「月刊労働運動」 2013年/01月/01日(No.274号 p29)

(*2011/08月号〜「月刊交流センター」より改題)

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(写真 東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会は、花輪不二男さん【世田谷地区労顧問)【左から2人目)らとともに、社前闘争を敢行【12月1日 東京・板橋区】)

◎労働者の目 安倍政権打倒! 2・17 国鉄集会へ! 階級的労働運動の力で安倍極反動政権を倒そう!

◎3・9〜 10 第20 回総会(福島)の成功へ
2013 年、国鉄闘争を軸に、交流センター運動の強化・発展で日本階級闘争を塗り替えよう
代表運営委員 新年座談会: 入江史郎 ス労自主中央執行委員長、 田中康宏 動労千葉委員長、 辻川慎一 動労水戸副委員長

◎外注化阻止・非正規職撤廃で、闘う労働組合を甦らせよう! 2013 年の決意
動労水戸委員長 石井真一、神奈川・三浦半島教育労働者部会
大阪市職組合員 赤田由行、 広島連帯ユニオン推進機構支部 宮原 亮

◎解雇撤回・JR復帰の判決を!  動労千葉本部執行委員、協販部部長 中村 仁
◎星野を取り戻す闘いと世の中を変えていく闘いをひとつに 星野暁子
◎12・14 ウイングホール柏斎場労働運動弾圧裁判 原職復帰させた職場の団結は、裁判所をも圧倒
綿貫 透 千葉労働組合交流センター自治体労働者部会、ちば合同労組
ひめじょおん−女性部から  「給食の余り」にかこつけた公務員バッシングを許さない
◎地平線―反戦共同行動委員会― 山本太郎選挙から見えてきたこと 北島邦彦 都政を革新する会事務局長
◎ Pick Up 2012 年11 月〜 12 月の労働運動関連情報
◎元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風=@第4回 不払い残業は犯罪です
◎ 2011 〜 2012 年『月刊交流センター』、『月刊労働運動』主要目次(下)
読者のページ  ◎マンガ

 

●マンガ /編集後記

月刊『労働運動』(274号1-1)(2013/01/01)

■労働者の目

安倍政権打倒! 2・17国鉄集会へ!

吉野 元久 副代表運営委員 国労上野支部

 12・16衆院選は、自公で定数3分の2を超える325議席を取り、極反動安倍政権の登場という結果となった。自民党の議席増は、わずか30%の得票で60%の議席を得るという小選挙区制のおぞましい効果だ。投票率は戦後史上最低レベル、膨大な白票、民主党・連合の歴史的敗北、日共の低迷と社民党の没落・瓦解。労働者階級人民の不信と怒りはいっそう高まっている。今や、日本階級闘争はすさまじい大動乱情勢に突入した。
 東京労組交流センターは東京8区(杉並区)の山本太郎氏を支持し、共に闘った。短期間での7万票超の獲得は、石原ファミリー(伸晃)を震撼させた。反原発闘争が、今ひとつ新たな大衆運動の爆発を開始している。
 こうしたなかで10月末、JR東日本が「グループ経営構想V」を発表した。鉄道業務の海外輸出(インドヘのパッケージ輸出契約―11・18ASEAN首脳会議での野田=シン首相会談合意)と検修業務のさらなる外注化(東京支社4月実施)、駅業務の全面外注化=グループ企業の再編成(2013年4月、JR東日本ステーションサービス(仮)設立を計画)を加速させ、さらなる青年労働者の出向・転籍・非正規職化に突き進んでいる。
 特に、「企業風土」の核心は、国労の解体・取り込みと東労組の組織的崩壊の加速=分割・民営化以来の癒着・結託体制の大再編の決断だ。さらに山田線廃線化=バス転換を「復興支援」と居直り、常磐線運転延伸(広野=竜田)で被災地を分断する〈新自由主義の救世主〉としての再浮上=突出=君臨を狙っている。被曝労働阻止の闘いとあわせて、全面的な決戦だ。笹子トンネル事故も重大だ。道路公団民営化委員を務めたのが新都知事・猪瀬であり、JR東日本元社長・松田昌士だ。05年道路公団民営化に際して高速道路維持管理費の一律30%削減を指示した張本人だ。
 交流センターは12月16日、福島開催の3・9〜10第20回定期全国総会方針案をめぐって三役会議を開催。新体制と組織拡大=中央労働学校開設の構想、改憲阻止闘争の強化など、国鉄闘争を基軸に安倍新政権と全面対決することを確認した。2・17国鉄集会の成功から、6・9国鉄闘争全国集会に攻め上り、2・1ライフサイクル粉砕! 4・1検修全面外注化阻止、1047解雇撤回! JR復帰の闘いを叩きつける。2013年を交流センターの決定的勝負の年としよう。
(写真 2012年12月12日付 日刊ゲンダイ)

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月刊『労働運動』(274号2-1)(2013/01/01)

階級的労働運動の力で安倍極反動政権を倒そう!

 総選挙結果が示すもの

 衆議院総選挙は、自民・公明が定数の3分の2を超える325議席を確保して圧勝、民主党の壊滅的敗北となった。石原・橋下の日本維新は、54議席を獲得、第3党に躍り出た。「原発ゼロ」に看板を掛け替えた小沢新党は、8議席に激減、共産党も議席を減らし、社民はわずか2議席となった。
政権交代への失望と公約違反への怒りが、民主党を惨敗させたことは間違いない。しかし、小選挙区で8割の議席を独占した自民党の有権者比の得票率は25%、前回より166万票も減らしている。4割以上が棄権した史上最低の投票率、史上最高の204万票の「無効投票」(白票など)は、「第三極」を含む政党政治そのものへのNO!の表明だ。ブルジョア議会制度そのものへの根源的反乱が始まっているのだ。3年前に自民党政権を、今回は民主党政権をぶっ倒した労働者人民の怒りは、本当の出口を求めてマグマのように渦巻いている。
そのことを凝縮して示したのが杉並(東京8区)の闘いだ。3・11以降、反原発闘争の最先頭に立ってきた山本太郎さんは、原水禁運動発祥の地、原発推進と戦争・改憲の石原ファミリーのお膝元を戦場に選んだ。「今回の選挙は、命を守ろうとする者と命を奪おうとする者との闘いだ」 この決起に応えて、首相官邸前20万決起と結びついた巨大な大衆運動が大爆発した。自民党前幹事長を相手に、民主、共産を尻目に、「原発即時廃炉」が7万1千票を獲得した闘いは、社会を根底的に変革する行動の方針こそが待ち望まれていることを示している。

 「危機突破」は、大失業と戦争

 世界恐慌は、各国の財政・金融政策が総破産し実体経済の収縮が進行する中で、帝国主義間・大国間の軍事力を振りかざした市場争奪戦へと展開している。民主党政権の「尖閣国有化」が中国市場の喪失を引き起こし、恐慌激化の引き金となったように、米中対峙の中で股裂きとなって孤立と敗勢を深めているのが脱落日帝だ。
構造改革で自ら支持基盤を破壊してきた新自由主義には、安定的政治支配体制などありえない。安倍政権は、議席上の安定多数とは裏腹に、世界恐慌と3・11情勢、階級矛盾の爆発から絶対に逃れられない超危機政権なのだ。「危機突破」「日本再生」を掲げるその政策は、一切を労働者階級人民に犠牲転嫁する大失業攻撃を激化させ、排外主義とナショナリズムを鼓吹しつつ改憲と戦争に向かうものとならざるを得ない。
 年末に発足した安倍新政権がまず着手したのは、大型補正・来年度予算での「国土強靱化」と称する大型公共投資の復活と「2%物価目標」の日銀への押しつけだ。参院選まではバラまきに徹し、消費増税の環境を整えようというわけだ。
 しかし、これは、建設国債を無制限に発行して日銀に買い入れさせるという、国債暴落、破滅的大インフレの道だ。結局のところ、財政破綻のツケは、民営化と公務員首切り、「自立・自助」の名による社会保障の解体へと回され、道州制攻撃を加速化する。

 原発再稼働と改憲攻撃との激突

 経団連は、自民党が大勝するや「エネルギー政策の再構築を求める」提言を発表し、安倍は、原発の新・増設は行わない原則も見直すと言い、規制委員会の活断層調査を攻撃し、再稼働の機を窺い始めている。
 2013年は、原発再稼働攻撃との大激突の年となる。3・1ビキニ−3・11フクシマを闘い、首相官邸前20万の怒りを50万、百万の決起として発展させていこう。
 安倍政権は、当面、自公連立を選択したが、すでに衆院の議員構成は、9割が改憲賛成、8割が集団自衛権容認となっている。7月参院選の結果次第では、維新と連携した集団自衛権解禁に、改憲発議要件緩和(96条改悪)改正を突破口とした9条改憲へと踏み出してくるだろう。自公連立合意では、外交・安保の項でTPP交渉参加も盛り込んだ。
 自民党の教育再生実行本部長から文科相に座った下村は、教員の政治活動への刑事罰導入の急先鋒であるとともに、バウチャー制度の信奉者だ。教育の民営化攻撃、教組弾圧と国家主義的教育改革の激化も不可避だ。

 国鉄決戦軸に階級的労働運動の発展を

 経団連は、2013年の経労委報告案の中で、65歳再雇用義務化を口実に大幅賃下げ・定昇廃止へと踏み込んできている。まさに外注化をテコに「40歳定年制」「10割非正規化」の雇用・賃金破壊が始まろうとしている。外注化阻止、非正規職撤廃の闘いこそ、新自由主義の破滅的延命策を打ち砕く闘いだ。
 JR東日本の「グループ経営構想X」は「世界にのびる」と掲げ、新幹線輸出や海外の車両受注に社運を賭けている。電機・自動車という輸出の二枚看板が敗勢を深め、貿易赤字が恒常化する中で、インフラ輸出、とりわけ鉄道輸出が日帝の存亡を賭けた国策となっている。偽装請負も安全崩壊も意にも介さぬJRの傲慢な経営姿勢は、ここからきているのだ。
 動労千葉、動労水戸を先頭とする外注化阻止決戦の第2ラウンドとは、日帝の生き残りを賭けた最大の戦略的資本との力勝負である。再び三度、日本階級闘争の勝敗を決する位置におしあげられた2013年国鉄決戦を交流センターの総力で闘いぬき、階級的労働運動の本格的発展をつくりだそう。
(写真 労働組合の復権を! 2012年11・4全国労働者総決起集会に5800人【東京・日比谷野音】)

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月刊『労働運動』(274号3-1)(2013/01/01)

