2004年7月号(No172) 目次
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労働者の目 熱き労働者魂−動労千葉中村書記長を追悼する

労働ニュース
   ●「日の丸・君が代」/所得/出生数 ●年金/合理化など ●日誌

国労5・27臨大闘争弾圧刑事裁判

・特集  有事法制を発動させない!
   ●戦時下の「日の丸・君が代」闘争の爆発で、教育基本法改悪を阻止しよう!
   ●「発動させない、協力しない」闘いを!
    ●軍事輸送拒否を鮮明にかかげよう

米軍によるイラク人拷問虐待とそれへの復讐

戦後補償裁判 新潟からの報告

2004年夏反戦反核アピール

難問解決労働相談 第3回

・たたかいは進む
    ●日本労働法学会大会にビラ入れ

読者のページ

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●熱き労働者魂―動労千葉中村書記長を追悼する

 全国労働組合交流センター事務局長 辻川 慎一

 動労千葉の中村書記長が急逝された。彼は、「俺たちは鉄路に生きる2」、制帽、赤ラーク、そして多くの仲間たちが捧げた満杯の白菊に囲まれて駆け抜けるようにいってしまった。送る人々の悲しみをよそに、若々しく、美しいとも思える死顔だった。そこには、労働者として男として己の生き様を貫き切った安らかな顔があった。私は思う、彼の死は惜しまれる死ではあっても、断じて悲劇の死ではないと。仮に動労千葉書記長としての重責が彼の死を早めたとしても、彼は彼の生き様を貫いたのであり、悲劇と捉えるのは彼に対する冒涜であると思うのだ。彼は、その存在をかけ、困難を引き受け、全力で動労千葉を守り、その運動の発展を田中委員長と共に必死で切り開いてきた。我々が引き継ぐべきは、彼の苛烈なまでに熱い思いと、生き様ではないのか。それ以外の追悼は、彼にとってはよそよそしいものであろう。半端な生き様や関わり方に対する「俺の思いが分かるか!」という彼の厳しい怒声が、私に聞こえる。
  厳しい生い立ちの中から労働者階級として立ち上がり、分割・民営化という未曾有の試練の中で国労の旗を守り抜いた彼は、スト破りを峻拒して動労千葉に入った。そして、中野体制から田中体制への移行という動労千葉の試練を書記長として真っ向から引き受けてきた。正に、彼の人生は困難や試練に立ち向かい、自己の存在をかけて、体を張って闘い続けた人生ではなかったろうか。もちろん、彼の苦闘や喜びがつぶさに分かるわけではない。土台、一人の人間の生き様を、その内面を、文字で言い表すなどということは不可能だ。彼の思いは、自らが共に困難を真っ向から引き受け、立ち続けることによってのみ理解されるのだと思う。半端な感傷の入る余地のないほど彼の生き様は激しく、熱い。もっと一緒に生きて、その成熟した姿を見たかった。それが出来なくなったことは、返す返すも残念だ。しかし、私は、彼は彼の生き様を全うしたと確信する。私も己の生き様を貫き続けることを彼に誓った。

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● 労働ニュース(04年5月16日〜6月15日)

生徒不起立 担任らを処分
  東京都教育委員会は25日、都立高校の卒業・入学式で「君が代」斉唱時に起立しない生徒がいた学級の担任ら57人について、生徒への指導が不足していたとして厳重注意などの指導をすると発表した。都教委が昨秋、「日の丸・君が代」の徹底を求める通達を出して以来、生徒への指導責任を問う措置は初めて。

教職員組合「指導撤回を」
  卒業・入学式の「君が代」斉唱時に、生徒が起立しなかった都立高校の教員らについて、厳重注意などの指導をすることを都教育委員会が決めた問題で、教職員組合は26日、相次いで指導の撤回などを求める抗議声明や談話を発表した。

都、40人を追加処分
  東京都教育委員会は24日、都立高校などの今春の入学式で「君が代」斉唱時に起立しなかったなどとして、教員ら約40人を戒告などの処分にすることを決めた。昨秋、都教委の通達以降、卒・入学式の処分は計約250人になる。

世帯年収600万円切る
  02年の1世帯あたりの平均所得は589万3千円と6年連続で減り、90年以来12年ぶりに600万円を切ったことが28日、厚生労働省の「03年国民生活基礎調査」で分かった。生活が「苦しい」世帯が半数を超え、特に18歳未満の子供がいる世帯は6割強と過去最高。働く母親も増え、不況に苦しむ子育て世帯の姿が浮き彫りになった。

母子家庭の8割「生活苦しい」
  母子家庭の年間収入は一般世帯平均の約4割にとどまり、「生活が苦しい」と感じている世帯が8割を超すことが、厚生労働省が25日まとめた初の「母子家庭白書」で分かった。

「共働き派」の男性、10年で倍増
  妻に出産後も仕事を続けてほしいと考える「共働き派」の男性がこの10年間で2倍近くに増えていることが、政府が11日に閣議決定した04年版の「男女共同参画白書」で明らかになった。内閣府はその背景として、リストラや賃金カットにより男性1人では家計を支えきれなくなるとの危機感が強まったと分析している。

常用労働者数6年ぶり増加
  厚生労働省が1日に発表した4月の毎月勤労統計調査(速報)によると、常用労働者の数が前年同月比0・4%増の4千286万人となり、98年4月以来、6年ぶりに前年同月比を上回った。厚生労働省は「景気回復の反映」とみているがパートを除く一般労働者は、減少幅が縮まる傾向にあるものの、まだ1・1%減。

貯蓄率、日米の低下顕著
  欧州中央銀行(ECB)と経済協力開発機構(OECD)は9日、家計の貯蓄率を日米欧で比較したレポートを公表した。貯蓄率は日米欧とも低下傾向にあるが、特に日米で低下が顕著だ。日本では高齢化により貯蓄を取り崩す家計が増えているのが背景とみられる。

出生数最小112万人、自殺最多3万2千人
  厚生労働省は10日、日本人女性1人が産む子供の数の平均数を示す03年の合計特殊出生率を発表した。出生率は戦後最低だった02年の1・32%を下回って1・29%となった。生まれた子供の数は約112万4千人で3万人減少し、1899年に統計を取り始めて以来最低。

社会保険料、会社員負担年収の16%
  厚生労働省は、会社員の年収に対する社会保険料の割合が、04年の平均23・7%から25年に1・3倍の31・7%に上昇するとの試算を、「社会保障の給付と負担の見通し」としてまとめた。保険料は原則労使折半で、本人負担は平均11・85%から15・85%に上がる。

年金未納、最悪水準続く
  03年度の国民年金保険料の未納率が過去最悪だった前年度とほぼ同じ37%程度に達したことが明らかになった。制度不信に歯止めがかからず、納付者数を増やすことができなかった。

パートに残業手当
  厚生労働省は正社員だけでなくパートや派遣、請負労働者などの残業に対しても割増賃金の支払いを企業に義務づける新法案を来年の通常国会に提出する方針だ。現行法は割り増しを週40時間の法定労働時間を超えた場合に限定しており、契約などで決まる「所定労働時間」の短いパートなどは大半が対象外。産業界の反発も予想される。

サービス残業、過去30年で最多に
  残業したのに割増賃金を支払わない、いわゆるサービス残業で、03年に労働基準監督署が事業所に是正指導した件数が約1万8千500件と、過去30年で最多だったことが9日、厚生労働省の調査で分かった。

定年後再雇用、労使に深い溝
  65歳まで働ける環境整備を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法が成立した。大企業が中心にここ数年で定着した定年退職者の再雇用制度は、企業が採用するかどうかの決定権を持っており、改正法も現状を追認する内容にとどまった。年金支給開始年齢の65歳への段階的引き上げはすすみ、退職後の生活への不安は高まる一方だ。

「個別労働紛争」の相談件数急増
  労働者個人と事業主間のトラブルを、裁判に持ち込まずに迅速な解決を目指す「個別労働紛争解決制度」に基づく03年度の労働相談件数が、前年度比36・5%増の14万1千件と急増したことが19日、厚生労働省のまとめで分かった。厳しい雇用環境や個人での紛争解決を迫られるパート・派遣労働者の増加が背景とみられる。

労働調停審判員1000人
  最高裁は29日、解雇や賃金の不払いなどの労働紛争を調停で迅速に解決する労働審判制度の新設に向け、1千人の労働審判員を来年秋に選任する方針を固めた。日本経団連や連合など労使の関係団体に適任者の推薦など協力を求める。

ミレア、損保で1500人削減
  ミレアホールディングは傘下の東京海上火災保険と日動火災海上保険が10月に合併するのを機に、2年間で損保部門の人員を約1割にあたる1千500人削減する。

カネボウ、1800人削減
  産業再生機構と同機構の支援で経営再建を目指すカネボウは31日、繊維事業の大幅縮小などを柱にした事業再生計画を発表した。国内の全従業員の37%にあたる1千800人程度削減し、家庭用品、薬品を事業の柱にする。

地方公務員給与に地域差
  麻生総務相は31日、地域の民間企業より給与水準が高いと批判を受けている地方公務員の給与に「地域差」を反映する仕組みづくりを、総務省に指示した。

労働日誌(04年5月〜6月)

5月18日
  厚生労働省は、03年度の毎月勤労統計調査を発表。それによると昨年度の企業の月間平均の現金給与総額は、33万9千471円(前年度比0・9%減)となった。

5月19日
  東京商工リサーチは4月の企業倒産件数を発表。それによると、4月の全国の倒産件数は、1千236件(前年同月比17・3%減)となった。「不況型倒産」の割合が75・9%を占めた。

5月21日
  三菱自動車は、岡崎工場の閉鎖と約1万1千人(グループ全体の22%)の人員削減を柱とする経営再建計画を発表。

5月25日
  中央教育審議会の作業部会は、義務教育費の国庫負担金について堅持する方向を明確にした中間報告をまとめた。

5月25日
  厚生労働省のまとめによると、全国の労働基準監督署が03年度中に受理した過労によるストレス障害やうつ病などの精神障害の労災申請は438人(前年度比28・4%増)となり、過去最高となった。ここ2年間増加傾向にある。

6月3日
  日本経団連は04春闘の妥結結果をまとめた。大手企業154社の平均賃上げ額は5千378円(前年5千391円)でアップ率は1・64%(前年1・65%)となった。

6月4日
  自民党公務員制度改革委員会(委員長・片山虎之助)は、5段階の能力等級制の導入を柱とする改革案をまとめた。政府はこれを基に大綱を見直し次期国会への法案提出を行う方針。

6月9日
  与党行財政改革協議会(座長・安部晋三)は、5年間で国家公務員を1割以上削減することを柱とする提言をまとめ、金子行革担当相に申し入れた。

6月14日
  日本雇用創出機構の調査によると、定職に就かない「フリーター」の約4割が、「やりたいことがある」「時間が自由」などの理由による〈積極派〉であることがわかった。「倒産・解雇」などの理由のフリーターは3割に達した。

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●公安刑事の代書で作られた「被害」届

 まず刑事弾圧ありきで強行した証拠だ!

