2004年8月号(No173)目次
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労働者の目 自民党支配の崩壊が始まった

労働ニュース
    ●選挙/所得/賃金/心の病など ●日誌

国労5・27臨大闘争弾圧刑事裁判

・特集 有事法制を発動させない!
  ●闘う国労の再生へ
  ●第75回自治労大会へむけて
  ●4・28勝利を突破口に全逓運動の再生を

・動労千葉レイバーフェスタ写真報告

東京高裁で逆転勝利判決を勝ち取る!

労組法改悪を阻止しよう!

今、教育労働者は?

第10回「8・15労働者・市民のつどい」への結集を

たたかいは進む
  ●全逓4・28裁判
  ●共謀罪/全金本山労組

読者のページ

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労働者の目

●自民党支配の崩壊が始まった

 全国労働組合交流センター常任運営委員 岩本 正治

   7月11日に行われた、参議院選挙の結果は、自民党支配の最後的崩壊が始まったことを示しました。年金改悪と多国籍軍への自衛隊の参加問題を焦点にしながらも、小泉改革に対する労働者、民衆の怒りが、自民党敗北を突きつけたと言えましよう。
  また、選挙後の世論調査では、小泉内閣発足後最低の支持率(36%)まで落ち込んでいます。不支持の理由として、小泉流政治手法や政策面で信用できないことなどがあげられています。弱肉強食の資本攻勢と戦争政策が小泉改革であり、リストラ、賃下げ、改憲など生活破壊と戦争への道に対して労働者民衆がNOを突きつけたのです 。
  他方、民主党の「大躍進」と社民党・共産党の凋落が起きました。また、マスコミは、二大政党制が進んだと許しています。しかし、民主党の躍進は、労働者民衆の声と怒りを託せる野党がいないなかでの「支持・選択」です。二大政党に収れんされるどころか、第二自民党としての民主党の存在は明白であり、日本でも階級的激動が今後深まると言えましよう。イラク反戦闘争の国際的高揚、スペイン、韓国、イギリス政変に通底する事態が、日本でも必ず起きるということです。
  今回の共産党の大凋落は、綱領の変更と労働運動、大衆闘争否定の帰結であり、連合700万組織としての173万票の得票数は、連合支配の空洞化と労働者・労働組合の流動化・活性化をさらに促進することは、間違いありません。
  イギリスでの6月地方選挙での労働党ブレア政権の第3党への転落という歴史的敗北は、それを如実に示しています。労働党惨敗の背後に労組の離反があったのです。
  今、全世界で、労働者・労働組合の団結した力で、政治・経済攻勢を進める自国の政権に打撃を与える闘いが起きています。
  憲法改悪と「武器輸出の解禁」まで突き進む小泉・奥田路線と対決する、たたかう労働組合運動の新たな潮流を、労組交流センターの組織強化・拡大で勝ち取ろう。

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●労働ニュース(04年6月16日〜7月15日)

労組薄まる存在感
  今回の参院選での民主党の勝利は比例区で自民党に19対15で勝ったことが大きいが、無党派層を引き付けた一方、支持基盤の労組の存在感は薄まった。01年は比例区の当選者8人のうち6人が労組系候補だったが、今回は19人のうち8人。労組系候補全体の得票数はわずかに増えたが、それも党全体の票が倍増した中での話だ。

 局員の懲戒免取り消し
  79年に年賀状の不達、遅配が相次いだことをめぐり、懲戒免職になった郵便局員7人が処分の取り消しを求めていた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。江見弘武裁判長は「局員らは、労組の決定に従って行動したのであり、その処分としては社会通念に照らして著しく不合理だ」と述べ、一審・東京地裁判決を覆して処分を取り消した。(本誌16ページ参照)

 世帯の所得格差最大に
  家計の所得格差が広がり続けている。厚生労働省が25日に発表した調査によると、世帯ごとの所得
のばらつきを示す指標が、02年時点の調査で過去最高を更新した。厚生労働省は高齢化が進んだことや一世帯当たりの家族の数が減っていることが響いていると分析している。

 外国人労働者 看護と介護部分開放
  政府はタイ、フィリピンなどから看護士・介護福祉士を受け入れ、外国人に閉ざされている門戸を開放する検討に入った。受け入れ人数の上限を国ごとに設定し、政府が指定する病院での研修を義務づけるなど部分的な開放にする方向。アジア各国との経済連携協定(EPA)の締結交渉に向けて一定の譲歩を示し、農業など他の分野でアジア各国の歩み寄りを促す。

 残業代、「雇う」より安上がり
  5割ましの残業代を払っても、新たに人を雇うより安上がり−。厚生労働省が、賃金や社会保険料などを含め、企業が人を雇うことでかかる「労働費用」 を試算したところ、長時間残業がなくならず、5%近い失業率が改善されない背景が浮き彫りになった。

 新卒でも賃金格差1・8倍
  非対称デジタル加入者線(ADSL)サービス 「ヤフーBB」を手がけるソフトバンクBB(東京・中央、孫正義社長)は21日、新卒社員でも賃金格差が最大で1・8倍となる人事制度を来期から導入すると発表した。同社は来春、新卒だけで3千人の社員を採用する予定で、選考基準を大幅に上回る社員を厚遇することで優秀な人材確保につなげる。

 日銀が年俸制
  日本銀行は18日、7月から導入する年俸制の概要を発表した。これまで課長級で最大70万円の格差だったのが、制度上、最大450万円の格差がつくようになる。年俸制の対象になるのは約5千人の日銀行員のうち管理職の600人程度。

 松下 早期退職3000人
  松下電器産業は新たに3千人強の人員削減を柱とした合理化に着手する。電子部品、電池などを中心に不採算品目の国内生産を04年度中に中止する。業績好調下でも追加合理化策を打ち出すのは日本企業では異例で、同様の動きが他の電機メーカーなどに広がる可能性がある。

 行政サービス、官民で競争入札し効率化
  政府は行政サービスを対象に、官と民との競争入札を実施して、どちらにサービスの提供を委ねるかを決める「市場化テスト」を導入する。民間との競争にさらすことで行政の業務効率化とサービスの向上を目指す。

 パート社員に能力給導入
  りそなグループは9月をメドに傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行のパート社員を対象に能力給を導入する。パート一人ひとりの仕事の能力に応じて給与に格差をつける実力主義を徹底し、やる気を引き出すのが狙い。

 三洋電機が家族手当廃止
  三洋電機は一般社員に毎月支給していた家族手当を廃止する。労働組合と基本合意した。代わりに来年4月をメドに子供の出産や進学に際して一時金の形で支給する制度を設ける。家族構成によって差が出る項目を減らし、より能力や成果を反映した賃金体系の整備を進める。

 国家公務員に 「査定昇給」
  人事院は、国家公務員の給与について、毎年ほぼ自動的に昇給させている現在の「定期昇給」から、個人の実績を評価できる場合に昇給させる「査定昇給」 に改める方針を固めた。この夏の人事院勧告に盛り込む方向だ。

 日本管財、サービス残業
  東証一部上場の大手ビルメンテナンス「日本管財」(兵庫県西宮市)が東京労働局の中央労働基準監督署から時間外賃金を支払わない「サービス残業」をさせていたとして是正勧告を受け、社員約320人に総額約8千700万円の未払い賃金を支払っていたことが12日、分かった。

 退職金全社員に前払い
  液卵大手のイフジ産業は正社員全員に退職金の前払い制度を導入した。年3回の人事考課で社員を9等級に分類、給与や賞与とは別に等級に応じて毎月5千〜3万円を前払いする。成果重視の人事制度を徹底する。

 派遣社員活用工場でも拡大
  労働者派遣法が改正され、派遣労働者の活用が工場でも3月から可能になったのを受け、大手メーカーの導入が広がっている。朝日新聞の主要製造業50社のアンケートで、3社に2社が「導入」または「導入を検討」とし、工場雇用の一形態として定着しそうな勢いだ。正社員の減少に拍車がかかる懸念もある。

 未払い賃金立替なお高水準
  企業の倒産で賃金が受け取れなかった労働者に国が未払い分を立て替える「未払い賃金立替制度」で、03年度の立て替え払い額が過去2番目に多い約342億円に上ったことが厚生労働省の調査で分かった。

 働く人、悩み相談6割増
 全国21カ所の労災病院で実施している「勤労者 心の電話相談」に寄せられた相談件数が03年度は1万2920件にのぼり、前年度より56%増えたことが21日、労災病院を運営する独立行政法人・労働者健康福祉機構のまとめで分かった

 心の病、休職率0・5%
  心の病で1カ月以上休む労働者の比率は0・5%前後に上り、中小企業ほど多いことが、厚生労働省・労働安全衛生研究班の全国調査で分かった。休職による損失は年約1兆円に達すると推定された。

労働日誌(04年6月〜7月)

6月16日
  厚生労働省は家庭の事情で単身赴任する会社員が増えている現状を踏まえ、労災の一つである「通勤災害」の適用対象に、赴任先の自宅と家族宅を往復するケースも加える方針を決めた。また副業を持つ人が、本業の仕事を終えてもう一つの職場に向かう場合にも適用する。早ければ06年春の実施。

