「月刊労働運動」 2012年/11月/01日(No.272号 p34)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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(写真 オスプレイ配備強行を許さず、労組再生、基地全面撤去へ!【9月28日 普天間基地大山ゲート前の座り込み阻止行動】)

■月刊労働運動2012年11月号 目次

◎労働者の目 外注化阻止・非正規職撤廃! 新自由主義と対決する11・4集会へ大結集を
特集 11・4全国労働者総決起集会へ!へ

●呼びかけ3労組からの訴え
11・4労働者集会第3回実行委員会
動労千葉・外注化阻止闘争、関西生コン支部・組織拡大闘争の地平を武器に、
11・4労働者集会の1万結集実現へ!
●外注化阻止・非正規職撤廃!
検修・構内業務の全面外注化―強制出向粉砕! 10・1決戦の勝利から新たな闘いへ!
動労千葉10・1〜5ストライキ闘争
JR郡山工場 外注化阻止闘争 報告と決意   橋本 光一 国労郡山工場支部 書記長  18
●反原発・反失業をたたかう国際統一行動を!
11・3労働者国際連帯集会に集まろう!
韓国・民主労総ソウル本部、アメリカ・ILWUローカル21、ドイツ機関士労組(GDL)が参加 動労千葉国際連帯委員会  14
●青年労働者のアピール
すべての青年労働者は11・4労働者集会に集まろう!
闘う労働組合を甦らせ、腐りきった資本主義社会を変えよう!

◎国労組合員資格確認訴訟の意義について(下)
星野 文男 国労新潟県支部執行委員、国労新潟・駅連合分会

◎東燃ゼネラル石油堺製油所で硫黄30d漏出事故! スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合

・ひめじょおん−女性部から 保育事故処分撤回闘争に勝利するぞ!

◎連載 第2回 元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風
◎不屈に闘う争議組合へご支援を! 動労千葉、和解拒否の国労原告団、ス労自主、沖縄バヤリース労組
◎読者のページ

・読者のページ ◎マンガ
※「動労千葉労働学校で学ぼう」「地平線」「Pick Up」は休載しました。

●マンガ /編集後記

月刊『労働運動』(272号1-1)(2012/11/01)

外注化阻止・非正規職撤廃! 新自由主義と対決する11・4集会へ大結集を

二本柳 実 副代表 三浦半島教育労働者部会

 闘う労働組合が、時代の前面に登場する時が来た。「大恐慌がもたらす大失業と戦争」の時代に、今こそ闘う労働組合を復権しよう。今日の現実に怒り、「こんな社会を変えたい!」と考える労働者・市民は、「外注化阻止・非正規職撤廃! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!」を掲げる11・4労働者集会に仲間と集まろう。
10月3日、インドネシア初のゼネストは、全国31市・県の88工業団地で、280万人の決起で闘われた。ゼネストはインドネシア労働者評議会が呼びかけ、「派遣労働の禁止・社会保障の充実と早期実施・賃金引上げ」の要求が掲げられ、「アウトソーシング(外注化)をやめろ」がスローガンだ。新自由主義との闘いは、世界の労働者共通の課題だ。
戦後日本の労働運動は、80年代の「国鉄分割・民営化」から始まった新自由主義攻撃に対抗できず、闘わないことによって体制内に取り込まれてきた。その結果生み出されたのが、非正規職と貧困におとしめられた今日の青年労働者の現実であり、すべての産別職場の労働現実だ。
この現実に立ちはだかり、根底から打ち破る力が労働組合にあることを示したのが、動労千葉、動労水戸を先頭に闘い抜かれた10・1外注化阻止闘争だ。10月1日、JR東会社の構内・検修業務外注化強行に、JR職場から青年労働者の総反乱が始まった。絶対反対の闘いが、外注化の不正義(偽装請負)と全面破綻を暴きだし、「労働組合が団結して闘えば勝てる」という展望を示した。
新自由主義と対決する闘う労働組合を再生するカギは何か。職場の怒りだ! 低賃金・労働強化、雇い止め、退職手当大幅削減、消費大増税、原発再稼働、オスプレイ配備強行等など、この現実に怒りを持たない労働者はいない。労働組合が闘わないからあきらめさせられているだけだ。職場の怒りを束ね、組織し、職場に闘う組合を奪い返そう。
闘う労働者・市民のみんなが総反乱の組織者だ。11・4日比谷野外音楽堂へ、職場で、街頭で、仲間とともに結集しよう!
(写真 インドネシアの労働者は、賃上げ、派遣労働禁止などを求め、280万人がゼネストに決起した【10月3日 西ジャワ州】)

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月刊『労働運動』(272号2-1)(2012/11/01)

■特集 11・4全国労働者総決起集会へ! 呼びかけ3労組からの訴え

(写真 大成功へ団結ガンバロー! 第3回実行委員会【10月13日 東京】)

11・4労働者集会第3回実行委員会

動労千葉・外注化阻止闘争、関西生コン支部・組織拡大闘争の地平を武器に、11・4労働者集会の1万結集実現へ!

 10月13日に都内で行われた11月労働者集会第3回実行委員会の呼びかけ3労組の提起を編集部の責任でまとめたものです。

 中村吉政 全国金属機械労働組合港合同 副委員長

 9・16橋下打倒集会は、橋下の団結権や権利を破壊する攻撃に対する大きな闘争でした。あれ以降、確実に橋下の人気、そして彼の表情にも陰りが見えています。テレビを見ていてもイライラ感があふれ出ています。
 今われわれが声をあげて闘えば必ず彼が行ってきた行為をひっくり返し、奪ってきた権利を復活できる局面にあると感じています。
 さて今日、大阪市職の定期大会が行われています。入れ墨問題で3つの組合にまたがる6人の市の職員が拒否をして懲戒処分を受けました。本部のやり方おかしい、本部はもっともっと闘え、6人の仲間を救おうという発言も出たようです。私たちはどんな形にせよ最後の勝利まで闘う確認をしているところであります。
 入れ墨処分を受けた大阪市職の赤田さんが言ったように、打てば響くし、闘えば必ず動きがある。本当にわれわれに有利な状況が来ていることをこの1カ月あまりで感じることができます。闘えば必ず敵の弱さ強さも見えてきます。橋下問題は、大和田委員長が亡くなる1週間前の講演での遺言として受け止めており、最後まで頑張らなければならないと思っています。
 田辺運送の争議も大きな山場です。少しでもよい条件を勝ちとるために組合員が本社に泊まり込みをしながら頑張っている状況です。また、カラオケ店の従業員のうつ病の労災闘争など、日々懸案事項を抱えながら、委員長や辻岡君がいない分、みんなで頑張っております。
 11月集会は、私たち労働組合の真価が問われるところだと思っています。私たちも地域から大きな成果をあげて結集したいと思いますので、よろしくお願いします。

 高英男 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 副委員長

 10月13日に都内で行われた11月労働者集会第3回実行委員会の呼びかけ3労組の提起を編集部の責任でまとめたものです。
 前回の実行委員会以降も組織拡大の数は延びています。大会では1400名の報告ができると思います。来年1年間で3000名の拡大目標に向かってあと1700名を拡大をしていこうというのが大会の大きな方針になります。
 組織拡大や11月集会の戦線の拡大もそんなに難しい話ではないんです。職場の要求に基づいて誰かが核になって闘いを作る。基本的なことがきっちりできれば、職場ではあちこちに火の手が上がるはずやと。ところが11月集会を含めなかなか横に広がらないのはなぜやと。結論を言うとわれわれ自身が情勢に負けてるんちゃうかと。そういう問題意識を事務局会議でも共有したところです。

 なぜ組織拡大ができたのか

 前回は組織拡大の概略の話をしましたので、今年なぜこれだけの拡大ができたのかを話します。ふたつあります。ひとつはわれわれを取り巻く情勢を正確に分析をして危機意識を組合員と共有する。問題意識をもって方向性を示す。今年最初に執行部側からそういう提起をしたわけです。開口一番、「組織拡大ができなければ、たぶん10年後の関生支部はもうないやろ」と。看板が残ったにしても今ある集中力や行動力を維持するような組織体にはなっていないだろうと。そこをわかりやすく組合員に提起をやったからこそ組織拡大ができたと思うんです。何より執行部の不退転の決意と危機意識が、ブロックの執行部の危機意識になり、それが分会の執行部の危機意識になって個々の職場の分会員ひとりひとりを動かした。それが結果として1400名に近い拡大につながったと思うんですね。
 で、実は、今の情勢をどう見るかがもうひとつの大きな要因でした。一個の現象を見方を変えると絶望しか生まれませんが、弁証法的に見ると、必ず可能性があって、そこに運動を拡大させる元がある。必ず現場に不満があるんですから、不満を要求に変えて闘いに組織する。自分の怒りは間違いなく横の労働者の怒りでもあるわけですから、それをいかに共有できるかの話だと思うんです。今回の組織拡大はそれを本気になってやった。
 最後に、来年につなげるために、1400名しか拡大ができなかったわけですから、支部の三役が自ら処分をやりました。それは執行部や組合員にその気になってもらうために、まず三役が痛みを受けて組織拡大の先頭に立つ。このことで議論が起こっています。見方は両方です。「なぜ三役がそこまで処分されなあかんのや。そこまでせなあかんのか」という意見と、あとは簡単に言うたら「もっときつい処分せんかい」(笑)。こういう意見があるからこそ組合というのは活力があるんです。執行部の言うがままではなくて絶えず執行部に対する不満や意見があってわれわれも鍛えられます。先だっての執行委員会では、執行委員の方から三役だけに処分させてわれわれが何もないというのはおかしい。責任は、総勢30名の執行委員会ぜんぶが取るべきやという前向きの意見が出るんです。こういう議論は13あるブロックに波及しますし、こういう議論が起こっている間は、間違いなく来年も拡大の数が広がると確信をしてます。
 11月集会も、関東における闘う労働運動の戦線をどう広げるかも、職場で基本的な要求をしっかりと組織すれば、たとえ小さな火であっても必ずそれは回りに見えます。どこか小さくとも、それをのりこえる闘いができれば、必ず火花が燎原を焼き尽くす炎となって広がると思うんですね。
 関西では今、大阪市職が熱いです。赤田君を先頭に3万人のうちの6人と見るか、橋下が全国を席巻しているなかで6人も決起をしたと見るかによって闘いの作り方はガラリと変わります。関西はたとえ小さな闘いでも網の目のようにあちこちで火を点けられるように頑張りたい。11月集会が会場があふれるばかりの結集で勝ちとられること、その一翼を担うために頑張りたい。(冒頭提起より)

 情勢負けについての議論

 情勢負けしているという話について関生での議論を紹介します。
 1%が99%を支配していると言われています。少数が多数を支配する原理は分断でしょ。そのために差別や労働者の間に格差や階層を作る。しかし、新自由主義はそういう格差や階層をほとんどなくしている。組合にエリート大学を出た理工系の人が組織相談に来る。ちょっと前までは大学を出てそこそこの会社に入ったら労働組合や闘いをせんでも平穏に生きられた。ところが今は労働者は闘う以外に生きる道がない。言い換えると団結する要因を相手側が与えてくれている。これが相手側の危機であり、われわれのチャンスや。情勢をそう見るべきだと。だから現象面ではすごい非正規が増えて労働条件が下がるように見えているけれども、それは見方を変えたら、われわれが多数を団結できる要因を持っているってことです。そこに確信を持たなかったら闘いや団結が広がるはずがない。これが情勢負けをしないモノの見方やと討論してます。
 それからもうひとつ。労働条件のそこそこある労働者はなんぼオルグしても闘いに参加しない。闘いに参加するのは困っている人たちです。自分が権利侵害を受けている人たちです。正規職から非正規に落とされた人たちこそ組織拡大のチャンスがある。そういうモノの見方をすれば、どこに闘いの拡大のターゲットを置くか。関生の一部ブロックでは工場労働者にターゲットを置いてません。工場から放り出され、いくつもの工場を横断的に走らされている輸送労働者こそが組織できる対象なんです。平穏におる人は組合には来ないです。何か不満はあるけど闘い方はわからんけど、とりあえず保険で入っておこうかという人が大半なんです。だから組織拡大の対象もそれぞれの地域や職場でどこに置くべきか。まだエリート意識を持っている人とは団結できません。だけど職場に怒りや自分に不利益を与えられている人はわれわれが団結をする労働者やと。関生ではそういう議論をしているんです。そういう意味でわれわれに団結を広げる、闘いを拡大させる情勢に今あると考えています。(まとめの提起より)

