2010年07月号(No.244)目次
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労働者の目 

ひめじょおん−女性部から 

労働ニュース ●

読者のページ  

・●マンガ /編集後記
 

 労働者の目

いよいよこれからが本当の勝負だ

常任運営委員  国労新橋支部  白石 滋

 6月13日、1047名解雇撤回の新たな全国運動がものすごい熱気で始まりました。私は身が引き締まる思いで決意し直しました。
  ひとつは、交流センター運動の強化・本格化が待ったなしに突きつけられています。4・9政治和解攻撃からわかることは、資本家の側は、反乱への恐怖と敵意に満ちた目で労働者を見ているということです。労動者と資本家は非和解であり、闘って団結を維持・強化する中でしか労働者は生きていくことさえできない。連合・全労連はこの階級的な認識を否定しており、資本家の支配の道具に成り下がっています。しかし問題は、連合や全労連傘下で、未組織で怒りや不満を感じ、資本家と闘いたいともがいている労働者が無数に存在していることです。今問われているのは、こうした労働者と団結して、資本家を打倒する闘いが出来る組織として、交流センターが飛躍できるかどうかです。もはや私たち以外にない。この点の厳しい自覚、そして実践が本当に求められています。
  ふたつに、そのカギは国鉄闘争です。分割・民営化当時、私は国労鶴見駅分会の執行委員でしたが、85年頃から駅当局が組合員一人ひとりにあらゆる手段で脱退を強要してきました。故・中野顧問に相談したところ「とにかく組合員一人ひとりを役員であるお前が信頼し、出来ることを全てやってみろ」とアドバイスされました。私は無我夢中で職場回り、ニュース作り、全体集会の開催と必死でした。結果、3名の脱退者を出したのは悔しいですが、何とか200名を超える分会の組織を守り抜きました。
  しかしその後、駅当局は分会役員の大半を駅から排除し、組合脱退者を転入させる「血の入れ替え」をし、革マルが駅の過半数を占めたのです。あの時の悔しさと怒りを忘れることはできません。資本家と労働者は倒すか倒されるかの非和解であることを思い知らされました。この闘いを勝ち抜いていくためには、徹底的に階級的に武装し、職場で団結を作って闘い抜く以外ありません。いよいよこれからが本当の勝負です。
(写真 6・23沖縄闘争に380人。「安保粉砕」「菅打倒」の戦闘的デモ(東京・文京区)

 

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■6・13集会の成功を受け、まなじりを決して職場に団結と闘いを組織しよう

 代表運営委員 国鉄千葉動力車労働組合 執行委員長 田中康宏

●「大変なことを始めたんだ」という感想

 6月13日、1047名闘争の「政治決着」という重大な情勢に対して、様々な方々と「新しい全国運動を起こそう」と相談し、多くの人たちが呼びかけ人になって下さり、ああいう集会を開くことができました。心からお礼を申し上げたいと思います。新しいスタートラインを作ったという意味で画期的な集会だったと思っています。だけど、すべてはこれからだという感じで考えています。
  ある人に「今日の集会はどうだった?」と聞きましたら、「集会を聞きながら、これは大変なことを始めたんだと思った」と言っていました。全体がそう思ってくれたとすれば、成功だったのだと考えています。
  「4・9和解」を政府が決断した意図は明らかに、国鉄闘争を終わりにして、労働運動全体の息の根を止めることにあります。情勢が煮つまれば煮つまるほど、全ては労働運動をめぐる攻防に焦点が絞られていきます。そうした重大な情勢に対して、どう構え、反撃し、前進できるのか、さんざん考えた結果が新しい全国運動の提起でした。息の根を止められるのではなく、この情勢を逆にチャンスとして新しく一歩を踏み出す決意と闘いの基本的な方針を、あの集会で作ることができたのではないか。「演壇と参加者の気持ちが完全にひとつになっていた」とみんなが言っていました。様々な政治的反動に対して反撃をしたり、団結を固めたり、いろいろな意味の集会があると思いますが、そうした数々の集会とは違う歴史的な飛躍の場として勝ち取ることができたんじゃないかと考えています。
  問題はこれからです。すべてはこれからです。参加した1635名がこれから何をやるのかということが問われています。

●滝口さん解雇撤回闘争のように現場から闘いをつくっていく

 今日の労働学校のテーマは反合・運転保安闘争ですが、動労千葉が1972年の船橋事故闘争の中から反合・運転保安闘争路線という闘いのあり方が確立されていく少し前、動労千葉が今存在している出発点となった闘いがありました。それは、当時新小岩支部青年部長だった滝口誠さんに対する解雇攻撃との闘いです。国鉄では69年ぐらいから、マル生攻撃(生産性向上運動)という激しい労働組合破壊攻撃が始まります。国労も動労もガタガタになり、脱退者が続出する。鉄労という旧同盟系の御用組合にダッーと流れる。千葉ではその攻撃の前触れが、滝口さんに対する解雇攻撃でした。当時の千葉地本執行部は労資協調派ですから、現場の戦闘的部分を叩けばつぶせるという判断のもとに始まった。きっかけは些細なことで、乗務して帰ってきて夜飯を食う時にビールを飲んだという話です。当時の国鉄では当たり前のことでした。まさに狙い撃ちのデッチ上げ解雇です。その時に、これとどう闘うか大激論になります。組合として闘うべきだという意見は1票差で負けました。現場は冗談じゃないと言って、中野前委員長を中心として地本執行部を弾劾し、『滝口君を守る会』を作って一人ひとりの組合員を組織するんですね。その闘いは、青年部から親組合員に広がっていき、最終的には反対した執行部も含め全組合員を『滝口君を守る会』に組織するところまでいった。結局、裁判でも勝利して解雇撤回を勝ち取ります。
  もしその時に地本として闘うとなっていたら、逆に現場からの闘いは生まれていなかった。恐らく裁判をやって救済していくだけの運動になっていた。1票差で負けたから、後に船橋事故闘争に立ち上がり、動労千葉地本を闘う労働組合に変えていくような意識的な努力が現場から始まった。
  僕は今回の和解問題は、もっと大きな意味で同じだと思います。全体としてはあの屈辱的な「和解」を受け入れた。残ったのは、動労千葉と、国労闘争団の6名ですね。そういう状況の中で6・13集会を出発点に新しい運動を作る決断をしたわけです。だから、あの集会で訴えたことは、単に動労千葉ということじゃなくて日本の労働運動全体で、滝口さんの解雇撤回闘争から始まったような、現場から労働運動を作り直す壮大な挑戦を開始しようということです。
  だから、何よりも訴えたいのは、自分の職場で新たな全国運動の下に仲間を組織してほしいということです。1人の活動家がこの運動のもとに10人を職場で組織する。本気になればできないことじゃないと思います。全国に1000人の活動家がいれば1万人の運動体になる。労働運動の一番原点から考えれば、こうやって一から労働組合を作りあげていく。
  国鉄分割・民営化以来の24年間、一体労働者を何が襲ったのか、今、どういう現実に置かれているのか、これから何が始まろうとしているのか、労働組合とは何なのか、こういうことを自分の問題、自らの職場の問題として訴える。そうやって組織した時にできないはずはないと思います。集会で関西地区生コン支部の高副委員長が、「国鉄分割・民営化という大きな政治的攻撃に立ち向かうためにも、結局、職場で団結と闘いを組織することだ」と最後に訴えましたよね。僕もそこに核心があると思います。

●公務員労働者に対する全面戦争になる

 世の中全体を見てほしい。ギリシャで起きていること、スペインでポルトガルで起きていること。公務員労働者に対する全面戦争です。これには必然性がある。ガタガタになった資本主義は、戦後どうやって生き延びてきたかというと、体制を維持するために莫大な国家財政を投入するとともに、社会保障制度などの社会政策を導入した。それは、労働者を資本主義の側に取り込んで、労働者を団結して闘いに立ち上がらせない仕組みでもあったわけです。当然、公務員は増えます。これは日本で言えば終身雇用制、年功制賃金、企業内労働組合という仕組みと一体です。それが全部破産する中で始まったのが新自由主義政策です。しかしそれはリーマンショックに行き着いた。どうしようもない状況の中で、すでに国家財政は大赤字なのに、金融機関や大企業を救うためにさらに莫大な国家財政を投入した。その行き着いた果てが日本の現状でありギリシャの現状です。そして全ては公務員労働者に対する攻撃になる。それは資本主義の最末期的現実の中で、世界中で必然的に起きていることです。
  日本では国鉄分割・民営化から始まり、今度の「和解」の結果は、どう見たって、これでフリーハンドを得て公務員労働者に対する全面戦争になるに決まっている。菅政権が掲げたのは「財政強化」です。ギリシャの現実に震えあがっている。そしてそれは、公務員労働者への全面的な民営化攻撃になるということです。4大産別決戦だと言ってきたことはまさに的を射ていた。JRはもとより、自治労や教組、全逓、医療の職場で、新たな全国運動をどこまで組織できるかが勝負です。

●非正規職撤廃・国鉄闘争勝利を

 もうひとつ、国鉄分割・民営化のメダルの裏側は、今労働者が置かれている非正規職だとかワーキングプアという問題です。
  この間の闘いの中で、全国に30をこす合同・一般労組が生まれ、困難な状況の中で、解雇や偽装請負などの問題に対して必死に闘っています。その多くが非正規職に突き落とされた仲間たちです。その非正規職問題をめぐる攻防が間違いなくこれまで以上に大きな労働運動をめぐる焦点になる。
  それは、今度の「和解」のひとつの本質でもあるわけですが、国労はすでに「企業内組合になる」と言って、全労協を脱退して連合に行く準備を始めています。全労協の実態は国労と都労連です。そうなれば、都労連も全労協から脱退すると見て間違いない。結局1万人くらいの全国一般系がとり残された形になって屈服が迫られる。しかも、道州制・民営化攻撃の中でさらに膨大な労働者が非正規職に突き落とされようとしているわけで、政府や連合はその怒りの声を圧殺しようとする。重大な焦点になります。今からそういうことを見据えて準備し、声を上げなければいけない。この間の職場での苦闘を土台として、その力を全国的に結合し、組織を拡大してひとつの政治的な力を持つことを目指さなければいけない。そういうことを合同・一般労組の仲間とも議論しています。合同・一般労組に結集する組合員は、あらゆる権利を奪われた現実の中から団結を求めて立ち上がった仲間たちです。だから「われわれが置かれた現実は国鉄分割・民営化から始まった。多くの組合員が非正規職労働者である合同・一般労組の立場から見ても今回の『和解』は看過することができない。われわれは非正規職撤廃をめざして闘う」という趣旨の共同声明を出すようなことから始めて、全国的な結合をめざす討議を始めようということです。

