2011年12月号(通巻No.261)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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11・6全国労働者総決起集会に5950 人が結集(東京・日比谷野外音楽堂)

労働者の目  国鉄闘争全国運動と反原発闘争で12 月闘争を闘いぬき、2012 年徳島全国総会へ

・階級的労働運動の原点から11 月労働者集会を徹底的に総括し、
新たな闘いを始め直す決意を打ち固めよう  田中康宏 代表運営委員 動労千葉委員長

国際連帯の前進と課題          動労千葉国際連帯委員会 小島江里子

12・22 鈴コン闘争勝利! 総決起集会への大結集を! 一般合同労働組合 東京西部ユニオン

「仲間の命を守るのが労働組合だ」―11月集会への取り組みと課題 仙台市役所・動労千葉を支援する会

控訴審勝利判決を武器に業績評価制度廃止へ   東京労組交流センター・教育労働者部会
沖縄情勢の核心と11 月労働者集会の総括 沖縄労働組合交流センター代表運営員 柿本博人
医療事故闘争を闘ってつかんだこと 徳永健生 三多摩労組交流センター 医療・福祉労働者部会
3・11 情勢下で5つの新たな分会が誕生――労働組合運営への本格的挑戦 東海合同労組

ひめじょおん−女性部から 闘わずして勝利なし―職場での苦闘

動労千葉労働学校で学ぼう!

『月刊交流センター』主要目次(5)NO.194( 2006年5月号)〜NO.229(2009年4月号) 

読者のページ  BOOK −『序局』創刊号 

・●マンガ /編集後記

 労働者の目

国鉄闘争全国運動と反原発闘争で12月闘争を闘いぬき、2012年徳島全国総会へ

羽廣 憲 常任運営委員 国労九州小倉地区闘争団

 11・6労働者集会を全力で闘いぬき、被災地・フクシマと全国の労働者が合流できました。全国各地で徹底した総括を行いつつ次の闘いに突入していると思います。私たちの力はまだ小さいかもしれません。今の社会を変えるために私たちに課せられた課題は大きい。しかし、絶対にやり遂げる決意がみなぎった真剣さは必ず人の心を動かせます。地域で職場で団結を積み上げて資本に対する怒りの反撃と、核と人類は共存できないことを鮮明にした反原発闘争を組織するためにさらなる奮闘が求められていると思います。労働組合の現実を変えるためには私たちも変わらなければなりません。非和解、非妥協の激しい闘いで団結を拡大するために交流センターの会員は全力で闘い続けよう。
 11月20日、佐藤幸子さんを招いて「すべての原発いますぐなくそう!全国会議・福岡」が結成されました。青年が集会を牽引し、新たな反原発組織を福岡の地に登場させることができました。玄海原発、川内原発を廃炉にし、すべての原発を廃炉にするために闘いぬくことが結成宣言で確認されました。
 労働組合こそが原発を廃炉に追い込む闘いを開始して、闘う労働者と結びつき「復興」攻撃との闘いを被災地労働者とガッチリ団結を固めて階級闘争として闘おう。
 闘わなければ殺されてしまう世の中をここで変革できるかどうかが勝負です。
 今できることを全部やりきろう。そして12月闘争を闘って年度末までの闘いを担いきろう。その核心は国鉄闘争全国運動と反原発闘争を職場で、街頭で訴えきることだと思います。同時に、闘いが発展するにあたって交流センターも発展しなければなりません。来年2・4〜5の徳島全国総会で組織的一致を勝ちとり大飛躍しよう。
(写真 11・6労働者集会で国労闘争団を代表して発言する羽廣憲さん)

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(写真 11・6労働者集会に結集した動労千葉の隊列)

■階級的労働運動の原点から11月労働者集会を徹底的に総括し、新たな闘いを始め直す決意を打ち固めよう

田中 康宏 代表運営委員 国鉄千葉動力車労働組合委員長

 11月労働者集会から訪韓闘争まであらゆる力を結集して闘いぬいてきました。3月11日の大震災以来、この情勢に負けてなるものかと全力で自らの職場や地域で闘ってきたと思います。自分自身としても大震災以降、なりふり構わずやってきました。その意味ではこの大変な状況の中でこの情勢に負けないものをつくることができたと思っています。
 そのうえで今年の11月集会について、全体の声を集めて総括することが大事です。それぞれの職場の闘いでうまくいったり、いかなかったりいろいろな総括があると思います。そういうことを全部集めて総括することが新しい出発にとって大事です。
 ひとつひとつを総括することが大事だということは中野顧問がずっと言い続けてきたことです。「闘争をやりっ放しにするんじゃない。だいたい左翼の悪いところは闘争をやりっ放しなところだ。ひとつ闘争をやったらうまくいってもいかなくてもちゃんと土台にして新しい前進をしていく、というふうにしないといけない」と言ったのは顧問です。

●激動情勢と11月労働者集会

 さて総括をする場合、いくつか視点があると思います。
 ひとつは、何よりも今の情勢との関係で11月集会がどうだったのかということを総括しなければいけない。
 情勢についてはここでは多くを語るつもりはありません。だけど激しく動いています。例えば今一番焦点になっているTPPの問題です。あれは武器を使わない戦争です。これを言ったのは僕ではなくて、テレビに出ていたみずほ証券のアナリストです。そういう者までそうやって言う。武器を使わない戦争だと思っていたら、それどころかオバマがオーストラリアに海兵隊を配置するという。もうたちまち武器が目の前に見えてきた。これで衝突が始まる。ここまで帝国主義の危機が深まっているということです。大変な時代の転換点です。
 それと情勢を見る場合に、労働者がどうなのかを絶対に外してはいけない。労働者は、置かれた現実の中で今ものすごい流動化しています。意識の流動化です。大震災以降起きていることは、「がんばれ、日本」みたいな挙国一致的にからめとるという反動の動き。それと「もう我慢がならない」という命がけの怒りの声。資本主義社会のあり方のウソが全部暴き出された。これに対する腹の底からの怒りの声。この両者の違いは小さな違いです。たとえば膨大な人たちが被災地にボランティアに行っている。この人たちの気持ちは1ミリぐらいの差で、挙国一致的にもからめとられれば、こんな現実はもう絶対に許すことはできないという怒りの闘いにもなる。それぐらい大きな流動化が起きている。こういう事態が大震災以降の特徴的な情勢です。
 そうした怒りの声が9・19反原発集会の6万人の結集にもなった。時代が、歴史が動き始めている。これだってこの動き始めた動き、ガラッと動いた青年が敵の側の攻撃でワッと止められてしまうかもしれない。でも動き出そうとしている。
 こういう局面で考えたときに今年の11・6労働者集会の5950人は、率直に言って僕らの声がまだちゃんと届いていない現れとして見なければいけない。新しい闘いをここから始め直す決意を固めることが必要です。

●階級的労働運動をいかにつくりあげていくのか

 もうひとつは、僕らが実現しようとしているものは何なのかということから総括をする必要があります。
 僕らが実現しようとしていることは、階級的労働運動をつくりあげようということです。この大変で困難だけど、本当の意味でやりがいのある闘いへの挑戦です。この時代に本当にダメになってしまった労働組合をのりこえて階級的な労働組合、労働運動をつくりあげることが、この社会の最も最先端の変革なんです。僕らはこのチャンスがめぐってきている情勢だということをずっと提起をしてきたと思います。
 こういう点から見たとき、もうひとつ何か足りないところがある。ここを見極めて、新しい闘いを始める必要があります。

タンビョンホさんとの交流をとおして

 それに関連して、11月集会から訪韓闘争をやって感じたことを話します。
 今年は民主労総からタンビョンホさんという、民主労総本部の第2代委員長をされていた方が見えました。韓国に行ってもずっと一緒だったんですよ。民主労総の歴代委員長の中で誰が有名かというと、タンビョンホさんなんですよ。民主労総の委員長をやって、国会議員にもなってて恐らく身の振り方はいっぱいあったと思うんです。でも自分自身にとっては全然利益にはならないような、労働者の教育のセンターみたいなものを労働者には必要だということで今立ち上げようとしている。節を曲げなかった委員長だと思います。訪日中に夜ラーメンを一緒に食べたとき、携帯電話にいっぱい入っている写真を見せてくれたんだけど、マルクスとかゲバラの写真ばっかり。「自分はゲバラのファンなんですよ。官僚化しなかった唯一の革命家です」とか言うわけ。自分はマルクス主義者なんだということを言いたかったと思うんですよ。
 僕が思ったことは、恐らくタンビョンホさんは、民主労総ソウル地域本部は、どんな日本の労働組合とつきあっているのかを見に来たと思う。だけど、日本と韓国と一緒に行動を共にして思ったことなんですが、タンビョンホさんが理念交流会で最後に質問をしたんです。動労千葉の運動が非正規職の労働者をどういうふうに組織化しているのかということについて。それに僕はその場では答えたわけですが、後で交流会になったら、タンビョンホさんが来て「すみませんでした。意識的に質問をさせてもらったんです。ああいうふうに答えてくれると思って韓国の来ている人に聞かせたかったから質問をしたんです」と言ってくれたんです。つまり僕らがやっている運動、直接的に動労千葉の労働運動を先頭にした全国の仲間たちの運動ですけれども、これがやっていることはちっぽけなものではないということを、民主労総という鏡に照らして感じたんです。
(写真 11月7日に行われた日韓労働者理念交流会で報告をする田中委員長。右が民主労総元委員長のタンビョンホさん【千葉市・DC会館】)