6月16日
  世界で最も生活費が高い都市は束京、2位はロンドン、大阪は4位。生活費が高い都市ランキングで東京が昨年に続き「世界一」の座を維持したと米国の調査会社が発表した。

6月16日
  埼玉県教育局は、県立の高校や盲・ろう・養護学校など188校の一般教員(約1万人)の給与に成果主義を導入する方針を固めた。一般教員に対する「成果主義」の導入は、全国の県立学校では初めて。

6月17日
  日本経団連が発表した大手企業の今夏の−時金(ボーナス)妥結状況の中間集計によると、主要18業種150社の平均は84万6300円で、前年   同期比3・31%増え過去最高となった。

6月25日
  総務省が発表した6月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値、00年100)は生鮮食品を除いた総合で97・4となり、前年同月に比べ0・1%低下した。

6月26日
  財務省が発表した今年3月末現在の国債や借入金の残高状況によると、国の借金は計703兆1478億円で、初めて700兆円を超えた。

6月29日
  総務省が発表した5月の完全失業率は前月より0・1措改善して4・6%だった。有効求人倍率も、前月より0・03ポイント高い0・80倍だった。有効求人倍率が0・8倍大になるのは93年4月以来11年1カ月ぶり。

6月30日
  国家公務員に夏のボーナスが支給された。総務省によると管理職を除く行政職職員(平均年齢36・2歳)の平均支給額は約63万円で、昨年同期と比べて約4万7千円(6・9%)減少した。

7月1日
  東京都が発表した04年度の「東京都中小企業経営自書」によると、都内にある中小製造業の従業員の平均年齢は約50歳とサービス業に比べて大幅に高いことが分かった。

7月14日
  帝国データバンクの発表によると、今年上半期(1〜6月)の企業倒産(負債額1千万円以上)は、7253件(前年同期比19・3%減)となった。

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●4党合意受け入れ推進派のごまかし、すり替えが明らかに

 国労5・27臨大闘争弾圧公判報告

 6月29日東京地裁104号法廷にて「国労5・27臨大闘争弾圧」事件の第25回公判が開かれた。この日の公判では被害届を警察に提出した二人め証人として長野地本東北信支部の池田久幸が出廷した。まず検察側が主尋問が行われ、ひきつづき弁護団側から前回までの石井証人と同様に5・27臨大に至る経過についての尋問が行われた。

〈共謀〉の立証はいったいどこにいったのか

 この池田証人は検察側にとって、この事件の中心的要素である〈共謀〉について証言すべき重要な証人であった。これまで検察側は冒頭陳述において5月27日の当日、御茶の水グリーンホテルの玄関において大会関係者がバスに乗り込もうとするとき、いわゆる暴力行為があったとされているときより以前に、証人池田と被告の一部との間にもめごとがあり、それを見た他の被告ら全員が「ああやればいいのだ」と意思統一した、と述べてきた。これによって共謀(現場共謀)が成立したというのが検察側の主張の大きな根拠となっている。またこの現場共謀以外にも事前の共謀があり、この二つの共謀が暴力等処罰に関する法律違反とするこの事件の重要な柱を成しているのである。以前の法廷において弁護側からの何度にもわたる追及にもかかわらず、検察側は共謀の立証のための証拠、証人について「いずれ提出する」というようなあいまいな態度をとってきた。今回現場共謀について立証する唯一人の証人である池田証人が登場したわけであるから、共謀について十分に立証すべきであるにもかかわらず、証人池田は自分が見たことを述べる中で一言「皆が一斉に動いていた、これは事前に打ち合わせがあった結果だと思う」と言ったのみである。どうして事前のうちあわせがあったことになるのかという理由はなにも証言の中からは一向に見えてこないのである。
  この5・27臨大弾圧事件の核心は共謀にある、といっても過言ではない。検察側の主張するところは、国労大会開催阻止といいう目的には十分な共謀と集団による一致した意思行動が必要であり、向山被告をリーダーとする行動が現場で統一的に行われたのは、その背景に事前の十分な共謀があった、ということである。8名の被告が逮捕される理由となったこの暴処法の特色は、他人の暴行も〈共謀〉の結果であるとして全ての被告は一律に処罰の対象となるという点にある。複数の人間による個々の個別の暴行行為も全て集団による行為とされ、他人の行為も一括して処罰の対象となるという厳しいものである。さらに集団による事件として扱われたため、互いのうちあわせによる証拠隠滅の怖れとして、1年数カ月もの長期勾留の原因にもなったのである。
  このような重大な意味をもつ共謀の存在について、検察のあまりにも杜撰な立証態度は断じて許されないものである。裁判所はもっと厳しく検察側に立証を求めるべきであろう。これは事件そのもの成立に係る事柄であり、弁護側の防御、反論以前の問題である。物的証拠である2本のビデオによる映像ではたとえ暴行の事実が映しだされたとしても、それが共謀の結果であるとすることは到底不可能であると思われる。共謀について検察側はこの池田証言という重要な証言の機会に何もなしえなかったのである。
  この事件について検察の画く構図は、国労という組合において最高の議決機関である大会を中核派
という外部勢力が介入して開催を阻止すべく暴力行為による妨害を行ったというものである。弁護団側はこのような検察のフレームアップでっちあげ対して、国労という労働組合が自ら自主的に方針を討議し、意思決定すべき場において、本部執行部は彼らと反対の立場の者を警察の手を借りて弾圧し、排除することでこの事件は発生した、このことをこれまで法廷の場ですでに明らかにしてきた。これに対する検察側の立証の脆弱さは今回の公判においてもさらに明白になったのである。

「司法の厳正な判断を求めるから政治的解決への方針の転換」として闘争を放棄

 この5・27国労臨大闘争弾圧が、警察や検察と国労本部とが一体となって仕組んだものであること、およびこの警察への売り渡し行為は東京地本の酒田らによって行われたことはこれまでの公判の中ですでに明らかにされてきた。またいま証人として登場しているの池田の所属する派閥(彼自身の表現によれば旧社会党グループ、党員協と言っているもの)であるチャレンジグループが4党合意受け入れの過程で闘争団や組合員をだまし、解雇撤回闘争の方針をペテン的すり替えた実態がこの公判の池田証言の中で明瞭に見えてきたのである。
  4党合意の存在が明らかにされ7・1臨大が紛糾した後、全組合員に対して賛否の意向を問う一票投票が行われた。このとき執行部はこれはこれまでの「最高裁に司法の厳正な判断を求める」という方針から「政治的場での解決を目指す」という方針への転換であると説明した。一票投票の結果賛成が過半数を得たことで執行部はこの方針は組合員に受け入れられたとして、その後の大会における4党合意受け入れ承認強行へと突き進んでいったのである。
  このときの前提として、これは単に方法の転換であり、解雇撤回闘争における基本方針は変化していないとの立場に組合としては立っていたはずである。4党合意に賛成した闘争団をはじめ、国労組合員もこの意味で執行部を信頼したのである。しかしながら本部執行部は賛成多数を得たことの内容を闘争そのものを終焉させることにすり替えたのである。四党合意はそもそも不採用問題の解決と称して国労自らに闘争の放棄、終息を約束させるものであったが、執行部はその本質をひたかくしにして、闘う姿勢は維持するかの如く組合員をだましたのである。
  弁護団の指摘に対して池田証人は「苦渋の選択である」「闘争団は経済的に支えていく」などとごまかしているが、4党合意の真の姿を偽ったという組合員に対する背信行為はけっして許されるものではない。この執行部の闘いは降ろさないふりをしながら、4党合意を大会で承認するという、この矛盾と二面性はついにどうにもならないところまで追い込まれ、ついに5・27臨大において闘う闘争団員を処分するという事態にまでたち至ったのである。この彼らはそれまで、偽りに偽りを重ねてきた結果、その姿が大衆、組合員の前に明らかにされるのを怖れ、組合員を警察に売り渡し、今回の公判で池田証人は「厳正な処罰を求める」などと言ってはばからないのである。厳正に処罰されなければならないのは果たしてどちらか、ということである。

 このようなウソとごまかしで塗り固め、四党合意受け入れを主導してきた酒田執行部は国労全組合員全員の力で打倒しなければならない。一人でも多くの人々のこの5・27臨大闘争弾圧の真の姿を知ってもらい、酒田体制打倒国労再生へと闘いを進めなければならない。
  引き続き次回の公判においても池田証人に対する尋問が行われ、さらに本部派の醜い姿が明らかにされるであろう。ぜひ多数の傍聴をお願いしたい。   (「許さない会」東京南部会員)

 公判日程
 第27回 8月5日(木) 第28回 9月6日(月) 第29回 9月27日(月)  第30回 10月19日(火) 第31回 118日(月) 第32回 11月29日(月)
  (いずれも東京地裁104号法廷)

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・特集 有事法制を発動させない!