3・9〜10第20回総会(福島)の成功へ

2013年、国鉄闘争を軸に、交流センター運動の強化・発展で日本階級闘争を塗り替えよう

代表運営委員 新年座談会

入江 史郎 ス労自主中央執行委員長
田中 康宏 動労千葉委員長
辻川 慎一 動労水戸副委員長
聞き手 飯田英貴事務局長、編集部/構成 編集部

 2012年外注化阻止闘争の地平

――もう一回交流センターを新たに結成する、新しくこの時代に打ち立てるような気持ちで来年の総会を構えていきたいと思います。まず2012年の総括、特に10・1外注化阻止決戦の地平や課題から出していただければと。
辻川 大恐慌情勢のなか世界的に非正規化・失業があり、世界的規模の反乱が始まってます。一方で世界でも日本でも結局、労働組合をめぐる思想的・路線的死闘が核心問題としてせり上がってきている。そのなかで決定的なのは、国鉄闘争がまぎれもなく日本階級闘争の死命を制する位置にあることをはっきりさせてきたことだと思うんです。既成労働運動が一番排除しようとしてきた闘争を正面に据えてやりきってきた。ここに日本帝国主義資本と体制内勢力との攻防点があり、ここをぶち抜かないと反原発闘争を含めて展望がないことをはっきりさせたことは、すごく決定的だった。
 昨年、10・1外注化阻止闘争を闘って、交流センター創設以来の勝負を賭けたわけです。渾身の闘争をやって展望が切り拓かれた面と他方で、動労千葉に典型でギリギリの闘争だったということです。ぶっとばされるか、ぶっとばすかという勝負。ストレートに言うと、やりきったんだけど、組織拡大というよりも、現象的には10・1外注化強行のなかで相当こっちも傷ついた。その中で、外注化阻止の第2ステージに入っている。それがどういう攻防なのかをはっきり捉えることが重要だ。

 「経営構想V」との対決

辻川 「グループ経営構想X」がJRから出て、今、分割・民営化が第一の出発点で、3・11が第二の出発点だとか言っている意味をどう捉えるのか。要するに結局、原発がダメになって、日帝資本にとっての鉄道のウェイトが高くなっている。階級闘争的に国鉄闘争が焦点化しているということだけではなくて、JRをめぐる闘争が日本の労働者階級と日帝ブルジョアジーとの攻防の最先端に入っている。そのなかでの外注化攻撃だ。だから猛烈な体制的ウェイトをかけて10・1外注化を強行したし、10・1以降も駅の外注化など攻撃も矢継ぎ早だ。自民党「圧勝」も利権的な構造が民主党から自民党に移るだけの話で延命する柱は基本的に変わらない。
結局、外注化は、JR労働運動、動労千葉、動労水戸をぶっ壊すことと一体で展開されていくことがはっきりした。だから2012年の闘いをやりきることで、JR資本との攻防が日本のプロレタリアートとブルジョアジーとの決定的な攻防点にせり上がった。そこを本質的な関係としてつかみとることだ。だから第2ステージは核心的攻防であり、階級的課題だ。動労千葉の闘争を勝利させることを抜きに動労水戸や交流センターもない。その勝利とは、同時に4大産別決戦と非正規の圧倒的階級的な組織化を進めることだ。この闘争の中で日帝との階級的力関係を決していく。
だから10・1の総括は、各産別における決戦を、よりいっそう明確に路線的に実践的に深化させて、実際の階級決戦として爆発させていくところにある。それが動労千葉の闘いに対する回答だ。
実際上の攻防は、ものすごく大変で、血を流しながらということだと思う。だからこそ逆に限りない展望がある。闘う労働運動が青年を捉えて強力に展開し始めることは、そう簡単ではないとしてきたが、ついに全体としてもいい線を行き始めた。例えば、動労千葉を基軸に鈴コン闘争が立ち、鈴コンを軸にどんどん拡大して、吉本さんみたいな人がいっぱい出てきている。こうした構造全体が、労働組合運動の既成の概念を突破している。まさにランク&ファイルだ。幹部のための労働組合ではなく、本当に職場の労働者が主人公になって自己解放的に労働組合的団結をとおして闘争し始める。そのことがどんどん波及し、人が人を獲得し始める。2012年でつかんだものをもっとはっきりさせる必要がある。
入江 国鉄外注化決戦をどういうものにしていくのかは、交流センター結成23年の大総括が前提だ。ス労自主もたまたま結成30周年というのがあるんだけれど。そういうのをぜんぶ総ざらえするのが私らの残された最後の仕事かなと。
今の話としては、今年やった国鉄外注化決戦は、まだ交流センター的にも労働運動的にも、日本の労働者階級として共有され切っているものではない。この闘いをどう継続しつつ、共有するものにしていくのか。国鉄分・民反対闘争の総括も結局、共有しきれなかったというところに尽きると思う。だから分岐というよりは、われわれが極少数になってる。みんな脱落させられた。唯一生き延びているのは、われわれと、あえていえば革マルJR総連だ。ああいうかっこうで生き延びた。他はぜんぶ国労も含めて完全に20年かけてその闘争の領域から落とされた。交流センターの今年と結成23年を総括して、24年目以降をどういうふうにしていくのか。
(写真 入江史郎代表運営委員)

田中 自分なりには、外注化阻止闘争を中心に全力で闘ってきた。外注化問題にこだわり始めて12年。マルクス主義とは結局は階級的労働運動、労働者の階級的団結が広がっていくという形で具体的に実現されていくということだと思うから、階級的労働運動を甦らせるということは一体どういうことなんだろうってことばっかりを考えて来たんですよね。これまでの労働運動をどうしたら具体的にのりこえられるのか。今年は、この道でいいんだと確信を持つ闘いができるところまで来た。
入江さんが言うとおりで、もっとちゃんと全体化したり普遍化したりということをまだ恐らくできていないんだと思うんですよ。それができれば、新しい一歩を踏み出すことができるという感じがしているんですよね。
戦後の労働運動的に言うと、資本に対して非和解的に貫いた闘いはそれなりにあるにしても、その運動を継続できてる例はないわけで、これに対する敗北主義が、一番「左派」ですら地域ユニオン以外には何の展望もないということになっている。そうじゃないということを示したい。それには、国鉄分割・民営化以降起きたことを絶対にあいまいにしない。これと立ち向かえるものを作りたい。今年の11月集会でとっかかりを作るところまでは来た。それが自分なりの総括。
そう考えていくと、入江さんが言った交流センター23年の総括を今しなきゃいけない時期に来ているということは、本当にそう思います。というのは、交流センターを中野前委員長が呼びかけたということは、顧問なりの国鉄分割・民営化攻撃に対する総括だったはずだったんですよ。つまり向こうが労働運動の根本的解体攻撃に出てきた以上、どんなに小さいものだろうと、今度は俺たちの力で作らなきゃいけないんだということですよね。その初心の思いがどこまで実現できたのか。動労千葉なら動労千葉が、動労千葉自身の運動と交流センターをある意味で車の両輪に位置付けて、日本の労働運動の再生を組織していくことができたのかを総括しなきゃいけない。だけどもう一方では交流センターがあったから11月集会の発展もあった。そういう決定的な役割を交流センターが果たしてきたことをちゃんと評価しなきゃいけない。交流センターを全国組織として持ちこたえてきたという土台があったからこそ今、非正規の労働者たちの立ち上がり、鈴コンにしろ郵政非正規にしろ無数に生まれ、これからどう発展するのか本当に楽しくなるというか希望を持てる状況が生まれている。
(写真 田中康宏代表運営委員)

 交流センター運動に賭けてほしい

入江 ひとつ言いたいことは、新自由主義だけを語っていてわれわれの展望が出てくるのかなということだ。
 特に福島原発事故が起きて、日本の支配階級も世界中の支配階級も結局、21世紀のエネルギー問題をどうするのか、今バラバラで安定的にこれで行くと言い切れない。決定的な弱さがある。21世紀のエネルギー問題が、過去の人類史からずっと来て、今、地球一元的に問題を突きつけている。これでようやく階級決戦の条件が整った。今、支配者は「失われた20年」と言っているけど、資本主義は結局、自ら巨大な生産力とか物質力を持ちながら逆にそのことをすべて破壊しつくさないと延命できない根本矛盾を持っている。そこに断を下せるのは資本家階級ではなくて労働者階級でしかない。このことに対するしっかりとした確信が必要だ。つまり、資本家階級が21世紀のエネルギー問題を含めて制圧できるのか、労働者階級が登場して、次の時代に向かって挑戦していくのか。それが今だ。しかも国内で大きいことが起こっているから日本の労働者はすごいチャンスだし、どんな少数でもやってきたわれわれにチャンスがあるし、時代的な責任もある。
 それで今日はその話をしないと、3人が集まって話す意味はないと思ったんで言いますが、そこから見ると、外注化決戦が小さいと言うのではないんだけど、二人にはそこだけに没頭してほしくないという思いがある。
 動労千葉を僕が尊敬するところは、組織を丸ごと賭けた闘いをやったことだ。少なくとも指導者、特に中野さんは自覚してそれをやった。三里塚ジェット闘争と国鉄分割・民営化反対ストライキ。組合組織がそっくりなくなってしまうリスクがあった。それに比べた国労主流派の分・民闘争は、不安を持ちながら、そういう闘いとして打ち出せなかったところに4・9政治和解の結末がある。
 僕としては日本の労働運動の指導者だったら、次の方針を提起をしてほしいと。今までの総括を次の時代に発信していかないと、外注化闘争も過去のいい試合だったなあで終わりかねない。そこをもっと大きく生かすために動労千葉だけじゃなくて交流センター全部が組織をかける。千葉にしろ水戸にしろ総連合が文字通り全国組織としてもっとクリアに、国鉄闘争全国運動の実際のマネジメント、総組織戦略をつくるべきだ。その下に全国労組交流センターを、産別を越えてこき使って、文字通りの全国運動にすることに展望がある。そこがないと、鈴コンも頑張っているけども、非正規、あるいはいわゆる地域労働組合の運動も力を階級的な力に変えるものにならない。
 それだけではこの資本主義の根本的な構造は変わらない。資本主義が文字通り3・11もふくめてあるべき姿をさらけ出しているわけで、そこにわれわれが資本主義を真正面から全否定するものとして向かっていかなくちゃ話にならない。逆に少数だからその突破口を切れるという気がする。分・民のときは、日本の労働運動がすべてをかけるような闘いができなかった。その突破だ。

