「月刊労働運動」 2012年/12月/01日(No.273号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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11・4全国労働者総決起集会。外注化阻止闘争をストライキと職場闘争で闘いぬいた国鉄労働者が登壇(11月4日、東京 日比谷野外音楽堂)

◎労働者の目 外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドへ! 自信を持ってこの道を進もう
11・4労働者集会の地平をすべての職場に拡大し、外注化阻止・非正規職撤廃で階級的労働運動を甦らせよう
 飯田英貴 全国労働組合交流センター事務局長 2
全国各労組の取り組みから11・4労働者集会の総括を深めよう
 仙台市役所・動労千葉を支援する会、JAM日本機械工業労組書記長 山口弘宣、東京西部労組交流センター 松田元司、動労千葉を支援する会・習志野、高槻医療福祉労働組合 団結速報グループ
新たな国際連帯闘争の地平を実現した外注化阻止闘争と11 月労働者集会 動労千葉国際連帯委員会
郵政非正規ユニオン闘争から見えること 入江史郎 代表運営委員、ス労自主中央執行委員長
聞き手 会田正毅 郵政非正規ユニオン執行委員 14
◎新自由主義と闘う部落解放運動の前進を勝ちとろう 井川文子 部落解放東日本共闘会議事務局
◎3〜5年で9割非正規化の貫徹を狙う――改正労働契約法の問題点から見えてくるもの
小泉義秀 合同・一般労働組合全国協議会 事務局長
◎11・4集会が切り拓いた「外注化・非正規職撤廃」の闘いを組織拡大へ――東部ユニオンの3つの闘い
小泉義秀 東京東部ユニオン委員長
ひめじょおん−女性部から  労働組合を闘う組合に変えよう
◎動労千葉労働学校で学ぼう!
◎地平線―反戦共同行動委員会― 青森の反核燃・反原発闘争との連帯を強めよう 北島邦彦 反戦共同行動委員会事務局長
◎2011 〜 2012年『月刊交流センター』、『月刊労働運動』主要目次(上)
読者のページ ◎マンガ
※「Pick Up」は休載しました。

月刊『労働運動』(273号1-1)(2012/12/01)

■労働者の目

外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドへ!

自信を持ってこの道を進もう

 羽廣 憲 常任運営委員 国労九州小倉地区闘争団

 11・4労働者集会は、10・1の外注化決戦を階級的労働運動路線で闘い抜き、11月労働者集会を勝ちとった地平に立って次なる闘いに突入する出発点を築きました。
 私は、その日、日比谷野音の壇上から、解雇撤回を貫く国労闘争団の一人として、小玉忠憲原告に対する10・11鉄道運輸機構訴訟控訴審の1047名闘争破壊の反動判決を弾劾すると共に、5・27国労臨時大会闘争弾圧を仕掛け、組合員資格を勝手に奪った国労の歴史を国労組合員の手でつくり変える決意を明らかにしました。
 いよいよ外注化阻止・非正規職撤廃の「第2ラウンド」をいかに闘うのかが問われています。
 労働組合が新自由主義の激しい攻撃に屈服する中で、単なる抵抗勢力にとどまることなく階級的労働運動を真正面から大胆に提起しよう。資本による団結破壊と取り引きしてきた体制内労働運動から、団結を総括軸にする階級的労働運動で勝利できることを証明しよう。そして団結を奪われた状態が普通の青年労働者に団結して資本と闘うことのすばらしさを知ってもらうには、私たちが実践することでしか伝えられません。
一昨年の4・9政治和解で労働運動情勢は一変しました。労働者が団結することを許さない大攻撃でした。同時に司法の反動も激しく進んでいます。この情勢は支配階級のピンチを表しています。労働者階級から見ればチャンスなのです。凶暴さを増す資本家階級が最も恐れているのは労働者が団結することです。労働組合という団結体を恐れるのは自らが倒される存在だと知っているからです。
 私たちの怒りは爆発寸前です。労働者階級の怒りを今こそ資本家階級に思い知らせる時です。労働者を食わせることができなくなった資本に引導を渡すときがやってきたのです。
 非和解で団結をどこまでも拡大し、フクシマとの連帯をかけて国鉄・反原発を闘い抜けば道は開けると確信しています。自信を持ってこの道を進もう。
(写真 11・4労働者集会で訴える羽廣憲さん)

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月刊『労働運動』(273号2-1)(2012/12/01)

11・4労働者集会の地平をすべての職場に

拡大し、外注化阻止・非正規職撤廃で階級

的労働運動を甦らせよう

飯田英貴 全国労働組合交流センター事務局長

 11・4集会の地平で総選挙情勢と対決しよう

 野田政権は11月16日に衆院を解散し12月16日の総選挙に踏み切りました。さらに来月16日は石原の辞任による東京都知事選挙も行われます。世界大恐慌と「3・11」情勢に立ち向かう膨大な労働者階級人民の決起が民主党政権を崩壊へと追いつめています。同時にそれは、民主党を支えてきた連合支配の崩壊であり、「反原発・反失業」で現場労働者の反乱が開始されているということです。東京においても、都労連が人事・賃金制度の抜本改悪をめぐる秋季年末闘争において、29分間の勤務時間内職場集会(実質上のストライキ)を11月7日に行っています。もう我慢ならないという現場の怒りがこれまで現場を押さえつけてきた労働組合幹部の制動を超えて噴出しています。
 一方、総選挙を通して民主・自民・橋下・石原らが原発再稼働・改憲に向かって競い合い、絶望的に新自由主義攻撃の強化に向かおうとしています。核心は労働組合の解体・労働運動の絶滅です。
 この情勢と真っ向から切り結び、巨大な反転攻勢をつくり出す展望を11・4労働者集会は示しています。

 呼びかけ4労組・団体の提起から

 今年の11月集会は、全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合、国鉄闘争全国運動が呼びかけ、5800人の結集で闘われました。職場における「外注化阻止・非正規職撤廃」闘争の必死の展開の中から、階級的労働運動再生の方向性、組織拡大の展望が具体的に示されたという点で重要でした。
 関西生コン支部・高英男副委員長は「派遣・非正規労働者の増大やワーキングプアの増大は、闘う環境を厳しくしているのではなく、団結できる環境が広がっているととらえる視点が重要」だと強調し、「今後の闘い方は、まず共通する要求を組織すること、共通する戦術・闘い方を組織すること、共通する業種で共通する闘いをつくり出すことが重要」だと訴えました。
 動労千葉・田中康宏委員長は「労働者の団結した力は新自由主義攻撃に立ち向かえることを10・1外注化との闘いは示した」と述べ、「12年間の闘いの中で、組合員一人ひとりが外注化攻撃の本質や問題点をつかみ、それとどう闘えばいいのかも含め全部自らのものにしていた。この力があれば外注化を粉砕することは可能だ」と訴えました。
 港合同・中村吉政副委員長は「闘いによって敵の弱点を見いだし、団結すれば勝利できることが力強く報告された」と集会の意義を語り、「今日の労働組合でストライキを打ち抜く組織は本労働者集会に結集する組合以外ありません」と力強く訴えました。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは「問題は、怒りを闘争に表したい、闘いたいと思っている労働者に『自分は何ごとかがやれる』『自分は一人ではない』と感じさせることだ。労働者が手をのばせば届くところにある労働組合、その存在を感じさせるこができれば、労働者の闘う意志を社会の表面に引き出すことができる」と発言しています。
 この呼びかけ4労組・団体の発言の中に私たちがこの一年間闘ってきたことの核心があり、今後の闘いの方向性も示されています。

 11・4の地平と1万人結集実現のための課題

 11・4労働者集会が切り拓いたものは何か。「僕らは民営化から外注化というこの25年間の闘いをとおして、労働者の団結した力は新自由主義攻撃に立ち向かえることを示したかったんです。この現実、僕は悔しくて悔しくてしょうがないから、労働者は勝てることを示したかったんです。必ず労働者はその力を持っ
ているということを私は確信しました。10月1日は新しい闘いの開始の日になりました」―動労千葉・田中委員長のこの言葉に全てが詰まっています。国鉄分割・民営化と25年間、JRの外注化攻撃と12年間闘ってきた動労千葉の闘いを先頭に「外注化阻止・非正規職撤廃」を闘う労働組合復権の路線として、希望としてつくり出したことの大きさです。
 動労千葉は2波のストを頂点に国鉄分割・民営化反対闘争を闘い抜き、その過程で40名が解雇されました。そして、10・1外注化によって40名が外注会社に強制出向されています。動労千葉はこの民営化・外注化と真っ向から立ち向かい、満身創痍になりながらも団結を守り抜き、拡大し、「外注化粉砕闘争の新たな出発」を宣言しました。この言葉の持つ意味はとてつもなく重く大きいものです。
 動労千葉の結成時からの挑戦、それは「闘えば分裂する」という悪しき神話を打ち砕くことでした。「労働組合はいざというときに力を発揮する存在でなければならない」「悩み、苦しんでいるときにこそ団結し、お互いに助け合える存在でなければならない」。そのためには「労働者に徹底的に依拠して、絶対に信頼する」ことを実践してきたのです。
 ドイツから11・4集会に参加したラーベン・ブロンシュタインさん(ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会)は、動労千葉の団結の作り方を見て「本当に新鮮な驚きだった」と言っています。「『団結』という言葉はドイツ語にもあります。でも、それでは言い表せない温かい中身を日本語の『団結』はもっています。だから私はドイツに『団結』(Danketsu)という日本語を輸入してそのまま使っている。日本の皆さんが思っている以上に『団結』は大きな意味を持っているんです」という感想を述べています。「労働者への信頼」に徹底的に依拠した「団結」、これにドイツの仲間は温かさを感じ、自らの労働者への接し方を改めたといいます。こうした団結の形成が新自由主義を打ち破る最深の力であることを示したことは本当に決定的です。
 ここに徹底的にこだわることの中に私たちのこれからの課題もあります。そしてこの課題を労働組合指導部の変革の課題としてきたところに、動労千葉、関西生コン支部、港合同が訴えてきた核心があります。組合員が何を考え、不安を感じ、どこに勝利感を持っているのか。そこを指導部がきちんと受け止めること。組合の幹部たちがその気になって自分の全生涯をかけて労働運動をやること、そうすれば労働者は必ず決起することを3労組は示してきたのです。

 非正規職撤廃闘争・国際連帯の前進

 11・4集会が切り拓いたもう一つの地平は、非正規職撤廃闘争の前進です。非正規労働者の現実は低賃金といつでも首を切られる状況で生きていけないどころか、偽装請負・安全無視の職場環境で「職場に行けば殺される」ような状況です。「命も誇りも奪われてたまるか!」と立ち上がり、組合を作って反撃を開始し、「解雇撤回・非正規職撤廃」をめざす新たな労働運動が始まっています。東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会や郵政非正規ユニオンの闘いが広がり、11・4集会の非正規職労働者の結集が拡大しました。
 重要なことは、この闘いは労働者内部での激しい分断攻撃との格闘の中からつくり出されたものだということです。労組交流センター青年部は、正規と非正規の分断をのりこえて団結をつくり出すことにこだわり、職場や地域での実践に踏み出しました。分断をのりこえ、労働者・労働組合の団結を拡大していくこと、このなかで青年労働者は生きることの感動と喜びを取り戻しています。
 いまや「非正規職撤廃闘争」は全世界共通テーマとなり、階級的労働運動の重要な柱です。特に、新自由主義との闘いを非正規職撤廃闘争として文字通り命がけで展開してきた民主労総ソウル本部との連帯が、「理念交流(学習)と職場闘争(実践)」の両面でより一層深まり、発展していることは決定的です。