動労千葉が『コミュニティ』になっていった3つの契機

 さらに関連する話ですが、ドイツの代表団からドイツの人たちに見せるためのビデオインタビューをしたいという要請があって、それをやりました。彼らから聞かれたことは、「動労千葉は、労働組合をただ要求をめぐる闘争組織ではなくて、ひとつの『コミュニティ』みたいなものとして考えているようだ。あと『義理人情』みたいなことも言う。そのへんのことについて聞きたい」と言うわけです。それに答えるのは難しいではないですか。そういう質問をされて自分も考えて、確かにそうなんです。
 労働組合というのは資本と闘う組織なんです。闘いぬきには労働組合は絶対に腐る。闘いのない労働組合は『コミュニティ』にもならない。資本と癒着したところに労働者の階級的共同性みたいなものは絶対に生まれない。だから闘わないといけない。だけどその手段としての闘争組織ではないと思うんです。労働者が労働組合に団結し闘うことを通して労働者としての誇りを取り戻していく。もっといえばひとりの労働者として、尊敬される人間としての存在なんだということを取り戻していく。このへんのことはものすごい大事なことです。そうしたものがどこでどうやってできてきたのかを考えると、動労千葉的には3つあった。
 ひとつは、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争です。これで闘うか闘わないかを突きつけられて喧々囂々の議論をして、組合員が全部首をかけて燃料輸送阻止闘争に立ち上がるということをつくれた。つくれたらそこに統制処分が来た。闘いをやめなければ執行部全員除名になる。労働組合というのは何なんだという議論になる。この過程です。
 ふたつに国鉄分割・民営化。首がかかったわけだから。3人に1人は首だと言われた。実際20万人、6年間で3人に1人どころか4割の労働者が職場を去った。こういう渦中で突きつけられたものは何かというと、闘ったらたくさんの犠牲者が出る。しかし、闘わなかったら、動労千葉みたいな小さな存在では組合員の蹴落とし合いになるわけです。だから闘うという道を選択した。闘うという道を選択して本当に闘うためには徹底的に議論が必要だった。動労千葉だけで立ち向かって実際に勝てるのか。理屈ぬきにした議論が必要だった。中野顧問流に言わせれば「勝てるか勝てないかじゃないんだ。団結さえ守っていれば絶対に展望は出てくるんだ」。それと「ここでもし闘わなかったら労働組合、労働者なんて惨めな存在なんだよ。もう二度と頭を上げることはできない存在になる。そんなのはやっぱりできない」。この過程。
 みっつめに反合・運転保安闘争。労働者にとって最も切実な問題が最も軽々しく扱われていた。闘えないものとして、労働者がミスして事故を起こした。そんなものを闘えるはずがないではないかと言われてきたものをこれこそが闘争なんだ、これこそが闘いの一番大事な課題ではないかと。だって労働者は明日は我が身で、首になるか命を落とすか切実に思っている。しかも合理化がガンガン来て安全が破壊される。逆に言うとこれで合理化攻撃に対して日常の365日の闘争になるんだという関係になった。そうでないときには合理化の提案がされる。されたときだけ、受動的に対応するだけで負けていくわけです。そういう組合員の議論の過程の中でできてきたのが、『コミュニティ』のような団結、「義理と人情」みたいなものも含めた階級的な団結だったと答えたら、「なるほど。闘いと別にあったわけではないんだ」という議論になりました。
 つまり全国のみなさんが実現している、実現しようとしている運動は、階級的労働運動の本道を行くようなものとしてある。
 しかし一方で、そういうものを実現していながらまだ現場の労働者の怒りの声とはちゃんと結びつけていない。この関係をどういうふうに突き破っていくのか。このことを真剣に考える必要がある。こういう視点からちゃんと総括をする必要があるということです。

●いかに現場の労働者と結びつくのか

 それともうひとつ、あそこに集まった現場の労働者がどう感じたのかということから、これと離れて総括をしてはいけない。本気になって階級と結びつくという闘いをやらなければいけないと思っています。

動労千葉組合員の感想

 動労千葉でいうと、うちの組合員が130人以上あそこに集まっているんですけれども、うちの組合員がどう受け止めたかということです。去年と同じような数ではないですか。だけど、うちの組合員の意見は、去年と今年は全然違うものとして受け止めているんです。去年はどう受け止めたかというと、国鉄闘争の「政治解決」の問題が4月にあって、動労千葉はある意味では決定的な孤立を強いられたわけです。20数年間闘ってきた国鉄闘争が動労千葉以外は足下から崩れたわけです。組合員はそのへんは敏感だから一体動労千葉はどうなるんだろうと。これまでも孤立を強いられて頑張ってきたけれども、ダメなんじゃないかって。そのなかで去年の11月集会は必死になってみんな努力してくれて変わらぬ数が集まったわけです。この道を進んでもよかった。成功したと受け止めた。
 今年は、大震災があって原発事故に対する怒りがこれだけあって、だけど怒りの声と結びつけていないということに対して、「ああ、これではダメなんだ」と。それがうちの組合員の感想なんです。何とかここを突き破らないといけない。僕らもちゃんとそういうふうに見て1年間新しい努力を始めければいけない。本気になって階級と結びつくという闘いをやらなければいけないと思っています。
 この時代に階級的労働運動に賭けてこの社会を変革しようと思ったわけだから、それぞれの職場や地域でこういうものをつくっていこうという原点にもう一回戻って1年間やるということです。

職場で闘うチャンスは山のようにある

 この時代だから、そういうチャンス、芽は、いっぱい生まれてきていると思います。
 例えば教労のことを言うと、原発事故があった。福島の県教組がギリギリのところで屈せずに立ち向かっている。だけど本当に苦闘している。こういう現実が、この事故があって福島との連帯を掲げていろいろな取り組みをやってみて初めて目に見えて共闘ということもできてきた。こんなのは今までは想像だにしなかったことです。
 そうしたときこれは全国の教育労働者のチャンスなんです。今までの延長線上の発想を断ち切って、これを自らの問題としてどのように現場の労働者と通じる形で組織できるのか
に飛躍をかけるチャンスが生まれてきた。だって子どもたちの命がかかってやっているわけではないですか。自らの教育労働という労働が根底から成り立つか成り立たないかということまで規定される事態が原発事故で起きた。ここで子どもたちが命を失って何が教育なんだということも含めて、こういう状況が生まれてきている。
 自治体労働者についても、このかん何度も「復興マスタープラン」の暴露・批判について強調してきた。なぜなのか。あれが現実に日本の労働者に起きることなんです。全面的な民営化、非正規職に突き落とされていく。それが公共部門の労働者をはじめとして放っておいたら待ったなしに起きることなんです。今までと状況は違う。
 実際、仙台なんかでは今闘いが始まっていますけれども、震災の後の豪雨の時に仙台市職の水道局の人たちが2人溺れて亡くなっている。マンホールから水があふれて川になって流れ、そこに夜中の22時緊急呼集がかかって出動していって事故に遭った。水道に関してはベテラン中のベテランだった。その人たちが、毎日、震災以降休みなしで休日もなしで働いていて、たぶん恐らくへとへとだったんでしょう。こんな状況の中で全部民営化される。だから職場から闘いをつくるということは生半可のことではない。でも腹を決めて闘いをやらなければいけない。
 医療の例でも、今回11月集会にダン・コフマンさんというILWUローカル21の委員長が来ましたが、実は滞在中に尿道結石になって救急車で病院に運んで治療してもらった。日本で払ったのは4万5千円。で、アメリカに帰って「石が出ました」という連絡が来たんですが、アメリカでいくら払ったと思う? 65万円だよ。TPPというのは日本もこうなるということです。そうなったときに医療の現場、医療労働者と患者の環境がどこまで破壊されるのか。
 だから職場で闘いを始めるきっかけになるような問題は山のようにある。だけど現場の労働者は本気になって訴えたとしてもなかなか立ち上がってくれないと思うんです。だけど、これは僕らの訴え方だ。職場の具体的な問題とそこからこれは労働者全体の生きるか死ぬかがかかった問題だということと、これを本当に自分の腹の底からの怒りとか、勝てる展望とかを込めて現場の労働者と毎日毎日格闘できているのか。ここが問われています。

外注化阻止闘争で動労千葉の組合員はいかに決起していったのか

 動労千葉が「民営化−外注化阻止、非正規職撤廃」の路線を確立するのに10年かかっています。外注化阻止闘争を10年間闘ってきて初めてこの本質が自分たち自身だんだん明らかになっていった。最終的には2009年に全面外注化の提案が本社から出されて、ここで本当の意味でこれが何なのかが明らかになった。闘っていなかったら、じわじわじわじわ外注化され、その延長線として全面外注化があって、ああ大変だなあで終わってしまう。
 だけど、うちの組合員がもう何十回とストライキに一糸乱れず明るく立ち上がってくれているのには、いろいろな要素がある。自分自身の問題とかあるけれど、一番大きな要素は、「これで労働者はここまで突き落とされてきた。こんなことくやしくないか。ひとつも立ち向かえていない。だったら僕らの闘いがどれほど社会全体に影響力を持つかどうかわからないけれども、俺たちの力で絶対に止めてやろう」ということなんです。つまり自分がどうだだけではない。
 うちの組合員も平成採を別にして、年令からすればみんな大体逃れられるんです。強制出向はさせられるかもしれないけれど、強制出向レベルで非正規にまでは突き落とされない。自分のことはもう実際にはあまり関係ない。
 現実に自分の身にふりかかろうとしている問題と、こういう形で労働者がここまで突き落とされた。俺たちはこんなことでこれからも突き落とされ続けていくのかよって。どこかで止めなければいけない。ここで止めれたら何らかの形で労働運動全体がもう一回息を吹き返すきっかけになるかもしれない。こういう展望があるからうちの組合員が闘ってくれているんです。こういう問題として見たときに活動家ではない一般の現場の組合員だって団結を固めて立ち上がる。このあたりに重要な契機があると思う。
 職場で闘いを始めるということは、教育労働者であれ自治体労働者であれ、郵政であれ医療であれ民間であれ、強烈な目的意識が必要。それと絶対に止めてやろうと思い切ることですよ。
 これは面白い話で、外注化は、動労千葉が立ち向かって、とにかくどんな手段をとったって止めてやろうと本気になって思って、闘争を継続すると、現場の組合員が止められるんだとみんな確信を持っちゃうときがあるんです。そこまでやりきらないとダメ。
 階級的労働運動をつくるということは簡単な話ではない。だけどここをやりきったら今年の5950人は間違いなく1万になるんです。ここでやったときに今年の5950人は、6万人の怒りの声と結びつく。僕らは、こうした労働運動をもう一回復権させるスタートラインに立ってるわけです。
(写真 「基地再編攻撃粉砕! 京葉構内外注化阻止! 組織拡大!」を掲げて開催された11・11動労千葉総決起集会 【11月11日 千葉市・DC会館】)