●労働者こそ社会の主人公だという誇りを取り戻そう

 いずれにしても、われわれは6・13集会で新しいスタートラインに立った。情勢がものすごい飛躍を求めているということです。今までのわれわれのあり方、発想を全部変えよう。簡単に言えば、今までは「反対派」という感じだった。だけど、4者4団体を批判していればいいというようなあり方はもう通用しない。全てを自分で作っていかなければならない。自らが職場の団結の中心になり、組織を作り、闘う労働組合をつくり、闘いを組織する。そのためには自分自身がどう変わらなければいけないのか。待ったなしにものすごい飛躍が求められています。
  動労千葉がずっとやってきたことも、結局、そういうことなんですね。中野顧問はずっと「職場闘争とは資本との党派闘争なんだ」と言っていた。なぜそういう言い方をするのか。結局全ては資本の論理、資本の支配との闘いなんですね。しかもそれは、「社会的常識」、支配的イデオロギーとして世の中に蔓延している。労働組合の幹部もさんざん垂れ流す。現場の労働者も多くはからめとられ、仕方がない現実だと思い込まされています。だけど、資本によって支配され搾取されている労働者の現実の中で怒りの声は常に渦巻いています。ときおり噴き出す怒りの声もあきらめに変わっちゃうことが多い。「資本との党派闘争」とは、そうした現実との闘いだということです。
  だから職場で団結と闘いを組織するのは口先や理屈だけでは絶対に通用しない世界です。資本との攻防の中で、労働者こそ社会の主人公だ、社会の全てはわれわれが動かしているんだという誇りを取り戻す。一人ひとりの労働者が実感としてそれをつかみとっていくことができる具体的な闘いのあり方を必死になって作りあげていかなければならない。だからその団結の中心となる活動家にとって、全人格をかけた闘いになります。その団結を長期に維持することはもっと大変です。そういうものを具体的に作り出したのが、反合・運転保安闘争路線じゃないかと思っています。
  中野顧問は、組合員の信頼と団結を集めるためにあらゆることに気を配っていました。一人ひとりの組合員を本当に大事にした。全ての問題を一般論ですまさないで、考え抜いて具体論として提示した。結成当時、千葉の運転職場は圧倒的に動労千葉の組合員でした。中間管理者的層も動労千葉の組合員です。運転士の点呼をとる内勤や、運転士の訓練にあたる指導員もみんな動労千葉の組合員。分離・独立の過程も、三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争に立ち上がるときも、こういう層を組織し獲得するために、いつも気を配っていた。「この判断、この闘争が正しいか間違っているか、自分の目で見てくれ」と、意識的にそういう層を動員した。組合員一人ひとりの意見、性格、得意分野などを尊重してその力を発揮させた。そして、闘いの先頭に立つ部分も、先頭には立てないが、ダイヤ検討とか業務上の問題を一生懸命やるような人たちも、等しく大切にした。そういう総和が反合・運転保安闘争路線のもとに統一されて、分割・民営化反対闘争に首をかけて立ち上がり、全国に階級的労働の復権を呼びかけ、国際連帯にまでつながる動労千葉の団結になりました。
  新たな全国運動で職場を組織しようと訴えているのは、4大産別を先頭に全国各地、あらゆる産別の職場でそういう闘いを組織しようということです。具体的には会員を組織し、全国各地に動労千葉を支援する会を作っていく。だけどそれは単なる動労千葉支援運動ではない。職場で10人の会員を作ったら、その会員が職場の闘いを組織していく。1000人が1万人になる。それを全力を尽くしてやって、その力がやがては日本の労働運動を現場から作り直すことにつながる。敵が気付いた時には現場に闘いの火が点っている。まなじりを決してそういうことをやりたい。この時代に立ち向かって勝ちたいからです。これから民営化だとかあらゆる攻撃が来ます。あらかたの労働者は翻弄される。だからそれに間に合うような運動を作りあげたい。われわれは、この努力が成功するか否かによってこれからの歴史が大きく変わるような、そういう瞬間に立っている。われわれ自身がこれまでのあり方を変えて全職場でそれを始めて、その力を集めて年内に全地域にこの全国運動を組織したいと考えています。
(写真 6・13集会の決意表明に立つ動労千葉争議団・国労闘争団)

●民主労総から直ちに返信

 もう一つ紹介しておきたいことがあります。韓国やアメリカ、ブラジルに6・13集会の報告を送ったんですが、例えば民主労総ソウル本部から帰ってきたメールは「6・13大集会の成功の知らせは、写真だけ見ていても胸が熱くなるほどです。1635人という多くの同志たちが20年を超えて続いてきた国鉄解雇闘争を新しく決意できること自体が感動的です。同志たち、相互間の固い信頼と組織的決意をあらためて感じることができます」「それに戦慄しました。日本での記憶のおかげなのか、最近になって労働運動が進まなければならない原則的な方向がどんなものかしばしば考えるようになりました」というものです。
  今、民主労総は本当に厳しい状況の中で闘っています。だから、またたく間に6・13集会を提起したことを分かってくれたんですね。この感覚をわれわれ自身の決意にしなければいけない。
  6・13集会の直前、動労千葉の代表団がブラジルのコンルータスの大会に参加してきましたが、訴えたことは分割・民営化以来の動労千葉の闘いについてです。20数カ国の海外代表団の中でも、圧倒的な注目で迎えられた。動労千葉の主張が普遍的に通用するということを感じて帰ってきました。
  中国ではホンダやトヨタの工場が次々とストライキに入っています。中国政府や総工会という官製組合の支配を食い破って、それとは全く違うところから大反乱が始まっている。コンルータスの仲間たちも、既成のナショナルセンターと対決し、明確に社会主義を掲げて200万の労働者・農民・学生を組織している。歴史は明らかに変わろうとしています。
  もう一度戻ります。日本では今も困難な状況が続いています。だからこそわれわれ自身があり方を変えて、職場で仲間を組織する、全ての闘いを組織を作るために何をなすべきかから考える。そういう闘いをこの全国運動の下に組織しよう。
(6月19日、動労千葉第10期労働学校基礎講座でのあいさつ)

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広島県労働組合交流センター

 被爆65年目の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核闘争を、全国労組交流センターの飛躍をかけた一大反戦闘争として勝ち取ろう。
  資本主義・帝国主義の危機が大恐慌として爆発し、帝国主義の体内から戦争衝動が噴出しています。保護主義と排外主義が台頭し、現実に戦争(核戦争)が切迫しています。こうした情勢に際して、労組交流センターがこれまでと画然と違う構えをもって今夏8月反戦反核闘争を爆発させることが求められています。問われているのは「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな!」というスローガンを単なるスローガンに終わらせるのではなく、その下に巨万の労働者と人民を結集し、実際に戦争を阻止していくことです。社会民主主義とスターリン主義の下でねじ曲げられ、抑えつけられてきた「戦争絶対反対」の階級意思をストレートに解き放ち、巨大な階級反乱を作り出すことです。その条件は圧倒的に成熟しています。沖縄労働者階級の「基地撤去」の怒りは日米安保体制の要である米軍基地の存在をグラグラに揺さぶっています。あらゆるところから戦争と大失業への怒りが噴出しています。
  これはまさに労働者階級が「資本主義の墓掘り人」として時代の前面に登場できる否かをかけた決戦です。今私たちに求められているのは労働者階級の層としての決起に路線的・組織的な責任を取り切る全国センターへの飛躍です。全国労組交流センターは6・13大集会の成功と新たな国鉄1047名解雇撤全国運動のスタートをもって、動労千葉と共にその飛躍への挑戦を開始しました。6・13大集会の高揚を引き継ぎ、さらに発展させ、国鉄決戦に勝利し階級的労働運動の歴史的登場を勝ち取ろう。労働者人民の団結で核と戦争をなくす巨大な反戦反核闘争の爆発を階級的労働運動の力で実現しよう。全国の会員のみなさんに、8月ヒロシマ・ナガサキ反戦反核闘争への総決起を呼びかけます。
(写真 1800人が結集した昨年の8・6ヒロシマ大行動【広島県立総合体育館小アリーナ】)

 沖縄の闘いと怒りをひとつに、北朝鮮侵略戦争を阻止し、民主党・菅政権打倒へ

 今夏8月反戦反核闘争の第1の課題は、沖縄労働者階級の湧き上がる怒りとひとつになって、米日による北朝鮮侵略戦争情勢と対決し、民主党・菅政権を打倒することです。
  民主党・鳩山政権が打倒され、菅政権が発足しました。菅政権が直ちにやったことは、5月28日の「日米共同声明」の遂行=辺野古への新基地建設強行の宣言です。菅政権とは、鳩山以上に露骨にブルジョアジーの利害を貫き、労働運動を解体し、労働者へ犠牲を集中し、戦争・改憲へ突き進む反動政権です。しかし同時に、菅政権は鳩山以上に危機的であり、鳩山を打倒した労働者の怒りの前にグラグラの政権です。その最大の破綻点は、大恐慌下で爆発する沖縄労働者階級の積年の怒りです。これはあらゆるまやかしを打ち砕いて安保粉砕・日帝打倒にまで行き着く以外にない歴史的な闘いの始まりです。
  この間の日米安保をめぐる密約の暴露で明らかなように、日米安保同盟とは核軍事同盟であり、その最大実体は沖縄の米軍基地です。戦後65年間、世界中で侵略と戦争をくり返しながら階級闘争を圧殺し、資本主義の支配を貫いてきたものこそ日米安保体制でした。世界大恐慌への突入の中で、日米帝国主義はこれまでとは画然と違う意義づけをもって、帝国主義大国間の抗争と侵略戦争のための軍事同盟として強化しようとしています。何よりも3月の韓国哨戒艦沈没事件を「北朝鮮の魚雷攻撃」と一方的に断定し、北朝鮮侵略戦争情勢を緊迫化させています。米オバマ政権はすさまじい戦争挑発で鳩山・小沢の「東アジア共同体」「対等な日米同盟」を吹き飛ばし、これに対し菅政権は、必死で改憲と独自の戦争国家化を追求しています。
  日米の支配階級がそれぞれの利害のために労働者人民大虐殺の侵略戦争・核戦争に突き進み、そのために沖縄を徹底的に犠牲にし蹂躙する。こんな不正義をその土台である最末期帝国主義もろとも覆す闘いとして安保粉砕・米軍基地撤去の闘いが始まっています。沖縄労働者階級の闘いとひとつになって、核を必要とし、核戦争を必然化させる帝国主義に対して労働者階級の怒りの大反乱を叩きつけよう。
  さらに、民主党政権は高速増殖炉もんじゅの再稼働を強行し、菅は所信表明で「アジア経済戦略」と称して原発プラントの輸出推進を打ち出しています。こうした中で核武装を主張する田母神・元航空幕僚長が再び8・6ヒロシマに乗り込もうとしています。「3度目の核攻撃を受けないために、日本は核武装すべき」などという田母神のペテンを労働者の怒りで焼き尽くそう。
(写真 昨年8・6田母神講演会に対する怒りの抗議行動【広島・原爆ドーム前】)

