2004年2月号(No.167)   目次
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・労働者の目 04春闘勝利!国労の再生を

労働ニュース
  ●春闘/組織率/賃金など ●日誌

国労5・27臨大闘争弾圧刑事裁判

鉄建公団訴訟を武器に1047名闘争の新たな発展を!

・特集 04春闘の課題
  ●動労千葉の04春闘方針
      ☆04春闘アピール(三労組)
  ●悪化する労働者の現状
  ●工場閉鎖攻撃との闘い(松下電器)
  ●破産攻撃との闘い(関西合同労組)
  ●イラク派兵と労働者の組織化

「俺たちは鉄路に生きる―2」を読んで

私の職場から  港湾自治体労働者

・闘いは進む   ●イラク派兵反戦闘争(写真)   ●三一書房労働組合

許すな「4党合意」労働委員会闘争シリーズU│G

読者のページ


●04春闘勝利!国労の再生を

 全国労働組合交流センター常任運営委員 吉野 元久

 「04経営労働政策委員会報告」の序文で奥田は、「わが国経済・基盤となるべき現場の第一線で、大きな事故やトラブルが相次いでいるのは憂慮すべき事態…目先のリストラに走る余り将来的な人材力の蓄積が損なわれていないか、反省の必要がある」と述べている。私は、奥田が敢えてこの問題に触れたのは、JR問題=国鉄闘争があるからだと確信している。
  今JR東日本は『フューチャー21』、JR貨物は『ニューチャレンジ21』計画の真只中にある。JR各社も競っている。JR東日本では、設備メンテナンスに続いて車両部門でも工場機能を廃止するなど、鉄道事業本来のあり方を一変させる合理化だ。狙いは、国鉄闘争を根本から破壊しようとする、「第二の分割民営化」とも言うべき小泉=奥田路線の最先端に位置する攻撃だ。
  ところが昨年末、労務政策の破綻と無謀なアウトソーシングの結果、鉄道事業法施行以来JR東日本ではじめての「業務改善命令」が、国土交通省から出された。17年間にわたって1047名闘争が闘われ、松崎革マルとの癒着結託でグラグラになったJR体制、その最大の弱点が事故問題=安全問題となって今火を吹いている。
  JR資本との重大な戦略的闘いに、反合理化・運転保安確立闘争が競り上がった。動労千葉は3月ダイ改=無謀なスピードアップとJR貨物会社の「新人事・賃金制度導入」の阻止をかかげて渾身の04反合春闘に立ち上がる。小泉=奥田路線を根底から迎え撃ち、日本労働運動の歴史を塗り替える04春闘=反合運転保安確立から3・20国際イラク反戦闘争へと怒濤の進撃を開始しよう。
  くしくも昨年12・22最高裁判決の当日、1年3カ月にわたる不当勾留を撃ち破って、5・27臨大弾圧被告8名全員を奪還した。組合員4名は、翌々24日から同僚が待ちわびたJR職場に元気で復帰した。会員諸氏の皆さんに心から感謝申し上げると共に、これから全面的な反撃戦に突入し、警察労働運動に転落した酒田執行部の打倒と国労再生を誓う。

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●労働ニュース(03年12月16日〜04年1月15日)

最高裁 中労委の上告を棄却
  87年4月の国鉄分割・民営化の際、JR各社が国鉄労働組合(国労)の組合員らを採用しなかったことをめぐる4件の訴訟の上告審判決が22日、最高裁第1小法廷(深沢武久裁判長)であった。同小法廷は、不採用を不当労働行為と認定して組合員らを採用するよう命じた中央労働委員会の救済命令を取り消した1、2審判決を支持し、中労委のいずれの上告も棄却した。再雇用を求めて16年余に及んだ「採用差別」闘争は、国労などの敗訴が確定した。

春闘は死語だ
  「春闘は死語だと思う」、奥田日本経団連会長は13日の記者会見で、今春闘についての質問が出た際、「まだ春闘という言葉を使うのか」と不快感をあらわにした。一年前「春闘の終えん」を宣言。労働組合が団結権を背景に横並びで賃金水準の底上げを求める春闘の役割を終えたとした。労使が企業の存続や競争力の強化策などを討議する「春討」や「春季労使協議」への移行を唱えている。

今春闘、賃上げ困難 家計もリストラを
  全国の企業経営者が集まり、春闘の課題など議論する「日本経団連労使フォーラム」が14日、2日間の日程で始まった。奥田会長は基調講演で「経労委報告」を踏まえた今春闘について、「昨今のようなデフレと国際競争の中で所得を増やすことは難しい」と述べ、賃上げは困難との姿勢で臨む方針を明らかにした。また、奥田会長は、国や企業と同様、家計も構造改革を行う必要性を指摘。「自分らしい暮らし方、生き方につながる消費支出のあり方を模索すべきではないか」と提案した。

連合会長「ベースダウン」に反発
  日本経団連の奥田会長と連合の笹森会長らは18日朝、首脳懇談会を開いた。笹森連合会長は冒頭、経団連が春闘に向けて定期昇給制度の廃止・縮小やベースダウンも労使交渉の対象との指針をまとめたことに「経営責任を忘れた身勝手な暴言で、黙って許すわけにはいかない」と反発した。「働く者が大きな犠牲を強いられている」として、経営側がベースダウンを視野にいれていることを批判した。

NTT労組 ベア要求見送り
  単一労組としては民間最大のNTT労働組合(小野寺良委員長、組合員約18万人)は13日、今年の春闘で賃金のベースアップ要求を見送る方針を固めた。2月9日に開く中央委員会で正式決定する。00年でベアを要求してゼロ回答になって以降、要求を見送っており、5年連続のベアゼロが確実になった。

自動車総連 ベア統一要求見送り
  自動車総連は19日、都内で中央執行委員会を開き、04春闘の賃金引き上げ要求の基準を03年と同じ「賃金カーブ維持分プラスα」とする執行部方針を決めた。ベア要求は統一した金額を示さず、業績などに応じ各単組が設定する。

日産労連ベア要求へ
  日産自動車など日産系の労働組合からなる日産労連(西原浩一郎会長、約16万人)は15日、04春闘でベースアップを要求する方針を固めた。近く正式決定する。

春闘、本格スタート
  連合が16日に「春闘開始宣言」を出し、04春闘が本格スタートする。2月に各社の労組が要求書を提出。3月中旬の大手製造業の集中回答日をヤマ場に、賃金や一時金を巡る交渉が続く。

組織率2割切る
  今年6月末現在の労働組合の推定組織率は19・6%で、47年の調査開始以来、初めて2割を切ったことが、17日の厚生労働省の労働組合基礎調査でわかった。昨年同期に比べ0・06低く28年連続の減少。比較的組織率の高い大手製造業や金融・保険業などでリストラが進み、パート、派遣の労働者が増えたことが原因。組合員数は昨年同期比で2・5%減の1千53万1千人、組合数は2・6%減の6万3千955組合。

パート労働者、最高の25・5%
  厚生労働省が03年末にまとめた調査によると、企業で働く人のうち、短時間(パート)労働者の割合は同年7月末で25・5%と前年比0・5上昇し、過去最高を更新した。4人に1人がパート労働者として勤務している。小売・飲食業では3人に1人がパート労働者となっており、雇用形態の多様化が鮮明になっている。

大卒就職内定率最悪
  今年3月卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年12月1日現在で前年同期を3・2下回る73・5%と過去最悪を更新したことが13日、厚生労働省と文部科学省の調査で分かった。若者の雇用は依然として厳しい。

 富士重工業も年功賃金廃止
  富士重工業の竹中恭二社長は13日、都内で記者会見し、管理職と事務系・技術系の中堅以上の一般社員を対象に定期昇給に相当する年功賃金を廃止する方針を明らかにした。従業員1万4千人のうち4分の1にあたる約3千400人が対象。

 郵政給与、成果主義に
  日本郵政公社と職員労組の全逓、全郵政は26日、個人の業績評価に応じて昇降級する給与制度を04年に導入することで大筋合意した。一般職員が対象。国家公務員で成果主義導入は初めて。

 介護保険 負担拡大へ
  厚生労働省は8日、介護制度改革本部(本部長・大塚義治厚労事務次官)を発足、05年の初改正に向けて介護保険制度の抜本的見直し作業をスタートさせた。00年度に始まった同制度は利用が伸びてサービスの給付費が増え続け、保険財政は破綻の可能性も出てきた。今後、利用者に負担増を求める一方で、保険料の徴収対象を若い層にも広げることも検討されるが、国民各層からの反発も予想される。

 公立高授業料値上げへ
  総務省は26日、来年度から公立の高校授業料と幼稚園保育料(国立は除く)の基準額を引き上げると発表した。引き上げ幅は全日制高校で年3千600円、幼稚園で2千400円。

 育児休業05年度から延長
  厚生労働省は育児休業の取得期間の延長を柱とする改正育児・介護休業法について05年4月から施行する方針を固めた。

 NTT年金給付OB13万人も下げ
  NTTは04年4月から、グループの現役社員約13万人が将来受け取る企業年金の給付利回りを、現在の年4・5%から2%弱に引き下げる。年金資産の運用悪化に対応した措置で、約13万人いるOBも引き下げる方向で調整する。すでに受給、受給資格を得たOBの年金水準を引き下げる例は松下電器などわずかしかなく,NTTで実現すれば産業界に広がる公算がある。

 ☆労働日誌(03年12月〜04年1月)

12月16日
  厚生労働省の労働政策審議会は、不当労働行為の審査を行う労働委員会の抜本改革のための建議をまとめ、坂口厚労相に提出した。審査の迅速化を図り命令の質を高めるのが目的で、04年通常国会に労働組合法の改正案を提出する。

12月23日
  児童や生徒の体に触ったりビデオカメラで様子を隠し撮りしたりする「わいせつ行為等」で02年度に懲戒処分を受けた公立学校教員が148人にのぼったことが、文部科学省の公表した調査でわかった。前年度の1・5倍で過去最多。