 「解雇撤回・JR復帰」12・17動労千葉 鉄建公団訴訟第1回控訴審闘争へ

 「闘っても勝てない」「仕方ない」という労働者支配を打ち破る現場労働者の決起が始まっています。国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる一昨年の「4・9政治和解」と昨年3・11大震災以降の階級闘争の圧殺・労働組合解体の反動をはね返しながら、2012年闘争は前進してきました。資本との闘いを開始した職場で11・4集会の動員が増えています。
労働者階級の怒りと行動を階級的労働運動の組織拡大につなげるために、もっと広く深く労働者の中に入っていくときです。
 11・4集会では4つの実践方針を打ち出しました。@全産別・全職場で外注化阻止・非正規職撤廃の「第2ラウンド」を闘い組織拡大を実現すること、A「1047名解雇撤回・JR復帰」の国鉄闘争を基軸に労働運動の再建を闘いとること、B福島・被災地を先頭とした反原発の闘いを発展させること、C反原発・反失業の国際連帯をさらに推し進めることです。
 なかでも、12月17日に決定した「解雇撤回・JR復帰」求める動労千葉鉄建公団訴訟第1回控訴審闘争への取り組みは重要です。
 6・29判決は、動労千葉の組合員を採用名簿から削り落とした不採用基準の作成そのものを不当労働行為であると認定し、無数の労働者に「いったん全員解雇−選別再雇用」の国鉄型の首切りをもたらした国鉄改革法体制を打ち破る展望をもたらしました。
 JR資本と国家権力は闘いの前進を恐れ、6・29判決が切り拓いた地平を覆そうと必死です。「不採用基準は合理的である」と控訴を棄却した10月11日の国労秋田闘争団・小玉忠憲さんへの鉄道運輸機構訴訟・東京高裁判決はそのことを示しています。
 国鉄闘争全国運動は、東京高裁に対し「解雇撤回・JR復帰」を求める署名を年内に1万人集めることを呼びかけています。署名運動は、北海道や九州の国労闘争団、教組や清掃労組などこれまで1047名解雇撤回を闘い、支えてきた労働者・労働組合の再団結をつくり出しています。重要なことは、1047名闘争を現在の問題として甦らせ、労働者の怒りと徹底的に結びつくことです。
 解雇・外注化・非正規職化の本格的進行と労働者の怒りの反乱はこれからです。自動車産業における解雇攻撃に続き、ソニーの1万人のリストラ、パナソニックの本社7000人の半分のリストラ計画など、電機、自動車産業の解雇攻撃はこれから本格化します。その先陣を切ろうとしているのがJR東日本です。10月末に『グループ経営構想X〜限りない前進』を発表し、鉄道の海外輸出を軸に、検修業務のさらなる外注化、駅の外注化、青年労働者の出向・転籍・非正規職化など全面的に突き進もうとしています。
 そして民営化・外注化・「国鉄型解雇攻撃」との最大の戦場は教育と自治体です。1047名闘争の新たな闘いを4大産別と青年労働者の課題として強化しましょう。署名運動の強化と12・17闘争への結集(午前10時、東京高裁前)を心から訴えます。
(写真 11・4集会後、呼びかけ3労組と海外代表を先頭にデモ行進【11月4日 東京】)

 労組交流センターを階級的労働運動を推進する組織として飛躍させよう

 11・4集会の最大の総括点は、闘いを通して労組交流センターが階級的労働運動を推進していく組織として飛躍していけるかどうかでした。
 2月総会は星野文昭さん奪還の徳島刑務所包囲デモと一体で闘い、拡大全国運営委員会は5・15沖縄闘争、9・16橋下打倒闘争に合わせて沖縄と大阪で行いました。また、JR東日本の検修外注化阻止闘争は4・1のJR本社・支社抗議行動を動労千葉とともに闘い、10・1外注化阻止に向けて全国各地のJR職場へのビラ撒きを5カ月にわたって継続し今も続けています。
 11・4集会に向かっては、動労千葉の「6・29判決」と10・1外注化阻止闘争の特別号として機関誌『月刊労働運動』の10、11月号を大増刷し、職場・街頭での配布と組織拡大に向けた取り組みを行いました。
 昨年の11月集会の総括に踏まえ、この1年、全国組織としての交流センターの条件を最大限活かして、階級的労働運動の復権に向けて勝負してきました。変わるべきは何かも見えてきています。この闘いは来年の「3・11」に向かって福島とのさらなる連帯、被災地における闘う労働運動の本格的再建に向けての土台となったと確信しています。
 人間が人間として生きることそのものを破壊しつづける新自由主義を続ける以外にない資本主義はもう終わりです。だから労働組合が力ある登場をしなければなりません。11・4労働者集会を新たな出発点に、2013年をさらなる飛躍の年としましょう。

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月刊『労働運動』(273号3-1)(2012/12/01)

全国各労組の取り組みから11・4労働者集会の総括を深めよう

(写真 5800人が結集した11・4全国労働者総決起集会【東京・日比谷野外音楽堂】)

 外注化阻止・非正規職撤廃で、闘う仙台市職労をつくりだすぞ!

 仙台市役所・動労千葉を支援する会

 「自分と同じ世代の青年がステージに立って一番勇気づけられた。若い人たちが動かないと、と感じて勇気がわいてきた。がんばっていきたい」。11月集会に初めて参加した青年の感想だ。参加した誰もが舞台に勢ぞろいした姿に、動労千葉・動労水戸・国労郡山工場支部を先頭とする外注化阻止の渾身の決起をあらためて目の当たりにし、世界中の労働者と団結し、私たちの力で新自由主義の攻撃を打ち破り「勝てる!」という実感と、外注化阻止・非正規職撤廃に立ち向かう勇気をつかんだ。
 帰路の車中で、“仙台市職労を闘う労働組合に甦らせるために闘おう”“仲間と本気でつながろう”という思いが次々と語られた。青年集会の口火をきった青年を先頭に「若い仲間に声をかけ大阪市職の青年のように仙台市職労の青年を組織しよう」と。
 3・11から1年8カ月、被災地で断固として労働組合の旗を死守する闘いの連続だった。非正規労働者の首切り、不当配転、人事異動強行、長時間過重労働、何よりも津波で台風で仲間の命を奪われた。「仲間を絶対に守るのが労働組合だ。復興特区攻撃に絶対に負けないぞ」。そして、10月外注化阻止の闘いは、まさに被災地の私たちにとって自分の闘いだ。このことをつかんだのが今年の11月集会の最大の核心だ。自治体丸ごと外注化・非正規化の攻撃と正面からぶつかる闘いが始まった。13年ぶりの都労連の食い込み「スト」は「第2ラウンド」の始まりだ。フクシマの怒りと心底つながり、原発廃炉・被曝労働反対の労働組合の先頭で被災地・仙台市職労の旗を立てるぞ。
(写真 登壇した仙台市職労)

 非正規導入反対闘争を担った組合員が11月集会を呼びかけて結集

 JAM日本機械工業労組 書記長 山口弘宣

 5800人の結集で成功した労働者集会は、職場での悪戦苦闘のなかで実現した。多くの活動家は、「職場の労働者をどうやって組織すべきか」を悩みながら、立派なオルグ内容やすばらしいビラをつくることに躍起になる。だが、職場の労働者は11月集会を「ビラだけ」で判断しているわけではない。実際は、交流センター派の職場での闘いを見て11月集会に結集するのである。
 日機では、採用抑制により人員が不足するなか、残業が極限的に増大していた。会社は残業解消を理由とした非正規の導入を策動。現場にも「非正規でもよい」という意識が生まれていた。それは、会社の「企業危機だから、非正規の方が会社のためになる」という宣伝があるからであった。「仕事が回り、会社も助かる貴重な戦力なのに、組合はなぜ非正規導入を反対するのか」という発想さえ生まれていた。
 組合は、人員増の闘いを、資本の悪辣なイデオロギーと対決し、「非正規をつくらない闘い」として、現実的な勝利を示して、組合の団結を強化する闘いにすることを決めた。そして、人員削減という資本の攻撃に対して、「人員の減少が残業を増大させ、実際の生産を阻害し、技術も継承されない」という論を打ち出し、「正社員採用」を会社に突きつけた。しかも、「正社員採用を約束しなければ、残業協定を制限する」という戦術を駆使し、残業制限闘争を展開した。そして、この闘いは組合員に全面的に受け入れられた。結局、「人員は増やさない」と言っていた会社もついに「正社員採用」を約束したのであった。
 この闘いの渦中で、日機の一労働者が11月集会に向かって組合機関紙にアピールを書いた。「何年か前に参加しました。その時は、組合の呼びかけだからと思って参加しただけで特に思うこともありませんでした。……だれが何のためにどうして登壇しているのかもわからなかったので聞き流す程度でした。……・初めて行ってもよくわからないで終わってしまうと思いますが、せっかくの組合からのよびかけです。参加できそうな方は参加されて組合に力を与えてください」という内容である。
 彼は、11月労働者集会こそ「組合に力を与える」集会だと訴えているのである。組合活動家でもない労働者が、われわれとの関わりのなかで、11月労働者集会の本質をつかんでいたのである。この内容のなかに日機の11月集会の闘いが示されていると思う。
(写真 登壇した東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会)

 11月集会結集減を直視しよう

 東京西部労組交流センター 松田元司

 

結集数が昨年より減り、1万人を超える労働者を組織できなかったことを直視しなければならない。どこが減り、増えたかをきびしく点検し総括すれば、11月労働者集会、すなわち私たち労組交流センターの路線で、巨万の労働者を組織することが必ずできる。
西部労組交流センターで動員を増やしたところは、職場の団結を基礎にして日常的に闘っているところだ。西部ユニオン、鈴コン分会の飛躍を見よ。1年前の分会三役解雇攻撃をバネにして、各地区交流センター会員とともに全国の労組に支援・拡大オルグに入り、動員増を勝ちとっている。自治体職場をはじめ、4大産別にも非正規・委託労働者が拡大している。外注化阻止・非正規職撤廃を闘争課題のひとつに据え、職場権力を奪い、職場の仲間とともに上部組織に攻め上ろう。連合路線の4大産別を、私たちの路線で新自由主義と闘う労組につくり変えよう。
動員を減らした部分は何か。福島原発事故後、街頭で結びついた青年たちである。私たちの路線が彼らとまったく違っていたのか?そうではない。やはり西部ユニオン・アメリカンアパレル分会にその回答がある。NAZENの最先頭で反原発を闘う青年こそが、職場で労働運動を闘うべきなのだ。新自由主義下で青年労働者は、正規・非正規の別なく、低賃金・強労働にあえいでいる。
労働者階級の団結を取り戻すため、職場・街頭を貫いて、青年労働者を日常的に組織化することが大事なのだ。
解散総選挙情勢下で、新自由主義の延命を賭けてあらゆる反動勢力がうごめいている。今こそが私たちの踏ん張りどころだ。11月集会が掲げた国際連帯の旗の下、本当に巨万の労働者を組織しよう。拠点労組を倍加して、JR4・1全面外注化を阻止しよう。