 国労5・27臨大闘争弾圧 公判報告

  6月9日東京地裁104号法廷にて「国労5・27臨大闘争弾圧」事件の第24回公判が開かれた。今回の公判では前回までの公判と同様に被害届を警察に提出した石井勝幸証人(革同)が出廷し、5月27日当日に受けた「暴行」について弁護団側からの反対尋問が行われた。
  本誌の読者のなかには裁判の傍聴や許さない会の集会などで、証拠として採用されているいわゆる杉並ビデオを見た人は多いと思いますが、そこに写し出されているのは、大会関係者が玄関から出てきてからバスに乗り込んで出発するまでの約20分間のうち、暴行と称するものが全部あわせても1分くらいの時間の出来事であり、誰もが「どこに暴力・暴行があったんだ」との思いをいだくことでしょう。このささいな出来事を「暴力行為等処罰に関する法律」違反という刑事事件に持ち込んだこの5・27弾圧は、なにがなんでもまず逮捕、起訴、勾留ありきというシナリオがつくられ、このデッチアゲのシナリオにしたがって事が進行していったものである。この5・27弾圧の実態が、この間の石井証人尋問を通じても、さらに一層色濃く浮かび上がってきたのである。石井自身が受けた暴行の実態がはたしていったい何だったのか、このことについて、この暴行被害を基に何としてでも刑事裁判にもっていく、こういう前提で暴行の内容も作り上げられていったことが見えてくるのである。

 被害届にはネクタイの件は一言もなかった

 この公判の直前に、これまでずっと公開されてこなかった、証人石井勝幸の被害届けと2通の員面調書が裁判所を通じて公開された。これまで隠されていた重要な書面がようやく法廷に提出されたのである。
  これまで石井は「5月30日の会計監査の日の昼休みの時、日暮里駅の近くの喫茶店で被害届を書いた」、そのとき自分は「最初は同じ組合員やしなあと躊躇はしたが、暴力は許せないとの思いで被害届を書いた」とあたかもその場で自分自身が書いたかのように証言したが、いま実物が公開された被害届けはワープロうちされたもので、警察官遠山の代筆となっており、さらに日付は5月31日になっている。石井はこれにただ署名捺印しただけというものである。しかもこれには前回に証言していたようなネクタイをつかまれたということはどこにもなく、手で首を締められたとなっている。
  このような基本的な暴行の具体的内容があきらかに違っているにもかかわらず、石井は「包括的には同じ事」と証言してはばからないのである。5月27日から数日しかたっていないこのときのこの記憶が一番正確と考えるのが当然であるが、これがなぜかこれまで検事の冒頭陳述や前回の石井自身のいう暴行被害と異なるという不思議なことになっているのである。どこかの時点で暴行被害の内容が警察、検察のシナリオに沿うように修正されていったことは明らかである。証人石井が暴行と称しているものは、ほんの短い時間のできごとであるから、時がたてば記憶があいまいになっていくはずであるが、「だんだんと整理された結果である」と証言しているのである。自分の受けた暴行被害はその時以上に変化しようのないものであるのに、「時間が経つことで整理されていく」というまったくおかしなことを言っているのである。これらをみても警察、検察の都合のいいように、後から彼らのシナリオに合うように暴行の内容を変えていった結果といえるであろう。

警察と本部派のゆ着は01年1月の雪の日の大会から

 この5・27国労臨大闘争弾圧が、警察や検察が国労東京地本と一体となって仕組んだものであることは、この刑事裁判の公判の回数がかさねられ、ビデオなど各種の証拠や証人が登場して証言をしていていく度ごとにますます明らかになってきている。いま公開された石井勝幸作成の被害届けなるものもまた国労本部と警察のゆ着によって生み出されたものであることが如実に示されるもののひとつである。このような国労東京地本酒田と警察の癒着がどこからどのようにして生まれてきたのかは、4党合意受け入れを強行採決した01年1月27日の続開大会から始まったということができる。機動隊員の壁で社会文化会館のまわりを固め、闘争団をはじめとする4党合意受け入れに反対する人々を完全に締め出し、その中で強行採決が行われた。警察の手をかりても本部中執に対して反対するものを封じ込め、採決を強行するということが行われたのである。このようなまったく常軌を逸した大会運営を行ったことから、この手法がまかり通るようになり、本部執行部に反対するものはなにがなんでも警察の手を借りてでも排除する、このよな手段をえらばない非常識な組合運営の延長上にこの5・27弾圧も位置しているということであり、この01年1月の続開大会の機動隊導入要請が警察との深い付き合いの出発点であったとみるべきである。
  すでに青色パンフ〈国労本部は、なぜビデオを警察に提出したのか〉の15〜17頁でも明らかにされているように、5・27当日も酒田はいちはやく乗り込んだバスの中から電話で盛んに警察の介入を要請しており、すでに警察とは親しい関係にあったことが明らかになっている。5月29日から30日にかけて石井に被害届けを書くように薦める過程でも、酒田ら国労東京地本は警察と一体となって事をすすめ、被害届の提出者たちを作り上げていったであろうと考えられるのである。今回公開された石井の被害届からもそこで何があったのかが明瞭に浮びあがってくる。その後10月7日の被告らの逮捕のときまで、警察や検察は石井から何通もの面談調書を作成し、逮捕起訴に持ち込むための準備を続けてきた、この中で暴行被害なるものもまた変化していくことになった。
  この事件の全体の構図として、警察検察が描きだしているものは、リーダーとされている向山さんをはじめ8人の個々の被告が、7人といわれている個々の被害者に対してそれぞれ行った暴行を共謀という糸で結び付け、「暴力等処罰に関する法律」違反として刑事裁判にかけるというものである。このように共同、共謀して国労大会開催を妨害したとして、一挙に多くの者を容疑者として逮捕し、勾留、起訴するという弾圧の構想は、おそらく酒田と警察、検察が二人三脚でつくりあげたものであろう。これに石井らの一派などを巻き込んで、それぞれの被害者にあうような被害届を警察側で用意し、被害者各人はこれに署名捺印したという実態が見えてくる。この公判ではネクタイをつかまれていた時間などについても、石井のいうことと証拠のビデオが示している時間には大きな食い違いがあるなど、石井証言の信憑性がますますあやしくなった。この石井証人に対する尋問は今回で終了した。次回公判にはさらにもう一人の被害者である池田という人物が証人として登場することになっている。ぜび多数の傍聴をおねがいしたい。(「許さない会」東京南部会員)

公判日程
   第26回 7月21日(水)    第27回 8月5日(木)    第28回 9月6日(月) 第29回 9月27日(月)    第30回 10月19日(火)  第31回 11月8日(月)  第32回 11月29日(月)
  (いずれも東京地裁104号法廷)

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特集 有事法制を発動させない!

●教労

戦時下の「日の丸・君が代」闘争の爆発で、教育基本法改悪を阻止しよう!

―東京と広島の闘いの合流が日教組の階級的再生の原動力―

生徒の不起立を理由とする新たな処分攻撃

 卒入学式の不起立者等315名への空前の大量不当処分を強行した石原・都教委は、さらに常軌を逸した攻撃にうってでてきた。
  第1に、生徒の不起立を理由とする67名への「指導、注意、厳重注意」処分である。生徒の不起立が多かった学校の教員は「指導不足」として「指導」、不起立教員は「起立・斉唱を率先垂範しなかった」として「注意」=戒告処分に加えて二重処分を受けた。「内心の自由」の説明が「不適切な言動」だとして「厳重注意」である。
  第2に、来年の卒入学式では、児童・生徒への起立・斉唱指導を盛り込んだ職務命令を出す」(6・8都議会本会議での横山教育長答弁)とうちだした。来年は、生徒の不起立を理由に「指導放棄=職命違反」に問われ、懲戒処分とされかねない。
  第3に、「再発防止研修」という名の思想・良心の変更を迫る命令研修を強行しようとしていることだ。「反省しなければ再研修、長期研修」(同)などと、教育現場からの排除の意図をむきだしにしてきている。
  いまや都教委の攻撃の矛先は教職員から生徒へと向かい、生徒の「内心の自由」をも真っ向から否定するものとなっている。不起立など消極的抵抗さえも許さず、日の丸・君が代が果たした役割を教えることや「内心の自由」の説明まで処分の対象としてきている。
  全国全都の教職員の怒りと危機感を根こそぎ結集し、大量不当処分を撤回させよう。