12日23日
  学校の教職員がつくる組合に10月1日現在で加入している教職員は約52万人で、全体に占める割合(組織率)が49・7%だったことがわかった。前年同期より1・1減り、28年連続の低下となった。

12月26日
  総務省は、4月1日現在の地方公務員総数について、昨年同期比2万8千385人(0・9%)減の311万5千938人と発表した。95年以来9年連続の減少。

12月26日
  総務省が発表した労働力調査によると、11月の完全失業率は前月と同じ5・2%だった。男女別の完全失業率は、男性が前月と同じ5・4%、女性は0・1悪化して5・0%だった。15〜24歳の若年層では、男性が10・3%、女性は7・0%と高い水準になっている。

12月29日
  政府・与党は、01年12月に閣議決定した「公務員制度改革大綱」を見直す方針を固めた。公務員の能力評価や労働基本権、天下り規制に関する部分が対象だ。政府は今年の通常国会での関連法案の提出を目指したが、与党や人事院、労組などの理解が得られず断念。
1月4日
  伊藤忠商事は08年末までに女性の総合職社員を倍増させる。商社は他の産業に比べて女性の総合職の割合が少なく、商社業界でも多いという伊藤忠ですら2・2%にとどまる。

1月8日
  都内で働いている外国人が昨年6月1日現在で3万7千306人と、前年と比べ6千257人、20%増えていることが東京労働局のまとめでわかった。

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●保釈から無罪獲得、国労再生へ

  4党合意を粉砕した力で国鉄1047名闘争勝利へ

 無罪獲得への一歩としての保釈

 被告・家族、弁護団と会が総力をあげ年内保釈を実現

 13年12月22日、私たちは「国労5・27臨大闘争弾圧」の被告全員の保釈を、ついに勝ち取りました。全世界の労働者が「コクロウ・エイト」と名付けて称賛し、民営化攻撃と団結権破壊の象徴的弾圧に抗して闘い抜いた誇るべき仲間を、戦列に取り戻したのです。
  この日夜、1年3カ月の長期勾留を跳ね返し闘い抜いた松崎博己(国労九州エリア本部小倉地区闘争団員)羽廣憲(同)、富田益行(近畿地方本部兵庫保線分会)、原田隆司(同豊岡駅分会)、小泉伸(同貨物分会)、橘日出夫(南近畿地本奈良電車区分会)向山和光(国鉄闘争支援者)の7名の被告が、東京拘置所から自信に満ちた笑顔で、次々と出てきました。東さんは、すでに勾留執行停止中で、全員の身柄を取り戻したのです。すぐさま、待ち受けていた家族、弁護団、国労組合員・許さない会の歓喜の渦の中心になりました。握手と、肩をたたき抱き合っての喜びが繰り返され、「ご苦労さん」「良かったな」「やったぞ」と心の底から喜び会い、花束が渡されました。
  歓迎会の会場には、駆けつけた家族・弁護団、吉報を聞いた会員、支援労組が詰めかけ、入りきれない盛況となり喜びあいました。被告・家族、弁護団、許さない会の総力を上げた闘いで、「2度目の正月は家族と共に」を実現しました。

  職場の労働者がこぞって大歓迎

 23日に自宅に帰った関西の4名の国労組合員は、翌24日から職場に復帰する闘いが待っていました。職場や支援の仲間を中心に、会社の処分策動などに対する万全の体制を取り出勤しました。4名はそれぞれ事前に連絡を行い、富田さんは兵庫保線区、原田さんは豊岡駅、橘さんは奈良電車区、小泉さんはJR貨物の吹田機関区に出勤しました。
  会社は、「事情聴取」などと称して、「欠勤して職場の仲間に迷惑をかけた」という趣旨の、「反省文」を書けと要求してきました。しかし、「謝罪すべきは不当逮捕した警察」です。全員が拒否し、その日から職場復帰を勝ち取りました。
  職場の仲間は、国労はもとより他労組を含めて職場復帰を大歓迎しました。職場の労働者は、労働者の権利を守るために奮闘してきた仲間が突然逮捕され心配してきました。逮捕された仲間は、節を曲げずに獄中でも闘いの正義を訴え、1年3カ月の勾留を跳ね返して、職場復帰を果たしたのです。正義を貫いた仲間と、再び一緒に働く日が来たのです。これを喜ばない労働者はいません。
  逮捕された国労組合員は、不当逮捕の直後に欠勤届けを出しました。JR西もJR貨物も、直後は年休を認め、年休が無くなった後は「無給の休暇」として「ノーワーク・ノーペイ」としてきました。いわゆる「事故欠勤」で、自分の都合で勤務に就けないことを会社も承認しているという扱いで通してきました。
  このため、賃金は全く支払われず、家族は年金やローン、国労組合費などが持ち出しとなる苦しい生活を余儀なくされてきました。同時に、就業規則上の懲戒規定(会社の名誉を傷つけたなど)には全く当たらないことも明らかでした。
  JR各社は、国労本部が「4党合意」を承認して以降は、4党合意に反対する組合員に対し様々な攻撃を強めていました。会社の報復的な攻撃も予想され、不当な扱いには一歩も引かない態勢で就労に臨み勝利したのです。
  労働者への攻撃は、権力・資本が一体となって襲いかかって来るのが常です。労働者にとって職場復帰は最大の問題です。逮捕よりも解雇が恐ろしいと言って過言ではありません。処分策動や就業時の会社の姑息な対応などを跳ね返して、職場復帰を果たしたことは、保釈に続く大きな勝利です。
  九州の松崎さん、羽広さんは、分割民営化で解雇された1047名の当該であり、物資販売を中心とする活動に復帰しました。解雇された当該で主力の2名が、逮捕・起訴されるという困難な中でも、組合員や支援の仲間が必死になって物資販売活動を続けてきました。物資販売をはじめ、1047名闘争の勝利を強力に推進する、不屈の戦士が帰ってきたのです。
  職場復帰は、組合活動への復帰でもあります。逮捕・勾留により、すべての組合活動が事実上「禁止」されてきました。不当逮捕された02年10月7日は、国労大会の代議員選挙の初日でした。立候補を妨害する露骨な組合活動弾圧でした。それ以降は、国労内での闘い、1047名闘争、さらには反戦闘争など全ての権利が奪われ続けてきました。これらを全て取り戻す闘いの始まりです。
  国労闘争団員2名、JRの組合員4名が元気に職場復帰を勝ち取りました。病気とたたかう東さんの保釈も1月21日に勝ち取りました。闘いはこれからです。自衛隊がイラクに出兵し、労働運動への弾圧が特別に強化され、「国益と企業利益のために労働者は死ぬまで働け。文句を言うな」という攻撃が強まっています。この時、国鉄1047名闘争の先頭に立ってきた仲間を取り戻したのです。「4党合意」を粉砕した原動力となった労働委員会闘争に立ち上がった最強の仲間です。
  ストライキで闘う動労千葉と共に04春闘勝利へ突き進もう。     (松田浩明)

 公判日程
  第19回 2月10日(火)  第20回 2月24日(火)  第21回 3月16日(火)  第22回 4月27日(火)  第23回 5月18日(火)  第24回 6月9日(水) 第25回 6月29日(火)  第26回 7月21日(水)
 (いずれも東京地裁104号法廷 13時15分から)

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●鉄建公団訴訟を武器に1047名闘争の新たな発展を!

 酒田執行部を打倒し、闘う国労の再生を

  12・22最高裁による採用差別事件上告棄却弾劾!

 小泉内閣は、戦後50年余を経た昨年12月9日、ついに「イラク派兵基本計画」の閣議決定を強行しました。戦後憲法を食い破って公然と参戦国になろうというのです。さらに日本経団連(奥田会長)は12月16日、「未曾有の国難突破のためには定昇廃止とベースダウンを認めろ」などとする「経労委会報告」を発表し、労働者の生存権を全面的に否定しました。まさに小泉=奥田ら帝国主義者は、デフレと財政破綻、政治的体制的危機の中でもがきながら、「外への侵略戦争と内への階級戦争」に撃って出ることを、すべての労働者と人民に宣戦布告したのです。
  そして、この攻撃と連動し一体となった12・22最高裁(第一小法廷)による採用差別事件の上告棄却決定は、小泉=奥田路線そのものの攻撃です。
  最高裁は、本来ならば「国是に反対した組合員を採用しない自由がJRにある」(全動労事件東京高裁村上判決)と判決したかったのです。だがそれを許さない17年にわたる国鉄闘争(分割民営化反対闘争)の存在があったのです。だからこそ、4党合意攻撃で「JRに法的責任無し」や「裁判取り下し」を求め、「和解路線」に引きずり込んで当事者である国労の内部崩壊を図ってきたのです。
  しかし、4党合意攻撃は不屈の反撃によって粉砕されました。その結果チャレンジ派は四分五裂し、寺内らは北海道本部の佐藤らを引き連れて脱落しました。そこで最高裁は、一方では「JRの採用自由」を盾に取って87年6月JRの追加採用事件を退け、もう一方では改革法を盾として「JRは労組法上の使用者にはあたらない」と判決しました。まさに不当労働行為救済制度を根底から破壊した反動判決です。
  そしてこの判決の本当の狙いが、国鉄闘争の最後的な息の根を止めることにあり、合わせて改憲への道を開く今通常国会での労働組合法改悪の宣言でもあることは明らかです。私たちは、12・22最高裁(第一小法廷)による採用差別事件上告棄却決定を弾劾し、労働法制の全面的改悪の道を阻止するために闘います。

 直ちに統制処分を撤回し、生活援助金凍結を解除せよ!