●くやしさをバネに職場から議論と実践を

 連合から全労連から『労働情報』系の人たちも含めて、そもそも階級的労働運動なんて不可能だと思っているんです。労働者はついてこないと思っている。その点ではみんな共通しています。これはそう思うだけの根拠はある。日本の労働運動の歴史を見てみたって階級的労働運動なんてちゃんと存在した試しがない。
 中野顧問の思想は「労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる」と。僕はここを確信に持ちたい。簡単ではないけれど、労働者の団結した力は社会を変える力なんだ、階級的労働運動、階級的労働組合は可能なんだということを。歴史的挑戦なのです。だからこれをつくることに侃々諤々議論を巻き起こし、こういう労働運動、労働組合をつくりたい、職場からこう闘えばいいんじゃないかということを議論する風潮を生みだしていくことです。階級的労働運動をつくることに最高の価値観、思想を持つ。こういうことを1年がかりでつくっていって自分の職場で実践する。これが必要だと感じます。
 加えてもう一点言いたいことは、階級的労働運動とは何かを理屈で言うことはいろいろな言い方ができるでしょう。だけど実際に職場で実現できなかったらいくら理屈を言っても始まらない世界です。つまり職場で団結を組織できなかったら。動労千葉がずっとやっていることも、口で言う以上は自分たちの職場でこれぐらいのことまではできるんだということを示さなきゃいけないということに尽きます。今の外注化阻止闘争はさしあたりどうなるかわかりません。僕らがここまで止められるということは、こうやってやったら大変だったけどできるんだと。それを示したいと思います。
 国際連帯も含めて、こうやってできたらこういうところまで行くではないかと。あとを生かすのはこれが無数の職場に広がるかどうかです。生かしたい。だってくやしいよ。はっきり言って勝ちたいですよ。9・19反原発集会の6万人だってこのまま行ったらあの6
万人の思いは死んでしまう。あの6万人は真剣な怒りなんです。取り込んでしまおうというような思惑も全部吹っ飛ばしてしまった。
 くやしさをバネにして怒って闘っていきたい。原点に帰って職場から1年がかりで組織をつくって来年は誇れるような、新しいスタートラインをつくりたいと考えています。
(11月19日にDC会館で行われた労働学校における挨拶を構成したものです)
(写真 11・6労働者集会の後、デモ行進する動労千葉の隊列【東京・銀座】)

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(写真 11・6全国労働者総決起集会の後、デモ行進する米韓独の代表と呼びかけ3労組【東京・日比谷】)

■国際連帯の前進と課題

動労千葉国際連帯委員会 小島 江里子

9年目を迎えた動労千葉の国際連帯

 動労千葉が韓国・民主労総ソウル地域本部とアメリカの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)ローカル10と結びつき、私たちの労働運動の国際連帯が始まったのは2003年である。最初は手さぐりであった関係も、互いの闘いの歴史を深く理解し、ランク&ファイルの力に依拠した労働組合運動に共鳴して前進し続けてきた。「労働者も人間だ、人間は機械ではない!」と叫び、自らの身を焼いて民主労組運動の足場をつくったチョンテイル烈士精神≠継承し闘う韓国・民主労総。「一人への攻撃は皆への攻撃」と1934年のサンフランシスコ・ゼネストを貫徹し、労働者の職と権利を確立し守り抜いてきたILWU。国鉄分割・民営化攻撃と対決し、「闘いなくして安全なし」を掲げて反合・運転保安闘争を闘い続ける動労千葉―世界で資本主義の要をなす韓国・アメリカ・日本の戦闘的・階級的な労働組合が出会ったことは、グローバルな大恐慌を前に決して偶然ではない必然的な出来事であったと思う。
 この間に、アメリカ教育労働者の最先端で闘うロサンゼルス統一教組(UTLA)や200万人の労働者を組織するブラジルのコンルータス、外注化に抗して激しく抵抗を続けるフィリピン航空労組(PALEA)などとも交流を深め、反原発闘争を媒介としてトルコの国際労働者連帯協会(UID−DER)との共闘関係も生まれ、またドイツ機関士労組(DGL)との出会いもあった。互いを知り学び合うことで、資本と労働者の関係がより鮮明になり、労働者が対峙する敵は世界中みな同じであり「労働者は一つ」だと確信を深めた9年間であった。来年で10年を迎える国際連帯の節目の年である今年は、世界の情勢が大きく動く中で、また新たに一歩大きく前進したと実感している。

世界中で激化する非正規雇用と国際連帯で対決

 動労千葉は、JR資本が進める鉄道業務の全面外注化を阻止し続け、労働運動の再生は民営化・非正規化との徹底した闘いの中で勝ちとられると、新たな外注化攻撃に再びストライキで立ち向かっている。新自由主義による非正規化攻撃は世界中で激しさを増しており、その主導的役割を担っているのが日本の大企業だ。
 この秋私たちは、民営化・非正規化と闘う世界の労働者に連帯して、日本で支援の国際連帯行動を行った。超低賃金と劣悪な労働条件の改善を求めて労働者が団結して起ちあがったインドのマルチ・スズキ自動車工場の闘いをバックアップするため、スズキ自動車東京本社に申入れ・抗議行動を行い、アメリカ西海岸のロングビューで組合破壊攻撃と断固実力闘争で闘い抜いているILWUローカル21を支援して、ジョイントベンチャーの日本側企業である伊藤忠商事本社へ抗議・申入れに押しかけた。また、フィリピン航空の従業員いったん解雇・非正規職として再雇用という外注化攻撃と果敢に闘う労組PALEAの支援のため、フィリピン大使館に要請行動にも出かけて行った。

労働者に国境はない

 米・日・韓合弁の国際ジョイントベンチャー企業EGTが運営する超巨大穀物ターミナルでの港湾労働からILWUを排除し、80年間に渡って組合が勝ちとってきたハイアリングホールの権利を奪って非正規職化を推し進めようとする資本と対決し、ILWUは穀物列車運行阻止闘争を闘っている。その闘いの只中で、ILWUローカル21のダン・コフマン委員長が11月集会に参加し、「動労千葉が伊藤忠に行って抗議闘争をし、ILWUへの敬意を表してくれたので、われわれも日本に来て動労千葉への敬意を返しサンキューと言わねばなりません」と語った。ランク&ファイルの義理人情≠ヘ、国際連帯でも健在である。
 今年のもう一つの国際連帯の躍進は、滞日・在日の人たちとの結びつきの劇的な深まりである。入管集会を成功させ、実行委員会を毎月定例化して討論を深めてきた成果であり、動労千葉に対する彼らの信頼が共に闘う確信へと結実して、11月集会のデモには100人を超える滞日・在日の隊列が形成された。

世界は今、革命情勢

 「われわれは99パーセントだ」と叫んでアメリカでオキュパイ・ウォール・ストリートが始まり、全米各地でオキュパイ闘争が展開されている。西海岸のオキュパイ闘争は、労働組合が市民と連携して新しい形の闘いに発展した。韓国釜山のハンジン重工業のクレーンろう城闘争は、全国の労働者・市民に熱い連帯を生み、大衆的な「希望バス」が組織され、キム・ジンスク女史は309日に及ぶ闘いに勝利してクレーンから笑顔で降りてきた。日本では、3・11の東日本大震災と福島原発事故が起きて、「すべての原発を今すぐ止めろ」と、労働者と市民が一体となった反原発闘争が盛り上がった。
 エジプト革命に端を発して、中東諸国、ギリシャ、イタリアなどヨーロッパの国々で、貪欲な1パーセントの資本家たちへの怒りが燃え広がっている。まさに今、世界は革命情勢だろう。このチャンスの時代に、私たちは本当に革命を切り開くことができるのか、労働組合が試される時が来た。
 国際連帯の発展が一人ひとりの労働者の職場組織化の闘いにどのようにしたら息づいていくのか、今後の国際連帯の大きな課題である。労働組合の復権が労働者を強くし、そして労働者が世界を変える。「すべての労働者に必要だけど、ほとんどの労働者がもっていないもの―それは労働組合だ」と、韓国の非正規の闘いを記録したビデオの冒頭で語られていた。国際連帯の使命は、共に闘う仲間が世界中にいることを知らしめ、闘う勇気と希望を分かち合うことではないだろうか。

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合丸ごと解体ねらう解雇乱発を許さない!
12・22 「鈴コン闘争勝利! 総決起集会」への大結集を!

一般合同労働組合 東京西部ユニオン  

 鈴木コンクリート工業分会で、組合丸ごと解体の解雇が乱発され、職場をめぐって火を噴いている。
 11月19日、東京西部ユニオン・鈴コン分会闘争緊急集会を行った。135名が結集。集会は悲壮感などなく、怒りと勝利の確信に満ちて明るく闘う鈴コン分会に参加者が突き動かされる感動的なものだった。会場カンパは10万円を超えた。鈴コン分会パワーは、どこまでも団結を拡大してやまない。
 西部ユニオン執行部からの経過と闘争宣言、合同・一般労組全国協、郵政非正規ユニオン、弁護団、さらに西部ユニオンの各分会や、東京各地のユニオンや交流センター、諸運動団体から、共に闘う発言があり、どれもが強い団結を表明した。全体をひとつにしたのは、鈴木コンクリート工業分会からの闘争宣言だ。
 2年半の闘争は一気に大攻防となった。8月に2年前の解雇当該である田口さんが急逝。怒りと悔しさを乗り越えて団結固めた分会に対して、会社は9月、組合に一言の話もなく、「SJK(鈴木コンクリート工業従業員の会)」を名乗る第二組合を使って、突然精勤皆勤手当の廃止通告をしてきた。分会は「故・田口さんの解雇撤回(名誉回復)・謝罪、一方的手当廃止撤回と釈明」を要求し、手当については組合員以外の労働者からも意義申立の署名を集めて突きつけた。会社が応えようとしない中で9・27ストライキに決起。この闘いを通して7月に入社したばかりの労働者が組合に加入した。10月半ば、会社は真っ青になり、スト懲戒処分と一体に、新入組合員を「資質に疑義」「度重なる仕事上のクレーム」という口実で解雇してきた。分会は、「不当な解雇と処分を撤回しろ」と当然の反撃をした。すると11月4日に内尾分会長(11・6集会で決意表明)、7日に鈴木分会会計、14日に吉本分会書記長(ユニオン委員長)を解雇してきた。「懲戒解雇にあたるが長年の功労あるから雇い止め」だと言う。そしてスト時や懲戒処分への反撃した社前街宣での言動が「会社の名誉を毀損した」というのだ。組合の存在と闘いそのものを解雇の対象にしてきたのだ。絶対負けられない。
 だが鈴コン分会は負けていない。青ざめているのは会社の方だ。会社は今でも、違法な過積載を非組合員に強制し、昼休みも働かせている(同意を得ていると言う! ふざけるな!)。あたりまえの要求と闘いをしてきた鈴コン分会は、団結して闘う腹を固めている。解雇は死刑宣告だが、分会は何度でも生き返って、明るく、したたかに、職場に残る組合員や労働者と団結して、信じて闘い続けている。動労千葉・動労水戸の闘いと西部ユニオン・鈴コン分会、郵政非正規ユニオンの闘いはふたつにしてひとつだ。12・22には、赤羽会館で大集会をやる。ともに闘おう!