●闘う国労の再生へ

 国労新橋支部 吉野 元久

 7月11日、多国籍軍参加と年金改悪で参院選に臨んだ小泉自民党は、茄年結党以来とも言える大敗北を喫しました。労働者は明確な拒否を叩き付けたのです。その結果、いよいよ小泉=奥田路線との全面的な対決が、政権の存立を左右する時代を迎えたということです。
  一方惨敗した日本共産党は、「二大政党論にのみ込まれた」(談話)と言っていますが、ことの核心は「二大政党」ではなく労働者階級の獲得に敗北した、ということです。また民主党がいくら集票しても、逆に連合傘下の労働者の票は2割程度に留まり、連合自身の新たな没落が始まったりことをハッキリと示したのです。まさに問われでいるのは労働者党の存在であり、いま労働者の時代が到来したということです。
  労働者階級の根底的な怒りが、今ふつふつと沸き上がっています。私たちは、〈戦争と民営化〉〈政治経済攻勢〉の小泉=奥田=石原路線と対決する労働者の決起を、なんとしても11月労働者集会5000人結集に結び付けたいと思います。

国鉄決戦の現段階と8月全国大会

 国労第72回定期全国大会は、8月26日〜27日に熱海(ニューフジヤホテル)で開催されます。しかし、大会代議員並びに傍聴者・大会構成員は、全員事前に登録し前泊体制を取るとされています。警視庁機動隊に防衛された社会文化会館から、静岡県警の管轄下で、これまた異例な警備=管理体制を布いて5度全国大会を行おうというのです。
  7月11日の代議員選挙告示日の直前に配付された大会第一次草案(以下『草案』からは、すでに「解雇撤回」も、また「1047名」の字句も抹殺されています。12・22最高裁反動判決の軍門に下ったためです。
  さらに、冒頭には「総団結・総決起の歴史的大会に」と題した『7・1アッピール』が添付されています。この『7・1アッピール』は、「1047名闘争の破壊とゼロ回答早期丸のみ宣言」であり、断じて許すことができません。
  『アッピール』の文面は、「闘争団の現状は憂慮すべき深刻な事態」「これ以上の長期化は救済の実効性を失う」「この機に解決を図る不退転の決意を固めあった」というものです。反対派に対しては、「生活援助金の凍結解除」や「闘争団物販カタログの復活」などを臭わせて取込み策を巡らした上で、『草案』は、(1)ILO勧告を「勇気を与えた」と全面評価して、政治解決を第一にあげ、
(2)新たな訴訟を準備し「慎重に判断する」と、つまり、もし政府が動かなければ新たな訴訟(それも国家賠償のみ)を行うかも知れない、というものであり、
(3)「安全、要員、労務支配」という、JR体制3つの矛盾に対する闘いは、引き続き一切やらない、
というものです。
  私たちは、12・22最高裁反動判決で背骨をへし祈られた酒田=革同執行部、4党合意に今もすがった「和解路線」しか選択肢のない、この酒田執行部の居直りと居座りをもうこれ以上放置できません。打倒する以外に国労の再生は絶対にあり得ません。
  6月に発表された闘争団全国連絡会の「アンケート結果」においても、85%の闘争団員が、最高裁反動判決の後も「闘争団員として闘争継続」を主張しているのです。にも係わらず、今全国大会を「ゼロ回答早期丸のみの歴史的人会」にすることなど、どうして許せるでしょうか。

1047名闘争の解体と、動労千葉排除の攻撃

 大会を前にした当面の最大の攻防点は、「4・13」日比谷公会堂を満杯にして大成功した1047名集会をめぐる激しい反動との対決です。
  第一の、そして最大の反動は、8/23国労本部と建交労が共同主催する集会(キュリアン大ホール)が画策されていることです。
  『7・1アッピール』で反対派を取り込んだと自負する本部吉田書記長は、建交労本部にあしげく通い、国労大会(8/26〜27)と建交労大会(8/27〜28)の前に共同集会を開催するように迫りました。この試みの核心点は、「4・13」集会の歯車を逆転させ、三組合から動労千葉を排除することによって1047名闘争を破壊することにあります。
  第二の反動は、「4・13」集会の一翼を担い抜いた人たちへの反動とどう喝です。
  その結果、1047名闘争の内部に動揺が生まれています。これは、JR本体組合員との結合を追求せず、「争議団は資本と闘わない」という主張に行き着いてしまいます。
  その結果、国鉄闘争の早期収拾・終結願望が急速におおっています。
  第三の反動は、争議の原則をねじ曲げ、「解雇撤回」をおろさせるすべての圧力にっいてです。
  国労酒田執行部を見るまでもなく、12・22最高裁反動判決がその中心であることは言を待ちません。その結果「雇用、賃金、年金、慰謝料」の解決要求実現が先行することになっています。
  だが、およそ争議において「解雇撤回」を真正面からうちださない限り、何の要求も獲得できません。「戦場で勝ち取れなければ、講和で取ることができない」からです。そして原則を貫けば必ず勝利することを、6・30「全逓4・28」控訴審逆転勝利判決が示しています。さらに鉄建公団訴訟の闘いが、「解雇撤回」をおろしたら絶対に成り立たないことからも、事態は明らかです。
  こうした1047名闘争の解体と変質を策す、敵の攻撃との激しい攻防戟の核心は、結局動労千葉排除の攻撃とのたたかいとなります。動労千葉が一貫して闘ってきた闘い方、JRとの力関係を変える闘い、そのためにもJR本隊の闘いを組織すること、そして闘争団を守り抜くこと、この三っの課題をトコトン貫いてJR体制を根底からグラグラと揺さぶろうではありませんか。

8月全国大会と国労再生への闘い

 最後に私たちは、「5・27国労臨大闘争弾圧」とのたたかいを武器に、8月全国大会代議員選挙をたたかいぬき、国労再生の闘いになんとしても勝利したいと思います。
  「5・27国労臨大闘争弾圧」は、酒田執行部最大の弱点です。しかも、この闘いは、JR本体の力と闘争団の団結力、それを十重二十重に取り巻く共闘陣型の闘いが、国鉄闘争に勝利するか否かの試金石(下山房雄氏の講演)だと思います。
  弾圧の性格は「戦時下の労働運動弾圧」を示し、この弾圧を国労組合員の誇りにかけて撃ち破った8組合員らは、間違いなく私たちの闘いの財産です。
  すでに6月〜9月公判は、長野地本の池田証人が出廷し、経過の主尋問で2開廷、罪体をめぐって2開廷が予定されています。私たちは、長野のチャレンジグループが四党合意の先兵となり、国労脱退を組織するまでに至った末路と、県支援共闘からいかにして紋別闘争団らを排除したかの実態を追求します。すでに許さない会の「10万人署名」が、東京地本の幾もの分会で取り組まれ、大きく拡大しはじめています。これを武器に、さらに地本権力をトコトン攻めることを通じて、地元東京から国労再生の闘いの大きな前進を勝ち取ります。

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・特集 有事法制を発動させない!

●第75回自治労大会へむけて

  21世紀宣言否決から自治労中央打倒へ

  たたかう新たな執行部を樹立しよう!

 全国労組交流センター自治体労働者部会

 8月25日〜27日の3日間、東京有楽町の国際フォーラムで第75回自治労定期大会が開催される。連合とともに隔年大会に踏み切ったため、中間年大会にあたる今大会は、路線上の課題や人事は決定しない。中間総括と運動方針案の承認が主の案件となる。だからといって今大会の重要性が減殺された訳ではまったくない。大会の焦点と方針をまとめてみたい。

参議院選挙の惨敗と政治路線の破綻

 第一の焦点は、参議院の選挙結果をどう総括するのか、という点である。
  自治労は94年の村山政権の成立と崩壊を受けて、自治労の政治方針として政党と組合の関係を整理した。これが「民主リベラルの総結集による2大政党論」であった。これに対しては社民党支持13県本部を中心にして猛烈な反発があり、前回の参議院選挙では自治労中央に反旗を翻して当時の又市富山県本部委員長を担ぎだし、当選させ、中央本部はメンツまるつぶれになった。
  今回異常に組織内候補、とくに比例区の高島元自治労中央本部書記長を総力であげたのは、本部民主党支持派の権勢の誇示と、連合内での自治労の発言力の確保という両面があった。当選のみならず得票数が問題となったのである。
  結果は、16万8千票にしかとどかず、連合8候補の中で第7位、100万人を誇る自治労組合員の17%しか投票できないという結果となった。惨敗である。
  自治労中央がこの10年間追求してやまなかった 「民主リベラルの総結集による2大政党制」がまさに疑似的にではあれ、現実のものとなったのである。しかし現実のものとなったとき、組織選挙は惨敗し、組合員からそっぽをむかれたのである。「民主党が民主リベラルの総結集した党なのか!」という追及は激しい。自治労中央への求心力はガタガタと音をたてて崩れ落ちた。選挙動員は一部幹部だけが走り回り、ポスターは組合室に山と積まれたままであった。大会でこの事態を徹底して追及して、民主リベラルの総結集論の破綻をつきだしていかねはならない。