(写真 動労千葉とともに闘う労働組合の発言が続いた日比谷野音)

 不当逮捕、解雇攻撃を「義理人情」団結ではねかえす

 動労千葉を支援する会・習志野

 

今年4月、職場の仲間Aさんがハレンチ罪の容疑で不当逮捕され、新聞やテレビでも報道される、という事件がありました。悪らつな「公務員叩き」キャンペーンだ、と直感的に感じましたが、案の定、本人は否認したにもかかわらず、「検察のストーリー通りに認めれば早く出してやる」と朝から晩まで脅され、ウソの調書を無理やり認めさせられた、という事実が後でわかりました。
当局は組合執行部が全く動かないのをいいことに、彼に対する懲戒解雇を狙ってきましたが、「ウソの調書で仲間の人生が台無しにさせられるなんて許せない」「クビになんかさせてたまるか」「彼はずっと組合員だったのに、組合が全く動かないのは許せない」と職場の怒りと義侠心が大爆発。職場の有志で当局に「嘆願書」を出すことになりました。初めは、事件が事件だけに、みんなの協力を得るのは難しいかも知れない、と心配しましたが、そんな心配は全く無用でした。たった一日で60名近くの職場の仲間が署名してくれ、その日のうちに直ちに当局に叩きつけました。当局は「嘆願書は一応預かるが、われわれとしては警察の方を信用するしかない」と言っていましたが、結局この職場の「義理人情」団結の力が当局を追いつめ、停職処分は許してしまったものの、懲戒解雇攻撃は完全にはね返しました。やっぱり労働者の団結は素晴らしい! 今、Aさんは元気に職場復帰して働いています。
この勝利を引っさげて11月集会には「動労千葉を支援する会・習志野」の旗の下、職場から多くの仲間が参加してくれました。習志野の仲間は昨年5月仙台に激励行動に行き、今年9月大阪の橋下打倒集会に参加しましたが、福島・仙台・大阪の仲間をはじめ、全国の仲間と大合流できて最高の気分でした。参加した仲間からも「動労千葉や動労水戸の青年の発言、最高」「外注化攻撃にストライキで闘う動労千葉山田支部長、カッコいい」「もっともっと集まって世の中ひっくり返したい」「みんな燃えている。職場も、こういう熱い職場にしたいね」などの感想。
あらゆる政党が今やグジャグジャ、いよいよ労働者の時代です。ともに頑張ろう!

(写真 3労組、韓米日の労働者を先頭にデモ出発)

 非常勤の決起の拡大が11月集会に合流

 高槻医療福祉労働組合 団結速報グループ

 私たち高槻医療労働組合(団結グループ)は、階級的労働運動の再生をめざし<賃労働と資本は非和解だ>と医療労働者宣言をし、08年7月に結成されました。職場闘争を非妥協に闘うのを見て「自分たちの怒りをストレートに言っていいんだ」と組合員から感動をもって迎えられました。2011年に病棟ワーカーAさんに配転を強制することで、退職に追い込もうとした経営の策動に対し、病棟のナースを中心に数十名が経営を囲み、署名を突きつけ原職復帰を実現しました。ところが、労組幹部は経営と一緒になってAさんに配転を勧めていたことが明らかになり、私たち団結グループは労組執行部入りを決断。書記長と執行委員に立候補し、選出されました。
 労働組合に責任をとる「重圧」からともすればわれわれの態度がぐらつくことがありました。「医療費補助の打ち切りは新自由主義攻撃そのものである」と執行委員会で激しい議論をし、絶対反対を貫くことを再確認しました。結果、職場討議では新たな負担反対の決議も上がり、経営案を全面撤回させました。この激しい攻防の中で、病棟において、常勤化を求めたBさんに対して、子どもが小さいことを理由に常勤化を認めない経営に怒りが爆発し、経営はBさんの常勤化を認めざるをえませんでした。この問題を「育児を口実に、労働者階級を分断して非正規に突き落とす新自由主義の典型的攻撃」として捉え、反撃する中で、非常勤の決起が拡大しています。「同じ仕事をしていてなんでこれほど扱いが違うのか? 声をあげなくては」と、われわれと共に、高槻医療福祉労働組合旗をもって9・16橋下打倒集会に参加し、11月労働者集会への参加を表明する人が生まれました。
 この過程で、派遣労働者Cさんが、職場委員会で直接雇用と常勤化を訴え、労組の力で実現しました。こうした非正規職撤廃の職場闘争と一体の闘いとして11月労働者集会へ合流することができました。
 新自由主義の攻撃は、われわれが職場の団結を拡大し、闘う労働組合を再生するチャンスの到来です。

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月刊『労働運動』(273号4-1)(2012/12/01)

新たな国際連帯闘争の地平を実現した外注化阻止闘争と11月労働者集会

動労千葉国際連帯委員会

 大恐慌下、世界中で労働者人民が怒りの行動に立ち上がっている。全欧23カ国で1000万人が動いた11・14ゼネスト&デモ!スペイン、ポルトガル、ギリシャ……国家財政が破綻する事態に及んでなお、緊縮財政政策を強行し、労働者人民にさらなる犠牲を押しつけようという国家、資本主義・帝国主義に労働者階級の未来を委ねることなどできない!3・11情勢下、日本の反原発のべ100万人の怒りの決起も、この社会と未来を奪い返そうという根底的な決起だ。この怒りと結びつき、この怒りを束ねる階級的労働運動、闘う労働組合の再生をかけた取り組みが10・1JR外注化阻止の国鉄決戦であり、外注化阻止・非正規職撤廃!≠掲げた11月労働者集会であった。
 韓国から民主労総ソウル本部30人の訪日団を迎え、アメリカ、ドイツ、さらに在日・滞日外国人とともに勝ちとった11・3労働者国際連帯集会と11・4全国労働者総決起集会&デモ――2012年、階級的労働運動を結集軸とする国際連帯の地平は、職場・地域での労働組合での実践を媒介にした新たな国際連帯闘争を実現した。

 共通のスローガンで共同闘争を実現する地平に到達した日韓連帯

 11・4労働者集会で発言した動労千葉の田中委員長は、新自由主義をはね返す力を示したと10・1外注化阻止闘争を総括し、9月27日に民主労総ソウル本部が「『外注化・非正規職化との闘いは全世界の労働者の共通の課題だ』と訴えて、韓国の日本大使館前で連帯の闘いを展開してくれたことに心から感謝いたします。この熱い思いは100万の援軍に匹敵するものでした」と語った。
 27日の日本大使館前での記者会見と、さらに10月1日まで動労千葉を支援する現場労働者によって取り組まれた1人リレーデモは、10・1外注化決戦が動労千葉、動労水戸、動労総連合を始めとする日本の鉄道労働者の死活のかかった決戦であるととらえ、強力な援軍として闘われた国際連帯闘争だった。現場にはイジェウン本部長を始め歴代の本部長たち、金属労組キリュン分会やハイテクRCDコリア分会、公務員労組や建設事務労組、さらに鉄道労組ソウル本部のパクテマン首席本部長、サイバー労働大学キムスンホ代表など、動労千葉のTシャツを来た労働者同志たちが総結集した。
 今年10年目を迎えた日韓労働者の国際交流は、共通のスローガンで共同闘争を実現する地平を切り開いた。この意義は語りつくせないほど大きい。
 ソウル本部訪日団は2日に成田空港に降り立つや三里塚に直行、現地調査と反対同盟との交流会を行った。翌3日の労働者国際連帯集会では、保健医療労組梨花女子大病院支部、国立オペラ合唱団非正規支部が発言し、さらに5日に開催された日韓労働者理念交流会では「新自由主義と民営化」をテーマに日本側からは動労千葉労働学校講師の鎌倉孝夫さん、韓国側からはソウル本部からKTXの民営化反対闘争について提起され、公務員労組やイーランド一般労組の解雇者から具体的な職場攻防での教訓が明らかにされた。動労水戸の木村書記長が提起した被曝労働拒否のストライキ闘争は、闘う労働者の真骨頂として大きな共感を呼んだ。
(写真 11・4労働者集会で登壇した民主労総ソウル本部)

 訪韓闘争でさらに深化した日韓連帯

 日韓労働者の国際連帯は、1週間後にソウルで開かれた民主労総全国労働者大会への動労千葉訪韓団の闘いに引き継がれた。動労千葉は田中委員長、繁沢副委員長、相馬津田沼支部長、山田幕張支部長をはじめ12人が参加し、動労西日本、精研労組や東京西部ユニオン鈴コン分会など総勢50人になった。ソウル本部とともに10日の前夜祭から11・11労働者大会、さらに12日にソウル本部で開かれた日韓労働者理念交流会の全日程を闘った。11日午前には、動労千葉を先頭に金属労組双龍自動車支部や全国事務金融サービス労組ゴールデンブリッジ投資証券支部、学習誌労組才能教育支部などの長期争議労組を訪問し、「解雇は殺人だ。敵よりも一日長く闘って勝利しよう」と誓い合った。5月の日本遠征闘争を闘った金属労組KEC支会は前夜祭の舞台に登場、感動の再会を果たした。9・27日本大使館前での連帯行動にも決起したキリュン分会のキムソヨン前分会長が、12月大統領選への「労働者大統領」運動の候補者として奮闘中だ。
 11日には労働者大会への結集デモとして、70年11月13日、チョンテイル烈士が焼身決起した平和市場から3万人がソウル駅に向かって大デモを闘った。現場の闘いが韓国階級闘争を大きく動かしているのである。
(写真 民主労総とともに平和市場からデモに主発する動労千葉訪韓団【11月11日 韓国】)

 今後の日韓連帯の核心的課題は何か

 労働者大会後、訪韓団長の田中委員長は「改悪された労働法のもとで御用組合がつくられるような困難の中で民主労総は闘っている。労働運動なんだから困難が絶対につきまとう。その困難を日本の労働者が職場の闘いで突き破ってみせることが、日韓国際連帯だ。11月集会の課題もここある」と提起し、「原則的で、同時に大衆的な民主労総のような労働組合を日本でもつくろう」と呼びかけた。新自由主義との闘いが国境を越えた全世界の労働者の共通の課題になっている。だからこそ国際連帯の力は絶大なのだ。
 動労千葉青年部の木科雄作さんはソウル本部との交流会で次のように国際連帯の重要性を確認した。「外注化反対、強制出向反対の一念で動労千葉に入りました。今回、残れなくて悔しいですが、闘いはこれからなんで頑張っていきたい」と語り、「ソウル本部が日本大使館前で動労千葉ストライキ連帯行動を取り組んでくれました。動労千葉の若い人たちとも国際交流って何が必要なのかと話しになりますが、民主労総のみなさんが態度でもって答えを出してくれたと思います。チョンマル(本当に)カムサハムニダ!」

