「月刊労働運動」 2013年/08月/01日(No.281号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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「なにがなんでも!全原発廃炉7・11東京集会」がNAZENの主催で行われ、350人の参加で大成功した。織田陽介事務局長は「労働組合と市民が手を取り合って進む新たな反核・反原発運動をつくろう」と訴えた【7月11日 東京・杉並)

◎労働者の目 1047名解雇撤回!JR復帰! を闘い!
追悼 荒木淳事務局次長田中康宏 代表運営委員、二本柳実 教育労働者部会代表
山本太郎選挙が切り開いた圧倒的な階級的地平と展望 東京西部労組交流センター 北島邦彦
国鉄改革のすべてが国家的不当労働行為だった! 「解雇撤回・JR復帰」の10 万筆署名で9・25 判決を迎え撃とう! 国鉄闘争全国運動事務局
被曝への階級的怒りを解き放つ動労水戸ストライキ 辻川慎一 代表運営委員・動労水戸副委員長
◎国鉄闘争史上最大の決戦! 解雇撤回10 万筆署名で職場から反撃を開始しよう! 国鉄分割・民営化に反対し、1047 名解雇撤回を共に闘う国労の会
◎JP労組第6回大会の焦点は何か 星野勝紀さん(東京・銀座郵便局)に聞く
◎非正規組合員の権利を剥奪する三教組本部に職場、分会から怒りが爆発! 三浦半島教育労働者部会 葛本京子
◎新たな地平での団結をうちたてよう!9・8徳島刑務所包囲デモに大結集を! 徳島労働組合交流センター
◎「団結して闘えば勝てる!」「俺たちは奴隷じゃねぇ!」 7・15 鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長 吉本伸幸
◎ひめじょおん ◎元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風=@第11 回 月夜の晩だけではない
◎戦後労働運動史の中から 第2回 生産管理闘争 伊藤 晃 日本近代史研究者

ひめじょおん−女性部から ――女性部から 東京労組交流センター19 回女性部総会が成功

読者のページ ◎8・15 労働者・市民のつどいへ ◎動労千葉労働学校 第13 期労働学校日程 ◎マンガ
 ※「地平線」は休載しました

月刊『労働運動』(281号1-1)(2013/08/01)

1047名解雇撤回! JR復帰! を闘い!

中村 仁 常任運営委員 動労千葉執行委員

 5月8日、東京高裁・難波裁判長は、すべての証人申請を却下し、一切の事実調べを拒否して動労千葉の鉄建公団訴訟控訴審の結審を強行した。「国鉄分割・民営化」が国家的不当労働行為によって行われた事実が白日の下にさらされることを恐れた国家権力が裁判所とぐるになって、そのことをなかったことにしなければと躍起になっている。絶対そんなことは許されない。
 先日、動労千葉と弁護団との打ち合わせがあり、難波裁判長の反動結審に対して、弁論再開の申し立てを8月22日(木)15時に行うことを決定しました。
 新たな証拠として「国鉄改革前後の労務政策の内幕」なるものにおいて明らかになったことは、井手正敬と葛西敬之が斎藤英四郎JR設立委員長を訪れ、停職処分を受けた職員を排除する基準作成を要請し、最終的に斎藤委員長の指示で国鉄(葛西)が不採用基準を作成したという事実であり、この証拠は、「国鉄とJRは別法人」のウソを明らかにしました。この事実を知る葛西、井出の証人申請が絶対必要であることを強く訴えていきます。
 高裁の9月25日の判決に対する「解雇撤回・JR復帰の判決を求める要望書」への多くのみなさんからの署名が力になっています。本当にありがとうございます。ぜひ10万筆を東京高裁に叩きつけたいと思っています。引き続きご協力をお願いします。
 JR東日本で働く動労千葉組合員は、国鉄当時に駅の営業職に強制配転されている仲間、ライフサイクル攻撃で駅に強制配転されている仲間、そして外注化で強制出向されている仲間が現場で歯を食いしばって闘っています。現場の闘いと、1047名解雇撤回の闘いを労働者の立場に立ちきった団結≠ナ粉砕し実力で原職復帰・JR復帰を勝ち取ります。
 安倍政権が狙う最大の攻撃は、「国鉄方式」による社会まるごと民営化です。そして、解雇・賃下げ自由化で資本のツケを労働者に押しつけようとしています。だからこそ国鉄分割・民営化攻撃を曖昧に終わらせず絶対反対で闘うことが、そのすべてを打ち破る団結の力になるのです。
 福島の原発事故とその後の福島の仲間への国家的犯罪を絶対許さず、沖縄の仲間と共に闘おう!
 弁論再開を勝ち取り、9・25反動判決許さず闘います。

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月刊『労働運動』(281号2-1)(2013/08/01)

追悼 荒木淳事務局次長

 

6月22日未明、長年交流センター運動を担ってこられた荒木淳・全国労働組合交流センター事務局次長〈本名・廣海晶さん〉が急逝されました。これから彼の力が思う存分発揮される時代が切りひらかれたのに、本当に残念でなりません。
荒木さんの遺志を継いで闘うべく、7月13日に全国労組交流センターと教育労働者部会の共催で「お別れの会」を行いました。
以下、田中康宏代表運営委員と二本柳実教労部会代表のお別れの言葉を掲載いたします。(編集部で編集を行いました)

 田中康宏 全国労働組合交流センター代表運営委員

 私は交流センターで荒木さんと一緒に闘ってきました。荒木さんは学者肌と言いますか、天才肌のところがありまして、私が「ちょっとこのことについて調べてくれないか」というとすぐ図書館に飛んでいって、あらゆる資料を全部読み尽くして、それをまとめて、完璧なものを作ってくれるといった感じでした。
 しかもそれがなにか高邁な理論を並べるというよりも、現実の労働者の闘いに即したものが出てくる。彼が書いた情勢分析というのは難しいことを並べているんではなくて、労働者が置かれた現実そのものからこの社会の腐りきった有り様を暴きだしている。誰が読んでも、この社会はこういう仕組みになっていて、それで僕らがこんな目に遭っていたんだということが分かる分析でした。
 また、荒木さんは交流センター教労部会を担当しておりまして、私は教育労働者に対する攻撃が激しく始まって以降、「日の丸・君が代」の強制など、教育そのものを国家主義で締め上げていく攻撃と同時に、教育の民営化がこの攻撃のもう一つの柱になるということをずっと思って参りまして、そのことを何度も荒木さんと話をしました。そのことについて荒木さんに「全面的に調べて、これから教育労働者が立ち上がっていくときに土台になるようなものを作ってくれないか」ということをずっと話をしてきました。
 私が本当に残念でならないのは、彼の力があれば、いま教育労働者が置かれた現実に立ち向かう、その土台になるようなものが、間違いなくすばらしいものとして出来たんではないかと思うわけです。そうしたことが残念でなりません。
 それにしても若すぎます。彼は、活動家、革命家としては本当にすばらしい素質の持ち主で、清貧を貫いたようなところがありました。これはこういう運動に携わるものにとって無くてはならないことだと思います。活動にすべてを捧げて、自分自身は本当に無私の思いで、しかもそれが自己犠牲というのではなくて、彼の生き方そのものだった。自分としてもこういう生き方を学び、彼の分まで生き抜きたいと思っております。
 それにしても今の時代は本当は彼が一番求められていた時代です。この闘いの続きは僕たちが引き継ぐしかないと思っています。国鉄闘争も26年間かかっていよいよ国鉄分割・民営化がなんだったのかという真実を暴くところまできました。国鉄の次は教育だと言ったのは中曽根です。仇はとらなければいけません。彼の分まで闘う決意を述べて私のお別れの言葉とさせていただきます。
(写真 荒木さんの遺志を継いで闘うことを誓った「お別れの会」【7月13日 千葉市・DC会館】)

 二本柳実 全国労働組合交流センター教育労働者部会代表

 彼が福岡にいたころから20年以上のつきあいになるかと思います。1995年に東京に出てきてから教労部会を一緒にやり始めて、本当に仲間として、同志としていろんな論議をしてきました。さきほど、田中委員長から「天才肌だ」という話もありましたが、非常に理論家でもあり、現場で起きていることを彼は必死になってつかみ取って、それで終わるのではなくて、「二本柳さんこの本読まない?」といって、「この本を読んでつかんで欲しい」ということを何度も言ってきました。ともに学んで、共に運動をつくってきた仲間だと思います。
 時間がないので二つだけ話をします。
 私たちが国際連帯闘争で訪米をした際に、いろんな資料を用意しなければならなかった。当然にも日教組の状況をアメリカの労働者は知らないわけですから。荒木さんは訪米しなかったんですが、そのための資料を用意するという作業を一生懸命やってくれました。不明なところがあれば国会図書館に行って確かめて、そういう作業を本当に僕たちが見えないところでも地道に努力をして積み上げてくれた人です。ですから彼をぬきに訪米闘争はなかった。これも個人的ですけれども、今度もし僕がアメリカに行くようなことがあったら荒木さんを連れていこうと思っていました。 部屋の中にだけ閉じこもっている人じゃない。もっと表に出てバンバンやれる人なのに。本当に縁の下の力持ちじゃないですけれども、教育労働者部会の基盤を地道に積み上げて確固たるものとして作り出してくれた人だと思っています。彼のいなくなった穴は埋められないでは終われないですから、全力で教育労働者部会あげて彼の穴を埋めきって、それだけじゃなくて、革命的時代に入った訳ですから、あらためて飛躍していきたいと思います。
 もうひとつ。荒木さんには三浦半島にも足繁く通ってもらいました。僕は三浦半島では責任をとろうとしている立場ですから、はっきりいって悪い面ばかり見ちゃうんですよね。でも彼は良い面をひとつひとつけっこう言ってくれるんですよ。そんなことないよ、こうじゃないかって。そういう意味で言うと、組合権力闘争を9年あまりにわたって闘ってきました。これはけっこう辛く厳しい闘いでもある。勝てるの?っていつも聞かれて。でも今の時代に日教組をひっくり返す勢力はどこにいるのかということを本当に実体的な意味で語ってくれたのは、荒木さんだと思っています。
 最後に、彼が長年の間に積み重ねてきてくれた教育労働者部会の基盤を本当に守り抜き、大きくし、飛躍台にして必ず三浦半島にも階級的労働運動の旗を掲げること、それを通して神教組を変え、ストライキで闘う日教組をわれわれの手に取り戻すことをお誓いして荒木さんへのお別れの言葉とします。

