由を文章にして出せってやったら、小学生の作文みたいな理由書しか出してこない。そこで団交が止まっている状態で解雇だっていう。

 労働組合で生き方が変わった

――メーデー実行委員会の場で、須賀さんが労働運動に対するイメージが変わった、ものすごい豊かなもので楽しいって言っていたけれども、その点について聞かせて下さい。
須賀 アメリカンアパレルで働き始めて最初から活動とかしていたけど、もしうちの職場で組合とか作ったらどう組織していくのかとか、どう闘っていくのかとか、イマいちイメージできなかった。みんな非正規だし、学生もたくさんいるし、若い子ばっかりだし、作ること自体難しいんじゃないかと思ったんですよ。プラス動労千葉とか鈴コンのようには闘えないんじゃないかって思ってたから、ちょっとあきらめてた面もあった。
 あと、4年前に全労連の組合が失敗していて、周りの人から組合を作るっていったときにけっこう止められたというのもあって。
――ネットで調べてたら、2009年に全労連全国一般に全国で100人のアメリカンアパレルの支部が組織されたとあった。
富田 そうです。大阪がベースだったみたいですね。大阪青年ユニオンといっしょにやったみたい。
――そこの組合とか入っている人とかいないの、職場に?
富田 4人一気に解雇。それもキャサリンがやったんですけど、マネージャー的な人まで切られて、さすがにみんなが怒って、当時の日本法人の社長がおまえら俺を敵に回してもいいから組合作れって言ったらしいんです。
須賀 親分肌の社長だったらしいんです。
富田 で、みんな、全労連の組合の人と相談しながら団交を申し入れて、団交にほとんどの従業員の組合員が出たんですけど、結局会社側の弁護士だけが来て、「おまえら仕事しろ。職場に戻れ」みたいなことを言ってきたら、それを組合側が受けちゃったわけです。みんないったん帰らされて、結局弁護士同士の団交になった。
 みんなはすごい盛り上がったんですよ。大阪店では17人で1時間の時限ストをやってます。なんでこの組合に入った子たちのエネルギーをもっと生かせなかったんだろう。半年以上裁判が続いて勝ちとれたのは4人のそれぞれの1カ月分の賃金だけだったという。
 みんな怒っちゃって。組合に対しても怒っちゃって。みんな一斉にやめたんですよ。会社もやめたし、組合もやめた。
――そういうことか。それはネットには出てこない。
富田 でもそれがけっこう会社には打撃だった。大阪店はほぼ全員がやめて、1〜2週間は店舗が回らなくて大赤字を出した。そのときに組合に入っていた人がひとり、今私たちの組合員なんですよ。日本にアメアパができてから7年間、ずっと非正規で働いている男の子がうちの副分会長。何人かは残っているんですよ、ただみんな組合に傷つけられてるから、最初は私たちの組合にもみんな入ってくれないと思ってました。
須賀 「やってもたぶんアメアパだからムリっしょ」みたいな感じで。けっこう悶々として、いつ作るか作らないか。でも上の人たちはクソだってわかってたから、このまま何かやめようかなと思ったのも何度も何度もあったし、でも何か私の解雇をきっかけに団体交渉とか始めて、どんどん、どんどん直接的な闘いになってる。
富田 最初の自由が丘店の闘争で解雇撤回したんで、副分会長は「闘えば勝てるんだ」って。自分たちでやった方が勝てるんだという感覚をつかんで、分会に入ってくれた。
須賀 目の前に敵が出てきて、その瞬間に向きあわなくちゃいけない現実、すぐ反撃しなきゃいけないみたいな状況を突きつけられて、毎回こなして応じていって解雇撤回してというプロセスだった。それは、もし今までの組合に入ってなかった自分だったら逃げてたようなことだった。自分の生き方が本当に問われるんですよ。だって逃げようと思えば逃げられるじゃないですか。もうやめるから終わりにしようみたいなことはいくらでもできるけど。やっぱそうじゃないんだっていう。
 組合やりながら闘っていることイコール反原発だし、新自由主義を変えていく一歩なんだっていうのが毎回実感できて、それが自分の生活と職場とつながっているってことがものすごく豊かだなっていう感じが、このまえ31日までやって感じたことです。
 今解雇されたからまた新たな段階に来ているんですけど、ものすごい勢いで半年間の間にこなしていきながら、けっこうきついものもあったんですけど、でも仲間とかもすごい増えて一人仲間が増えると嬉しいし、人間とものすごく向き合うし、それは私の中でものすごいことだなと。修行であり、楽しいし、闘いだしみたいな。
(写真 「解雇撤回! 仕事が好きだ! 仲間が好きだ!」と渋谷の街をデモ【3月31日】)