 田中康宏 国鉄千葉動力車労働組合 委員長

 われわれが力を奪い返したときに間違いなく時代が動き始めると確信を持っています。11月集会に1万人の仲間たちを結集し、時代の流れを変えよう。

 この間の闘いの前進

 この間、動労千葉は外注化阻止闘争を軸にして全力で闘いぬいてきました。全国からのご支援、ありがとうございました。まず、その他の闘いの前進について報告します。
 1047名解雇撤回闘争をめぐっては、高裁での「解雇撤回・JR復帰」判決を求める署名運動を開始しました。呼びかけ・賛同の声はこれまでになく広がっています。これを国鉄分割・民営化に僕らの力で決着をつける運動に発展させたい。
 もう一点、10月11日、和解を拒否して共に闘っている国労秋田闘争団の小玉さんの事件でひどい高裁判決が下りました。明らかに6・29判決に対する反動です。時効で切った上で、さらに中身に踏み込んで、6・29判決が認定をした、不採用基準そのものが不当労働行為であるということを全部覆しました。この高裁判決をもう一回覆し、国鉄改革法を粉砕して、国鉄方式で首を切られ非正規職に突き落とされた1千万を超す仲間たちの恨みをはらすところまで持っていく大勝負がこれから始まります。その中で11月集会が行われます。
 今度の11月集会の性格は闘う労働運動、階級的労働運動の組織拡大大会です。関西生コン支部が見本を示してくれています。組織拡大は、労働者が長い間ひどい現実が続いているがゆえに仕方がないとあきらめている状況に負けないで立ち向かうことぬきにはできません。情勢や職場の困難に負けないで立ち向かうこと、自らの職場から闘いを起こし、団結を拡大し、それをひとつの大きな力に結合して闘う労働運動を復権させる。それが11月集会の目的です。
 国際連帯闘争も大きく発展をしています。10・1外注化をめぐって、動労千葉がストライキを闘っている期間中ずっと、民主労総ソウル本部が「外注化・非正規化との闘いは全世界の労働者の共通の課題だ」と訴えて、ソウルの日本大使館前で闘いを展開してくれた。「動労千葉が組織の存亡をかけて闘っているんだからわれわれが一緒に闘うのは当然のことだ」と連絡が来ました。涙が止まらないぐらい嬉しかった。この闘いの路線でいいんだ、労働者の共感を得て団結させることができるんだ、国際的にも通用する闘いだった、やってきた闘いは間違っていなかったとあらためて確信をもちました。
 また、去年大闘争を展開したILWUローカル21が今度は組織ぐるみで参加してくれる決定をしてくれました。ドイツからも機関士労働組合が代表を派遣してくれることになりました。闘いは前進しています。
 また反原発闘争、反失業闘争、沖縄のオスプレイ配備をめぐる闘い、反橋下の闘い、それぞれが我慢ができない現実のなかで、ひとつ火を点ければどこから爆発し燃え上がってもおかしくない現状にあります。しかし、ひとつ欠けていることがある。労働組合が力を取り戻すための闘いです。それが実現できれば、全てが力を得て動きだす。それを作ろうというのが11月集会です。

 情勢の変化

 情勢も大きく変化をしています。IMFと世界銀行の年次総会が開かれています。ついに「世界経済の『負の連鎖』が働き始めた」と言っています。リーマンショックから4年、彼ら自身が、資本主義体制は奈落の底に突っ込んでいくと言わざるを得なくなった。これが労働者に何をもたらすのか。予想もできないことが始まる。大失業と戦争。だけど、敵が足元から崩れようとしているんだから労働者が力を取り戻せばいいんです。
 領土問題をめぐる衝突もこうした事態を背景に起きている。直接のきっかけは石原だけど、もっと大きなきっかけは米帝でしょう。イラク戦争でボロボロになって今度は対中国の軍事戦略を掲げて東アジアにのり出してきた。その手先が日本です。
 民主労総ソウル本部の熱い連帯闘争から学ばされたことがあります。僕らが日本帝国主義の侵略戦争の歴史と現実を絶対にのりこえてやると決意し、労働者に国境はないという立場に立って、現在の新自由主義攻撃と真正面から立ち向かう闘いに立ち上がったときに、国家主義や排外主義の扇動を粉砕し、労働者の国際主義的連帯闘争を実現することは絶対できるんだということです。
 自民党の総裁選で安倍―石破という極右体制ができました。一方、民主党・連合政権が目の前で崩壊しようとしています。連合は存亡の危機にたちます。もっと右に行って、自民党・財界ともっとくっつく方向に進むでしょう。だけど現場はそんなことで収まらない。そこに闘う労働組合がもう一回息を吹き返す状況が生まれてくる。支配階級は、最後の延命の道として究極の新自由主義政策に突っ走る以外にない。すでに壊れてしまっている社会をさらに崩壊させる。そこに労働者が団結を取り戻すチャンスが生まれる。その条件と芽はもう山ほどできています。だけど条件は条件に過ぎない。求められているのはこの状況に挑みかかっていく意志を持ったわれわれが本当の意味で登場することです。人間が人間として生きていく最低の条件も破壊されている。怒りの声は積もっている。だから捨て身で挑んでいけるかどうか。その闘いで団結を組織する。それが問われる時代が来たんです。その変化を僕は反原発闘争から学びました。新自由主義は、人間が人間として生存することそのものを破壊してしまった。もう資本主義体制は終わりです。だから労働組合にこだわって勝負するときが来ているんです。

 10・1の攻防戦の中で得た確信

 全力で闘い抜きましたが、10・1外注化が強行されました。しかし、決して強がりではなく、こんな攻撃は絶対に粉砕できる、その力を労働者・労働組合は持っているんだということに、これまで以上に固く確信を持ちました。組合員がそのことを教えてくれました。
 12年間、組織の総力をあげて闘い、止め続けてきた課題だったわけです。それがある意味で打ち抜かれるわけですから、現場が一定の打撃感、敗北感を持ってもおかしくない。だけど攻撃は始まったばかりであって、闘い続ける意志と団結をどうやったら守りぬけるのか、闘い続けてこんな攻撃はいつか必ず粉砕してやる。どうすれば10・1をその新たな出発点にすることができるのか。そればかりを考え続けて来ました。
 千葉の場合には91人の労働者が強制出向になり、そのうち44人が動労千葉の組合員でした。9月24日から労働者を強制出向させるための教育・訓練が開始され、指名ストを配置した闘いになりました。そうしたら、現場の組合員は、「職場から逃げているようだ」と納得しない。民営化されて以降、ストライキに入ると職場から排除される。「東労組や国労の組合員に闘っている姿を見せられる闘争をしなかったらダメじゃねえか」と言うんですね。それで、スト突入時間を決めずにストライキを指令する形にしました。毎日、教育訓練に乗り込んで「団体交渉も終わってないのに断じて認めない!」とわんわん抗議するわけです。それでやれる限りやりぬいて「業務命令だ」とか「処分だ」と言われたら、自分で「○時○分、ストライキに入ります」と入っていく闘争になった。強制出向になる44人は特別な活動家でもなんでもない。しかも、ひとつの職場にいるわけじゃなくて、県下全域の8つの職場に配置されています。その日に訓練を受ける組合員は1人や2人だったりすることもある。でも、こういう方針をとったら、ふだんは組合活動にあまり出てこない組合員も含めて全員が完璧にやりきって、「こういう闘いがしたかったんだ」と言うわけです。僕は「これで勝った」と思いました。
 9月23〜24日に定期大会がありました。外注化反対闘争の決戦局面です。でも実は10月1日をめぐる具体的方針は決めませんでした。「現場が納得するまでストライキやるよ。1カ月やりてえなら1カ月。でもストライキでは決着はつかない。ここまで来たら下請け会社に乗り込んで行って、現場からの闘いで、こんな外注化をやったら列車はまともに動かなくなるという状況まで持ち込まなかったら決着はつかない」と、スト方針をどうするのかを投げたら、「本部に任せるよ」と言いながら、納得した目つきをしてないんだよ。だから、大会が終わってからもう一度議論をした。それで決めた方針が波状的なストライキです。10月1日は朝から職場に乗り込んで行ってガンガン抗議闘争をやって昼からストライキに入る。翌日昼までストライキに入ったらもう一回乗り込む。翌日また5日までストライキに入る。その間、組合員は8つの職場で本当にものすごい闘い展開した。事前の教育訓練を完全に拒否したまま乗り込んだから、就業規則や内規の教育から始めるしかない。組合員一人ひとりが就業規則の1ページ、内規の1ページで3時間も4時間も抗議して抵抗する。下請け会社の管理者は一言も答えられなくなる。出区が遅れて快速列車が15分遅れたり、ディーゼル機関車の検査ができなかったりで職場はガタガタになった。こうした闘いを44人全員がやりぬいた。怒りが暴発するんじゃないかとか、逆に、派出検査などはその日の出面が1人の所もありますから、何人もの管理者に取り囲まれてどこまで頑張れるのかとか、不安に思っていたのは本部の役員だけでした。そんなことはまったく杞憂だった。12年間の闘いの中で、組合員一人ひとりが外注化攻撃の本質やそれとの闘いの重要性をはじめ、どう闘えばいいのか含め、全部自らのものにしていた。今も職場は毎日ガタガタです。見ていて下さい。こんな外注化は必ず粉砕してみせます。

 外注化阻止闘争の第2ステージへ

 僕はもう一度闘いの原点に帰らなければいけないと思っています。国鉄分割・民営化攻撃から始まった新自由主義攻撃の下で、労働組合は後退し続けてきました。だけど、それだけを言っているだけではだめだというのが外注化反対闘争の原点でした。どうやったらこの情勢の中で闘う労働組合を復権できるのか。それを自らの職場で示したい。理屈だけでは始まらない。動労千葉は分割・民営化に立ち向かって立派に団結を守ることができたじゃないか。さらに、業務の全面的な外注化・非正規職化という第2の分割・民営化攻撃にも12年間立ち向かい続け、今も闘いの意志と団結を守りぬいているじゃないか。こうやって闘えば新自由主義攻撃をはね返すことができるし、階級的労働運動の復権は可能だと示したかった。労働者がここまで突き落とされてきたことが悔しくて悔しくてしょうがなかったから絶対にこれだけはやりぬいてやろうと思ったんです。それができなかったら、非正規職撤廃のスローガンや「正規、非正規の連帯」なんて嘘になる。
 さらに、労働運動の歴史から見れば、労働組合は資本や国家が総力をあげて攻撃を加えてきたときでも、それに立ち向かって団結を守り抜くことができる存在なのか否かがずっと論争の的で、大概はそんなこと無理だと言われてきた。僕は今回の外注化阻止闘争について、「見てくれ! できるじゃないか」と言いたい。確かに外注化はやられた。職場は悔しさと怒りで満ちている。だけど闘いの意志は全然打ち砕かれてない。全然屈していない。労働者はそういう力を持っていることを現場の組合員が教えてくれたんです。
 外注化阻止闘争もこれから第2ステージに入る。12年間かかってまだ雇用先を移しただけです。12年間かかって動労千葉を潰すことも雇用や賃金の破壊もできなかった。転籍し非正規化するまで、あと何年かかるか。こんなの粉砕してみせます。民営化・外注化・非正規化攻撃を絶対に粉砕する第2ラウンドです。その出陣式が11・4集会です。
 これからは、JR本体だけでなく下請け会社も組織化します。非正規職撤廃と階級的労働運動の復権に向けた新たな挑戦が始まります。外注化・強制出向差し止め訴訟も大勝負になります。外注化・偽装請負を粉砕して業務を本体に戻すことができたら、少なくとも運転職場では東労組は崩壊します。ここまでやりぬいたときに階級的労働運動の復権の姿が具体的に見えてくる。
 さらに、情勢との関係で言えば、全ての問題について言えることですが、労働者の側がここで踏ん張り切って団結を広げ始めたら、今度は間違いなく敵の側が崩れ始める。あらゆる矛盾が臨界点に来ています。そういう意味では一番苦しいときかもしれない。でも、本当に無限の可能性に満ちた情勢です。
 11・4集会が大事なのは、現場で全力をあげて闘いぬいた全国の仲間たちの経験をひとつの力として結合することにあります。この二つがどうしても必要です。労働者は自らをひとつの政治的な力に高めなければならない。

 6・29判決と1047名解雇撤回闘争

 6・29判決については詳しくは述べませんが、25年間、本当に悔しい思いをしながら打ち破れなかったのが国鉄改革法の壁でした。全ての労働者に「全員解雇―選別再雇用」などというやり方が、当たり前のようにのしかかる状況を生み出したのが国鉄改革法であり、国鉄分割・民営化だった。「国鉄方式」などという言い方で、そうした民営化・労組破壊攻撃が蔓延した。これが打ち破れたら、この間の非正規化攻撃の根幹が打ち破れます。今回の判決はその一歩手前まで来た。だからもう一歩進めて国鉄改革法を打ち破り、国鉄分割・民営化攻撃に決着をつける新たな闘いを開始したい。同時にこの闘いは、4・9政治解決でいったんバラバラに解体された国鉄闘争支援陣形をもう一回再団結する闘いです。つまり、闘う労働運動再結集運動です。11月集会が目指した課題に重要な柱が、具体的な形でもう一本立ったということです。

 関西生コン支部の組織拡大の闘いをつかみ、11・4へ

 今日、高さんは、「このままでは関西生コン支部の10年後はない」と執行部が訴え、その危機感から組織拡大闘争を決断したと提起されました。さらに、現場の組合員をその気させることさえできれば、一人ひとりの労働者がその力を持っている。それに責任を取りきることができなければ組合幹部の資格はないんだとも提起されました。本当に大事なことです。11月集会を軸にわれわれが進めてきた運動も同じことです。このままだったら10年後はない。だけど情勢は僕らに無限の可能性を与えてくれている。だからからここでやりぬく、時代を変える、未来をつかみとる、こんな社会を変える。そういう出発点に11月集会をしよう。11・4集会の大成功に向けて団結して頑張ろう。
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●新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!

