2009年12月号(No.237)目次
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目次

労働者の目 〈完黙〉と〈団結〉で勝利したぞ!!
◎11月集会の新たな地平から来春3月の大決戦へ!
 1万人結集を実現できる闘う労働組合運動を作り出そう!!
  国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中康宏
◎万国の労働者、団結せよ
  11・1労働者集会「国際連帯」の報告
 10・31日韓被解雇者交流会8
 11・2日韓労働者理念交流会
 11・3日韓公務員労働者交流会
 団結を固めたセシリーとの1週間
◎11・29日本年金機構職員労働組合結成絶対反対!
  全国社会保険職員労働組合の2月下旬解散を許すな!
◎闘う合同・一般労組 大恐慌下における民間資本の特徴と
  青年決起の展望
ひめじょおん--女性部から
 三浦半島の闘いは、組合権力奪取へ!
◎動労千葉労働学校で学ぼう!
労働ニュース
 ●事業仕分け 衆人の前「廃止」連発
◎鳩山・オバマ戦争会談粉砕!
  11・12労働者・学生総決起集会 基調報告
◎国労5・27裁判判決公判
  暴処法と共謀を完全粉砕した画期的勝利
読者のページ
 ●マンガ

 

 労働者の目

〈完黙〉と〈団結〉で 勝利したぞ!!

羽 廣  憲
常任運営委員/国労九州小倉地区闘争団

 世界大恐慌が資本主義社会の崩壊へ完全に突入した今日、体制内労働組合指導部は、その資本主義の救済者として労働者の怒りや闘いを徹底的に抑え込み、資本の尖兵として労働者を支配することを自らの役目としています。
 こうした資本主義の下で日々賃金奴隷を強制し、支配しようとするJRとその攻撃に屈せず、真正面から労働者として労働組合を結集軸に闘い抜いている仲間がいます。
 2002年5月27日に開催された国労第69回臨時全国大会における国労本部と警察権力による労働運動弾圧は7年の裁判闘争を闘いぬき、本年7月18日に求刑がなされ、11月27日に判決を迎えました。
 労働組合の執行部が組合員を公然と権力に売り渡し、開き直っているこの現実は腐敗の極みです。食い扶持労働運動化している国労の現実を見たとき、心の底から怒りが沸き上がって来ます。
 判決は、「リーダー」の向山さんは無罪。共謀も認めることは出来なかったのです。
 事実上、治安弾圧法である暴処法を粉砕したのです。大きな、本当に大きな勝利です。
 勝利の核心は完全黙秘です。法廷でも実行行為については検察側に立証責任があることから全員が黙秘を貫いたのです。
 しかし、どうしても有罪にしなければ国家権力のメンツが立たないのか、私たち実行犯とされた国労組合員に対しては暴行を認定し、富田益行被告に罰金60万円、羽廣憲、東元の各被告に罰金40万円、橘日出夫、原田隆司、小泉伸の各被告に罰金20万円の有罪判決を行いました。ただし1円も支払わない罰金刑です。
 1年3カ月の拘留と7年100回を超す公判を闘って団結を守り抜いた勝利です。
 弁護団の全員解任から路線を明確にして闘えた充実感は、法大闘争をはじめ多くの闘う仲間に勝利の展望を示すことが出来たのではないかと思います。
 1047名解雇撤回・国鉄闘争勝利に向かって5カ月決戦を闘い抜きましょう。

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11月集会の新たな地平から来春3月の大決戦へ!
1万人結集を実現できる闘う労働組合運動を作り出そう!!

国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中康宏

 今日は11月集会の総括を若干話をします。今回の11月集会は、参加人数は残念ながら目標の1万人までいきませんでしたが、集会への賛同者数が8000名、チケットの販売数も過去最高でした。皆さんが総決起して取り組んでくれたことの結果です。
 賛同者のうちの、約1500は駅頭で取れています。200毎ものチケットが駅頭で売れています。これは情勢が動いてこと、労働者の意識が大きく変化しはじめていることの表れです。これらをこれからどのように本当の力に結集していくのかがこの1年間の実践として問われているというのが率直な実感です。

09年11月集会が切り開いた画期点

1047名闘争―大恐慌情勢に立ち向かう展望と路線

 内容的には画期的な集会として勝ちとられました。何よりも、労働運動をめぐる全体の状況をよく見てもらいたい。僕らは分岐とか流動化という表現で今の労働運動の状況の特徴を議論をしてきました。実際起きていることは、去年以来の大恐慌情勢の中で労働者が生きていくことができないような攻撃にさらされているにもかかわらず、だからこそといった方がいいのかと思いますが、労働運動をめぐる途轍もない変質です。この情勢にもう立ち向かうことはできないという思想が蔓延しています。自分の力ではどうしようもならないものと見て、結局、行政、政府とかかわりあう中にしか展望がないとなる。「派遣村」から何から全部そうです。
 実はこれがかつて労働組合の産業報国会への転落過程で起きたことでした。当時、労働運動の中心的指導部は共産党です。今と比べても桁違いの激しい弾圧がかかっています。こういう状況の中で共産党の幹部、労働運動の指導者たちが陥ったのが、それだった。もうどうしようもならない。じゃあどこに可能性を見いだすんだ。国家と関わり合いを持つことによって何とか労働者の労働条件だとか権利を少しでも救済しようと。結局、それは戦争に協力する道まで転落していくことになります。
 今起きていることはそれと同じです。道州制や民営化攻撃をめぐって起きていることもそれです。もう抗し切れないんだから、こっちから積極的に「攻めの民営化」方針で「よりよい民営化」を提案する。政府の委員会の中にも入っていこうと。一方では怒りの声は満ち溢れている。こういう状況の中で自民党政権が打倒され、民主党政権になった。つまり連合の右派幹部が支配する側に組み込まれた。
 こうした状況の中で僕らは「違う! 労働者自身に社会を変える力があるんだ」とやってきた。そのことを胸を張って真正面から訴えるのは11月集会だけになった。その意味ではこの集会が実現した地平は画期的です。大恐慌情勢の中で、僕らだって展望を失ってたっておかしくない。だけど今年の11月集会ではそれとは全く違うものを訴え切ることができた。これは当たり前のように思わない方がいい。これ自体がこの情勢の中で画期的なことだと確認したい。
 何よりもそのことを、国鉄分割・民営化攻撃―1047名解雇撤回闘争という、日本における新自由主義の突破口となった攻撃を絶対にあいまいにしないということを前面に押し立て、その闘いの旗を打ち立てることをとおして実現した。新自由主義攻撃と大恐慌の渦中で、ワーキングプアに突き落とされ、派遣切りされ、切られて苦しみ、賃金を下げられ、子どもの学費も払えず、一体どうしたらいいかと路頭にさまよう膨大な労働者の怒り、究極の民営化・労組破壊攻撃にさらされている公務員労働者の怒り、こうした労働者の怒りを全部この旗の下に結集して、これで勝負しようという闘いの展望と路線を打ち立てた。このことは、当たり前にみえるかもしれませんが画期的なことです。

国際連帯闘争の圧倒的な前進

 第2に、国際連帯闘争の画期的な前進を勝ちとったことです。われわれは1047名闘争の旗を全ての闘いの先頭に押し立てるという路線を打ち立てた。だけどもうひとつ絶対に必要な課題がある。この時代に階級的な労働運動を追求する全世界の労働者と現実につながって、「万国の労働者、団結せよ」を実現することです。それなしに勝利を手にすることはできない。これからの時代、この2つが大きな柱、車の両輪になる。7月のサンフランシスコでの国際会議から11月集会、訪韓闘争の過程は、この点で圧倒的な前進を勝ちとった。この点は後でもう一度触れたいと思います。

三里塚闘争が最先頭に

 第3に、11月集会の組織化の過程で、日本の階級闘争の先頭に三里塚闘争の旗を押し立てることを全体が決意し、それに成功したことです。43年間の長きにわたり、国家権力と非妥協的に闘い、何千名という労働者・農民・学生たちが獄中に囚われ、何人もが闘いの中で生命を落としながら、原則を曲げずに闘い抜いてきたのが三里塚闘争です。労農連帯の力で実現した世界的にも前例のない闘いの地平です。そして今、この情勢の中で再び決戦局面を迎えている。どんなに優れた理屈を並べたとしても、こういう闘いを守りぬくことができなかったら、どんな闘いも前進することはできない。私は、反対同盟を代表して萩原事務局次長が初めて訪韓闘争に参加して民主労総とともに闘うという決断の中に、差し迫った決戦に向けた並々ならぬ決意を感じました。

路線を鮮明にさせたJR総連批判の意義

 第4に、JR総連革マル問題を国際的なレベルで明確にすることができたことです。今になってJR総連を担ぎ上げる奴らが出てきた。それがひどい理屈なんです。動労革マルが民営化に率先協力し、首切りの手先になったことは「新しい労働運動の模索だった」と主張する。「危機の時代には階級的に闘うことなど不可能なんだ」という思想をまき散らす。しかも、民主労総の仲間から、「こんな理屈を述べた戸塚論文がハングルに翻訳されて韓国でばらまかれている。ぜひ反論してほしい。こんな腐った思想を広げられたら民主労総の運動が危機を深めることになる」という連絡が入り、日韓理念交流のテーマも「世界大恐慌下の労働運動の課題」にしようとすぐ決まったわけです。それで、日韓双方からこれを批判し討議した。われわれが急いで書いて韓国に送った反論はあらゆるインターネットのサイトに貼りつけられています。韓国だけじゃなく、アメリカとも、ブラジルとも、ドイツともこの問題が議論になった。
 だから、結構大きなことなんです。この時代に労働運動がどういう方向を歩むのか、革マルは、一番やっちゃいけないことを最も反動的な形で示してみせた。今、自治労や日教組が同じ道を歩んでいます。だからこの問題をはっきりさせることは、階級的労働運動の針路を明確にするという意味で決定的に大きかった。
 1週間後、訪韓して、公共運輸連盟の副委員長や金属労総の前委員長、公共労組の前委員長など、ソウル本部の人たちが「私たちも会ったことない人たちばかりですよ」と言うような、そうそうたる人たちが次々に来たんですが、この問題なんです。これほど大きな問題だったとあらためて気が付かされました。国鉄分割・民営化の時にどういう道を歩んだのかということは本当に大きな問題になるんです。11月集会はこのことをものすごく鮮明にさせた。