 従業員代表選挙の闘い

――就業規則の従業員代表選挙をやったと言っていたじゃないですか。そこで過半数を取っちゃってるんでしょ。さらっと言っていたけど、すごいなと思って。
富田 それが3月の闘いだったんですよ。
須賀 うちらが3・11で福島に行っている間に、急に本部からメールが来てて。
富田 12日までの3日間で投票しますみたいな。あたしも須賀さんも栗原さんも3・11に合わせて休みを取っているので、いないわけです。
須賀 プラス3月頭に雇い止めと報告されてて。ただでさえ大変になってるときに、この選挙の話も来て。
富田 時系列で言うと、夏の時点から就業規則を変えると言っていて、有期雇用社員に対する就業規則はそもそもなくて、それをちゃんと組合と協議してから作って出せという要求を9月ぐらいからしていた。11月に申し込んだ団交は結局、2月まで行われなかった。そのあいだ向こうは作ってたわけですよ。組合が要求して作らせたものだから組合には草案を出してきた。「これ通すとしたら従業員代表員選挙ってやらなきゃいけないんだよ、
キャサリン、わかってる?」って言ったら、「あ、そうなのね。やるわ」みたいな感じで。やるってなったら組合には何の予告もなく3・11に合わせるようにやってきたから、それに対しては抗議をして「やり直せ」と。組合からちゃんと候補者を出すと。こっちも解雇撤回の方に頭が行っているし、就業規則を読んでもどこをどう突いたらいいのかわからないし、今かよって大変だったんですけど、逆にこの代表選挙に勝ったら、その代表の首を切ることになるということがあって、とりあえず代官山は須賀さん、渋谷は副分会長を候補者に立てて、周知してから選挙をやり直せとやった。そしたらやり直してきた。向こうも対立候補を出してきた。とはいっても対立候補が須賀さんに「やめないでよ。やりたくないんだけど」っていう男の子。
 だから、この選挙を須賀さんに勝たせることが解雇撤回の勝ちにもなるんだみたいなこともふくめて話をして、「入れてね入れてね、あたしに入れてね」と言って回って、20人中11票。向こうに入ったのは6票、後は無効票。
――細かいことだけど、投票はどういう形式でやったの?
富田 投票のやり方もすごいもめて。
須賀 めちゃくちゃだもん。
富田 メール投票。無記名じゃないし。
須賀 誰に入れてるかってことを管理者だけがわかる。
富田 しかも操作できるじゃんって話になったんですよ。最初の団交のときは紙で箱を置いて専用の箱と専用の紙でやれと要求したんですけど、2回目にはメール投票にするんだと。結局はメール投票になったんですけど、うちらは全員に出口調査をして、証言を取って、これで須賀さんが落ちてたら不正選挙だとやろうとやってたんですけど、結局、当選メールが来た。あと5日で解雇なんですけど…みたいな(笑)。
――かなりこれで組織化をやったんだね。
富田 そうですね。面白かった。投票の権利があるから参加できるという形の闘争になったし、わかりやすかったですね。
 労働委員会を同時にやっていた方でも従業員代表に選ばれてるなかでの雇い止め、明らかに組合員つぶしだという話ができたし、労働者委員の人も向こう側の使用者委員の人も解雇撤回したらみたいな、ことは言っていて、で、会社側は金銭解決みたいなことを言い出す。
――3億円出すなら解決してやってもいいとか言ってたね(笑)
北島 労働者委員に言ってやんの。苦笑いしてた。
一同 笑
(4月13日、東京西部ユニオン事務所にて収録)
 次号に続く
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 アメリカンアパレル分会 闘いの経過

2005年6月1日 アメリカンアパレル日本法人設立
2012年8月20日 須賀さん(当時自由が丘店副店長)に解雇通告。
2012年8月20日 須賀さん、富田さんが組合結成。
2012年8月29日 須賀さんの解雇通告の撤回を求めて弁護士会館で団体交渉開催。
2012年8月31日 解雇撤回
2012年9月20日 弁護士会館で第2回団体交渉。自由が丘店閉店の説明会開催の約束勝ちとる。
2012年9月24日 説明会。
2012年10月   3組合員が代官山店に異動。
2012年11月8日 団体交渉申し入れ。正社員化、就業規則の改定について。
2013年2月7日 東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立て。
2013年2月20日 第3回団交 組合員全員の契約更新を要求
2013年2月26日 第4回団交 須賀分会長の雇い止めを通告
2013年3月4日 第5回団交 雇い止めの理由を追及
2013年3月11日 就業規則改定に関わる従業員代表選挙。
2013年3月26日 須賀分会長が代官山店の、副分会長が渋谷店の過半数代表に決定。
2013年3月31日 須賀分会長雇い止め、終日指名ストライキ&渋谷デモ
2013年4月19日 第6回団交 雇い止め理由破綻

(初めての社前闘争【1月7日 アメリカンアパレル渋谷本社前】)

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月刊『労働運動』(278号6-1)(2013/05/01)

新体制の下、ストライキで闘った動労西日本13春闘

組織拡大へ大きく前進!