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解雇撤回・非正規職撤廃
12・22鈴コン闘争勝利!総決起集会

とき 12月22日(木)午後7時
ところ 東京・北区赤羽会館大ホール
 東京都北区赤羽南1-13-1
 JR赤羽駅東口 徒歩5分、
 地下鉄南北線赤羽岩淵駅 徒歩10分

「仲間の命を守るのが労働組合だ」
――3・11情勢下の11月労働者集会への取り組みと見えてきた課題

仙台市役所・動労千葉を支援する会 

 今年の11月集会は、私たち支援する会にとって昨年までとは画然と異なる集会となりました。それは、3・11大震災と原発事故による情勢の大激動に真正面から向き合う中での結集であったこと、何よりも復興特区攻撃との職場での闘いをはじめ、「労働組合とはどうあるべきなのか」と職場の仲間に問いかけ、職場全体に責任を取る立場から仲間に訴え、闘いとった集会だということです。そして、そうであるからこそ、現在の私たちに足りないもの、これからの課題というものが見えてきたのです。

福島の怒りと結合して職場から決起

 今年の11月集会には、昨年を上回る市職労の仲間が参加しました。とりわけ初参加の仲間が多かったことが特徴です。9・11脱原発6万人集会にも市職労から多くの仲間が参加しましたが、11月集会はその延長上にあったわけではなく、二つの転換点があったと総括しています。
 ひとつは、10月7日に開催した「すべての原発いますぐなくそう!宮城集会」への参加を通して、組合員が福島県教組双葉支部の仲間の現地報告に触れ、福島の怒りと直接結びついたことです。同時に、動労千葉・田中委員長の外注化・非正規職化と闘うストライキの報告を受け、3・11情勢下における仙台市の職場の課題と動労千葉労働運動の実践が結びついたことです。そして動労水戸の被曝労働を許さない青年の団結した闘いを組合員が感動をもって受け止めました。この集会に参加した組合員が11月集会の参加を決め、支部で討論を経て仲間を誘い集会に参加しました。11月集会が組合員の討論のもと、みんなの闘いになった。結集人数だけには表れない前進です。
( 写真 11・6労働者集会で登壇した仙台市職労【日比谷野音】)

「仲間の命を守るのが労働組合だ」

 ふたつには、3・11以降の極限的労働強化に対して、具体的職場闘争をはじめ、職場の団結を組織して11月集会に結集したことです。
 3・11以降、仙台市の職場では事故により4名の仲間が命を失いました。2名の仲間が震災当日の津波で亡くなり、さらに2名の仲間が9月22日の台風15号の際に亡くなりました。行財政改革により5年間で約1000人の人員削減が強行される中での大震災。人手不足と多忙化の中で、かけがいのない仲間の命を失ってしまった。労働組合はこれとどう向き合うべきなのか、労働組合とは何のためにあるのか、支援する会の仲間で繰り返し討論しました。そして「仲間の命を守るのが労働組合だ」という立場をはっきりさせて「人員削減と3・11以後の極限的労働強化が、職場の安全を切り捨て仲間の命を奪った元凶だ。市当局に人員削減計画を撤回させて大幅人員増を勝ち取ろう。奪われた安全と労働条件を取り戻そう」と訴えました。11・6集会の1週間前のことです。職場・組合内における激論の中で、「その通りだ。闘おう」という仲間が団結して11月集会に結集しました。
(写真 11・6集会後のデモに立つ仙台市職労(数寄屋橋交差点付近】)

見えてきた課題とこれからの闘い

 その上で、見えてきた課題についてあげます。
 ひとつは、私たちが労働組合の主流派になり、職場の仲間とトコトン討論し、労働組合全体に責任を取り切るということです。連合や自治労本部の労使協調を批判しても、少数派に止まっていてはダメだということです。職場の仲間は、私たちが労使一体的な組合のあり方を本当に変革していくことができる、信頼にたる存在なのかということを厳しく問うています。開始した闘いを全職場、全組合員の共通の闘いにしていく、「全員の一歩」として前進していくことが課題です。
 ふたつには、動労千葉を支援する会の組織拡大です。このことは時代認識と路線で確信をつかんだ労働運動の現場指導部を生み出す闘いです。とりわけ青年組合員の中に支援する会をもっと拡げていきたい。私たちが大恐慌下の大震災の中で職場闘争に飛び込むことができるのは、定期的な学習会を通じて動労千葉の反合理化・運転保安闘争を学ぶとともに、解雇撤回の物資販売を職場の仲間と一緒に取り組んできたからです。この日常活動をもっと広く深く進めようということです。
 みっつめは、職場から反原発の取り組みを全力で組織し、女川原発廃止の先頭に立つ労働組合をつくりだすことです。反原発を闘うことが、自分の職場の資本(当局)との非和解性を職場の仲間がつかむ決定的な武器になります。「市職労が全国の原発を廃止する運動を引っ張っていこう」という声が、組合員の中から上がり始めています。宮城でも12月11日に『NAZENみやぎ』を結成します。地域・全国の先頭で闘う決意です。
 闘いはこれからです。市当局は、今後5年間でさらに600名の人員削減を狙う一方で、震災対応のためと称して3年雇いの任期付職員を50名募集すると言っています。区役所本体業務の外注化、被災保育所の民営化などの攻撃も激化しています。「支援する会」の日常的取り組みを軸に復興特区攻撃との闘いを貫いていきます。ともに、がんばりましょう!

■闘う合同・一般労組

3・11情勢下で5つの新たな分会が誕生 ――労働組合運営への本格的挑戦

東海合同労組 

 愛知・三重・岐阜の闘う労働者が結集する東海合同労組は、昨年の第7回定期大会以降、職場闘争と街頭宣伝を両軸に新自由主義攻撃と闘う労働組合の団結の強化と拡大を目指して闘ってきました。
 4月1日、東海合同労組に新しい分会が誕生しました。海上コンテナ輸送を行うH運輸で大型トラックの運転手をしているH分会です。分会長は、去年の一年間は建交労に所属して2回の団体交渉を行って来ましたが建交労執行部による会社と折り合いを付けるような団体交渉のやり方に疑問を持ち、東海合同労組に加盟しました。8月に入って新たに海上コンテナ輸送の大型トラック運転手が2人、10月には1人、組合に結集し、海上コンテナ輸送の分会が4つ誕生しました。
 また8月12日には、製鉄会社の青年労働者が「JMIU(全日本金属情報機器労組)は生ぬるい」として、「ルールある資本主義」を掲げて現場の闘いを裏切る日本共産党や全労連と手を切って東海合同労組に結集し、11月6日の日比谷集会に参加しています。

H分会の闘い

 5月11日から10月7日まで5回の団体交渉を行って組合が会社を追い詰める展開となりました。2年前に会社が行ったありもしない「監督署からの指導」による皆勤手当カットを断罪し「皆勤手当カットは、金額も大きいこと、不法行為は極めて悪質で責任は大きいので、謝罪文を掲示し、該当社員全員に対し遡及して賠償することを要求します」と職場の労働者全体の要求に高めています。また残業代をカットする「長距離手当」定額制度や所定労働日数の一方的減少による休業手当の不支給など会社の不法行為を追及する闘いが、ここに始まったのです。
 団体交渉は、分会長が団体交渉責任者となって自らの力で闘いをけん引しています。また、事前に分会長が団体交渉のポイントを作成しそれをもとに9回の分会会議で方針を練り上げました。そして本部委員長を先頭に執行部が5回の団体交渉に出席し会社との攻防をやりぬいて分会長との団結を深めてきました。
 団体交渉で追い詰められた会社は「皆勤手当は、平成21年8月当時に戻す事ができます。かつ、平成21年8月当時に固定の時間外割増賃金の趣旨で長距離手当を払ったとしても、それを超過する部分について払われていなかったのが違法だという部分を認めてそこについては今後合意すれば清算します。それで、妥結しませんか。他の従業員は、会社が潰れたら元も子もないから経営環境をわかって同意しています」として皆勤手当カットの謝罪を行うことなく、該当社員全員に対し遡及して賠償することもなく、固定の時間外割増賃金の趣旨の長距離手当の超過分を支給することを条件に皆勤手当を10月から復活します、という分断と屈服の反動攻勢に出てきたのでした。
 組合は、不法行為を居直る会社に対して皆勤手当の遡及支払いを求める裁判で闘うことを決定しました。分会長を先頭に組合は、団体交渉を基軸に裁判闘争も駆使して会社の不法行為を許さない闘いを展開していきます。

K分会の闘い

 JMIU(全日本金属情報機器労組)を脱退して東海合同労組K分会を結成した分会長は、譴責処分撤回などを要求して9月29日と10月27日に2回の団体交渉を行いました。
会社は2011年2月23日に、分会長が2010年12月25日に就業時間内に入浴していた行為、および勤務表に当日の退勤時間を定刻時刻と虚偽の記載をしていた行為が、会社の就業規則の懲戒処分に該当するとして譴責処分を通知して来ました。
 組合は、懲戒処分の有効4要件(@罪刑法定主義類似の諸原則 A平等的取り扱いの原則 B相当性の原則 C適正手続き保障の原則)を反撃の武器として会社を追い詰めました。不意打ちを食らった会社は、防戦一方で持ち返って回答することになりました。
 懲戒処分の有効4要件を反撃の武器にするにあたって組合は、合同・一般労組全国協議会傘下の各ユニオンと大野義文元安芸労働基準監督署長に判例や学説を照会しました。ユニオン東京合同のAさんからは自分も譴責処分撤回で提訴したばかりですとして訴状を送ってくれました。東京東部ユニオンや大野義文さんからは判例や学説など多くのアドバイスをいただきました。分会長は、合同・一般労組全国協議会のネットワークの力に感動しています。
 K分会においても、分会長が団体交渉責任者となって闘いをけん引しました。事前に分会長が団体交渉のポイントを作成し分会会議で方針を練り上げて一致し、本部執行部が2回の団体交渉に出席し会社との攻防をやりぬくことで分会長との団結を深めてきました。

労働組合運営への挑戦

 東海合同労組にとって5つも分会が一気に誕生したことは、役員専従体制がない中で果たして本部執行部と分会は一体となって運営していくことができるのか新たな挑戦でした。組合は、代行主義に陥ることなく彼らがそれぞれ分会長として会社と団体交渉を行い闘っていく主体であることを確認して分会を強化していくことを基本方針として闘ってきました。各分会の職場攻防が日々闘われる中でほぼ毎日のように組合事務所では、分会会議が開催されています。
 それができたのも、仕事ができないから解雇だという能力主義との格闘をはらんだ酒井鋼材解雇撤回闘争の団体交渉と労働委員会闘争の経験と解雇撤回の勝利、分会拡大を勝ちとった東和交通分会の職場闘争の前進と団体交渉破壊・拒否や最低賃金保障不支給の労組破壊攻撃と闘う労働委員会や裁判の闘いなどがあったからでした。

2012年への決意

 世界大恐慌がますます深刻化し、ニューヨークほか全世界で1%の資本家に対する99%の労働者の怒りのデモが闘われています。それらと連帯して東海合同労組は、12月18日に第8回定期大会を開催し、2011年の組織的な前進を総括して2012年を職場の団結を強化・拡大する年にします。
 闘う仲間の皆さん! 団結(タンギョル)、闘争(トゥジェン)!