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月刊『労働運動』(281号3-1)(2013/08/01)

山本太郎選挙が切り開いた圧倒的な階級的地平と展望

東京西部労組交流センター 北島邦彦

 山本太郎さん当選! 歴史的大勝利!

 7月21日に開票された参議院議員選挙東京選挙区において、無所属の山本太郎さんが66万6684票を獲得して当選した。歴史的な大勝利である。この選挙闘争の結果は、日本階級闘争に圧倒的な地平をもたらしている。「1000万人と切り結んで100万人を動かす」壮大な闘いは、議会選挙という形態ではあれ、私たちをはじめ日本の労働者人民総体に、革命的蜂起≠ニ言いうる歴史的かつ階級的な経験を共有させたのである。
 私たち労組交流センターは、衆院選を含めてこれまで数々の議会選挙を闘ってきた。昨年末の山本太郎さんの衆院選東京8区においても、短期間ではあったが全力で支援して闘ってきた。しかしそれらの闘いは、50万人を対象とするものにとどまっていたことも事実である。今回の参院選東京選挙区における闘いは、日本の全人口の1割を対象とするまったく桁違いに規模の大きな、文字どおり国政選挙への挑戦であった。階級的労働運動が国政選挙の場において、ついにみずからの時代認識と路線を検証する闘いに突入したのである。時代認識と路線を形成する闘いは、それ自体として並大抵のものではなかったが、それが1000万人の労働者人民を対象にして具体的に問われることになった。階級的労働運動の実践として、広範で豊かな視座が求められたのである。この選挙闘争に主体的に参画することで、労組交流センターは運動的にも組織的にも大きな飛躍をかちとったことに確信をもちたい。
(写真 支援者に囲まれVサインで当選の喜びを表す山本太郎さん【7月21日】)

  交流センターも全力決起で闘った

 今回の山本太郎選挙を特徴づけているのは、膨大な数のボランティアが闘いに結集したということである。私たち労組交流センターも多くの仲間がボランティアとなって、街頭で事務所でスタッフとして闘いを共にした。
 とにかく壮大な規模の闘いであり、いくつかの闘争課題が本当に貫徹できるのかどうか、雲をつかむような感覚があったのも確かである。しかし、30万枚の法定ビラをまききり、9万5000枚の選挙はがきを郵送しきり、20万の電話オルグをやりきった。とりわけ印象的だったのは、公示当日の掲示板へのポスター貼り活動であった。都内1万4000ヶ所(ちなみに、杉並区は520ヶ所)の掲示板に午前中をもって掲示しきることが目標であったが、なんと99.8%をすべてボランティアの力で貫徹したのである。感動的な闘いだった。ボランティアの数は、最終的にはゆうに1200人を超えている。私たちはこの壮大な大衆決起の渦巻きの中にわが身を置いて、多様な人たちとの信頼関係を形成しながら闘った。さらに広く階級≠フ実体を具体的につかむ、そうした経験でもあった。
 わが労組交流センターにとって重要だったのは、会員の「全員決起」を目標にして闘ったことである。山本太郎事務所のボランティアとして闘うのみならず、全国で様々な闘いが取り組まれた。
 杉並選挙における支持者名簿の掘り起こし活動―電話かけ、職場における選挙オルグ、全国から行われた都民である友人・知人への選挙オルグ……。今後の労組交流センター運動にとって(とりわけ東京労組交流センターにとって)有意義であったのは、従来の杉並選挙とは異なり、ほとんどすべての職場労働者を対象にした選挙オルグをすることのできる選挙闘争だったということだ。これまでの壁・枠≠越えることによって、職場における新たな関係性を築いていく端緒をつかみ取れた。職場における国鉄決戦としての9・25までの残り2ヶ月決戦突入への基盤をつくりあげることに、山本太郎選挙は大きな役割を果たしたと言うことができる。
(写真 選挙戦最終日、山本太郎候補の街頭演説会に数千人が集まった【7月20日 渋谷ハチ公前】)

  労働組合を甦らせる闘いとして

 山本太郎選挙のもうひとつの意義は、連合の足下を徹底的に切り崩し、現場組合員の階級的活性化を高揚させる闘いとしてあったということである。
 そもそも民主党政権崩壊―都議選惨敗によってボロボロになっていた連合東京であるが、今回の参院選東京選挙区においては完全な分裂選挙を強いられ、現有2議席を失うという惨敗を喫した。連合東京全体としては民主党・鈴木寛を推しながら、その中軸である自治労都本部は無所属(民主党公認取り消し)・大河原雅子を支持する醜態を晒した。
 こうした状況に嫌気のさしていた現場労組活動家に対して、東京労組交流センターと一般・合同労組全国協の労組選対活動は、大きな影響を及ぼす闘いとなった。闘う労働組合の再生という私たちの課題があるが、その基盤をつくる闘いとして大きな成果をかちとったのである。いよいよ連合を足下からひっくり返していく機運が高まっており、ここにこそ山本太郎選挙を私たち労組交流センターが担った意味があったと言っても過言ではない。
 山本太郎選挙は労組交流センターにとって、運動的にも組織建設的にも汲めども尽きぬ教訓に満ち満ちている。それを活かすも殺すも私たちの闘いにかかっている。動労千葉9・25鉄建公団訴訟控訴審判決の勝利をもってそれを実証しよう。最後に、階級的労働運動の前進にこそ次期統一地方選挙勝利の核心があることを確認して、選挙闘争の現場からの直後的報告としたい。

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月刊『労働運動』(281号4-1)(2013/08/01)

国鉄改革のすべてが国家的不当労働行為だった!

「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名で9・25判決を迎え撃とう!

国鉄闘争全国運動事務局

 動労千葉の鉄建公団訴訟控訴審は9月25日、東京高裁において判決を迎えます。国鉄1047名解雇撤回闘争の26年の闘いは、国鉄分割・民営化の真実に手が届く、すべてを暴き出すところにきています。
 1審東京地裁では、採用候補者名簿を作成した国鉄職員局補佐(当時)の伊藤嘉道氏に対する証人調べが行われ、当初は動労千葉の組合員12人が採用候補者名簿に記載されていましたが、職員局次長(当時)葛西敬之(現JR東海会長)が「停職6カ月、または停職2回以上」の不採用基準に該当する動労千葉や国労の組合員を名簿から外すよう指示した事実を証言で明らかにしました。
 昨年6月29日の判決では、「名簿不記載基準の策定は不法行為であり、名簿不記載基準が策定されなければ被解雇者はJR東日本に採用されていたはず」とする画期的な判決をかちとりました。
 東京高裁では、この1審判決の地平の上に、国鉄改革法23条の「国鉄とJRは別法人」という仕組みが百パーセント大嘘であり、国鉄とJR設立委員会は最初から一貫して謀議して不採用基準の策定と採用名簿の作成を一体で行っていた事実を突きつけました。
 国鉄改革法23条は「国鉄がJRに採用される候補者の名簿を作成、これに基づきJR設立委員会が採用を通知する」と規定しており、採用をめぐるJRと国鉄の権限を書き分けることで選別採用の仕組みをつくり、〈国鉄とJRは別法人〉という虚構をデッチあげ、さらに不当解雇・不当労働行為の責任がJRに及ばないようにしたのです。
 これは戦後労働法制や不当労働行為をめぐる長い闘いの歴史の蓄積を、根幹を破壊する前代未聞の暴挙でした。
(写真 動労総連合の強制出向無効確認訴訟の口頭弁論を前に東京地裁に「1047名解雇撤回!」「外注化・強制出向粉砕!」のコール【7月3日】)