国鉄西日本動力車労働組合 書記長 山田 和広

 はじめに

 動労西日本は、今年1月の第6回定期大会で青年部と近畿支部準備会を結成し、青年が中心の執行体制を確立しました。また、組合員の範囲をJR西日本を中心に、JR東海・四国・九州、同エリア内にあるJR貨物、それらの関連会社の労働者に拡大し、また、組織拡大に向けて青年部で組合加入リーフを作成し、JR西日本の新入社員をはじめ各職場へ配布してきました。

 3・15広島スト

 

(写真 大江委員長が五日市駅でストに決起【3月15日 広島市】)

動労西日本は、3月15日、広島印刷事業所とJR五日市駅を拠点に、岡崎組合員と大江委員長が、13春闘ストライキに立ちあがりました。外注化・非正規職化の中で、JRでは安全が崩壊しています。われわれは、かねてから「駅こそ運転保安の要!」と訴えてきました。ところが、JR資本は西も東も、「えきなかビジネス」にのめりこみ、駅そのものを外注化しようとしています。「稼ぐ!」を社是として、107名の死者をだす尼崎事故を引き起こしたJR西日本は、歴代社長が事故の責任を取らないばかりか、「経営者は安全のことなど考えなくていい。現場が考えることだ」(井手元社長)と開き直り、責任を労働者に転嫁しています。

 3・20岡山集会・デモ

 

(写真 山田書記長先頭に岡山駅中央改札に肉迫するデモ【3月20日】)

3月19日、岡山地裁に山田書記長の「解雇撤回地位確認訴訟」を起こし、解雇撤回まで闘う決意をあらためて明らかにしました。
3月20日は、「岡山駅の外注化阻止!契約社員制度廃止!山田書記長の解雇撤回!」を掲げて、JR岡山支社を包囲するデモ、岡山駅の中央改札まで肉薄するデモをおこないました。
そして岡山春闘集会を開催して、6・9国鉄闘争全国運動大集会に向かっての具体的実践方針として、「第一に1047名解雇撤回・原職復帰の10万人署名運動を総力をあげて取り組むこと。第二に、山田書記長解雇撤回裁判闘争を、正規・非正規の分断を打ち破りすべての非正規職労働者の怒りを一つに束ねる闘いとして、絶対に勝利させる」ことを確認しました。

 3・25大阪レールテックスト

(写真 赤松副委員長が外注会社レールテックでストに決起【3月25日 大阪市】)

レールテック(JR西日本の保線と土木部門の外注会社)に強制出向させられている赤松副委員長が、JR西日本とレールテックの外注体制を転覆していく歴史的ストライキに断固として立ち上がりました。スト当該の赤松副委員長は、「JR西日本は外注化に矛盾があるのを知りながら、団交回答は全く誠意がない。外注化は必要ない。これを認めないのは経営者だけだ。労働者はみんながそう思っている。外注化は低賃金と長時間労働のためだ。このストは外注化をやめさせる闘いだ。さらに外注化をつぶすストライキを闘いぬく」とストの意義と今後の闘いを提起しました。
このストライキは、JR労働者だけでなく、橋下による民営化に怒る大阪市営バス労働者をはじめ、大阪市全体の労働者の圧倒的な共感を得る闘いとなりました。

 4・14四条畷駅スト

 

(写真 中西組合員が四条畷駅ストに決起【4月14日 大阪府大東市】)

「尼崎事故弾劾! JR西日本は労災の事業主証明をおこなえ! 外注化阻止・契約社員制度撤廃!」を掲げた中西組合員のストライキは、4月決戦を切り開く闘いとして打ち抜かれました。
中西組合員の病気は、尼崎事故直後の異常な職場環境と強権的な労務支配によって引き起こされた精神疾患です。この労災認定闘争は、国鉄分割・民営化の必然的帰結としての尼崎事故責任を追及する闘いです。
スト当該の中西組合員は、4ページになるスト宣言をつくり、JR西日本への怒りとストの決意を明らかにしました。
第6章結び
安倍政権の成長戦略は『公務員制度改革』『雇用の流動化』です。労働者の賃金を削ることが成長戦略になっています。もっと民営化しろ、もっと非正規職に突き落とせということです。この現実に本当に立ち向かわなければなりません。
動労西日本は、国鉄1047名解雇撤回闘争とともに、外注化阻止・契約社員制度廃止・雇い止め解雇撤回に向けて闘う決意です。
6・9国鉄全国集会へ全力で結集しよう!