 アメリカ階級闘争の焦点=港湾労組から11月集会に参加

 歴史的闘いを決意するILWUの労働者

 今年の11月労働者集会にはアメリカからILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)の労働者が参加した。その一人カイル・マッキーさんは昨年、穀物輸出会社EGTとの攻防の渦中で、次のように語った。
 「彼ら(資本家と政府)に計画があることは明白だ。最後に残された真の労働組合のうちのひとつを試し、攻撃することだ。同じように政府は公共部門の組合も攻撃している。ここで負ければILWUと労働者階級の死への大きな踏み石になる。しかし、われわれが闘えば、歴史が繰り返すのと同じように他の者も闘うだろう。われわれは先人の闘いを受け継いで来た。そして今、この国や世界の未来のために闘っている」
 攻撃の歴史的性格を見抜き、全米の労働者階級の命運をかけた闘いとして、EGTの組合破壊攻撃と闘っているのだ。
(写真 バンクーバーで穀物列車を阻止【11年9月7日 米国】)

 労組破壊の新段階

 米帝は最末期の危機に直面している。だから現在、労働者階級の最も戦闘的な拠点の破壊に全力を注いでいる。教育労働者と港湾労働者の組合が焦点だ。シカゴ教組、ロサンゼルス統一教組は、地域の労働者と連携し、教育の民営化や首切り攻撃と激しく闘っている。
 またILWUは、米西海岸の全港湾でランク&ファイル(職場の一般組合員)を主体として、政治犯解放のためのスト、イラク反戦スト、ウイスコンシン州の公共労働者の闘いを支援するストなどを闘い、反撃している。
 これに対する労組破壊攻撃は、米帝の全力を投じた画歴史的攻撃になっている。

 開始された歴史的反撃

 米帝はTPP(環太平洋経済連携協定)を推進し、穀物の大量・迅速な輸出によって、世界の穀物を独占支配しようとしている。そのためには、アジア諸国への輸出拠点である米西海岸の港湾の戦闘的労働組合ILWUをなんとしても破壊せねばならない。
 そこで、アメリカの巨大穀物資本ブンゲ社は、日本の巨大商社・伊藤忠、韓国のSTXパン・オーシャン社との合弁でEGT社を作った。そして、ワシントン州のロングビューという人口4万2千人の町の小さな港湾労組支部、ILWUローカル21(組合員220人)の組合破壊に狙いを定めた。
 EGTは当初、全員非正規、非労組員の労働者を雇用しようとした。だが、それはローカル21の労働者の必死の抵抗で粉砕された。次に、他の労組の組合員を雇い、ILWU排除を策動した。それも、組合員や家族、支援者の線路実力占拠による穀物列車運行阻止と、EGT施設の占拠の闘いで粉砕された。
 さらに昨秋からはオキュパイ運動とローカル21の闘いが結合し、港湾封鎖闘争が行われ、今年初めの穀物運搬船の入港阻止闘争が計画された。これは、資本家階級全体、政府を決定的窮地に追い込んだ。アメリカ階級闘争の構図を一変させかねない事態だった。

 本部官僚の屈服乗り越える闘い

 こうしたなかで、オバマ政権は暴力的介入を決断し、連邦軍を動員し、ILWUの本部官僚を恫喝して、労働者に大きな譲歩を強要する新協約を締結させた。
 新協約は、EGTがILWUのハイアリングホール(労働組合自身による仕事の配分制度)を通さずに、ローカル21の労働者を雇うことができ、会社の単独裁量で労働者を解雇できることを規定している。またストライキやピケットで港湾作業がストップした場合や、就業時間内の組合集会や1934年のゼネスト記念日に労働者が職場に来ない場合などには、会社が独自に雇う労働者によって港湾作業を継続できることも規定されている。これらは34年のサンフランシスコゼネストによって港湾労働者が勝ちとった権利を否定し、ILWUを骨抜きにする狙いだ。
 ILWUのランク&ファイルは新協定に怒りを燃やし、断固たる反撃を決意している。
(写真 11・4労働者集会後のデモにたつILWUローカル21【11月4日 東京】)

 国際連帯の力でTPP粉砕しよう

 だが今日、巨大穀物資本はこの協定と同じ内容を現在交渉中の米北西部穀物協定に盛り込もうとしている。再びILWU本部官僚を屈服させ、組合員に協定の内容を発表しないまま、本部の一存で協定を締結させようとしている。その上で全西海岸の港湾に同様の譲歩協定を強制し、TPPの下での穀物大量輸送体制を確立しようとしているのだ。
 TPPは、戦闘的労組を解体し、労働者の権利をすべて奪う攻撃だ。そして、この攻撃には、日本の伊藤忠、丸紅、三井などの商社が深く関与している。これらの商社は、現在アメリカ北西部でEGTのような穀物輸出施設を買占め、アメリカからの穀物輸入で巨利を上げようとしている。日本やアジアの農民の生活を破壊するTPPは、労働者へのすさまじい攻撃をもたらすのだ。日米の労働者・農民の敵は、同じなのだ。

 ドイツ ベルリン都市鉄道の民営化と闘う

 ドイツからは、「ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会」のメッセージを携えてラーベン・ブロンシュタインさんが11月集会に参加し、国際連帯を強化した。彼は福島・被災地にも足を伸ばし、交流会に参加し、建設中の「ふくしま共同診療所」を見学した。11日には「反原発100万人大占拠」行動に参加して、日本の反原発闘争の高揚を目の当たりにし、感動を新たにした。
 11月14日、EUの緊縮・労働者攻撃に反対し、史上最大の欧州ゼネストが行われた。「国際競争力」を口実にした労働者への攻撃を国際的団結ではね返す闘いだ。
 新自由主義への全世界の労働者の怒りは、ひとつだ。国際的団結をさらに強化し、職場の組織化の闘いに勝利しよう。

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月刊『労働運動』(273号5-1)(2012/12/01)

郵政非正規ユニオン闘争から見えること

入江史郎 代表運営委員、ス労自主中央執行委員長

聞き手 会田正毅 郵政非正規ユニオン執行委員、編集部
構成 編集部
 郵政非正規ユニオンが、昨年6月の大量雇い止め解雇に抗して結成されてから1年5カ月になる。結成時から当該とともに闘争を担ってきた入江代表より闘争の課題について、会田執行委員とともに話しを伺った。(編集部)

 郵政資本と真正面から闘うことの意義

入江 なぜ郵政非正規ユニオン闘争を闘うのか。まずは、全国労組交流センター全逓部会が、この闘争と運動をどうしようとしているのかが一番の関心事だった。
 郵政非正規ユニオンは1000人組織建設を掲げているけれど、ではそういう組織は具体的にはどういう組織形態なのか、あまり具体的ではない。われわれが、いかに反対派的な思考から脱却するのか。敵の矛盾を突くだけでは敵の欠陥を教えてやっているだけで、敵はこれに対して居直るか補強すればいいわけだ。こちらが闘いを通して何を実現するのかを見出していかないと、結局、裁判や労働委員会が終わったら闘争も終わりとか、当該が日和ったりポシャったら終わりとか。そういうことをもう30何年やってきて、見てきた。
 4大産別決戦という場合、自分たちの主たる敵、例えばJR東という巨大資本、鉄道資本の総体を対象化して、そことの対決の水路を、例えば国鉄分割・民営化、今日的に言えば鉄道事業の全面外注化に求めて、そのなかで労働運動全体をどう飛躍させるのか。敵が労働者支配の仕組みを全面的に変えようとしたときに、それにトータルで反対できたら資本の延命を破綻に追い込むことができる。その点へのわれわれの自覚が弱い。そうした構造も郵政非正規ユニオン闘争にかかわることによって垣間(かいま)見えてきた。
 予想もしていなかった郵政にかかわり始めてみて痛感したことは、非正規労働者の割合の度合いのあきれかえるほどの進行だ。ここで勝負する価値があると思った。まず当該も含めてとりあえず1年をもたせる条件にチャレンジしようと考え、僕から、齋藤委員長の専従配置を提案した。そのためにそういう体制が取れる組織をまず交流センター内に作って、そこを軸に全国展開できないかと考えた。郵政の場合は大きくても敵は一本、一資本だ。これはうちのエクソン・モービルを相手にした闘いと似ているし、日本の国家企業そのものだから、化ける可能性がある。他の産別にこういう運動展開の仕方があると示すにも比較的いい条件だと思った。
 最初は少しとまどった。非正規ということもあって、みんな勝手に各地域の交流センター系合同労組に組織するとか言ってて、それだったら別に郵政非正規ユニオンを作ることもなければ、この領域で闘う必然性もない。回り道をしているなと思った。大半の地域担当者が労働組合活動を経験しないまま、交流センターという労働運動に関与していて、ふつうだと順序は逆だと思うけど、交流センターの会員にする前に革共同の党員にしようとする。否定はしないが、でも個別労働者の組織化(内実は、担当者の抱え込みでしかない)だけに収斂するのは、僕からすると時代遅れだ。すぐに成果が上がらなくても、ひとつの集団単位を組織化の対象にする。あるいは職場や地域を対象化する。こうした観点を産別的には目的意識的に持つべきだ。そうしないと11月集会の数の飛躍も出てこないだろう。
 僕が郵政非正規ユニオンに力を注ごうと思ったのは、郵政が日本国家が支配している、ひとつの大産業だからだ。そこで全国で数カ所であれ、この日本の巨大資本と闘うために団結するんだという労働者ができてくれば、いろいろな可能性が開ける。これはチャンスだというのが郵政非正規ユニオン闘争をやってきて可能性として見出したことだよね。

会田 ひとつは齋藤裕介君が決起して、郵政非正規ユニオンを作ったという点でいえば、非正規労働者が自ら立って自らの組合を作るという画期的なことが起きたわけです。それまでは正規労働者が非正規を組織する、あるいは、正規労働者を中心とした労働組合に非正規を組織していくという形態だった。ところがそれと違って裕介を先頭に非正規が自ら主体となって、自らを労働組合として組織するという事態が起きた。
 あと、合同労組の中で郵政非正規の労働者が組合員としてやっていることのひとつの背景としては、非正規労働者が決起したときに、全逓部会、あるいは全逓担当者がやるというだけでいいのかという問題が問われたわけです。だから地域で、地区の交流センターが丸ごと必死になってこの組織化と闘争化のためにしゃかりきになると。そこから、地域合同労組に加盟するのがいいという流れがあった。そこは見ておく必要があると思います。