画期的前進を切り開いた国際連帯の闘い

 特に画期的だったのは国際連帯闘争の発展です。今回来てくれたのは、韓国、アメリカに加え、ブラジル、ドイツの人たちです。
 11月労働者集会を前後して、解雇者闘争の展望に関する日韓交流会、日韓理念交流集会、国際連帯討論集会、教育労働者集会、公務員労働者交流会、青年学生交流会、反対同盟との交流会など都合10の関連企画をやりぬき、その合間で個別討議を行い、ブラジル、ドイツの仲間は民主労総の労働者大会にも一緒に参加し、本当に真剣な討論がされ、多くの点で一致しました。期せずして共通のテーマは、世界恐慌情勢のもとにおける階級的労働組合の復権に向けた展望と課題という問題、そしてもうひとつは労働者自身の手で労働者の党をつくらなければいけない情勢だということになった。それぞれが必死に社会変革の展望をつかみとろうと悪戦苦闘している。だから本当に大きな共感が生まれました。
 各国の労働者から口々に言われたのは、「あなた方がやっている運動は世界的に見ても特別な位置をもっている」ということでした。動労千葉という400ぐらいしかいない小さな労働組合が全国のあらゆる産別の現場の労働者たちを結集して、全国的ネットワークを作っている。労働者も、学生も、農民も、弁護士も一体となって闘っている。こういうことがどうして可能になったのか。しかも、明確な階級的立場のもとに団結している。これは今までに見たことのない画期的な運動のあり方だと。それとやはり、国鉄分割・民営化攻撃に立ち向かって、23年間団結を守って闘い続けていることです。

動労千葉は赤色労働組合運動か

 例えば、ドイツの仲間たちから次のような質問を受けました。「帰ったらぜひ動労千葉のことを紹介したい。だけどドイツでは1930年代にドイツ共産党、スターリン主義の赤色労働組合運動というのがあったので、ドイツの労働者は、『結局あの時に散々たる結果に終わった赤色労働組合運動でしょ』とみんな思うだろう。だけど、東京の集会で感じたのはそうではなかった。これをどう紹介したらいいのか」と。
 赤色労働組合というのはスターリン主義の誤りです。党別働隊のように引き回した。相当な数の労働者を結集したのは事実です。多くが失業者でした。失業者だったから悪いというんじゃないですが、主要な基幹産業はみんな社会民主党に握られていて、現場の苦闘の中から階級的団結をつくり、職場に根を張って労働運動の主導権を握り、本物の党を作り出すという発想とは逆な運動をやって結局壊滅した。ファシズムに対抗できる路線と方針を持たなかった。
 それに対して、いや違うという話をしました。どんなに職場の労働者が置かれている現実が大変でも、連合や全労連が支配する職場の中でそれを下から覆していくために僕らは闘う。その関係を変えることは並大抵ではないし、だから未だ5850名の結集でしかないけれど、だけどもここにこだわる。その困難から逃げない。その格闘の中にこそマルクス主義があると考えていると言ったら、目を輝かせていました。ブラジルのコンルータスの代表とも同じような議論になり、来年のコンルータスの大会に合わせて、世界の戦闘的労組の代表が集まって国際会議を開こうということになった。

訪韓闘争における討論

 訪韓の過程を含め民主労総とも本当突っ込んだ議論になりました。この間、会う人、会う人が、「民主労総は危機に立っている」なんだと口をそろえたように言うという現実がありました。
 民主労総はこの10数年の間に80万の組織を作り上げ、世界の労働運動をリードするような闘いを展開してきた。しかし今の大恐慌情勢の中で、このままでは行かないところにぶつかっているのは確かです。実現してきた地平が大きいだけに、現場に責任をとりきる苦闘は並大抵のことではない。口々に危機を訴えるのは、ある意味で当然のことです。
 僕は、労働者大会の印象を訊かれたから、「多くの人たちから危機だ、危機だと聞いてきた。だけど、新たな情勢の中で、韓国の労働者階級の新たな壮大な決起が始まろうとしている。その前夜だという印象を持った」と言いました。そうしたら「それは過大評価だ」って言うんですね。
 でも、御用組合の韓国労総の労働者大会が訪韓したその日にあって、ここに実数7万人も集まった。これは我慢のできない怒りの声がマグマのように吹き出そうとしているということです。一方、民主労総の大会。やっぱり数も減り、戦闘的な雰囲気が薄れてきている。資本主義の危機が予測を超えて進む情勢の中では、ある種の歴史的必然性をもって、こういうことが起きる。最も困難なところで真正面から闘ってき左派の労働組合なり党派なりが一番危機になる。
 では左派に展望がないのかと言ったら、階級的な立場を堅持しぬくことの中にこそ展望がある。ここが正念場だということです。ソウル本部の活動家たちは、本当に必死の真剣さでその困難に立ち向かおうとしています。それで今年は、本部長から事務所の若い人たちまで4日間全員総出で、とにかく話がしたいという感じで毎日夜中まで交流しました。路線を求めている。本当に路線を求めている。僕らの運動はまだ小さなものでしかありませんが、われわれも全く同じ課題に直面しています。でも、その運動の中に何か求めるものがあると感じてくれたんだと思います。11月集会はそういうものを作り出し、それが国際的に注目を集め、広がり始めています。

壁を突破する方向をいかに作り出すのか

 こうした成果のうえで、さて、皆さんも感じているとおり、ひとつの壁の前で生みの苦しみを続けている現状があります。多くの人から、「今年は絶対いく、1万は無理でも7千、8千はいくと思った」と聞きました。「そういう雰囲気だった」と。あるいは「今年の集会は参加者全員が食い入るように真剣だった」と皆言っていました。限界ぎりぎりまで頑張ったし、本当に真剣だったってことです。過去最大の結集でしたが、5850名。この壁は何なのかを考えなくちゃいけない。僕が思うことは、「かき集める」という闘い方では、この壁は突き破れない。
 問題は新しいことではないと思う。もう一度基本に返って、自らの職場・地域で地を這うような努力を続けること、労働組合の団結を作るってことです。当たり前のことを言っているようですが、ここで変わらなきゃいけない。

オーソドックスに労働運動をやり抜くこと

 例えば、今回の集会で本当によかった点は、この1年間の実践の中で、必死に悪戦苦闘して労働組合として立ち上げたところ、あるいは労働組合として脱皮して階級的団結を作ってきたところが職場総決起で結集し、次々と発言できるようになったことです。
 だけど今の情勢は、ちょっと気を抜いたら、来年もその団結があるのかって情勢です。資本や体制内派からの攻撃の十字砲火の中で職場の階級的団結を守りぬくのは簡単なことではない。資本との日常普段の闘いなしに本物の団結は絶対にできないし、逆に団結がなければ資本との闘いもできない。資本との闘いも、体制内との対決も、そして組合の執行部を握っていく闘いも、いっさいは職場の団結を強化拡大するためにやるということが大事です。だからその闘いは徹底的に目的意識性に貫かれたものになる。労働者が団結できる路線と方針を徹底的に考えぬく。実際に闘いに踏みだすことで、実践の中、組合員との格闘の中からそれを作りあげる。職場の仲間が展望を感じる路線が必要です。時代認識を徹底的に鮮明にさせるのは、何よりも自らの存在を低めないために絶対必要なことです。労働者は社会を変える力をもった存在だという確信をもつためには、われわれはどんな時代の中に生きているのか、資本主義という絶対に相容れることのできない社会の仕組み、資本の本質への怒りが必要です。その時代認識を、様々な問題を抱えながら生きているひとりの労働者の、日々揺れ動く気持ちに響くところまで、職場の仲間と一身同体になって議論しなければならない。だから理屈だけではいかない。現在の労働運動の状況を見れば明らかなとおり、あらかたの労働組合の幹部はその困難に負け、情勢に負けて、原則を曲げて転落していく。職場では独りよがりな主張も通用しない。だけど、本来マルクス主義とはそういう格闘の中で研かれていくものです。そういう闘いの中で自らが変わることによって、仲間が変わり、階級的団結が生まれ、それまで自分でも気がつかなかったような力が発揮される。それが社会を変え、歴史をつくる労働者の力となる。
 特に、長期にわたり団結を維持し抜くことの困難に立ち向かう。毎週毎週職場のビラを出し続ける。職場集会やフラクションをやり続ける。どんな小さなことも闘いとして組織する。現場の労働者の顔を思い浮かべながら徹底的に総括する。一切の総括軸を団結が強化・拡大されたか否かに置く。そして何よりもマルクス主義を自らのものとしていく。日々時代と情勢への認識を研ぎ澄ませる。それを闘いの路線にしていく。大変です。だけど団結さえ守り抜ければ、少なくとも動労千葉と同じ程度のことはできるわけです。各地にそういう拠点ができたときにこそ、闘いは爆発的に前進する。その先頭に立って闘うのは大変なことです。一人の活動家として、組合役員として、委員長として、どんな困難なときも、職場の仲間が自分を信頼してくれるのか。当然嵐の中を進むわけです。展望が見えないときがあるのは当然のことです。闘いは成功したり、失敗したり、ほとんど失敗することの方が多いかもしれないけど、そういうことを何度もくぐるなかで鍛えられて団結は揺るぎないものになっていく。ひとりの労働者とひとりの労働者の信頼関係、理屈を超えたものが求められます。動労千葉的に言うと義理・人情。要するに、一生お前と一緒に生きていくというものを作るということです。訴えても、訴えてもなかなか通用しない場合が多いと思う。そのときに必要なのは、相手が悪いと思わないことです。通用するように訴え、闘いを組織できなかった自分が悪いと思わなきゃいけない。それで何度でもやり直せばいい。こういう職場の実践を1年間やり抜くことが必要だなということを11月集会の取り組みを通して感じています。つまりオーソドックスに労働組合運動をやるということです。路線的には素晴らしいものを作りあげた。各地でストライキを組織したり、組合を立ち上げたり、必死に実践にも踏み出した。だからこそ、切り開かれた新たな地平の上に、もう一度基本、原則に戻ることが求められています。