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月刊『労働運動』(278号7-1)(2013/05/01)

労働者の根源的革命性と戦闘性を示したニッキ13春闘ストライキ

JAM日本機械工業労働組合 山口弘宣

(写真 ストライキ突入【3月26日 東京都八王子市】)

 13春闘で資本と激突

 13春闘は政府・資本の「満額回答」という労働組合を否定し、労働者の反乱=ストライキの禁圧攻撃のなかで闘うことになった。自らの職場で新自由主義と全面的に対峙する関係に入ったのである。春闘を闘い抜くには、交流センター派と職場労働者との怒りの共有を目指した決起が必要であった。だが、労働者の決起はわれわれを凌駕するものだった。労働者の根源的革命性と戦闘性にわれわれが必死に追いつく闘いでもあった。そして、4年ぶりのストライキは、この現場労働者との結合のなかで実現されたのである。
 3月18日の回答指定日に会社が「回答を用意していない」ことが分かり、交渉を打ち切ったが、この事態に組合員は「許せない」と争議行為通告を出すことを執行部に要求した。執行部はこの組合員の怒りの声を受け、即日に争議行為通告を提出。23日からの争議行為体制をつくった。
 19日は「賃金カット解消」を求めて交渉するが、会社は昨年の約束を無視して一時金の上積みしか考えていなかった。そして会社回答が示されたが、賃上げは昨年と同額、一時金は昨年より1万円増、賃金カット戻り分は昨年より200円増というものであった。これは、従業員一人当たり月1000円程度の増額に過ぎなかった。
 3期連続の利益を出しているなかで、この程度の回答に対して執行部は激烈に反応。120時間以上の残業を強制させ、正社員採用の約束を破って子会社からの出向で置き換えようとし、賃金カット解消を先送りする会社への怒りが爆発した。執行部は「約束を守らない会社とは交渉できない」と席を立ったのである。拡大闘争委員会でも会社の対応の不誠実さに怒りの声があふれた。その後、この子会社からの出向問題は大きなものに発展する。
 21日に職場委員が朝ビラを行い、昼には決起集会が開催され、会社へ回答前進を迫ったが、会社はすべてを居直り、対応は変わらなかった。わずかな上積みで会社は妥結しようとしていた。数年間の低額回答に組合員の怒りも爆発し、23日からの出張・残業拒否闘争が決定された。最終職場はまだ残業体制のままであったが、「会社に打撃を与える」ことを組合員は望んでいた。
 しかし、23日に出張・時間外拒否を設定しても会社は、回答を前進させなかった。「親会社の意向には逆らえない」と言うのが理由である。まさに株主優先の新自由主義的な理由である。利益は一切、労働者には配分しないという強欲な新自由主義そのものだった。だが、日機の労働者は屈しなかった。ストライキへの要求が急速に高まり、闘争戦術のエスカレーションを招いた。

 4年ぶりのストライキへ

 25日には短冊に組合員が抗議の意見を書き、工場内に「我々の声を聞け!」と張り出した。ステッカー闘争である。会社は後に撤去を要請してきた。しかし、それでも会社は回答を前進させなかったのである。会社は相変わらず100円か200円の増額しか認めなかった。この会社の強固な対応に対して組合員は「ストライキ」を要求し、全員の力で低額回答を打破する行動を選択した。
 26日のストライキ当日は、30人でビラまき行動を行い、会社に決断を迫ったが、会社は回答すら用意していない状況であった。そこへ子会社からの出向問題が再燃し、交渉は決裂し、1時間前倒しのストライキへと突入したのであった。
 会社役員室前には職場を放棄した組合員約100人が結集し、シュプレヒコールをあげてストライキ突入を宣言した。職場委員一人ひとりの決意表明後、構内デモに打って出た。組合旗と青年女性部旗を先頭に「春闘勝利!要求貫徹!」のデモコールを工場内に響かせながら10分間のデモを行った。執行部の決意表明もいつにもなく気合の入ったものとなった。
 だが、1時間のストでも会社は回答を変えなかった。長期戦になることを執行部も組合員も覚悟をし、長期の闘争体制をつくることにし、ビラまき体制の縮小で対応しようとしたが、組合員から「明日はまだ全員でまこう」と提案があり、再度30人体制で朝ビラをすることになった。
 執行部は闘う意思を継続する組合員の姿に、再度、会社への圧力攻勢に打って出た。「賃上げ1000円上積みで決断しろ」と、決断できない会社に代わって決断を促した。百円玉の論議しかできない会社に、千円札を乗せさせることが可能かどうかはわからなかったが、半日ストライキを突きつけて親会社への説得を促した。
 会社は棚卸の決算が間近であり、半日ストの回避に動き出した。27日に社長が親会社に出向き、説得に出かけたのである。結果的に会社は組合の求める賃上げを飲んだのである。組合員も「1000円上積みであれば納得できる」と闘争終結となった。
 結局、この春闘では賃上げが前年より1000円増額され、賃金カットは昨年の倍の金額が戻された。一時金も総額で昨年を越えた。子会社からの出向禁止は労使の協定になった。正社員採用は今年前半までに数人採用することにもなった。
 そして、最大のものは、組合員の決起の実現である。ある種、執行部や交流センターをのりこえる戦闘性を発揮し、労働組合の本来の力を作り上げたと言える。執行部が迷う中でも、職場の労働者は意気軒昂と闘う方針をつくりあげていた。労働者の決起と革命性は無限である。やはり、交流センターの発展は、職場闘争の中にあると実感した春闘であった。
(写真 構内デモに立つ日機の労働者【3月26日 八王子市】)