 非正規労働者を組織する展望

入江 その先に進まなくちゃいけない状況でしょ。比較的ブレずにここまで来れたのは、常に資本が巨大であって、簡単につぶれないということがあったんだけどね。
 私がここでやってみようかなと思ったもうひとつの決定的要素は、多摩支店の三保さんと渡貫さん、あるいは杉本さんの存在だった。彼らは本気で若い人が自分たちと同じような条件で簡単に切り捨てられていくのを見るに忍びないと思っていて、自分はダブルワークやトリプルワークでバイトやってて、この闘争にほとんど関与できなくても、執行委員会や闘争本部の会議に出て、郵政非正規闘争をやっている。「応援するよ」「カンパだけ」「支援する会には入るよ」というのではなくて、郵政非正規ユニオンの組合員として共に闘っている。こういう人たちがいた。数が少なくとも、すごい可能性だ。今までと違って、新しい形で労働組合を形成していく展望がこの郵政非正規ユニオンにはある。
 全逓部会のメンバーや担当者は、賭けるべきものがあるのに賭けきっていないように思う。非正規の組織化に全逓労働運動のすべてを賭ければいいのにと思う。現在の郵政労働運動の場合、非正規の組織化が最優先課題だ。郵政の場合はそれが本体の中にそのまま組み入れられてるんだから、労働条件は過酷だけど、闘う条件はすごく豊富だ。郵政非正規の労働者をもっと組織する。それを一義的にJP労組の支部に入れる支部であればJP労組に入れて、そのなかで多数派取ればいいんだから。あるいは多数派を取れなくても非正規の要求を大きい声にしていけばいい。必ず非正規と正規の労働者の対立は出てくる。不可避です。それでも、そこをのりこえて全国労組交流センターは、JR全面外注化阻止・反合闘争とともに、郵政非正規労働者の組織化を最優先課題として立てるべきだと思う。

会田 JP労組でも非正規の組織化は中央方針、全国方針です。だけど実際はやっていない。非正規を組合員にするという方針を一番真面目に貫徹しているのはわれわれだ。それが中央方針であるにもかかわらず、大阪などで典型だが、「雇い止め解雇になった。俺らの組合員だろ、どうするんだ」となったときに、JP労組の上とバンと激突する。

入江 なんで郵政非正規ユニオンの全国単一化にこだわるかというと、今のままだと日本郵便総体との労使関係は形成されない。雇い止め解雇が日本郵便との労使紛争だと意識的にすべきなのにできていない。支店長や課長に抗議するというレベルで終わっている。
 独自で闘うことに対して、JP労組が統制処分をしてくれば、統制処分をした単位で団結体を作って、JP労組員のままで郵政非正規ユニオンに加盟していけばいい。今までにない経験だから逆に可能性がある。JP労組そのものを何をテーマにしてひっくり返すかだ。雇い止め解雇撤回闘争を全国各地で闘うことで、JP労組が労働組合として成立しなくなる状況を作り出すということだ。

会田 裕介たちが組合結成をする過程でも迷った。JP労組に加盟させてJP労組として闘おうとやるのか、それとは別個に新組合を作るのか悩んだわけです。結論としてはJP労組に加盟したらそれだけで押しつぶされちゃうと。少なくとも非正規労働者にとっては東京多摩支店のJP労組は敵だと。というなかで自ら首を差し出すマネはできないというんで新組合結成になったわけです。
 JP労組本部は明確に非正規労働者にとって敵である、圧殺する側だというのは明確にある。A県の若い衆だって、JP労組の組合員なんだ。だけど彼らの意識はJP労組は敵だと。正社員なんてみんな敵だというぐらいの怒りが厳然とある。当面は、合同労組に加盟してという形態をとってるけど、彼ら自身の意識はJP労組なんてぶっとばして郵政非正規ユニオンなんだという意識ですよ。

入江 順序はワンパターンではないと思うが、郵政非正規闘争が収斂されていくところは郵政非正規ユニオンだ。全逓部会の仲間はJP労組を飛び出す必要はない。非正規を自分のところのJP労組に入れる組合慣行があるんだったら徹底的に入れる。問題は、JP労組が許容するのは自分たちの立場が侵害されない範囲においてでしかないということだ。そことぶつかったときに全逓部会の正規雇用労働者が問われるわけだ。

会田 大阪の富田林の分会は、首を守れという話まで分会で持って行って集会まで開いて支部を突き上げた。支部はグラグラに揺れたんだけども、それを上から圧殺する圧力がかかってきた。だけどJP労組としては敵対はしない、現場的には一緒に守ろうという話にまでは行った。今は実際、雇い止め解雇になっちゃったわけだ。本人たちはこのあいだの11月集会で裁判闘争を含めて断固闘いぬくと宣言した。これに対してJP労組にいるわが部会のメンバーが問われているわけです。

 一日も早く全国組織にしよう

入江 郵政非正規ユニオンを一日も早く全国組織として形を整える必要がある。今はまだ名前だけ。対資本との関係で労働組合の要件を整える。全国組織に見合った規約もぜんぶ作る。機関会議の招集、執行委員の選出。スト権も投票して確立しなくちゃいけない。今のような合同労組に加盟したままで、観念的に協議体だと言っても、全国組織としての力を発揮のしようがない。
 中央団交ができるように目的意識的に何をやるのか。例えば、ひとつは日本郵便資本に対して非正規の労働条件についての労働協約要求をする。要求が通る・通らないは、どっちでもいい。要求を決めることを通して日本郵便会社と闘う物質力、条件を作る。郵政非正規ユニオンとして全国の数は少なくても全国数カ所の総意として組合として決議して要求する。全国組織の郵政非正規ユニオンの、例えば2013春闘要求が、全国の郵政非正規労働者の要求となる、そういう労働組合として春闘要求をする。そういうことです。
 実は、雇い止め禁止要求なんでどこもしたことがない。一番の切実な要求だろ。解雇撤回要求に匹敵する要求でしょ。
 雇い止め攻撃と闘う労働組合を作り出す。雇い止め攻撃と対決できないで、郵政非正規ユニオン闘争は成り立たない。戦術的には、向こうに雇い止めを食らう前に決起するべきだ。それが多摩支店における闘争の教訓だ。
 雇い止めを止めるなんていうことは、ある時期の限定されたことでしかない。非正規であるかぎり、どこかで雇い止め攻撃はあるんですよ。そのことを自覚して闘う主体をどれだけ作れるか。日本郵便のど真ん中に、本当に雇い止め不当解雇撤回闘争を闘う労働組合、非正規労働者の労働条件改善要求闘争を闘う労働組合を作れるかどうか。ここに、郵政非正規ユニオン闘争を闘う意義がある。
 個別に雇い止めは当たり前に行われている。でもそこに一喜一憂している暇はない。やられてもやられても、雇い止めを食らうたびに組合員が増え、闘いが盛り上がっていく。極端なこと言ったら齋藤君が落ちたって、郵政非正規ユニオンが存在し続けてさらに拡大すればいいんですよ。齋藤君にもそう言っている。非正規闘争は、そういう闘いしかイメージできない。常に相手は日本郵便なんだ。
 逆に郵政非正規ユニオンが全国組織として力を持つようになると、合同労組が結合する要にもなる。齋藤君ら非正規労働者の怒りをどれだけ解き放てるのか。全国組織として登場してそういうことができる運動だということを多くの人に知ってもらうことが、組織化のためには一番早道だし、王道だと思う。
 今のJP労組にいる正規労働者も、わがメンバーはこの郵政非正規ユニオン建設の組織強化拡大に最優先にかけるべきだと。そこが一番言いたいことだ。
 一日も早く非正規ユニオンを文字通りの名実ともに郵政非正規労働者の結集する労働組合として打ち立てて、日本郵便という日帝国家権力の巨大資本、郵便資本と全面対決する、そういう闘いができるようにしたいものだ。
(写真 齋藤裕介・郵政非正規ユニオン委員長を先頭に郵政本社に怒りのデモ【5・1メーデー、東京】)

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月刊『労働運動』(273号6-1)(2012/12/01)

新自由主義と闘う部落解放運動の前進を勝ちとろう

井川文子 部落解放東日本共闘会議事務局

 非正規職撤廃を部落解放闘争の正面課題に

 新自由主義と対決する闘う部落解放運動の前進を10・1外注化阻止闘争、11・4労働者集会が切り開いた地平から深化していこう。
 世界大恐慌、3・11情勢下で、新自由主義=階級的団結解体と階級分断の攻撃の激しさは極限的になっている。
 新自由主義攻撃との最大の火点が外注化・非正規職化との闘いだ。国鉄分割・民営化から始まり、激化していった新自由主義攻撃−外注化・非正規職化は全産業の労働者に拡大している。失業者は増大し、非正規労働者が99%という労働市場を作りだしている。
 新自由主義と対決する部落解放闘争には、この新自由主義がもたらす大失業攻撃−外注化・非正規職化攻撃との闘いを正面課題として闘うことが求められている。
 さらに、原発再稼働・原発推進政策との対決である。原発は、外注化・下請けの分断と強搾取の極限状態におかれた膨大な非正規労働者によって成り立っている。地対協攻撃でムラから追い出され、非正規に突き落とされた部落民らの多くが、この極限的被曝労働に追い込まれているのだ。
 部落解放闘争は、外注化・非正規職撤廃の闘いを国鉄闘争・反原発闘争の最先頭で闘い、階級的労働運動を推進し、労働組合再生の闘いを自らの課題に据えて闘う。
 この闘いの決定的闘いは、八尾北・西郡闘争だ。この闘争は、医療センターの廃院、地域丸ごとの更地化、失業状態のムラの現状、部落を解体していく攻撃と真っ向から対決してきた。そして、新自由主義の最先兵・橋下と対決している。何よりも「絶対反対」と階級的団結をもって闘えば勝てることを実証してきた。
 新自由主義と闘う部落解放運動の課題と方向性は明確だ。西郡支部1000名建設、部落解放の新たな全国組織建設に猛然と突き進もう。
(写真 部落解放東日本共闘会議主催の狭山集会に90人【10月27日 東京・品川】)