 国鉄改革法23条との全面対決

 葛西は著書『国鉄改革の真実』で、「難問、職員の『振り分け』方法の解決(1985年8月)」の節で次のように語っています。
 1985年段階の国鉄職員は31.5万人。それに対してJR各社の採用人員総数は21.5万人。実に10万人が「余剰人員」とされたのです。この10万人を新会社JRから排除し、残りを6社の旅客会社と1社の貨物会社、国鉄清算事業団に振り分けることは、当時の葛西らにとっても「手探り状態」でした。
 葛西は「分割民営化ついては、国労は反対。動労はそれまでの反対を表向きは崩していないが、早晩賛成に転じていく気配。鉄労は賛成であった」「そのように見解を異にする労働組合を束ねつつ、要員合理化を進め、希望退職を募集し、雇用対策を行い、その上で職員を各JRと国鉄清算事業団に『振り分け』る。この作業は法律論の面から見ても、労務的に見ても、スケジュールのタイトさから見ても、まさに前人未到、至難の業だった」「これを見事に解決してくれたのが、法務課の法律専門家だった」「職員局の担当したあれだけの問題が、法律的には驚くほど完璧であったのは、彼の専門家としてのアドバイスに負うところが大きい。その最大のものが職員の配置だった」と語っています。
 「法律専門家」と葛西のやり取りは以下のとおりです。長いですが全文引用します。
 〈我々が手探りをしている間に、彼は唯一の現実的なやり方を考えてくれていた。「分割の際の職員の各会社への配置方法は難しいですね。本人の意思に反して『お前はここに行け』というのは法的に不可能です。名実ともに本人の意思に従って分かれていく形でなければならない。これをやれる方法はたった一つしかない。それは何か。国鉄という法人格が国鉄清算事業団と一体であり、分割されて生まれる七つの新会社は文字通り新たに設立され、新たに必要な要員を採用して事業を行うのでなければならない。すなわち、国鉄職員は全員が自動的に国鉄清算事業団に引き継がれることになる。新しい会社に応募し、採用試験を通って採用された者のみが、新しい会社の社員として入っていく。つまり本人が会社を選ぶのです。国鉄は設立委員会の依頼を受けて採用事務の手伝いをする。具体的には設立委員会の示す採用基準に基づいて希望者に推薦順位をつけ、その名簿を出せばよい。国鉄総裁が『お前は東海、お前は東日本に行け』などと命令を下して、それが『憲法に保障されている職員選択の自由に違反しているのではないか』と訴えられたら、命じた方が負ける。唯一の方法は、『国鉄イコール国鉄清算事業団』であり、『新しい会社は名実ともに新設の法人である』という仕組みしかありません」というのが彼の意見だった。その案を聞いたときに、目からウロコが落ちたように、「ああ、そういうことなのだ」と思ったものである〉
 国鉄を解体して全員を解雇し、新会社JRが新規採用というかたちで選別する――この常識を土台から覆す手法によって、20万人(狭義でも10万人)の国鉄労働者が職場を追い出されたのです。葛西には賛成・反対の各労組をにらみながら10万人の合理化をどう貫徹するのかに強い問題意識があったことは明らかです。

 「国鉄とJRは別」は大ウソ

 その後の国鉄とJR設立委員会のやり取りは総裁室長だった井手正敬(元JR西日本社長)を囲む懇談会の議事録『国鉄改革前後の労務政策の内幕』で赤裸々に語られています。
 「我々はこのチャンスに、管理体制の立て直しをすべく……過去に何回も処分を受けたものは、やっぱりこの際、排除したいという気持ちが強かった」「そこで(斎藤JR設立委員長のところに)葛西君と出かけて話しに行って……まず、選考基準に合致しなかった者は駄目なんだということにしよう。そして選考基準は、斎藤さんが作れというので、不当労働行為と言われないギリギリの線で葛西が案を作り、それを斎藤さんに委員会の席上、委員長案として出してもらい、それは了承された」
(写真 写真左:葛西敬之・元国鉄職員局次長、写真右:井手正敬・元国鉄総裁室長。2人は当時のJR設立委員会委員長・斎藤英四郎と共同謀議し、「不採用基準」を作成した)

 「国鉄改革」は労働組合の協力で成り立った

 しかし、国鉄改革法が最初から万能の力をもっていたわけではありません。国鉄分割・民営化の暴力的遂行と労働組合の屈服と協力によってある種の「生命力」を持ったのです。 この枠組みに全面的に協力したのが動労・革マルでした。動労・松崎委員長は分割・民営化の前年1986年、鉄労・全施労・国鉄総裁と共に「労使共同宣言」を発表しました。〈国鉄改革に労使の立場を超えて取り組み、ストは行わず、合理化・余剰人員対策にも協力する〉というものでした。動労・革マルは国鉄改革法の枠組みの中で分割・民営化に全面協力し、国労や動労千葉への卑劣な攻撃を展開したのです。
 「国労や動労千葉は新会社には採用されない」と徹底的に恫喝し、年配の労働者に対しては「後進に道を譲れ」と退職を強要しました。その結果、予想外の定員割れが起きるほど多数の労働者が国鉄職場を去ったのです。
 そして定員割れが確実となり、分割・民営化反対を貫いた動労千葉や国労が全員採用される状況を前にして、「全員採用など認められない」という特別決議(鉄道労連)まであげて当局に不採用を激しく迫ったのです。
 さらに、国会審議の場においても、JRと国鉄の関係について、〈JR設立委員会が採用基準を策定し、JR設立委員会の委任を受けて国鉄側が採用名簿を作成する〉と説明されました。このことだけでも解雇の実態がJRに及ぶことは政府自身も想定していたのです。この認識は引用した葛西の著書からも明らかです。
 決して〈法律がつくられたら終わり。仕方ない〉ではなかったのです。矛盾・弱点はたくさんありました。
 だからこそ政府・自民党は、国労に対して国鉄改革法23条への「屈服」を執拗に迫ります。1998年の5・28判決は「国鉄とJRは実質的に同一であるとはいえない」「不当労働行為があったとすればその責任は国鉄にある」としましたが、この判決を契機に自民党など4党は「JRに法的責任なし」を認めるよう迫りました。国労は数度の大会を経て4党合意を受諾し、1047名解雇撤回闘争の切り捨てに向かいます。そして、「4・9政治和解」までに行き着いたのです。

 新自由主義を打ち砕く決定的闘い

 国鉄の採用差別−不当解雇の構図と経過の全体像を明らかにできる局面を26年を超える闘いは掴みつつあります。上述の証拠に基づいて、葛西や井手らの証人調べを行えば、誰が、どういう経緯で、どんな目的で1047名解雇を強行したのかが明らかになるのです。
〈国鉄改革法を同じスキームでやっているから大丈夫〉と議論された社会保険庁の解体・民営化に伴う525人の分限解雇処分についてもこの間、3割が取り消されています。国鉄方式の解雇の違法性を示す決定的な事態です。
「国鉄改革」の真実を暴きだし、その核心を撃ち抜く闘いは、安倍政権や大阪・橋下らの国鉄方式のエスカレーション攻撃を粉砕する決定的な転換を生み出します。日本階級闘争を転換する決定的な闘いです。
長きにわたり1047名闘争に心を寄せ、支えてきた多くの人びとに、この決定的な局面を伝え、その内容を訴えることが必要です。国鉄闘争全国運動はこのたびパンフレット『暴かれた真実/国鉄改革のすべてが国家的不当労働行為だった』を作成しました。8月22日には、東京高裁に対して弁論再開の要求行動を行います。9月中旬には集会とデモも計画しています。
何よりも「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10万筆署名を裁判所に突きつけたいと考えています。
(写真 動労千葉の分割・民営化反対ストを宣言する中野洋委員長【1985年11月17日 日比谷野音】)

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 署名用パンフ『暴かれた真実』が発刊!

 国鉄闘争全国運動は、「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名のためのパンフレット「暴かれた真実/国鉄改革のすべてが国家的不当労働行為だった」を発行しました。
このかんの動労千葉の闘いに踏まえ、「国鉄とJRは別」という国鉄改革法23条のからくりは実は大嘘で、国鉄とJRが最初から一貫して共同謀議して不採用基準の策定と採用名簿の作成を一体で行っていたことを暴き出しています。
「暴かれた真実」を国鉄闘争を闘ってきた一人でも多くの人に伝え、9・25判決にむかって10万筆署名を集めきりましょう。
*問い合わせは国鉄闘争全国運動事務局まで。
千葉市中央区要町2−8DC会館内 043−222−7207
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 動労千葉鉄建公団訴訟 8・22弁論再開要請・署名提出行動

8月22日(木) 午後3時 東京高裁前(午後2時20分集合)
東京高裁民事12部・難波裁判長に対して、弁論を再開し、不採用基準を指示・作成した葛西敬之(元国鉄職員局次長、現JR東海会長)、江見弘武(元高松高裁長官・現JR東海監査役)らの証人を採用し、すべての真実を明らかにさせることを要求します。

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月刊『労働運動』(281号5-1)(2013/08/01)