10条を解体する与党の教育基本法改悪案

 6月16日、与党の教育基本法改正協議会の中間報告がうち出された。これに先立つ11日には、超党派の教育基本法改正促進委員会も新教育基本法大綱案をまとめている。「教育を国家戦略の重要な柱として位置づける」とし、教基法改悪を督促する経団連の教育改革提言など、財界も教基法・改憲に活発に動きだしている。改悪法案の次期通常国会上程は必至の情勢である。
  与党協議会の中間報告は、18項目からなる全面改悪案である。「教育目的」の項目では、「個人の尊厳」「平和主義」の憲法理念を削除し、教育目標に「道徳心の涵養」「郷土と国を愛し(大切にし)、国際社会の平和と発展に寄与する態度の涵養」を盛り込むとしている。
  「平和」の意味は一変し、「侵略戦争を担う国民つくり」となった。
  「教育目的」の柱を「国民の育成」に置き、「義務教育」は「国民としての素養を身につけるため」と規定し、子どもの「規律を守り、真摯に学習する態度」と盛り込むなど、「権利としての教育」を否定している。
  中でも重大なのは、「教育行政」の項目である。10条1項の主語をすりかえ「教育行政は、不当な支配に服することなく」とすることで、10条の趣旨を180度逆転させている。2項では教育行政の責務を、条件整備から「施策の策定と実施」に変え、教育内容への介入を正当化しようとしている。「義務教育」の項目で、国・地方公共団体を学校の設置者から「義務教育の実施責任」者としている。もはや、教育と教育行政の区別はなくなり、教育の主体を行政権力としてしまっている。

教育基本法改悪を先取りする都教委の攻撃

 都教委は、予防抗告訴訟の答弁書で「指導として自ら斉唱することが、教職員の職務・職責」だという主張をしている。その根拠はと言えば、学習指導要領だけだ。しかし、教育基本法が改悪され、「愛国心育成」が教育目標であり「教員の使命、職責」であるとなれば、こうした主張がまかりとおりかねない。
  「内心の自由」の説明は「指導として不適切」だとして処分の対象とするのは、憲法・教基法下で到底許されない。しかし、自民党の改憲案では、前文に「愛国心」「国柄」を盛り込んで「利己主義的な基本的人権の主張を戒める」とし、国民の有事協力義務を規定している。
  東京の「日の丸・君が代」攻撃は、教基法改悪・改憲攻撃の先取りである。これとの闘いは、教基法改悪を阻止し、日教組運動を再生する闘いの最大の水路である。
  「国に先駆けて教基法改正を果たした」と豪語する都教委の「日の丸・君が代」強制攻撃は、教基法改悪が教育現場にもたらすものを端的に示している。同時に、大量不起立闘争は、改悪攻撃に対する教育現場の体を張った阻止闘争、抵抗闘争の始まりなのだ。
  教基法改悪を今日まで阻止してきたのも、夥しい弾圧と処分をのりこえて闘われた勤評・学テ闘争の地平である。立法者趣旨に沿った教基法解釈を確定させた最高裁大法廷判決も、全国で闘われた学テ裁判の集大成としての成果だった。
  「日の丸・君が代」闘争を位置づけない教基法改悪反対運動は、魂のない脱け殻のようなものだ。大量不起立処分に対する日教組中執声明は、まったく煮え切らないものだったが、都教委の新たな攻撃を座視するようでは、もはや日教組本部に教基法改悪反対を語る資格はない。

8・6ヒロシマから今秋決戦へ

 都教委の攻撃は、全国的にも突出しているが、生徒の不起立調査はすでに11府県・政令市で行われ(6・13『毎日』)、広島県に続いて久留米市が声量調査を行うなどの動きも出てきている。首都東京の攻防の帰趨次第では、不起立処分が一挙に全国化することは必至と、危機感が高まっている。東京の不起立闘争は、全国の教育労働者の魂を揺さぶり、諦めや敗北感をうちやぶって「日の丸・君が代」闘争と闘う日教組再生への新たな決意を呼び覚ましている。
  「日の丸・君が代」闘争を日教組の階級的再生の基軸的水路にすえよう。教基法改悪阻止の成否は、05年卒入学式闘争の全国的爆発にかかっている。東京が抵抗闘争を持続拡大し、全国に不起立闘争が拡がったとき、次期通常国会への教基法改悪案上程はぶっとぶ。職場生産点での闘いと結合したとき、巨万の国会闘争が切り開かれる。
  そのためにも、今秋、教基法闘争と「日の丸・君が代」闘争の結合を押し進めていくことが重要だ。12・23集会以降、全国各地に自主的な反対運動が拡がり、9〜11月には、日教組や「教基法改悪を止めよう!全国連絡会連」の集会も予定されている。東京の「日の丸・君が代」闘争はその中心課題に位置づけられるべきだ。被処分者を先頭に、東京の教育労働者は、闘いの伝導者としての役割を果たそう。
  広島両教組は、文科省是正指導下の「日の丸・君が代」攻撃と徹底対決し、91年の着席闘争に対する92名の大量戒告処分をのりこえ、以降も不起立闘争を継続してきた。広島両教組と東京の闘いが結合、合流することこそ、日の丸・君が代闘争の新たな発展と闘う日教組再生の原動力となる。8・6ヒロシマ大行動、教労団結交流会に全国から結集しよう! (岡田 優)

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特集 有事法制を発動させない!

●自治体

「発動させない、協力しない」闘いを!

有事関連10法案の成立

 6月14日夕刻、有事7法案・3協定は、参議院本会議を自民・公明・民主の賛成多数で通過した。戦争放棄を国是としてきた戦後日本が、合法的に「戦争する国」に転形する決定的瞬間であった。この時、国会前には共産党も社民党も平和フォーラムも平和委員会の影もなく、わずかに百万人署名運動や、それに参加する労組交流センターが陣取っただけであった。闘うもの、闘わざるもの、逃亡するものを実写する風景でもあった。
  顧みれば、96年日米共同宣言による安保再定義、99年周辺事態法など日米防衛ガイドライン策定、03年武力攻撃事態法など有事3法の成立、04年ACSAなど有事関連7法案と3協定の成立へと、実に8年にわたる激しい闘いの連続であった。

戦争法発動で想定できる事態

 安全保障会議によって、首相が武力事態法が発動すれば、米軍や自衛隊が使用する空港、港湾などを地方自治体の長に通知する。強制的軍事接収である。航路使用区域の制限はもとより禁止区域も設定できる。武力攻撃事態法では、政府機関、地方自治体、指定公共機関の協力を義務づけている。米軍行動円滑化法案は、米軍に対して、行動の自由を確保するのが目的である。米軍の土地または家屋の接収や破壊には、指定公団体や事業者が関わる。指定公団体とは地方自治体このことである。事業者とは飛行機、鉄道、バス・トラック、港湾関連業者である。事業者は業務命令で戦争支援に強制動員される。ここで業務命令をだすのは自治体職員である。
  交通・通信利用法と重なると、いっそう具体的で主要港湾や倉庫、空港、造船修理など施設丸ごと接収され、その施設の公安・警備、海上保安などもすべて労役として提供される。その官民を問わずそこで働く従事者も労役として業務命令が出される。拒否すれば命令違反として解雇の対象になる。

自治体労働者の戦争動員

 陸・空・港湾・交通運輸・通信・医療などことごとく対象になるが、特に自治体が果たす役割は決定的に大きい。
  国民保護法は、国民の戦争協力強制法である。自治体の長は、町内会や自治会などを自主防災組織つくり、訓練を実施しなければならない。
  国民保護法は都道府県知事に対して、「国民保護の計画書」作成し、首相への報告を強く義務づけている。都道府県、市長村には国民保護協議会が設置される。この協議会には、防衛庁長官が指定した自衛官幹部、警察本部長、教育長が参加する。協議によって決定した事項は自治体行政を通して実行される。こうして自治体労働者は軍服の指揮下に置かれる。中東を含む朝鮮・中国侵略戦争を想定していることは明確である。自治体労働者は職務命令として戦争動員の先兵の役割を執行することとなる。

陸海空港湾20団体の総括と展望

 99年以来、周辺事態法にはじまる5年間の闘いを牽引してきた20団体は、6月19日都内で委員長・書記長会議を開催した。6月10日の集会の村中哲也航空連副議長の基調報告を承認し、つぎの闘いへの意見が交換された。
  要約すると、第一に5年間の闘いの成果を確認し、この共闘の蓄積と経験はいっそうの拡大の可能性を示した。第二に改憲と有事法制は同根の問題であり、結び付けて共闘する体制をつくりだす。第三に有事体制下で従事命令対象の労働組合が闘いの主戦場になる、などであった。そして「三ない運動」は、「発動させない、協力しないの第二の段階に移った」との共通認識にたって、労働組合として戦争協力に拒否の闘いを決意しあった。
  戦争は社会の全気孔を覆う。動員を拒否する闘いは戦線が全社会に拡大する。勝負はこれからである。この緊張感を共有しよう。

連合の戦争翼賛化のいっそうの推進

 連合傘下の労働組合の決起、特に自治労の闘いは重要である。戦争体制づくりの要衝は政府機関と地方自治体が握っている。
  5月に開催された自治労中央委員会は、現場を預かる地方代議員のほとんどが「衆議院での民主党の賛成投票に対して、有事関連7法に対する態度を明確にせよ」と迫った。これに押されて岡部副委員長は、「組織内議員に対しては廃案をめざすように指導する」と答弁している。ところで参議院有事特別委員会の民主党の筆頭議事運営委員は組織内議員斉藤勁議員であった(横浜市南区役所)。自治労横浜の同僚である庄山正常任運営委員が議員会館を訪ねて、「富山県職労の又市社民党幹事長は廃案に尽力すると確約した。斉藤議員も総括質問で反対意見をのべよ」と迫った。これに対して、「中央委員会でどう答弁したかは関係ない。衆議院で賛成したのだから参議院で賛成するのは当然」と突っぱねたのである。
  組織内議員の組合の総意に反する投票行動を許すわけにはいかない。参議院選挙で賛成した組織内議員の責任を追及せよ!

反撃がはじまっている!