「国の基本問題検討委員会」と改憲策動

 第二の焦点は、改憲問題である。
  自治労は『21世紀宣言』の強行採択後、昨年の12月の中央委員会で、「国の基本問題検討委員会」を設置、岡部副委員長のもとに10数回の会合をおしすすめている。中央委員会では、反対派13県本部の重鎮=道見新潟県本部委員長が、「国の基本問題を検討するとはいかなることか。国の基本問題とは憲法をどうするかを検討するということだ。自治労は憲法を守るという点でなにひとつ変更はない。検討などする基本問題などない。」と喝破したように、護憲から論憲、創意へとスタンスを変更する底意に満ち満ちている。
  連合は得本前自動車総連委員長以下、基幹労連、造船重機などに改憲論者がゾロリといる。さきの経済財政諮問会議では奥田日本経団連会長が「武器輸出三原則の撤廃」を来年度の予算編成に反映させよと主張した。連合もこうした資本の動きに呼応して、草野事務局長を責任者に「国の基本問題検討委員会」を設置して、連合「5・16見解」など有事法制などにたいするスタンスを決定してきた。連合をして改憲に向かわせようという深慮遠謀にもとづいている。底流は民間臨調などをとおして読売改憲グループや内閣府などの政策官僚ともつながつている大がかりな仕組みである。自治労はこの連合とリンクして、連合の検討結果を自治労に還流する委員会を設置したのである。
  自治労は91年に新政治方針を採択し自衛隊の容認と安保防衛政策の大転換をした。ソ連邦の崩壊を社会主義の崩壊ととらえ、世界は多国籍企業によるグローバル化が進行している、そこでの労働組合の目的は社会主義の実現ではなく、階級的労働運動は終焉したとの認識が根底にはあつた。それが安保基本法制定運動となって収斂していくのである。しかしその内実は自衛隊の国連軍下での活動の容認という、今日の小沢一郎と国連待機軍構想と軌を一にする。民主党内護憲派の頭目とされていた横道孝弘がこの構想に同意して、この構想がにわかに現実味を帯びはじめた。一致した核心的内容は、自衛隊を中心にして公安警察や海上保安庁、消防庁なども出向という形式で、国連待機部隊を結成して、この部隊には海外での集団自衛権を承認して交戦権も認めようということである。しかしこれはすでに事実上イラクでの自衛隊の多国籍軍参加によって実現されつつある。憲法に対するスタンスで民主党を一致させよう策動が着々と進行している。
  日本経団連も5月定期総会で「国の基本政策検討委員会」を設置して、総資本としての考えをこの秋にも提案する。武器輸出三原則の事実上の撤廃など、大きく改憲への道に踏みだす。
  問題は、すでにこの内容を自治労は発案しているということである。来年5月中央委員会で、自治労「国の基本問題検討委員会」は最終報告をまとめて、8月の本大会で報告を運動方針化したいとしている。いよいよ自治労が改憲勢力に踏み出そうとしているのである。
われわれは「国の基本問題検討委員会」を徹底して重視しなければならない。これが改憲阻止闘争の自治労的闘いとなる。21世紀育三口を本大会で否決したように、今度、
改憲に踏み切ろうとしたとき、本大会で否決し、今度こそ自治労中央打倒し、たたかう新しい執行部を樹立していかねばならない。

小泉・奥田の構造改革=公務員制度改革

 第三の焦点は、公務員制度改革である。法案は公務員改革基本法として来年の通常国会に提出する様相だが、今秋臨時国会にという緊張関係も維持していかねばならない。
  公務員制度改革は、小泉=奥田の構造改革との対決という全階級的課題におしあげて闘わねば勝てない。小泉が、この間の奥田・日本経団連の一連の攻撃と完全に対応してだされた6・4「骨太方針」(経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004について)は、全労働者にとって、とてつもない大攻撃である。経済財政諮問会議(骨太方針W)−公務員制度改革、三位一体改革、市町村合併、行革リストラと大民営化攻撃との総対決としてたたかう必要がある。
  重要なことは、この骨太方針は奥田ビジョンに示される財界と小
泉が完全に一体となって打ちだされた方針である。しかし単にそれだけではない。これは小泉や奥田といった属人的は問題ではなく、日本帝国主義が生き残りをかけた唯一の方針であるということである。小泉がたおれても生き残る方途は、「骨太方針W」しかないということ、そこまでぎりぎりの延命を画した攻撃であるということだ。引き戻すことはできない。破綻すれば後がないということである。
  ポイントは、公務員制度改革攻撃も改めて改憲攻撃の一環であることを明確にしてたたかうことだ。憲法第92条の全面的改訂が読売試案では提案されている。これは戦後自治体の解体と自治体労働運動の階級性の解体である。
  攻撃の焦点は、「官から民へ」「国から地方へ」 の大号令のもとにある大民営化攻撃との対決である。
  @郵政民営化。秋に民営化基本法案を提出する。A地方公営企業の民営化、地方独立行政法人化。B「三位一体の改革」を年内に決定。C「市町村合併の」推進−の4つをおしすすめるために、「官の改革」すなわち公務員制度改革が必要として、@今夏に国家公務員の5年で10%の人員削減と国家公務員法への分限免職規定の導入。A独立行政法人の整理・縮小(=の首切り)。B地方公務員の給与等の適正化を強力に推進。地域の給与の格差を見直す。C公務員給与の「能力主義」への全面的転換。D抜本的な税制改革。競争力の強化、法人税減税−をうちだした。『骨太方針』とは、まさに帝国主義としての国家政策であり、国家再編=国家改造的な大攻撃である。大民営化攻撃として、郵政、自治体、教育、医療労働者など、いわゆる「公務員労働者」へ激しくおそいかかっている。『骨太方針』は、小泉=奥田と全面対決する4大産別の決戦化としてある。

有事法制下での戦争動員

 第四の焦点は、有事法制下で自治体職員の戦争動員問題である。
  有事体制を「発動させない、従わない」のたたかいは、自治体労働者の戦争動員拒否のたたかいが先頭になる。
  国民保護法に基づく緊急事態対処計画の作成は開始されており、着々と準備は進行している。判明しただけでも、大半の部局より課長が参画する計画書づくりの会議がはじまっており、これはこれまでの防災訓練の域をはるかに越えて、全行政の総力で開始されている。むしろこの緊急事態に対処するために部局の統廃合が従属する関係に逆転している。「国のかたちを変える」 のであるから当然と言えば当然のことだが、戦争のできる自治体の体制や体型までも変えようとしている。鋭くこの点の暴露が必要である。
  国民保護協議会は協議会の活動を限定していない。避難措置からテロに対する処置まで従来の災害対策基本法と自衛隊法を接続する組織整備となる。この点で、9・1防災訓練を重視する。有事法制成立にともなって、武力攻撃災害という災害対策訓練が実施されようとしている。その主役は自治体職員である。8都府県の合同演習を今年は横浜市本南牧埠頭で実施する。「陸・海・空」の自衛隊、警察、消防の合同訓練と、民間防災訓練が中心となる。特に民間の防災訓練は小学校が基軸として展開されようとしている。
  この国民保護法別に自治労中央は賛成した。この責任は重い。国民保護法は武力攻撃事態法と一体の戦争協力法案、戦争動員法案であることを徹底して暴露し、大会で徹底して追及していく。  (千田 誠)

自治労本部執行体制
役   職 名 前 出身県本部
中央執行委員長 人見一夫 東京都本部
副中央執行委員長 岡部謙治 福岡県本部
君島一宇 長野県本部
笠見 猛 鳥取県本部
書記長 植木眞砂子 大阪府本部
財政局長 大西繁治 香川県本部
書記次長 金田文夫 北海道本部
総務報道局長 野田那智子 三重県本部
企画局長 大塚敏夫 直属支部
国際局長 井ノロ 登 京都府本部
労働局長 山口茂記 東京都本部
労働局次長 菅家 功 直属支部
吉澤伸夫 鹿児島県本部
組織局長 松永徳芳 福岡県本部
組織局次長 比留間稔史 大阪府本部
相原久美子 北海道本部
磯野友一 富山県本部

(国費評議会事務局長)
平岡 伸 大阪府本部

(女性部長)
渡部まり子 山形県本部

(青年部長)
登坂崇規 新潟県本部
政治政策局長 大門正彦 北海道本部
政治政策局次長 泉 祐子 広島県本部
中島圭子 東京都本部
豊岡 稔 新潟県本部
健康福祉局長 徳茂万知子 神奈川県本部
健康福祉局次長
(社会福祉評議会事務局長)
中西 満 東京都本部

(衛生医療評議会事務局長)
木村 崇 北海道本部
現業局長 松村良一 東京都本部
現業局次長
(現業評事務局長)
佐藤 稔 大阪府本部
公営企業局長 阿部嘉弘 神奈川県本部
特別中央執行委員 森田龍雄 北海道本部
泊イクヨ 福岡県本部

(全競労評議会議長)
竹村美也子 高知県本部
臨時中央執行委員 亀元信吾 大阪府本部

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・特集 有事法制を発動させない!

●全逓59回大会 階級移行した中央本部打倒!