 全世界の労働者民衆と団結し、オバマの核独占・核戦争政策と対決しよう

 第2の課題は、力強く開始された国際連帯闘争を発展させ、労働者の国際的団結で米オバマ政権の核独占と核戦争政策と対決することです。
  昨年、米オバマ政権が登場し、日本共産党・原水協、連合・原水禁、広島市長秋葉などあらゆる勢力がオバマを「平和の使者」であるかのように賛美する中、私たちは唯一、オバマの狙いが大恐慌下において核軍事力をもってアメリカ帝国主義の世界支配を貫くことであることを暴き、オバマとの対決を呼びかけました。今やその正しさは完全に明らかです。
  オバマ政権は4月にNPR(核戦力体制の見直し)を発表し、「NPT(核不拡散条約)締結国には核攻撃をしない」と北朝鮮・イランに対する核攻撃を宣言しました。5月のNPT再検討会議の共同声明では、アメリカ主導で「イラン・北朝鮮への圧力と制裁」が宣言されています。何よりもオバマ政権はイラク・アフガニスタン侵略戦争を継続・激化させています。
  労働者として生き闘ってきた、ある広島の被爆者は次のように語っています。「米国の大統領が『核なき世界』を言うたからと広島で応援しとる人らが今おりますが、原爆を市民に落とし、戦争を続けとるのはどこか。核兵器を完全に無くさん限り、私は信用も納得もできません」。
  こうした被爆者の怒りを先頭にオバマの核戦争政策と対決しよう。
  ユーロ危機はギリシャ、スペインをはじめヨーロッパを覆い尽くす巨大なゼネストとなって爆発しています。中国の日系企業でのストライキの続発など、労働者の怒りは激しく火を吹いています。オバマ足下のアメリカでも新自由主義の民営化攻撃と社会の崩壊に対して闘いが爆発を開始しています。動労千葉と全学連の国際連帯闘争の発展は全世界の労働者階級を急速に結びつけています。今夏、反戦反核闘争で国際連帯闘争をさらに発展させよう。

 体制内勢力を打倒し、反戦反核闘争の主流派へ

 第3の課題は、原水禁、原水協など体制内勢力との党派闘争・路線闘争を貫き、反戦反核闘争と日本労働運動の主流派へと飛躍することです。
  連合・原水禁は「北朝鮮非難」を大合唱するNPT再検討会議を賛美し、オバマを「核軍縮への姿勢を示してきました」などと持ち上げています。日本共産党・原水協にいたっては、この5月に志位が訪米して米政府と会談したことを「友好の第一歩」などと誇っている始末です。今まさに沖縄で帝国主義との絶対非和解の闘いが爆発しているその時に、帝国主義者を賛美し、お願いをしている無様な姿を容認することはできません。
  戦後最大、最長の反戦闘争としてある原水禁運動を体制内勢力の手から労働者の手に奪い返し、階級的・革命的に発展させることが今こそ必要です。原水禁運動は、社会民主主義とスターリン主義の制動と引き回しにも関わらず、日本労働者階級の戦闘性と階級性を打ち立てる決定的な契機となってきました。この階級性を復権させ、爆発的に発展させる時です。
  動労千葉の闘いを土台として新たに始まった「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回」の全国運動を軸に階級的労働運動を再生させることと、反戦反核闘争、反戦政治闘争の爆発は表裏一体、二つにしてひとつです。
  最大の決戦場は4大産別の労働組合です。民主党政権による国鉄1047名闘争の解体策動、菅の「公務員制度改革」を掲げた公務員労働者の大量首切り攻撃は、民営化・外注化・非正規職化を徹底的に推進すると同時に、4大産別の労働組合を解体し、改憲・戦争へと突き進む攻撃です。この攻撃の先頭に連合本部が立っています。
  日帝ブルジョアジーは、ヒロシマ・ナガサキ・オキナワの反戦・反核・反基地闘争の実体的担い手となっている4大産別の労働者の階級性を解体し尽くし、戦争遂行の先兵として動員することなしに戦争などできません。
  4大産別を軸に、あらゆる職場で動労千葉型労働運動を実践し、階級的拠点を作り出そう。体制内労組幹部のデマと裏切りを暴き尽くし、分岐を作り出し、やつらを徹底的に孤立させて労働者の多数派を獲得しよう。

 青年労働者を組織し、交流センター運動の拡大・強化を

 最後に、これらの課題を何としても青年労働者の獲得と交流センター運動の強化・拡大として勝ち取ることです。09年8・30自民党崩壊に続く6・2鳩山打倒情勢は、ブルジョア議会主義への幻想を打ち砕き、社民的「護憲」論の非現実性とまやかしを暴き出す一方で、青年労働者の政治意識を急速に活性化させています。この青年労働者を階級的労働運動が獲得するのか、それとも田母神のようなファシスト勢力の手に引き渡すのかどうかが問われています。
  現在の政治が徹頭徹尾ブルジョアジーの延命のための労働者への犠牲転嫁であることを暴き尽くし、労働者階級の団結した闘いだけがこの現実を変える唯一の力であることを訴え、動労千葉の勝利の地平をもって展望を指し示す組織と運動として労組交流センターが力強く登場しよう。そして青年労働者の怒りとエネルギーを大胆に解き放つ路線と行動方針を練り上げ、そのもとへ青年労働者を獲得しよう。
  歴史の教訓が示していることは、資本主義の危機の時代に帝国主義戦争(核戦争)を許すのかどうかは、労働者階級がこれと対決する労働者階級自身の組織と運動を作り出せるかどうかにかかっているということです。まさにそうした決戦として今夏8月ヒロシマ―ナガサキ反戦反核闘争を爆発させ、11月労働者集会の1万人結集へ、戦争と大失業を打ち破る階級的労働運動の巨大な潮流を作り出そう。
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■8・8―9ナガサキ反戦反核闘争に結集しよう

長崎労組交流センター(準)

 被爆55周年の今年、8月8日から9日、長崎で今年も反戦反核闘争が闘われます。
  力強く始まった新たな国鉄闘争の大運動の階級的息吹の中で、労働者階級とその国際的団結のみが、核を廃絶し、核戦争に突き進むオバマ政権や日本の民主党政権を打倒できる力であることを徹底的にはっきりさせる闘争にしていきたいと思います。
  ドイツから今年は4人の学生が来日します。激動するヨーロッパの闘いと連帯した国際集会として実現していきたい。
  8日には、午後1時から夕方の集会に向けた街頭宣伝を、長崎の繁華街の浜町アーケードで行います。午後6時からは、メインの反戦反核集会が開催されます。
  ここではドイツからの学生の発言、吉田義久さん(元相模女子大学教授)の「大恐慌の中でのオバマの核戦争政策」という講演、そして国労小倉闘争団の羽廣憲さんの新たな国鉄大運動に向けた発言が予定されています。
  9日は、早朝から爆心地公園などでの追悼集会へのビラまきを行った上で、午後9時に城栄公園に集合、デモに出発します。
  交流センターの皆さん全員の参加を強く訴えます!
(写真 105人の結集で勝ち取られた昨年の長崎反戦反核労働者集会【長崎県勤労福祉会館】)

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■8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ大行動スケジュール

 ヒロシマ闘争

■8月5日(木)
  各産別労働者交流集会 13時開場 広島市東区民文化センター
   ※13時から会場使用可能。実際の開始時間は、各産別部会にお問い合わせ下さい。
  オキナワとヒロシマを結ぶ 全国青年労働者交流集会 in HIROSHIMA
   18時開始 広島市東区民文化センター(広島市東区東蟹谷町10-31)

■8月6日(金)
  首相来広弾劾デモ 午前7時から
    東千田公園(日赤原爆病院前)〜原爆ドーム前
  8・6ヒロシマ大行動
   12時30分〜(11時開場) 広島県立総合体育館小アリーナ
   デモ行進 15時〜17時解散予定 体育館〜原爆資料館下
   デモ終了後、田母神来広演弾劾行動(詳細未定)

■8月7日(土)
  碑めぐり 午前9時から 原爆資料館下集合

 ナガサキ闘争

■8月8日(日)
  街頭宣伝 13時〜 浜町アーケード
  反戦反核集会 18時〜 長崎勤労福祉会館(長崎市桜町9-6)
■8月9日(月)
  爆心地へ向けたデモ 午前9時、城栄公園(長崎市城栄町)に集合、デモ出発

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■動労千葉労働運動の普遍性と労働運動の無限の可能性を確信

(写真 コンルータス全国大会で発言する動労千葉・照岡清一いすみ支部長【6月3日】)

6・3〜6・10ブラジル労働運動との交流

動労千葉を支援する会山本弘行事務局長に聞く

 山本弘行・動労千葉を支援する会事務局長は、6・13集会の発言の冒頭で「ブラジルを訪問してきました。私たちの近い未来、数年後の未来を見るような気がしました。私たち自らの手で連合支配を崩壊させた、そういう状況を見る思いでした」と述べた。
  ブラジルのサントス市で6月3日から開催されたコンルータス(全国闘争連盟)全国大会およびコンルータスとインターシンディカル(労組会議)の統一大会に、動労千葉代表団の一員として参加した山本事務局長に話をうかがった。(編集部)

(写真 6・13集会で発言する山本事務局長)

 ブラジル訪問で獲得された2つの意義

 まず山本事務局長は大きく2点で今回のブラジル訪問の意義を語った。
  「動労千葉の労働運動がストレートに入って行ったということです。その団結力と闘いの強靭性が、ブラジルの闘う労働者に見事に受け入れられたことが非常に特徴的でした。
  もうひとつは、労働運動は本当に何でもできるんだなという実感をみんな持って帰ってきたということです。4000人のホームレス労働者が土地占拠闘争をやって生活している。それをコンル―タスが根っこから支えている。そういう力を労働運動は持っているんだと実感しました。こういう経験をしてきたうえで、6・13集会で新たな闘いのスタートに参加できたのは本当に素晴らしいことです」

▼「動労千葉のレジスタンスと団結の 追求は模範とすべきものだ」

 まず第1の意義について、そのことを象徴的に示したのが、コンルータス教宣部アンナ・クリスチーナさんによるインタビュー記事だ。
  「4日の午前中1時間半ぐらいの記者会見だったんですが、コンルータスの教宣部長がこう言っています。『動労千葉のレジスタンスと団結の追求は模範とすべきものだ』と。そして日本代表団が『最も生き生きとし、また最も参画的な代表団だった』と。事前に日本側の様々な資料を送っていたので、それを読んで動労千葉の闘いの歴史を押さえたうえでの表現だと思います。
  インタビューは訪問してまだ2日目だし、ファビオさんとの交流も去年のサンフランシスコ国際会議からだから1年弱、非常にまだまだ浅い交流なのに、動労千葉の階級的労働運動がブラジルでも通用しちゃう。アメリカでも韓国でもそうでしたが、これは本当に強烈でした。
  動労千葉の団結力、あくまで解雇撤回を貫く1047名闘争の姿勢がストンと通じちゃったというのはすごいことです。
  動労千葉の照岡さんの発言の後は、『24年間の闘いについて知りたい』と言って資料をもらいに来ます。『日本に労働運動があったんですか? すごいことをやっている』という人も。大会参加の多くの活動家が非常に注目をしてくれました」
(写真 GM工場前でGMの現場労働者と集会【6月10日 サンジョゼ・ドスカンポス】)

▼労働運動はここまで出来るのか!