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ひめじょおん−女性部から

闘わずして勝利なし―職場での苦闘― パート労働者 水野 彩子

 私の職場は、地元の資産家が経営する小さな薬局です。医薬分業が推進され大資本が薬局経営に参入してきたため、個人経営の店は激しい競争にさらされて、働く私にも厳しい職場環境になっています。
 11・6労働者集会の前々日、フルタイムで働いていた金曜日を次週から午後のみの出勤にしてほしいと、経営者側の一人から告げられました。正式な話は責任者からされるということでしたが、その日は何もありませんでした。ただでさえ低賃金のパート労働者、午前中の3時間であっても削減されれば、1カ月の賃金は9千円近く引き下がり、生活の逼迫は避けられません。これまでも病院の休診を理由に、土曜日・祝祭日と段階的に削減されてきたのです。
 私は帰宅後同じ働き方をしている同僚に連絡を取りました。同僚はまだ知らされていませんでしたが、突然のことに驚き憤っていました。実質的な賃下げと安易に時間を削減する経営者に対し、私たちは不信感を募らせ、怒りを覚えました。真面目に働いてきた私たちを必要のない存在とばかりに簡単に切り捨てるやり方、そのことに対し、私たちは特に強い憤りを感じ、許せないと思ったのです。
 そんな状況の中、私は11・6労働者集会に参加しました。多くの働く仲間の発言に勇気づけられ、闘わずして勝利なしと確信したのでした。
 明日は職場でこれ以上の時間削減は認められないと拒否する決意を固めたのです。

働く仲間の怒りに助けられて

 次の日、職場に出た私が耳にしたのは、二回勤務の同僚が私たちの時間削減に対し、「ひどすぎる」と経営者に抗議をしたということでした。同僚は、「あまりの身勝手さに腹が立って」と話してくれました。自分のことのように憤ってくれたのです。私たちはその後も以前と同じ働き方を続けています。
 私たちの職場には組合がありません。様々な問題が生じるたびに組合の必要性を痛感してきました。が、個人経営の小さな店、同僚が3人の職場で組合を結成する決心はなかなかつきません。
 今回のことで職場闘争とは、賃金アップ、労働条件の改善などを勝ちとっていくだけにとどまらず、闘いを通して働く仲間との団結力を深めつつ、労働者階級としての自覚と誇りを取り戻していくためのものであると、あらためて確信したのです。また、そのことが組合運動の軸であり、力となるものであると感じました。
 今すぐ組合を結成することはできなくても、働く仲間との団結を深めていく決意です。資本主義社会では、労働者は搾取し続けられ、生殺与奪の権は資本家が握っているのです。私たち労働者人民一人一人が、真に人間らしく生きられる社会を。その闘いはもう始まっています。職場で地域で共に闘いましょう。

女性部機関誌『うでまくり』

第104号発行/頒価50円

 

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■動労千葉労働学校で学ぼう!

 10月22日に行われた第11期労働学校実践講座第4回(テーマ「韓国労働運動の歴史と闘い−非正規職の闘いを中心に」講師 金元重千葉商科大学教授)の受講生の感想文を紹介します。

●動労千葉を支援する会会員 韓国の労働運動の歴史について初めて詳しく講演とビデオを見、大変感動しました。
 「原点といま」ということで講演では、チョンテイルとキムジュイクの壮烈な抗議自殺のところは直視できないようなものを感じる一方で、今なお10ヶ月の高空籠城を闘っているキムジンスク民主労総指導委員の言葉に、この上ない感動を得た。キムジンスクさんは、クレーンに立てこもった次の日の手紙での、「私は(クレーンで講義自殺した)ジュイク氏ができなかったこと、とてもやりたかったのに、結局できなかった自分の足でクレーンを降りていくことを必ずするでしょう」ということを発した。この新たな決意は本当に考えさせられました。(後略)

●自治体労働者
(前略)DVD『われわれの生、われわれの組織』のタンポポと労働者たちの笑顔が印象的だった。正規と非正規の団結と連帯、困難な課題だけど、これをやらなくては労働者の生活は(正規も非正規も)悲惨なまま。私の職場でもまずは正規・非正規、共通のニュースの発行から着手したい。
 「あきらめていい未来なんてない」―3・11以降、インターネットの脱原発のポスター展で見つけて、最近よく使っている言葉。労働者の闘いは「希望」であり、他の労働者・学生・市民にタンポポのように「希望」の種をとばす。明るい未来の実現のため、あきらめずに希望の種をとばしていこうと思う。

●教育労働者
 世界の民主化闘争の歴史の中でこれほどの(自死の)犠牲を出した例はない≠ニ言われるとおり、壮絶な闘争の歴史です。チョンテイル烈士の死から40年を経てもなお、その遺志が引き継がれて、労働組合と労働運動の中に脈々と息づいているのは言葉にできないほどの感動です。
 しかし……自分の命を投げ出して権力と資本に抗議する。労働者仲間の覚醒を促すことは並大抵ではありません。 (中略)でも民主労総委員長の「何が何でも必ず生き抜いてともに闘おう!」という訴えはもっともだ。クレーン籠城闘争のキムジンスクさん「私は必ず生きてここを降りる!」というメッセージ、キムジュイクへの追悼文に希望を見ています。
 「希望バス」の明るい広範な展開と、地域一般労組への非正規職加入運動には、これからの韓国の労働運動の限りない可能性が見えてきます。
 (中略)DVDに出てくる労組リーダーの平易な言葉と地についた運動そして誠実さに驚くばかり。日本の既成労組を何とかしなきゃ!!

●第11期労働学校日程

■基礎講座
 12月17日(土) 13:00〜
 ◆国家について
 ◆講師 山崎一(社会問題研究者)

■実践講座
 12月24日(土) 13:00〜
 ◆社会保障制度改革との闘い
 ◆講師 山部明子(社会保障制度研究家)

■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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●控訴審勝利判決を武器に業績評価制度廃止へ
職場の団結と闘いで、教育の民営化・首切り攻撃を打ち破ろう

東京労組交流センター・教育労働者部会 

業績評価裁判、控訴審も勝利!

 不当なC評価による昇給延伸を争う大嶽さんの業績評価裁判は、控訴審でも全面勝利を勝ちとりました。10月26日、東京高裁は、1審に続いて区教委の公正評価義務違反を認定、昇給延伸を追認した人事委員会の判定を取消しました。人事委員会は、上告を断念し、勝利判決が確定しました。
勤務時間外のことを評価の根拠として持ち出す、職務内容を評価する項目にはまったく無頓着、こじつけに等しい評価基準への当てはめなど、業績評価のデタラメな実態が、裁判で満天下に明らかとなりました。当局・管理職による恣意的評価が、「事実上の根拠を欠き、公正評価義務に違反した」違法なものと断罪されたのです。判定の取消しは、第三者機関としての立場を投げ捨て、当局の追認機関に成り果てている人事委員会に対する重大な警告です。

業績評価の「給与反映の拡大」は、許さない

本年度の東京都人事委員会勧告は、平均年1・6万円、7年連続の賃下げを勧告するとともに、成績率の適用拡大など、能力・業績の給与反映をさらに徹底させると打ち出しました。
 「給与反映の拡大」など、とんでもありません。不当な評価を見逃し、追認するずさんな審査を裁判所から指弾された人事委員会に、そんな資格はありません。
業績評価のデタラメぶりを断罪する勝利判決は、成績率拡大をねらう都と人事委員会を直撃するものとなりました。教労部会は、勝訴の知らせを都労連闘争に持ち込み、賃下げ阻止廃止へ、ストライキで闘おうと訴えました。

都教委、区教委、校長徹底追及の闘いを開始

(写真 大嶽さんと岬の会は、世田谷区教委に謝罪を求め追及【11月22日】)

人事考課制度が導入されて以来の10年間で、職場は一変しました。管理職のパワハラ、暴言が横行し、教職員の多忙化が極限的に進み、精神性疾患、自死、過労死に追い込まれる仲間が後をたちません。
 都教委・区教委の裁判での居直りは、業績評価とは、団結を破壊し、当局・管理職への服従を迫る道具だということをまざまざと示しています。そもそも、公正・公平な評価などありえません。業績評価制度は、廃止あるのみです。
 評価の修正と給与の回復は当然ですが、それだけでは済まされません。区教委には、大嶽さんに謝罪させ、都教委には、デタラメな評価を生み出した原因の究明と再発防止策を明らかにせよと迫ります。それが果たされるまでは、制度を凍結するのが当然です。
何よりも業績評価制度体制を打ち破っていくのは、職場の団結と闘いです。11年度の最終面接、業績評価の実施にあたり、分会交渉等で校長に判決を突きつけ、追及していきます。いまこそ、全都全国の職場から怒りの反撃を開始しましょう!

民営化・首切りの選別基準=業績評価をつぶそう

 大阪維新の会が府議会に提出した教育基本条例案・職員基本条例案は、「毎年5%Dを出し、2年連続D評価で免職」「過員が出たり、組織が統廃合されたら免職」「職務命令違反3回で免職」という内容です。大阪市長に立候補した橋下が掲げる「大阪都構想」は、地下鉄・バス、ゴミ収集、水道などの全面的民営化を打ち出しています。
この攻撃が、大阪から全国に広がろうとしています。その際、業績評価は、賃金差別に使われるだけでなく、首切りの選別基準になるのです。
 勝利判決を武器に、業績評価制度の矛盾を徹底追及しよう! 奪われた職場の団結を取り戻し、民営化と首切りを阻止しよう!
人間の命を資本が食い物にする腐りきった社会を変えよう! 動労千葉、動労水戸に続いて、外注化と非正規職化、原発再稼働・被曝労働強制と闘う労働運動をつくりだそう!