 4・28勝利を突破口に全逓運動の再生を

 全国労組交流センタ一全逓部会

 小泉−奥田−生田が、4月26日、経済財政諮問会議の中間報告で「07年民営化」、6月4日「骨太方針」で構造改革の柱に郵政民営化を位置づけ猛然と郵政民営化攻撃に襲いかかってきている中で開催された、59回全国大会は、この全面的攻撃にどう反撃するのかが問われた決定的な大会であった。
  これに対し、連合全逓本部は、全逓の名を投げ捨て日本郵政公社労働組合(JPU)に名称変更し、「私たちの未来づくり宣言」を採択、敵の陣営に階級移行し、小泉−奥田−生田の手先、郵政民営化攻撃の先兵として自らが進むことを宣言した。
  我々闘う全逓労働者は、今こそ連合全逓打倒、全逓労働運動の階級的再生を掲げ全力で闘う時がきたと考える。
  大会初日、我々全逓労働者部会は「全逓中央の言う『雇用確保』は大ウソだ」とすべての代議員、傍聴者に暴露のビラを手渡した。そして、4・28連絡会のや「近畿強制配転を許さない会」の仲間も、全国から結集し会場前宣伝を闘い抜いた。会場内で配ると5枚10枚もらっていく参加者もいるなど、現場の怒りが伝わってくる。
  大会初日、石川委員長は、「公社の経営改革を進め、健全な経営基盤の確立を何よりも優先」「アクションプランの達成」を「労使
の共同作業として」と郵政当局と一体で首切りを進めることを言明した。
  民営化されても生き抜いていける経営基盤を、労使一体でつくる。そのために労働者は犠牲になれというのだ。絶対に許せない。
  初日の討論から、「本部方針に賛成するが、現場は…」、という発言が続いた。代議員は、爆発寸前の現場の怒りに押され、現場の現状を発言せざるをえなかつたのだ。
  「連続深夜勤の間の睡眠時間がとれない、何とかしてほしい」「トヨタ方式の集配立ち作業の見直しを」「現場では悪くなる一方の条件に悲鳴が上がっている」「ボーナスの事業別支給は絶対に反対だ」「名称変更は再考して欲しい」「集配ネットワーク高度化は反対だ」と現場の声を代弁せざるをえなかった。
  日逓(日本郵便逓送)を始めとした輸送部門の組合員は、競争入札のもとで、企業倒産・首切りをはじめ「去るも地獄、残るも地獄」にたたき込まれている。全国大会を前にして開催された全国日逓代表者会議では、提案した金丸輸送部対策部長(日逓選出中執)に対し、「辞めろ!」という激しい弾劾の発言とヤジがたたきつけられた。
  敵の民営化攻撃と、連合全逓の民営化推進路線のもとで、労働者には怒りが充満している。全逓労働者の根底からの怒りの決起を組織する時がきたのだ。
  全国の組合員の反対の声を押し切って、「私たちの未来づくり宣言」が決定された。核心は、労働者の労働組合的団結を解体し、労働組合の役割を「郵政事業の発展」「経営基盤の確立」とする。賃下げ、リストラなど労働者の生活と権利を郵政当局の先兵となって労働組合自らが破壊していくことにある。
  「郵政事業の発展と雇用確保に全力あげ、政策を基軸に持続的な公社経営の確立」すると「宣言」し、「私たちは郵政事業に携わる事業人」だと「宣言」する。労働者に対して「働く力」の創造を求め、「人事制度改革」の定着させようというのだ。
  「事業の維持・発展」と「雇用を守るとりくみ」は両立しない。ペテンだ。03年度、郵便事業の276億円の黒字は、取扱物数2・3%減の中で、人件費、物件費(大半は非常勤労働者、輸送部門労働者の人件費!)の徹底的な削減の結果なのだ。労働者に対す
る大幅賃下げ攻撃の結果なのだ。
  大会に先立つ3月11日、郵政公社郵便事業本部は、「真っ向サービスの実現」と題する郵便事業の大合理化案を提示した。
  郵便労働者に対する徹底した大リストラと労働強化であり、全逓労働運動解体の大攻撃である。
  この攻撃が全逓労働者の怒りに火をつけることを恐れて、中央本部は今もその全容を組合員に隠している。
  そのなかの 「郵便ネットワークの再構築」は、集配網を再編し「集中処理センター」で区分作業を集中処理し、トヨタ方式(JPS)と一体で極限的に人員削減と非常勤化を成し遂げようというものだ。
  「外務作業システムの構築」の軸は「集配ネットワークの高度化」で、郵便外務労働者がこれまで分担して行ってきた配達(通常、速達、書留、小包)、集荷、営業のすべてを1人で担うというものだ。そのためバイクに代えて軽四自動車を使用し、10時間労働(拘束12時間)にするというものだ。
  「内務作業の効率化」 は郵便内務を全面的にアウトソーシング(外部委託)し、余剰人員とみな
した労働者を「人材活用センター」に送るというものだ。
  この国鉄分割・民営化型の大攻撃を全労働者に暴露し、その怒りを組織し、絶対に粉砕していかなければならない。
  全逓中央は、79年以来裏切りと転向を続けてきた。
  83年37回大会−「政策・制度」路線への転換。91年45回大会−4・28反処分闘争の清算、被免職者の切り捨て排除を強行、95年49回大会−「ZENTEI・ビジョン21」 を決定し。当局と一体合理化進。郵便事業危機を叫び、「新郵便処理システム」「地域区分局等5000人削減」「郵便新生ビジョン」で当局と一体となつて大リストラを推進、01年、「郵便事業新生」の減員受け入れ。
  さらに、新夜勤導入、人事評価制度の導入=給与制度改悪、深夜勤導入。
  そして、今大会での「未来づくり宣言」だ。
  6・30の、4・28処分撤回控訴審大勝利を突破口に、全逓再生の闘いを今こそ推し進めなければならない。

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●4・28不当処分取消し裁判

 東京高裁で逆転勝利判決を勝ち取る!

 6月30日、東京高裁民事1部江見弘武裁判長が判決主文を読み上げた。
一、原判決を取り消す。
二、東京郵政局長が徳差、神矢、黒瀬、庄野、斉藤、名古屋に対して昭和54年4月28日付けでした懲戒免職処分をいずれも取り消す。
三、池田に対する懲戒免職処分が無効であることを確認する。
  2年前の地裁不当判決を覆し、「原告7名全員の処分撤回と職場復帰」という逆転勝利判決だった。「勝ったぞォー」被免職者は叫び、満席の傍聴者からも「ウォーッ」という地鳴りのような歓声が法廷を包んだ。
  不当処分から25年と2カ月。4・28闘争を投げ捨て、被免職者を切り捨てた全逓本部の裏切りもあった。4半世紀の苦闘が報われた劇的な瞬間だった。

司法反動を打ち破った大勝利

 高裁判決は「反マル生闘争は労働組合としての争議であり、控訴人ら被免職者は本部の指令・指導に忠実に従った末端の組合員にすぎず、免職は許されない」「裁量権を濫用した重大明白な瑕疵」と断定した。
  私たちは、裁判闘争で次のように主張してきた。「全逓労働運動史上、4・28処分以前に解雇・免職になった者は237名いるが、闘争参加を理由に一般組合員が解雇・免職になった例は1件もないこと。77年5月4日の名古屋中郵事件最高裁判決でも 『単純参加行為処罰阻却論』という判断を下したこと。同様に福岡県高教組校長着任阻止闘争事件でも一般組合員の免職が取り消され、最高裁で確定した。4・28処分は前例も判例も踏みにじつた処分だ」と。
  地裁判決は、こうした私たちの主張を「そうであったとしても、行為の程度、態様の反社会性、反規範性が強い場合には、免職が許されないとはいえない」と退けた。
  高裁判決はこの地裁判決を覆し、私たちの主張を認めたのだ。前例・判例通りなのだから当然と言えば当然だ。しかし、現在の司法反動の中で、逆転勝訴をもぎ取った意義は限りなく大きい。まして、江見裁判長は、87年の国鉄分割民営化に向け、84年に最高裁から国鉄総裁室に出向して「国鉄改革法」の作成に関わり、さらに国鉄清算事業団の法務課長を務め、国鉄労働者の首切りのメドがついた後、再び東京地裁裁判官の職に戻ったという人物だ。まさに大勝利だ。
  しかし一方で、高裁判決を詳細に見れば、私たちの他の主張をことごとく退けている点について強く弾劾しておきたい。例えば、反マル生闘争の評価だが、全逓反マル生闘争の原因は、郵政マル生攻撃にあった。二組のデッチ上げと育成、組合員に対する徹底した人事差別・脱退強要など、全国で6千件に及ぶ不当労働行為が行われていた。労働組合・労働者が闘いに立ち上がるのは当然だ。地裁判決は、このマル生攻撃を一言もふれず免罪し、高裁江見も「争議権禁止は合憲」「反マル生闘争は違法争議」と決めつけた。公務員労働者は、どんな不当な攻撃にも抵抗してはいけないというのか。