 訴えたいことの第一は、この中央委員会をもって、鉄建公団訴訟原告団22名への統制処分を白紙撤回して訴訟に合流することであり、生活援助金凍結を直ちに解除することです。
  チャレンジと革同は、闘争団と家族の闘いがあったからこそ、国労2万の団結が維持されてきたことを一切認めようとしません。「JRの責任追及の道は断たれた」「判決を無視できない」などと和解路線を居直り、「今までの延長線上の運動はしない」として、「闘争体制、組織体制の見直し」を決定しようとしています。国鉄闘争の幕引きと闘争団切り捨てを絶対に許してはなりません。
  そもそも、9月全国大会で現運動方針を決めた張本人であり、かつ査問委員会副議長であった寺内や佐藤秀作らが国労運動からずれ落ちた以上、酒田=芝辰のSSコンビはもとより、上村=田中派革同そして残存チャレンジも、その組織的運動的責任を取って総退陣すべきです。

 勝利の道は「安全問題」と1047名闘争の新たな発展!

 第二に訴えたいことは、最高裁上告棄却攻撃をうち破り国鉄闘争に勝利する道が、鉄建公団訴訟への総決起にあり、JRとの力関係を根底からひっくり返す「国鉄1047名闘争」の新たな発展を作り出すことにあることです。
  鉄建公団訴訟は、90年4月1日付け整理解雇の無効=雇用確認を求める形をとりつつ、1047名闘争をJR本体の反合闘争や権利闘争と結びつけ、JRとの力関係を変える闘いとしてはじめてその意義を発揮します。和解路線が入り込む余地など全くありません。04春闘勝利に向かってまともな組合らしく動労千葉のようにストライキで闘うことです。
  今JR東日本で進められている『フューチャー21』やJR貨物の『ニューチャレンジ21』などの攻撃は、鉄道事業本来のあり方を一変させる攻撃です。
  「経労委報告」の序文で奥田は、「わが国経済・基盤となるべき現場の第一線で、大きな事故やトラブルが相次いでいるのは憂慮すべき事態…目先のリストラに走る余り将来的な人材力の蓄積が損なわれていないか、反省の必要がある」とのべています。自分が会長職にあるトヨタを棚にあげている恥知らずはさておき、奥田が敢えて触れたのは、JR問題があるからです。
  闘争団を先頭に17年間にもわたって解雇撤回闘争が闘われ、松崎革マルの力を借りなければ一日も成り立たないJRなどと言う経営は、本来ブルジョアジーから見れば最低です。しかも、その労務政策の破綻と無謀なアウトソーシングの結果、JR体制最大の弱点が事故問題=安全問題となって火を吹いているのです。
  昨年12月動労千葉は、車両メンテナンス近代化三期計画の大合理化に対して、「習志野電車区廃止阻止、反合・運転保安確立」を掲げて、二波のストライキに決起しました。「第二の分割・民営化」攻撃に立ち向かい、闘って団結を固める労働組合の原点を実践した闘いでした。国労が闘えないはずがありません。
  JR貨物では「新人事・賃金制度」の導入が目前です。JR九州での新幹線開業問題と連動し、JR各社が3月ダイ改を計画しています。無謀なスピードアップが重大事故に結びつくことは88年東中野事故が示しています。設備メンテナンスの攻撃は、委託業者への丸投げの結果、中央線切り替え事故に示される「初歩的ミス」を続発させています。工場機能廃止をもたらす車両メンテの合理化を阻止しなければ、鉄道事業は根底から崩壊します。反合理化・運転保安確立闘争はJR資本との重大な戦略的闘いです。
  こうした中にあって、一体国労はいつからスト基金を取り崩し、ベアゼロ回答にストも打てない御用組合に成り下がったのか。メンテ合理化で大量出向を強制したJR東日本会社に、「良いとこ取りは許さない」などと怒鳴られて、いつから筋違いの銀行振り込みを組合員に強要する「第二労担」に成り下がったのか。いまこそ闘う国労の再生をかけて、渾身の04春闘に立ち上がろう。

 「5・27臨大闘争弾圧」8被告全員奪還の力で、今こそSSコンビ打倒へ

 訴えの第三は、国労5・27臨大闘争弾圧を撃ち破り、警察と結託した酒田執行部=SSコンビを打倒する闘いに、国労の再生を願う全ての組合員が党派を越えて立ち上がることです。
  私たちは、くしくも12・22最高裁判決の当日、1年3カ月にわたった不当勾留を撃ち破って、5・27臨大闘争弾圧被告8名全員の保釈奪還を勝ちとりました。被告とされた闘争団員を除く4名の組合員は、翌々日の24日から同僚たちが待ちわびた各JR職場に元気で出勤しました。酒田執行部と東京地本法対部長鈴木勉ら悪質革同による警察権力への組合員売り渡しによって強行された、前代未聞の労働弾圧=治安弾圧を撃ち破る第一歩を踏み出しました。
  昨年来17回を数えた公判では、酒田―鈴木と警察権力とのおぞましい結託関係が次々と暴き出されました。全国に「臨大闘争弾圧を許さない会」が組織され、米サンフランシスコ労働者からも「KOKURO―8を守れ」の決議が寄せられました。
  5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、これから全面的な反撃戦に突入します。それは間違い無く、警察労働運動に転落した酒田執行部を打倒し、国労を再生させる最短コースの闘いになります。
  私たちは、全国で国労組合員の内に、「弾圧を許さない会」への加入を大胆かつ大量に訴えます。その力で職場地域で「無実・無罪」の一大国民運動を展開し、国鉄闘争の勝利と、1047名闘争の新たな発展を闘い取るために闘います。(国労東京地本・新橋支部  吉野元久)

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特集 04春闘の課題

●動労千葉の04春闘方針

 イラクへの自衛隊派兵、全面的な賃下げ攻撃のなかで04春闘をいかに闘うのか。特集ではストライキでこの大反動と闘う動労千葉の04春闘方針、悪化する労働者の現状、工場閉鎖攻撃と闘う松下電器の労働者、クリスマスの日に突然突きつけられた破産攻撃と闘う関西合同労組、そしてイラク派兵という侵略戦争に労働者としていかに職場で闘うのかを現場労働者の声を掲載した。

3・6春闘討論集会の成功へ

 動労千葉は、1月25〜26日に全支部活動者研修会を開催し、04春闘に向けた基本方針を確認した。
  われわれは、奥田ビジョン―経労委報告と対決し、ストライキをもって04春闘に起ちあがる。04春闘は全面的な賃下げ、定昇廃止、賃金制度解体攻撃との闘いだ。JRでも貨物会社は、年功制賃金を解体し成果主義賃金制度の導入を強行しようとしている。絶対に阻止しなければならない。また、労働組合法の改悪、年金―社会保障制度の解体攻撃と対決する団結権、年金防衛春闘である。
  第2に、04春闘はイラクへの自衛隊派兵阻止、有事立法粉砕、小泉超反動内閣打倒に向けた反戦・国際連帯春闘だ。われわれは、04春闘の成否をかけた闘いとして、3・20国際反戦大行動を、小泉―奥田体制に一矢を報い、階級的力関係を転換する大闘争として実現するために全力を尽くして起あがる。全世界で幾千万の労働者が起ちあがろうとしている。3・20は04春闘最大の攻防戦だ。日比谷に巨万の結集を実現しよう。
  第3に、04春闘は動労千葉にとって、第二の分割・民営化攻撃攻撃と対決する反合・運転保安春闘である。民営化、業務の全面的外注化、規制緩和攻撃のなかでJRの安全は崩壊の危機にたっている。しかもJR東日本は、3月13日に予定されているダイ改で総武緩行線の運転時分を大幅に短縮しようとしているのだ。われわれはこの現実に対しストライキで起ちあがり、分割・民営化体制への新たな反転攻勢を開始する。
  そして第4に、04春闘を組織拡大春闘と位置づけて全力で闘いぬく決意である。JR東労組はおぞましい内部抗争に明け暮れ、JRの革マル結託体制がついに崩壊しようとしている。一方、昨年末の最高裁反動判決によって1047名闘争が正念場を迎える情況のなかで国労も自壊の危機を深めている。われわれは何としても国鉄―JR労働運動の再生、JR総連解体―組織拡大を何としても実現する。
  われわれは、春闘決戦段階の山場を3月13日(JRダイ改)に設定し、ストライキを配置して要求の実現を求める。また、動労千葉、全日建関西生コン支部、全金港合同の3労組で、「春闘アピール」をだし、東西で春闘行動を取り組むことも確認されている(東日本は3月6日に春闘討論集会を開催)。さらに、韓国民主労総ソウル本部や、ILWUの仲間との連名で、3・20国際反戦行動に全世界で立ちあがることを訴える共同声明を発する準備も進めている。
  とくに3・6春闘討論集会への全力結集を心から訴えます。ともに04春闘を闘おう。