 反合・運転保安闘争の決定的意義

辻川 考えているのは、JRの闘争というのはやっぱり甘くないということですよ。職場に固執してとか、そういうことはいっさい考えてなくて、現実の条件で闘うしかない。指導部が現場にいない大変さという問題も3年ぐらい前に戻ってあらためて思った。だけど、このまま行くなんてことは考えてない。青年の力で青年の中から指導部を作らないといけない。他方で、次の若い指導部を取るというのは共同の行為です。彼らを先頭に動労水戸の組織総体が総力戦でやって勝ちきれるかどうか。でも、国鉄で抜いたことが他の全体の労働者、特に青年労働者の希望になっていく、力になっていく構造があって、動労千葉を支えるということはもちろん、全体をぶちぬくためにもここでぶち抜かなきゃいけない。総力をかけなきゃいけない。かけてもぶちぬけるかどうかぐらいの攻防だ。
それからもうひとつ深めなきゃいけないことは、結局、日本の労働運動がどうしてダメになったのかという問題にかかわるんだけど、70年代に至る過程で総評が同盟系の労働組合にどんどんつぶされていく過程というのは、合理化闘争が合理化をモノとバーターにする過程だった。合理化をのむ代わりに一定の賃金条件や手当と引き替えてそれを成果としてきた。合理化と闘わないということは、労働者は日々の労働と生きるということが一体のものとしてあるのに、それを投げ捨てるということだ。
特に国労なんかの拠点職場の保線ではすでに70年代から下請け・孫請けという形で外注化があった。国鉄労働者は、その生産現場が合理化で奪われたら監督する側になって、実際上の現場労働は下請け労働者が担っていく構造になった。合理化と闘わないなかで何が起きるかというと、組合離れが起きる。労働組合に対する求心力が急速に落ちていく。
石炭から石油というエネルギー転換で炭労が屈服して重大事故がどんどん起きる。国鉄でも同じように合理化が進められ、その結果として重大事故が発生する。事故問題、合理化問題と激突するなかで、動労千葉は、反合理化・運転保安闘争路線を生み出して、70年代、他の組合がどんどん求心力を失うときに船橋事故闘争、三里塚ジェット闘争をやり、分割・民営化反対闘争を大衆的な組合員を引き連れて闘うことができた。合理化という生産現場における闘争を労働組合の路線として位置づけて徹底的に闘うなかで動労千葉は、団結や求心力、戦闘性を固めて闘い抜けたということがあるわけですよ。
われわれが日々労働している現場における合理化、効率化がいいことなんだという。冗談じゃない。人間の存在というのは効率化、合理化されるものじゃない。そこを労働組合として団結して闘いぬく。それは人間としての誇りを守り抜くことだ。その闘いを昨年やりぬいた。これは、極限的な効率化・競争をもたらす新自由主義との根底的な闘争だった。これと闘うなかでしか労働者としての団結はつくれない。そのことを2012年の闘いをとおしてつかみ取ってきた。そこを各産別で意識化、路線化することが重要だ。
最初に言った鈴コンを軸に始まっている労働者の決起をみても、闘いたいから交流センターなんだ、動労千葉なんだという相当劇的な、核心的な転換が始まっている。われわれが挑戦しているのは、自分たちの誇りをかけた闘争なんです。外注化反対というと清掃労働者に対して申し訳ないって、そうじゃないんだっていうさ。外注化阻止というのは清掃労働者の誇りをかけて闘うんだ。その構造の中でしか、本当の意味で下請けとか非正規の労働者と団結なんてできるわけないんですよ。自らが合理化・外注化と徹底的に闘いぬく中でしか階級的団結なんてできない。
だから今年、断固として平成採獲得の第2ステージに入っていくと同時に、原発だとかJRもそうだけど労働者階級の搾取の手段としての分断をこの闘争の中で根本からぶっとばしてやる。外注化したらみんな労働者が動労総連合や交流センターに入っちゃう状況をつくり出す。労働者に展望を与えきる闘いをやりぬく必死の過程としてある。
結局ぜんぶ、、労働組合をめぐる決戦だ。われわれと、日共、社民、その他の党派の路線闘争だ。俺はそういうことをもっとはっきりさせるべきだと思う。
(写真 辻川慎一代表運営委)

(写真 動労千葉10・1外注化阻止闘争【10月2日 京葉車両センター門前行動】)

 拠点と全国指導、リーダーの使命

田中 俺も入江さんの言うこと、本当によくわかってね。本当に交流センターに賭ける人格を作らないといけない。
 辻さんの意見にも基本は賛成ですよ。つまり、自分なんかがやらなきゃいけないと思うことは、日本の労働運動は企業内労働組合だから所詮ダメなんだという思想があるわけですよ。うちだって企業内組合で、そんなのは行くはずがないんだって。本当にそれが行かないんだったら産別労働組合や地域労働運動も成り立たない。つまりすべて成り立たない。だから俺はとにかく意地でもここで勝ってやれと思うわけですよ。それが労働運動全体に対する、絶対的貢献だという。
 入江さんが全国各地の交流センターにス労の組織を賭けてぜんぶを投入して主要な各交流センターの地域の役員も含めて担ってくれたじゃないですか。これは考えてみたらすごいことで。それがあったから僕らも現場で闘えたんですよね。
 今、入江さんとか辻川さんから出た課題をちゃんと両方できる組織的な力、リーダーシップが求められているんだと思う。
入江 現場でやっとけば結果として全体が何とかなるんだということでは絶対なくて、全体のことを考えて旗振りする人間がいるわけだ。順序逆なのよ。そういう意味では千葉や水戸はうまくやりすぎているから共有できないというか全体化できない。
 日本の労働運動がそれほど遅れているとは思ってなくて、ある意味フロントランナーだ。ヨーロッパやアラブや韓国がそんなにうまくいっているとも思わない。彼らに共通している欠陥は4・9派と一緒で自分たちが直接的にその支配組織を作るしかないんだというところに向かっていないということに尽きる。そうだったらわれわれ日本の労働運動こそがそういうものをやってみせるべきじゃないのか。思い切ってそこに飛び込むのを先にしてほしい。順序逆だというのはそういう意味だ。
辻川 10・1以降の状態を見ると、やっぱり甘くない。出向させられた本人たちは3年後にまた戻ると思ってたんだけど、実際上はやっぱり3年後はないんだよ。外注化強行されたら社員扱いをしない。ちょうど僕らが分割・民営化に反対して職場を外されたときみたいな。MTSの制服を着て向こうに行った連中を、残った平成採と歴然と別扱いにする。すさまじいですよ。彼らは、自分は大卒だし会社のために貢献したのにと愕然としている。実際上資本との「経営構想X」との激突や、10・1後、駅の外注化が提起されたり、ホーム自動ドアが入ったりとか、ものすごい攻勢です。基本的には全面外注化です。だからその壮絶な攻撃に対して腹を据えたやつが引っ張っていくというさ。
 もちろん入江さんが言っていることを否定しているんじゃなくて、その攻防を勝ちきれないところで他の産別でこうだよと言っても通用しないところがある。もちろん自らのところで闘いつつ全国指導をやらなきゃいけない。そこに踏み込まなきゃ交流センターとしてはダメだと思うんですけどね。
入江 同時にやることを考えてくれ。
田中 本来は入江さんの言うとおりで、同時にやらなきゃいけないと俺も思いますよ。
入江 この事業がここまで辿り着いたのも、二人それぞれの立場で切り拓いて勝ちとってきた。あと半分は敵が鍛えてくれるんだよ。
田中 そうですね。それはある。
辻川 JRが25年間やってきたのはとにかく労働運動を国鉄時代のようにしない。平成採にやらせない。この基本モチーフは変わらない。最後満を持して東労組革マル支配の弱体化へ松崎が死んだこともふくめて、ばーっと来ている。平成採を団結をさせないために、入社式を隔離してやるとか、検修だと即現場配置じゃなくて2年間は郡山工場で検修させるとか、いろいろな政策を打ってきている。
しかし逆に一人決定的なやつを獲得した場合、一人の青年が各地の青年と結びついている現実によって、向こうの盤石の支配の条件が逆のものに転化する。労働者ひとりを獲得することがものすごい決定的な条件に転嫁していくんだということが重要だ。
入江 俺に言わせると、それはできちゃってるんじゃないかということだよな。さっき革マルのことを言ったけどね。逆に言うとわれわれには田中康宏、辻川慎一という希代のリーダーが人格的に見える形でいるでしょ。JR東労組には松崎の次がいねえだろ。
田中 いないんだよな。
入江 まさにそここそ一番勝ちとっている地平だ。大震災の直撃が東会社に来ていて、茨城、千葉にこんな厄介な野郎らの頭目がいる。こんないい条件をどれだけ生かすか。二人が、全国あちこちに号令かけて、自分たちの外注化決戦とか原発闘争を持って、獲得に直に行くと。そうなったら、いろいろ反動も出てくるんだろうけど、反動が出てこないかぎりわれわれの運動も鍛えられないから。

 2・17国鉄集会から国鉄闘争全国運動6・9全国集会の爆発へ

――大きく2〜6月について、2月の国鉄集会だとかふくめて委員長の方から。
田中 国鉄決戦と言ってきたということは国鉄労働運動が労働運動全体に絶対影響を与えるんだという確信の下に、そういうことを言ってきたと思うんだけど、それに賭けきる交流センターにあらためてしなきゃいかんと、このかんの情勢を見ていて本当に思うんですよ。

 「経営構想V」について

田中 実はJR東日本という会社は震災わずか1年で最高利益を上げています。震災での影響なんてのは企業の利潤からしたら関係ない。で、今度の「経営構想X」を見ると、国鉄分割・民営化が第一の歴史的な転換点だったとすれば、東日本大震災が第二の転換点だと書き始まるわけです。最初これの意味がよくわからなかったんですよ。でね、11月の新聞記事を見てびっくりしたんだけれども、インドに鉄道システム丸ごとの輸出をするというんです。わざわざ野田首相がASEAN会議のときにインドに行って、野田−シン首脳会談をやった。昨年1月には国土交通大臣が次官級の会議を始めている。それでフランスを駆逐したと書いてある。運営会社から何
から円借款でインド政府に貸し付ける。原発が簡単に行かなくなったという状況でまさにJR資本にとって3・11が転換点だった。インドの場合は1路線だけで1兆円規模。それを6路線造るというんですよ。だからJR資本にしてみれば、これで支配的資本になる。うちの政府は、自分らのやることはぜんぶ容認するだろうというような構え。そこと外注化が結びついている。
 でもこれは資本主義の危機の中で起きていることだ。だからそういう要素をふくめて、国鉄分割・民営化が生み出したもので、新自由主義が行き着いた結末だ。それに対して僕らが今、千葉とか水戸とかという形で存在していることが決定的だ。
 入江さんが資本主義の必然と言われましたけど、まさにそのとおりでさ。労働者の置かれた現実そのものが限度を超えようとしている。これは原発事故以降の行動に表れています。そういう全体を考えると、国鉄労働運動で時代を動かしていくことを交流センターの課題にしないといけない。国鉄闘争を軸にした4大産別決戦です。今年始まることは改憲とまさに丸ごとの民営化でしょ。だからここで一定の力ある部隊として、現場から交流センター派が登場できるかどうかです。
 直接的には、6・29判決をめぐる攻防。それと昨年末12月26日に本訴を起こした外注化の差し止め訴訟。外注化、社会に蔓延している民営化・アウトソーシングという攻撃がぜんぶ違法だと真正面から問う。
 だけどもう一方では、JRにしてみればこれがもめてる以上、次の転籍とかに行けない。裁判だからこれにすべてを賭けるわけにはいかないにしても、25年間の闘いで少なくともそういうところまで持ち込んだ。それができたのはわれわれだけです。われわれは労働運動をもう一回ひっくり返す挑戦権を握ったんだということ。ここに確信を持ってやりたい。
 さしあたりは2・17に国鉄集会を開くということと、国鉄闘争全国運動の全国集会は6・9です。爆発的に成功させたい。全力を尽くして半年をかけてこれを成功させる。
 6・29判決の高裁勝利をめざす署名運動の陣形はものすごく広がっているから、ぜんぶ大きく総結集してもらって、いったん崩れた国鉄闘争支援陣形を再団結させることも視野に入れつつ闘いを展開したい。そういうことをとおしながら外注化問題でまた現場が動き出すわけです。
 こうした闘いを結合し、3労組陣形の力も借りて、交流センターが時代を動かす。そういう前半戦になると思います。
(写真 2012年11月19日付日経新聞)