 次に2番目の意義について。
  6月10日、山本事務局長自身は日程の都合で直接は参加できていないのだが、コンルータスの拠点の金属労組(自動車メーカー・GM、航空機メーカー・エンブラエル)を訪問した。サンジョゼ・ドスカンポスというサンパウロから東北へ90qぐらい行った工業地帯に、金属労組の事務所がある。GM工場では、2交代制の交代時間のちょうど15時に合わせて、門前のビラまきに参加、さらに50〜60人の門前集会で動労千葉の闘いについて報告し、国際連帯をアピールした。ビラはほとんど全ての人が受けとる。
  その後、金属労組の委員長、副委員長が土地占拠闘争の現場を案内してくれた。
  「労働運動というのはここまで出来るのかという驚きに近いものがありました」
  工業団地の一角を、コンルータスと一体で闘っているホームレス労働者運動(MTST)およびホームレス都市運動(MUST)という組織が中心になって、自前で住処を建て広大な土地を実力占拠するという闘いをやっている。
  「4000人ぐらいが占拠闘争やっていて、1日では回りきれないそうです。訪問する方はかなり緊張していたが、住民はみんなニコニコしていて明るい。日本語で『おはよう』とか『ありがとう』とか言って子どもが寄ってくる。住民も活動家風ではなく全く『普通』の人たち。当局が追い出したりするけれども、追い出されても別の所に集まって、また戻ってくる。4000人もの規模になるともう手出しが出来ないということです。
  コンルータスの中心的指導党派であるPSTU(統一社会主義労働者党)の現闘もある。占拠地の真ん中に集会場もあって、そこでいろいろな事を決めてやるらしい。地区ごとに選挙をやって、代議員はいつでも解任可能。コンミューン型の自治が実践されている。電気も『盗電』で、水は本管から枝分けして『盗水』。それを実力で認めさせている。まさに『治外法権』に近い状態です。
  でもルラ政権はこのまま放置はしないと思います。4000人が占拠して廃品回収、食堂、床屋まで自主運営している。新自由主義を目玉とするルラ政権が、こんなことを放置しておくわけがありません。激突が必ず来ると思います。得体の知れないNGOなんかが占拠民にミルクを配給するなどして、買収、懐柔が行われている。コンルータスとの間に分断を持ちこむのが目的のようです。日本の民主党が、「新しい公共」などとNGOを持ちだすのとどこか似ています。
  サンパウロでは街を歩いていてストライキの現場に出くわしたり、空き家になってるビルを占拠し、赤旗を窓から垂らして闘っている人々を見かけます。
  大恐慌下の階級決戦が近い。恐らくそういうところまで想定してコンルータスは、もう一つの闘うナショナルセンター・インターシンディカル(労組会議)との統一を構えたんだと思います。コンルータスはルラとの対決を鮮明にして、インターシンディカルをどれだけ引きつけるかということで、勝負に出ているのではないでしょうか」
(写真 土地占拠闘争の現場を訪問【6月10日サンジョゼ・ドスカンポス】)

 切り開かれた国際連帯の壮大な展望をバネに日本の地で新たな挑戦を開始しよう!

 ここであらためてブラジル訪問の概要をうかがった。
  大きくは3つの行動。ひとつは6月3〜4日に行われたコンルータス大会と5〜6日のコンルータスとインターシンディカルの統一大会(この間に、日本の全学連とブラジルの全学連・ANELとの交流)。6月7日の国際代表団会議、それからサンジョゼ・ドスカンポスの工業団地訪問である。

▼6・3〜4コンルータス大会―― ブラジルにおける党と労働組合

 大会1日目は夕方からの開始となったが、ギリシャ、ハイチと並んで動労千葉が発言。「24年間原則を曲げず闘い抜き、今また、職場は新たな分割・民営化攻撃との攻防の最中にあります」とする照岡さんのアピールに、約2000名の代議員が結集する会場はスタンディング・オべージョンと拍手が鳴りやまなかった。
  また、2日目には「日本政府による国鉄分割・民営化攻撃を弾劾し、1047名の国鉄労働者の解雇撤回を求める決議(案)」が満場一致で採択された。
  「コンルータス大会で感じたのは2点あります。第1点は、第4インター・モレノ派(※)の流れを引く国際労働者同盟(IWL―FI)のブラジル支部であるPSTUという党の存在についてです。その党がコンルータスにしっかりと根を張っていることです。
※ヨーロッパに本拠をおいた体制内的な第4インター統一書記局派に対する反対派として結成された党派
  大衆集会でもある大会でPSTUのTシャツをみんな着ているなんて、なかなか私たちには想像しにくいです(笑)。女子高校生なんかがPSTUの赤旗にくるまってニコニコして写真を撮ってもらっています。PSTUだけじゃなくて他の党派もみんなそういう自己主張をしており、例えて言えば1970年過程の反戦青年委員会運動のような状況が大会会場で繰り広げられていました。
  ポルトガル代表団の方からの話ですが、ポルトガルでは共産党による労働組合の引き回しがきわめて強く、しかも共産党は決して表には出ない。そうしたスターリニズム的、官僚主義的支配を突き崩していくため、ストレートに党派の主張を出していこうと。ブラジルでは大統領ルラの党・PT(労働者党)の支配に対抗するということがあるので党派的な主張が強くならざるをえないのではないかと。またPTへの「加入戦術」という場合、PSTUは自らの主張を隠さずにPT内での組織化を追求し、そのうえで組織的分離を勝ち取って行ったようだとも話していました。分科会などでも現場労働者が自分たちの属する党派の主張をどんどん発言します。ストレートな主張をぶつけ合うということが特徴的でした。
  もう一点感じたのは、学生、青年の組織化についてです。これは、インターシンディカルとの対立点でもあるのですが、新たなナショナルセンターとその指導部の中に学生組織を入れるべきなのかどうかということでガンガン論争をやっています。
  学生組織ANELの主張は、日本の全学連の主張と極めて近い感じです。“学生は本質的に労働者だ、だから労働者と学生の一体的闘いは必然的だ”ということをゴリゴリと主張していました。ブラジルでも教育の民営化攻撃との攻防が焦点で、学費のアップも激しいと言っています」
(写真 コンルータス大会2日目。動労千葉の動議を採択【6月4日】)

(写真 コンルータスとインターシンディカルの統一大会【6月5日】)

▼6・5〜6統一大会の背景――ルラ打倒とランク&ファイル

 5〜6日のコンルータスとインターシンディカルとの統一大会について。83年に結成されたCUT(中央統一労組)が90年代に入って労使協調主義(対立的パートナーシップ路線)に変質していった。02年労組指導者出身のルラが大統領になると、CUTはルラの立場に立ち新自由主義攻撃の先兵と化した。CUT内左派の労働者はこれに抗して06年コンルータスを結成。その時点ではまだCUTに残留した左派が後にインターシンディカルを設立した。
  この2つの組織の統一が昨年11月に呼びかけられ、半年を超す努力の末に、統一大会を迎えた。2日間に渡る統一大会は、結局、統一名称と臨時執行書記局だけを決めて、全国書記局の構成など多くの課題が残された形となったが、「闘う統一」に向け大きな一歩が踏み出された。
  「背景には党派間の歴史的な対立と、ルラからの決別の度合いがあるようです。しかし、インターシンディカルの現場組合員の中に、階級的労働運動を掲げるコンルータスとの統一を求める部分があります。大恐慌下の階級的要求として統一が希求されて勝ち取られていくのは間違いないと思います」
  6月7日は20カ国、200人が参加して国際代表団会議が開催され、ゼ・マリアさん(コンル―タス・PSTUの大統領候補)が、「昨日の事態[統一大会が、名称問題などでかなり紛糾したこと]をお詫びする」と真摯に述べた上で、「労働者階級の要求に沿って新しい組織を作ることが必要。AFL―CIOのような合併の仕方はしない」「統一大会ではランク&ファイルの声が多数派として表現された。ランク&ファイルに基礎を置いて組織を作ること。統一もそういう形でやることが重要。現場に基礎を置いた労働運動が基本だ」と述べた。
  あらためて山本事務局長は、コンルータスのランク&ファイルの姿勢について強調した。
  「コンルータスの構成は、組合ごと加入している場合と、労組交流センターみたいな形で職場のフラクションも組織しています。ランク&ファイルに徹底的に依拠した闘いをやっているようですが、構成組織との交流は今からの課題です。
  大会渦中に行われた分科会でも、ランク&ファイルが自分たちの目と耳で論争を理解し、矛盾の解決を見いだすことができるように組織されている感じでした。誰でも発言できるという雰囲気で、PSTU、コンルータスやインターシンディカルも率直に自らの考え方を表現しているように思えました。ランク&ファイルに徹底的に依拠するという原則が貫かれており、統一大会もまさにこのランク&ファイルの声が多数派として表現される形となりました。
  あと本当に若いということです。コンルータスが本格的に登場するのは2007年なので、運動が若いということでもあるのですが」
  南米は新自由主義の発祥の地であった。そこが〈反米大陸〉となった。その過程で、日本の民主党・連合政権とは比べ物にならない内容で、「希望の星」のルラが大統領として登場する。そのルラが新自由主義に手を染めるのはさほどの時間を要しなかった。ハイチに対する帝国主義的な出兵・占領に関しても、その中心に位置している。これに抗するコンルータスの登場は、本当に決定的な意義を持っていたのだ。

▼鮮明な方針、明るい展望―― 動労千葉のアピール

 その後、8カ国の国際代表団からの闘いの報告がなされた。
  「動労千葉の照岡さんからは、日本労働運動を職場生産点から甦らせていく新たな全国運動の開始と、安保・沖縄闘争の大爆発を闘い抜き11月集会に総決起するとのアピールが行われて、会場から割れんばかりの拍手です。鮮明な方針の下、明るい展望を語る照岡さんのアピールは光っていました」
  最後に山本事務局長はこう締めくくった。
  「アメリカ、韓国と発展してきた国際連帯が、今回、南米労働運動との接点が開かれたことで、文字通りインターナショナルな壮大な展望が開かれました。国際的な普遍性を有する動労千葉労働運動、反合・安全闘争路線が、その根幹に位置しています。まさに、世界大恐慌下で行き場を失って凶暴化する資本主義と対決する闘いの如意棒となりました。
  ブラジルでは、職場の闘いで突きあたっている壁を国際連帯の中で突破して行くという言葉をよく耳にしました。私たちの思いと全く同じです。正直に言ってどこまで進むんだろうとも思いますが、ここまで来たからにはもう後には引けないということです。
  日本国内では新たな全国運動が始まりました。6・13を契機にこの運動にかけてみよう、日本の労働運動の新機軸に躍り出ようというエネルギーがほとばしり出しています。コンル―タス大会の壇上と会場の一体感が、6・13で再現された感を強くしました。世界の仲間と手を組んで、日本の地で新たな挑戦を開始して行きましょう!」