被曝への階級的怒りを解き放つ動労水戸ストライキ

辻川慎一 代表運営委員・ 動労水戸副委員長

 新自由主義の全面的破綻と革命的情勢の到来

 新自由主義の破綻の下で世界中で生きさせろの闘いが広がっている。その危機と矛盾は、発端のアメリカ帝国主義においてとりわけ深く、「危ない」と言われてきたデトロイト市が破綻した。
 日本では、安倍政権が、福島第一原発が毎時1000万ベクレルという放射線を発し続け、収束のメドさえ立っていないのに「安全宣言」を出し、原発再稼働に乗り出している。非正規雇用は2000万人を超え、貧困と飢餓がまん延している。それでもなお「規制緩和」と「民営化」が唯一の出口とされ、それが公務員労働運動破壊を水路に進められようとしている。そして、労働者階級大衆の反乱を治安弾圧でたたきつぶし、戦争を準備する改憲がもくろまれている。すべて1%の資本家と富裕層のためだ。一体どこで「折り合える」というのか。
 私たちが人生と命をまっとうするためには団結して闘いに立ち上がるしかないのだ。この時代における今ひとつの決定的真実は、2011年「3・11」以降、根源的に闘いに立ち上がる人々が、階級的労働運動を基軸に全ての虚偽を超え、深く大いなる共同性を生み出しながら鮮烈に輝き始めているということにある。6・9国鉄闘争全国運動集会から7月参議院選における山本太郎選挙とK544をめぐる動労水戸の渾身の闘いの勝利は、巨大な革命的過程のはじまりとして刻印される。東京と水戸で闘われながら、それは福島を巡る攻防そのものとして闘われ、福島の根源的怒りを全国の怒りとして解き放つ闘いであった。動労水戸の闘いはついに郡山工場の労働者の根底的階級性に結びついた。福島−郡山−いわきの生きた団結を生み出しながら、今秋の外注化決戦から来春の福島第一原発10`圏の竜田(楢葉町)延伸阻止決戦は闘われるのだ。その基軸はやはり国鉄労働運動だ。
(写真 勝田車両センターで弾劾闘争【7月16日】)

 労働者の怒りが交番検査を粉砕!

 K544が2011年10月に広野から回送強行されてから動労水戸が今日まで闘ってきた1年10ヶ月は、交番検査(車両検査)強行か阻止かを中心軸に闘われてきた。K544の運用を阻止してきた力は、動労水戸と青年労働者の怒りだ。交番検査をめぐる攻防とは、まさにそれが車両の運用か、阻止かをめぐる攻防点であると同時に、もっとも危険な被曝労働をめぐる攻防としてあった。それ故に、JR資本と国は、福島第一原発10`圏の竜田への延伸という恐るべき被曝の強制を正当化し、「安全」と強弁するためには、K544の「通常の交番検査」を強行する以外になかったのである。
 JR東日本会社は、7月16日に「通常の交番検査」を実施するという姿勢を変えなかった。内部被曝の問題に一切答えられず、ホコリの線量測定も拒否したままだ。
動労水戸は、職場労働者に内部被曝の危険性について、パンフレットや情報で訴え続けてきた。絶対に交番検査をやらせてはならない。交番検査強行の前日の7月15日には、終了前1時間の時限ストを貫徹し交番検査の強行を弾劾した。
 16日当日は、早朝から門前ビラ配布、さらに交番検査弾劾の宣伝行動を行った。職場では、朝の点呼で組合員が猛然と弾劾行動に立った。所長も副所長も逃げてしまい、総括助役が徹底弾劾された。
 こうした闘いの中で、交番検査開始の時間になっても作業がはじまらない。いつまでたっても通電されない、バッテリーも入らない状況が続いた。古い車両である415系の交番検査は、所定にはじまっても終業ギリギリになるので午前中が勝負なのだ。したがって「普通の交番検査」は午前中に破産したのである。さらに、11時からは、平日にもかかわらず東京・関東の仲間が大結集し、総勢150名で徹底弾劾闘争が闘われた。こうして会社はまともな交番検査など一切行えなかったのである。完全な勝利だ。

 労働者の階級性が根本から解き放たれる時代

 しかし、会社は「普通の交番検査」を行ったと虚偽を言わないならば、K544を郡山に送れなくなり、安全と言えなくなる。その一点で嘘でも、違法でも押し通さなければならなかったのである。「郡山ならばK544よりも空間線量が高いから問題にならない。送ってしまえばよい」、それこそが福島県民の被曝を容認させ、切り捨てる、許すことのできない分断の論理だ。
 郡山での車両の全般検査を前に、郡山工場の国労組合員が正当にも内部被曝について追求すると「水戸支社では安全が確認され、通常の交番検査が行われた」から安全だと言われているのである。こうしたとんでもない嘘で、郡山−福島の労働者の命と健康が脅威にさらされている。みんなかけがえのない命であり、仲間だ。絶対に許せない。こうした国労組合員や青年たちの正当な怒りや不安の声を押しつぶし被曝を強制しているのが、会社とうまくやろうとする東労組幹部であり、国労幹部であることもはっきりさせてきた。労働者を甘く見るな。
 労働者大衆が、原発や被曝に絶対反対の闘いに立ちあがるとき必ず浴びせかけられる最後の言葉が「過激派」「中核派」だ。しかし、もはやそうしたレッテル貼りが効かなくなり、既成政党や指導部が見限られていることを参議院選挙は鮮烈に指し示した。「中核派の全面支持」なるキャンペーンにも関わらず、山本太郎氏を67万人もの人が選択し、当選に導いた。国鉄闘争を軸とした労働者階級の闘いは、確実に新しい時代を切り開いている。
 動労千葉、動労水戸−動労総連合は、新自由主義の柱である国鉄分割・民営化と正面から闘い抜き、勝利し抜いてきたという点で世界でも希有な労働組合だ。そして、その闘いがあって国労組合員もまた、分割・民営化を越えて、その団結を解体されずに維持してきたのである。国労組合員の階級的団結を解体する役割を果たしてきたのは、国労の体制内指導部に他ならない。動労千葉と動労水戸の闘いを基軸に、労働者の階級性と団結を根本から解放しよう! 交流センターが軸になり、9・25反動判決を国鉄闘争と全産別決戦の爆発で断固粉砕しよう!

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月刊『労働運動』(281号6-1)(2013/08/01)

国鉄闘争史上最大の決戦! 解雇撤回10万筆署名で職場から反撃を開始しよう!

国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

 1047名解雇撤回闘争は、動労千葉鉄建公団訴訟9・25東京高裁判決にむけて最大の決戦に入りました。「不採用基準」による選別解雇は不当労働行為だという昨年の6・29判決を出した白石裁判長は左遷され、東京高裁の難波裁判長は一切の事実調べもせずに一方的に判決日を9・25に指定しました。6・29判決をめぐる控訴審の中で、動労千葉と弁護団は不採用基準そのものがJR設立委員長・斎藤英四郎の指示で、当時の国鉄総裁室長・井手正敬(前JR西日本会長)と職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)らによって策定されたという事実を暴き出しました。
 9・25判決を迎え撃つ決定的武器は、「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名です。これを私たち「共に闘う国労の会」も自らの闘いとしてやりきりたいと思います。
 組合員資格確認訴訟原告団の小玉忠憲さんに対しては、昨年10月11日に、東京高裁設楽裁判長が鉄道運輸機構訴訟で「6・29判決」を全面的に覆す反動判決を出しました。不採用基準は「基準として客観的かつ明確なもので相応の合理性がある」「停職処分を2回以上受けるということは重い非違行為を繰り返しているといえるのであるから、これらに該当する者を原則として採用に適さない者とする判断は常識にかなっている」とまで言いました。  
 ふざけるんじゃない! こうした反動を一身に受けて闘う小玉さんや共に解雇撤回を闘う羽廣さん、成田さん、石アさんから組合員権資格を奪った国労本部は解雇を推進する側にまわったのです。私たち「共に闘う国労の会」と原告4人は資本や国家権力に手を貸す国労本部を許さず闘います。
(写真 国労組合員資格確認訴訟後に開かれた裁判報告・国鉄闘争総決起集会【7月17日 文京区民センター】)

  解雇・外注化に賛成する国労本部許すな!

 いまJRには外注化・非正規職化の嵐が吹き荒れています。これとの闘いに青年の未来がかかっています。
 昨年10月1日に強行されたJR東日本の検修外注化について、国労東日本本部は「直外区分の区分け」や「偽装請負にならないようなルールを明確化すること」は言いましたが外注化そのものには反対していません。外注先への組合員の強制出向すら反対しない。
 JR東日本は今年4月に駅業務を委託する子会社として「JR東日本ステーションサービス」を立ち上げました。しかしこの施策が破たんし始めています。
 JRは上野駅、品川駅の新幹線乗り換え口をステーションサービスに委託しましたが、今度は東京駅の新幹線乗り換え口の2カ所(中央乗り換え口と南乗り換え口)を全面外注化しようとしました。出札(券売)が中央口と南口合わせて40人、改札が合わせて40人の80人規模でステーションサービス会社が募集をかけた。結果、全然人が集まらず、とりあえず6月から南口の出札のみの外注化となりました。いま、しゃかりきになって南口の改札を外注化しようと募集をかけていますがこれも全然集まっていません。
 駅の契約社員(グリーンスタッフ)を雇い止めになった若い人の受け皿としてステーションサービスを立ち上げたわけですが、若い人にとってはステーションサービス会社にいけば契約社員の時よりも10万円近く手取りが減る。手取りが14万円いくかいかないか。これでは結婚すら出来ない。とてもじゃないけどやってられないと言っています。若い人たちを食い物にして成り立っているJR東日本会社を私たちは絶対に許しません。
 さらにJR東日本は、10月1日には東京支社を先頭に、検修部門の構内計画業務の外注化、構内入換業務の外注化を新たに進めようとしています。
 すでに外注化されたところではあらゆる矛盾が吹き出しています。一元的な指揮命令系統がなければ成り立たない鉄道業務で、本来外注化は不可能であり、外注化しても本質的に偽装請負にならざるを得ません。外注化と非正規職化は一体の攻撃です。この矛盾は賃下げ、転籍、雇い止めなどすべて青年労働者に襲いかかっています。そしてこうした外注化の結果がこのかんのJR北海道での安全崩壊です。
 こうした事故の責任の一端は闘わなくなった国労本部にもあります。今年の国労大会の議案にも「闘う」という文字がどこにもない。しかも「健全な労使関係の確立」の先頭に立つと宣言しています。健全な労使関係とは一体何なのか! 国労本部は今大会で資本の先兵になる最後の関門を突破しようとさえしています。
 また、本部は「改正労働契約法を生かす取り組みを行う」などと言っています。5年間働けば有期雇用を無期雇用に転換できるという形をとりながらも、実際は5年経つ前に雇い止めにしてしまおうというのが改正労働契約法の本質です。国労本部の今の方針では、こうした攻撃を支えるものでしかありません。実際、本部は解雇者の組合員権を奪い、契約社員の雇い止め解雇に対して一切闘いません。
 これに対し全国の「共に闘う会」の仲間は職場からの闘いを開始しています。国労郡山工場支部の仲間は外注化阻止と被曝労働拒否の新たな闘いを始めました。
 さらに、労働運動の原則を守るために国家権力やJR総連・革マルらと根底的に闘ってきたことは私たちの誇るべき歴史です。あらゆる反動と対決する中にこそ国鉄闘争の勝利があります。