労働組合のもつ可能性

 この間われわれは、労働組合の持つ可能性についてずっと議論してきました。これまでの体制内的な労働組合観を打ち破るということです。簡単に言えば、団結さえ崩さなければ、あらかじめ労働組合運動に何か限界を決めてしまう必要など全くないんだということです。言い訳ばかりして、労働者や労働組合の存在を低め続けてきたのが民同や日共の労働運動でした。だいたい左翼のほとんどが労働組合運動を低いものとして位置づけ、それとは別なところに階級闘争があるという発想でした。
 動労千葉の闘いは、もちろん欠陥はいっぱいありますが、小さいながらも労働組合のもつ可能性を示してきたところに意味があると思っています。動労本部からの分離・独立闘争も、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争も、分割・民営化反対闘争も、JR体制下での闘いも、11月集会の呼びかけも、みんなそうです。そして、そうした闘いの中からこそ、労働者は真に労働者の利益を代表してくれる労働者の党を作りたいという欲求をもつようになる。そうしなかったら民主党・連合政権に立ち向かえない。だけどこれまでは逆だった。労働組合運動にあらかじめ限界を決めるから、何かダメな労働者や労働組合に代わって党がある。だけどどんなに困難でも労働者が団結し、本来自らがもつ力を取り戻すことそのものにものすごい価値がある。逆にあらゆる権力を独占する資本や政府と非和解的に闘い続け、労働者の団結を守り抜くためには、階級と一体で闘う労働者の党が絶対に必要だという欲求になっていく。11月集会への過程では、各国の代表がこうしたことを訴え、突っ込んだ議論をし、そして一致しました。
 今回の11月集会は、はっきり言うと国際連帯のものすごい発展に対して、日本の労働者の決起がまだまだ不釣り合いです。だけどプラスに考えると、われわれが1万人ぐらいの結集をつくりだす力をもったら、両方が噛み合って、それが生み出す可能性はすごいことになるわけです。
 もう一皮むけよう。もう一皮むけて、現場の労働者、地域の労働者に全責任をとっていく。そこに階級的団結と階級闘争を貫くマルクス主義の中にしか一切の解決はないという原則を貫いていく。その格闘を1年間、苦しみ抜いてやれば、来年は1万人の結集を実現できるはずです。その土台だけはできたと思います。
 私自身、ひとりの労働者として、あるいは労働運動に人生をかけようと決意した者として、本当に勝負のときが来た、あらためて原点に返ってやろうと思っています。

4月検修外注化阻止の大決戦へ

 最後に、JRの職場では検査部門の全面的な丸投げ外注化の4月1日強行という重大な攻撃がかけられてきました。管理部門だけを残して、検修業務や電車区の構内で車両の入換を行なう業務を、一括して丸投げ外注化するという攻撃です。そこで働いている労働者は下請け会社に強制出向となる。完全別会社化―転籍を視野に入れた攻撃です。動労千葉にとって、第二の分割・民営化攻撃を阻み続けてきた最大の拠点は幕張車両センターでした。動労水戸の最大拠点は勝田車両センターです。だから組織の存亡のかかった攻撃です。
 しかも、全面外注化―非正規職化は、大恐慌下の資本の最も典型的な攻撃です。これまで全ての労働組合が屈服してきました。これにどう立ち向かえるかに、全ての労働者を獲得できるものを作りだせるか否かがかかっています。
 一方、この攻撃は、1047名闘争と外注化阻止闘争を軸に、われわれが徹底抗戦を続けた結果、来年中には検修業務そのものが完全にパンクするという瀬戸際に追いつめられて出されてきたもので文字通り矛盾だらけです。こんなことを強行したら安全はどうなるのか。第二第三の尼崎事故に行き着くことは確実です。われわれはこの闘いで危機にあえぐJR体制を徹底的に揺さぶる決意です。
 東労組は、裏切るとか裏切らないのレベルじゃない。業務を請け負う千葉車両整備という関連会社の監査部長に東労組千葉地本の前委員長が就任している。まさに資本と一体で、JR労働者の雇用や権利が打ち砕かれようとしている。構図は鮮明です。この闘いはチャンスです。勝負は徹底抗戦をやり抜くなかで、本格的に平成採の獲得、組織拡大をぶん抜くことです。激しい闘いの中でこそ可能性、展望が出てくる。
 幕張支部も目の色を変えてやろうと意思統一をしています。動労千葉も絶対一皮むけて、本当の意味でみなさんの先頭に立てるよう飛躍する決意です。動労千葉自身、これまでの意識でいたらいかない。だけど、敵以上に必死になったときには、あらゆるものがこれまでと変わり、通用しなくなる中でこそ展望が出てくる。それらを含め、11月集会が切り開いた地平があり、そこでぶつかっている壁を明確に認識するならば、後は基本に返ってやり抜くだけです。
 当面、来年3月春に向けて、年末年始返上で総決起しよう。われわれは検修外阻止闘争に立ち上がります。1047名闘争も年度末には決着とか何とかいろいろな策謀が動き出してきます。
 階級情勢全体もこの年末から来春にかけて何が始まるのか。間違いなく資本主義のさらなる崩壊の激化です。民主党政権は事業仕分けとかやっていますが、結局あれは、労働者の首を叩き切るということです。首切りの嵐が吹き荒れる。改憲と戦争への衝動が高まる。
 もう一度3月に向けて勝負する。大きくは1年間かけてやり抜いて、つかみとったものを絶対本物にしたいと思っています。
(11月21日にDC会館で行われた労働学校冒頭のあいさつに加筆修正したものです。)

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万国の労働者、団結せよ!
11・1労働者集会「国際連帯」の報告

10・31日韓被解雇者交流会
韓国に「全解闘」−全国的解雇者組織あり!

スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合
84大弾圧解雇者 中西敏勝

 本年11月労働者集会関連企画として、10月31日(土)13時からDC会館において開催された、動労千葉、民主労総ソウル地域本部が呼びかけた「被解雇者闘争の展望に関する交流集会」に参加した。
 まず、配布された『「全解闘の紹介」−全解闘とはいかなる組織か』というA4で2頁の文書に基づいて、全解闘の一端を紹介する。
 「全解闘」は「全国民主労働組合総連盟・解雇者復職闘争特別委員会」の略称である。韓国の労働運動は、1987年6月の民衆抗争に続いて、「87年7、8、9月労働者大闘争」として燃え上がった。軍部独裁の労働者民衆抑圧の一角に寄生してきた御用労組を一挙に突き崩し、自主的に労働組合を結成し、ストで立ち上がり始めた。この広範に組織された自主的労働組合は御用労組と区別するために「民主労組」と名付けられた。
 支配階級は「保守大連合」と称し、民主自由党を結成し、韓国の労働運動に大弾圧をかけ、これに対する激烈な闘いの中で解雇者が大量に生み出された。
 1991年全国労働者大会に「全国解雇労働者の集い」というビラを配布したのが、活動の始まりである。1992年5月に「全国解雇者修練会」を行い、全国的解雇者組織結成の決議を行った。同年11月、結成された「全国拘束・手配・解雇労働者・原状回復闘争委員会」が全解闘の元の名称である。
 全解闘は1995年民主労総が結成されて以降は民主労総解雇者復職闘争特別委員会となり、民主労総の闘争の先頭に立ってきた。
 現在全解闘は、蔚山(ウルサン)、釜山梁山(ヤンサン)、全羅北道、江原(カンウォン)、大田(テジョン)忠清南道、仁川などの地域別解雇者組織と公共部門、公務員労組などの業種別、単位事業場別の組織から成っている。公共部門、公務員労組の正規職関連解雇者だけでも250名、民間で数百名の解雇者が闘っている。
 ここ数年は、本年の双龍自動車の整理解雇や、非正規の大量解雇などにより解雇者の数を把握するのも難しい状況である。
 全解闘の定期的事業は、全国解雇現況把握、復職闘争支援、長期闘争への連帯、全国闘争職場巡回・連帯、全国解雇労働者大会、全国解雇者修練会、復職闘争の法律支援、拘束手配解雇者支援、その他教育、宣伝、政策開発事業などであり、特に今年は貨物連帯のパクチョン烈士闘争と双龍自動車整理解雇反対闘争に集中して闘った。
 さて、40名を越える民主労総ソウル地域本部訪日団は、前日の10月30日、三里塚を訪問し、現地調査・交流会を行ってこの31日の交流集会に参加した。
 交流集会はまずイジェヨン前ソウル本部長が主催者挨拶として会合の趣旨を説明した。次にキムベッキュ全解闘副委員長が11月7〜8日の民主労総・労働者大会準備のために参加できないイチュンベ委員長のメッセージを代読した。次に田中委員長が「動労千葉と国鉄1047名解雇撤回闘争」と題して「動労千葉の解雇者」、「日本の労働運動の現状」、「分割・民営化と国鉄1047名解雇撤回闘争、動労千葉の闘い」についてアピールした。
 休憩をはさんでキムベッキュさんが前述した全解闘の闘い、日本の道州制攻撃と同様の公務員労働者10万人首切り、地方自治体民営化などイミョンバク政権との闘いについて語った。
 集会後半の約1時間は質問、討論に当てられた。私は石油メジャー・エッソ石油(現エクソンモービル)の解雇者として韓国における外国資本に対する闘いについて質問した。テトラパックとの10数年の闘いで資本はスウェーデンに逃げた。オリオン電気は解雇撤回できなかったが資本は倒産した、などの回答を得た。
 紙幅が尽き、他の質問、討論が紹介できないが、続いて行われた「前夜歓迎会」で手振り身振りの交歓を行うことができ、ヨウソン全解闘委員長から「歴戦の闘争チョッキ」を贈呈され、「来年は是非」と大会への参加を呼び掛けられた。
 トゥジェン!

11・2日韓労働者理念交流会の報告と感想

東京東部地域合同労組 /東部ユニオン執行委員長 小泉義秀

 11・1集会の翌日の2日に、「日韓労働者社会主義理念交流会」がDC会館で開催された。10時から17時過ぎまでの長時間にわたる濃密な講義と討論である。民主労総の訪日団40名ほどと動労千葉の組合員、関西の仲間もふくめ100名を超える参加者があった。
 講師は、昨年に続きサイバー労働大学代表のキムスンホ先生だ。通訳は千葉商科大学教授の金元重先生。講演のタイトルは「世界大恐慌下の労働運動と労働組合運動の課題」であり、レジュメはA4・12ページに及ぶ。
 好況期においては資本が莫大な利潤をあげているのだから、労働者が賃上げを要求するのは当然のこと。では大恐慌下においてはいかに闘うべきなのか。大恐慌情勢においては「闘争で改良を勝ち取る余地が特に無い。……だから徹底的に屈従するか、変革的に決起するか二つのうちの一つを決断しないわけにはいかない。そして労働者は奴隷ではなく、人間であるならば当然に変革に決起する道を選択しなければならない。労働者階級の歴史的任務である労働者階級の解放を自身の中心的課題として設定すること、これが経済大恐慌時期の労働運動の情勢的任務だ」
 この一節が前半部分の核心である。この後、最後の30分で日本の国鉄分割・民営化攻撃に屈伏し、その攻撃の尖兵になったJR総連を批判する。先生が一番訴えたかったのはこの最後の部分であろう。JR総連が韓国の「国際労働者交流センター」を通して配った『新論 動力車労働組合運動の軌跡』(戸塚秀雄著)の文書を引用しながら壊滅的な弾劾である。「このような認識のために『裏切り』をすることになったのか『裏切り』のためにそんな情勢認識を掲げたのかはわからないが」組織を温存することを考えて闘争を放棄するというような、組織保存論理の通りならば、敗北を覚悟して遂行するサンヨン自動車のような玉砕ストは絶対にやってはならないことになる、と。
 キムスンホ先生の講演は時代認識と闘い方を含めて完全にわれわれと同じものであることを感動をもって学んだ。
 午後の討論では民主労総の公務員労組の仲間が次々に質問し、日本側からは1047名の当該である秋田闘争団の小玉忠憲さん、小倉闘争団の羽廣憲さんら4名が次々にJR総連の裏切りの暴露も含め、1047名闘争の自らの闘いを述べた。この4人の当該の発言は講演の内容をより強力に民主労総の仲間に深め、印象づけるものとなったと思う。
 民主労総のチェジョンジン本部長が講演と質疑討論のまとめで、動労千葉の田中委員長の発言を引いて「魚は頭から腐るという話はわれわれ自身が肝に銘じなければならない。動労千葉を民主労総の鉄道労組に会わせたい」と述べたのが印象的だった。