 闘う労働組合の再生の環・ 狭山闘争

 10・31狭山集会は「新自由主義と闘う狭山闘争」を鮮明にした。狭山闘争を、外注化攻撃・9割非正規化攻撃−国鉄闘争・反原発闘争と一体で闘うのだ。集会は、狭山闘争を新自由主義による階級分断支配の破綻の決定的環をなす闘いとして位置付け、非正規職撤廃の闘いを部落解放運動の路線として闘うことを明らかにした。
 国鉄分割・民営化攻撃の一環としての1980年代地対協攻撃が、その最先端にあった同和住宅解体攻撃と一体で、狭山闘争の解体攻撃でもあったことを明らかにしてきた。新自由主義攻撃は階級的団結、階級的なものを一掃する攻撃だった。1974年10・31寺尾判決(無期判決)は、狭山闘争が労働組合の決起として闘われ、11万人の労働者階級が日比谷公園を埋めて大爆発したことに恐怖した日帝・国家権力の意志だった。
 狭山闘争は体制内労働組合の屈服と転向の中で、石川一雄さんの不屈の戦闘性、国家権力に対する非和解の闘いを推進力に、国家権力の部落差別攻撃、部落民支配と労働者支配を日々打ち破り続けてきた。
 今日、狭山闘争は階級的労働運動と結びついて前進している。世界恐慌、3・11情勢下で新自由主義と真っ向から対決する階級闘争全体の最先端の闘いとして発展させよう。 狭山闘争という部落差別との闘いが「絶対反対」「階級的団結」を貫くことで階級的労働運動路線、労働組合の再生の闘いとひとつになって発展していく。労働組合再生の闘いは、資本との激突点・職場で分断を打ち破り、団結を回復する闘いだ。新自由主義でムラを解体され、非正規労働者に突き落とさせた部落民労働者の共同性を取り戻す闘いだ。狭山闘争は歴史的に労働者自己解放と階級的団結をはらみながら発展してきている。
 狭山闘争を、新自由主義の最先端の闘いとしてある外注化・非正規職撤廃の闘いと一体で闘おう。交流センター運動の課題として断固闘おう。

 12・15東日本解放共闘総会を勝ちとろう

 東日本解放共闘は12月15日、第21回総会を開催する。総選挙と都知事選は、日帝の政治支配がぼろぼろで破綻の情勢の中で、新自由主義政策の絶望的凶暴化を競い合い、労働者人民に襲いかかる階級戦争そのものだ。これと真っ向から対決する集会を勝ちとる。
 新自由主義との闘いは、その攻撃の激しさ、凶暴性に対し、受身的・防衛的に闘うことではなく、新自由主義のもつ破綻性をとことん突く戦闘的な闘いだ。そこには階級的団結を求める労働者の自己解放的決起がある。
 西郡住宅闘争は10家族の団結を勝ちとり新たな住宅闘争が始まっている。狭山第3次再審闘争は正念場に入った。
 闘う仲間のみなさん! 総会への結集を呼びかけます。2012年の1年間の実践でつかんできた新自由主義と対決する部落解放闘争の前進を明確にし、2013年、非正規職撤廃闘争を前進させ、解放共闘の拡大の闘いに打ってでよう。
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 部落解放東日本共闘会議第21回総会

とき 12月15日(土)午後6時開場・6時30分開会
ところ きゅりあん(品川区総合区民会館)大会議室(東京都品川区東大井5-18-1 JR・東急 大井町駅下車すぐ)

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月刊『労働運動』(273号7-1)(2012/12/01)

有期労働契約そのものを廃絶しよう

3〜5年で9割非正規化の貫徹を狙う

 ――改正労働契約法の問題点から見えてくるもの

小泉義秀 合同・一般労働組合全国協議会 事務局長

 施行は2013年4月1日

 8月10日に労働契約法改正法が成立した。施行は来年の4月1日である。
 新聞報道等による労働契約法改正案のポイントは、(1)同じ事業主による有期雇用が5年を超える場合、労働者側の申し込みで無期雇用になる。(2)契約を反復更新し、無期契約と実質的に変わらない有期労働者などは、合理的な理由がなければ雇い止めできないとすることを初めて法律で明文化。(3)有期と無期労働者との待遇に不合理な格差を設けてはならない、などである。しかし、改正法の精査が必要である。

 最大の問題点―施行から5年経過が必要

 法律では、施行後から有期の年数を計算することになり、施行前の勤続年数は対象にならない。無期雇用への転換は施行後、5年を経過しなければならない。また、申し込みをしなければ無期雇用への転換は実現しない。
 一般的には、5年を超えてから申し込みできると思われがちだ。しかし、例えば2年契約で更新してきた労働者の場合、3回目の契約途中で5年を超えるため、3回目の契約期間中なら申し込みできる。申し込みを忘れていても、有期契約が更新されていれば、そこで申し込みができる。しかし、契約が更新されなかった場合、勤続5年を超えたとしても、申し込み権が消滅する。

 労働条件はそのまま―6カ月のクーリング期間を置くと雇用期間はリセット

 無期に転換する場合の労働条件は有期契約と同一でよいとされた。通常、有期雇用の労働条件は、無期より劣っている。さらに別段の定めで労働条件の切り下げの可能性もある。
 さらに原則として6カ月以上、同一の労働者と企業が契約をしない「クーリング期間」を置くと、それまでの有期雇用期間が通算契約期間に入らない制度も設けた。これにより、通算5年を超える有期契約前に、クーリング期間を設ける企業が出るのは明らかだ。
 さらに、クーリング期間だけ関連会社での有期雇用を強いたり、資本関係のない派遣会社間で移籍させるなどの脱法行為もありうる。

 郵政、JRでは改悪労働契約法が先行実施

 郵便事業会社では全国的に、契約更新時に切り下げた労働条件を示し、その契約に応じなければ雇い止め。雇い止めにされたくなければ切り下げた労働条件を飲めという形の賃下げが行われてきた。年収300万円の賃金が時給を200〜300円も切り下げられ、250万になってしまう。生活ができないという面と、嫌気がさして自ら辞めてしまうというケースが多い。有期労働契約・雇い止めが一方的な賃下げに使われているケースである。
 JRのグリーンスタッフの場合は1年以内の有期労働契約であり、更新は4回を限度とすることが就業規則で定められていて、5回目の更新はない。特徴として5年の間に3回正社員への登用試験がありそれに合格すれば正社員への道があるが、合格率は3割程度であり、合格しなければ雇い止めになる。このJRのケースは1回の労働契約の上限を特別な場合は5年とするというのではなく、1年契約の更新の回数を4回までと定めて5年で雇い止めにするという点で、新手の「有期労働契約」と言える。
 すでにコーヒーチェーン店シャノアールのように、雇用の上限を5年以内に定めた就業規則を作成し、有期労働契約の労働者を必ず5年以内で首にすると定めた企業が出て来ている。

 国家戦略として非正規雇用を推進

 本年7月6日に発表された野田首相を議長とする国家戦略会議のフロンティア分科会報告では有期労働契約を軸とする非正規雇用を国家戦略にすると述べている。
 「環境変化に強い人材を育成していくために、どの世代も学び直しができ、柔軟な働き方ができる社会を国家戦略として実現させていく必要がある。」「企業内人材の新陳代謝を促す柔軟な雇用ルールを整備するとともに、教育・再教育の場を充実させ、勤労者だれでもいつでも学び直しができ、人生のさまざまなライフステージや環境に応じて、ふさわしい働き場所が得られるようにする。具体的には、定年制を廃し、有期の雇用契約を通じた労働移転の円滑化をはかるとともに、企業には、社員の再教育機会の保障義務を課すといった方法が考えられる。場合によっては、40歳定年制や50歳定年制を採用する企業があらわれてもいいのではないか」(同17頁)
 ここでの柔軟な働き方とか、学び直しができる社会というのは40歳で定年させ、あとは有期労働契約の非正規雇用で働かせるあり方を国家戦略として進めるということである。
 定年制廃止と言いながら、なぜ40歳定年制なのかと言えば、正規雇用の定年制を40歳にして、その後はぜんぶ非正規=有期雇用にしようとしているからだ。「正規・非正規の就労形態の差を解消」というのは、ほとんどの労働者を非正規にするので正規・非正規の格差がなくなるといっているのだ。
 改正派遣法の違法派遣の場合、雇用していたとみなされる規定の先送り期間が3年。改正労働契約法の「5年経てば無期に転換」が法の施行時から5年。これは、3〜5年の間に、偽装請負のような雇用形態を合法化し、9割非正規化を実態として進行させることを目論んでいるということだ。5年後の無期転換など何の意味も無い状態にしようとしているのだ。

 JR外注化阻止闘争が非正規職撤廃の基軸

 非正規雇用を国家戦略として進めるその具体がJRの外注化攻撃だ。非正規化はこういう攻撃を通して進行する。ここで画策されているのが偽装請負の合法化だ。だからJRでの、外注化をガタガタにして、検修部門の外注化を元に戻させる闘いと外注化先の労働者を組織化して外注化攻撃を粉砕する闘いが、非正規雇用を国家戦略とする新自由主義攻撃との最先端攻防となる。全国協は外注化先の労働者を組織して共に闘う。

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月刊『労働運動』(273号8-1)(2012/12/01)

■闘う合同・一般労組

11・4集会が切り拓いた「外注化・非正規職撤廃」の闘いを組織拡大へ――東部ユニオンの3つの闘い

小泉義秀 東京東部ユニオン委員長

 工場移転阻止―新分会の結成と闘い

 11・4集会の翌日、地域の労働者から労働相談の電話が入った。「工場を千葉に移転する話があり、行くか行かないかをすぐ決めろと会社の幹部が言った。9日に新社長が出て来て説明会が行われる。12月14日に機械の搬出も決まっている。どうしたらいいか」
 A製作所はB自動車メーカーの二次下請けだ。一次下請けのC社がA製作所の株を100%取得し、経営権がC社に移行。社長が交代し、葛飾工場を閉鎖して千葉の工場に移転するというのだ。しかし、現段階では詳細は不明だ。その夜、電話相談してきた労働者と会って事情を聴き、次の日4人で分会を結成、翌日分会結成通知と団体交渉の申し入れ、さらに移転説明会の中止と、工場移転反対の要求書を提出して闘いに突入した。そのことにより、9日の移転説明会は中止になり、22日に第1回団体交渉が行われる。
 大恐慌、3・11情勢下、電気をはじめ製造業全般、自動車メーカーの末端の工場では同様のことが全国で起きている。労働者はたんに相談するというレベルではなく、闘うことを決意して電話をかけてくる。問われているのはわれわれの側だ。的確に状況を把握し、直ちに分会を結成し、闘いに立ちあがる。労働者が人生をかけて合同労組に結集してくる時代に突入した。東部ユニオンは組織の総力を挙げて工場移転合理化攻撃と闘い抜く。

 JR千葉鉄道サービス分会・河原さんの控訴審闘争

 3月7日、東京地裁の渡邊弘裁判長は河原さんの雇い止め解雇を認める判決を出した。争点は、65歳の河原さんの1年契約の有期労働契約の1回目の更新時の雇い止めが正当か不当かであった。判決は、二重就労と残業代を不正に詐取したという二つの解雇理由により雇い止め解雇を正当とした。しかし、重要なのは、河原さんの雇用関係は継続雇用を期待させるものであったことを認めたことだ。
 控訴審の最大の争点は2009年6月分の残業代詐取問題である。原判決は河原さんが不正に超過勤務申請を行い、それをそのまま信じて会社が残業代を支払うことになり、だから解雇は正当という認定をした。勤務時間の記録はタイムカードの履歴に残っている。それを見れば河原さんが残業代を不正に詐取していないことは明らかだった。しかし、タイムカードは会社のパソコンで書き換えられていた。会社は、書き換えを行ったのは河原さんの自己申告に基づくもので、だから不正に受給したと主張した。しかも錦糸町の所長であった片岡勉は、河原さんが書いた『超過勤務申請』を紛失したとして、本当に河原さんが不正に自己申告をしたのか否かは不明のまま、裁判官が河原さんの主張を退け、片岡証言を採用したのだ。