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月刊『労働運動』(278号7-2)(2013/05/01)

労働委員会の勝利命令を武器に会社と闘うぞ!

坂野康男 東海合同労働組合東和交通分会分会長

(写真 2013年春闘要求書提出行動。東和交通社前でシュプレヒコール。一番手前が坂野分会長【2月7日 名古屋市】)

 全国の仲間の力の勝利

 2010年9月28日に申し立てた東海合同労組東和交通分会の愛知県労働委員会闘争は、2年6カ月の攻防を経て3月18日付で命令が出され、6つの争点で2つの勝利命令を勝ちとりました。この勝利は、東海合同労組の団結した力と全国の仲間のみなさんの支援による勝利です。みなさんの支援に感謝します。

 出勤時間の差別的な適用に対し勝利命令

 「平成23年1月13日付で被申立人が坂野分会長と今西分会員に対し、同月16日以降の午前7時、午前8時、午前9時以外の乗務開始を禁じたことは、組合員に対する不利益取扱い及び組合運営に対する支配介入にあたるか」の争点では、出勤時間の限定が不利益取り扱いと支配介入にあたると認定されました。「坂野と今西が主に夜間に乗務していたこと……本件出勤時間変更指示は賃金の減少を招くものであり、不利益性が認められる」「異動対象者として坂野、今西を人選したことが、合理的であったとまではいえない」「『坂野、今西が朝7時から9時に出勤しない場合、乗務させないこと。今枝営業部長』と書かれたメモ用紙があったことは……坂野、今西に対してのみ出勤時間を厳格に遵守させようとしていたといえる」などとして組合差別を認定しました。ここでついに勝利命令を手にしました。大きな勝利です。

 勝利命令は大きな武器

 命令の主文は次の内容です。「1、被申立人は平成23年1月13日に申立人の組合員坂野康男に対し行った出勤時間の変更指示をなかったものとして取り扱い、今後、出勤時間の変更指示について、申立人の組合員を他の乗務員と差別して取り扱ってはならない。」「2、被申立人は、申立人に対し、下記内容の文書を本命令書交付から1週間以内に交付しなければならない。『記 公休出勤現金支払制度の改正の際の貴組合員への対応は労働組合法7条3号(支配介入)に該当する不当労働行為であること、平成23年1月13日に坂野康男、今西章夫に対し為した出勤時間の変更指示は、同条1号及び3号(不利益取り扱いと支配介入)に該当する不当労働行為であることが愛知県労働委員会で認定されました。今後このような行為を繰り返さないようにします。』」「3、その余の申立ては棄却する。」
 この勝利命令は、出勤時間の適用や制度改定にあたり少数組合を差別的に取り扱って組合活動を妨害したことを違法と認定したものです。また会社は上記文書=「謝罪文」を組合に交付してきましたが、これは会社の違法行為を自ら認めたということです。組合は、会社と闘う大きな武器を手にしました。職場の攻防や団体交渉などで、この武器を活用していきます。