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●業績評価裁判の控訴審判決文より

*評価者に公正評価義務あり

「人事考課規則並びに業績評価実施要領が定める業績評価を行う評価者の責務及び評価上の留意事項は、評価の公正性及び正確性を担保する観点から定められたものと認められるものであり、評価者は、これらの定めるところに則って、公正かつ正確に業績評価を行う義務があると解される」

*不利益をもたらす評価の立証責任は、評価権者が負う

「絶対評価において総合評価としてC以下の評価をするについては、その根拠として相当な事実の存在することが必要であり、上記不利益との関係において評価の相当性が争われる場合においては、評価権者側において、その存在について主張・立証責任を負うと解すべきである。」

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●沖縄情勢の核心と11月労働者集会の総括

沖縄労働組合交流センター 代表運営委員 柿本 博人

(11月集会に過去最高の人数で結集した沖縄行動団)

沖縄から11・6全国労働者集会へ結集した総数と新規参加数は、ともに過去最高だ。
 沖縄行動団を代表して登壇した宮城盛光さんは、「非正規雇用労働者の比率が全国一高い沖縄で、外注化・民営化・非正規職化・偽装請負の職場で闘う青年労働者が『労働組合で闘う以外に未来はない』と決意してこの場に参加しています。また、沖縄米軍基地の死命を制する基地労働者も、新しい仲間とともに参加しています」と発言した。
 新たに結集した仲間たちは、「こんな労働組合があるのか! 労組なんてどうしようもないと思っていた自分の考え方が変わった」「盛りあがらないのが労組の中央集会だと思っていたけど、すごい数と熱気と一体感に感動した」と感想を語った。さらに「今から来年に向かって準備するために積み立てをやろう」「職場での闘いを取り組みたい」と、「次は何か」に踏み出している。

「1万人結集」へ何をどうするか

 沖縄の労働者は、誰よりもフクシマとの強い連帯を求めている。重要なのは、大恐慌と3・11情勢という前人未踏のこの時代と格闘して、「外注化・非正規職化・偽装請負」のど真ん中にある青年労働者が青年を丸ごと組織する成功を手にしていることだ。産別での組合権力奪取に向け、階級のリーダーが躍り出ていることだ。これらと一体ですべての職場・生産点で動労千乗物販を取り組み、国鉄闘争全国運動・沖縄に勝負を賭けてきた。その蓄積の結果が11・6集会への結集だった。
 そのうえで「11月集会の1万人結集」とは、労働組合の結成・維持・運営のすべての職場実践において「労働組合の論理」に習熟すること抜きに行かないこともはっきりした。しかし、そのために「何をどうするか」は見えて来ている。

「TPPと辺野古」で何が起こっているか

 3・11から秋にかけて沖縄情勢は大きく変化し超緊迫情勢にある。9月日米首脳会談をもって、野田政権はTPP(環太平洋経済連携協定)と辺野古への新基地建設攻撃へかじを切った。狙いは、日米帝国主義による対中国対決の日米安保の強化だ。米国防総省には、中国領内の拠点攻撃も含む、全面戦争を構えた特別部局が新設された。TPP問題の切っ先は米軍基地業務の外注化だ。基地労働者の大量解雇、基地関連請負業で働く労働者の解雇が真っ先に問題となる。
 野田政権は閣僚の「沖縄もうで」を繰り出し、アセスメント(環境影響評価)の年内提出、県知事が海の埋め立てを拒否した場合は「特措法も選択肢」として、辺野古移設推進をゴリゴリと公言している。

八重山教科書問題で県民集会

 与那国島への自衛隊誘致を後押しするものとして八重山教科書問題がある。闘いは力勝負の攻防の中にある。
 11月18日、「東京書籍版公民教科書を子どもたちの手に! 住民大会」が250名の結集で闘われた。学校での教科書署名活動を規制する通知が各小中学校に出されたことへの抗議だ。11月23日には嘉手納町で、沖教組・高教組などを軸に「教科書検定撤回を求める10万人県民大会」陣形で1000名規模の県民大会が開催された。
 八重山では、石垣市教育長主導の「採択地区協議会」によって原発推進・戦争賛美の育鵬社版中学校公民教科書の採択が強行されたが、労働者の怒りの決起によって粉砕された。 あらためて全教育委員が出席しての「9・8八重山地区(3市町)教育委員協議会」が開催され、育鵬社決定を覆し、東京書籍版が正式採用された。
 この決定を文科省は認めてはいない。「採択地区協」の育鵬社版選定が有効とする一方で、竹富町教育委員会の東京書籍版採択を認めざるをえないというジレンマに陥っている。しかし、竹富町採択の東京書籍版教科書だけは無償とせず、有償だとの決定を強制している。

与那国島での陸自誘致問題

 11月17日、与那国島への陸上自衛隊誘致の説明会が行われた。防衛省は「12年度末までに町有地を取得し15年度に完了する」と打ち出した。これに対して19日、「自衛隊基地誘致にNO! 与那国島を守る大集会」が150名を結集して開かれた。
 また、与那国中学校の校長が、生徒が自主的に進めていた自衛隊誘致に反対する署名用紙を、無断で取り上げていたことが発覚した。与那国町教育長は「ものごとのイロハがわからない子どもを利用した自衛隊反対活動じゃないか」と言い放っている。
 署名活動は2年生が企画し、独自の署名用紙を作成、ロッカーの上にあった全校生徒36人中16人分の署名用紙を校長がこっそり回収したというのだ。
 与那国島には高校がない。中学卒業で島を出ざるを得ない。署名を企画した生徒は、「僕たち中学生も半数以上が自衛隊誘致に反対。高校を卒業しても、自衛隊を嫌がって島に戻って来なくなり、人口が減ることも予想される」「島の将来を守るのは僕たち中学生。自衛隊に任せるのはおかしい」と切実な思いを語っている。また、与那国町長は農業委員2名が自衛隊誘致反対派であるとして意図的に任命手続きをサボタージェしている。自衛隊誘致先の町有地が牧場なので農業委員会のチェックが入るからだ。
 この攻防は同時に「教労・自治労攻防」である。「戦争は学校と役場から始まる」ということが、いま八重山から始まっている。
 15年にわたる辺野古新基地阻止闘争を最先端に21世紀の沖縄を決する階級決戦が幕を開けた。沖縄労組交流センターは全国の仲間、フクシマの怒りと一つになって、沖縄労働運動を復権させる闘いとしてこの決戦に突入することを決意したい。

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●医療事故闘争を闘ってつかんだこと
 ――新自由主義攻撃と対決する職場闘争をいかに復活させるか

徳永 健生 三多摩労組交流センター 医療・福祉労働者部会

 医療事故は医療福祉の現場で働く労働者にとっては避けられないものである。だから、医療事故問題は医療労働者にとって切実な職場闘争課題である。共産党・医労連指導部は、「安全・安心の医療確立を」と主張し、切実な職場の人員確保の課題を国会請願行動へと切り縮めてきた。問われていることは、合理化攻撃を進める病院資本と対決し自らの職場で闘うことであり、医療事故問題を真正面から職場闘争課題として闘うことである。

新自由主義攻撃と対決する道は、職場闘争の中にある

 私は今年3月になって、別病棟への異動となった。通常、新病棟異動時は1カ月で夜勤体制に組み入られるところ、数週間で夜勤に入ることになった。慢性的な人員不足のせいである。
 そして東日本大震災から1カ月後の夜勤勤務朝方に医療事故に直面した。重篤な医療事故の当事者となり、全力をあげた看護を続け、同時に「なぜ事故は起こったのか」と担当医や病棟の労働者との論議で事故の経緯を検証し、地区や医療福祉部会と論議を重ねた。医療労働者にとって、医療事故とは何なのかを真剣に考える始まりとなった。
 仲間との真剣な議論の中から導き出されたことは、事故の原因は病院資本による激しい合理化攻撃であり、新自由主義攻撃は自らの職場の中にあるということだった。
 大恐慌は病院経営を直撃し、労働者の首切り・賃金カット・労働強化として、一切の矛盾は労働者への犠牲転嫁とされてきた。また、医労連執行部はこの合理化攻撃に団結の力で闘うどころか、逆に闘う方針をめぐって執行部と激突していた私を「組合の団結を破壊した」として「除名処分」にする暴挙を強行。
 この状況の中で昨年3月には、看護助手として働いてきた派遣労働者全員を雇い止め解雇する許しがたい攻撃が強行された。しかし大量解雇によって入浴などの通常業務がまわらなくなり、解雇から半年後には再び最低限の派遣労働者を採用する事態となった。まさに労働者を使い捨てのモノのように扱ってきたのである。そして病院資本は大震災に対しては、再び6月末に派遣労働者全員解雇という方針を打ち出してきた。
 慢性的な人員不足は人命よりも経営を優先する病院当局によってつくりだされたものである。新自由主義攻撃は自らの職場の中にあり、「医療事故こそ医療労働者の安全保安闘争の課題」と捉え、闘うことを決断した。課題は、職場の団結の形成であり、その団結の力で安全闘争、派遣切り阻止闘争、「除名処分」粉砕の闘いを希求するとした。

職場集会方針で職場の団結再生へ

 医療事故を職場課題とし、職場集会(話し合い)を開催することを決め、職場(病棟)全体を対象にし、理解を示す一部分の人だけに限定しないことにした。そして、私を除名した組合執行部に対して職場集会をするように、現場組合員に働きかけた。
 組合へ働きかけたのは、医療事故は一労働者や一職場の問題ではなく、病院全体の問題であり、組合の団結の問題であったからだ。この「医療事故を再発させないために」との訴えに、組合執行部は拒否することができず、職場集会への組合の協力を取り付けることになった。
 職場集会は2回にわたり開催し、1回目には組合委員長と副委員長が参加した。病棟からは過半数の労働者が青年労働者を先頭に参加した。労働者は「医療事故問題」を自らの問題として捉え、真剣な議論となった。事故に対する様々な改善策が出され、議論を通して「労働者は事故を起こしたくない、起こさない」その誇りを持って労働していることが明らかとなった。だから医療事故は労働者個人の問題ではない、合理化を進める病院資本こそが事故の原因をつくりだしている。さらに議論の中から、一人の労働者から派遣切りの問題が出され、また「病院の営利優先の経営が問題」と核心に迫る意見まで出され、職場の総意で病院当局に要望書を提出することになった。
 そして、労働者の力を信頼して臨むことで、現場の労働者が「人員不足」問題を自分自身で答えを見つけ、問題の本質が、営利優先の経営であり、「派遣切り」に反対することが必要であるという結論を勝ちとった。
 この職場での闘いはまだ途中であるが、職場全体の団結が生まれれば、「派遣切り」を止める団結と力が生まれる。阻止する力は職場にあるのだ。逆に職場の団結が奪われていたから、私への除名問題が起き、派遣切りが起き、医療事故が起きたのだ。職場の団結の象徴に自分自身がなることは、職場の力で労働組合をつくることを意味する。
 組合から排除されながらも、職場闘争をどうやって復活させるのか、職場の労働者の組織化をどうやるのかが課題であったが、結局、困難な状況だからこそ、逃げずに闘うことが重要であり、階級的労働運動をつくり上げる契機をつかむことが重要であることをつかみ取った。それは、同時に労働者を信頼しぬき、労働者と共に団結を形成して突き進むことにかかっている。職場から反合理化・安全闘争に立ち上がろう!