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■闘う合同・一般労組

■国鉄分割・民営化反対、1047名の解雇撤回、非正規職撤廃! 新自由主義と対決する合同・一般労組全国協議会準備会(仮称)アピール

 6・13集会の集会の午前、合同・一般労組の全国の仲間が結集し、「合同・一般労組全国協議会(仮称)」準備会を開催し、「国鉄闘争全国運動」の先頭に立って闘う決意を共にした。今回のアピールを6・13暫定アピールとして叩き台にして討論し、8・5アピールを良いものにしたい。(東京東部地域合同労働組合 東部ユニオン委員長 小泉義秀)

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  全国の合同・一般労組は国鉄1047名闘争「新たな全国運動」の先頭に立とう!
  6・2鳩山・小沢は労働者の怒りで打倒された。鳩山政権の最も激烈な破綻点である沖縄普天間基地撤去の沖縄決戦と国鉄決戦が一体化し、鳩山・小沢を打倒したのだ。民主党―連合政権との最大の攻防が国鉄決戦であり、1047名解雇撤回の全国運動なのである。新たに発足した菅政権は、大増税を前面に打ち出し、小沢・鳩山ができなかったことを遂行しようとする極反動内閣である。新自由主義攻撃(民営化・外注化・非正規化・労組破壊)を徹底的に推し進め、改憲にまで突き進む政権である。ブルジョア議会制度が崩壊の淵にある中で、支配階級は労働組合の解体に総力を上げている。労働者階級の闘い、労働組合をめぐる攻防で一切が決せられる情勢に入ったのだ。
  「6・13国鉄分割・民営化反対 1047名解雇撤回 新たな全国運動スタート 大集会」に合同・一般労組の全国の仲間が結集し、「合同・一般労組全国協議会(仮称)」を志向する会議を開催し、「国鉄闘争全国運動」の先頭に立って闘う決意を共にした。大恐慌と戦争の時代、資本主義を前提にした体制内労働運動は産業報国会へ行きつく。戦争と改憲攻撃と闘い、資本主義を打倒する労働運動を構築しよう。労働者はひとつ!非正規雇用労働者・失業者を含め、全労働者を対象に今こそ全国の合同・一般労組が団結し、力を結合して、階級的労働運動こそ新たな主流派として登場しよう。とりわけ2000万青年労働者を獲得していくために全力を傾注し、猛然と組織化の闘いに突入しよう。
  前原談話の「国鉄改革の完遂」とは全産別で民営化・外注化を行い、非正規雇用を拡大するということである。動労千葉を叩き潰し、動労千葉とともに闘おうとして続々と結成されてきた我々の合同・一般労組を根絶やしにしようとする攻撃が今回の「政治和解」なのだ。動労千葉を守り抜き、1047名闘争を発展させることが、彼我の攻防の一切である。
  動労千葉は新自由主義の究極の合理化攻撃である国鉄分割・民営化と真っ向からストライキで対決し、団結を強化・拡大して勝利してきた。団結を総括軸とする動労千葉労働運動こそ新自由主義に唯一勝利する労働運動だ。道州制によって「一旦全員解雇・選別再雇用」の国鉄分割・民営化型攻撃が全社会化されようとする時代に、87年分割民営化に問題なしとすることは階級的裏切りである。分割・民営化との闘いは終わっていない。今が渦中だ。動労千葉が生み出した1047名闘争は新自由主義による団結破壊と解雇を絶対に許さない労働者階級全体の基軸的たたかいとしてある。国鉄分割・民営化絶対反対を貫く1047名解雇撤回闘争は、24年の闘いで全産業に及ぶ非正規化・民営化・外注化を核心的に阻んできた。第2の分割・民営化攻撃である4月1日検修全面外注化を動労千葉は団結の力で阻止したではないか。このたたかいの全国的実践、全国運動にこそ労働者階級勝利の大展望がある。
  非正規職撤廃・派遣法撤廃を掲げる非正規労働者の闘いは、4大産別の正規雇用労働者と一体になって闘った時に勝利できる。4大産別で体制内の組合支配をランク&ファイルで覆し、階級的労働運動のたたかう組合権力を打ち立てるために全国の合同・一般労組はたたかってきた。今、JRの外注化先の非正規雇用労働者の闘いが動労千葉と固く連帯して闘い抜かれている。郵政の非正規雇用労働者が正規雇用労働者と固く連帯して闘い抜いている。あらん限りの不当労働行為・組合破壊攻撃と全国の合同・一般労組が闘い抜いている。この攻撃の全ての根源はJRによる不当労働行為であり、分割民営化である。国鉄決戦を基軸に全労働者が団結してたたかうことが勝利への道だ。
  ここに、動労千葉とともに闘う全国の合同・一般労組は団結して「国鉄分割・民営化反対、1047名の解雇撤回、新たな全国運動」の組織化と基金運動の最先頭に立ち、合同・一般労組の組織強化拡大を目指し、新たな全国組織結成に向けて全力で闘い抜くことを宣言する。
  2010年6月13日

■マツダ宇品工場事件に対する緊急アピール(抄録)

広島連帯ユニオン

 6月22日の朝、マツダ宇品・本社工場内で労働者11名が暴走車にはねられ、うち39歳の正社員が死亡するという事件が発生した。この事件をめぐって、容疑者がマツダ工場で働いていた42歳の非正規雇用労働者(期間工)であったことから「会社への恨み」という報道が行われている。マツダ車のファミリアを暴走させた彼は「秋葉原事件のようにやるつもりだった」と言っている。これは“工場での秋葉原事件”そのものだ。彼を事件に駆り立てた怒りは単に個人的なものではない。事件は工場内で起こっているのだ。国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策の下で期間工と正社員に分断され、徹底した団結解体の中で生み出された絶望的な怒りの爆発だった。
  この怒りは労働者に一切の犠牲を強いて生き残りを図る自動車資本(マツダ)とそれと結託している連合・自動車総連(マツダ労組)という御用組合へ向けられたものに他ならない。私たちは09年「派遣切り」以来、マツダ工場での労働者の団結を訴えてきた合同労組として、あらためて正規・非正規職の分断をのりこえて、職場で団結を作り出し、闘う労働組合を甦らせることを訴える。
  世界は大恐慌に突入し、資本主義体制が崩壊の危機に直面している。各国政府は史上かつてない危機ののりきりをかけて、天文学的な公的資金を投入し、国債を乱発して資本を救済し、資本主義体制を何とか取り繕うために躍起になってきた。その中心が自動車産業だ。自動車資本は、「派遣切り」を容赦なく断行して何百万という労働者を路頭に放り出した。その一方で労働者から搾り取った血税を自動車産業に注ぎ込み、さらに“エコ・カー減税”というペテンで自動車産業を救済してきたのだ。それが「景気回復」なるものの正体だ。資本は雇用調整金を政府から受け取りながら、他方で労働者を切り捨て生き延びてきたのである。職場では、解雇・要員削減と過重労働が強制され、「会社のためにガマンして働け!」とマツダ資本とその手先である御用組合(マツダ労組)が結託して労働者の怒りを抑えつけてきたのだ。今回の事件は、この抑圧体制が崩壊したことを劇的に示している。
  では、労働者の怒りはどこへ向かうべきなのか。それは「(一社員ではなく)社長をやればよかった」ということなのか? いやちがう。労働者は怒りを燃やして起ちあがり、隣の働く仲間と団結して、職場に闘う労働組合を作り、資本と非和解で闘うべきなのだ。この〈あたりまえの労働組合〉の中に労働者の生きる希望と未来への展望がある。資本の生き残りのために政府中枢に入り労働者により一層の矛盾の集中(解雇・増税)を強制し、闘う労働組合に襲いかかってくる連合の幹部どもをブッ倒して、職場に闘う労働組合を甦らせよう!
  菅政権―民主党・連合政権が、大リストラと首切り・増税の反動政権であることは今や誰の目にも明らかだ。JALや社会保険庁労働者の大量解雇を皮切りに、公務員制度改革―道州制で360万人の首切りを強行しようとしている。この張本人こそ自動車総連(全トヨタ労連)出身の連合幹部・直嶋正行(通産相)だ。絶対に許してはならない!(中略)私たちと共に資本と闘い、中国やブラジル、全世界の労働者階級と連帯し団結して、人間らしく生きられる未来を切り拓こう!(後略)
  (2010年6月23日)

 

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ひめじょおん−女性部から

新たな全国運動を物販闘争で開始

 みやぎ交流センター 自治体労働者 引地真理子

 いよいよ「国鉄闘争の火を消すな」の新たな全国運動がスタートしました。みやぎの地においても6・13集会への参加を呼びかけるビラの配布や街頭宣伝、職場集会や学習会がそれぞれの産別で取り組まれました。また動労千葉の物資販売についても、以前断られた職場にも行く、という形で交流センター会員が力を合わせて取り組みました。
  仙台市職労においては、6月2日に秋田闘争団の小玉忠憲さんをお呼びして職場集会を開催し、今までにない結集を勝ち取りました。参加者からは、「労働組合のあり方が問われているのだとわかった」との感想が寄せられました。小玉さんのお話で既成の労働運動の問題が暴かれ、このままではだめだ、動労千葉の労働運動を学びたい、交流したい、という労働者を生み出しつつあります。また、参加した労働者が、1047闘争に心を寄せている労働者がこんなにいるのだと感じることによって、自分は少数派ではないし、間違っていないんだ、という自信を持つことにつながった側面も見逃せません。
  その後、動労千葉争議団の中村仁さんが物資販売オルグのため来仙し、区役所支部と本庁職場で直売会を開催することが決まり、すでに始まっています。仙台市職労は、全金本山の物販を長く取り組んできており、組合員のみならず管理職も買うというベースがあります。直売会は反動市政の一時期に開催できなかったのですが、10年ほど前から再開していました。本山闘争が勝利して物資販売が終了してからは国労稚内闘争団の直売会も取り組み、4者4団体問題が起きてからは動労千葉の直売会を行ってきました。徐々に販売額も増え、1日で20万円も販売したこともあります。今年からは直売会の会場も増やし、取り組む支部も増やそう、と頑張っています。
  またこの間、既成の労組指導部の「指導」という名の引き回しや抑圧に対して、外郭団体労組の中から反発の声が上がり始め、正規職員の役員を下ろして自分たちだけで執行部を形成する、という動きが顕著になって来ています。労組結成当初は必要とされた既成指導部の「経験」が逆に手かせ足かせとなっていることに皆が気づいたということです。そういう彼ら彼女らと共に闘っていける労働者にならなければ、と思います。
  最後に、みやぎ交流センターの機関紙に掲載された女性労働者の記事を転載し、みやぎの報告に代えます。

 みやぎ交流センター機関紙より

 4月から「労働者」になり、1カ月半過ぎました。(中略)働いてみて思ったことは、職場に怒りはあるはずなのに、みんな「仕方ない」とあきらめているということです。休日も人が足りなければ、休みの人に一斉送信で「誰か出られませんか?」とメールが来る。休みの日でも会社から「入力方法について注意」「不審人物についての注意」から「シフトの希望を○日まで」「今月は『7日間で2日休み』という原則を守れないです」というのまでメールで送られて来る。時には10日連続出勤と言うこともあるらしく、GWの時期は7日連続出勤して1日休んで、また5日連続…という人までいました。また、遅番の人は21時に仕事が終わるはずなのに22時くらいまでかかることが多いらしいです。それでも休憩室で愚痴を言うだけです。そんな仕事のせいか、20代、30代の労働者しかいません。結婚していても子どもがいるのは男性の管理職くらいです。当たり前です。不規則な勤務で拘束時間も長くて、子どもを育てることなんて出来ないし、そもそも結婚もお連れ合いの理解が必要です。
  仕事はシフト制だから休みもばらばら、休憩時間もばらばら。正直言って、どうやって団結を作ればいいのかわかりません。身分も正社員、長期契約の非正規、短期契約の非正規と分かれています。でも、それも分断なのだと思います。この分断を、どうのりこえるかが今後の課題だと思います。