11・3日韓公務員労働者交流会
心の奥底に宿った国際連帯の絆

中野区職労 北島一恵

 わずか2時間半の交流会。でも私にとって、09年11月3日の日韓公務員労働者交流集会は、忘れることのできない出来事となった。
 まず韓国公務員労働運動のDVDが上映された。今日のために作ってきてくれたのだという。そこには労働3権獲得のために血を流し、歴代政府権力と激突し、ストライキ、実力でたたかってきた様子が映し出されている。もう釘付け!! 読者のみなさんにもぜひ、見ていただきたい。早速、動労千葉国際連帯委員会が日本語字幕付版を作成中、乞うご期待。
 日本からは「日本の公務員労働者をとりまく情勢と闘いの報告」として、8・30情勢と民主党―連合政権の本質、道州制=公務員360万首切り攻撃について報告。この攻撃が国鉄分割・民営化から始まり、今、大恐慌情勢の中、破産した資本主義の生き残りのための最後の手段として公務員労働運動を叩き潰すことで全ての労働運動を根絶やしにしようとかけられていること。また道州制は戦争国家体制づくりだと報告。これに打ち勝つためには、公務職場で道州制・民営化絶対の職場闘争を国鉄1047名解雇撤回を貫く労働運動として作ること。それを全国の公務員職場で動労千葉とともにたたかう仲間づくりとして行っていることを報告した。
 その後、討論に入った。印象的だったのは、社保庁労働者平口さんの発言が、あっという間に韓国の公務員労働者の心を掴んだことだ。彼は、社会保険庁1000名解雇を闇から闇に葬り去ることで道州制による公務員労働者360万を一旦解雇−選別再雇用し、日本の公務員労働運動の闘いを潰そうという国家総がかりの攻撃に対し、解雇は絶対に許さないと敢然と労働者の誇りにかけ決起した。
 民主労総ソウル本部副本部長・キムサンホさんは、平口さんの席に行き握手し、全解闘のオレンジのベストをプレゼント!! 「労働者に国境はない」ことを肌で感じた。闘う者の気持ちはあっという間に通じ合うことを実感した。
 また、民主労総から「公務職場で動労千葉とともにたたかう仲間をつくる闘いをどのようにやっているのか」など具体的な質問をうけ討論した。もっと話したい。でも時間がない。あせる。
 空港に向かうバスに乗る直前、キムサンホさんから「韓国の支配者は日本のやり方を学んで攻撃してくる。共同戦線を張って対抗しよう。今後も情報交換を重ねよう」と提案があった。
 大賛成!! 固い握手を交わし、バスを見送った。お互いのたたかいを持ち寄り、また、会いましょう!!

団結を固めたセシリーとの1週間

東京教組「君が代」不起立被解雇者 米山良江

 1日、7月の訪米時の約束通り来日してくれたセシリーと、野音の会場で感激の再会をした。その日の集会アピールは、6600人の組合員を束ねる西部地域議長としての闘いの蓄積とUTLAの団結に裏打ちされた自信にあふれる内容だった。その夜の交流会では、参加した全国の教育労働者としばし交歓の時間を持った。彼女は、UTLA西部地域のグッズをたくさん持って来ていて、みんなにプレゼントしてくれた。
 2日は、朝から行動開始。築地市場、歌舞伎座(忠臣蔵の一幕を観劇)、浜離宮、水上バス、浅草仲見世通りと下町を巡り、最後は和食の夕食で東京見物を満喫してもらった。
 3日は、日米教育労働者交流集会。動労千葉の清水さんも加わって、民営化攻撃との闘いと闘う労働組合を作り出す闘いをテーマに討論を深めた。財政難を理由にした大量解雇攻撃との闘い、公立学校をチャータースクールに変える攻撃との組合の存亡を賭けた闘い、学力テスト粉砕の職場闘争を中心に生き生きと報告してくれた。交流会も30名の参加者全員が発言し、充実した心を通わせた会になった。
 4日は朝、東京を出発し、新幹線で広島に向かった。車中では、3日の集会で寄せられた質問に答えてもらった。特に印象的だったのは、2005年の執行部選挙で旧執行部を打倒した時のことだ。ランク&ファイルが「United Action」(団結した行動)という名前の統一戦線フラクを作ると、旧執行部は「Unite to Change」(団結して変革)を立ち上げて混乱を計ったそうだ。組合員に情報を知らせないで一方的に組合の方針を決定してきた旧執行部を批判して、5つのスローガンを作った。@組合のことを正直に話す。透明性 A民営化反対 Bクラスのサイズを上げるな(少人数学級) C学校の自治 D賃上げ。そして、対立点を鮮明にさせて、直接立候補者と組合員が顔を会わせる場をたくさん作って討論し、徹底した組織化に取り組んだそうだ。
 昼頃広島に着き、原爆資料館、平和公園を見学。夜は集会。セシリーは資料館見学を踏まえて、学校の軍事化との闘いを強調した。「貧しい地域の学校には1週間に2回、裕福な学校には1年に1回募兵官が来る」と「貧困皆兵制」と呼ばれる現実を生々しく報告、そして「闘うには戦略を立てることが重要」「いかにしてランク&ファイルを奮い立たせ、団結を組織するか」という問題意識を貫いた40分のアピールだった。そして8月6日に「ヒロシマ大行動」に参加したことで戒告処分を受けた広教組の倉澤憲司さんに熱い連帯を表明し、アメリカに帰って直ちに処分撤回署名に取り組むことを約束してくれた。
 絶対反対の立場をハッキリさせ、誰にもわかる言葉で方針を打ち出す。闘いを体制内的に取り込もうとする者との路線的対決を非妥協にやり抜き、団結を勝ちとる。彼女たちの現実の格闘は、私たちの困難や課題と全く同じだった。そのことを確認し合って、ますます連帯を打ち固めた1週間になった。

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不採用者1000名と雇い止めの非常勤職員を排除し、闘いを圧殺する
11・29日本年金機構職員労働組合結成絶対反対!
全国社会保険職員労働組合の2月下旬解散を許すな!

全国社会保険職員労働組合広島県支部福山分会 平口雅明(福山社会保険事務所)

 全国の社会保険で働くすべての労働者の皆さん! 
 来年1月発足する日本年金機構こそ、労働者の賃金の後払いである年金財源を、資本主義の危機救済のために資本に売り渡すと同時に、社会保険労働者の職場と生活を奪うものです。連合自治労本部・全国社保労組及び全労連・全厚生労組は、不当行為に一片の怒りを組織することなく、労働者の怒りを雇用確保にすり替えているのが現状です。
 日本年金機構の正規職員と有期雇用職員の労働条件は、道州制の先取りです。
 社会保険庁の2006年度正規職員は17000人・非常勤職員は10000人でした。それが新システム(日本年金機構)移行計画完了後(2012年)には正規職員が10770人、有期雇用職員は3700人と半減することになっています。 
 そして、有期雇用職員のうち、選別採用となったエルダー職員(定年再雇用者)の年収は340万円、エルダー職員以外の有期雇用職員(首都圏)の日額は最高で9910円、年収260万円にすぎません。健康保険料・厚生年金保険料・税金を控除されれば生活保護水準の低賃金です。常用的職員の約25%の職員が年収260万円以下の労働者とされようとしています。

奴隷の道を拒否して、誇り高い労働者として、団結して闘おう!

 11月14日、共同通信配信により、全国地方紙に「100名以上の分限免職者」がいることが報じられました。このことに対し、民主党・連合政権は慌てふためき、労働組合出身の平野官房長官は国鉄1047名闘争と結合することを死ぬほど恐れています。
 断じて退職金の割り増し問題に矮小化してはなりません。この分限免職を辞さない労働者たちこそ、奴隷の道を拒否して労働者魂を発揮している、誇り高き労働者たちです。
 また彼らは、JR総連(旧動労)革マルのように労働者を売り渡し、自らの延命を策す労働組合幹部と、退職勧奨により「自主退職」に追い込もうとした当局に対して、怒りの決起をした労働者たちです。
 また一方、採用者にも、「採用取り消しもありうる」との脅しのもと、極限的な労働強化が強いられ、「過去の違法行為の自主申告」「同僚の違法行為の密告」が強要されています。
 仲間を売るまい、労働者魂を売り渡すまい。今こそ、奴隷の道を拒否しよう。誇り高き労働者として団結しよう。

不採用者を排除した、11・29日本年金機構職員労働組合結成を絶対に許さない!

 全国社保労組は悪徳商法の会社が名前を変えるように、新労組を結成し不採用者の正規職員・雇い止めの非常勤職員を労働組合から排除しようとしています。そして、不採用者が加入している現組合を、来年2月下旬には解散して、解雇された労働者を見殺しにしようとしています。
 絶対に許すことができません。これが、労働組合のやることでしょうか?
 今こそ、一人の首切りも許さない、闘う労働組合を甦らせよう!
(11月24日付「社保ニュース」号外より)

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大恐慌下における民間資本の特徴と青年決起の展望

〜ワークフロンティア闘争の現状と課題〜 一般合同労働組合なんぶユニオン

ワークフロンティア分会の鮮烈な登場

 「久野のような悪らつな資本家をたたきのめし打倒することは、労働者全体にとって必要なのです」「私たちは久野を倒すまで徹底的に闘いぬき、勝利する日まで闘い続けます」「もうわれわれの闘いは自分たちだけの闘いではないということなんです。みんなの力を集結させてともに闘いましょう」
 11・1労働者集会でワークフロンティア分会の水口分会長はこう発言した。南部の地に荒々しい労働運動が鮮烈に始まった。この発言になんぶユニオンの1年間の格闘が凝縮されている。
 09年、なんぶユニオンは、交流センターの仲間とともに春闘行動でキヤノン・オリックス本社にたいするデモをやり、国鉄1047名の解雇撤回をめぐって4者4団体と対決し、新設された南部労働学校に参加してきた。「困った人を助けます」というのが合同労組のあり方ではないはずだ。合同労組こそ意識的に階級的に闘わねばならない。私たちは南部地域の主流派になろうと大胆に外に打って出る闘いを開始した。また国鉄1047名解雇撤回闘争を軸にすえて闘った。その闘いの中からワークフロンティア分会は生まれ、ともに成長してきたのであった。