(1)特定港湾の特別決議
  6月17日、自治労特定重要港湾等連絡協議会は定期総会を開き、有事関連法案の成立を受けて、改めて戦争協力拒否の態度を鮮明にさせた。有事に最初に接収され、航行や役務提供を強制されるのは港湾と港湾職員になる。すでに防弾チョッキを着用して沿岸警備隊のような職務命令を受け、港の軍事化が進行している。関係港湾労働者の労務提供拒否とともにたたかいの最前線になることは間違いない。
(2)「国民保護の計画書」作成との闘い
  「国民保護の計画書」作成との闘いは、急務の課題である。全国の自治体で計画書作成に関わるあらゆる部署で、「自衛官の指揮下に入り戦争計画書作成を拒否しよう!」と声を大にした組織化していかなければならない。
(3)防災訓練との闘い
  9月1日前後に予定される、全国の防災訓練とのたたかいは様相を一変させる。東京都を中心とする8都県は、すでに自衛隊練馬第一師団や習志野空挺団と連携して、有事を想定した軍事訓練や住民動員訓練を開始している。有事法成立後の防災訓練は、住民の動員が具体性を帯びる。自治体職員の職場からの拒否闘争が待ったなしの決戦となる。
(4)「日の丸・君が代」の不起立
  「日の丸・君が代」の不起立に対する石原都知事、横山教育長の大量処分に対して、都庁職、自治労都庁職は「国家に忠誠を尽くすような都行政に対して都庁職は全力でたたかう」声明を出した。「日の丸・君が代」の不起立の闘いは、戦争協力拒否の具体的職場闘争として発展を遂げている。ここでの都高教の曖昧な態度は許されない。石原・横山と闘う方針化を闘いとろう。
(5)警察官の自治体派遣、自治体職員の警察派遣
  東京都は副知事に竹花豊前広島県警本部長を迎え、防災訓練参与に志方俊之前陸上自衛隊北部方面総監を迎えた。そして100名を越える都庁職員が警視庁に出向した。さらに1千名に拡大したいとしている。都庁職はこれに対して抗議し拒否から遵法にいたる抵抗を続けている。事態は速やかに全国化する。
  有事法制を「発動させない、協力しない」闘いを全力で構築していこう。      (千田 誠)

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特集 有事法制を発動させない!

●国鉄

軍事輸送拒否を 鮮明にかかげよう

協力を宣言するJR総連革マルの打倒を

有事関連7法案・3協定条約承認案成立を弾劾する

 6・14有事関連7法案・改定ACSAなど3協定条約承認案の国会成立を満腔の怒りをこめて弾劾し、「イラク撤兵・軍事輸送拒否・改憲阻止・小泉打倒」への総決起を訴える。
  「04年6月14日」。この日の怒りを決して忘れてはならない。
  有事関連7法案・3協定条約承認案の成立は、日本における有事法制の完成を意味する一大攻撃である。これによって日本は、現在イラクで米英と一体となって行っている軍事占領を継続・拡大し、北朝鮮や中国とも戦争のできる体制を築くことができる文字通りの戦争国家に大きく踏み出したのである。今回の有事関連7法案とACSA改定によって、自衛隊は、憲法9条で禁止されている「集団的自衛権」を公然と行使できるようになり、世界各地の紛争地域に米軍と軍事作戦を行うことができるようになるということだ。この法案成立は、事実上の憲法9条を破棄する攻撃である。有事法制を完成させた小泉政権は、「次は改憲」とまで宣言してきている。
  もはや日本帝国主義は、戦争をやることなしに生きていけない帝国主義であることを自ら宣言したのである。このような日本帝国主義を労働者の力で打倒することなしに戦争を阻止することはできない。日本階級闘争はいよいよ「戦時下の階級闘争」に突入したのである。

陸・海・空・港湾労働者に戦争協力を強制

 有事7法案とACSA改定など3協定条約承認案の成立は、陸・海・空・港湾労働者に戦争協力を強制するものだ。
  50年朝鮮戦争の際、米駐日大使マーフィー(当時)は回顧録で「日本人は驚くべき速さで、彼等の四つの島を一つの巨大な補給倉庫に変えてしまった。このことがなかったならば、朝鮮戦争を戦うことはできなかった」と述べている。それほど日本は、出撃・兵站基地として重要な役割を担った。
  今後行われる戦争が朝鮮戦争と同じような様相を取るとは限らない。しかし、一旦、戦争体制に突入すれば、第二次大戦や朝鮮戦争のときのように、陸・海・空・港湾労働者は戦争動員にかりだされる体制が法制度的に完成したことだけは確かである。
  第2次大戦まで、港の管理は国とされ、侵略戦争にフル動員されてきた。この反省から、戦後、港湾管理者を国から地方自治体へと移した「港湾法」が作られた。ところが今回の『交通通信利用法案』は、これを再び逆転させ、対策本部長(首相)権限に引き戻し、例え自治体がこの要請を拒否しても内閣総理大臣に強制権限の発動(『武力攻撃事態法』第15条)ができることを定めた。
  侵略戦争の輸送手段して船舶・航空の位置はますます大きくなっている。
  船員は第二次大戦で、「船員徴用令」によって14万人が戦時動員された。そのうち6万人が犠牲となった。朝鮮戦争の際には、「50年6月の開戦時からわずか数カ月の間に、動員された船舶は69隻34万トンにも達した」と言われている。このように船舶は、一度に大量の物資・兵員を運べることから、軍事輸送手段として大きな役割を果たすが、それゆえ軍事的標的としてもっとも危険な輸送手段になっている。
  航空業でも1944年に制定された『国際民間航空条約』(シカゴ条約)で、民間航空の軍事利用を行わないことを規定した。日本の「航空法」でもその第一条で「国際民間航空条約に準拠する」ことをうたっているが、これからは朝鮮戦争のときのように板付空港(現福岡空港)のように、民間空港も軍事利用できる体制になったのである。

鉄道で働く労働者を軍事輸送に駆りだす

 鉄道とそこで働く労働者には軍事輸送が強制される。
  特に、有事関連7法のうち米軍行動円滑化法の成立によって、首相が「武力攻撃事態等」と認定した段階から、首相および防衛庁長官の命令で、自衛隊や公共団体だけでなく、JRなどの鉄道会社も、米軍の要請に応じて物品・役務を無条件で提供しなければならなくなった。さらに交通・通信利用法も、米軍と自衛隊が通信や交通機関を優先的に軍事使用できる法律である。
  この交通・通信利用法には「鉄道」が明記されていないが、すでに鉄道(JR)は、自衛隊法101条において、「旅客鉄道株式会社および日本貨物鉄道株式会社は(自衛隊と)常に緊密な連携を保たなければならない」「(防衛庁長官は)これに協力を求めることができる」(第1項)「(鉄道会社は)特別な事情がない限り、これに応じなければならない」(第2項)と軍事協力が明記されている。また自衛隊法103条でも、「輸送を業とする(ものへの物資の)保管命令」や「従事命令」が規定され、従わない者には罰則規定までつくられた。
  このように鉄道(JR)は、有事体制の一環にすでに組み込まれている。今回の法案成立は、私たち国鉄労働者に有無をいわさず軍事輸送を強制する全面的な法制度の完成を意味しているのである。

有事体制との闘いはこれから

 有事体制との闘いは有事法制が完成したから終わりというものでは断じてない。「発動させない・従わない」という闘いは、むしろこれからなのだ。その主役は、当然、労働者であり、労働組合である。
  陸・海・空・港湾労組20団体は、この間、「完成させない・発動させない・従わない」という有事立法にたいする「三ない運動」をかかげて闘ってきた。動労千葉も「軍事輸送拒否宣言」を発し、有事体制との闘いを宣言している。
  問題は、この立場に立った闘いを、国家権力、米軍・自衛隊、資本あげた強制攻撃をうち破り、すべての交通労働者の闘いにできるかどうかである。
  今後の有事体制との闘いは、「三ない運動」をかかげる20労組と「軍事輸送拒否宣言」を発した動労千葉の闘いが軸になることは間違いない。だから政府と資本は一体となってあらゆる攻撃を加え、その闘いを押しつぶそうとしてきている。
  このような圧殺策動を許さず、JRで働く労働者が先頭になって、職場から「発動させない」「従わない」闘いをつくりあげていかなければならない。20労組の中心組合である国労の闘いは極めて重要になっており、国労の再生は戦争を阻止する反戦闘争の観点からも絶対的である。今こそJRで働く労働者は、「軍事輸送拒否」の旗を高くかかげ、「イラク撤兵・改憲阻止・小泉政権打倒」へ総決起しよう。

「完成させない・発動させない・従わない」闘いに敵対するJR総連と革マル・松崎

□法律を犯してまでストはできない
  松崎明は、今年1月、松崎塾で「法律(有事7法案)が通った後、ストライキはできません。われわれは法律ができる前にそうさせないために最大の努力をするのです。憲法違反の法律でも法治国家においては法律ですよ」(「JRセミナーNO81」)というとんでもない講演をおこなった。
  すでにJR総連は、99年の周辺事態法成立後の「連合政治方針批判」において、「自衛隊法101条によって軍事輸送を担わされることなった」と表明し、「独立国家である日本は自衛権がある」と宣言した。「自衛権」の名で戦争体制づくりを承認することを表明したのだ。
  今回の松崎講演は、ACSA改定・有事7法案の審議前から「(有事法案が完成すれば)ストライキはしません」と政府・JRに申し出、軍事輸送への協力を表明したものである。これは、20労組の「完成させない・発動させない、従わない」という闘いへの真っ向からの敵対表明ある。有事立法との闘いの放棄宣言である。