 

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 

 6月19日に行われた第10期労働学校基礎講座第3回(テーマ「反合運転保安闘争を学ぶ」前半 講師 増田明生)の受講生の感想文を紹介します。

 合同労組組合員

 6・13がいかに歴史的な闘いであったのか、そして国鉄1047名闘争が国を越え職場を越えて共有されていける運動であるかを、改めて確認しました。(中略)
  「合理化」というのはあたりのいい、プラスイメージの言葉で、守るべき安全をないがしろにし、労働者に屈辱を強いる。合理化攻撃は本当に許せないです。労働者が豊かな生活をすることができない、こんな社会は本当に間違っています。
  「事故に対するうっ屈した怒りが公然たる怒りへ、闘争が労働者の誇りになった」「安全は思想であり、哲学である」この言葉がとても胸に残りました。そして「哲学であるとはすなわち生きるということだ」という増田講師の発言に感動しました。
  6・13は私にとってもターニングポイントだったと思います。自主的にビラを配り闘争に参加しました。(中略)もっともっとこの運動について知りたい。そう思います。

 教育労働者

 合理化攻撃の歴史背景と戦略をはじめて学習しました。すごーく勉強になりました。
  @合理化攻撃は単に企業、資本の利潤をあげるためではない! ロシア革命以後、ブルジョアジーが階級防衛のため革命を圧殺するため、全勢力を傾けて仕掛けている攻撃だ! ああ、そうだったんですね! 目からウロコです。ILOを使って世界各国に「生産性本部」を設置し、戦後革命の危機に見舞われた彼らが労働者の奴隷支配を永久に続けるために、水も漏らさぬ戦略をしいている! なるほどー、だから人員削減、能率化、スピード化だけでなく A右派労組の育成→日本では労使協調労組の育成にエネルギーを注いだわけですね。そのために生産性労働大学まで作り労組の専従を集めて全国的に右派労組幹部を育成して労働戦線の右翼化を公然と組織化していったとは! 私は体制内労組執行部、ダラ幹は彼らの出自(企業トップ出身とか)のせいかと思っていましたが、ブルジョアジーの階級意思で育成されていたんですね。とっても分かりやすい説明でした。 B「テーラーシステム」には仰天しました。「最高熟練者の最速時間」が「正しい作業時間の基準」!!! どこまでも労働者から搾りとろうという資本の極悪さがよくわかる。労働者を奴隷どころか人間扱いしていない証拠であり、これから見ても労働者階級は資本と非和解であることが明々白々だ。ここを確認しないと幾多の既成労組の敗北にあるように挫折してしまう。Cだからこの合理化攻撃という敵の全体重をかけた攻撃にまっ向から闘わなくてはならない。(中略)〈資本との党派闘争〉の場である職場=学校から、私も〈反合闘争〉を再生していく決意です。

 自治体労働者

 資本の合理化攻撃に対しても、右派執行部と対決して下からの階級的な労組組織化−つまり青年労働者の力で闘いをつくりあげてきた動労千葉の反合・運転保安闘争が自分の職場にも必要だと強く感じた。
  もちろん、そうした目的意識性を持って日々労働現場にいるつもりなのだが、職場での合理化、生産性向上のイデオロギー支配は強大で、仕事を早く要領よくこなす人(実体は雑&手抜き)が人間的に「いい人」のような雰囲気が蔓延している。青年労働者こそがそうしたイデオロギーにがんじがらめにされている。そうして「要領よく」たち振るまっているように思う。
  「ひとりは万人のために、万人はひとりのために」最初の一人になるために、もっともっと強くなりたい。
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 第10期労働学校日程

■基礎講座
  7月17日(土) 13:00〜
  ◆反合運転保安闘争を学ぶ
  ◆講師 田中康宏(動労千葉委員長)

■実践講座
  8月28日(土) 13:00〜
  ◆改憲阻止闘争について
  ◆講師 山俊吉(弁護士)

■場所 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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●労働ニュース(2010年5月16日〜6月15日)

朝鮮半島有事なら「適切・迅速対応」
  政府は、朝鮮半島有事の際の在日米軍出撃に関し、米側から事前協議の要請があった場合は「適切かつ迅速に対応する」と米政府に伝えていたことが11日、わかった。
就職「氷河期」に逆戻り
  大学を今春卒業した就職希望者の就職率が前年度を3・9下回る91・8%になり、2年連続で悪化したことが21日、文部科学省と厚生労働省の調査でわかった。
国家公務員採用4割減を決定
  政府は21日、11年度の一般職国家公務員の新規採用者数の上限を4783人とする方針を閣議決定した。「おおむね半減」を目標としたが、削減率は39%だった。
教職員「物言えぬ雰囲気」
  23日の報道によると、北教組による違法献金事件をきっかけに、北海道内のすべての公立学校の教職員に組合活動や政治的行為の有無をたずねる調査が実施された。
都内賃金不払い 過去10年で最多
  東京労働局のまとめによると、09年に都内で起きた賃金不払い件数は08年に比べて36%増の502
6件だった。2年ぶりの増加で過去10年では最多。
失業率悪化5・1%
  総務省は28日、4月の完全失業率が5・1%で、3月に比べて0・1ト上昇し、2カ月連続で悪化したと発表した。
イスラエル軍 ガザ支援船を強襲
  イスラエル沖の地中海で31日、パレスチナ自治区ガザへ向けて支援物資1万dを積んで航行していたパレスチナ支援団体「フリー・ガザ・ムーブメント」の船団をイスラエル軍特殊部隊が強襲。9人が死亡、34人が負傷した。
鳩山首相 退陣
  鳩山首相は、2日午前に開かれた民主党の両院議員総会で辞任する意向を表明した。
保護主義への対抗で一致
  札幌市で開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合は5日、自国の産業支援や雇用確保を最優先する保護主義に対抗する方針で一致した。
労働紛争の相談 最多
  10日の報道での東京労働局のまとめによると、09年度に同労働局が受け付けた労使間の個別労働紛争に関する相談件数は、前年度比16%増の2万9107件で過去最多になった。
道州制法案「策定を」
  全国44の経済同友会でつくる地方行財政改革推進会議は11日、道州制の推進基本法案を早く作るよう政府に求める意見書をまとめた。
心の病で労災申請22%増
  過労が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、09年度に労災申請した人が前年度より209人増の1136人で過去最高だったことが14日、厚生労働省のまとめでわかった。
菅内閣、官僚との連携打ち出す
  菅内閣は8日夜、首相官邸で初閣議を開き、政権運営の「基本方針」を決めた。 「脱・官僚依存」を掲げた鳩山政権で、官僚との連携の悪さが指摘されたことを踏まえ、官僚との連携を打ち出した。
W杯競技場でスタッフ賃上げデモ
  サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会が開催されているダーバンの競技場で13日夜、現地スタッフが賃上げを求めてデモを行い、警察が催涙ガスやゴム弾を使用する騒ぎがあった。
中国、労働運動の監視強化
  15日の報道によると、中国各地で拡大する労働争議を巡り、中国当局が労働運動の監視強化に乗り出した。共産党指導下の労組全国組織、中華全国総工会は、外資や民営企業に労組を設立するよう緊急通知。スト参加者の多数を占める出稼ぎ労働者(農民工)の加入も指示した。
年金機構が派遣法違反
  日本年金機構は15日、労働者派遣法で定めた原則1年の派遣可能期間の制限を超えて派遣労働者に作業をさせていたとして、東京労働局から同法に基づく是正指導を受けたと発表した。
普天間、日米合意を尊重
  民主党の夏の参院選公約の外交・安全保障分野の全容が15日判明。普天間飛行場について「普天間基地移設問題に関しては、日米合意に基づき、沖縄の負担軽減に全力を尽くす」とし、昨年の衆院選公約から方針転換した。

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■青年労働者は団結してたたかおう! OVER REV

 日本機械労組 那須 巌隆

 私が勤めている日本機械工業は、経営不振のため、昨年工場を移転することを決めたが、移転先は不明。現在ある工場の土地売却が決まれば、すぐ実行するという、まるで沖縄の基地問題がそのまま民間企業になったような会社である。
  しかも、3月には移転問題とは別に、希望退職による首切り・賃下げ・雇用条件の悪化となる7項目のリストラ案を出してきた。
  会社のリストラ案は、われわれに「会社のために職場を去れ」というものである。
  この間、退職金の切り下げや、家族手当の変更、賃金カット、低額の賃上げと一時金という中を、歯を食いしばって頑張ってきたが、その結果が首切りである。経営者は、われわれ労働者を、道具か材料のように思っているのか。
  会社は「赤字体質を脱却するため」「銀行から融資を受けるため」「親会社から債務保証を得るため」と様々な理由を語り、われわれに犠牲を強制してきた。工場移転の提起も同じく「債務超過の解消が求められているので、土地を売る」、そして、「債務を整理し、残った金で移転する」というのである。
  このような状況の中で出た、今回のリストラ案は一体何なのか。これは、ニッキ再建のためではなく、組合員への犠牲の転嫁であり、闘う組合の破壊を目的としたものである。組合が移転問題で「全員の雇用を保証しない移転は認められない」と訴えたときに会社は「現在の規模での移転を考えており、全員がいける場所を探している」と言っていた。そして「移転しても黒字になる体質が必要である。コストの削減ばかりでなく、業容の拡大で事業を広げたい」と言っていた。だが、そのすべてが嘘であることが、今回のリストラ案で明らかになった。
  会社の言う黒字化は限りない労務費削減だった。さらに言うと、移転するためには規模の縮小、人員の整理と労働条件の引き下げが必要なのである。これが今回のリストラ案であり、移転の正体である。
  会社は利益のため、生産体制を外注化させ、正社員は必要最低人員だけにする気である。
  だが、外注するとまともな消防自動車を作ることはできない。人の命を守り、人のために安全に機能する消防自動車は、われわれが作ってきたのだ。
  ニッキの消防自動車に誇りと自身をもって携わってきたのは、経営者ではなく現場労働者であるわれわれだ。消防車を作る喜びを知らないやつらに、ニッキの運命を任せるわけにはいかない。
  ニッキと同じように、日本中の労働者が犠牲を強いられ、ニッキと同じように闘っているのだ。ニッキの闘いは全労働者の闘いだ。
  今こそ労働者としての誇りと意地を見せる時だ。労働組合は団結が力である。団結の強化の中に勝利のカギがあるのだ。労働者は全職場で合理化反対の闘いに立ち上がろう。
(写真 春闘半日ストで工場内をデモする日本機械工業労働組合の労働者【3月23日 東京・八王子市】)