この勝利を1PU(全逓)、職場をっき動かす原動力に

闘争を放棄した全逓本部の責任
 79年4月28日、全逓東京地本傘下の組合員55名に懲戒免職の処分が発令された。平均年令28才、青年労働者狙い撃ちの処分だった。
  人事院で7年間争い、86年5月に不当判定を受けた。同年8月東京地裁に44名が提訴。
  90年8月、全逓本部は「連合新時代の労使関係のため」と称して、4・28闘争の幕引きを打ち出した。「省への採用と関連企業あっせんの途をひらいた」として、裁判を取下げ、40才以下の者を再受験させるが、受験資格のない40才以上の者は職場復帰をあきらめろというものであった。
  38名が取下げ書を本部に提出し、内14名が郵政採用試験を受験した。取下げを拒否した6名の被免職者には「従わなければ指導違反だ」と脅した。受験結果は全員不合格となった。それでも、本部は闘争終結に固執し、91年5月22日「第99回臨時中央委員会」を開催した。臨中当日、会場の伊豆長岡富士見ハイツは全逓の防衛隊百名、機動隊400名で固められ、被免職者と現場組合員、支援の労働者150名の前に立ちはだかった。
  東京に戻ると、本部は「臨中決定を承認して、裁判を取り下げ、全逓から出て行け」「そうすれば金を出す」と金をエサに迫った。私たちはこれに屈しなかった。
  「密室臨中は無効だ。反処分闘争の継続を求める」署名にわずか二週間たらずで6700名の組合員が応じ、同年7月9日定期全国大会(千葉市)に向かった。署名を携えた200名の仲間の前にまたも機動隊200名が立ちはだかる。臨中決定は承認され、被免職者の組合員資格も奪われた。
  事業の発展のためなら、解雇撤回闘争も職場労働条件も投げ捨てるという全逓(今は、その全逓の名前すら捨ててJPU)の今の姿は、この時から始まったといえる。全逓弁護団は、本部の要請で全員が辞任した。裁判は止まった。そして、被免職者6名が残った。

職場復帰のその瞬間まで闘う!

 91年1月「4・28連絡会」を結成した。新たな弁護団も結成し、92年5月25日、1年半ぶりに裁判が再開された。その後、一度は取下げた被免職者も解雇無効裁判を起こし4・28裁判に併合を勝ち取り、原告は現在の7名になった。ここから、文字通りの自力・自闘の闘いが開始された。心ある組合員・職場労働者は、わがこととして4・28闘争を本部の制動をはね返しながら物心両面にわたって全力で支え、共に闘い抜いてきた。
  95年6月、大崎局での朝ビラ・局長追及に建造物侵入で被免職者神矢・徳差を現行犯逮捕した。
  02年3月27日には東京地裁は、「郵政マル生など関係ない。公務員に争議権が禁止されている以上、免職は当局の裁量権の範囲内だ」とする不当判決を下した。
  そして、控訴手続きの当日4月8日の朝、今度は南部労組外国人労働者解雇撤回闘争への弾圧で、神矢を含む3名を傷害罪で逮捕した。こうした、十字砲火のような攻撃をはね返して今回の逆転勝訴を勝ち取ったのだ。全逓本部に奪われた被免職者の組合員資格も99年12月、最高裁決定で奪い返した。
  今回の勝利は、被免職者をはじめ全ての仲間たちの勝利だ。判決一週間前の6月23日には、全逓第59回定期全国大会(旭川市)が開催され、全逓からJPU(日本郵政公社労働組合)へと名称変更した。全逓の名前と一緒に労働組合としての役割をも投げ捨てようとするものだった。
  今回のこの勝利をJPU(全逓)をつき動かす原動力にしていきたい。最悪の労働条件に苦しむ現在の職場状況を変えていく力にしていきたい。全国の争議団闘争勝利への推進力にしていきたい。
  この勝利判決はまだ確定したわけではない。7月13日、郵政公社は最高裁に上告した。処分から25年を経て、まだ労働者を排除し続けようというのである。しかし、私たち4・28連絡会は、これまでも「判決がどうであれ、不当処分は撤回させるまで闘う。仲間の首は仲間の手で取り戻すまで闘う」として闘ってきたのであり、処分撤回・原職奪還実現するその日その瞬間まで、これまで培ってきた共闘の力で闘い抜く決意だ。
  とりあえず、全ての仲間たちへの感謝の言葉としたい。本当にありがとうございました。

(郵政マル生粉砕・処分撤回・原職奪還!4・錆連絡会)

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●労組法改悪を阻止しよう!

  竹端地労委闘争の経過は労組法改悪(案)粉砕闘争そのもの

 東京労組交流センター法対部長  中西敏勝

 前国会で審議未了となり、秋の臨時国会への継続審議扱いとなっている労組法改悪(案)は、(審査の計画)、(証拠調べ)など、多くの看過できない条文がある。
  (審査の計画)は27条の六で、その条文は「労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない。
2 前項の審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 調査を行う手続きにおいて整理された争点及び証拠(その後 の審査の手続きにおける取調べが必要な証拠として整理されたものを含む)
二 審間を行う期間及び回数並びに尋問する証人の数
三 第二十七条の十二第一項の命令の交付の予定時期」である。
  (証拠調べ)は27条の七の2で、「労働委員会は、前項第二号の規定により物件の提出を命ずる処分(以下「物件提出命令」という)をするかどうかを決定するに当たっては、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない。」 である。
  具体的に何が問題か、昨年03年2月17日に東京地労委に申し立てたユニオン東京合同の地労委(竹端地労委闘争)の経過で検証する。

「除斥期間」にこだわった東京地労委

 労組法第27条2項は、「労働委員会は、前項の申立が、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない」と定め、労働委員会規則第34条1項は「申立てが次の各号の一に該当するときは、委員会は、公益委員会議の決定により、その中立てを却下することができる」と定め、その三号は「申立てが行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から一年を経過した事件にかかるものであるとき」である。
  竹端(佐藤)由枝さんは他の従業員と共に、01年3月30日に(被申立人)日本ブリタニカから全員解雇の通告を受け、同年5月31日付けで解雇された。不当労働行為救済申立は03年2月17日である。
条文からすれば、行為の日(01年5月31日)から1年以内は02年5月30日である。申立は約2年後になる。しかし、闘いを進めていく過程で「全員解雇」ではなく「選別解雇」であったことが明らかになり、労働委員会に対し、それを組合が確信したのが、02年4月21日であり、「申立期間」を経過していないと主張した。
  東京地労委は、初めから「除斥期間」を問題にし、第2回調査において、被申立人の当事者性、不誠実団交と共に、「除斥期間」について求釈明を行った。われわれは『準備書面(3)』に.おいて「労組法、地労委規則の申立期間は、私法上の除斥期間とは質的に違う」、「申立期間を1年と定めた1952年の法改正は、不当労働行為の救済手続き制度の利用そのものから労働者、労働組合を締め出すもの」、「使用者に不当労働行為責任を1年間で免責させるような結果をもたらす」、「除斥期間という言葉の使用とその現行解釈に反対」などと展開した。宮島尚史弁護士の「意見書」も提出し、また「争点の整理と称する調査の繰り返しによる引延し」に抗議し、第4回調査において審問開始の決
定を勝ち取り、03年日月11日に第1回審問(竹端由枝証人主尋問)を実現した。そして、3人の組合側証人による6回の審問を行い、次回は9月8日(水)16時〜18時、第7回審問(組合委員長反対尋問)を行う。また、われわれの労働委員会闘争は腕章着用で行っている。
★「一年以内の申立期間」の突破が容易ではなかったことからすれば、やはり、「行為の日」から一年以内の申立は必要である。

「背景立証」の実現(背景にも真実が隠されている)

 労働委員会は、労組法改悪以前の現在においても、先取り的に労働者、労組の立証を制限してきている。とりわけ「背景立証」においてはそうだ。日本ブリタニカの不当労働行為は何も今に始まったことでなく、20年前の1982年に始まった組合つぶしは、当時の委員長・書記長や支援の労働者に多数の負傷者を出すという二組、職制の暴力を前面に押し立てての攻撃であつた。当時の生々しい書証なども多用した三角証人の証言に対し、証人採用に反対した会社側も反対尋問を行わざるを得なくなった。
  愛知地労委事務局の渡辺裕香さんは、「地労委に赴任した当初は、書面に表れた当事者の主張にとらわれすぎて、かえって事件の全容を把握できずに、…最近は、だんだんと背景的事情などにもあれこれと考えがめぐるようになって、事件の全体像や核心的出来事というようなものにも日を向けられるようになってきた」と着任から3年を経た心境を書いている。

会社証人の実現

 会社は6回の審問を経て、会社証人(団交代表粟津取締役)を出すことを決定したようだ。われわれはもちろん不当解雇の総責任者、社長(奥井直彦)の証人申請している。労組法第22条が定める「強制権限の発動」も申立し、証人実現を目指す。

被申立人の追加申立

 われわれは、審問ごとの総括、獲得目標の設定など法対作業を通して、いわゆる「シカゴ本社」エンサイクロペディア・ブリタニカ・インクも(4番目の)被申立人として追加する申立を行つた。日本以外の法人の被申立人の具体例なども探し、実現を目指す。