(写真 11・6労働者集会後のデモにたつ三多摩労組交流センターの隊列)

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『月刊交流センター』主要目次(5)

NO.194 (2006年5月号)〜NO.229(2009年4月号)
※NO.249(2010年12月号)までの主要目次を順次掲載します。タイトル、筆者の表記は訂正・変更を加えているものがあります。

●NO.194(2006年5月号)
◇4・24労働者集会で闘う労働組合が職場の安全闘争を交流/田中康宏動労千葉委員長/規制緩和と航空機事故、有事法制と空の安全 村中哲也/関西生コン支部 城野正浩執行委員/日本板硝子共闘労組 小貫幸男書記長 ◇指定管理者制度といかに闘うか 木村直子◇女性部第13回定期大会開催
●NO.195(2006年6月号)
◇教基法改悪阻止の国会闘争へ 教労部会 ◇都教委による教育基本法・憲法違反を徹底追及 ◇幕張構内事故への不当処分粉砕! ◇全逓加古川分会の要員要求の取り組み 江渡績 ◇共謀罪を廃案に! ◇書評『自民党新憲法草案との対決』 ◇アサヒアルミ工業分会の闘い 沖縄(南部)一般合同労働組合
●NO.196(2006年7月号)
◇臨時国会が改憲法案阻止の大決戦に ◇1047名の団結こそ闘いの主体! 今こそ「政治解決」路線からの脱却を 動労千葉 ◇三角忠 ◇蒲牟田宏 関合労書記長 ◇共謀罪の通常国会成立を阻止 ◇「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の強化・発展を勝ち取ろう 小泉義秀常任運営委員
●NO.197(2006年8月号)
◇幕張構内事故と動労千葉の闘い! 山田護幕張支部長、繁沢副委員長に聞く ◇自治体部会 ◇8・15労働者・市民のつどいに集まろう ◇不当労働行為を公言する中曽根発言 ◇合同労組首都圏連絡会
●NO.198(2006年9月号)
◇今秋国会決戦―11月1万人結集の実現へ!9・23集会の成功を 辻川慎一事務局長◇自治体 ◇教労 ◇吉野元久 ◇全逓部会◇佐藤陽 ◇広島連帯ユニオン ◇動労千葉を支援する会総会/田中康宏 ◇ハンスト行動を闘い抜いて 常南交通労働組合
●NO.199(2006年10月号)
◇11・5労働者集会に1万人の結集を 田中康宏動労千葉委員長 ◇「日の丸・君が代」強制は違憲・違法! 教労部会 ◇館山運転区廃止反対で地域集会開催 ◇茨城県地域連帯労働組合 ◇中曽根元首相の不当労働行為発言を許すな!
●NO.200(2006年11月号)
◇教基法改悪案を廃案へ! 教労部会 ◇共謀罪を廃案へ ◇教育基本法改悪・改憲阻止闘争を牽引し、2月全国総会の歴史的成功に向け組織建設の根本的強化を勝ち取ろう! 辻川慎一事務局長 ◇北海道闘争団激励・オルグに参加して ◇40万セネストに向かう民主労総 広沢こう志 ◇幕張構内事故に対する重処分を弾劾する 動労千葉
●NO.201(2006年12月号)
◇教基法改悪案を参議院で絶対に止めよう!教労部会 ◇共謀罪を廃案へ ◇11・5日比谷に4900人が結集 ◇闘う合同労組全国交流会事務局 ◇『一人の首切りも許さない 本山闘争12000日』 ◇訃報 佐藤芳夫代表11月25日逝去
●NO.202(2007年1月号)
◇佐藤芳夫精神をわがものとし、強大な労組交流センター建設へ 中野洋代表 ◇撃って出よ! 入江史郎代表 ◇改悪教基法に不服従を宣言し、07年卒入学式闘争へ 教労部会 ◇国労共闘 ◇全逓部会 ◇自治体部会◇蒲牟田宏 関西合同労組書記長
●NO.203(2007年2月号)
◇改悪教基法をうち破る組織的抵抗闘争を 教労部会 ◇佐藤芳夫氏(交流センター顧問)を追悼する/田中康宏動労千葉委員長 ◇茨城県地域連帯労働組合 ◇武委員長に実刑判決を下した大阪地裁を怒りを込めて糾弾する
●NO.204(2007年3月号)
◇館山・木更津両支部を全支部の闘いで守りぬこう! ◇国労本部の1047名連絡会破壊を許すな! ◇3・18日比谷野音へ―青年労働者からのアピール ◇階級的労働運動路線を確立した第14回全国総会 ◇4・28不当処分に最高裁で勝利決定
●NO.205(2007年4月号)
◇団結を固めて断固としてストに突入! 田中康宏動労千葉委員長 ◇採決前夜―4・11国会前にかけつけ1千人デモで改憲投票法案の成立をぶっとばそう 鈴木達夫(憲法と人権の日弁連をめざす会) ◇北島邦彦氏の絶対当選を ◇4・27厚生労働省交渉・国会闘争―4・28全国交流会を成功させよう 闘う合同労組全国交流会事務局
●NO.206(2007年5月号)
◇改憲へ向けた〈クーデター法〉改憲投票法粉砕 自治体部会 ◇改憲投票法―教育4法改悪阻止し、安倍政権打倒へ 教労部会 ◇職場から反合・安全闘争を! 国労共闘関西◇現場の力で民営化阻止! 全逓部会 ◇茨城県地域連帯労組書記長 岩澤仁志
●NO.207(2007年6月号)
◇200万自治体労働者首切りと対決 自治体部会 ◇闘う全逓労働運動の復権を 全逓部会 ◇資本と折り合う和解路線に勝利の道はない 国労新橋 吉野元久 ◇女性部第14回定期大会開催 女性部副部長 辻川あつ子 ◇たたかう合同労組全国交流会事務局
●NO.208(2007年7月号)
◇3労組合宿感想 茨城県地域連帯労組書記長 岩澤仁志/関合労・関西トランスポート分会分会長 辻本靖紀 ◇労働者の団結で革命やろう! ワーカーズアクションin渋谷 ◇JPU第63回全国大会3日間奮戦記 ◇広島県労組交流センター ◇「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない!県民大会」レポート
●NO.209(2007年8月号)
◇11月労働者集会1万人結集をめざして 田中康宏動労千葉委員長 ◇年金破綻の一切の責任は政府・自民党にある 千葉県労働組合交流センター ◇合同労組首都圏連絡会 ◇国労 中村組合員に高裁が勝利判決
●NO.210(2007年9月号)
◇11月労働者集会1万人結集へ 辻川慎一代表運営委員 ◇「社保庁解体・職員解雇」ぶっとばせ! 自治体部会 ◇組合員の権力への売り渡しは体制内運動の末路 原則を守る11・4日比谷集会こそ国鉄闘争勝利の道
●N0.211(2007年10月号)
◇勝負のときがきた! 退路を断って11・4労働者集会に1万人の結集を! 中野洋代表運営委員 ◇自治体部会 ◇国労共闘 ◇全逓部会 ◇アーリーン・イノウエさん、グレゴリー・ソティアさん来日 ◇『俺たちは鉄路に生きる3』を読もう!
●NO.212(2007年11月号)
◇社会保険庁解体―200万首切り民営化攻撃絶対阻止! ◇組織統合は産業報国会への道全逓部会 ◇「4者・4団体での政治解決」路線と決別し勝利の道を進もう 国労共闘 ◇9・29教科書検定意見の撤回を求める県民大会レポート 沖縄労組交流センター
●NO.213(2007年12月号)
◇愛媛・自治労の取り組み 愛媛県職労副委員長 中村圭司 ◇みやぎ全逓労働者部会 ◇11・3日米教育労働者の戦争協力拒否闘争が合流 ◇『俺たちは鉄路に生きる』を読んで 公共労組ハンジン都市ガス支部 キムジンヒョク/イヒサン ◇東京西部ユニオン委員長 山本敏昭 ◇社会保険庁労働者
●NO.214(2008年1月号)
◇11・3 動労千葉と民主労総ソウル本部が学習会 「団結どうつくるか」めぐり真剣討論 ◇茨城県地域連帯労組 岩澤仁志 ◇12・9「許さない会」集会基調報告 富田益行被告団長
●NO.215(2008年2月号)
◇第2次国鉄決戦に突入 2・17集会へ総結集を! 国労共闘 ◇「競争より団結を!」―年末繁忙で証明された組合員の階級性―全逓東京中郵での闘い 高橋恒男 ◇自治体部会 ◇結成25周年をむかえたス労自主の闘い◇3・16全世界一斉デモ! 労働運動の力で革命やろう ◇茨城県地域連帯労組
●NO.216(2008年3月号)
◇第15回全国総会報告 ◇分割・民営化攻撃を問い直し、闘う労働組合を時代の最前線に田中康宏動労千葉委員長 ◇東京中郵銀座移転・統合絶対反対5000人集会を 3・16代々木へ! 東京中郵 星野勝紀 ◇2・2〜4全国教研全体集会を中止した本部に怒り噴出◇小泉義秀副代表
●NO.217(2008年4月号)
◇動労千葉春闘3・14第1波スト ◇3・16全世界一斉デモ基調提起 ◇08年卒業式闘争 ◇4・26尼崎現地闘争へ 吉野元久◇人事評価・査定給の4月実施を阻止! 習志野市労連職場委員有志 ◇闘う合同・一般労組第1回 合同労組とはどういうものか 小泉義秀 ◇国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団全員の解任について ◇ワーカーズアクション・カンサイ報告
●NO.218(2008年5月号)
◇労働者革命家が大量に生まれたことが3・16の勝利だ! ◇東京中郵廃局攻撃といかに闘うか ◇5・18沖縄闘争へ 沖縄労組交流センター ◇東京西部ユニオン高栄運輸分会8名で24時間スト ◇国鉄闘争の原点を守る5・27被告団断固支持! 東京南部「許さない会」 ◇高島喜久男氏を偲ぶ
●NO.219(2008年6月号)
◇サミット粉砕6・29全国労働者総決起集会の呼びかけ 動労千葉 ◇緒戦の大きな勝利! ライフサイクル強行弾劾! 動労千葉 ◇女性部第15回定期大会開催 辻川あつ子副部長 ◇5・18沖縄県民大会4千名の結集◇合同労組かながわ 藤村浩光
●NO.220(2008年7月号)
◇サミット粉砕6・29全国労働者総決起集会2150人 基調報告 田中康宏動労千葉委員長 ◇アーリーン・イノウエさんとCAMSの闘い ◇ILWUのメーデー港湾封鎖 ◇6・14かながわ労働者団結集会報告 ◇一般合同労組・さいたまユニオン
●NO.221(2008年8月号)
◇今年こそ11月労働者集会に1万人の結集を! 田中康宏動労千葉委員長 ◇「8・15労働者・市民のつどい」への賛同と参加を ◇韓国人民100万人決起の怒りの根源は何か◇関西合同労組泉州支部 ◇5・27を武器に4者4団体の反動を粉砕しよう
●NO.222(2008年9月号)
◇動労千葉労働運動の階級的地平を土台に11月1万人結集とストライキを労働者階級の根底的要求にしよう! 辻川慎一代表運営委員 ◇8・5報告/青年/国鉄/全逓 愛媛・日野亮/自治体 大阪/合同労組 広島連帯ユニオン/教労 ◇たたかう俺たちが支部執行部だ 星野勝紀 
●NO.223(2008年10月号)
◇2000万青年労働者の怒りの賃上げゼネストを! 9・27ワーカーズアクション ◇広島西ゆうメイト雇い止め撤回闘争 ◇国鉄1047名闘争を焦点とした大党派闘争に勝ち抜き、11月1万人結集を! 田中康宏動労千葉委員長 ◇〈10・24対11・2〉こそ11月1万人結集の環だ 国労共闘 ◇福祉労働者連帯ユニオン・東京コンドル分会 ◇韓国労働者の闘い ◇橋下打倒・道州制粉砕の大阪決戦に勝利しよう! 関西自治体部会
●NO.224(2008年11月号)
◇田中康宏動労千葉委員長 ◇国労上野 吉野元久 ◇団結破壊の人事評価制度は絶対に粉砕できる 新潟市職労 斎藤実 ◇橋下「教育非常事態宣言」粉砕! 関西教労部会◇医療・福祉労働者部会 ◇岡山マスカットユニオン書記長 石岡和晃 
●NO.225(2008年12月号)
◇世界大恐慌情勢に立ち向かう国際的団結を勝ちとった! 中野洋代表運営委員 ◇11・3日韓理念交流 小泉義秀/訪韓闘争 みやぎ 谷和司 ◇ハイテックRCDコリア闘争◇ちば合同労組 ◇11・21「ぶっとばせ!橋下府庁前行動パート1」基調報告 関西自治体部会 ◇派遣・期間従業員への解雇に反撃開始! 埼玉労組交流センター
●NO.226(2009年1月号)
◇金融大恐慌情勢に勝ち抜く交流センター運動の新たな飛躍を! 辻川慎一代表運営委員 ◇12・14国鉄闘争勝利集会まとめ 国労上野吉野元久 ◇08年国際連帯が切り開いた画期的地平 広沢こう志(動労千葉国際連帯委員会) ◇解放共闘 ◇森精機で第3波スト ◇年末一時金超低額回答に6波連続のストで団結! 精研労組
●NO.227(2009年2月号)
◇ライフサイクル制度撤廃―第2次配転阻止!総決起集会基調 田中康宏委員長 ◇「3・6道州制反対!橋下打倒!府庁前行動」に全国から総結集を! 関西自治体部会 ◇神奈川労組交流センター ◇医療福祉部会 ◇「派遣村」の労働者は革命の主体だ! 小泉義秀 ◇全逓部会 ◇岩崎電気労組前委員長 高橋英行 ◇日本機械工業労組書記長 山口弘宣 ◇ショーワで派遣労働者が1日スト決行
●NO.228(2009年3月号)
◇闘う労働組合が歴史の最前線に登場するときがきた! 田中康宏動労千葉委員長 ◇イラク反戦6周年3・20渋谷デモ ◇日逓非正規労働者の闘い ◇不起立を闘う青年労働者を先頭に本部打倒を宣言 教労部会 ◇東京『生きさせろ!!』連絡会結成と貧困ビジネスの実態 小泉義秀
●NO.229(2009年4月号)
◇3・20渋谷デモ基調報告 星野勝紀 ◇動労千葉結成30周年/田中康宏動労千葉委員長/動労千葉結成30周年にあたって 布施宇一(動労千葉顧問) ◇3・6「道州制反対!橋下打倒!府庁前行動」基調報告 豊中市職女性部長 深町加代子 ◇4・25尼崎現地闘争へ ◇沖縄―本土をむすぶ労働組合連絡会 宮里勝博
 (以下次号)