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■JP労組第3回定期全国大会

中央本部は「JPEX推進」の責任をとれ! 非正規職撤廃! 即時、正社員化を勝ちとろう

全逓労働者部会

 6月9日(水)〜11日(金)、千葉ポートアリーナにおいてJP労組第3回定期全国大会が開催されました。
  今大会は、民主党・鳩山内閣が倒れ、郵政見直し法案が廃案になる中での開催となりました。

 JPEX破綻の居直り許すな

 JP労組中央本部は、なんば奨二・元本部書記長の参議院議員選挙勝利を唯一の方針に、JPEX子会社化を戦略事業だと言って推進してきた責任を居直りました。昨年の10・1JPEX子会社化は、現場の闘いによって阻止されました。子会社化の失敗で残ったものは、859億円(郵便事業会社の2010事業年度事業計画収支予算における損失)という巨額の赤字です。さらに2010年7月1日からは、日本通運とJPEXを郵便事業会社に統合しスタートするという内容です。
  現場では、この事業統合を目の前にして大混乱しています。管理者の中でさえ「7・1スタートは破綻的だ」という空気が圧倒的です。見切り発車は間違いありません。そのツケを現場に押し付けようという魂胆です。7月に入れば、お中元の季節であり、ゆうパックの取扱量は半端ではありません。さらに、7月1日まで1カ月を切っているのに要員配置も業務の準備も完璧ではありません。
  全国から集まった現場で闘う組合員は、降りしきる雨の中で、早朝からマイクを握り、「本部はJPEX推進の責任をとれ」「代議員、傍聴の組合員は本部打倒で共に闘おう」「なんば選挙にうつつをぬかすな」「なんばは、JPEX推進の張本人だ」「なんばは、職場に戻って働いてみろ」「国鉄闘争勝利の大運動を共に闘おう」「現場から闘う労働組合に作り直そう」と訴えました。JPEX問題は、全国的に現場の関心事であり、わたしたちのビラは、吸い込まれるように代議員、傍聴の組合員に受け取られました。さらに、マイクを使っての訴えに多くの組合員が聞き入っていました。
  情宣活動終了後、私たちは、大会会場周辺を郵政民営化絶対反対の横断幕を先頭にデモを貫徹し、昼からは昼食休憩で出てくる代議員、傍聴の組合員を前にして、大会会場前での決起集会を開催しました。JPEX問題から、さらには「非正規職撤廃! 即時、正社員化を勝ちとろう」と訴えました。

 非常勤の仲間の声を聞け!

 全国の職場では非常勤の仲間の切実な声が寄せられています。
  「10年以上働いているが、仕事は正社員以上に出来ると思う。それを今さら、こんな試験を受けろとか作文を書けとか、ふざけるな」「同じ仕事をして手取りは正社員の半分以下。夜はラーメン屋で働いているけど、それでも食っていけない」「正社員になった人は、上の顔色をうかがい、横目で同僚の様子を見て、サービス残業や自爆営業までやっていた」「いつ雇用打ち切りになるかわからない。言いたいことも言えない。少しでも文句言うと課長は『やめていいんだぞ』と脅す」。
  中央本部は、組織拡大を言っているが、非常勤の仲間の切実な声を聞いたことがあるのか! 民営化対応と称して全逓・全郵政本部が当局と一体となってやってきたことは、本務者の人員削減と非常勤化です。巷では、職場の3割が非正規になると異常な職場と言われていますが、郵政の職場は6割が非正規職に置き換えられています。この状況に対して黙っていたら、おかしいことがまかり通る社会になっていきます。非正規職撤廃! すべての非常勤の仲間を本務者へ! この要求は当然の要求です。
  雨の全国大会でしたが、全国の現場で闘う組合員は意気揚々と情宣活動、デモ、集会をやり抜き、6・13大集会を後半戦の出発点に、職場で闘う仲間を拡大し、闘う組合を取り戻そうと誓い合いました。全国大会の議事の様子を聞いたところ、JPEXの責任問題は、相当数の代議員から出されたそうです。本部提案に対する一票投票も59票の反対が出たそうです。いよいよ現場の闘いが勝負になります。

 今こそ「職場の執行部は私たちだ」の闘いを!

 鳩山内閣が倒れ、菅内閣が登場しましたが、菅首相の所信表明演説は、@「戦後行政の大掃除の本格実施」A「経済・財政・社会保障の一体的建て直し」B「責任感に立脚した外交・安全保障政策」を掲げています。その中身は、国鉄分割・民営化の完遂であり、改憲と戦争、民営化と労組破壊を徹底してやるのだという表明です。小泉構造改革の下で強行された郵政民営化は、JPEX子会社化の失敗によって、すでに破綻しています。この破綻を取り繕っているのがJP労組本部です。これまで、現場の闘いから確立してきた「民営郵政とそれを支えるJP労組中央本部打倒」というスローガンを現場の全ての組合員のものに出来る条件は整ってきました。
  今後の現場における取り組みとしては、非常勤職員の本務化と7・1宅配便事業との統合との闘いが待ったなしです。非常勤職員の本務化と事業統合は、平行してやられます。7月から職場は大混乱必至の状況ですが、この大混乱の責任は、現場の労働者には一切ないということです。
  そして、7月参議院議員選挙に大きくシフトしているJP労組本部、本部派執行部に取って代わり、「職場の執行部は私たちだ」という闘いをやっていこうということです。
  本部派執行部は、組合員を「なんば選挙」に動員するのに必至になっています。しかし、鳩山内閣が倒れたことが意味することは、議会制民主主義の崩壊です。その時、労働組合はいかにあるべきかが問われているのです。議会で責任をとる連中はいないではありませんか。小泉元首相が「官から民へ」などというキャッチフレーズでやったことも、国家財政の10
00兆円とも言われる赤字の責任転嫁を郵政民営化をとおして労働者に押し付けるということであったはずです。そうした政府・財界のやってきたことが、職場において日常的に起きている要員不足、事故の多発などとして現われています。そして、政府・財界のみならず、郵政当局にも現場に責任をとる者はいないということです。
  現場のことは、そこで働く労働者が、みんなで知恵を出し合い、みんなで決めていく。そういう職場を作り出す決定的チャンスが到来しています。7月の職場闘争をひとつの転換点に後半戦に打って出よう!

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■国鉄全国運動を職場生産点から推進し、公務員大量首切りの菅民主党政権打倒へ

 鳩山・小沢退陣と菅新政権の登場

 6月2日、鳩山・小沢体制が打倒され、民主党は、菅新政権の下で参院選になだれ込んだ。「普天間問題」と「政治とカネ」とは、労働者の怒りの爆発点だった。他方、日米争闘戦と財政破綻の中で、日帝に戦争と民営化以外の延命策がないことが示された。ブルジョアジーの意を受けた官僚権力、マスコミは、小沢主導の利益配分型政治を叩きまくって民主党を新自由主義政党へと舞い戻らせた。
  プロレタリア革命の最後の防波堤=民主党政権の崩壊は、戦争か革命かの大激動への突入だ。労働者階級の怒りの先頭で国鉄・沖縄決戦を闘い、1047闘争解体攻撃を打ち破ってきたことがこの情勢を切り開いたのだ。
菅政権の階級的正体は、所信表明演説、参院選マニフェスト、「新成長戦略」などに明らかだ。
  第1に、沖縄の怒りに敵対し、日米安保強化を進める戦争政権だ。菅は、就任するや日米合意の実行をオバマに約束し、マニフェストから「在日米軍基地見直し」を削除した。岡田外相らは「県民の合意がなくても辺野古新基地建設を進める」と言い、さらに朝鮮有事の事前協議への「迅速な対応」を打ち出した。菅は「自国のために代償を払う覚悟」を呼号している。
  第2に、「強い経済」「強い財政」を掲げ、法人減税と消費増税を打ち出し、原発やインフラのトップセールスに精を出す独占資本の先兵だ。「新成長戦略」は、規制緩和・民営化の全面的推進を打ち出している。経団連が「新政権に望む」で打ち出した要求を丸ごと請け負うものだ。
  第3に、「新しい公共」「地域主権改革」「公務員制度改革」の名による公務員大量首切り政権だ。民主党が「国家公務員総人件費2割削減」を公約すれば、自民党は、「地方公務員人件費も2割削減」、みんなの党は「 公務員給与2割、退職金3割カット」を打ち出し、参院選は、公務員バッシングの競い合いの様相を呈している。
公務員大量首切りとの闘い
  連合は、菅政権発足直後に「税制の抜本改革」「新成長戦略の推進」「新しい公共を踏まえた行政改革の推進」を盛り込んだ政策協定を民主党と締結して「安定的政権基盤の確立に全力をあげる」とした。連合自らが消費税増税、民営化、公務員大量首切りを推進するのだ。連合指導部と現場との矛盾はいよいよ激化する。自治労、日教組をめぐる攻防が最大の階級的激突点だ。
  「新しい公共」とは、鳩山が「公務のスリム化につなげる」と言ったように、公務員のNPO・ボランティアへの置き換えだ。埼玉県志木市では、時給700円のボランティアへの業務委託で600人の職員を50人の「専門官」だけにする攻撃が進行中だ。「地域主権改革」は、道州制による360万人首切りだ。地域主権戦略会議をぶん回しているのは、大阪府知事の橋下だ。原口総務相は、次期通常国会に道州制推進基本法を提出すると打ち出した。
  「公務員制度改革」は、高級官僚の「天下り」問題が焦点になっているが、「能力・業績主義人事管理の徹底」と「労使交渉による勤務条件決定システム」導入という大攻撃だ。能力・業績主義人事管理については、従来の「勤務評定」に代えて「人事評価」を法定した08年の国公法改悪にあわせた地公法改悪が未貫徹だ。国家公務員には、D評価を受ければ「勤務実績不良」で分限免職するシステムが整備された。地公法が改悪されれば、こうした仕組みが全国の自治体で一斉に導入される。
  「労使交渉による勤務条件決定システム」は、「労働協約締結付与」と引き替えに、基本権制約の「代償措置」とされてきた人勧制度を廃止、「民間準拠」を超える賃下げを可能にし、身分保障も民間並みにする。「朝日」スクープの「公務員庁設置」は、マニフェストには盛り込まれなかったが、連合との政策協定で「労働基本権回復、民主的公務員制度確立」がうたわれている。来年の通常国会に改正案が提出され、12年度から新制度に移行することになる。