工場法以前の職場実態

 ワークフロンティアは廃棄物処理業者であるが、職場の特徴は殺人的な労働時間の強制である。月70〜80時間の残業は当たり前。130時間を強いられていた労働者もいる。しかも残業は多くの場合、その日の昼や夕方、時には夜になって突如「依頼が入ったから今の仕事が終わったら行ってくれ」と業務命令が下る。つまり「出勤日」というのは、その日の夜中までいつ突発的に仕事が入るかわからない。まさしく「労働力商品」として、その日一日の全生命力を社長の久野は自由に酷使できるような関係を作っている。そして残業時間に関わらず基本給しか出ない。アルバイトに至っては、注文物件の量によって、前夜になって強制的に休みが入れられるので別の仕事との兼業も難しい。生活が成り立たない。重労働にも関わらず時給800円である。
 こんな違法は労基署から指導が入り認められないはずだと思うかもしれない。しかし今日の資本家は労基署対策を進めている。ワークフロンティアと契約している社労士の宇都宮良男は、公然と「労基署の調査に応じる必要はない」「賃金台帳やタイムカードの提出に応じる必要はない」とホームページ上でも呼びかけている。
 もちろん過去にも久野のやり方に抗議の声はあがってきた。久野はそのたびに大量解雇を強行し、その激しさに労働者も屈服してきた。会社において久野は完全な独裁者であり、過酷な労働を超低賃金で強制しておきながら、自分だけは1千万近い外車を乗り回し、億ションを購入している。しかし今回、残業代不払いに異議を唱えた労働者が2名解雇されたとき、ついに労働者の堪忍袋の緒が切れて、たまりにたまった怒りが行動となって全面開花したのである。

JR方式の組合つぶし

 分会の要求は鮮明である。解雇した組合員2名の職場復帰と団体交渉の開催である。そして未払い賃金を支払えということである。当然の要求であるがここにはものすごい熱意が込められている。この旗のもとに正社員とアルバイト計14人が団結し立ち上がったのだ。
 久野のとった態度は徹底的な組合つぶしである。警察に駆け込み公安と連絡をとりながら、番町総合法律事務所という極悪弁護士事務所に弾圧指導を仰いでいる。代表である河本弁護士自身がワークフロンティアに張りついて、毎週50枚を越える抗議文や業務命令を乱発している。
 彼らの主張の核心は河本が労働委員会に提出した答弁書に鮮明だ。
 「いわゆる合同労組は、軽佻性、粗暴性及び無責任性を通有しており、なおかつ、社会的・政治的存在であって、信頼関係とは無縁といえ、火のないところに事件を故意に作出する団体であり、本件もまさになんぶユニオンによって作り上げられた事件である」
 ひどい言辞だ。合同労組そのものが信頼すべき存在ではないとしている。彼の著書では「合同労組には労組法を適用すべきではない」とまで言いきっている。単なる有志団体だから労働3権はない、だから団体交渉に応じなくてもなんの問題もない、と言っている。
 ここまでデタラメだとさすがに今の労働委員会も認めないだろう、と思われるだろう。その通りである。つい先日も「すき家」をめぐる労働委員会で河本弁護士が全面的な敗北を喫した。しかし!だ。河本の著書では労働委員会での敗北は織り込み済みだ。負けても提訴を繰り返し、最高裁までやれば10年以上かかり労働者は生活できなくなる。したがって勝てるはずというもくろみなのである。JRとまったく同じやり方だ。
 その方針に立脚して、根拠のない賃金カットを兵糧責めのように執拗に繰り返している。組合員は毎月7〜9万円が基本給から削られており、その明細も計算式も明らかにしない。偽装倒産への工作も始まっている。注文を関係会社に横流しして意図的に赤字を演出している。さらに解雇にむけた「条件整備」が重ねられている。賃金カットに対する管理職追及などの当然の争議行為も「業務妨害」として「反省文」を業務命令し、従わないと「業務命令違反を繰り返している」という通告文を送りつけてくる。
 闘えば闘うほど感じることは、ブルジョア社会の現実に対する怒りである。「何が法治国家だ!」「何が民主主義だ!」職場の現実はただ資本家にだけ有利なように、いかなる違法行為も資本家だけが逃れられるようにできている。

青年労働者総決起情勢の到来

 ここまで全面的な攻撃を受けてなお分会がヘゲモニーを握り、意気軒昂と闘えている核心は職場支配権である。職場の多数派を組合に組織しており、組合員なしでは現場が回らないという現実を強制していることだ。そして困難につきあたればあたるほど14名の団結は強化され、賃下げや解雇恫喝をすれば動揺するのではないかという久野の淡い期待をすべて逆効果とし、ストライキや社長宅抗議行動となって爆発し、手痛いしっぺ返しをくらわせている。
 この現実を別の側面からみれば、もはや資本主義が成り立たなくなっているというほかない。ワークフロンティアの現実は特別ではない。多くの民間中小、ほとんどすべての派遣会社が同じやり口だ。資本の側が「こうでもしないと会社が維持できない」というならば、2000万青年労働者にとってもはやブルジョア社会そのものを破壊せずには生きていけない情勢に突入したと断じなければならない。今や青年労働者は存在自体が資本と非和解となったのだ。
 マルクスは『共産党宣言』において「最初は個々の労働者がたたかう。次に一つの工場の労働者が……。さらに一地方における一労働部門の労働者がたたかいを始める」「個々の労働者と個々のブルジョアのあいだの衝突は、ますます二つの階級のあいだの衝突という性格をおびる。労働者はブルジョアに対する同盟を結成し、賃金要求のために結集する」「数多くの地方的なたたかいは……連絡がつきさえすれば、容易に一つの全国的闘争、一つの階級闘争に統一される。ところで、あらゆる階級闘争は政治闘争である」として、個別の対資本闘争が革命的に発展していく必然的構造を明らかにした。このメカニズムが資本のいかなる妨害をもってしても避けようのない力学として進み始めた。なんぶユニオンは日本革命勝利の先頭にたって闘う。

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ひめじょおん−女性部から

三浦半島の闘いは、組合権力奪取へ!

神奈川労組交流センター・ 三浦半島地区教職員組合
北澤瑞枝
県知事の協力要請を受け入れた県労連は、許せない!

 神奈川県の松沢知事は、今年1月に県職員全員に文書を出し、県の財政が厳しいのでぜひ協力してほしいと投げかけてきた。賃金の確定期以降のことでもあり、いったいこれは何だと職場では怒りの声が上がった。みんな当然、県労連はこれを跳ね返すものと思っていた。しかし、県労連は現場組合員にはなんの闘い方針も出さずに「自主交渉・自主決着」し、賃金を4月から2年間3%カットを受け入れてしまった。財源がないのだからしかたがないとし、3%でも交渉で押し戻した決着だと言う。あろうことか、三教組体制内執行部は、「私たちに財政逼迫の責任はないが、県職員としての責任はある」と発言した。その立場は県当局そのものだ。責任は松沢知事にある。分会長会議で3%賃金カットを知らされた分会長たちは怒りの声を上げた。賃金を確定した後の約束違反だ、こんなことを許していていいのか、そんな態度で臨んでいたらこの先何度も協力要請を受け入れなければならなくなると。案の定、松沢知事は再び10月にも「緊急アピール」を出し、今年の賃金確定闘争は賃下げ人勧と3%カットの「二重削減」との攻防になったのだが、結果来年の4月からダブルカットとなった。闘争結果ではない。こうした県知事の「協力要請」という連続する賃下げの攻撃に対して、執行部は何一つ闘争を組まなかった。組合員の怒りを束ね、なぜストライキで闘わないのか。組合員の怒りを封じこめるような態度の労働組合執行部は、労働組合ではない。労働者の権利や賃金アップを闘いとるための武器である組合が、もう県当局の支配の道具になってしまっている。

道州制を職場に浸透させる攻撃!

 この連続する賃下げは、公務員労働者の「年功賃金」と「終身雇用」を最後的に破壊しようとするものであり、360万首切り―道州制攻撃そのものと見なくてはいけない。ここで闘わなければ、来年はもっと賃下げしてくるはずだ。多忙化に追い込まれ、闘わない組合によって怒りを封じ込まれている組合員に、目に見える形でこの危機を伝え、闘いの構えを作らなければならない。
 まずは、地域の公立病院が、指定管理者制度の強行で民営化されることからだ。私たちは民営化の問題を、県職員や市職員という組合の枠を越えて、地域労働者全体の問題として闘わなければならないと痛感した。病院の指定管理者は、病院に残ることを希望している市職労病院支部執行部二人の採用を拒否している。これが労働者を分断し、組合をつぶすという攻撃でなくてなんであろうか。10月3日、私たちは民営化・道州制絶対反対、三浦半島労働者集会を開催し、ともに闘う第一歩を踏み出した。その攻撃の原点は国鉄分割民営化にあり、その闘いの展望が、1047名解雇撤回! 11・1全国労働者総決起集会にあると確認し、三浦から46人の決起を勝ち取った。この第一歩を引き続き繋げる行動を組み、組合員に道州制攻撃を浸透させたい。

組合権力奪取! 役員選挙に向かって

 当局の体制に組み込まれ民主党幻想にすがりストライキを打つことができない組合執行部は、組合員の怒りで打倒すべきだ。闘う労働組合の団結は、一人ひとりの労働者に勇気と展望をもたらす。三浦では各職場の若者たちに声をかけて「青年職場交流会(学習会)」を月1回行っている。動労千葉のような本物の団結を、三教組で作るために、多くの若者たちと団結し、若いパワーに触発されつつ、今年も組合権力をとる役員選挙に全力で立ち上がる決意だ。

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動労千葉労働学校で学ぼう!