 分割・民営化体制の全面的破たん

 動労千葉と共に9・25反動判決を打ち砕き、「共に闘う国労の会」の組織拡大を成し遂げるチャンスが到来しています。JR貨物の夏季手当1.1ヶ月の超低額回答は国鉄分割・民営化の破綻の象徴です。貨物労働者の怒りが吹き出しています。「経営構想X」による鉄道の海外輸出を柱とした外注化・非正規職化は青年労働者の根底的怒りによってグラグラになっています。資本との絶対反対と階級的団結を作り出す闘いの中でこそ、開始された青年の反乱と結びつくことが出来ます。
 組織拡大の決定的武器として「解雇撤回・JR復帰」の10万人署名と物販を職場に持ち込み、仲間をつくっていきます。9・25反動判決阻止、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いを職場と地域で実践し、階級的団結を甦らせましょう。

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月刊『労働運動』(281号7-1)(2013/08/01)

JP労組第6回大会の焦点は何か

星野勝紀さん(東京・銀座郵便局)に聞く

聞き手・構成/編集部

 8月20日から22日に開催されるJP労組第6回定期全国大会(長野市)に向かっての決意を、全逓労働者部会の星野勝紀さん(東京・銀座郵便局)に伺いました。

 国鉄闘争は労働組合はどうあるべきか

を問う闘い
――6・9国鉄闘争全国運動の集会が開催され、9月25日の動労千葉鉄建公団訴訟の判決を迎え撃つ決戦方針が出されました。現在、国鉄分割・民営化に反対する闘いの約30年の歴史のなかで、最大の正念場を迎えています。あらためて1047名解雇撤回闘争、国鉄闘争の今日的位置と郵政における決戦方針についてお聞かせ下さい。
星野 国策としての国鉄分割・民営化以来おきていることは非正規職化と貧困の増大です。ついに日本でも非正規職が2000万人を超える事態になっています。
 さらに戦争ができる国にするための改憲問題です。世界大恐慌情勢下で国際争闘戦が激化する中で、自民党・安倍政権が考えていることは国鉄1047名解雇撤回闘争を解体して、日本の労働運動を解体し、労働者意識を解体することです。ここに来るまでに、連合中央を先頭に、多くの労働組合幹部が新自由主義政策と闘えずに、むしろ国策としてある新自由主義の片棒を担いで、労働者支配をしてきました。国鉄闘争は、国鉄の問題だけではなく、今の時代に労働組合はいかにあるべきかということを問うています。
 郵政においては、郵政民営化絶対反対、民営郵政とそれを支えるJP労組中央打倒を掲げて闘ってきましたが、この路線をもって当局が出した「郵政ビジョン2021」との闘いを具体的に展開していくことです。JP労組中央は、当局と一体となって「がんばったものは報われる」というペテンをまき散らしています。私たちと共に闘う仲間を拡大し、労働組合を現場に取り戻していくことだと思います。

 一人ひとりの問題意識をひとつの行動に高めていくこと

――郵政民営化から6年目を迎えていますが、職場から民営化絶対反対で闘ってきて、そこでつかんだことや教訓を伺いたいのですが。
星野 戦争と民営化―労組破壊と闘うという時代認識から、郵政民営化絶対反対を掲げて闘ってきましたが、そういう時代認識がないところで、絶対反対の闘いは成り立ちません。職場で起きている現実はどこから来ているのか、そういう視点がないところでは反撃もできません。全逓、全郵政が統合して、JP労組となったわけですが、かつてなら、当局も全逓敵視、全郵政擁護など職場支配のやり方も簡単だったわけですが、今はそうはいかない。人事交流―強制配転も含めて全体にかけられているということが敵のひとつの弱点です。民営化攻撃は、すべての郵政労働者にかけられている攻撃です。現場で日常的に問題になっている人員不足、ノルマの強制、事故の多発、すべての問題が全員の問題になっています。であるならば、一人ひとりの問題意識をひとつの意識にまとめあげて、行動にまで高めていくことが出来れば、反撃のチャンスはあるということです。

 限定正社員制度の先取りを許さない

――今年の大会の焦点についてズバリお聞きします。
星野 今年の全国大会の焦点は、「郵政ビジョン2021」の中身でもありますが、新人事・給与制度と、新一般職の導入を職場から阻止していく闘いを展開していくことが焦点になっています。
 新人事・給与制度の導入で賃下げと労働者意識の解体を促進し、安倍の成長戦略で言っている限定正社員の先取り的な新一般職の導入をJP労組中央は今全国大会で妥結・承認しろと言っています。
 これはおよそ労働組合が提案するような中身ではありません。民営化・規制緩和の中で2000万人が非正規職に叩き込まれ、貧困が言われている情勢下で、この問題は郵政職場だけではなく、あらゆる産別に波及していく問題です。現場から、具体的にこの攻撃の中身の暴露をやりきるのと同時に、「現場は絶対に認めないぞ」という団結を組織していくことが決戦になっています。

 職場を超えた横のつながりを

――職場に闘う労働組合をとりもどすために、これからの課題はなんでしょうか。
星野 郵政民営化をめぐってあらゆる勢力がふるいにかけられてきました。これと闘うものは、「過激派」あるいは「組織破壊者」というレッテル張りをやられてきたわけですが、「絶対反対」の路線がないところでは闘えないことがはっきりしてきました。
 世界を見れば、エジプト、ヨーロッパ、ブラジルで、万単位の労働者が闘いに立ち上がっています。どこでも闘いの先端を切り開く者は「過激派」のレッテルを張られる。そういうものです。先日の参院選を見ても、山本太郎さんも「過激派」のレッテルを張られていました。しかし、街頭宣伝を見に行けば、どの政党より聴衆が共感をもって聞き入っていました。今の時代、労働者全体の、階級の利害を貫くリーダーが求められていると思います。職場の闘いも同じだと思います。
 私たちは、JP労組中央打倒と言っていますが、その意味は現場にまともな労働組合を取り戻していくことです。わたしたちが、闘いの先頭に立つと同時に、やはり一緒に闘う仲間を拡大することが、喫緊の課題になっています。それぞれの職場で全逓部会の会員ががんばるのと同時に、職場を超えた横のつながりを作っていきたいと思います。職場は違っても同じ郵政職場の中では、共通の課題がたくさんあります。それぞれ課題を持ち寄って、討論し「こうしていこう」と方針を出せるような集まりをつくっていきたいと思います。
――ありがとうございました。
(写真 昨年6月、JP労組大会包囲のデモに立った全逓労働者部会の仲間たち)

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月刊『労働運動』(281号8-1)(2013/08/01)

非正規組合員の権利を剥奪する三教組本部に職場、分会から怒りが爆発!