  ☆04春闘アピール

全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合

 全国のたたかう労働者の皆さん。「春闘終焉論」―春闘解体攻撃を打ち破り、団結してあらゆる職場、地域、産別から04春闘にたちあがろう。
  日本経団連は、04春闘に向けて「定昇廃止」、「降給」、「ベースダウン」など全面的な賃下げ攻撃を宣言しました。また「労働組合は、経営側からの提案を受け実行に移すという本来の役割に撤するべきだ。既得権益を擁護する活動の是正を求める」と、労働運動の根本的な屈服と変質を要求しています。
  小泉政権と財界は、労基法への「解雇ルール」の導入をはじめ、有期雇用契約や裁量労働制の拡大、派遣労働の全面的解禁を三本柱とした昨年来の労働法制の解体や、公務員制度「改革」、大規模な民営化攻撃をおし進め、膨大な労働者をリストラ・倒産・解雇・賃下げと、不安定雇用化の嵐のなかにたたき込んでいます。
  今国会ではついに労働組合法の改悪が強行されようとしています。労働委員会制度の解体攻撃を焦点として、労働者の団結権そのものを破壊しようというのです。
  国鉄1047名の解雇撤回闘争も正念場迎えています。昨年12月22日、最高裁は労働委員会命令を覆し、JRの使用者性を否定する反動判決を下しました。
  さらに、国労臨大闘争弾圧をはじめ、労働運動への常軌を逸した刑事弾圧が相次ぎ、民事仮処分、損害賠償などの手法使った争議潰しの攻撃が吹き荒れています。
  また、年金を始めとした社会保障制度の抜本的な改悪が画策されています。労働者の生きる権利そのものが奪い尽くされようとしています。
  今ほど労働組合の存在価値が問われているときはありません。しかし、連合をはじめ労働運動の現状は、春闘要求すら自ら放棄し、賃下げや労働条件の切り下げ・首切りにも賛成するなど、総屈服を深めています。怒りの声はうずまいています。このような否定すべき現実の変革をめざしてたちあがろう。
  労働者が虫けらのように犠牲にされる一方で、戦争の危機が世界を覆っています。経団連・奥田会長は、「いまだかつて何人も経験したことのない未曾有の局面」「国が生き残るためには下草を刈り取らなければならない」「東アジア自由経済圏の確立を」と主張し、労働者のみならず、大銀行・大企業が生き残るためには中小企業も農業も全て切り捨てろ、と叫びたてています。資本主義体制はもはや万策尽きた危機に瀕し、残された最後の一手は、戦争という暴力的な手段しかなくなっているのです。労働者の諸権利に対する激しい攻撃と戦争は一体のものです。
  小泉政権は、未だ戦火の絶えないイラクに重武装した自衛隊を続々と派兵しようとしています。また今国会では、有事立法の完成をめざす関連法案をはじめ、教育基本法の改悪法案、恒久的自衛隊派兵法案、司法「改革」関連法案、共謀罪の新設、そして改憲に向けた国民投票法案など、戦後の民主主義体制を根本から覆す反動法案がひしめき合って上程されようとしています。小泉政権は「拉致問題」をつかって排外主義ナショナリズムを煽りながら、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への侵略戦争にふみだそうとしています。
  今世界の労働者は、団結して新しい時代を見いだす力をとり戻そうとしています。一旦は崖っぷちに追いつめられた労働組合が戦闘力を取り戻し、新たな闘いを開始しています。イラク開戦一周年の3月20日には、全世界で国際的な統一行動が呼びかけられています。どのような力によってもおしとどめることのできない労働者階級の新たな闘いの歴史が音をたてて動きだそうとしています。この呼びかけに応えて04春闘に起ちあがろう。労働者の団結した闘いこそが、権利と生活を守り、戦争を止め、社会を変革する力を持っています。
  今こそ団結をとり戻し、闘う春闘を再生しよう。04春闘にたちあがろう。大失業時代にたち向おう。倒産・首切り・賃下げを許すな。団結権を守りぬこう。イラクへの自衛隊派兵、有事立法の完成を許すな。不一致点を留保し、一致点を拡大して固くスクラムを組んで職場・地域・産別で04春闘行動を組織しよう。ともに闘おう。

  2004年1月

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特集 04春闘の課題

●悪化する労働者の現状 シリーズT

 佐藤 陽

 労働者(大卒)が定年まで働いた生涯賃金は93年に3億2千410万円であったものが、00年には3億520万円に減ったことが分かった。現在では3億円を軽くきっているだろう。今後この傾向は加速する。
  アメリカン・ドリームという言葉があった。今やうたかたのように消えてしまった。日本が、このアメリカの道をたどろうとしている。富める者がますます富み、貧しき者がますます貧しくなる事実をシリーズで明らかにする。

 雇用形態の多様化
 資本や国は労働者のニーズや生活様式にあった雇用形態などと説明しているが、実際は資本の要求そのものであり、労働者はそれしかないために、やむをえず様々な形態の職についているのだ。
  日経連が95年に打ち出した「新時代の『日本的経営』」は、資本の要求を露骨に示したものだが、事態はその後プラン通りに進行している。日経連のプランは、簡単に言えば、中軸となる少数の長期雇用労働者と、圧倒的多数の不安定雇用労働者を巧みに使いこなし、利益を極大化しようというものである。
  労働法制もこのプランにそって改悪が続いており、パート、有期雇用契約、請負、派遣などへ正社員からの転換が進んでいる。こうした雇用形態の賃金は、ごく一部を除いて正社員より格段に低くなっている。また身分も不安定で、簡単に解雇されたりする。資本が必要なときに、必要なだけの労働者を使いこなすことと、人件費という固定費を削減して、変動費にすることも重視されている。不安定雇用労働は一時的ではなく基幹労働に据えられた。

 パート
  厚生労働省の調査によると、昨年7月末に企業で働く労働者のうちパート労働者は25・5%と労働者の4人に1人がパート労働者であった。過去最高で、小売り・飲食業では3人に1人であった。製造業では20%であった。

 有期雇用契約
  昨年の労基法改悪で、契約期限が原則1年であったものが3年に、例外3年は5年にされた。契約期間が延長されて、一見改善されたかにみえるが、正社員との代替要員とされる恐れが十分にある。

 派遣
  最近では、学卒者が直接派遣労働者となり、派遣会社の責任で研修を受けて派遣されるケースもでてきている。派遣会社の使用者責任と派遣先会社の労働法上の責任など本来的にもつ問題は何も解決されていない。
  派遣は本来、「常用代替」をしないことを条件に設けられたが、それは全く無視されて増え続け、170万人といわれる。今年3月から製造業への派遣も可能となった。「好きなときに専門的知識や経験を生かして働ける」というイメージが一変して、賃金ダウン、契約期間の短期化、長時間労働の拡大となっている。

 フリーター
 高卒、大卒の学卒者が正社員の就職を希望しても職がなく、パート、アルバイトで働くか、まったくの無業者になる人が増えている。フリーターは、02年の統計で417万人に達している。
  92年に高卒者に対する求人数は167万人に達したのをピークに、その後求人数は急速に減り続け02年には24万人まで落ち込んだ。求人倍率は3・27倍から0・72倍に低下した。この求人減の原因は、長期化した不況と、資本による求人が高卒から大卒にシフトされたことにある。高卒の若者は働きたくてもパートかアルバイト、最近では請負が急増しているが、そういう非正規雇用しかない。資本が雇用の流動化を基本路線としているためにこれから正社員の採用増に戻ることは考えられない。
  高卒で働かなければならないのは、親の経済力を反映したもので、大学に進学できる子弟との親の経済力の差がはっきりとでている。
  フリーターは「なまけ者」「自分探しの旅」などとも言われるが、圧倒的多くの高卒者は働きたくても職がない構造的問題なのである。
  この高卒者の傾向は、大学卒業者にも出ており、今年3月の大学卒業者の就職内定率は73・5%と過去最悪であると発表されており、大学卒業者のフリーターがさらに増えていこう。
  フリーターとしての生活が長続きするとそれまでの仕事が補助労働や定型的な業務が多いため正社員への就職も道は閉ざされ、自立した生活ができなくなる。
  フリーターの多くは親と同居して親のスネをかじっており、その親がいつまでも子どもの面倒をみていられるわけではない。またフリーターは、税金、年金などを支払う資力がないために、国としても深刻な問題ととらえはじめているものの、根本的解決策はない。
  最近UFJ総合研究所のまとめた若者フリーターの「遺失所得」は年12兆円とはじきだした。15〜34歳までのフリーターのうちパート労働者の年間所得は120万円、これに対して同世代の正社員の平均賃金は約500万円として計算したもの。
  しかし、最近、ある意味ではもっと深刻な問題として“中高年フリーター”が浮上している。リストラされた35〜59才までの労働者の就職先がないためにパート、アルバイトしか働き口のない労働者が急増している。02年で同世代の有業者総数の5・8%にあたる116万人に達しており、若年者よりも家族の生活を抱えていることが多いだけ、若年者フリーターより一層深刻な問題といえる。また求人倍率は、この層の場合、0・25倍、あるいは0・06倍と絶無といえる。

 業務請負
 企業から業務を一括して請け負う「業務請負会社」からの求人数が急増している。毎日新聞と主要都市のハローワークが昨年9月時点で共同調査した結果が毎日新聞(04年1月7日付)に大々的に報告されている。それによると主要都市のハローワークの求人全体の20%が請負会社からのもので、地域によっては40%に達している。
  業務請負とはアウトソーシングの一種で、業務請負会社が発注元企業から生産工程などを一括して請け負う形態。業務請負会社と労働者は契約を結び、発注元企業の工場に出向きで働くシステム。実際には発注元企業の従業員から指揮・命令されることが多い。
  派遣労働のようにもみえるが、派遣ではない。『請負』に関する規則がまるでなく、監督官庁もないために、野放しの状態におかれ偽装派遣とも言われている。
  発注元企業にとって、自社の高コストの正社員が必要なく、発注元企業が必要とする人数と期間だけ労働者を調達でき、しかも人件費は外注管理費として変動費化ができる。このため人件費は3分の1程度になるという。
  ソニー、富士通、キャノン、富士ゼロックス、リコーなどの日本の代表的な企業から中小規模にいたるまで、数千人、数百人という規模から少人数にいたるまで導入され、過酷な労働がしいられている。いまや、請負会社なしでは日本の製造業は成り立たなくなっている。
  請負会社にとって、自社の工場設備を持つ必要もなく、労働者を野放図に使うことができる。宿舎・寮などを持って、工場までマイクロバスで労働者を運んだりする。
  請負労働者の雇用期間は特に定まったものはなく、発注元企業との契約次第であったり、工場を求めて全国的に展開することもある。賃金は、平均で月額13万円から15万円程度、あるいは毎日新聞は19万9千円としている。
  請負会社に関する統計は見当たらないが、全国で1万社、労働者は100万人を超えるといわれている。クリスタルグループという会社が最大で年間売上高は3千億円といわれる。
  今年3月から念願の派遣労働者を製造工場で使えることになった人材派遣会社は「なんの規制もない請負労働者がつかわれるだろう」とあきらめ顔だ。  (続く)

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特集 04春闘の課題

●工場閉鎖攻撃との闘い(松下電器)

 04春闘を工場閉鎖攻撃と闘いぬいています!