 控訴審で新証拠発見−提出

 河原さんは雇い止め解雇後引っ越しをして、書類が未整理のままだった。さらに原審過程で肩を骨折する重傷を負うなどの事故が重なり、さらに河原さんのロッカーから片岡が書類を勝手に持ち出すなどしていたため、「超過勤務整理簿」の控えがないものと思っていた。しかし、控訴審に入り、必死に何か新たな証拠がないものかと捜索したところ、河原さん自身が書いた6月分の『超過勤務整理簿』のコピーが出てきた。しかも、河原さん自身のものだけでなく、10名程の他の労働者の超過勤務整理簿も発見された。会社側弁護士は「控訴審後捏造したもの」と主張してきた。しかし、河原さん一人のものでなく、10名程の労働者の複雑な勤務時間が記録された書類を捏造することはできない。会社側も河原さん以外の10名分については本物と認めた。10名分が本物で河原さんの種類だけが捏造ということはあり得ない。
 河原さん自身が書いた「超過勤務整理簿」=新証拠は、タイムカードの記録通りだ。そうなると片岡が主張していた河原さんの自己申告をそのまま書き写したという原審の証言は偽証ということになる。片岡は所長として赴任したが、2009年4〜6月までは現場の仕事は全くわからなかった。現場の仕事は河原さんが全部回していた。そのため残業時間の管理などすべていい加減で、1カ月トータルで残業時間が現実の残業時間とだいたい同じなら構わないだろうというような管理だった。河原さんは仕事に追われ、当時は残業時間について厳密にこだわることはしていなかった。そのため片岡は、現実の作業時間と関係なく残業をしていない時に残業したかのように時間をつけ、残業した時に残業時間をつけないデタラメをやった。しかも、トータルでは現実の残業時間より少ない残業手当が支払われていた。その片岡のデタラメな時間管理を残業代詐取として解雇の理由にしたのだ。しかし、超過勤務整理簿が出てきたことで、それらは全部ひっくり返ることになった。外注化先のJR千葉鉄道サービスはこういうデタラメな会社なのだ。12月4日、13時30分から東京高裁817号法廷で結審となる。

 アイ介護サービス分会・宮本さん雇い止め解雇撤回闘争

 アイ介護サービスは、障害者の居宅のサービスとデイサービス、就労支援の事業などを行う会社だ。宮本さんは6年前からそこで重度障害者の居宅サービスの仕事をし、途中からデイサービスの作業をしてきた。当初は期限の定めのない雇用関係だった。しかし、東部ユニオンとして組合を公然化して以降、会社は、宮本さんの労働組合などに関する言動など個人情報を収集し、有期労働契約に切り替えてきた。明らかに宮本さんの雇い止め解雇を画策したものだった。5月31日に雇い止め解雇になり、現在労働委員会で争っている。解雇になる前年、会社は、会社顧問の社労士を使ってパワハラ・セクハラを使った退職勧奨=組合からの脱退工作を行い、団交で社長が事実を認め、いったんは謝罪する発言をした。が、2週間後の団交で全部反故にして、社長が団体交渉に出てこなくなり、代わりに「社長を守る会」を標榜する社労士が前面に出てくることになった。
 先日、労働委員会に有期労働契約そのものを問題にした準備書面(2)を提出した。合同・一般労働組合全国協HPの「学習欄」に全文が掲載されているので参照してほしい。

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月刊『労働運動』(273号9-1)(2012/12/01)

■ひめじょおん―女性部から

労働組合を闘う組合に変えよう

神奈川 電機労働者 中西美代子

 11・4労働者集会への結集ご苦労さまでした。職場ではいろいろな攻撃が矢継早に襲いかかってきています。「40歳以上の選択定年制」、退職者の穴埋めの異動攻撃、中国青島での尖関諸島略奪への抗議の焼き討ち。損失穴埋めの賃金カット攻撃、さらに不況業種、生産の縮小による人員の配置換え。「資本の言いなりの労働組合」、組合員の方ではなく、資本の代弁しかしない。3つの生産拠点の統廃合、それにまつわる北海道へ大移動、配転攻撃。労働者は自らにかけられてくるこの波状的な攻撃に対し、対応がなかなか追いつかない。当該職場の労働者は組合を信じているのか? それとも、自分のことなのになかなか考えられないのか、投げちゃっているのか。もどかしい毎日です。
 しかしこの半年、自分に近い仲間たちは、海外、九州への異動を拒否し、残って元気に働いています。11月集会を闘う勢力のみが資本と最もよく闘う。共に次へ歩を進めましょう。

 オスプレイ強行配備を許さない! 辺野古新基地建設反対!

 9月9日のオスプレイ配備反対県民大会に11万人が大結集しました。10月1日の普天間基地へのオスプレイ配備後、10月16日の米兵の暴行事件、11月2日には民家に侵入。米軍と日本政府の対応は相変わらずである。「綱紀粛正」「外出禁止」「再発防止」。それがどれほどのものなのか、何度、再発防止なのか。私たちの怒りは蓄積されていく。
 沖縄は日本とアメリカの植民地ではない。「日米地位協定」を変え、「治外法権」をなくさない限り、このような基地被害、米軍犯罪はなくならない。今回は逮捕に至ったが、基地に逃げ込まれたらそこはアメリカ、すぐに本国へ逃亡。沖縄は、何重にも泣かされ続けてきたのです。
 私の最大の恐怖の記憶は、「1955年の由美子ちゃん暴行殺人事件」です。6歳の由美子ちゃんが殺されて海に捨てられていた。1959年の宮森小学校にF100ジェット戦闘機が堕落、住民や児童18人が死亡、200人以上が重軽傷。2004年の沖縄国際大学への墜落炎上は、宮森小学校への墜落を想起させました。こんな非人間的なことが沖縄では日常なのです。さまざまな基地被害、米軍犯罪の数々、沢山の遺族、後遺症などの苦しみ、恐怖と怒りと慚愧の思いが、なんとも思えないほどに心の奥底に沈殿していく。本当にこの事例は一部なのです。「基地撤去以外」にこの苦しみからの解放はない。

 沖縄の闘いの先頭にいつも労働組合がいた

 1995年少女暴行事件8万5000人結集。2007年教科書問題で11万人。2010年「普天間基地撤去闘争」9万人。2012年オスプレイ配備反対に11万人。沖縄県民は満を持して連続的に決起しています。「命より金儲け」その最先端が戦争です。新自由主義の最大攻撃が戦争です。基地労働者の決起は根底的です。労働現場が戦場につながっているのです。
 7月13日、全駐労(旧全軍労)の基地労働者たちが再雇用者のパート制に反対してストライキに立ち上がりました。感動的な闘いです。オスプレイは配備されても、より強固な巨万の隊列をつくって闘おう!

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月刊『労働運動』(273号A-1)(2012/12/01)

■動労千葉労働学校で学ぼう

 10月20日、11月17日に行われた第12期労働学校基礎講座(テーマ「戦後労働運動史」講師 伊藤晃さん)の受講生の感想文を紹介します。

 ●反原発運動

 戦前からの労働運動と戦後の労働運動の共通的な課題として、上から組織化していくあり方が、労働者一人一人の労働組合として運営されていない。だから労働者総体が主体的な関わり方を十分にできていない、いなかった問題をあげていました。そういう組織形成のあり方が(中略)第二組合攻撃化の前にもろくも崩れ去る労働組合を多くしたのだと思います。
 しかし、そういった中にあっても、北陸鉄道の闘いは現場協議を積み重ねた現場労働者の経験が(弾薬)軍事輸送拒否闘争を実現したという提起は目をみはるものがあります。(中略)総評労働運動の学べる点を広げて労働組合運動の団結を実現していこうと思います。

 ●合同労組組合員

 伊藤先生の話を、自分が過去に高速自動車上の労働現場で体験したこと、現在していることを思い出しながら聞いていた。(中略)24時間運用されることが大前提のインフラ整備にもかかわらず、
設計の段階で、労働者の安全が無視ないし軽視されている。(中略)急カーブの下り坂(見通しが悪く、猛スピードで車が流れている)、路肩幅もほとんどない車線を資材を持ちながら命がけで横断する。レールもない道路上では運転手がわずかにハンドル操作を誤れば、路肩や壁面に立つ我々はひとたまりもない。労働者の安全や生命を守る労働組合があれば、設計段階での配慮やそれでなくとも事後改修などがなされたはずだ。(中略)職場での状況は厳しいが、自分の同志を増やしてゆきたい。おかしいと思っている同僚を見つけることが先決だ。

 ●動労総連合組合員

(前略)本格的合理化時代の「スケジュール闘争」は、今の闘わない労働組合の体制そのもののように思えた。(中略)労働運動はいかに現場の労働者がやる気になるかが大切だと思う。現場がやる気になって土台をつくり、その土台に積み重ね、形を成していく。労働運動の基盤は現場だなあとしみじみ感じた。(中
略)「闘争なくして安全なし!」これなしには、安全は語れないと思う。幹部が主体でなく、安全を守る現場が主体の労働組合の完成形だ。原因究明だけにするのではなく、責任の所在を曖昧にせず、徹底的に追及し、闘争にしているからこそ、本物の労働運動につながっているのだと確信した。外注化という徹底的な合理化としっかり闘い、鉄道の安全を守る、労働者の未来を守る運動をしていきたい。
 本コーナーを今号でいったん終了します。労働学校はますます重要です。講座日程のお知らせは継続。新たな形で再開する予定です。
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第12期労働学校日程
■基礎講座
 12月15日(土)13:00〜
 ◆労働組合と国家
 ◆講師 山崎 一(社会問題研究者)
■実践講座
 12月22日(土)13:00〜
 ◆社会保障制度解体攻撃といかに闘うか
 ◆講師 山部 明子(社会保障制度研究家)
■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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月刊『労働運動』(273号B-1)(2012/12/01)

■地平線―反戦共同行動委員会―

青森の反核燃・反原発闘争との連帯を強めよう

北島邦彦 反戦共同行動委員会事務局長

 

11月11日、国会前の反原発大占拠行動と一体で、大間原発反対現地集会実行委員会による集会が、青森県内と北海道函館からも駆けつけた410人で開催され、380人の町内デモを敢行しました。3・
11以降中断せざるをえなかった建設工事を、電源開発株式会社=Jパワーは10月1日に再開し、ついに原子炉格納容器の据え付けまで強行したのです。この暴挙への抗議が、この日の集会とデモでした。
大間町はまぐろ漁で有名ですが、人口6千人ちょっと、小さな漁業の町です。デモを見て家から出てきて、「ごくろうさまです」と女性が声をかけてくれたり、お祖母ちゃんとお孫さんがデモ隊に手を振ってくれたりする一方、沿道ビラを見たとたんにビリビリに破って投げ返す老人があったり……。原発によって地域社会が分断されている現実が胸に迫ります。

(写真 民家と隣接する、建設中の大間原発) (写真 使用済み核燃料中間貯蔵施設【むつ市】)