立証計画の追加、補強

 被申立人の追加申立など、新たな申立、申請を行えば、当然立証しなければならない。佐藤委員長の証言では、申請ずみの項目に加えて、「約束」した時間内で立証することを表明した上で、立証項目を追加して、実施した。
  われわれのこれらの立証は、もちろん申立時に予定していたことではない。審問ごとの総括、獲得目標の設定など法対作業を通して、一つ一つ確認したこと、確認できたこととして行ってきた。「審問開始前に、…審査の計画を定め」ることも、定められることもできない。
  また、会社が「シカゴ本社」からきたという「全員解雇」の文書などの提出も要求していくが、「事業者の事業上の秘密の保護に配慮」されては初めから実現しないことになる。

=ブリタ二力とは=

 ブリタニカのシカゴ本社は「世界に冠たる大百科事典、エンサイクロペディア・ブリタニカ」の名にあぐらをかいて、いつまでも紙に印刷した百科事典に執着していた。
  しかし、百科事典は、CD−ROM化、さらにはインターネットの時代に突入していた。ブリタニカは遅ればせに、これらの事業に進出したが、すでにブリタニカの席はなく、最後はアクセス代無料にするまでに落ちぶれたが失敗した。事実上インターネット事業から撤退し、膨大な赤字を残した。そのツケが日本ブリタニカの労働者に回された。
  日本では、百科事典の訪問販売を目的に会社が設立されたが、解約を認めない、いわゆるブリタニカ商法が社会的な大問題となり、販売は急落した。辞典に代わって英会話教室・教材をセツトにした事業に進出したが、消費者保護法の成立により訪問販売ができなくなった。経営の無策により、ブリタニカを支えたセールスの大半が引き抜かれ、売り上げが急落した。
  現在の奥井社長が、経営再建のために据えられた。しかし、同社長は、シカゴ本社の言うがままに、日本ブリタニカの事業閉鎖を強行し、自分はブリタニカの日本におけるトツプの座を占めて、全社員を解雇した。日本の労働者はシカゴ本社と、日本の経営者の失敗で解雇された。

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●今、教育労働者は?

「日の丸・君が代」の被処分者に、思想改造・転向強要の「再発防止研修」

 今春の卒入学式で職務命令に従わず不起立したとして戒告・減給処分を受けた東京都の教育労働者に「服務事故再発防止研修」なるものが発令されている。
  「服務事故再発防止研修」とは、
セクハラや飲酒運転などの「非行」を起こした教職員の再発防止を図るという名目で01年度から実施されている制度である。その要綱には、「被処分者が行った非行に対する反省を促す」「自ら行った非行に関する報告書を作成させる」と明記されている。これを「日の丸・君が代」の被処分者に対して適用することは、文字通りの転向強要、思想改造となる。

「反省するまで研修」と教育長

 6月8日の都議会で、横山教育長は、「研修の成果が不十分の場合は、再度研修を命ずる」「反省の色が見られない場合は、より厳しい処分を行う」と言い放った。
  民間でも、始末書提出拒否を理由とする二重処分、懲戒解雇は違法という判例が定着している。労働契約とは、労働力の売買であって思想や信条まで売るものではないからだ。
  ピアノ伴奏を拒否した音楽教員への戒告処分の取消を求めている南平小事件の裁判では、1審・控訴審ともに、「公務員にも思想・良心の自由はあるから、内心において思想・良心を抱くのは自由だが、外部的行為に現れる場合には制約を受ける」という論法で、処分を適法とした。公務員は、労働基本権、政治的権利のみならず、思想・良心の自由も制約されるという判決を許してはならない。

研修命令の執行停止を申し立て

 今回の再発防止研修は、判決のいう内心の自由さえも認めないというものだ。都教委攻撃は、「日の丸・君が代」を踏み絵に、思想・信条で教職員をパージしていく段階に踏み込んできている。
  被処分者は、処分の取消しを求めて都人事委員会の不服審査請求を行つている。その審理の最中に「反省」を強要するとは、地公法に保障された不服申立の権利を奪うものともなる。7月3日、被処分者の代理人は、都人事委員会に再発防止研修を実施しないよう都教委に勧告するよう申し入れたが、人事委員会側は拒否した。公平審査機関とは名ばかりの同じ穴のむじなであるというべきか。
  再発防止研修は、8月2日、9日の二日間に分けて、223人の被処分者を対象に実施されようとしている。減給処分者は、さらに30日に呼び出されている。
  被処分者137名が研修命令の執行停止の申し立てに対して、7月23日、東京地裁は訴えを却下したものの「何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせるなど、個人の内心の自由にふみこみ、著しい精神的苦痛を与えるものであれば違憲違法」との判断を示した。
  研修会場を包囲し、都教委に抗議を叩きつけよう。

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●第10回「8・15労働岩・市民のつどい」への結集を!

 戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会

 私たちは、来る8月15日に、中野ゼロ小ホールで「『国益』と『排外』に憲法は屈するのか 8・15労働者・市民のつどい」を開催します。
  小泉政権は、6月14日、多くの人々の反対の声を無視して、有事関連法案を強行成立させました。そして6月ほ日には、多国籍軍への参加を決定しました。有事法制と多国籍軍への参加は、侵略戦争国家への大転換であり、憲法改悪に向けての一大攻撃です。あの侵略戦争の歴史を繰り返すのか、私たちは決定的なところに今立っています。
  こういう状況の中で、今年第10回目を迎える8・15集会は、かつてない重要なものになろうとしています。なんとしても成功させ、反戦と反改憲の声をあげていこうと思います。
  今年の企画は、憲法学者の大久保史郎さん(立命館大学教授・憲法)の「改憲論は、なぜ9条を敵視するのか」、航空連絡会の内田妙子さんが、労働組合が戦争協力を拒否する決意を語ります。「日の丸・君が代」を拒否して闘う教育労働者が、「私も教え子も戟場に行かない」と訴えます。有事法制のもとで戦争に動員されようとしている自治体労働者と国鉄労働者が、戦争協力拒否の闘いを語ります。そして司法改革と治安立法に反対する弁護士が、訴えます。
  コント「ボクは改憲派」は、松元ヒロさん。例年のとおり、笑いの中に小泉政治を徹底的に斬りまくるコントを演じてくれます。
  民主労総からの発言も予定しています。
  ぜひ、この8・15集会に、ご参加下さい。

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●たたかいは進む

 ☆全逓4・28、高裁で逆転大勝利

 「ウォーッ!」
  「原判決を取り消す」と江見裁判長が判決を読み上げた瞬間、法廷内が騒然とした。「ヤッタ、勝ったよ」、「本当かよ」、傍聴席を埋めた人たちが、感激のあまり大声で叫び、拍手をした。
  江美裁判長は、「止めなさい」と叫び、主文を読んだ。
  「東京郵政局長が控訴人徳差清、同神矢努、同黒瀬英之、同庄野光、同斉藤昇及び同名古屋哲一に対して昭和54年4月28日付けでした懲戒免職処分をいずれも取り消す」、「東京都政局長が控訴人池田実に対して昭和54年4月28日付けでした懲戒免職処分が無効であることを確認する」。
  完全勝利だ。25年間の闘いがいま実った。そんな気分をすべての人が感じた。法廷には入れず廊下で待機していた人にも、結果が伝えられた。「廊下に滞留しないでください」という廷吏の声などもう全員が耳に入らない気分だ。
  弁護士会館で、原告団主催の報告集会が開催された。原告、代理人弁護士、全逓組合員、そのた多くの支援共闘の労働者がこの勝利を心から祝福した。
  原告、代理人から発言。参加者から「記者会見をしろ」、との声が多く、集会終了後、すぐに裁判所2階の司法記者クラブで会見を行つた。10社くらいが参加して経過と勝利の意義を訴えた。その後、公社前に行き豪雨の中、弾劾集会を行った。そして、新橋「のみた屋」で祝杯(すぐにサケ。全逓らしいか)。
  以上が当日の状況です。正式な部会や連絡会のコメントは、後日になりますが、なによりも「勝った」と言うこと以外にないと思います (正直言って、4・28という国家的政治的処分が裁判で勝てると思っていた人は、ほとんどいなかつたでしょう)。判決の意味はいろいろありますが、何よりも、全逓が「日本郵政公社労働組合」と名前を変え、名実ともに労資一体の 「労働組合」として進み始めようとしているその出鼻をくじいたことです (当初、判決は大会初日の6月23日だった)。そして、この判決が必ずや、現場で苦闘し閑い続けている多くの全逓労働者を鼓舞し、全逓改革を大きく前進させるのは間違いないのです。
  そして、国鉄闘争への影響も少なくはないと思います。不屈に闘い抜いた原告、とりわけ連絡会の神矢さん、徳差さん。そうそうたる代理人。なによりも、全逓部会を先頭にした、現場、支援の労働者の力の勝利です。