 松下電器労働者  一本松 誠

  ブラウン管拠点事業所の閉鎖

 電機産業・電機連合の中軸である松下電器・東芝では、04年9月をもって、国内でのブラウン管拠点事業所の閉鎖を強行しようという攻撃が、昨年11月に提案されました。昨年11月5日の臨時労使協議会で資本から、「ブラウン管事業における国内量産の終息について」という申し入れがあり、松下労働組合は、この段階では、なんら労働者の雇用や権利、労働条件などが守られているのか明らかになっていないにもかかわらず、「この提案を受け入れていきたい」と表明しています。松下労組電子ディスプレイ支部自身が「今回の申し入れ時点においては会社としての中期計画や人員構成が明らかになっていません」「支部としては松下やMTPDに対し、雇用確保の視点を含め、今後の会社方針について早急に固めるように要請しています」といっているように、この工場・事業所閉鎖が労働者に何をもたらすのかをなんら検討することなく、「支部としては、12月末に予定されている会社説明時明確な回答が得られることを前提に申し入れを受け入れていきたい」といっているのです(「松下電器労組電子ディスプレイ支部機関紙『ディスプレイ』(03年11月10日号)

 生産ラインを閉鎖し、中国にラインを移転

 その後、11月13日に行われた会社説明会で、その計画がより具体的に明らかにされました。
  @高槻ブラウン管工場(カラー)は04年7月に閉鎖、東芝姫路工場も04年上期に閉鎖する。A人員は、高槻400名の社員を200名に減らす、東芝姫路工場は600名がリストラ対象になる、というものです。これまで、ブラウン管製造は、松下65%、東芝35%出資の合併会社(MTPD)が、松下高槻工場と東芝姫路工場に、発注するという形で生産を続けていました。MTPDは、社員は松下・東芝からの出向で構成されています。この国内唯一の生産ラインを閉鎖し、中国にラインを移転しようというのです。会社によると、松下高槻工場は、「町工場並みの、研究・開発・試作ラインになる」といっています。しかも、PRT(投射管・ブラウン管)部門は、利益率10%を生み出しているにもかかわらず、69名の社員を半減させ、04年度も4班2交替(12時間労働!)を行うと言っているのです。事業として、赤字を出して行き詰まりっているというのではなく、それこそ「国際競争力強化」のために、国内生産を閉鎖し大リストラを行い、海外生産(中国侵略)しようということです。そしてわずかに残す生産ラインでも、激しい労働強化を強行しようとしているのです。

 12時間勤務か退職か

 以上のように、11月13日の会社説明会においては、一方的な会社の都合である大リストラ計画は明らかにされましたが、労働者の雇用や権利の問題をどうするのかということは、一切明らかにしませんでした。私たちは、この会社説明会の場で、労働者の不安と危機感を感じている何点かにわたって、質問を行いましたが、資本の側は「12月までには、はっきりさせたい」「(MTPDへの転籍者は行き場がなくなることが)一番気になるところだ」という、回答でした。資本は、工場閉鎖をもって、首切り・リストラ・労働強化が進められることを隠そうとはしなかったのです。松下労組は、このことを知っていながら、11月上旬の提案の段階で、受け入れを表明したのです。電機連合が、資本攻勢の先兵として、労働者に襲いかかってきています。
  この会社説明会を受けて、資本は、個々の労働者に対して選別的な「肩叩き」をはじめています。12月中旬には、班長を通じて「12時間労働できるか。全員に聞いている」といってきました。当然にもこの「提案」には「ディワーク(定常勤務)希望」と回答しました。しかし、この件で明らかになったのは、12時間勤務できるか聞いているのは、全員ではなく、特定の労働者だけであるということです。女性で、家族との関係で12時間勤務が無理な労働者などに、「12時間できるか」と聞いて、「できなければ会社をやめろ!」という恫喝をかけているということです。退職強要攻撃です。そして社員にかわって、派遣労働者を入れようとしています。「会社のいうことを聞かなければ辞めろ!」というのです。私は、この攻撃が明らかになってすぐ、職場ビラを出して、「労働者の雇用と権利を守ろう」と呼びかけましたが、あらためてこうした会社のやり方とこれのお先棒を担ぐ組合に対して闘っていくつもりです。

 年齢給を廃止し、成果主義賃金を導入

 また04春闘では、資本は11月26日、「年齢給廃止方針」を明らかにしました。「すでに成果型賃金への移行を労組と合意して、04年春から導入をめざす」といってきています。これまで、松下では、定昇に相当し、45歳まで自動的に給与が上がる基礎給(年齢給)3、資格に応じた仕事給3、成果や能力に応じて決まる「実績給」4で構成されてきました。これを「実績給」7にしようというのです。製造現場・ラインまで含めた成果主義賃金の導入であり、賃金体系見直し(賃下げ)の突破口になる大攻撃です。松下労組は、2〜3年前から率先して「賃金体系の見直し」を松下資本の先兵になって推し進めてきました。その「成果」が、この年齢給廃止攻撃になったのです。
  この攻撃は、電機連合が、このように電機資本の資本攻勢に積極的推進の立場であることは、今年1月29日〜30日に開催された電機連合の第90回中央委員会議案書でも明らかです。中央委ダイジェストの第4号議案『第6次産業政策の確立について 電機産業再生に向けた政策提言』では、「製造業としての電機産業も時代の変遷にあわせた進化が必要です」といって、『国際最適分業体制の構築』という項目で「従来の産業政策は、海外展開については認めつつも、いかに国内にとどまらせるかウェイトをおいたものになっていました。しかし、本政策においては・・、海外展開の拡大を活用することに重点をおきました」と、これまでより一歩踏み込んで、奥田路線を真っ向から推進していくという立場を表明しています。そして市場として中国への侵略を行い、「国際最適分業体制の構築」を叫んでいるのです。
  そして04春闘の方針を決定する中央委議題書での春闘方針でも、『2004年総合労働条件改善闘争』と銘打っていますが、その要求内容は「ベースアップを要求する条件にはない」として「現行賃金維持」を目標にしています。春闘アンケートで、労働者家計での生活圧迫が集約されているにもかかわらずにです。
  松下労組は、この電機連合の中軸組合として、資本攻勢を先取りして、賃金体系の抜本改悪、首切り・リストラ・不安定雇用の推進をさらに推し進めようとしています。私たちは、この資本攻勢と対決して、労働現場からの団結をつくりだしていき、電機連合を打ち倒す運動をつくりだしていくつもりです。

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特集 04春闘の課題

●破産攻撃との闘い(関西合同労組)

破産攻撃を打ち破り、反戦・反失業闘争の先頭で闘う労働者の団結の拠点を守るために、闘う仲間の皆さんのご支援をお願いします

 関西合同労組 日本管検工業分会

 『その日』は突然やってきた。
12月25日朝8時、日本管検工業株式会社代表取締役社長・阿部馨は、代理人弁護士3名を伴って出社し、組合との事前協議合意約款を一方的に踏みにじって、破産申立を行うと通告してきた。銀行からの追加融資の一切を断られ、経営が立ち行かなくなったから破産を申し立てるというのがその言い分であった。
  ときはクリスマス、翌日には忘年会を計画し、家族との楽しい正月休みを目前に控えていた私たちは、余りにも突然すぎる出来事に呆然とした。社長の代理人を名乗る弁護士・今川が、会社の破産申立に伴って「労働者は全員『解雇』となる」というでたらめな説明を聴いたのも、夢の中の出来事のようであった。いつかそういう日が来るかも知れないと、以前から覚悟はしていたが、それでもこんなに何の前触れも無く突然「破産」「解雇」という言葉を突きつけられると、驚愕の余り言葉を失うものである事を初めて知った。
  「何か質問はありませんか」と弁護士が言い終わらぬうちに、分会長が口火を切った。
  「関西合同労組です。事前協議合意約款を無視した破産は無効であり、認められません。当然解雇にも応じられません。組合は直ちに団交を申し入れます。破産申立は直ちに中止してください」
こうして、日本管検工業の破産争議は始まった。

 不当労働行為を居直った代理人弁護士

 分会員は直ちに緊急会議を持ち、この破産攻撃を絶対に許さない事を確認した。当時社内に居た4名の非組合員にも参加を呼びかけた。第1日目の団交は8時半から開始された。
  組合はまず、会社の主張する9時の破産申立を中止するよう要求した。弁護士は「申立は行います」と一方的に強弁し、誠実団交を拒否した。
  組合が事前協議合意約款を示し、この存在を知らなかったのか?と問いただすと、弁護士は「社長から説明は受けている」と回答したが、「やむをえない緊急避難である」と。
  しかし弁護士の説明によれば、会社がこの弁護士のもとに相談に行ったのは12月の上旬。12月15日の支払いの手当がつかず、破産を決定したのは一週間位前であった、という。一週間も前に決定しておいて、緊急避難とは何事か!組合員の怒りは沸騰した。事前に協議する時間は十分にあったではないか。しかも会社は、年末一時金を巡る団交を12月9日に行い、この日も「破産はありません」と約束し、次回の団交期日を1月22日に設定までしていたのだ。こんな卑劣なだまし討ちをしておいて、緊急避難とは何たる言い草だろうか。明らかにこの代理人弁護士は、組合との事前協議を無視し、突然の破産に持ち込むべきであると不当労働行為を教唆していたのである。
  なお、申立書に拠れば、会社取締役会が破産を決定した日付は12月13日となっている。組合との団交で破産はしないと約束したその熱も覚めやらぬ4日後に、会社は破産を決定していたのだ。これをだまし討ちと言わずして何と言おうか。