 改憲阻止闘争の重大性

入江 国鉄闘争を基軸に、4大産別決戦をあらためて各産別が責任をもって具体化をしてほしい。願望的にはもう少し共に闘う労組を集めたい。国鉄闘争の精鋭が署名運動でも名前を連ねてくれていますけど、彼らが元気なうちに彼らの力を借りて全国にもっと具体的に打って出て労働組合をこの闘争に獲得していかないと結局自己満足に終わってしまう。この1年は重要です。
 それからやっぱり改憲が対決軸になっていく。僕自身個人の考えでは、改憲阻止で安倍政権と真正面からどんな少数でもぶつかることだ。改憲阻止闘争を闘う集団として名乗りを早く挙げておきたい。そこはわれわれにとっては絶好のチャンスだから。護憲派ではダメだって批判的に言っている者は話にならなくて、資本主義の手伝いをしているだけだ。改憲阻止というきちんとした登場の仕方が護憲勢力をふくめて獲得して勝利の展望をつくる。この半年間で改憲阻止の路線を打ち立てるべきだ。それが戦後労働運動の再構築なんじゃないかな。反原発についても改憲阻止なき反原発は間違いなくつぶれていくだろう。来年はしょっぱなから、特に通常国会は間違いなく改憲だ。具体的には憲法審査会を稼働させることから入ると思いますけど。そこらをしっかりと闘争していく。
田中 改憲問題は間違いなく対決軸になる。もう一回正面から掲げないといけない。その中身とか具体的にどういう闘争をするのかは議論しないといけないけれども、改憲をめぐる支配階級の内部の分裂が始まると思う。
入江 もっと一気に行くんじゃないの? こちらが改憲阻止闘争をきちんと想定して真ん中に位置付けるべきじゃないかな。そのなかで敵の分岐とか、中でもっと大きな闘争として育っていく。それが終わってからじゃ手遅れだよね。
辻川 ただ方針にかかわることでは、ぜんぶの決戦が組織拡大決戦だと言っていかないと、改憲阻止もにわかにそうだねとは言えない部分がある。つまり改憲阻止だって労働者が決起することなしに改憲阻止にならない。改憲攻撃は労組破壊としてしか貫徹されないわけだ。結局、外注化阻止も、再稼働反対も、そのことをめぐって自分たちが労働者の決起をつくるという強烈な目的意識性が必要だ。そこをめぐって闘争しているわけであって、だから組織拡大というのは、闘争と別に組織拡大があるんじゃなくて闘争をめぐって必ず組織拡大に集約されなきゃ全然貫徹したことにならないんだということが重要なことだと思うんですよ。

 星野全証拠開示運動の爆発を

――そのほか重要な方針はありますか。
辻川 特に重大なのは、星野闘争です。戦争・改憲の安倍政権が、労働者階級への国家暴力の発動を、原発、沖縄など、あらゆるところで強めるのは必至だと思うんですね。そのとき労働者階級がそれを根底から突き破って、階級的団結に転じて闘いうる最大の反撃拠点こそ、無期懲役のデッチあげを日々打ち砕いて勝利し続けている星野闘争です。2013年は、全証拠開示運動を爆発させて星野さん奪還の展望を力づくでもぎとりたい。

(写真 呼びかけ3労組先頭に11・4労働者集会後のデモ【東京】)

 交流センター中央労働学校建設を

辻川 もうひとつ、組織拡大について言うと、労働者のマルクス主義での武装です。現実の攻防の激しさに対して階級的に自分たちの存在や闘いが貫徹されていくんだという視点がないと大変です、それは結論的に言うと、労働学校なんですよ。それも、千葉、水戸において勝ちきるためにも、完全に東京決戦です。都知事選の結果もそうなんですけど、東京において勝負できる交流センターにならなきゃいけない。交流センターはフラクションなんだけど、もうひとつは学校ですから。特に青年の獲得をめぐって東京で労働学校をつくってそこに職場からがんがん送り込んで職場の活動家、指導者、リーダーをつくっていく。そこに挑戦しないと、時代に間に合わない。
 僕が事務局長をやっていた頃は、動労千葉の闘争のほかには、明大生協とか三一書房の争議ぐらいしかなかった。今は状況が違う。職場で真っ向から資本とわたりあって闘争して勝ちぬくという労働運動をやれてるのは、関生とか港合同を別にすると、実際上はわれわれしかない。一般的な労働学校をやろうという話じゃなくて、その地平の上に立って、東京で勝負しなきゃいけない。動労千葉労働運動の地平や鈴コン、郵政非正規ユニオンの地平の伝播力だとか獲得性がすごい。吉本さんなんかが自分たちの闘争について語る。極端に言うと、それでいい。もちろんカリキュラムを組まなきゃいけないし、マルクス主義とか基本的なこともやる必要があると思うんだけど、だけど生きたマルクス主義がそこにある。今われわれが到達した地平を、労働者が中心になって職場の闘争を土台にマルクス主義を語っていく。自分たちが先頭でつかんだものを返していく。そういうイメージです。
入江 労組交流センターを結成して労働組合の交流センターにしようと思ったけど、なかなかそうなりきれないまま、ここまで来ている。労働組合を組織対象としていくという具体的な組織方針が不可欠だ。まず、
党員や交流センターメンバーがいる身近の労働組合をきちんと組織する作業をやるべきだ。なぜそれをやらなければいけないかというと、実は動労千葉も港合同も関生も唯一共通しているのはローカルユニオンなんですね。強力だけど地方組合だ。これが全国的に政治を動かす、権力を取るということはそれだけだと大変だ。やはり東京が政治の中心、権力の中心です。
 その点では東京に首都圏に労働学校というのは非常にいいと思う。いい突破口になるのかなと思う。
辻川 交流センターは基本的に入江さんにお任せして動労水戸とか動労千葉の闘争に没入してきた。入江さんからは、それでは水戸の闘争だって勝ちきれないぞという話だったんですけど、ス労をふくめて賭けてきてくれたことに対して、ちゃんと応えるような運動を実現しなきゃいけないと思う。中野さんが亡くなって入江さんがここまで何とかしてきてくれて自分たちが本気になって勝負するところに来ている。それは事務局長をふくめての飛躍が問われていると思うんですけど、全国組織としての掌握という問題と、やっぱり東京・首都で勝負をしていく。首都での勝負は、入江さん−ス労の全国性に依拠してあんまり自分らが意識的に努力しなくてもすんできたみたいなところがあった。でも13年に向けてここから勝負していく。それが入江さんの提起に対する答えかな。
田中 もう辻さんが言われたとおりなんですが、入江さんからおまえらもっと交流センターのことを真剣に考えろと言われて、実際そのとおりで、入江さんがこうやってやっていてくれたからこっちは外注化決戦を全力でやりぬけた。このご時世に全国的なこれだけの組織を持っていてあらゆる産別を小なりとはいえ結集していてここで勝負していこうということがあったときに中途半端なかかわりで成功なんてありえない。24時間、四六時中、交流センター運動をどうつくり発展させていくのか考えている人格がいなければ成功しない。もう一回交流センターに本気にならなきゃいけない。熱いものをつくりたい。
入江 何度も言うけど、交流センターをもう一度作るには、そこに組織する労働組合や産別労働運動を措定しておかないといけない。合同労組が実は一番困難で、本当に勝つためにも4大産別、基幹産業でしっかりした闘争、階級権力を取る闘争を目的意識的につくらなければいけない。そういう点でスト権ストの挫折の総括もふくめた国鉄分・民闘争の総括が必要だろうと最近特に思う。まがりなりにも闘って今も存在しているのは国鉄闘争だ。ここはちゃんと勝負になるし、敵の方も勝負がついてないと思うから攻勢かけてくる。
 反合闘争は究極的には妥協がない。多くは反対しながらあいまいな体制になっていく。だから今回、JRで外注化が強行されたからよかったと思うのは、無責任かもしれないけど、緊張が維持されることですよ。この緊張をどっちが維持し続けられるかで次の局面でどっちが有利になるか決まる。この闘争態勢を交流センターとして堅持できるようにする。そしたら必ず次のチャンスが出てきます。矛盾はいっぱいある。

 交流センターをロイヤリティのある存在に

辻川 交流センターを闘う労働者のロイヤリティのある存在に変えなきゃいけない。本当に労働組合を作って労働組合を武器に徹底的に資本と闘い抜いて自己解放するなかで、自分たちが交流センターなんだ、労働運動をやるのはここなんだという権威やロイヤリティを作り出さないといけない。われわれが10・1外注化決戦やりぬいて次のステージ行ったときに何で勝負しなきゃいけないのかを問われていると思うから労働学校の方針も提起している。交流センターを階級大衆の、闘いを欲している人たちの目に見えるものとして登場させる。私たちは交流センターを名乗っているけど党で勝負しているからいいんだとか、ここは余分な会議なんだけども一応入江さんが来てるしとか、そういうあり方をぜんぶ変えようということなんですよね。そのためには東京で交流センター労働学校で勝負する。労働組合で団結して闘争したらものすごいことができる。労働者にはすごい力があるんだってことを伝えられる。今年1年間の闘いはぜんぶそのことを証明した。それを大きな規模で組織的に展開するところに挑戦すべきだ。そうじゃないと勝ちきれないですよ。
田中 交流センターというアイデンティティの話です。交流センターを、これが俺たちの労働組合なんだと言えるものにどう作るのか。動労千葉の組合員が動労千葉を絶対的存在と考えているように、そうならなかったら発展しない。それを作る大挑戦なんだと思うよね。
 (12月15日収録)

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月刊『労働運動』(274号4-1)(2013/01/01)

外注化阻止・非正規職撤廃で、闘う労働組合を甦らせよう!