 ☆今秋、共謀罪廃案へ

 破防法・組対法に反対する共同行動は7月17日午後7時から渋谷勤労福祉会館で、共謀罪臨時国会で廃案をめざす決起集会を開催した。
  今年の通常国会は治安弾圧立法国会といえるほど、有事法制を含めた法案を与党の多数で、ろくな審議もしないで押し通した。しか
し共謀罪、サイバー犯罪条約の国内法化を阻止することができた。3国会連続で法案を阻止できたのは共謀罪反対運動の強化によると評価できる。
  今秋臨時国会は決戦である。共同行動からは、具体的スケジュールを含めて決戦を闘う方針が提起された。また警察政策学会で、山田英雄元警察庁長官は、盗聴法の改悪、破防法の改悪、警察緊急権の検討などを提案、実際に戦争する国家体制のあり方を検討していることが明らかにされた。
  集会には、ビッグレスキューとの闘い、日の丸・君が代弾圧と闘う教育労働者、4・28高裁勝利の
報告と決意、動労千葉の戦争非協力闘争の闘いなどが報告された。また自衛隊宿舎ビラまき弾圧を受けた立川テント村の大桐さんが、弾圧と今後の闘いを報告した。

 ☆本山社長宅デモ第2弾

 全金本山労組は、本山資本との和解交渉を全力で闘っている真つ只中にあるが、6月20日、千葉社長宅包囲デモをかちとった。みずほ銀行が本山資本に対する債権を、整理回収機構に譲渡したことにより本山闘争をめぐる状況は決戟的局面に入っている。

 ☆委員長の解雇撤回・原職復帰を勝ち取ったぞ 東京・大山 健

 わが組合は、もともとは同盟系の御用組合でした。その組合が「変身」したのは、職場の安全・保安闘争を通して、組合員の自主的な決起が始まったからです。
  その後は、おきまりのごとく、組合員に対する嫌がらせと利益誘導で、組合は過半数を割ってしまいました。
  そんな時に、会社は02春闘で基本給の10パーセントカットを提案してきました。組合はストライキで反撃しました。その過程で、会社は、組合を中心的に担ってきたAさんを、暴力事件をでっち上げて解雇してきました。
  組合は、この攻撃を組合つぶしの攻撃と見すえて、反撃の体制として、Aさんを組合委員長にすえて、解雇撤回闘争と職場闘争を一体のものとして取り組む体制をつくりました。36協定を結ぶ03年の従業員選挙は組合側が負けましたが、04年は組合側が勝利しました。従業員選挙に勝利した組合員の力は、裁判闘争を中心にした解雇撤回闘争にも威力を発揮し、今年7月に、Aさんの原職復帰を勝ち取りました。
  解雇撤回闘争に勝利した今、次のたたかいに立ち向かわなければなりません。はっきり言って、会社はいつ倒産してもおかしくない状態です。この様ななかで、労働者の未来を指し示す運動が本当に必要です。
  ちなみに、この過程で、動労千葉と全金本山の物販を初めて取り組みました。組合員ひとり一人に物販を訴える中で、動労千葉と全金本山のたたかいを自分自身で追体験しました。動労千葉・全金本山の闘いがあったればこそ、自分の闘いの勝利があったと、素直に思うことができます。

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●読者のページ

 ☆盗聴法適用第1号合法の判決 東京 佐藤 陽

 次皿聴法初適用とされた覚せい剤密売事件東京高裁判決が7月17日に出された。盗聴法は「適法」だったとして、覚せい剤を密売した被告人に対して、一審と同じ懲役5年6カ月、罰金80万円、追徴金42万9千円の判決を出した。
  この事件は02年3月頃に、携帯電話サイトに「S」ありとの覚せい剤購入を呼びかけの書き込みがあり、警察が次皿聴により被告人Nを逮捕した事件。
  盗聴法は本来、トップを捕まえるということで設けられた法律であるにもかかわらず、逮捕されたのは業として覚せい剤を販売していたわけでもなく、確認された密売価格もせいぜい合計20〜30万円程度という小さな「暴力団」の一元幹部であった。
  一審の公判では、盗聴法がほとんど隠ぺいされていて弁護士が、最後の段階で、やっと次皿聴法を問題にした程度であった。しかし被告人の当然の権利である盗聴記録の閲覧やテープの聴取を、裁判官、検事ともに妨害していた。
  しかし、弁護人側は控訴審で真正面から盗聴法適用の違反をとりあげた。公判では実際に盗聴を行った責任者の公安三島が証人となり、一法廷だけではあったが尋問が行われた。
  弁護側は「被告の氏名や売買方法はすでに判明している」と主張した。また「警察側は200カ所をこえる捜索や携帯電話の記録により、全容をつかんでいたのである。したがつて盗聴法を適用する必要はなかった」と。
  しかし原田国男裁判長は、感想的にいえばほとんど逆転的に「適法」の判決を出したといえる。傍聴したマスコミ関係者は裁判所は拡大解釈しているというものであった。
  警察側が被告人Nと思って追いかけていた男が、服役中であつたことが判明したり、被告Nに覚せい剤を2回も買いに行った警察官がNを特定できなかったり、「組ぐるみ」であったことはまったく解明できなかつたりという警察のミスが目立った。
  しかし、この程度の事件で盗聴法が濫用されることが、適法とされると今後、濫用される可能性が出てくる。また盗聴法の改悪もさらに表面化するだろう。

 ☆全逓4・28裁判の勝利万歳 兵庫県精神障害者連絡会  高見 元博

 全逓4・28裁判の勝利は対当局的にも、組合員の利益を完全に裏切っている対全逓中央(JPU)的にも、決定的といえる勝利です。彼らが抹殺したかった78年越年闘争の地平が再び息を吹き返したからです。よく「反転攻勢」という言葉が使われますが、これこそ真の反転攻勢のチャンスです。最高裁がどうなろうと、労働者の利益が正当だと裁判所が認めたのです。反動の牙城である裁判所にも労働者の正当性を抹殺することができなかった。4・お裁判は、当局や組合中央が抹殺したかった「闘って勝つ」という思想を復活させたのです。彼等は「闘ったら手痛い打撃を受けて負けるから闘ってはいけない」という思想を組合員に押し付けていた。それに対して、4・28連絡会を始めとして私たちは闘ってこそ活路があるという思想で組合員を獲得しょうとしてきた。どちらが正しいのか、これではつきりと示されたのです。闘って勝とうー・年越年闘争のように闘おう! その旗をいまこそ高く掲げよう!

 ☆釣り紀行 東京 関西漁業

 7月某日、日頃の「夜眠れない、食欲がない、人と会いたくない」といううつ病の前段階症状を解消すべく「海へ、釣りに行こう」と愛車を駆って出かけました。
  目指すはスポーツ新聞に載っていた富士山が見える西伊豆の 「穴場中の穴場」と称する井田堤防。
メジナ(グレ)をメインにしているがアイゴという文字があった。アイゴは私の育った関西では小さいのをバリコ、大きいのをアイ、もつと大きいのをシブカミと呼んでいた。酒粕をえさに手のひら大のをつり上げた記憶があり、その引きの強さに感動したことがある。食べても身がしこしこしていておいしい。
  1号線をひたすら西へ走り、芦ノ湖を見下ろす箱根峠で休憩、今
年の暑さは強烈だが、ひんやりした山の冷気、「カナカナカナ」と鳴くヒグラシの合唱に感激。沼津市に入り、スーパーに立ち寄り、酒粕を買う。やはりアイゴ様にはオキアミより酒精だ。待てよ夜釣りにはチヌ狙い「ヌフフ…オキアミも買っておこう」。かくてオキアミと酒粕をもって井田堤防を目指す。西伊豆の海岸線沿いにくねくねと県道が走っている。途中、漁協の波止場で釣り人をみる。サビキでアジを釣つていた。ここでチヌの夜釣りだ。日没から夜釣りをしたが小魚が夜でも群れていて、えさをどんどんとられる。まあアイゴ様に明日はあえるからいいかとここで仮眠。明け方、月と金星の写真を撮る。
  翌朝、井田堤防に到着。ここは民宿中心の20戸くらいの集落で、アクアラングが中心。水は2b以上透明できれい。眼前に富士山。ただし夏場は曇ってみえない。当日もうっすらとしか見えなかつた。砂浜はないが海水浴場になっていた。堤防は小さく突き出ているだけ。釣り人は2人。一人は活きアジでイカ狙い。もう一人はメジナを釣っていた。そのメジナ釣りの人の横になんとアイゴ様がひからびて放置されている。なんてことを! かわいそうなアイゴ様。聞けばここらではアイゴ様は外道で食べないでほかす魚だという。やはり関東は許せない。巨人打倒! 阪神がんばれ! さっそく仕掛けをつくつて投入。オキアミも残っていたのでオキアミの酒粕団子でアイゴ様を狙う。とたんにヒット。ぐいぐいとしなる竿、右左と逃げる魚、この強烈な引きはアイゴ様に間違いない。上がつたのは30靴ン弱のアイゴ様。思えば関東の波止でゴンズイヤハオコゼ、フグと毒魚しか釣れなかった悲しい日々が思いだされる。さつそく写真を一枚。
  午前中アイゴ様を2匹あげて、大満足。メジナ釣りの人から小さいからとメジナとカワハギをいた
だき、おまけに氷までいただいた。
  さあ、帰るぞ。行きの1号線と決別し、帰りは熱海から 「二度と入るな!」と真鶴有料道路の料金所のおじさんのば声をあびながら帰宅。アイゴ様は塩焼きにし、ショウガおろしでいただきました。おいしかつた。

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