 代理人選任をめぐる闘いの意義

 「被申立人の代理人選任をめぐる対立により、平成22年7月20日以降、団体交渉が開催されなかったことは、被申立人による正当な理由のない団体交渉拒否にあたるか」の争点では申立ては棄却されましたが、代理人選任をめぐって争ったことは組合の団結権と団体交渉権を堅持する意味で決定的でした。
 2010年春闘要求書をめぐる4回の団体交渉では、それまでの労使協調の多数派組合ではない労使対決型の東海合同労組の登場に会社は恐怖しました。愛知県はトヨタ城下町の労使関係=同盟型労使協調組合しか認めない風土が蔓延しているのです。
 4回の団交で追いつめられた会社は、第5回団交を前に経営法曹会議とつながる2人の弁護士を代理人に立て団体交渉をめぐる組合運営に対する支配介入を行ってきました。代理人が「貴組合の人数も同数を求めます」とか「出席者をFAXにて予めお知らせください」と要求し、組合の団結権と団体交渉権を解体しようとしてきました。労使対等の原則と言いながら実際は労使対等ではない中で、組合員や組合から委嘱された闘う仲間の団体交渉への参加が徐々に増えていくことが会社にとって脅威だったということです。
 代理人選任手続きをめぐる争いとは、実は組合の団結権と団体交渉権をめぐる争いだったのです。全国で争われているこの攻防の核心を、わが組合もつかんだということです。 また労働委員会での証人尋問では、会社側証人に「団体交渉に弁護士が参加していますが、それはあくまで代理人として助言をしてもらう趣旨である」と言わせました。会社を飛び越えて代理人が居丈高に組合の団結権や団体交渉権の破壊を行うことに一定の歯止めをかけたものとして大きな意義があります。
 組合は、以上の地平を切り開いたことを確認した上で、「謝罪と代理人選任通知」の要求を一旦留保して、2013年春闘要求書を議題にした第1回団体交渉を開催しました。組合は労働委員会での証人尋問で会社側が「代理人は助言する立場である」と証言したことを指摘すると、代理人は「代理人としての権限を有していることには変わりないですが、これからは会社に対する法的なアドバイザーとして会社の許可を得て発言します」と言いました。組合は、ここまで会社と代理人を押し込んでいるのです。「謝罪と代理人選任通知」の要求で救済命令は勝ちとれませんでしたが、団体交渉の攻防で勝利しています。

 勝利命令の地平から組織拡大へ!

 組合は、会社の「謝罪文」を組合掲示版に大きく貼り出しています。タクシー乗務員が「良かったね」と声をかけてきます。会社管理職は意気消沈し、今までとは一変して組合に対しておとなしくなっています。
 4月6日には勝利命令祝勝会を開催して組合員と地域の仲間と共に勝利命令の意義を確認し、勝利の美酒で乾杯しました。勝利命令は、組合員と地域の仲間を勇気づけています。組合は、この勝利命令が切り開いた地平を打ち固めて、組織拡大に結び付けていきます。
 動労千葉、動労総連合の外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働反対の1〜3月ストライキと3・11反原発福島行動、4・26自治労ストライキなどが5・1新宿メーデーを歴史的な闘いに押し上げました。東海合同労組は、全国の闘う仲間と共に6・9国鉄闘争全国運動大集会へ総力決起します!

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月刊『労働運動』(278号8-1)(2013/05/01)

■ひめじょおん――女性部から

相次ぐ賃下げ、現職死亡の過重労働に怒り

中野区職労組合員 樫村美恵子

 年度末に退職金の400万円にものぼる大幅削減攻撃もあったばかり。さらに苛酷な賃金7.8%カット攻撃が始まっています。
 退職金攻撃では現場の労働者の怒りの前に一定の縮小がありました。しかし、特別区では職層に応じてポイント制が強化され、「区政への貢献度」に応じて退職金が上層部ほど手厚くなるという成績主義は貫かれました。賃下げと同時に、任用制度やポイント制により、「一生懸命働いて昇格しないと給料が上がらない」と労働強化がセットなのだと、あらためて思い知らされました。
 この時期は、教職員のかけこみ退職も職場でも話題になり、「そのような状況にしむける当局がおかしい」と誰もが怒り、教員に理解を示していました。
 23区の現業部門では、6年前の賃金9%カットに続く、退職金削減、さらに7.8%賃下げ、本当に生活もできない状況になろうとしています。 現業職場では、子どもの大学の学費を払うために互助会に借金をする人もいます。また、4月から始まった学校用務の民間委託により、用務職は、副校長の隣に1日中座っているだけ、副校長の補助的な仕事をするだけという話も友人から聞きました。
(写真 公務員賃下げ反対の4・12公務労協集会で宣伝)

 保育職場で2名の現職死亡の衝撃

 私の保育園の職場では、一緒に働くパートさんの交通費の上限がこの4月から700円と定められました。時給も最低賃金スレスレと低いのに、わずかな交通費の削減と本当に納得いきません。
 また、この1年間で起きた、衝撃的だったことは、保育園職場での2名の現職死亡です。昨日まで「元気」に働いていた人が今日はいなくなる。男性職場で聞くような話が、女性職場でも起こり始めたという感を抱きました。
 退職不補充に伴い、高齢化が進んでいるのに、仕事は忙しくなるばかり。「宝くじが当たったら仕事を辞められるのに」「今日は寒いの? 更年期で体がほてってよくわからないわ」とそんな会話。「宝くじが当たっても仕事を続けたいね!」。そんな会話ができる日は夢物語なのでしょうか。