□「5・21JR総連見解」は労使一体で闘いを押しつぶす宣言
  またJR総連は、5月21日、「有事関連7法案の衆議院可決に対する見解」を発表した。そこでJR総連は、「私たちは事業計画策定の段階で、現場の労働者の安全第一に会社と労働組合が協議し、労働者が『危険ある』と判断した場合の措置などについて具体的に検討していく」「今後、参議院段階で、人命尊重の立場を明確にした議論が行われることを望む」などと述べている。
  この見解は、JR総連が「軍事輸送反対で闘おう」と言っているのではない。「現場の労働者の安全さえ確保してくれれば軍事輸送に協力する」と言っているのだ。
  軍事輸送は、侵略戦争のために鉄道労働者を協力・加担させるものだ。軍事輸送は戦争の正否を決する。それゆえ「安全第一」でやっていたら負けてしまう。資本攻勢の極限的形態こそ戦争協力だと言ってもいい。だから人命までも無視した危険きわまりない殺人的労働が強制されるのである。
  戦争とは「国家の要請が第一」なのである。だから当然にも軍事輸送拒否の闘いは、国鉄労働者にとってJR資本との命がけの闘いにならざをえない。労使で協議すれば「安全」にしてくれるようなものではない。最大の安全は、軍事輸送を拒否することだ。
  ところが国鉄分割・民営化に率先協力し、JR資本の手先になってきたJR総連は、「私たちは軍事輸送に反対です」とは口が裂けても言わない。それどころか松崎は、「ストライキはやりません」と1月段階から早々と屈服を宣言している。
  今回の「5・21JR総連見解」は、1月松崎講演の上に行われているものだ。「現場の労働者の安全第一で労使で協議しよう」などと資本に持ちかけながら、「労使一体の軍事輸送協力体制をつくろう」と呼びかけているのだ。
  実際に軍事輸送が強制された場合、JR総連の労働者からも激しい怒りと拒否の闘いが巻き起こることは必至である。JR総連革マルは、そのことを恐れている。資本との関係が崩れ、JR総連のペテンがあからさまになるからだ。それゆえJR総連の側から「そのときために労使で対応を協議しましよう」などと資本に持ちかけ、何とか延命の道を探ろうとしているのである。
  しかし、そんなことで延命できるはずがない。軍事輸送拒否の闘いにペテンは通用しないのだ。軍事輸送協力か拒否か、二つに一つだからである。
  いまやJR総連革マル・松崎の存在は、国家権力にとっても、JR資本にとっても桎梏と化してしまっている。いまやJR総連幹部どもさえ、脱税や横領で「松崎がいつ逮捕されるか分からない」とまで言っている。だから松崎は、1月講演で「有事法制が完成すればストライキはしません」と国家権力や資本に申し出、「5・21JR見解」において「労使一体で軍事輸送に協力する協議をしましょう」と申し出、自分たちはまだ有用であることをアピールしているのである。これが国鉄分割・民営化に率先協力し、資本の手先となった裏切り者たちの哀れな末路である。
  軍事輸送拒否の闘いは、この哀れな末路に陥ったJR総連革マルの延命を労働者の力でうち砕き、それを打倒することなしには絶対にありえない。JR総連革マル打倒・軍事輸送拒否の闘いを貫こう。

イラク反戦・改憲阻止・11月労働者集会へ

 6月の有事関連7法案・3協定条約承認案成立阻止の連続的闘いは、民主党、連合指導部、さらに日本共産党中央、JR総連革マルの裏切りを突き破って、昨年の11月労働者集会と今年の3・20イラク反戦全世界統一行動・日比谷公園6万の大決起の地平を守りぬく大闘争になった。6月決戦をとおして日本階級闘争は、大反動を突き破って、11月労働者集会総決起、イラク反戦・改憲阻止・小泉打倒への総決起を実現する一大決戦過程に突入したのである。
  米英日帝国主義によるイラクの軍事占領はいまや大破産に陥っている。イラク・ムスリム人民の反軍事占領の闘いを先頭に、11月米大統領選挙に向かって、全世界で労働者のイラク反戦闘争がますます大きく燃え広がろうとしている。
  小泉政権は、イラク軍事占領の破綻的危機―年金法改悪強行などの資本攻勢への怒りから7月参議院選挙の乗り切りも危うい大変な危機を迎えている。だからシーアイランド・サミットで「多国籍軍の参加表明」を行い、教育基本法、労働組合法改悪、共謀罪新設などますます戦争と改憲、大失業攻撃を強めることで危機突破をはかろうとあがいている。
  これにたいしてイラク反戦の闘いの高揚、有事立法制定阻止の闘いと一体となって、教育労働者の教育基本法粉砕・「日の丸・君が代」不起立・反処分闘争の高揚、4・13国鉄闘争支援大集会3500名の大結集に示される国鉄1047名闘争の新たな高揚、さらに年金法改悪・消費税強行の怒りの決起が、ますます大きく燃え広がろうとしている。
  いよいよ11月労働者集会に向かって「イラク反戦・改憲阻止・小泉打倒」の闘いを巻き起こすときである。その先頭に17年の国鉄1047名闘争をたたかいぬいてきた国鉄労働者が立とう。当面の決戦の正念場は、8月国労全国大会である。動労千葉の闘いを軸に、国鉄1047名闘争と国労5・27臨大闘争弾圧粉砕・国労再生の闘いを両軸に8月全国大会決戦を闘いぬき、この闘いを勝利的にぶちぬき11月労働者集会へ攻め上ろう。        (大枝七朗)

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●イラク反戦

米軍によるイラク人拷問虐待とそれへの復讐    小野 正春 

米民間人への復讐処刑

 5月11日イラクで、アメリカ人ニック・バーグさん(26歳の民間人)が生きたまま羊をほふるやり方で「首切り処刑」された。武装勢力の声明は、拷問虐待に対する復讐だと宣言している。しかも収容者に対する捕虜交換を申し入れたのに拒否されたため、処刑に踏み切ったとつけ加えている。これにたいして米政府高官は例のごとく、「交換要求はなかった」と突っぱねている。
  この映像は一斉に米メディアに大きく衝撃をもって流されている。
  ニックさんの父親は「悪いのはジョージ・ブッシュとラムズフェルドの二人だ。彼らが犯した罪のために息子は殺されたんだ」と言っている。この言葉が何より真実と教訓を語っている。
  ニックさんの場合はファルージャで橋桁に死体を吊されたブラックウォーター(米国防総省と密接に結んだ戦争遂行のための民間警備会社)のように憎しみの象徴として殺されたのではない。主観的にはイラク人に好意をもって携帯電話の普及に伴う通信機の商売をやっていた人だという(父親のコメント「息子はイラクの復興に前向きに貢献しようとした」)。それがどういうわけかイラク警察に逮捕され、米軍の手に渡り、釈放そして武装勢力の手に渡るという伝えられた経過の真偽のほどはよく分からないが、はっきりしていることは「虐待の報復」として殺された。収容者を取り戻すための捕虜交換の持ち玉として交渉を持ちかけたのに無視され、処刑されたのである。
  侵略している国の国民は敵なのである。自分は戦争に責任がないという対応は許されない。安全な場所で平和な生活を続けるなどということは許されない。
  日本人「人質」事件でもこのことは突きつけられている。サウジアラビアでのゲリラ攻撃の対象に日本の民間人が含まれていたことも同じことである。
  スペインでアスナール政権が倒されたきっかけとなった3・11マドリッド列車3カ所同時爆破以降、日本でも新幹線や電車、地下鉄など警察の警戒が猛烈目立っている。自衛隊をイラクに送って以降はいつゲリラの反撃を受けてもおかしくないのだ。
  空港、新幹線どこを攻撃され日本人に死者が出ようとも、排外主義的対応を許してはならない。彼らは帝国主義に侵略され、膨大な犠牲を払って命がけで戦っているのである。スペイン人民がやったように、ブッシュ、ブレア、小泉を吹っ飛ばさなければならない。誰の責任でこうなったかは明らかなのだ。反対の力が及ばなかったなどという言い訳は通用しない。
  ブレマーCPA行政官は部族民の収容者たちへの拷問に対する補償金を出すことを持ちかけたが、部族長たちはいずれも「いかなる場合にも人間の尊厳は、金銭で売買できるものではない。イラク人の価値観では、金銭が全てではない。起きたこと(拷問・虐待・侮辱)は、実行者とその裏にいる者が犯した犯罪に見合う公平な報復でしか十分に解決されない」と拒否回答している。

アブグレーブ刑務所での拷問虐待

 米軍はイラクで4万4千人を拘束し、今も8000人を拘留中、内アブグレーブ刑務所(バグダッドの西約20キロ)には3800人収容している(「アエラ」5月24日号)。同刑務所の収容者の半分は旧フセイン政権下の建物、もう半分は有刺鉄線でしきったテントに収容、1テントに24〜30人もぎゅうぎゅう詰め、夏は55度Cにもなるのに空調はない1枚毛布を砂の上に敷いて2人が寝る。
  5月21日ワシントン・ポスト1面トップに「裸人間ピラミッド」写真が掲載され、「イスラムが禁じる豚肉や酒強要」「便器に入れた食物を『食え』と言われた」「米兵の前で自慰を強要され、写真を撮られた」と報道された。
  他紙では「後ろ手に縛られた状態で軍用犬をけしかけられおびえる収容者」の写真が載り、犬はこの後収容者の足や性器に食らいつき流血の事態になったと書いている。収容者を裸にしてコンテナにぶち込み、真っ暗にして3日間、水も食物も与えない「柔らか」な状態にして尋問している。
  収容者の頭に布の袋をかぶせ台に立たせ広げさせた両手と性器に電極をつないだ電気拷問にかける。冷水をかぶせ頸に電気を通すと即刻失神、死ぬ者も出る。
  ブッシュのいう「一部の人間による例外的な行為」などでは絶対にない、CIAやそれがやとった民間の拷問プロによる指導で、計画的にイラクの全ての刑務所で普遍的に行われた拷問虐待である。
  アブグレーブ刑務所よりもっとずーっと西側にあるバグダディア刑務所では同様の拷問虐待が、いや注目が薄い分だけもっと残虐に行われているという。米軍サンチェス司令官のもとにある16カ所の刑務所(イラクの軍収容所29カ所)はほぼ同様であると見られているし、英軍の管轄する刑務所でも拷問が行われ死者が出ているとイギリス議会で問題にされている。
  5月19日、米上院軍事委員会公聴会で、アビゼード米中東軍司令官(陸軍大将)は「問題の刑務所で管理システム上の問題があった。我々は間違いを犯した」と証言している。そして虐待はアフガニスタンでもあったことを認めている。
  アフガンでの逮捕者をキューバ・グアンタナモ基地に運び、もっとも非人道的扱いをした収容所長ミラー米陸軍少将はその功績を買われイラクの刑務所施設の管理責任者として配置された。彼は収容者を捕虜扱いしていない、したがってジュネーブ条約は適用しない。犯罪者なら弁護士を付けるとか、裁判をやるとかしなければならないのに、キューバに合衆国の法律は適用されないと言い放っている。アフガニスタン進攻から2年経っても1度も裁判をやっていない。意志の破壊と情報収集の拷問システムあるのみなのだ。
  公聴会でミラーは「50あまりある頭にかぶせる袋などの過酷な尋問テクニックのうち10ほどは廃止」すると言ったが、「捕虜の睡眠を妨げたり、『ストレス環境におく』といった手法は必要に応じてやる。民間の尋問専門家の活用も必要である。グアンタナモは30名雇用した」と成果をそこでも誇示している。
  イラク人収容者釈放にあたってはいっさい理由を説明していない。車に乗せていって放り出すだけ。逮捕の時も、釈放の時も理由は言われない。これがブッシュの「民主主義」だ。
  G8に出席した小泉は、多国籍軍への参加を表明した。イラクから各国の軍隊が次々に撤退しているのに、日本政府だけは米英軍による拷問と虐殺に一切ふれず米英を支持し、自らその一翼を担うというのだ。
  これと力の限り闘うことなしに、イラク人民への連帯はない。我々の「戦場」は、この日本だ。小泉政権打倒、自衛隊撤兵、有事法制阻止。これをやり抜くことが、真の「自己責任」であると、私は考えている。