 11・4全国労働者総決起集会

 正午 全国労働者集会
 15時30分 日比谷・銀座をデモ行進

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月刊『労働運動』(272号3-1)(2012/11/01)

■特集 11・4全国労働者総決起集会へ! 外注化阻止・非正規職撤廃!

(写真 10・2京葉車両センター門前行動)

検修・構内業務の全面外注化―強制出向粉砕!

10・1決戦の勝利から新たな闘いへ!

動労千葉10・1〜5ストライキ闘争

 JR東日本による10・1検修・構内業務外注化と強制出向に対し、動労千葉は10月1〜5日、2波のストライキをやりぬき、外注化阻止闘争の新段階を切り開いた。動労水戸、動労連帯高崎も全力で闘いぬいた。以下、闘争を振り返る。

 8・7 京葉車両センターで外注化阻止 の指名スト

 検修・構内業務外注化に向けた支社提案(7月24日)の翌日、京葉車両センター所長は、9人の労働者に仕業検査および西船橋派出の見習を指定。見習とは配置転換のための教育・訓練だ。8月7日、京葉車両センターで働く繁沢敬一副委員長と小林俊雄さんへの不当な業務指示、露骨な組織破壊攻撃に対して、当該2人が指名ストに立った。9日にも繁沢さんが指名ストに入った。

 8・28 動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の60名が強制出向差し止めを提訴

 8月28日、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎が、検修・構内業務外注化―強制出向差し止めの仮処分を提訴。申し立てたのは動労千葉49名、動労水戸10名、動労連帯高崎1名、合計60名の組合員だ。
 14時に東京地裁に仮処分の申し立て、14時30分から弁護士会館で「8・28スト貫徹!仮処分闘争報告集会」が、ストライキで決起した組合員を先頭に250名の結集で開催。それに先立つ10時、千葉労働局に対する抗議・要請行動。

 9月1日以降、仕業検査の訓練の強行に対して連続的な指名ストライキ

 9・12から出向の事前通知

 検修職場で91名が出向。うち44名が動労千葉の組合員。

 9・13〜15 動労水戸第2波ストライキ

 9・14強制出向発令通知に対する抗議スト。平成採の決起が当局による代務(スト破り)を粉砕。

 9・14総決起集会開催

 9月14日、動労千葉は「10・1外注化阻止!強制出向絶対反対・組織拡大9・14動労千葉総決起集会」を開催した。千葉市・千葉市民会館地下小ホールには、組合員・家族会・支援の仲間を合わせて300名が結集。

 9・25動労連帯高崎が抗議行動

 構内運転士の組合員先頭に籠原駅前で総決起行動。

 9・25〜26動労千葉第41回定期大会

 スト権投票が100%で批准。外注化阻止への総決起態勢確立。

 9・26動労水戸第3波ストライキ

 出向事前通知を受けた当該先頭に勝田車両センターで働く全組合員が始業時からスト突入。

 動労千葉、10・1〜5ストライキに突入

(写真 幕張車両センター入口で情宣【10 月1日】)

 10・1スト突入集会

 JR東日本は10月1日、検修・構内業務の外注化を強行した。動労千葉は、10月1〜5日間の強力なストライキに突入した。
 10月1日朝、幕張支部の組合員はJR幕張本郷駅に集合、千葉鉄道サービス(CTS)に強制出向になった組合員、JR本体に残った組合員がひとつにまとまって職場に乗り込んだ。職場は、JR側、CTS側の双方が動員した管理者で一杯だ。動労千葉組合員は、あらためて徹底的な当局追及闘争を闘い抜いて、正午から堂々と第1波ストに入った。京葉車両センター、習志野運輸区、木更津・一ノ宮・鴨川・銚子の検査派出でも、同様に、組合員が一丸となって闘い抜いた。
 午後3時、スト突入集会であいさつに立った田中康宏委員長の「現場の組合員の思いを聞き、本当に悔しい思いでいっぱいだ」「われわれは闘い続ける。絶対に粉砕してみせる。今日のストライキは、その新しい闘いの第一歩だ」との提起に続き、幕張支部の山田支部長は「本当に悔しいです。シニア制度で辞めていった先輩方、『君たちが入れば止められるんだよ』と話して動労千葉に入ってくれた青年部に、負けたわけじゃないんだけど申し訳ない、と言いたい。絶対にこの借りは倍にして返す」と怒りを込めて発言。青年部を代表して木科君が「先ほど山田支部長が『青年部に申し訳ない』と発言しましたが、まったく後悔してない。外注化は青年部の問題だ。青年部が先頭に立ってやっていきたい」と意気高く発言。
 千葉運転区支部や乗務員分科会からも「乗務員は国鉄時代以来、検修の仲間と一体でやってきた。切っても切れない一体の関係だ」「安全を切り捨てるような会社に未来はない」と述べた。職種を越え、世代を越えた団結が示され、全組合員が一つになる感動的な総決起集会となった。

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 動労千葉のスト配置について
@第1波スト 10月1日12時から、2日13時まで(24時間スト)
A第2波スト 10月3日12時から、5日の明けまで(36時間スト)
 動労千葉の大衆闘争の取り組みについて
@10月1日 15時〜スト突入総決起集会(DC会館)
A10月2日 12時〜京葉車両センター門前集会
B10月3日 14時〜千葉労働局弾劾闘争
B10月4日 15時〜ストライキ集約集会(DC会館)
 ストライキの獲得目標
@今後2〜3年のうちに、外注化された検修・構内業務をJRに戻すための闘いに全力をあげる。
A計画業務、機動班、機能保全等のさらなる外注化を阻止する。
B外注化の最大の弱点が偽装請負であることから、CTS(千葉鉄道サービス)における徹底した摘発・追及等の抵抗闘争を闘いぬく。
C反撃の最大の武器である組織拡大闘争に、全組合員の総決起をかちとる。
DCTSの労働者を組織する取り組みの全体でおこなう。
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 10・1スト突入集会における発言(要旨)

(写真 スト突入 動労千葉総決起集会【10月1日 千葉市・DC会館】)

 幕張支部 山田護支部長
 朝早くからの支援行動ありがとうございます。本当に10月1日、悔しいです。これで負けたわけじゃないというのはみんなわかってるんですが、悔しいです。シニア制度で、外注化は認められないと辞めていった先輩方、君たちが入れば止められるんだよということで入っていただいた青年部、その人たちに最初に、負けたわけじゃないんだけど申し訳ない、と。絶対にこの借りは倍にして返します。
 民主労総の方も支援をしてくれまして、偶然、昨日私、韓国の友達に電話したら「日本大使館前にいる」と言うんで、なにやってんのかなぁ、竹島のことやってんのかなあ(笑)と思って本部に来たら、やっぱりスト支援をやってくれてまして謝って感謝したいと思います。
 工具とか「一括買い上げ」とか言って、制服はあるんですが安全靴は入ってない。「安全靴は買い取ったから使え」とかね、だったら制服も今までのままでいいじゃないですか。明日からもJRの服を着てがんばりたい。あいつらのに入っているのは軍足が二足、軍手が二足、制服以外はそれだけです。こんな会社に外注化をやらせるのは明らかな偽装請負です。技術もモノもない会社がね、外注化なんかできるわけがないんです。法律も無視してナメてます。
 みんなには申し訳ないんですが、私は原職のほうに戻る方で、そっちにも幕張車両センターにおける業務フロー案なるものが出てきてます。10月1日で「案」ですよ。しかも、なんも答えられない。ストに入ったからかもしれませんけど、うちには仕事を付けない。明日からも矛盾がたくさんあります。本体にも外注に出された方にも矛盾だらけです。それを一個一個まじめにやれば絶対に止められる。仕事はまわらなくなってガタガタになる。絶対に最後は勝ちます。それも、そんなに遠くない将来です。絶対に止めますので、ご支援よろしくおねがいします。
 青年部 木科雄作君(幕張支部)
 これまでもストライキ、ストライキとやってきましたが、今回のストライキは自分の中でもひと味違います。この間、趣旨説明が始まったあたりから、毎日、当局とにらみあいながら、とくに現場所長とは毎日のように話をして若干親近感が沸いてくるぐらいです(笑)。
 けっこう、がんがんやってるんですが、幕張の先輩方、力強い方がいっぱいいて、昨日も一緒だった先輩が、一晩とおして管理者どもに罵声を浴びせ続ける(笑)、自分はただ後ろから眺めて口を挟む隙もない(笑)ということで、自分もまだまだ甘いなということで頑張っていこうと思ってます。
 先ほど、山田支部長から「入ってきてくれた青年部に申し訳ない」と言ってましたが、はっきりいってまったく後悔してないですね。最近、山田支部長も激務みたいで、ちょっと弱ってるんじゃないか(笑)と思いながら、青年部が山田支部長のケツを叩く時が来てますので、これから青年部が先頭に立って、青年部の問題なんでね、これからもやっていきたいと思います。
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 10・2 車両センター前で青年の怒り爆発
 2日午後、第1波24時間ストをやり抜き、全組合員が職場復帰した。京葉車両センター前では、強制出向を発令された組合員を激励し、当局を徹底弾劾する門前集会が開催された。正門前に居並ぶ十数人の管理者を前に、青年組合員の怒りが爆発した。
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 10・2 京葉車両センター前での青年部・横尾君の怒りの発言
 僕らは、「10倍の給料よこせ」とか言っているんじゃない。安全な車両を提供するのを、俺らなりに頑張ってプライドもって責任を果たしてきたつもりだけど、なんで会社は責任を果たそうとしないのか。なんでも小さいことも報告しろと下には言うくせに外注化の説明はまともにしない。帰る場所の説明もできない。おかしくねえか。
自分らだけがいいと思っている人も多いと思うけど、もちろん自分も大事だけど、同じ方向性でがんばっていく仲間だって大事だと思う。
CTSもガタガタだ。俺たちが妨害してるなんて言う奴もいるけど、じゃあ、俺たちを黙らせぐらいのまともな施策をやってみろよ。上に立つから偉いならまともなことやれよ。できねえくせに労働者に責任転嫁すんな。
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(写真 千葉労働局へ抗議・申し入れ行動【10 月3日 千葉市】)

 10・3 千葉労働局へ抗議

 動労千葉は3日正午から検修外注化粉砕の第2波36時間ストに突入。午後には、各支部から組合員が結集し、千葉労働局への抗議・申し入れ行動を行った。組合員は千葉労働局の入る合同庁舎前で「立ち入り調査をただちに行え!」「毎日、偽装請負をやっているぞ!」「現場ではJRとCTSが入り乱れてるぞ!」と激しいシュプレヒコールを繰り返した。

 出向の4要件に全て反する違法出向

 抗議・申し入れの直後、川崎昌浩執行委員は、「千葉労働局の担当者は、今回の強制出向が『出向の4要件』にあたるのかどうかを聞いてきたが、なにひとつあてはまらないことを確認した。労働局側も最後には『この出向の問題については重大な争点として今後、問題にしていきたい』と言わざるをえなかった。職場で闘い、個別具体的な偽装請負の事実、出向要件の問題を徹底的に明らかにする。これが業務委託を粉砕し、外注化された仕事をJRに戻す道だ」と闘いの方向性を提起。

 完全破綻の検修職場の実態!