2013年の決意

 外注化絶対反対で「経営構想V」を打ち砕く

 動労水戸委員長 石井 真一

 動労水戸は一年間、検修・構内外注化攻撃と被曝労働阻止の闘いを全力で闘い抜いてきた。この攻撃の本質は何か。世界大恐慌の波は世界を覆いつくし、世界の資本家どもは労働者を非正規雇用に突き落とし、搾取を強化すること以外に生き残れない。JRは日本のリーディングカンパニーとして資本家の先頭で、安全を投げ捨て現場労働を全面的に外注化しようとして、検修・構内外注化に突き進んできた。だからこの闘いは、世界的な闘いであり小さな一企業の闘いでなかったということだ。
 JR東日本は10月、「グループ経営構想V〜限りなき前進〜」という方針を打ち出した。ここでは第1の出発点を、国鉄改革は私たちの変わらぬ「出発点」であるとし、闘う労働組合解体こそ原点であることを確認している。第2の出発点として3・11東日本大震災をあげ、鉄道という社会インフラを担う企業として「世界に伸びる」ということを打ち出した。さらに、原発警戒区域を含む不通区間への対応として、広野〜原ノ町間の復旧の検討を打ち出した。自民党が大勝した今、原発継続と再稼働、被曝は問題ないとするキャンペーンがさらに強まることは容易に推認できる。闘うために構え直さなくてはいけない。
 JR東日本は、検修・構内外注化攻撃にとどまらず、外注化攻撃をすでに駅に拡大することを公言し、さらに車掌・運転士へと全面化させることは火を見るよりも明らかだ。それをJRが貫徹するには、闘う労働運動の解体が大前提になる。確かに国労は、1047名解雇撤回闘争について政治和解した。しかし、動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎・動労西日本という動労総連合が、反合・運転保安、外注化絶対反対を掲げ闘い抜いていることは、いつ労働者の怒りに火がつくかもしれないということを、JRののど元に常に突き付けているということだ。
 10月1日、検修・構内外注化は強行された。しかし、東労組と国労幹部の裏切りについての怒りは全く収まってはいない。鉄道サービスの労働者もJRの労働者も分断されたことによって次々と起きる問題について、怒りは蓄積するばかりだ。東労組にいるメリットは今やない。まして国労にいるメリットもない。動労水戸以外に闘う労組はないからだ。ここに展望があると思っている。来年も全力で、ポジティブに闘っていこうと思っている。
(写真 動労水戸、昨年10・1外注化後初のストライキ。JR水戸支社に怒りのコール【2012年11月30日 水戸市】)

 役員選挙闘争に勝利し、たたかう三教組≠奪い返す

 神奈川県労働組合交流センター三浦半島教育労働者部会

 民主党の「壊滅的敗北」と日教組を敵視する極反動・安倍新政権の登場に、既成組合執行部は戦々恐々としています。選挙結果に見える日帝の政治危機と連合支配の根底的動揺は、大失業と戦争の時代に立ち向かう階級的労働運動をとりもどす歴史的なチャンスが来た!ということだと感じています。
 三浦半島教労部会は、年明けとともにたたかう三教組≠職場に奪い返す役員選挙闘争に突入します。体制内指導部は、組合員の生活と権利を守るどころか賃金闘争の重要性を訴える青年組合員に対して、「こんな厳しい情勢では市民から理解されない。今は闘うことは無理なんだ」と言ってのけました。闘いを放棄し大幅賃金カットへの「協力」を組合員に強制したばかりか、組合員の怒りの決起を抑え込もうと必死です。殺人的な多忙化攻撃に対しても、教育委員会の「多忙化解消」政策に乗っかって職場の団結をみずから解体し、「パートナー」の名のもとに攻撃の片棒を担いでいるのです。一体誰のための、何のための組合なんだ。
 こんな執行部は変えるしかない! 今こそ組合を変える時です。体制内三役の得票は毎年減ってきています。これは日々職場闘争を闘い、さらに動労千葉物販や6・29署名運動をとりくむなかで、私たちの考え方が浸透し、闘う団結が拡大してきているということです。でも、少しずつの伸びなんかじゃダメなんだ。
 大失業と戦争の時代に、現場で踏ん張っている教育労働者はたたかう日教組の再生≠熱望しています。私たち部会の役員選挙決戦は、その先端を切り拓く歴史的闘いです。会員が職場の団結の組織者になろう! 部会の強固な団結を基盤に、職場の怒りを束ね、職場闘争をつくり出そう! 青年労働者を先頭にして全組合員の職場からの総反乱をつくり出そう!
 「教育の民営化絶対反対!非正規職撤廃!全原発廃炉・福島連帯!」を掲げ、たたかう三教組≠私たちが絶対につくり出します。ともにがんばりましょう!

 闘う労働組合の登場で橋下打倒へ!

 大阪市職組合員、「入れ墨調査」拒否処分者 赤田由行

 橋下登場から1年、入れ墨調査拒否処分撤回闘争、斎場解雇撤回闘争、喫煙処分撤回訴訟、チェックオフ個人訴訟、など本部の屈服を乗り越える現場労働者の自発的な決起がいよいよ始まっています。しかし市労連はこれ
らの闘いを「労働組合としてはやらない」としています。交流センターは9・16―11・4をもって、「自治労本部打倒」「全ては労働組合の問題だ」ということを鮮明にさせて闘い、現場との結合を勝ち取ってきました。いよいよこの闘いが現場労働者の結集軸となるときがきました。
 総選挙における投票率の激減が示しているのは、労働者の怒りが行き場を失い、それでも方針を求めて渦巻いているということです。闘う労働組合の登場のみが、この怒りの全てをひとつにすることができます。動労千葉の外注化阻止決戦にはその力があります。大阪市においても、上下水道・交通・保育所・ごみ収集などをはじめとして、いよいよむき出しの外注化攻撃が始まっています。自分の働く建設局でも「下水道経営形態変更」という名の民営化攻撃が始まっており、当局が平成27年度からの「新組織への転籍」に向け「退職願を提出していただくことになる」などという文書を発表してきました。大阪市の下水道事業は「現在のところ、健全かつ低廉な経営による自立した公益事業」とさえされているのです。それでも経営形態変更を行うことを「今後維持費用が上がり赤字になるからだ」と強弁していますが、民営化・外注化とは、まさにその維持費用を切り捨てるということです。
 この経営形態変更には労働者を納得させるだけの口実さえありません。橋下はこの1年で現場の団結をつぶすことができず、どんなに無様でもこの攻撃をやるしかないところまで追いつめられています。組合本部が「民営化・外注化反対」の旗をあげない中で怒りの声はまだ大きな形になっていませんが、交流センターの「絶対反対」の闘いが、必ず結集軸になっていくと確信しています。2・24橋下打倒集会はこの現場労働者の怒りと圧倒的に結合する闘いになります。特に全国の自治体・教育労働者のみなさん! 職場の仲間とともにご結集をよろしくお願いします。
(写真 2012年9・16橋下打倒集会【大阪市役所前】)

 3月雇い止め解雇阻止! クビ切り・外注化・非正規化の電子カルテ絶対反対!

 広島連帯ユニオン推進機構支部 宮原 亮

 私たちは財団法人広島県地域保健医療推進機構という広島県が出資する外郭団体で働く非正規労働者を中心に結成されたユニオンの支部です。仕事の内容は主に健康診断。レントゲン車などを運転して事業所の健診や市町村の住民健診を行なっています。私はそのなかで検診車の運転業務や受付の業務をしていて、1年契約の嘱託職員です。
 私たちの支部はいま、今年3月末の非正規職員の雇い止め解雇阻止、クビ切り・外注化・非正規化のための新システム(電子カルテ)絶対反対を正面課題として闘っています。
 当局は、これまで紙の手書きカルテで行なっていた健診業務を今年4月1日からペーパーレス化する「新システム」の計画を進めています。この中で、当局がこの新システム導入とあわせて検診車運転業務の廃止と外注化、受付業務の外注化を策動していることが明らかになりました。
 この攻撃は、自治体における外注化攻撃、医療産別における外注化攻撃の一貫の攻撃です。直接雇用の非正規職員を解雇して外注化するというやり方はJRの契約社員制度と全く同じです。すでに運転や受付だけでなく看護師まで派遣労働者が導入されています。この中で非正規職員は超低賃金と「いつでも取替えのきく労働力」扱いの差別的待遇におか れています。
 しかし、やりたい放題の当局の攻撃に対して昨年支部を結成し、職場ビラと団交で当局を徹底追及してきました。
 「子どもや将来の世代に非正規しかない社会を残すわけにはいかない」と昨年の11・4労働者集会には職場の仲間も参加しました。職場では現場の声を無視した新システムに正規・非正規をこえて不安と怒りの声が巻き起こっています。怒りの声を労働組合運動としてひとつの力にできるか勝負どころです。クビ切り阻止!非正規職撤廃!外注化絶対反対!でたたかいます。

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月刊『労働運動』(274号5-1)(2013/01/01)

解雇撤回・JR復帰の判決を!

動労千葉本部執行委員、協販部部長 中村 仁

 11・4労働者集会で呼びかけさせていただいた「解雇撤回・JR復帰」を求める署名に多くの団体・個人より賛同・署名が寄せられています。本当にありがとうございます。
1047名解雇撤回闘争は、国鉄分割・民営化という国家の不当労働行為を「終わったこと、過去のもの」にさせない闘いであり、今の労働者の置かれている現状を「しかたない」などと、させない闘いです。
12月17日、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審第1回公判が開かれました。公判前に、東京高等裁判所前において動労千葉、動労水戸、連帯高崎の組合員と支援する仲間たちが結集し、高裁へ向けてJRへの採用を訴えてシュプレヒコールを叩きつけて控訴審公判にのぞみました。
東京高裁824号法廷において、難波裁判長のもと、被告鉄建公団を圧倒する支援する仲間たちの結集傍聴の中で一審原告代表として中村が意見陳述を行いました。(右掲)。
その後、原告代理人の4弁護人から、この公判は、過去の不採用裁判と全く違い新しい真実が明らかになっていること、よって過去の判例に流されてはならないこと、そして地裁で認定した不当労働行為を今一度明らかにするためにも「葛西証人」の証人尋問が必ず必要であること、そして国鉄の不当労働行為を認め、「解雇撤回・JR復帰」の判決を求める力強い陳述が行われました。
裁判後、報告集会が開催され、葉山弁護団長は、「現在の学説では、不当労働行為に対する救済は単なる原状回復ではなく『少なくても原状回復』というのが主流だ。原告を名簿に記載されていた状態に戻すこと、つまりは必然的にJR職員としての地位が回復されねばならない」と控訴審での課題が述べられました。

(写真 鉄建公団訴訟第1回控訴審【12月17日 東京高裁前】)

 次回の第2回裁判は2月27日(水)午後2時30分、東京高裁です。多くの傍聴をお願いします。

全国を12冬季物販オルグで回って

12冬季物販オルグは、署名運動と物販オルグでの闘いでした。はじめに訪れたのは、被災地・宮城でした。東北は、私が国鉄マンとして社会に出た所であり第2の「ふるさと」です。事前に、署名のオルグで各職場を回っていてくれました。感謝です。初めて訪れた新潟でも、事前に回っていてくれました。ありがとうございます。
大阪の高槻では病院労働者の方々、地域の労働者と交流会を重ねる中で闘う団結が拡大しています。彼らは正規・非正規を越え連帯し苦しみながらも労働者のための労働組合を取り戻そうとしています。
宮城、新潟、岡山、高知、そして大阪、京都、現地でいっしょに回っていただいたみなさん、ありがとうございます。オルグを終え、千葉で皆さんの注文の箱詰めに休む間もなく高石さんと頑張っています。
みなさんの力をいただいて「解雇撤回・JR復帰」を勝ち取ります。そして外注化攻撃により強制出向させられた組合員のJR復帰も必ず勝ち取ります。そしてこの現場での闘いが、被災地・東北、福島との連帯に絶対につながると信じています。
引き続き、署名運動と物販へのご協力をお願いします。
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 意見陳述書