 賃下げ絶対反対こそ現場の実感

 4・26自治労スト方針は現場には全く下りていません。7.8%賃金カット問題もまったく知らされていません。この問題を話すと驚くばかり。「アベノミクスって誰のためのもの?」とダイレクトに安倍政権への怒りの反応が返ってきます。
 区長会と組合執行部だけの交渉で事が進められていて、特別区は今すぐのことじゃないと闘いません。許せません。
 公務員にかけられた7.8%賃下げ攻撃は、全労働者にかけられた攻撃です。競争や分断ではなく、労働者の団結で、ストライキで、賃下げ絶対反対で闘うときです。それがすべての労働者の実感です。
 4・26スト、4・27連合メーデー、5・1メーデーとこの過程を頑張っていきたいです。

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月刊『労働運動』(278号9-1)(2013/05/01)

■地平線―反戦共同行動委員会―

安倍政権の歴史の改ざん・改憲攻撃を許すな! 5・18〜20沖縄現地闘争へ!

宮里勝博 沖縄−本土をむすぶ労働組合連絡会

 天皇と4・28「主権回復の日」を許さない

 日帝安倍政権は4・28を「主権回復の日」として天皇を抱きこみ式典を行おうとしている。これはこれまでの「4・28沖縄反戦デー」として闘いとられた4・28を180度ねじ曲げ、日帝安倍政権の改憲と侵略に道を開くもので絶対に許してはなりません。 そもそも天皇は天皇メッセージで米帝に沖縄を売り渡し延命し、日帝は日米安保条約締結で沖縄を米軍支配下に置くことで沖縄を「侵略基地の島」に変貌させた張本人です。沖縄労働者にとって今日の沖縄を強制し、在本土沖縄労働者にとっても戦後の米軍支配下の沖縄では職が無く、本土にパスポートを持って流出しなければならなかった「屈辱の日」として4・28はあり、天皇と日帝を共に打倒しなければなりません。
(写真 昨年の「9・9オスプレイ配備に反対する県民大会」には10万余が大結集した【宜野湾海浜公園】)

 非正規職撤廃闘争と在本土沖縄労働者の決起

 日帝による新自由主義攻撃は青年労働者のほとんどが「非正規職」で、「本土の沖縄並み雇用化」にたたき込んでいます。しかし、日帝はいまだ労働者階級を屈服させきれてはいないのです。
 「外注化・非正規職化」これと激突して現実をぶち破っていく闘いが動労千葉・動労水戸を先頭にしてつくり出されています。青年労働者・在本土沖縄労働者の「生きさせろ!」という決起は、「外注化・非正規職撤廃」闘争の中から陸続と生まれています。さらに青年労働者・在本土沖縄労働者を闘う労働組合に組織しよう。

 米軍基地撤去の闘いの本質

 戦後68年間、沖縄現地で永続的に闘われてきた「米軍基地撤去」の闘いの本質は「米帝・日帝」支配体制を打倒する闘いです。特に復帰後の「米軍基地撤去」の闘いは日帝支配の根幹を揺るがす闘いとしてあり、今もその攻防が続いています。とりわけ97年から続く辺野古新基地建設阻止の闘いは日米帝の思惑を吹っ飛ばして辺野古新基地建設そのものを粉砕し続けています。そこに沖縄−本土の労働者階級の勝利性があるのです。
 安倍−オバマ会談の普天間基地返還、普天間基地以南返還予定はペテンです。普天間基地の固定化であり、辺野古新基地建設宣言にほかなりません。あと10年後まで待てません。絶対に新たな基地建設を許してはなりません。
 すべての労働者とりわけ青年労働者は、5・18〜20沖縄現地闘争に結集しよう。5・15沖縄現地闘争を「基地撤去、外注化・非正規職撤廃」闘争として闘おう。

※5・18〜20沖縄現地闘争のスケジュールについては、3ページを参照して下さい。

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月刊『労働運動』(278号A-1)(2013/05/01)

元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風

第8回

 就業規則を見たことはありますか?

 4月4日付高知新聞に「非常勤講師組合 早大を刑事告発へ 就業規則作成『手続き違反』」の記事が掲載された。地方紙に4段の記事であるから、東京では大きく報道されたのではないか。記事は「労基法は、就業規則作成に当たり従業員過半数の代表者などの意見を聴くように定めている。そのため、組合によると、早大側は複数の正規教員に代表者候補となるよう依頼。2月、その候補の信任投票用紙を、非常勤講師控室の各講師のメールボックスに入れるなどして通知した」とある。事実であれば、組合の言うとおり違反(120条一号30万円以下の罰金)であろう。けだし、「使用者の意向によって選出された者ではないこと」(99年1月29日基発45号)「労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続」(99年3月31日基発169号)に反する疑いが濃い。「使用者が指名した候補者に対する信任投票……は選出過程……に使用者の関与があるという点で民主的と呼べないか、選出の時点における過半数の労働者による支持が明確に示されないことから、不適法な選出方法となる」(『注釈労働基準法上巻:東京大学労働法研究会編:有斐閣』)と解されている。