 この日の発言では、10・1以降の検修職場の破綻ぶりが次々と報告された。
 千葉支社は、1〜5日のストライキに対して、動労千葉組合員が担当していた外注業務(構内入れ換え、仕業検査、検査派出)を「今日はJR対応だ」とJRの助役などを集めて必死に対応。組合員にスト破りを弾劾されると「この仕事は今日はCTSに委託していないからスト破りじゃない」などと答える。ある日はJR、ある日はCTS。これこそ偽装請負だ。その結果、現場は大混乱。幕張車両センターでは入れ換え業務の組み立てができず快速列車の出区が遅れて本線でも15分遅延した。習志野運輸区では、CTSが用意したのは電話機とファックスだけ。スパナなどの工具も、詰め所も何も変わらない。冷蔵庫も洗濯機も乾燥機も、湯沸かしポットまでJRのものだ。CTSの就業規則や内規の説明を求めても、当局は「これまでと変わりません」と言うだけだ。これが実態なのだ。

 10・4 闘争を集約し、新たな闘いへ

 

ストライキ4日目、この日は始業時から検修構内、派出に勤務する組合員全員がストライキに突入した。
15時から、全支部の組合員、支援の仲間も結集し、総決起集会が開催された。
田中委員長は「組合員のストライキへの決起に対して心から感謝する。ここで一旦集約し、新しい闘いに起ち上がろう」「10月1日から、外注化が強行されたが、出勤が一人二人の中で闘った。この闘いは、負けてるとは思わない、半分勝っている。そして闘い続ける。外注化に対して、煮えくりかえる怒りを忘れてはいけない。この闘いは、勝てる。
ガタガタの当局、外注化は破綻している。本当の闘いは、明日から始まる。偽装請負を許さない。まともに列車が走らないとしてもわれわれの責任ではない。最後に組織拡大を勝ち取るために新しい闘いに突入しよう」と提起をした。

(写真 闘争を集約する10・4動労千葉総決起集会【DC会館】)

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 強制出向は出向4要件に 全て反する違法出向だ! 「教えられる側に対応できる者がいない場合は、技術指導とは言い難い」――千葉労働局が見解
 各事業所の所長はCTS側の嘱託だが、作業責任者に就く管理者14人は全員JRから出向した管理者だ。作業者91人(動労千葉組合員ら)も全員JRからの出向者で、合計105人という大量に出向しなければ業務がまわらない状況だ。
 千葉労働局も大きく関心を示し「相手側(千葉鉄道サービス)には、検修・構内業務をできる人はいるんですか」との質問が出され、1人もプロパー社員はいない旨を説明すると、深刻な顔つきで考え込む状況であった。
 そして、労働局の担当者から「出向の4要件はどうなっていますか」との質問があり、@人事交流、A経営状況、B技術移転、C能力開発について具体的にどうなっているのかについて説明を求められた。
 @の人事交流については、そもそも人事の交流ではなく、業務委託に伴う出向により今までの業務を行うということであり、労働力の提供にすぎないことを説明すると、同席した労働局の室長も「これは要件とは違いますね」との見解が示された。
 Aの経営状況も、JRは今年3月末の決算で、03年度以降最高の利益を上げている状況であり、経営上も業務委託―出向を行う必要がないことを説明。
 Bの技術移転についても、そもそもCTSには、検修構内業務ができるプロパー社員が1人もおらず、技術を移転しようにも移転できない状況であると説明。
 Cの能力開発は、Bと同様にプロパー社員がいないことからCTS側での能力開発ができない状況であることを説明。
 ところで、今回の出向に関してJRは、「経営指導」「技術指導」という理由を労働局に説明しているらしいが、千葉労働局は、「教えられる側(CTS)に対応できる労働者がいない場合には、技術指導とは言い難い」との見解を正式に示しており、今回の強制出向が出向4要件を全く満たしていないこと、JRの説明が全くの嘘であったことが明白となった。さらに、管理者が14人も出向している点にも注目している。
 要請の最後に千葉労働局から「出向に関する部分は重要な問題であり、争点にしていきたい」との見解が出された。管理者クラスの担当者からも、「出向の関係が崩れたら、業務委託も崩れますね」との言葉も出てくる状況であった。
 JRは、違法な強制出向をただちに撤回して労働者をJRに戻せ! そして、業務委託を直ちに中止しろ!
(『日刊動労千葉』7390号 10/6付より構成)
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月刊『労働運動』(272号4-1)(2012/11/01)

■特集 11・4全国労働者総決起集会へ! 反原発・反失業をたたかう国際統一行動を!

(写真 イジェウン・ソウル本部長【左】)

11・3労働者国際連帯集会に集まろう!

韓国・民主労総ソウル本部、アメリカ・ILWUローカル21、ドイツ機関士労組(GDL)が参加

動労千葉国際連帯委員会

 民主労総ソウル本部が、外注化反対の動労千葉ストライキを支持し、日本大使館前で抗議行動

 11・4労働者集会と前日の11・3労働者国際連帯集会は、新自由主義が推し進める外注化・非正規職化、戦争と排外主義攻撃に対し、反原発・反失業を闘う国際統一行動として勝ちとられようとしています。
 10月1日、JR東日本は闇雲に外注化を強行しました。しかし、動労千葉、動労水戸、動労総連合は、あくまで外注化・偽装請負を弾劾し、波状的なストライキで闘い抜き、新たな労働運動の地平を切り開きました。この闘いを推し進め、世界の労働者と連帯し合流する場が11・3労働者国際連帯集会であり、11・4全国労働者総決起集会です。

 9・27 ソウル本部が実力で「記者会見」

 9月27日、韓国・ソウルの日本大使館前に「動労千葉のストライキ闘争を民主労総ソウル本部が支持し、連帯します」「JR外注化阻止! 非正規職撤廃! 強制出向反対!」
の大横断幕が広げられ、動労千葉Tシャツを来た30人を超えるソウル本部の労働者たちが集まりました。動労千葉ストライキ支持・連帯の記者会見をするためです。
 最初から警官隊が排除しようとかかりましたが、「警察官とのもみ合いの末、結局は私たちは大使館前の道路側で記者会見を行いました」(ソウル本部の仲間からの報告)。日本大使館前での「記者会見」を実力で開催したのです。
 ソウル本部に結集する16万組合員を代表してイジェウン本部長が「労働者は一つだ!韓日労働者の団結と連帯で外注化阻止闘争に必ず勝利しよう!」とアピールしました。(動労千葉HPに掲載)
 記者会見ではイジェウン本部長に続き、鉄道労組パクテマン首席副委員長、チョンテイル精神を継承するサイバー労働大学のキムスンホ代表、金属労組ハイテク分会キムヘジン同志が連帯発言をしてくれました。
 記者会見後、路上に広げた檄布に参加した同志たちが動労千葉へのメッセージを書き込みました。「動労千葉の同志たちのストライキを支持します」「闘争!」「勝利するまでともに闘います!」など、動労千葉への思いが書き記された檄布は、10・1動労千葉ストライキ総決起集会の場に届き、動労千葉組合員に大きな力を与えるものになったのです。

 9・28〜10・1日本大使館前1人デモ

 翌28日からは日本大使館前でリレー形式での1人デモが取り組まれました。イジェヨン第3代ソウル本部長(公共労組)が呼びかけ、コジョンファン第2代本部長(起亜自動車)、チェジョンジン第4代本部長(ソウル地下鉄)を始め、金属労組、公共労組、大学労組、言論労組、全解闘など多くの動労千葉を支援する現場労働者が秋夕(チュウソク)の休暇を返上して動労千葉のストライキと同時決起したのです。
 独島(竹島)問題をめぐる日帝の新たな領土略奪策動と国家主義が台頭する中、資本の外注化と闘う日韓労働者の共同闘争が実現したのです。まさに共通の敵は新自由主義であり、資本であるということです。
 2003年に始まった民主労総ソウル本部と動労千葉の国際交流は今年、10年を迎えています。世界大恐慌の深化と3・11情勢下、階級的労働運動を通じた国際連帯闘争の登場が歴史を左右する鍵となっています。
 11・4労働者集会と、続く民主労総労働者大会への動労千葉訪韓団の闘い、この二つの11月闘争を結合させ、外注化阻止・非正規職撤廃を実現する国際連帯闘争のさらなる拡大をつくり出しましょう!
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 9・28〜10・1日本大使館前1人デモでの発言

イジェヨン同志(元ソウル本部長)

資本の外注化を阻止するためにストライキで闘っている動労千葉の同志たちを支持します。ソウル地域近隣の同志たちに動労千葉の闘争のことを知らせ、秋夕の連休期間にもかかわらず、日本大使館前のリレー1人デモを主導したイジェヨンです。この間、動労千葉とともにした同志たちが、外注化阻止闘争の支援連帯行動に決起しました。
動労千葉の同志のみなさん! 同志たちの闘いは、かなり前から資本の攻撃に備えて組合員の教育、団結、そして闘争を準備してきた労働者、組合員の闘いです。準備されてきた皆さんは堂々たる姿で闘っていることと私は固く信じます。
外注化が強行されたらどうなるかは、過去の民営化で同志たちは血と涙で経験してきました。正規職労働者から非正規労働者に転落し、働いても、正当な労働の価値を認められない労働者として暮らさなければならない悲惨な現実をわれわれは誰よりもよく知っているから、外注化に反対し、非正規職撤廃を闘っているのです。
もう一つは、これまでJR資本は動労千葉をつぶすために策動してきたと思います。
しかし田中委員長を中心とした団結の力で跳ね返してきました。だがゆえにJR資本は今も労働組合を無力化しようと血眼になっているのです。だから今度の外注化攻撃を粉砕しなければならないのです。労働組合がなくなったら、想像もできないことが起こるでしょう。
同志のみなさん! 団結した闘いで労働組合を死守しましょう。資本より1日長く闘いましょう。勝利しましょう。動労千葉に連帯し、支持します。同志のみなさんを敬愛します。トゥジェン!
(写真 イジェヨン同志)

ユフンヒ同志(キリュン電子分会長)
今日から動労千葉の同志たちがストに入ったと聞きました。日本では非正規職問題が深刻化して無差別殺人事件まで起こったのに、またも外注化して、皆さんを非正規職にしようとしているとのことですが、韓国でも非正規職を固定化する法案が提案されており、頑張って闘わなければならないと思っています。今日は国際連帯が何たるかを示すためにここに来ました。皆さんと一緒に闘います

キムヘジン同志(ハイテクRCDコリア労組)
以前、動労千葉の同志たちが話してくれたことがあります。「敵よりも一日長く」。敵よりも一日も長く闘う強い意志と覚悟があれば、きっと勝利できます。遠く離れてはいますが、労働者の生存権をかちとるために、日韓双方で連帯して闘いましょう。
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(写真 「動労千葉のストライキ闘争を民主労総ソウル本部が支持し、連帯します」の横断幕を掲げて怒りの記者会見)

 巨大穀物商社・政府の外注化・労組破壊と真っ向勝負し職場を守るILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)が参加

 最強の職場支配権を持つ労組への破壊攻撃に誇りをかけて大反撃

 ILWUローカル21が11・3、11・4集会参加のための来日します。動労千葉とローカル21の信頼関係は、両組合が組合員の総決起で外注化・労組破壊と闘い抜いていることで、強固なものになっています。
 ローカル21の職場、ロングビュー港に超巨大企業の合弁会社EGT(穀物輸出ターミナル)が作られました。EGTは、港の荷役作業から組合員を排除し、港湾荷役の経験がまったくない企業に非ILWU組合員を雇わせています。外注化=労組破壊であり、これは一支部レベルにとどまらず、ILWU全体の壊滅を狙うものです。
 ILWUは米西海岸の全港湾で、労働者の配置権は経営側ではなく組合側がすべて握るという強力な職場支配権を確立しています。しかも08年、「イラク戦争反対」を掲げて米西海岸の全港湾を閉鎖しました。このアメリカでもっとも戦闘的な労働組合ILWUを破壊するため、オバマ政権はEGTを全力で支援し、軍の一部である沿岸警備隊まで動員しました。
 だが、ローカル21の組合員は総決起し、職場を実力占拠して穀物搬入を阻止しました。また他支部、他労組に代表を派遣して共同闘争を組織したのです。彼らは、自分たちの職場を守るだけでなく、ILWU全体を、ひいてはアメリカ労働運動全体を守るために立ち上がったのです。
(写真 家族ぐるみで線路を占拠、穀物搬入を阻止【2011年9月7日】)