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■BOOK

『序局』創刊号
編集 破防法研究会
アール企画 2011年11月
定価1260円

 「新自由主義と対決する総合雑誌」『序局』が創刊された。「被災地労働者・農民座談会」とりわけJAいわきの斎藤栄一さんの言葉に衝撃を受け、阿部宗悦さんの鮮明さに感動した。そして富田翔子さんの〈タテ軸とヨコ軸〉の話や、前田朗さんの3・11以降に出版された書籍に対する批判や、丸田潔さんのマスコミ下請け労働の問題の提起などに考えさせられた。
 そのうえで、武建一委員長の「労働組合はいま何をなすべきか」の私的感想を3点ばかり。ひとつは、時代認識や労働組合観、日共や国労中央への批判の痛快さだ。われわれの闘いへの確信が深まる。
 ふたつに、〈労働運動における文化〉の問題への言及である。「人の心に響く文化活動は、人の生活、労働に非常に大きな影響を及ぼします」「この間、共同体社会が破壊されてしまってるわけですよね。そうしますと、群れて何かをするということが弱い」と。グラムシではないが、文化領域(生活、地域とも重なり合う)にまで労働組合が主導権を取り、浸食する必要があることを〈団結論〉から捉え返すことができる提起だと受け止めた。
 そしてみっつめに一番印象に残っているのは、イマジネイションとクリエイションの話だ。武委員長は、周りはよく「生コン支部だからできる」というが、「そうではなく、われわれは常に考えて、闘って、勝ち取ってる」のだと。そして、あらゆることを「何かこの業種に、この産業に、この運動に生かせるようなヒントはないだろう、常にそういう感じで見てる」と言い、「例えば同じバスに乗って何かを見てても、機会を生かそうというイマジネイションとクリエイションという、両方の想像力(創造力)を働かせない人にはですね、ただ見るだけではあんまり運動のヒントは得られないと思うんですよ。・・・変革の思想というのは、今話したようなところに問題意識を持てなかったら、言葉では変革だけど実践的には現状追随になってしまうんじゃないか」と語っている。われわれに今問われていることのひとつは、まさにこうしたところにあるだろう。
 次号は、国鉄闘争全国運動の前進に沿った企画とのこと。いい意味でもっと「逸脱」し、他の機関誌類にはできない形・言葉で階級闘争総体をもっと豊かに広く援助していってほしい。
(高浦裕一)

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●読者のページ

●12・18解放共闘総会に集まろ
 部落解放東日本共闘会議

 来る12月18日(日)、第20回総会を開催します。11・6労働者集会には、西郡、杉並・品川支部の荊冠旗のもとに、新たな部落大衆、部落の青年たちが参加してきました。組織拡大と2012年階級決戦に勝利する部落解放運動の方針を打ち立てよう。

とき 12月18日(日)13時30分開会
ところ 全水道会館(東京都文京区本郷1-4-1 JR水道橋駅東口 徒歩2分 都営地下鉄三田線水道橋駅A1出口 徒歩1分)
主催 部落解放東日本共闘会議

●京大11月祭で辻川慎一事務局長講演会を開催!!
 京都大学学生 西納岳史

 11月23日、私たち全学連と大学奪還学生行動の仲間は、京都大学11月祭企画として動労水戸副委員長の辻川慎一さんをお招きして反原発講演会を開催しました。
 辻川さんはまず、政府とJR資本が一体となった常磐線運転再開に対し、「資本のための『復興』を狙った放射能安全キャンペーン以外の何物でもない」と怒りを込めて弾劾。動労水戸のスト決起を未然に防ぐための抜き打ちの運転再開策動に対して、組合員が処分も辞さずストライキに立ち上がった闘いを熱気をこめて報告されました。そして、「動労水戸は青年労働者の未来に責任を取る組合。自分の組合の仲間を守るのは当然のことだが、いったんは御用組合に組織されている青年たちこそ、これからの社会をつくっていく存在。彼らを守ることができない年長者では絶対にダメなんだ」とストレートに喝破されました。参加者からの質疑応答に丁寧かつ真摯に応えていただいた姿も印象的でした。
 常に労働者階級全体の立場に立って考え、「仲間を大切にする」団結を貫いて闘うならば、たとえ現場で少数であっても資本・当局をひっくり返す力関係を作ることができるし、その団結は必ず拡大する。学生の闘いにも共通する路線を共有できたすばらしい講演会でした。
 辻川さん、本当にありがとうございました!!

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読者のページに投稿を
  読者の皆さん! 投稿をお願いします。強制するページではなく自主的に決起するところです。

編集後記

▼『月刊』改題は労働運動の核になる決意です。永遠の少数派から多数派へ(われわれが多数派になったら革命!)。世界で「資本主義最期」を告げる鐘の音。絶対有利! 労働者の根底的信頼を掲げ、2012年を本当の飛躍の年にしよう。(し)

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Photo Document 2011年10月〜2011年11月

市営バス民営化絶対反対!

10・21広島

呉市において、広島連帯ユニオン・呉市交通局支部主催の「市営バス民営化反対 呉労働者団結集会」が開催され、45人の参加で成功した。小村呉市長と、それに全面協力する連合・呉公営交通労組の腐敗幹部への反撃が開始された。

福島の女たち先頭に反原発の都心デモ!

10・29東京

「原発いらない福島の女たち」が呼びかけた3日間の経産省前座り込み行動の最終日、正午からデモが行われた。福島の女たちを先頭に、デモ参加者は1000人を数え、東京電力本店前で「福島の故郷を返せ」と怒りのシュプレヒコールを行った。

民主労総全国労働者大会に合流!

11・12韓国

韓国・ソウル市庁広場で開かれた民主労総の11・13「チョンテイル精神継承2011全国労働者大会」には4万人が結集。田中康宏委員長を先頭とする動労千葉訪韓団は、前日の大会前夜祭が開かれる韓国国会前のヨイド公園から民主労総ソウル地域本部と闘いを共にした。

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