 10月24日に行われた第9期労働学校実践講座(テーマ「韓国労働運動の歴史とたたかい」 講師 金元重千葉商科大学教授)の受講生の感想文を紹介します。

●元自治体労働者
 「ビデオ」を見て、韓国労働運動の戦闘性と粘り強さを感じています。日本帝国主義により侵略、弾圧された中で、それと闘ってきた朝鮮民族の歴史の大きさと闘いを伝える力を強く感じます。韓国労働運動の闘いと連帯する闘いは、日本での労働運動をマルクス主義的な労働運動に変えていく、自分の職場や地域の闘いを階級的な見方で闘っていく事だと思っています。
 今は退職していますが、組合でYH貿易女性労働者の闘いの学習やチョンテイル氏の「オモニ」の映画会を開催したことがあります。徹底的に資本と闘うことを学びました。(中略)
 動労千葉がこの間、国際連帯の闘いを拡大してきて、世界の労働者に団結を呼びかけてきましたが、その在日一世の方が今年の集会に参加できていたら、常に私たちに言ってこられたほんのわずかのことではありますが、実現できたかなあと思います。
 労働者階級が自分の力と労働者階級は団結できる階級であると闘いを通して実感できると思います。だから他の労働者の痛みを自分の痛みとして感じます。そしてその階級の歴史的存在に気づきます。今回の講義とVTRがそのことを示していました。類的存在として、自分の時代では実現しなくても未来の労働者階級の勝利を信じて闘ってきた歴史。そしてそれが今の民主労総に受け継がれ、さらに拡大していく。そして自国から他の国の労働者に受け継がれていく。今こそ新自由主義の生み出した労働者がまともに生きていけないこの社会を、先輩たちの闘いを引き継ぎながら闘い変革していきたいと思う。そのために先輩達の闘いをきちんと学ぶことが大切だと思いました。

●交流センター会員
 『共産党宣言』の第1章で書かれている労働者の闘いそのものだと思いました。激しい弾圧の中で、団結して闘い、組織が潰されては再建しながら、職場、地域、全国へと闘いが拡大していった事は、労働者が本来持っている力と可能性を感じました。
 1987年の労働者大闘争、とりわけ労働運動がどのようにして発展していったのでしょうか? 直前には「偽装学生」が労働運動の組織化を進めたそうですが、1987年労働者大闘争とは断絶があると語られました。すると、どのような活動家(思想的傾向も)が、闘争をつくっていったのでしょうか? ゼネストにまで発展していった労働運動、その前提に民主労総の結成がありますが、自然発生的には行かないと思います。この点はどうなっているのか、疑問に思いました。
 10年くらい前に、民主労総のゼネストのビデオ(日本語に訳したもの)を見て、感動した覚えがあります。今ではその人達と11月集会を共に闘えることをうれしく思います。すごいことだと。

●民間労働者
 勉強になりました。ハーゲン・クーの本(『韓国の労働者』御茶の水書房 04年刊)を読んでいたので、ある程度知っているつもりでしたが、日本語で聞くと、英語で読むより分かりやすいところもありました。私は日本国内のものも含め、大きな運動に関わった経験もないので、ビデオは当時の様子を知るためにもよかったです。
 先生もおっしゃるとおり、正規・非正規労働者をどのように団結させていくのかという問題は日韓共通の課題であると思いますが、どうしたらよいのかと考えると、なかなか答えが見つかりませんね。(後略)

第9期労働学校日程
■基礎講座
 12月19日(土)13:00〜
 ◆国家について
 ◆講師 山崎一(社会問題研究者)

■実践講座
 12月26日(土)13:00〜
 ◆社会保障制度改悪との闘い
 ◆講師 山部明子
     (社会保障制度研究家)
■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

 

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●労働ニュース(09年10月16日〜11月15日)

事業仕分け 衆人の前「廃止」連発
 11日、行政刷新会議の「事業仕分け」が東京都新宿区の国立印刷局市ヶ谷センターで始まった。仕分け人となった民主党議員や民間有識者は、作業が公開されていることを意識して、各省庁の「聖域」に踏み込み、「廃止」「見直し」を連発した。
飢餓人口10億突破
 16日の報道によると、国連食糧農業機関(FAO)の09年の推計では、世界の飢餓人口は前年より約1億人増えて10億2000万人と、初めて10億人を突破した。
米財政赤字、最大の129兆円
 米財務省は16日、09会計年度の財政赤字が1兆4171億2100万ドル(約129兆円)と史上最大になったと発表した。
米世論6割、アフガン増派反対
 米CNNは19日、アフガニスタンでの米国の戦いについて、ベトナム戦争のような泥沼状態に陥っているとの回答が半数を超えたとする世論調査の結果を発表した。
英国営郵便、スト泥沼化
 英国の国営郵便会社ロイヤル・メールの経費10%削減の合理化計画に通信労組(CWU)が反発し、先週末の48時間のストライキに続いて29日から再びストに突入。配送遅れはすでに500万件に上る。
米軍医、基地で乱射
 米テキサス州中部のフォートフッド陸軍病院内で5日午後1時半頃、精神科担当軍医ニダル・マリク・ハサン少佐が銃を乱射し、居合わせた兵士ら12人が死亡、31人が負傷した。
米失業率10%超す
 米労働省が6日発表した10月の米失業率は前月より0・4ポイント高い10・2%になった。
日米同盟深化へ新協議
 オバマ米大統領が13日、初来日して鳩山首相と首相官邸で会談した。両首脳は来年の日米安保50周年に向けて日米同盟を深化させるため「新しい協議のプロセス」を進めることで一致した。普天間飛行場移設問題では、大統領は現行計画の早期履行を求めた。
雇用下支え・創出「10万人」
 政府の緊急雇用対策本部が策定する雇用対策の素案が21日、明らかになった。「介護」「グリーン」「地域社会」の3分野での雇用創出などが柱で、雇用の下支え・創出効果は「2010年3月末までに10万人程度」と見積もった。
総務相顧問に首長連合続々
 原口総務相は30日の記者会見で、総務相顧問に橋下・大阪府知事、中田前横浜市長、山田杉並区長ら14人を任命した。改革派首長らでつくる「首長連合」のメンバーが目立つ。
経団連、2年続け雇用維持優先
 5日の報道によると、10年春闘の日本経団連の指針の原案がわかった。交渉の基本姿勢として「最大の資源を守るという観点に立ち、引き続き雇用の安定に努めることが求められる」と明記した。
日航、年金減額条件に公的資金
 国交省は6日、日本航空の経営再建を促すための特別立法の概要を固めた。まず日航が企業年金の積立不足相当分を支給額から減額することなどを字句とした経営再建計画を策定。これを強制的に実行できるような特別立法をつくり、同計画を政府が認定したうえで資本増強などで公的資金を投入することを検討する。
分権へ有識者会議
 鳩山政権の地方分権推進に向けた体制の枠組みが11日、明らかになった。地方分権改革推進委員会の後継組織として15日以降にも閣議決定される「地域主権戦略会議」が、分権策の全体像や工程表を作成する。
民主、中国に接近
 民主党が中国共産党との本格的なパイプづくりに動き出した。両党の政党間交流の枠組みである「日中交流協議機構」の会合を10〜11日に2年ぶりに開いたほか、12月には小沢幹事長が訪中し、胡錦涛国家主席らと会談する予定だ。
貧困率、07年は15・7%
 長妻厚労相は20日、低所得者の占める割合を示す「相対的貧困率」について、07年は15・7%だったと明らかにした。
解雇の相談、都内で急増
 22日の報道によると、首都圏で今年度に入り、強引な解雇に関する労働相談が急増している。東京都の4〜9月の相談件数は、前年同期に比べ23%増加。神奈川、埼玉の両県も8月までの相談件数が4割以上増えた。
残業代不払い1553社
 08年度に「残業代を支払っていない」として労働基準監督署の是正指導を受け、100万円以上の不払い残業代を支払った企業が1553社だったことが22日、厚生労働省のまとめでわかった。
冬のボーナス、15・9%減
 日本経団連が28日発表した今冬のボーナス(賞与・一時金)の妥結状況によると、大手企業99社の平均妥結額は前年同期比15・91%減の74万7282円で、減少率はデフレ不況時の99年を大幅に上回り、調査を始めた59年以来、最大となった。
失業率5・3%、0・2ポイント改善
 総務相が30日発表した9月の完全失業率は5・3%と、前月比で0・2ポイント改善した。
自治体、定例化に及び腰
 政府の緊急雇用対策本部が打ち出した失業者対策の柱で、就職・生活支援を一つの窓口で対応する「ワンストップサービス」。11月30日の施行日には、16政令指定都市が実施することを決めている。だが、生活保護の相談が集中することを懸念する各自治体は、政府が目指す定例化には慎重な姿勢を示している。
非正社員の待遇、秋闘で改善要求
 私鉄総連は15日、非正社員の福利厚生を正社員に準じた扱いとすることなどを求める「秋闘」の統一要求書を、日本民営鉄道協会に提出。今後各社ごとの交渉で解決しなかった組合は12月6日に半日ストライキを実施する予定だ。
赤字連動可能な一時金要求検討
 トヨタ自動車労働組合(組合員6万3千人)は17日、愛知県豊田市内で定期大会を開き、次期春闘で一時金要求の考え方を改めることを盛り込んだ運動方針を決めた。
連合、ベア要求見送り
 連合は29日、10年春闘の基本方針をまとめた。今年の春闘で8年ぶりに出した統一的なベア要求を来春は見送り、定期昇給に相当する「賃金カーブ維持分」の確保にとどめる。
「非正社員も共に」道探る
 3日の報道によると、広島電鉄では16日より、1年更新の契約社員約300人が全員正社員化し、若手も含めて賃上げとなる一方、ベテラン正社員の一部は多い人で月5〜6万円の賃下げとなる、新たな賃金制度を開始した。
JAL職級差別
 日本航空が客室乗務員の職級を決める際に、所属する労働組合によって格差をつけたのは不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会は4日、少なくとも40人の昇級などを命じる命令書をJALに交付した。
日航、年末一時金ゼロ
 日本航空は6日、年末一時金の支払いを見送ることを決め、8つの労働組合の合同説明会で西松社長が方針を伝えた。年末一時金を支払わないのは87年の民営化後初めて。大半の労組は例年11月中旬に設定するストライキを回避するとみられる。
月給、44都道府県で下げ
 都道府県の職員給与に関する09年度の人事委員会勧告が16日、出そろった。景気低迷で民間企業の賃金が低下していることを背景に、44都道府県が月給引き下げを勧告。ボーナスにあたる期末・勤勉手当は全都道府県でマイナス勧告が出ており、年収ベースでもすべてで減額となる。半数以上の都道府県で月給の引き下げ勧告が出たのは4年ぶり。

武蔵野市元職員、市を提訴
 武蔵野市が一方的に雇用契約を打ち切ったのは不当だとして、同市の元非常勤嘱託職員大竹節子さん(53)が16日、同市を相手取り、嘱託職員としての地位確認と4月以降の賃金の支払いなどを求める訴訟を東京地裁に起こした。
民営郵政の主、退場
 日本郵政の西川善文社長が20日、正式に辞任を表明した。郵政民営化見直しの基本方針の閣議決定が、続投に意欲を見せていた西川氏への「最後通告」となった。
JR西社長、組織的行為認める
 JR福知山線脱線事故の報告書漏洩問題で、JR西日本の佐々木社長は23日、社内調査の経過報告書を前原国交相に提出し、組織的行為であることを問題発覚以来初めて認めた。
つくる会教科書採択率上昇
 文部科学省は5日、来年度から中学校で使われる教科書の採択率を発表した。「新しい歴史教科書をつくる会」系の歴史教科書の採択率は合計1・7%で、前回(05年度)から1・3ポイント上昇。新たに採択を決めた横浜市教育委員会などの影響とみられる。