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戦後補償裁判 新潟からの報告

 日中戦争のさなか、日本帝国主義によって新潟港(新潟市)に強制連行された中国人生存者・遺族12人が日本政府と企業(新潟市の港湾会社リンコーコーポレーション)を相手に損害賠償(請求額一人2500万円)と名誉回復を求めた中国人強制連行・新潟訴訟について新潟地裁は3月末、原告勝訴の判決を行いました。判決は一進一退を続ける全国の中国人強制連行訴訟12件(高裁を含む)の中でも、強制労働の事実を認定、国と企業の共同責任を認めたるなど画期的と評価された内容です。裁判闘争は二つの支援団体を軸に県内の労組、運動団体が支援体制を組み、反戦平和闘争の一つの結集軸の役割を果たしました。新潟地裁判決は裁判員法などに象徴される戦時的司法体系への転換の中でも、歴史の事実をきちんと受け止め、ねばり強く、着実に闘えば「勝てる」ことを示しました。靖国参拝、自衛隊イラク派兵、多国籍軍参加など戦争政策に突き進む小泉政権への痛打でもあります。新潟は小泉政権の戦争政策を深部で支える拉致議連などがうごめく拉致問題の現地。国際法さえ無視した万景峰号の不当な入港規制要求運動、新潟市の朝鮮総連会館への銃撃事件、メディアの排外主義的報道など自治体と一体となった朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への敵視政策、在日コリアンへの敵視排外主義が闊歩する中で、反撃の一打となったとも言えます。
  国とリンコーコーポレーションは控訴、闘いは東京高裁に持ち込まれました。高裁の初公判は10月20日午前10時。中国国内では原告らのほかに提訴に至っていない高齢の中国人被害者、遺族らがなお日本軍の残した傷跡に呻吟、激しく日本政府と企業を弾劾する一方、そこに働く労働者に「歴史の事実を闇に葬るな」と呼び掛けています。朝鮮人労働者を含む強制連行の事実と向き合い小泉政権の戦争政策に法廷内外から反撃しましょう。

〈判決の概要〉
新潟地裁の判決は、日本軍に捕まり港湾荷役を強いられた事実、粗末な食事とノミ、シラミのわく劣悪な労働、生活環境に置かれた原告らの被害を証言に基づいて詳細に認定。安全配慮義務違反であり安全管理が不十分だったと断定、国と企業の共同責任を認めて一人800万円の支払いを命じました。悪名高い国家無答責の論理、時効についても検討した上で死亡者が相次いだ被害の深刻さに触れて、「正義公平の観点から著しく相当性を欠く」としました。同時に、強制連行の点では、政府の戦争政策としての連行であり、企業も共同した責任を認めました。敗戦直後に、国が詳細な調査を行い、事業場報告書(いわゆる外務省報告書)を作成して全容を把握していながら、戦争責任を免れるために焼却処理、事実の隠蔽工作さえ行ったことを認める一方、企業についても批判しました。また、原告らの請求権については、個人の損害賠償請求権まで日中共同声明により放棄されたとは認められないと認定しました。

〈判決までの経過〉
  1993年5月、後に提訴する中国人被爆者・張文彬さん来日。強制連行の地、新潟市で証言集会。99年8月、張文彬さんが提訴。12月、初口頭弁論。00年9月、第二次提訴、追加原告8人。01年2月、原告本人尋問開始。02年3月、第三次提訴、追加原告3人。03年1月、裁判所が臨港ふ頭、宿舎跡の現場検証。7月、12回口頭弁論で結審。04年3月、判決。

〈新潟港への中国人強制連行〉
  1944年9月から45年8月にかけて計901人の中国人の若者を強制連行、新潟港で強制労働した。うち159人が栄養失調、眼病、奴隷労働、寒さと飢えなどから死亡した。張文彬さんは強制労働中の45年3月、逮捕され広島の刑務所に拘引中、被爆した。全国では3万8935人が連行。135事業所で働かされ、6830人が死亡した。(新潟・片桐)
◇詳しい経過、判決全文は「新潟地裁判決・特集」(A4判262n、千円)に弁護団、支援団体でまとめました。ご注文下さい。

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許すな!劣化ウラン弾、イラク占領反対、自衛隊即時撤兵!

 今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争を闘おう!

 被爆59周年8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会 中央事務局長 三角 忠

  8月6日広島、8月9日長崎に原子爆弾が投下された1945年日本敗戦の夏。あれから59年。
  広島・長崎の被爆者、被爆二世の「被爆者解放」の血の叫びを原点に、全国統一実行委員会は「くり返すなアジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ・オキナワを」という反戦反核運動の現在と未来に向かって発した卓抜なスローガンを確立してきた。
  本年はこのスローガンを「核と人類は共存できない」ことをあらためて基底において、現下の核攻撃そのものである劣化ウラン弾を徹底的に弾劾し、イラク侵略に続き北朝鮮侵略を狙う米日の帝国主義を打倒する巨大な反戦反核闘争として闘いとらなければならない。
  本年はこうした明確な反戦反核闘争の課題を実現すべく、あらたに16名の呼びかけ人によって発せられた「2004年夏反戦反核アピール」を発信する。「本年の闘争日程」に合わせ、労組交流センターの仲間はもとより、本誌愛読者など、切迫する北朝鮮侵略戦争を何としても阻止しようとするみなさんが、反帝国主義国際連帯の志みなぎる決起をかちとられるよう心から訴える。
  被爆59周年を迎える今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、きわめて重大な情勢の中で闘われようとしています。米軍を中心とする占領軍は、今なおイラクの軍事占領を継続しています。日本の小泉政権は、アメリカ・イギリスのイラク侵略戦争に参戦し自衛隊をサマワに派兵しました。さらに、有事7法案・ACSA大改定による日米共同の北朝鮮・中国侵略戦争体制の構築と集団的自衛権の行使を突破口とする自衛隊の侵略軍隊化=独自の軍事大国化への踏み込みを行おうとしています。この中で名護・辺野古への新基地建設を始めとして沖縄の米軍基地が再編・強化されようとしているのです。
  また、小泉政権は福岡地裁の違憲判決を踏みにじり靖国神社への参拝を継続すると公言し、石原都知事は公立学校の卒・入学式などの学校行事に「日の丸・君が代」を強制し、拒否した教育労働者への大量不当処分を強行しています。労働者民衆の基本的人権・団結権を破壊する「司法改革」攻撃が推進され、憲法第9条の明文改憲を始めとする全面的な戦後憲法解体の攻撃が始まろうとしています。
  日本の帝国主義は、ビキニ被爆者の存在を抹殺して「原子力の平和利用」の名で原発を推進し、さらに六ヶ所核燃施設の本格稼働と核燃料サイクルの確立に踏み込んでいます。それは必ずや「非核3原則」の放棄を宣言し独自の核武装に着手するところまで行き着きます。
  こうして小泉首相は、「軍隊は民衆を守らない」というオキナワの血の教訓を踏みにじり、ヒロシマ・ナガサキの被爆者を英霊化し、侵略戦争に動員され死んでも靖国に祀られることを名誉と思えと言いなし、日本の労働者民衆を再びアジア侵略戦争に動員しようとしています。
  労働者民衆の反戦運動は完全に戦時下での闘いへと突入したのです。
  私たち全国統一実行委員会は、その結成以来「改憲と有事立法制定攻撃」が必至であり、それに立ち向かわなければ新たな核戦争をくいとめることができないことをこれまで全力で訴えてきました。今こそ労働者民衆の総力を挙げた闘いが求められているのです。
  イラクでは2千トンもの劣化ウラン弾がまき散らされ、今なお多くの被曝者が生み出されています。劣化ウラン弾は核兵器そのものなのです。イラク民衆は、激しい反米闘争への決起の中で「どうしてヒロシマ、ナガサキを体験した日本人が、(イラク民衆を虐殺する)アメリカの味方をするのか」と訴えています。この呼びかけに応える国際的なイラク反戦闘争をつくりあげなければなりません。
  全国統一実行委員会は、こうした歴史を画する重大な攻撃のただ中にあって、「くり返すなアジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワを」という確立されたメインスローガンに加え「有事立法粉砕!北朝鮮・中国侵略戦争阻止、日本の核武装化阻止! 小泉戦争内閣打倒」を鮮明にして闘い、切迫する北朝鮮侵略戦争(核戦争攻撃)を何としても阻止する決意です。

