本部は自治労を産業報国会にするつもりか!!

2019年7月31日

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 東京自治体労働者ニュース「団結しよう」No.22 ★ 09年8月10日発行

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本部は自治労を産業報国会にするつもりか!!
 

 これが議案の骨子だ → 道州制議論に参加、民営化全面推進、北朝鮮への制裁要求
自治労熊本大会方針(案) はとんでもない反動文書だ!
 

 方針案を粉砕し本部執行部打倒へ 

 資本主義救済の立場から〝滅私奉公”の「働こう運動」求める< 

 自治労熊本大会の議案が7月25 日に公表されました。組合員を丸ごと産業報国会の道に引きずり込む歴史的反動文書です。怒りなしには読むことのできない代物です。議案は、 ①これまでの自治体労働運動を全否定し、自治労が新自由主義政策の担い手になることを宣言、②「道州制の議論への参加」を明記、③あらゆる合理化・民営化の積極推進へ公然と転換し、④北朝鮮への排外主義を露骨に扇動しています。本部はこの立場から、現場のすべての闘いをたたき潰すことを宣言しているのです。
自治労本部を本当に打倒すべき時が来ました。あらゆる職場で議論をまきおこし、怒りの反対決議を続々とあげよう! 各単組の執行部・代議員に対して、「どういう態度をとるのか?」「賛成することなど許さない」と徹底追及しよう! 8月熊本大会で否決に追い込み、本部を絶対に打倒しよう!

 今大会議案は、これまでの自治体労働運動を全否定し、根本的な転換を組合員に求めています。
本部は、世界大恐慌の中で絶体絶命の危機に立つ資本主義体制を救済・擁護する立場から、これまでの労働運動を「組合員利益の維持・向上のみを追求する」ものだと言いなし全否定。道州制・民営化攻撃と闘うどころか、その手先になることを大会の名において政府・財界に誓うというのです。こんなものは労働組合の方針でもなんでもありません!〝労働組合であることをやめます”という産業報国会化の宣言そのものです。

 自治労が新自由主義政策の担い手に

 大会議案は一見すると、新自由主義や小泉「構造改革」を批判するかのような体裁をとって「構造改革路線からの転換」を呼びかけています。これが実は、とんでもない大ペテンなのです。
その中身は、「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想」(第1号議案の第1章2)で明らかにされます。 

 ”消費税引き上げ

 議案には何が書いてあるのか?
「財政赤字が増大する中で、高齢化と人口減少の長期的な進行に対応できる行財政制度と社会保障制度を構築すること、地域社会の崩壊を食い止めることが喫きっきん緊の課題」
「公平・公正な負担と給付のあり方についても避けて通ることはできない」
消費税引き上げ、『社会保障目的税』化、地方消費税の扱いなどの検証」
これらはすべて政府・財界が行革攻撃の口実として言い立ててきた言葉ではありませんか。
驚くべきことに自治労本部は、〝持続可能な社会”を口実に、「負担と給付の再検討」(=さらなる負担増、給付削減のこと)や、消費増税にまで言及しています。「地方消費税」とは、橋下・大阪府知事らが主張している道州制のもとでの「地方消費税」のことです。
議案書は、「税財政の改革」「負担のあり方について積極的に議論」とか、「税の公正化のために納税者番号制の導入」(国民総背番号制のことだ!)など、あちこちで「財源確保」に言及しています。本部は、完全に資本家どもの代弁者に成り果てたのです。
労働者が生きていけないような社会を、どうして持続させる必要があるのか! 資本家どもが搾取と収奪の限りを尽くし、あげくに新自由主義政策を大破綻させて天文学的な赤字を作ったのです。どうして労働者が、資本家どもが作った借金を背負わなければならないのか。ふざけるのもいいかげんにしろ、ということです。 

 〝2割賃下げ”逆提案 

 この考え方に立って議案は、
「地域民間賃金準拠への圧力が強まっている」「下方圧力をはねのけることは極めて困難」
と、5月に自治労本部労働局が提案して紛糾した「自治体職員の標準的給与」(公務員全国統一賃金闘争の否定、賃金2割削減逆提案のこと)について
「合意と確立に向けた基盤整備
をする」
と、「2割賃下げの新賃金表( 案)」をゴリ押しすると公言。さらに、
「たとえ労使合意により慣行になっている事項であっても、市民の視線や社会状況を常に意識しながら労働組合として主体的に見直しの作業を進め、市民の理解と共感を得られる……運動を推進していく必要がある」
と言っています。これらは、民主党がマニフェストに記載した「公務員賃金2割削減」、労使慣行の廃棄に対応した部分です。組合の側が〝主体的に”屈服し、賃金引き下げを逆提案し、かちとってきた労使慣行すらも返上すると言っているのです。まさに奴隷の思想もいいところです! 