 多数派形成のきっかけに

 

言うまでもなく、労基法の、過半数代表者の選出手続きは、過半数を組織する労働組合が存在しない場合、少数組合であっても、選出過程で、少数組合員を過半数代表者として選出させることは可能であり、その組織運動が多数派形成のきっかけとなるのだ。
就業規則に係わっては、次のような体験がある。事業場に監督に行き、責任者に就業規則の提示を求めたところ、なんと「事務所の金庫」の中から取り出したのだ。金庫に入れてある理由を聞くと「会社の憲法ともいうべきものであり、大切なのでしまってある」と。労働者は自由に見られない状態だ。就業規則の周知義務(労基法106条)違反である。さらにあきれた体験は、窓口で受付をしていた時、多数の就業規則を見ていて、添付されている過半数代表者の意見書の字体がすべて同じであったことだ。適切に選出されていない証左である。また、「異議なし」と記載したいのであろうが、『意義なし』と書かれたものも散見される(就業規則に存在理由・意味がない、という意味合いを含めているのであろうか)
とまれ、労働者は就業規則や条例等に行動を規制されることは事実である。懲戒処分規定や賃金規定等、就業規則をじっくり読んでみるといいだろう。職場の労働者と読み合わせ何が問題であるか、討議し、そこから仲間を作っていこう。「民主主義は工場(職場)の門前で立ちすくむ」そのような実態が書かれていないか、検討しよう。おかしな就業規則は、団結の力で変えていこう。

大野義文:1950年1月生まれ。1980.4〜2010.3退職まで、広島、山口、徳島、高知の監督署・局で勤務

 

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月刊『労働運動』(278号B-1)(2013/05/01)

■読者のページ

 ●無実の石川一雄さん不当逮捕から50年 5・23狭山集会に集まろう!

  東日本解放共闘事務局

 石川一雄さん不当逮捕50
カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 外注化阻止・非正規職撤廃! 新たな全国組織をつくろう! 5・23狭山集会
○5月23日(木)午後6時
○東京・文京区民センター(東京都文京区本郷4-15-14)

狭山現地調査にいこう

○5月12日(日)9時30分集合(午後3時終了予定)
○西武新宿線・狭山市駅改札口
○歩きやすい服装、帽子、飲み物を必ず持参のこと。
○現地案内は、部落解放同盟全国連合会杉並支部が行います。
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 ●動労千葉労働学校 第13期労働学校日程

■基礎講座
◆階級的団結論−労働者の生き方
5月18日(土)13:00〜
講師 森尾 誠(社会問題研究家)
「万国の労働者、団結せよ」は階級的労働運動の核心である。時代認識、路線、階級的団結について提起し、勝利の展望を明らかにする。
■実践講座カリキュラム
◆開校式 2013年5月25日(土)13:00〜
◆10・1外注化攻撃と国鉄闘争全国運動
5月25日(土)13:30〜
講師 長田 敏之(動労千葉書記長) 増田 明生(労働運動研究家)
動労千葉12年間の外注化阻止のたたかいの地平と国鉄闘争全国運動の展望
■場所
DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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 ●編集後記

 2011年のストライキは史上最低の57件▼2013年は間違いなく増加する。特に自治労ストは現場の大流動化、連合の瓦解―日本労働運動大再編情勢を促進する▼職場闘争が大衆闘争のダイナミズムとかみあい発展する情勢に身震いする(う)

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月刊『労働運動』(278号C-1)(2013/05/01)

Photo Documennt 2013年3月〜2013年4月

 被曝労働絶対反対! ストライキ貫徹!

3・25茨城
動労水戸は、勝田車両センターで午後4時から1時間の時限ストライキに立った。放射能で汚染された車両(K544編成)にかかわる一切の作業・被曝労働の強制を許さないためのストライキだ。翌26日の作業に対しても、全組合員が抗議スト。渦巻く青年の怒りとともにJRとMTSを貫く被曝労働絶対反対の闘いへ。

 スト貫徹! 賃下げ阻止!

4・8広島
連合広島官公部門連絡会主催の県庁前集会へ広島労組交流センターは15名で登場し大情宣活動を展開。結集してくる組合員は、ビラをどんどん受け取り、「絶対許せない」「ストライキやりたいですね」と解雇撤回・JR復帰署名にも続々と応じ、1時間半で80筆が集まった。現場には怒りと闘いの意欲が充満している。

 国際連帯で侵略戦争阻止を!

4・14神奈川
横浜市鶴見公会堂において第24回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会が開かれ、在日・滞日外国人を先頭に450人が結集。米日による朝鮮侵略戦争策動が激化するなか、民主労総ソウル本部とともに、国境を越えた労働者階級の団結こそが戦争を阻止する力であることを宣言した。

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