 11・2オークランド港封鎖と12・12西海岸全港湾封鎖

 

ローカル21は220人の小さな支部ですが、巨大資本と政府に真っ向から対決しました。これが、全米の労働者階級の戦闘性に火をつけたのです。ローカル21を守るために11月2日に他労組や未組織労働者を含め3万人がオークランド港を封鎖しました。そして12月12日にはさらに巨大な決起がありました。

(写真 ILWUローカル21との連帯≠掲げてオークランド港を占拠・封鎖した3万人のオキュパイ運動【2011年11月2日】)

 TPPと労組破壊――新自由主義の極致

 巨大穀物ターミナルEGTは、世界の穀物市場を支配する三大穀物商社の一つバンジーと日本の伊藤忠、韓国の海運会社STXの合弁会社です。金融独占資本が、全世界の農民、労働者に対し、TPPで今までとは桁違いの生活苦、飢餓を強制しようとしているのです。
 TPPは、「国際条約は国内法に優先する」といって、労働法を始めあらゆる国内規制を一挙にスクラップにして、新法に置き換える大攻撃です。
 今年は、ローカル21組合員で、ロングビュー一帯の労組評議会(地区労)の議長を勤めるカイル・マッキーさんら数名が11・3、11・4集会に参加する。ともに集会に参加し、ともに勝利しよう!

 民営化に行動委員会を結成して闘うドイツ機関士労組の仲間が参加表明

 ドイツとの連帯は2012年、めざましい発展をとげています。とくに8・6広島には、ドイツ反核運動の総本山=ゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟からの参加がありました。
そして11・4集会には、ドイツ機関士労組(GDL)に所属する仲間が参加を表明しています。GDLは、ドイツ鉄道(DBB=連邦政府の持ち株会社数社の連合体)の鉄道運転士および車掌の7割以上を組織し、組合員数は3万4000人。同労組は、新自由主義による実質賃金の低下などに真っ向から対決し、2007〜08年、ドイツ全土を揺るがす数波の大ストライキを闘い、「ストライキ共和国=ドイツ」を実現する原動力となりました。
いまベルリンでは、州政府によって「都市鉄道」(ベルリンと周辺都市間を結ぶ鉄道網)を民営化する計画が推し進められていますが、これに反対する鉄道労働者が、GDLをはじめ組合を越えて広範な行動委員会をつくって闘っています。彼らとの国際連帯は、昨年8月の動労千葉国際連帯委員会と全学連の訪独以来ですが、今年のメーデーと6・10国鉄集会では心温まる連帯声明の交換に発展し、さらに今回の参加表明となったのです。
(写真 ストに立つGDL【2011年3月30日 ゲッティンゲン】)

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 労働者国際連帯集会

11月3日(土)午後1時30分開会
千葉商工会議所第1ホール(千葉市中央区中央2-5-1 千葉中央ツインビル2号館14階)

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月刊『労働運動』(272号5-1)(2012/11/01)

■特集 11・4全国労働者総決起集会へ! 外注化阻止・非正規職撤廃!

JR郡山工場 外注化阻止闘争 報告と決意

「一人は万人のために、万人は一人のために」で職場を覆い尽くす挑戦へ

橋本 光一 国労郡山工場支部 書記長

 工場全体に外注化反対の息吹

 

組合としては職場集会はじめ、諸会議での議論で団結をつくりながら、要求を集約し団体交渉もやってきました。大衆的には工場門前チラシ配布での宣伝や、弁護士を講師にした偽装請負問題学習会、工場門前での外注化反対集会などできる限りのことはやってきました。それに加えて交流センターの仲間による「外注化阻止ニュース」門前配布が毎週行われる中で、工場全体に外注化反対の雰囲気がつくられていきました。しかし、10月1日、コンプレッサー検修業務の外注化が強行されました。技術を後進に伝えるための外注化と力説し強行したにもかかわらず、外注化されて2週間が過ぎようとしているのに、外注会社の人の回しができず、技術指導は結局棚上げにされたままで、「これじゃ、制服が変わっただけだ」と怒りの的となっています。
JR東日本の現場総力の闘いで、その一部しか実施できなかった『グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進』は、工場にとっては「管理部門だけをJRに残し現場は全て外注化する」という大合理化の序幕にすぎません。今後、計画どおり外注化の拡大が進めば、車両品質=安全性が一層低下していくのは間違いありません。それは、JRでは5人でやる仕事を外注会社では4人でやれと言われる。JRでは20万円の賃金のところを外注会社ではたったの15万円で働けと言われる。その上に3K作業を押し付けられ、車両故障や工程の遅れなどJRの都合に毎日振り回される。不満があっても上にモノが言えない。そんな外注会社の劣悪な労働環境の下で、安全性の低下は必然であるということです。

(写真 3・11反原発・福島県民大集会に翻った国労郡山工場支部の旗)

 動労千葉の闘いから学ぶ

 郡山工場支部においては、当初、外注化反対と胸張って力を込めて言えないという状況がありました。それは、「退職再雇用者の職場を確保するための外注化」であると会社が言っていたためです。JRは定年が60歳ですから、年金支給年齢の65歳までの5年間の職場を確保するための外注化だというわけです。だから、退職間近の人にとっては、「外注化に反対する」ことは「自分の退職後に行く職場をつくることに反対する」ことになるわけです。10年前、同じような合理化があった時に、動労千葉では「安全輸送のために、後輩のために、皆のために、外注化に反対して職場を残す」のか、「自分の雇用確保のために外注化を認める」のかという、執行部と退職間近の組合員との激しい議論があったと聞いています。その結果、生活維持のためにと、やむを得ず組合を脱退するというようなことがあったし、一方、退職する組合員の就職活動、職探しを組合執行部が必死になってやって、外注化反対という労働組合の譲ってはならない基本方針を守り抜いたと聞いています。だからこそ動労千葉は、今回の検修全面外注化に対して、全国を揺るがすような闘いができたのだと思います。
 動労千葉の田中委員長は10月7日の三里塚現地集会で「国鉄分割・民営化以降の新自由主義政策で、労働組合を破壊され、外注化政策が推し進められ、非正規雇用が増大し、日本の労働者階級は生活をめちゃくちゃにされて来た。だから逆に、この外注化と徹底的に闘う中で労働組合を再生していく。この方針で組合員を組織し闘ってきた」と言っていました。組合員個別の利害のためではなく労働者階級全体の利益のための外注化阻止闘争なのです。ふくしま労働学校のある講義で「自分だけが良ければいいという行動原理を職場から駆逐し一掃し、『一人は万人のために、万人は一人のために』という行動原理で職場を覆い尽くさなければなりません」というのがありました。まさしくこれです。

 労働者の力を確信しきったオルグが必要

 だから今後の外注化阻止の闘いと、職場の議論・オルグは「覆い尽くす」ために積み重ねる挑戦の柱となります。「一人は万人のために」とかいっても、結局、自分自身が大事な人の方が多いんじゃないかと組合員を信じられなくなったり、外注化は結局やられちゃうんじゃないかなどという迷いは許されません。子どもたちを放射能から守ろうとする福島のお母さんたちの、子どもたちのためなら自分はどうなってもいいという、必死の実践行動がたくさんの人たちの賛同を得ているように、確信を持った者、真剣さを持った者、なりふり構わずやり抜くもの、そういう者にこそ労働者は力を感じ可能性を感じ、一緒にやってみよう、賭けてみようかと思うのだろうし、そういう者にしか時代は切り拓けないのだと思います。
 外注化拡大阻止。郡山工場にとっては、これからが本当の正念場です。課題はでかいことだけれども、やることは一人ひとりの気持ちを変えていくことなのだと思います。動労千葉のような組合員のオルグ、労働者が勝つためには外注化阻止が絶対に必要なんだと、そのためには組合員個人の利益が犠牲になるかもしれないけれど、覚悟してほしいと訴え切ってしまうオルグ。もしこのオルグをやりきったら、ふくしま労働学校で言われていた「『一人は万人のために、万人は一人のために』という行動原理が、国労の中に、JR労働運動の中に大衆的に打ち立てられた時、日本の労働運動は完全に息を吹き返す。そのとき、日本の労働運動は農民、漁民、など勤労諸階級、諸階層をも『一人は万人のために、万人は一人のために』という行動原理のもとに統一していくだろう」ということが近いうちに、現実に私の目の前に実現するんじゃないかと思えるのです。私は、自分の職場の闘いがそういう位置にあるということを肝に銘じてこれから外注化決戦をやり抜きたいと思います。

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月刊『労働運動』(272号6-1)(2012/11/01)

■特集 11・4全国労働者総決起集会へ! 青年労働者のアピール

すべての青年労働者は11・4労働者集会に集まろう!

闘う労働組合を甦らせ、腐りきった資本主義社会を変えよう!

全国青年前段集会開催決定!!! 11:15〜 日比谷野音 主催:実行委員会

9〜10月に首都圏、関西、東北で行われた青年労働者集会の発言の一部を紹介します。

(写真 200名の結集で勝ちとられた首都圏青年労働者集会。発言に立つ動労千葉青年部、動労水戸の青年労働者【10月14日 千葉市】)

 10・14首都圏青年労働者集会より

 強制配転絶対反対の闘いを開始する

 JP労組銀座支部 星野勝紀さん
 郵政民営化絶対反対で7年間闘ってきて、ついに一昨日、課長に呼び出されました。来春の人事交流の話です。「ついに来たか」と構えていたら、同じ班で学習会なんかやってきた青年が「星野さんが異動されたら僕は職場辞めます」と言うんです。そしたらその青年も課長に呼び出されて局内の配転を通告された。相当な動きです。どうするのか。仲間みなで集まって話をしました。
 こんなデタラメな配転攻撃が人員不足の中で起きています。僕たちは毎日客に怒鳴られ、焦って交通事故は起きる、死人も出る。こういう状況のなかでまっとうな職場闘争をやろう、あくまでも絶対反対だと一致しました。
 青年からは「ひとりで変わり者になってしまったらどうしたらいいんですか」という意見も出ました。これを組合の運動にしようと議論をし、この配転に絶対反対の闘いを開始します。これが、7年前に掲げた「物ダメストライキで闘おう」ということの具体的方針です。共に闘いましょう。

 労働組合に生きることこそ人生最大の道

 郵政非正規ユニオン委員長 齋藤裕介さん
 郵政職場はすでに職場に行ったら殺される状態です。タイヤつるつるのバイクに過重積載で縁石の中に突っ込んで死んでしまう事故。闘わなかったら殺されるんです。
 非正規が生きていけない。正社員だって同じです。給料を下げられ、どうやって家族を食わせていけというのか。これが郵政民営化の結果です。非正規化を推進する野田やその先兵の郵政を牛耳る斎藤・鍋倉らを許さない。
 奪われるものは命と誇りしかない。でも僕たちは命も誇りもやつらに渡すつもりなどありません。僕は最初、集会で「団結なんか嫌いだ」と繰り返していました。この僕が、今や団結の力に確信を持っています。だから絶対に勝てます。闘う労働組合を自らの手で作ろう。奪われた希望を取り戻そう。それをこの1〜2年の間に革命という形で起こします。革命とは「世の中を変えること」です。僕は革命をやると明示して活動家として生きてます。この組合の仲間たちとともに闘えることは最高です。労働組合に生きることこそ人の誇りとすべてを取り戻す人生の最大の道です。
 最後に一言。いよいよ労働委員会闘争で審問が始まります。12月に第1回、2月には「非正規のクズ」と言い放った大工原が登場します。以降、東京多摩支店の悪徳経営者が労働委員会をにぎわします。彼らを叩きのめすため、ぜひ皆さんの協力をお願いします。