 労働者の団結権確保のため血を流してでも職場を守り抜く

 会社破産とは、経営者によって作り出された矛盾の一切を労働に押し付ける行為である。労働者が営々と築き上げてきた資産を、裁判所・管財人や弁護士、債権者と言うハイエナどもが、よってたかって骨までズタズタに食い散らし、労働者とその家族を寒風吹きすさぶ路頭に放り出す行為である。
  1月14日、神戸地裁伊丹支部は会社破産を宣告し、管財人がわれわれを職場から追い出そうと卑劣な攻撃をかけてきている。破産法とは、資本が作り出してきた矛盾を労働者に押し付けるために作られた法律だ。破産法の中では、労働者が生活し生きる権利は一切認められていない。労働者の団結だけが、この攻撃を打ち破り、勝利する事が出来る唯一の道である事を我々は知っている。労働者は団結を守りぬいて闘う以外に、生きてゆく事が出来ない事を我々は知っている。だから、我々が営々と築き上げてきた、労働者の団結の砦であるこの職場を、命をかけても守り抜くのである。労働者が生きることを妨害する法などどうして認められようか!
  日本管検工業分会は、自衛隊基地に隣接する職場から、イラク反戦や有事法反対を掲げてストライキ闘争を打ち抜いてきた先鋭的団結力を持った分会である事に誇りと自信を持っている。分会結成から7年余り、様々な攻撃を鋼の団結で打ち返してきた実績を持っている。国鉄決戦をはじめとするあらゆる争議の場に登場し、地域団結を作る闘いの先頭に起ってきたこの分会の拠点職場を、どうしてみすみすハイエナどもに渡す事が出来ようか。
  管財人は『団交応諾の義務はない』『直ちに立ち退かなければ話はしない』などと労働者の団結権・争議権を全面的に否定する言動を繰り返している。いわば、会社とともに労働者の生存権すら消滅させようというのだ。労働者の権利は、労働者が団結することによってのみ守られるのであり、団結権こそ労働者の生存権を保証する唯一の根拠である。われわれは団結権を守るために血を流してでも闘う決意を打ち固めている。
皆さんの力を、私たちに貸して下さい。
  日本管検工業における破産争議は、関西合同労組及び労組交流センター運動が、その真価の問われた『大勝負』となっている。関西合同労働組合屈指の拠点職場、関西労組交流センター事務局次長職場をなんとしても守り抜こうではないか。いまこそ、皆さんの力を私たちに貸して下さい。正月返上で貫徹されてきた連日の泊り込みへの参加、闘争を支える熱烈なカンパは大歓迎です。寒い夜を乗り切るための灯油を買うお金も、身体を心から温める飲み物も、手ぶらでの激励も…。
  分会員は、実によく闘っています。毎日8時に出勤し、朝礼をし、その日の闘いを全員で協議し、勉強し、団結を日々強めています。申立攻撃の前よりもずっと生き生きとしています。団交を繰り返すたびに力をつけ、自らの闘いに誇りを感じています。資本の支配から解き放たれた労働者が、自らを支配階級へと高めてゆく闘いが、この破産争議の中で生み出されているといっても過言ではないのです。
  闘う労働者の団結という力がいかなるものか、破産争議とは如何にあるべきか、今こそ天下に轟かすような闘いをともに作り出そうではありませんか! 労働者が生きんがために団結して闘う姿が、いかに美しいものかがここにはあるのです! ご支援をよろしくお願いします。

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特集 04春闘の課題

●イラク派兵と労働者の組織化

 職場であらゆる創意工夫をこらし、労働者を反戦闘争に組織し、全世界の労働者と連帯して、3・20反戦闘争の大爆発を創りあげよう

 イラク派兵に対する怒りの決起

 03年12月9日、小泉政権はイラク自衛隊派兵基本計画を閣議決定し、12月25日に航空自衛隊員などの先遣隊をイラクに派兵しました。1月中に他の先遣隊が派兵され、2月上旬には本隊の派兵を強行しようとしています。これに対し、全国で派兵に対する労働者・市民・学生による派兵中止の申し入れ行動や抗議デモがおこっています。しかも、こうした反戦行動は様々な立場を超え、統一的な行動として発展し、またそれが新たな大きな反戦運動を生み出していくことができる、そういった情勢を迎えています。
  首都東京で幾十万の反戦行動を私たちはこうしたイラク自衛隊派兵現地闘争を積極果敢に取り組み、労働組合に呼びかけ、そして何よりも自らの職場で反戦行動に組織することで、3月20日首都東京のど真ん中に幾十万人の反戦行動を巻き起こしていきましょう。
  この日は、全世界で、主要な都市で百万人規模反戦行動が予定されています。日本においても、首都東京で十万人を超える反戦集会と行動を闘われたとき、小泉政権に大打撃を与え、情勢を大きく変える力となることは確実です。
  そのためにも、労働組合交流センターは職場労働者を反戦行動に全力で組織していくことが求められています。それにはまず、私たち自身が反戦行動に参加し、何よりもこうした闘いの実情や訴えをあらゆる手段を駆使して職場に伝え、職場で討論を巻き起こし、百万人署名運動を展開し、反戦行動に組織していきましょう。

 職場での、反戦闘争の組織化の重要性

 こうした職場での取り組みについて、労働組合交流センターの仲間達の話しのなかで、実際こうした取り組みが困難を抱えているとの話しも良く聞きます。多くの職場では「自由な発言すらまともに出来る環境にない」とか、「政治的な発言はなかなか出来ない」という話しもあります。また、大失業攻撃の嵐があり、強労働、生活苦の渦中にあり、とても労働者の関心がそこに及ばないという話しもあります。
  しかし、街に失業者があふれ、労働者の生活と権利が、そして命が簡単に奪われるほどまでに落としこめられた状態にあるとき、はじめて幾十万人、幾百万人の兵士を募る侵略戦争が可能となります。なぜならば、実際に兵士等に動員されるのは労働者階級だからです。だからこそ、侵略戦争と資本大攻勢は一体となった労働者階級への攻撃であり、私たちは侵略戦争と大資本大攻勢を闘うことが必要なのです。
  たとえ、職場に反戦闘争を持ち込むことがどんなに困難であっても、それが侵略戦争を止める本当の力となる以上、わたしたちは創意工夫をこらし、ねばり強く、継続的に労働者を組織することに、全力を傾注していかなければなりません。
  その場合、「わたし個人」が職場で労働者を組織するのではなく、多くの仲間によって労働者を組織することがポイントだと思います。交流センターの会議やフラクション会議では情勢問題で終始することなく、労働者の組織化にかかわる様々な具体的な問題について討議し、対応を決め、行動していくための会議とすることが重要です。こうした仲間の援助によって、一人の労働者を組織し、そして新たな仲間がさらに仲間を拡大していくといった組織活動のあり方が必要だと思うのです。

 自衛隊のイラク派兵は侵略戦争の道

 職場で労働者と討論すると様々な意見がでます。「日米安保同盟が必要だから」「復興支援だからいいのではないか」「テロとの対決するために必要」とか、「自衛隊が危険な地域に行くから反対する」「米国の言うなりになるから反対だ」等々と。私たちはこうした意見を真摯に受け止め、真正面から応え、ねばり強く討議を深めていくことが必要なことだと思います。
  いま、小泉政権はイラク派兵を強行する一方で、国民保護法案等有事関連7法案、さらに教育基本法改悪法案、共謀罪等々が国会に上程されようとしています。また、武器三原則の見直しを宣言し、武器の公然たる輸出をおこない、戦争によって利益を得ようとしています。そして、それを集約するものとして憲法改定が日程にのぼっているのです。
  つまり、小泉政権は国家体制を変えること、つまり「戦争国家」「戦時体制」をつくりあげることに全力をあげています。そしてそれは経団連経労委報告や奥田ビジョンの「東アジア自由経済圏構想」と完全に軌を一にしたものです。
  小泉政権がおこなおうとしている「戦争国家」とは、単に「戦争ができる国家」ではなく、また単に「戦争する国家」だけではありません。「戦争をおこない続ける国家」に、つまり帝国主義として露骨に登場することなのです。戦争を準備することで利益を得、戦争をすることで利益を得、戦利品で利益を得、そして他国から利権を強奪することで利益を得る強盗国家となることです。いま、イラクやアフガニスタンで起こっていることが、東アジアにも起ころうとしているのです。
  侵略戦争に対する闘いと大資本攻勢との闘いは一時的な闘いではありません。私たちはどっしりと腹にすえ、そして労働者階級のなかに、根をはりめぐらされた組織をつくりあげることが必要なのです。

 労働組合運動の階級的な再生に向けて

 04年の経団連経労委報告は、結論的に資本家階級が労働者階級を食べさせていくことができないと表明しているものです。現に、労働者は大資本攻撃にさらされ、「終身雇用制」や「年功序列賃金」が解体され、強労働や不安定雇用、失業と低賃金化、そして雇用保険や年金改悪によって、自分たちがどのように生活し、生きていくか厳しい選択を常に迫られています。こうした労働者の不安や怒りに応えることのできない労働組合は現場労働者から見放され、ますます空洞化がすすんでいます。
  こうした状況にあって、11・9国際連帯労働者集会は労働組合運動の大きな前進を示したものでした。戦争と大資本攻勢と真っ向から闘い続ける3労組、そして韓国民主労総、米国ILWU労組との連帯、20労組との連帯、そして百万人署名運動の決意等々と大きな歴史的な展望を与えるものでした。私たちには大きな武器を手にすることが出来たのです。
  「連合」や「全労連」が展望を失い、労働者階級に依拠した闘いや組織化を放棄するなか、私たちは大きなチャンスを迎えています。どんな治安弾圧や監視も、私たちの前進を阻止することができません。5・27国労臨大闘争弾圧の被告や家族が、また韓国や米国の労働者が、私たちにそのことを教えています。そして何よりもイラク、アフガニスタンの民衆が私たちに呼びかけています。
  1月、2月の反戦行動を闘い抜き、その闘いを労働現場に持ち込み、3・20首都東京のど真ん中で、幾十万の労働者市民の反戦行動を巻きおこしましょう。賃下げ、定昇ストップという大資本攻勢に対し、04春闘を全力で闘い、労働組合の階級的な再生を現場労働者とともに勝ちとっていきましょう。 (津田久男)