三浦半島教育労働者部会 葛本京子

 私たち三浦半島教育労働者部会は、2月の役員選挙決戦の過程から、体制内執行部が進める組合規約改悪に『教育の民営化絶対反対、非正規職撤廃』を対置して闘い、会員分会を先頭に反対情勢をつくり出してきました。その闘いの中で青年の決起を生み出し、非正規職組合員との具体的なつながりもできつつあります。
 規約問題の核心は、三教組の指導部が『根幹は正規教職員が担うべき』という一点にあります。非正規率が4割にも達しようとしている現在、襲いかかる非正規化攻撃と真正面から闘わずに屈服し、正規と非正規は「違う」ことを前提にして、組合の団結に分断・差別のくさびを打ち込み、しかもそれを三教組の基本的考え方≠ノするということなのです。まさに『労働組合の路線と組織のあり方』の大転換であり、三教組をどういう組合にするのか! その選択が問われていることを組合員にどうわかってもらうかの問題です。
(写真 橋下打倒闘争に決起した三浦半島教育労働者部会【2012年9月16日 大阪】)

 「規約改悪」による非正規組合員の

権利剥奪を許さず闘う
 体制内執行部が「三教組をつなぐ」ためと称して打ち出した「五つの改革」(@組織拡大、A執行体制の再編、B組合費の見直し、C運動方針の整理、D規約の見直し)は三教組の連合化の完成に向けた組織改革です。昨年度、その集大成として「組合活動の根幹は正規教職員(正規組合員)が担う」という非正規分断、差別に満ちた団結破壊の規約改悪が提案されました。その中身は、非正規組合員は「執行部に立候補できない、分会長・中央委員・大会代議員にもなれない」、そのうえ「役員選挙、規約改正等々すべての投票権なし」という組合員としての基本的権利をすべて奪い去るというものです。
 2度にわたって行われた全分会オルグでは、多くの疑問や反対意見が出されましたが、「非正規の負担軽減」「非正規を守る」など転倒した説明で組合員を黙らせたのです。2月の中央委員会では規約改正手続きの削除を求める修正案が提出され、3分の1もの分会が修正案に賛成する情勢をつくりだしました。 しかし、体制内執行部は組合員の声を真摯に受け止めず、「人事委員会の指導(了解)のうえにすすめている」という答弁を繰り返し、改正・投票の決定を強行したのです。
 3月に行われた全組合員による1票投票は、賛成1137票 vs 反対318票。規約「改正」は承認されてしまいましたが、最終的な承認を行う5月の定期大会では、反対意見が相次ぎ、議事は紛糾。大混乱のなかでデタラメな議事運営の強行によって新規約は再び承認されました。

 団結破壊の「新規約」が「地公法に抵触」 組合員の怒りが爆発

 そして6月中央委員会。あれだけ自信満々だった新規約は、県人事委員会から「地公法に抵触する」として是正指導を受けたというのです。「ごり押し」して「改正」されたばかりの新規約はまたぞろ改定しなければならなくなりました。それも人事委員会に指摘を受けた最低限の修正「投票権のみ正規と同様に与える」という姑息な「新規約改正案」を提案し再度投票しろと言うのです。労組法や地公法の趣旨は、正規も非正規もなく「組合員は同じ権利を有する」ということにあります。そもそも規約に差別を持ち込んだ執行部の責任問題なのです。
 さらに、大会承認された「新規約」では非正規組合員に投票権はありません。にもかかわらず、今回の投票は「全組合員で行う」とし、自ら提案・決定した「規約」を自ら「破る」ご都合主義! 中央委員の指摘に書記長は、「正規組合員だけで投票したらまた『地公法に抵触』する。登録が取り消しされては困るので…」と恥じることなく答えました。
 議案には、反省も総括も一切なく、体制内はただただ「申し訳ない」と繰り返し頭を下げながら、登録の停止・取り消しになれば、登録団体としての3点の利便(@法人格の取得、A団体交渉における地位、B専従職員の設置)を失ってしまうという脅しで組合員を納得させようとしました。委員長は「『根幹は正規が担う』というコンセプトは変えない」と分断規約をつくった反省のかけらもありません。
 この規約改悪をきっかけに非正規組合員が脱退したという分会長は、「もう組合を辞めてしまった非正規の仲間にどうやって責任をとるんですか!」と怒りに震えて執行部を追及しました。また「こんなことでは今執行部の言っていることも信用できない」と困惑する分会長もあらわれました。
 秘密投票では、全員で×や白票にしようと決めた分会がいくつも出てきました。ある分会では中央委員会後「質問書」を提出しましたが、執行部からは何の連絡もなく全員が白票を投じ、別の分会では「意見書」をつくり分会有志で執行部に提出しました。さらに3人の非正規組合員が所属する分会では、分会の団結を破壊する差別規約は認められないと白票での投票を職場会で決定しました。
 しかし非正規組合員は「単なる白票では気が済まない」と投票用紙に怒りを込めて「非正規組合員なので棄権します!」と記入し、なかでも再任用組合員は赤ペンで怒りの思いを綴り、自分の名前をはっきりと書き記しました。
 体制内が三教組改革≠ニして大見得を切って強行してきた規約改悪は、はじめからボロボロです。こんなサイテーな執行部を倒すのは私たち以外にない! 
 私たちの「4カ月決戦」は、「賃下げ絶対反対! 教育の民営化反対・非正規職撤廃!」を掲げ、国鉄決戦の勝利こそ公務員決戦の核心的課題であることを明らかにすることです。より具体的には、一人でも多くの職場の仲間、とりわけ青年を獲得することだと意思一致して会員一丸となって取り組んでいます。

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月刊『労働運動』(281号9-1)(2013/08/01)

新たな地平での団結をうちたてよう! 9・8徳島刑務所包囲デモに大結集を!

徳島労働組合交流センター

(写真 写真は6・30星野集会)  9・8徳島刑務所包囲闘争の目標はただ1点。「新しい時代」にふさわしい、新しい団結を打ち立てることです。そのための時代認識と路線は明確です。階級的労働運動が、71年11・14渋谷暴動闘争の救援運動を取り組む中でさらに新たな地平が切り開かれます。

 権力のスパイ荒川を打倒した新地平での団結

 6月30日の星野全国集会で、私たちは1971年11月14日の沖縄返還闘争・渋谷暴動でデッチ上げ逮捕され、獄中38年間を非転向で闘う星野文昭さんの無実を鮮明に確認しました。とりわけ、星野闘争、国鉄闘争の破壊をねらった国家権力のスパイ・荒川碩哉を摘発し、その階級的犯罪を暴き出しました。内閣情報調査室、公安調査庁が育成したスパイ工作が全部暴かれたのです。
 星野闘争は新たな団結の地平に踏み出しました。階級的労働運動の時代認識と路線での団結がスパイを摘発し、味方に大勝利をもたらし、敵の大打撃になりました。
 荒川は、70年安保で星野さんと高崎経済大学で学生運動をし、渋谷暴動事件では星野さんらとともにデッチ上げ弾圧を受けました。1991年に出獄。本来、このデッチ上げを敵政府の「最大の弱点」として暴き、星野さんと一体で闘いの先頭に立つべき存在です。
 渋谷暴動の弾圧で、検察は警視庁の地下室で、完全黙秘を貫いている息子を父親に殴らせて、虚偽の自白をさせました。家族に手を下させる戦前以上の非人間的拷問、転向強要です。ここに、今の青年労働者のほとんどが怒ります。いまや新自由主義下の司法権力は、労働者の家族関係も弾圧、思想転向につかう、最も憎むべき集団に成り果てています。
 ところが、荒川は、これに根底から対決せず、ついには、自分も警察に家族を売り渡す行動にでました。
 渋谷暴動も含む安保・沖縄闘争と、国鉄闘争は、戦後日本の矛盾の集中点です。ここでこそ時代認識と団結が力を発揮していきます。
スパイ打倒の地平は新自由主義への勝利の地平です。スパイでは労働者を分断できませんでした。逆に階級的労働運動のなかでは「本音と建て前を使い分け」、腹の底からの一致や団結を避けるような冷めた、敵対的なあり方は浮き上がり、粉砕されたのです。
 さらに積極的に言えば、スパイを打倒できる労働者側の責任勢力が仁王立ちました。まさに、世界的労働者軍勢の勝利の到達地平です。私たちはこの新しい地平で団結できます。

 新しい時代認識での団結

 スパイを打倒したいま、世界一脆弱な日本帝国主義の中枢が恐れているのは、世界大恐慌の中で、エジプトやギリシャの労働者ゼネストと連鎖する「労働者支配と安保・沖縄」の矛盾の爆発です。2012年2・5の真冬の徳島刑務所包囲デモから1年半。大恐慌、新自由主義、3・11という「新たな時代認識」が、職場に勇気と展望をもたらしています。
 国鉄分割・民営化を基盤にした新自由主義でどれほどの私たち労働者の仲間が、精神的に追い込まれ、自死を図り、肉体を破壊され、
誇りをふみにじられてきたことか。そしてフクシマの放射能汚染。これを突き破っているのが、動労千葉型労働運動です。国鉄1047名解雇撤回と外注化・非正規化への絶対反対、ここに力があります。

 星野闘争は巨大な団結運動

 さて、9・8デモは、9・25の動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決の直前、戦後労働運動の大決戦のど真ん中で、星野さんと「集団面会」を実現するものです。それは、絶対反対路線が作り出した必然でもあります。
 国鉄「4・9政治和解」と渋谷暴動への無期懲役。ともに絶望の攻撃に「絶対反対」で「団結を総括軸」に闘いぬいてきました。「見せしめではなく、それを覆すための38年」(星野暁子さん)、「勝利するまでやめません」(国労小倉闘争団・羽廣憲さん)と当該が宣言した時、「白石事件」と「スパイ荒川打倒」という司法権力崩壊の事態がおきました。新自由主義に対して「国鉄闘争と星野闘争は頑強にたち向かっています」(「獄壁を超えて」。昨年2・5デモでの動労千葉支援する会・山本弘行事務局長の感想)との予言通りです。