 

6月29日、東京地方裁判所民事11部、白石裁判長は、私たち動労千葉組合員が、当初は採用者用候補者名簿に登載されていたにもかかわらず、JR設立委員会への名簿提出期限が迫った段階で急遽「不当な目的、動機」に基づいて「停職6ヶ月以上、又は2回以上の停職処分を受けている者」という「採用基準」が作られ、名簿から外されたこと、それを指示したのが葛西職員局次長であったことを認定した上で、次のように判断しました。
「国鉄当局としては、一旦は原告を含む動労千葉組合員を基本的には採用候補者名簿に記載する方向で動いたにもかかわらず、改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に所属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、名簿不採用基準を策定したと推認するのが相当である」として、国鉄の不当労働行為を明確に認めました。
さらに判決では、「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されていたはずであるといいうる」と言い切っています。ここまで明確に認定すれば、本来、「解雇撤回」以外の結論があるはずがありません。
われわれ動労千葉9名は、本当であればJRに採用されていなければならなかったということです。
判決でも認めているとおり、改革労協(現JR総連)の横やりを受けて「停職6ヶ月又は停職2回以上」という不採用基準を作ったこと自体不当労働行為です。
さらに、不採用の基準とされた「停職」処分について言えば、ストライキで処分された組合員の解雇が撤回されている以上、われわれの停職処分も不当処分であり、なかったということです。
不当処分の上にさらに不当な採用基準を設けた上で、一旦は採用候補者名簿に登載されていたわれわれを不当労働行為意思に基づいて意図的に排除したことであり、幾度もの不当労働行為が繰り返されたのです。東京地裁が「不当労働行為」と認めた以上、現状を回復する以外にありません。名簿に登載されたものとして扱い、JRに採用されなければならないと思います。
国鉄分割・民営化から25年が過ぎました。われわれは、この25年間、JR不採用になった怒りと悔しさを忘れたことはありません。この25年間の悔しさを東京高裁の裁判官には本当にわかってもらいたいと思います。
最後に、東京高裁の裁判官にお願いします。事実を事実として見ていただいた上で、東京地裁判決に基づき、われわれを是非JRに戻すための公正な判決をお願いする次第です。
以上
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みなさんの力をいただいて「解雇撤回・JR復帰」を勝ち取ります。そして外注化攻撃により強制出向させられた組合員のJR復帰も必ず勝ち取ります。そしてこの現場での闘いが、被災地・東北、福島との連帯に絶対につながると信じています。
引き続き、署名運動と物販へのご協力をお願いします。
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国鉄分割・民営化で不当解雇から26年

2・17労働者集会

日時 2月17日(日)5時〜(開場4時半)
場所 すみだ産業会館(東京都墨田区江東橋3−9−10 JR錦糸町駅前)
呼びかけ 国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

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月刊『労働運動』(274号6-1)(2013/01/01)

星野を取り戻す闘いと世の中を変えていく闘いをひとつに

星野 暁子

 獄中にも、本格的な冬の寒さが、訪れている。今冬は、購入品目の中に、耳あてと使い捨てカイロが入ったというので期待したが、「必要に応じて」と、文昭の手元には届いていない。昨年の最後の12月の面会で、文昭は、一年を振り返って、次のように言った。
 「今年は、数年分の充実した一年だった。3・11情勢があり、それに重なるような形で非正規の現実がある。それと格闘しながら、みんなとの団結をつくっている。これでやっていけるという確信を持てるようになっているのが大きい。それができるのは、暁子が僕のアピールを携えて、いろんなところで発言してくれたからだ。一番うれしかったのは、暁子が、僕の38年、いっしょにいきた26年は、見せしめのための年月ではなくて、それをひっくり返し、解放に向けて日々無期に勝利してきた38年、26年だったと言ってくれたことだ。僕にとっても、みんなにとっても、大きな励ましになっている。星野を取り戻す闘いと世の中を変えていく闘いを一つに闘うことで、展望を開いていくと暁子が言っていることも僕には、本当にうれしいよ」

 獄壁を打ち破った2・5闘争

 文昭の獄中38年の闘いは、無期に屈しない日本の階級的労働運動をつくっている。そして、分断を許さず、本物の団結と力をつくりあげていると言える。
 血を流し、死から生へ、分断から団結へとたどってきた闘いが、労働者を激励する闘いとして甦っている。そのことが、あらためて自覚されたのは、昨年の2・5徳島刑務所包囲闘争だった。労組交流センターと〈星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議〉は、600人で、徳島刑務所包囲闘争を貫徹した。「集団面会をしたようだ」と文昭が言ったように画期的闘いだった。「星野さんを取り戻すぞ!」「受刑者を人間扱いしろ!」の声を届けるために、心をひとつに団結し、奮い立った誰もが感動の渦の中にあった。そして、獄中と周辺住民をも揺さぶった。巨大に見えていた獄壁≠ェ打ち破られたのだ! ともに闘ってくださった労組交流センターのみなさんに感謝します。
 これに対し、徳島刑務所は、面会も差し入れも認めない2名の禁止処分と、2・5に関することはすべて墨塗りにするという攻撃をかけてきた。集会とデモを行うのは、労働者人民の権利だ。そのうえ、2・5は許可された合法的なデモであったにもかかわらずだ。
 さらに、3月30日、東京高裁第12刑事部は、第二次再審請求に対して、棄却決定を出してきた。棄却決定文は、デモ当日、文昭の着ていた服の色が、Kr供述にある「きつね色」ではなく、「水色」であることを認めながら、なんと「Kr供述は、誘導を行なったから、記憶喚起が出来たのであり、実験では、誘導を行なわなかったから、記憶喚起が出来なかった。誘導は、不当なものでない限り、記憶喚起に有効だ」と誘導を肯定し、心理学の知見を否定したのだ。
 ただちに全国で抗議の街宣が取り組まれ、3回にわたって東京高裁に対する波状的デモに取り組んだ。そして、全国の様々な再審運動が苦闘している証拠の全面開示を、星野再審においてこそ実現しようと、証拠の全面開示大運動を開始した。今、賛同署名は、弁護士240人、全体で720人と広がっている。

 11・23集会の成功から全証拠開示へ

 そして、11月23日に行なわれた全国集会は全証拠開示運動の正しさと展望を指し示して、大きな成功を勝ち取った。集会は、3部構成で、第一部は「全証拠開示運動の賛同人の発言」だ。まず、藤田城治弁護士が、再審の現段階と全証拠開示の意義を鮮明に提起した。そして、6人の賛同人から、星野を取り戻すための熱いメッセージが寄せられた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人・金元重さんは、「私自身が無実の罪で、北朝鮮のスパイ容疑で起訴され、7年の刑務所生活をしたことから、星野さんが38年耐えてきた、夏の暑さ、冬の寒さの苦しみ、読書や執筆が制限される苦しみを痛切に感じます。今38年の獄中生活を送っている星野さんの根本的な解放のために、私たちが刑務所のあり方を告発していくような幅と考えをもっていく必要があります」と涙ながらに発言された。
 映画カメラマンの大津幸四郎さんからは、高崎経済大学時代、処分されるとわかっていて自治会室に入り込んだナイーブで正義感の強い若き日の文昭が紹介された。
 第二部の文昭と私の発言と事務局・救援会からの発言、第三部の的確な弁護団の発言、家族の発言などを土台に、今回の集会は、賛同人の発言が、開始された全証拠開示大運動の進展状況を示すものとして注目された。そして、圧倒的に成功したのは、証拠の全面開示大運動という形での内容と方向性の提起だ。発言者の誰もが、無期38年という文昭の刑の重さに向き合い、そこからの解放の取り組みを自らの生き方を示すものとして表現した。そのことによって、一人の賛同人が新たな賛同人を作っていく全証拠開示運動の展望がはっきり示された。

 2013年 星野文昭解放へ総決起しよう

 2013年、星野奪還運動は、「この道を進む」。文昭たちが闘った沖縄返還批准阻止闘争は、オスプレイに怒る、今の沖縄の苦しみを撃つものとしてある。星野闘争は、この闘いの継続としてもある。
 第一に、文昭が言っているように、すべての労働者人民の未来がかかった闘いとして、証拠の全面開示大運動を進める。星野闘争をともに闘うことで、階級的労働運動が前進し、階級的労働運動が前進することで星野闘争が前進する。このもとに新たな人々を獲得する。 第二に、星野を取り戻す闘いと、国鉄全国運動、非正規の闘い、反原発の闘い、そしてオキナワの闘いを一体に闘う。
 第三に、全証拠開示運動を、すべての冤罪被害者、関係者の思いと一体に実現していく。
 今年は、戦争と改憲の安倍自民党政権との、激突の年になる。その中で、無期に屈しない文昭の闘いは、労働者人民の背中を押す闘いとして、激励するものとして生きるだろう。
 『国際労働運動』2月号(前進社)に、星野闘争の特集が組まれている。ぜひ、読んでほしい。
 一体に闘い、ともに勝利しよう。

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月刊『労働運動』(274号7-1)(2013/01/01)

■闘う合同・一般労組

12・14ウイングホール柏斎場労働運動弾圧裁判

3年間の仕事外しを違法と認定 事務組合に慰謝料50万円の判決

原職復帰させた職場の団結は、裁判所をも圧倒

綿貫 透 千葉労働組合交流センター自治体労働者部会、ちば合同労組

  ついに東葛中部地区総合開発事務組合(=柏市)との民営化をめぐる攻防は、勝利的地平に突入しました。ビラ配布や「門前闘争」への参加を「地方公務員法違反」とでっちあげての「停職1カ月処分」や、「労働運動をやめるまで仕事をさせない」と豪語してきた3年近くの仕事外しに対して、10月1日には原職に復帰し、ハンドルを取り戻しました。
12月14日には千葉地裁松戸支部をして、管理職を「不法行為」と断罪させ、慰謝料を支払うことを通告させました。どんな攻撃でも闘えば勝てるということを実証をしたと思います。
判決は「3年近くの仕事外しは、管理職の不法行為と認定。慰謝料50万円を綿貫さんに払え」とする一方で、停職1カ月処分については「有効」であるとしました。同僚の机に置きビラをしたことなどが「職務専念義務違反」、勤務時間外に行われた委託労働者の解雇撤回の門前闘争に参加したことが「信用失墜行為」だと認定しています。団結権を一切認めずに、労働運動解体の意志に貫かれています。一体の攻撃ですが、判決は両者をあえて分断してるのです。
しかし、判決前の10月1日からの現職復帰と、3年近くの仕事外しはおかしいと日に日に高まる怒りの声によって、裁判所をして「多大の精神的苦痛を被ったことは容易に推察できる」として、賠償金の支払いの仮処分付きの決定を勝ちとったのです。「門前払い」が当たり前の中で、現場の闘いによってぶち破った結果です。
また判決当日は、25人の仲間が結集して、ある人は年休を取り、ある教員は期末テストの忙しい中を抜け出して駆けつけてくれました。反動判決を聞いて、「労働組合として、絶対に許せない!」と地裁は怒りに包まれました。
(写真 山本志都弁護士【中央)から報告を受ける綿貫さんと支援者【昨年12月14日 千葉地裁松戸支部】)

(写真 「沖縄新基地建設反対・オスプレイ配備反対」デモに参加したた綿貫さん【昨年5月14日 沖縄県名護市】)

 次は民間委託攻撃をはねかえすぞ!