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●『俺たちは鉄路に生きる―2』を読んで

 東京労組交流センター事務局長 小泉義秀

 資本・当局が日常不断にまきちらす思想・イデオロギー、あり方とどう闘うか

 私が一番重要だと思った点の第一は、55頁の「職場闘争について」の項目の一番最初、「職場闘争は職場支配権をめぐる闘いであり、激しい党派闘争である」と書かれている部分である。その中でも「一番の闘争は、資本との闘争です。資本・当局が日常不断にまきちらす思想、イデオロギー、あり方、これとどう闘うかということが一番の党派闘争です」(56頁)と述べられている点が極めて核心をついている真理である。
  あるがままの労働者のは多かれすくなかれ資本の側のイデオロギーにどっぷりと浸かっている。資本主義体制そのものが労働者の階級意識を荒廃・堕落させ、資本は不断にそれを再生産しようとする。したがってこの資本のイデオロギーと闘うことが、最大の党派闘争であるというのである。ルカーチは『歴史と階級意識』という著作の中で「さまざまな労働者政党を生み、共産党を成立させるところの、プロレタリア内部の諸階層は、けっしてプロレタリアートの客観的・経済的な階層分化ではなく、その階級意識の発展過程における差異なのである」(『白水社』530頁)と述べているが、労働者の階級意識の発展段階には差異がある。この差異はまず最初に資本のイデオロギーに労働者は毒され、その支配下にあるということを意味している。その労働者はさまざまな闘いのなかで自己の階級状態についての正しい意識を身につけていくのであるが、その過程は一様ではなく発展段階がある。この発展段階の差異がさまざまな労働者政党を生み出すというのである。反革命的な党派、中間的党派ふくめいずれにしても資本と闘う真に闘うのではなくその威を借りて労働者を支配したり、資本の力を背景に労働者の上に君臨しようとする。だから資本と真に闘うという立場に立つときはじめて他党派との党派闘争に勝利することができるということである。
  この中野さんの労働運動観の対局に革マルの「論」がある。「革マルの言う『階級闘争』では、権力の力を借りてでも他党派や他団体を解体することが『革命的』になる」(164頁)とあるように、革マルの党派闘争というのは、資本との闘いではなく、文字通り他党派解体が目的化され、彼らには「敵の敵は味方」という考え方がある。すなわち、他党派の敵である資本や権力が味方になるということだ。反革命と中間主義とは区別する必要はあるが、党派闘争というものに対する中野さんの考え方を学ぶ必要がある。

 職場闘争の核心は、資本に対する怒り

 次に重要だと思ったのは「職場闘争の核心は、資本に対する怒り、国鉄の場合は国鉄当局に対する怒りです。資本に対する怒りのない労働者に、職場闘争ができるはずがない。それから、こういう状態に追い込んでいる組合のダラ幹に対する怒りがなかったら職場闘争なんてできない」(56頁)という部分です。ダラ幹との闘いも資本と闘わないダラ幹、資本と一体となって、あるいはその手先となって労働者の闘いを押さえつけようとする輩との闘いということである。
  以上の点を押さえつつ、「権力をとるという目的意識」「日常不断の闘いの中で組合員の支持をえること」「職場闘争は組合の指導部の能力を形成する場」(60頁)という点が、われわれが職場で闘う場合に最も必要なことである。さらに「もうひとつ重要なことは、自分たちが組合の権力を掌握した時、『何をしたらいいのかわからない』というのでは、権力を掌握する権利はない」(59頁)という点が鋭い指摘である。24時間365日、どうやって資本・国鉄当局と闘うか、どのような職場闘争を組織するかということばかり考えて闘争してきた中野さんならではの叙述である。組合の権力をとるということは、直ぐさま「体制内労働運動か、階級的労働運動かと言う問題」(165頁)がそ上に上る。またわれわれはそのために権力をとろうとする。しかし、そういう視点なくして連合や全労連指導部との野合の上で組合の役員になる場合、その組合の小間使いとしてただ使われ、そこにどっぷり使って抜け出せなくなるということが起こる。そういうのでは権力をとったことにはならないということなのである。

 船橋事故を労働運動の最大の闘いに

 第三は、「船橋事故闘争を労働運動の最大の闘いにしよう」(74頁)として闘ってきた点である。このことが動労千葉の労働者を組織する大きな転機になったことがよくわかる。
  私の職場でも「安全と弁当は自分持ち」と言われ、事故を起こした時はほとんどの責任が労働者自身の「ヒューマンエラー」とされる。労働強化、過密・過重な労働環境は二の次にされる。そのくせ安全が最も大事だなどという「教育」はなされる。が、これは極めて欺瞞的なものだ。だから「事故問題は労働組合運動としては成り立たない」といわれてきた歴史をこの船橋事故闘争でひっくり返していった闘いは、コペルニクス的転換だったと思う。このような闘いが動労本部と千葉の違いを際立たせ、仲間を守るという労働者の信頼を獲得していったのだ。

 徹底した内部討議をとおしての団結

 第四は、『徹底した内部討議をとおしての団結』(117頁)という点である。「中核と革マルの内ゲバを持ち込むな」という論に対しても、組合員に事実を明らかにして「執行部が逃げないで、徹底した討論をした」という点が動労千葉の団結の作り方であり、強さの秘密であると思う。
  私は新小岩支部の大会や忘年会にはできるだけ出させてもらっているが、大会が形式的なものでなくて、いろいろな意見を腹の底から出し合う場であることに心からの感動を覚える。私がかつて所属していた組合は、組合幹部は組合の権力を維持するために、組合員が意見を言えないような体制をつくり意見を言わせないことに腐心して、大会を機械的に成立させる事だけを追求してきた。議案が原案通りになることが第一の目的であり、組合員の意見を封殺することが大会の核心であるかのような大会である。連合・全労連傘下の労働組合はそういうところが多いのではないか。しかしながら、動労千葉新小岩支部の大会は違う。形式は二の次で組合員が言いたいことをいう場なのだ。それが仕事の専門的な内容を含めてすべて労働運動に必要なことが求心力をもって語られる。脱線しているかのように見えてすべてが労働組合にとって必要な日常的なことが全部出される。それでいて放言に属するような発言は一つも出ない。緊張感をもった団結力を形成するための意見に終始している。それは酒を飲んだ席でも同じだ。そして新小岩の組合員はそういう言いたいことが言える支部の在り方に誇りをもっている。それが支部だけでなく動労千葉全体を貫いている作風のようなものなのではないか。中野さんが『徹底した内部討議をとおしての団結』ということが本当に組合全体に貫かれているということがよく分かる。
  「民同労働運動を乗り越えるとはどういうことか…それは根底的には、動労千葉に結集している労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘うということです」(164頁)とある。われわれは論としてはこういうことを結構言ってきた。が、本当にそういうことが実践できているかというとそうではないのではないか。頭ではそういう理解をし、そういうことも言うが実践となるとそうなっていない。労働者の中にすべてをさらけ出し、体ごと投げ込むということができていないのだ。その意味で動労千葉の『徹底した内部討議をとおしての団結』をもっともっと学ぶ必要がある。

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・私の職場から

●港湾現場はすでに「有事体制」

 神奈川 自治体労働者部会 皆川 利夫

 私は、港(公共ふ頭)で船舶の入出港を管理する仕事をしている自治体労働者です。私の職場である港湾関連の状況について書いてみます。
  まず、12月9日の「イラク派兵」閣議決定以来、自治体が管理している公共ふ頭でのイラクヘの軍事物資荷役の動きが出ています。(03年12月時点で)
  となれば、実際、港湾労働者はもちろん、私などが働く自治体職場もまた、イラク侵略戦争に加担することになるのです。
  防衛庁の計画では、「おおすみ型」輸送船か掃海母艦を広島県呉基地から室蘭港へ回航して、軍事装備を積み、護衛艦とともにクウェートへ向かうことになっていたそうです。それに対し、港湾労働者の労組「全国港湾」は実力行動も辞さずと準備指令を出し、自治体当局への追及を行いました。防衛庁は、そうした動きをとる一方で、軍事物資を一般貨物の中にこっそり隠しながら運びだそうとまでしているのです。
  このことは、反戦を闘う労働者・労働組合の闘いを恐れていることでもあるのでしよう。
「SOLAS条約(海上人命安全条約)の改定」による港湾の有事体制化
  さて、私たちが働く港湾は全国でいったいいくつあるのでしようか。実に日本には1千を超える数の港があります。そのうち、外国との関係をもつ「重要港湾」といわれる港が128港あるのです。すなわち港湾管理権をもつ自治体が128あるということです。
  国は今、そうした全国の港湾に対して、「SOLAS条約」改定に基づいて、「テロ対策」と称した「保安体制」をつくろうとしています。港を一般市民が立ち入ることもできない「国際空港なみにせよ」ということです。
  海上保安庁や入管など国の機関に「自治体が従い」、「保安官」が24時間体制で港を警戒し、外国人を見たら「テロリストではないか」と疑い、「あやしい人間」を監視し、「必要なら捕まえてしまえ」ということでしよう。
  そもそも、「SOLAS条約」とは、あのタイタニック号遭難事故からの生みの安全を願っての条約であり、船舶と乗客、乗組員の安全のためのものです。
  「9・11ゲリラ事件」に決定的な衝撃を受けたアメリカ政権が、この「SOLAS条約」を悪用して、これを改定し、「世界の港を戦争体制にしてしまえ」と強要してきており、また小泉政権がこれを利用して「港湾の有事体制化」を図ろうとしているのです。
  港湾の管理は自治体にあるはずです。戦前は内務省下にあり、中央統制に屈していた港湾、「海で囲まれている国・日本の戦争の拠点は港湾であった」ことを痛苦に反省してのことなのです。現在、そうした港湾法の理念まで踏みつぶして、国の手によって「港湾の有事体制化」が図られる状況にあります。
  海、港は、国のもの、戦争のためのものではなく、物流の拠点であり、市民のものでなければならないはずです。
  港湾労働者の闘いに学び、「有事法制を完成させない、発動させない、戦争協力を拒否してたたかう」を共通のスローガンに「陸・海・空・港湾労組20団体」に結集してともにたたかいたいと思います。