 「国鉄と星野は一体だ!」と何をもっ

て職場で断言するのか
 2013年5月の沖縄集会では「星野文昭さんこそ国際連帯の象徴であり、分断を乗り越える力だ! 渋谷暴動闘争とは沖縄の労働者が命を懸けて求めた団結の姿です」と宣言しました。渋谷暴動は、労働者が単一の軍勢となり、「暴動には暴動で」国際的な団結を示そうとした闘いです。
 いま、渋谷暴動闘争をしのぐ新しい時代の中、「労働者が団結して闘争した時に、それを無期懲役の冤罪で押しとどめる構造を放置しておいて労働者階級は立ち上がれるのかということです。」(月刊労働運動2012年1月号)
 ここに階級的労働組合が星野闘争を「自らの正面課題」とする論理があります。社民や日本共産党の「労働運動と救援運動は別」論、「国家権力と対決できない労働運動と救援運動」を突破しよう。
 決着局面で絶対反対の路線を貫く。その力は団結です。外注化を無力化しているのは、外注先でも動労千葉が組織拡大して闘い抜いていることにあります。スパイ打倒に続き、国鉄1047名解雇を勝ち取り、でっち上げ無期懲役を無力化する地平を国際階級闘争の歴史に出現させましょう。星野闘争は巨大な団結運動です。無数の拠点建設の原動力です。

 友人面会を復活させ、全証拠開示運動で拠点建設を

 徳島刑務所が星野さんの友人面会をさせないことは再審への妨害です。「証拠は検察の倉庫にある」。東京高検が隠ぺいしている全証拠を開示させよう。徳島刑務所長の面会禁止の乱発は、「職場の労働者と獄中の仲間の分断」攻撃です。9・8デモで、刑務所長の弾圧を無力化する団結を作り出そう。獄壁をはさんで星野さんと向き合おう。必ず壁は崩壊する。拠点建設を実現し、階級的労働組合の団結の力で、「あと2、3年で取り戻す」ための星野全証拠開示を勝ち取りましょう。
 --------------------------------------------
沖縄米軍基地に絶対反対で獄中38年
無実の星野さんを取り戻そう!

 9・8徳島刑務所デモ

日時:9月8日(日)12:30
場所:徳島市入田 春日橋たもと
(徳島市役所入田支所・入田コミセン北側)
主催:9・8徳島刑務所デモ実

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月刊『労働運動』(281号A-1)(2013/08/01)

■闘う合同・一般労組

「団結して闘えば勝てる!」「俺たちは奴隷じゃねぇ!」

7・15鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会

東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長 吉本伸幸

 私たち鈴コン分会は、7月15日に豊島区民センターで鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会を行いました。
 司会は東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会の青年2人で、元気な開会挨拶で始まりました。
 昨年の共闘会議結成から常に我々と一体で労組まわりと組合活動に動き回っていただいている、呼びかけ人花輪不二男代表から主催者挨拶。連帯の挨拶を動労千葉、動労水戸からいただきました。外注化の破綻、1047名解雇撤回闘争、被曝労働拒否の闘争とストライキ、職場で仲間と共に絶対非和解で闘うと国鉄闘争と鈴コン分会闘争が一体となる挨拶をいただきました。
 この1年間の激闘の中で呼びかけ人も増えました。呼びかけ人の皆さんから、さらなる共闘会議会員の拡大と鈴コン分会の職場での組織拡大、闘争勝利だと発言が続きました。共闘会議拡大、発展の闘いから首都圏広域労働組合連絡会(首広連)が結成されました。ついに、東京、首都圏から鈴コン分会のように職場で闘う労働組合が誕生を始めました。会社で社長、管理職は一人ひとりの労働者を大切にはしません。ましてや、賃上げや労働条件を良くしようとは考えてもいません。タダで長時間、サービス残業をさせ、こき使おうとしか考えていません。そして、正社員を非正規職にし、たてをつかせない、ものを言わせない、滅茶苦茶な働き方しかさせません。こんな会社や管理職に黙って耐えることはないのです。職場の怒りの声を集め、首広連の仲間が続々と職場から労働組合を結成して立ち上がりました。本当の労働組合が出来てきました。職場の無法、違法な状態を闘う労働組合で変えていきましょう。その力が社会を根底的にひっくり返していく力となります。
 鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会のメインは職場から共に闘う仲間と労働組合の発言です。10労組の仲間が元気に堂々と発言を行いました。
 全ての仲間が、自らの職場で闘っているから苦しみや悲しみ、悔しさが共有できるのです。闘っているから、闘うことの素晴らしさがわかるのです。共闘会議、鈴コン分会、首広連、青年等すべてが一体となりました。本集会から新たな仲間との繋がり、闘いと展望、大いなる野望がひらめき、構想が広がっていきます。

 ついに労働者人民の根底からの怒りの決起が始まった

 いままさに革命的選挙情勢です。一人ひとりの労働者、青年が真剣に社会を変えたいと考えています。少し前までは、「仕方がない」「世の中を変えることなど出来ない」等々と絶望がペテン的に流布されていました。このことも、全てマスコミが屈服し真実を知らせないためでした。新聞もテレビも真実は一切報道しませんでした。
 そして労働組合が闘いを放棄した結果です。組合の幹部は会社の上層部となれ合い、自分だけの自己保身に走り、折り合いをつけていく。会社と労働組合は絶対非和解であることを忘れていって招いた結果が非正規職2000万人の増大です。年収200万円以下、その日暮らしで生きていけない状況で自死に追い込まれていく現実。しかし、この参議院選挙過程で労働者は気がついたのです。国や会社は労働者を守らないし、労働者の生活は考えていない。「命より金儲け」「大企業の利益優先」ということが明白になった。福島県民200万人が福島原発事故で生きることの苦しみと闘っているのに、まだ国策の原発を稼働させ、新規建設を行うとしている。国も誰も責任を取らないし取れない、ごまかす。
 ついに労働者人民の根底からの怒りの決起が始まりました。首都・東京が革命情勢に入っています。国家を根底から転覆する時代が来ました。
(写真 135人が参加した鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会【7月15日 豊島区民センター】)

 鈴コン解雇撤回闘争の勝負を決する年に!

 鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議結成1周年集会はその真っ只中で行われました。
 鈴コン分会の4年間は、組合結成から職場での激闘の中、決して負けないで闘い抜き、新たな共闘の仲間を次々と増やしていきました。2009年7月結成と4ヶ月後の組合分裂攻撃と田口組合員解雇。2011年8月田口組合員無念の逝去と9月27日のストライキ。これに対する処分・解雇攻撃と真正面から闘い抜いて、鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議を2012年7月に結成。それから丸1年闘い抜いて、鈴コン分会は2013年7月15日で5年目に入りました。
 闘いの中心、土台は職場です。職場で団結の拡大をかけて闘い抜く鈴コン分会に対し、鈴木資本一族による不当労働行為はいまだに続いています。しかし、職場の労働者の対応は全く変わりました。2009年分裂攻撃の裏切り者の中心はもう職場にはいません。鈴コン分会が会社と絶対非和解で闘い抜いているからです。われわれ解雇当該3人が職場に戻ったら完全に職場支配権を奪還しますし職場を制圧できます。だから鈴木一族資本はそのことを恐れて焦っているのです。「鈴木一族よ恐れおののくがいい」「闘う労働組合、闘う労働者の真の力と姿を見せつけてやる!」。
 われわれの闘いも2年目に突入しました。国鉄闘争と一体に、鈴コン分会解雇撤回闘争の勝負を決める年としていきます。被曝労働拒否の反原発闘争、TPPと共に失業・非正規職化・低賃金・長時間労働を許さない参院選挙とも繋がり、新自由主義・民営化・非正規化と闘う全世界の労働者の闘いとも繋がって先頭で全力で闘い抜いていきます。
 さあ! 職場を、社会をわれわれの手に取り戻していきましょう。(7月18日)

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月刊『労働運動』(281号B-1)(2013/08/01)

■ひめじょおん――女性部から

東京労組交流センター19回女性部総会が成功

東京労組交流センター女性部事務局長 中山春美

 青年の現実に触れ、組織拡大の力に

 7月7日、東京労組交流センター女性部は第19回定期総会を開催しました。
 3月全国総会議案では「女性部」の意義がかつてなく強調され、女性部を先頭に交流センターの組織拡大をどのように実現していくか具体的取り組みが求められた総会です。女性部委員会で討論し、東京女性部の柱である自治体現業と合同労組の今春の取り組みを軸に若い世代との交流で青年労働者の現実にふれ、組織拡大への力にしていくことを課題としました。
 当日は議案提起後、特別報告として東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会のハナコ分会長から、一見華やかなアパレル業界でも大半が時給900円程度の非正規で、家賃を払い、服を買ったりすれば食事は毎日カップラーメンというのが現実であり、勤務時間もバラバラ、生活もギリギリで孤立感を深めている若い女性がたくさんいる。「20代も半ばになれば『結婚しなきゃ生きていけない?』というのが正直なところ。そんな職場で反失業・反原発デモを呼びかけ団結が拡大し、昨夏からの雇い止め解雇の攻撃に反撃していく力となった。3月解雇の攻撃で自分は職場を離れても分会員が毎日家に来て食事をしたり話し合ったりして団結が守られている。今後は首広連のアパレル版を目指したい。ユニクロの労働者、アメリカのアメアパも大半は移住労働者。こことつながりたい」と大きな展望が語られました。