 もうくやしい思いをしたくない

 動労水戸 羽部圭介さん
 はじめまして。組合活動に携わってほんのちょっとですが、組合とは何なのかと思ったときに、そこにいる労働者を守るのが組合だよなとずっと腹の中にありました。今回、外注化が来て、それは果たして労働者を守るものなのか。自然とおかしなことだと答えが出ました。ただ当時は東労組にいました。反対の取り組みをしたかったんですけど、結局、東労組本部とJRの本社で話が進んでしまい、結局、何もできず、我慢できなくなって、東労組をやめることを決意しました。
 さかのぼってみるとライフサイクルが前にありました。せっかく運転士になったのに何でというのが最初の素朴な疑問でした。そのときも東労組の本部と本社の間で話が進んで、結局、何もできず、非常に悔しい思いをしました。今回の外注で、その時のくやしい思いを検修のみなさんにも味わわせたくないという気持ちもありましたので、思い切って動労水戸に加入させていただきました。これから実際、自分がどうしていくのかが問われています。いっしょにやっていきたいと思います。

 みんなが笑顔になれる労働運動を

 動労水戸 照沼靖功さん
 6月、東労組が本部―本社間で妥結をして、その後、ずっと外注化反対とやってきて、8・30、9・14、9・26と3回にわたって外注化反対のストライキをやりました。9・14ストライキでは職場の青年みんなが、スト破りの代務に反対して立ち上がってくれました。それは私たちが車両センター全部の労働者のことを代表してやっているのをわかってくれてやってくれたんです。10月1日を迎えて外注化されてしまいましたが問題だらけです。制服も用意できない。就業規則や内規も説明できない。9月30日までは平気で普通にやれていた車両を入れ換える作業すらまともにできなくなっている。これがJR東日本の本性です。こんな無責任な会社を野放しにしていいはずがない。そしてこの会社の犠牲になって強制出向されたみんなを絶対に守り抜かなければいけない。動労水戸の先輩たちが25年以上も闘い続けてきた真価が問われています。それを引き継いでわれわれもやっていく。なぜかといえば、絶対にこの社会から非正規職をなくさなければ労働者はみんな生きていけないんです。労働者が生きていけなければ社会はどうなりますか。労働者全員、その家族もみんなが生きていける社会にしなければいけない。微力かもしれませんが、外注化反対、非正規職撤廃、そして原発廃炉をやっていきたい。
 職場で今、青年を組織するために頑張っていますが、なかなか動労水戸加入には壁、ハードルがあります。私も去年、1週間すごい悩みました。なぜなら動労水戸の先輩たちがされてきた差別を見ているからです。でもそれをのりこえたからこそ、今こうやって楽しくやれています。10・1以降、出向に出された人も本体に残った人もみんな暗い顔をして下を向きながら仕事をしています。こんな職場で安全な仕事ができるのか。できるわけがない。それを変えられるのは、東労組でも国労でもない。動労水戸、動労千葉、そして闘う労働組合なんです。みんなが笑顔でやれるような、確かに飲み会ばっかで大変なんですけど(笑)、そういうノミニケーションも大事にした楽しい労働運動をやって、少しでも組織拡大して、日本、いや全世界の労働者が笑顔になれる労働運動をやっていきたい。

 組織拡大で外注化を止める

 動労千葉青年部 渡辺剛史さん
 動労千葉青年部は、検修で4人いますけど、4人とも出向の当該になっていましました。正直ショックはショックですけど、下向いてばかりいられないので、年配者といっしょに毎日頑張っています。
 千葉では順調に業務は回っていません。当たり前のことをやって、今まで回っていた業務が回らなくなったんです。指揮命令系統がすべて変わった中で「今までどおり自分たちはできない」と当たり前のことを言って闘っています。それを見ている若い人も、国労の組合員もいますけれども、やっぱり立ち上がってくれないと止まらない。止めるためには本当に組織拡大しかないんで頑張ります。
 あとは照が言ったことがすべてです。羽部さんが言ったのも、ライフサイクルが嫌だから動労水戸に加入したと言ったんですけど、やっぱりそこなんですよね、原点は。嫌だから本当に声を上げないと進んでしまう。一人でも多く動労千葉に結集させるように頑張ります。水戸には負けてられないので動労千葉も今後ともよろしくお願いします。

 9・29関西青年労働者集会より

 会社と西労組を許さない

 動労西日本 Tさん
 2005年4月25日の勤務中、尼崎事故のテレビ映像を見て、精神状態がおかしくなりつつも、事故により、上長の命令で、約41時間に渡って拘束されました。事故から約2週間経った5月13日、旅客からの罵声、人間性さえ否定されるクレームを2時間に渡って受け、「双極性感情障害U型」を発症し、1年半の休職を余儀なくされました。なお、私は、休職に入り6カ月後には、主治医が復職可の診断書を会社に提出しましたが、会社は無視しました。その後も復職可の診断書を出しましたが、復職できませんでした。その状態が続いたので、当時加入していた西労組に救済申立書を出しました。にも関わらず、西労組役員は、何事もなかったかのように振舞い、組合員である人間を見捨てたのです。これに怒りを覚え、西労組を脱退し、大阪地裁に復職請求事件を提起したところ、会社は、病気休職から1年6カ月後に復職させました。会社と西労組が結託し、私を解雇させる算段であったとしか思えません。
 現在、私は四条畷駅内勤として勤務しています。精神疾患で接客ができないのです。そのため勤務は全て日勤であり手当など存在しません。基本給しか支給されていないのです。
 労災申請を行ったところ、会社は事業主証明を拒否しているので、私は今年9月7日、四条畷駅にて、動労西日本のスト指令にもとづき、ストライキを実施しました。
 ストライキの当事者が、平成採用者でかつ、近畿統括本部内及び大阪支社内において在籍する社員であり、その中で初めてのストライキを実施したため、本社・近畿統括本部・大阪支社は、管理者約20名を派遣してきましたが、当局は度肝をぬかれていました。
 このストライキは、大成功でした。その後、大阪地裁へ労災不支給事件として、訴状を提出し、現在、係争中です。
 動労西日本は、組合員一人ひとりを大切にする労働組合です。資本の犬とならないように、団結のもとで労働者が力を合せれば、資本を打倒できます。是非とも、動労西日本に加入し、資本と闘おうではありませんか。

 闘う団結があれば負けない

 関西合同労組奈良支部木虎電器分会 Hさん
 私はリーマンショックの時、森精機での派遣切りに対し、派遣先の森精機に対して3回のストライキを闘った者です。派遣社員ではダメだから、正規職員でないとダメだと思い、木虎電器という社員10名そこそこの会社に就職しました。木虎電器は、携帯電話の通信アンテナ基地をたてるための携帯・通信大企業の仕事の外注先であり、下請会社です。
 社長の愛人には中古の家や車を買っておきながら、私たちには「売り上げが悪いから今回はボーナスはない」とか、社長の機嫌を損ねた労働者に対して「あいつはクビやな」とか「仕事ができないなら、違う部署に回せ」と退職を強要してきました。その木虎電器という資本家が、私みたいな一労働者に牙をむいてきました。社長の頭ごなしの言い方にこれまでの怒りが爆発し、森精機闘争で培ってきた労働者魂に火がつきました。
 組合通告をしたら、社長は「会社をつぶす気か! 俺が規則や。お前はその規則に違反した。そんな奴には辞めてもらう」と言ってきました。
これには「不当労働行為ですね」と言い返しました。
 関西合同労組として3回の団交を行いました。1回目の団交後に、社長はなんと他の従業員に「組合にかかりません」という一筆をとるというとんでもない不当労働行為を行いました。関合労はそれを絶対に許さず、文書による謝罪文を出させました。組合の追求に耐えかねた社長は、なんと会社を丸ごとつぶして「全員解雇」を行い、逃げ出したのです!絶対に許せん!
 7月31日、解雇が強行され、現在、解雇撤回で労働委員会闘争を闘っています。社長は陳述書で、「当社のような中小企業の中には法律の規定どおりの残業代を払えば、事業として立ち行かなくなるところが多くあると聞いていますし、当社もその一つでした」などと言っています。「残業代を支払えば会社がつぶれてしまう」「従業員が残業代を支払ってほしいと要望をしなかったら払わなくてもいい」という開き直りは許せません。
 木虎電器で正社員になったけど、結局現状は非正規雇用と同じです。ええように使われているだけです。黙っていたら何も始まらない。言いたいことは言う。一人でダメでも組合のみんながいる。闘う団結があれば負けない。日々人が手を組み声を上げ団結を拡大することこそが勝利だと確信しました。森精機の闘いから4年、改めて森精機闘争の意味が深まりました。
 橋下は「天下をとる」とわめいていますが、天下をとるのは労働者です。共に闘おう!
(写真 130人の結集で勝ちとられた関西青年労働者集会【9月29日 大阪市】)

 9・30東北青年労働者集会より

 資本主義の仕組みを壊したい

 仙台市職労 Bさん
 思っているだけでは何も変わらない。行動して初めて「命よりカネ」というおかしい枠組みを壊して新しい枠組みをつくることができます。なんでこんな失業問題が出ているのか。正職の半分とか3分の1の金額で同じ内容の仕事をさせられている非正規の人が山ほどいる。人減らしが進み、長時間労働、過密労働になって家族や子どもと過ごす時間も少なくなる。14年連続で年間3万人以上自殺者が出ている。何かいびつなことが人の心の中に生まれている。
 私の地元は岩手県の沿岸部です。帰ると何もない。草の茂った地面をよく見るとガラスの飛散とかすごい。そのまんまかよっていう。なぜ被災地に仕事もお金も回らないのか。
 原発がある福島の人たちの暮らしも深刻です。放射線管理区域より高い線量のところに生活をしなくてはいけない。そのなかで福島医大の山下教授が国を危なくしちゃいけないという立場から、子どもたちの甲状腺の問題も放射能との因果関係はないと言い張っている。極刑にしたいぐらいだ。
 復興特区も企業が儲かるための特区だと明らかになってきた。そもそも原発は、日本が原爆を作るために自民党が進めてきたものだ。原発再稼働、大間原発の建設、尖閣に示される戦争の危機、沖縄のオスプレイや改憲の動きも断固止めなきゃいけない。
 投票すべき政党は存在しない。増税に、アメリカの利益にしかならないようなTPP。まるっきり労働者のことは考えていない。公務員バッシングもひどい。そのまえに政治家たちだろって思います。国を代表して国民のために働くはずの人が何もしてない。結局、資本家階級や官僚のいいなりです。そういう状態をぶち壊さなきゃいけない。
 資本主義は破綻しています。ファミマがあるのにセブンイレブンができて、そこ寄こせって取り合っている。そういうジコチュウな社会です。環境破壊に乱開発。お金儲けだけ。もう地球はもたないだろう。技術が進めば人間の幸せになる、だからそこに猪突猛進してきた。でも良心のない進歩なんていらない。原発が本当にその最たるものです。今、生きるということや豊かさ、幸せとは何かを考え直すべき時代になってきています。資本主義という仕組みを壊したい思いでいっぱいです。
 そのときに労働組合の再生が必要とされています。いまの労働組合はまったく機能していない。動労千葉や動労水戸が外注化阻止の闘いのなかで、労働組合が闘えば、資本とも闘えるし、十分勝てることを証明できている。だから、闘おうとしていない労働組合を変えなきゃいけない。最初に行動を起こすことが大事と言いましたが、革命的なことをしないと、いや革命そのものを起こさないと、この世の中を変えられない。本当に壊れてしまう。人も地球もぜんぶ壊れてしまうと思っています。そのために労働組合にみんなで集まって力を合わせて団結して、いっしょに闘っていきたいと思います。
(写真 40人の結集で成功した東北青年労働者集会【9月30日 仙台】)

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月刊『労働運動』(272号7-1)(2012/11/01)

国労組合員資格確認訴訟の意義について(下)

星野 文男 国労新潟県支部執行委員、国労新潟・駅連合分会


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●目次

・解雇組合員の組合員資格剥奪は、戦後労働運動の歴史すべてを投げ捨てるもの!
・階級の良心がスト禁止法をのりこえてきた
(9月号)
・敗戦……資本・権力は絶対的延命だけを策動
・支配体制を支える公務員のスト禁圧―スト権めぐる根底的闘い(前半)
(10月号)
・同上(後半)
・国鉄分割・民営化反対闘争―新自由主義との闘い
・公労法の枠を越えて! 改革法の枠を超えて!
(11月号)
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 支配体制を支える公務員のスト禁圧―スト権めぐる根底的闘い

 57年国鉄新潟闘争(後半)