イラク反戦闘争のうねり

  1月22日、小泉政権は航空自衛隊の本隊派兵を強行しました。これに対して、百万人署名運動は、早朝より派兵に反対し、それを阻止する闘いに立ちがりました。全国から約500人が集まり、エアフロントから小牧基地までデモをし、派兵中止を訴えました。
  さらに午後2時から再び基地前に集まり、派兵をやめるように、再び申し入れを行いました。そして4時30分の派兵強行を徹底弾劾しました。
  午後6時30分、若者達のあつまるクリエーティブ・ファイターズは名古屋市内で派兵を弾劾するピース・ウォークを100人で行い、多くの人たちが合流してきました。

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●闘いは進む

 ☆明け渡し仮執行判決弾劾! 職場からの組合排除をはね返したぞ! 三一書房労働組合

はじめに 「明け渡し強制執行」ありき

 昨年12月26日、東京地裁41部坂井満裁判長は、原告・三一書房(鈴木武彦社長)が三一書房労働組合・古屋文人・三角忠、および日本出版労働組合連合会(出版労連)・今井一雄の5者を被告として提訴した「建物明渡等請求事件」について以下のような判決を下した。
1 被告三一書房労働組合および被告出版労連は、原告に対し、別紙物件目録1(本郷本社)および2(朝霞倉庫)記載の各建物を明け渡せ。
2 原告のその余の請求はいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その3を被告三一書房労働組合及び被告出版労連の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、1項に限り仮に執行することができる。
  以上が主文である。
  判決は、「その余の請求」である「損害賠償請求」について、組合側の主張をほぼ認め、東京都地方労働委員会が不当労働行為として認定した以上に会社側の一連の組合つぶし攻撃を「違法」と断定、会社側の権利濫用として棄却した。
  しかし、この二つの請求目的は別々のものではなく、「損害の発生により明け渡しの緊急性・必要性がある」のであり、「損害賠償」については棄却しながら「明け渡し」を認め、しかも「強制執行」という会社側の最も取りたかった「会社施設からの組合排除」に合法性を与えるという許すまじき反動判決である。
  われわれはこの判決を徹底的に弾劾する。

つくり上げられた「排他的占有」

 では「損害賠償請求棄却」の理由から離れて「明け渡し仮執行」を命じた根拠である「排他的占有」(「原告を排除する占有態様」の意)はどのようにつくり上げられたのだろうか。
  判決は概略、次のように述べる。
  98年8月以降、女性組合員に対する退職金支給、賃金カットなどを具体的な焦点としながら会社側が経営責任を認め、賃金カットの撤回などいったんは組合の要求を受け入れた事情を意図的に捨象し、労使が「激しく対立」し、組合が「ストを繰り返した後に本件ロックアウトが行われた」とし、「(99年1月14日に代表取締役に選任された)菊池に要請に基づき建物の占有を行っている」ことをもって「被告らの占有は原告を排除する態様であると認められる」と決めつけているのである。

「違法ロックアウト」を結局は容認

 問題は、本件ロックアウトが「損害賠償請求」棄却の理由では違法なものとしながら、「明け渡し」については容認している点だ。
  判決は「原告(会社)は被告労働組合を嫌い、同被告が存在する限り、本件ロックアウトを継続する意思であったものであり、これにより、当時の従業員である組合員らによる営業を停止し、組合員らの就労の機会を奪うものであったと認める他ないから、本件ロックアウトは、ロックアウトとして許される限度を超えた違法なものであり」と断罪しながら、「明け渡し」を認めた右の理由では「組合がストを繰り返したこと」に対する「許される限度のロックアウト」として擁護しているのである。

就労の意思表示は職場でやる

 次にこの「ロックアウト違法」判断の矛盾とも重なりながら、判決は労働組合の労働基本権行使という点を無視し、「菊池の要請」を短絡的に「原告を排除する態様」と結びつけているのである。
  99年1月、組合は「菊池の要請」を「社の良心の回復として就労した。しかし、あいかわらず解雇は撤回されず、賃金も未払い、その後も次々と懲戒解雇…。ありとあらゆる不当労働行為を乱発し居直る会社に対し組合は、01年9月に出された東京地労委の全面的救済命令履行を迫り、連日、就労の意思表示とそれを担保するために必要不可欠な「違法な再ロックアウトを許さない」宿直を貫徹しているのである。
  「原告を排除する」どころか、現に今日まで会社施設に立ち寄ろうとせず団交拒否と逃亡を繰り返す会社側に対し、組合は何度も何度も団交を要求し、その場所を「本社会議室」と指示している。
  組合は以上のような判決批判を骨子とする「弾劾声明」を年明け早々に発表。判決当日、1月5日と続けて本社前抗議集会を開催した。1月6日高裁に控訴、1月8日「強制執行停止」を地裁に申し立てて、3度にわたる裁判官面接を闘い取り、ついに1月14日「強制執行停止」を勝ちとった。

「執行停止」勝ちとったぞ!

 職場確保―宿直防衛闘争を5年間がっちり闘いながら、昨年9月「明渡等請求事件」結審以来、毎月2度以上東京地裁に「不当判決を許さない」宣伝行動、団体署名―申し入れを闘いぬき、たとえ「強制執行」がかけられようと、これを跳ね返す団結を固めてきたことが「執行停止」を勝ちとった原動力であることを確信している。
  いざ反転攻勢へ。控訴審闘争勝利、逃亡し団交拒否をくり返す三一書房経営者(鈴木・岡部両代表取締役)に「逃げるが勝ち」を許さず、中労委勝利命令を確定させ、全国の闘う労働者とともに連帯してイラク派兵反対闘争に起ち上がり、04年を三一書房闘争の勝利の年に!

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●許すな!「4党合意」労働委員会闘争シリーズU−G

東京高裁、動労千葉事件を棄却
  12月25日(木)東京高裁は動労千葉が控訴していた「4党合意」不当労働行為救済申し立て事件対して申し立てを棄却する判決を行った。この日、東京高裁村上敬一裁判長は、年内中に判決を言い渡してしまおうとばかりに、担当事件の判決を次から次へと言い渡し、動労千葉事件についても極めて事務的に「判決を言い渡します。主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする」と述べ、さっと法服を翻して、法廷から出ていった。傍聴席から「反動判決弾劾!」の野次が飛んだ。
  判決後、動労千葉は弁護団と共に裁判所記者クラブで記者会見を行い、田中委員長から改めて控訴棄却を弾劾する声明が発せられた。
  12月22日(月)1年2カ月ぶりに国労5・27臨大闘争弾圧の8被告が保釈された。九州の2名は福岡地労委の申立人、大阪の5名は大阪地労委の申立人である。福岡地労委は2名が勾留中に、2名の意思を確認することをしないで、結審宣言を行い、最終準備書面の提出期日まで一方的に通告した。
  一方、大阪地労委は橘さんの主尋問中に申立人5名が不当逮捕・勾留されたため、審問は中断されていた。5名は保釈を勝ちとったので、弁護団と打ち合わせをした上で、早急に審問を再開させていく。

 各地の闘いの経過(前号の続き)
  ◆東京地裁行訴
   (東京・新潟・秋田・鳥取・千葉併合事件)
     第5回弁論  12月17日(水)
     次回弁論期日 1月23日(金)
  ◆東京高裁行訴控訴審
   (動労千葉事件)
     判決     12月25日(木)
  ◆大阪地労委
     再開に向け準備中
  ◆福岡地労委
     結審宣言   9月29日(月)
     最終陳述書提出期日の延期を申し出る。

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●読者のページ

 ☆再上程の共謀罪新設阻止 東京 上田勇一

  共謀罪が再び国会に上程される。昨年の国会に上程されたものの1回の審議もなく廃案になった。今国会では2月中旬に上程する予定だという。
  共謀罪は、実行行為―予備的であろうが―全くなくても、話し合っただけで罪となるという希代の悪法である。人の心の中にあることを罪とするという、戦前の治安維持法や破防法を上回る悪法であり、現在の刑法を根本的に変えてしまうものだ。
  この共謀罪を適用する法律は、法務省が用意したリストには約560の法律が入っている。
  2人以上の組織というが、組織についての規定は何もない。労働組合、市民団体、会社、クラブなどなんでもよい。
  心の中にあることをどうして警察は知ることができるのか!あらかじめスパイを入れておくとか、盗聴とか、デッチ上げなど汚い捜査方法が採用されるのは明らかだ。
  とりわけ盗聴法が改悪されるのは明らかだ。あらかじめ盗聴の人物や団体を決めて、盗聴する。室内に盗聴器を仕掛けたりする。現在でもすでにやっているかもしれないが、合法化しようとするだろう。
  戦争に踏みだした小泉が、治安弾圧の中軸を担うものとして共謀罪の強行採決をやってくるだろう。大衆運動の大爆発で共謀罪の新設を阻止しよう。

 

 ☆組合員を無視する組合、なんとかしよう 神奈川 全逓 桜井 隆夫

  「日本郵政公社」になって最初の年賀が終わった。前年比14%増の年賀状を販売し、「国民1人500枚は年賀状を出して欲しい」との、総裁の大号令を受けての年賀であった。
  話は飛んで、一気に具体的になるが、とうとう私の支部では繁忙期間を過ぎても、その期間中の手当について、組合員に周知、報告がなされなかった。なんということか。
  繁忙手当、特別繁忙手当、超勤加算額について、なんの説明も、事前・事後にされなかった。
  繁忙手当は出勤日1日につき支給され、特別繁忙手当は12月29日〜31日、1月2日〜3日の出勤に支給され、超勤加算額は文字通り超勤にプラスがされるのだ。
  繁忙手当、超勤加算額の支給は、局によって課によって金額がちょっと違うのである。つまり、同じ年賀をやっても賃金が違うのである。神奈川県内でも、川崎市内でも違うのだ。 
  以前、全逓神奈川は「神奈川ニュース」で手当について、局別、課別に具体的に、前年比も含めて周知されていた。今はそのようなこともなされていない。これでは「組合員の組合離れ」はますます加速の一途をたどるだろう。

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