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辺野古新基地建設阻止! 民主党・連合政権打倒!
鳩山・オバマ戦争会談粉砕!
11・12労働者・学生総決起集会 基調報告

星野勝紀(JP労組)
11・1全国労働者総決起集会が切り開いた地平

 (前略)09年、11・1全国労働者総決起集会は、国際連帯のさらなる発展を勝ち取っています。そして、国鉄1047名解雇撤回の闘いを軸に、民営化絶対反対の団結をさらに固め、「万国のプロレタリア、団結せよ」と、全世界に発信する新たな出発点として勝ち取られました。
 11・1全国労働者総決起集会の大成功によって、はっきりしたことは、大恐慌と戦争への対決です。大恐慌の爆発は、帝国主義戦争を不可避とします。この戦争は、労働者の階級的団結が徹底的に破壊され、労働組合が資本家階級の行う戦争に率先協力する機関に変質させられることによって可能になります。これが第1次大戦と第2次大戦の歴史的教訓ではないでしようか。
 世界の労働者に共通した課題は、職場生産点における闘いであり、労働組合のあり方をめぐる闘いです。結集したランクアンドファイルの闘いが示しているように、絶対反対を貫き屈服せずに断固として闘い抜くならば、闘う労働組合と階級的労働運動を全世界的規模で甦らせ、勝利できるということです。勝利の展望は、絶対反対の闘いの中からつくりあげられる階級的団結です。この団結の軸に、結集した5850人が立ったということです。そして、職場生産点と地域で、闘って、闘って、闘いぬいて来た5850人の仲間が、新たな階級の指導部として登場したということです。

日米首脳会鎌は国際的団結によって粉砕されている

 ブッシュ政権にかわって「チェンジ」「改革」を掲げて登場したオバマがやってきたことは何でしようか。アメリカ帝国主義の危機の中で、いわゆるビッグ3の破綻に際して、「自動車産業が崩壊すれば大惨事になる」と言って、打ち出したブルジョアジーの支援の条件は、「労働組合が自動車産業を持ちこたえさせる計画に同意すること」「大量首切りも賃下げも、文句を言うな」「労働者の闘いはすべてつぶす」ということでした。戦争政策をめぐっては「イラクからの撤退」を言って、逆に「アフガニスタンに突っ込め」と言ってきました。オバマがやることはただひとつ、ブルジョアジーの救済です。オバマは、東アジア歴訪の一環として来日し、民主党―連合政権首相の鳩山と初の日米首脳会談を計画しました。日米間では今、「東アジア共同体構想」「普天間基地移設問題」「アフガニスタン支援」の3つの課題をめぐって矛盾と対立が激化しています。しかし、オバマの足元で戦争政策の矛盾が、自国の米軍基地における銃乱射事件として火を噴きました。グラグラの状態で明日、来日しようとしています。オバマと鳩山が矛盾と対立の中でやろうとしていることは、ブルジョアジーの救済と侵略戦争の準備に他なりません。しかし、この敵の意図を11・1全国労働者総決起集会の圧倒的成功によって、粉砕しています。11・1以降、韓国では民主労総11・8全国労働者大会が闘われ、訪韓闘争を共に闘ってきました。沖縄では11・8県民大会を11月集会派が牽引しました。
 帝国主義者どもが、机の下で足を蹴飛ばしあいながら、机の上では握手をしようとしているときに、帝国主義国のもとにいる労働者は、11月1日、日比谷の野音でスクラムを組み、インターナショナルを高らかに歌いました。こんなに痛快なことはありません。そして、わたしたちの闘いは、オバマと鳩山の思惑よりも先を行っています。

民主党・連合政権を打倒しよう

 国際帝国主義の最弱の環は、日本帝国主義です。(中略)日本の帝国主義としての最大の破綻点は、戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にあります。(中略)
 すでに日本帝国主義は、民主党・連合政権の登場によって、いかに労働者の幻想を煽ろうとしても、資本主義体制の危機に陥っていることは明らかです。そのため、民主党・連合政権は、帝国主義侵略戦争への体制を強化し、安保・沖縄攻撃、改憲攻撃、民営化と道州制、労組破壊の攻撃を強めてきています。敵の攻撃がどんなに激しく見えようとも、何よりも1000兆円を超える財政破綻国家であり、その政治支配体制は、最初から崩壊的な危機に瀕しているということです。戦後革命期以来の、最大の革命情勢が到来したといって過言ではありません。
 一切は、民主党・連合政権の下で戦争と大失業に突き落とされるのか、それとも、民主党・連合政権を打倒して、労働者が真に社会の主人公に成り得るのかということが問題になっているということです。
労働者の階級的団結こそが勝利の展望だ
 まさに戦争か革命かという情勢の中で、最大の攻防点は、職場生産点にあります。それは資本との非和解の闘いであり、労働組合・労働運動の路線をめぐるあらゆる体制内勢力との党派闘争です。そして、資本の支配のもとで徹底して分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることに勝利の展望があります。この団結の発展の中に、奪われてきた人間本来の共同性が生き生きと甦ってくるということです。これこそが労働者階級のもつ本当の力ではないでしようか。社会を変革する真の力はここにあると確信します。
 今、郵政の職場は、民営化攻撃の中で非正規の割合が全国で6割を越えています。そして民営郵政とJP労組本部の結託体制で、2割の正規職と8割の非正規職にするというJPEX統合計画は10・1の破綻をもって、民営化の矛盾は一層深まり、職場の怒りは当局とJP労組本部―本部派執行部に向かっています。そのなかで正規・非正規の壁を打ち破る団結がつくられようとしています。そして、郵政民営化絶対反対の路線で職場闘争を貫いてきた中から、11・1全国労働者総決起集会を契機に全国の郵政職場で新たな決起が生まれ、職場闘争の実践を通したマルクス主義の学習が開始されています。
 連合・JP労組は、マルクス主義を廃し、労働者の現場の闘いを押さえつけ、政労使結託体制で、労働組合の名をもって労働者の団結を解体しようと必死です。しかし、そこが何よりも矛盾点であり、破綻点です。民主党の言っている郵政見直しは、民営化を元に戻すことではありません。さらなる民営化の推進です。行政サービスの取り組みとして道州制推進をやると言っています。そして「ムダの排除」とは、さらなる首切りと非正規職化です。民営化絶対反対の闘いこそが団結の軸です。

2010春闘へ向けて闘おう

 連合は、早くも来春闘ベア要求を放棄し、資本家どもを救済することに必死になっています。そのもとで、数百万の労働者が職を奪われ、食うや食わずの生活に叩き込まれています。2010年春闘の課題は、戦争と大失業を迎え撃つ、階級対階級の攻防になるということです。
 わたしたちは、11・1全国労働者集会で、2010年春闘に向けた5850名の仲間を先頭に総決起体制をつくりました。来春闘を待たず、社会保険庁解体=1000名解雇との闘いをはじめ、闘いは各地で開始されています。世界的な規模で確立された、国鉄1047名解雇撤回闘争を軸とした民営化絶対反対の路線で団結し、ブルジョアジーとそれを支える連合、あらゆる体制内派との党派闘争に打って出ようではありませんか。職場と地域でランクアンドファイルの闘いを組織しようではありませんか。
 10・16法大闘争で逮捕された2人の学生を11月集会の圧倒的な力で奪還しました。労働者・学生の団結で、なんとしても獄中8学生を奪還しようではありませんか。 闘う労働者・学生に盆・暮れ正月はない。共に闘おう。

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国労5・27裁判 判決公判
暴処法と共謀を完全粉砕した画期的勝利

国労5・27臨大闘争弾圧裁判事務局

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団は11月27日、その一審判決において画期的な勝利を勝ちとった。暴力行為等処罰に関する法律の適用を全面的に粉砕し、共謀の主張を完膚なきまでに打ち砕き、国家権力=検察官の主張と立証を根幹において崩壊させた勝利である。
 その結果、「首謀者」にデッチあげられ、懲役1年6月を求刑されていた向山さんが無罪を勝ちとると共に、国労共闘の富田・羽廣・東・原田・小泉・橘各氏は、懲役1年の求刑を粉砕して、60万〜20万円の罰金刑にせざるをえないところまで裁判所を追い込んだ。
 この勝利は第1に、7人の被告人の完全黙秘の闘いの貫徹と、昨年の旧弁護団解任と松ア被告人との弁論分離をとおした、階級的原則に立った裁判闘争の実践が結実したものである。その基礎に、被告団の団結、弁護人との団結と信頼があり、家族の団結と愛情がある。そして、7年間に及ぶ闘いを支え抜いた全国労働組合交流センターの仲間の団結と支援がある。
 第2に、階級的労働運動路線の実践が切り開いたものである。11・1の大結集が5・27裁判の歴史的勝利をもたらしたのである。
 この勝利は、検察庁と警視庁公安部を直撃し、JR西日本・貨物資本を震撼させ、国労本部と闘争団一部幹部ら4者4団体派を動転させ、そして松ア被告人とその弁護団に巨大な打撃を与えている。

5・27決起の正当性

 本件弾圧は、2002年5月27日に開催された国労第69回臨時大会において、国労共闘がおこなったビラまき・説得活動に対して、国労本部が国労組合員・闘争団員らを国家権力に売り渡し、権力がその年の10月、2次にわたる弾圧を加え、10人を逮捕し、8人を起訴したという国鉄労働運動史上、例がない事件である。
 本件の2年前の00年5月、国労本部は4党合意を受け入れた。それは、1987年に強行された国鉄分割・民営化による国鉄労働者1047名の解雇について「JRに法的責任がない」ことを、国労が大会で決定することを要求するものであり、不当労働行為の極致であった。
 分割・民営化攻撃に最後的に屈服し、闘争団を切り捨てようとした国労本部は、3回の大会でも承認を得ることができず、01年1月27日、1千人以上の警察機動隊の出動を要請して反対派を排除し、4党合意の大会承認を強行した。
 4党合意に反対する闘争団員は「闘う闘争団」を結成し、02年1月28日に鉄建公団訴訟を提起した。これに対して国労本部が2・3中央委員会で査問委員会を設置し、4月に生活援助金を凍結する等の兵糧攻めの攻撃に出てきた。
 他方、国労共闘と動労千葉は00年8月に全国各地で4党合意撤回の労働委員会闘争に立ち上がり、02年に4党協議座長である甘利明・自民党副幹事長の証人採用を次々とかちとった。
 こうした状況の中で、自民党ら与党3党が、鉄建公団訴訟等を闘う闘争団員の除名とすべての訴訟の取り下げを求めたのが4・26三与党声明であり、それを受けて5・27臨大が開催された。
 被告人らは、この大会を許したら、国労本部が自ら解雇撤回闘争を絞め殺すだけでなく、JR各社での自分たちの闘いが圧殺され、「国労が国労でなくなる」として大会開催に反対してビラまき・説得活動に立ち上がったのである。
 このような1047名闘争をめぐって動と反動が織りなす情勢のど真ん中に、国労共闘が解雇撤回闘争の牽引車として登場したことに対して、国労共闘と「闘う闘争団」との間にクサビを打ち込む狙いで、国家権力は10月7日、暴処法弾圧を加えてきたのであった。