 「道州制議論に参加」をついに明言 

  自治労大会議案は、ついに「道州制の議論に参加」を公然と掲げました。これまで形だけは「道州制の拙速な議論には反対」としていたのに、
「真に地方分権に寄与するものとなるかどうか、国民合意が形成されているかどうか、を判断基準に議論に参加します」
と明示しました。この一文は決定的踏み込みです。
自治労本部は、道州制攻撃が公務員360万人のいったん全員解雇=選別再雇用の攻撃であることを百も承知で、道州制推進を大会決定しようとしているのです。
さらに議案は、各所で
「国―地方間の行財政システムの抜本的な転換をめざす」
「すべての自治体において財政分析に取り組み、持続可能な地域社会を支える地方財政を確立。そのため地方財政制度改革に取り組む」
「健全化計画への積極的な対応」と書き連ねています。 

 中田と同じ国家主義だ 

  当局の「財政健全化」攻撃に全面屈服し、民営化反対闘争や賃金闘争は一切行いません、現場からの反対運動は本部の責任でたたき潰します、と政府・財界に誓っているのです。
辞任表明した横浜市長・中田は、「このままいけば日本は本当に滅びてしまう」「国滅びて地方なし。国なくして個人なし」と発言しています。自治労大会議案も、中田の言っていることとほとんど違いません。本部の言っていることは、民営化・人員削減、労働強化や賃下げを認めたうえでの「働こう運動」以外のなにものでもありません。〝国難に際して組合員は滅私奉公せよ、それが公共サービスを担っているものの責任だ”と組合員を恫喝しているのです。 

 〝賃金闘争はやらない” 

 大会議案は、こうした道州制・民営化推進の立場から、
「個別労使関係における組合員利益の維持・向上のみを追求するのでは、社会的共感は得られず、孤立する」と、これまでの自治労―自治体労働運動の地平すら全否定し、職場のあらゆる闘いをつぶし、当局に協力する方針を打ち出しました。賃金闘争については、「賃金抑制については十分な労使協議・合意を前提とし、将来展望の明確化と組合員の納得性を重視した取り組み」
と「総人件費抑制」に反対する立場を完全に投げ捨てました。また、
「新たな人事評価制度の確立」
「勤務実績の賃金への反映」
と競争と分断のための人事評価制度、成果主義賃金についても積極推進を掲げています。さらに、
「現業労働者の任用替えへの対応」「公務員の雇用保険制度適用の検討」
とまで言っています。道州制の下での公務員の大量解雇があることを前提に雇用保険の準備に入るとまで言っているのです。他にも、
「『公の施設』管理において、幅広い選択肢の中から最善の方法をとることを求める」
と、公設民営・独立行政法人化・完全民営化など、あらゆる民営化に全面協力を宣言。
「保育制度の抜本的改革」
「地域医療と公立病院改革、経営形態変更」
など、政府・財界の立場に
立った「働こう」運動と民営化協力方針のオンパレードです。こんな本部は直ちに打倒あるのみです!
 

 北朝鮮に対する制裁=戦争を扇動 

 そして大会議案は、北朝鮮に対する排外主義扇動に公然と踏み切りました。
「6カ国協議を一方的に離脱した北朝鮮によるミサイル発射や地下核実験が行われるなど北東アジアの緊張は一気に高まった。こうした行動は許されるものではない。同国を協議の場に戻す働きかけが必要」
と対北朝鮮排外主義を煽っています。〝6カ国協議の場に戻す働きかけ”とは経済封鎖や臨検で戦争重圧を加えて北朝鮮を屈服させろ、ということに他なりません。これは、帝国主義者どもが戦争を仕掛ける時の言葉そのものです。
戦争危機の根源は、北朝鮮政府転覆を狙う米・日帝国主義政府にこそあるのです。これでは、「平和のために北朝鮮の基地をたたけ」「日本も核武装を」と要求する田母神俊雄・前空幕長の立場と変わりません。
政府は、4月の北朝鮮「ロケット」発射に際して、PAC3迎撃ミサイルを全土に配備し、全国でで自治体労働者や住民を戦争行動に駆り立てました。今こそ、自治労が総力をあげて戦争反対、一切の戦争協力拒否の渾身の闘いに立つことが問われているのです。
◇   ◇   ◇
総じて、自治労熊本大会の議案は、自治労本部の産業報国会への純化を決定づけるとんでもないものです。絶対に議案否決―本部打倒をかちとらなければなりません。いま労働者に問われているのは資本主義の救済・擁護でなく、資本主義体制そのものの打倒なのです。直ちに職場討議を開始し、怒りの弾劾決議をあげ、8月熊本大会に攻め上ろう!

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報告 被爆64周年8・6ヒロシマ大行動
全世界の労働者の団結で核なくせ! 戦争・改憲をとめよう!
戦闘的大デモの力で
“オバマ賛美”をぶっ飛ばしたぞ

8月6日、「全世界の労働者・民衆の団結で核をなくせ! 戦争・改憲をとめよう! 被爆64周年8・6ヒロシマ大行動」が広島県立総合体育館小アリーナで開かれ、全国から労働者や学生ら1800人が集まりました。集会後、広島市内デモを闘い、「ヒロシマ、ナガサキを繰り返すな!」「オバマ賛美をぶっ飛ばせ」「核武装を叫ぶ田母神を許すな」のシュプレヒコールで沿道の労働者と心を一つにしました。

(写真 核武装論者=麻生首相の祈念式典出席を徹底弾劾(8月6日 朝))
(写真 平日にも関わらず休暇をとって全国から1800人が結集(広島県立総合体育館))
(写真 前航空幕僚長の田母神俊雄が右翼団体主催の「ヒロシマの平和)を疑う」という講演会を8月6日の広島にぶつけてきた! 被爆者を先頭に、激しい怒りの弾劾行動をたたきつけた。右翼の街宣車が田母神の応援に来たが、デモ隊の迫力に一蹴された)
(写真 全国青年集会に570人が結集(8月5日夜)。青年が終始けん引した)

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▼8・15靖国参拝阻止デモ
8月15日(土) 午前8時30分集合
法政大学正門前・外濠公園▼ 「改憲は阻止できるぞ!2009」

8・15労働者市民のつどい
8月15日(土) 午後1時開会
なかのZERO西館小ホール
 

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Posted by m-center