 民営化の進展と連合の屈服

 この問題の発端は、01年の公務員制度改革大綱が、労働基本権を制約したまま人事院の機能を縮小し、内閣・省庁の人事権を強化することを打ち出し、連合・全労連がこれをILOに提訴、大綱の見直しと団交権・争議権付与が日本政府に勧告されたことにある。小泉政権は、公務員制度改革は先送りして、民営化による公務員労働運動の戦闘主力=現業部門の削ぎ落としに全力をあげた。郵政公社化―民営化を強行し、指定管理者制度や官民競争入札など外注化のツールを揃え、総務省・地方行革指針で交付金削減をテコに民間委託・非正規化を自治体に迫った。
  この10年間の民営化、非正規化攻撃はすさまじく、国営現業は解体され、80年に40万近くいた自治体現業は約6割削減されている。他方、06年から始まる「質の高い公共サービス」運動を画期として連合・公務労協は、民営化推進、能力・業績主義推進に転換した。こうして「労働基本権回復」が俎上に上ってきたのだ。
  行革推進本部の調査会に連合、自治労、国公連合のトップが入り、「協約締結権付与」を答申、08年6月の国家公務員制度改革基本法に盛り込まれた。具体的制度設計も学者・政府・連合の三者構成の委員会で進められ、09年12月に「自律的労使関係制度の措置にむけて」と題する報告書が仙谷行革担当相(当時)に提出された。

 首切りか賃下げかの労使交渉

 スト権剥奪のままの「協約締結権」など「労働基本権回復」の名に値しない。連合は、スト権回復の第一歩のように言うが、その楽屋裏を見れば、財界サイドが連合の足下を見透かし、争議権付与もよしとしていたのを、連合が協約締結権だけにしてくれと政府に泣きついたのが真相だ。(渡辺喜美『公務員制度改革が日本を変える』)
国会の政府答弁では、「労働基本権付与は、総額人件費削減のための手法だ」「人勧制度の下ではなしえなかった給与体系の抜本的見直しが可能となる」と公言されている。実際、官民比較の調査方法の変更、俸給表水準4・8%切り下げによる地場賃金への引き下げなど、人勧制度下の賃下げは限界なのだ。大恐慌下の財政破綻の責任を公務員労働者になすりつけ、大量首切りと大幅賃下げを進める切り札が「労使交渉による勤務条件決定システム」なのだ。
  財政難を理由とする県独自カットと「自主交渉・自主決着」の名による闘わざる妥結として、それはすでに先取りされてきた。自治労労働局は、「12年を目処に、人事院・人事委員会勧告制度が廃止されるという前提にたち」、2割削減した給与表を労組の側から提案している。
「協約締結権」というが、「勤務条件にかかわる予算・組織・定員」は、そもそも協約事項から除外されている。連合は、交渉事項にすべきだと主張しているが、総人件費削減を定数削減=首切りでやるか、一律賃下げでやるかを話し合おうというものだ。

 職場から国鉄全国運動を!

 だが、当局は、現場の反乱の恐怖から免れられない。そこで、この制度は、「中央交渉で交渉事項のすべてを扱い、中央交渉→府県交渉→地方交渉の順に交渉を実施し、先に行われた交渉事項は、下位の交渉では交渉できないこととする」という官僚統制を労組幹部に課している。地方公務員についても、職員団体登録制度の見直しともかかわって、「中央交渉において、地方公共団体の連合体』と『職員団体の連合体』が統一交渉を行う」などの案が示されている。
  「労働基本権回復」や「協約締結権付与」の議論と、軌を一にしてやられてきたのが、社保労組や全農林への大量処分、北教組への大弾圧であり、組合活動の権利の全面剥奪と現場労使協議の解体だ。ここにこの攻撃の本質がある。
  「官製ワーキングプア」が激増し、過労死・在職死が続出する公務職場。労働基本権は、まさに生存権の問題だ。労働基本権は実力で奪還するものだ。問われているのは、一般的「組織拡大」ではなく、ストライキと職場闘争で闘う路線と団結だ。今秋闘こそ、執行部の裏切り妥結を許さず、ストライキを断固打ち抜こう。
  国鉄全国運動を職場から起こし、労働組合を取り戻そう。

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●読者のページ

 物販闘争、力はいってます

 高陽第一診療所労働組合 「動労千葉を支援する会・広島」運営委員 榊谷きみ子

 私は、診療所外来の受付業務をしていますが、診察待合室に物販コーナーを設け、「首切り撤回、民営化反対を闘う国鉄労働者の物資販売にご協力を!」というボードとカタログを掲示し、患者さんや職員に物販を広めています。
  外来や入院の患者さんが「まだ国鉄があるの?」とか「解雇撤回を23年間も闘っているの?」とか、声をかけてよく買ってくださいます。売り方も一工夫して、たとえば缶入り1500円のチョコレートは5つに小分けし、ラッピングして300円で販売したり、味噌汁は豆腐や長ネギなどに分けて一袋260円にするなど、受診に来られた患者さんにも手頃で買い求め易いようにしています。組合員も、親戚や近所の方から注文を取ってきたり、患者さんや利用者さんに購入を勧めたりしています。
  職員の間でも、「友達にあげたらおいしいと言ってくれた」とか、更衣室などで話題になっています。また、「仕事の後にたいへんね。でも患者さんも楽しみにしているからね」と声をかけてくれる職員もいて、そういう声を聞くと嬉しくて、またやる気がでます。
  毎期、デイサービスや厨房の各部署にカタログを回し、患者さんや地域の方にもカタログを郵送していますが、今年は「国鉄闘争の火を消すな!」の声掛けに労組も力を入れたこともあり、注文が例年以上に早く多く集まっています。
  5月24日、動労千葉の高石さんと広島市内や、職場のある高陽(こうよう)地区の高教組を中心に物販まわりをしました。「分会に回します」と言って物販を引き受けてくださった地区支部の役員の方もいたり、事前にアポを取った分会長さんで、校門が閉まっている時のためにと、連絡のため携帯番号を教えてくれたり、総じて各所で積極的好意的な対応がありました。当日は、昼休み時間を利用して、私の職場でも高石さんとの交流会を持ちました。新しく参加した労組員もまじえ、高石さんの熱弁をうかがい、さしいれていただいたケーキを食べながら和気あいあいと交流会を持ちました。
  物販回りでは、確かに一部では「組織」を盾に突っぱねられる場面もありました。しかし、めげず、そしてこちらの側から高い垣根を設定することなく、地道に取り組んでいくことが大切だと思います。
  不屈に闘う被解雇者の魂に触れれば、労働者同士、必ず心は動くのです。これからも確信をもって、がんばっていきたいと思います。

 『解雇は殺人だ―金属労組双龍自動車支部77日占拠スト闘争白書』翻訳パンフ発行!

 動労千葉を支援する会

 昨年5月下旬から8月上旬にかけて果敢に闘われた双龍自動車労働者の工場占拠ストライキ闘争から1年を迎える。この闘いの意義を、現場で闘った組合員の視点から明らかにする白書が今年1月末に韓国で出版された。『解雇は殺人だ――金属労組双龍自動車支部77日占拠スト闘争白書』(金属労組双龍自動車支部・労働者歴史ハンネ著)だ。
  448ページにも及ぶ大著が、スト終結のわずか半年後に出された。その原動力は何か。
  「双龍自動車支部の闘いを低める資本と政権のイデオロギーを終息させ、闘いの意味と成果を歪曲しようとする勢力に対抗し、『事実』を知らせるために白書作業を急いだ。」(序文より)
  「整理解雇撤回などそもそも無理であり、代案を提示すべきではなかったのか」「工場占拠よりもソウルに出て行って訴えるべきではなかったのか」などという外からの論評に対し、闘いに立ち上がった労働者自身の実践の事実で、闘いに臨んだ労働者の思いとその言葉で、「勝利した闘いだ」ということを突きつけてやる必要があったのだ。
  「私個人としては勝利した。あの中でのように覚悟して生きれば、どこに行っても生きられる」「労働者として自分の所信を持って、力強い闘争、そして共に闘った時間が自分にとっては大切な記憶として残るだろう」「妻が一緒に闘う中で予想外に過激になった!」(現場の声より)
  白書は、「経済恐慌期に資本に迫った危機を労働者に転嫁するやり方」に対し、「整理解雇が簡単でないことをはっきりと見せつけてやった」と双龍車支部の闘いを総括している。闘いの結果についても、「要求案と実現度を比較して計量的な勝敗を云々することはできない。…労働者の原則的な闘争それ自体がすばらしいものだからだ」ときっぱりと言い切り、しかしその上でスト突入の時期や交渉戦術、上部団体の連帯闘争の欠如など闘いの限界と課題も厳しく総括している。
  重要なことは、「この闘いをとおして、資本主義社会を正しくつかむことのできる1000名余の同志を残せたとしたら、とてつもない未来を準備したと言える」と総括していることだ。白書の最後で整理解雇撤回・職場復帰闘争に向けて現場を再組織し、労働組合を原状回復することが呼び掛けられているとおり、双龍自動車闘争の真の勝利はこれからの団結と闘いの継続にかかっている。
  われわれの国鉄1047名解雇撤回闘争も、その闘いが断固貫かれるならば「とてつもない未来を準備」する運動なのであり、白書の思想にも通じるように「労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる」(中野洋『甦る労働組合』)のだ。
  このたび、この白書の発刊の辞と序文、そして「闘争の意味と総括」を論じた4章が日本語に翻訳され、小冊子として発行された。双龍労働者との連帯の道は、この闘いを徹底的にわがものとし、自らの闘いを自らの現場で断固実践することだ。
(送料込み頒価500円。10部以上は300円。動労千葉を支援する会で取り扱っています)
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労組交流センターに入ろう!

  交流センターは、個人でも入れます。入会希望の方は、入会申し込み書をご請求、ご記入の上、会費を添えて本部または各地域労組交流センターにお申し込み下さい。
  会費は1人あたり全国会費(1000円/月)+地域会費です。地域会費は各地域交流センターにお問い合わせ下さい。

●『月刊交流センター』を読もう!

 1冊300円 
  取り扱い書店
[東京]模索舎 新宿区新宿2-4-9中江ビル
[愛知]ウニタ書店 名古屋市千種区内山
     3-33-8新今池ビル
[大阪]三鈴書林 大阪市北区同心1-2-8-107
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  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

  今号の編集、校了目前に、手元に『追悼 中野洋前委員長』(動労千葉発行)が届けられた。思わず読みふけってしまい涙する。いつも顧問が見たら何と言うだろうかと思いながら編集作業を行っている。「趣味に走るんじゃねえ」と怒られないようにしないと(笑)(う)

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Photo Document

5・27静岡 民主党・連合政権支える自治労本部打倒!

27〜28日に浜松で開催された自治労中央委員会に対して自治体労働者部会と静岡労組交流センターは、結集する組合員に国鉄・沖縄決戦、鳩山民主党・連合政権打倒、自治労本部打倒を訴える宣伝活動を行った。

5・31東京 日逓中野門前闘争 解雇撤回まで闘うぞ!

日本郵便輸送(旧日逓)中野営業所に対する門前闘争が当該の小林久志君を先頭に多数の労働者の参加で闘われた。1年前の5月31日の雇い止め=解雇を絶対に許さず、解雇撤回まで何年でも闘いぬく宣言だ。

6・18神奈川 職場から全国運動を作り出すぞ!

神奈川労組交流センター主催の集会には、6・13大集会の熱気と感動を引き継いで、103人が結集。共同代表の西田貴広さんが、全国運動を神奈川で強力に作り出していこうと力強く基調提起を行った。

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