 国鉄新潟闘争は、戦後革命期を除けば最も激しい全国的実力闘争として闘われ、全国各地からの現地激励・共闘行動の中で革命的共産主義運動の萌芽として闘われ、政令201号体制というブルジョアジーの支配構造を根幹から打ち破る闘いとして闘われました。つまり、「スト⇔処分」の繰り返しに対して、処分を制限させる闘いを組み、「スト権回復が焦眉の課題」と、駐留軍支配―政令201号体制との対決路線を突き出したのです。
 また国労は53〜55年にかけて9月号記載のとおり、組合員資格を拡大して解雇者を守り「公労法の枠を破り」(『国労20年史』)企業内組合からの発展を勝ちとる足がかりを築いたのです。公労法の枠を破るとは、「ストを禁止する―ストをしたら解雇する―解雇されたら組合員から排除する」という政令201号体制の団結破壊攻撃と、企業内組合に押し込める攻撃を打ち破ることを意味しています。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃氏は「新潟闘争でスト権問題が現場労働者から押し出された。総評指導部はここで後退した。新潟の場合は実力行使の中で自分たちの行動、ストライキに結びつくような行動の当然性を感じるまで、つまりスト権奪回を問題にしうるまで労働者の意識は高まっていた。その意識の高さについて指導部の確信がなかった。その意識水準での団結をつくりだす考え方がなかった」「指導部が率直な問題提起をすること……大衆的討論……共同の行動の繰り返し……労働者は企業の繁栄の選択肢に対して労働組合的解決の選択肢を自ら選び、打ち固める。このような主体形成に団結の本質がある」「新潟闘争には、労働者が現にひとつの団結に高まっていくという過程を見なかった。労働者たちはそこに自分たちへの侮辱を感じたのではないか」と指摘しています。
 突破の方向は、国鉄新潟闘争とハンガリア革命・日共六全協の過程で、反帝国主義・反スターリン主義を確立した労働者階級が、その後、職場で階級的労働運動を実践したことにありました。その最前線に動労千葉があり、時代認識と路線で一致した階級的労働運動が存在しているのです。
(写真 春闘スト処分に対する抗議行動が自己解放的な実力闘争として爆発した国鉄新潟闘争【1957年7月】)

 国鉄分割・民営化反対闘争―新自由主義との闘い

 解雇者を組合員として守るとして公労法の枠を越えた国労などに対して、政府は「非合法組合」として団体交渉拒否で対抗、藤林斡旋案など幾多の困難と闘ってきました。全逓を先頭に公務員労組はILOに提訴、62年ILOドライヤー委員会が訪日調査をしてILO第87号条約批准に至ります。賜暇闘争がストライキと呼びかえられた時期でもあります。
 戦後労働運動において、政令201号体制に対する体制内党派の闘いの頂点が1975年スト権奪還闘争とその敗北でした。時あたかも、74〜75年、日本帝国主義が戦後発展を終えて歴史的恐慌に突入して、資本主義体制を前提にした民同・協会派・日共・革マルなどの体制内党派の時代認識と路線は決定的に破産したのです。
 80年代に入ると世界的に新自由主義が持ち出され、労働組合の解体と徹底した市場原理主義、公務の民営化と営利第一の政策が展開されました。その焦点が中曽根政権・第2次臨時行政調査会の国鉄分割・民営化攻撃でした。以降30年余、現在、労働者階級は全世界で民営化と非正規職化との闘いに臨むことになりました。
 日帝・中曽根政権は、新自由主義の最先端の攻撃として、国鉄分割・民営化攻撃に踏み切ってきました。スト権ストを先頭で闘った国鉄労働者への憎しみをあらわに「国労解体―総評解体、社会党解体をとおして憲法改悪する」ことを狙った攻撃であり、公労協・総評ダラ幹を震え上がらせる攻撃でした。国鉄の民営化とは、裏返せばストライキ権の自動的回復になります。攻撃の焦点は、民営化で国労をストライキのできない労働組合にする、否、国労、核心的には動労総連合の完全解体でした。それは、支配層から支配体制の変革をかけた攻撃であり、体制内派のすべてが想定外の攻撃であり、反革命革マルのみが率先して資本の軍門に下り走狗となったのです。それだけに、6・29東京地裁動労千葉判決が「設立委員会基準」以外の「葛西基準」を不当労働行為としたことは、分割・民営化攻撃の労組解体攻撃の核心をぶち破る重大な意味を持っているし、敵・支配階級の悔しさが現れているものです。
 この国鉄分割・民営化攻撃と根底的・非和解で闘ってきたのが「共に闘う国労の会」、動労総連合であり、11月労働者集会派の労働者・労働組合です。

 公労法の枠を越えて! 改革法の枠を超えて!

 国労をめぐる歴史を振り返ると、86年10月には全国の組合員の怒りが山崎執行部を打倒して、分割・民営化反対のスローガンを貫き、87年2月16日には、8627名が清算事業団に送られました。さらに、3年間の隔離―絶望の清算事業団攻防を乗り越えて1047名が、二度目の解雇をものともせず民営化反対路線を守りました。協会派と革同は、中労委における和解決着策動や95年8・30申し入れ、4党合意など、繰り返し和解路線で闘いの終結・民営化容認を策動してきましたが、その都度現場の闘いで粉砕されてきました。大恐慌と新自由主義の破産のなか敵の攻撃が絶望的に凶暴化するや、すべての体制内派は、解雇撤回をあからさまに投げ捨て4・9和解攻撃に屈服しました。
 2000年5・30「4党合意受け入れ」〜7・1国労臨時大会の4党合意をめぐる攻防は、JR東日本完全民営化を前にして、さらなる民営化―外注化、非正規職化にのめりこむために、解雇撤回闘争と国労を解体しようという第2の分割・民営化攻撃=国鉄改革完遂攻撃でした。この攻撃を7・1臨大闘争で押し返し鉄建公団訴訟が闘われました。

解雇撤回路線を貫く「共に闘う国労の会」
 02年5・27臨大では、闘争団組合員を国労から排除するという企業内組合指向まで屈服が進みました。この弾圧も、解雇者排除をめぐる闘いという点で組合員資格確認訴訟と同じ核心を持っています。5・27臨大闘争弾圧を完全黙秘と非和解的裁判闘争路線を確立して闘い抜き、遂に暴処法立件そのものの破産に追い込み、民営化反対・解雇撤回を貫いてきたのが「共に闘う国労の会」です。4名の闘争団組合員は和解屈服を拒否して、民営化反対・解雇撤回路線を守り抜き、国労からの排除に対して組合員籍を奪還すべく闘いを開始しました。

 企業内組合化路線との闘い

 2010年4・9政治和解決着路線は、労働者階級に対する大反動であり、今も継続しています。すべての体制内勢力は、解雇に対して金銭和解を選択して、戦後労働運動が積み上げてきた解雇者を組合員として守る―公労法の枠を破る橋頭堡を掘り崩して、企業内組合路線へと純化しています。
 企業内組合攻撃は、マ書簡=政令201号・公労法が狙った団結破壊攻撃です。解雇者を除名しようとした02年5・27臨大と非和解の5・27闘争被告団や、組合規約改悪の解雇者切り捨てとの組合員資格確認訴訟は、同じ団結破壊の企業内組合化との闘いです。そして今JR東日本で最大の焦点になっている労働条件に関する協約=総合労働協約締結策動は、国労の企業内組合としての転落を意味するものです。健全な労使関係とか正常な労使関係とは、「会社内問題の平和裡・自主解決」「会社は自主自立経営を堅持、組合は企業内組合に徹し、(各々)いかなる外部干渉をも排除する立場」を「それぞれの社会的責任・労使対等の原則とする」とした労使共同宣言の文言を実践するものです。キーワードは労働条件白紙委任絶対反対と企業内組合化反対です。
 動労千葉・動労総連合と国労5・27被告団、4名の闘争団組合員、全国の国労現場組合員―「共に闘う国労の会」にこそ、民営化・外注化・非正規職制度反対と解雇撤回を貫いてきた路線的勝利性があります。全面外注化攻撃の中で、JR体制を打倒する平成採用の青年労働者の怒りと結合して闘う労働組合を甦らせよう。

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月刊『労働運動』(272号8-1)(2012/11/01)

東燃ゼネラル石油堺製油所で硫黄30d漏出事故!

スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合

 昨年6月11日、東燃ゼネラル石油堺工場(製油所)で、硫黄貯蔵タンクから30dもの溶融硫黄が漏出する事故がありました。ところがこの事故が明らかになったのは、1年後の本年7月のことです。同13日夜、内部通報により堺市消防局が現地調査に入り、これが14日にマスコミで報道されました。同20日には、大阪府警生活環境課が石油コンビナート等災害防止法(通報義務)違反容疑で堺製油所を家宅捜査し、9月18日、会社と製油部長を大阪地検に書類送検しました。
 硫黄漏出事故は、原油の精製工程にある脱硫装置から取れる硫黄を、溶融硫黄として出荷するための製品タンクの配管から漏洩したものです。硫黄は引火しやすい物質として第二類危険物に指定されており、燃えると亜硫酸ガスになり、大気汚染の原因物質の一つSOx(ソックス)も硫黄酸化物です。ちなみに硫黄は昔は硫黄鉱山から産出されていましたが、現在はほぼ全量が製油所の脱硫装置から供給されており、堺製油所も1日当たり、464dの回収能力を備えています。
 会社は7月13日、東燃ゼネラル石油株式会社・武藤潤社長を責任者とする「事故調査委員会」(後に第三者委員会)を発足させ、「関係者への聞き取りを含め、当該事象が発生した経緯と原因に関する調査を開始」し、9月中旬までに3回開催したといっていますが、その内容は発表されていません。
(写真 東燃ゼネラル石油堺工場)

 会社ぐるみの事故隠蔽!

 

9月27日に行われた東燃ゼネ石グループの「従業員フォーラム」では、東燃ゼネ石の副社長でEMGマーケティング合同会社(旧エクソンモービル有限会社)の廣瀬隆史社長は「当時(昨年の)6月11日は土曜日で手続ができなかったので対応できなかった」と述べたそうです。
翌9月28日(金)に行われたス労自主との本部団交では会社の団交代表が「(会社の中では)皆が知っていたことだから、隠蔽とは思わない」などと発言しています。
このような会社の対応に対して、ゼネ石一組(全石油ゼネラル石油労働組合)は、同労組堺支部のビラ(7月19日付)では、「当時われわれは7月度(28日)の安全衛生委員会で『6月11日にTK−703から硫黄が漏出したが、消防などへの通報をしなくていいのか』と指摘した」、「8月25日の委員会でも同様に質したが、返答はなかった」「毅然と批判すべきであった」と結局放置したことを明らかにしていますが、同本部機関紙『悠・YOU!』9月号では、大阪府警の書類送検について、「法違反の未通報だったといえ、地域住民や他社にも迷惑をかけず、誰も怪我をしていない中では『意図的→悪質』という送検の構図には程遠い」と、会社の事故隠蔽を擁護し、自らが労働組合として、事故隠蔽の共犯になっている自覚がまったくありません。
多数派組合(組合員約1200名、エッソ石油、モービル石油における第二組合と東燃ゼネ石労組が合併)である東燃ゼネラルグループ労働組合は、ビラとか、大会報告の中で、この堺製油所の硫黄漏洩事故について、一切触れていません。

 (写真 9・16橋下打倒のデモに立つス労自主【大阪】)

 1995年東燃川崎、2003年エッソ名古屋油槽所でも労災死亡事故!

 

1995年にも、東燃川崎製油所で硫化水素漏洩事故があり、3人が死亡し、40人余が負傷しています。同年5月30日に起きたこの大事故は、精製過程で原油中の硫黄が一旦硫化水素として取り除かれる装置の配管工事で起きたものでした。
2003年8月29日には、エクソンモービル買収合併による合理化強行によるエッソ石油名古屋油槽所のガソリンタンク改良工事を急ぐあまりに、安全無視による火災事故で、6名の工事労働者が犠牲になり、死亡しています。この事故の原因究明と安全責任を追及するス労自主の団体交渉で、東燃ゼネ石資本のエクソンモービル(現EMGマーケティング合同会社)は、愛知県労働委員会の団交拒否不当労働行為救済命令をいまだ履行せず居直っています。
全組合員が被解雇者(8名)と退職者の私たちス労自主ですが、石油メジャー・エクソンモービルと、そして今日、東燃ゼネ石資本と闘う労働組合として、この堺製油所硫黄漏洩隠蔽事故を看過するわけにはいきません。「闘いなくして安全なし」です。今こそ、ス労自主の真価を発揮しなければなりません。
(ス労自主・中西敏勝)

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月刊『労働運動』(272号9-1)(2012/11/01)

ひめじょおん――女性部から

保育事故処分撤回闘争に勝利するぞ!