 

公判後の報告集会では、山本志都弁護士の「労働運動弾圧裁判として闘い、現場で闘い続けたことが裁判所も認めざるを得なくなった核心」との提起を受け、習志野市役所の仲間、東京の自治体労働者、医療労働者などから圧倒的に勝利の感想が出されました。
職場では、完全民営化が示唆されています。復帰してすでに3カ月近くになる今、当局は安全や「効率」をそっちのけで、労働者を分断することに血眼になっています。現場のみんなも同じ攻撃と闘っているんだと、日に日に感じています。判決の報告を聞いた民間の仲間も激励してくれました。職場全体のために闘っていることがわかれば公務員バッシングははねかえすことができると実感しています。さらに、「処分撤回」闘争を軸に、団結拡大へ闘っていきます。
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(写真 2012年12月5日付千葉日報)

 判決骨子 「斎藤場長の違法性について」

……運転業務を外させた行為は、そのような必要性は認められない。正当な懲戒処分を経ることなく、事実上の制裁というべき状態をしいている。
 斎藤場長の@〜Bまでの行為は、原告の活動を抑え込むために、職場から孤立させる行為であって、人格的利益の侵害であるから、不法行為である。
 斎藤場長の行った、すくなくとも1年以上にわたる業務外し、ホワイトボードの設置、回覧から除外した行為により、原告が多大の精神的苦痛を被ったことは容易に推察でき、この損害額は50万円とするのが相当である……
(注)@平成21年9月から霊きゅう車の運転業務から外し、同年12月からはシュレッダーかけなどの雑務のみ専念させ、ほとんどの時間を自席に座って漫然と過ごす状態に至らせ、A回覧文書を原告に回覧させないようにし、Bホワイトボードを設置して、右側以外の視界を遮断させる状態にすることにした。
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月刊『労働運動』(274号8-1)(2013/01/01)

ひめじょおん――女性部から

「給食食べた」にかこつけた公務員バッシングを許さない

女性部事務局長 辻川あつ子
 昨年12月19日付け東京新聞に兵庫県西宮市の市立保育所調理員の問題が載りました。内容は、子どもたちの給食の余りを、調理員が昼食として食べていたというものです。始まりは、市議会で議員が、「元調理員から、『自分たちの昼食に給食を食べていた。子どもの分が不足する事態も起こっていた』と聞いた」という質問を出して、市が調査したというものです。市の調査の結果は、13園中8園が、子どもが欠席して余った分は食べていたと回答し、市は、「昼食は持参し、余ったものは廃棄すべき」という見解を公表しました。それが、インターネット上で、余ったものを廃棄するのは、もったいないなどの論争に広がったとの報道でした。市議会で質問した議員は、「職場のいじめで辞めた元調理員から、揚げ物が献立にあるときは片付けが面倒だから休む、保育士に協力しない、など問題のある同僚がいたと告発があった。給食の残り物をどうするかではなく、市や保育所長の監督が行き届いてないことを改善することが質問の主旨」と言っています。
(写真 2012年12月19日付東京新聞)

 安全を脅かす民営化・外注化

 公立保育園の保育士の約半分が非正規雇用という現状の中、この西宮市の調理の労働者は、どのような雇用形態なのでしょうか。今回の「公立保育所の調理員がタダで給食を食べていた」は、必ず公務員バッシングにつながります。そもそも子どもたちに食べさせる物を調理員が食べて、何が悪いのかと思いますが、子ども・子育て新システムを遂行するために、政府は虎視眈々と労働者への攻撃を狙っています。戦後、女性労働者が闘い取ってきた労働者の権利を奪い、子どもたちの福祉を、措置から契約に転換するなど、外食・給食産業や教育産業の大資本が、保育を金儲けの対象にすることを総力でやろうとしています。
 女性部の会員の中にも、調理の仕事をしている方が何人かいますが、重労働で火傷やケガの労災と隣り合わせという大変な環境だそうです。民間の場合は、特に少人数で加重な労働となっているそうです。また、子どもたちの給食や病院の給食は、食べてはいけない物の制約があったりして、間違って食べたものが、子どもや患者の命を危険にさらす場合もあり、非常に気を使う仕事でもあるのです。公立の現業部門の外注化は職場の安全を脅かし、子どもたちや労働者の安全も守れません。
 笹子トンネルの崩落事故を見て下さい。完全に事故は、外注化がもたらした結果です。
 国鉄分割・民営化が強行されようとする時期の新聞の見出しに「暑さで、職員たるみ、線路もたるむ」とありました。私はこのことを一生忘れません。公務員バッシングを許さず、闘う労働組合を甦らせましょう。
 JRの外注化決戦を徹底的に闘い、4大産別を先頭に、すべての職場で外注化・非正規職化と対決する団結を拡大しましょう。

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月刊『労働運動』(274号9-1)(2013/01/01)

地平線―反戦共同行動委員会―

山本太郎選挙から見えてきたこと

 北島邦彦 都政を革新する会事務局長

 今回の総選挙・東京8区(杉並)で山本太郎さんが獲得した71,028票は、すがすがしさに満ちあふれたすばらしい勝利≠示しました。超反動・安倍政権との対決―原発再稼働・大増税・TPP強行・改憲などの攻撃に対して、労働者人民の闘いの展望を切り開く勝利でした。
 「誰にも入れたくない選挙」(首相官邸前)に「これならどうだ!」と敢然と立ったのが山本太郎さんでした。「反核運動発祥の地・杉並だから」「原発推進の自民党最強候補がいる杉並だから」との決意に応えて、選挙ボランティアの若い人たちが全国から集まり、織田陽介事務局長(「山本次郎」と!)を先頭にNA
ZENの仲間たちも参加。戦後最低の投票率が云々された今回の総選挙、全国平均59%に対して杉並は64%、票数にして2万票のUPです。20〜30代の青年層が投票した結果だと推測されます。
 杉並に職場がある東京西部ユニオン青年部組合員の話を聞くと、職場でも山本太郎選挙が話題になっていたとのこと。労働現場の政治的活性化です。全員が20代、非正規のアパレル職場の仲間は、自民圧勝―安倍政権登場に、「もう生きていけないよ!」の声が噴出し、職場を中心にした劣悪な生活状況が政治と深く関わっているのだという意識が急速に生み出されていると思うと言います。
 「自民圧勝、民主壊滅」の結果は、日本の政治が後のないどん詰まりに陥ったことを示しています。戦後民主主義と新自由主義の破産は、再登場した自民党政治によって、どん底まで転落するのは明らかです。その結果、労働者人民に犠牲転嫁されるツケは、戦慄すべき大きさとなるでしょう。安倍政権は、超反動政治を満展開してきます。階級闘争のむき出しの激突の開始です。また、総選挙や都知事選でも、社・共がまったく労働者人民の怒りを受けとめる存在でないことも明らかとなりました。連合・全労連の大分岐も始まります。連合東京による猪瀬直樹候補支持の決定など、その典型です。
(写真 選挙最終日、高円寺駅前で山本太郎さんと若者のエネルギーが炸裂【12月15日】)

 都革新支持者も決起

 都政を革新する会も、NAZENの仲間とともに全力で山本太郎選挙の応援活動を行ないました。1週間そこそこの短い時間しかありませんでしたが、3,000人を超える支持者の方々への電話をはじめとする声かけなど、圧倒的な選挙活動を貫徹することができました。その中から、ただたんに山本太郎さんに投票するだけではなく、自分自身が周囲への声かけを始める支持者も多数生まれました。こうした主体的な力が獲得した71,028票だったと思います。支持者の方々との接点も新たに掘り起こされ、都政を革新する会自身にとっても重要な成果をあげることのできた選挙闘争でした。
 山本太郎選挙は12・16投開票日をもって終わったのではありません。この日から始まったのです。杉並における、杉並から発信する新たな反核運動―反原発闘争の形成に向けた展望を開きました。この力で超反動・安倍政権―橋下・石原を撃破しましょう!

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月刊『労働運動』(274号A-1)(2013/01/01)

■Pick Up 2012年11月〜12月の労働運動関連情報

 新聞記事、ネット配信記事
●大阪市の勤怠不良職員274人 橋下市長、分限免職検討を指示【11/7 産経】
●こっそり押しつけられる放射能 拡大する管理なき被曝労働【11/8 HPダイヤモンドオンライン】
●欧州全土でゼネスト 数百万人が経済危機解決のための緊縮政策に反対【11/14 HP Democracy Now!】動画あり
●解雇は当たり前、ニッポン雇用の修羅場
【11/16 HP東洋経済オンライン】 「合計10回の面談で精神的に追い込まれ、自殺すら考えた」 NECグループで教育関連の職場で働く男性(44)は、今年5月から始まった退職勧奨を振り返る。
●韓国 非常勤教職員ストライキ、一部学校給食支障【11/24 HPイノライフニュース】
 労働組合状況
●日本最大の新産別「UAゼンセン」が誕生/労働条件改善の統一的運動等を運動の基本方針に【11/9 HP労働政策機構・研修機構】
●世論に背を向け、民主党政権に追随 第12回大会から1年間の連合運動――エネルギー政策・原発問題をめぐる動向 芹澤寿良【11/9 HP現代労働組合研究会】PDFで公開 
●猪瀬氏を連合東京が支援する道理はあるのか【11/27ブログ シジフォス】「反対意見は自治労、東交、私鉄総連だけだった」
●日本IBMの横暴な解雇を許さない、「ブラック企業のメダリストIBMの大量指名解雇に反撃する大集会」が11月27日に東京・日本橋公会堂で開催。【12/15 HP JMIU日本アイビーエム支部】
●連合に従わない自治労秋田県本部、「未来」支持【12/2 読売】
●衆院選:原発存続の踏み絵 電力系労組、民主公約に対抗【12/2 毎日】
●労組組織率、最低の17・9% パートは過去最高に【12/18 共同通信】
●TPP参加 労使で一致 経済同友会と連合【12/20 日本農業新聞】
●情勢を味方につけて、より一層、飛躍の年に 関西生コン支部・武建一委員長【1/1 HP関西生コン支部】
 書籍・雑誌・機関誌類資料
●『週刊東洋経済』特集「解雇・失業」【11.17】