 女性労働者の闘いが次々と報告される

 アイ介護サービスの宮本さんからは、1年間の不当解雇撤回闘争の上にいよいよ労働委員会闘争が本格的に始まることと、9月11日の第1回審問への結集が訴えられました。
 また郵政非正規ユニオンからは、闘争中の当該組合員は参加できませんでしたが現状を報告していただきました。特に当該Oさんが家族の生活を支えるために時給の良い夜間の仕事に就かざるを得ず、さらに遠距離通勤で過労気味なところで通勤事故に遭遇してしまったことなど、解雇撤回闘争とはまた違った女性労働者の直面する課題が報告されました。

 率直に話せる仲間、討論の機会を作っていきたい

 質疑・討論、議案の採択、新役員承認の後、議事の一環として「女性労働者の大交流会」にうつりました。
 質疑討論では話せなかった仲間を優先に若い世代への共感、また自身の職場・地域の取り組みの報告がありました。運動には至ってなくても職場に率直に話しができる仲間がいることがどれほど大切か、それが必ず力になるとあらためて感じました。女性部委員会にも言えることですが、女性同士の率直な討論の機会をもっともっと作っていきたいと思います。
 議案書は委員から新たな執筆者が誕生し、新役員にも立候補していただきました。
 東京西部ユニオン・ダッシュ分会の神山加代子さんが急逝され、参加がかなわなかったことは本当に残念でしたが、東京西部労組交流センターが積極的にとりくんでくださったことも総会成功の大きな力となりました。

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月刊『労働運動』(281号C-1)(2013/08/01)

元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風

第11回

 月夜の晩だけではない

 労働相談を受けていると、様々な人が来る。労働者が多いが、使用者も結構いる。高知での使用者からの相談での話である。
 建設会社の社長さんであった。具体的な話の内容は忘れてしまったが、中間搾取(労働基準法6条「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」)は、次のように言われている。「本条は、労働者の労働契約関係の成立もしくはその継続に関連して、使用者と労働者の間に介在して労働者の賃金の上前をピンハネしたり、あるいは労働者の雇用を斡旋したことを理由として対価を受け取ることを禁止する趣旨」と言われている。
 【注解法律学全集44労働基準法T青木宗也他編:青林書院】のことを話していた時だ。僕は、つい、『ピンハネ』と言う文言を吐いた。
 彼は、突然、声を荒げ、「ピンハネとは何だ!」と、職場全体に響く大声で僕を批判した。僕は、「あなたの会社のことではなく、一般的に」と言ったが、許されない。「一度吐いた言葉は飲み込めない。」と言って、出してきた名刺には、右翼団体の代表の名前が。最初に提示した名刺は会社社長である。
 その時である。「月夜の晩だけではないからな。」と、半ば、脅しである。
 彼の喫煙休憩で10分ほど休んだ後、話し合いは再開。彼は、冒頭「吐いた言葉は飲み込めない。これからは、言葉に注意して語ろうじゃないか。」と、喫煙で冷静になったのであろう。
 いろいろ話した後に、外は、雪が降り出した。気風の良い彼は、「雪見で酒か。今晩は、いいな。」と言って、最後は、「お世話になりました。」と礼を言って帰った。
 帰り際、よくしたもので、彼は、右翼の名刺は持ち帰った。もし、名刺がこちら側に残り、言葉により畏怖されたと告訴すれば、刑法犯罪に問われかねないことを十分承知していたのであろう。
 僕自身は、「仁義」という言葉が好きで時々、右翼に間違われるのであるが、筋が通った話が通じる右翼は嫌いでない。

一回きりの人生 輝いて生きよう
大野義文:1950年1月生まれ。1980.4〜2010.3退職まで、広島、山口、徳島、高知の監督署・局で勤務

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月刊『労働運動』(281号D-1)(2013/08/01)

戦後労働運動史の中から

第2回

 生産管理闘争

 1945年敗戦直後、生産崩壊からの立直りは進みませんでした。戦災だけでなく、資本家・経営者が資材や国家資金を山分けし、様子見しながら生産をサボっていたからです。さらに軍需生産は用がなくなったからというので、どんどん工場閉鎖をし、数知れない労働者を街頭へ放り出しました。
 これに対して首切り反対闘争が起きるはずなのに、45年中はなかなか起きない。いま工場に戻れったって、賃金統制とインフレで賃金は形ばかりのものになっているし、それで生活できるわけじゃない。労働者たちは、故郷の農村で農作業を手伝ったり、ヤミ屋商売に走ったり、各人バラバラに食う道を見つけることに忙しかったのです。生産の解体の中で労働者階級も解体していたわけです。
 このとき労働者たちを職場に引き戻すのに力があったのは労働組合でした。ボツボツ生まれてきた労働組合は、まず「食えるだけの賃金をよこせ」と主張した。「労働者は生産する。それによって飯を食うのだ。その労働者がいなければ生産は成り立たないはずだ。この当たり前のことに資本は責任を持て」。これが労働組合の一致した声になる。自分たちの力で状況を変える。この行動への意欲は労働者たちの生産の場への復帰と無関係ではありません。
 しかし、資本家側は依然熱意がない。そこで労働者側に生産管理だ、という声が出てきます。「いっそわれわれで生産を組織し、管理したらいいじゃないか。現場のことはわれわれはなんでもわかっているんだ」。読売新聞をはじめ、北海道の炭鉱、京浜の製鉄所、あちこちに生産管理闘争が生まれますが、京成電車のも有名です。電車の修理もろくにしないで運休ばかりしているのに経営者は平気だ。「そんなことならわれわれがいっさいやろうじゃないか。お客さんは電車に乗らなければならないんだろう。われわれが体勢を立て直すまでとりあえずタダで乗ってくれ」。やがて仕事が軌道にのってくると、運転本数は増えるし、車輌の修繕も2倍以上はかどる。それは労働者たちがみな職場に帰ってきたからにちがいありません。出勤率がそれまで良くて6割というのが、9割になった。生産管理を成功させたのは、よみがえった労働者の共同の力です。
 生産管理闘争は1年ぐらいで下火になっていきます。しかし、戦後労働運動の出発点でのこの闘争の意義は大きいと思います。「われわれは職場で戦う。そこにわれわれが作る団結、自主的な共同にわれわれのいっさいの問題の解決がある」。戦時中の解体状態から労働組合への新たな結集が始まり、労働者階級が再生する。生産管理闘争はその最初の火花となったのです。

伊藤 晃 日本近代史研究者
1941年北海道生まれ。『無産政党と労働運動』(社会評論社)『転向と天皇制』(勁草書房)『日本労働組合評議会の歴史』(社会評論社)など著書多数。国鉄闘争全国運動呼びかけ人
(写真 東京・下町での生産管理弾圧反対労働者大会【1946年4月12日】)

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月刊『労働運動』(281号E-1)(2013/08/01)

読者のページ

 8・15労働者・市民のつどいへ

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 動労千葉労働学校 第13期労働学校日程

■基礎講座
◆資本主義とはどういう社会か
8月17日(土)13:00〜
講師 鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授・
        国鉄闘争全国運動よびかけ人)
 大恐慌は資本主義社会の根本矛盾の爆発である。いまこそ体制の変革が求められている。

■実践講座
◆動労千葉の反合運転保安闘争
8月24日(土) 13:00〜
講師 布施宇一(動労千葉顧問)
 動労千葉が反合・運転保安闘争路線を闘いの中からなぜ確立できたのか。
■場所 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)
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 編集後記

参院選東京選挙区・山本太郎氏の堂々たる当選は、青年や労働者に闘えば変えられる力があることを鮮烈に甦らせた。▼フクシマの怒りが東京につながった。「命を守り」「共に生き抜く」要求は資本・権力への非和解の戦闘宣言だ。(い)

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月刊『労働運動』(281号F-1)(2013/08/01)

Photo Document 2013年6月〜2013年7月

 農地強奪判決・仮執行阻止!

7・14千葉
三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で「市東さんの農地を守ろう/7・14全国総決起集会」が千葉市中央公園で開催され、全国から約900人が集まった。農地取り上げに反対する緊急署名は1万1588筆(7月14日現在)に達し、市東孝雄さんは7・29判決に向かって「いかなる判決でも受けて立ち、体を張って闘う」と力強く訴えた。

 部落解放の新組織=全国水平同盟結成!

7・14大阪
八尾市西郡で、「今再び部落解放へ新たな宣言を発する時が来た」と呼びかけた、部落解放の新たな全国組織、全国水平同盟が結成された。議案の提起では「全国水平同盟の結成は新自由主義攻撃に真正面から立ち向かう闘い」「われわれ自身が部落解放・プロレタリア革命の牽引車の位置に躍り出るときがついにやって来た」と高らかに宣言した。

 すべての原発と核の廃絶へ!

7・21東京
反戦反核東京集会が105人の参加で開催された。DVD『放射線の歴史と隠された内部被曝』が、放射線が発見されて以降100年間の放射線被曝・被曝労働と核実験・核戦争についての貴重な映像として流された。第五福竜丸元乗組員の大石又七さん、原発いらない福島の女たちの渡辺ミヨ子さんが原発と核の根絶を訴え、大間現地集会実行委員会から大間原発とむつ中間貯蔵施設阻止が提起された。

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