豊中市職 深町加代子

 2009年4月に私の職場(保育所)で起こった事故を口実とした懲戒処分の撤回を求めて豊中市公平委員会闘争を闘い、今大阪地裁に訴えて闘い続けています。10月10日には裁判の確信に迫る証人調べが行われました。そして、そこでこの処分の不当性とその理由について徹底的に市当局を追い詰め、明らかにすることができました。証人は深町本人と、当局側の五嶋保育課長、高木主任でした。
 私たちは「職場で起こった事故の責任を個人に押し付けるな。一切の責任は人員削減を進め、安全確保を怠ってきた当局にある」と訴えてきました。

 新自由主義保育所への変質

 また、今回の裁判は子どもの仲間作りと成長を保証する場であり、保護者という労働者と共同で子育てをしていくという場であった保育所が、新自由主義保育所に変質してきた実態にも大きく迫りました。公立とは名ばかりで、実際は内部から民営化が進んでいます。非正規職員が増え、業務の多忙化、子どもの定員の拡大。そして、保護者においても貧困、ひとり親家庭、虐待、DV、外国人、一番増えているのが精神的ストレスによる病気です。
 子どもも保護者もさまざまに課題・問題を抱えています。まさに社会の縮図です。社会の矛盾が集中するような職場です。そしてそこに起こってくるさまざまな問題を保育士個人の力量と責任にしています。そしてそのことを評価の基準にしています。そういう中で保育で本来の大切にしてきた内容も変質してきました。
 今、維新の会橋下市長が登場し、処分による首切りと解雇が始まっています。言うことを聞かない職員は処分・解雇。そしてそれは公務員全員解雇と民営化の始まりです。国・資本は公的部門の民営化により儲けの対象にすることでなんとか生き延びようとしているのです。
 また、今回裁判では、初めて事故の因果関係にも迫りました。実際、子どもの事故の因果関係がはっきりしないなかで、私の手が当たったことを事故の原因というふうに決め付けて何度もの聞き取りと報告書の書き換えが強制されたのです。その理由は「保護者が納得しない」ということでした。これこそ新自由主義保育所の核心です。保育士と保護者がサービス提供者とお客という関係になってしまっているのです。

 闘う労組再生の結集軸

 またこの闘いは豊中市職の体制内指導部との党派闘争でもありました。当局と処分に屈伏し、民営化に仲間の首を差し出し、自分たちだけが生き残ろうとする腐りきった執行部との全面対決です。だから、保育所・病院の民営化に反対し、執行部と対立していた女性部の解体と女性部長の私の解雇を当局と一体でやろうとしたのです。
 この闘いは新自由主義と対決する労働運動として、たったひとりでも労働組合を体現して闘ってきました。この9月の組合執行委員長選挙では全体の2割の支持を獲得しました。いよいよ、体制内組合執行部をひっくり返し、豊中市職を闘う労働組合に甦らせる時が来た、その結集軸にこの裁判闘争がなったのです。処分・解雇・民営化に絶対反対で闘い、必ず勝利したいと思っています。

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月刊『労働運動』(272号A-1)(2012/11/01)

元労働基準監督署長・大野義文の

東風烈風 第2回

 <生きさせろ>の叫びが聞こえますか?

 自殺者の大多数は、本当は、生きたい!と強烈に思っているということだ。健康・経済・生活・家庭・勤務・男女・学校等の諸問題から、自殺に追いやられる人たち。彼・彼女らの死の直前の風景はいかなるものか。
 2012年7月末の全国の自殺者数は、1万6604名(8月16日警察庁発表)のうち、約7割の1万1550名が男性である。

 「行旅死亡人」とは

 ところで、皆さんは、「行旅死亡人」という言葉をご存知であろうか。辞書によると、「『旅行(者)』の意の古風な表現」(『新明解国語辞典』第7版)であるが、明治の法律にその根拠がある。すなわち、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」(1899、明治32年3月28日法律第93号)によれば、「行旅死亡人と称するは行旅中死亡し引取者なき者を謂う」(同法1条1項後段)「住所、居所若は氏名知れす且引取者なき死亡人は行旅死亡人と看做す」(同条2項)(カタカナをかなに変更)
 したがって、行旅死亡人のすべてが自殺者ではないが、自殺者も含まれている。行旅死亡人欄が、国立印刷局発行の「官報号外」にほぼ毎日掲載されているのをご存知だろうか。
 例えば、9月7日付官報号外第196号には、7名の掲載があり、自殺者1名の記載がある。お堅いと思われている官報に、具体的に生々しく記載されているので引用してみたい。すなわち「本籍・住所・氏名不詳、推定年齢30歳〜50歳くらいの男性、身長166cm、体格中肉、頭髪は短髪黒色、黒色ジャンパー、黒色ハイネックセーター、黒色Tシャツ、茶色ズボン、黒色トランクス、黒色靴下、白色スニーカー、黒色マフラー、黒色ネックウォーマー、黒色手袋着用/上記の者は、平成23年12月27日午前6時40分頃三浦市三崎町小網代1095番地30先胴網海岸遊歩道北側岸壁で首を吊っているのを発見されました」
 自殺だけでなく、絶望の淵から、衰弱死した者もいるであろう。同日付の他の行旅死亡人で死因を特定していないが、「35歳位の男性……荒川日ノ出町緑地にて発見、平成24年6月25日死亡と思われる」
 警察庁の自殺の特定に至らない、数多くの身元不明の死者たちが官報号外に伺える。これがこの国の現実である。政府は政争に明け暮れ、機能不全に陥り、東京電力原発事件の被災者を見捨てている現状で、事件の責任を誰一人とっていない。この国への怨嗟は自殺者の絶望の果てから聞こえてこないか。<生きさせろ!>の叫びが。

 一回きりの人生 輝いて生きよう

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大野義文さん
 1950年1月生まれ/1973.4〜1980.3 労働法を学ぶ/1980.4〜2010.3 退職まで、広島、山口、徳島、高知の監督署・局で勤務

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月刊『労働運動』(272号B-1)(2012/11/01)

■不屈に闘う争議組合へご支援を!

 動労千葉の'12年冬季販売にご協力を!

 6・29動労千葉鉄建公団訴訟判決公判は、採用候補者名簿に登載されていた9名を動労千葉排除のため急遽外したこと、それは、国鉄と改革労協(動労革マル)が結託した不当労働行為だったことを認め、これがなければJRに採用されていたと言いうるとしました。国鉄改革法に風穴を開ける展望が切り開かれました。東京高裁に「解雇撤回・JR復帰」の判決を求める署名運動もお願いします。JRでは検修業務の外注化が強行されました。千葉鉄道サービスは、管理者を含めJRから丸投げの不当労働会社そのものです。全組合員が、怒り・闘いで団結を固めています。物販とは闘う労働者の連帯の拡大です。11・4全国労働者総決起集会1万人結集とともに12冬季物販へのご協力をお願いします。

国鉄千葉動力車労働組合協販部部長 中村仁
 TEL 043-227-7833 FAX 043-227-8125

 1047名解雇撤回! 外注化阻止! 非正規職撤廃!

 和解拒否の国労原告団2012年冬季販売にご協力を

 動労千葉を先頭とした10・1外注化阻止闘争は、新自由主義を打ち破る新しい労働運動の可能性を切り拓きました。
 1047名闘争も正念場です。10月11日、鉄運機構訴訟控訴審を闘ってきた秋田闘争団・小玉忠憲さんに対し、東京高裁は控訴棄却の判決を下しました。解雇は有効、職員不採用基準は合理的、2回の停職処分も有効という許せない反動判決です。
 国労の解体か階級的再生か―JR資本・国家権力との勝負の時です。「4・9政治和解」を拒否して闘う原告団と「共に闘う国労の会」は、職場から「外注化阻止・非正規職撤廃」を闘い、1047名解雇撤回の大運動をつくり出すために闘います。一層のご支援をお願いします。

国労原告団互助会
東京都品川区大井1丁目34−5河野ビル3階
なんぶユニオン気付 
 TEL 03-3329-8815 FAX 03-3329-8821

 8名の解雇撤回闘争を闘うス労自主の2012年年末販売にご協力を!

 8名の不当解雇撤回闘争を闘うス労自主は今年で結成30年です。宿敵エクソンモービルは日本市場から撤退しようとしています。4千億円近い多額の資金を米本国に持ち逃げしようというわけです。「エクソンモービルの日本市場撤退に絶対反対」で闘います。エッソ、モービルによる弾圧、解雇撤回闘争が始まって以来、取り組み続けてきた物販闘争も長い歴史になりました。秋田のコメや大分・北海道の魚、築地の鮭・数の子など、他にない「産直」商品も特徴です。8名の不当解雇撤回闘争はス労自主の基軸です。よろしくお願いします。

スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合
大阪府豊中市新千里東町1−2−8 モービル石油内
TEL&FAX 06-6873-3865

 

 沖縄バヤリース労組12'冬物販


 普天間基地へのオスプレイ配備強行に対して、青年を先頭とする「いのちを守る闘い」が職場で巻き起こっています。かつて、全軍労闘争は「人間回復の闘い」として全ての労働者の心をとらえました。いま、全国一の非正規職化、全国最低の労組組織率と言われる沖縄の低賃金と強労働、無権利状態の中から青年労働者が「いのちを守る」労働組合の誇り高い闘いの歴史を受け継ぎ決起しています。
 沖縄バヤリース労組は「沖縄労働運動の復権」の先頭で闘います。12冬季物販へのご協力をお願いします。

沖縄バヤリース労働組合物販センター
沖縄県南城市玉城字百名509
 TEL 090-2710-2008 FAX O98-948-1651

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月刊『労働運動』(272号C-1)(2012/11/01)

■読者のページ

●「10・5国鉄闘争全国運動・神奈川集会」が105名の結集で大成功!

 神奈川労組交流センター

 明るく元気な集会になりました! 国鉄闘争全国運動呼びかけ人・鎌倉孝夫さんの記念講演は「抵抗の根拠と創造の根拠は同一」というマルクス主義。内容が全体に染み渡りました。「職場で、組合運動で経験していることを解き明かしてくれた」という参加者の発言に示されています。
 動労千葉の川崎昌浩執行委員から、10・1外注化絶対阻止闘争の新たな段階の闘いとして打ち抜いた2波のストライキ、労働局申し入れの報告がありました。
 外注先はガタガタ、現場の激しい攻防を平成採が先頭で勝ち抜いている。「絶対に業務をJRに戻す」と意気高く闘っている様子がわかり、外注化決戦の地平と大きさをつかむことができました。また、国労闘争団の成田昭雄さんの訴えが
1047名解雇撤回の勝利を共に誓うものとなりました。
 神奈川でも鎌倉と国府津の車両センターにビラを入れ続け、そこから多くの出向拒否者が生み出されました。それが職場の闘いを進める力になっています。そのことは初めての参加者・労働組合の結集、4大産別の動労千葉を支援する会の発言にも明らかです。
 なによりも、青年労働者の初めての司会、合同労組の青年のはじけ方、そして「怒りを闘いのエネルギーにしよう。新しい社会をつくりだす闘いをやろう」という青年の発言が全体のまとめとなる集会になったことで成功を実感しました。
 10・5集会は、神奈川の大きな転換点となりました。一切は労働組合が闘うか否かで決まる、交流センターが攻勢をかける時です。

●『月刊労働運動』定期購読のご案内
定期購読料は、1年間12冊3,600円(税込)+郵送料800
円、半年1,800円(税込)+郵送料400円です。何月号からご希望かを、住所、氏名(フリガナ)を明記の上、現金書留または郵便振替(00150-9-408647・全国労働組合交流センター)にてお申し込み下さい。

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月刊『労働運動』(272号D-1)(2012/11/01)

11月4日、すべての怒りを日比谷野音に総結集しよう!

(外注化阻止!【ストライキに立った動労水戸 9月26日 勝田車両センター】)

(反原発!【7月16日 さようなら原発集会】)

(農地死守【10月7日 三里塚】)

(橋本打倒【9月16日 大阪】)

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