 民家に隣接する大間原発

 津波避難のための高台が公園で、そこへの長い階段を上がると建設中の大間原発がよく見えます。撮影しようとして驚いたのは、原子炉建屋を中心にしてごく自然に構図をとると、その中に必ず民家が写り込んでしまうのです(写真上)。民家群に隣接して建設されている原発!? 世界にも類例がないのでは? これだけでも許せない! しかもここでフルMOX発電をやろうとしているのですから、絶対に建設を阻止しなければなりません。

 工事が進捗する、むつ市の使

用済み核燃料中間貯蔵施設
 前日の10日は、青森の仲間の案内で、県内の原子力関連施設を見て回りました。六ヶ所村の核燃再処理工場をはじめ、東北電力東通原発と東京電力東通原発建設予定地、むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設、さらには原子力船むつの原子炉展示館。
 写真下は、むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設です。ここは原発そのものではないことから、3・11以降も工事は続行し、何度となく訪れている青森の仲間も、驚くほど工事が進捗しています。工事が急がれている理由は明白で、この施設の完成が、全国の原発の再稼働の担保となるからです。現在大飯原発以外はすべて停止しているので問題は表面化していませんが、使用済み核燃料の集積場がない状況のなか、全国の原発内の使用済み核燃料プールはもう溢れる直前です。このままでは再稼働したくても動かすことができません。この事態を打開するべき使用済み核燃料の受け入れ先が、むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設なのです。
 こうして並べてみただけでも、青森には日本の原子力関連施設が集積しており、まさに日本帝国主義の原子力発電政策の拠点であり、したがって核武装の拠点です。反核闘争にとって、青森の占めるべき位置はとてつもなく大きいことを体で感じました。青森の反核燃・反原発闘争に連帯して闘いましょう!

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月刊『労働運動』(273号C-1)(2012/12/01)

■元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風

第3回

 企業犯罪を許すな!

 

僕が、もし刑事事件を起こせば、新聞社会面に実名で報道され、刑の確定前に社会的に糾弾され、時に家族まで非難され、挙句の果ては抹殺されてしまう現実がある。しかし、企業が雇用する労働者を過労死・過労自殺・精神疾患等に追い込み、労働者を「殺し」
「病にし」ても、裁判で争い、判決に至って初めて、その企業の犯罪行為を知ることとなる。
労働現場の諸々の事件を刑法の犯罪と比較してみると、労働者の命と健康、そして、財産や自由・尊厳がいかに軽く見られているか分かろうというものだ。
以前、不払残業の是正指導をした時、企業経営者は、堂々と、
白々しく言い切った。「反省するか
ら、過去の不払いは見逃してくれ。不況で金回
りがきついのだ」と。窃盗犯が、逮捕された時、「反省するから、見逃して。金がなくて困っていた」と言うだろうか。
労働者を過労死や過労自殺、そして精神疾患に追い込んだ企業は、企業名を公表すべきであろう。その企業犯罪性を明確にすること、そして、再発防止対策を具体的に立てない限り営業停止にするくらいの制裁措置は必要でないか。時に、その犯罪企業の不買・不利用運動も提起したい。独占企業であれば、無料利用も考えられて良い。
企業犯罪を許さず、しつこく追及していこう。
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刑法 労働現場の実態
●殺人(199条)
 死刑・無期・5年以上の懲役
過労死・過労自殺
● 傷害(204条)
 15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
外傷後ストレス障害(PTSD)
うつ病
●暴行(208条)
 2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
いじめ
●強制わいせつ(176条)
 6月以上10年以下の懲役
●強姦(177条)3年以上の有期懲役
セクハラ
●脅迫(222条)
 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
退職強要
残業・休日労働の強制
●強要(223条)
 3年以下の懲役
各種休暇与えず
●窃盗(235条)
 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
不払残業

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一回きりの人生 輝いて生きよう

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月刊『労働運動』(273号D-1)(2012/12/01)

2011〜2012年『月刊交流センター』、『月刊労働運動』主要目次(上)

250(2011年1月号)〜261号(2011年12月号)

※タイトル、筆者の表記は訂正・変更を加えているものがあります。

●NO.250(2011年1月号)
◇労働組合をラジカルに甦らせよう! 辻川慎一事務局長 ◇怒りを日々の糧に(上) 大野義文 ◇「子ども・子育て新システム」絶対反対!北島一恵
●NO・251(2011年2月号)
◇「1047名解雇撤回2・16集会」を突破口に闘う労働組合を甦らせよう 田中康宏動労千葉委員長 ◇「支援する会」を組織しよう 別所基明 ◇業績評価制度と闘いぬき、団結を拡大 大嶽昇一(世田谷教組)
●NO.252(2011年3月号)
◇第18回定期全国総会 ◇2・16「国鉄闘争全国運動活動者」交流会 ◇3・20渋谷反戦デモに集まろう! 法政大学文化連盟委員長 斎藤郁真
●NO.253(2011年4月号)
◇労働者の力で被災地を救援しよう! 東日本大震災救援対策本部全国代表者会議を開催 ◇3・6首都圏青年労働者集会 星野勝紀 ◇5・14〜15沖縄闘争へ 沖縄労組交流センター
●NO.254(2011年5月号)
◇6・5大集会の爆発的結集を! 田中康宏動労千葉委員長 ◇特集 震災解雇反失業大闘争と反原発大闘争を ◇大震災を引き起こした資本から全てを奪還する先頭に立とう! 辻川慎一事務局長
●NO.255(2011年6月号)
◇5・15沖縄で第22回臨時拡大全国運営委員会を開催 田中康宏代表 ◇6・19怒りのフクシマ大行動 ◇電産中国の闘いと教訓 野口照生(動労西日本書記長)
●NO.256(2011年7月号)
◇機関誌新名称を『月刊労働運動』に決定 
創刊のことば(佐藤芳夫代表)再録 ◇ヒロシマから全世界へ反戦反核アピールを ◇7・28〜29国労定期大会に向けて 吉野元久(国労上野支部)◇7・24動労千葉を支援する会総会に集まろう
●『月刊労働運動』NO.1(NO.257)(2011年8月号)
◇大失業と大量被曝絶対反対の闘いを貫き、今秋「大再編」情勢に進撃しよう! 辻川慎一事務局長 ◇武建一 関西生コン支部執行委員長◇解雇撤回へ闘う国労闘争団4氏の声明 ◇『月刊交流センター』主要目次(1)(全6回)
●NO.2(NO.258)(2011年9月号)
◇11月労働者集会第1回実行委員会 ◇労働運動を語る 花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)(前編) ◇JR郡山工場 放射線下の職場闘争国労郡山工場支部 橋本光一
●NO.3(NO.259)(2011年10月号)
◇9・10〜11第23回拡大全国運営委員会 ◇労働運動を語る 花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)(後編) ◇間山正茂 南部バス労働組合執行委員長 ◇呉交通局民営化との闘いの現局面と展望について 植野定雄
●NO.4(NO.260)(2011年11月号)
◇交流センター運動の課題とス労自主の立場 入江史郎代表運営員 ◇動労水戸闘争 辻川慎一事務局長 ◇国労5・27臨大闘争弾圧裁判闘争に勝利する 富田益行 ◇復興特区と労働者の命は相容れない 東日本大震災現地救援対策本部 田村昌也
●NO.5(NO.261)(2011年12月号)
◇11月労働者集会を徹底的に総括し、新たな闘いを始め直す決意を打ち固めよう 田中康宏動労千葉委員長 ◇国際連帯の前進と課題 動労千葉国際連帯委員会 小島江里子 ◇12・22鈴コン闘争勝利! 東京西部ユニオン

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月刊『労働運動』(273号E-1)(2012/12/01)

■読者のページ

●納税業務のセンター移管絶対反対!

 動労千葉を支援する会・ 横浜自治体労働者

 

横浜市当局は、区役所税務課の納税業務の大半を集約し、センターへ移管する準備を進めています。その目的は人員削減であり、外注化です。区役所の税務課はこの間、市民税特別徴収業務、法人市民税業務、償却資産等々、センターへの移管が行われ人員削減が続いてきました。その結果、
局(センターを含む)と18区の税務職員数は大幅に減少しました。業務量は増加の一途です。これ以上、税務課の職員数を削減することは絶対に許されません。
現在、納税担当の職場は、少人数で多岐にわたる業務をこなし、ぎりぎりの人員で業務を遂行している状態です。センターへの業務移管が行われた場合、残された少人数で業務が遂行できるのか? またセンター業務は十分な職員が確保できるのか?
今、全国の自治体で、税務を中心に集約化(合理化)、センター化が猛烈な勢いで進められています。センター化・集約化は、職員を過重労働にさらに追い込み、職場を破壊するものになることは火をみるより明らかです。集約化の次は外注化・民間委託・非正規職化です。
今年7月27日、東京都足立区の呼びかけで「日本公共サービス研究会」が創設されました。(全国153自治体が参加)そこでは、役所の全窓口、会計・出納、税務、国保、介護、入札・契約などの全面的な外注化構想が論議されています。核心は、自治体実務のほとんどを受け皿会社に全面的に外注化し、「偽装請負を避ける」ため専門知識を持つ自治体職員を退職出向・転籍=全員解雇・非正規化させるということです。
外注化攻撃の狙いは、労働者の分断であり、労働組合の解体です。労働者が団結を強めて絶対反対で闘えば、必ず外注化攻撃に打ち勝つことができます。共に闘いましょう。(10月27日付『ニュース』第2号から抜粋、修正)
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■編集後記

▼11・4集会と、同日芝公園のオスプレイ反対集会の両方に参加した(するしかなかった)労組活動家のエピソードをいくつも聞いた。みな日比谷の勢いに軍配。職場闘争の有無の差だ(う)

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月刊『労働運動』(273号F-1)(2012/12/01)

Photo Document 2012年10月〜2012年11月

秘密保全法反対 ! 国会行動に決起 !

10・29東京

臨時国会開会日に、共謀罪と一切の治安法に反対する国会闘争が行われた。ビラまき・座り込みの後に昼集会。臨時国会で提出が狙われる秘密保全法案の提出と「汚い捜査手法」の導入策動、共謀罪など治安法ラッシュを大衆運動の力で阻止しよう。

裁判員制度やめろ ! 最高裁デモ !

11・9東京

「裁判員制度はいらない!大運動」の呼びかけで、都心のど真ん中を貫いて最高裁デモが闘われた。320人の大隊列が組合旗を翻して行進、「裁判員制度やめろ!」の声が官庁・オフィス街に響きわたり、労働者の圧倒的な注目と共感を集めた。

反原発10万の怒りが霞が関を占拠 !

11・11東京

強い雨をものともせず10万人規模の労働者人民が国会・首相官邸前、霞が関一帯を占拠し闘いぬいた。午後1時には、NAZENの800人の仲間が、日比谷公園霞門近くの弁護士会館前に集まり、1時間近くにわたってデモを禁止した東京都と裁判所を弾劾した。

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