暴処法と共謀粉砕の歴史的意義

 暴処法は1926年、治安維持法と一対で制定され、戦前の労働運動・農民運動・水平社運動への弾圧に猛威をふるった。そして、戦後もGHQの人権指令をかいくぐって延命し、労働運動や学生運動が高揚局面を迎えるたびに、「使い勝手のよい弾圧法」として繰り返し適用されてきた。
 権力は、闘いの芽を小さなうちに摘もうとして、本件において暴処法を発動し、裁判で有罪を策すと共に、今年2月の法大闘争にも適用して、大恐慌下での労働者人民の大衆運動弾圧の切り札として研ぎすまそうとしてきた。
 しかし、暴処法の適用を完全に粉砕したことは、権力のこのもくろみを緒戦において全面的に打ち砕いた歴史的勝利である。
 それと並んで、共謀をめぐる闘いの勝利も決定的である。検察官は、共謀を適用することで、国労共闘の6人に対して、自分の行為だけでなく、それぞれ他の5人の行為の責任も問うことで重罰を狙ってきた。また、向山さんには、共謀だけで起訴して、他の6人の行為の責任を問おうとしてきた。
 共謀の事実についての厳格な立証なしに、安易にその成立を認める傾向が強まる中で、本裁判において、共謀の成立を完膚なきまでに粉砕した意義も画期的である。
 検察官の主張と立証の2大軸である暴処法と共謀に対して、弁護人はその最終弁論において検察官の主張を余すところなく批判しつくした。その結果、裁判所は、弁護人の主張を全面的に採用するに至り、その判決で、暴処法の構成要件である「多衆の威力を示し」が何一つ立証されていないこと、検察官の共謀主張はほとんど無意味・無内容であり、共謀の事実が存在しないことをあいまいさなく認定したのであった。

追いつめられた裁判所の罰金判決

 暴処法の不成立と共謀の不存在を認定したら、全員無罪であることは明らかである。にもかかわらず、裁判所は、有罪を出すという政治的結論にのみ基づいて、国労共闘の6人に暴行罪を適用し、罰金刑を宣告してきた。
 裁判所は、5・27臨大に対する国労共闘のビラまき・説得活動が「組合活動の一環として、憲法28条〔労働基本権〕の保護のもとにある」こと、「ビラを受け取ろうとしないなどの本部派組合員の態度に立腹した結果の犯行」と国労本部派側の責任を認めている。また「国労内部に長期にわたる深刻な路線対立があった」こと、5・27臨大が闘争団員を統制処分にかける大会であったこと等、国労共闘の行動がやむにやまれぬものであったことを認めている。
 しかし裁判所は、労働運動をめぐる事件において、「目的の正当性」「手段の相当性」等いくつかの指標で違法性判断をすべきであるにもかかわらず、それを回避して、6人の暴行は「法秩序全体の見地からして社会的に許容される程度のものではない」と決めつけて罰金刑にしてきた。
 しかしその事実認定は、ビデオテープの映像の特定や「被害者」の証言の引用がなく、具体性を欠くものであり、また弁護人最終弁論での主張を検討した形跡もない実にデタラメなものであった。
 裁判所のこの事実認定の部分は、その判決文全体の構成と内容自体によって否定されざるをえないという矛盾撞着の極みにあり、判決の最大の弱点となっている。
 この有罪判決に対して、被告団は直ちに控訴を申し立て、新たな闘いに突入した。
 われわれは、7年に及ぶ裁判闘争と大衆闘争によって、暴処法と共謀を粉砕する大勝利を勝ちとった。労働者人民に「階級的原則に立って闘えば勝てる」ことを訴え、現職である5人に対するJR西日本とJR貨物の懲戒処分攻撃を迎え撃つと共に、国鉄1047名闘争とJR東日本による検修全面外注化攻撃との決戦での勝利をめざして総決起していこう。

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●読者のページ

●車両保守を別会社に全面委託?!
10/29JR東日本提案 来年4月1日実施予定?!
コスト削減のために安全も社員も切り捨て
動労水戸は絶対反対で闘う
国鉄水戸動力車労働組合

 去る10月29日、JR東日本は、ついに車両保守、構内入換業務を全面的に別会社への委託するという鉄道会社としての安全責任を放棄するとんでもない提案を行なった。これまで2000年9月提案以降、一部実施されてきた検修・構内業務の外注化とはわけが違う、設備関係ですでに行なわれているように全面的に別会社に丸投げ委託するというものだ。こんなことを許したら車両保守・検修職場は一変し、車両の安全は崩壊し、重大事故は必至だ。絶対に許すことはできない。

全面委託とは現役・全員出向だ

 提案の中で会社はこの目的を「再雇用制度への的確な対応が必要であること」「鉄道事業の経営基盤をより強固なものにしていく必要があること」として、具体的には「エルダー社員の技術力・ノウハウを活かせる仕事の場(出向先)を拡大」し、「コストダウンを徹底した効率的な事業運営」を行い、将来的には「グループ会社における構内・車両検修業務の技術基盤を確立」させ、「プロパー社員も含めた業務体制を構築させる」としている。

賃下げ、労働強化、あげくに転籍も?

 会社はこれによりエルダー社員1500人分の雇用枠が確保できるという。しかしそれは、現役の車両職の要員枠を1500人も削減するという事だ。しかも提案では「一括して委託する」としており、業務に必要な要員がエルダー社員だけでまかなえるはずものなく、否応なく現役のまま全員出向させるということだ。20代30代の将来性ある若手社員、働き盛りの40代50代のベテラン社員も含めて、エルダー社員や非正規雇用のプロパーなどといっしょに仕事をさせることで、劣悪な労働条件に切り下げるのが狙いだ。さらに、出向といっても全面的委託では戻る職場がなく、目的が「コストダウン」である以上、最終的にはJR本体から完全に切り離し(=転籍)に道開くことになるのは火を見る以上に明らかだ。

逃げ道などない 団結して闘おう!

 こうした攻撃に会社が踏みきった背景には、JRといえども「世界大恐慌」と無縁ではなく減収減益がある。JR版大リストラ攻撃が本格的に始まったということであり「逃げ道」はない。同時に、会社がJR東労の本丸「運転」部門にも手をかけてきたということは、これまでの会社―JR東労の蜜月関係の破産ということだ。労働者の団結の力のみが、自らの将来も仲間も守っていける唯一の力だ。動労水戸に加入して強固な団結をつくろう。動労水戸は車両保守・構内業務の全面委託の攻撃に絶対反対で闘う。
(11月12日付機関紙『動労水戸』より)

●『自爆営業』反対で団結しよう!
    全逓東京中郵 だんけつ編集委員会

 2004年11月9日の第161回臨時国会・参議院総務委員会において、生田正治日本郵政公社総裁(当時)は、『自爆営業』に関連して以下のように発言して、「自爆営業は郵政事業としてダメだ」と確認しています。
〈強制的な格好、あるいは上位者の指示によって必ずこれだけ達成せよというのは禁じています〉
 自爆的行為は絶対に禁ずると、やっちゃいけない。なぜならば、それは個人一人一人に対する大変な重荷であるのみならず、やっぱり働く意欲をそぎますよね。ということは、営業を上げていこうという本来の目的に真っ向から反するんです。だから絶対やっちゃいけないと、という趣旨を徹底しています。
 この生田総裁の見解は、郵政公社を引き継いだ現在の郵便事業会社でも一度も公式に否定されたことはありません。
 10月も半ばを迎え、いよいよ年末年始繁忙が近づいてきました。職場では、年賀はがきの早期予約をとりつけるように、毎朝のミーティングで言われています。自分で利用する分も、予約の数に入るということです。
 カモメールの時もそうであったように、個人目標が設定され、「赤字の原因はお前らだ」と言わんばかりの恫喝があるのではないか? 職場の多くの労働者の心の中は、「また日勤教育のように、朝のミーティングで反省をしろと言われるのではないか」「それなら、いっそのこと自爆営業しかないのか。しかし、個人目標は、5000枚となっている。冗談ではない!」

班で話し合って、個人のノルマ的やり方をやめよう! 競争ではなく団結だ!

 そこで提案です。どうやって年賀はがきを売るのか。答えは簡単です。個人でやらないということです。班単位、局単位でやれば良いのです。
 そもそも配達先は、限られています。何人も営業に行っては、押し売りになり、「また来たのか」と配達先で嫌がられます。あげくの果てに、法人営業までが、配達先を荒らしています。さらには特定局もあり、醜い「成績争い」として受け取られています。そして、毎年年賀はがきが、地方から書留小包として、私たちの局に到着し、配達しています。大口の顧客は、大方ここに流れています。こんな状態で、個人責任にする方がおかしいのです。
 各班で話し合って、個人のノルマ的やり方をやめよう! 競争より団結だ!
(10月19日付東京・銀座局の会員が発行している職場ニュース「だんけつ」43号より)

●キリュン電子(株)に抗議文を
動労千葉国際連帯委員会

 11・1全国労働者集会に参加され、また動労千葉訪韓団の訪韓の際に熱烈に迎えてくださった全国金属労働組合キリュン(起隆)電子分会のユ・フンヒさんから、彼女たちを解雇したキリュン電子に対しファックスで抗議文を送ってほしいとの支援要請がありました。
 つきましては、動労千葉国際連帯委で抗議文の書式を作りましたので、これに年月日と署名・住所等を入れてキリュン電子あてにファックスを入れてくださるよう組織していただけたらと思います。
 抗議文(PDF)は動労千葉のHP(www.doro-chiba.org)より取り出して下さい。

抗議文内容

キリュン電子(株)貴下
 私たちは韓国の全国金属労働組合キリュン電子分会組合員の闘いに連帯する日本の労働者、学生、市民です。日本で労働者の権利のために闘う労働者きょうだいとして貴下に以下のように要請します。
1、キリュン電子と大韓民国政府は不法派遣に伴い解雇された労働者を直接雇用すること
1、非正規労働者に労働3権を保障すること
1、雇われヤクザなどを動員して労働組合を弾圧することを中止するよう求めたILO勧告を履行すること

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