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動労千葉労働学校 第12期労働学校日程
■基礎講座
 1月19日(土)13:00〜
 ◆労働組合と国家
 ◆講師 山崎 一(社会問題研究者)
 労働組合は社会変革にどういう役割をはたすのかについて明らかにする。
■実践講座
2月23日(土)13:00〜
◆裁判員制度と改憲
 ◆講師 高山 俊吉(弁護士・国鉄闘争全国運動よびかけ人)
 改憲の先取りとしての裁判員制度反対の先頭に立って闘っている。
■場所
 DC会館(JR総武本線「東千葉」駅前)

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月刊『労働運動』(274号B-1)(2013/01/01)

■元労働基準監督署長・大野義文の東風烈風

第4回

 不払い残業は犯罪です

 労働者が5分遅刻・早退すれば、経営者は厳しく賃金カット・懲戒処分にする。しかし、逆に5分残業しても残業代を支払おうとはしない。とにかく残業代を支払おうとはしない。
 毎年、厚生労働省発表の不払い残業の実態を見ると、企業経営者の犯罪は、常習的でさえある。2012年10月16日厚生労働省発表の2011年度の監督指導により支払われた割増賃金の額は、約146億円に上る。1,312企業を対象とし、労働者数では約12万人だ。
 この金額は氷山の一角だ。けだし、1、一企業で100万円以上の割増賃金が支払われた事例で、それ以下はこの統計に計上されていない。2、監督指導によって支払われた額である。それは、労働基準監督官が、割増賃金違反を指摘し、企業が是正したという意味だ。監督しなければ、企業は不払いのまま、労働者をこき使っている。3、監督官の数は全国の企業数に比べて圧倒的に少ない。監督から漏れた圧倒的多数の企業の中に、割増賃金を支払っていない企業は多数存在するだろう。
 企業の不払いの実態は、よくもまあ、悪知恵を働かせると思われるものばかりだ。@労働基準法41条二号管理監督者(労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者:1947年9月13日発基17号)の意味をねじ曲げ、『管理者』として残業代を支払わない(名ばかり管理職)、A自己申告制として、あたかも残業実態が申告されているかのように偽装。実態は過小申告。実態を申告する雰囲気でない(残業時間の多い者は、能力不足と見る、出世できないと暗にほのめかす等)、「残業代も出ず、未払い分を請求したら『お前はクビだ』と告げられた」(2012年9月28日付朝日新聞記事)、Bタイムカードを押さした上で、残業を強制。監督指導時はタイムカードを見せ、「残業ありません」と。C端数処理と言って、日々30分、1時間未満をゼロ計算。官庁においても、定時終了後、直ぐに仕事をしていても、終了後1時間経過後から残業代を計算。勿論、違法だ。(なお、県庁・市役所本庁などは、監督署の監督権限が及ばない【地方公務員法58条5項】)。この端数処理については、「1ヶ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること」は「常に労働者の不利となるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるから、労働基準法24条及び37条違反としては取扱わない」との通達がある【1988年3月14日基発150号】、D割増賃金の単価計算をごまかす。含まなければならない手当を基礎賃金に含めない等、E全く時間管理をしない、会社書類に残業の形跡を残さない等々である。
 われわれは、労働者の賃金・時間・健康を強奪する企業犯罪を許すべきではない。

 一回きりの人生 輝いて生きよう

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大野義文:
1950年1月生まれ。1980.4〜2010.3退職まで、広島、山口、徳島、高知の監督署・局で勤務

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月刊『労働運動』(274号C-1)(2013/01/01)

2011〜2012年『月刊交流センター』、『月刊労働運動』主要目次(下)

NO.262(2012年1月号)〜NO.273(2012年12月号)
※タイトル、筆者の表記は訂正・変更を加えているものがあります。

●NO.6(NO.262)(2012年1月号)
◇提言!全国労働組合交流センター%江史郎代表運営委員 ◇辻川慎一事務局長 ◇清野和彦さん(元福島県教職員組合委員長)前編 ◇2月徳島刑務所包囲闘争へ 星野暁子
●NO・7(NO.263)(2012年2月号)
◇特集 3・11福島大闘争へ 渡辺馨 福島県 労働組合交流センター代表、橋本光一 国労郡山工場支部書記長 ◇労働運動を語る 清野和彦さん後編 ◇講師撤回の闘いが切り開いたもの増田順計 日教組奈良市書記次長
●NO.8(NO.264)(2012年3月号)
◇第19回定期全国総会を徳島で開催 ◇3・18全国集会への総結集を! 灰垣美佐子 八尾北医療センター労働組合書記長 ◇ジェコー資本包囲弾劾闘争への参加を ◇吉野元久 副代表
●NO.9(NO.265)(2012年4月号)
◇特集 「復帰」40年 5・12〜14沖縄闘争へ柿本博人 沖縄労組交流センター代表、冨田晋◇田中康宏 動労千葉委員長 ◇東西春闘青年集会の報告と教訓・決意 青年部
●NO.10(NO.266)(2012年5月号)
◇第24回臨時拡大全国運営委員会の意義と獲得目標について 入江史郎代表 ◇辻川慎一 代表運営委員 ◇特集 国鉄闘争全国運動6・10全国集会へ 橋本光一 国労郡山工場支部書記長
●NO.11(NO.267)(2012年6月号)
◇第24回臨時拡大全国運営委員会 ◇神奈川労組交流センター ◇精研労組春闘スト ◇電通労働者部会 ◇「呉市交通局民営化絶対反対」植野定雄 ◇JP新大阪支店で組合結成 ◇新連載 地平線、Pick Up
●NO.12(NO.268)(2012年7月号)
◇特集 反原発、反戦・反核闘争の大高揚を!7・16反原発10万人集会の成功を 織田陽介 NAZEN事務局長、7・22反戦反核東京集会へ 三角忠、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ反戦反核闘争の大成功を! ◇岩本正治副代表
●NO.13(NO.269)(2012年8月号)
◇鉄建公団訴訟6・29判決と外注化阻止決戦の地平をつかみ、反転攻勢―組織拡大へ 長田敏之 動労千葉書記長 ◇9月橋下打倒大集会 ◇青森の反核燃闘争について 間山正茂 南部バス労組委員長
●NO.14(NO.270)(2012年9月号)
◇11月労働者集会第1回実行委員会 ◇9・15〜16第25回拡大全国運営委員会の成功を 飯田英貴事務局長 ◇9・16橋下打倒闘争へ 大阪労組交流センター ◇国労組合員資格確認訴訟の意義について(上)(11月号まで全3回) 星野文男 国労新潟
●NO.15(NO.271)(2012年10月号)
◇特集 11・4全国労働者総決起集会に集まろう! 動労千葉・鉄建機構訴訟6・29東京地裁判決の持つ意味と〈解雇撤回・JR復帰〉の新たな運動の展望について 葉山岳夫弁護士、動労水戸7〜9月闘争の報告 
●NO.16(NO.272)(2012年11月号)
◇11・4労働者集会第3回実行委員会 ◇動労千葉10・1〜5ストライキ闘争 ◇11・3労働者国際連帯集会に集まろう! ◇橋本光一 国労郡山工場支部書記長 ◇すべての青年労働者は11・4労働者集会に集まろう!
●NO.17(NO.273)(2012年12月号)
◇11・4労働者集会の地平をすべての職場に拡大し、外注化阻止・非正規職撤廃で階級的労働運動を甦らせよう 飯田英貴事務局長
◇全国各労組の取り組み ◇動労千葉国際連帯委員会 ◇郵政非正規ユニオン闘争から見えること 入江史郎代表

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月刊『労働運動』(274号D-1)(2013/01/01)

■読者のページ

 ●ストで闘う東交の再生へ 東交組合員 大木勇次

 都労連は、昨年11月7日、29分間時間内職場集会を構え、都庁職を中心に貫徹しました。それだけこの秋闘は組合の存亡を賭けた闘いでした。
 しかし東交本部は何を闘ったのでしょうか? 現場には闘いの空気すら伝わってきません。はじめから乗務も駅もスト対象から外れ、みじんも本気で闘う意志があるとは思わせない。いつから現場を絶望させるのが本部の仕事になったのか?
 東交組合員は「本部は絶対にストをやらないだろう」と思いながらも、「自分のため」そして「仲間のため」と、裏切れない気持ちで決起集会に結集してきたはずです。しかし、「もう残って
いるのは身分だけ」というほどの惨敗の結果に、「組合
は何のためにあるのか?」というのが組合員の本音ではないでしょうか。住居手当改悪に成績率拡大等等、退職手当の「経過措置」など、青年層には全く関係ありません。
 わずかばかり、数字的に都側提案より「圧縮」させたのは、結集した組合員の力にほかなりません。
 東交本部は「新3級職」設置を「前進した」と言うでしょう。しかしその中身は、技能主任の中から、それも55歳以上の中から一部の職員を選ぶというものであり、「賃金制度の改善」からはかけ離れたものです。それどころか成績率拡大とあわせて現場に競争と分断を持ち込むものでしかありません。組合の側からこのような要求を出すこと自体が間違っています。そもそも「新たな職」を「勝ち取る」までに、一体どれだけの賃下げを妥結してきたのか。闘って全職員の賃上げを要求することが組合の取るべき道です。
 都労連が「29分」を打ち抜き、闘う姿勢を示したことは、次の闘いにつながる大きな意味があります。あとは東交本部がストを決断すれば、事態をひっくりかえすことも可能なのです。
 今の本部に何を期待しても変わりません。現場から闘う東交をよみがえらせよう!(2012年12月2日付職場ビラを元にしました。)
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■編集後記
今年もよろしくお願いします。3代表座談会に襟を正し、2013年を交流センター運動の勝負の年に(う)

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月刊『労働運動』(274号E-1)(2013/01/01)

Photo Documennt 2012年11月〜12月

鈴コン闘争勝利へ!

12・1東京
「解雇撤回・非正規職撤廃 鈴コン闘争勝利へ 解雇1カ年決起集会」が東京・豊島区民センターで開催。会場あふれる185人が結集した。鈴木コンクリート工業分会と、7月15日結成の鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議は、団結と共闘の輪を着実に広げて集会の成功を勝ちとった。

郵政非正規ユニオン 都労委で勝利!

12・6東京
郵政非正規ユニオンの東京都労働委員会闘争が1年半に及ぶ調査が終わり、いよいよ証人審問が始まった。第1回審問には、60人以上の共闘労組の支援が結集し、傍聴席は満席。審問では、郵政当局のデタラメと、組合結成に至る闘いが明らかとなった。

国労組合員資格訴訟、国労本部を圧倒!

12・12東京
国労組合員資格確認訴訟の第6回口頭弁論が、東京地裁民事第11部で開かれた。裁判前と裁判終了後の宣伝行動と一体で、原告は、国労本部の主張を圧倒した。総括集会で小玉忠憲さん、羽廣憲さん、成田昭雄さんの各原告は、「手を緩めず、本部を最後まで追及する」と語った。

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