本年の闘争日程
7月19日(月・休日)
  ☆あらたな核戦争をくいとめよう7・19東京集会(午後1時開場―1時半開始、東京・杉並産業商工会館3F講堂)
8月5日(木)
  ☆ヒロシマ反戦反核の集い(午後5時30分、広島中区アステールプラザ)
8月6日(金)
  ☆小泉首相出席弾劾!祈念式典糾弾デモ(午前7時、広島市中区・東千田公園―旧広島大学本部跡)
  ☆核廃絶・被爆者解放・小泉来広糾弾集会(午前9時30分、アステールプラザ)
  ☆8・6ヒロシマ大行動参加(正午、広島県立体育館小アリーナ)
   主催・ヒロシマ大行動実行委員会
8月7日(土)
  ☆海のフィールドワーク〜佐世保基地(午後2時、長崎県佐世保市)
8月8日(日)
  ☆長崎・中心地デモ(午後3時、長崎市・中央公園)
  ☆被爆59周年8・8長崎反戦集会(午後5時、長崎県勤労福祉会館大ホール)
8月9日(月)
  ☆長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会(午前7時半、爆心地公園)
   主催・長崎在日朝鮮人の人権を守る会
  ☆爆心地・長崎市内デモ(午前10時、天主公園)

2004年夏反戦反核アピール
     被爆59周年8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争呼びかけ人
  本島  等 (元長崎市長) 
  知花 昌一 (反戦地主・読谷村議)
  吉田 義久 (相模原反核市民の会)
  三角  忠 (三一書房労組委員長)
  下田 禮子 (反戦被爆者の会)
  大野 康平 (弁護士)
  佐藤 芳夫 (元中立労連議長)
  桜井 善作 (月刊小新聞「野火」発行人)
  高實 康稔 (長崎大学教授)
  入江 史郎 (ス労自主委員長)
  高山 俊吉 (弁護士)
  大石 又七 (第5福竜丸元乗組員)
  結柴 誠一 (杉並区議)
  坂井 留吉 (核燃から漁場を守る会)
  田中 康宏 (動労千葉委員長)
  土本 典昭 (映画監督)

【連絡先】東京都文京区本郷2〜11〜3 三一書房労組(TEL 03−3812−3132、FAX 03−3812−3119)
※本年も8月5日〜9日までの反戦・反核ツアーを予定しています。詳細問い合わせは、連絡先・三一労組まで

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●難問解決 労働相談 第3回

 今回の回答者   関西合同労働組合

 @母子家庭の労働と保育について
 A労災には時効があるのか、その証明は

相談
  23歳の女性で1歳の子どもと3歳の子どもを抱えて離婚して実家に戻ってきたが、本人は働きたい。実家では母親がいて子どもの面倒を見てくれる。
 質問1 こういう母子家庭の場合、次の仕事を見つけていくために職業訓練等を受けていくのにどのような制度がありますか?
 質問2 また、保育所の子どもを預けるとき、料金をどうやったら一番低くできますか?

回答
 回答1 母子家庭になって3年未満で、子どもが20歳未満の場合(障害の状態にある配属者(内縁関係を含む)がある場合を含む)、職業安定所でお金をもらいながら職業訓練を受けることができます。
  基本手当が日額4千320円、受講手当が日額600円(事実上の弁当代)、交通費は最大4万2千500円が支給されます。
  しかし、訓練手当の支給されない職業訓練もあるので、職安から紹介された職業訓練が訓練手当が支給されるものなのかどうかしっかり確認していくことが必要です。女性労働者にとっては、さまざまな家庭環境がありますが、このような制度があることを知っておくことは生きていくためには必要なことです。離婚したり、配偶者が死亡等した場合のように困った人たちがいたらこういう制度もあることを教えてあげてください。
 回答2 無収入であることの証明を保育所にもっていくと一番低い料金で保育してくれます。

相談
  61歳男性。20歳のときから振動工具を使用してきました。職場は転々としてきました。振動工具を使用して15年目に仕事中にもっていた工具を突然ポトッと落としてしまいました。そのときの職場は大手の工場では吊りの仕事場でした。その会社は「あんたは白蝋病になっている」としてすぐやめさせられました。証明は難しいが、白蝋病の場合、労災認定を受けられると聞きました。どうしたらいいのでしょうか。
 質問1 白蝋病の労災申請をしたいのですが時効の問題はどうなりますか。
 質問2 何を証明したらいいのですか。

回答
  回答1 労災の時効は2年間です。でも2年以上前の労災は申請できないのかというとそんなことはありません。たとえば10年前労災にあった場合でも、現在も病院で治療を受けている場合や労災によって休業せざるをえない状態が続いている場合は、労基署に労災申請をすれば労災認定は受けられます。労災認定には時効はないのです。時効があるのは申請した日以前、2年前のところから治療費や休業補償が受けられます。
 回答2 職歴表をきちんと作成していくことがポイントになります。転々としていた場合は、証明がなかなか難しいところです。一番固い証明は、社会保険事務所に行って、厚生年金の記録の証明をもらうことです。そうすると、その人がいつからいつまでどういう会社にいたかが証明されます。次に、その会社に行って、振動工具を使う仕事をしていたことについての証明をもらうことです。会社によっては拒否される場合もありますが、拒否されても構いません。そのまま事実を労基署に報告して労災申請すればできます。

東京西部ユニオン

  02年に設立された東京西部ユニオンの機関誌「働く権利を守り、人らしくいきるために 東京西部ユニオン」からの転載です。活動の一端をお知らせします。

美容師として
  美容師として同じ会社で、約16年勤務していた夫婦です。7月28日に、たった一本の社長からの電話で主人が即日退社することになってから、早4ヶ月が経ちました。
  妻である私は、小学5年の子どももおりますし、生活もあるので、現在も同会社にて勤務しております。
  西部ユニオンにご相談に伺ったのは、9月30日のことです。株式会社で社員50数名いる会社でありながら、社会保険もなく、厚生年金も負担できないという社長の一方的な意見。身体が資本でありながら、何の保障もない経営にいつも憤りを感じていました。
  主人の退職が徐々に現実と受け止めざるを得ない環境において、退職金も払われない!
  失業保険に手続きをとりたくても、給料天引きされていたにもかかわらず、払い込みがなされず、保障がストップしていることが発覚しました。
  私の中で、常に抱いていた雇用される側の、この環境が適正ではないということ。果たして「雇用される側は、法的に見てどう守られているのか?」 今の現状を正当に判断してくださる組合に、助言を求め駆け込んだ次第です。
  以来、お話を聞いて下さった東京西部ユニオンの方に、全面的に信頼を寄せてお世話になっています。
  時には、何時間と打ち合わせになっても、嫌な顔一つ見せず、根気よく打開策を見出してアドバイスしてくれたり、なかなか思うように、進まない交渉に焦ってしまう私を、冷静に言い諭して下さったりと、とても頼れる方です。
  ユニオンのスタッフの方たちと出会えたことは、私たちにとってとてもラッキーでした。そしてこの当事者であり不当に解雇され傷ついた主人を励まして下さることに、とても感謝しております。
  現在、3回の団体交渉を終えて、頑なに会社側が拒んでいた離職票の退社事由を、職安からの連絡で会社都合と認定されました。これは、今後の交渉において、私たちにとっては大きな一歩です。
  主人の退社後、11名の退職者が出ました。前年度年末調整の未払いを含め、まだ解決に至らないものが山積みしていますが、諦めずに、正しい判断の元、早期解決に至るように頑張りたいと思います。
  労働者が、安心して働ける環境であること、そして正しい雇用体制に基づいて、雇用されるべきであること。決して泣き寝入りをせずに、声を出して自分を守ること。今回のことで、随分勉強させられました。
  最後に、西部ユニオンの益々のご活躍を期待するとともに今後ともよろしくお願いします。

西部ユニオン労働相談より

1月5日 電話相談、男性
  賃金が低すぎる。昨年5月面接時22〜23万円を希望したが、3カ月の試用期間給料は13万円だった。本採用のとき「基本給15万円」の誓約書にとりあえずサインしてしまった。

1月8日 警備会社、男性(52才)
  体調が悪いが休暇がとれない。一応解決。後に組合員になった。

2月5日 女性(72才)
  17年前の医療事故でここ2年間病院の責任を追及している。支援してほしい。対応不能。

2月7日 区の臨時雇用員
  今年3月で雇い止め。雇い止め制度を組合として何とかしたい。自治労の人に相談へ。

2月9日 男性(62才)
  18才のときから厚生年金を15、6年かけていた。最近体を壊して働けなくなったが、年給受給資格があるか。社会保険庁で確認してもらう。

2月16日 建設会社、男性(52才)
  ヤクザがらみの会社、2日働いたが、10分遅刻で首になった。5千円しかくれない、交渉には行きたくないのであきらめる。

連絡先 〒166−0003 杉並区高円寺南4−5−3 豊岡ビル3F  TEL/FAX 03−5378−1329
      Email : seibu-union@mocha.ocn.ne.jp   URL : http://www12.ocn.ne.jp/~seibu-un/

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=たたかいは進む=

「労働組合の発言があって嬉しかった」

5月9日(日)、日本労働法学会大会(金沢大学角間キャンパス)でビラ入れ、傍聴、懇親会!

 ス労自主 中西 敏勝

 学会にビラ入れ7年、労組法改悪反対をアピール!

 87年、東京地労委はス労自主の新規申立事件において、ス労=ス労自主が76年以来行ってきた腕章着用を禁止する攻撃をかけてきた。この攻撃は他の労組にも及び、このため審問がストップする事件もあった。我々は争議団連絡会議(争団連)に東京地労委対策会議を設け、東京地労委に対する抗議を行い、腕章禁止粉砕のみならず、審問調書の無料配布などの成果を勝ち取ってきた。92年からは中労委の腕章着用を口実とした審問・調査拒否に対しても闘ってきた。我々は東京地労委、中労委に対する直接の抗議のみならず、全国労働委員会連絡協議会総会や日本労働法学会大会にもビラ入れなどの闘いを繰り広げてきた。労働法学会大会に対しては、98年の第95回大会(東洋大学)以来、九州、早稲田、山形、千葉、明治、北海道などの各大学での大会にビラ入れを行い、今回、第107回金沢大会では、とりわけ労組法改悪反対で行った。

労組法改悪反対の大運動を起こそう!

  労組法改悪案は今国会では審議未了で終了した。秋(臨時国会)に向けて廃案にする闘いを組織しよう!
  労組法改悪法案は「七、十九、二十、二十四、二十五、二十六、二十七、二十八、二十九、三十、三十一、三十二の12条」に亘っている。『五月号』で紹介した、@審問開始前の審査計画策定(案― 27条の六)、A審問廷の秩序維持(案― 27条の十一)、などの他に、証拠調べ(案― 27条の七の2)に関し、看過できない内容がある。条文は「労働委員会は、前項第二号の規定により物件の提出を命ずる処分(以下「物件提出命令」という。)をするかどうかを決定するに当たっては、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない」となっている。これでは「物件提出命令」どころか、「秘匿命令」だ。例えば、ス労自主の東京地労委における「エッソ石油・ゼネラル石油」申立事件の「両社の相互業務提供契約文書の提出要求」など、はなから拒否されかねない。

 ビラ入れ、学会傍聴、懇親会

●ビラは8時〜9時半で東京地労委対策会議と(労働法制改悪に反対する)労働者連絡会の2枚、約300セットを配布した。大会は市内から「山の中」に移転した、文学部、法学部、経済学部棟で行われ、参加者はすべてビラ入れする我々の前を通り、タクシーでの参加者も一旦停車してビラを受け取っていった。
●傍聴(学会員でなくても資料代500円で可である)して、次の2項目が大変参考になった。
@安全配慮義務概念の拡張可能性―合意なき労働関係及び工事発注者の安全配慮義務論
  A企業間ネットワークと労働法上の問題[発表者は、全日空/大阪空港事業(OAS)/関西航業事件に関する命令、判決に衝撃を受け、このテーマを研究してきたという]
★[懇親会(金沢エクセルホテル東急―香林坊)出席]、懇親会出席券(会費6千円)を譲られて参加、(シンポや個別報告において質問した)企業間ネットワーク関係で、発表者と話が弾んだ。現職の労働基準監督署長(女性)とも。発表者の一人から「会場から具体的な問題に直面している労働組合の人から発言があってとても嬉しかったです、今後とも宜しく」とのコメントがあった。
  会場での発言者の一人が「今日会員になった、関西航業事件を企業側として担当した事務所の弁護士」と名乗った。
  労働組合の解体状況が、労働法学者の右傾化を促進したといわれている。今回、傍聴して多少なりとはいえ、手掛かりを得た。
  秋は、10月24日(日)、日本大学(東京)で開催される。

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●読者のページ

 ☆「スペースあい闘争・仲田さんを支える会」結成!  三多摩 仲田幹夫

  「精神障害者」社会復帰施設『青梅市生活支援センター スペースあい』に勤めていた私は、01年5月末にその高田恵子施設長より、(施設長自身がその後の団交の場で発言した言葉を使えば)、「ちまちました」「どうでもよい」理由で、不当解雇されました。「居眠りをした」や「流しで歯を磨いた」など、どこの職場でもある些細な、その場で解決すべき事柄でした。実際、解決したことも含まれています。それを弁護士を使って「窃盗行為」や「虚偽申告」(右に挙げた例とは別の事柄に対してですが)などとおどろおどろしい理由に仕立ててきたのです。三多摩合同労働組合に加入後、組合側が解雇理由を一つ一つ追及すると、施設側は、それは「表題に過ぎない」と次々に言い換えて来る始末です。組合側は着実に施設側を団交において解雇理由の破綻に追い込みましたが、施設側は頑強に解雇撤回を拒み続け、争議は3年に及び、長期化の様相を呈して来ました。
  その間、私を財政的に支える態勢として、三多摩労組交流センター内に「支える会」が作られていました。そして、04年2月14日に、当該労組・三多摩合同労働組合、地域共闘組織・三多摩労組争議団連絡会議とともに交流センターなどから20名が結集して、標記の「仲田さんを支える会」が結成され、闘争全体を牽引していく組織が作られました。
  当日の結成総会には、さまざまな運動を担う方たちが参加し、支援陣形の広がりがうかがえ大成功を収めました。「仲田さんを支える会」は、これまでの対策会議と「支える会」とを発展させて、さらに広範な人々による支援の輪を広げる、また特に、青梅をはじめとする東京都西多摩地区への運動の浸透を図るための足掛かりとなるものです。支援の輪を広げ、団結の力で施設を地域から包囲し、施設側の争議引き延ばしを許さない闘いを作りあげて、闘争勝利を引き寄せることを確認し合いました。参加する誰もが積極的、創造的に関わって、集会・情宣活動、市交渉、労働委員会闘争、『NPOスペースあい』総会闘争など「スペースあい闘争」をさまざまな闘争を織り込んで闘う活動が活発に提案・論議されました。
  戦争と大失業が襲いかかっている昨今、必ずや解雇撤回・原職復帰するということは、一人で呻吟している多くの仲間、そして地域でたたかう多くの仲間たちの共通の願いです。この会に集って、支援の輪を広げて、共にたたかい、戦争と大失業を吹き飛ばしましょう。是非、この会に入会してください。「仲田さんを支える会」は、全争議・争議団と連帯し、闘争勝利に向け、全力でたたかいます。

 ☆沖縄行動に参加して 群馬 寺山祐治

  私は、16日からの参加でした。佐喜眞美術館前で昼過ぎに合流して、翌15時那覇空港帰着の1泊2日の短いものでした。しかし非常に充実した2日間でした。私は沖縄は何回目かになるのですが、実は今回ほど「基地の島」を実感したことはありませんでした。特に名護・辺野古までの行程は距離はありましたが、それだけ沖縄の基地の現状を実感することになりました。元全軍労の労働者の案内も非常によかったです。
  その点で、私は「平和行進」に参加したことはないのですが、形はどうあれ実際に沖縄を歩くというような取り組みをできればいいなと思いました。
  それから、知花昌一さんの案内によるチビチリガマと「像のオリ」見学も、沖縄のたたかいの意味を知る上で欠かせないものでした。というより、内容は知っていたはずなのですが、実際の現地に立って、知花さんの話を聞くと迫ってくるものが違います。
  3日間のツアー全体が大成功と掛け値なしに思いますが、やはり短い中でも沖縄の歴史と存在に迫っていく、学んでいくということを、ベースに貫いたことが、重要だったと思います。今回参加できなかったある自治労の青年部長が、「あたまで考える前に、戦争や平和について実際にからだで感じ取ることができるという意味で、沖縄平和行進のような取り組みは大事にしたい」と話になったことを思い出します。
  二度と沖縄戦のようなことは許してはならない。沖縄と連帯してたたかおうという思いの強さ故に、青年労働者交流集会、辺野古座り込みへの合流をとおして、今後のたたかいの方向性もより研ぎ澄まされたものとして自分たちのものにできたのではないでしようか。

 ☆沖縄とイラクつなげる本土青年労働者の闘いを  東京 自治体 松田元司

  自分がこれまで参加した沖縄闘争は、1日数度、連日のデモ闘争でした。巨大な米軍基地周辺をデモ行進し、ゲート前で怒りのシュプレヒコールをたたきつける。デモ隊列の一体感はすばらしいものでしたが、ふり返ってみれば沖縄の人々の怒りと沖縄の人たちの日常の闘いについて何も知らないママの「闘争参加」でした。
  今回の3日間にわたる濃密な沖縄行動で、自分は初めて、沖縄の同世代の若い仲間からの本土労働者階級へのつきつけを受け、語り合うことで沖縄の怒りをつかみとることができた気がします。
  1972年復帰後も続く、日本政府の沖縄切り捨て政策と、アジア・中東侵略基地としての沖縄米軍基地の強化への闘いは、沖縄の青年労働者でけでなく、1945年沖縄戦を体験したオジー、オバーたちを先頭にした闘いであることもよく分かりました。
  昨年3月以来のイラク侵略戦争後の情勢をみれば、「中東にくさびのようにうちこまれた米軍基地の固定化=イラクの沖縄化」が進むのは確実です。米英政府はもちろん、日本政府に対するイラク人民の怒りは当然のことなのです。
  沖縄とイラクの人々に応えられる闘いを、本土の自分たち青年労働者が職場から組織していく決意を新たにしました。

 ☆沖縄行動に参加して 東京 遠山一郎

  5・15〜17の沖縄行動に全国から青年が集まった。16日の普天間基地包囲行動や青年労働者交流集会そして、交流会。17日の基地めぐりと辺野古での座り込み行動。
  われわれは沖縄で何を学び、何を得たのか。
  われわれ、青年労働者が沖縄での行動で、熱いものを体いっぱいにかんじたはずだ。基地の島沖縄の現実と沖縄の労働者の現実。そしてその現実に立ち向かう仲間たち。 
  われわれは、沖縄で「学習し、闘争する」という貴重な体験を得た。しかし、この体験を数日間だけの「思い出」としてはならない。この数日間で何カ月もかかるようなことを学んだのだ。沖縄闘争の主体を青年労働者が担い、これからも闘っていくことを決意しよう。
  また、今回、青年だけで全国集会を開催し、多くの労組や青年部が結集したことに自信を持とう。現在の労働運動の枠を乗り越え、青年が社会の主人公として労働運動の中で台頭しているのだ。沖縄の現実、労働現場の現実を正しくとらえ、正しく闘うのは、青年だ。

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